JP2010050867A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切に自動画像濃度制御処理を行う。
【解決手段】コントローラユニットと印刷エンジンとを有する画像形成装置において,コントローラユニットは,印刷エンジンにパッチ画像を形成させ,濃度センサによりセンサ値を取得し,パッチ画像の入力階調値とセンサ値から求められる出力濃度との特性に基づいて補正ガンマテーブルを生成する画像濃度制御処理を行う。そして,コントローラユニットは,画像濃度制御処理において,濃度センサのセンサ値を,現在のセンサ値と過去のセンサ値とを所定の比率で加重平均して求めるセンサ値補正処理を行い,当該加重平均されたセンサ値に基づいてパッチ画像の出力濃度値を取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は,プリンタ,複写機,ファクシミリなどの画像形成装置に関し,特に,印刷エンジンの特性の経年変化やばらつきに起因する画質低下を防止する画像形成装置に関する。
プリンタ,複写機,ファクシミリなどの画像形成装置は,ホストコンピュータや内蔵スキャナから各画素の階調データを有する画像データを入力し,その入力階調値から画像再生データを生成するコントローラユニットと,画像再生データを供給されて画像再生データに基づいて画像を形成する印刷エンジンとを有する。
コントローラユニットは,例えば8ビットの入力階調値から画像再生データを出力するハーフトーン処理部を有する。ハーフトーン処理部は,入力階調値の階調を,印刷されるドットの面積率で表現するAMスクリーンや,印刷されるドットの密度で表現するFMスクリーンなどに対応する所定のガンマ特性に基づいて,印刷エンジンに適合した画像再生データを出力する。そのために,たとえば,ハーフトーン処理部は入力階調を画像再生データに変換する変換テーブルを有する。一方,印刷エンジンは,例えば電子写真の場合は,画像再生データに基づいて帯電した感光体ドラムにエネルギー光を照射して潜像を形成し,その潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し,それを印刷用紙などの印刷媒体に転写する。
このような画像形成装置では,画像データの入力階調と印刷媒体における出力濃度とが一致する理想的なリニアな関係であることが望まれる。設計段階では,印刷エンジンの特性に基づいて入力階調と出力濃度とがリニアな関係になるように,ハーフトーン処理部の変換テーブルが設計される。しかしながら,工場出荷時における印刷エンジンの特性ばらつきに起因して,または経年変化や環境変化による印刷エンジンの特性変動に起因して,上記のリニアな関係を維持することができない場合がある。
そこで,パッチ画像用の画像データに基づいて,印刷エンジンの感光体ドラムや中間転写媒体などに複数階調数のパッチ画像を形成し,そのパッチ画像の出力濃度を濃度センサで読み取り,入力階調値と読み取られた出力濃度(正確には紙上出力濃度)との関係を取得し,その関係が理想的なリニア特性になるように補正ガンマテーブルを作成し,それに基づいてハーフトーン処理部の変換テーブルを補正することが提案されている。または,補正ガンマテーブルによって入力階調値を補正し,補正された入力階調値をハーフトーン処理部で画像再生データに変換することが提案されている。このように階調補正により出力濃度を一定に保つ処理を,自動画像濃度制御処理という。
上記の自動画像濃度制御処理は,例えば,以下の特許文献1,2,3に記載されている。
特開2000−56525号公報 特開2006−33402号公報 特開2004−102239号公報
上記のとおり,自動画像濃度制御処理では,パッチ画像を濃度センサで読み取り,読み取られた出力濃度値とパッチ画像の入力階調値との関係を取得し,その関係に基づいて補正ガンマテーブルを作成する。したがって,濃度センサに特性ばらつきがあり,濃度センサにより検出される出力濃度の値にばらつきがあると,パッチ画像の入力階調値と読み取られた出力濃度値との関係が不適切になり,適切な補正ガンマテーブルを作成することはできない。
ところが,コストダウンの要請からパッチ画像の出力濃度を検出する濃度センサを高価で高精度なものにすることができない。そのため,濃度センサの特性ばらつきにより,入力階調値と濃度センサで読み取られた出力濃度値との関係が現実の印刷エンジンの特性と食い違うことになり,理想的な特性,たとえばリニアな特性,への補正をすることができなくなる。
つまり,印刷エンジンの特性に変動がなくても,自動画像濃度制御処理のたびに取得される入力階調値と出力濃度値との関係が濃度センサ出力のばらつきに起因して変動すると,不適切な補正ガンマテーブルが作成されてしまう。
そこで,本発明の目的は,適切に自動画像濃度制御処理を行うことができる画像形成装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために,本発明の第1の側面によれば,コントローラユニットと印刷エンジンとを有する画像形成装置において,コントローラユニットは,印刷エンジンにパッチ画像を形成させ,濃度センサによりセンサ値を取得し,パッチ画像の入力階調値とセンサ値から求められる出力濃度との特性に基づいて補正ガンマテーブルを生成する画像濃度制御処理を行う。そして,コントローラユニットは,画像濃度制御処理において,濃度センサのセンサ値を,現在のセンサ値と過去のセンサ値とを所定の比率で加重平均して求めるセンサ値補正処理を行い,当該加重平均されたセンサ値に基づいてパッチ画像の出力濃度値を取得する。加重平均されたセンサ値を使用することでセンサ値のばらつきによる信頼性低下を抑制できる。
好ましい態様によれば,前記コントローラユニットは,前記画像濃度制御処理が所定回数を越えると,前記加重平均の比率について現在のセンサ値の重みを増加し過去のセンサ値の重みを減少させる。
好ましい態様によれば,前記コントローラユニットは,定常状態にある印刷エンジンで形成したパッチ画像に対して濃度センサにより取得した定常センサ値をあらかじめ保存し,前記センサ値補正処理で,前記過去のセンサ値に前記定常センサ値を含めて前記現在のセンサ値と過去のセンサ値との加重平均を求める。
好ましい態様によれば,前記コントローラユニットは,前記印刷エンジンの消耗品の寿命が末期の場合,または,前記消耗品が純正品以外の場合,前記センサ値補正処理で,前記濃度センサのセンサ値を,前記定常センサ値と現在のセンサ値とを1対1の比率で加重平均して求める。
好ましい態様によれば,前記コントローラユニットは,前記画像濃度制御処理が初回の場合,前記センサ値補正処理で,前記濃度センサのセンサ値を,前記定常センサ値と現在のセンサ値とを1対1の比率で加重平均して求める。
好ましい態様によれば,前記コントローラユニットは,前記画像濃度制御処理が初回の場合,前記センサ値補正処理で,前記濃度センサのセンサ値を,複数回取得したセンサ値を平均して求める。
好ましい態様によれば,前記コントローラユニットは,前記過去のセンサ値と前記画像濃度制御処理の回数とを保存し,さらに,それぞれ外部環境が異なる複数の環境ゾーン別に前記所定の回数と,前記定常センサ値とを保存し,前記複数の環境ゾーン別に前記センサ値補正処理を行う。また,前記コントローラユニットは,前記環境ゾーンが前回の前記画像濃度制御処理とは異なる環境ゾーンに変化した場合,前記画像濃度制御処理の回数を初回から行う。
上記の目的を達成するために,本発明の第2の側面によれば,コントローラユニットと印刷エンジンとを有する画像形成装置において,コントローラユニットは,印刷エンジンにパッチ画像を形成させ,濃度センサによりセンサ値を取得し,パッチ画像の入力階調値とセンサ値から求められる出力濃度との特性に基づいて補正ガンマテーブルを生成する画像濃度制御処理を行う。そして,コントローラユニットは,定常状態にある印刷エンジンで形成したパッチ画像に対して濃度センサにより取得した定常センサ値をあらかじめ保存し,画像濃度制御処理において,濃度センサのセンサ値を,現在のセンサ値と定常センサ値との加重平均して求めるセンサ値補正処理を行い,当該加重平均されたセンサ値に基づいてパッチ画像の出力濃度値を取得する。
以下,図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し,本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図1は,本実施の形態における画像形成装置の構成図である。図1には,画像形成装置の一例としてプリンタの構成が示される。プリンタ以外の画像形成装置としては,スキャナ機能を内蔵した複写機,ファクシミリなどにも適用できる。
プリンタ20は,ホストコンピュータ10にネットワークなどを介して接続され,ホストコンピュータ10にインストールされたプリンタドライバ12から印刷データを受信する。プリンタ20は,印刷データに基づいて画像再生データを生成するコントローラユニット200と,画像再生データに基づいて画像を形成する印刷エンジン250とを有する。
コントローラユニット200は,コントローラユニット全体を制御するCPU202と,画像データなどを格納するメモリ206と,印刷データを受信するインターフェースIFと,印刷データに基づく画像データをRGBからCMYKに色変換する色変換部208と,色変換されたCMYKの画像データの入力階調値を所定のガンマ特性に基づいて画像再生データに変換するハーフトーン処理部210と,画像再生データをパルス幅変調するパルス幅変調器212とを有する。さらに,不揮発性メモリ214内には,AMスクリーンやFMスクリーンなどに対応する特性を有するスクリーンガンマテーブル216と,補正ガンマテーブル218と,センサ値・紙上濃度値変換テーブル220と,自動画像濃度制御処理に伴う管理データ222とが記録されている。
ハーフトーン処理部210は,スクリーンガンマテーブル216を参照して,入力階調値を画像再生データに変換する。ハーフトーン処理部210は,たとえば,補正ガンマテーブル218で補正されたスクリーンガンマテーブル216を参照して,入力階調値を画像再生データに変換する。または,ハーフトーン処理部は,入力階調値を補正ガンマテーブル218に基づいて階調値変換を行い補正入力階調値を生成し,補正入力階調値を画像再生データに変換する。
印刷エンジン250は,エンジンコントローラ252と,レーザダイオードまたはライン状発光素子などからなる発光手段254と,感光体ドラム256と,図示しないトナーカートリッジ,現像ユニット,転写ユニット,定着ユニットなどを有する。そして,エンジンコントローラ252は,コントローラユニット200が生成する画像再生データに基づいて,発光手段254からビームを照射させて,感光体ドラム256上に潜像を形成し,現像ユニットにより潜像をトナー像に現像し,転写ユニットによりトナー像を印刷媒体,例えば用紙に転写し,定着ユニットにより用紙上にトナー画像を定着する。
印刷エンジン250は,さらに内蔵する濃度センサ260により,感光体ドラム上にまたは図示しない中間転写媒体上に形成されたトナー像の濃度を検出し,コントローラユニット200内のセンサインターフェースS−IFにそのセンサ値を出力させる。
[自動画像濃度制御]
プリンタのコントローラユニット200は,自動画像濃度制御プログラム204を有し,このプログラムを実行することで,入力階調値に対する印刷エンジンによる出力画像濃度が最適な特性を維持するように自動的に制御処理を行う。この自動画像濃度制御の概略は次の通りである。
まず,プリンタの電源起動時や,感光体ドラムや現像ユニットの置き換え時などの所定のタイミングで,低濃度から高濃度まで所定の階調ステップを有する階調値のパッチ画像を印刷エンジン250により形成する。具体的には,コントローラユニット200がパッチ画像データから画像再生データを生成し,印刷エンジン250がその画像再生データに対応するパッチ画像258を感光体ドラム256上に形成する。このパッチ画像258はトナー像であり,図示しない中間転写媒体上に形成されてもよい。そして,濃度センサ260がパッチ画像258の濃度を測定しそのセンサ値がコントローラユニット200に供給される。
自動画像濃度制御プログラム200は,このセンサ値に基づいて出力濃度値(紙上濃度値)を求め,パッチ画像データの入力階調値と出力濃度値との関係を示す入力階調・出力濃度特性を求める。そして,この入力階調・出力濃度特性が理想的なリニアな関係になるように,入力階調値を補正するための補正ガンマテーブル218を生成し,不揮発性メモリ214に記録する。そして,ハーフトーン処理部210は,この補正ガンマテーブル220に基づいてスクリーンガンマテーブル216を補正した補正スクリーンガンマテーブル216を参照して,入力階調値データを画像再生データに変換する。または,ハーフトーン処理部210は,補正ガンマテーブル218を参照して入力階調値データを補正し,補正された入力階調値データをスクリーンガンマテーブル216を参照して画像再生データに変換する。
図2は,自動画像濃度制御プログラムによる制御手順を示すフローチャート図である。そして,図3〜図5は自動画像濃度制御において生成される各種のグラフを示す図である。これらを参照して自動画像濃度制御について詳述し,その後,その問題点と本実施の形態による自動画像濃度制御を説明する。
図2において,前述のとおり自動画像濃度制御プログラムはパッチ画像を生成する(S10)。パッチ画像は,印刷可能な256階調をパッチ階調数Pmaxに応じて255/(Pmax−1)の等間隔に区分した入力階調値を有するパッチパターンからなる。そして,プリンタ20は,印刷エンジンの通常印刷時に使用するスクリーンガンマテーブルを用いて,パッチ画像データから画像再生データを生成し,それに基づきパッチ画像258を感光体ドラム256上に形成する。
次に,印刷エンジン内の感光体ドラム256上のパッチ画像258について濃度センサ260のセンサ値を取得する(S12)。図3(A)は,パッチパターンの入力階調値に対するセンサ値を示すグラフ例である。図3(A)の横軸は0〜255の入力階調値,縦軸は0〜1023のセンサ値を示す。
ここで本明細書において,センサ値は規格化されたセンサ値を意味する。規格化センサ値とは,検出したセンサ値(電圧値)をセンサの規格化電圧(例えば5V)と受光光がない時の電圧(センサオフセット電圧)との間で10ビット(0〜1023)に規格化した値である。従って,センサの規格化電圧は1023に,センサオフセット電圧は0に規格化され,感光体上にトナーが付着していない状態(紙白,最小濃度に対応)は1023側の高い値に,トナーの面積率が100%のベタ状態(最大濃度に対応)は0側の低い値に規格化される。よって,規格化センサ値は,センサの出力電圧つまりセンサ値と実質的に同じ絶対的な値として使用することができる。例えば,規格化センサ値が200なら紙上濃度は1.42,規格化センサ値が120なら紙上濃度は1.63,240なら1.38などに対応する。以下,規格化センサ値を単にセンサ値と称する。
図3(A)の横軸の入力階調値について,パッチパターンの階調値Pi(0≦i<Pmax)は,以下の式により求められる。この式でINTは切り捨て処理であり,この式により階調数がPmaxのパッチパターンの入力階調値が0〜255階調レンジに等間隔に配置される。
Pi = INT((i * 255.) / (Pmax - 1) + 0.5)
図3(A)に示されるとおり,最小濃度に対応する入力階調値0では,センサ値は約720,最大濃度に対応する入力階調値255では,センサ値は約160になっている。
次に,センサ値を紙上濃度値に変換する(S14)。すなわち,あらかじめ求めておいたセンサ値・紙上濃度値変換テーブルを使用して,各パッチパターンの紙上濃度値(出力濃度値)を求める。図3(B)はセンサ値・紙上濃度値変換テーブルの一例である。横軸は,0〜1023のセンサ値を0〜255のセンサ値に変換した値で,縦軸が紙上濃度値である。この変換テーブルは,事前にパッチ画像を印刷媒体の紙上に形成しその紙上濃度を測色器で測定して取得した紙上濃度とパッチパターンのセンサ値とからなる。
図4(A)は,図3(A)(B)から,センサ値を紙上濃度値(出力濃度値)に変換して,パッチパターンの入力階調値と紙上濃度値との対応を示すグラフである。図4(A)では,図3のセンサ値・紙上濃度変換テーブルを用いて,センサ値を変換した出力濃度値(黒丸)と,パッチ画像を測色器で実測した濃度値(白丸)が重ねて示されている。この黒丸のプロットが,入力階調値とセンサ値に基づく出力濃度値の関係を示す入力階調・出力濃度特性であり,理想的にはリニアな関係であることが望ましい。
ただし,印刷エンジンに内蔵される濃度センサ260は,コスト削減のために精度が高くないセンサを使用せざるを得ない。そのためセンサ値にはばらつきや誤差が含まれ,それを紙上濃度値に変換すると,入力階調値に対して紙上濃度値が上下にばらつき濃度値の逆転状態が生じることがある。例えば図4(A)では,実測の白丸のプロットが単調増加しているのに対し,図4(B)でのセンサ値を変換した濃度の黒丸のプロットでは,入力階調値の増加に対応して黒丸のセンサ変換濃度は単調に増加していないところがある。つまり,入力階調値IN1,IN2(>IN1)に対応する紙上濃度値D1,D2がD1>D2に逆転する現象である。そこで,紙上濃度値Di(0≦i<Pmax)を補正して,紙白濃度D〜ベタ濃度DPmax−1に逆転状態が発生しないようにすることが望ましい。
この補正は,具体的には,第1逆転補正として,低階調側の濃度Diが高階調側の濃度Di+1より高ければ,高階調側の濃度Di+1を低階調側濃度Diに置き換える。つまり,もしDi>Di+1ならDi+1=Diとする。第1逆転補正した結果が,図4(B)内に三角でプロットされている。
次に,第2逆転補正として,ある階調xの濃度Dxと同一濃度がn個連続していた場合,階調(x - n/2)から階調(x + n)までの濃度を直線補間により置き換える。すなわち,以下の式による演算を行う。これにより,同一濃度Dxが連続することがなくなり,階調(x - n/2)から階調(x + n)までの濃度Dをなだらかに増加させることができる。第2逆転補正した結果が,図4(B)内に白丸でプロットされている。
最後に,平滑化処理として,上記の第1,第2の逆転補正した濃度値Diについて,前後7点による重み付け平均化を行う。具体的な演算式は,以下の通りである。3つの式のうち,下の2つの式は最小濃度と最大濃度近傍の濃度値に対する演算式である。
図4(B)には,上記の第1の逆転補正と第2の逆転補正と平滑化処理を行った後のそれぞれの値をプロットしたグラフが示されている。検出されたセンサ値から変換された濃度(黒丸)のばらつきは,これらの処理により単純増加する紙上濃度値(破線と黒菱形)に補正されている。
図5(A)が,図4(A)の紙上濃度値を補正した結果に対する入力階調値と紙上濃度値との関係を示すグラフ図である。図5(A)には,センサ値から変換され逆転補正された濃度値(黒丸)に,パッチ画像を測色器で実測した濃度値(白丸)が重ねて示されている。この例では,センサ値から変換した紙上濃度値を信号処理した結果,実測濃度値とほぼ一致している。図5(A)には,理想的なリニアな特性IDEAを一点鎖線で示している。このリニアな特性IDEAに比較すると,実際の出力濃度が低めにつまり淡い画像が形成されていることが理解できる。
次に,自動画像濃度制御プログラムは,図5(A)の入力階調・出力濃度特性がリニアな特性IDEAになるような補正ガンマテーブルを生成する(S18)。この補正ガンマテーブルは,図5(A)の得られた紙上濃度値を,所望の濃度値に補正するためのテーブルであり,ここでは入力階調値に応じて出力濃度がリニアとなるように補正を行うためのテーブルを作成する。図5(B)が補正ガンマテーブルの例である。その後の通常印刷では,この補正ガンマテーブルに基づいて入力階調が補正される(S20)。補正ガンマテーブルにしたがう階調補正S20は,次の自動画像濃度制御のタイミングまで継続する。
この補正ガンマテーブルは,補正前の入力階調値64は,補正後の入力階調値56.73で使用するようにすれば,出力濃度56.73を得ることができることを意味している。つまり,補正前では,ある入力階調値に対して得られる紙上濃度値が,図5(A)の入力階調・出力濃度特性によれば理想値よりも低くなり出力画像が淡く印刷されることが判明したため,入力階調値56.73を補正ガンマテーブルにより64に階調変換し,その変換した入力階調値64をハーフトーン処理部に入力することで,より濃い画像を出力させることができるようになる。
図6は,補正ガンマテーブルを使用したハーフトーン処理部を示す図である。このハーフトーン処理部210は,補正後入力階調値INa=56.73を補正ガンマテーブル218で補正前入力階調値INb=64に変換し,それをスクリーンガンマテーブル216で変換して画像再生データを生成する。この画像再生データにより印刷された出力濃度Dが56.73になり,補正後入力階調値と同じ階調値になりリニアな特性になっている。
ハーフトーン処理部210は,補正ガンマテーブル218に基づいてスクリーンガンマテーブル216を補正し,その補正されたスクリーンガンマテーブルにより,補正後入力階調値INaを画像再生データに変換してもよい。
図7は,上記の自動画像濃度制御についてまとめたグラフ図である。図7(A)がパッチ画像に基づく入力階調値に対するセンサ値のグラフ図であり,図3(A)と同じである。横軸の入力階調値は,図6における補正前入力階調値INbに対応する。図7(B)がセンサ値と紙上濃度値のグラフ図であり,図3(B)と同じである。そして,図7(C)が理想的な入力階調値と紙上濃度値(出力濃度値)のグラフ図であり,センサ値から変換した紙上濃度値の最大値(D=1.6)と紙上濃度値の最小値(D=0.1)との間でリニアな関係になっている。
そして,図7(D)が,理想的なリニアな関係の入力階調値と紙上濃度値の関係になるようにするための,補正前入力階調値INbと補正後入力階調値INaとの関係を示す補正ガンマテーブルである。図6で説明したとおり,補正後入力階調値INaは補正ガンマテーブルにより補正前入力階調値INbに変換され,スクリーンガンマテーブルで画像再生データに変換される。図7(D)にも,補正前入力階調値INa=56.73と補正後入力階調値INb=64との関係が示される。
[濃度センサの問題点]
コストダウンの要請から精度の高くない濃度センサを印刷エンジン内に設けることが求められる。かかる濃度センサにより取得されるセンサ値はばらつきが大きく信頼性が低い。また,高精度の濃度センサを設けたとしても,感光体ドラムの表面のばらつきや,エンジン動作に伴う振動の影響など,様々な外的要因によりセンサ値がばらつくこともある。
センサ値にばらつきが存在すると,図7(A)の入力階調値とセンサ値の特性が正しくなく,それに基づいて図7(D)の補正ガンマテーブルを生成すると,通常の画像形成において不適切に階調補正が行われ,入力階調値と紙上濃度値とを理想的な特性にすることができない。
図8は,センサ値がばらついた例を示すグラフ図である。図8(a)は,パッチ画像を測色器で測定した場合のパッチ画像の入力階調値と紙上濃度との関係を示す。2回パッチ画像を形成しそれぞれについて測色器で紙上濃度を測定した。四角の紙上濃度1は1回目,三角の紙上濃度2は2回目のパッチ画像の測定値である。2つの紙上濃度はわずかにずれてはいるが,ほぼ同一の濃度特性である。
図8(b)は,2回パッチ画像を形成しそれぞれについて濃度センサでセンサ値を取得したものである。センサ値1とセンサ値2は,1回目と2回目のセンサ値をそれぞれ示す。2つのセンサ値は,大きくばらついていることがわかる。
そして,図8(c)(d)は,図8(b)のセンサ値1,2を紙上濃度に変換した予測紙上濃度1,2と,図8(a)の測色器で測定した紙上濃度1,2とを重ねて示している。図8(c)(d)で示されるとおり,1回目と2回目の入力階調値と測色器の紙上濃度値との関係はほぼ同一であっても,それぞれで取得したセンサ値1,2が一定でないので,センサ値から変換した予測紙上濃度は,測色器の紙上濃度値とずれている。
[本実施の形態における自動画像濃度制御]
図9は,本実施の形態における自動画像濃度制御プログラムによる制御フローチャート図である。図9のフローチャートは,図2と比較すると,センサ値を補正する工程S13が追加されていて,それ以外の手順は図2と同じである。そこで,この新たに追加されたセンサ値の補正工程S13について詳述する。
センサ値の補正工程S13では,今回取得したセンサ値の信頼性を高くするために,過去に取得したセンサ値との加重平均値を演算し,その加重平均されたセンサ値をセンサ値として利用する。つまり,この加重平均により得られた補正センサ値に基づいて,工程S14〜S20の自動画像濃度制御を行う。
センサ値の補正は,次のようにして行われる。
(1)今回取得した現在センサ値と,過去のセンサ値との平均値を,補正センサ値とする。ただし,自動画像濃度制御工程が工場出荷後の初回,または感光体ドラムやトナーカートリッジを取り替えた時(リセット時)の後の初回の場合は,あらかじめ求めておいた複数回のセンサ値の平均値(定常センサ値)と現在のセンサ値とを加重平均し,今回の補正センサ値とする。もしくは,自動画像濃度制御工程が工場出荷後の初回または感光体ドラムやトナーカートリッジを取り替えた時(リセット時)の後の初回の場合は,形成したパッチ画像について複数回センサ値を取得しそれらの平均値を今回の補正センサ値とする。
現在のセンサ値にばらつきがあるので,過去のセンサ値との平均値を今回の補正センサ値とすることで,センサ値の信頼性を高めることができる。ただし,過去のセンサ値が蓄積されていない初回時は,定常センサ値との加重平均か,複数回のセンサ値の平均値かを補正センサ値にすることで,同様にセンサ値の信頼性を高めることができる。
(2)各自動画像濃度制御工程において加重平均して求めた補正センサ値を過去のセンサ値として記憶しておき,次の自動画像濃度制御工程では,その過去のセンサ値と現在取得したセンサ値とを加重平均して,今回の補正センサ値とする。過去のセンサ値の重みを加重平均した回数「N」にし,現在のセンサ値の重みを「1」にするのが望ましい。このようにすることで,過去のセンサ値を全て保存する必要がなく,メモリ容量を節約することができる。
(3)工場出荷後またはリセット後,所定回数(M回目)以降の自動画像濃度制御工程では,過去のセンサ値の重み付け値を現在のセンサ値の重み付け値より低くして,過去のセンサ値と現在のセンサ値とを加重平均し,それを今回の補正センサ値とする。このようにすることで,ある程度の回数のセンサ値で加重平均を取ったあとは,現在のセンサ値の重み付け値を高くして,印刷エンジンの経年変化により追従できるようにすることができる。
(4)温度(低温,常温,高温)と湿度(低湿,常湿,高湿)で決定される環境状態を9つの環境ゾーンに区分けし,環境ゾーン別に定常センサ値と所定回数(M回)を記憶しておき,自動画像濃度制御処理内のセンサ値補正工程を,環境ゾーン別に管理する。したがって,外部環境が変化して環境ゾーンが変更されたとき,感光体ドラムやトナーなどの消耗品が取り替えられた時(リセット時)などでは,新たに対応する環境ゾーンで補正回数などを管理する。なお,過去のセンサ値と補正回数は,それぞれ記憶されるが,これらは環境ゾーン別に記憶する必要はなく,直前に自動画像濃度制御処理を行った環境ゾーンがどこの環境ゾーンであるかの情報が保持されていればよい。
異なる環境状態では印刷エンジンの特性も異なるので,環境ゾーン別に定常センサ値と所定回数(M回)の管理をすることが望ましい。通常,プリンタがある場所に設置されると,一定の期間内では環境ゾーンも固定化される。また,消耗品が取り替えられると過去のセンサ値の信頼性はなくなるので,新たに補正回数と過去のセンサ値の管理が必要になる。
(5)感光体ドラムやトナーカートリッジなどの消耗品寿命が近づいたときは,定常センサ値と現在のセンサ値とを常に1:1の割合で加重平均を行い,今回の補正センサ値とする。消耗品寿命が近づくと通常状態とは異なるパッチ画像が生成されるので,理想的なセンサ値である定常センサ値と現在のセンサ値とを1:1の割合で加重平均をとることが望ましい。過去のセンサ値を加重平均の対象にはしないのが望ましい。
(6)同様に,メーカ純正消耗品以外の品質未確認の消耗品を検知した場合も,定常センサ値と現在のセンサ値とを常に1:1の割合で加重平均を行い,今回の補正センサ値とする。品質未確認の消耗品の場合センサ値のばらつきの程度が予測できないので,定常センサ値と現在のセンサ値とを常に1:1の割合で加重平均をとるのが望ましい。
(7)そして,メーカ純正消耗品以外の品質未確認の消耗品を検知した場合,自動画像濃度制御工程による補正ガンマテーブルのアップデート頻度をより高くする。品質未確認の消耗品の場合の印刷エンジンの経年変化の傾向が予測できないので,より出力濃度特性の補正の頻度を高くして,印刷エンジンの特性変化をより高い頻度で監視することが望ましい。
図10は,第1のセンサ値補正工程を示すフローチャート図である。図11は,環境ゾーンを示す図である。センサ値の補正工程は,環境ゾーン別に管理される。図11の例では,温度を18℃以下の低温,18〜28℃の常温,28℃以上の高温とに区分けし,湿度を40%以下の低湿,40〜60%の常湿,60%以上の高湿とに区分けし,それらの組み合わせで決定される9つの環境状態のゾーンに区分けし,各環境ゾーン毎に定常センサ値CTH1〜CTH9と定常状態回数Mとを図1の不揮発性メモリ214内のAIDCデータ領域222内に記憶する。
図10のフローチャート図に示されるとおり,センサ値補正工程S13では,自動画像濃度制御プログラム204により,環境変動により環境ゾーンを変更すべきか否か,消耗品が交換されたか否かを判断する(S30)。いずれかがYESの場合は,補正回数Nを0にリセットもしくは環境ゾーンを変更する(S31)。環境ゾーンを変更されるとその補正回数Nも0にリセットされる。また,プログラム204により,消耗品が寿命末期か否かを判断する(S32)。寿命末期の場合は(YES),補正回数Nを0にリセットする。工程S30,S32でいずれもNOの場合は,環境ゾーンの変更はなく,補正回数Nを+1する(S34)。以下,環境ゾーンは常温・常湿NNの場合と仮定して説明する。
補正回数N=1回(初回)の場合は(S35のYES),プログラム204により,対応する環境ゾーン内の定常センサ値CTH5と現在のセンサ値とを1:1で加重平均を計算する(S36)。この加重平均の演算式は,以下のN=1の式のとおりである。ここで,CTH(x)は定常センサ値,S(x)は1回目の現在のセンサ値,S’(x)は加重平均された補正センサ値である。また,xは入力階調値0〜255である。
ここで,定常センサ値について説明する。図12は,定常センサ値の一例を示す図である。横軸がパッチ画像の入力階調値,縦軸がセンサ値にそれぞれ対応する。横軸の入力階調値は0〜255,縦軸のセンサ値は補正精度向上のために16ビットの精度で0〜65535である。この16ビットのセンサ値は,8ビット(あるいは10ビット)の正規化センサ値を16ビットの精度に正規化することで得ることができる。この正規化の演算式は以下のとおりである。ここで,センサの精度がLビットの場合,センサ値sの16ビットの正規化センサ値Sは,以下の演算式による。
そして,定常センサ値CTHは,各環境ゾーン毎にCMYKそれぞれのデータを有する。つまり,各ゾーンで,16ビット×256階調×4色=2048バイトのデータ量がAIDCデータ領域内に保存される。
この定常センサ値は,パッチ画像の出力濃度の変動が少ない安定した状態の印刷エンジンで取得されたパッチ画像に対するセンサ値の平均値である。たとえば,設計工程において,試作品のプリンタが安定状態にあるとき,パッチ画像の生成とそのセンサ値の取得を複数回行い,取得した複数のセンサ値の平均値が定常センサ値になる。したがって,定常センサ値は,理想的な印刷エンジンに対応した入力階調値に対する平均センサ値であり,センサ値のばらつきが抑制または除かれた信頼性の高い値である。
上記のS36で,定常センサ値CTH5と現在のセンサ値とを1:1で加重平均して,工程S40でそれを今回の補正センサ値として保存する。つまり,現在のセンサ値にばらつきが含まれていても,信頼性の高い定常センサ値CTH5と現在のセンサ値とを1:1で加重平均とることにより,取得したセンサ値の低い信頼性を回避し,補正されたセンサ値の信頼性を高くすることができる。この補正センサ値は,AIDCデータ領域内に保存される。
次に,2回目の自動画像濃度制御工程でセンサ値補正S13が行われると,補正回数N=2になるので,工程S35がNOとなり,N=2,M=4であるので工程S37がNOとなり,前回に保存していた加重平均された補正センサ値S’(x)と,今回のセンサ値S(x)とが,N:1で加重平均され,新たに加重平均された補正センサ値S’(x)が求められる(S38)。つまり,上記の加重平均演算式の2番目の演算式により求められる。なお,2回目であるのでN=2となり,前回の加重平均された補正センサ値S’(x)と,今回のセンサ値S(x)とのN:1での加重平均値は,定常センサ値CTH(x)と前回のセンサ値S(x)と今回のセンサ値S(x)との平均値と一致する。
さらに,3回目では,工程S35,S37が共にNOとなり,上記と同様に,前回に保存していた加重平均された補正センサ値S’(x)と,今回のセンサ値S(x)とが,N:1で加重平均され,新たに加重平均された補正センサ値S’(x)が求められる(S38)。
同様に,4回目でも,工程S35,S37が共にNOとなり,上記と同様に,前回に保存していた加重平均された補正センサ値S’(x)と,今回のセンサ値S(x)とが,N:1で加重平均され,新たに加重平均された補正センサ値S’(x)が求められる(S38)。
そして,5回目以降はN>Mとなるので,工程S35がNO,工程S37がYESとなり,前回に保存していた加重平均された補正センサ値SN−1’(x)と,今回のセンサ値S(x)とが,M:1で加重平均され,新たに加重平均された補正センサ値S’(x)が求められる(S39)。補正回数NがM=4回を越えると,加重平均の重みの比率はN:1ではなく,M:1に固定される。この演算式は上述の加重平均演算式の3番目の演算式である。
図13は,加重平均演算の過去のセンサ値と現在のセンサ値との重みの補正回数に対する推移を示す図である。補正回数Nが初回のN=1からM回目のN=Mまでは,過去のセンサ値と現在のセンサ値との重みは1:1に維持される。これにより,現在のセンサ値のばらつきによる信頼性低下を抑制することができる。一方,補正回数NがN=Mを越えると,加重平均の比率がM:1に固定されるので,過去のセンサ値の重みがより低くなり,現在のセンサ値の重みがより高くなる。その結果,センサ値のばらつきを抑制しつつ現在のセンサ値による印刷エンジンの経年変化により追従した補正センサ値を得ることができる。
図13のセンサ値補正工程で,消耗品の寿命が末期の場合(S32のYES),補正回数Nは0にリセットされる。つまり,消耗品の寿命が末期になると,毎回のセンサ値補正工程で補正回数N=1とされ(S34),定常センサ値と現在のセンサ値とが1:1で加重平均される。つまり,トナーカートリッジが末期になるとトナー粒径が通常の粒径より大きくなるなどして,現在のセンサ値のばらつきは大きくなりその信頼性は非常に低下する。したがって,理想的な定常センサ値CTH(x)と現在のセンサ値S(x)とを1:1の割合で加重平均することで,現在のセンサ値の低い信頼性の影響を少なくすることができる。
図14は,第2のセンサ値補正工程を示すフローチャート図である。この例では,環境ゾーンに対応する定常センサ値CTH(x)を有していない。工程S30〜S34は,図10の第1のセンサ値補正工程と同じである。そして,第2のセンサ値補正工程では,1回目では(S35がYES),パッチ画像について複数回,たとえばM回センサ値を取得し,その平均値を算出する(S50)。この平均値が補正センサ値として保存される(S40)。そして,2回目以降は(S35がNO),前回に保存していた加重平均された補正センサ値SN−1’(x)と,今回のセンサ値S(x)とが,M:1で加重平均され,新たに加重平均された補正センサ値S’(x)が求められる(S51)。そして,この加重平均された補正センサ値がメモリに保存される(S40)。
同様に,環境が変動したり消耗品が交換されるリセット時(S30,S32のYES)の後の1回目も上記と同様にセンサ値がM回取得されその平均値が補正センサ値となる。また,消耗品の寿命が末期の場合(S32のYES)も同様にセンサ値がM回取得されその平均値が補正センサ値となる。
上記の通り,最初またはリセット後の1回目,もしくは消耗品が寿命に近づいた時に,複数回のセンサ値を取得して平均をとるので,センサ値のばらつきによる信頼性低下を抑制することができる。しかも,2回目以降は,その補正回数Nにかかわりなく,前回の加重平均されたセンサ値と今回のセンサ値とをM:1で加重平均をとるので,現在のセンサ値の重みが重くなり,印刷エンジンの経年変化に追従することができる。
以上のとおり,本実施の形態におけるセンサ値補正工程での加重平均処理の意味は,次のとおりである。1回の補正処理で得られるセンサ値はセンサ精度によるばらつきや,様々な外的要因によって正しい値と見ることができない。そこで,過去の補正処理で得られた複数のセンサ値との平均を取って補正することで,得られた補正センサ値の信頼性を高める。ただし,過去の複数のセンサ値をすべて保存しておくには大容量のメモリが必要になるので,同等の効果を得るために過去の加重平均された補正センサ値の比重を高めた加重平均を用いる。
温湿度の関係から成る環境ゾーンの変更や消耗品変更がない限り,出力濃度特性は緩やかに変化するので,各補正処理で加重平均してセンサ値を補正しても十分な効果が得られる。
逆に,環境ゾーンの変更や消耗品変更があった場合には,出力濃度特性は大きく変化する可能性が高い。よって,この場合には過去の特性として設計時に予め求めておいた定常状態における定常センサー特性と現在のセンサ値とで加重平均(単に平均)を取る。出力濃度特性が大きく変動している可能性がある場合,センサ特性にも大きく誤差が含まれる可能性が高いため,設計時の理想的なセンサ特性である定常センサ特性と現在のセンサ値とを平均化することで,その誤差を緩和することができる。
また,1回目以降に補正を続けて行く際には,過去のセンサ値として保存してある加重平均されたセンサ値の割合を増やすことで,補正時のエンジンの平均的な出力濃度特性を反映し易くする。
最後に,補正回数がある程度(M回)に達すれば,過去の補正センサ値として保存してある加重平均センサ値は十分に信頼性が高くなるので,それ以後は加重平均の割合を固定し(1/M+1),補正時に得られる現在のセンサ値の特性を反映し易くすることで補正時点の出力濃度特性の変化を反映しやすくする。
さらに,温湿度の関係から成る環境ゾーンの変更や消耗品変更があった場合に加えて,消耗品寿命末期や非純正消耗品を検知した場合も加重平均処理が異なる。例えば,トナー寿命間近のような消耗品寿命末期は,トナーの粒径が定常状態とは大きく異なるため,得られるセンサ特性の信頼性は極端に低くなる。そこで補正時は,得られたセンサ特性と各ゾーンにおける定常特性とを常に1:1で平均化することで誤差を緩和する。また,非純正消耗品を検知した場合には正しいセンサ特性が得られる保証がないので,この場合にも得られたセンサ特性と各ゾーンにおける定常センサ特性とを常に1:1で平均化することで誤差を緩和する。更に,非純正消耗品を検知した場合には,純正消耗品と比べて安定性を保証することができないので,補正処理の頻度を例えば倍にして,安定性を向上するようにする。
図15は,本実施の形態によるセンサ値補正を行ったときの,補正回数1〜8毎の実測濃度値と予測濃度値との関係を示す図である。すなわち,図10の第1のセンサ値補正にしたがって,環境ゾーンNNにおける消耗品交換を行った直後の補正回数1〜8と,測色器による実測濃度特性と,センサ値から求めた予測濃度特性とを示す。これによれば,補正1回目,2回目でわずかに実測濃度値と予測濃度値との間にずれが見られるが,3回目以降はずれが減少している。
図16は,センサ値補正を行わなかったときの,補正回数1〜8毎の実測濃度値と予測濃度値との関係を示す図である。毎回取得されるセンサ値にばらつきが含まれているため,毎回,測色器による実測濃度特性とセンサ値から求めた予測濃度特性とが大きくずれている。補正7回目,8回目においても大きなずれが存在している。
本実施の形態における画像形成装置の構成図である。 自動画像濃度制御プログラムによる制御手順を示すフローチャート図である。 自動画像濃度制御において生成される各種のグラフを示す図である。 自動画像濃度制御において生成される各種のグラフを示す図である。 自動画像濃度制御において生成される各種のグラフを示す図である。 補正ガンマテーブルを使用したハーフトーン処理部を示す図である。 自動画像濃度制御についてまとめたグラフ図である。 センサ値がばらついた例を示すグラフ図である。 本実施の形態における自動画像濃度制御プログラムによる制御フローチャート図である。 第1のセンサ値補正工程を示すフローチャート図である。 環境ゾーンを示す図である。 定常センサ値の一例を示す図である。 加重平均演算の過去のセンサ値と現在のセンサ値との重みの補正回数に対する推移を示す図である。 第2のセンサ値補正工程を示すフローチャート図である。 本実施の形態によるセンサ値補正を行ったときの,補正回数1〜8毎の実測濃度値と予測濃度値との関係を示す図である。 センサ値補正を行わなかったときの,補正回数1〜8毎の実測濃度値と予測濃度値との関係を示す図である。
符号の説明
20:プリンタ 200:コントローラユニット
204:自動画像濃度制御プログラム 210:ハーフトーン処理部
216:スクリーンガンマテーブル 218:補正ガンマテーブル
222:AIDCデータ

Claims (12)

  1. 入力階調値を有する画像データに基づいて画像を形成する画像形成装置において,
    所定のガンマ特性に基づいて前記入力階調値から画像再生データを生成するハーフトーン処理部を有するコントローラユニットと,
    前記画像再生データに基づいて前記入力階調値に対応する出力濃度の画像を形成する印刷エンジンとを有し,
    前記コントローラユニットは,複数の入力階調値を有するパッチ画像データから画像再生データを生成して印刷エンジンにパッチ画像を形成させ,前記印刷エンジン内の濃度センサのセンサ値に基づいて前記パッチ画像の出力濃度値を取得し,前記パッチ画像データの入力階調値と前記出力濃度値との関係を示す入力階調・出力濃度特性に基づいて,補正ガンマテーブルを生成する画像濃度制御処理を行い,
    前記ハーフトーン処理部は,前記補正ガンマテーブルに基づいて前記入力階調値から前記画像再生データを生成し,
    更に,前記コントローラユニットは,前記画像濃度制御処理において,前記濃度センサのセンサ値を,現在のセンサ値と過去のセンサ値とを所定の比率で加重平均して求めるセンサ値補正処理を行い,当該加重平均されたセンサ値に基づいて前記パッチ画像の出力濃度値を取得することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1において,
    前記コントローラユニットは,前記画像濃度制御処理が所定回数を越えると,前記加重平均の比率について現在のセンサ値の重みを増加し過去のセンサ値の重みを減少させることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2において,
    前記コントローラユニットは,定常状態にある印刷エンジンで形成したパッチ画像に対して濃度センサにより取得した定常センサ値をあらかじめ保存し,前記センサ値補正処理で,前記過去のセンサ値に前記定常センサ値を含めて前記現在のセンサ値と過去のセンサ値との加重平均を求めることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3において,
    前記コントローラユニットは,前記印刷エンジンの消耗品の寿命が末期の場合,または,前記消耗品が純正品以外の場合,前記センサ値補正処理で,前記濃度センサのセンサ値を,前記定常センサ値と現在のセンサ値とを1対1の比率で加重平均して求めることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項3において,
    前記コントローラユニットは,前記画像濃度制御処理が初回の場合,前記センサ値補正処理で,前記濃度センサのセンサ値を,前記定常センサ値と現在のセンサ値とを1対1の比率で加重平均して求めることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1または2において,
    前記コントローラユニットは,前記画像濃度制御処理が初回の場合,前記センサ値補正処理で,前記濃度センサのセンサ値を,複数回取得したセンサ値を平均して求めることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1において,
    前記コントローラユニットは,前記過去のセンサ値と前記画像濃度制御処理の回数とを保存し,前記複数の環境ゾーン別に前記センサ値補正処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項2において,
    前記コントローラユニットは,前記過去のセンサ値と前記画像濃度制御処理の回数とを保存し,さらに,それぞれ外部環境が異なる複数の環境ゾーン別に前記所定の回数を保存し,前記複数の環境ゾーン別に前記センサ値補正処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項3において,
    前記コントローラユニットは,前記過去のセンサ値と前記画像濃度制御処理の回数とを保存し,さらに,それぞれ外部環境が異なる複数の環境ゾーン別に前記所定の回数と前記定常センサ値とを保存し,前記複数の環境ゾーン別に前記センサ値補正処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項7乃至9のいずれかにおいて,
    前記コントローラユニットは,前記環境ゾーンが前回の前記画像濃度制御処理とは異なる環境ゾーンに変化した場合,前記画像濃度制御処理の回数を初回から行うことを特徴とする画像形成装置。
  11. 入力階調値を有する画像データに基づいて画像を形成する画像形成装置において,
    所定のガンマ特性に基づいて前記入力階調値から画像再生データを生成するハーフトーン処理部を有するコントローラユニットと,
    前記画像再生データに基づいて前記入力階調値に対応する出力濃度の画像を形成する印刷エンジンとを有し,
    前記コントローラユニットは,複数の入力階調値を有するパッチ画像データから画像再生データを生成して印刷エンジンにパッチ画像を形成させ,前記印刷エンジン内の濃度センサのセンサ値に基づいて前記パッチ画像の出力濃度値を取得し,前記パッチ画像データの入力階調値と前記出力濃度値との関係を示す入力階調・出力濃度特性に基づいて,補正ガンマテーブルを生成する画像濃度制御処理を行い,
    前記ハーフトーン処理部は,前記補正ガンマテーブルに基づいて前記入力階調値から前記画像再生データを生成し,
    更に,前記コントローラユニットは,定常状態にある印刷エンジンで形成したパッチ画像に対して濃度センサにより取得した定常センサ値をあらかじめ保存し,前記画像濃度制御処理において,前記濃度センサのセンサ値を,前記現在のセンサ値と前記定常センサ値との加重平均して求めるセンサ値補正処理を行い,当該加重平均されたセンサ値に基づいて前記パッチ画像の出力濃度値を取得することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1または11において,
    前記コントローラユニットは,前記印刷エンジンの消耗品が純正品以外の場合,前記画像濃度制御処理の頻度を,前記消耗品が純正品の場合よりも高くすることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019184691A (ja) * 2018-04-04 2019-10-24 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

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