JP2010061867A - 面光源装置及び輝度均斉化シート - Google Patents

面光源装置及び輝度均斉化シート Download PDF

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将裕 中田
Toshiki Okayasu
俊樹 岡安
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文夫 神野
Shuichi Maeda
秀一 前田
Aiko Gondo
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Abstract

【課題】中央部の光源間隔が周縁部の光源間隔よりも狭くされていながら、表示面全体で充分に輝度が均斉化された面光源装置を提供する。
【解決手段】輝度均斉化シートが、透光性基材と、該透光性基材にパターン状に設けられた白色インキ部を有し、その透過率は、各線状光源の略直上位置で極小値、隣接する各線状光源同士の略中間上位置で極大値を有し、前記透過率の極小値と当該極小値に隣接する極大値との差Aが、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極小値を有し、前記透過率の極小値と当該極小値に隣接する極大値との差Aと、前記輝度調整シートを配置しない状態における輝度分布の極大値と当該極大値に隣接する極小値との差Bとの比A/Bが、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極小値を有することを特徴とする面光源装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶表示装置等で使用されるバックライトユニットや照明装置等の面光源装置及び輝度均斉化シートに関する。さらに詳しくは、複数の線状光源が、両端近傍部で中央部よりも広い間隔で配置された面発光ユニットを有する面光源装置、及びこの面光源装置に適した輝度均斉化シートに関する。
液晶表示装置等の画面は、中央部分に観察者の意識が集中しやすいため、周縁部と比較して中央が明るい方が、画質が良いと感じられる傾向にあることが知られている(特許文献1、2)。また、周縁部の輝度を相対的に低くすることは、観察者に、画面が暗いという感じを与えることなく消費電力を低下させることができるため好ましい。
そのため、液晶表示装置等のバックライトユニットを、複数の線状光源を用いて構成する場合、中央部の光源間隔を周縁部の光源間隔よりも狭くすることが行われている(特許文献3)。特許文献3では、周縁部の光源を中央部の光源よりも出光面側に近づけることにより輝度の均斉化を図っている。
一方、輝度均斉化シートにより、線状光源直上が明るく見える輝度ムラの防止を図ることが知られている(特許文献4)。特許文献4では、透過率調整体ユニットを備えない場合の輝度が高い位置ほど高密度となるように、網点パターンの透過率調整体を設けた透過率調整体(輝度均斉化シート)が開示されている。
特開2004−327165号公報 特開2007−264042号公報 特開2005−150056号公報 国際公開第06/028080号パンフレット
しかしながら、特許文献3のように、周縁部の光源を中央部の光源よりも出光面側に近づけただけでは、輝度ムラが殆ど解消できず、出光面に厚い拡散板を配置しなければ、観察者が線状光源の位置を認識できてしまうものであった。また、光源と出光面の距離を有意に変化させるだけのスペースも必要である。そのため、薄型のバックライトユニットを構成することが困難であった。
一方、特許文献4の輝度均斉化シートを用いれば、光源の直上を中心に輝度を低下させることができるため、厚い拡散板を配置しなくても、観察者が、線状光源の位置を認識できる程の輝度ムラは解消可能である。
しかし、本願発明者らが確認したところ、特許文献4の輝度均斉化シートを、特許文献3のように、中央部の光源間隔を周縁部の光源間隔よりも狭くしたバックライトユニットに適用すると、中央付近と周縁部の何れかで輝度ムラが残ってしまい、充分な均斉化を、表示面全体で達成することができないことが分かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、中央部の光源間隔が周縁部の光源間隔よりも狭くされていながら、表示面全体で充分に輝度が均斉化された面光源装置を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]互いに平行に配列された複数の線状光源と、該線状光源の光出射側に配置された光拡散板と、該線状光源の光出射側と反対の側に配置された反射板とを有する面発光ユニットと、透光性基材と、該透光性基材にパターン状に設けられた白色インキ部を有し、前記線状光源の光出射側に配置された輝度均斉化シートとを備え、前記複数の線状光源の間隔は、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極小値を有し、前記輝度均斉化シートの透過率は、各線状光源の略直上位置で極小値、隣接する各線状光源同士の略中間上位置で極大値を有し、前記透過率の極小値と当該極小値に隣接する極大値との差Aが、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極小値を有し、前記透過率の極小値と当該極小値に隣接する極大値との差Aと、前記輝度調整シートを配置しない状態における輝度分布の極大値と当該極大値に隣接する極小値との差Bとの比A/Bが、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極小値を有することを特徴とする面光源装置。
[2]前記透過率の極小値は、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極大値を有する[1]に記載の面光源装置。
[3]前記複数の線状光源から面発光部の出光面までの距離が、略均等とされている[1]または[2]に記載の面光源装置。
本発明によれば、中央部の光源間隔が周縁部の光源間隔よりも狭くされていながら、表示面全体で充分に輝度が均斉化された面光源装置とすることができる。
本発明の面光源装置である面光源装置の一実施形態について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態における面光源装置1は、図1に示すように、面発光ユニット20と輝度均斉化シート10を備えるものである。図1では、図示の便宜上厚みを適宜強調している。
なお、面発光装置1は、面発光ユニット20の光出射側に、プリズムシート、拡散シート、輝度向上シートなどの光学部材を更に具備していてもよい。
<面発光ユニット>
面発光ユニット20は、矩形状の開口部を有するハウジング21と、ハウジング21に収容される複数(図1では22本)の線状光源L、L(m、nは正の整数、図1では1〜11の正の整数)と、ハウジング21の開口部を塞ぐ様に線状光源22の光出射側に設けられた光拡散板23と、ハウジング21の内側の底面21aに設けられた反射板24とを具備する。
[線状光源]
線状光源L、Lとしては、冷陰極蛍光管(CCFL)、熱陰極蛍光管(HCFL)、外部電極陰極管(EEFL)などが採用できる。また、線状に配置すれば、発光ダイオード(LED)のような点状光源を用いることもできる。
線状光源Lは図示左側に、線状光源Lは図示右側に、m、nの数が小さいほど中央となるように、互いに平行に配列され、各々図1における紙面の垂直方向に延在している。なお、線状光源の本数が奇数の場合は、最も中央に配置される線状光源がL(m=1)=L(n=1)となる。
ここで、各線状光源L、Lと直交する方向(図1における左右方向)の座標Xにおける各線状光源Lの中心位置を座標Xとし、各線状光源Lの中心位置を座標Xと定義する。また、線状光源L、Lの間隔dについて、以下のように定義する。
mが2以上の場合:d=|X−Xm−1
nが2以上の場合:d=|X−Xn−1
m=n=1の場合、d=|X(m=1)−X(n=1)
なお、線状光源の本数が奇数の場合は、X(m=1)=X(n=1)となり、d=0となるためこの点は除外する。
線状光源L、Lの間隔d、dは互いに独立であり、必ずしもm=nの時にd=dである必要は無い
中央部の輝度を高くする手段として、本発明では、線状光源の間隔は、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極小値を有する。具体的には、座標Xを横軸、間隔dを縦軸として、線状光源の中間の座標(X−Xm−1)/2、(X−Xn−1)/2に対応するd、dをプロットした各点を最小二乗法で二次関数FL(X)に近似した際に、二次関数FL(X)は下に凸の形状となり、その極小値の座標Xが略中央部にある。
座標Xは、X(m=1)とX(n=1)の範囲にあることが好ましい。但し、線状光源の本数が奇数の場合は、座標XはX(m=2)とX(n=2)の範囲にあることが好ましい。線状光源L、Lの間隔d、dは、m、nが大きくなるに従って単調に増加(但し、一部が一定であってもよい。)することが好ましい。
なお、本発明における極大値とは、座標Xに対する一次導関数がゼロであると共に二次導関数がマイナスとなる際の値である。また、極小値とは一次導関数がゼロであると共に二次導関数がプラスとなる際の値である。
すなわち、二次関数FL(X)の極大値は、FL■(X)=0かつFL■(X)<0を満たすXに対するFL(X)の値であり、極小値とはFL■(X)=0かつFL■(X)>0を満たすXに対するFL(X)の値である。ここでFL■(X)はFL(X)のXに関する一次導関数、FL■(X)はXに関する二次導関数である。
各線状光源L、Lと光拡散板23との距離は、多少の変動があってもよいが、薄型化の観点から、均一であることが好ましい。また、各線状光源L、Lの中心と光拡散板23との距離は、6mm以下であることが好ましい。これにより、面発光ユニット20を容易に薄型化できる。
[光拡散板]
面発光ユニット20を構成する光拡散板23は、入射光を拡散可能で、その光拡散性が面方向に均一な板である。
光拡散板23の厚さは、1mm以上であることが好ましい。1mm以上であれば、面発光ユニット20の開口部の強度が維持しやすくなると共に、より均質な面発光を得ることができる。また、表示装置全体の薄型化の観点から、4mm以下とすることが好ましく、2.5mm以下とすることがより好ましい。
また、光拡散板23は、光出入射面がハウジング21の開口部と相似形で僅かに大きいことが好ましい。光拡散板23の具体例としては、例えば、光散乱性微粒子を含有する透明樹脂製の板などが挙げられる。
光拡散板23を構成する透明樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体などが挙げられる。光散乱性微粒子としては、例えば、アクリル系、スチレン−アクリル系、ポリウレタン系、ポリエチレン系等の有機フィラーや、シリコーンビーズ、中空粒子、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ微粒子等の無機フィラーなどが挙げられる。
光拡散板23は、JIS K7105に従って測定された全光線透過率が40〜70%であることが好ましい。光拡散板23の全光線透過率が40%以上であれば、輝度をより充分に均斉化でき、70%以下であれば、面光源装置1の輝度を充分に確保できる。
光拡散板23は、輝度向上のために何れか一方の面又は両面に凹凸が形成されていてもよい。例えば、何れか一方の面又は両面に、多数のプリズムが配列されたプリズム拡散板であってもよい。
[反射板]
面発光ユニット20を構成する反射板24としては、例えば、白色のプラスチックシート(白色ポリエチレンテレフタレートシート、白色ポリプロピレンシートなど)を、樹脂、金属、金属蒸着板などの基材に貼り付けたものが挙げられる。また、金属板、樹脂や金属等の基材の表面に銀やアルミニウム等の金属が蒸着された金属蒸着板などが挙げられる。反射板24は、ハウジング21の内側の底面21aと一体化されたものでもよい。
[面発光ユニットの輝度曲線]
図2は、前記座標Xを横軸とし、図1の面発光ユニット20のみで得られる輝度(以下「均斉化前の輝度」という。)を縦軸とする輝度曲線(以下「均斉化前の輝度曲線」という。)の一例である。
本実施形態では、複数の線状光源L、Lが平行に配列されているので、均斉化前の輝度曲線は極大点と極小点が繰り返えされるパターンとなる。
均斉化前の輝度曲線が極大値をとるのは、各線状光源L、Lの略直上位置である。すなわち、座標X、Xと、ほぼ等しい位置で極大値をとる。また、均斉化前の輝度曲線が極小値をとるのは、隣接する線状光源L、L同士の略中間上位置である。図2において、各均斉化前の輝度曲線の極大値をQ、Qで示した。各極大値Qの座標Xqmは座標Xと、各極大値Qの座標Xqnは座標Xと、各々ほぼ等しい。
座標Xを横軸、輝度を縦軸として、座標Xqm、Xqnに対応するQ、Qをプロットした各点を最小二乗法で二次関数FQ(X)に近似した際に、二次関数FQ(X)は上に凸の形状となり、その極大値の座標Xq0が略中央部にある。
座標Xq0は、X(m=1)とX(n=1)の範囲にあることが好ましい。但し、線状光源の本数が奇数の場合は、座標Xq0はX(m=2)とX(n=2)の範囲にあることが好ましい。極大値Q、Qは、m、nが大きくなるに従って単調に減少(但し、一部が一定であってもよい。)することが好ましい。
FQ(X)が上に凸の形状となるのは、m、nが大きくなるに従って光源の間隔dm、dが増加することに起因する。
また、均斉化前の輝度の各極大値Q、Qと両側に隣接する極小値Q■、Q■との差Bを、B=Q−Q■、B=Q−Q■と定義すると、B、Bは均斉化前の輝度の部分的な振幅を表す。但し、極小値Q■、Q■は、m、nが最大値の場合(図1では、m=11、n=11の場合)は中央側で隣接する極小値であり、m、nが最大値以外の場合(図1では、m=1〜10、n=1〜10の場合)は、両側の隣接する極小値の平均値である。
座標Xを横軸、差Bを縦軸として、座標Xqm、Xqnに対応するB、Bをプロットした各点を最小二乗法で二次関数FB(X)に近似した際に、二次関数FB(X)は下に凸の形状となり、その極小値の座標Xb0が略中央部にある。
座標Xb0は、X(m=1)とX(n=1)の範囲にあることが好ましい。但し、線状光源の本数が奇数の場合は、座標Xb0はX(m=2)とX(n=2)の範囲にあることが好ましい。差B、Bは、m、nが大きくなるに従って単調に増加(但し、一部が一定であってもよい。)することが好ましい。
FB(X)が下に凸の形状となるのは、m、nが大きくなるに従って光源の間隔dm、dが増加することに起因する。
<輝度均斉化シート>
輝度均斉化シート10は、透光性基材に白色インキが所定のパターン状に印刷されたものである。輝度均斉化シート10の光出入射面の面積と光拡散板23の光出入射面の面積は略同一になっている。
輝度均斉化シート10は、図1に示すように面発光ユニット20の拡散板23の上に配置させてもよいし、下に配置させてもよい。冷陰極管の熱による変形などの影響を受けにくいことから、上に配置することが好ましい。印刷面は、光源側でも観察者側でもよい。但し、製造工程におけるハンドリングのしやすさから印刷面が観察者側となるように配置することが好ましい。
[透光性基材]
輝度均斉化シート10を構成する透光性基材としては、ガラス基板や透明樹脂シートが用いられる。透明樹脂シートを構成する透明樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体などが挙げられる。透光性基材としては、網点を印刷しやすいことから、透明樹脂シートが好ましい。透光性基材の厚さは30μm〜4mmであることが好ましい。透光性基材が30μm以上であれば、充分な強度を有する。
もちろん、本発明の効果を損なわない範囲で、透光性基材に光拡散性微粒子を含む顔料を内添、あるいは塗工してもよいし、発泡シートを使用することもできる。また、透光性基材として、拡散シート、拡散板、プリズムシートなどの光学部材を用い、拡散シートや拡散板の片面に印刷したり、プリズムシートのプリズムが形成されていない面に印刷して、輝度均斉化シート10としてもよい。これら光学部材には光散乱性微粒子が含まれていてもよい。光散乱性微粒子を含有する場合、光拡散板23に用いる光散乱性微粒子と同様のものが使用できる。
[白色インキ]
白色インキとしては、例えば蒸発乾燥型インキ、酸化重合型インキ、加熱硬化型インキ、2液反応型インキ、紫外線硬化インキなど各種白色インキが使用できる。これらの中でも紫外線照射により瞬時にインキがセットされるため微妙な階調制御が行ないやすく、耐擦過性も期待できる紫外線硬化型インキが好適に使用でき、特にオフセット印刷の場合は、貼り付き防止パウダーが不要となるため、特に好ましく使用される。
白色インキには、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルク、クレー、塩基性炭酸鉛、チタン酸ストロンチウム、硫酸バリウム等の白色顔料が含まれる。これらの中でも、透過率制御効果が高い、色調の偏りが少ないなどの点で、酸化チタンや酸化亜鉛、硫酸バリウムが好ましい。
また、白色の色調を大きく損なわない範囲であれば、一般的な白色インキに含まれる成分以外にも、前述の光拡散性微粒子や色調調整用に微量の着色顔料等が含まれていてもよい。
[印刷方法]
白色インキの印刷方法としては、オフセット、フレキソ、グラビア、スクリーン、パット、インクジェットなど公知の技術を、所望のパターンや基材の種類などに応じて適宜選択して用いることができる。特に製版が比較的容易で生産性も高いことから、オフセット印刷やフレキソ印刷がより好ましく、拡散板への直接印刷など厚みのある基材に対しては、スクリーン印刷やインクジェット印刷、パッド印刷がより適している。また、複数の印刷方式を組み合わせたり、多色印刷機や両面印刷機を用いる等の手段により、白色インキのパターン印刷部に重ね刷りもしくは両面印刷を施しても良く、例えば白色インキ部の密着性や擦過性向上のためにアンダーコートやオーバーコートをベタ印刷してもよい。重ね刷りもしくは両面印刷によって得られる輝度均一化シートが所望の階調印刷パターンを保持していれば、白色インキのパターン印刷に組み合わせる印刷のインキは、白色インキであっても、透明ニスなどの白色成分を含まない透明インキであってもよい。
白色インキのパターン印刷層として最適な厚さは、印刷方式や白色インキの種類によって異なるため限定するものではないが、0.5〜20μmが望ましい。0.5μm未満になると印刷の安定性が保ち難く、20μmより厚くなると印刷部の耐擦過性が保ち難い。
[透過率曲線]
本発明の輝度均斉化シート10は、透過率がパターン状とされている。本発明において、透過率とは、JIS K7361−1に定義される全光線透過率である。
全光線透過率は当該JIS準拠の測定装置で測定することが基本であるが、該JIS準拠の測定装置の測定面積が、輝度均斉化シート10の透過率変化に対して大きすぎる場合は、より小さな測定面積で全光線透過率に対応する透過光量が測定可能な、各種透過率計や透過濃度計を使用して間接的に透過率(全光線透過率)のパターンを確認することができる。
全光線透過率に対応する透過光量が測定可能な装置としては、特に、JIS B9620−1で色分解フィルムのトーンバリュー測定装置として記載される透過濃度計が好ましい。また、透過率との相関が得られる場合は、同JISで印刷物のトーンバリュー測定装置として記載される反射濃度計や測色計を用いてもよく、印刷面の拡大画像から幾何学的網点面積率を測定してもよい。これらの測定における測定面積は、前述の通り透過率変化に対して測定面積が大きすぎると透過率変化が平均化されてすぎてしまい、小さすぎると印刷の微小なムラや網点印刷のスクリーン幅の影響を受け、測定に支障を及ぼす可能性があるため、印刷パターンに合わせて設定するのが望ましい。網点印刷したシートを透過濃度計で測定する場合、アパーチャーの面積は網点スクリーン幅の5〜20倍程度が好ましく、より好ましい範囲としては10〜15倍が例示できる。また、また、測定間隔は、大きすぎたり小さすぎたりすると、前記測定面積と同様の理由により測定に支障を及ぼす可能性があるため、印刷パターンに併せて設定するのが好ましい。例えば、0.5〜5mmの測定間隔とすることができる。
図3は、前記座標Xを横軸とし、透過率を縦軸とした輝度均斉化シート10の透過率曲線の一例である。
図2のように、均斉化前の輝度曲線が極大値と極小値を繰り返すパターンとなるので、透過率曲線は極小値と極大値を繰り返すパターンとする。
透過率曲線上で透過率が極小値Pをとるのは、各線状光源L、Lの略直上位置である。すなわち、座標X、Xと、ほぼ等しい位置で極小値をとる。また、透過率が極大値をとるのは、隣接する線状光源L、L同士の略中間上位置である。図3において、各透過率の極小値をP、Pで示した。各極小値Pの座標Xpmは座標Xと、各極小値Pの座標Xpnは座標Xと、各々ほぼ等しいことが好ましく、|Xpm−X|<d/5、|Xpn−X|<d/5を満たすことが好ましい。
透過率の各極小値P、Pは互いに独立であり、必ずしもm=nの時にP=Pである必要は無い。
座標Xを横軸、透過率を縦軸として、座標Xpm、Xpnに対応するP、Pをプロットした各点を最小二乗法で二次関数FP(X)に近似した際に、二次関数FP(X)は上に凸の形状となり、その極大値の座標XP0が略中央部にあることが好ましい。これにより、均斉化前の輝度曲線の特徴である中央部の輝度が高い傾向を損なわずに均斉化をすることができる。
座標Xp0は、X(m=1)とX(n=1)の範囲にあることが好ましい。但し、線状光源の本数が奇数の場合は、座標Xp0はX(m=2)とX(n=2)の範囲にあることが好ましい。極小値P、Pは、m、nが大きくなるに従って単調に減少(但し、一部が一定であってもよい。)することが好ましい。
透過率の各極小値P、Pと両側に隣接する極大値P■、P■との差A=P−P■、A=P−P■を定義すると、A、Aは透過率の部分的な振幅を表す。但し、極大値P■、P■は、m、nが最大値の場合(図1では、m=11、n=11の場合)は中央側で隣接する極大値であり、m、nが最大値以外の場合(図1では、m=1〜10、n=1〜10の場合)は、両側の隣接する極大値の平均値である。
総ての極小値P、Pは、近似曲線FP(X)から0.5×A、0.5×Aの範囲内にあることが好ましい。
座標Xを横軸、差Aを縦軸として、座標Xpm、Xpnに対応するA、Aをプロットした各点を最小二乗法で二次関数FA(X)に近似した際に、二次関数FA(X)は下に凸の形状となり、その極小値の座標Xp0が略中央部にある。これにより、均斉化前の輝度曲線の特徴である両端近傍部において中央部よりも振幅が大きくなる傾向に対応できる。
座標Xp0は、X(m=1)とX(n=1)の範囲にあることが好ましい。但し、線状光源の本数が奇数の場合は、座標Xp0はX(m=2)とX(n=2)の範囲にあることが好ましい。差A、Aは、m、nが大きくなるに従って単調に増加(但し、一部が一定であってもよい。)することが好ましい。
差A、Aの最大値と最小値の差を(Amax−Amin)としたとき、総ての差A、Aが近似曲線FA(X)から0.5×(Amax−Amin)の範囲内にあることが好ましい。
また、本願発明者らが検討したところ、均斉化前の輝度曲線の振幅が大きくなった際、透過率の振幅はそれに比例させて大きくしただけでは、中央部又は両端近傍部の何れかに均斉化できない部分が残ってしまうことが分かった。そして、その原因は、線状光源L、Lの間隔が均一でないためであることが判明した。
線状光源L、Lの間隔が均一であれば、線状光源L、Lからの光は、輝度均斉化シート10に入射すると透過率の低い領域ほど反射されやすく、反射後、さらに反射板24で反射され、再度輝度均斉化シート10に入射する。その結果、当初透過率の低い領域に入射した光が、透過率の高い領域に回り込む現象が生じ、輝度の均斉化が達成できる。
しかしながら、線状光源L、Lの間隔が広くなると、透過率の高い領域が広くなるため、単位面積あたりの回り込みによる光の受光量が減少してしまい、均斉化の効果が不足しやすい。これを補うためには、線状光源L、Lの間隔が広い領域では、透過率の振幅を一層増大させて、光の回り込み効果を高めなければならない。
したがって、均斉化前の輝度曲線の振幅が大きくなった場合、透過率の振幅をそれに比例するよりも大きく増加させれば、全体のバランスが得られることが分かった。
したがって、本発明では、透過率の部分的な振幅A、Aと、均斉化前の輝度の部分的振幅B、Bとの比R=A/B、R=A/Bを、m、nの数が小さいほど中央となるように定義すると以下の関係が得られる。
すなわち、座標Xを横軸、比Rを縦軸として、座標Xpm、Xpnに対応するR、Rをプロットした各点を最小二乗法で二次関数FR(X)に近似した際に、二次関数FR(X)は下に凸の形状となり、その極小値の座標Xr0が略中央部にある。
座標Xr0は、X(m=1)とX(n=1)の範囲にあることが好ましい。但し、線状光源の本数が奇数の場合は、座標Xr0はX(m=2)とX(n=2)の範囲にあることが好ましい。比R、Rは、m、nが大きくなるに従って単調に増加(但し、一部が一定であってもよい。)することが好ましい。また、比R、Rの最大値と最小値の差を(Rmax−Rmin)としたとき、総ての比R、Rが近似曲線FR(X)から0.5×(Rmax−Rmin)の範囲内にあることが好ましい。
[透過率の調整方法(階調印刷)]
パターン状の透過率は、透光性基材に白色インキを所望の階調値設定で、パターン印刷することによって得られる。例えば、透過率が最も高くなる印刷しない部分の階調値を0%に、印刷により透過率が最も低くなる部分の階調値を100%に割り当てることができる。
階調値の制御方法としては、網点印刷により網点面積率を変えたり、印刷回数やインキ量を変えることで白色インキ部の厚さを変化させたり、透過率の異なる白色インキを組み合わせて印刷するなどの方法が挙げられる。また、それらを組み合わせて調整してもよい。
網点印刷により網点面積率を変える場合、網点の大きさを変えて階調を調整するAM網点方式や、網点の個数を変えて階調を調整するFM網点方式、両者の長所を生かしたハイブリッド方式(例えば、大日本スクリーン製造株式会社製:Fairdot、RandotX、クレオジャパン株式会社製:Staccto)など各種スクリーン方式の網点印刷が採用できる。
AMスクリーン印刷の場合、印刷方式によっても異なるが、スクリーン線数は40〜400線程度が好ましく、より好ましくは60〜200線である。スクリーン線数が低すぎると網点に起因するムラが輝度均一化の妨げとなる可能性があり、逆にスクリーン線数が高すぎると印刷管理が難しくなる。また、網点の形状としては、スクエア、ラウンド、エリプティカル、チェーン、ライン、クロスライン、トライアングル、ハニカムなど、公知の網点形状が例示できる。
[階調値曲線]
輝度均斉化シート10は、線状光源Lから到達する光を均斉化して出射できるように階調値が調整された印刷パターンで白インキが印刷されている。
図4は、前記座標Xを横軸とし、階調値を縦軸とした輝度均斉化シート10の階調値曲線の一例である。階調値と透過率とは負の相関関係があるので、階調値曲線は、透過率曲線を上下反転させたパターンとなる。
したがって、階調値曲線上で階調値が極大値Sをとるのは、各線状光源L、Lの略直上位置である。すなわち、座標X、Xと、ほぼ等しい位置で極大値をとる。また、階調値が極小値をとるのは、隣接する線状光源L、L同士の略中間上位置である。図4において、各階調値の極大値をS、Sで示した。各極大値Sの座標Xsmは座標Xと、各極大値Sの座標Xsnは座標Xと、各々ほぼ等しいことが好ましく、|Xsm−X|<d/5、|Xsn−X|<d/5を満たすことが好ましい。階調値の各極大値S、Sは互いに独立であり、必ずしもm=nの時にS=Sである必要は無い。
座標Xを横軸、階調値を縦軸として、座標Xsm、Xsnに対応するS、Sをプロットした各点を最小二乗法で二次関数FS(X)に近似した際に、二次関数FS(X)は下に凸の形状となり、その極小値の座標Xs0が略中央部にあることが好ましい。座標Xs0の好ましい位置は、座標Xp0と同様である。極大値S、Sは、m、nが大きくなるに従って単調に増加(但し、一部が一定であってもよい。)することが好ましい。
階調値の各極大値S、Sと両側に隣接する極小値S■、S■との差C=S−S■、C=S−S■を定義すると、C、Cは階調値の部分的な振幅を表す。但し、極小値S■、S■は、m、nが最大値の場合(図1では、m=11、n=11の場合)は中央側で隣接する極小値であり、m、nが最大値以外の場合(図1では、m=1〜10、n=1〜10の場合)は、両側の隣接する極小値の平均値である。
総ての極小値極大値S、Sは、近似曲線FS(X)から0.5×C、0.5×Cの範囲内にあることが好ましい。
座標Xを横軸、差Cを縦軸として、座標Xsm、Xsnに対応するC、Cをプロットした各点を最小二乗法で二次関数FC(X)に近似した際に、二次関数FC(X)は下に凸の形状となり、その極小値の座標Xs0が略中央部にある。座標Xs0の好ましい位置は、座標Xp0と同様である。差C、Cは、m、nが大きくなるに従って単調に増加(但し、一部が一定であってもよい。)することが好ましい。
差C、Cの最大値と最小値の差を(Cmax−Cmin)としたとき、総ての差C、Cが近似曲線FC(X)から0.5×(Cmax−Cmin)の範囲内にあることが好ましい。
階調値の部分的な振幅C、Cと、均斉化前の輝度の部分的振幅B、Bとの比T=C/B、T=C/Bを、m、nの数が小さいほど中央となるように定義すると、比Tは、比Rと同様の関係である。
すなわち、座標Xを横軸、比Tを縦軸として、座標XSm、XSnに対応するT、Tをプロットした各点を最小二乗法で二次関数FT(X)に近似した際に、二次関数FT(X)は下に凸の形状となり、その極小値の座標Xt0が略中央部にある。
座標Xt0の好ましい位置は、座標Xp0と同様である。比T、Tは、m、nが大きくなるに従って単調に増加(但し、一部が一定であってもよい。)することが好ましい。比T、Tの最大値と最小値の差を (Tmax−Tmin)としたとき、総ての比T、Tが近似曲線FT(X)から 0.5×(Tmax−Tmin)の範囲内にあることが好ましい。
[階調値曲線の求め方]
本発明における階調値の具体的パターンは、例えば以下の手順で求めることができる。
(a)面発光ユニット20のみを用いて、横軸を線状光源L、Lの長手方向に対して垂直方向に沿った座標Xにおける複数位置にて、均斉化前の輝度を測定し、横軸を前記位置、縦軸を均斉化前の輝度とする均斉化前の輝度曲線を得る。
(b)均斉化前の輝度曲線を最小二乗法により二次関数に近似して、基準曲線を得る。
(c)前記位置毎の均斉化前の輝度と基準曲線上の基準輝度との差から輝度差を求め、横軸を前記位置、輝度差を縦軸とする輝度差曲線を得る。
(d)前記位置毎の暫定階調値(0〜100%)を下記式(1)に基づき設定する。そして、前記位置毎の階調値を暫定階調値とした輝度均斉化シート10を面発光ユニット20に上に配置して、前記位置毎に暫定輝度を測定し、横軸を座標Xにおける位置、縦軸を暫定輝度とする暫定輝度曲線を得る。
暫定階調値=中心階調値+K×{(輝度差)/(輝度差の最大絶対値)}
(但し、中心階調値は20〜80%、Kは3〜50%である。)
・・・・・式(1)
(e)先の暫定輝度曲線が、均斉化前の輝度曲線と同じ位相で極大値と極小値を有する場合はKを大きくし、均斉化前の輝度曲線と位相が反転している場合はKを小さくして、式(1)に基づき新たな暫定階調値を設定する。そして、前記位置毎の階調値を新たな暫定階調値とした輝度均斉化シート10を面発光ユニット20に上に配置して、前記位置毎に新たな暫定輝度を測定し、横軸を座標Xにおける位置、縦軸を新たな暫定輝度とする新たな暫定輝度曲線を得る。
(f)(e)を繰り返して、充分に均斉化した暫定輝度曲線が得られたときの暫定階調値を最終的な階調値とする。
最終的な階調値は、前記位置毎に求める。すなわち、前記位置毎に適切なKの値を設定する。上述の比R、R及び比T、Tは、その位置におけるKに比例する。
したがって、Kは、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極小値を有する。すなわち、座標Xを横軸、Kを縦軸として最小二乗法で二次関数FK(X)に近似した際に、二次関数FK(X)は下に凸の形状となり、その極小値の座標Xk0が略中央部にある。
座標Xk0は、X(m=1)とX(n=1)の範囲にあることが好ましい。但し、線状光源の本数が奇数の場合は、座標Xk0はX(m=2)とX(n=2)の範囲にあることが好ましい。Kは、周縁部に近づくに従って単調に増加(但し、一部が一定であってもよい。)することが好ましい。
前記複数位置を、線状光源L、Lの長手方向にずらして(a)〜(f)の作業を別の複数箇所で繰り返せば、各線状光源L、Lの長手方向に沿った輝度のバラツキを均斉化しやすい。
さらに、より汎用的な輝度均斉化シート10とするためには、同一規格の複数の面発光ユニット20の各々に適した階調値のパターンを求め、これらを平均化した階調値のパターンとすることが好ましい。
[面発光ユニット]
縦方向の断面が図1と同等で、表示面の大きさが縦574mm、横1024mmの面発光ユニット20Aを用意した。面発光ユニット(20A)の光拡散板23としては、透明樹脂(ポリメチルメタクリレート)に、粒度分布計(島津製作所製 SALD−2200)にて測定した平均二次粒子径1〜2μmのシリカ粒子を光散乱性微粒子として均一に分散させ、これを押出成形した厚さ2mmのシート(全光線透過率61.3%)を用いた。
線状光源L、Lは、直径4mm、長さ1042mmの22本を、長手方向を表示面の横方向に平行にして図1と同等に配列した。但し、各線状光源L、Lの間隔d、dは、d〜dは23mm、dは24mm、dは25mm、dは26mm、dは27mm、d10は29mm、d11は30mmである。また、各線状光源L、Lの中心から拡散板23裏面までの距離は何れも3mm、各線状光源L、Lの中心から反射板24までの距離は何れも2.5mmである。
[均斉化前の輝度曲線]
面発光ユニット(20A)のみの輝度、すなわち、均斉化前の輝度を測定した。具体的には、輝度計(トプコンテクノハウス社製、製品名「UA−1000」)を、面発光ユニット(20A)の、表示面左端から340mm、かつ縦方向(図1の左右方向)中央における上方1000mmの位置に配置した。そして、表示面左端から340mmの線上における位置0mm〜574mmの範囲の輝度を0.6mm間隔で測定した。
なお、座標X上の位置0mmは、図1左側の線状光源L11の左側22.5mmの位置である。また、位置574mmは、図1右側の線状光源L11の右側22.5mmの位置である。
図5に、測定した均斉化前の輝度から求めた均斉化前の輝度曲線と、基準曲線(均斉化前の輝度曲線を、最小二乗法により二次関数に近似した二次近似曲線)を示した。
図5に示すように、均斉化前の輝度曲線は極大点と極小点を繰り返すパターンであり、中央部の輝度が高く、両端近傍部の輝度が中央部よりも低くなっていた。
また、図6に示すように、均斉化前の輝度曲線の振幅(上記B、Bに相当)を最小二乗法で二次関数に近似した輝度振幅曲線は、略中央部に極小値を有していた。
[輝度差曲線]
図7は、図5における均斉化前の輝度と基準曲線上の基準輝度との差から輝度差を求め、横軸を位置、輝度差を縦軸とした輝度差曲線である。図7に示すように、輝度差の最大絶対値は476cd/mであった。
[輝度均斉化シートの検討]
各種輝度均斉化シートを調整し、階調値パターンと均斉化効果との関係を確認した。なお、以下において、輝度均斉化シート(10E)及び輝度均斉化シート(10F)が、本発明の面光源装置用の輝度均斉化シートである。
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート性フィルム(東洋紡製、コスモシャインA4300)に、白色インキ(東洋インキ社製FDO、ニュー青口T白HF1)を用い、下記式(2)で設定した暫定階調値でオフセット印刷し、輝度均斉化シート(10A)〜(10D)を得た。網点の形状はスクエアドットとし、網点面積率をAM階調により変化させて、階調値を調整した。
暫定階調値=中心階調値+K’×(輝度差)・・・・・式(2)
中心階調値は60%とした。
K’は、前記式(1)におけるKと以下の関係にある。
K’=K/(輝度差の最大絶対値) [単位:%/(cd/m)]
本実施例では、K’の値を、輝度均斉化シート(10A)では0.03、輝度均斉化シート(10B)では0.04、輝度均斉化シート(10C)では0.055、輝度均斉化シート(10D)では0.07とした。
そして、各輝度均斉化シートを面発光ユニット(20A)の上に配置した他は、均斉化前の輝度と同様にして輝度を測定し、横軸を前記位置、縦軸を輝度とする暫定輝度曲線を得た。
輝度均斉化シート(10A)の階調値曲線と、その極大値を最小二乗法により二次関数に近似した極大値曲線を図8に示す。また、輝度均斉化シート(10A)の暫定輝度曲線を、図5における均斉化前の輝度曲線と共に図9に示す。
図8に示すように、輝度均斉化シート(10A)の極大値曲線は略中央部に極小値を有し、図9に示すように、得られる暫定輝度曲線は、均斉化前の輝度曲線と同様に、中央部の輝度が高く維持されていた。
但し、K’が0.03である輝度均斉化シート(10A)では、全位置において、暫定輝度曲線に均斉化前の輝度曲線と同じ位相で極大値と極小値が残っており、均斉化の程度が不足していた。
次に、輝度均斉化シート(10B)の階調値曲線と、その極大値を最小二乗法により二次関数に近似した極大値曲線を図10に示す。また、輝度均斉化シート(10B)の暫定輝度曲線を、図5における均斉化前の輝度曲線と共に図11に示す。
図10に示すように、輝度均斉化シート(10B)の極大値曲線は略中央部に極小値を有し、図11に示すように、得られる暫定輝度曲線は、均斉化前の輝度曲線と同様に、中央部の輝度が高く維持されていた。
しかし、K’全体が0.04である輝度均斉化シート(10B)では、中央部では充分に均斉化されているが、両端近傍部では、暫定輝度曲線に、均斉化前の輝度曲線と同じ位相で極大値と極小値が残っており、均斉化の程度が不足していた。
次に、輝度均斉化シート(10C)の階調値曲線と、その極大値を最小二乗法により二次関数に近似した極大値曲線を図12に示す。また、輝度均斉化シート(10C)の暫定輝度曲線を、図5における均斉化前の輝度曲線と共に図13に示す。
図12に示すように、輝度均斉化シート(10C)の極大値曲線は略中央部に極小値を有し、図13に示すように、得られる暫定輝度曲線は、均斉化前の輝度曲線と同様に、中央部の輝度が高く維持されていた。
しかし、K’全体が0.055である輝度均斉化シート(10C)では、両端近傍部では充分に均斉化されているが、中央部では暫定輝度曲線が、均斉化前の輝度曲線と位相が反転しており、均斉化の程度が過剰となっていた。
次に、輝度均斉化シート(10D)の階調値曲線と、その極大値を最小二乗法により二次関数に近似した極大値曲線を図14に示す。また、輝度均斉化シート(10D)の暫定輝度曲線を、図5における均斉化前の輝度曲線と共に図15に示す。
図14に示すように、輝度均斉化シート(10D)の極大値曲線は略中央部に極小値を有し、図15に示すように、得られる暫定輝度曲線は、均斉化前の輝度曲線と同様に、中央部の輝度が高く維持されていた。
しかし、K’全体が0.07である輝度均斉化シート(10D)では、全位置において、暫定輝度曲線が、均斉化前の輝度曲線と位相が反転しており、均斉化の程度が過剰となっている。
図16は、輝度均斉化シート(10A)〜(10D)の階調値曲線における極大値と当該極大値に隣接する極小値との差C、Cを、最小二乗法で二次関数に近似した階調値振幅曲線を示したものである。
図16に示すように、何れの階調値振幅曲線も、略中央部に極小値を有している。これにより、図6における輝度振幅曲線が、略中央部に極小値を有すること、すなわち、両端近傍部において中央部よりも大きく、かつ両端に向かう程大きい傾向となっていることに対応できる。
輝度均斉化シート(10A)〜(10D)を用いた際の暫定輝度曲線から、最適なK’の値は、中央部と両端近傍部とで相違していることが確認できた。
そこで、K’の値を以下のように位置毎に変化させた他は、輝度均斉化シート(10A)〜(10D)と同様にして、輝度均斉化シート(10E)を得た。
領域α 線状光源L〜L〜Lの間(中央部):K’=0.04
領域β 線状光源L〜Lの間(領域αの両側):K’=0.047
領域γ 線状光源L〜Lの間(領域βの両側):K’=0.051
領域δ 線状光源Lの外側(領域γの両側):K’=0.055
輝度均斉化シート(10E)を面発光ユニット(20A)の上に配置した他は、均斉化前の輝度と同様にして輝度を測定し、横軸を前記位置、縦軸を輝度とする最終輝度曲線を得た。
輝度均斉化シート(10E)の階調値曲線と、その極大値を最小二乗法により二次関数に近似した極大値曲線を図17に示す。また、輝度均斉化シート(10E)の最終輝度曲線を、図5における均斉化前の輝度曲線と共に図18に示す。
図17に示すように、輝度均斉化シート(10E)の極大値曲線は略中央部に極小値を有し、図18に示すように、得られる最終輝度曲線は、均斉化前の輝度曲線と同様に、中央部の輝度が高く維持されていた。
さらにK’の値を領域毎に変化させた輝度均斉化シート(10E)では、全位置において、暫定輝度曲線が充分に均斉化されていた。
図19は、輝度均斉化シート(10E)の階調値曲線における極大値と当該極大値に隣接する極小値との差C、Cを、最小二乗法で二次関数に近似した階調値振幅曲線を示したものである。図19に示すように、振幅曲線は、略中央部に極小値を有している。
これにより、図6における輝度振幅曲線が、略中央部に極小値を有すること、すなわち、両端近傍部において中央部よりも大きく、かつ両端に向かう程大きい傾向となっていることに対応できる。
また、図20は、輝度均斉化シート(10E)の階調値曲線における極大値と当該極大値に隣接する極小値との差C、Cと、均斉化前の輝度曲線における差B、Bとの比T、T(T=C/B、T=C/B)を、最小二乗法で二次関数に近似した振幅比曲線を示したものである。図20に示すように、振幅比曲線は、略中央部に極小値を有している。これは、K’(K)の値を、両端部に近づくほど大きくしたことによる。
図18に示すように、輝度均斉化シート(10E)は、輝度均斉化シート(10A)〜(10D)と異なり、全位置において充分に均斉化できていた。このことから、振幅比曲線が略中央部に極小値を有することで、均斉化の効果が不足しやすい線状光源L、Lの間隔が広い領域において、光の回り込み効果を高め、全位置において、適切に均斉化を達成できることが確認できた。
式(2)の暫定階調値を、図21に示す階調値に変更した他は、輝度均斉化シート(10A)と同様にして、輝度均斉化シート(10F)を得た。
図21には、輝度均斉化シート(10F)の階調値曲線と共に、その極大値を最小二乗法により二次関数に近似した極大値曲線を示す。
また、図22は、輝度均斉化シート(10F)の階調値曲線における極大値と当該極大値に隣接する極小値との差C、Cを、最小二乗法で二次関数に近似した階調値振幅曲線を示したものである。
また、図23は、輝度均斉化シート(10F)の階調値曲線における極大値と当該極大値に隣接する極小値との差C、Cと、均斉化前の輝度曲線における差B、Bとの比T、T(T=C/B、T=C/B)を、最小二乗法で二次関数に近似した振幅比曲線を示したものである。
図24に、輝度均斉化シート(10F)の輝度曲線を、図5における均斉化前の輝度曲線と共に示す。
図21に示すように、輝度均斉化シート(10F)の極大値曲線は略中央部に極大値を有するため、得られる輝度曲線は、輝度均斉化シート(10E)と比較して中央部の輝度が低下していた。
しかし、輝度均斉化シート(10F)の輝度曲線は、全位置において、暫定輝度曲線が充分に均斉化されていた。これは、図22に示すように、振幅曲線が略中央部に極小値を有していると共に、図23に示すように、振幅比曲線が略中央部に極小値を有しているためである。
暫定階調値を、下記式(3)で設定した比較階調値に変更した他は、輝度均斉化シート(10A)と同様にして、輝度均斉化シート(10G)、(10H)を得た。
比較階調値=c(F−Fmin)/(Fmax−Fmin)・・・・式(3)
但し、Fは面発光ユニット(20A)の均斉化前の輝度、Fminは前記均斉化前の輝度の最小値、Fmaxは前記均斉化前の輝度の最大値である。図5に示すように、Fminは1550cd/m、Fmaxは3500cd/mであった。
cの値としては、輝度均斉化シート(10G)では、特許文献4におけるcの最小値0.5を用いた。また、輝度均斉化シート(10H)では、0.9とした。
そして、各輝度均斉化シートを面発光ユニット(20A)の上に配置した他は、均斉化前の輝度と同様にして輝度を測定し、横軸を前記位置、縦軸を輝度とする輝度曲線を得た。
輝度均斉化シート(10G)の階調値曲線と、その極大値を最小二乗法により二次関数に近似した極大値曲線を図25に示す。また、輝度均斉化シート(10G)の輝度曲線を、図5における均斉化前の輝度曲線及び輝度均斉化シート(10G)の最終輝度曲線と共に図26示す。
図25に示すように、輝度均斉化シート(10G)の極大値曲線は略中央部に極大値を有し、図26に示すように、得られる輝度曲線は、中央部の輝度が低下してしまっていた。
さらに、中央部では充分に均斉化されているが、両端近傍部では、輝度曲線に、均斉化前の輝度曲線と同じ位相で極大値と極小値が残っており、均斉化の程度が不足していた。
次に、輝度均斉化シート(10H)の階調値曲線と、その極大値を最小二乗法により二次関数に近似した極大値曲線を図27に示す。また、輝度均斉化シート(10H)の輝度曲線を、図5における均斉化前の輝度曲線及び輝度均斉化シート(10E)の最終輝度曲線と共に図28に示す。
図27に示すように、輝度均斉化シート(10H)の極大値曲線は略中央部に極大値を有し、図28に示すように、得られる輝度曲線は、輝度均斉化シート(10G)の場合よりも、さらに、中央部の輝度が低下してしまっていた。
さらに、両端近傍部ではかなり均斉化されているが、中央部では、輝度曲線に、均斉化前の輝度曲線と位相の反転が生じており、均斉化の程度が過剰であった。
[階調値と透過率との関係の確認]
全面を均一な階調値(0、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%)とした他は、輝度均斉化シート(10A)と同様にして調整した標準シートを用いて、階調値と透過率との関係を調べた。
透過率は、JIS K7361−1準拠の測定装置(村上色彩技術研究所製、ヘーズメーターHM−150型)を用いて、当該JISで定義される全光線透過率を測定した。各標準シートの階調値と透過率を図29に示す。図29に示すように、両者は非常に良好な負の相関関係を有していることが確認できた。
図30に、輝度均斉化シート(10E)の透過率曲線と、その極小値を最小二乗法により二次関数に近似した極小値曲線を示す。
透過率曲線は次のようにして測定した。
まず、JIS−K7361に規定される全光線透過率に対応する透過光量が測定可能な透過濃度計伊原電子工業株式会社製 ポータブル白黒透過濃度計Ihac−T5、アパーチャー直径3mm)を用い、ネガ網点モードにて式(4)に示す実測値を測定した。そして、得られた実測値を式(5)により透過率に換算した。
[実測値]=100−100×[1−10−(Dt−D0)]/[1−10−(Ds−D0)
・・・・・式(4)
Dt:測定部の透過濃度
D0=0 (空気の透過濃度、サンプルなし)
Ds=2.14 (機器付属品の透過濃度既知サンプルの透過濃度)
全光線透過率=1.1087×[実測値]−11.774 ・・・・・式(5)
測定は、表示面から340mmの線状におけるX座標上の位置0mm〜574mmの範囲において、1mm間隔で行ない、得られた透過率を位置に対してプロットし、透過率曲線を得た。
また、図31は、輝度均斉化シート(10E)の透過率曲線における極小値と当該極小値に隣接する極大値との差A、Aを、最小二乗法で二次関数に近似した透過率振幅曲線を示したものである。
また、図32は、輝度均斉化シート(10E)の透過率曲線における極小値と当該極小値に隣接する極大値との差A、Aと、均斉化前の輝度曲線における差B、Bとの比R、R(R=A/B、R=A/B)を、最小二乗法で二次関数に近似した振幅比曲線を示したものである。
上記のように、階調値と透過率は良好な負の相関関係を有するため、図30、31、32は、図17、19、20のそれぞれのパターンを反映していた。
すなわち、図30に示すように、輝度均斉化シート(10E)の透過率の極小値曲線は略中央部に極大値を有していた。また、図31に示すように、透過率振幅曲線は、略中央部に極小値を有していた。また、図32に示すように、振幅比曲線は、略中央部に極小値を有していた。
図33に、輝度均斉化シート(10F)の透過率曲線と、その極小値を最小二乗法により二次関数に近似した極小値曲線を示す。
透過率曲線は輝度均斉化シート(10E)の場合と同様にして測定した。
また、図34は、輝度均斉化シート(10F)の透過率曲線における極小値と当該極小値に隣接する極大値との差A、Aを、最小二乗法で二次関数に近似した透過率振幅曲線を示したものである。
また、図35は、輝度均斉化シート(10F)の透過率曲線における極小値と当該極小値に隣接する極大値との差A、Aと、均斉化前の輝度曲線における差B、Bとの比R、R(R=A/B、R=A/B)を、最小二乗法で二次関数に近似した振幅比曲線を示したものである。
上記のように、階調値と透過率は良好な負の相関関係を有するため、図33、34、35は、図21、22、23のそれぞれのパターンを反映していた。
すなわち、図33に示すように、輝度均斉化シート(10F)の透過率の極小値曲線は略中央部に極小値を有していた。また、図34に示すように、透過率振幅曲線は、略中央部に極小値を有していた。また、図35に示すように、振幅比曲線は、略中央部に極小値を有していた。
本発明の面発光装置及び本発明の輝度均斉化シートを用いて得られる面発光装置は、液晶装置等に用いられるバックライト装置、照明装置、広告表示器等として利用することができる。
本発明の1実施形態に係る面光源装置の断面図である。 本発明における均斉化前の輝度曲線の一例ある。 本発明における透過率曲線の一例である。 本発明における階調値曲線の一例である。 実施例で得られた均斉化前の輝度曲線と基準線である。 実施例で得られた均斉化前の輝度曲線の振幅と輝度振幅曲線である。 実施例で得られた輝度差曲線である。 暫定的な階調値曲線と極大値曲線である。 暫定輝度曲線と均斉化前の輝度曲線である。 暫定的な階調値曲線と極大値曲線である。 暫定輝度曲線と均斉化前の輝度曲線である。 暫定的な階調値曲線と極大値曲線である。 暫定輝度曲線と均斉化前の輝度曲線である。 暫定的な階調値曲線と極大値曲線である。 暫定輝度曲線と均斉化前の輝度曲線である。 暫定的な階調値曲線に基づく階調値振幅曲線である。 実施例で得られた階調値曲線と極大値曲線である。 実施例で得られた最終輝度曲線と均斉化前の輝度曲線である。 実施例で得られた振幅曲線である。 実施例で得られた振幅比曲線である。 実施例で得られた階調値曲線と極大値曲線である。 実施例で得られた振幅曲線である。 実施例で得られた振幅比曲線である。 実施例で得られた輝度曲線と均斉化前の輝度曲線である。 比較例で得られた階調値曲線と極大値曲線である。 比較例で得られた最終輝度曲線と均斉化前の輝度曲線である。 比較例で得られた階調値曲線と極大値曲線である。 比較例で得られた最終輝度曲線と均斉化前の輝度曲線である。 階調値と透過率との関係を示す図である。 実施例で得られた透過率曲線と極小値曲線である。 実施例で得られた透過率の振幅比曲線である。 実施例で得られた透過率の振幅比曲線である。 実施例で得られた透過率曲線と極小値曲線である。 実施例で得られた透過率の振幅比曲線である。 実施例で得られた透過率の振幅比曲線である。
符号の説明
1 バックライトユニット
10 輝度均斉化シート
20 面発光ユニット
21 ハウジング
、L 光源
23 光拡散板
24 反射板

Claims (3)

  1. 互いに平行に配列された複数の線状光源と、該線状光源の光出射側に配置された光拡散板と、該線状光源の光出射側と反対の側に配置された反射板とを有する面発光ユニットと、
    透光性基材と、該透光性基材にパターン状に設けられた白色インキ部を有し、前記線状光源の光出射側に配置された輝度均斉化シートとを備え、
    前記複数の線状光源の間隔は、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極小値を有し、
    前記輝度均斉化シートの透過率は、各線状光源の略直上位置で極小値、隣接する各線状光源同士の略中間上位置で極大値を有し、
    前記透過率の極小値と当該極小値に隣接する極大値との差Aが、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極小値を有し、
    前記透過率の極小値と当該極小値に隣接する極大値との差Aと、前記輝度調整シートを配置しない状態における輝度分布の極大値と当該極大値に隣接する極小値との差Bとの比A/Bが、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極小値を有することを特徴とする面光源装置。
  2. 前記透過率の極小値は、最小二乗法で二次関数に近似した際、略中央部に極大値を有する請求項1に記載の面光源装置。
  3. 前記複数の線状光源から面発光部の出光面までの距離が、略均等とされている請求項1または2に記載の面光源装置。
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