JP2010065706A - 軸流ファン装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】騒音を低減することができる軸流ファン装置及びその軸流ファン装置が搭載された電子機器を提供すること。
【解決手段】ハウジング3の側壁35には、気体を流通させる複数のスリット35aが設けられている。複数のスリット35aは、軸流羽根車5の回転の軸方向(Z方向)に対してブレード7の傾きとは反対側に傾くようにそれぞれ設けられている。スリット35aを介してハウジング3内に取り込まれた空気は、ブレード7の端部で発生する旋回流Cを整流する。また、軸方向において、各スリット35aの下端部の位置が、ブレード7の下端部の位置より排出口3bに近い位置にある。これにより、渦流の発生が抑えられるので、騒音が低減され、風量も増やすことができる。また、スリット35aの下端は、ブレード7の下端よりハウジング3の排出口3bに近い側に位置している。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸流方向に送風する軸流ファン装置及びこの軸流ファン装置を搭載した電子機器に関する。
今日、PC等のほとんどの電子機器では、発熱体の冷却のために用いられるファンが用いられている。この場合、ファンの風量を増加させることと、ファンが動作することによる騒音を低減することは必須である。
特許文献1の軸流ファンは、ファンロータ(1)の周囲を囲うハウジング(5)を備え、ハウジング(5)には横方向のスリット(14)が形成されている。このスリット(14)の幅は、空気の流れが層流になるように設定されている。このような構成により、空気の乱流の発生が抑えられ、騒音が低減される、と記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−3900号公報(段落[0016]、[0017]、図1)
しかしながら、騒音低減のためにさらにファンの改良が必要である。また、ユーザによるファンの低騒音化の要請も強い。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、騒音を低減することができる軸流ファン装置及びこの軸流ファン装置が搭載された電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る軸流ファン装置は、
(a)回転可能に設けられた軸流羽根車であって、回転の軸方向に対して傾くように設けられた複数のブレードを有する軸流羽根車と、
(b)前記軸流羽根車を回転させる駆動部と、
(c)前記軸流羽根車の周囲に設けられた側壁と、
前記軸流羽根車の回転により気体を吸入する吸入口と、
前記軸流羽根車の回転により前記吸入口から吸入された気体を排出する排出口と、
前記各ブレードの、前記排出口に近い側の端部の位置に比べ、前記軸方向において前記排出口に近くなるように配置された排出口側端部を有し、前記回転の周方向で並ぶように前記側壁に連続して複数設けられ、前記回転の軸方向に対して前記複数のブレードの傾きとは反対側に傾くように前記側壁に設けられた、気体を流通させるスリットと
を有し、前記駆動部が搭載されたハウジングと
を具備する。
前記複数のスリットは、前記回転の軸方向に対して0°より大きく45°以下の範囲の角度で傾くように前記側壁に設けられていてもよい。
前記複数のスリットは、前記各ブレードの、前記吸入口に近い側の端部の位置に比べ、前記軸方向において前記吸入口に近くなるように配置された吸入口側端部を有してもよい。
一般的に、軸流羽根車が回転するときに、ブレードの負圧発生面側(空気の吸入側)とは反対側の面(空気の排出側)から当該負圧発生面側に向かって、ブレードの端部で空気が流れる(以下、これを旋回流という)。この旋回流が騒音の原因の1つとなる。本発明では、軸流羽根車が回転すると、複数のスリットを介して、ハウジング外からハウジング内へ空気が流れ込む。複数のスリットは、ブレードの傾きとは反対側に傾くように設けられているので、上記の旋回流を整流する作用が働く。これにより、騒音を低減することが可能となる。
本発明において、前記複数のブレードは、回転の外周側の端部と、負圧を発生させるための負圧発生面と、前記端部で前記負圧発生面から立つように設けられた補助翼とを有する。これにより、上記したようなブレードの端部における旋回流が発生することを抑制することができる。したがって、騒音はさらに低減される。
本発明において、前記補助翼は、前記負圧発生面からブレードの厚さより低い。これにより、補助翼の高さが高すぎる場合、軸流羽根車の回転時に、スリットからハウジング内に吸入され、ブレードの負圧発生面に向かおうとするが、補助翼により遮られる。この場合、スリットによる旋回流の整流作用が低下する。しかしながら、補助翼が前記負圧発生面からブレードの厚さより低く設定されることにより、スリットによる旋回流の整流作用と、補助翼による旋回流の抑制作用とがバランス良く働き、騒音が低減される。
本発明において、前記側壁は、環状の内周面と、環状の外周面とを有する。すなわち、側壁の厚さが実質的に一定となっている。したがって、例えば環状の内周面と平面でなる外周面とで構成される側壁、つまり、だ肉を有する側壁に比べ、スリットの開口の総面積をふやすことができる。だ肉を有する側壁を有するハウジングの場合、一般的に直方体形状でなるハウジングが多い。平面より環状の面(曲面)の方が面積が大きいため、そのような平面状の側壁に、例えばスリットが形成される場合に比べ、本発明のように環状の側壁にスリットが形成される方が、スリットの数を増やすことができる。これにより、吸気量を増やすことができ、風量を高めることができる。
本発明に係る電子機器は、
(a)筐体と、
(b)軸流ファン装置であって、
回転可能に設けられた軸流羽根車であって、回転の軸方向に対して傾くように設けられた複数のブレードを有する軸流羽根車と、
前記軸流羽根車を回転させる駆動部と、
前記軸流羽根車の周囲に設けられた側壁と、前記軸流羽根車の回転により気体を吸入する吸入口と、前記軸流羽根車の回転により前記吸入口から吸入された気体を排出する排出口と、前記各ブレードの、前記排出口に近い側の端部の位置に比べ、前記軸方向において前記排出口に近くなるように配置された排出口側端部を有し、前記回転の周方向で並ぶように前記側壁に連続して複数設けられ、前記回転の軸方向に対して前記複数のブレードの傾きとは反対側に傾くように前記側壁に設けられた、気体を流通させるスリットとを有し、前記駆動部が搭載され、前記筐体内に配置されたハウジングと
を備える軸流ファン装置と
を具備する。
前記筐体は、開口部を有する背面を有し、前記軸流ファン装置は、前記ハウジングの前記排出口を前記開口部に対面させるように前記背面に取り付けられてもよい。
以上のように、本発明によれば、騒音を低減することができ、風量を高めることができる。
本発明の一実施の形態に係る軸流ファン装置を示す斜視図である。 図1に示す軸流ファン装置の裏面側を示す平面図である。 その軸流ファン装置の側面図である。 ブレードの作用及び旋回流を説明するための図である。 スリット及びブレードの傾きを比較した図である。 従来の一般的な軸流ファン装置を示す斜視図である。 ハウジングが有する環状の側壁に、複数の円形の通気口が設けられた軸流ファン装置を示す斜視図である。 図1に示した本実施の形態に係る軸流ファン装置、図6に示した軸流ファン装置及び図7に示した軸流ファン装置のそれぞれのP−Q特性(騒音レベルの特性も含む)の実測結果を示すグラフである。 図8のグラフのデータである。 本発明の他の実施形態に係る軸流ファン装置を示す斜視図である。 補助翼の作用効果を説明するための図である。 補助翼がない軸流羽根車を備えた軸流ファン装置、及び、補助翼の高さが異なる3種類の軸流羽根車を備えた軸流ファン装置のP−Q特性の実測結果を示すグラフである。 3つの軸流ファン装置のそれぞれの補助翼の高さを説明するための図である。 補助翼を有するブレードが回転するときの音源の位置を特定するためのシミュレーションである。 補助翼を有するブレードが回転するときの空気の圧力分布を示すためのシミュレーションである。 本発明の一実施の形態に係る電子機器として、デスクトップ型のPCを示す概略斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る軸流ファン装置を示す斜視図である。図2は、図1に示す軸流ファン装置10の裏面側を示す平面図である。図3は、その軸流ファン装置の側面図である。
軸流ファン装置10は、ハウジング3と、ハウジング3内で回転可能に設けられた軸流羽根車5とを備えている。軸流羽根車5は、図示しないモータ(駆動部)が内蔵されたボス部6と、ボス部6の周囲に設けられた複数のブレード7を有する。
ハウジング3は、環状の側壁35を備えている。側壁35の上部の開口は、ブレード7のθ方向の回転により発生する軸流方向(Z軸方向)の気流をハウジング3内に吸入する吸入口3aとして機能する。図2に示すように、側壁35の下部には、吸入口3aから吸入された気体を排出する排出口3bが設けられている。気体とは、典型的には空気であるが、別の気体も考えられる。以下、気体を空気として説明する。なお、側壁35の下部には、軸流ファン装置10を例えば電子機器内の所定の場所に取り付けるための取り付け板2が設けられている。取り付け板2にはネジ穴2aが設けられ、軸流ファン装置10はネジ止めされるようになっている。
図2に示すように、排出口3bには、リブ9に連結された、上記モータを保持する保持板4が配置されている。保持板4は、モータを搭載する搭載部となる。この搭載部の形態は、保持板4のような板状に限られず、どのような形状であってもよい。保持板4上には、モータを駆動する図示しない回路基板が設けられており、この回路基板上であってボス部6内に当該モータが配置される。
ハウジング3の側壁35には、気体を流通させる複数のスリット35aが設けられている。図3に示すように、複数のスリット35aは、軸流羽根車5の回転の軸方向(Z方向)に対してブレード7の傾きとは反対側に傾くようにそれぞれ設けられている。回転軸方向に対するブレード7の傾きは、図3に示すように、左下から右上にわたる傾きである。
各スリット35aは、軸流羽根車5の回転周方向(θ方向)に沿って所定のピッチで配置されており、そのピッチは適宜設定可能である。また、そのピッチは、スリット35aの幅uや、ハウジング3の側壁35の径R(図2参照)にもよる。スリット35aの幅uは、すべて実質的に同じ幅でなる。側壁35の直径Rが、例えば40〜60mmでなる場合、スリット35aの幅uは、1〜2mmでなる。しかし、これらの範囲に限られない。あるいは、スリット35aの幅uは、場所により異なるように設定されていてもよい。
ブレード7は、吸入口3a側に設けられた負圧発生面7aと、その負圧発生面7aと反対側の裏面7bとを有する。負圧発生面7aは、気体の層流を発生させて負圧を発生させる面であり、曲面状になっている。したがって、厳密に言うと、上記ブレード7の傾きとは、その曲面状の負圧発生面7a上のうちの任意の点における接線の傾きであって、軸流羽根車5の回転周方向へ向かう方向の接線の、回転軸方向に対する傾きである。あるいは、これらの複数の接線の傾きの平均値を、ブレード7の傾きと定義してもよい。
一方、回転軸方向に対するスリット35aの傾きとは、スリット35aの長さ方向の回転軸方向に対する傾きαである。このスリット35aの傾きαは、右下から左上にわたる傾きであり、そのスリット35aに最も接近した位置にあるブレード7の傾きとは、回転軸方向に対して逆である。回転軸方向に対するスリット35aの傾きαは、0°より大きく90°より小さく設定される。典型的には、30°〜60°であり、または、45°である。
軸流羽根車5は、典型的には樹脂でなるが、金属、またはゴム等であってもよい。ハウジング3も同様に、典型的には樹脂であるが、他の材料で構成されていてもよい。
以上のように構成された軸流ファン装置10の作用について説明する。
モータが駆動すると、軸流羽根車5が回転する。このブレード7の回転方向は、図1の上面側から見て反時計回りである。図4に示すように、軸流羽根車5が回転することにより、ブレード7の負圧発生面7a上に気流Aが発生し、この負圧発生面7a付近に負圧が発生する。これによりハウジング3の吸入口3aから軸流方向に気流が発生し、排出口3bからその空気が排出される。
また、一般的には、図4に示すように、上記負圧発生面7a上に負圧が発生することにより、ブレード7の裏面7b側から、ブレード7の外周側の端部7cを介して負圧発生面7aへ気流が回り込もうとする。つまり、渦流が発生する。以下、これを旋回流Cという。この旋回流Cが騒音の原因となる。ここで、負圧発生面7aで負圧が発生することで、ハウジング3のスリット35aを介してハウジング3外からハウジング3内へ空気が流れ込む。スリット35aは、ブレード7の傾きとは反対側に傾くように設けられているので、図5に示すように、スリット35aを介してハウジング3内に取り込まれた空気は、上記旋回流Cを整流し、整流された流れBとなる。つまり、渦流の発生が抑えられるので、騒音が低減される。
また、本実施の形態では、図1に示すように、側壁35が環状であり、すなわち、側壁35は環状の内周面35b及び外周面35cを有しており、側壁35の厚さd1が実質的に一定となっている。したがって、例えば図6で示すような環状の内周面135aと平面でなる外面135cとで構成される側壁135、つまり、だ肉を有する側壁135に比べ、スリット35aの総開口面積をふやすことができる。図6は、従来の一般的な軸流ファン装置を示す斜視図である。だ肉を有する側壁135を有するハウジング103の場合、一般的に直方体形状でなるハウジング103が多い。平面より環状の面(曲面)の方が面積が大きいため、そのような平面状の外面135cに例えばスリット35aが形成される場合に比べ、本実施形態のように環状の側壁35にスリット35aが形成される方が、スリット35aの数を増やすことができる。これにより、吸気量を増やすことができ、風量を高めることができる。
図7は、ハウジング53が有する環状の側壁85に、複数の円形の通気口85aが設けられた軸流ファン装置を示す斜視図である。図8は、図1に示した本実施の形態に係る軸流ファン装置10(これを軸流ファンAとする)、図6に示した軸流ファン装置C及び図7に示した軸流ファン装置BのそれぞれのP−Q特性(風量−静圧特性)(騒音レベルの特性も含む)の実測結果を示すグラフである。この実験で用いられた各軸流ファン装置A、B、Cの設計値を下記に示す。
(1)軸流ファン装置A
側壁の直径:40[mm]
スリット35aの総開口面積:476[mm2]
スリット35aの傾きθ:45°
(2)軸流ファン装置B
側壁の直径:40[mm]
通気口の総開口面積:414.5[mm2]
(3)軸流ファン装置C
ハウジング3の側壁の一辺の長さ:40[mm]
なお、軸流ファン装置A、B、Cのすべてにおいて、軸流羽根車の直径は、上記側壁の直径((3)の場合ハウジング103の側壁135の一辺の長さ)よりも、0.5〜2mm小さい程度である。
一般的に、軸流ファン装置は、最大風量の半分を基準として±(10〜20)%(以下、動作点範囲という)の風量で動作する。実際には、P−Qのグラフとシステムインピーダンスの曲線(図示せず)との交点が動作点(例えば0.95)とされることが多い。このグラフにおいては、3つの軸流ファン装置A、B、Cの動作点範囲の風量は、例えば0.06〜0.10[m3/min]である。
動作点範囲で見ると、本実施形態に係る軸流ファン装置Aが最も静圧が高い。すなわち、動作点範囲では、軸流ファン装置A、B、Cの中で、同じ静圧で換算した場合、軸流ファン装置10が最も風量が多くなる。その上、動作点範囲では、軸流ファン装置Aは、騒音レベルは最も低く、従来の一般的な軸流ファン装置Cが最も騒音レベルが高い。軸流ファン装置Aは、軸流ファン装置Cに比べ、9〜10dBの騒音の低下が見られた。
なお、図9は、図8のグラフのデータである。
図10は、本発明の他の実施形態に係る軸流ファン装置を示す斜視図である。これ以降の説明では、図1等に示した実施の形態に係る軸流ファン装置10の部材や機能等について同様のものは説明を簡略または省略し、異なる点を中心に説明する。
本実施の形態に係る軸流ファン装置20の軸流羽根車15の各ブレード17には、補助翼18がそれぞれ設けられている。補助翼18は、ブレード17の回転外周側の端部17c(図11参照)で、負圧発生面17aから立つように設けられている。水平面(X−Y平面)からの補助翼18の立つ角度は、典型的には、実質的に90度とされている。しかし、その角度は、70〜110度程度、あるいはこの範囲外の角度であってもよい。
また、ハウジング3は、上記実施形態に係るハウジング3と同様の構成であり、側壁35はスリット35aを有する。スリット35aの傾きは、ブレード17の傾きとは反対となっている。
このように、各ブレード17が補助翼18を有することにより、上記旋回流Cが整流される。例えば図11に示すように、上記旋回流Cは抑制され、補助翼18に沿った層流Dが発生するので、騒音が低減される。
負圧発生面17aからの補助翼18の高さ(補助翼18のうち負圧発生面17aから最も離れた部分の当該負圧発生面17aからの高さ)は、補助翼18と他の部材との接触がなければ、特に制限がない。しかし、補助翼18の高さは、負圧発生面17aからブレード17の厚さの2倍より低く設定されると、さらなる低騒音化が図れる。このことについて、以下説明する。
図12は、補助翼18がない軸流羽根車を備えた軸流ファン装置、及び、補助翼18の高さが異なる3種類の軸流羽根車を備えた軸流ファン装置のP−Q特性の実測結果を示すグラフである。図12において、補助翼18がない軸流羽根車を備えた軸流ファン装置をDで示す。また、補助翼18の高さが高い順に、軸流ファン装置をE、F、Gとする。図12における軸流ファン装置Dは、図8で説明した実験で用いられた軸流ファン装置Aと実質的に同じ設計である。軸流ファン装置E、F、Gの形態は、その軸流ファン装置Aに高さがそれぞれ異なる補助翼18が設けられた形態である。
図13は、上記軸流ファン装置E、F、Gのそれぞれの補助翼18E、18F、18Gの高さを説明するための図である。軸流ファン装置E、F、Gがそれぞれ有する軸流羽根車のブレードを符号17E、17F、17Gで表す。軸流ファン装置Eの補助翼18Eの高さt1は最も高く、ブレード17Eの厚さt0の3倍以上となっている。軸流ファン装置Fの補助翼18Fの高さt2は、ブレード17Fの厚さt0を超えるが、その2倍(2×t0)より低い。軸流ファン装置Gの補助翼18Gの高さt3は、ブレード17Gの厚さt0より低い。
図12のグラフから、補助翼を持たない軸流ファン装置Dに比べ、最も高い補助翼18Eを持つ軸流ファン装置Eは、動作点範囲において、静圧は最も低くなるが、騒音は最も低い。軸流ファン装置F、Gが用いられることにより、極力静圧を高くして、騒音も抑えることができる。つまり、t2以下の高さを持つ補助翼18F、18Gが適しており、特にt1が最適であることが分かった。
図14、図15は、上記t1及びt2の高さの補助翼18G及び18F及びハウジング3のスリット35aの周辺の流体の状態がシミュレーションされた図である。図14は、音源の位置を特定するためのシミュレーションであり、図15は、空気の圧力分布を示すためのシミュレーションである。図14(A)、(B)は補助翼18G、18Fをそれぞれ示し、図15(A)、(B)は補助翼18G、18Fをそれぞれ示す。
図14(A)、(B)に示すように、補助翼18G、18GFの外周の側面が音源になっており、補助翼18Fに比べ補助翼18Gの方が音源の面積が小さいが、補助翼18Gの方は、スリット35aの内部にも音源が発生している。
図15(A)、(B)に示すように、t2の補助翼18Fの方が補助翼18Fによる旋回流Cの抑制効果が表れている。一方、t1の補助翼18Gは、その高さがt2に比べて低い分、ブレード17Gの負圧発生面17a付近で発生する低圧部が、図15(A)の破線Hで示すように、スリット35aの近傍にまで及び、スリット35aの近傍では圧力差が大きくなる。したがって、t1の補助翼18Gでは、スリット35aによる旋回流Cの抑制効果が表れている。
以上のことから、補助翼18の高さは負圧発生面17aからブレード17の厚さの2倍より低いことが望ましい。これにより、スリット35aによる旋回流Cの整流作用と、補助翼18による旋回流Cの抑制作用とがバランス良く働き、風量が高められ、騒音が低減される。
図16は、本発明の一実施の形態に係る電子機器として、デスクトップ型のPC(Personal Computer)を示す概略斜視図である。
PC50は、筐体63を備え、筐体63内には、軸流ファン装置10(または20)が配置されている。この軸流ファン装置10(または20)は、例えば、筐体63の背面63aに設けられた図示しない開口部に取り付けられる。あるいは、軸流ファン装置10(または20)は、例えばCPU55に接続されたヒートシンク57に取り付けられる。
電子機器としては、このようなPC50に限られず、サーバ型のコンピュータ、ディスプレイ装置、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、ゲーム機器、カーナビゲーション機器、その他の電化製品等が挙げられる。
本発明に係る実施の形態は、以上説明した実施の形態に限定されず、他の種々の実施形態が考えられる。
上記実施形態に係る軸流ファン装置10、20では、スリット35aは、側壁の周方向に実質的に全周にわたって設けられていた。しかし、スリット35aは、周方向において所定の角度分だけ複数設けられていてもよい。あるいは、その所定の角度分の複数のスリット35aのグループが、周方向において180°対称位置に2つ、あるいは120°対称位置に3つ設けられるなど、さまざまなスリット35aの配置が考えられる。
3、53…ハウジング
5、15…軸流羽根車
7、17…ブレード
7a、17a…負圧発生面
7b、17b…裏面
7c、17c…端部
10、20…軸流ファン装置
18…補助翼
35…側壁
35a…スリット
35b…内周面
35c…外周面
50…PC
53…筐体

Claims (7)

  1. (a)回転可能に設けられた軸流羽根車であって、回転の軸方向に対して傾くように設けられた複数のブレードを有する軸流羽根車と、
    (b)前記軸流羽根車を回転させる駆動部と、
    (c)前記軸流羽根車の周囲に設けられた側壁と、
    前記軸流羽根車の回転により気体を吸入する吸入口と、
    前記軸流羽根車の回転により前記吸入口から吸入された気体を排出する排出口と、
    前記各ブレードの、前記排出口に近い側の端部の位置に比べ、前記軸方向において前記排出口に近くなるように配置された排出口側端部を有し、前記回転の周方向で並ぶように前記側壁に連続して複数設けられ、前記回転の軸方向に対して前記複数のブレードの傾きとは反対側に傾くように前記側壁に設けられた、気体を流通させるスリットと
    を有し、前記駆動部が搭載されたハウジングと
    を具備する軸流ファン装置。
  2. 請求項1に記載の軸流ファン装置であって、
    前記複数のスリットは、前記回転の軸方向に対して0°より大きく45°以下の範囲の角度で傾くように前記側壁に設けられている軸流ファン装置。
  3. 請求項1または2に記載の軸流ファン装置であって、
    前記複数のスリットは、前記各ブレードの、前記吸入口に近い側の端部の位置に比べ、前記軸方向において前記吸入口に近くなるように配置された吸入口側端部を有する軸流ファン装置。
  4. 請求項1から3のうちいずれか1項に記載の軸流ファン装置であって、
    前記複数のブレードは、
    回転の外周側の端部と、
    負圧を発生させるための負圧発生面と、
    前記端部で前記負圧発生面から立つように設けられた補助翼と
    を有する軸流ファン装置。
  5. 請求項4に記載の軸流ファン装置であって、
    前記補助翼は、前記負圧発生面からブレードの厚さの2倍より低い軸流ファン装置。
  6. (a)筐体と、
    (b)軸流ファン装置であって、
    回転可能に設けられた軸流羽根車であって、回転の軸方向に対して傾くように設けられた複数のブレードを有する軸流羽根車と、
    前記軸流羽根車を回転させる駆動部と、
    前記軸流羽根車の周囲に設けられた側壁と、前記軸流羽根車の回転により気体を吸入する吸入口と、前記軸流羽根車の回転により前記吸入口から吸入された気体を排出する排出口と、前記各ブレードの、前記排出口に近い側の端部の位置に比べ、前記軸方向において前記排出口に近くなるように配置された排出口側端部を有し、前記回転の周方向で並ぶように前記側壁に連続して複数設けられ、前記回転の軸方向に対して前記複数のブレードの傾きとは反対側に傾くように前記側壁に設けられた、気体を流通させるスリットとを有し、前記駆動部が搭載され、前記筐体内に配置されたハウジングと
    を備える軸流ファン装置と
    を具備する電子機器。
  7. 請求項6に記載の電子機器であって、
    前記筐体は、開口部を有する背面を有し、
    前記軸流ファン装置は、前記ハウジングの前記排出口を前記開口部に対面させるように前記背面に取り付けられる電子機器。
JP2009295904A 2009-12-25 2009-12-25 軸流ファン装置及び電子機器 Expired - Fee Related JP5099115B2 (ja)

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