JP2010071379A - 弁構造および燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度の圧力または流量制御性をもちながらも安価であり、小型で、簡素な弁構造及びこの弁構造を備える燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池システム1において、酸化剤ガスが流通する1次流路17aと該1次流路17aに連通して該1次流路17aより断面が小さい2次流路17bとの間に弁体19が設けられ、弁体19が1次流路17aに連通する2次流路17bの一端に密接して移動可能であり、かつ弁体19の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔19cを弁体19に形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池システム1において、酸化剤ガスが流通する1次流路17aと該1次流路17aに連通して該1次流路17aより断面が小さい2次流路17bとの間に弁体19が設けられ、弁体19が1次流路17aに連通する2次流路17bの一端に密接して移動可能であり、かつ弁体19の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔19cを弁体19に形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池システムの酸化剤ガスの圧力及び流量の制御に関する。
燃料電池では、燃料には水素、酸化剤としては酸素を含む空気が用いられ、水素は燃料側電極の触媒の作用によって水素イオンと電子に分離され、分離された電子が外部負荷を移動し電力として取り出される。水素イオンは電解質膜を通して酸化剤極に移動し、酸化剤側電極の触媒の作用で水素イオンと外部の負荷を回ってきた電子と酸素が結合して水が生成される。
このような、燃料電池システムにおいては、酸化剤としての空気を燃料電池システムに供給するために空気圧縮機が用いられ、空気圧縮機は、燃料ガスの供給量又は発電量に基づいて必要空気量が算出され、この必要空気流量が供給されるように空気圧縮機の回転速度を制御している。そして空気圧縮機から供給流路を通って燃料電池に圧送された空気は、排出流路に設けられた圧力調整弁や、供給流路と排出流路を接続するバイパス通路上に設けられたバイパス弁を開弁させたり閉弁させて、微妙な圧力調整や、流量調整の制御を行なっている。一般的に、流量調整を行なうバイパス弁については、用途は異なるが特許文献1に示すようなバタフライ弁や、特許文献2に示すようなポペット弁を弁体にもつバルブが利用されている。
特開2002−54512号公報
特開2006−25830号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来技術では、バタフライ弁の回転角に対する有効断面積は一定ではなく、特に回転角度が小さい低開度域においては、一般的に 図9に示すような急激に変化する特性を持っている。よって低開度域において所望の圧力や流量を得るためには非常に高い精度の制御が必要となる場合もあり、これにより、制御が複雑になったり、高性能モータが必要となりコスト高を招くという問題がある。
また上記特許文献2に記載された従来技術も同様に、ポペット弁の移動量に対して開口面積が急激に変化する特性を持っており、所望の流量を得るためには非常に高い精度の制御が必要となる場合もある。これにより特許文献1と同様の問題がある。
本発明は、高精度の圧力または流量制御性をもちながらも安価であり、小型で、簡素な弁構造及びこの弁構造を備える燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池システムにおいて、前記酸化剤ガスが流通する1次流路と、該1次流路に連通して該1次流路より断面が小さい2次流路との間に弁体が設けられ、該弁体が前記1次流路に連通する前記2次流路の一端に密接して移動可能であり、かつ前記弁体の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔が前記弁体に形成されていることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の弁構造において、前記弁体が回転軸を有した円板状であり、前記円板に凸状に屈曲された凸状円環部が前記回転軸と、前記2次流路との間に形成されていることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または請求項2に記載の弁構造において、前記弁体はばね鋼により形成されていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池と、前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する供給流路と、前記燃料電池から排出される酸化剤ガスオフガスを排出する排出流路と、前記酸化剤ガスが前記燃料電池をバイパスして排出流路に流れるように前記供給流路と前記排出流路との間を接続するバイパス路と、前記バイパス路を流通する前記酸化剤ガスの流量を制御する制御装置と、を備え、前記供給流路または前記バイパス路に1次流路が設けられ、前記1次流路に前記1次流路より断面が小さい2次流路が連通し、前記1次流路と前記2次流路との間に弁体が設けられ、前記弁体が前記1次流路と連通する前記2次流路の一端に密接して移動可能であり、かつ前記弁体の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔が前記弁体に形成され、前記制御装置が前記弁体を移動させて前記2次流路に対する前記非対称の弁孔の位置を変化させることで前記2次流路を流通する前記酸化剤ガスの流通量を制御することである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池と、前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する供給流路と、前記燃料電池から排出される酸化剤ガスオフガスを排出する排出流路と、前記酸化剤極に供給された前記酸化剤ガスの圧力を制御する制御装置と、を備え、前記排出流路に1次流路が設けられ、前記1次流路に前記1次流路より断面が小さい2次流路が連通し、前記1次流路と前記2次流路との間に弁体が設けられ、前記弁体が前記1次流路と連通する前記2次流路の一端に密接して移動可能であり、かつ前記弁体の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔が前記弁体に形成され、前記制御装置が前記弁体を移動させて前記2次流路に対する前記非対称の弁孔の位置を変化させることで前記燃料電池を流通する前記酸化剤ガスの圧力を制御することである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、燃料電池システムに使用される酸化剤ガスを流通させる弁構造において、1次流路と、1次流路に連通して1次流路より断面が小さい2次流路との間に弁体が設けられ、弁体が1次流路に連通する2次流路の一端に密接して移動可能であり、かつ弁体の移動によって有効断面積が自在に得られるよう設定された非対称の弁孔が弁体に形成されている。これにより、酸化剤ガスが通過する弁孔の有効断面積を自由に設計でき、酸化剤ガスの流通量制御が容易になるとともに高性能モータによって精度よく制御する必要がないため、コスト低減が図れる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、弁構造において、弁体は回転軸を有した円板状であり、円板に凸状に屈曲された凸状円環部が回転軸と、2次流路との間に形成されている。これにより流体が1次流路から2次流路に向かって流通するとき、弁体が流体から圧力を受け、凸状円環部を支点として外周部が流体の流れ方向に向かって折り曲げられ、2次流路に押し付けられ弁体と2次流路間とのシール性が向上され、信頼性の向上が図られる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、弁構造において、弁体がばね鋼により形成されるため、弁体自身の持つばねの弾性力によって、弁座との初期の着座力が確保できシール性に寄与するため、一層信頼性が向上する。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、燃料電池システムにおいて、酸化剤ガスを供給流路から排出流路にバイパスさせる流路中の1次流路と2次流路との間に設けられる弁体が、1次流路と連通する2次流路の一端に密接して移動可能であり、かつ弁体の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔が弁体に形成されている。そして制御装置が弁体を移動させて2次流路に対する非対称の弁孔の位置を変化させることで2次流路を流通する酸化剤ガスの流通量を制御する。これにより、酸化剤ガスが通過する弁孔の有効断面積を自由に設計でき酸化剤ガスの流通量制御が容易になり、高性能モータによって精度よく制御しなくても所望の有効断面積を比較的容易に得ることができるとともに制御負荷を低減でき、大幅なコスト低減が図れる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、燃料電池システムにおいて、排出流路中の1次流路と、2次流路との間に設けられる弁体が、1次流路と連通する2次流路の一端に密接して移動可能であり、かつ弁体の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔が弁体に形成されている。そして制御装置が弁体を移動させて2次流路に対する非対称の弁孔の位置を変化させることで2次流路を流通する酸化剤ガスオフガスの流通量を制御し燃料電池の酸化剤極の圧力制御を行なう。これにより、酸化剤ガスオフガスが通過する弁孔の有効断面積を自由に設計できるため燃料電池を流通する酸化剤ガスの流通量制御による圧力制御が容易になり、高性能モータによって精度よく制御しなくても所望の有効断面積を比較的容易に得ることができるとともに制御負荷を低減でき、大幅なコスト低減が図れる。
本発明に係る第1の実施形態について図1を参照して具体的に説明する。第1の実施形態である弁構造41は、燃料電池システム1において酸化剤ガスおよび酸化剤ガスオフガスの流通量を制御するためのものである。
図1に示すように、弁構造41は、中心に1次流路17aが形成され酸化剤ガスが流通する円筒形状の1次流路部材17と、1次流路17aに連通して1次流路17aより断面が小さい2次流路17bが内径部に形成されている2次流路部材20と、1次流路17aと2次流路17bとの間に設けられ2次流路部材20の一端である弁座20aに密接して移動可能で、有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔19cが貫設された弁体19と、弁体19を弁体19の回転中心で支持固定する回転軸5と、弁体19とともに回転軸5を回転駆動するモータM1と、によって構成される。
弁体19は、所定の板圧tmmの例えば高張力鋼のようなバネ鋼により形成される円板状体である。弁体19は、中央に小判状孔19aが貫通されている。また弁体19には、弁体19の回転軸5と、2次流路17bとの間の平面上の所定の位置に、凸状に屈曲された凸状円環部19bが設けられている。弁体19は、単体においては凸状円環部19bを支点として、その外周部である弁体外周部19dが若干、F方向に撓んだ状態で形成されている。しかし弁体19は弁構造41に組みつけられ、2次流路部材20の弁座20aと当接された状態では初期の撓みは解消され、弁体19の弁体外周部19dは2次流路部材20の円筒中心軸(スラスト軸)に対し直交するようになっている。つまり弁体19と、2次流路部材20の弁座20aとは弁体19の弁体外周部19dの初期撓み量分に相応する着座力が印加された状態で配設される。
弁体19の弁体外周部19dには、開弁したときの有効断面積特性を決定する弁孔19cが貫設されている。弁孔19cの形状は使用される目的に合わせ適合されるものである。弁孔19cは回転軸5を中心とした弁体19の回転位相に応じて、2次流路17bと対向し開口される有効断面積が所望の特性で変化するように非対称な形状で形成されている。ここで本実施形態の場合、有効断面積特性(弁体の回転に応じた有効断面積の変化)と弁構造41の弁体19が回転軸5を中心に回転し弁体19に開口された非対称な弁孔19cと2次流路17bとの間で開口される開口断面積特性(弁体の回転に応じた開口断面積の変化)は同じになる。また、弁体19の表面部19eには、弁体19の剛性を確保し酸化剤ガスの流れによる圧力が加わったときに弁体19の変形を防止するためのリブ19fが設けられている。
回転軸5は、モータM1と弁体19とに、両端が固定され、モータM1の回転力を弁体19に伝達するものである。回転軸5は、先端部5aが弁体19の中央部に設けられた小判状孔19aを貫通し、突出した先端部5aと弁体19がナット38によって螺着され固定されている。またモータM1は図示しないブラケットを介し、1次流路部材17の流路内壁に固定されている。
2次流路部材20は、両端が開口された円筒形状をなし、円筒内部に、開口された弁体19の弁孔19cを通過した酸化剤ガスが通過する2次流路17bが形成されている。2次流路部材20は、円筒上面である一端側の円環部がシール部である弁座20aを形成し、他端は1次流路部材17の上流側17aと下流側17cとを隔てる円板状の隔壁29と気密に接続され、2次流路部材20内の2次流路17bを通過した酸化剤ガスが隔壁29を通過してさらに下流側の17cに流れるようになっている。
隔壁29の円板外径は1次流路部材17の内径と略同一径に形成され、上流部17aから下流部17cへの漏れがないように1次流路部材17の内周部と気密に固定されている。
上記のように構成された弁構造41は、弁体19がモータM1によって回転軸5を介して弁座20a上を密接して回転移動される。そして回転位相に応じて2次流路17bと対向する弁孔19cの位置を変化させ有効断面積を変化させる。このとき弁体19と弁座20aは、1次流路17aと2次流路17bとの絞り部を形成するため、弁体19の酸化剤ガスの流れ方向における前後には差圧が生じ、該差圧の大きさに応じて弁体19は弁座20aに押し付けられ、シール力が確保される。
なお、第1の実施形態においては、図1に示すように、1次流路17a内において弁体19より下流方向に回転軸5およびモータM1を配置した。しかしこれに限らず、回転軸5およびモータM1を弁体19より上流側に配置してもよく(図略)、これについても同様の効果が得られる。
また、第1の実施形態においては、1次流路部材17および2次流路部材20は円筒形状にて構成したが、これに限らず角柱形状や、半円形状等のものであってもよい。
上述の説明から明らかなように、第1の実施形態においては燃料電池システムに適用される酸化剤ガスを流通させる弁構造41は、1次流路17aと、1次流路17aに連通して1次流路17aより断面が小さい2次流路17bとの間に弁体19が設けられ、弁体19が1次流路17aに連通する2次流路17bを形成する2次流路部材20の一端である弁座20aに密接して移動可能であり、かつ弁体19の移動によって有効断面積が自在に得られるよう設定された非対称の雲形形状の弁孔19cが弁体19に形成されている。このように、弁孔19cを自由曲線で成り立つ形状に設計することで、酸化剤ガスが通過する弁孔19cの有効断面積を自由に設定でき、酸化剤ガスの流通量制御が容易になるとともに高性能モータによって精度よく制御する必要がなく安価なモータが採用できるため、コスト低減が図れる。なお、第1の実施形態における弁孔19cは自由曲線からなる雲形形状で設計しているが、有効断面積の設定によっては直線を使って設計する場合もあり得る。
また、第1の実施形態においては、弁構造41において、弁体19は回転軸5を有した円板状であり、円板に凸状に屈曲された凸状円環部19bが回転軸5と、第2流路17bとの間に形成されている。これにより流体が1次流路17aから2次流路17bに向かって流通するとき、弁体19が流体から圧力を受け、凸状円環部19bを支点として弁体外周部19dが流体の流れ方向に向かって折り曲げられ、2次流路部材20の一端である弁座20に押し付けられ弁体と2次流路部材20とのシール性が向上されて、信頼性の向上が図られる。
また、第1の実施形態においては、弁構造41において、弁体19がばね鋼により形成されるため、弁体自身の持つばねの弾性力によって、弁座との初期の着座力が確保できシール性に寄与するため、一層信頼性が向上する。
さらに、第1の実施形態においては、簡易な構造であるため小型化が図られ、1次流路部材17内に収容することが可能であり、低コスト化が図られる。
また、第1の実施形態に対し、第2の実施形態として、図2に示すように2次流路部材20を1次流路部材17の外に配置し、モータM1及び回転軸5も1次流路部材17の外部に配置する構成としてもよくこれによっても第1の実施形態と同様の効果を得られる。
次に弁構造における第3の実施形態について図3及び図8に基づき説明する。第1の実施形態においては1次流路部材17の内部に弁構造41が設けられた。しかし、第3の実施形態では第1の実施形態においての2次流路部材20を2次流路部材30とし、1次流路部材17の外部に配置して、図3に示す弁構造32のように構成する。弁構造32は主に酸化剤ガスを分岐させる流路で使用される。第3の実施形態については、第1の実施形態に対し変更点のみ説明し、同一部分の説明は省略する。
弁構造32は、内部に1次流路43aが形成され酸化剤ガスが流通する下面が平面である角形状の1次流路部材43と、1次流路43aに連通して1次流路43aより断面が小さい2次流路30bが内径部に形成されている円筒形状の2次流路部材30と、1次流路43aと2次流路30bとの間に設けられ2次流路部材30の一端である弁座30aに密接して移動可能で、有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔35cが貫設された弁体35と、弁体35を弁体35の回転中心で支持固定する回転軸36と、弁体35とともに回転軸36を回転駆動するモータM2と、によって構成される。
1次流路部材43の下方の壁の一部には、弁体35の外周径より若干径小の貫通孔43eが1次流路部材43の内部に向かって貫通されている。貫通された貫通孔43eの外周部には貫通された貫通孔43eと同心円にて座繰平面部43bが、1次流路部材43の内壁から所定の深さで弁体35の外径より若干大きく形成されて、弁体35が該座繰平面部43bに載置される。弁体35の外周縁は座繰平面部43bと重なり気密に回転摺動される(図8参照)。
弁体35は、所定の板圧tmmの例えば高張力鋼のようなバネ鋼により形成される円板状体である。弁体35は、中央に小判状孔35aが貫通されている。また弁体35には、弁体35の回転軸36と、2次流路30bとの間の平面上の所定の位置に、凸状に屈曲された凸状円環部35bが設けられている。弁体35は、単体においては凸状円環部35bを支点として、その外周部である弁体外周部35dが若干、G方向に撓んだ状態で形成されている。しかし弁体35は組みつけられ2次流路部材30の弁座30aおよび、1次流路部材43の内周部の座繰平面部43bとに当接された状態では初期の撓みは解消され、弁体外周部35dは2次流路部材30の円筒中心軸(スラスト軸)に対し直交するようになっている。つまり弁体35と2次流路部材30の弁座30aとは弁体外周部35dの初期撓み量分に相応する着座力が印加された状態で配設される。
弁体35の弁体外周部35dには、弁体35が回転され開弁したときの有効断面積特性を決定する弁孔35cが設けられている。弁孔35cの形状は使用される目的に合わせ適合されるものである。弁孔35cは回転軸36を中心とした弁体35の回転位相に応じて、2次流路30bと対向し開口される有効断面積が所望の特性で変化するように、直線や曲線または直線と曲線の組み合わせによる非対称な形状で形成されている。また、図3に示すように、弁体35の表面部35eには、弁体35の剛性を確保し酸化剤ガスの流れによる圧力が加わったときに弁体35の変形を防止するためのリブ35fが設けられている。
回転軸36は、モータM2と弁体35とに、両端が固定され、モータM2の回転力を弁体35に伝達するものである。回転軸36は、先端部36aが弁体35の中央部に設けられた小判状孔35aを貫通し、突出した先端部36aと弁体35がナット39によって螺着されている。
モータM2は、1次流路部材43の内面壁に上記した弁体35を載置するため貫通された貫通孔43eに対し、1次流路部材43の中心軸を中心に180度対向した位置に貫通孔43cが設けられ、貫通孔43cに気密に固定されている。
2次流路部材30は、両端が開口された円筒形状をなし、円筒内部に、開口された弁体35の弁孔35cを通過した酸化剤ガスが通過する2次流路30bが形成されている。2次流路部材30は、円筒上面の一端側の円環部がシール部である弁座30aを形成し、他端は配管44と気密に接続され、2次流路部材30内の2次流路30bを通過した酸化剤ガスがさらに下流の流路44aに流れるようになっている。また図3に示すように一端側である弁座30a側には、上面33aの高さが弁座30aと同一高さになるように構成されたシール板33が2次流路部材30の側面に溶接され固定されている。シール板33は、弁構造32の弁体35が作動されて酸化剤ガスの通過量の制御が行なわれる際、弁体35の弁孔35cの部分のうち、弁座30aの2次流路30bと対向せず、開口部として使用されていない部分が外部と連通しないように塞ぐためのものである(図8参照)。
上記のように構成された弁構造32は、弁体35がモータM2によって回転軸36を介して弁座30a上を密接して回転移動される。そして回転位相に応じて2次流路30bと対向する弁孔35cの位置を変化させ開口される有効断面積を変化させる。このとき弁体35と弁座30aは、1次流路43aと2次流路30bとの絞り部を形成するため、弁体35の酸化剤ガスの流れ方向における前後には差圧が生じ、該差圧の大きさに応じて弁体35は弁座30aに押し付けられ、シール力が確保される。
なお、第3の実施形態においては、モータM2及び回転軸36を、弁体35を中心に反転させ、1次流路部材43の外部に配置する構成としてもよく、これによっても第3の実施形態と同様の効果を得られる。このときモータM2は2次流路部材30の外側面に図示しないブラケットを介して固定してやればよい。
また、第3の実施形態においては、1次流路部材43は角形状にて構成したが、これに限らず円筒形状や、下面が平面である半円形状等のものであってもよい。
また、本発明に係る第1乃至第3の実施形態においては、各弁体19、35が、各弁座20a、30a上を摺動する際、各弁体19、35の弁体外周部19d、35d及び各弁座20a、30a上に弗素樹脂などの低μのコーティング剤を塗布しておけば、摺動抵抗が軽減される。これによりモータM1、M2の負荷が軽減されるので、より安価なモータを使用できコスト低減を図ることができる。
上述の説明から明らかなように、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明に係る第1乃至第3の実施形態においては、使用目的に合わせて自在に流量特性(有効断面積特性)が得られるものである。これにより、燃料電池システムに限らずガソリンエンジン車においても利用できる。ガソリンエンジン車においては車種毎に異なる最適の吸入空気量特性を得るために、空気吸入弁でありアクセル操作に連動するスロットルボデーの弁体として利用してもよい。
さらに本発明に係る第1乃至第3の実施形態においては、各弁体19、35を各回転軸5、36により回転させ各弁体19、35に貫設された弁孔19c、35cと各2次流路17b、30bと対向させ開口部を有効断面積とした。しかし、これに限らず第4の実施形態として、図4に示すように、中心に1次流路46aが形成され、酸化剤ガスが流通する円筒形状の1次流路部材46と、1次流路46aに連通して1次流路46aより断面が小さい、2次流路47bが内径部に形成されている2次流路部材47と、1次流路46aと2次流路47bとの間に設けられ2次流路部材47の一端である弁座47aに密接して図4中に矢印で示す水平方向に移動可能であり、有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔45bが貫設された弁体45と、弁体45を水平方向に移動制御する所定のモータ(図略)と、によって構成してもよく、これによっても第1乃至第3の実施形態と同様の効果が得られる。
次に本発明に係る第1の実施形態である弁構造41を燃料電池システムに適用させた場合の、構成及び作用効果につき図面を参照して説明する。図5は、燃料電池システム1の構成図である。
燃料電池システム1は、燃料電池2と、酸化剤ガスとしての空気(酸素)を燃料電池2に供給する酸化剤ガス配管系3と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に供給する燃料ガス配管系4と、アクセル開度センサ、外気温センサ等からの検出データに基づいて運転モードを制御するとともに、燃料電池システムを流通する酸化剤ガスの流量や圧力を制御する制御装置7と、を備えている。
燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型で構成され、多数の単セルを積層したスタック構造を備えている。単セルは、イオン交換膜(例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等)からなる電解質の一方の面に酸化剤極(カソード)を有し、他方の面に燃料極(アノード)を有し、さらに酸化剤極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。一方のセパレータの酸化剤ガス流路2aに酸化剤ガスが供給され、他方のセパレータの燃料ガス流路2bに燃料ガスが供給される。供給された燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により、燃料電池2は電気を発生する。燃料電池2での電気化学反応は発熱反応であり、固体高分子電解質型の燃料電池2の温度は、およそ60〜80℃となる。
酸化剤ガス配管系3は、燃料電池2に供給される酸化剤ガスが流れる供給流路11と、燃料電池2から排出された酸化剤ガスオフガスが流れる排出流路12と、酸化剤ガスが燃料電池2をバイパスして流れるバイパス路48と、を有している。
供給流路11は燃料電池2内の酸化剤ガス流路2aと連通し、また排出流路12に連通している。酸化剤ガスオフガスは、燃料電池2の電池反応により生成された水分を含むため高湿潤状態となっている。
供給流路11には、上流から順にエアクリーナ13と、酸化剤ガス(外気)を取り込み燃料電池2の酸化剤極に供給する圧縮機14と、圧縮機14によって燃料電池2に圧送される酸化剤ガスを加湿する加湿器15と、が設けられている。加湿器15は、供給流路11を流れる低湿潤状態の酸化剤ガスと、排出流路12を流れる高湿潤状態の酸化剤ガスオフガスとの間で水分交換を行い、燃料電池2に供給される酸化剤ガスを適度に加湿する。
排出流路12には、上流から順に燃料電池2の酸化剤ガス流路2a内の圧力を検出する圧力センサP1と、燃料電池2の酸化剤極である酸化剤ガス流路2aに供給される酸化剤ガスの背圧を調圧するための本発明に係る弁構造41が適用される調圧弁16と、加湿器15が設けられている。なお、本発明の弁構造41は加湿器を備えた燃料電池システムに適用しているが、これに限定するものではなく加湿器がない場合にも適用できる。
調圧弁16は制御装置7に電気的に接続され、排出流路12を開閉し酸化剤ガスオフガスの通過量を制御することにより燃料電池2内の酸化剤ガスの圧力制御を行なう。調圧弁16の弁回転位相は、制御装置7によって、任意の範囲で調整可能に構成されている。調圧弁16は、各種の動力により駆動可能に構成することができ、例えば、モータ、ソレノイドなどを用いることができる。
調圧弁16は図1に示すように、弁構造41と同様の構成にて1次流路部材である酸化剤ガスオフガス排出のための排出通路12内に形成される。調圧弁16内の有効断面積を自在に設定する非対称の弁孔19cの形状は後述する要素に基づいて決定される。そして酸化剤ガスオフガスは、調圧弁16内の1次流路17a、2次流路17b、2次流路17bの下流である17cを通過し加湿器15を経て最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
バイパス路48は、供給流路11と排出流路12とを接続し連通されている。接続の一端側であるバイパス路48と供給流路11との供給側接続部Bは、圧縮機14と加湿器15との間に位置している。また、接続の他端側であるバイパス路48と排出流路12との排出側接続部Cは、加湿器15の下流側に位置している。
バイパス路48には、自在に有効断面積の設定が可能な本発明に係る弁構造41が適用されるバイパス弁18が設けられている。バイパス弁18は、各種の動力により駆動可能に構成することができ、例えば、モータ、ソレノイドなどを用いることができる。
バイパス弁18は制御装置7に接続されており、バイパス路48を開閉し流量の制御を行なう。なお、以下の説明では、バイパス弁18の開弁により、バイパス路48の上流側17aを通ってバイパス弁18の下流側17bへとバイパスされる酸化剤ガスを「バイパスエア」と称呼する。
バイパス弁18は、図1に示すように、調圧弁16と同様に本発明に係る第1の実施形態である弁構造41と同様の構成にて1次流路部材であるバイパス路48内に形成される。バイパス弁18内の流路の有効断面積は、後述する要素に基づいて決定されている。
次に燃料ガス配管系4は図5に示すように、水素供給源21と、水素供給源21から燃料電池2に供給される燃料ガスである水素ガスが流れる供給流路22と、供給流路22に設けられている、上流から順番に元弁26と、調圧弁27と、遮断弁28と、燃料電池2の燃料ガス流路2bと、水素オフガスが排出される排出流路23と、パージ弁33と、パージ路25とから構成されている。元弁26を開くことで水素供給源21から供給流路22に流出した水素ガスは、調圧弁27で減圧され、遮断弁28を経て、燃料電池2の燃料ガス流路2bに供給されたのち、未使用の水素ガスは水素オフガス排出流路23を通り、パージ弁33を通過しパージ路25から図略の水素希釈器を介して大気に排出される。
制御装置7は、内部にCPU,ROM,RAMを備えたマイクロコンピュータとして構成される。CPUは、制御プラグラムに従って所望の演算を実行して、後述する暖機運転の制御など、種々の処理や制御を行う。ROMは、CPUで処理する制御プログラムや制御データを記憶する。RAMは、主として制御処理のための各種作業領域として使用される。
制御装置7は、ガス系統(3、4)に用いられる圧力センサ(P1)、燃料電池システム1が置かれる環境の外気温を検出する外気温センサ51の検出信号等が入力され、各構成要素(圧縮機14の駆動モータM3、調圧弁16及びバイパス弁18など)に制御信号を出力する。また、制御装置7は、低温始動時など燃料電池2を暖機する必要がある場合には、ROMに格納されている各種マップを利用して暖機運転を行う。
次にシステムの動作について説明する。本燃料電池システム1を用いた図示しない車両においては、イグニッションがONされることにより燃料電池システムが起動され、制御装置7をはじめ各補機類に電力が投入される。そして、所定の位置に設けられた温度センサ51によって、外気温度が検出され検出されたデータが制御装置7に送信される。
制御装置7は送信された検出温度に基づき、通常運転を行なうべきか、暖機運転を行なうべきかを判断する(暖機運転を行なう条件は例えば0℃以下)。
通常運転を行なうと判断したとき、制御装置7は燃料電池2での必要 な発電量を導出し、導出された発電量に基づいて燃料電池2に供給すべ き酸化剤ガスの供給量を導出する。
制御装置7は、導出された必要酸化剤ガス量に基づき、圧縮機14のモータM3の回転数を制御し、必要量の酸化剤ガスを燃料電池2の酸化剤極に供給する。燃料電池2に供給される酸化剤ガスの圧力および流量は、燃料電池2の排出流路12に設けられた調圧弁16を構成する弁体19の回転位相と、圧縮機14の吐出圧とによって決定される(バイパス弁18は閉弁されている)。そして所定の圧力に制御された燃料電池2の酸化剤極の酸化剤ガスと、水素極に供給された所定の圧力の水素とが、交換膜を介して反応し発電する。
次に、寒冷環境において燃料電池システム1を起動する場合、もしくは低温時に、暖機運転モードが達成されるための弁孔19cの形状決めの詳細について説明する。
まず図6を参照して、排出流路12内の流路の有効断面積及びバイパス弁18内の流路の有効断面積について説明する。ここで本発明の弁構造41の有効断面積は、調圧弁16又はバイパス弁18の弁体19が回転軸5を中心に回転し弁体19に開口された非対称な弁孔19cと2次流路17bとの間で開口される開口断面積と相関を有する。有効断面積は、暖機運転を行なうために燃料電池2への適切な量の酸化剤ガスの供給を行なうため、暖機運転時の圧縮機14による酸化剤ガスの吐出流量及び吐出圧と、調圧弁16の回転位相とバイパス路17のバイパス弁18の回転位相との関係に基づいて決定される。以下、暖機運転時の要求値を考慮して具体的に説明する。
暖機運転の際、燃料電池2への酸化剤ガスの目標流量は、燃料電池2が暖機運転を行うのに必要な流量となるように、制御装置7に記憶させた暖機運転の目標値から任意に設定される。
また、暖機運転の際、バイパス弁18の下流側である2次流路17bへと流すバイパスエアの目標流量は、ROMに格納したマップから暖機運転の目標値と対応するデータを読み出すことで設定される。
したがって、暖機運転の際には、圧縮機14から吐出されて供給側接続部Bに至る酸化剤ガスの目標流量(つまり、圧縮機14が目標とする酸化剤ガスの吐出流量)は、燃料電池2への酸化剤ガスの目標流量と、バイパスエアの目標流量とを合計した値となる。そして、各目標流量を達成するための調圧弁16の有効断面積及びバイパス弁18の有効断面積は、図6のように決まる。
図6は、燃料電池2の酸化剤ガス供給圧力である一次圧(横軸)と、調圧弁16及びバイパス弁18内の流路の有効断面積(縦軸)と、の関係を表すグラフである。
横軸の一次圧は、圧縮機14による酸化剤ガスの吐出圧に相当する。また、ここでは、調圧弁16は、二次側圧力(下流側圧力)が圧力P1となるように設定される。圧力P1は、例えば100kPa前後である。
曲線L1は、調圧弁16が上記目標流量を達成するために所定の回転位相になったときの、調圧弁16内の流路の有効断面積を示している。また、曲線L2は、調圧弁16及びバイパス弁18が上記目標流量を達成するためにそれぞれ所定の回転位相になったときの、調圧弁16内の流路の有効断面積とバイパス弁18内の流路の有効断面積とを合計した合計有効断面積を示している。したがって、ある一次圧における合計有効断面積から調圧弁16内の流路の有効断面積を減算した値が、バイパス弁18が上記目標流量を達成するために所定の回転位相のときの、バイパス弁18内の流路の有効断面積の値となり、曲線L3が1次圧が変動したときに所定の流量を得るためのバイパス弁18内の流路の有効断面積を示している。
よって本発明に係る調圧弁16においては、モータM1により回転される弁体19の各回転位相における、弁体19の弁孔19cと2次流路17bとが対向し開口された部分である有効断面積が、図6に示す曲線L1の横軸(1次圧)を、弁体19のモータM1による弁体19の回転位相と読替えて求めた曲線L1´の特性と、略一致するように弁孔19cの形状が決定される。
また本発明に係るバイパス弁18においても、調圧弁16と同様にモータM1により回転される弁体19の各回転位相における、弁体19の弁孔19cと2次流路17bとが対向し開口された部分である有効断面積が、図5に示す曲線L3の横軸(1次圧)を、弁体19のモータM1による弁体19の回転位相と読替えて求めた曲線L3´の特性と、略一致するように弁孔19cの形状が決定される。
具体的には、各曲線L1´、L3´の左端を弁体19の開弁率100%(全開)とし、右端を開弁率0%(全閉)としている。開弁率100%とは図7の(c)に示す状態をいう。開弁率0%とは、図7の(a)に示す状態をいい、弁孔19cと2次流路17bとが全く対向せず開口していない状態をいう。そして(b)が中間開弁率(50%)の状態を表わす。そして各曲線L1´、L3´において各回転位相率に対応する有効断面積を求め、各弁体19の弁孔19cの形状が形成されている。
このように有効断面積を決定する弁孔19cの形状が自由に設計できるので、暖機運転を行なうために圧縮機14の回転制御が頻繁におこなわれても、圧縮機14の変動後の流量又は圧力に対応する調圧弁16の圧力(有効断面積)を、容易に得ることができる。具体的には排出流路12に設けられた圧力センサP1により検出される燃料電池2の酸化剤極の圧力をもとに、制御装置7によって弁体19の回転制御がされ、所望の圧力を応答性よく得ることができる。またバイパス弁18も、同様の理由によって調圧弁16の変動後の圧力(有効断面積)に対応する流量(有効断面積)を容易に得ることができる。
さらに、本燃料電池システム1においては、バイパス路48のバイパス弁18に替えて、本発明に係る第3の実施形態である弁構造32を適用してもよい。このときは図3に示すように1次流路部材43を供給流路11とし、配管44を排出流路12と置き換えてやることにより適用できる。本適用においても上述したバイパス弁18と同様の効果が得られる。
なお、本発明に係る第1乃至第4の実施形態の弁構造を適用した燃料電池システムにおいては、図5に示すようにバイパス路48は、供給流路11と排出流路12とを連通し、バイパス路48と供給流路11との供給側接続部Bは、圧縮機14と加湿器15との間に位置している。また、バイパス路48と排出流路12との排出側接続部Cは、加湿器15の下流側に位置している。そしてバイパス弁18はバイパス路48上に配置されている。しかし、これに限らず図1の2点鎖線で示すように、バイパス弁18と同様の構造をもつバイパス弁37を、供給流路11上で、加湿器15と、燃料電池2との間に設けられた接続点Dと、排出流路12上で、調圧弁16と加湿器15との間に設けられた接続点Eと、を接続するバイパス路42上に設けても良い。これによっても同様の効果が得られる。
上述の説明から明らかなように、本発明に係る第1乃至第4の実施形態を適用した燃料電池システムにおいては、酸化剤ガスまたは酸化剤ガスオフガスを流通させる流路中の各1次流路17a、43a、46aと各2次流路17b、30b、47bとの間に設けられる各弁体19、35、45が、各1次流路17a、43a、46aと連通する各2次流路17b、30b、47bを形成する各2次流路部材20、30、47の一端である弁座20a、30a、47aに密接して移動可能であり、かつ各弁体19、35、45の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の各弁孔19c、35c、45bが各弁体19、35、45に形成されている。そして制御装置7が各弁体19、35、45を移動させて各2次流路17b、30b、47bに対する非対称の各弁孔19c、35c、45bの位置を変化させることで各2次流路17b、30b、47bを流通する酸化剤ガスまたは酸化剤ガスオフガスの流通量を制御し、流量または圧力制御を行なう。これにより、各弁孔19c、35c、45bの有効断面積を自由に設計でき酸化剤ガスの流通量制御が容易になるため高性能モータによって精度よく制御しなくても所望の有効断面積を比較的容易に得ることができるとともに制御負荷を低減でき、大幅なコスト低減が図れる。
なお、本実施形態を適用する燃料電池システム1は、燃料電池自動車(FCHV)、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両に搭載することができるが、もちろん車両のみならず各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型電源にも適用可能である。
1…燃料電池システム、2…燃料電池、3…酸化剤ガス配管系、4…燃料ガス配管系、5…回転軸、7…制御装置、11…供給流路、12…排出流路、14…圧縮機、15…加湿器、16…調圧弁、17…1次流路部材、17a…1次流路、17b…2次流路、18…バイパス弁、19…弁体、19c…弁孔、20…2次流路部材、20a…弁座、29…隔壁、30…2次流路部材、32…弁構造、30b…2次流路、35…弁体、35c…弁孔、36…回転軸、41…弁構造、43…1次流路部材、43a…1次流路、45…弁体、45b…弁孔、46…1次流路部材、46a…1次流路、47…2次流路部材、47b…2次流路、48…バイパス路、51…外気温センサ、M1…モータ、M2…モータ。
Claims (5)
- 燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池システムにおいて、
前記酸化剤ガスが流通する1次流路と、
該1次流路に連通して該1次流路より断面が小さい2次流路との間に弁体が設けられ、
該弁体が前記1次流路に連通する前記2次流路の一端に密接して移動可能であり、かつ前記弁体の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔が前記弁体に形成されていることを特徴とする弁構造。 - 請求項1に記載の弁構造において、前記弁体が回転軸を有した円板状であり、前記円板に凸状に屈曲された凸状円環部が前記回転軸と、 前記2次流路との間に形成されていることを特徴とする弁構造。
- 請求項1または請求項2に記載の弁構造において、前記弁体はばね鋼により形成されていることを特徴とする弁構造。
- 燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池と、
前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する供給流路と、
前記燃料電池から排出される酸化剤ガスオフガスを排出する排出流路と、
前記酸化剤ガスが前記燃料電池をバイパスして排出流路に流れるように前記供給流路と前記排出流路との間を接続するバイパス路と、
前記バイパス路を流通する前記酸化剤ガスの流量を制御する制御装置と、を備え、
前記供給流路または前記バイパス路に1次流路が設けられ、前記1次流路に前記1次流路より断面が小さい2次流路が連通し、前記1次流路と前記2次流路との間に弁体が設けられ、
前記弁体が前記1次流路と連通する前記2次流路の一端に密接して移動可能であり、かつ前記弁体の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔が前記弁体に形成され、
前記制御装置が前記弁体を移動させて前記2次流路に対する前記非対称の弁孔の位置を変化させることで前記2次流路を流通する前記酸化剤ガスの流通量を制御することを特徴とする燃料電池システム。 - 燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池と、
前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する供給流路と、
前記燃料電池から排出される酸化剤ガスオフガスを排出する排出流路と、
前記酸化剤極に供給された前記酸化剤ガスの圧力を制御する制御装置と、を備え、
前記排出流路に1次流路が設けられ、前記1次流路に前記1次流路より断面が小さい2次流路が連通し、前記1次流路と前記2次流路との間に弁体が設けられ、
前記弁体が前記1次流路と連通する前記2次流路の一端に密接して移動可能であり、かつ前記弁体の移動による有効断面積を自在に設定した非対称の弁孔が前記弁体に形成され、
前記制御装置が前記弁体を移動させて前記2次流路に対する前記非対称の弁孔の位置を変化させることで前記燃料電池を流通する前記酸化剤ガスの圧力を制御することを特徴とする燃料電池システム。
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JP2008239229A JP2010071379A (ja) | 2008-09-18 | 2008-09-18 | 弁構造および燃料電池システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012104409A (ja) * | 2010-11-11 | 2012-05-31 | Honda Motor Co Ltd | 燃料電池システム |
JP2019164984A (ja) * | 2017-12-08 | 2019-09-26 | トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド | 状態メディエータにおけるフィードフォワードおよびフィードバック制御の実装 |
-
2008
- 2008-09-18 JP JP2008239229A patent/JP2010071379A/ja active Pending
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