JP2010068368A - 画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】階調変換後の画像として、高画質の画像を得る。
【解決手段】コンバータ44は、SD画像を、SD画像よりも画素数が多いHD画像と画素数が同一の擬似HD画像にアップコンバートし、階調変換部83に供給する。階調変換部83は、誤差拡散法により、擬似HD画像の階調変換を行う。すなわち、階調変換部83は、擬似HD画像に、ΔΣ変調を施すことにより、擬似HD画像の階調を変換する。本発明は、画像の階調を変換する場合に適用することができる。
【選択図】図10

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムに関し、特に、例えば、階調変換後の画像として、高画質の画像を得ることができるようにする画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムに関する。
例えば、Nビットの画素値の画像(以下、Nビットの画像ともいう)を、Nビットよりも小さいMビットの画素値の画像を表示する表示装置で表示するには、Nビットの画像を、Mビットの画像に変換すること、つまり、画像の階調を変換する階調変換を行う必要がある。
Nビットの画像を、Mビットの画像に階調変換する方法(階調変換方法)としては、例えば、Nビットの画素値の、下位N-Mビットを切り捨てて、Mビットの画素値とする方法がある。
しかしながら、Nビットの画素値の、下位N-Mビットを切り捨てて、Mビットの画素値とする階調変換では、そのビットの切り捨てによって、階調の変化が帯のように見えるバンディング(banding)が生じる。
すなわち、例えば、8ビットの画像の、下位4ビットを切り捨て、4ビットの画像に量子化する階調変換では、256(=28)階調を表現可能な画像が、16(=24)階調しか表現できない画像に変換されるため、表現可能な階調が少なくなることにより、バンディングが生じる。
このようなバンディングが生じるのを防止し、階調変換後の画像において、階調変換前の画像の階調を擬似的に表現する階調変換方法、すなわち、例えば、上述したように、256階調の画像を階調変換して得られる16階調の画像において、人が画像を見たときに、視覚的に、16階調で、256階調を表現する方法として、ランダムディザ法や、組織的ディザ法、誤差拡散法がある。
ランダムディザ法では、画像を構成する8ビットの画素値に、ランダムノイズが加算され、その後、画素値が、4ビットに量子化される。
組織的ディザ法では、画像を構成する8ビットの画素値に、ディザマトリクスの値が加算され、その後、画素値が、4ビットに量子化される。
誤差拡散法では、量子化誤差をフィルタリングする2次元フィルタを用いて構成される、2次元のΔΣ変調器による2次元のΔΣ変調によって、8ビットの画素値の画像が、量子化誤差が空間周波数の高域に拡散された(ノイズシェーピングされた)4ビットの画素値の画像に量子化される(例えば、特許文献1を参照)。
特許第3959698号
ランダムディザ法や、組織的ディザ法、誤差拡散法等の階調変換方法では、いずれにしても、画像を構成する画素値にノイズを加算することで、階調変換前の画像の階調を擬似的に表現した階調変換後の画像が得られる。
また、階調変換後の画像の見た目の階調に影響するノイズの最高の周波数(以下、影響最高周波数ともいう)は、階調変換の対象の画像の画素のサンプリング周波数によって決まる。
一方、例えば、SD(Standard Definition)画像の画素のサンプリング周波数は、例えば、HD(High Definition)画像等の画素数が多い画像に比較して低い。
したがって、階調変換の対象の画像が、SD画像である場合に、階調変換後の画像の、見た目の階調を向上させるために、ある程度大きいレベルのノイズを、SD画像に加算すると、階調変換後の画像は、視覚で確認することができるノイズが目立つ画像となる。
また、階調変換後の画像に、ノイズが目立つことを防止するために、階調変換において加算するノイズのレベルを小にすると、見た目の階調を十分に向上させることが困難となる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、階調変換後の画像として、高画質の画像を得ることができるようにするものである。
本発明の一側面の画像処理装置、又は、プログラムは、第1の画像を、前記第1の画像よりも画素数が多い第2の画像にアップコンバートするコンバート手段と、前記第2の画像に、ΔΣ変調を施すことにより、前記第2の画像の階調を変換する階調変換手段とを備える画像処理装置、又は、画像処理装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
本発明の一側面の画像処理方法は、画像処理装置が、第1の画像を、前記第1の画像よりも画素数が多い第2の画像にアップコンバートし、前記第2の画像に、ΔΣ変調を施すことにより、前記第2の画像の階調を変換するステップを含む画像処理方法である。
以上のような一側面においては、第1の画像が、前記第1の画像よりも画素数が多い第2の画像にアップコンバートされる。そして、前記第2の画像に、ΔΣ変調を施すことにより、前記第2の画像の階調が変換される。
本発明の他の一側面の画像処理装置は、第1の画像を、前記第1の画像よりも画素数が多い第2の画像にアップコンバートするコンバート手段と、前記第2の画像の階調を、誤差拡散法、又は、組織的ディザ法によって変換する階調変換手段とを備える画像処理装置である。
以上のような他の一側面においては、第1の画像が、前記第1の画像よりも画素数が多い第2の画像にアップコンバートされる。そして、前記第2の画像の階調が、誤差拡散法、又は、組織的ディザ法によって変換される。
なお、画像処理装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
また、プログラムは、伝送媒体を介して伝送することにより、又は、記録媒体に記録して、提供することができる。
本発明の一側面及び他の一側面によれば、階調変換後の画像として、高画質の画像を得ることができる。
図1は、本発明を適用した画像処理システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図1において、画像処理システムは、ディスク11、再生装置12、及び、表示装置13から構成される。
ディスク11は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)や、BD(Blu-ray Disc)等であり、再生装置12に対して着脱可能になっている。ディスク11には、画像を、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式等でエンコードしたエンコードデータが記録されている。
再生装置12は、ディスク11にエンコードデータとして記録された画像の再生が可能なプレーヤ、又はレコーダであり、ディスク11から画像を再生して、表示装置13に供給する。
すなわち、再生装置12は、読み出し部21、デコーダ22、及び、画像処理部23から構成される。
読み出し部21は、再生装置12に装着されたディスク11を駆動し、そのディスク11に記録されたエンコードデータを読み出して、デコーダ22に供給する。
デコーダ22は、読み出し部21からのエンコードデータをデコードし、その結果得られる画像(データ)を、画像処理部23に供給する。
画像処理部23は、デコーダ22からの画像に対して、画質を改善する処理と、階調変換とを含む画像処理を施し、表示装置13に供給する。
表示装置13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や、有機EL(Electro Luminescence)パネル等で構成され、画像処理部23から供給される画像を表示する。
図2は、画像処理部23の構成例を示している。
図2において、画像処理部23は、HD画像処理部30、HD出力部34、SD画像処理部40、及び、SD出力部45から構成される。
HD画像処理部30は、エンハンス部31、NR部(Noise Reduction)32、及び、階調変換部33等から構成され、HD画像を対象としたHD画像処理を行う。
すなわち、ディスク11(図1)が、例えば、SD画像よりも画素数が多いHD画像をエンコードしたエンコードデータが記録されたBDであり、デコーダ22から画像処理部23に対して、HD画像が供給される場合には、そのHD画像は、HD画像処理部30に供給される。
HD画像処理部30では、エンハンス部31が、デコーダ22(図1)からのHD画像に、高域の周波数成分を強調するエンハンス処理を施し、NR部32に供給する。
NR部32は、エンハンス部31からのHD画像に、ノイズを除去するノイズリダクション(NR)処理を施し、階調変換部33に供給する。
階調変換部33は、NR部32からのHD画像の階調変換を、例えば、SBM(Super Bit Mapping)によって行い、階調変換後のHD画像を、HD出力部34に供給する。
SBMは、誤差拡散法の一種で、少なくとも、ΔΣ変調により、画像の階調変換を行う。
ここで、誤差拡散法では、ΔΣ変調によるノイズシェービングの振幅特性を決めるフィルタとして、Jarvis,Judice&Ninkeのフィルタ(以下、Jarvisフィルタともいう)や、Floyd&Steinbergのフィルタ(以下、Floydフィルタともいう)が知られている。
SBMでは、階調変換後の画像の、見た目の階調をより向上させるために、画像を構成する画素値に、JarvisフィルタやFloydフィルタを用いる場合よりも、高域の周波数成分が大きいノイズが加算される。
なお、SBMの詳細については、後述する。
ここで、以上のように、HD画像処理部30では、エンハンス処理や、ノイズリダクション処理等の、画像の画質を改善する処理が行われた後、画像の階調変換が行われるが、これは、以下の理由による。
すなわち、エンハンス部31は、エンハンス処理の影響が適切に反映された画像を出力するために、エンハンス処理の対象となった画像(HD画像)の画素値よりも多ビットの画素値の画像を、エンハンス処理の結果として出力する。
具体的には、エンハンス部31において、エンハンス処理の対象となった画像(ここでは、デコーダ22(図1)から供給されるHD画像)の画素値が、例えば、8ビットであるとすると、エンハンス部31は、エンハンス処理の結果として、画素値が、例えば、12ビットの画像を出力する。
また、NR部32も、ノイズリダクション処理の影響が適切に反映された画像を出力するために、エンハンス部31が出力する、画素値が元の8ビットよりも多ビットの12ビットになっている画像を対象として、ノイズリダクション処理を行い、画素値が多ビットである12ビットのままの画像を、ノイズリダクション処理の結果として出力する。
一方、表示装置13(図1)が表示することができる画像の画素値のビット数は、一般に、ディスク11にエンコードデータとして記録された画像の画素値のビット数に一致し、例えば、8ビットである。
したがって、デコーダ22(図1)から供給される8ビットの画像(画素値が8ビットの画像)、すなわち、ディスク11にエンコードデータとして記録された8ビットの画像が、エンハンス部31やNR部32で処理されることによって、多ビットの12ビットの画像とされると、そのままでは、表示装置13で表示することができない。
そのため、階調変換部33において、12ビット等の多ビットの画像が、表示装置13で表示可能な8ビット等の画像に、階調変換される。
HD出力部34は、例えば、HD画像を、再生装置12(図1)の外部に出力するための出力端子であり、階調変換部33から供給されるHD画像、及び、後述するコンバータ44から供給される、画素数がHD画像と同一の擬似HD画像を、外部に出力する。
ここで、表示装置13(図1)が、HD画像の表示が可能な高解像度のモニタ(以下、HDモニタともいう)である場合には、表示装置13の、画像の入力端子(図示せず)は、HD出力部34と接続される。そして、HDモニタである表示装置13では、HD出力端子34から出力されるHD画像や擬似HD画像が表示される。
SD画像処理部40は、エンハンス部41、NR部42、階調変換部43、及び、コンバータ44等から構成され、SD画像を対象としたSD画像処理を行う。
すなわち、ディスク11(図1)が、例えば、HD画像よりも画素数が少ないSD画像をエンコードしたエンコードデータが記録されたDVDであり、デコーダ22から画像処理部23に対して、SD画像が供給される場合には、そのSD画像は、SD画像処理部40に供給される。
SD画像処理部40では、エンハンス部41が、デコーダ22(図1)からのSD画像に、高域の周波数成分を強調するエンハンス処理を施し、NR部42に供給する。
NR部42は、エンハンス部41からのSD画像に、ノイズを除去するノイズリダクション処理を施し、階調変換部43に供給する。
階調変換部43は、NR部42からのSD画像の階調変換をSBMによって行い、階調変換後のSD画像を、SD出力部45に供給する。
なお、SD画像処理部40でも、HD画像処理部30と同様に、エンハンス処理や、ノイズリダクション処理等の、画像の画質を改善する処理が行われた後、画像の階調変換が行われるが、これは、HD画像処理部30の場合と同様の理由による。
SD出力部45は、例えば、SD画像を、再生装置12(図1)の外部に出力するための出力端子であり、階調変換部43から供給されるSD画像を、外部に出力する。
ここで、表示装置13(図1)が、SD画像を表示する標準解像度のモニタ(以下、SDモニタともいう)である場合には、表示装置13の、画像の入力端子は、SD出力部45と接続される。そして、SDモニタである表示装置13では、SD出力端子34から出力されるSD画像が表示される。
なお、再生装置12(図1)では、例えば、ディスク11がDVDであり、デコーダ22から画像処理部23に対して、SD画像が供給される場合であっても、HD出力部34に、HDモニタである表示装置13が接続されているときには、表示装置13において、SD画像を、HD画像と同一の画素数の画像(以下、擬似HD画像ともいう)で表示することができるように、SD画像処理部40に、コンバータ44が設けられている。
すなわち、SD画像処理部40では、階調変換部43は、階調変換後のSD画像を、SD出力部45の他、コンバータ44にも供給する。
コンバータ44は、階調変換部43からの、階調変換後のSD画像を、そのSD画像よりも画素数が多い擬似HD画像にアップコンバートし、HD出力部34に供給する。
HD出力部34に、HDモニタである表示装置13が接続されているときには、コンバータ44がHD出力部34に供給した擬似HD画像は、HD出力部34に接続されている表示装置13に供給されて表示される。
なお、図2において、例えば、エンハンス部31と41とは、いずれも、画像の高域の周波数成分を強調するエンハンス処理を行う点で共通する。
しかしながら、エンハンス部31が、SD画像よりも画素数が多いHD画像、すなわち、空間周波数の最高の周波数がSD画像よりも高いHD画像を対象として、エンハンス処理を行うのに対して、エンハンス部41が、HD画像よりも画素数が少ないSD画像、すなわち、空間周波数の最高の周波数がHD画像よりも低いSD画像を対象として、エンハンス処理を行う点で、エンハンス部31と41とは、異なる。
そのため、エンハンス部31と41とでは、エンハンス処理に用いられるパラメータ(例えば、画像の高域の周波数成分を、どの程度強調するかを表すパラメータ等)が異なる。
NR部32と42、及び、階調変換部33と43についても、同様である。
次に、図3ないし図9を参照して、階調変換部33及び43において行われる、SBMによる階調変換について、階調変換部33を例にして説明する。
図3は、図2の階調変換部33の構成例を示している。
図3において、階調変換部33は、ディザ加算部51、及び、ΔΣ変調部52から構成され、NR部32(図2)からの画像(HD画像)を対象として、SBMによる階調変換を行い、階調変換後の画像を出力する。
すなわち、ディザ加算部51には、NR部32(図1)からの画像が、階調変換の対象の画像(以下、対象画像ともいう)として供給される。
ディザ加算部51は、NR部32からの対象画像を構成する画素値IN(x,y)に、ランダムノイズを加算することにより、対象画像にディザを施し、ΔΣ変調部52に供給する。
ここで、画素値IN(x,y)は、対象画像の、例えば、フレームの左上の座標を原点とし、かつ、横方向(左から右方向)をx軸とするとともに、縦方向(上から下方向)をy軸とする2次元座標系の位置(x,y)の画素値を表す。なお、位置(x,y)の画素を、以下、画素(x,y)とも表す。
ΔΣ変調部52は、ディザ加算部51からの、ディザが施された対象画像に、例えば、1次元のΔΣ変調を施し、その結果得られる画素値OUT(x,y)からなる画像を、階調変換後の画像として出力する。
なお、対象画像の画素(の画素値)は、例えば、ラスタスキャン順に、階調変換の対象とされる。
図4は、階調変換部33の階調変換によって得られた画像と、その画像(階調変換後の画像)のある水平ライン上の画素値とを示している。
すなわち、図4Aは、例えば、8ビットの画像を対象画像として、階調変換部33で階調変換を行った結果得られた4ビットの画像(階調変換後の画像)を示しており、図4Bは、その階調変換後の4ビットの画像のある水平ライン上の画素値とを示している。
8ビットによれば、256階調を表現することができるのに対して、4ビットでは、16階調しか表現することができないが、階調変換部33による階調変換後の4ビットの画像では、画素値が、ある量子化値Qとなる画素と、その量子化値Qより1だけ大の量子化値Q+1(又は、1だけ小の量子化値Q-1)となる画素との粗密がある粗密領域、つまり、画素値が量子化値Qの画素の割合が多い領域や、画素値が量子化値Q+1の画素が多い領域(画素値が量子化値Q+1の画素の割合が少ない領域や、画素値が量子化値Qの画素が少ない領域)が生じており、その粗密領域の画素値が、人の視覚の積分効果によって、滑らかに変化しているように見える。
その結果、4ビットでは、16階調しか表現できないのにもかかわらず、階調変換部33による階調変換後の4ビットの画像では、階調変換前の8ビットの対象画像であるかのように、擬似的に、256階調を表現することができる。
次に、図5は、図3のディザ加算部51の構成例を示している。
ディザ加算部51は、ランダムノイズをHPF(High Pass Filter)でフィルタリングすることにより得られるノイズを、そこに供給される対象画像を構成する画素値に加算することにより、対象画像にディザを施す。
すなわち、図5において、ディザ加算部51は、演算部61、HPF62、ランダムノイズ出力部63、及び、係数設定部64から構成される。
演算部61には、NR部32(図2)からの対象画像の画素値IN(x,y)が、ラスタスキャン順に供給される。また、演算部61には、HPF62の出力が供給される。
演算部61は、対象画像の画素値IN(x,y)に、HPF62の出力を加算し、その結果得られる加算値を、ディザが施された画素値F(x,y)として、ΔΣ変調部52(図3)に供給する。
HPF62は、例えば、2次元のHPFである。HPF62は、係数設定部64によって設定されるフィルタ係数に基づき、ランダムノイズ出力部63が出力するランダムノイズをフィルタリングし、そのフィルタリングの結果得られるノイズ(ランダムノイズの高域成分)を、演算部61に供給する。
ランダムノイズ出力部63は、例えば、ガウス分布等に従うランダムノイズを発生し、HPF62に出力する。
係数設定部64は、人の視覚の空間周波数特性、及び、表示装置13(図1)の解像度に基づいて、HPF62のフィルタ係数を決定し、HPF62に設定する。
すなわち、係数設定部64は、人の視覚の空間周波数特性を記憶している。また、係数設定部64は、表示装置13(図1)から、又は、ユーザに入力してもらうこと等によって、表示装置13の解像度を取得する。そして、係数設定部64は、人の視覚の空間周波数特性、及び、表示装置13の解像度から、後述するようにして、HPF62のフィルタ係数を決定し、HPF62に設定する。
なお、係数設定部64は、その他、ユーザの操作等に応じて、HPF62のフィルタ係数を調整する。これにより、ユーザは、階調変換部33での階調変換後の画像の画質を、好みの画質に調整することができる。
以上のように構成されるディザ加算部51では、係数設定部64が、人の視覚の空間周波数特性、及び、表示装置13の解像度から、HPF62のフィルタ係数を決定し、HPF62に設定する。
そして、HPF62が、係数設定部64によって設定されたフィルタ係数と、ランダムノイズ出力部63が出力するランダムノイズとの積和演算等を行うことによって、ランダムノイズ出力部63が出力するランダムノイズをフィルタリングし、そのフィルタリングの結果得られるノイズ(ランダムノイズの高域成分)を、演算部61に供給する。
演算部61は、NR部32(図1)からの対象画像の、例えば、12ビット等の多ビットの画素値IN(x,y)と、HPF62からのノイズとを加算し、その結果得られる、例えば、対象画像と同一のビット数である12ビットの加算値(又は、それ以上のビット数の加算値)を、ディザが施された画素値F(x,y)として、ΔΣ変調部52(図3)に供給する。
次に、図6ないし図8を参照して、係数設定部64で行われる、人の視覚の空間周波数特性、及び、表示装置13の解像度に基づく、HPF62のフィルタ係数の決定の方法について説明する。
図6は、人の視覚の空間周波数特性を示している。
なお、図6において、横軸は、空間周波数を表し、縦軸は、人の視覚の感度を表す。
図6に示すように、人の視覚の感度は、例えば、空間周波数が9cycle/degree付近で最大になり、高域にいくほど低くなる。
ここで、図7は、空間周波数の単位であるcycle/degreeを説明する図である。
cycle/degreeは、視野角の単位角度の範囲に見える縞模様の数を表す。例えば、10cycle/degreeは、視野角1度の範囲に、白線と黒線のペアが10ペア見えることを意味し、20cycle/degreeは、視野角1度の範囲に、白線と黒線のペアが20ペア見えることを意味する。
階調変換部33による階調変換後の画像は、最終的には、表示装置13(図1)で表示されるため、表示装置13に表示される画像の画質を向上させる観点からは、人の視覚の空間周波数特性については、表示装置13で表示される画像の最高の空間周波数までを考慮すればよい。
そこで、係数設定部64(図5)は、人の視覚の空間周波数特性のうちの、表示装置13の解像度に対応する空間周波数以下の特性に基づき、HPF62のフィルタ係数を決定する。
すなわち、表示装置13で表示される画像の最高の空間周波数は、表示装置13の解像度と、表示装置13に表示された画像を視聴するときの、視聴者から表示装置13までの距離(以下、視聴距離ともいう)とから、cycle/degreeを単位とする空間周波数で得ることができる。
なお、表示装置13の垂直方向(縦)の長さをHインチと表すこととすると、視聴距離としては、例えば、2.5Hないし3.0H程度が採用される。
例えば、表示装置13が、いわゆるフルHD(High Definition)のHD画像を表示する横×縦が1920×1080画素の40インチのサイズを有する場合、表示装置13で表示される画像の最高の空間周波数は、30cycle/degreeとなる。
ここで、表示装置13で表示される画像の最高の空間周波数は、表示装置13の解像度によって決まるので、以下、適宜、解像度に対応する空間周波数ともいう。
図8は、係数設定部64(図5)が、人の視覚の空間周波数特性のうちの、表示装置13の解像度に対応する空間周波数以下の特性に基づき、HPF62のフィルタ係数を決定する方法を説明する図である。
すなわち、図8Aは、人の視覚の空間周波数特性のうちの、表示装置13の解像度に対応する空間周波数以下の特性を示している。
ここで、図8Aでは、表示装置13の解像度に対応する空間周波数が、例えば、30cycle/degreeであるとして、図6に示した人の視覚の空間周波数特性のうちの、30cycle/degree以下の特性を示している。
係数設定部64は、図8Aの人の視覚の空間周波数特性に基づき、HPF62の振幅特性の高域の特性が、図8Aの人の視覚の空間周波数特性の逆の特性になるように、HPF62のフィルタ係数を決定する。
すなわち、図8Bは、そのようにしてフィルタ係数が決定されたHPF62の振幅特性を示している。
図8Bの振幅特性は、表示装置13の解像度に対応する空間周波数である30cycle/degreeにおいて、利得が最大になり(例えば、0dBになり)、高域の特性が、図8Aの人の視覚の空間周波数特性の逆の特性(以下、適宜、逆特性ともいう)の、HPFの特性になっている。
さらに、図8Bの振幅特性は、表示装置13の解像度に対応する空間周波数以下の帯域における高域で、FloydフィルタやJarvisフィルタを用いたΔΣ変調によるノイズシェーピングの振幅特性よりも急峻に増加する特性になっている。
したがって、図8Bの振幅特性を有するHPF62(図5)では、ランダムノイズ出力部63が出力するランダムノイズのうちの、人の視覚の感度が低い、より高域の周波数成分が、より多く通過し、人の視覚の感度が高い9cycle/degree付近、さらには、9cycle/degree未満に対応する周波数成分がカットされる。
その結果、演算部61(図5)では、対象画像の画素値IN(x,y)に対して、ランダムノイズのうちの、人の視覚の感度が高い周波数成分は(ほとんど)加算されず、人の視覚の感度が低い高域の周波数成分が多く加算されることになり、階調変換部33による階調変換後の画像に、ノイズが視認されることを防止して、見た目の画質を向上させることができる。
なお、HPF62の高域の振幅特性は、人の視覚の逆特性に、完全に一致している必要はない。すなわち、HPF62の高域の振幅特性は、人の視覚の逆特性に類似していればよい。
また、ランダムノイズ出力部63が出力するランダムノイズをフィルタリングするフィルタ(以下、ノイズフィルタともいう)としては、HPF62に代えて、全体の振幅特性が、図8Aの人の視覚の空間周波数特性の逆の特性になっているフィルタを採用することができる。
すなわち、図8Aの人の視覚の空間周波数特性によれば、人の視覚の感度が低い周波数成分としては、高域の周波数成分の他に、低域の周波数成分があり、ノイズフィルタとしては、ランダムノイズ出力部63が出力するランダムノイズのうちの、高域と低域の周波数成分を通過させるバンドパスフィルタを採用することができる。
但し、ノイズフィルタとして、バンドバスフィルタを採用する場合には、ノイズフィルタのタップ数が多くなり、装置が大規模化、高コスト化する。
また、ノイズフィルタについて行ったシミュレーションによれば、ノイズフィルタとして、上述のバンドパスフィルタを採用しても、HPF62を採用した場合に比較して、階調変換後の画像の画質に大きな改善はみられなかった。
さらに、ノイズフィルタとして、上述のバンドパスフィルタを採用すると、対象画像の画素値IN(x,y)に対して、ランダムノイズのうちの、高域の周波数成分の他に、低域の周波数成分が加算される結果、場合によっては、図4で説明した粗密領域において、画素値が量子化値Qとなる画素、又は、画素値が量子化値Q+1となる画素が多く連続する部分が生じ、その結果、階調変換後の画像に、不自然な線が見えることがあった。
したがって、装置の規模、及びコストの観点からも、階調変換後の画像の画質の観点からも、ノイズフィルタとしては、図8Bに示した、高域の振幅特性が、人の視覚の逆特性になっているHPF62を採用することが望ましい。
次に、図9は、図3のΔΣ変調部52の構成例を示している。
ΔΣ変調部52は、ディザ加算部51でディザが施された対象画像に、ΔΣ変調を施す。
すなわち、図9において、ΔΣ変調部52は、演算部71、量子化部72、演算部73、フィルタ74、及び、係数設定部75から構成される。
演算部71には、ディザ加算部51(図3)から、ディザが施された画像の画素値F(x,y)が、ラスタスキャン順に供給される。また、演算部71には、フィルタ74の出力が供給される。
演算部71は、ディザ加算部51からの画素値F(x,y)と、フィルタ74の出力とを加算し、その結果得られる加算値を、量子化部72、及び、演算部73に供給する。
量子化部72は、演算部71からの加算値を、表示装置13(図1)が表示する画像のビット数である、例えば、8ビットに量子化し、その結果得られる8ビットの量子化値(量子化誤差-Q(x,y)を含む量子化値)を、階調変換後の画像の画素(x,y)の画素値OUT(x,y)として、演算部73、及び、HD出力部34(図2)に出力する。
ここで、ΔΣ変調部52は、表示装置13が表示する画像のビット数を、表示装置13から、又は、ユーザに入力してもらうこと等によって取得し、そのビット数の量子化値への量子化を行うように、量子化部72を制御する。
演算部73は、演算部71からの加算値から、量子化部72からの画素値OUT(x,y)を減算することで、すなわち、量子化部72への入力から、量子化部72からの出力を減算することで、量子化部72での量子化により生じる量子化誤差-Q(x,y)を求め、フィルタ74に供給する。
フィルタ74は、信号をフィルタリングする、例えば、1次元のFIR(Finite Impulse Response)フィルタであり、演算部73からの量子化誤差-Q(x,y)をフィルタリングし、そのフィルタリングの結果を、演算部71に出力する。
ここで、演算部71では、以上のようにして、フィルタ74が出力する、量子化誤差-Q(x,y)のフィルタリングの結果と、画素値IN(x,y)とが加算される。
係数設定部75は、人の視覚の空間周波数特性、及び、表示装置13(図1)の解像度に基づいて、フィルタ74のフィルタ係数を決定し、フィルタ74に設定する。
すなわち、係数設定部75は、人の視覚の空間周波数特性を記憶している。また、係数設定部75は、表示装置13(図1)から、又は、ユーザに入力してもらうこと等によって、表示装置13の解像度を取得する。そして、係数設定部75は、人の視覚の空間周波数特性、及び、表示装置13の解像度から、後述するように、フィルタ74のフィルタ係数を決定し、フィルタ74に設定する。
なお、係数設定部75は、その他、ユーザの操作等に応じて、フィルタ74のフィルタ係数を調整する。これにより、ユーザは、階調変換部33での階調変換後の画像の画質を、好みの画質に調整することができる。
以上のように構成されるΔΣ変調部52では、係数設定部75が、人の視覚の空間周波数特性、及び、表示装置13の解像度から、フィルタ74のフィルタ係数を決定し、フィルタ74に設定する。
そして、フィルタ74が、係数設定部75によって設定されたフィルタ係数と、演算部73が出力する量子化誤差-Q(x,y)との積和演算等を行うことによって、演算部73が出力する量子化誤差-Q(x,y)をフィルタリングし、量子化誤差-Q(x,y)の高域成分を、演算部71に供給する。
演算部71では、ディザ加算部51からの画素値F(x,y)と、フィルタ74の出力とが加算され、その結果得られる加算値が、量子化部72、及び、演算部73に供給される。
量子化部72は、演算部71からの加算値を、表示装置13(図1)が表示する画像のビット数である、例えば、8ビットに量子化し、その結果得られる8ビットの量子化値を、階調変換後の画像の画素値OUT(x,y)として、演算部73、及び、HD出力部34(図2)に供給する。
演算部73は、演算部71からの加算値から、量子化部72からの画素値OUT(x,y)を減算し、量子化部72からの画素値OUT(x,y)に含まれる量子化誤差-Q(x,y)を求め、フィルタ74に供給する。
フィルタ74は、演算部73からの量子化誤差-Q(x,y)をフィルタリングし、そのフィルタリングの結果を、演算部71に出力する。演算部71では、上述したようにして、フィルタ74が出力する、量子化誤差-Q(x,y)のフィルタリングの結果と、画素値IN(x,y)とが加算される。
以上のように、ΔΣ変調部52では、量子化誤差-Q(x,y)が、1次元フィルタであるフィルタ74を介して、入力側(演算部71)にフィードバックされており、これにより、1次元のΔΣ変調が行われる。したがって、ΔΣ変調部52では、ディザ加算部51からの画素値F(x,y)に対して、1次元のΔΣ変調が施され、その1次元のΔΣ変調の結果として、画素値OUT(x,y)が出力される。
なお、図9のΔΣ変調部52において、量子化誤差-Q(x,y)は、画素値F(x,y)に対する量子化誤差であるが、画素値F(x,y)をΔΣ変調して得られる画素値OUT(x,y)を求めるにあたっては、画素値F(x,y)に対する量子化誤差-Q(x,y)は使用されず、ラスタスキャン順で、画素値F(x,y)よりも前の画素値(先に処理された画素値)に対する量子化誤差が使用される。
すなわち、フィルタ74が、例えば、5タップの1次元フィルタである場合、演算部71では、画素値F(x,y)の直前に処理された5画素の画素値F(x-1,y),F(x-2,y),F(x-3,y),F(x-4,y),F(x-5,y)それぞれに対する量子化誤差を用いた、フィルタ74のフィルタリングの結果が、画素値F(x,y)に加算される。
ここで、ΔΣ変調部52では、フィルタ74として、FloydフィルタやJarvisフィルタと同様に、2次元フィルタを採用し、2次元のΔΣ変調を行うことが可能である。
但し、フィルタ74として、2次元フィルタを採用する場合には、フィルタリングの対象となる量子化誤差を、複数ライン分だけ記憶するラインメモリが必要となる。
一方、フィルタ74として、1次元フィルタを採用する場合には、そのタップ数に等しい数のデータ(画素値)を記憶する記憶部が必要となるが、2次元フィルタを採用する場合に必要となる、複数ライン分のラインメモリは、設ける必要がない。
したがって、フィルタ74として、1次元フィルタを採用する場合には、2次元フィルタを採用する場合に比較して、装置の小規模化、及び、低コスト化を図ることができる。
なお、図9の係数設定部75では、人の視覚の空間周波数特性、及び、表示装置13の解像度に基づき、フィルタ74のフィルタ係数が、以下のように決定される。
すなわち、図9のΔΣ変調部52において、演算部71が出力する加算値を、U(x,y)と表すこととすると、ΔΣ変調部52においては、次の式(1)、及び、式(2)が成り立つ。
-Q(x,y)=U(x,y)-OUT(x,y)
・・・(1)
U(x,y)=F(x,y)+K×(-Q(x,y))
・・・(2)
式(2)を、式(1)に代入して、U(x,y)を消去すると、式(3)が得られる。
OUT(x,y)=F(x,y)+(1-K)×Q(x,y)
・・・(3)
ここで、式(3)において、Kは、フィルタ74の伝達関数を表す。
ΔΣ変調では、量子化誤差を、高域側に、いわば押しやるノイズシェーピングが行われる。式(3)においては、量子化誤差Q(x,y)が、(1-K)で変調されているが、この変調が、ノイズシェーピングである。
したがって、ΔΣ変調部52のΔΣ変調で行われるノイズシェーピングの振幅特性は、フィルタ74の特性、ひいては、フィルタ74のフィルタ係数によって決まる。
ここで、図6で説明したように、人の視覚の感度は、空間周波数が9cycle/degree付近で最大になり、高域にいくほど低くなる。
一方、階調変換部33による階調変換後の画像は、最終的には、表示装置13(図1)で表示されるため、表示装置13に表示される画像の画質を向上させる観点からは、人の視覚の空間周波数特性については、表示装置13の解像度に対応する空間周波数、つまり、表示装置13で表示される画像の最高の空間周波数までを考慮すればよい。
そこで、係数設定部75(図9)は、人の視覚の空間周波数特性のうちの、表示装置13の解像度に対応する空間周波数以下の特性に基づき、フィルタ74のフィルタ係数を決定する。
すなわち、係数設定部75は、図8Aに示した、人の視覚の空間周波数特性に基づき、フィルタ74の特性によって決まるノイズシェーピングの振幅特性の高域(表示装置13の解像度に対応する空間周波数以下の帯域における高域)の特性が、図8Aの人の視覚の空間周波数特性の逆の特性(逆特性)になり、かつ、FloydフィルタやJarvisフィルタを用いたΔΣ変調によるノイズシェーピングの振幅特性よりも急峻に増加するように、フィルタ74のフィルタ係数を決定する。
したがって、係数設定部75では、フィルタ74の特性により決まるノイズシェーピングの振幅特性が、図8Bに示したように、表示装置13の解像度に対応する空間周波数である30cycle/degreeにおいて、利得が最大になり(例えば、0dBになり)、高域の特性が、図8Aの人の視覚の逆特性の、HPFの特性になるように、フィルタ74のフィルタ係数が決定される。
以上のように、フィルタ74のフィルタ係数が決定されることによって、ΔΣ変調部52で行われるノイズシェーピングによれば、階調変換後の画像の画素値OUT(x,y)に含まれる量子化誤差のうちの、人の視覚の感度が低い、より高域の周波数成分は大となり、人の視覚の感度が高い9cycle/degree付近、さらには、9cycle/degree未満に対応する周波数成分は小となる。
その結果、階調変換部33による階調変換後の画像に、ノイズが視認されることを防止して、見た目の画質を向上させることができる。
なお、ノイズシェーピングの高域の振幅特性は、図8で説明したHPF62(図5)の振幅特性と同様に、人の視覚の逆特性に、完全に一致している必要はない。すなわち、ノイズシェーピングの高域の振幅特性は、人の視覚の逆特性に類似していればよい。
また、ノイズシェーピングの高域の振幅特性は、図8で説明したHPF62と同様に、全体が、図8Aの人の視覚の空間周波数特性の逆の特性とすることができる。但し、図8で説明したHPF62と同様に、装置の規模、及びコストの観点、並びに、階調変換後の画像の画質の観点からは、ノイズシェーピングの振幅特性としては、図8Bに示した、高域の振幅特性が、人の視覚の逆特性の、HPFの特性を採用することが望ましい。
ここで、ノイズシェーピングの振幅特性を決めるフィルタ74が、例えば、上述したように、5タップのFIRフィルタである場合には、フィルタ74では、演算部71に供給される画素(x,y)の画素値F(x,y)に加算される値が、画素(x,y)の直前に処理された5個の画素(以下、直前処理画素ともいう)の画素値に対する量子化誤差を用いて求められる。
直前処理画素が、画素(x,y)と同一のライン(水平ライン)上の画素である場合には、一般に、画素(x,y)と、直前処理画素との間に、相関性があるが、直前処理画素が、画素(x,y)と異なるライン上の画素である場合、すなわち、画素(x,y)が、例えば、ラインの先頭の画素である場合には、画素(x,y)と、直前処理画素すべてとの間に、相関性がない可能性が高い。
そして、画素(x,y)の画素値F(x,y)に加算される値が、フィルタ74において、画素(x,y)との相関性がない直前処理画素の画素値に対する量子化誤差を用いて求められることは、一見、好ましくないため、ディザ加算部51(図3)から演算部71に供給される(ディザが施された)画像の水平帰線期間(及び、垂直基線区間)に、フィルタ係数と乗算される(畳み込まれる)画素値を、例えば、0などの一定値に初期化することが考えられる。
しかしながら、SBMによる階調変換のシミュレーションによれば、水平帰線期間に、フィルタ係数と乗算される画素値を初期化せずに、直前のフィルタリングに用いられた画素値をそのまま用いる方が、一定値に初期化する場合よりも、画質が良好な画像(階調変換後の画像)を得ることができることが確認された。
したがって、フィルタ74では、ディザが施された画像の水平帰線期間に、フィルタ係数と乗算される画素値の初期化を行わないことが望ましい。
なお、水平帰線期間に、フィルタ係数と乗算される画素値を、一定値に初期化しない方が、良好な画質の画像を得ることができるのは、一定値に初期化する場合よりも、量子化誤差の拡散性が良くなるためであると考えられる。
したがって、量子化誤差の拡散性を良くする観点からは、フィルタ74において、水平帰線期間に、フィルタ係数と乗算される画素値を、一定値に初期化しないようにする他、フィルタ係数と乗算される画素値を、乱数によって初期化しても良い。
以上のように、SBMによる階調変換では、ディザ加算部51において、画像を構成する画素値に、ランダムノイズを加算することにより、画像にディザを施し、ΔΣ変調部52において、ディザが施された画像に、ΔΣ変調を施すことにより、階調変換後の画像として、高画質の画像を得ることができる。
特に、HPF62(図5)、及び、ΔΣ変調部52(図9)のノイズシェーピングの振幅特性の高域の特性を、人の視覚の空間周波数特性の逆特性にし、かつ、FloydフィルタやJarvisフィルタを用いたΔΣ変調によるノイズシェーピングの振幅特性よりも急峻に増加する特性にすることで、より高画質の画像を得ることができる階調変換を行うことができる。
ここで、SBMによる階調変換において、1次元のΔΣ変調が、ΔΣ変調部52において、ラスタスキャン順に供給される画素値を対象として行われる場合には、1次元のΔΣ変調後の画像においては、水平方向には、ΔΣ変調の効果(ノイズシェーピングの効果)が生じるが、垂直方向には、ΔΣ変調の効果が生じない。
そのため、1次元のΔΣ変調だけでは、その1次元のΔΣ変調後の画像の垂直方向については、見た目の階調が悪く、量子化ノイズも目立つことになる。
そこで、SBMによる階調変換では、1次元のΔΣ変調の前に、ディザが施される。その結果、階調変換後の画像においては、垂直方向には、ディザの効果が生じ、水平方向には、ディザと1次元のΔΣ変調の効果が生じ、水平方向、及び、垂直方向の両方について、見た目の画質を向上させることができる。
また、SBMによる階調変換では、ランダムノイズをHPF62でフィルタリングすることにより得られる、ランダムノイズの高域成分が、ディザに用いられる。さらに、HPF62のフィルタ係数が、人の視覚の空間周波数特性のうちの、表示装置13(図1)の解像度に対応する空間周波数以下の特性に基づき、HPF62の振幅特性の高域の特性が、人の視覚の空間周波数特性の逆の特性になり、かつ、FloydフィルタやJarvisフィルタを用いたΔΣ変調によるノイズシェーピングの振幅特性よりも急峻に増加するように決定される。
したがって、ディザに用いられるランダムノイズの高域成分が、人の視覚の感度が低い周波数成分となるため、階調変換後の画像の見た目の画質を向上させることができる。
また、SBMによる階調変換では、人の視覚の空間周波数特性のうちの、表示装置13の解像度に対応する空間周波数以下の特性に基づき、量子化誤差のノイズシェーピングの振幅特性の高域の特性が、人の視覚の空間周波数特性の逆の特性になり、かつ、FloydフィルタやJarvisフィルタを用いたΔΣ変調によるノイズシェーピングの振幅特性よりも急峻に増加するように、フィルタ74(図9)のフィルタ係数が決定される。
したがって、量子化誤差の周波数成分が、人の視覚の感度が低い周波数成分となるため、階調変換後の画像の見た目の画質を向上させることができる。
なお、階調変換の対象となる画像(対象画像)が、画素値として、YCbCr等の複数の成分を有する場合には、階調変換は、成分ごとに独立して行われる。すなわち、対象画像が、画素値として、Y成分、Cb成分、及びCr成分を有する場合には、Y成分のみを対象として、階調変換が行われる。同様に、Cb成分のみを対象として、階調変換が行われ、Cr成分のみを対象として、階調変換が行われる。
また、フィルタ74としては、上述したように、2次元フィルタを採用することができる。フィルタ74として、2次元フィルタを採用する場合には、ΔΣ変調部52では、2次元のΔΣ変調が行われ、水平方向、及び、垂直方向の両方について、ΔΣ変調の効果が生じるので、ΔΣ変調部52の前段のディザ加算部51は、不要となる。
但し、ディザ加算部51がない場合に、ΔΣ変調部52で処理をしようとしている画素の画素値が、その周辺の画素の画素値と一致していると、2次元フィルタを採用したフィルタ74の出力が発散するハンチング現象(hunting phenomena)が生じることがある。
ハンチング現象の防止の観点からは、ΔΣ変調部52の前段において、ΔΣ変調部52に供給される画素値に対し、必要に応じて(例えば、ΔΣ変調部52で処理をしようとしている画素の画素値が、その周辺の画素の画素値と一致する場合に)、ノイズを加算することが望ましい。
ところで、図2の画像処理部23では、表示装置13に擬似HD画像を表示する場合と、表示装置13にSD画像を表示する場合のいずれの場合も、SD画像が、エンハンス部41、NR部42、及び、階調変換部43で処理される。
したがって、表示装置13に擬似HD画像を表示する場合であっても、表示装置13にSD画像を表示する場合であっても、SD画像に対して施す処理は、同一のエンハンス処理、同一のノイズリダクション処理、及び、同一のSBM処理(SBMによる階調変換の処理)で済む。
ここで、同一のエンハンス処理とは、エンハンス処理のアルゴリズムの他、エンハンス処理に用いられるパラメータ(例えば、画像の高域の周波数成分を、どの程度強調するかを表すパラメータ等)も含めて、同一の処理を意味する。ノイズリダクション処理、及び、SBM処理についても、同様である。
一方、SBM処理では、ディザ加算部51において、対象画像に対して、ランダムノイズのうちの、人の視覚の感度が高い周波数成分は(ほとんど)加算しないで、人の視覚の感度が低い高域の周波数成分を多く加算することや、ΔΣ変調部52において、ノイズとしての量子化誤差Q(x,y)のうちの、人の視覚の感度が高い周波数成分は(ほとんど)加算しないで、人の視覚の感度が低い高域の周波数成分を多く加算することによって、階調変換後の画像として、バンディングがなくて、見た目の階調が良く、かつ、ノイズが目立たない画像を得ることができる。
但し、SBM処理において、階調変換後の画像の見た目の階調に影響するノイズの最高の周波数(影響最高周波数)は、階調変換後の画像が表示される表示装置13の解像度に対応する空間周波数(表示装置で表示することができる画像の最高の空間周波数)によって決まる。
具体的には、影響最高周波数は、表示装置13に表示される、階調変換後の画像の画素のサンプリング周波数(対象画像の画素のサンプリング周波数でもある)の1/2の周波数となる。
したがって、対象画像がSD画像である場合には、SD画像の画素のサンプリング周波数は(例えば、HD画像に比較して)低いので、影響最高周波数も低くなり、人の視覚の感度がそれほど低くない周波数になる。
る。
階調変換後の画像の見た目の階調を向上させるには、ディザで加算するノイズを、ある程度のレベルのノイズとする必要がある。しかしながら、対象画像がSD画像である場合には、影響最高周波数が低いため、ディザで加算するノイズを、レベルが高いノイズとすると、階調変換後の画像は、ディザで加算するノイズが目立つ画像となる。
対象画像がSD画像である場合に、ノイズが目立つことを防止するには、ディザで加算するノイズを、ある程度抑制する必要があり、その結果、見た目の階調を向上させること、つまり、バンディングの抑制の程度が低減する。
なお、ΔΣ変調部52において加算されるノイズとしての量子化誤差Q(x,y)についても、ディザで加算されるノイズと同様のことが言える。
以上のように、対象画像がSD画像である場合には、対象画像に加算されるノイズが抑制されることで、階調変換後のSD画像に、ノイズが目立つことをが防止されるが、バンディングの抑制の程度が低減する。
図2の画像処理部23では、表示装置13にSD画像を表示する場合も、SD画像をアップコンバートした擬似HD画像を表示する場合も、SD画像処理部40において、SD画像に対して、同一のエンハンス処理、同一のノイズリダクション処理、及び、同一のSBM処理が施される。
そして、表示装置13にSD画像を表示する場合には、SBM処理で得られる、階調変換後のSD画像が、SD出力部45から表示装置13に供給される。
一方、表示装置13に擬似HD画像を表示する場合には、SBM処理で得られる、階調変換後のSD画像が、コンバータ44で、擬似HD画像にアップコンバートされてから、HD出力部34を介して、表示装置13に供給される。
以上のように、SBM処理で得られる、階調変換後のSD画像を、コンバータ44で、擬似HD画像にアップコンバートする場合には、表示装置13にSD画像、及び、擬似HD画像のうちのいずれを表示する場合も、SD画像に対して施す処理は、同一のエンハンス処理、同一のノイズリダクション処理、及び、同一のSBM処理で済む。
しかしながら、SBM処理で得られる、階調変換後のSD画像を、コンバータ44で、擬似HD画像にアップコンバートする場合には、階調変換後のSD画像が、バンディングの抑制の程度が低い画像となるために、擬似HD画像は、見た目の階調が悪い画像となる。
ここで、擬似HD画像は、画素数がHD画像と同一の画像であり、画素のサンプリング周波数が(SD画像に比較して)高く、影響最高周波数も、人の視覚の感度が低い、高い周波数になる。
そのため、擬似HD画像については、SBM処理において、影響最高周波数に近い、高い周波数でレベルが高いノイズを加算しても、階調変換後の画像に、ノイズは視認されない(されにくい)。
したがって、表示装置13に擬似HD画像を表示する場合には、擬似HD画像を対象画像として、SBM処理を行うことで、階調変換後の画像として、高画質の画像、すなわち、バンディングが抑制され、ノイズが目立たない擬似HD画像を得ることができる。
そこで、図10は、図1の画像処理部23の他の構成例を示している。
なお、図10の画像処理部23において、図2の場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
すなわち、図10の画像処理部23は、HD画像処理部30、SD画像処理部40、HD出力部34、及び、SD出力部45が設けられている点で、図2の場合と共通する。
さらに、図10の画像処理部23は、コンバータ44が設けられている点でも、図2の場合と共通する。
但し、図10の画像処理部23は、擬似HD画像処理部80が、新たに設けられている点で、図2の場合と相違する。
さらに、図10の画像処理部23は、コンバータ44が、SD画像処理部40に代えて、擬似HD画像処理部80に設けられている点で、図2の場合と相違する。
擬似HD画像処理部80は、エンハンス部81、NR部82、階調変換部83、及び、コンバータ44等から構成され、SD画像から、高画質の擬似HD画像を生成する擬似HD画像処理を行う。
すなわち、ディスク11(図1)が、例えば、HD画像よりも画素数が少ないSD画像をエンコードしたエンコードデータが記録されたDVDであり、デコーダ22から画像処理部23に対して、SD画像が供給される場合において、表示装置13(図1)が、HDモニタであり、HD出力部34に接続されているときには、デコーダ22からのSD画像は、擬似HD画像処理部80に供給される。
擬似HD画像処理部80では、エンハンス部81が、デコーダ22(図1)からのSD画像に、高域の周波数成分を強調するエンハンス処理を施し、NR部82に供給する。
NR部82は、エンハンス部81からのSD画像に、ノイズを除去するノイズリダクション処理を施し、コンバータ44に供給する。
ここで、コンバータ44では、NR部82からのSD画像(第1の画像)が、図2の場合と同様に、擬似HD画像(第2の画像)にアップコンバートされる。コンバータ44でのアップコンバートによって得られる擬似HD画像は、階調変換部83に供給される。
階調変換部83は、コンバータ44からの擬似HD画像を対象画像として、その対象画像の階調変換をSBMによって行い、階調変換後の擬似HD画像を、HD出力部34に供給する。
すなわち、階調変換部83は、ランダムノイズをHPFでフィルタリングすることにより得られるノイズを、コンバータ44からの擬似HD画像を構成する画素値に加算することにより、その擬似HD画像にディザを施し、ディザが施された擬似HD画像に、ΔΣ変調を施すことにより、コンバータ44からの擬似HD画像の階調変換を行い、階調変換後の擬似HD画像を、HD出力部34に供給する。
なお、擬似HD画像処理部80でも、HD画像処理部30と同様に、エンハンス処理や、ノイズリダクション処理等の、画像の画質を改善する処理が行われた後に、画像の階調変換が行われるが、これは、HD画像処理部30の場合と同様の理由による。
次に、図11を参照して、図10の画像処理部23で行われる処理について説明する。
図11Aは、図10のHD画像処理部30のHD画像処理を説明するフローチャートである。
HD画像処理部30では、ステップS11において、エンハンス部31が、デコーダ22(図1)から供給されるHD画像にエンハンス処理を施し、NR部32に供給して、処理は、ステップS12に進む。
ステップS12では、NR部32は、エンハンス部31からのHD画像にノイズリダクション処理を施し、階調変換部33に供給して、処理は、ステップS13に進む。
ステップS13では、階調変換部33は、NR部32からのHD画像の階調変換をSBMによって行い、階調変換後のHD画像を、HD出力部34に供給する。
HD出力部34に供給された、階調変換後のHD画像は、HD出力部34に接続されている表示装置13に供給されて表示される。
図11Bは、図10の擬似HD画像処理部80の擬似HD画像処理を説明するフローチャートである。
擬似HD画像処理部80では、ステップS21において、エンハンス部81が、デコーダ22(図1)からのSD画像にエンハンス処理を施し、NR部82に供給して、処理は、ステップS22に進む。
ステップS22では、NR部82は、エンハンス部81からのSD画像にノイズリダクション処理を施し、コンバータ44に供給して、処理は、ステップS23に進む。
ステップS23では、コンバータ44は、NR部82からのSD画像を、擬似HD画像にアップコンバートし、階調変換部83に供給して、処理は、ステップS24に進む。
ステップS24では、階調変換部83は、コンバータ44からの擬似HD画像の階調変換をSBMによって行い、階調変換後の擬似HD画像を、HD出力部34に供給する。
HD出力部34に供給された擬似HD画像は、HD出力部34に接続されている表示装置13に供給されて表示される。
図11Cは、図10のSD画像処理部40のSD画像処理を説明するフローチャートである。
SD画像処理部40では、ステップS31において、エンハンス部41が、デコーダ22(図1)からのSD画像にエンハンス処理を施し、NR部42に供給して、処理は、ステップS32に進む。
ステップS32では、NR部42は、エンハンス部41からのSD画像にノイズリダクション処理を施し、階調変換部43に供給して、処理は、ステップS33に進む。
ステップS33では、階調変換部43は、NR部42からのSD画像の階調変換をSBMによって行い、階調変換後のSD画像を、SD出力部45に供給する。
SD出力部45に供給されたSD画像は、SD出力部45に接続されている表示装置13に供給されて表示される。
以上のように、擬似HD画像処理部80では、コンバータ44において、SD画像(第1の画像)を、より画素数が多い擬似HD画像(第2の画像)にアップコンバートし、その後、階調変換部83において、擬似HD画像を対象画像として、SBM処理(SBMによる階調変換)を行うので、高画質の擬似HD画像を得ることができる。
すなわち、図12は、SBM処理のディザで、擬似HD画像に加算されるノイズの周波数特性(振幅特性)を示している。
なお、図12において、横軸は周波数を表し、縦軸はレベルを表す。
上述したように、擬似HD画像については、影響最高周波数が、人の視覚の感度が低い、高い周波数になるので、SBM処理のディザにおいて、影響最高周波数に近い、高い周波数でレベルが高いノイズを加算しても、ノイズが目立つことを防止して、バンディングを抑制することができる。
一方、SD画像については、影響最高周波数が、人の視覚の感度がそれほど低くない、低い周波数になるので、階調変換後の画像にノイズが目立つことを防止するには、SBM処理のディザにおいて、レベルが高いノイズを加算することを避ける必要がある。
図12Aは、階調変換部83(図10)において、擬似HD画像を対象画像としたSBM処理のディザで加算されるノイズを示しており、図12Bは、階調変換部43(図10)において、SD画像を対象画像としたSBM処理のディザで加算されるノイズを示している。
擬似HD画像の画素のサンプリング周波数を、Fsと表すこととすると、擬似HD画像についての影響最高周波数は、Fs/2で表される。階調変換部83のディザでは、図12Aに示すように、人の視覚の感度が低い、高い周波数である影響最高周波数Fs/2に近い周波数の周波数成分が大のノイズが加算される。
一方、SD画像の画素のサンプリング周波数を、Fs'と表すこととすると、SD画像についての影響最高周波数は、Fs'/2で表される。
SD画像の画素のサンプリング周波数Fs'は、HD画像(擬似HD画像)の画素のサンプリング周波数Fsの1/2以下の周波数であり、SD画像についての影響最高周波数Fs'/2は、人の視覚の感度がそれほど低くない、低い周波数になる
階調変換部43のディザでは、本来ならば、図12Bに点線で示すように、影響最高周波数Fs'/2に近い周波数の周波数成分が大のノイズを加算して、バンディングを抑制したいが、それでは、階調変換後のSD画像に、ノイズが目立つことになる。
そのため、階調変換部43のディザでは、図12Bに実線で示すように、影響最高周波数Fs'/2に近い周波数の周波数成分が、本来加算したいレベル(図12Bに点線で示す)よりも抑制されたノイズが加算される。
なお、ΔΣ変調部52において加算されるノイズとしての量子化誤差Q(x,y)(ノイズシェーピングの振幅特性)についても、ディザで加算されるノイズと同様である。
ここで、SBM処理において、ディザで加算されるノイズの特性(ディザ加算部51のHPF62(図5)の特性に相当する)や、ΔΣ変調部52で加算される量子化誤差Q(x,y)の特性(ΔΣ変調部52で行われるノイズシェーピングの特性に相当する)は、SBM処理に用いられるフィルタ係数で決まるから、SBM処理のパラメータの1つということができる。
以上のように、階調変換部83において、擬似HD画像を構成する画素値に加算されるノイズは、階調変換部43において、SD画像を構成する画素値に加算されるノイズよりも、高域の周波数成分が大のノイズになっている。
その結果、階調変換部83では、階調変換部43に比較して、いわば、より強力に、バンディングを抑制することができる。
このように、階調変換部43と83とでは、SBM処理に、バンディングを抑制する能力に違いがある。このため、SD画像を対象として行われる、NR部42によるノイズリダクション処理と、NR部82によるノイズリダクション処理とにおいても、ノイズを除去する程度に違いがある。
すなわち、図13は、図10のNR部42及び82の構成例を示している。
ここで、図13Aは、NR部42の構成例を示しており、図13Bは、NR部82の構成例を示している。
NR部42は、図13Aに示すように、HPF101、リミッタ102、増幅器103、及び、演算器104等から構成される。
エンハンス部41(図10)からのSD画像は、HPF101、及び、演算器104に供給される。
HPF101は、エンハンス部41からのSD画像をフィルタリングすることにより、そのSD画像に含まれる高周波数成分を抽出し、リミッタ102に供給する。
リミッタ102は、HPF101からの高周波数成分のうちの、所定のレベルを超える高周波数成分を、所定のレベルに制限し、増幅器103に供給する。
増幅器103は、リミッタ102からの高周波数成分を、所定のゲインG1倍に増幅し、演算器104に供給する。
演算器104は、エンハンス部41からのSD画像から、増幅器103からの高周波数成分を減算することで、エンハンス部41からのSD画像に含まれるノイズを除去し、階調変換部43(図10)に供給する。
一方、NR部82は、図13Bに示すように、HPF111、リミッタ112、増幅器113、及び、演算器114等から構成される。
NR部82では、HPF111ないし演算器114が、図13AのHPF101ないし演算器104とそれぞれ同様の処理を行うことで、ノイズリダクション処理が行われる。
但し、NR部82では、ノイズリダクション処理に用いられるパラメータの1つである、増幅器113のゲインG2が、NR部42の増幅器103のゲインG1と異なる。
すなわち、エンハンス部41(図10)からのSD画像は、HPF111、及び、演算器114に供給される。
HPF111は、エンハンス部41からのSD画像をフィルタリングすることにより、そのSD画像に含まれる高周波数成分を抽出し、リミッタ112に供給する。
リミッタ112は、HPF111からの高周波数成分のうちの、所定のレベルを超える高周波数成分を、所定のレベルに制限し、増幅器113に供給する。
増幅器113は、リミッタ112からの高周波数成分を、所定のゲインG2倍に増幅し、演算器114に供給する。
演算器114は、エンハンス部41からのSD画像から、増幅器113からの高周波数成分を減算することで、エンハンス部41からのSD画像に含まれるノイズを除去し、コンバータ44(図10)に供給する。
上述したように、NR部82の増幅器113のゲインG2と、NR部42の増幅器103のゲインG1とは異なっている。すなわち、ゲインG2は、0ないし1の範囲の、ある程度大きい値である、例えば、0.8に、ゲインG1は、それほど大きくない値である、例えば、0.5に、それぞれなっている。
以上のように、NR部82では、増幅器113のゲインG2が、NR部42の増幅器103のゲインG1よりも大になっている。このため、NR部82では、NR部42のノイズリダクション処理よりも多くのノイズを除去するノイズリダクション処理(以下、強力なノイズリダクション処理ともいう)が行われる。
これは、以下のような理由による。
すなわち、一般に、バンディングは、対象画像にノイズが(ほとんど)なく、画素値が滑らかに変化している場合に生じやすく、対象画像にある程度のノイズが含まれ、画素値が、いわば、細かに変化している場合は、生じにくい。
一方、NR部42(図10)の後段の階調変換部43では、図12で説明したように、強力に、バンディングを低減することができない(レベルの高いノイズを加算することができないため、バンディングの抑制が制限される)。このため、NR部42において、強力なノイズリダクション処理を行い、SD画像から、特に高域のノイズを除去しすぎてしまうと、NR部42の後段の階調変換部43において、バンディングが生じやすくなる。
これに対して、NR部82(図10)の後段の階調変換部83では、図12で説明したように、強力に、バンディングを低減することができる。このため、NR部82において、強力なノイズリダクション処理を行っても、NR部82の後段の階調変換部83において、バンディングが生じることを防止することができる。
以上のように、NR部82では、NR部42と同様に、SD画像のノイズリダクション処理を行うが、NR部42よりも強力なノイズリダクション処理を行う。その結果、最終的に得られる擬似HD画像のS/Nを、図2の場合よりも向上させることができる。
次に、図14は、図10のエンハンス部41及び81の構成例を示している。
図13で説明したように、階調変換部83(図10)が、階調変換部43よりも、強力に、バンディングを低減することに起因して、NR部82は、NR部42よりも強力なノイズリダクション処理を行う。
そして、エンハンス部81では、NR部82が、NR部42よりも強力なノイズリダクション処理を行うことに起因して、エンハンス部41よりも、高域の周波数成分を、より強調するエンハンス処理(以下、強力なエンハンス処理ともいう)が行われる。
すなわち、図14Aは、図10のエンハンス部41の構成例を示している。
エンハンス部41は、HPF121、増幅器122、及び、演算器123等から構成される。
HPF121は、デコーダ22(図1)からのSD画像をフィルタリングすることにより、そのSD画像に含まれる高周波数成分(高域の周波数成分)を抽出し、増幅器122に供給する。
増幅器122は、HPF121からの高周波数成分を、所定のゲインK1倍に増幅し、演算器123に供給する。
演算器123は、デコーダ22からのSD画像に、増幅器122からの高周波数成分を加算することで、デコーダ22からのSD画像の高周波数成分を強調し、NR部42(図10)に供給する。
図14Bは、図10のエンハンス部81の構成例を示している。
エンハンス部81は、HPF131、増幅器132、及び、演算器133等から構成される。
エンハンス部81では、HPF131ないし演算器133が、図14AのHPF121ないし演算器123とそれぞれ同様の処理を行うことで、エンハンス処理が行われる。
但し、エンハンス部81では、エンハンス処理に用いられるパラメータの1つである、増幅器133のゲインK2が、エンハンス部41の増幅器122のゲインK1と異なる。
すなわち、デコーダ22(図1)からのSD画像は、HPF131、及び、演算器133に供給される。
HPF131は、デコーダ22からのSD画像をフィルタリングすることにより、そのSD画像に含まれる高周波数成分を抽出し、増幅器132に供給する。
増幅器132は、HPF131からの高周波数成分を、所定のゲインK2倍に増幅し、演算器133に供給する。
演算器133は、デコーダ22からのSD画像に、増幅器132からの高周波数成分を加算することで、デコーダ22からのSD画像に含まれる高周波数成分(特に、例えば、SD画像のエッジの部分等)を強調し、NR部82(図10)に供給する。
上述したように、エンハンス部81の増幅器133のゲインK2と、エンハンス部41の増幅器122のゲインK1とは異なっている。すなわち、ゲインK1は、0ないし1の範囲の、シミュレーションの結果等に基づいて決定された適切な値である、例えば、0.2になっている。また、ゲインK2は、ゲインK1より少し大きい値である、例えば、0.3になっている。
以上のように、エンハンス部81では、増幅器133のゲインK2が、エンハンス部41の増幅器122のゲインK1よりも大になっている。このため、エンハンス部81では、エンハンス部41のエンハンス処理よりも強力なエンハンス処理が行われる。
これは、以下のような理由による。
すなわち、エンハンス部81の後段のNR部82では、図13で説明したように、エンハンス部41の後段のNR部42よりも強力なノイズリダクション処理が行われる。
このように、NR部82で強力なノイズリダクション処理が行われる場合、そのノイズリダクション処理の結果得られるSD画像には、ぼけが生じる。
エンハンス処理は、ノイズが目立たない範囲で、画像の鮮鋭度を改善するために行われるが、エンハンス部81では、鮮鋭度の改善に加えて、後段のNR部82で行われる強力なノイズリダクション処理によって生じるぼけの補償をも行うために、強力なエンハンス処理が行われる。
以上のように、エンハンス部81では、エンハンス部41と同様に、SD画像のエンハンス処理を行うが、エンハンス部41よりも強力なエンハンス処理を行う。その結果、NR部82において、強力なノイズリダクション処理が行われても、ぼけが生じることを防止することができる。
以上、本発明を、ディスク11を再生する再生装置12に適用した場合について説明したが、本発明は、その他、例えば、SD画像を擬似HD画像に変換する機能を持たせた、例えば、テレビジョン受像機その他の装置に適用可能である。
なお、図10の画像処理部23において、HD画像処理部30でのHD画像処理(エンハンス処理、ノイズリダクション処理、SBM処理)に用いられるパラメータとしては、例えば、擬似HD画像処理部80での擬似HD画像処理に用いられるのと同一のパラメータ等を採用することが可能である。
また、本実施の形態では、SD画像処理部40(図10)の階調変換部43において、SBMによる階調変換を行うこととしたが、階調変換部43では、その他、例えば、ランダムディザ法や、組織的ディザ法、誤差拡散法等の従来の階調変換を行うことが可能である。
さらに、本実施の形態では、コンバータ44(図10)において、SD画像を、画素数がHD画像と同一の擬似HD画像にアップコンバートするようにしたが、コンバータ44では、SD画像に限らず、その他の画素数が少ない第1の画像を、より画素数が多い第2の画像に変換するアップコンバートを行うことが可能である。
また、図10において、エンハンス部31,41、及び81は、別個のハードウェア、又はソフトウェアモジュールで構成する他、同一のハードウェア、又はソフトウェアモジュールで兼用することが可能である。
但し、エンハンス部31,41、及び81を、同一のハードウェア、又はソフトウェアモジュールで兼用する場合には、そのハードウェア、又はソフトウェアモジュールにおいて、HD画像処理、SD画像処理、及び、擬似HD画像処理のうちのいずれが行われるかによって、処理に用いられるパラメータは異なる。
図10のNR部32,42、及び82や、階調変換部33,43、及び83についても、同様である。
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
そこで、図15は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク205やROM203に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体211に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体211は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体211からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部208で受信し、内蔵するハードディスク205にインストールすることができる。
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)202を内蔵している。CPU202には、バス201を介して、入出力インタフェース210が接続されており、CPU202は、入出力インタフェース210を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部207が操作等されることにより指令が入力されると、それに従って、ROM(Read Only Memory)203に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU202は、ハードディスク205に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部208で受信されてハードディスク205にインストールされたプログラム、またはドライブ209に装着されたリムーバブル記録媒体211から読み出されてハードディスク205にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)204にロードして実行する。これにより、CPU202は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU202は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース210を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部206から出力、あるいは、通信部208から送信、さらには、ハードディスク205に記録等させる。
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
すなわち、本実施の形態では、SBMによって、階調変換を行うこととしたが、階調変換は、その他、例えば、SBM以外の誤差拡散法や、組織的ディザ法等によって行うことが可能である。
本発明を適用したTVの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。 画像処理部23の構成例を示すブロック図である。 階調変換部33の構成例を示すブロック図である。 階調変換部33の階調変換によって得られた画像と、その画像のある水平ライン上の画素値とを示す図である。 ディザ加算部51の構成例を示すブロック図である。 人の視覚の空間周波数特性を示す図である。 空間周波数の単位であるcycle/degreeを説明する図である。 係数設定部64が、HPF62のフィルタ係数を決定する方法を説明する図である。 ΔΣ変調部52の構成例を示すブロック図である。 画像処理部23の他の構成例を示すブロック図である。 HD画像処理、擬似HD画像処理、及び、SD画像処理を説明するフローチャートである。 SBM処理のディザで加算されるノイズの特性を示す図である。 NR部42及び82の構成例を示すブロック図である。 エンハンス部41及び81の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
11 ディスク, 12 再生装置, 13 表示装置, 21 読み出し部, 22 デコーダ, 23 画像処理部, 30 HD画像処理部, 31 エンハンス部, 32 NR部, 33 階調変換部, 34 HD出力部, 40 SD画像処理部, 41 エンハンス部, 42 NR部, 43 階調変換部, 44 コンバータ, 45 SD出力部, 51 ディザ加算部, 52 ΔΣ変調部, 61 演算部, 62 HPF, 63 ランダムノイズ出力部, 64 係数設定部, 71 演算部, 72 量子化部, 73 演算部, 74 フィルタ, 75 係数設定部, 80 擬似HD画像処理部, 81 エンハンス部, 82 NR部, 83 階調変換部, 101 HPF, 102 リミッタ, 103 増幅器, 104 演算器, 111 HPF, 112 リミッタ, 113 増幅器, 114 演算器, 121 HPF, 122 増幅器, 123 演算器, 131 HPF, 132 増幅器, 133 演算器, 201 バス, 202 CPU, 203 ROM, 204 RAM, 205 ハードディスク, 206 出力部, 207 入力部, 208 通信部, 209 ドライブ, 210 入出力インタフェース, 211 リムーバブル記録媒体

Claims (10)

  1. 第1の画像を、前記第1の画像よりも画素数が多い第2の画像にアップコンバートするコンバート手段と、
    前記第2の画像に、ΔΣ変調を施すことにより、前記第2の画像の階調を変換する階調変換手段と
    を備える画像処理装置。
  2. 前記ΔΣ変調に用いられるフィルタのフィルタ係数は、前記ΔΣ変調によるノイズシェーピングの振幅特性が、高域で、Floydフィルタを用いたΔΣ変調によるノイズシェーピングの振幅特性よりも急峻に増加するように決定される
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ΔΣ変調に用いられるフィルタは、2次元フィルタである
    請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記ΔΣ変調に用いられるフィルタは、1次元フィルタであり、
    前記階調変換手段は、
    ランダムノイズをHPF(High Pass Filter)でフィルタリングすることにより得られるノイズを、前記第2の画像を構成する画素値に加算することにより、前記第2の画像にディザを施し、
    前記ディザが施された前記第2の画像に、1次元フィルタを用いた1次元のΔΣ変調を施す
    ことにより、前記第2の画像の階調を変換する
    請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1の画像に、ΔΣ変調を施すことにより、前記第1の画像の階調を変換する他の階調変換手段をさらに備え、
    前記階調変換手段で前記第2の画像を構成する画素値に加算される前記ノイズは、前記他の階調変換手段で前記第1の画像を構成する画素値に加算される前記ノイズよりも、高域の周波数成分が大のノイズである
    請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1の画像に、ノイズを除去するノイズリダクション処理を施すノイズリダクション手段、及び、他のノイズリダクション手段をさらに備え、
    前記コンバート手段は、前記ノイズリダクション処理が施された後の前記第1の画像を、前記第2の画像にアップコンバートし、
    前記他の階調変換手段は、前記ノイズリダクション処理が施された後の前記第1の画像の階調を変換し、
    前記ノイズリダクション手段は、前記他のノイズリダクション手段のノイズリダクション処理よりも多くのノイズを除去するノイズリダクション処理を行う
    請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記第1の画像に、高域の周波数成分を強調するエンハンス処理を施すエンハンス手段、及び、他のエンハンス手段をさらに備え、
    前記コンバート手段は、前記エンハンス処理、及び前記ノイズリダクション処理が施された後の前記第1の画像を、前記第2の画像にアップコンバートし、
    前記他の階調変換手段は、前記エンハンス処理、及び前記ノイズリダクション処理が施された後の前記第1の画像の階調を変換し、
    前記エンハンス手段は、前記他のエンハンス手段のエンハンス処理よりも、高域の周波数成分を、より強調するエンハンス処理を行う
    請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 画像処理装置が、
    第1の画像を、前記第1の画像よりも画素数が多い第2の画像にアップコンバートし、
    前記第2の画像に、ΔΣ変調を施すことにより、前記第2の画像の階調を変換する
    ステップを含む画像処理方法。
  9. 第1の画像を、前記第1の画像よりも画素数が多い第2の画像にアップコンバートするコンバート手段と、
    前記第2の画像に、ΔΣ変調を施すことにより、前記第2の画像の階調を変換する階調変換手段と
    して、コンピュータを機能させるためのプログラム。
  10. 第1の画像を、前記第1の画像よりも画素数が多い第2の画像にアップコンバートするコンバート手段と、
    前記第2の画像の階調を、誤差拡散法、又は、組織的ディザ法によって変換する階調変換手段と
    を備える画像処理装置。
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