JP2010066421A - 累進屈折力レンズの設計方法及び製造方法 - Google Patents

累進屈折力レンズの設計方法及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】任意のフレームに好適な累進特性の累進屈折力レンズを客観的で妥当な方法によって設計あるいは製造する方法を提供すること。
【解決手段】フレームの評価値を決定する指標となる1以上の尺度を設定する一方、分析対象とする公知の複数のフレーム形状についてそれぞれ形状データを入手し、各フレーム形状毎に他のフレーム形状との形状の違いを分析し、他のフレーム形状との相対的な評価値を決定する。そして評価値が与えられた各フレーム形状から各尺度毎に代表的なフレーム形状の評価値に応じた尺度量を所定のフレーム形状に加え代表フレーム形状を決定し、代表フレーム形状毎に基準累進面形状にサグ量を付加することで代表フレーム形状の好適な累進面形状を設計する。任意のフレーム形状Pが尺度毎にどのような重みがあるか分析し、その重みを代表フレーム形状の累進面形状に対して与えることで任意のフレーム形状Pの累進面形状を得る。
【選択図】 図9

Description

本発明は任意のフレーム形状に好適な累進特性の累進面形状を有する累進屈折力レンズの設計方法及び製造方法に関するものである。
累進屈折力レンズの累進特性を大きく分類すると、遠近タイプ(レンズ上方の遠用領域を広く設定した)、遠用領域を狭くした中近タイプ、更に近用領域を大きくして遠用性能を犠牲にした近々タイプがある。これら3つのタイプの特性はそれぞれ大きく異なったものであり、ユーザーは目的に応じて適したタイプの製品を選択することとなる。
このような累進屈折力レンズの累進特性に着目した選択とは別に、ユーザーの選択したフレームによって累進特性が制限される場合がある。例えば、天地幅の小さいフレームでは累進帯が長いタイプのレンズは好適ではなく、レンズの近用領域がフレームに収まるような累進帯が短いタイプのレンズを選択するほうが良い。つまり、ユーザーが任意にフレームを選択する場合にはフレーム形状に応じた適性の累進特性の累進屈折力レンズを採用する必要がある。
あるフレームに好適な累進特性のレンズを適用する場合に、そのフレーム毎に累進設計を行ってオーダーメード的に好適な特性の累進屈折力レンズを設計することも考えられる。例えば特許文献1にそのような一例を挙げる。
特開2007−241276号公報
しかし、特許文献1の発明による累進屈折力レンズの製造方法は、各視方向について目標の度数欠陥および目標の非点収差欠陥を得るために、レンズに必要な度数を順次反復法で計算するため、計算方法が非常に複雑であって、計算に多くの時間または手間を要し、更にそのような手間がかかっても多くの注文に対して的確に好適な累進屈折力レンズが製造できるという保証もない。また、実際にこのようにオーダーメード的に好適な特性の累進屈折力レンズを設計するには計算に多くの時間または手間がかかるため、一般にコストの点での障害となる。そのため、通常はあらかじめ用意した所定の累進特性の累進屈折力レンズの累進特性パターンからそのフレームに好適なものを組み合わせるという手法を採用することが多い。
しかし、主観を廃して当該フレーム形状に好適な累進特性の累進屈折力レンズを選択することは困難であり、また、あまりに累進特性パターンが多いといくつもの選択肢ができてしまい決定することができない。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、任意のフレームに好適な累進特性の累進屈折力レンズを客観的で妥当な方法によって設計あるいは製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するために請求項1の発明では、任意のフレーム形状Pに好適な累進特性の累進面形状を有する累進屈折力レンズの設計方法であって、以下の各工程から構成されることをその要旨とする。
(A) 形状の特定された所定のフレーム形状に対して好適な基準累進面形状を設計し、同基準累進面形状を第1のデータとして算出する第1のデータ算出工程。
(B) フレームの評価値を決定する指標となる1以上の定量的な尺度を決定する尺度設定工程。
(C) 分析対象とする公知の複数のフレーム形状についてそれぞれ形状データを入手し、同形状データに基づいて各フレーム形状毎に他のフレーム形状との形状の違いを分析し、各フレーム形状毎に他のフレーム形状との相対的な評価値を決定する評価値決定工程。
(D) 前記評価値決定工程において評価値が与えられた前記各フレーム形状から前記各尺度毎に代表的なフレーム形状の評価値に応じた尺度量を所定のフレーム形状に加えることによって代表的なフレーム形状(以下、代表フレーム形状とする)を決定する代表フレーム決定工程。
(E) 前記第1のデータ算出工程で得られた第1のデータに対してサグ量を付加することで前記代表フレーム決定工程で決定された前記各代表フレーム形状に対する好適な累進面形状を設計する際の、当該サグ量に対応する第2のデータを算出する第2のデータ算出工程。
(F) 前記評価値に基づいて前記尺度毎に前記任意のフレーム形状Pの形状データに重みを設定し、同尺度毎の重みを与えた前記代表フレーム形状の第2のデータを補正値として前記第1のデータに合成し、合成したデータに基づいて加工することで同任意のフレーム形状Pの累進面形状を得る合成工程。
また、請求項2の発明では、任意のフレーム形状Pに好適な累進特性の累進面形状を有する累進屈折力レンズを製造する方法であって、以下の各工程から構成されることをその要旨とする。
(A) 形状の特定された所定のフレーム形状に対して好適な基準累進面形状を設計し、同基準累進面形状を第1のデータとして算出する第1のデータ算出工程。
(B) フレームの評価値を決定する指標となる1以上の定量的な尺度を決定する尺度設定工程。
(C) 分析対象とする公知の複数のフレーム形状についてそれぞれ形状データを入手し、同形状データに基づいて各フレーム形状毎に他のフレーム形状との形状の違いを分析し、各フレーム形状毎に他のフレーム形状との相対的な評価値を決定する評価値決定工程。
(D) 前記評価値決定工程において評価値が与えられた前記各フレーム形状から前記各尺度毎に代表的なフレーム形状の評価値に応じた尺度量を所定のフレーム形状に加えることによって代表的なフレーム形状(以下、代表フレーム形状とする)を決定する代表フレーム決定工程。
(E) 前記第1のデータ算出工程で得られた第1のデータに対してサグ量を付加することで前記代表フレーム決定工程で決定された前記各代表フレーム形状に対する好適な累進面形状を設計する際の、当該サグ量に対応する第2のデータを算出する第2のデータ算出工程。
(F) 前記評価値に基づいて前記尺度毎に前記任意のフレーム形状Pの形状データに重みを設定し、同尺度毎の重みを与えた前記代表フレーム形状の第2のデータを補正値として前記第1のデータに合成し、合成したデータに基づいて所定のレンズ前駆体を加工することで同任意のフレーム形状Pの累進面形状のレンズを得るレンズ作成工程。
また請求項3の発明では、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記形状の特定された所定のフレーム形状とは前記複数のフレーム形状に基づく平均的なフレーム形状であることをその要旨とする。
また請求項4の発明では請求項2又は3に記載の発明の構成に加え、前記評価値決定工程においてフレーム形状毎に他のフレーム形状との違いを評価する際に共分散行列あるいは相関行列を導き、その行列式の固有ベクトルを算出して同固有ベクトルに応じた主成分を決定し、各フレーム形状毎の主成分得点を評価値とすることをその要旨とする。
また請求項5発明では請求項2〜4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記フレーム形状の形状データは空間位置が特定される3次元データであることをその要旨とする。
また請求項6の発明では請求項2〜5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記代表フレーム形状とは前記各尺度に前記複数のフレーム形状のうち、評価値の最も高いものと最も低いものであることをその要旨とする。
また請求項7の発明では請求項2〜6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状はベースカーブが同一であることをその要旨とする。
また請求項8の発明では請求項2〜6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状はベースカーブが同一でないことをその要旨とする。
また請求項9の発明では請求項2〜8のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状は累進帯長さが一定であることであることをその要旨とする。
また請求項10の発明では請求項2〜8のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状は累進帯長さが一定でないことであることをその要旨とする。
また請求項11の発明では請求項2〜10のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記各各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状は遠用面屈折力と近用面屈折力がそれぞれ同一であることをその要旨とする。
また請求項12の発明では請求項2〜10のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状は遠用面屈折力又は近用面屈折力がそれぞれ同一でなくともよいことをその要旨とする。
上記のような構成では、第1のデータ算出工程において形状の特定された所定のフレーム形状に対して好適な累進面形状を設計し、その累進面形状を第1のデータとして算出する。但し、第1のデータは後述する合成工程(レンズ作成工程)での計算で必要とされるため合成工程(レンズ作成工程)より前に算出されていればよい。形状の特定された所定のフレーム形状であれば理論的には形状は問わないが、計算のしやすさから後述する複数のフレーム形状に基づく平均的なフレーム形状であることが好ましい。尚、ここに「フレーム形状」とは顧客の視力に応じて処方されたレンズ(いわゆる丸レンズ)をフレームに合わせてカットしたいわゆる玉型の形状と一致する。玉型はユーザーのアイポイント位置も既に処方の一部として決まっているため、本発明ではフレーム形状とはアイポイント位置も考慮された形状を意味するものとする。
また、尺度設定工程でフレームの評価値を決定する指標となる1以上の定量的な尺度を設定する。尺度は1つ以上いくつあっても基本的には構わない。
ここで尺度とは例えばフレームの上下あるいは左右幅の違いや、あるいは四角形形状か卵形形状、面積の差のようなフレーム形状の状態を評価する基準である。また、必ずしも2次元的な観点からの尺度だけではなく、頂間距離や前傾角やそり角の情報を反映した尺度とすることも可能である。
次いで、評価値決定工程で既にその形状の分かっている複数のフレーム形状についてそれぞれ形状データを入手する。そして、その形状データから前記各尺度毎に代表的なフレーム形状の評価値に応じた尺度量を所定のフレーム形状に加えるようにする。尺度量とは尺度に応じた固有のベクトル量と言い換えてもよい。
フレーム形状は2次元的な形状データのみならず空間位置が特定される3次元データであってもよい。3次元データとした場合には上記のようなフレームの頂間距離や前傾角やそり角までを反映することができる。尺度は前もって設定しなくとも評価値決定工程での評価値の付与に伴って設定するようにしてもよい。
評価は尺度に応じて異なるため、尺度ごとでフレーム形状の評価値は同じではない。評価手法としては主観でも構わないが、より客観性を与える場合には例えば共分散行列あるいは相関行列を導き、その行列式の固有ベクトルを算出して同固有ベクトルに応じた主成分を決定し、各フレーム形状毎の主成分得点を尺度量とすることが好ましい。主成分分析を利用することで主成分が得られるが、これは尺度の一種と捉えることができる。主成分は複数得られるため所望の尺度に応じた主成分を選択することが可能である。
上記のように評価値が与えられたフレーム形状について、代表フレーム決定工程で各尺度毎に代表的なフレーム形状(以下、代表フレーム形状とする)が決定される。
この代表フレーム形状はその尺度における特徴が最も顕著に現れているフレーム形状であることが望ましい。例えば上記主成分分析での当該主成分での主成分得点の高いもの(できれば最高のもの)、あるいは低いもの(できれば最低のもの)が好ましい。
決定された代表フレーム形状に対して好適な累進面形状を設計する。その累進面形状は第1のデータの基準累進面形状にサグ量を付加することで得られる。そのサグ量に対応する第2のデータを算出する。代表フレーム形状は少なくとも尺度の数以上は設定されることとなる。例えば各尺度毎に2つの代表フレーム形状を設定すれば尺度が4つであれば8種類の代表フレーム形状が設定されることとなる。
代表フレーム形状に設計される累進面形状については種々のパターンが想定される。例えば、各尺度毎に決定されたすべての代表フレーム形状のベースカーブを同一とすることが考えられる。一方、各尺度毎に決定されたすべての代表フレーム形状のベースカーブを同一でない、つまり異なるベースカーブの代表フレーム形状があっても構わない。
このようにベースカーブの設計に裕度があると例えばフレーム形状が3次元データである場合にフレーム形状に応じた最適なベースカーブの設計とすることができる。
また、各尺度毎に決定されたすべての代表フレーム形状の累進帯長さを一定とすることが考えられる。一方、各尺度毎に決定されたすべての代表フレーム形状の累進帯長さを同一でない、つまり異なる累進帯長さの代表フレーム形状があっても構わない。
例えば天地幅の長いフレームに対しては累進帯長さを長くしたほうが、累進レンズ特有のユレ・ユガミ・ボケを防ぐことができるからである。その反対に、天地幅の短いフレームに対しては累進帯長さを短くしないと、レンズの近用部がフレーム内に収まらなくなるからである。
また、各尺度毎に決定されたすべての代表フレーム形状の遠用面屈折力と近用面屈折力はそれぞれ同一であっても、あるいは同一でなくとも構わない。
ここに同一にしないのは、眼とレンズの距離によって好適なレンズのパワーが変わることを念頭に置いたものである。たとえば、頂間距離によってレンズの装用者に対する実効の遠用度数が変わる。すなわち、頂間距離が長くなると、レンズの作用による実質的な矯正度数はプラス側に変位する。つまりマイナス度数のレンズは弱く、プラス度数のレンズは強くなる。そのため、頂間距離応じてレンズの遠用度数を変えることで、実質的な矯正度数を一定に保つ(あるいは変位を小さく抑える)ことができるわけである。
また、眼からレンズ近用部までの距離は頂間距離と前傾角(と累進帯長さ)によって変わるので、それらのデータに応じて近用度数を変えることも想定している。
その他、代表データの累進面補正形状はプラス度数とマイナス度数、あるいは強度と弱度など、度数の範囲によって別々に用意するようにしてもよい。
本発明の目的は任意のフレーム形状Pの形状データに関して、各尺度に対応する重みを設定することである。そのために上記合成工程(レンズ作成工程)において評価値に基づいて尺度毎に任意のフレーム形状Pの形状データに重みを設定する。評価値としては例えば代表フレーム形状と任意のフレーム形状Pとの形状差や主成分分析での主成分得点等が要素となりうる。評価値は尺度毎に異なる固有値となる。従って、重みも尺度によって異なるわけである。得られた重みは任意のフレーム形状Pの形状特性を示す尺度毎に異なる係数と考えることが可能である。
この重みを各尺度における代表フレーム形状の累進面形状(第2のデータ)に与えて補正値を得、その補正値を基準となる屈折面のデータである第1のデータと合成することで任意のフレーム形状Pに好適な累進特性の累進屈折力レンズの合成データを得ることができる。
このような考えによって代表フレーム形状の累進面形状を設計すればそれらに基づいて任意のフレーム形状Pに好適な累進面形状を得ることができるわけである。このデータは上記代表フレーム形状に対する好適な累進面形状を設計する際に第1のデータにサグ量を付加したのと同様に、基準累進面形状にどの位サグを付加するのかのサグ量データと考えてもよい。ここに「合成」とは、サグ量または形状分布関数を加え合わせることを意味する。そしてこの合成データに基づいて具体的な累進屈折力レンズを作製する。
ここに、本発明では基準面としての第1のデータにサグを付加するように第2のデータに重みを与えた補正値を合成するようにしている。つまり、代表フレーム形状に好適な(代表フレーム形状に対応して設定する)累進面形状は、独自に設計するのではなく、基準面をベースとしてその基準面のサグを変位させる方式によって形状データを創生するようにしている。これによって、もし重み(係数)が0である場合にはサグを変位させる量も0となるため第1のデータによって設計された基準となる累進面形状そのものを任意のフレーム形状Pに好適な累進特性の累進屈折力レンズとすることができるわけである。
上記各請求項の発明では、遠用アイポイント位置が分かっている任意のフレーム形状Pに好適な累進特性の累進屈折力レンズを過去の多くのフレーム形状を尺度毎に評価し、尺度毎の重みを代表フレーム形状の累進面形状の第2のデータに与えることで、代表フレーム形状の累進面形状を利用して間接的に設計できるようにした。そのため、任意のフレーム形状Pの累進特性を実際に個別に設計しなくともよく、簡単に低コストで任意のフレーム形状Pの累進屈折力レンズを製造することが可能となる。
以下、図面に従って具体的な実施例の説明をする。
まず図1〜図4に基づいて、本発明の方法を実行するための周辺装置の概略について説明する。
図1は本発明の方法を実現するための工程を説明する概略ブロック図である。本実施例ではまず、任意のフレーム形状Pの累進屈折力レンズのレンズデータを算出するレンズ特性データ算出工程Aと、算出されたレンズデータに基づいて具体的に任意のフレーム形状Pに好適な累進屈折力レンズを作製するレンズ作製工程Bから構成されている。図2に示すように、レンズ特性データ算出工程Aではレンズ特性算出用コンピュータ1とこれに接続されたフレーム形状測定装置2によって任意のフレーム形状Pや設計の前提となる分析対象とする公知のフレーム形状(本実施例では700種類)のフレーム形状の形状データが測定されるものとし、これら公知のフレーム形状に基づいて決定された代表フレームの累進面形状が設計され、代表フレームの累進面形状毎に重みを係数とした補正がされ、それらを基準累進面に合成することで最終的に任意のフレーム形状Pに好適な累進面形状が設計される。
尚、レンズ特性算出用コンピュータ1とフレーム形状測定装置2はLAN接続のように必ずしも直接つながっていなくても良く、逆にコンピュータ1とフレーム形状測定装置2が一体化されていてもよい。また、フレーム形状の測定としてフレーム形状測定装置2以外の装置を使用することも可能であるし、複数のフレーム形状測定装置2で測定した形状データを入力するようにしてもよい。また、形状データはLANに限らず、データ記憶装置等(フレキシブルディスクやUSBメモリといったメディアも含め)を使ってレンズ特性算出用コンピュータ1に渡されてもよい。
レンズ特性算出用コンピュータ1はCPU(中央処理装置)11及びその周辺装置によって構成される。CPU11は各種プログラムや入力された代表フレームの累進面データや重みに基づいて任意のフレーム形状Pの累進面形状データを作成する。記憶装置12にはCPU11の動作を制御するためのプログラム、複数のプログラムに共通して適用できる機能を管理するOA処理プログラム(例えば、日本語入力機能や印刷機能等)等の基本プログラムが格納されている。更に、フレーム形状データを取り込むプログラム、累進面データを取り込むプログラム、取り込んだ累進面データを補正して新たな累進面形状データを作成する補正プログラム等が格納されている。尚、累進面形状データは既に作成されたデータを援用することも可能である。
CPU11は後述する実施例1や実施例2に基づいて入力された代表フレームの累進面形状データに対して重みを考慮して、基準となる累進面データを補正する。
CPU11には入力装置32(マウス、キーボード等)、及びモニター33が接続されている。また、入力装置32としてはキーボード5以外にバーコードのような2次元コードやLAN接続された他のコンピュータやデータ記憶装置等の他の装置から転送されたデータを入力する手段等が挙げられる。
フレーム形状測定装置2は図示しないフレームトレーサーを有し、実際に形状データを入手したいフレームの内径に沿ってトレーシングしてフレーム形状データを得る。実際に取り込む位置データは多数に及ぶが、本実施例では適宜間引いて図3に示すようにボクシングセンタOを原点(中心)とした15度間隔の24本の放射状の直線上の点X1〜X24を採用した。ここに、ボクシングセンタとはX座標の最大・最小の中間点、Y座標の最大・最小の中間点を組み合わせた原点である。この点はフレームに外接する長方形の中心である。つまり、フレームを長方形形状に内接させた場合の中心位置である。但し、原点をボクシングセンタOではなく他の任意の点、例えばアイポイントとすることも可能である。
本実施例ではフレーム形状測定装置2によってフレームの形状データを得るとともに、レンズメータによってユーザー毎の固有のアイポイントYO位置を決定する。アイポイントYO位置はボクシングセンタOからのX・Y座標として特定される。
本実施例では合計700の分析対象フレームについて形状データとアイポイントデータを得た。形状データはX・Y座標として特定されるため、24点×2の計48の変数として捉える。一方、任意のフレーム形状Pについても同様の操作で形状データとアイポイントデータを得た。
レンズ作製工程Bにおいてはレンズ特性算出用コンピュータ1で作成された累進面形状データに基づいて図4に示す「セミフィニッシュ」と呼称される十分な厚みを有する材料ブロック21を図示しないCAM(computer aided manufacturing)装置によって切削加工が施される。
本実施の形態における材料ブロック21の平面形状は円形とされ、その表面は前もって所定の曲率で球面状に加工された凸状加工面22とされている。裏面は所定の曲率で球面状に加工された所定のベースカーブの凹状加工面23とされている。
本実施の形態では材料ブロック21の形状データをCAM装置に入力するとともに、凸状加工面22側を固定装置に固定し上記レンズ特性データ算出工程Aで合成されたデータ(サグ量データ)に基づいて凹状加工面23側を加工し、任意のフレーム形状Pに好適な累進屈折力レンズを得る。尚、このレンズ作製工程Bは一例である。
実施例1及び2ではフレーム形状測定装置2によって得られた形状データに基づいて任意のフレーム形状Pの累進屈折力レンズの基準累進面形状に合成するサグ量データを得る段階までを特化して説明する。
(実施例1)
実施例1では主成分分析を利用した。主成分分析を利用すると尺度を主成分として、また評価値を主成分得点として、また代表データを主成分得点の高低によって容易に決定することが可能である。また、重みも主成分得点に基づいて求めることができる。
本実施例では表1に示すように計700種の分析対象フレームについて24点をX座標とY座標の2種類のデータとして計48個のデータを採取した。得られたデータは図5に示すようなデータ行列として表現することが可能である。図5においては所定の行をj、列をkとする。
<各フレーム形状の形状データの標準化>
まず、得られたデータ値の標準化を行う。
各レンズ毎に共通な位置の形状データのデータ48組(1組が700個のデータからなる)を考え、48組それぞれの数値の平均と標準偏差を求める。具体的には各数値の平均をまず求め、個々のデータとの差を二乗して総和し、これを(700−1=699)で除して分散を求める。この値の平方根を標準偏差とする。一般式は下記の通りである。そして共通な位置のフレーム形状データ48組に関して、各組700個のデータそれぞれから各組の平均値を減じて各組の標準偏差で割ることによってデータ行列を標準化する。
Figure 2010066421
<共分散行列の計算>
共分散行列のj行k列の要素は標準化されたデータ行列をもとに計算する。これは標準化されたデータ行列の、
1)1行のj列要素とk列要素を掛け合わせたもの
2)2行のj列要素とk列要素を掛け合わせたもの
3)i行のj列要素とk列要素を掛け合わせたもの
の合計を求めることで得られる。
一般的に書くと、図6に示すようにある行のj列要素とk列要素を掛け合わせたものを、全部の行について加え合わせることである。
この作業はコンピュータによる計算で例えば図7に示すようなアルゴリズムによって実行される。図7において、xd[][]という2次元配列は図6のデータ行列の要素を表す。a[][]という2次元配列は共分散行列の要素を表す。nnはデータ数であり、実施例では700となる。npはデータの要素数であり、実施例では48となる。
このアルゴリズムではj行k列の要素を図8に示すように図中矢印に沿って、上から順に求めていく。対角行列であるためj行k列の要素を求めるとき、同時にk行j列の要素を決定(同じ値)していることとなる。
<固有値に基づく主成分の計算>
上記共分散行列の計算によって固有値を求める。本実施例における各主成分(第4主成分まで)毎の固有値は次の表1の通りである。
Figure 2010066421
<尺度の決定>
本実施例1では固有値の応じた第1〜第4主成分を尺度として、第1〜第4主成分についてそれぞれ分析対象フレームについて主成分得点を算出した。第1の尺度→第1主成分、第2の尺度→第2主成分、第3の尺度→第3主成分、第4の尺度→第4主成分というような対応となっている。図9は各主成分の主成分得点の高低を縦軸に配置した分析対象フレームの散布図である。上方向ほど主成分得点が高く、下方向ほど低くなっている。尚、すべての分析対象フレームを図示すると重なって分かりにくくなるため、図9はフレームの数を間引いて図示されている。
第1主成分に対応する第1の尺度は主成分得点が高いほど「天地幅が大きく、全体に大きく、耳側が広い」フレーム形状であり、適用される累進屈折力レンズは収差分散型で、耳側の収差が小さく、加入の立ち上げの穏やかなものとする。また、主成分得点が低いほど「天地幅が狭く、全体に小さく、鼻側と耳側の広さが同じくらい」という形状であり、適用される累進屈折力レンズは収差集中型で、鼻側と耳側の収差の大きさが同程度(以下、鼻耳バランス型とする)で、加入の立ち上げを強くしたものとする。
第2主成分に対応する第2の尺度は主成分得点が高いほど「逆台形状の四角形の」フレーム形状であり、適用される累進屈折力レンズはやや収差分散型で、鼻耳バランス型とする。また、主成分得点が低いほど「卵型で耳側が広い」フレーム形状であり、適用される累進屈折力レンズはやや収差集中型で、耳側の収差が小さいものとする。
第3主成分に対応する第3の尺度は主成分得点が高いほど「アイポイントが低めでやや卵型」のフレーム形状であり、適用される累進屈折力レンズは収差分散型で、近用領域が広く、加入の立ち上げを強くしたものとする。また、主成分得点が低いほど「アイポイントが高めでやや四角形」という形状であり、適用される累進屈折力レンズは近用領域をせまくして全体の収差を小さく抑え、加入の立ち上げを緩やかにしたものとする。
第4主成分に対応する第4の尺度は主成分得点が高いほど「全体に丸い」フレーム形状であり、適用される累進屈折力レンズは収差集中型で、近用領域を広くして、加入の立ち上げをやや緩やかにしたものとする。また、主成分得点が低いほど「横長で四角形」という形状で、適用される累進屈折力レンズは近用領域をせまくして全体の収差を小さく抑え、加入の立ち上げは普通程度にしたものとする。
<代表フレーム形状の決定>
各尺度毎に代表フレーム形状を決定する。本実施例では計8種の代表フレーム形状を決定する。各尺度における形状データの主成分得点が最も高いものと最も低いものを選択し、それらのデータの主成分得点に応じた長さの主成分ベクトルを、平均的な形状の基準フレーム形状データに加えることによって、代表フレーム形状を得られる。以下に具体的に説明する。
上記<各フレーム形状の形状データの標準化>ですべてのフレームの24点の各測定位置の平均が求められている。この24点の平均値で特定される形状をまず基準フレーム形状とする。各尺度(つまり主成分)はこの基準フレーム形状に対して固有の主成分ベクトルを付加することによって変位させられたフレーム形状を主成分得点として表したものである。
各尺度における+側の代表フレーム形状は基準フレーム形状に主成分得点の最大絶対値の長さを加えることで得られる。そのためには、第1主成分ベクトルを大きさ1に規格化して、主成分得点の絶対値がもっとも大きいデータと基準フレーム形状データとの差分ベクトルとの内積をとり、規格化した第1主成分ベクトルを内積の値だけ乗じて得られたベクトルを基準フレーム形状に加えることで+側の代表フレーム形状が得られる。得られたベクトルを基準フレーム形状に加える代わりに−とすれば−側の代表フレーム形状が得られる。図9の散布図の上下位置に算出された代表フレーム形状を図示する。
ここで得られた各尺度における代表フレーム形状は重み指数を+1とし、最低の代表データを−1と設定する。つまり、各尺度での重みが最大で+1、最小で−1の値を取るようにする。
<任意のフレーム形状Pの重みの決定>
本実施例1では任意のフレーム形状PとしてのA〜Dのフレーム形状について重みを求めた。
重みは分析対象フレームについての主成分得点を利用し、当該尺度(主成分)における任意のフレーム形状Pの重みを計算した。
分析対象フレームについての主成分得点は次の一般式で表される。
Figure 2010066421
つまりk番目の分析対象フレームの主成分得点は48個の要素と固有ベクトルの内積によって表される。従って、A〜Dのフレーム形状もこの式に当てはめることで当該尺度における評価をすることが可能である。ここで、フレーム形状A〜Dについて得られた主成分得点をそれぞれYA〜YDとする。そして、当該尺度での最大主成分得点YMAXで除することによってフレーム形状A〜Dは+1〜−1の間で重みが与えられることとなる。本実施例1では下記表2のようにフレーム形状A〜D毎に尺度に対応する4つの重みを得た。
次いで、各尺度毎に算出した4つの重みを代表フレーム形状のサグ量データに与える。具体的には第1の尺度に対応する累進面形状データ(正確には基準になる累進面を補正するための補正成分データ)に第1の重みをかけ、第2主成分に対応する累進面形状データに第2の重みをかけ、第3主成分に対応する累進面形状データに第3の重みをかけ、第4主成分に対応する累進面形状データに第4の重みをかけてそれぞれそれらを合計してサグ量データを作成し、そのサグ量データを基準累進面形状の形状データと合成することで求める累進面形状データを得られる。
尚、本実施例1ではもし任意のフレーム形状Pが非常に特殊なフレーム形状であった場合には最大主成分得点YMAXより大きな主成分得点となるケースがある。ここではその場合にはYMAXを採用することとする。
Figure 2010066421
(実施例2)
実施例2は主成分分析を利用しない場合である。
<尺度の決定及び代表フレーム形状>
実施例2でも実施例1と同じの4つの尺度を決定するものとする。そして、各尺度毎に2つの、計8種の代表フレーム形状を選出することとする。但し、実施例2では主成分分析をしていないため、8種の代表データを主成分得点のような客観的な評価値に基づいて得ることはできない。そのため、まず尺度を先に決定し、各尺度において主観的に代表と考えられる2つのフレーム形状を700のフレーム形状から選択することによって決定するものとする。ここでは実施例1の尺度に倣った4つの尺度についてそれぞれ重み指数として対極にあるフレーム形状を+−1を与えるF1〜F8までの8種類の代表フレームを選択した。これは図10に示すように、各尺度、例えば、第1の尺度であればもっとも「天地幅が大きく、全体に大きく、耳側が広い」フレーム形状F1を+側として選択し、「天地幅が狭く、全体に小さい」フレーム形状F2を−側として選択するごとくである。そして、実施例1と同様に各データに好適な累進面形状データを入力する。
<重みの決定>
本実施例のすべてのフレーム形状ではフレームデータは{Xi、Yi}i=1〜24という形式で表すことができる。
ある特定のフレームデータWを{Xwi、Ywi}、第1の尺度でのプラス側の代表フレーム形状F1を{Xai、Yai}、第1の尺度でのマイナス側の代表フレーム形状F2を{Xbi、Ybi}と表す。
すると、Wの第1の尺度に関する重みは、例えば下記式にて定義できる。この重みは同時に評価値でもある。
Figure 2010066421
従って、ある特定のフレームデータWを任意のフレーム形状Pとすれば、任意のフレーム形状Pの重みを算出できる。上記式によれば任意のフレーム形状Pは+1〜−1の間で重みが与えられることとなる。実施例2では各尺度毎に計4つの重みを算出し、実施例1と同様にその重みを代表フレーム形状のサグ量データに与える。そのサグ量データを基準累進面形状の形状データと合成することで求める累進面形状データを得られる。
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施例では任意のフレーム形状Pの形状データとして2次元的(つまりX軸とY軸の2方向)のデータに基づいて分析対象フレームの評価値を得るようにし、代表フレーム形状を決定するようにしていたが、黒目中心の頂点との位置関係に基づいた3次元(つまりX軸とY軸に加えてZ軸の3方向)のデータによって決定するようにしてもよい。そのようにすれば、頂間距離や前傾角やそり角に応じたより好適な累進面形状の累進屈折力レンズを設計することが可能である。
この場合、各代表フレーム形状は頂間距離・傾き角・そり角がそれぞれ微妙に異なったものになるが、各代表データの累進面形状データはそのような条件に対応してそれぞれ設計することができる。そうすることによって、個々の受注データに関して最終的に得られる累進面形状は、その累進面形状にもとづいて決まる頂間距離・傾き角・そり角に対して最適なものになる。また、レンズ形状が決定していない状態で「測定」される頂間距離と傾き角とそり角は、あくまで仮のものである。たとえば標準的なレンズが枠入れされた状態を想定して値を決定する。ということは、レンズ形状を決定する工程において、適宜数値を変換する必要がある。また、そのためには頂間距離と傾き角とそり角を測定する者(一般には眼鏡店)とレンズメーカーの間で測定方法(または得られる数値の正確な意味)について詳細なすりあわせが必要となる。
本発明によれば、こうした煩わしさを避けて頂間距離と前傾角は実際に使用するレンズに対応した正確な値として取り扱うことも可能である。すなわち、測定段階において頂間距離を直接的に測定したり数値を定めたりすること無しに、「レンズ形状が定まることによって決定する真の頂間距離」に対応したような累進面形状を得ることができる。
・代表フレーム形状の好適な累進面形状は相互にベースカーブが同一である必要はない。むしろ3次元的なフレームを考えた場合、例えばそり角が大きければベースカーブが大きいほど好適である。従って、最適なベースカーブのレンズを提供するためには代表フレーム形状に適用される累進屈折力レンズのベースカーブは統一がない方が好ましい。
・尺度の数は適宜変更可能である。
・代表フレーム形状を決定あるいは選択する手段は上記実施例に限定されるものではない。
・レンズ作製工程Bにおける加工では材料ブロック21の表面側を加工してもよい。
・上記実施例1では主成分分析の解法として上記共分散行列以外に相関行列を使用することも可能である。
・本発明はアイポイント位置の決定されたフレーム形状について好適な累進面形状を設計することを目的としているが、人の顔が大きな違いはない(極めて特殊なケースを除き)と考えれば、眼球の位置も大きなずれはないため、概ねアイポイント位置はフレームによって決定されているとしてアイポイント位置が決定されていることを条件としなくともよい。
その他本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
本発明の工程を説明するブロック図 同じく本発明を実行するための装置の概略ブロック図。 フレーム形状の測定方法を説明する説明図。 本実施例の方法で累進屈折力レンズを製造する際の前段階で加工される材料ブロックの正面図。 レンズと各レンズについて採取したデータの行列形式で表現することを説明する説明図。 標準化したデータ行列をもとに共分散行列を計算する方法を説明する説明図。 共分散行列の計算のアルゴリズムを説明する説明図。 共分散行列の要素を計算していく過程を説明する説明図。 実施例1における代表フレーム形状とその累進特性を説明する特性図を各尺度毎に分析対象フレームを散布して表示する散布図に組み合わせて説明する説明図。 実施例2において4つの尺度と尺度を代表する代表フレーム形状との関係を説明する説明図。
符号の説明
11…第1のデータ算出工程、評価値決定工程、代表フレーム決定工程、第2のデータ算出工程及び合成工程を実行するCPU。

Claims (12)

  1. 任意のフレーム形状Pに好適な累進特性の累進面形状を有する累進屈折力レンズの設計方法であって、以下の各工程から構成される累進屈折力レンズの設計方法。
    (A) 形状の特定された所定のフレーム形状に対して好適な基準累進面形状を設計し、同基準累進面形状を第1のデータとして算出する第1のデータ算出工程。
    (B) フレームの評価値を決定する指標となる1以上の定量的な尺度を決定する尺度設定工程。
    (C) 分析対象とする公知の複数のフレーム形状についてそれぞれ形状データを入手し、同形状データに基づいて各フレーム形状毎に他のフレーム形状との形状の違いを分析し、各フレーム形状毎に他のフレーム形状との相対的な評価値を決定する評価値決定工程。
    (D) 前記評価値決定工程において評価値が与えられた前記各フレーム形状から前記各尺度毎に代表的なフレーム形状の評価値に応じた尺度量を所定のフレーム形状に加えることによって代表的なフレーム形状(以下、代表フレーム形状とする)を決定する代表フレーム決定工程。
    (E) 前記第1のデータ算出工程で得られた第1のデータに対してサグ量を付加することで前記代表フレーム決定工程で決定された前記各代表フレーム形状に対する好適な累進面形状を設計する際の、当該サグ量に対応する第2のデータを算出する第2のデータ算出工程。
    (F) 前記評価値に基づいて前記尺度毎に前記任意のフレーム形状Pの形状データに重みを設定し、同尺度毎の重みを与えた前記代表フレーム形状の第2のデータを補正値として前記第1のデータに合成し、合成したデータに基づいて加工することで同任意のフレーム形状Pの累進面形状を得る合成工程。
  2. 任意のフレーム形状Pに好適な累進特性の累進面形状を有する累進屈折力レンズを製造する方法であって、以下の各工程から構成される累進屈折力レンズの製造方法。
    (A) 形状の特定された所定のフレーム形状に対して好適な基準累進面形状を設計し、同基準累進面形状を第1のデータとして算出する第1のデータ算出工程。
    (B) フレームの評価値を決定する指標となる1以上の定量的な尺度を決定する尺度設定工程。
    (C) 分析対象とする公知の複数のフレーム形状についてそれぞれ形状データを入手し、同形状データに基づいて各フレーム形状毎に他のフレーム形状との形状の違いを分析し、各フレーム形状毎に他のフレーム形状との相対的な評価値を決定する評価値決定工程。
    (D) 前記評価値決定工程において評価値が与えられた前記各フレーム形状から前記各尺度毎に代表的なフレーム形状の評価値に応じた尺度量を所定のフレーム形状に加えることによって代表的なフレーム形状(以下、代表フレーム形状とする)を決定する代表フレーム決定工程。
    (E) 前記第1のデータ算出工程で得られた第1のデータに対してサグ量を付加することで前記代表フレーム決定工程で決定された前記各代表フレーム形状に対する好適な累進面形状を設計する際の、当該サグ量に対応する第2のデータを算出する第2のデータ算出工程。
    (F) 前記評価値に基づいて前記尺度毎に前記任意のフレーム形状Pの形状データに重みを設定し、同尺度毎の重みを与えた前記代表フレーム形状の第2のデータを補正値として前記第1のデータに合成し、合成したデータに基づいて所定のレンズ前駆体を加工することで同任意のフレーム形状Pの累進面形状のレンズを得るレンズ作成工程。
  3. 前記形状の特定された所定のフレーム形状とは前記複数のフレーム形状に基づく平均的なフレーム形状であることを特徴とする請求項2に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  4. 前記評価値決定工程においてフレーム形状毎に他のフレーム形状との違いを評価する際に共分散行列あるいは相関行列を導き、その行列式の固有ベクトルを算出して同固有ベクトルに応じた主成分を決定し、各フレーム形状毎の主成分得点を評価値とすることを特徴とする請求項2又は3に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  5. 前記フレーム形状の形状データは空間位置が特定される3次元データであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  6. 前記代表フレーム形状とは前記各尺度に前記複数のフレーム形状のうち、評価値の最も高いものと最も低いものであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  7. 前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状はベースカーブが同一であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  8. 前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状はベースカーブが同一でないことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  9. 前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状は累進帯長さが一定であることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  10. 前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状は累進帯長さが一定でないことを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  11. 前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状は遠用面屈折力と近用面屈折力がそれぞれ同一であることを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  12. 前記各尺度毎に決定された複数の前記代表フレーム形状の好適な累進面形状は遠用面屈折力又は近用面屈折力がそれぞれ同一でないことを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載の累進屈折力レンズの製造方法。
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