JP2010064469A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャリッジの移動による振動を抑制する制振動作を行う場合、装置の重量、サイズの大型化を招き、画像品質に影響を与える。
【解決手段】記録ヘッド25を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジ15と、キャリッジ15の移動による振動を抑制する制振手段101と、制振手段101による振動抑制動作を制御する制振制御部66とを備え、制振手段101は、キャリッジ15を移動させる主走査モータ16とは別の駆動手段102Aで移動される、キャリッジ15の質量よりも小さな質量の制振部材103Aを有し、制振制御部66は、キャリッジ15の加速時及び減速時で制振手段101の駆動手段102を駆動して振動抑制動作を行わせ、キャリッジ15の等速時には制振手段101の制振部材103Aの移動を停止させる制御をする。
【選択図】図5
【解決手段】記録ヘッド25を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジ15と、キャリッジ15の移動による振動を抑制する制振手段101と、制振手段101による振動抑制動作を制御する制振制御部66とを備え、制振手段101は、キャリッジ15を移動させる主走査モータ16とは別の駆動手段102Aで移動される、キャリッジ15の質量よりも小さな質量の制振部材103Aを有し、制振制御部66は、キャリッジ15の加速時及び減速時で制振手段101の駆動手段102を駆動して振動抑制動作を行わせ、キャリッジ15の等速時には制振手段101の制振部材103Aの移動を停止させる制御をする。
【選択図】図5
Description
本発明は画像形成装置に関し、特に画像形成手段をキャリッジに搭載して往復移動させる画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを画像形成手段として備え、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを画像形成手段として備え、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
このような画像形成装置として、上述したように、画像形成手段である液体吐出ヘッドからなる記録ヘッドをキャリッジに搭載し、液体吐出ヘッドを主走査方向に移動走査し、媒体を主走査方向と直交する副走査方向に間歇的に移動させながら、記録ヘッドから液滴を吐出させて画像を形成するシリアル型画像形成装置が知られている。なお、以下の説明でも画像形成手段は液体吐出ヘッドである例で説明しているが、画像形成手段としては液体吐出ヘッドに限らず、その他の画像形成手段であっても本発明は同様に適用することができる。
このようなシリアル型画像形成装置においては、記録ヘッドを搭載したキャリッジの往復移動に伴って装置本体に振動が誘発される。特に、印刷速度向上のため、キャリッジ速度が高速化し、これに伴ってキャリッジ主走査時の加減速が急となり、装置本体の振動が大きなものとなっている。また、画像読取り装置(スキャナ)を搭載した複合機においては、画像形成部側で生じる装置本体の上記振動のため、スキャナの読取り走査に振動を与えてしまい、読取り画像の劣化を引き起こすことになる。
そのため、従来からキャリッジの振動を抑制することが行われている。例えば、特許文献1、2に記載されているように、キャリッジを移動させるタイミングベルトにキャリッジと略同じ質量の制振部材を取付け、キャリッジと制振部材を反対方向に移動させることでキャリッジの振動を抑制することが知られている。
また、特許文献3に記載されているように、プリンタヘッドを移動させる走査機構とは別に、プリンタヘッドとほぼ同じ質量の重りと、この重りをプリンタヘッドと逆方向に同一加速度で移動させる走査機構とを備えたものが知られている。
そのた、特許文献4に記載されているように、プリンタ本体に対する衝撃力を検出して、検出された衝撃力に応じてプリンタ支持手段の支持力を制御することや、特許文献5に記載されているように、駆動力をキャリッジに伝達する伝達部材が振動することを抑制する振動抑制手段を備えることも知られている。
しかしながら、従来の技術のように、キャリッジを移動させるタイミングベルトに制振部材(カウンタウエイトとも称する)を取り付けた場合、キャリッジが移動するときには常にカウンタウエイトも移動する(制振動作が行われる)ことになるため、微細なキャリッジの速度変動、キャリッジの移動負荷の変動、インクタンクを備える場合のインク残量の変化によるキャリッジ重量の変動などによって、制振部材による制振作用がキャリッジの振動を打ち消すよりもキャリッジに振動を与え、例えば液体吐出ヘッドを用いる場合に滴着弾位置精度が低下して画像品質が劣化することがあるという課題がある。
また、キャリッジを移動させる主走査機構の駆動源に係る負荷が増大し、更に、キャリッジとほぼ同じ質量の制振部材を使用するために装置全体の重量とサイズの大型化につながるという課題がある。
そこで、上述したようにキャリッジ(プリントヘッド)を移動させる主走査機構とは別の駆動源で制振部材を移動させるものもあるが、従来の技術では、制振部材の質量をプリントヘッドとほぼ同じ質量とし、更にプリントヘッドと逆方向に同じ加速度で移動させているため、上述したように、却って画像品質を低下させ、また、装置全体の重量とサイズの大型化を招いているという課題がある。
本発明は上記の課題の課題に鑑みてなされたものであり、画像品質に影響を与えることなく、装置の重量、サイズの大型化を招くことなく、効率的にキャリッジの移動に伴う装置本体の振動を抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
画像形成手段を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジの移動による振動を抑制する制振手段と、
前記制振手段による振動抑制動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制振手段は、前記キャリッジを移動させる駆動源とは別の駆動手段で移動される、前記キャリッジの質量よりも小さな質量の制振部材を有し、
前記制御手段は、前記キャリッジの加速時及び減速時の少なくともいずれかで前記制振手段の前記駆動手段を駆動して振動抑制動作を行わせ、前記キャリッジの等速時には前記制振手段の前記制振部材の移動を停止させる制御をする
構成とした。
画像形成手段を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジの移動による振動を抑制する制振手段と、
前記制振手段による振動抑制動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制振手段は、前記キャリッジを移動させる駆動源とは別の駆動手段で移動される、前記キャリッジの質量よりも小さな質量の制振部材を有し、
前記制御手段は、前記キャリッジの加速時及び減速時の少なくともいずれかで前記制振手段の前記駆動手段を駆動して振動抑制動作を行わせ、前記キャリッジの等速時には前記制振手段の前記制振部材の移動を停止させる制御をする
構成とした。
ここで、前記制振手段は、前記駆動手段によりベルト状部材を介して前記制振部材が前記キャリッジの移動方向に沿って移動される構成とできる。
また、前記制振手段は、前記駆動手段により前記制振部材が前記キャリッジの移動方向に沿って揺動される構成とできる。
また、前記制振手段は、前記駆動手段がソレノイドであり、前記ソレノイドの前記キャリッジの移動方向に沿って移動するプランジャが前記制振部材を兼ねている構成とできる。
また、前記制振手段は、前記キャリッジの移動方向に沿って歯部が形成された前記制振部材が、前記駆動手段により前記制振部材の歯部に噛み合う部材を介して前記キャリッジの移動方向に沿って移動される構成とできる。
また、前記制振手段は、前記駆動手段によりリンク機構を介して前記制振部材が前記キャリッジの移動方向に沿って移動される構成とできる。
また、前記制振手段は、前記駆動手段によりスクリューネジを介して前記制振部材が前記キャリッジの移動方向に沿って移動される構成とできる。
また、前記制振手段は、前記キャリッジよりも装置本体内上方に配設されている構成とできる。
また、前記制御手段は、前記キャリッジの加速度に応じて前記制振手段による制振動作を行わせる構成とできる。
また、前記制御手段は、前記キャリッジの加速度が予め定めた所定値以上のときに前記制振手段による制振動作を行わせる構成とできる。
また、前記制御手段は、前記画像形成手段によって画像を形成する被記録媒体の種類に応じて前記制振手段による制振動作を行わせる構成とできる。
また、前記キャリッジの質量を検出する質量検出手段を備え、前記制御手段は、前記質量検出手段で検出された前記キャリッジの質量に応じて前記制振手段による制振動作を行わせる構成とできる。
また、装置内温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記温度検出手段で検出された前記装置内温度に応じて前記制振手段による制振動作を行わせる構成とできる。
また、前記キャリッジの移動負荷を検出する負荷検出手段を備え、前記制御手段は、前記負荷検出手段で検出された前記キャリッジの移動負荷に応じて前記制振手段による制振動作を行わせる構成とできる。
また、装置本体の振動を検出する振動検出手段を備え、前記制御手段は、前記振動検出手段で検出された前記装置本体の振動に応じて前記制振手段による制振動作を行わせる構成とできる。
また、画像を読取る画像読取り手段を装置本体の上部に備え、前記制御手段は、前記画像読取り手段の動作状態に応じて前記制振手段による制振動作を制御する構成とできる。
また、前記制御手段は、前記画像読取り手段の読取り精度に応じて前記制振手段による制振動作を制御する構成とできる。
本発明に係る画像形成装置は、
画像形成手段を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジの移動による振動を抑制する制振手段と、
前記制振手段による振動抑制動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制振手段は、前記キャリッジを移動させる駆動源とは別の駆動手段で移動される、前記キャリッジの質量よりも小さな質量の制振部材を有し、
前記制御手段は、前記制振手段の前記駆動源を駆動して前記制振手段による振動抑制動作を行わせる
構成とした。
画像形成手段を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジの移動による振動を抑制する制振手段と、
前記制振手段による振動抑制動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制振手段は、前記キャリッジを移動させる駆動源とは別の駆動手段で移動される、前記キャリッジの質量よりも小さな質量の制振部材を有し、
前記制御手段は、前記制振手段の前記駆動源を駆動して前記制振手段による振動抑制動作を行わせる
構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、
画像形成手段を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジの移動による振動を抑制する制振手段と、
前記制振手段による振動抑制動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制振手段は、前記キャリッジを移動させる駆動源とは別の駆動手段で移動される制振部材を有し、
前記制御手段は、前記キャリッジの加速時及び減速時の少なくともいずれかで前記制振手段の前記駆動手段を駆動して前記制振手段による振動抑制動作を行わせ、前記キャリッジの等速時には前記制振手段の前記制振部材の移動を停止させる制御をする
構成とした。
構成とした。
画像形成手段を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジの移動による振動を抑制する制振手段と、
前記制振手段による振動抑制動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制振手段は、前記キャリッジを移動させる駆動源とは別の駆動手段で移動される制振部材を有し、
前記制御手段は、前記キャリッジの加速時及び減速時の少なくともいずれかで前記制振手段の前記駆動手段を駆動して前記制振手段による振動抑制動作を行わせ、前記キャリッジの等速時には前記制振手段の前記制振部材の移動を停止させる制御をする
構成とした。
構成とした。
本発明に係る画像形成装置によれば、キャリッジの駆動源とは別の駆動手段により移動される、キャリッジの質量よりも小さな質量の制振部材を有する制振手段によって、キャリッジの加速時及び減速時の少なくともいずれかで振動抑制動作を行い、等速時には振動部材の移動を停止させるので、画像品質に影響を与えることなく、装置の重量、サイズの大型化を招くことなく、効率的にキャリッジの移動に伴う装置本体の振動を抑制することができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、キャリッジの駆動源とは別の駆動手段により移動される、キャリッジの質量よりも小さな質量の制振部材を有する制振手段によって振動抑制動作を行うので、画像品質に影響を与えることなく、装置の重量、サイズの大型化を招くことなく、効率的にキャリッジの移動に伴う装置本体の振動を抑制することができるようになる。
本発明に係る画像形成装置によれば、キャリッジの駆動源とは別の駆動手段により移動される制振部材を有する制振手段によって、キャリッジの加速時及び減速時の少なくともいずれかで振動抑制動作を行い、等速時には振動部材の移動を停止させるので、画像品質に影響を与えることなく、装置の重量、サイズの大型化を招くことなく、効率的にキャリッジの移動に伴う装置本体の振動を抑制することができるようになる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明を適用する画像形成装置の一例について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の外観斜視説明図、図2は同画像形成装置の機構部の平面説明図、図3は同機構部の正面説明図、図4は同機構部の要部側面説明図である。
この画像形成装置は、図1に示すように、画像形成を行う装置本体1の上部に画像を読取る画像読取り手段(スキャナ手段)2を備えている。装置本体1には、機構部に給紙する用紙をストックする給紙カセット3が着脱自在に装着され、給紙カセット3の上方には画像が形成されて排出される用紙をストックする排紙トレイ4が装着されている。また、装置本体1の前面側にはインクカートリッジを装着するカートリッジ装着部5を有し、更に各種操作信号の入力や表示情報を表示する操作/表示部(操作パネル)5が配置されている。
この画像形成装置は、図1に示すように、画像形成を行う装置本体1の上部に画像を読取る画像読取り手段(スキャナ手段)2を備えている。装置本体1には、機構部に給紙する用紙をストックする給紙カセット3が着脱自在に装着され、給紙カセット3の上方には画像が形成されて排出される用紙をストックする排紙トレイ4が装着されている。また、装置本体1の前面側にはインクカートリッジを装着するカートリッジ装着部5を有し、更に各種操作信号の入力や表示情報を表示する操作/表示部(操作パネル)5が配置されている。
そして、装置本体1内の機構部10は、図2ないし図4に示すように、装置本体フレーム部材11上に立設された側板12A、12Bに横架された主ガイド部材であるガイドロッド13と従ガイド部材であるガイドロッド14とで、キャリッジ15を主走査方向(ガイドロッド長手方向)に摺動自在に保持している。
このキャリッジ15は、主走査モータ16と、駆動プーリ17、従動プーリ18及びタイミングベルト19で構成される主走査機構によって主走査方向に移動走査される。そして、キャリッジ14の主走査方向に沿ってエンコーダスケール21を配置し、キャリッジ14の背面側にはエンコーダスケール21の目盛り(スケール:位置識別部)を読み取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ22を取り付け、これらのエンコーダスケール21とエンコーダセンサ22とでキャリッジ位置検出手段としてのリニアエンコーダ20を構成している。
このキャリッジ15には、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインク滴を吐出する画像形成手段としての液体吐出ヘッドからなる4個の記録ヘッド25及びこの記録ヘッド25にフィルタ部材26を介してインクを供給するサブタンク27が搭載され、記録ヘッド25は複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
サブタンク26にはカートリッジ装着部5に着脱自在に装着される各色のインクを収容したメインタンク(インクカートリッジ)28からインクチューブ29を介してインクが補充供給される。
一方、キャリッジ15の下側には、給紙カセット3から給紙される用紙20を副走査方向に搬送する搬送手段としての搬送ベルト31が配置されている。この搬送ベルト31は、無端状ベルトであり、図示しない搬送ローラとテンションローラとの間に掛け渡されて、図示しない副走査モータによって搬送ローラが回転駆動されることによって矢示方向(副走査方向)に周回移動される。また、搬送ベルト31の下流側には画像が形成された用紙を排出する排紙コロ32が配置されている。
また、キャリッジ15の主走査方向の一方の非画像形成領域には記録ヘッド25の維持回復を行う維持回復機構41が配置され、この維持回復機構41は記録ヘッド25からインクを吸引すると共にノズル面を保湿する吸引キャップ42とノズル面を保湿する保湿キャップ43、ノズル面を払拭するワイパブレード44、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出によって生じる液滴を受ける空吐出受け45などを備え、維持回復動作で生じるインクの廃液は下側の廃液タンク50に排出される。廃液タンク50は装置本体1のカートリッジ装着部5内のメインタンク28の下側で着脱自在に装着されている。
また、キャリッジ113の主走査方向の他方の非画像形成領域にも画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出によって生じる液滴を受ける空吐出受け46を備えている。
この画像形成装置においては、給紙カセット3から図示しない給紙機構によって搬送ベルト32上に給紙された用紙30を搬送ベルト131で間歇的に搬送し、キャリッジ15を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド25を駆動することにより、停止している用紙に液滴を吐出して1行分を記録し、用紙を所定量搬送後、次の行の記録を行なう動作を繰り返して用紙上に画像を形成し、画像形成後用紙を排紙する。
次に、本発明の第1実施形態について図5を参照して説明する。なお、図5は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
前述したように、キャリッジ15は、主走査モータ16により駆動プーリ17、従動プーリ18及びタイミングベルト19による主走査機構を介して主走査方向(白抜き矢印の方向)に往復移動される。
前述したように、キャリッジ15は、主走査モータ16により駆動プーリ17、従動プーリ18及びタイミングベルト19による主走査機構を介して主走査方向(白抜き矢印の方向)に往復移動される。
そこで、例えば前述した装置本体フレーム11上(後述のとおりこれに限るものではない)に、キャリッジ15の移動に伴う装置本体1の振動を抑制する制振手段(制振機構)101が配置されている。制振手段101は、キャリッジ15の駆動源である主走査モータ16とは別の駆動手段であるモータ102Aと、キャリッジ15の質量よりも小さな質量の質量体であって、モータ102A(駆動手段)によって主走査方向(矢示方向)移動される制振部材(カウンタウエイト)103Aと、制振部材103Aが取り付けられ、モータ102Aにより回転される駆動プーリ106と従動プーリ107との間に掛け回され、主走査方向に沿って移動可能に配設されたベルト状部材であるタイミングベルト108とを備えている。
この制振手段101は、駆動手段であるモータ102Aを駆動することによりタイミングベルト108が移動されることにより、制振部材103Aが主走査方向(矢示方向)に移動され、移動状態からモータ102Aの駆動を停止することよって制振部材103Aが停止することで、制振部材103Aに慣性力が生じる。この慣性力の向きをキャリッジ15の移動による慣性力に対して逆方向にすることで、キャリッジ15による装置本体フレーム11に発生する振動を抑制することができる。
次に、制振手段101の制御に関わる制御部ついて図6のブロック図を参照して説明する。
印字制御部61は、図示しないパーソナルコンピュータなどの外部情報処理装置、画像読取り装置2などからの画像データを受領して、受領した画像データに応じてヘッド駆動部62を介して記録ヘッド25を駆動制御することで液滴を吐出させ、用紙30上に画像を形成する。主走査制御部63は、速度プロファイル格納部64に格納された図6に示すようなキャリッジ15の速度プロファイルと、キャリッジ15の主走査方向位置を検出するリニアエンコーダ20からのエンコーダ出力とに応じて、目標速度に対する現在速度の偏差から制御量(例えばPI制御値)を演算して、モータ駆動部65を介して主走査モータ16を駆動制御し、キャリッジ15を主走査方向に所要のキャリッジ速度で移動走査させる。
印字制御部61は、図示しないパーソナルコンピュータなどの外部情報処理装置、画像読取り装置2などからの画像データを受領して、受領した画像データに応じてヘッド駆動部62を介して記録ヘッド25を駆動制御することで液滴を吐出させ、用紙30上に画像を形成する。主走査制御部63は、速度プロファイル格納部64に格納された図6に示すようなキャリッジ15の速度プロファイルと、キャリッジ15の主走査方向位置を検出するリニアエンコーダ20からのエンコーダ出力とに応じて、目標速度に対する現在速度の偏差から制御量(例えばPI制御値)を演算して、モータ駆動部65を介して主走査モータ16を駆動制御し、キャリッジ15を主走査方向に所要のキャリッジ速度で移動走査させる。
制振制御部66は、本発明における制御手段であり、主走査制御部63によってキャリッジ15の主走査移動が行われるときに、速度プロファイル格納部64に格納されたキャリッジ14の速度プロファイルに基づいて駆動部67を介して制振手段101の駆動手段(モータ102A)を駆動制御して制振部材103Aを移動、停止させ、制振手段101による振動抑制動作(以下、単に「制振動作」ともいう。)を行わせる。
この実施形態の作用について図8に示すフロー図を参照して説明する。
制振制御部66は、キャリッジ15の主走査(移動)が開始されると、キャリッジ15の移動速度が加減速領域であるか否かを速度プロファイル格納部64の速度プロファイルに基づいて判別し、キャリッジ速度が加減速領域であるときには、キャリッジ15の加速度に応じて、制振部材103Aをキャリッジ15の移動による慣性力で生じる振動を相殺する方向に所要の加速度で移動させ、キャリッジ速度が等速領域であるときには制振部材103Aの移動を停止させる。
制振制御部66は、キャリッジ15の主走査(移動)が開始されると、キャリッジ15の移動速度が加減速領域であるか否かを速度プロファイル格納部64の速度プロファイルに基づいて判別し、キャリッジ速度が加減速領域であるときには、キャリッジ15の加速度に応じて、制振部材103Aをキャリッジ15の移動による慣性力で生じる振動を相殺する方向に所要の加速度で移動させ、キャリッジ速度が等速領域であるときには制振部材103Aの移動を停止させる。
このように、キャリッジ15の移動による慣性力で生じる振動を相殺するように制振手段101のモータ102Aを駆動制御して制振部材103Aを移動させる。このとき、制振手段101は、キャリッジ15とは別の駆動手段である駆動手段(モータ)102Aによって制振部材102Aを移動させることができ、制振部材102Aをキャリッジ15のモータ16で駆動させる必要がないので、キャリッジ15のモータ16の負荷が増大することはない。また、制振手段101の制御も分離することができるので、後述するように細やかな制御が可能となる。さらに、制振手段101の駆動源(モータ102A)にエンコーダを搭載することで、より細やかな制御が可能となる。
また、制振手段101の制振部材103Aは、キャリッジ15の質量よりも小さい質量であるので、その分加速度を上げることで、キャリッジ15の慣性力による振動を相殺することができ、制振部材103Aを軽く小さくすることによって、装置全体の重量及びサイズの増加も最小限に抑えることができる。なお、振動の原因となる衝撃力Fは、F=m(質量)×a(加速度)で表され、質量mが相対的に小さい場合でも加速度aを大きくすることで、同等の衝撃力Fが得られる。
さらに、装置本体フレーム11に対する振動を発生させるキャリッジ15の慣性力が発生するのは、キャリッジ15を移動走査するときの加速時及び減速時であるので、キャリッジ15とは別の駆動手段102Aで駆動される制振部材103Aの移動範囲はキャリッジ15の主走査範囲幅と同じでなくとも、キャリッジ15の加速時、減速時のみ移動することができる範囲であればよくなり、制振部材103Aの移動範囲を狭くすることができる。
そして、キャリッジ15の加速時、減速時に制振部材103Aを移動させて制振動作を行わせ、等速時には制振部材103Aを停止させるので、画像形成時となる等速時に制振部材103Aが移動しないことにより、記録ヘッド25からの滴吐出に対して悪影響を与える、例えば滴着弾位置ずれを発生させる振動を発生させることがなくなり、画像品質の劣化を抑えることができる。
このように、キャリッジの駆動源とは別の駆動手段により移動される、キャリッジの質量よりも小さな質量の制振部材を有する制振手段によって、キャリッジの加速時及び減速時の少なくともいずれかで振動抑制動作を行い、等速時には振動部材の移動を停止させるので、画像品質に影響を与えることなく、装置の重量、サイズの大型化を招くことなく、効率的にキャリッジの移動に伴う装置本体の振動を抑制することができる。
なお、キャリッジの駆動源とは別の駆動手段により移動される、キャリッジの質量よりも小さな質量の制振部材を有する制振手段によって振動抑制動作を行うようにすることで、画像品質に影響を与えることなく、装置の重量、サイズの大型化を招くことなく、効率的にキャリッジの移動に伴う装置本体の振動を抑制することができるようになる。
また、キャリッジの駆動源とは別の駆動手段により移動される制振部材を有する制振手段によって、キャリッジの加速時及び減速時の少なくともいずれかで振動抑制動作を行い、等速時には振動部材の移動を停止させるようにすることで、画像品質に影響を与えることなく、装置の重量、サイズの大型化を招くことなく、効率的にキャリッジの移動に伴う装置本体の振動を抑制することができるようになる。
次に、本発明の第2実施形態について図9を参照して説明する。なお、図9は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
この実施形態の制振手段101は、主走査モータ16とは別の駆動手段102Bと、この駆動手段102Bによってアーム部111を介して連結された制振部材103Bとを有し、駆動手段102Bを駆動することによって制振部材103Bは実線図示の位置と仮想線図示の位置との間で矢示方向に揺動される。
この実施形態の制振手段101は、主走査モータ16とは別の駆動手段102Bと、この駆動手段102Bによってアーム部111を介して連結された制振部材103Bとを有し、駆動手段102Bを駆動することによって制振部材103Bは実線図示の位置と仮想線図示の位置との間で矢示方向に揺動される。
この構成では、制振部材103Bを主走査方向に沿って矢示方向に揺動させることで、制振部材103Bを停止させたときの遠心力による慣性力が駆動手段102B側に作用するので、駆動手段102Bを装置本体フレーム11などの装置本体1側に固定する部材にかかる力によってキャリッジ15の加減速時の慣性力を相殺して、装置本体1が振動するのを抑制することができる。
このように制振部材を揺動させる駆動手段を有していることによって、制振手段の構成が簡単になる。また、ベルト状部材を介して間接的に制振部材を移動させる構成に比べて、より直接的に装置本体側にキャリッジの慣性力を相殺する方向の慣性力を作用させることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図10を参照して説明する。なお、図10は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
この実施形態の制振手段101は、主走査モータ16とは別の駆動手段であるソレノイド102Cと、このソレノイド192Cの鉄芯(プランジャ)を兼ねた制振部材103Cとを有し、ソレノイド102Cを駆動することによって制振部材103Cが主走査方向(矢示方向)に移動される。
この実施形態の制振手段101は、主走査モータ16とは別の駆動手段であるソレノイド102Cと、このソレノイド192Cの鉄芯(プランジャ)を兼ねた制振部材103Cとを有し、ソレノイド102Cを駆動することによって制振部材103Cが主走査方向(矢示方向)に移動される。
このように制振部材をプランジャが兼ねるソレノイドで駆動手段を構成することによって、制振手段の構成が簡単になり、部品点数の削減も図れる。また、ベルト状部材を介して間接的に制振部材を移動させる構成に比べて、より直接的に装置本体側にキャリッジの慣性力を相殺する方向の慣性力を作用させることができる。
次に、本発明の第4実施形態について図11を参照して説明する。なお、図11は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
この実施形態の制振手段101は、主走査(キャリッジの移動方向)に沿って歯部(例えばラック)103Daが形成された制振部材103Dが主走査方向に移動可能に配設され、主走査モータ16とは別の駆動手段102Dにより制振部材103Dの歯部103Daに噛み合う部材(例えばピニオン)112を介して制振部材103Dが主走査方向(矢示方向)に移動される。
この実施形態の制振手段101は、主走査(キャリッジの移動方向)に沿って歯部(例えばラック)103Daが形成された制振部材103Dが主走査方向に移動可能に配設され、主走査モータ16とは別の駆動手段102Dにより制振部材103Dの歯部103Daに噛み合う部材(例えばピニオン)112を介して制振部材103Dが主走査方向(矢示方向)に移動される。
このように構成することで、第1実施形態に比べて、制振手段の構成が簡単になり、部品点数の削減も図れる。また、ベルト状部材を介して間接的に制振部材を移動させる構成に比べて、直接的に装置本体側にキャリッジの慣性力を相殺する方向の慣性力を作用させることができる。
次に、本発明の第5実施形態について図12を参照して説明する。なお、図12は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
この実施形態の制振手段101は、制振部材103Eが主走査方向に移動可能に配設され、駆動手段102Eによってリンク機構であるピストンリンク113が矢示方向に回転することにより制振部材103Eが主走査方向(矢示方向)に移動される。
この実施形態の制振手段101は、制振部材103Eが主走査方向に移動可能に配設され、駆動手段102Eによってリンク機構であるピストンリンク113が矢示方向に回転することにより制振部材103Eが主走査方向(矢示方向)に移動される。
次に、本発明の第6実施形態について図13を参照して説明する。なお、図13は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
この実施形態の制振手段101は、駆動手段102Fによって回転するスクリューネジ114が主走査方向に沿って配設され、このスクリューネジ114に制振部材103Fが噛み合って回転不能で移動可能に装着され、駆動手段102Dによりスクリューネジ114を介して制振部材103Fが主走査方向(矢示方向)に移動される。
この実施形態の制振手段101は、駆動手段102Fによって回転するスクリューネジ114が主走査方向に沿って配設され、このスクリューネジ114に制振部材103Fが噛み合って回転不能で移動可能に装着され、駆動手段102Dによりスクリューネジ114を介して制振部材103Fが主走査方向(矢示方向)に移動される。
次に、本発明の第7実施形態について図14を参照して説明する。なお、図14は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
この実施形態の制振手段101は、制振部材103Gが駆動手段102Gによって揺動(ないし回動)可能に配置されるとともに、制振部材103Gが当接するボス(当接部材)115a、115bが主走査方向に間隔を置いて配置されている。当接部材115a、115bは例えば装置本体フレーム11に固定されている。
この実施形態の制振手段101は、制振部材103Gが駆動手段102Gによって揺動(ないし回動)可能に配置されるとともに、制振部材103Gが当接するボス(当接部材)115a、115bが主走査方向に間隔を置いて配置されている。当接部材115a、115bは例えば装置本体フレーム11に固定されている。
この構成により、駆動手段102Gで制振部材103Gを揺動させることにより、制振部材103Gが当接部材115a又は115bに当接し、この当接時の衝撃力によってキャリッジ15に慣性力を相殺することができる。
次に、本発明の第8実施形態について図15を参照して説明する。なお、図15は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
この実施形態の制振手段101は、制振部材103Hが主走査方向に移動可能に配設され、駆動手段102Hによって複数段のリンク機構116の各部が矢示方向に回転することにより制振部材103Eが主走査方向(矢示方向)に移動される。
この実施形態の制振手段101は、制振部材103Hが主走査方向に移動可能に配設され、駆動手段102Hによって複数段のリンク機構116の各部が矢示方向に回転することにより制振部材103Eが主走査方向(矢示方向)に移動される。
このようにリンク機構を介して駆動手段と制振部材とを連結することにより、駆動手段と制振部材を離して配置することができて、レイアウトの自由度が高くなる。
次に、本発明の第9実施形態について図16を参照して説明する。なお、図16は同実施形態の説明に供する模式的正面説明図である。
ここでは、側板12A、12Bにキャリッジ13の上方にベース部材120を固定し、このベース部材120に制振手段101を配置している(図示は第1実施形態の例)。つまり、制振手段101を装置本体1内でキャリッジ13の上方に配置している。
ここでは、側板12A、12Bにキャリッジ13の上方にベース部材120を固定し、このベース部材120に制振手段101を配置している(図示は第1実施形態の例)。つまり、制振手段101を装置本体1内でキャリッジ13の上方に配置している。
キャリッジ15の慣性力で生じる側板12A,12Bの振動は装置本体1の上方に行くほど大きくなる(破線図示のように矢示方向に振動する)ので、側板12A,12Bの上部に制振手段101を配置することによって、より小さな力で制振することができる。また、キャリッジ15より下方に配置しないことで、用紙搬送機構を避ける必要も無くなり、レイアウトが容易になる。
次に、本発明の第10実施形態について図17を参照して説明する。なお、図17は同実施形態の説明に供する模式的正面説明図である。
ここでは、側板12A、12Bにキャリッジ13の下方にベース部材120を固定し、このベース部材120に制振手段101を配置している(図示は第1実施形態の例)。
ここでは、側板12A、12Bにキャリッジ13の下方にベース部材120を固定し、このベース部材120に制振手段101を配置している(図示は第1実施形態の例)。
装置本体1の重心位置で制振動作を行うことが効果的であることから、制振手段101は装置の重心バランスを考慮した位置に配置することで、より小さな力で制振することができる。この例は、図示の位置に配置することが好ましい場合の例である。
次に、本発明の第11実施形態について図18を参照して説明する。なお、図18は同実施形態における制振制御に関わる部分のブロック説明図である。
前記第1実施形態に追加した部分について説明すると、主走査制御部63は、ホスト側の情報処理装置や自身の操作パネル6から与えられる印字モードに関する情報(印字モード情報)、用紙20の種別に関する情報(用紙種別情報)に基づいて、速度プロファイル格納部64に格納されている複数の速度プロファイルから所定の速度プロファイルを選定して使用する。
前記第1実施形態に追加した部分について説明すると、主走査制御部63は、ホスト側の情報処理装置や自身の操作パネル6から与えられる印字モードに関する情報(印字モード情報)、用紙20の種別に関する情報(用紙種別情報)に基づいて、速度プロファイル格納部64に格納されている複数の速度プロファイルから所定の速度プロファイルを選定して使用する。
ここで、印字モードとしては、この装置では、例えば、予め定めたキャリッジ速度で、予め定めた画質の画像を形成するときを通常モードと、通常モードよりも画質は劣るが印字速度が速い高速(速度優先)モードと、通常モードよりも印字速度は遅いが画質が優る高画質モードがある。用紙種別としては、例えば、普通紙、光沢紙、インクジェット専用紙などがある。そして、速度プロファイル格納部64には、前述した図7に示すように、各印字モードに応じた複数の速度プロファイルが格納され、主走査制御部63は指定された印字モードなどに応じて所要の速度プロファイルに応じて主走査モータ16を駆動制御する。
スキャナ制御部70は、スキャナ(画像読取り装置)2を駆動制御して画像の読取りを行わせる。
サブタンクインク残量検出手段71は、サブタンク27内のインク残量を検出する。サブタンク27内のインク残量は、例えば、初期充填でサブタンク27に供給したインク量を初期値として、記録ヘッド25から吐出した滴数及び滴量と、記録ヘッド25の維持回復動作に伴って記録ヘッド25から排出した滴量などを合算して積算して得られるインク使用量と、途中でサブタンク27に補給したインク量とに基づいて得ることができる。
温度検出手段72は、キャリッジ15の近傍の温度或いは装置本体1内の温度を検出する。
制振制御部66は、主走査制御部63から選定された速度プロファイルの情報、スキャナ制御部70からスキャナ2が読取り動作を行っているか否かに関する情報、サブチャンク残量検出手段71からサブタンク残量に関する情報、温度検出手段72から検出温度に関する情報、リニアエンコーダ20からのエンコーダ出力、主走査制御部63からのモータ入力値が、それぞれ入力される。なお、主走査制御部63からモータ駆動部65に与えられるモータ入力値は、主走査モータ16をPWM制御で駆動しているので、PWM値(信号)である。
この制振制御部66はサブタンクインク残量検出手段71からの検出結果に基づいて、キャリッジ15の実際の質量(重量)を検出(算出)する質量検出手段を兼ねている。つまり、キャリッジ15によって生じる衝撃力Fは、質量m×加速度aで求められるところ、サブタンク27を搭載する構成では、インク消費によってキャリッジ15の実際の質量が変化するの、衝撃力も変化することになる。そこで、キャリッジ15の実際の質量を検出して制御手段101による制振動作を制御することで、キャリッジ15の実際の加速度に応じた制御を行うことができる。
次に、制振制御部66による制振動作の制御の第1例について図19のフロー図を参照して説明する。
制振制御部6は、選定された速度プロファイルが高画質モードか否かを判別し、高画質モードでないとき(前述の例では通常モード、高速モードであるとき)には、前記第1実施形態と同様に、キャリッジ15の移動が開始されると、キャリッジ15の加減速領域では制振手段101を駆動制御して制振部材103(前記各実施形態における制振部材103A〜104Hの総称)を移動させて制振動作(振動抑制動作)を行い、等速領域では制振部材103の移動を停止する制御を行う。
制振制御部6は、選定された速度プロファイルが高画質モードか否かを判別し、高画質モードでないとき(前述の例では通常モード、高速モードであるとき)には、前記第1実施形態と同様に、キャリッジ15の移動が開始されると、キャリッジ15の加減速領域では制振手段101を駆動制御して制振部材103(前記各実施形態における制振部材103A〜104Hの総称)を移動させて制振動作(振動抑制動作)を行い、等速領域では制振部材103の移動を停止する制御を行う。
これに対して、高画質モードであるときには、制振手段101による制振動作を行わない。即ち、制振部材103を停止させたままにする制御を行う。
ここで、高画質モードで制振動作を行わない理由について説明する。高画質モードでは印字の高精度が要求されるため、キャリッジ自体の微細な振動が画質上問題となる。そのため加減速も急激には行わないために、制振をかける必要性が低い。具体的には、図20に示すように、急加速(減速)の速度プロファイルで指定される仮想線で示す速度目標値(目標速度)にてキャリッジの移動制御を行うと、キャリッジの実速度は実線で示すように変化して、キャリッジ自体に振動が残り、この振動により画像劣化が発生する。そのために高画質モード時には図21に示すように加速度が小さな速度プロファイルにてキャリッジの移動制御を行うことになる。画像形成装置(マシン)に比べてはるかに質量の小さいキャリッジに振動を残さないような速度プロファイルでは、そもそも装置本体に与える力も非常に緩やかになり、装置本体の振動は殆ど発生しないので、制振の必要性がない。
一方、高精度が要求される高画質モードでは制振動作を行うと、制振対象の振動自体が小さいため、僅かの検出誤差(例えば、微細なキャリッジ速度変動や、キャリッジの負荷、温度などの環境、インク残量(キャリッジ重量)などの検出/算出誤差)のために、制振力がキャリッジの加減速時の力と釣り合わず、振動を打ち消すよりも微細な振動をキャリッジに与えてしまうことになる。このような微細な振動は、高精度な制御が必要な場合には画質に影響を与えることになる。さらに、高画質モードにおける制振制御はシビアな精度が要求されるため、キャリッジの重量や速度などの高精度な検出と、高度なフィードバック制御を行う必要があり、制振機構及び制振制御が複雑になる。
そこで、この実施形態では、高画質モードのとき、すなわち、キャリッジの加減速によって発生する振動が装置本体に影響を与えない速度でキャリッジを移動させるときには、制振動作を行わないようにし、画像品質の劣化を抑えている。
この場合、印字モードによって制振動作を行うか否かを判別しているが、予め定めた所定値以上の加速度が生じるか否かで制振動作を行うか否かを判別するようにすることもできる。
次に、制振動作を行う加減速領域について図22をも参照して説明する。なお、図22はキャリッジの速度変化の説明図である。
キャリッジ速度は、前述した図7及び図22に示すように、加速領域、等速領域、減速領域と変化するが、このとき、キャリッジの加速度の変化が大きくなるのは、図23の丸Aで囲む領域部分、即ち移動を開始する領域部分A1、加速から等速に移行する領域部分A2、等速から減速に移行する領域部分A3、減速から停止する領域部分A4であり、これらの部分A1〜A4における衝撃力が振動発生の大きな要因となる。
キャリッジ速度は、前述した図7及び図22に示すように、加速領域、等速領域、減速領域と変化するが、このとき、キャリッジの加速度の変化が大きくなるのは、図23の丸Aで囲む領域部分、即ち移動を開始する領域部分A1、加速から等速に移行する領域部分A2、等速から減速に移行する領域部分A3、減速から停止する領域部分A4であり、これらの部分A1〜A4における衝撃力が振動発生の大きな要因となる。
そこで、キャリッジ速度の変化に対して上述した部分A1〜A4のときに制振動作を行わせることによって、最も効率的な制振を行うことができる。つまり、加減速領域の全域にわたって制振動作を行うのではなく、加減速領域のうちの加速度が予め定めた所定値以上の加速度が発生する領域部分でのみ制振動作を行うようにすることもできる。
次に、制振制御部66による制振動作の制御の第2例について図23のフロー図を参照して説明する。
ここでは、制振動作を行う前に、スキャナ制御部70からのスキャナ動作状態の情報に基づいてスキャナ2が画像読取り中か否かを判別し、スキャナ2が画像読取り中であれば制振動作を行い、スキャナ2が画像読取り中でなければ、制振動作を行わない。
ここでは、制振動作を行う前に、スキャナ制御部70からのスキャナ動作状態の情報に基づいてスキャナ2が画像読取り中か否かを判別し、スキャナ2が画像読取り中であれば制振動作を行い、スキャナ2が画像読取り中でなければ、制振動作を行わない。
つまり、スキャナ2は装置本体1の上部に配置されているので、装置本体1の振動による影響を受けやすく、画像読取り中に振動すると、読取り精度が低下することになる。そこで、スキャナ2が画像読取り中のときだけ制振動作を行うようにしている。
次に、制振制御部66による制振動作の制御の第3例について図24のフロー図を参照して説明する。
ここでは、制振動作を行う前に、スキャナ制御部70からのスキャナ動作状態の情報に基づいてスキャナ2が高精細の画像読取り中か否かを判別し、スキャナ2が高精細の画像読取り中であれば制振動作を行い、スキャナ2が高精細の画像読取り中でなければ、制振動作を行わない。
ここでは、制振動作を行う前に、スキャナ制御部70からのスキャナ動作状態の情報に基づいてスキャナ2が高精細の画像読取り中か否かを判別し、スキャナ2が高精細の画像読取り中であれば制振動作を行い、スキャナ2が高精細の画像読取り中でなければ、制振動作を行わない。
つまり、上述したようにスキャナ2は装置本体1の上部に配置されているので、装置本体1の振動による影響を受けやすく、画像読取り中に振動すると、読取り精度が低下することになるが、読取り精度が高くないときには多少の振動があっても読取り結果に対する影響は少ないので、高い読取り精度でスキャナ2が画像読取り中のときだけ制振動作を行うようにしている。なお、高精細か否かは、例えば、予め定めた所定のドット密度(例えば400dpi)以上のときを高精細とし、この場合に制振動作を行う。
次に、制振動作の制御について図25に示すフロー図を参照して説明する。
まず、印字モード及び用紙種別などに応じて選定された速度プロファイルからキャリッジ15の加速領域及び減速領域における加速度を算出する。そして、サブタンクインク残量検出手段71で検出されたインク残量を取り込み、制振手段101の制振部材103に対する制御量(駆動手段102に対する駆動制御量)を算出する。ここで、制振部材103に対する制御量は、制振部材103の加速度、移動量として求める。そして、算出した制御量を、温度検出手段72で検出されたキャリッジ周辺温度(又は装置本体内温度)に応じて補正する。なお、「算出」や「補正」はルックアップテーブルを用いて所要の値を得る場合も含む意味である。
まず、印字モード及び用紙種別などに応じて選定された速度プロファイルからキャリッジ15の加速領域及び減速領域における加速度を算出する。そして、サブタンクインク残量検出手段71で検出されたインク残量を取り込み、制振手段101の制振部材103に対する制御量(駆動手段102に対する駆動制御量)を算出する。ここで、制振部材103に対する制御量は、制振部材103の加速度、移動量として求める。そして、算出した制御量を、温度検出手段72で検出されたキャリッジ周辺温度(又は装置本体内温度)に応じて補正する。なお、「算出」や「補正」はルックアップテーブルを用いて所要の値を得る場合も含む意味である。
つまり、速度プロファイルから得られるキャリッジの加速度と前述したようにインク残量から得られるキャリッジの実際の質量によってキャリッジ15が及ぼす慣性力(衝撃力F=質量m×加速度a)が得られるので、対応する制振部材103で生じさせる慣性力(衝撃力の場合もある。)が得られる。このとき、キャリッジの周辺温度を検出することにより、キャリッジ15に繋がるインクチューブ29などの負荷や粘性抵抗値、キャリッジ15を支持するガイドロッド13、14の粘性抵抗値が得られるので、これらによって、制振部材103の制御量を補正することにより、より精度の高い制振動作を行うことができる。
次いで、制振動作を開始すると、エンコーダ20からのエンコーダパルス(主走査モータ16の出力値)と主走査制御部63からのPWM値(主走査モータ16に対する入力値)から、キャリッジ15の移動負荷(その他、キャリッジ15の実際の加速度)を検出して、この検出結果に応じて制御量を補正しながら、制振部材103を移動させる。これにより、更に精度の高い制振動作を行うことができる。また、さらに、制振手段101の動作状態を検出して制御量を補正すれば、精度よく制振部材103を移動制御することができる。例えば、第1実施形態であれば、タイミングベルト108の移動量、移動速度をエンコーダで検出して、制振部材103を目標とする加速度で移動させるように補正する。
次に、本発明の第12実施形態について図26を参照して説明する。なお、図26は同実施形態における制振制御に関わる部分のブロック説明図である。
この実施形態では、装置本体1の振動を検出する装置本体振動検出手段75を備え、この振動検出結果に応じて制振制御部66が制振部材102による制振動作を制御する。この場合、振動量検出値と制振手段101への出力値でのフィードバック制御とするのが好ましい。
この実施形態では、装置本体1の振動を検出する装置本体振動検出手段75を備え、この振動検出結果に応じて制振制御部66が制振部材102による制振動作を制御する。この場合、振動量検出値と制振手段101への出力値でのフィードバック制御とするのが好ましい。
ここでも、図27に示すように、第9実施形態と同様、キャリッジの周辺温度、キャリッジの移動負荷、制御機構部の駆動状態を検出し、制振部材103に対する制御量を補正することで、より精度の高い制振制御を行うことができる。
1…装置本体
2…画像読取り装置
10…印字機構部
11…装置本体フレーム部材
12A、12B…側板
13…ガイドロッド
15…キャリッジ
16…主走査モータ
25…記録ヘッド
101…制振手段
102A〜102H…駆動手段
103A〜103H…制振部材
66…制振制御部
2…画像読取り装置
10…印字機構部
11…装置本体フレーム部材
12A、12B…側板
13…ガイドロッド
15…キャリッジ
16…主走査モータ
25…記録ヘッド
101…制振手段
102A〜102H…駆動手段
103A〜103H…制振部材
66…制振制御部
Claims (19)
- 画像形成手段を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジの移動による振動を抑制する制振手段と、
前記制振手段による振動抑制動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制振手段は、前記キャリッジを移動させる駆動源とは別の駆動手段で移動される、前記キャリッジの質量よりも小さな質量の制振部材を有し、
前記制御手段は、前記キャリッジの加速時及び減速時の少なくともいずれかで前記制振手段の前記駆動手段を駆動して振動抑制動作を行わせ、前記キャリッジの等速時には前記制振手段の前記制振部材の移動を停止させる制御をする
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記制振手段は、前記駆動手段によりベルト状部材を介して前記制振部材が前記キャリッジの移動方向に沿って移動されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制振手段は、前記駆動手段により前記制振部材が前記キャリッジの移動方向に沿って揺動されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制振手段は、前記駆動手段がソレノイドであり、前記ソレノイドの前記キャリッジの移動方向に沿って移動するプランジャが前記制振部材を兼ねていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制振手段は、前記キャリッジの移動方向に沿って歯部が形成された前記制振部材が、前記駆動手段により前記制振部材の歯部に噛み合う部材を介して前記キャリッジの移動方向に沿って移動されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制振手段は、前記駆動手段によりリンク機構を介して前記制振部材が前記キャリッジの移動方向に沿って移動されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制振手段は、前記駆動手段によりスクリューネジを介して前記制振部材が前記キャリッジの移動方向に沿って移動されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制振手段は、前記キャリッジよりも装置本体内上方に配設されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記キャリッジの加速度に応じて前記制振手段による制振動作を行わせることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記キャリッジの加速度が予め定めた所定値以上のときに前記制振手段による制振動作を行わせることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記画像形成手段によって画像を形成する被記録媒体の種類に応じて前記制振手段による制振動作を行わせることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記キャリッジの質量を検出する質量検出手段を備え、前記制御手段は、前記質量検出手段で検出された前記キャリッジの質量に応じて前記制振手段による制振動作を行わせることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の画像形成装置。
- 装置内温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記温度検出手段で検出された前記装置内温度に応じて前記制振手段による制振動作を行わせることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記キャリッジの移動負荷を検出する負荷検出手段を備え、前記制御手段は、前記負荷検出手段で検出された前記キャリッジの移動負荷に応じて前記制振手段による制振動作を行わせることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の画像形成装置。
- 装置本体の振動を検出する振動検出手段を備え、前記制御手段は、前記振動検出手段で検出された前記装置本体の振動に応じて前記制振手段による制振動作を行わせることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の画像形成装置。
- 画像を読取る画像読取り手段を装置本体の上部に備え、前記制御手段は、前記画像読取り手段の動作状態に応じて前記制振手段による制振動作を制御することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記画像読取り手段の読取り精度に応じて前記制振手段による制振動作を制御することを特徴とする請求項16記載の画像形成装置。
- 画像形成手段を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジの移動による振動を抑制する制振手段と、
前記制振手段による振動抑制動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制振手段は、前記キャリッジを移動させる駆動源とは別の駆動手段で移動される、前記キャリッジの質量よりも小さな質量の制振部材を有し、
前記制御手段は、前記制振手段の前記駆動源を駆動して前記制振手段による振動抑制動作を行わせる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成手段を搭載した主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジの移動による振動を抑制する制振手段と、
前記制振手段による振動抑制動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制振手段は、前記キャリッジを移動させる駆動源とは別の駆動手段で移動される制振部材を有し、
前記制御手段は、前記キャリッジの加速時及び減速時の少なくともいずれかで前記制振手段の前記駆動手段を駆動して前記制振手段による振動抑制動作を行わせ、前記キャリッジの等速時には前記制振手段の前記制振部材の移動を停止させる制御をする
ことを特徴とする画像形成装置。
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2009
- 2009-09-09 US US12/555,898 patent/US20100067938A1/en not_active Abandoned
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