JP2010059553A - 絶縁性ターゲット材料、絶縁性ターゲット材料の製造方法、導電性複合酸化物膜およびデバイス - Google Patents

絶縁性ターゲット材料、絶縁性ターゲット材料の製造方法、導電性複合酸化物膜およびデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】均質で絶縁性が高く、良好な特性を有する、導電性複合酸化物膜を得るための絶縁性ターゲット材料を提供する。
【解決手段】絶縁性ターゲット材料は、一般式ABO3で表される導電性複合酸化物膜を得るための絶縁性ターゲット材料であって、A元素の酸化物と、B元素の酸化物と、Si化合物およびGe化合物の少なくとも一方と、を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、RFスパッタ法に好適に用いられる絶縁性ターゲット材料、絶縁性ターゲット材料の製造方法、導電性複合酸化物膜およびデバイスに関する。
スパッタ法によって複合酸化物膜を得るためのターゲットは、通常、以下のようにして得られる。例えば、一般式ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物膜を得るためのターゲットは、A元素およびB元素の酸化物原料を粉体にし、化学量論組成を考慮してこれらの酸化物原料を混合した後、これを焼結して得られる。このようなターゲットとしては、例えば特開平10−176264号公報に開示されたものが知られている。この文献では、化学式ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物のスパッタリングターゲットで、特定の相対密度と大きさを有するものが開示されている。
特開平10−176264号公報
しかしながら、本願発明者によれば、一般式ABO3で表される導電性複合酸化物膜のためのターゲットを得る場合、A元素およびB元素の酸化物原料を粉体にし、これらを所定の組成で混合・焼結しただけでは充分なターゲットが得られないことが判明した。
例えば、LaNiO3からなる導電性複合酸化物膜をRFスパッタ法(Radio Frequency Sputtering)によって形成するためのターゲットを公知の焼結法で形成した場合、以下の知見が得られた。すなわち、Laの酸化物の粉体とNiの酸化物の粉体を1:1の組成比で混合した後、焼結して得られたターゲットは、ターゲット全体で絶縁性が均一ではなく、絶縁性の低い部分、すなわち周囲より導電性の高い部分ができていた。このようなターゲットを用いてRFスパッタを行うと、絶縁性の低い部分にプラズマが集中し、その結果、プラズマが集中した部分が溶解したり、プラズマの集中によりターゲットにクラックが生じたりして、ターゲットとして使用できないことが判明した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、その目的は、均質で絶縁性が高く、良好な特性を有する、導電性複合酸化物膜を得るための絶縁性ターゲット材料を提供することにある。
本発明の他の目的は、上述した絶縁性ターゲット材料を得ることができる製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明にかかる絶縁性ターゲット材料を用いて形成された導電性複合酸化物膜を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明にかかる導電性複合酸化物膜を含むデバイスを提供することにある。
本発明にかかる絶縁性ターゲット材料は、
一般式ABO3で表される導電性複合酸化物膜を得るための絶縁性ターゲット材料であって、
A元素の酸化物と、B元素の酸化物と、Si化合物およびGe化合物の少なくとも一方と、を含む。
本発明の絶縁性ターゲット材料は、均質で絶縁性が高く、RFスパッタ法に好適に適用できる。また、本発明の絶縁性ターゲット材料によれば、結晶配向性に優れ、しかも表面モフォロジーのよい導電性複合酸化物膜を得ることができる。
本発明の絶縁性ターゲット材料において、
前記A元素は、La、Ca、Sr、Mn、BaおよびReから選択される少なくとも一つであることができる。
本発明の絶縁性ターゲット材料において、
前記B元素は、Ti、V、Sr、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Ir、PbおよびNdから選択される少なくとも一つであることができる。
本発明の絶縁性ターゲット材料において、
前記Si化合物および前記Ge化合物は、いずれも酸化物であることができる。
本発明の絶縁性ターゲット材料において、
さらに、Nb化合物を含むことができる。
本発明の絶縁性ターゲット材料において、
前記A元素はLaであり、前記B元素はNiであることができる。
本発明にかかる絶縁性ターゲット材料の製造方法は、
一般式ABO3で表される導電性複合酸化物膜を得るための絶縁性ターゲット材料の製造方法であって、
A元素の酸化物とB元素の酸化物とを混合し、混合された混合粉体を熱処理して粉砕することにより、第1粉体を得る工程と、
前記第1粉体と、Si原料およびGe原料の少なくとも一方を含む溶液と、を混合した後、粉体を回収して第2粉体を得る工程と、
前記第2粉体を熱処理して粉砕することにより、第3粉体を得る工程と、
前記第3粉体を熱処理する工程と、
を含む。
本発明の製造方法によれば、均質で絶縁性の高い絶縁性ターゲット材料を得ることができる。
本発明の製造方法において、
前記溶液は、前記Si原料および前記Ge原料の少なくとも一方を、2ないし10モル%含むことができる。
本発明の製造方法において、
前記混合粉体を熱処理する工程は、900ないし1000℃で行われることができる。
本発明の製造方法において、
前記第2粉体を熱処理する工程は、900ないし1000℃で行われることができる。
本発明の製造方法において、
前記第3粉体を熱処理する工程は、1000ないし1500℃で行われることができる。
本発明にかかる導電性複合酸化物膜は、
本発明にかかる絶縁性ターゲット材料を用いて、RFスパッタ法によって形成された導電性複合酸化物膜であって、一般式ABO3で表され、かつ、SiおよびGeの少なくとも一方を含むことができる。
本発明にかかるデバイスは、
基体と、
前記基体の上方に形成された、本発明にかかる導電性複合酸化物膜と、
を含む。
本発明におけるデバイスとは、本発明の導電性複合酸化物膜を含むものを意味し、当該導電性複合酸化物膜を有する部品、およびこの部品を有する電子機器を含む。デバイスの具体例についは後述する。
本発明にかかる絶縁性ターゲット材料は、
第1元素の酸化物と、第2元素の酸化物と、Si化合物およびGe化合物の少なくとも一方と、を含む。
本実施形態にかかる絶縁性ターゲット材料の製造方法を示すフローチャート図。 本発明にかかる実施例1の絶縁性ターゲット材料の外観を示す写真図。 比較例1の絶縁性ターゲット材料の写真図。 本発明にかかる実施例2の導電性複合酸化物膜の熱処理と評価結果を示す図。 実施例2の導電性複合酸化物膜のX線解析結果を示す図。 実施例2の導電性複合酸化物膜のSEMによる図。 実施例2の外観を示す写真図。 比較例2の導電性複合酸化物膜の熱処理と評価結果を示す図。 比較例2の導電性複合酸化物膜のX線解析結果を示す図。 比較例2の導電性複合酸化物膜のX線解析結果を示す図。 比較例2の導電性複合酸化物膜のSEMによる図。 比較例の外観を示す写真図。 本発明にかかる実施例3の導電性複合酸化物膜の熱処理と評価結果を示す図。 実施例3および比較例4の導電性複合酸化物膜のX線解析結果を示す図。 (A),(B)は本実施形態にかかる半導体装置を示す図。 本実施形態に係る1T1C型強誘電体メモリを模式的に示す断面図。 図16に示す強誘電体メモリの等価回路を示す図。 本実施形態の適用例に係る圧電素子を模式的に示す断面図。 本実施形態の適用例に係るインクジェット式記録ヘッドの概略構成図。 本実施形態の適用例に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図。 本実施形態の適用例に係るインクジェットプリンタの概略構成図。 本実施形態の適用例に係る表面弾性波素子を示す断面図。 本実施形態の適用例に係る周波数フィルタを示す斜視図。 本実施形態の適用例に係る発振器を示す斜視図。 本実施形態の適用例に係る発振器をVCSOに応用した一例を示す概略図。 本実施形態の適用例に係る発振器をVCSOに応用した一例を示す概略図。 本実施形態の適用例に係るPLL回路の基本構成を示すブロック図。 本実施形態の適用例に係る電子回路の構成を示すブロック図。 本実施形態の適用例に係るリーダライタを用いた通信システムを示す図。 図29に示す通信システムの概略ブロック図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.絶縁性ターゲット材料
本発明の実施形態にかかる絶縁性ターゲット材料は、一般式ABO3で表される導電性複合酸化物膜を得るための絶縁性ターゲット材料であって、A元素(第1元素)の酸化物と、B元素(第2元素)の酸化物と、Si化合物およびGe化合物の少なくとも一方と、を含む。
すなわち、本実施形態の絶縁性ターゲット材料において、少なくともA元素およびB元素は、いずれも酸化物として絶縁性ターゲット材料に含まれる。A元素は、La、Ca、Sr、Mn、BaおよびReから選択される少なくとも一つであることができる。また、B元素は、Ti、V、Sr、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Ir、PbおよびNdから選択される少なくとも一つであることができる。
本実施形態の絶縁性ターゲット材料に、Si化合物およびGe化合物の少なくとも一方が含まれることにより、後述する実施例からも明らかなように、均質で絶縁性の高い優れた絶縁性ターゲット材料となる。絶縁性ターゲット材料は、Si化合物およびGe化合物のうち、少なくともSi化合物を含むことが望ましい。また、Si化合物および前記Ge化合物は、いずれも酸化物であることが望ましい。
本実施形態では、さらに、Nb化合物、例えばNbの酸化物を含むことができる。絶縁性ターゲット材料がNbの酸化物を含むことにより、成膜された導電性複合酸化物膜中の酸素欠損を補うことができる。
本実施形態にかかる絶縁性ターゲット材料において、A元素の酸化物とB元素の酸化物については、成膜後の導電性複合酸化物(一般式ABO3)の化学量論組成と同じ比率、すなわち、A:B=1:1もしくはこれに近い比率で含まれることができる。また、本実施形態にかかる絶縁性ターゲット材料は、一般式ABO3で表されるペロブスカイト型構造を有しないことが望ましい。絶縁性ターゲット材料がかかるペロブスカイト型構造を有すると、ターゲットが導電性を有するため、RFスパッタのターゲットとして不適切か、もしくは使用できないことがある。
本実施形態にかかる絶縁性ターゲット材料が適用できる、導電性複合酸化物膜としては、LaCoO3、SrCoO3、La1-xSrxCoO3[ここで、xおよびyは0〜1の有理数を表す。以下の化学式においても同様である。]等のLa(Sr)CoO3[ここで、( )内の金属は置換金属を意味する。以下の化学式においても同様である。]、LaMnO3、SrMnO3、La1-xSrxMnO3等のLa(Sr)MnO3、LaNiO3、SrNiO3、La(Sr)NiO3、CaCoO3、La(Ca)CoO3、LaFeO3、SrFeO3、La(Sr)FeO3、La1-xSrxCo1-yFey3等のLa(Sr)Co(Fe)O3、あるいは、La1-xSrxVO3、La1-xCaxFeO3、LaBaO3、La(a)MnO3、LaCuO3、LaTiO3、BaCeO3、BaTiO3、BaSnO3、BaPbO3、BaPb1-x3、CaCrO3、CaVO3、CaRuO3、SrIrO3、SrFeO3、SrVO3、SrRuO3、Sr(Pt)RuO3、SrTiO3、SrReO3、SrCeO3、SrCrO3、BaReO3、BaPb1-xBix3、CaTiO3、CaZrO3、CaRuO3、CaTi1-xAlx3、などを例示できる。
2.絶縁性ターゲット材料の製造方法
本発明の実施形態にかかる絶縁性ターゲット材料は、以下の方法によって形成することができる。この絶縁性ターゲット材料は、一般式ABO3で表される導電性複合酸化物膜を得るためのターゲット材料である。
本実施形態の製造方法は、A元素の酸化物とB元素の酸化物とを混合し、混合された混合粉体を熱処理して粉砕することにより、第1粉体を得る工程と、前記第1粉体と、Si原料およびGe原料の少なくとも一方を含む溶液と、を混合した後、粉体を回収して第2粉体を得る工程と、前記第2粉体を熱処理して粉砕することにより、第3粉体を得る工程と、前記第3粉体を熱処理する工程と、を含む。
本実施形態にかかる製造方法は、具体的には、図1に示す工程を有することができる。
(1)第1粉体の製造
A元素の酸化物の粉体と、B元素の酸化物の粉体とを、例えば組成比1:1で混合する(ステップS1)。ついで、得られた混合材料を900ないし1000℃で仮焼成し、その後、粉砕して、第1粉体を得る(ステップS2)。このようにして得られた第1粉体は、A元素の酸化物とB元素の酸化物とを含んでいる。
(2)第2粉体の製造
第1粉体と、Si原料およびGe原料の少なくとも一方(Si原料および/またはGe原料)を含む溶液と、を混合する(ステップS3)。Si原料あるいはGe原料としては、ゾルゲル法やMOD法で前駆体材料として用いることができる、アルコキシド、有機酸塩、無機酸塩などを用いることができる。溶液としては、これらのSi原料および/またはGe原料を、アルコールなどの有機溶媒に溶解したものを用いることができる。Si原料および/またはGe原料は、溶液中に、一般式ABO3で表される導電性複合酸化物に対し、2ないし10モル%の割合で含まれることができる。
Si原料およびGe原料としては、室温で液体であるか、溶媒に可溶であるものが好ましい。使用可能な化合物の例としては有機塩、アルコキシド、無機塩等がある。有機塩の具体例としては、Si,Geの蟻酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、オクチル酸塩、ステアリン酸塩、等がある。アルコキシドの具体例としては、Si,Geのエトキシド、プロポキシド、ブトキシド等があり、混合アルコキシドでもよい。無機塩の具体例としては、Si,Geの水酸化物、塩化物、フッ化物、等がある。これらは室温で液体であればそのまま用いても良いし、他の溶媒に溶かして用いても良い。また、これらに限られず、多くのSiの塩、Geの塩を好適に用いることができる。
その後、粉体と溶液を濾過等によって分離して粉体を回収し、第2粉体を得る(ステップS4)。このようにして得られた第2粉体は、第1粉体と前記溶液が混合したのものである。
(3)第3粉体の製造
ついで、第2粉体を900ないし1000℃で仮焼成し、その後、粉砕して、第3粉体を得る(ステップS5)。このようにして得られた第3粉体は、A元素の酸化物とB元素の酸化物とSi原料およびGe原料の酸化物を含んでいる。
(4)焼結
ついで、第3粉体を公知の方法で焼結する(ステップS6)。例えば、第3粉体を型に入れ、真空ホットプレス法で焼結を行うことができる。焼結は、1000ないし1500℃で行うことができる。このようにして本実施形態の絶縁性ターゲット材料を得ることができる。
(5)研磨
得られた絶縁性ターゲット材料は、必要に応じて、湿式研磨によって表面を研磨することができる。
本実施形態の製造方法によれば、後述する実施例からも明かなように、第1粉体とSi原料および/またはGe原料の溶液とを混合する工程を有することにより、均質で絶縁性の高い絶縁性ターゲット材料を得ることができる。また、この製造方法によれば、得られる導電性複合酸化物膜の結晶配向制御性および表面モフォロジーの高い絶縁性ターゲット材料を得ることができる。
3.導電性複合酸化物膜
本発明にかかる絶縁性ターゲット材料を用いて、RFスパッタを行うことにより、一般式ABO3で表される導電性複合酸化物膜を得ることができる。この導電性複合酸化物膜には、SiおよびGeの少なくとも一方、好ましくは少なくともSiが含まれる。一般式ABO3で表される導電性複合酸化物には、SiおよびGeの少なくとも一方が0.001ないし5モル%の割合で含まれることができ、好ましくは0.001ないし1モル%の割合で含まれることができる。本実施形態にかかる一般式ABO3で表される導電性複合酸化物膜の具体例については、既に述べたのでここでは記載しない。
RFスパッタにおいては、スパッタガスとして、アルゴンと酸素を用いることができる。また、本実施形態では、アルゴンのみで酸素を含まない雰囲気でも、良好な導電性複合酸化物膜を得ることができる。
本実施形態の導電性複合酸化物膜は、結晶配向性に優れ、しかも表面モフォロジーが良好である。例えば、絶縁性ターゲット材料として、Siの酸化物を含むLaおよびNiの酸化物を用いた場合には、RFスパッタによって(100)配向のLaNiO3膜が得られることを確認している。
4.実施例
以下、本発明の実施例および比較例について述べるが、本発明はこれらに限定されない。
4.1.実施例1,比較例1
実施例1にかかる絶縁性ターゲットは、以下の方法により形成された。
まず、第1粉体を製造した。具体的には、Laの酸化物の粉体と、Niの酸化物の粉体とを、組成比1:1で混合した。ついで、得られた混合材料を900ないし1000℃で仮焼成し、その後、粉砕して、第1粉体を得た。
ついで、第2粉体を製造した。具体的には、第1粉体と、シリコンアルコキシドの溶液とを混合した。シリコンアルコキシドの溶液は、シリコンアルコキシドをアルコールに5モル%の割合で溶解したものである。
その後、粉体と溶液を濾過によって分離して粉体を回収し、第2粉体を得た。このようにして得られた第2粉体は、第1粉体と前記溶液が混合したのものである。
その後、第2粉体を900ないし1000℃で仮焼成し、その後、粉砕して、第3粉体を得た。
ついで、第3粉体を公知の方法で焼結した。具体的には、第3粉体を型に入れ、真空ホットプレス法で焼結を行った。焼結は、1400℃で行った。このようにして実施例1のターゲットサンプル1を得た。
ターゲットサンプル1の表面の写真を図2に示す。図2から、実施例1においては、ターゲットの表面が均一でクラックなどの不良がないことが確認された。
次に、比較例1について説明する。比較例1では、実施例1において、第1粉体と溶液を混合して第2粉体を形成する工程を有さない他は、実施例1と同様にしてターゲットサンプル2を得た。すなわち、比較例1のターゲットサンプル2は、実施例1の第1粉体をそのまま焼成したものである。このターゲットサンプル2について、表面を観察したところ、図3に示すように、ターゲット表面にクラックが発生していることが確認された。
4.2.実施例2,比較例2
実施例2では、実施例1で得られたターゲットサンプル1を用いて、RFスパッタ法によって基体上に膜厚80nmの導電性複合酸化物(La,Ni,Si)O3の膜(以下、「LNSO膜1」という)を形成した。基体としては、シリコン基板上に、ZrO2膜、TiOX膜、Pt膜を順次積層したものを用いた。RFスパッタ法の条件は、基体温度が400℃、パワーが1400W、基体−ターゲット間距離が70mm、ガス比がAr/O2=80/20であった。
LNSO膜1について、X線解析、SEMによる観察、および外観観察を行った。その結果をまとめて図4に示す。図4には、LNSO膜1を成膜した直後のサンプル(As Depo)、成膜後に酸素雰囲気中において700〜800℃でアニールしたサンプル、および成膜後にアルゴンまたは窒素雰囲気中において700〜800℃でアニールしたサンプルについての結果をそれぞれ示した。また、図5に、X線回折パターンを示した。図5において、符号aで示すパターンは、成膜直後のLNSO膜1のパターンであり、符号bで示すパターンは、酸素雰囲気中でアニール処理した後のLNSO膜1のパターンである。さらに、図6に、酸素雰囲気中でアニール処理した後のLNSO膜1のSEM像を示し、図7に、当該LNSO膜1の外観の写真を示した。
図4ないし図7から、以下のことが確認された。
まず、本実施例2のLNSO膜1は、図5から、(100)配向しており、そのピークはアニール処理によって大きくなると共に、2θが少し大きくなった。また、SEM像の結果から、As Depoおよびアニール処理後のいずれのLNSO膜1も良好な表面モフォロジーを有することが確認された。さらに、外観写真の結果から、As Depoおよびアニール処理後のいずれのLNSO膜1も均一な表面状態を有することが確認された。
比較例2では、比較例1で得られたターゲットサンプル2を用いた他は、実施例2と同様にして、LNSO膜2を得た。このLNSO膜2について、実施例2と同様にX線解析、SEMによる観察、および外観観察を行った。その結果をまとめて図8に示す。図8には、LNSO膜2を成膜した直後のサンプル(As Depo)、成膜後に酸素雰囲気中において700〜800℃でアニールしたサンプル、および成膜後にアルゴンまたは窒素雰囲気中において700〜800℃でアニールしたサンプルについての結果をそれぞれ示した。また、図9、図10に、LNSO膜2のX線回折パターンを示した。図9は、アニール処理後のLNSO膜2の一部のパターンであり、図10は、LNSO膜2の他の部分のパターンである。さらに、図11に、酸素雰囲気中でアニール処理した後のLNSO膜2のSEM像を示し、図12に、当該LNSO膜2の外観の写真を示した。
図8ないし図12から、以下のことが確認された。
まず、比較例2のLNSO膜2は、図12から、表面の外観が不均一で、写真の上部と下部では色が異なっていることが確認された。外観写真の上部におけるLNSO膜2のX線パターンを図9に示し、下部の部分におけるLNSO膜2のX線パターンを図10に示した。図9および図10から、外観写真の下部のLNSO膜2では(100)配向しているが、外観写真の上部のLNSO膜2ではほとんど(100)配向していないことが確認された。このように比較例2では、LNSO膜2の結晶性が均一でないことが確認された。また、SEM像の結果から、アニール処理後のいずれのLNSO膜2も良好な表面モフォロジーを得ることができないことが確認された。
4.3.実施例3,比較例3
実施例3では、RFスパッタの条件として、ガス比としてAr/O2=100/0(アルゴンのみの雰囲気)とした他は、実施例2と同様にして基体上に膜厚80nmのLNSO膜3を形成した。
LNSO膜3について、X線解析およびSEMによる観察を行った。その結果をまとめて図13に示す。図13には、LNSO膜3を成膜した直後のサンプル(As Depo)、成膜後に酸素雰囲気中において700〜800℃でアニールしたサンプル、および成膜後にアルゴンまたは窒素雰囲気中において700〜800℃でアニールしたサンプルについての結果をそれぞれ示した。また、図14に、X線回折パターンを示した。図14において、符号aで示すパターンは、成膜直後のLNSO膜3のパターンであり、符号bで示すパターンは、酸素雰囲気中でアニール処理した後のLNSO膜3のパターンである。
図13および図14から、以下のことが確認された。
まず、本実施例3のLNSO膜3は、(100)配向しており、そのピークはアニール処理によって大きくなると共に、2θが少し大きくなった。また、SEM像の結果から、As Depoおよびアニール処理後のいずれのLNSO膜3も良好な表面モフォロジーを有することが確認された。
比較例3では、比較例1で得られたターゲットサンプル2を用いた他は、実施例3と同様にして、LNSO膜4を得た。このLNSO膜4について、実施例3と同様にX線解析およびSEMによる観察を行った。図14に、比較例3におけるLNSO膜4のX線回折パターン(符号c)を示した。図14から、LNSO膜4はほとんど(100)配向しておらず(110)配向がわずかに認められた。
以上のことから、本発明の実施例によれば、クラックなどがなく均質性に優れた絶縁性LNSOターゲット材料が得られることが確認された。この絶縁性LNSOターゲット材料を用いて成膜された導電性LNSO膜は、良好な特性、具体的には、結晶配向性、表面モフォロジーおよび均質性に優れた膜であることが確認された。さらに、本実施例の絶縁性LNSOターゲット材料を用いると、酸素のないアルゴン雰囲気中でも良好な導電性LNSO膜が得られることが確認された。
5.デバイス
本発明のデバイスは、基体と、前記基体の上方に形成された、本発明の導電性複合酸化物膜と、を含む。また、本発明のデバイスは、本発明の導電性複合酸化物膜を有する部品、およびこの部品を有する電子機器を含む。以下に、本発明のデバイスの例を記載する。
5.1.半導体素子
次に、本発明の導電性複合酸化物膜を含む半導体素子について説明する。本実施形態では、半導体素子の一例である強誘電体キャパシタを含む強誘電体メモリ装置を例に挙げて説明する。
図15(A)および図15(B)は、本発明の導電性複合酸化物膜を用いた電極として用いた強誘電体メモリ装置1000を模式的に示す図である。なお、図15(A)は、強誘電体メモリ装置1000の平面的形状を示すものであり、図15(B)は、図15(A)におけるI−I断面を示すものである。
強誘電体メモリ装置1000は、図15(A)に示すように、メモリセルアレイ200と、周辺回路部300とを有する。そして、メモリセルアレイ200と周辺回路部300とは、異なる層に形成されている。また、周辺回路部300は、メモリセルアレイ200に対して半導体基板400上の異なる領域に配置されている。なお、周辺回路部300の具体例としては、Yゲート、センスアンプ、入出力バッファ、Xアドレスデコーダ、Yアドレスデコーダ、又はアドレスバッファを挙げることができる。
メモリセルアレイ200は、行選択のための下部電極210(ワード線)と、列選択のための上部電極220(ビット線)とが交叉するように配列されている。また、下部電極210および上部電極220は、複数のライン状の信号電極から成るストライプ形状を有する。なお、信号電極は、下部電極210がビット線、上部電極220がワード線となるように形成することができる。
そして、図15(B)に示すように、下部電極210と上部電極220との間には、強誘電体膜215が配置されている。メモリセルアレイ200では、この下部電極210と上部電極220との交叉する領域において、強誘電体キャパシタ230として機能するメモリセルが構成されている。下部電極210および上部電極220の少なくとも一方は、本発明の導電性複合酸化物膜を用いて形成された膜である。下部電極210および上部電極220は、本発明の導電性複合酸化物膜の単層でもよいし、あるいは他の導電膜との積層構造をとることもできる。また、第1の層間絶縁膜420と下部電極210との間には、公知のバリア膜を有することができる。なお、強誘電体膜215は、少なくとも下部電極210と上部電極220との交叉する領域の間に配置されていればよい。
さらに、強誘電体メモリ装置1000は、下部電極210、強誘電体膜215、および上部電極220を覆うように、第2の層間絶縁膜430が形成されている。さらに、配線層450、460を覆うように第2の層間絶縁膜430の上に絶縁性の保護層440が形成されている。
周辺回路部300は、図15(A)に示すように、前記メモリセルアレイ200に対して選択的に情報の書き込み若しくは読出しを行うための各種回路を含み、例えば、下部電極210を選択的に制御するための第1の駆動回路310と、上部電極220を選択的に制御するための第2の駆動回路320と、その他にセンスアンプなどの信号検出回路(図示省略)とを含んで構成される。
また、周辺回路部300は、図15(B)に示すように、半導体基板400上に形成されたMOSトランジスタ330を含む。MOSトランジスタ330は、ゲート絶縁膜332、ゲート電極334、およびソース/ドレイン領域336を有する。各MOSトランジスタ330間は、素子分離領域410によって分離されている。このMOSトランジスタ330が形成された半導体基板400上には、第1の層間絶縁膜420が形成されている。そして、周辺回路部300とメモリセルアレイ200とは、配線層51によって電気的に接続されている。
次に、強誘電体メモリ装置1000における書き込み、読出し動作の一例について述べる。
まず、読出し動作においては、選択されたメモリセルのキャパシタに読み出し電圧が印加される。これは、同時に‘0’の書き込み動作を兼ねている。このとき、選択されたビット線を流れる電流又はビット線をハイインピーダンスにしたときの電位をセンスアンプにて読み出す。そして、非選択のメモリセルのキャパシタには、読み出し時のクロストークを防ぐため、所定の電圧が印加される。
書き込み動作においては、‘1’の書き込みの場合は、選択されたメモリセルのキャパシタに分極状態を反転させる書き込み電圧が印加される。‘0’の書き込みの場合は、選択されたメモリセルのキャパシタに分極状態を反転させない書き込み電圧が印加され、読み出し動作時に書き込まれた‘0’状態を保持する。このとき、非選択のメモリセルのキャパシタには書き込み時のクロストークを防ぐために、所定の電圧が印加される。
この強誘電体メモリ装置1000において、強誘電体キャパシタ230は、低温で結晶化が可能な強誘電体膜215を有する。そのため、周辺回路部300を構成するMOSトランジスタ330などを劣化させることなく、強誘電体メモリ1000装置を製造することができるという利点を有する。また、この強誘電体キャパシタ230は、良好なヒステリシス特性を有するため、信頼性の高い強誘電体メモリ装置1000を提供することができる。
図16には、半導体装置の他の例として1T1C型強誘電体メモリ装置500の構造図を示す。図17は、強誘電体メモリ装置500の等価回路図である。
強誘電体メモリ装置500は、図16に示すように、下部電極501、プレート線に接続される上部電極502、および上述の実施形態の強誘電体膜503からなるキャパシタ504(1C)と、ソース/ドレイン電極の一方がデータ線505に接続され、ワード線に接続されるゲート電極506を有するスイッチ用のトランジスタ素子507(1T)からなるDRAMに良く似た構造のメモリ素子である。この例においても、図15(A),(B)に示す例と同様に下部電極501および上部電極502の少なくとも一方は、本発明の導電性複合酸化物膜を用いて形成された膜である。1T1C型のメモリは、書き込みおよび読み出しが100ns以下と高速で行うことができ、かつ書き込んだデータは不揮発であるため、SRAMの置き換え等に有望である。
本実施形態の半導体装置は、上述したものに限定されず、2T2C型強誘電体メモリ装置などにも適用できる。
5.2.圧電素子
次に、本発明の導電性複合酸化物膜を圧電素子に適用した例について説明する。
図18は、本発明の導電性複合酸化物膜を有する圧電素子1を示す断面図である。この圧電素子1は、基板2と、基板2の上に形成された下部電極3と、下部電極3の上に形成された圧電体膜4と、圧電体膜4の上に形成された上部電極5と、を含んでいる。下部電極3および上部電極5の少なくとも一方は、本発明の導電性複合酸化物膜を用いて形成された膜である。下部電極3および上部電極5は、本発明の導電性複合酸化物膜の単層でもよいし、あるいは他の導電膜との積層構造をとることもできる。
基板2は、たとえばシリコン基板を用いることができる。本実施形態において、基板2には、(110)配向の単結晶シリコン基板を用いている。なお、基板2としては、(100)配向の単結晶シリコン基板または(111)配向の単結晶シリコン基板なども用いることができる。また、基板2としては、シリコン基板の表面に、熱酸化膜または自然酸化膜などのアモルファスの酸化シリコン膜を形成したものも用いることができる。基板2は加工されることにより、後述するようにインクジェット式記録ヘッド50においてインクキャビティー521を形成するものとなる(図19参照)。
下部電極3は、圧電体膜4に電圧を印加するための一方の電極である。下部電極3は、たとえば、圧電体膜4と同じ平面形状に形成されることができる。なお、後述するインクジェット式記録ヘッド50(図19参照)に複数の圧電素子1が形成される場合、下部電極3は、各圧電素子1に共通の電極として機能するように形成されることもできる。下部電極3の膜厚は、たとえば100nm〜200nm程度に形成されている。
5.3.インクジェット式記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ
次に、上述の圧電素子が圧電アクチュエータとして機能しているインクジェット式記録ヘッドおよびこのインクジェット式記録ヘッドを有するインクジェットプリンタについて説明する。以下の説明では、インクジェット式記録ヘッドについて説明した後に、インクジェットプリンタについて説明する。図19は、本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す側断面図であり、図20は、このインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、通常使用される状態とは上下逆に示したものである。なお、図21には、本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドを有するインクジェットプリンタ700を示す。
5.3.1.インクジェット式記録ヘッド
図19に示すように、インクジェット式記録ヘッド50は、ヘッド本体(基体)57と、ヘッド本体57上に形成される圧電部54と、を含む。圧電部54には図18に示す圧電素子1が設けられ、圧電素子1は、下部電極3、圧電体膜(強誘電体膜)4および上部電極5が順に積層して構成されている。インクジェット式記録ヘッドにおいて、圧電部54は、圧電アクチュエータとして機能する。
インクジェット式記録ヘッド50は、ノズル板51と、インク室基板52と、弾性膜55と、弾性膜55に接合された圧電部54と、を含み、これらが筐体56に収納されて構成されている。なお、このインクジェット式記録ヘッド50は、オンデマンド形のピエゾジェット式ヘッドを構成している。
ノズル板51は、例えばステンレス製の圧延プレート等で構成されたもので、インク滴を吐出するための多数のノズル511を一列に形成したものである。これらノズル511間のピッチは、印刷精度に応じて適宜に設定されている。
ノズル板51には、インク室基板52が固着(固定)されている。インク室基板52は、ノズル板51、側壁(隔壁)522、および弾性膜55によって、複数のキャビティ(インクキャビティ)521と、リザーバ523と、供給口524と、を区画形成したものである。リザーバ523は、インクカートリッジ(図示しない)から供給されるインクを一時的に貯留する。供給口524によって、リザーバ523から各キャビティ521にインクが供給される。
キャビティ521は、図19および図20に示すように、各ノズル511に対応して配設されている。キャビティ521は、弾性膜55の振動によってそれぞれ容積可変になっている。キャビティ521は、この容積変化によってインクを吐出するよう構成されている。
インク室基板52を得るための母材としては、(110)配向のシリコン単結晶基板が用いられている。この(110)配向のシリコン単結晶基板は、異方性エッチングに適しているのでインク室基板52を、容易にかつ確実に形成することができる。なお、このようなシリコン単結晶基板は、弾性膜55の形成面が(110)面となるようにして用いられている。
インク室基板52のノズル板51と反対の側には弾性膜55が配設されている。さらに弾性膜55のインク室基板52と反対の側には複数の圧電部54が設けられている。弾性膜55の所定位置には、図20に示すように、弾性膜55の厚さ方向に貫通して連通孔531が形成されている。連通孔531により、インクカートリッジからリザーバ523へのインクの供給がなされる。
各圧電素部は、圧電素子駆動回路(図示しない)に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて作動(振動、変形)するよう構成されている。すなわち、各圧電部54はそれぞれ振動源(ヘッドアクチュエータ)として機能する。弾性膜55は、圧電部54の振動(たわみ)によって振動し、キャビティ521の内部圧力を瞬間的に高めるよう機能する。
なお、上述では、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを一例として説明したが、本実施形態は、圧電素子を用いた液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
5.4.表面弾性波素子
次に、本発明の導電性複合酸化物膜を適用した表面弾性波素子の一例について、図面を参照しながら説明する。図22は、本実施形態に係る表面弾性波素子300を模式的に示す断面図である。
表面弾性波素子300は、基板11と、基板11上に形成された圧電体膜12と、圧電体膜12上に形成されたインターディジタル型電極(以下、「IDT電極」という)18,19と、を含む。IDT電極18,19は、所定のパターンを有する。IDT電極18,19は、本発明の導電性複合酸化物膜を用いて構成される。
本実施形態に係る表面弾性波素子300は、本発明に係る導電性複合酸化物を用いて、例えば以下のようにして形成される。
まず、図22に示す圧電体膜12上に、本発明の絶縁性ターゲット材料を用いてRFスパッタ法により本発明の導電性複合酸化物膜を形成する。次に、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて導電性複合酸化物膜をパターニングすることにより、圧電体膜12上にIDT電極18,19を形成する。
5.5.周波数フィルタ
次に、本発明の導電性複合酸化物膜を適用した周波数フィルタの一例について、図面を参照しながら説明する。図23は、本実施形態の周波数フィルタを模式的に示す図である。
図23に示すように、周波数フィルタは基体140を有する。この基体140としては、上述した表面弾性波素子300と同様の積層体(図22参照)を用いることができる。
基体140の上面には、IDT電極141、142が形成されている。また、IDT電極141、142を挟むように、基体140の上面には吸音部143、144が形成されている。吸音部143、144は、基体140の表面を伝播する表面弾性波を吸収するものである。一方のIDT電極141には高周波信号源145が接続されており、他方のIDT電極142には信号線が接続されている。ここで、IDT電極141、142は、本発明の導電性複合酸化物膜を用いて形成することができる。
次に、前述の周波数フィルタの動作について説明する。
前記構成において、高周波信号源145から高周波信号が出力されると、この高周波信号はIDT電極141に印加され、これによって基体140の上面に表面弾性波が発生する。IDT電極141から吸音部143側へ伝播した表面弾性波は、吸音部143で吸収されるが、IDT電極142側へ伝播した表面弾性波のうち、IDT電極142のピッチ等に応じて定まる特定の周波数または特定の帯域の周波数の表面弾性波は電気信号に変換されて、信号線を介して端子146a、146bに取り出される。なお、前記特定の周波数または特定の帯域の周波数以外の周波数成分は、大部分がIDT電極142を通過して吸音部144に吸収される。このようにして、本実施形態の周波数フィルタが有するIDT電極141に供給した電気信号のうち、特定の周波数または特定の帯域の周波数の表面弾性波のみを得ること、すなわちフィルタリングをすることができる。
5.6.発振器
次に、本発明の導電性複合酸化物膜を適用した発振器の一例について、図面を参照しながら説明する。図24は、本実施形態の発振器を模式的に示す図である。
図24に示すように、発振器は基体150を有する。この基体140としては、上述した表面弾性波素子300と同様の積層体(図22参照)を用いることができる。
基体150の上面には、IDT電極151が形成されており、さらに、IDT電極151を挟むように、IDT電極152、153が形成されている。IDT電極151を構成する一方の櫛歯状電極151aには、高周波信号源154が接続されており、他方の櫛歯状電極151bには、信号線が接続されている。なお、IDT電極151は、電気信号印加用電極に相当し、IDT電極152、153は、IDT電極151によって発生される表面弾性波の特定の周波数成分または特定の帯域の周波数成分を共振させる共振用電極に相当する。ここで、IDT電極151、152、153は、本発明の導電性複合酸化物膜を用いて形成することができる。
次に、前述の発振器の動作について説明する。
前記構成において、高周波信号源154から高周波信号が出力されると、この高周波信号は、IDT電極151の一方の櫛歯状電極151aに印加され、これによって基体150の上面にIDT電極152側に伝播する表面弾性波およびIDT電極153側に伝播する表面弾性波が発生する。これらの表面弾性波のうちの特定の周波数成分の表面弾性波は、IDT電極152およびIDT電極153で反射され、IDT電極152とIDT電極153との間には定在波が発生する。この特定の周波数成分の表面弾性波がIDT電極152、153で反射を繰り返すことにより、特定の周波数成分または特定の帯域の周波数成分が共振して、振幅が増大する。この特定の周波数成分または特定の帯域の周波数成分の表面弾性波の一部は、IDT電極151の他方の櫛歯状電極151bから取り出され、IDT電極152とIDT電極153との共振周波数に応じた周波数(または、ある程度の帯域を有する周波数)の電気信号を端子155aと端子155bに取り出すことができる。
図25および図26は、前述した発振器をVCSO(Voltage Controlled SAW Oscillator:電圧制御SAW発振器)に応用した場合の一例を模式的に示す図であり、図25は側面透視図であり、図26は上面透視図である。
VCSOは、金属製(アルミニウムまたはステンレススチール製)の筐体60内部に実装されて構成されている。基板61上には、IC(Integrated Circuit)62および発振器63が実装されている。この場合、IC62は、外部の回路(不図示)から入力される電圧値に応じて、発振器63に印加する周波数を制御する発振回路である。
発振器63は、基体64上に、IDT電極65a〜65cが形成されており、その構成は、図24に示す発振器とほぼ同様である。基体64としては、前述した図24に示す発振器と同様な積層体を用いることができる。IDT電極65a〜65cは、本発明の導電性複合酸化物膜を用いて形成することができる。
基板61上には、IC62と発振器63とを電気的に接続するための配線66がパターニングされている。IC62および配線66が、例えば金線等のワイヤー線67によって接続され、発振器63および配線66が金線等のワイヤー線68によって接続されている。これにより、IC62と発振器63とが配線66を介して電気的に接続されている。
図25および図26に示すVCSOは、例えば、図27に示すPLL回路のVCO(Voltage Controlled Oscillator)として用いられる。図27は、PLL回路の基本構成を示すブロック図である。PLL回路は、位相比較器71、低域フィルタ72、増幅器73、およびVCO74から構成されている。位相比較器71は、入力端子70から入力される信号の位相(または周波数)と、VCO74から出力される信号の位相(または周波数)とを比較し、その差に応じて値が設定される誤差電圧信号を出力するものである。低域フィルタ72は、位相比較器71から出力される誤差電圧信号の位置の低周波成分のみを通過させるものである。増幅器73は、低域フィルタ72から出力される信号を増幅するものである。VCO74は、入力された電圧値に応じて発振する周波数が、ある範囲で連続的に変化する発振回路である。
このような構成のもとにPLL回路は、入力端子70から入力される位相(または周波数)と、VCO74から出力される信号の位相(または周波数)との差が減少するように動作し、VCO74から出力される信号の周波数を入力端子70から入力される信号の周波数に同期させる。VCO74から出力される信号の周波数が入力端子70から入力される信号の周波数に同期すると、その後は一定の位相差を除いて入力端子70から入力される信号に一致し、また、入力信号の変化に追従するような信号を出力するようになる。
以前述べたように、本実施形態に係る周波数フィルタおよび発振器は、本発明に係る電気機械結合係数の大きな表面弾性波素子を有する。従って、本実施形態によれば、周波数フィルタおよび発振器の小型化を実現することが可能となる。
5.7.第1の電子機器
5.7.1.次に、本発明を適用した第7の実施形態に係る電子回路および電子機器の第1の例について、図面を参照しながら説明する。図28は、本実施形態に係る電子機器の電気的構成を示すブロック図である。電子機器とは、例えば携帯電話機である。
電子機器300は、電子回路310、送話部80、受話部91、入力部94、表示部95、およびアンテナ部86を有する。電子回路310は、送信信号処理回路81、送信ミキサ82、送信フィルタ83、送信電力増幅器84、送受分波器85、低雑音増幅器87、受信フィルタ88、受信ミキサ89、受信信号処理回路90、周波数シンセサイザ92、および制御回路93を有する。
電子回路310において、送信フィルタ83および受信フィルタ88として、図23に示す周波数フィルタを用いることができる。フィルタリングする周波数(通過させる周波数)は、送信ミキサ82から出力される信号のうちの必要となる周波数、および、受信ミキサ89で必要となる周波数に応じて、送信フィルタ83および受信フィルタ88で個別に設定されている。また、周波数シンセサイザ92内に設けられるPLL回路(図27参照)のVCO74として、図24に示す発振器、または図25および図26に示すVCSOを用いることができる。
送話部80は、例えば音波信号を電気信号に変換するマイクロフォン等で実現されるものである。送信信号処理回路81は、送話部80から出力される電気信号に対して、例えばD/A変換処理、変調処理等の処理を施す回路である。送信ミキサ82は、周波数シンセサイザ92から出力される信号を用いて送信信号処理回路81から出力される信号をミキシングするものである。送信フィルタ83は、中間周波数(以下、「IF」と表記する)の必要となる周波数の信号のみを通過させ、不要となる周波数の信号をカットするものである。送信フィルタ83から出力される信号は、変換回路(図示せず)によってRF信号に変換される。送信電力増幅器84は、送信フィルタ83から出力されるRF信号の電力を増幅し、送受分波器85へ出力するものである。
送受分波器85は、送信電力増幅器84から出力されるRF信号をアンテナ部86へ出力し、アンテナ部86から電波の形で送信するものである。また、送受分波器85は、アンテナ部86で受信した受信信号を分波して、低雑音増幅器87へ出力するものである。低雑音増幅器87は、送受分波器85からの受信信号を増幅するものである。低雑音増幅器87から出力される信号は、変換回路(図示せず)によってIFに変換される。
受信フィルタ88は、変換回路(図示せず)によって変換されたIFの必要となる周波数の信号のみを通過させ、不要となる周波数の信号をカットするものである。受信ミキサ89は、周波数シンセサイザ92から出力される信号を用いて、受信フィルタ88から出力される信号をミキシングするものである。受信信号処理回路90は、受信ミキサ89から出力される信号に対して、例えばA/D変換処理、復調処理等の処理を施す回路である。受話部91は、例えば電気信号を音波に変換する小型スピーカ等で実現されるものである。
周波数シンセサイザ92は、送信ミキサ82へ供給する信号、および、受信ミキサ89へ供給する信号を生成する回路である。周波数シンセサイザ92は、PLL回路を有し、このPLL回路から出力される信号を分周して新たな信号を生成することができる。制御回路93は、送信信号処理回路81、受信信号処理回路90、周波数シンセサイザ92、入力部94、および表示部95を制御する。表示部95は、例えば携帯電話機の使用者に対して機器の状態を表示する。入力部94は、例えば携帯電話機の使用者の指示を入力する。
5.7.2.第2の電子機器
次に、本発明を適用した電子回路および電子機器の第2の例について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、電子機器の例として、リーダライタ2000およびそれを用いた通信システム3000について説明する。図29は、本実施形態に係るリーダライタ2000を用いた通信システム3000を示す図であり、図30は、図29に示す通信システム3000の概略ブロック図である。
図29に示すように、通信システム3000は、リーダライタ2000と、非接触情報媒体2200と、を含む。リーダライタ2000は、キャリア周波数fcを有する電波W(以下「キャリア」ともいう)を非接触情報媒体2200へ送信し、または非接触情報媒体2200から受信し、無線通信を利用して非接触情報媒体2200と交信する。電波Wは任意の周波数帯のキャリア周波数fcを使用することができる。図29および図30に示されるように、リーダライタ2000は、本体2105と、本体2105上面に位置するアンテナ部2110と、本体2105内部に格納される制御インターフェース部2120と、電源回路172と、を含む。アンテナ部2110と制御インターフェース部2120とは、ケーブル2180によって電気的に接続されている。また、図示はしないが、リーダライタ2000は、制御インターフェース部2120を介して、外部ホスト装置(処理装置など)に接続されている。
アンテナ部2110は、非接触情報媒体2200との間で情報の通信を行う機能を有する。アンテナ部2110は、図29に示すように、所定の通信領域(点線で示す領域)を有する。アンテナ部2110は、ループアンテナ112および整合回路114により構成される。
制御インターフェース部2120は、送信部161と、減衰振動キャンセル部(以下「キャンセル部」という)140と、受信部168と、コントローラ160と、を含む。
送信部161は、外部装置(図示せず)より送信されたデータを変調し、ループアンテナ112に送信する。送信部161は、発振回路162と、変調回路163と、駆動回路164と、を含む。発振回路162は、所定の周波数のキァリアを発生させるための回路である。発振回路162は、通常、水晶振動子等を用いて構成されるが、前述した本発明に係る発振器を用いることにより、通信周波数の高周波化、検出感度の向上が可能となる。変調回路163は、キャリアを与えられた情報に従って変調する回路である。駆動回路164は、変調されたキャリアを受けて電力増幅し、アンテナ部2110を駆動する。
キャンセル部165は、キャリアのON/OFFに伴い、アンテナ部2110のループアンテナ112によって発生する減衰振動を抑制する機能を有する。キャンセル部165は、ロジック回路166と、キャンセル回路167と、を含む。
受信部168は、検波部169と、復調回路170と、を含む。受信部168は、非接触情報媒体2200が送信した信号を復元する。検波部169は、例えば、ループアンテナ112に流れる電流の変化を検出する。復調回路170は、検波部169で検出された変化分を復調する回路である。
コントローラ160は、復調した信号から情報を取り出して外部装置に転送する。電源回路172は、外部より電力の供給を受けて適宜電圧変換を行い、各回路に対し必要電力を供給する回路である。なお、内蔵電池を電力源とすることもできる。
非接触情報媒体2200は、リーダライタ2000と電磁波(電波)を用いて交信する。非接触情報媒体2200としては、例えば、非接触ICタグ、非接触ICカードなどを挙げることができる。
次に、本実施形態のリーダライタ2000を用いた通信システム3000の動作について説明する。リーダライタ2000から非接触情報媒体2200にデータが送られる場合には、図示しない外部装置からのデータは、リーダライタ2000において、コントローラ160で処理されて送信部161に送られる。送信部161では、発振回路162から一定振幅の高周波信号がキャリアとして供給されており、このキャリアが変調回路163により変調されて、変調高周波信号が出力される。変調回路163から出力される変調高周波信号は、駆動回路164を介してアンテナ部2110に供給される。これと同時に、キャンセル部165が、変調高周波信号のOFFタイミングに同期して、所定のパルス信号を生成し、ループアンテナ112における減衰振動の抑制に寄与する。
非接触情報媒体2200においては、アンテナ部186を介して、変調高周波信号が受信回路180に供給される。また、変調高周波信号は、電源回路182に供給されて、非接触情報媒体2200の各部に必要な所定の電源電圧が生成される。受信回路180から出力されたデータは、復調されてロジック制御回路184に供給される。ロジック制御回路184は、クロック183の出力に基づいて動作し、供給されるデータを処理して所定のデータをメモリ185に書き込む。
非接触情報媒体2200からリーダライタ2000にデータが送られる場合は、リーダライタ2000において、変調回路163からは無変調で一定振幅の高周波信号が出力される。高周波信号は、駆動回路164、アンテナ部2110のループアンテナ112を介して、非接触情報媒体2200に送られる。
非接触情報媒体2200においては、メモリ185から読み出されたデータがロジック制御回路184で処理されて、送信回路181に供給される。送信回路181では、データの‘1’、‘0’ビットに応じて、スイッチがON/OFFする。
リーダライタ2000においては、送信回路181のスイッチがON/OFFすると、アンテナ部2110のループアンテナ112の負荷が変動する。このため、ループアンテナ112に流れる高周波電流の振幅が変動する。即ち、高周波電流は、非接触情報媒体2200から供給されるデータによって振幅変調される。この高周波電流は、受信部168の検波部169で検出され、復調回路170で復調されてデータが得られる。このデータは、コントローラ160で処理され、外部装置などに送られる。
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能である。例えば、本発明に係る周波数フィルタ、発振器はそれぞれ、UWBシステム、携帯電話機、無線LAN等における広帯域フィルタ、VCOに適用することができる。
また、例えば、上記実施形態においては、デバイスとして携帯電話機およびリーダライタを用いた通信システムを、電子回路として携帯電話機およびリーダライタ内に設けられる電子回路をその一例として挙げて説明した。しかしながら、本発明はこれらに限定されることなく、種々の移動体通信機器およびその内部に設けられる電子回路に適用することができる。例えば、BS(Broadcast Satellite)放送等を受信するチューナなどの据置状態で使用される通信機器およびその内部に設けられる電子回路、光ケーブル中を伝播する光信号等を用いるHUBなどのデバイスおよびその内部に設けられる電子回路にも適用することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。たとえば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(たとえば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 圧電素子、2 基板、3 下部電極、4 圧電体膜、5 上部電極、50 インクジェット式記録ヘッド、521 インクキャビティー、210,501 下部電極、215,503 強誘電体膜、220,502 上部電極、230 強誘電体キャパシタ、400 半導体基板、200 メモリセルアレイ、300 周辺回路、500,1000 強誘電体メモリ装置、70 入力端子、71 位相比較器、72 低域フィルタ、73 増幅器、74 VCO、80 送話部、81 送信信号処理回路、82 送信ミキサ、83 送信フィルタ、84 送信電力増幅器、85 送受分波器、86 アンテナ部、87 低雑音増幅器、88 受信フィルタ、89 受信ミキサ、90 受信信号処理回路、91 受話部、92 周波数シンセサイザ、93 制御回路、94 入力部、95 表示部、100 圧電体膜積層体、112 ループアンテナ、114 整合回路、140 基体、141 IDT電極、142 IDT電極、143 吸音部、144 吸音部、145 高周波信号源、150 基体、151 IDT電極、152 IDT電極、153 IDT電極、154 高周波信号源、160 コントローラ、161 送信部、162 発振回路、163 変調回路、164 駆動回路、165 キャンセル部、166 ロジック回路、167 キャンセル回路、168 受信部、169 検波部、170 復調回路、172 電源回路、180 受信回路、181 送信回路、182 電源回路、183 クロック、184 ロジック制御回路、185 メモリ、186 アンテナ部、200 表面弾性波素子、250 発振器、300 デバイス、310 電子回路、2000 リーダライタ、2105 本体、2110 アンテナ部、2120 制御インターフェース部、2200 非接触情報媒体、3000 通信システム。

Claims (4)

  1. スパッタ法により導電性複合酸化物膜を得るためのターゲットであって、
    Laの酸化物と、Niの酸化物と、Si化合物と、を含む、ターゲット。
  2. 請求項1において、
    前記Si化合物は、酸化物である、ターゲット。
  3. 圧電体膜と、前記圧電体膜に電圧を印加する電極と、を有する圧電アクチュエータを備えたインクジェット式記録ヘッドであって、
    前記電極は、Laと、Niと、Siと、を含む導電性複合酸化物からなる、インクジェット式記録ヘッド。
  4. 請求項3に記載のインクジェット式記録ヘッドを備えた、インクジェットプリンタ。
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