JP2010057273A - ブラシレスモータ及びブラシレスモータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分割ティースとコイルとの間の絶縁を図った上で、コイルの占積率の増加、コイルから発生する熱の熱引き効率の向上を図ることができるブラシレスモータ及びブラシレスモータの製造方法を提供する。
【解決手段】ステータコア2bは、筒状の本体コア24と、この本体コア24に別体で設けられた複数の分割コア18とで構成され、分割コア18は、コイル7が巻装された分割ティース61と、分割ティース61の表面とコイル7との間に形成された絶縁被膜69と、コイル7の外周面を樹脂封止するとともに、スロット15間を充填する樹脂モールド体70とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図8
【解決手段】ステータコア2bは、筒状の本体コア24と、この本体コア24に別体で設けられた複数の分割コア18とで構成され、分割コア18は、コイル7が巻装された分割ティース61と、分割ティース61の表面とコイル7との間に形成された絶縁被膜69と、コイル7の外周面を樹脂封止するとともに、スロット15間を充填する樹脂モールド体70とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図8
Description
本発明は、ブラシレスモータ及びブラシレスモータの製造方法に関するものである。
一般に、インナーロータ型のブラシレスモータは、ステータケースに内嵌固定されたステータコアと、ステータコアに対して回転自在に設けられたロータとを有しており、その外周部に永久磁石を備えている。このステータコアは径方向内側に突出する複数のティースを備えている。これらティースには、コイルが巻装されており、コイルに電流が流れることにより、ロータとステータとの間に吸引又は反発力が生じロータが回転する。
この種のステータコアの中には、筒状の継鉄部と、この継鉄部に嵌合された複数の分割コアとでステータコアが構成されているものがある。分割コアは、分割ティースを備えており、この分割ティースにボビン等を介してコイルが巻装されている。
また、特許文献1,2に示すように、電着塗装により分割ティースの表面に絶縁膜を形成し、この絶縁膜を介してコイルを巻装する構成も知られている。
特開2004−364402号公報
特開2005−312219号公報
また、特許文献1,2に示すように、電着塗装により分割ティースの表面に絶縁膜を形成し、この絶縁膜を介してコイルを巻装する構成も知られている。
ところで、上述のブラシレスモータにあっては、更なる高性能化を図るためにコイルの占積率の増加、コイルから発生する熱の熱引き効率の向上が望まれている。ここで、上述したように絶縁膜を介してコイルを巻装することで、ボビンを介してコイルを巻装する場合に比べて、絶縁厚さを薄くすることができるため、コイルの巻線スペースを確保してコイルの占積率を向上できると考えられる。
しかしながら、占積率を向上させることでコイルから発生する熱が増加し、効率良く熱引きを行うことができないという問題がある。
また、絶縁膜はボビンに比べて絶縁厚さが薄いため、コイルを巻装する際に絶縁膜が分割ティースから剥離して絶縁不良になる虞がある。分割ティースはプレス加工により形成された板材を積層して形成することがあるため、板材のエッジ部ではバリが発生する。そのため、バリの部分では特に絶縁膜が剥離しやすい。
また、絶縁膜はボビンに比べて絶縁厚さが薄いため、コイルを巻装する際に絶縁膜が分割ティースから剥離して絶縁不良になる虞がある。分割ティースはプレス加工により形成された板材を積層して形成することがあるため、板材のエッジ部ではバリが発生する。そのため、バリの部分では特に絶縁膜が剥離しやすい。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、分割ティースとコイルとの間の絶縁を図った上で、コイルの占積率の増加、コイルから発生する熱の熱引き効率の向上を図ることができるブラシレスモータ及びブラシレスモータの製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、筒状のステータコアと、前記ステータコアの内側に軸受けを介して回転自在に支持されたロータとを備えたブラシレスモータにおいて、前記ステータコアは、筒状の本体コアと、この本体コアに別体で設けられた複数の分割コアとで構成され、前記分割コアは、コイルが巻装された分割ティースと、前記分割ティースの表面と前記コイルとの間に形成された絶縁被膜と、前記コイルの外周面を樹脂封止するとともに、前記本体コアと前記コイルとの間を充填する樹脂モールド体とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、分割ティースの表面に絶縁被膜を形成し、この絶縁被膜を介してコイルを巻装することで、分割ティースにボビン等を介してコイルを巻装する場合に比べて、絶縁厚さを薄くすることができる。そのため、コイルの巻線スペースを確保してコイルの占積率を向上できる。
そして、コイルから発生した熱のうち、コイルの内周側へ伝わる熱は、分割ティースを介して本体コアに伝達されたり、樹脂モールド体に伝達されたりすることで、外部へ放熱される。この時、絶縁被膜を介してコイルを巻装することで、絶縁被膜はボビン等に比べ厚さが薄いため、コイルと分割ティースとの間の熱引き効率を向上させることができる。
一方、コイルの外周側へ伝達される熱は、コイルの外周面から樹脂モールド体に伝達されて外部へ放熱されたり、樹脂モールド体を介して本体コアに伝達されて外部へ放熱されたりする。この時、本体コアとコイルとの間に樹脂モールド体が充填されているため、本体コアとコイルとの間が空隙になっている場合に比べて熱の伝達効率が高い。したがって、コイルから発生する熱の熱引き効率を向上させることができる。
この構成によれば、分割ティースの表面に絶縁被膜を形成し、この絶縁被膜を介してコイルを巻装することで、分割ティースにボビン等を介してコイルを巻装する場合に比べて、絶縁厚さを薄くすることができる。そのため、コイルの巻線スペースを確保してコイルの占積率を向上できる。
そして、コイルから発生した熱のうち、コイルの内周側へ伝わる熱は、分割ティースを介して本体コアに伝達されたり、樹脂モールド体に伝達されたりすることで、外部へ放熱される。この時、絶縁被膜を介してコイルを巻装することで、絶縁被膜はボビン等に比べ厚さが薄いため、コイルと分割ティースとの間の熱引き効率を向上させることができる。
一方、コイルの外周側へ伝達される熱は、コイルの外周面から樹脂モールド体に伝達されて外部へ放熱されたり、樹脂モールド体を介して本体コアに伝達されて外部へ放熱されたりする。この時、本体コアとコイルとの間に樹脂モールド体が充填されているため、本体コアとコイルとの間が空隙になっている場合に比べて熱の伝達効率が高い。したがって、コイルから発生する熱の熱引き効率を向上させることができる。
請求項2に記載した発明は、前記分割ティースは、プレス加工で形成された磁性材料からなる複数の板材が、かえり面を上側に向けて互いの前記かえり面と非かえり面とを重ね合わせた状態で積層されて構成されており、前記複数の板材のうち最上層に積層された上層板材には、前記かえり面のエッジ部が面打ちされた面打ち部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、上層板材のかえり面のエッジ部に面打ち部を形成することで、かえり面におけるエッジ部のかえり(バリ)を除去することができる。
これにより、かえり面を上側に向けて互いの板材が積層されて構成される分割ティースは、板材の積層方向における上面が上層板材のかえり面により構成される一方、下面が板材の非かえり面により構成される。つまり、分割ティースの上面の周縁は、面打ち部により構成される一方、下面の周縁は板材の非かえり面におけるダレにより構成される。したがって、分割ティースの周縁にエッジ部を存在させることがなく、各面との交差稜線を略弧状に形成することができる。
この構成によれば、上層板材のかえり面のエッジ部に面打ち部を形成することで、かえり面におけるエッジ部のかえり(バリ)を除去することができる。
これにより、かえり面を上側に向けて互いの板材が積層されて構成される分割ティースは、板材の積層方向における上面が上層板材のかえり面により構成される一方、下面が板材の非かえり面により構成される。つまり、分割ティースの上面の周縁は、面打ち部により構成される一方、下面の周縁は板材の非かえり面におけるダレにより構成される。したがって、分割ティースの周縁にエッジ部を存在させることがなく、各面との交差稜線を略弧状に形成することができる。
請求項3に記載した発明は、前記分割ティースは、プレス加工で形成された磁性材料からなる複数の板材が、かえり面を上側に向けて互いの前記かえり面と非かえり面とを重ね合わせた状態で積層されている一方、前記複数の板材のうち最上層に積層された上層板材は、前記かえり面が、該上層板材の下層に積層された前記板材の前記かえり面と対向して積層されていることを特徴とする。
この構成によれば、最上層に積層された上層板材のかえり面が、上層板材の下層に積層された板材のかえり面と対向するように積層されているため、分割ティースの積層方向における両面が板材の非かえり面により構成される。つまり、分割ティースの両面のエッジ部は各板材の非かえり面におけるダレにより構成される。したがって、分割ティースの周縁にエッジ部を存在させることがなく、各面との交差稜線を略弧状に形成することができる。
この構成によれば、最上層に積層された上層板材のかえり面が、上層板材の下層に積層された板材のかえり面と対向するように積層されているため、分割ティースの積層方向における両面が板材の非かえり面により構成される。つまり、分割ティースの両面のエッジ部は各板材の非かえり面におけるダレにより構成される。したがって、分割ティースの周縁にエッジ部を存在させることがなく、各面との交差稜線を略弧状に形成することができる。
請求項4に記載した発明は、前記コイルの巻き始め端または巻き終わり端とリード線の一端とが結線基板を介して接続され、前記樹脂モールド体には、前記結線基板における前記コイルの巻き始め端または巻き終わり端との接続位置に対応する部位にコイル位置出し部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、結線基板とコイルとの接続位置に対応する部位にコイル位置出し部を形成することで、コイル位置出し部から引き出されたコイルの巻き始め端と巻き終わり端とを結線基板に直接接続することができる。
この構成によれば、結線基板とコイルとの接続位置に対応する部位にコイル位置出し部を形成することで、コイル位置出し部から引き出されたコイルの巻き始め端と巻き終わり端とを結線基板に直接接続することができる。
請求項5に記載した発明は、前記コイルの巻き始め端または巻き終わり端とリード線の一端とが結線基板を介して接続され、前記樹脂モールド体には、その一端側に前記コイルの巻き始め端または巻き終わり端がそれぞれ接続されるとともに、他端側に前記リード線が接続される一対のターミナルが設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、樹脂モールド体にターミナルを設け、このターミナルを介して結線基板とコイルとを接続することで、コイルと結線基板との接続位置の位置精度を向上させることができる。
この構成によれば、樹脂モールド体にターミナルを設け、このターミナルを介して結線基板とコイルとを接続することで、コイルと結線基板との接続位置の位置精度を向上させることができる。
請求項6に記載した発明は、筒状のステータコアと、前記ステータコアの内側に軸受けを介して回転自在に支持されたロータとを備えたブラシレスモータの製造方法であって、前記ステータコアは、筒状の本体コアと、この本体コアに分割コアを組み付けて構成し、前記分割コアは、磁性材料からなる複数の板材を、かえり面を上側に向けて互いの前記かえり面と非かえり面とを重ね合わせた状態で積層して分割ティースを形成する板材積層工程と、積層された前記複数の板材のうち最上層に積層された上層板材における前記かえり面のエッジ部を面打ちする面打ち工程と、前記分割ティースの表面を被覆する絶縁被膜を形成する電着塗装工程と、前記分割ティースに前記絶縁被膜を介してコイルを巻装するコイル巻装工程と、前記コイルを樹脂封止するモールド工程とを有することを特徴とする。
この構成によれば、面打ち工程において、上層板材のかえり面のエッジ部に面打ちを施すことで、上層板材のかえり面におけるエッジ部のかえり(バリ)を除去することができる。
これにより、かえり面を上側に向けて互いの板材が積層されて構成される分割ティースは、板材の積層方向における上面が上層板材のかえり面により構成される一方、下面が板材の非かえり面により構成される。つまり、分割ティースの上面の周縁は、面打ち部により構成される一方、下面の周縁は板材の非かえり面におけるダレにより構成される。したがって、分割ティースの周縁にエッジ部を存在させることがなく、各面との交差稜線を略弧状に形成することができる。
この構成によれば、面打ち工程において、上層板材のかえり面のエッジ部に面打ちを施すことで、上層板材のかえり面におけるエッジ部のかえり(バリ)を除去することができる。
これにより、かえり面を上側に向けて互いの板材が積層されて構成される分割ティースは、板材の積層方向における上面が上層板材のかえり面により構成される一方、下面が板材の非かえり面により構成される。つまり、分割ティースの上面の周縁は、面打ち部により構成される一方、下面の周縁は板材の非かえり面におけるダレにより構成される。したがって、分割ティースの周縁にエッジ部を存在させることがなく、各面との交差稜線を略弧状に形成することができる。
請求項7に記載した発明は、筒状のステータコアと、前記ステータコアの内側に軸受けを介して回転自在に支持されたロータとを備えたブラシレスモータの製造方法であって、前記ステータコアは、筒状の本体コアと、この本体コアに分割コアを組み付けて構成し、前記分割コアは、磁性材料からなる複数の板材を、かえり面を上側に向けて互いの前記かえり面と非かえり面とを重ね合わせた状態で積層して分割ティースを形成する板材積層工程と、前記分割ティースの表面を被覆する絶縁被膜を形成する電着塗装工程と、前記分割ティースに前記絶縁被膜を介してコイルを巻装するコイル巻装工程と、前記コイルを樹脂封止するモールド工程とを有し、前記板材積層工程では、積層された前記複数の板材のうち最上層に積層する上層板材を該上層板材の下層に積層された前記板材の積層方向と反転させて積層する反転工程を有することを特徴とする。
この構成によれば、反転工程において、上層板材の積層方向を上層板材の下層まで積層された板材の積層方向と反転して積層することで、最上層に積層された上層板材のかえり面と、上層板材の下層に積層されたかえり面とが対向するように積層される。これにより、分割ティースの積層方向における両面が板材の非かえり面により構成される。つまり、分割ティースの両面の周縁は各板材の非かえり面におけるダレにより構成される。したがって、分割ティースの周縁にエッジ部を存在させることがなく、各面との交差稜線を略弧状に形成することができる。
この構成によれば、反転工程において、上層板材の積層方向を上層板材の下層まで積層された板材の積層方向と反転して積層することで、最上層に積層された上層板材のかえり面と、上層板材の下層に積層されたかえり面とが対向するように積層される。これにより、分割ティースの積層方向における両面が板材の非かえり面により構成される。つまり、分割ティースの両面の周縁は各板材の非かえり面におけるダレにより構成される。したがって、分割ティースの周縁にエッジ部を存在させることがなく、各面との交差稜線を略弧状に形成することができる。
請求項1に記載した発明によれば、コイルの占積率を向上させて小型・高出力化を図ることができるとともに、コイルから発生する熱の熱引き効率を向上させてコイルから発生する熱を効率良く放熱することができる。したがって、高性能なブラシレスモータを提供することができる。
請求項2,3,6,7に記載した発明によれば、分割ティースの各面との交差稜線を略弧状に形成することができるため、コイルの巻装時等において、かえり面のエッジ部で発生するバリ等で分割ティースの表面に形成された絶縁被膜が剥離することを防ぐことができる。よって、コイルと分割ティースとの絶縁を確保した上で、絶縁被膜を薄く形成することができる。
請求項4に記載した発明によれば、コイル位置出し部から引き出されたコイルの巻き始め端と巻き終わり端とを結線基板に直接接続することができるため、装置の軸長を短縮することができ、装置の小型化を図ることができる。
請求項5に記載した発明によれば、コイルと結線基板との接続位置の位置決め精度を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において図1の左側を前側(他端側)、図1の右側を後側(一端側)とする。
図1に示すように、ブラシレスモータ1は、インナーロータ型のブラシレスモータ1であって、フロントブラケット4とリヤブラケット5とで構成されたケーシング2内に収容された円筒形状のステータコア2bと、ステータコア2bの内側に回転自在に支持されたロータ3とを備えている。
図1に示すように、ブラシレスモータ1は、インナーロータ型のブラシレスモータ1であって、フロントブラケット4とリヤブラケット5とで構成されたケーシング2内に収容された円筒形状のステータコア2bと、ステータコア2bの内側に回転自在に支持されたロータ3とを備えている。
フロントブラケット4は、熱伝達率の高い、例えばアルミ等によって有底筒状に形成されたものであって、周壁43とエンド部(端面)44とで構成されている。
フロントブラケット4の周壁43は、厚肉に形成されており、その周縁で内径が拡大した段差部20が形成されている。そして、ステータコア2bの端面が周壁43の端面に突き当てられるとともに、段差部20がステータコア2bに外嵌されている。
フロントブラケット4の周壁43は、厚肉に形成されており、その周縁で内径が拡大した段差部20が形成されている。そして、ステータコア2bの端面が周壁43の端面に突き当てられるとともに、段差部20がステータコア2bに外嵌されている。
フロントブラケット4の径方向中央には、軸方向外側に向けてボス部40が形成されている。ボス部40の径方向中央には、シャフト3aの他端側を挿通するための挿通孔42が形成され、この挿通孔42の軸方向内側は、軸受けハウジング47として形成されている。
ロータ3は、その両端に段付部19,21を有するシャフト3aに略円筒状のマグネット3bが外嵌固定されている。このマグネット3bは、周方向に磁極が順番に変わるように着磁してある。シャフト3aの一端側には、シャフト3aを回転自在に支持する軸受け9が設けられている。軸受け9は、その内輪側の端面がシャフト3aの一端側の段付部21に突き当てられるように圧入されている。
そして、シャフト3aの他端側は、軸受け9が圧入された状態で軸受けハウジング47内に収容されるとともに、挿通孔42に挿通されている。また、フロントブラケット4の周縁には、軸方向に沿って切り欠かれた逃げ部37が形成され、ここにステータコア2bの後述する逃げ溝16に対応してセットボルト孔39が形成されている。
一方、ステータコア2bの後側(一端側)には、ステータコア2bの後側を収容するようにリヤブラケット5が設けられている。このリヤブラケット5は、熱伝達率の高い、例えばアルミ等によって有底筒状に形成されたものであって、周壁50とエンド部(端面)51とで構成されている。
リヤブラケット5のエンド部51の径方向中央には、ロータ3の一端を挿通するための挿通孔53が形成されている。挿通孔53の軸方向内側には、軸受けハウジング54が形成されており、ここにシャフト3aを回転自在に支持する軸受け10が圧入されている。
この軸受け10は、その外輪側の端面がリヤブラケット5のエンド部51に突き当てられて圧入される一方、内輪側の端面がシャフト3aの他端側の段付部19に突き当てられて圧入されている。
この軸受け10は、その外輪側の端面がリヤブラケット5のエンド部51に突き当てられて圧入される一方、内輪側の端面がシャフト3aの他端側の段付部19に突き当てられて圧入されている。
リヤブラケット5の周壁50の外周面には、径方向外側に張り出すフランジ部27が形成されている。フランジ部27には、周方向に沿って複数のボルト孔59が形成されている。そして、フランジ部27には、取付ブラケット57がボルト58により締結固定されている。この取付ブラケット57は、周方向に沿って複数の取付片74を有し、この取付片74に形成された図示しない取付孔にボルトを挿通することで、ブラシレスモータ1が外部装置に固定される。
リヤブラケット5の軸方向内側には、周方向に沿って上述したセットボルト孔39に対応してセットボルト孔25が形成されている。そして、セットボルト孔39からセットボルト48を挿通して締結することにより、フロントブラケット4及びリヤブラケット5が連結され、それらの相対位置が決定されるとともに、ステータコア2bを収容するケーシング2が構成されるようになっている。なお、セットボルト48の頭部は、逃げ部37内に収容されることとなり、フロントブラケット4のエンド部44から突出せず、エンド部44と面一の状態となる。また、リヤブラケット5の軸方向外側にも、ボルト孔55が形成されている。
リヤブラケット5の軸方向外側には、カバー30が設けられている。このカバー30は、ロータ3のリヤブラケット5の一端側、及びこの端部に固定された光学式エンコーダ36を覆うものである。光学式エンコーダ36はロータ3の回転角度を検出するために用いられる。カバー30は、上述したボルト孔55に対応して形成されたボルト孔56にボルト31を挿入することによって締結固定されている。なお、本実施形態におけるブラシレスモータ1のロータ位置検出方法は光学式エンコーダに限らず、磁気式エンコーダ、レゾルバ、ホールICとセンサマグネットによるものでもよく、またセンサレスによる駆動でもよい。
リヤブラケット5の周壁50の内周面と軸受けハウジング54の外周面との間には、略円盤形状の結線基板8が設けられている。
図1,2に示すように、結線基板8は、コイル7に外部電力を給電するためのものであって、その表面には、U相、V相、W相に対応した配線パターン(不図示)が積層されている。結線基板8の外周側には、不図示の外部電源から引き回されたU相、V相、W相に対応したリード線32(図1参照)が挿入された接合孔34が形成されている。接合孔34に挿入されたリード線32は、半田等により結線基板8に接合されており、結線基板8の配線パターンを介してU相、V相、W相に対応したコイル7の巻き始め端と巻き終わり端とのそれぞれに電気的に接続される。
結線基板8の径方向内側には、周方向に沿って接続孔46が形成されている。この接続孔46は、結線基板8の厚さ方向に貫通しており、コイル7との接続位置に対応するように形成されている。また、結線基板8の外周部分には、周方向に沿って等間隔に複数(例えば、6箇所)の切り欠き部75が形成されている。
図1,2に示すように、結線基板8は、コイル7に外部電力を給電するためのものであって、その表面には、U相、V相、W相に対応した配線パターン(不図示)が積層されている。結線基板8の外周側には、不図示の外部電源から引き回されたU相、V相、W相に対応したリード線32(図1参照)が挿入された接合孔34が形成されている。接合孔34に挿入されたリード線32は、半田等により結線基板8に接合されており、結線基板8の配線パターンを介してU相、V相、W相に対応したコイル7の巻き始め端と巻き終わり端とのそれぞれに電気的に接続される。
結線基板8の径方向内側には、周方向に沿って接続孔46が形成されている。この接続孔46は、結線基板8の厚さ方向に貫通しており、コイル7との接続位置に対応するように形成されている。また、結線基板8の外周部分には、周方向に沿って等間隔に複数(例えば、6箇所)の切り欠き部75が形成されている。
図1〜5に示すように、ステータコア2bは、磁性材料の板材(例えば、図6中板材64〜66)を軸方向に積層して形成されたものであって、筒状の継鉄部11を備えている。継鉄部11の内周面には、径方向内側に突出する補極ティース12が継鉄部11の周方向に等間隔で6個一体形成されている。
補極ティース12の根元部13は、補極ティース12の先端側から継鉄部11の内周面(基端側)に至るまで徐々に拡大されて扇状に形成されており、隣接する補極ティース12間には、略矩形のスロット15が形成されている。補極ティース12の根元部13には、継鉄部11の外周面に逃げ溝16が形成されている。この逃げ溝16は、ステータコア2bの軸方向に沿って径方向外側に向けて開口形成されており、ステータコア2bの周方向に等間隔で形成されている。
補極ティース12の根元部13は、補極ティース12の先端側から継鉄部11の内周面(基端側)に至るまで徐々に拡大されて扇状に形成されており、隣接する補極ティース12間には、略矩形のスロット15が形成されている。補極ティース12の根元部13には、継鉄部11の外周面に逃げ溝16が形成されている。この逃げ溝16は、ステータコア2bの軸方向に沿って径方向外側に向けて開口形成されており、ステータコア2bの周方向に等間隔で形成されている。
また、継鉄部11の内周面には、継鉄部11の軸方向に沿ってあり溝17が形成されている。このあり溝17は、隣接する補極ティース12の中間位置に形成され、径方向内側に向けて開口形成されている。なお、継鉄部11と補極ティース12とで筒状の本体コア24が構成されている。
隣接する補極ティース12間には、分割コア18が設けられている。この分割コア18は、継鉄部11の周方向に等間隔で6個設けられており、継鉄部11の内周面において補極ティース12と交互に配されている。
図4,5,7に示すように、分割コア18は、コイル7が巻装された分割ティース61と、分割ティース61の表面とコイル7との間に形成された絶縁被膜69と、コイル7の外周面を樹脂封止する樹脂モールド体70とを備えている。
分割ティース61は、継鉄部11の内周面から径方向内側に延出する平面視略T字形状のものであり、コイル7が巻装される巻胴部62を備えている。巻胴部62の先端には、巻胴部62の延出方向に交差する方向に延出する周壁部63が形成されている。この周壁部63は、巻胴部62の延出方向に対して左右対称となるように形成されている。一方、巻胴部62の基端側には、本体コア24のあり溝17と嵌合可能な突部67が形成されている。
図6に示すように、分割ティース61は、プレス加工等により打ち抜かれた磁性材料からなる複数の板材(電磁鋼板)64〜66(以下、上層板材64、中間板材65、下層板材66ともいう)を、軸方向に積層して形成されている。中間板材65及び下層板材66のかえり面65a,66a側、つまりパンチ(上型)と接触する面のエッジ部にはバリ65b,66bが形成されている。一方、各板材64〜66の非かえり面64c〜66c側、つまりパンチに押し下げられる面のエッジ部にはダレ64d〜66dが形成されている。
各板材64〜66は、かえり面を上側に向けた状態で、一の板材のかえり面(例えば、下層板材66のかえり面66a)と他の板材の非かえり面(例えば、中間板材65の非かえり面65c)とが重なり合うように順次積層されている。つまり、一の板材のバリ(例えば、下層板材66のバリ66b)と他の板材のダレ(例えば、中間板材65のダレd)とが、嵌合するように積層されている。
ここで、積層された板材64〜66のうち、最上層に積層された上層板材64のかえり面64aのエッジ部は、面打ちが施された面打ち部64bが形成されている。これにより、上層板材64のかえり面64aの周縁が略弧状に形成されている。つまり、分割ティース61の下面の周縁は、下層板材66の非かえり面66cのダレ66dにより構成される一方、上面の周縁は上層板材64のかえり面64aの面打ち部64bにより構成されている。したがって、分割ティース61の各面との交差稜線は略弧状に形成されている。
ここで、積層された板材64〜66のうち、最上層に積層された上層板材64のかえり面64aのエッジ部は、面打ちが施された面打ち部64bが形成されている。これにより、上層板材64のかえり面64aの周縁が略弧状に形成されている。つまり、分割ティース61の下面の周縁は、下層板材66の非かえり面66cのダレ66dにより構成される一方、上面の周縁は上層板材64のかえり面64aの面打ち部64bにより構成されている。したがって、分割ティース61の各面との交差稜線は略弧状に形成されている。
図7に示すように、分割ティース61の表面には、巻胴部62及び周壁部63に亘ってエポキシ等からなる絶縁被膜69が形成されている。この絶縁被膜69は、電着塗装等により形成されており、その厚さが0.025mm程度で成膜されている。そして、分割ティース61には、この絶縁被膜69を介してコイル7が巻装されている。
図2,3,8に示すように、分割ティース61は、コイル7を樹脂封止する樹脂モールド体70に覆われている。具体的には、分割ティース61の巻胴部62及びコイル7を覆うとともに、分割ティース61の周壁部63の先端面に至る位置までを覆っている。したがって、補極ティース12の周壁部及び分割ティース62の周壁部63の先端面と樹脂モールド体70の内周面とでステータコア2bの内径が構成されている。さらに、樹脂モールド体70は、補極ティース12間、つまりスロット15間に隙間なく充填されている。
樹脂モールド体70の一端側(図1中後側)には、径方向内側に張り出す膨出部72が一体形成されている。膨出部72は、平面視矩形状のものであり、平面視で分割ティース61の周壁部63の先端面より径方向内側に張り出ししている。
膨出部72における外周側(径方向外側)の中央部には、樹脂モールド体70の長手方向(ステータコア2bの軸方向)に向かって突起部73が立設されている。この突起部73は、膨出部72の一部が突出した矩形状のものであり、上述した結線基板8の外周縁に形成された切り欠き部75に嵌合可能に構成されている。したがって、樹脂モールド体70の膨出部72の上面と結線基板8の下面とは、当接した状態で組み付けられている。
膨出部72における外周側(径方向外側)の中央部には、樹脂モールド体70の長手方向(ステータコア2bの軸方向)に向かって突起部73が立設されている。この突起部73は、膨出部72の一部が突出した矩形状のものであり、上述した結線基板8の外周縁に形成された切り欠き部75に嵌合可能に構成されている。したがって、樹脂モールド体70の膨出部72の上面と結線基板8の下面とは、当接した状態で組み付けられている。
一方、膨出部72の径方向内側の周縁には、一対のコイル位置出し部76が形成されている。このコイル位置出し部76は、膨出部72の上面から軸方向に沿って切り込み形成されたものであって、膨出部72の上面と側面との間の稜線を跨ぐように形成されている。各コイル位置出し部76は、樹脂モールド体70によって封止されたコイル7の巻き始め端及び巻き終わり端をそれぞれ外部へ引き出すものであり、上述した結線基板8の接続孔46と平面視で重なる位置に形成されている。そして、コイル7の巻き始め端及び巻き終わり端は、結線基板8の接続孔46に挿通され、結線基板8の表面において半田等で接合されている。そして、配線パターンを介してリード線32に電気的に接続されている。
次に、図8に基づいて、本実施形態のブラシレスモータの熱引き経路について説明する。なお、以下の説明では、主としてコイルから発生する熱の熱引き経路について説明する。
図8に示すように、コイル7から発生した熱のうち、コイル7の内周側へ伝わる熱(図8中矢印N)は、コイル7が巻装されている分割ティース61に伝達される。分割ティース61に伝達された熱は、コイル7の外周面から樹脂モールド体70に伝達されて外部へ放熱されたり、樹脂モールド体70を介して本体コア24に伝達されて外部へ放熱されたりする。
図8に示すように、コイル7から発生した熱のうち、コイル7の内周側へ伝わる熱(図8中矢印N)は、コイル7が巻装されている分割ティース61に伝達される。分割ティース61に伝達された熱は、コイル7の外周面から樹脂モールド体70に伝達されて外部へ放熱されたり、樹脂モールド体70を介して本体コア24に伝達されて外部へ放熱されたりする。
一方、コイル7から発生した熱のうち、コイルの外周側に伝達される熱(図8中矢印M)は、コイル7の外周面から樹脂モールド体70を伝って本体コア24の補極ティース12や継鉄部11に伝達される。そして、補極ティース12や継鉄部11に伝達された熱は、外部へ放熱される。
次に、図3〜8に基づいて、上述したブラシレスモータの製造方法について説明する。以下の説明では、主として分割コアの製造方法について説明する。
図6に示すように、プレス加工により打ち抜かれた複数の板材64〜66を積層する(板材積層工程)。具体的には、一の板材のかえり面(例えば、下層板材66のかえり面66a)と他の板材の非かえり面(例えば、中間板材65の非かえり面65c)とをかえり面を上側に向けた状態で重ね合わせる。そして、一の板材のバリ(例えば、下層板材66のバリ66b)と他の板材のダレ(例えば、中間板材65のダレd)とを、嵌合させるように順次積層する。なお、板材64〜66の積層した状態を保つために各々板材64〜66にボス加工を施し、これらボスをカシメながら板材を積層してもよいし、プレス加工で打ち抜かれる部分にかからないように微量の接着剤を使用して、板材64〜66を合わせて積層してもよい。また、これらボスを形成したカシメ作業と接着剤を使用した接着作業とを併せて行ってもよい。
図6に示すように、プレス加工により打ち抜かれた複数の板材64〜66を積層する(板材積層工程)。具体的には、一の板材のかえり面(例えば、下層板材66のかえり面66a)と他の板材の非かえり面(例えば、中間板材65の非かえり面65c)とをかえり面を上側に向けた状態で重ね合わせる。そして、一の板材のバリ(例えば、下層板材66のバリ66b)と他の板材のダレ(例えば、中間板材65のダレd)とを、嵌合させるように順次積層する。なお、板材64〜66の積層した状態を保つために各々板材64〜66にボス加工を施し、これらボスをカシメながら板材を積層してもよいし、プレス加工で打ち抜かれる部分にかからないように微量の接着剤を使用して、板材64〜66を合わせて積層してもよい。また、これらボスを形成したカシメ作業と接着剤を使用した接着作業とを併せて行ってもよい。
次に、積層された板材64〜66のうち最上層に積層された上層板材64のかえり面64aのエッジ部を面打ちする。すると、上層板材64のかえり面64aにおけるエッジ部のバリ(図6中64e参照)が潰れて、ここに面打ち部64bが形成される(面打ち工程)。これにより、分割ティース61が形成される。この時、分割ティース61の周縁は、下層板材66の非かえり面66cのダレ66dと、上層板材64のかえり面64aの面打ち部64bとにより構成され、略弧状に形成にされる。
次に、図7,8に示すように、分割ティース61の表面に絶縁被膜69を形成する(電着塗装工程)。具体的には、電着塗装により、分割ティース61の表面にエポキシ等からなる絶縁被膜69を厚さが0.025mm程度で形成する。なお、電着塗装とは、水性塗料の溶液中に被塗物(分割ティース61)を浸漬し、被塗物を陰極として直流電圧を印加することで、プラスに荷電した水性塗料を析出させて被塗物の表面に成膜するものである。
次に、図4,5,7に示すように、絶縁被膜69が形成された分割ティース61にコイル7を巻装する(コイル巻装工程)。具体的には、分割ティース61の巻胴部62にコイル7を巻き付け、巻き始め端と巻き終わり端とを分割ティース61の周壁部63側へ引き出しておく。
そして、コイル7が巻装された分割ティース61の突部67を本体コア24のあり溝17内に圧入し、分割ティース61を本体コア24に組み付ける。
そして、コイル7が巻装された分割ティース61の突部67を本体コア24のあり溝17内に圧入し、分割ティース61を本体コア24に組み付ける。
続いて、図3,8に示すように、本体コア24に組み付けられた分割ティース61及びコイル7を樹脂封止する。具体的には、補極ティース12間に形成されたスロット15を隙間なく埋めるように樹脂を充填し、分割ティース61及びコイル7を封止するとともに、本体コア24の一端側(図1中後側)で径方向内側に張り出す膨出部72を形成する。この時、膨出部72のコイル位置出し部76からコイル7の巻き始め端と巻き終わり端とを外部に引き出した状態で樹脂封止する。
以上の工程により分割コアが形成される。
以上の工程により分割コアが形成される。
したがって、上述の実施形態によれば、分割ティース61の表面に絶縁被膜69を形成し、この絶縁被膜69を介してコイル7を巻装することで、分割ティース61にボビン等を介してコイル7を巻装する場合に比べて、絶縁厚さを薄くすることができる。そのため、コイル7の巻線スペースを確保してコイル7の占積率を向上できる。
そして、コイル7から発生した熱のうち、コイル7の内周側へ伝わる熱(図8中矢印N)は、分割ティース61を介して本体コア24に伝達されたり、樹脂モールド体70に伝達されたりすることで、外部へ放熱される。この時、絶縁被膜69を介してコイル7を巻装することで、絶縁被膜69はボビン等に比べ厚さが薄いため、コイル7と分割ティース61との間の熱引き効率を向上させることができる。
一方、コイル7の外周側へ伝達される熱は、コイル7の外周面から樹脂モールド体70に伝達されて外部へ放熱されたり、樹脂モールド体70を介して本体コア24に伝達されて外部へ放熱されたりする。この時、樹脂モールド体70がスロット15間を隙間なく充填されているため、本体コア24とコイル7との間が空隙になっている場合に比べて熱の伝達効率が高い。したがって、コイル7から発生する熱の熱引き効率を向上させることができる。
そして、コイル7から発生した熱のうち、コイル7の内周側へ伝わる熱(図8中矢印N)は、分割ティース61を介して本体コア24に伝達されたり、樹脂モールド体70に伝達されたりすることで、外部へ放熱される。この時、絶縁被膜69を介してコイル7を巻装することで、絶縁被膜69はボビン等に比べ厚さが薄いため、コイル7と分割ティース61との間の熱引き効率を向上させることができる。
一方、コイル7の外周側へ伝達される熱は、コイル7の外周面から樹脂モールド体70に伝達されて外部へ放熱されたり、樹脂モールド体70を介して本体コア24に伝達されて外部へ放熱されたりする。この時、樹脂モールド体70がスロット15間を隙間なく充填されているため、本体コア24とコイル7との間が空隙になっている場合に比べて熱の伝達効率が高い。したがって、コイル7から発生する熱の熱引き効率を向上させることができる。
このように、本実施形態のブラシレスモータ1では、コイル7の占積率を向上させて小型・高出力化を図ることができるとともに、コイル7から発生する熱の熱引き効率を向上させてコイル7から発生する熱を効率良く放熱することができる。したがって、高性能なブラシレスモータ1を提供することができる。
また、上層板材64のかえり面64aのエッジ部に面打ち部64bを形成することで、かえり面64aにおけるエッジ部のバリを除去することができる。これにより、分割ティース61の周縁にエッジ部を存在させることがなく、各面との交差稜線を略弧状に形成することができる。したがって、コイル7の巻装工程において、かえり面(例えば、上層板材64のかえり面64a)のエッジ部で発生するバリ等で分割ティース61の表面に形成された絶縁被膜69が剥離することを防ぐことができる。よって、コイル7と分割ティース61との絶縁を確保した上で、絶縁被膜69をより薄く形成することができるため、コイル7の占積率をより増加することができる。
さらに、結線基板8とコイル7との接続位置に対応する部位にコイル位置出し部76を形成することで、コイル位置出し部76から引き出されたコイル7の巻き始め端と巻き終わり端とを結線基板8に直接接続することができる。そして、樹脂モールド体70の膨出部72の上面と結線基板8の下面とを、当接した状態で組み付けることで、ブラシレスモータ1の軸長を短縮することができ、ブラシレスモータ1の小型化を図ることができる。
次に、図9に基づいて本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態では、分割ティースの構成について上述した第1実施形態と相違しているため、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態の分割ティース100は、上述したように磁性材料からなる複数の板材64〜66を軸方向に積層して形成されている。
下層板材66から中間板材65までは、上述した第1実施形態と同様に一の板材のかえり面(例えば、下層板材66のかえり面66a)と他の板材の非かえり面(例えば、中間板材65の非かえり面65c)とが重なり合うように順次積層されている。つまり、一の板材のバリ(例えば、下層板材66のバリ66b)と他の板材のダレ(例えば、中間板材65のダレ65d)とが、嵌合するように積層されている。
下層板材66から中間板材65までは、上述した第1実施形態と同様に一の板材のかえり面(例えば、下層板材66のかえり面66a)と他の板材の非かえり面(例えば、中間板材65の非かえり面65c)とが重なり合うように順次積層されている。つまり、一の板材のバリ(例えば、下層板材66のバリ66b)と他の板材のダレ(例えば、中間板材65のダレ65d)とが、嵌合するように積層されている。
ここで、積層された板材64〜66のうち、上層板材64は、その下層まで積層された板材(例えば、下層板材66から中間板材65まで)の積層方向とは反転して積層されている。つまり、上述した積層工程において、中間板材65のかえり面65aと上層板材64のかえり面64aとが対向するように積層する(反転工程)。
この時、中間板材65と上層板材64とは、そのかえり面65a,64a同士を当接させるため、エッジ部においてバリ65b,64b同士が接触して、中間板材65と上層板材64との間に隙間が生じる。そのため、板材64〜66を積層した後、板材64〜66を挟むようにプレスすることが好ましい。これにより、中間板材65のバリ65bと上層板材64のバリ64eとが潰れ合うため、上層板材64と中間板材65との隙間をなくすことができる。
このように、上述の実施形態によれば、上層板材64のかえり面64aと中間板材65のかえり面65aとが対向するように積層されているため、分割ティース100の積層方向における両面が板材の非かえり面(例えば、上層板材64の非かえり面64c及び下層板材66の非かえり面66c)により構成される。つまり、分割ティース100の両面の周縁は板材64,66の非かえり面64c,66cにおけるダレ64d,66dにより構成される。したがって、分割ティース100の周縁にエッジ部を存在させることがなく、各面との交差稜線を略弧状に形成することができる。よって、上述した第1実施形態と同様に、コイル7の巻装工程において、かえり面(例えば、上層板材64のかえり面64a)のエッジ部で発生するバリ等で分割ティース100の表面に形成された絶縁被膜69が剥離することを防ぐことができる。よって、コイル7と分割ティース100との絶縁を確保した上で、絶縁被膜69を薄く形成することができるため、コイル7の占積率をより増加することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、コイルと結線基板との接続として、樹脂モールド体にターミナルを設ける構成も可能である。
図10に示すように、本実施形態の樹脂モールド体110は、コイル7(図4参照)とリード線32(図1参照)とを接続する一対のターミナル111を備えている。各ターミナル111は、その一端側が樹脂モールド体110に埋設されており、樹脂モールド体110内でコイル7の巻き始め端及び巻き終わり端にそれぞれ接続されている。一方、ターミナル111の他端側は、樹脂モールド体110の膨出部72の上面からステータコア2bの軸方向に向けて突出しており、その先端部には結線基板8(図2参照)の接続孔46に挿通される挿通ピン113が形成されている。挿通ピン113は、結線基板8の接続孔46に挿通されて結線基板8の表面において半田等によって接合される。そして、結線基板8の配線パターンを介してリード線32と電気的に接続されるようになっている。
図10に示すように、本実施形態の樹脂モールド体110は、コイル7(図4参照)とリード線32(図1参照)とを接続する一対のターミナル111を備えている。各ターミナル111は、その一端側が樹脂モールド体110に埋設されており、樹脂モールド体110内でコイル7の巻き始め端及び巻き終わり端にそれぞれ接続されている。一方、ターミナル111の他端側は、樹脂モールド体110の膨出部72の上面からステータコア2bの軸方向に向けて突出しており、その先端部には結線基板8(図2参照)の接続孔46に挿通される挿通ピン113が形成されている。挿通ピン113は、結線基板8の接続孔46に挿通されて結線基板8の表面において半田等によって接合される。そして、結線基板8の配線パターンを介してリード線32と電気的に接続されるようになっている。
したがって、上述の実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、コイル7と結線基板8との接続位置の位置決め精度を向上させることができる。
また、上述した実施形態では、分割ティースのみに絶縁被膜を形成する場合について説明したが、本体コアを含むステータコアの全面に亘って絶縁被膜を形成してもよい。
また、上述した実施形態では、ステータコアに設けられたティースを継鉄部から径方向内側に延びる補極ティースと、補極ティース間に設けられた分割ティースとで構成した場合について説明したが、全てを分割ティースとする構成も可能である
また、上述した実施形態では、ステータコアに設けられたティースを継鉄部から径方向内側に延びる補極ティースと、補極ティース間に設けられた分割ティースとで構成した場合について説明したが、全てを分割ティースとする構成も可能である
1…ブラシレスモータ 2b…ステータコア 3…ロータ 7…コイル 8…結線基板 24…本体コア 18…分割コア 32…リード線 64〜66…板材 64d…面打ち部 69…絶縁被膜 70…樹脂モールド体 111…ターミナル
Claims (7)
- 筒状のステータコアと、
前記ステータコアの内側に軸受けを介して回転自在に支持されたロータとを備えたブラシレスモータにおいて、
前記ステータコアは、筒状の本体コアと、この本体コアに別体で設けられた複数の分割コアとで構成され、
前記分割コアは、コイルが巻装された分割ティースと、
前記分割ティースの表面と前記コイルとの間に形成された絶縁被膜と、
前記コイルの外周面を樹脂封止するとともに、前記本体コアと前記コイルとの間を充填する樹脂モールド体とを備えていることを特徴とするブラシレスモータ。 - 前記分割ティースは、プレス加工で形成された磁性材料からなる複数の板材が、かえり面を上側に向けて互いの前記かえり面と非かえり面とを重ね合わせた状態で積層されて構成されており、
前記複数の板材のうち最上層に積層された上層板材には、前記かえり面のエッジ部が面打ちされた面打ち部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。 - 前記分割ティースは、プレス加工で形成された磁性材料からなる複数の板材が、かえり面を上側に向けて互いの前記かえり面と非かえり面とを重ね合わせた状態で積層されている一方、
前記複数の板材のうち最上層に積層された上層板材は、前記かえり面が、該上層板材の下層に積層された前記板材の前記かえり面と対向して積層されていることを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。 - 前記コイルの巻き始め端または巻き終わり端とリード線の一端とが結線基板を介して接続され、
前記樹脂モールド体には、前記結線基板における前記コイルの巻き始め端または巻き終わり端との接続位置に対応する部位にコイル位置出し部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のブラシレスモータ。 - 前記コイルの巻き始め端または巻き終わり端とリード線の一端とが結線基板を介して接続され、
前記樹脂モールド体には、その一端側に前記コイルの巻き始め端または巻き終わり端がそれぞれ接続されるとともに、他端側に前記リード線が接続される一対のターミナルが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のブラシレスモータ。 - 筒状のステータコアと、
前記ステータコアの内側に軸受けを介して回転自在に支持されたロータとを備えたブラシレスモータの製造方法であって、
前記ステータコアは、筒状の本体コアと、この本体コアに分割コアを組み付けて構成し、
前記分割コアは、
磁性材料からなる複数の板材を、かえり面を上側に向けて互いの前記かえり面と非かえり面とを重ね合わせた状態で積層して分割ティースを形成する板材積層工程と、
積層された前記複数の板材のうち最上層に積層された上層板材における前記かえり面のエッジ部を面打ちする面打ち工程と、
前記分割ティースの表面を被覆する絶縁被膜を形成する電着塗装工程と、
前記分割ティースに前記絶縁被膜を介してコイルを巻装するコイル巻装工程と、
前記コイルを樹脂封止するモールド工程とを有することを特徴とするブラシレスモータの製造方法。 - 筒状のステータコアと、
前記ステータコアの内側に軸受けを介して回転自在に支持されたロータとを備えたブラシレスモータの製造方法であって、
前記ステータコアは、筒状の本体コアと、この本体コアに分割コアを組み付けて構成し、
前記分割コアは、
磁性材料からなる複数の板材を、かえり面を上側に向けて互いの前記かえり面と非かえり面とを重ね合わせた状態で積層して分割ティースを形成する板材積層工程と、
前記分割ティースの表面を被覆する絶縁被膜を形成する電着塗装工程と、
前記分割ティースに前記絶縁被膜を介してコイルを巻装するコイル巻装工程と、
前記コイルを樹脂封止するモールド工程とを有し、
前記板材積層工程では、積層された前記複数の板材のうち最上層に積層する上層板材を該上層板材の下層に積層された前記板材の積層方向と反転させて積層する反転工程を有することを特徴とするブラシレスモータの製造方法。
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