JP2010057193A - 映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】映像処理回路2が,例えば拡張色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の赤色に至る等色相の色範囲の中央部分である赤色相基準範囲を一部に含み,前記拡張色再現範囲における最高の彩度の赤色を含まない所定の補正対象色範囲の色を,その色相が前記拡張色再現範囲における黄色寄りの色相へ変化するように補正し,その際,前記赤色相基準範囲の色相がsRGB規格の色再現範囲における赤色の色相へ変化するように,さらに,黄色寄りの色相への色相の変化量が前記拡張色再現範囲における前記赤色相基準範囲に対する距離が近い色よりも遠い色の方が小さくなるように補正する。
【選択図】図1
Description
例えば,発光色の色純度が高いLEDを光源とするバックライト,及びそのバックライトにより照明される液晶パネル(ディスプレイの一例)を備えた液晶表示装置は,sRGB規格に準拠した映像信号が入力された場合,その映像信号を直接用いて映像表示を行うと,sRGB規格の色再現範囲よりも広い色再現範囲(以下,拡張色再現範囲という)の色で映像が表示される。そのようなディスプレイ(以下,広色域ディスプレイという)は,前記標準色域ディスプレイよりも鮮やかな(彩度の高い)色を表示可能である。
図2において,前記標準色域ディスプレイの色再現範囲CS1における3つの頂点P1r,P1g,P1bの位置は,それぞれ色再現範囲CS1において最高の彩度の赤色,緑色,青色を表す位置である。同様に,前記広色域ディスプレイの色再現範囲CS2における3つの頂点P2r,P2g,P2bの位置は,それぞれ色再現範囲CS2において最高の彩度の赤色,緑色,青色を表す位置である。
図2に示されるように,前記広色域ディスプレイは,その色再現範囲CS2が前記標準色域ディスプレイの色再現範囲CS1よりも広く,より彩度の高い色を表示可能である。
さらに,図2には,R,G,B(赤,緑,青)及びC,M,Y(シアン,マゼンタ,イエロー)の各色について,無彩色から各色(有彩色)に渡って視覚的に同じ色相であると感じる等色相の色範囲が,実線L0r,L0g,L0b,L0c,L0m,L0yで示されている。即ち,実線L0r,L0g,L0b,L0c,L0m,L0yは,それぞれ赤色,緑色,青色,シアン,マゼンタ,イエローの各色の等色相ラインを表す。図2に示される各色の視覚上の等色相ラインL0r,L0g,L0b,L0c,L0m,L0yについては,非特許文献1に示されている。
図3は,前記標準色再現範囲CS1及び前記拡張色再現範囲CS2それぞれにおける赤色の等色相ラインL1r,L2rと,赤色の視覚上の等色相ラインL0rとを拡大して表した図である。
図3に示されるように,赤色の視覚上の等色相ラインL0rは,黄色の色相の側が凸となる方向にやや湾曲した形状となっている。
そして,前記標準色再現範囲CS1における赤色の等色相ラインL1rは,直線状ではあるものの,赤色の視覚上の等色相ラインL0rとよく近似している。そのため,前記標準色域ディスプレイにより,sRGB規格に準拠した映像信号に基づく映像表示が行われると,赤色系の映像は,等色相の信号値については,無彩色(点Pwの位置)から最高の彩度の色(点P1rの位置)までほぼ同一の色相の色で再現された映像となる。但し,前記標準色域ディスプレイは,その色再現範囲CS1が狭いため,彩度の高い赤色を表示する場合の鮮やかさが不足する。また,sRGB規格以外の規格(例えば,sYCC規格)に準拠した映像信号についても,その映像信号をその規格と同じ色再現範囲を有するディスプレイに入力させて映像表示を行えば,赤色系の等色相の色は本来の色で表示される。
また,前記標準色再現範囲CS1における赤色の等色相ラインL1rは,最高の彩度の赤色(位置P2r)が,彩度の高い視覚上の赤色に良く近似する。
そのため,前記広色域ディスプレイにより,sRGB規格に準拠した映像信号に基づく映像表示が行われると,非常に彩度の高い赤色については,映像信号が表す本来の色が非常に鮮やかに再現された映像となる。
また,特許文献1に示されるように,その前記広色域ディスプレイの表示色が,前記拡張色再現範囲CS2の色範囲から前記標準色再現範囲CS1の色範囲となるように,映像信号に対して色域圧縮処理を施すことも考えられる。
しかしながら,映像信号に色域圧縮処理を施すことは,彩度の高い鮮やかな赤色を表示可能な前記広色域ディスプレイの長所を活かせないという問題点があった。以上の問題点は,入力映像信号の準拠する規格の色再現範囲が,前記広色域ディスプレイの色再現範囲(前記拡張色再現範囲CS2)よりも狭い場合に同様に生じる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,前記広色域ディスプレイによってそれより狭い色再現範囲の規格に準拠した映像信号に基づく映像表示を行う場合に,彩度の高い鮮やかな赤色を表示可能な前記広色域ディスプレイの長所を活かしつつ,中間的な彩度の赤色を表示する際の前記色相ズレの問題を解消できる映像表示装置を提供することにある。
(1)前記拡張色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の所定の色に至る等色相の色範囲の中央の1点の彩度の部分又は中央の所定範囲の彩度の部分である色相基準範囲を一部に含み,前記拡張色再現範囲における最高の彩度の前記所定の色を含まない所定の補正対象色範囲,の色を表す前記入力映像信号の信号値を,その色相が前記拡張色再現範囲において前記入力映像信号の準拠する規格の色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の前記所定の色に至る等色相の色範囲を表す等色相ライン寄りの色相へ変化するように補正し,その際に,前記色相基準範囲の色相が前記入力映像信号の準拠する規格の色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の前記所定の色に至る色相へ変化するように補正するとともに,前記等色相ライン寄りの色相への色相の変化量が前記拡張色再現範囲における前記色相基準範囲に対する距離が近い色よりも遠い色の方が小さくなるように補正する信号補正手段。
ここで,前記所定の補正対象色範囲は,マゼンタから赤色を経て黄色までに至る範囲の内側の色相の範囲である。また,前記所定の補正対象色範囲が,赤色の色相よりもマゼンタ側の第1の色相から,赤色の色相よりも黄色側の第2の色相までに至る範囲の内側の色相の範囲であってもよい。
また,前記広色域ディスプレイの典型例は,LEDを光源とするバックライトにより照明される液晶パネルである。
また,前記色相基準範囲は,例えば,前記拡張色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の前記所定の色に至る等色相の色範囲のうちの彩度が中央の略5分の1を占める一部の範囲である。
そして,前記信号補正手段は,前記入力映像信号における前記色相基準範囲の信号値を,前記入力映像信号の準拠する規格の色再現範囲における中間的な彩度の所定の色を表す信号値と一致するように,その色相が前記入力映像信号の準拠する規格の色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の前記所定の色に至る等色相の色範囲を表す等色相ライン寄りのの色相へ変化するよう補正する。これにより,前記広色域ディスプレイによる中間的な彩度の前記所定の色の表示色が,前記標準色域ディスプレイによる中間的な彩度の前記所定の色の表示色,即ち,例えば赤色の視覚上の等色相ライン(図2,図3におけるL0r)上の色と近似した色となり,前記色相ズレの問題が解消する。
一方,前記信号補正手段は,前記入力映像信号について,前記拡張色再現範囲における最高の彩度の所定の色の信号値を補正せず,また,前記入力映像信号の準拠する規格の色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の前記所定の色に至る等色相の色範囲を表す等色相ライン寄りの色相への色相の変化量を,前記拡張色再現範囲における前記色相基準範囲に対する距離が近い色よりも遠い色の方が小さくなるように色相補正を行う。そのため,信号値の補正前後において,色の連続性(グラデーション)が確保されるとともに,彩度の高い鮮やかな前記所定の色は,色域圧縮が行われずにそのまま表示される。その結果,彩度の高い鮮やかな前記所定の色を表示可能な前記広色域ディスプレイの長所を活かすことができる。
ここに,図1は本発明の実施形態に係る映像表示装置の一例である液晶表示装置Xの概略構成を表すブロック図,図2はsRGB規格に準拠した映像信号に基づく映像表示を行う場合における標準色域ディスプレイにより表示可能な色再現範囲と広色域ディスプレイにより表示可能な色再現範囲とをu’v’色度図上に表した図,図3は標準色再現範囲及び拡張色再現範囲それぞれにおける赤色の等色相ラインと及び赤色の視覚上の等色相ラインを拡大して表した図,図4は液晶表示装置Xにおける色相補正の対象となる赤色相基準範囲の第1例をu’v’座標系において表した図,図5は液晶表示装置Xにおける色相補正による色相の変化の第1例をu’v’座標系において表した図,図6は液晶表示装置Xにおける色相補正の対象となる補正対象色範囲の第1例をYcbcr座標系におけるY軸に直交する方向から見た図,図7は液晶表示装置Xにおける色相補正の対象となる赤色相基準範囲の第2例をu’v’座標系において表した図,図8は液晶表示装置Xにおける色相補正による色相の変化の第2例をu’v’座標系において表した図,図9は液晶表示装置Xにおける色相補正の対象となる補正対象色範囲の第2例をYcbcr座標系におけるY軸に直交する方向から見た図である。
図1に示されるように,液晶表示装置Xは,映像信号入力部1,映像処理回路2,液晶駆動回路3,液晶パネル4,LED給電回路5,LEDバックライト6,調光回路7,メイン制御回路8等を備えている。
前記LEDバックライト6は,LEDを光源として前記液晶パネル4を照明するバックライトである。前記LEDは,映像を表示する前記液晶パネル4の背面側に配列され,それぞれ白色LED又はRGB3色のLED(3個のLED)からなる光源である。
そして,このLEDバックライト6により照明される前記液晶パネル4は,sRGB規格に準拠した前記入力映像信号が前記映像信号入力部1及び前記映像処理回路2を通じて前記液晶駆動回路3に入力された場合に,sRGB規格の色再現範囲(図2における前記標準色再現範囲CS1)よりも広い前記拡張色再現範囲CS2(図2参照)における色で映像を表示する広色域ディスプレイの一例である。なお,LED以外を光源とするバックライトが採用されることも考えられる。
前記映像処理回路2は,前記入力映像信号に基づく各種の信号処理を実行する回路である。
例えば,前記映像処理回路2は,前記メイン制御回路8からの指令に応じて,前記入力映像信号の信号値の補正を行う。
より具体的には,前記映像処理回路2は,前記メイン制御回路8から後述する"標準モード"で動作する旨の指令を受けた場合に,前記入力映像信号に対する色域圧縮処理を行う。この色域圧縮処理は,例えば特許文献1に示されるように,前記液晶パネル4(広色域ディスプレイ)の表示色が,前記拡張色再現範囲CS2の色範囲から前記標準色再現範囲CS1の色範囲となるように,前記入力映像信号を補正する処理である。これにより,前記液晶パネル4において,sRGB規格に準拠した前記入力映像信号に基づく映像が,従来の標準色域ディスプレイでの表示色とほぼ同等の色で表示される。なお,前記色域圧縮処理の具体的内容については,ここでは記載を省略する。
また,前記映像処理回路2は,前記メイン制御回路8から後述する"鮮やかモード"で動作する旨の指令を受けた場合に,前記入力映像信号の信号値を補正することにより,前記入力映像信号が表す色の色相を補正する色相補正処理を実行する。前記色相補正処理の詳細については後述する。
また,前記映像処理回路2は,1フレーム分の前記入力映像信号が入力されるごとに,前記表示対象映像信号における映像輝度(階調レベル)の指標値として,平均輝度レベル(いわゆるAPL(Average Picture Level))を算出し,その算出結果を前記調光回路7に伝送する。前記平均輝度レベルは,1フレーム分の前記表示対象映像信号における各画素の3原色(R,G,B)の映像輝度(階調レベル)の加重平均値である。
より具体的には,前記液晶駆動回路3は,液晶表示パネルに設けられた各画素の液晶素子に対し,R,G,B3原色それぞれの階調レベル(輝度レベルといってもよい)に応じた電圧(階調電圧)の階調信号を供給する。これにより,前記液晶パネル4は,前記入力映像信号に基づく映像(動画)を表示する。
前記LED給電回路5は,前記調光回路7により設定された前記制御値に応じた電力を前記LEDバックライト6における各LEDに対して供給する。これにより,前記LEDバックライト6の輝度が,前記調光回路7により決定された輝度に調節される。
なお,前記映像処理回路2や前記調光回路7は,例えばFPGAやASIC等により具現化されている。
例えば,前記メイン制御回路8において,前記MPU81は,不図示のリモート操作器を通じた操作入力に従って,映像表示モードの切り替え処理を行う。ここで,前記映像表示モードは,前記映像処理回路2の動作モードである。
より具体的には,前記MPU81は,前記操作入力に従って,2種類の前記映像表示モードである標準モードと鮮やかモードとの切り替え処理を行う。そして,切り替え後の前記映像表示モードで動作する旨の指令が,前記MPU81から前記映像処理回路2に対して出力される。
前記標準モードは,前記液晶パネル4(広色域ディスプレイ)の表示色が,図2に示される前記拡張色再現範囲CS2の色範囲から前記標準色再現範囲CS1の色範囲となるように,sRGB規格に準拠した前記入力映像信号に対して前記色域圧縮処理を施す動作モードである。
また,前記鮮やかモードは,sRGB規格に準拠した前記入力映像信号の信号値を補正することにより,前記拡張色再現範囲CS2における中間的な彩度の赤色系統の色ズレが解消されるように,前記入力映像信号が表す色の色相を補正する色相補正処理を実行する動作モードである。
前記映像処理回路2は,前記拡張色再現範囲CS2における最低の彩度の無彩色(図4〜図6における位置Pwの色)から最高の彩度の赤色(図4〜図6における位置P2rの色)に至る等色相の色範囲の中央の所定範囲の彩度の部分(以下,赤色相基準範囲Ayと称する)を基準にして前記色相補正処理を行う。
また,前記映像処理回路2は,前記赤色相基準範囲Ayを一部に含み,前記拡張色再現範囲CS2における最低の彩度の無彩色(位置Pwの色)及び最高の彩度の赤色(位置P2rの色)を含まない範囲(以下,補正対象色範囲Axと称する)の色を表す前記入力映像信号の信号値を,前記色相補正処理の対象とする。
また,前記制御回路8における前記EEPROM82には,前記補正対象色範囲Axを特定する情報である補正対象色範囲特定情報d1と,前記補正対象色範囲Ax内に含まれる前記赤色相基準範囲Ayを特定する情報である赤色相基準範囲特定情報d2とが予め記憶されている。
色(位置Pcの色)が含まれている。
図6には,前記赤色相基準範囲Ayが,赤色の等色相の色範囲における,中央の彩度rcの部分である中心彩度部Pcを基準として,彩度が−rwだけ低い色から+rwだけ高い色までの範囲として示されている。なお,彩度の幅rwは,予め定められた定数である。
即ち,前記赤色相基準範囲Ayの最低の彩度rs0=rc−rw,前記赤色相基準範囲Ayの最高の彩度re0=rc+rwである。
例えば,前記赤色相基準範囲Ayは,前記拡張色再現範囲CS2における最低の彩度の無彩色(位置Pwの色)から最高の彩度の赤色(位置P2rの色)に至る等色相の色範囲のうちの彩度が中央の5分の1を占める一部の範囲(前記等色相の色範囲を彩度の方向において5等分に区分したうちの中央の区分)である。この場合,彩度の幅rwは,彩度のフルスケールの10分の1である。
なお,図4に示される前記赤色相基準範囲Ayは一例であり,その彩度方向の幅がそれより大きい又は小さい例も考えられる。
また,赤色の色相(Cr軸方向の色相)を基準とする前記第1の色相及び第2の色相それぞれの極座標の角度差Δtが等しく設定されている。
なお,前記補正対象色範囲Axにおける彩度の範囲及び輝度の範囲は,彩度及び輝度それぞれのとり得る値の全範囲から,最低の彩度の無彩色(位置Pwの色)と,最高の彩度の赤色(位置P2rの色)とを除いた残りの範囲である。
まず,前記映像処理回路2は,前記入力映像信号のCb値及びCr値(Cbin,Crin)に基づいて,前記入力映像信号のCb−Cr平面における彩度及び色相を特定する極座標(rin,tin)を算出する。この極座標(rin,tin)は,周知のCordic(Cordinate Rotation Computer)アルゴリズムに基づき算出することができる。
次に,前記映像処理回路2は,次の(A1)式に基づいて,前記拡張色再現範囲CS2における前記入力映像信号の色(rin,tin)の前記赤色相基準範囲Ayに対する偏差(Δrin,Δtin)を算出する。
また,その補正において,前記赤色相基準範囲Ayの色相が,sRGB規格の色再現範囲(前記標準色再現範囲CS1)における前記赤色の等色相ライン(最低の彩度の無彩色(点Pwの位置)から最高の彩度の赤色(点P1rの位置)に至る色相(前記等色相ラインL1rの色相)へ変化するように信号値の補正がなされる。
これにより,前記液晶パネル4(広色域ディスプレイ)による中間的な彩度の赤色の表示色が,従来の一般的な標準色域ディスプレイによる中間的な彩度の赤色の表示色,即ち,赤色の視覚上の等色相ライン(図2,図3におけるL0r)上の色と近似した色となり,前記色相ズレの問題が解消する。
さらに,(A2)式に基づく色相補正の重み係数Wrtが用いられることにより,前記黄色寄りの色相への色相の変化量が,前記拡張色再現範囲CS2における前記赤色相基準範囲Ayに対する距離が近い色よりも遠い色の方が小さくなるように補正される。そのため,信号値の補正前後において,色の連続性(グラデーション)が確保されるとともに,彩度の高い鮮やかな赤色は,色域圧縮が行われずにそのまま表示される。その結果,彩度の高い鮮やかな赤色を表示可能な広色域ディスプレイであるLEDバックライト方式の前記液晶パネル4の長所を活かすことができる。
これに対し,前記赤色相基準範囲Ayが,彩度についての幅を有さない実施例(以下,第2例という)も考えられる。
図7は,色相補正の対象となる前記赤色相基準範囲Ayの第2例をu’v’座標系において表した図である。また,図8は色相補正による色相の変化の第2例をu’v’座標系において表した図である。また,図9は,色相補正の対象となる前記補正対象色範囲Axの第2例をYcbcr座標系におけるY軸に直交する方向から見た図である。
図7〜図9に示される第2例は,前記赤色相基準範囲Ayが,前記拡張色再現範囲CS2における最低の彩度の無彩色(図7〜図9における位置Pwの色)から最高の彩度の赤色(図7〜図9における位置P2rの色)に至る等色相の色範囲の中央の1点の彩度rcの部分Pcである場合の例である。
なお,図9において,前記赤色相基準範囲Ayが点として記載されているが,実際には輝度方向(Y軸方向)に一定の範囲を有する色範囲である。
まず,前記映像処理回路2は,前述した実施形態と同様に,前記入力映像信号のCb値及びCr値(Cbin,Crin)に基づいて,前記入力映像信号のCb−Cr平面における彩度及び色相を特定する極座標(rin,tin)を算出する。
次に,前記映像処理回路2は,次の(B1)式に基づいて,前記拡張色再現範囲CS2における前記入力映像信号の色(rin,tin)の前記赤色相基準範囲Ayに対する偏差(Δrin,Δtin)を算出する。
そして,前記映像処理回路2は,前記(A3)式に基づいて,前記入力映像信号に対する前記色相補正処理後のCb値及びCr値である(Cbout,Crout)を算出する。
以上に示した(B1)式及び(A2)〜(A3)式に基づく色相補正を行うことによっても,前述した実施形態と同様の作用効果が得られる。
1 :映像信号入力部
2 :映像処理回路
3 :液晶駆動回路
4 :液晶パネル
5 :LED給電回路
6 :LEDバックライト
7 :調光回路
8 :メイン制御回路
81:MPU
82:EEPROM
Ax:補正対象色範囲
Ay:赤色相基準範囲
Claims (5)
- sRGB規格の色再現範囲よりも広い色再現範囲である拡張色再現範囲で映像を表示する広色域ディスプレイを備え,前記拡張色再現範囲よりも狭い色再現範囲の規格に準拠した入力映像信号を補正して前記広色域ディスプレイに入力させる映像表示装置であって,
前記拡張色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の所定の色に至る等色相の色範囲の中央の1点の彩度の部分又は中央の所定範囲の彩度の部分である色相基準範囲を一部に含み,前記拡張色再現範囲における最高の彩度の前記所定の色を含まない所定の補正対象色範囲,の色を表す前記入力映像信号の信号値を,その色相が前記拡張色再現範囲において前記入力映像信号の準拠する規格の色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の前記所定の色に至る等色相の色範囲を表す等色相ライン寄りの色相へ変化するように補正し,その際に,前記色相基準範囲の色相が前記入力映像信号の準拠する規格の色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の前記所定の色に至る色相へ変化するように補正するとともに,前記等色相ライン寄りの色相への色相の変化量が前記拡張色再現範囲における前記色相基準範囲に対する距離が近い色よりも遠い色の方が小さくなるように補正する信号補正手段を具備してなることを特徴とする映像表示装置。 - 前記所定の補正対象色範囲が,マゼンタから赤色を経て黄色までに至る範囲の内側の色相の範囲である請求項1に記載の映像表示装置。
- 前記所定の補正対象色範囲が,赤色の色相よりもマゼンタ側の第1の色相から,赤色の色相よりも黄色側の第2の色相までに至る範囲の内側の色相の範囲である請求項1に記載の映像表示装置。
- 前記広色域ディスプレイが,LEDを光源とするバックライトにより照明される液晶パネルである請求項1〜3のいずれかに記載の映像表示装置。
- 前記色相基準範囲が,前記拡張色再現範囲における最低の彩度の無彩色から最高の彩度の前記所定の色に至る等色相の色範囲のうちの彩度が中央の略5分の1を占める一部の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の映像表示装置。
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