JP2010063054A - Pll回路および通信用半導体集積回路装置 - Google Patents

Pll回路および通信用半導体集積回路装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010063054A
JP2010063054A JP2008229359A JP2008229359A JP2010063054A JP 2010063054 A JP2010063054 A JP 2010063054A JP 2008229359 A JP2008229359 A JP 2008229359A JP 2008229359 A JP2008229359 A JP 2008229359A JP 2010063054 A JP2010063054 A JP 2010063054A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
loop filter
vco
voltage controlled
pll circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008229359A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Mezaki
敦 目崎
Tomomitsu Kitamura
智満 北村
Jiro Shinpo
二郎 新保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Technology Corp
Original Assignee
Renesas Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Technology Corp filed Critical Renesas Technology Corp
Priority to JP2008229359A priority Critical patent/JP2010063054A/ja
Publication of JP2010063054A publication Critical patent/JP2010063054A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

【課題】スプリアス特性の向上が実現可能なPLL回路およびそれを搭載した通信用半導体集積回路装置を提供する。
【解決手段】例えば、PLL回路を含む高周波ICチップRF_CP3において、PLL回路内に複数の電圧制御発振回路ブロックVCO_BK1〜VCO_BK3を設ける。そして、ループフィルタの一部となる2次のループフィルタFLT_Aを位相検出等を行うシンセサイザブロックSYNに配置し、他の一部となる1次のループフィルタFLT_BをVCO_BK1〜VCO_BK3のそれぞれに配置する。さらに、VCO_BK1〜VCO_BK3のそれぞれにおいては、インダクタL1,L2をRF_CP3の内側でなく外側(外周の一辺)に近くなるような向きにレイアウトする。
【選択図】図9

Description

本発明は、PLL(Phase Locked Loop)回路および通信用半導体集積回路装置に関し、特に、複数の電圧制御発振回路(VCO:Voltage Controlled Oscillator)を含んだPLL回路、およびマルチバンドの無線通信に対応した通信用半導体集積回路装置に適用して有効な技術に関するものである。
例えば、特許文献1には、広帯域に渡って安定した発振を可能にするPLL装置が示されている。このPLL装置に含まれるVCOは、クロスカップルの差動対トランジスタと、その負荷となり、可変キャパシタと複数の固定キャパシタの組み合わせで容量値が定められるLC共振回路を備えている。可変キャパシタの容量値は、電圧信号の大きさに応じて制御され、固定キャパシタの容量値は、スイッチによって接続有無を選択することで定められる。また、可変キャパシタの電圧信号は、2個の抵抗と3個のキャパシタからなる3次のループフィルタを介して供給される。
また、特許文献2には、特許文献1とほぼ同様なVCOに加えて、自動バンド切り替え回路等を設けることで、特に、W−CDMA方式の無線通信システムに好適となる通信用半導体集積回路が示されている。
特開2005−229548号公報 特開2006−279392号公報
携帯電話機のような無線通信システムにおいては、受信信号や送信信号に高周波の局部発振信号(ローカル信号)を合成して周波数のダウンコンバートやアップコンバートを行なったり、送信信号の変調や受信信号の復調を行なったりする通信用半導体集積回路装置(以下、高周波ICチップとも称す)が用いられている。このような高周波ICチップには、通常、局部発振信号を生成するため、電圧制御発振回路(VCO)を含むPLL回路が搭載される。
一方、携帯電話機の分野においては、GSM(Global System for Mobile Communications)、DCS(Digital Cellular System)、PCS(Personal Communications Service)といった複数の周波数帯の信号を扱えるマルチバンド方式の携帯電話機とともに、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式の携帯電話機が普及しつつある。W−CDMA方式では、10種類を超える周波数帯が規定されており、1個の高周波ICで、前述したGSM等に加えてW−CDMA方式にも対応させるためには、PLL回路に対して幅広い周波数範囲での発振動作が求められる。
図1は、本発明の前提として検討したVCOを示すものであり、(a)は、その構成例を示す回路図、(b)は、(a)のレイアウト構成例を示す概略図、(c)は、(a)の動作例を示す説明図である。図1(a)のVCOは、LC共振型の発振回路となっており、差動対のトランジスタを含み負性抵抗として機能する負性抵抗回路RNと、固定容量を含むステップ容量ブロックC_STと、可変容量を含むバラクタ容量ブロックC_VRと、インダクタブロックL_BKと、ドライバブロックDRVを備えている。この内、ドライバブロックDRVを除いた箇所は、特許文献1および2と同様な構成となっている。
負性抵抗回路RNは、差動対の一方のゲートに他方のドレインが結合されたNMOSトランジスタMN1,MN2と、MN1,MN2の共通ソースノードと接地電源電圧GNDの間に接続された電流源ISを備える。ステップ容量ブロックC_STは、MN1のドレインとMN2のドレインの間に並列接続されたn個の回路を含み、1番目の回路は、直列接続された容量C11、スイッチSW1および容量C12を備え、以降同様にして、n番目の回路は、直列接続された容量Cn1、スイッチSWnおよび容量Cn2を備える。バラクタ容量ブロックC_VRは、一端に電圧制御信号Vctlが供給され、他端がMN1のドレインに接続されるバラクタダイオードVD1と、一端にVctlが供給され、他端がMN2のドレインに接続されるバラクタダイオードVD2を備える。インダクタブロックL_BKは、一端に電源電圧VCCが供給され、他端がMN1のドレインに接続されるインダクタL1と、一端にVCCが供給され、他端がMN2のドレインに接続されるインダクタL2を備える。ドライバブロックDRVは、MN1のドレインを入力とするドライバ回路DV1と、MN2のドレインを入力とするドライバ回路DV2を備える。
図1(a)のVCOは、例えば、図1(b)に示すように、レイアウト上では一方向に向けて順に、インダクタブロックL_BK、バラクタ容量ブロックC_VR、ステップ容量ブロックC_ST、負性抵抗回路RN、ドライバブロックDRVが配置される。また、図1(a)のVCOは、図1(c)に示すように、C_ST内のスイッチSW1〜SWnの選択によって周波数のレンジが切り替わり、その各レンジにおいて、電圧制御信号Vctlの大きさに応じて周波数の調整が可能となっている。
図2は、図1のVCOを簡略して表示したものであり、(a)は回路の簡略表示、(b)はレイアウトの簡略表示である。図2(a)では、図1(a)におけるバラクタ容量ブロックC_VRとステップ容量ブロックC_STを纏めて可変容量ブロックCV_BKとし、バラクタ容量とステップ容量の組み合わせを可変容量CV1,CV2で表示している。図2(b)では、図1(b)におけるバラクタ容量ブロックC_VRとステップ容量ブロックC_STを纏めて可変容量ブロックCV_BKとし、負性抵抗回路RNとドライバブロックDRVを纏めて負性抵抗ブロックRN_BKとしている。本明細書においては、簡略化のため、図2(a)、(b)の簡略表示を適宜用いることとする。
この図1に示されるようなVCOをPLL回路内に1個搭載した場合、本発明者等が検討したところでは、例えば3.4GHz〜4GHzといった幅広い周波数範囲に対応させることが可能となる。そうすると、VCOからの発振信号は、1/4分周されることで、850MHz帯を用いるGSM850や900MHz帯を用いるGSM900に対応でき、1/2分周されることで、1.8GHz帯を用いるDCSや1.9GHz帯を用いるPCSに対応できる。しかしながら、加えて、例えばW−CDMA方式のバンド11で規定される1.5GHz帯にも対応させようとすると、この周波数範囲では困難となる。すなわち、分周比を整数だけでなく分数(小数)にも設定可能な所謂フラクショナルN分周器等を用いると、対応させることも可能であるが、所謂I信号およびQ信号を用いた直交変調および直交復調を容易に行うためには、整数の分周比を用いることが望ましい。そうすると、周波数範囲は、例えば1/2分周を用いるものとして、3GHz以下まで広げる必要がある。
今後も、高機能化に伴い更に使用される周波数帯が増加していくことが予想され、前述したような事情を考慮すると、PLL回路内に1個のVCOだけではなく、複数のVCOを搭載することが有益と考えられる。そこで、PLL回路内に複数のVCOを搭載した場合について検討を行った。図14は、本発明の前提として検討した通信用半導体集積回路装置において、それに含まれるPLL回路内に複数のVCOを搭載した場合の配置構成例を示す概略図である。
図14に示す通信用半導体集積回路装置(高周波ICチップ)RF_CPaは、チップの外周部分の一辺に沿って、3個のVCO(VCO1〜VCO3)が配置され、VCO1〜VCO3のそれぞれの出力が共通でシンセサイザブロックSYNに接続されている。SYNは、この3個のVCOの中から選択された1個のVCOの出力信号と基準クロック信号(図示せず)の位相比較を行い、その結果に基づいて、内部に形成された2次のループフィルタFLT_A、およびその後段に形成された1次のループフィルタFLT_Bからなる3次のループフィルタを介して電圧制御信号Vctlを生成する。このVctlは、選択されたVCOの可変容量CV1,CV2に帰還され、当該VCOの発振周波数がこの帰還ループによって制御される。また、各VCO1〜VCO3は、インダクタL1,L2がチップの内側ではなく外側に近くなるように配置される。
チップの内側部分には、通常、高密度で様々な回路が形成されており、それがスプリアス源となって、インダクタL1,L2に結合する恐れがあるが、このようにL1,L2をチップの外側に近くなるように配置することで、スプリアスを低減できると考えられる。したがって、このPLL回路のスプリアス特性のみの観点では、可能な限り各VCOを半導体チップの外周部分に配置することが望ましい。しかしながら、PLL回路がチップの外周部分の面積を大きく占有すると、高周波ICチップ全体の観点では、効率化が図れない恐れがある。
すなわち、このような高周波ICチップは、パッドPADや配線層MLを介してチップ外部との間で高周波信号の送受信を行うことになるため、この送受信に直接的に関連する送信回路や受信回路を優先的にチップの外周部分に配置する方が望ましい。PLL回路は、前述したようなスプリアス特性、他の回路との優先度、並びに送信回路や受信回路に対してキャリア信号を供給する際の配線長等を加味して、占有面積が大きくなり過ぎない範囲で可能な限りチップの外周近くに配置されることになる。また、別の問題として、図14のような配置構成例では、シンセサイザブロックSYNから最遠方に配置されたVCO1の配線長が長くなり、その特性が低下することも懸念される。
そこで、例えば、図15に示すような配置構成例が考えられる。図15は、図14とは異なる配置構成例を示す概略図である。図15の通信用半導体集積回路装置(高周波ICチップ)RF_CPbは、チップの外周の一辺の側近に、1個のVCO(VCO3)が配置され、その上側(チップの内側方向)に2個のVCO(VCO1,VCO2)が左右に隣接して配置されている。VCO1〜VCO3とシンセサイザブロックSYNとの接続関係は、図14の場合と同様である。VCO3は、L1,L2がチップの外側に近くなるように配置されているが、VCO1およびVCO2は、L1,L2がチップの内側に近くなるように配置されている。
このような配置構成例を用いると、チップの外周部分の占有面積が低減できることに加え、VCO1およびVCO2のドライバ回路DV1,DV2をシンセサイザブロックSYNに近づけることができるため、各VCOからSYNまでの配線長を短くすることができる。しかしながら、本発明者等の検討によって、図15の配置構成例では、各VCOの電圧制御信号Vctlの配線が、チップの内側に配置された回路ブロックCBの特に容量成分と電界結合し、また、VCO1およびVCO2のインダクタL1,L2が、CBのインダクタ成分と磁界結合することでスプリアス特性が低下することが見出された。特に、CB内の電源配線(VCC/GND)には、CBの動作に伴うノイズが集中するため、このノイズによる悪影響が懸念される。
そこで、本発明の目的の一つは、スプリアス特性の向上が実現可能なPLL回路およびそれを搭載した通信用半導体集積回路装置を提供することにある。本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本実施の形態のPLL回路は、位相検出回路に近接して2次の特性を持つ第1ループフィルタを配置し、電圧制御発振回路に近接して第1ループフィルタの後段に設けられる第2ループフィルタを配置したものとなっている。第1ループフィルタおよび第2ループフィルタは、位相検出回路の検出結果に基づいて電圧制御発振回路に周波数設定用の電圧制御信号を供給する所謂ループフィルタを構成する。第2ループフィルタは、例えば、面積等の観点から、1次の特性を持つループフィルタとすることが望ましい。このような構成を用いると、第1ループフィルタと第2ループフィルタ間の配線のインピーダンスが比較的低いため、この配線に外乱ノイズが結合した場合にも電圧変動を抑制でき、また、この外乱ノイズは第2ループフィルタによって低減させることもできる。これによって、スプリアス特性の向上が実現可能となる。なお、このような構成においては、例えば、電圧制御発振回路と第2ループフィルタ間の配線長が、第1ループフィルタと第2ループフィルタ間の配線長よりも短くなり得る。
また、本実施の形態のPLL回路は、電圧制御発振回路を複数備え、複数の電圧制御発振回路のそれぞれに近接して第2ループフィルタを配置し、位相検出回路に近接して第1ループフィルタを配置したものとなっている。このように電圧制御発振回路を複数備える場合、通常の方式では、位相検出回路に近接して第1および第2ループフィルタを配置し、この第2ループフィルタの出力配線を各電圧制御発振回路に引き回すことになるため、特に、第2ループフィルタの出力配線長が長くなり、ここに外乱ノイズが結合され易くなる。本実施の形態の構成を用いることで、この外乱ノイズの影響を低減でき、スプリアス特性の向上が実現可能となる。
また、本実施の形態の通信用半導体集積回路装置は、前述したような複数の電圧制御発振回路を含むPLL回路を備え、ベースバンド信号との間でアップコンバートやダウンコンバート、ならびに変調や復調を行う半導体チップとなっている。このような通信用半導体集積回路装置は、高密度なレイアウトが求められることからPLL回路に対して前述したような外乱ノイズが結合され易くなり、本実施の形態の構成が特に有益となる。また、複数の電圧制御発振回路のそれぞれは、例えばLC共振型の発振回路となっており、この場合、インダクタ(L)が当該半導体チップの内側でなく外側(外周の一辺)に近くなるようにレイアウトされることが望ましい。これによって、半導体チップの内側に配置された各種回路からインダクタ(L)に結合されるノイズの影響を低減でき、前述したループフィルタの配置による効果に加えて更にスプリアス特性の向上が実現可能となる。さらに、前述したようなインダクタ(L)のレイアウトを用いつつ、複数の電圧制御発振回路が半導体チップの外周部分を大きく占有しないように、少なくとの複数の電圧制御発振回路の1つを半導体チップの外周の一辺の側近に配置し、他の1つをそれよりも内側よりに配置することが望ましい。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、PLL回路およびそれを搭載した通信用半導体集積回路装置において、スプリアス特性の向上が実現可能となる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1による通信用半導体集積回路装置において、それに含まれるPLL回路の構成例を示す回路図である。図3に示すPLL回路は、電圧制御発振回路VCOと、シンセサイザブロックSYNによって構成される。VCOは、前述した図1(a)と同様の構成となっており、スイッチSW1〜SWnのオン・オフ状態と電圧制御信号Vctlの大きさに応じた発振周波数を持つ相補のクロック信号をドライバ回路DV1,DV2より出力する。
シンセサイザブロックSYNは、分周回路NDIVと、位相検出回路PDと、基準クロック生成回路CLK_REFと、チャージポンプ回路CPと、2次のループフィルタFLT_Aと、その後段に接続される1次のループフィルタFLT_Bによって構成される。ループフィルタは、FLT_AとFLT_Bを合わせて3次のループフィルタとなる。VCOから出力されたクロック信号は、NDIVによって所定の比率に分周された後、PDの一方の入力となる。PDの他方の入力は、CLK_REFから出力された基準クロック信号となる。CLK_REFは、特に限定はされないが、水晶発振回路などであり、基準クロック信号の発振周波数は、例えば13MHz程度や26MHz程度である。PDは、入力された2つのクロック信号の位相を比較し、一方を基準に他方の位相が進んでいるか遅れているかに応じて、CPに制御信号を出力する。
チャージポンプ回路CPは、チャージ用の電流源ICGおよびディスチャージ用の電流源IDISを備え、前述した位相検出回路PDからの制御信号に応じてICG又はIDISの一方を活性化させる。そして、CPによるチャージ電流またはディスチャージ電流は、FLT_AおよびFLT_Bを介して平滑化され、それが電圧制御信号VctlとなってVCO内のバラクタダイオードVD1,VD2の一端に帰還される。
FLT_Aは、チャージポンプ回路CPの出力ノードから接地電源電圧GNDに向けて順に直列接続された抵抗R1および容量C1と、CPの出力ノードとGNDの間に接続された容量C2によって構成される。このFLT_Aは、式(1)で示される零点周波数fZ1と、式(2)で示される極周波数fP1を備え、その伝達関数にs(=jω)の2乗項を含む2次のロウパスフィルタとなっている。
Z1=1/{2π・C1・R1} (1)
P1=(C1+C2)/(2π・C1・C2・R1) (2)
特に限定はされないが、例えば、R1は38.4kΩ、C1は320pF、C2は20pFであり、この場合、式(1)のfZ1は、13kHz程度、式(2)のfP1は220kHz程度となる。
FLT_Bは、FLT_Aの出力ノードに一端が接続された抵抗R2と、R2の他端とGNDの間に接続された容量C3によって構成される。このFLT_Bは、式(3)で示される極周波数fP2を備え、その伝達関数にs(=jω)の1乗項を含む1次のロウパスフィルタとなっている。
P2=1/{2π・C3・R2} (3)
特に限定はされないが、例えば、R2は36kΩ、C3は3.2pFであり、この場合、式(3)のfP2は1.4MHz程度となる。
図4は、本発明の実施の形態1による通信用半導体集積回路装置において、そのレイアウト構成例を示す概略図である。図4に示す通信用半導体集積回路装置(高周波ICチップ)RF_CPは、大別すると、チップの一方側(上側)に送信系の各種回路が配置され、他方側(下側)に受信系の各種回路が配置され、中央部分に論理回路が配置されている。受信系の回路に関し、まず、アンテナ回路が受信した高周波信号が受信回路ブロックRX1に入力される。RX1は、この高周波信号をロウノイズアンプ(LNA)によって増幅すると共に適宜フィルタリングも行い、ミキサ(MIX)に向けて、この増幅信号と受信用PLL回路からのキャリア信号(LOCAL)を入力することでダイレクトコンバージョンを行う。
受信用PLL回路は、RX1の隣に配置され、受信用の3個の電圧制御発振回路VCO_RX1〜VCO_RX3と、受信用のシンセサイザブロックSYN_RXと、水晶発振回路DCXOによって構成される。DCXOは、図3における基準クロック生成回路CLK_REFに該当するものである。また、RX1に向けたキャリア信号は、受信用PLL回路が出力したクロック信号に対して分周等を行うことで生成した互いに90度位相が異なるクロック信号であり、RX1は、この位相が直交するクロック信号のそれぞれを用いてミキシングを行うことで、所謂I信号およびQ信号を生成する。
RX1が生成したI信号およびQ信号は、受信回路ブロックRX2に入力される。RX2は、I信号およびQ信号のそれぞれを可変増幅回路(PGA)で増幅すると共に適宜フィルタリングも行い、それぞれの増幅信号をアナログ・ディジタル変換回路(ADC)によってディジタル信号に変換する。論理回路ブロックLOGIC1は、このディジタル信号を受けて、ディジタルフィルタ回路DIG_FLTを用いたフィルタリングを行い、その結果をディジタルインタフェース回路DILを介してベースバンドインタフェース回路I/Fに送信する。また、論理回路ブロックLOGIC1は、その他、チップ全体のタイミング制御等、様々なロジック系の処理を行う。ベースバンドインタフェース回路I/Fは、ベースバンド回路との間で各種信号の送受信を行う。
一方、送信系の回路に関しては、ベースバンド回路からI/Fを介して入力されたベースバンド信号が、送信回路ブロックTX1,TX2によってアップコンバートならびに変調処理され、それがパワーアンプ回路に向けて出力される。このアップコンバートならびに変調処理を行う際には、送信用PLL回路から出力されたクロック信号が用いられる。送信用PLL回路は、TX1の隣に配置され、送信用の3個の電圧制御発振回路VCO_TX1〜VCO_TX3と、送信用のシンセサイザブロックSYN_TXと、前述した受信用PLL回路に隣接配置されたDCXOによって構成される。また、この送信用PLL回路の下側に配置された論理回路ブロックLOGIC2は、主にチップ全体の各種設定信号を生成する。
この図4のような高周波ICチップにおいて、本実施の形態の主要な特徴は、受信用PLL回路および送信用PLL回路のそれぞれが、複数(ここでは3個)の電圧制御発振回路VCOと1個のシンセサイザブロックSYNを備えていることにある。ここで、図4の論理回路ブロックLOGIC1は、ディジタルフィルタ処理等に伴い例えば数MHz程度で頻繁に動作を繰り返すため、これと近接して配置された受信用PLL回路のスプリアス特性の低下が特に懸念される。そこで、図5のような配置構成例を用いることが有益となる。
図5は、図4の通信用半導体集積回路装置において、その受信用PLL回路の詳細な配置構成例を示す概略図である。図5に示す通信用半導体集積回路装置(高周波ICチップ)RF_CP1は、チップの外周の一辺の側近に、1個の電圧制御発振回路ブロックVCO_BK3が配置され、その上側(チップの内側方向)に2個の電圧制御発振回路ブロックVCO_BK1,VCO_BK2が左右に隣接して配置されている。VCO_BK3は、そのインダクタL1,L2がチップの外側に近くなるように配置されており、VCO_BK1およびVCO_BK2は、そのインダクタL1,L2がチップの内側に近くなるように配置されている。また、VCO_BK1〜VCO_BK3が配置された領域の隣には、シンセサイザブロックSYNが配置される。VCO_BK1〜VCO_BK3は、図4におけるVCO_RX1〜VCO_RX3にそれぞれ該当し、SYNは、図4におけるSYN_RXに該当する。
このような配置構成例を用いると、まず、前述した図15の場合と同様に、チップの外周部分の占有面積が低減できる。すなわち、複数の電圧制御発振回路ブロックVCO_BK内の少なくとも1個(ここではVCO_BK1,VCO_BK2の2個)を、チップの内側寄りに(チップの外周の一辺から遠くなるように)配置することで、この効果が得られる。また、これに加えて、前述した図15の場合と同様に、VCO_BK1およびVCO_BK2のドライバ回路DV1,DV2をシンセサイザブロックSYNに近づけることができるため、各VCOからSYNまでの配線長を短くすることができる。
さらに、図15の場合と比較して、図5の配置構成例は、SYNが2次のループフィルタFLT_Aを1個備え、VCO_BK1〜VCO_BK3のそれぞれが1次のループフィルタFLT_Bを1個ずつ備えることが主要な特徴となっている。この際に、FLT_Aから出力された電圧制御信号Vctlは、適宜分岐され、VCO_BK1〜VCO_BK3内のそれぞれのFLT_Bに入力される。FLT_Bから出力されたVctlは、FLT_Bに近接配置されたVCO内の可変容量CV1,CV2に供給され、このVCOの発振周波数が制御される。
このように、図15とは異なるループフィルタの配置構成例を用いることで、スプリアス特性の向上が実現可能となる。すなわち、FLT_AおよびFLT_Bを介した3次のループフィルタの出力配線は、FLT_Bのインピーダンスが比較的高いため、高インピーダンスとなる。したがって、図15の場合においては、各VCOに向けた電圧制御信号Vctlの配線にノイズが結合すると電圧レベルが大きく変動し、それが各VCOによって更に増幅されて結果的に大きなスプリアスが発生してしまう。一方、図5の配置構成例を用いると、2次のループフィルタFLT_Aと1次のループフィルタFLT_Bの間の配線は、FLT_Aのインピーダンスが比較的低いことから低インピーダンスとなるため、例えば論理回路ブロックLOGIC1から容量性のノイズが結合した場合でも電圧変動が抑制される。加えて、仮にノイズが結合した場合でも、ある程度はFLT_Bによって除去することができるため、各VCOにおける電圧制御信号Vctlの入力ノード上では、安定した電圧が得られる。
ところで、図3に示したように、PLL回路においては、通常、チャージポンプ回路CPの出力ノードに所謂ラグ・リード特性を備えた2次のループフィルタ(ロウパスフィルタ)が接続され、その後段に、この2次のループフィルタよりも極周波数(遮断周波数)が高くなるループフィルタ(ロウパスフィルタ)が設けられる。この後段のループフィルタは、図3のように必ずしも1段の1次フィルタとは限らず、例えば複数段による高次フィルタ等にも成り得るが、これらは、通常、極周波数が高く設定され、2次のループフィルタと比較してインピーダンスが高くなる。したがって、少なくとも、この2次のループフィルタの後段に設けられる1次以上のループフィルタの最終段部分が、対応するVCOに近接して配置および接続されることで前述したような効果が得られることになる。ただし、回路面積等を考慮すると、図3および図5に示したように、2次のループフィルタの後段を1次のループフィルタとし、2次のループフィルタをシンセサイザブロックSYN内に配置し、1次のループフィルタを各VCOの側近に配置することが望ましい。
図6は、図4の通信用半導体集積回路装置内のPLL回路において、そのVCOの選択動作の一例を説明する回路図である。図6に示すPLL回路では、3個の電圧制御発振回路ブロックVCO_BK1〜VCO_BK3が、それぞれのドライバ回路DVを介して相補のクロック信号をシンセサイザブロックSYNに出力している。SYNは、差動増幅回路となるバッファ回路BF_SYNを含み、BF_SYNは、差動対となるNMOSトランジスタMN1a,MN1bと、その負荷となる抵抗R1a,R1bと、テール電流源ISaによって構成される。
MN1aのゲートには、VCO_BK1のドライバ回路DV11、VCO_BK2のドライバ回路DV21、およびVCO_BK3のドライバ回路DV31からのクロック信号が、それぞれ、直流カット用の容量C1a、C2aおよびC3aを介して入力される。MN1bのゲートには、VCO_BK1のドライバ回路DV12、VCO_BK2のドライバ回路DV22、およびVCO_BK3のドライバ回路DV32からの反転クロック信号が、それぞれ、直流カット用の容量C1b、C2bおよびC3bを介して入力される。また、VCO_BK1〜VCO_BK3がそれぞれ含んでいる電流源IS1〜IS3は、活性化(ON)および非活性化(OFF)の制御が可能な可変電流源となっており、IS1〜IS3のいずれか1個を活性化することによって、VCO_BK1〜VCO_BK3のいずれか1個を選択して帰還ループを形成することが可能となる。なお、この選択の際には、IS1〜IS3の制御に加えて、ドライバ回路DVの活性化および非活性化を制御してもよい。
図7は、図5のPLL回路において、それに含まれるインダクタおよび容量の一部の概略構成例を示すデバイス断面図である。なお、図7は、各回路素子の素材を説明するためのものであり、各回路素子間の接続関係を示しているものではない。図7に示すように、図5のVCO_BK1〜VCO_BK3内におけるVCOを構成するインダクタL1,L2および容量(図1におけるC_ST内のステップ容量)や、ループフィルタFLT_A,FLT_B内の少なくともFLT_Bを構成する容量(図3のC3)は、半導体チップ上のメタル配線層によって形成される。また、望ましくは、FLT_Aを構成する容量(図3のC1,C2)も、半導体チップ上のメタル配線層によって形成される。
ここでは、順にコンタクト層CNTによって接続された5層のメタル配線層M1〜M5が用いられ、最上層となる第5のメタル配線層M5によって各種インダクタLおよび各種容量Cが形成されている。容量Cは、M5とM4の間に形成されたメタル配線層TPと、M5とM4間の絶縁層ISLを用いた所謂MIM(Metal-Insulator-Metal)構造で形成される。また、FLT_Bを構成する抵抗R2(望ましくはFLT_Aを構成する抵抗R1)は、例えば、半導体基板SUB上のポリシリコン層POや拡散層DFなどを用いて形成される。なお、FLT_Aを構成する各回路素子は、外部端子数の削減や、実装コストの低減等の観点から前述したように半導体チップ上で形成することが望ましいが、場合によっては、外部端子を介して外部に設けることも可能である。
以上、本実施の形態1のPLL回路およびそれを備えた通信用半導体集積回路装置を用いることで、代表的にはPLL回路のスプリアス特性を向上させることが可能となる。なお、図5では、図4のような配置構成例を想定して受信用PLL回路を例に説明を行ったが、勿論、送信用PLL回路に対しても、その周辺からある程度のノイズが結合することが考えられるため、これに適用しても効果が得られる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、実施の形態1とは異なる方式を用いてPLL回路のスプリアス特性を向上させる。図8は、本発明の実施の形態2による通信用半導体集積回路装置において、図4に含まれる受信用PLL回路の詳細な配置構成例を示す概略図である。図8に示す通信用半導体集積回路装置(高周波ICチップ)RF_CP2は、チップの外周の一辺の側近に、1個の電圧制御発振回路VCO3が配置され、その上側(チップの内側方向)に2個の電圧制御発振回路VCO1,VCO2が左右に隣接して配置されている。VCO3は、そのインダクタL1,L2がチップの外側に近くなるように配置されており、VCO_BK1およびVCO_BK2も、そのインダクタL1,L2がチップの外側に近くなるように配置されている。また、VCO1〜VCO3が配置された領域の隣には、2次のループフィルタFLT_Aおよび1次のループフィルタFLT_Bからなる3次のループフィルタを含んだシンセサイザブロックSYNが配置される。VCO1〜VCO3は、図4におけるVCO_RX1〜VCO_RX3にそれぞれ該当し、SYNは、図4におけるSYN_RXに該当する。
このような配置構成例を用いると、前述した図15の場合と同様に、チップの外周部分の占有面積が低減できる。また、図15の場合と比較して、VCO1およびVCO2のドライバ回路DV1,DV2とシンセサイザブロックSYNとの距離が長くなるが、VCO1およびVCO2のインダクタL1,L2と、特にスプリアス源となり得る論理回路ブロックLOGIC1との距離を離すことが可能となる。すなわち、VCOの回路面積が通常大きくなることを逆に利用してLOGIC1との距離を確保している。これによって、L1,L2とLOGIC1内のインダクタ成分との磁気結合力が弱まり、スプリアス特性の向上が実現可能となる。なお、図15の場合と比較して、VCO1およびVCO2のDV1,DV2とSYNとの間の配線にはノイズが結合し易くなるが、この配線は、比較的インピーダンスが低く、またこのノイズが増幅されるようなこともないため大きな問題とはならない。一方、L1,L2に結合したノイズは、VCOによって増幅されるため、スプリアス特性への悪影響が大きくなり、可能な限り低減することが望ましい。
以上、本実施の形態2のPLL回路およびそれを備えた通信用半導体集積回路装置を用いることで、代表的にはPLL回路のスプリアス特性を向上させることが可能となる。なお、ここでは、図4のような配置構成例を想定して受信用PLL回路を例に説明を行ったが、勿論、送信用PLL回路に対しても、その周辺からある程度のノイズが結合することが考えられるため、これに適用しても効果が得られる。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、実施の形態1の方式と実施の形態2の方式を組み合わせてPLL回路のスプリアス特性を向上させる。図9は、本発明の実施の形態3による通信用半導体集積回路装置において、図4に含まれる受信用PLL回路の詳細な配置構成例を示す概略図である。図10は、図9の配置構成例をよりレイアウト的に表したレイアウト概略図である。
図9および図10に示す通信用半導体集積回路装置(高周波ICチップ)RF_CP3は、チップの外周の一辺の側近に、1個の電圧制御発振回路ブロックVCO_BK3が配置され、その上側(チップの内側方向)に2個の電圧制御発振回路ブロックVCO_BK1,VCO_BK2が左右に隣接して配置されている。VCO_BK1〜VCO_BK3のそれぞれは、そのインダクタL1,L2がチップの外側に近くなるように(すなわち論理回路ブロックLOGIC1から遠くなるように)配置されている。また、VCO_BK1〜VCO_BK3が配置された領域の隣には、2次のループフィルタFLT_Aを含んだシンセサイザブロックSYNが配置される。VCO_BK1〜VCO_BK3のそれぞれには、1次のループフィルタFLT_Bが配置される。VCO_BK1〜VCO_BK3は、図4におけるVCO_RX1〜VCO_RX3にそれぞれ該当し、SYNは、図4におけるSYN_RXに該当する。
ここで、特に限定はされないが、VCO_BK3(VCO_RX3)は、W−CDMA方式のバンド1(2GHz帯)/5(850MHz帯)/9(1.8GHz帯)用であり、VCO_BK1(VCO_RX1)は、GSM方式用であり、VCO_BK2(VCO_RX2)は、W−CDMA方式のバンド11(1.5GHz帯)用である。VCO_BK1〜VCO_BK3の配置の内、最もスプリアス特性に優れるのは、スプリアス源から離れたVCO_BK3と考えられ、本実施の形態では、このVCO_BK3を、帯域の切り替えに伴い最もスプリアス特性に弱いと予想されるW−CDMA方式のバンド1/5/9用としている。
図11は、図9の配置構成例と図15の配置構成例とでスプリアス特性を比較した結果を示すものであり、実測データの一例を示すものである。具体的には、VCO_BK1(VCO1)に対して、約3.4GHz〜約4GHzの範囲で適宜クロック信号を出力させ、そのクロック信号のスペクトル観測を行っている。図11は、その一例であり、3.76GHzを中心周波数として、2.16MHzのスプリアスを観測した結果である。図9の配置構成例(after)を用いることで、図15の配置構成例(before)と比較して、2.16MHzのスプリアスが約9dB改善されていることがわかる。なお、2.16MHzは、GSM、EDGEのビットレート270kHzの倍数(8倍)に相当し、オーバーサンプリングで信号処理したときのスプリアスに該当する。
以上、本実施の形態3のPLL回路およびそれを備えた通信用半導体集積回路装置を用いることで、代表的には、実施の形態1および実施の形態2で述べた効果を合わせて、PLL回路のスプリアス特性を更に向上させることが可能となる。なお、ここでは、図4のような配置構成例を想定して受信用PLL回路を例に説明を行ったが、勿論、送信用PLL回路に対しても、その周辺からある程度のノイズが結合することが考えられるため、これに適用しても効果が得られる。
(実施の形態4)
本実施の形態4では、実施の形態3で述べたような電圧制御発振回路ブロックVCO_BKを4個搭載した場合の配置構成例を示す。図12は、本発明の実施の形態4による通信用半導体集積回路装置において、それに含まれるPLL回路の詳細な配置構成例を示す概略図である。
図12に示す通信用半導体集積回路装置(高周波ICチップ)RF_CP4は、チップの外周の一辺の側近で、この辺に沿って2個の電圧制御発振回路ブロックVCO_BK12,VCO_BK14が左右に隣接して配置され、その上側(チップの内側方向)に2個の電圧制御発振回路ブロックVCO_BK11,VCO_BK13が左右に隣接して配置されている。VCO_BK11〜VCO_BK14のそれぞれは、そのインダクタL1,L2がチップの外側に近くなるように配置されている。また、VCO_BK11〜VCO_BK14が配置された領域の右隣には、2次のループフィルタFLT_Aを含んだシンセサイザブロックSYNが配置される。VCO_BK11〜VCO_BK14のそれぞれには、1次のループフィルタFLT_Bが配置される。
このような配置構成例を用いることで、代表的には、実施の形態3の場合と同様のスプリアス特性の向上効果を得ることが可能となる。なお、このような配置構成例は、例えば、このVCO_BK11〜VCO_BK14からのキャリア信号を用いて処理を行う送信回路ブロックや受信回路ブロック(例えばミキサ回路等)が、VCO_BK11〜VCO_BK14の近辺にある場合に好適となる。すなわち、この場合、例えばVCO_BK11およびVCO_BK12の左側やVCO_BK11およびVCO_BK13の上側(チップの内側)である。
(実施の形態5)
本実施の形態5では、前述した実施の形態4を変形した配置構成例について説明する。図13は、本発明の実施の形態5による通信用半導体集積回路装置において、それに含まれるPLL回路の詳細な配置構成例を示す概略図である。図13に示す通信用半導体集積回路装置(高周波ICチップ)RF_CP5は、チップの外周の一辺の側近に、電圧制御発振回路ブロックVCO_BK12が配置され、その上側(チップの内側方向)に隣接して電圧制御発振回路ブロックVCO_BK11が配置される。同様に、このチップの外周の一辺の側近に、電圧制御発振回路ブロックVCO_BK14が配置され、その上側に隣接して電圧制御発振回路ブロックVCO_BK13が配置される。そして、VCO_BK11,VCO_BK12が配置された領域と、VCO_BK13,VCO_BK14が配置された領域の間の領域に、2次のループフィルタFLT_Aを含んだシンセサイザブロックSYNが配置されている。VCO_BK11〜VCO_BK14のそれぞれは、そのインダクタL1,L2がチップの外側に近くなるように配置されている。また、VCO_BK11〜VCO_BK14のそれぞれには、1次のループフィルタFLT_Bが配置される。
このような配置構成例を用いることで、代表的には、実施の形態4の場合と同様のスプリアス特性の向上効果を得ることが可能となる。更に、図12の配置構成例と比較して、SYNからVCO_BK11およびVCO_BK12に到るまでの配線長を短くできるため、これに伴うスプリアス特性の向上効果も得ることが可能となる。なお、このような配置構成例は、例えば、このVCO_BK11〜VCO_BK14からのキャリア信号を用いて処理を行う送信回路ブロックや受信回路ブロック(例えばミキサ回路等)が、このPLL回路の領域の上側にある場合に好適となる。あるいは、VCO_BK11およびVCO_BK12の左側に、これらのキャリア信号を用いて処理を行う回路が配置され、VCO_BK13およびVCO_BK14の右側に、これらのキャリア信号を用いて処理を行う回路が配置されるような場合に好適となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、これまでの各実施の形態では、PLL回路内に複数の電圧制御発振回路(VCO)を搭載する場合で説明を行ったが、VCOを1個搭載する場合に適用しても有益となる。すなわち、この1個のVCOに近接して1次のループフィルタ(FLT_B)を搭載したり、この1個のVCOのインダクタ(L1,L2)をチップの外側に近くなるように配置することでも、スプリアス特性の向上効果を得ることができる。この場合、図5等からも判るように、例えば、この1個のVCOとFLT_B間の配線長が、2次のループフィルタ(FLT_A)とFLT_B間の配線長よりも短くなり得る。また、図3のPLL回路は、チャージポンプ回路CPを用いた構成例となっているが、広く知られているように、これを用いない構成であってもよい。
本実施の形態による通信用半導体集積回路装置は、特に、複数のVCOを含んだPLL回路を搭載し、マルチバンドの無線通信に対応してベースベンド信号との間で変調および復調などを行う高周波ICチップに適用して有効な技術であり、これに限らず、PLL回路を含むICチップ全般に対して広く適用可能である。
本発明の前提として検討したVCOを示すものであり、(a)は、その構成例を示す回路図、(b)は、(a)のレイアウト構成例を示す概略図、(c)は、(a)の動作例を示す説明図である。 図1のVCOを簡略して表示したものであり、(a)は回路の簡略表示、(b)はレイアウトの簡略表示である。 本発明の実施の形態1による通信用半導体集積回路装置において、それに含まれるPLL回路の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態1による通信用半導体集積回路装置において、そのレイアウト構成例を示す概略図である。 図4の通信用半導体集積回路装置において、その受信用PLL回路の詳細な配置構成例を示す概略図である。 図4の通信用半導体集積回路装置内のPLL回路において、そのVCOの選択動作の一例を説明する回路図である。 図5のPLL回路において、それに含まれるインダクタおよび容量の一部の概略構成例を示すデバイス断面図である。 本発明の実施の形態2による通信用半導体集積回路装置において、図4に含まれる受信用PLL回路の詳細な配置構成例を示す概略図である。 本発明の実施の形態3による通信用半導体集積回路装置において、図4に含まれる受信用PLL回路の詳細な配置構成例を示す概略図である。 図9の配置構成例をよりレイアウト的に表したレイアウト概略図である。 図9の配置構成例と図15の配置構成例とでスプリアス特性を比較した結果を示すものである。 本発明の実施の形態4による通信用半導体集積回路装置において、それに含まれるPLL回路の詳細な配置構成例を示す概略図である。 本発明の実施の形態5による通信用半導体集積回路装置において、それに含まれるPLL回路の詳細な配置構成例を示す概略図である。 本発明の前提として検討した通信用半導体集積回路装置において、それに含まれるPLL回路内に複数のVCOを搭載した場合の配置構成例を示す概略図である。 図14とは異なる配置構成例を示す概略図である。
符号の説明
BF_SYN バッファ回路
C 容量
C_ST ステップ容量ブロック
C_VR バラクタ容量ブロック
CB 回路ブロック
CLK_REF 基準クロック生成回路
CNT コンタクト層
CP チャージポンプ回路
CV 可変容量
CV_BK 可変容量ブロック
DCXO 水晶発振回路
DF 拡散層
DIG_FLT ディジタルフィルタ回路
DIL ディジタルインタフェース回路
DRV ドライバブロック
DV ドライバ回路
FLT_A,FLT_B ループフィルタ
GND 接地電源電圧
I/F ベースバンドインタフェース回路
ISL 絶縁層
IS,ICG,IDIS 電流源
L インダクタ
L_BK インダクタブロック
LOGIC 論理回路ブロック
M,TP メタル配線層
ML 配線層
MN NMOSトランジスタ
NDIV 分周回路
PAD パッド
PD 位相検出回路
PO ポリシリコン層
R 抵抗
RF_CP 高周波ICチップ
RN 負性抵抗回路
RN_BK 負性抵抗ブロック
RX 受信回路ブロック
SUB 半導体基板
SW スイッチ
SYN,SYN_TX,SYN_RX シンセサイザブロック
TX 送信回路ブロック
VCC 電源電圧
VCO,VCO_RX,VCO_TX 電圧制御発振回路
VCO_BK 電圧制御発振回路ブロック
VD バラクタダイオード
Vctl 電圧制御信号

Claims (11)

  1. それぞれが電圧制御信号に応じた発振周波数の第1クロック信号を生成する複数の電圧制御発振回路と、
    前記複数の電圧制御発振回路の中から選択された1個の電圧制御発振回路によって生成された前記第1クロック信号を分周して第2クロック信号を生成する分周回路と、
    基準信号となる第3クロック信号と前記第2クロック信号との位相差を検出する位相検出回路と、
    前記位相検出回路の出力が入力される第1ループフィルタ、およびその後段に設けられる第2ループフィルタを含み、前記位相検出回路の検出結果に基づいて前記第1ループフィルタおよび前記第2ループフィルタを介して前記電圧制御信号を生成するループフィルタ部とを備え、
    前記第1ループフィルタは、前記位相検出回路に近接して配置され、
    前記第2ループフィルタは、前記複数の電圧制御発振回路にそれぞれ対応して複数設けられ、
    前記複数の第2ループフィルタのそれぞれは、自身に対応する電圧制御発振回路に近接して配置されることを特徴とするPLL回路。
  2. 請求項1記載のPLL回路において、
    前記第2ループフィルタは、前記第1ループフィルタよりも高い極周波数を持つことを特徴とするPLL回路。
  3. 請求項1記載のPLL回路において、
    前記第2ループフィルタは、1次の特性を持つことを特徴とするPLL回路。
  4. 電圧制御信号に応じた発振周波数の第1クロック信号を生成する電圧制御発振回路と、
    前記第1クロック信号を分周して第2クロック信号を生成する分周回路と、
    基準信号となる第3クロック信号と前記第2クロック信号との位相差を検出する位相検出回路と、
    前記位相検出回路の出力が入力される第1ループフィルタ、およびその後段に設けられる第2ループフィルタを含み、前記位相検出回路の検出結果に基づいて前記第1ループフィルタおよび前記第2ループフィルタを介して前記電圧制御信号を生成するループフィルタ部とを備え、
    前記電圧制御発振回路と前記第2ループフィルタの間の配線長は、前記第1ループフィルタと前記第2ループフィルタの間の配線長よりも短いことを特徴とするPLL回路。
  5. 請求項4記載のPLL回路において、
    前記第2ループフィルタは、前記第1ループフィルタよりも高い極周波数を持つことを特徴とするPLL回路。
  6. 請求項4記載のPLL回路において、
    前記第2ループフィルタは、1次の特性を持つことを特徴とするPLL回路。
  7. 所定の周波数のキャリア信号を生成するPLL回路と、
    前記キャリア信号を用いて、ベースバンド信号に対してアップコンバートまたはダウンコンバートを行う送信回路または受信回路とを含み、
    前記送信回路または受信回路と前記PLL回路は、1つの半導体チップ上に形成され、
    前記PLL回路は、
    それぞれが電圧制御信号に応じた発振周波数の第1クロック信号を生成する複数の電圧制御発振回路と、
    前記複数の電圧制御発振回路の中から選択された1個の電圧制御発振回路によって生成された前記第1クロック信号を分周して第2クロック信号を生成する分周回路と、
    基準信号となる第3クロック信号と前記第2クロック信号との位相差を検出する位相検出回路と、
    前記位相検出回路の出力が入力される第1ループフィルタ、およびその後段に設けられる第2ループフィルタを含み、前記位相検出回路の検出結果に基づいて前記第1ループフィルタおよび前記第2ループフィルタを介して前記電圧制御信号を生成するループフィルタ部とを備え、
    前記第1ループフィルタは、前記位相検出回路に近接して配置され、
    前記第2ループフィルタは、前記複数の電圧制御発振回路にそれぞれ対応して複数設けられ、
    前記複数の第2ループフィルタのそれぞれは、自身に対応する電圧制御発振回路に近接して配置されることを特徴とする通信用半導体集積回路装置。
  8. 請求項7記載の通信用半導体集積回路装置において、
    前記第2ループフィルタは、前記第1ループフィルタよりも高い極周波数を持つことを特徴とする通信用半導体集積回路装置。
  9. 請求項7記載の通信用半導体集積回路装置において、
    前記第2ループフィルタは、1次の特性を持つことを特徴とする通信用半導体集積回路装置。
  10. 請求項7記載の通信用半導体集積回路装置において、
    前記複数の電圧制御発振回路のいずれか1個となる第1電圧制御発振回路は、前記半導体チップの辺の1つとなる第1辺の側近に配置され、
    前記複数の電圧制御発振回路の他のいずれか1個となる第2電圧制御発振回路は、前記第1辺との距離が前記第1電圧制御発振回路よりも遠くなるように配置されることを特徴とする通信用半導体集積回路装置。
  11. 請求項10記載の通信用半導体集積回路装置において、
    前記複数の電圧制御発振回路のそれぞれは、
    前記電圧制御信号に応じて容量値が変化する可変容量と、
    前記可変容量との間で共振動作を行うインダクタとを含み、
    前記第1電圧制御発振回路は、それに含まれる前記インダクタが前記半導体チップの内側ではなく前記第1辺に近くなるようにレイアウトされ、
    前記第2電圧制御発振回路は、それに含まれる前記インダクタが前記半導体チップの内側ではなく前記第1辺に近くなるようにレイアウトされることを特徴とする通信用半導体集積回路装置。
JP2008229359A 2008-09-08 2008-09-08 Pll回路および通信用半導体集積回路装置 Pending JP2010063054A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008229359A JP2010063054A (ja) 2008-09-08 2008-09-08 Pll回路および通信用半導体集積回路装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008229359A JP2010063054A (ja) 2008-09-08 2008-09-08 Pll回路および通信用半導体集積回路装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010063054A true JP2010063054A (ja) 2010-03-18

Family

ID=42189329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008229359A Pending JP2010063054A (ja) 2008-09-08 2008-09-08 Pll回路および通信用半導体集積回路装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010063054A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9344269B2 (en) 2014-05-30 2016-05-17 Fujitsu Limited Receiving circuit

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02244821A (ja) * 1989-03-16 1990-09-28 Fujitsu Ltd 位相同期ループ発振器
JPH09214337A (ja) * 1996-02-08 1997-08-15 Nippon Soken Inc Pllシンセサイザ回路
JP2002057575A (ja) * 2000-08-11 2002-02-22 Alps Electric Co Ltd 多バンド発振器

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02244821A (ja) * 1989-03-16 1990-09-28 Fujitsu Ltd 位相同期ループ発振器
JPH09214337A (ja) * 1996-02-08 1997-08-15 Nippon Soken Inc Pllシンセサイザ回路
JP2002057575A (ja) * 2000-08-11 2002-02-22 Alps Electric Co Ltd 多バンド発振器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9344269B2 (en) 2014-05-30 2016-05-17 Fujitsu Limited Receiving circuit

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8253506B2 (en) Wideband temperature compensated resonator and wideband VCO
Murphy et al. A low phase noise, wideband and compact CMOS PLL for use in a heterodyne 802.15. 3c transceiver
US7345550B2 (en) Type II phase locked loop using dual path and dual varactors to reduce loop filter components
JP2010501155A (ja) 多標準多周波数合成器における連続利得補償および高速帯域選択
US20090243741A1 (en) Method and system for processing signals via an oscillator load embedded in an integrated circuit (ic) package
JP2007174552A (ja) 発振回路およびそれを内蔵した半導体集積回路
JP2010056856A (ja) 半導体集積回路
JPWO2012101774A1 (ja) 半導体装置
WO2010042763A1 (en) Clock clean-up phase-locked loop (pll)
US8143960B2 (en) Voltage controlled oscillator with multi-tap inductor
Jia et al. A 1.8-V 2.4/5.15-GHz dual-band LCVCO in 0.18-μm CMOS technology
Nakamura et al. A wide-tuning-range VCO with small VCO-gain fluctuation for multi-band W-CDMA RFIC
JP2006157767A (ja) 発振回路を内蔵した通信用半導体集積回路および通信システム並びに半導体集積回路の製造方法
Nuzzo et al. A 0.1–5GHz Dual-VCO software-defined∑ Δ frequency synthesizer in 45nm digital CMOS
Leenaerts et al. A 15-mW fully integrated I/Q synthesizer for Bluetooth in 0.18-μm CMOS
US7227425B2 (en) Dual-band voltage controlled oscillator utilizing switched feedback technology
Bajestan et al. A 5.12–12.95 GHz triple-resonance low phase noise CMOS VCO for software-defined radio applications
JP2010063054A (ja) Pll回路および通信用半導体集積回路装置
Macaitis et al. Design of 4.48–5.89 GHz LC-VCO in 65 nm RF CMOS technology
Rachedine et al. Performance review of integrated CMOS VCO circuits for wireless communications
Murphy et al. A low phase noise, wideband and compact CMOS PLL for use in a heterodyne 802.15. 3c TRX
US11973465B2 (en) Oscillator circuit
Wang et al. Fully integrated low phase noise VCO design in SiGe BiCMOS technology
Pokharel et al. Low phase noise 18 kHz frequency tuning step 5 GHz DCO using tiny capacitors based on transmissi on lines
Shahwani Dual band switchable voltage controlled oscillator in 65-nm CMOS technology

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100528

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130402