JP2010050863A - スピーカーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】擬似呼吸球方式を採る球形スピーカーシステムの「筺体の小型化」と「定在波の減衰を促し、スピーカーユニット間の直接背面波による相互干渉を抑止する」ことにより中・高音域の周波数特性のピークやギャップの改善と音質向上を図り、尚且つ、これに伴う筺体容量の不足による低音域再生能力の低下を効率よく補うことで全周波数帯域に渡る音質向上を図る。
【解決手段】擬似呼吸球方式・全指向性球形スピーカーシステム10のように複数の同等スピーカーユニット13を球形筺体11の表面に均等に配置して同相駆動するスピーカーシステム10に於いて、各スピーカーユニット13から等距離である位置にヘルムホルツ共振による低音域補強を為す音響ポート15の筺体内側開口部16を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高品位音場再生の為のスピーカーシステムに関する。
高品位音場再生とは、コンサートホールやスタジオなどで収録された原音を、あたかも自宅のリビングルームにその奏者を招いたかの如く忠実に再生することであり、奏者の技量や録音現場の音響特性までもが、音の入り口から出口まで全く修飾されない再現性があってこそ、その先の芸術性を語ることが出来ると、本願発明者は考えている。
つまり、スピーカーシステムにあっては、入力された電気信号の全てを忠実に音波に変換して聴取空間に放射する機能に特化すべきであり、即ち、出力指向性周波数特性・出力音圧周波数特性いずれもがフラットなスピーカーシステムこそが、高品位音場再生に供するに相応しい、真に高性能なスピーカーシステムと言える。
本願発明者は、既に特願2007−223570号の明細書にて、高品位音場再生には「点音源・全指向性スピーカーシステム」が理想的であるとの旨を述べた。しかし、この「点音源・全指向性スピーカーシステム」は、理論上の理想像に過ぎず、現時点での最も近い実現方法としては、図7(a)に示すように、複数の同等音源を球面上に均等に配置し同相駆動することで「膨張・収縮することによって外部に音圧を放射するゴム毬様の球体(呼吸球)」を模した、「擬似呼吸球方式」が採られる(出力波の近似状態を図7(b)に示す。)。図中、符号2a〜2dは、複数の同等音源としてのスピーカーユニットである。
この、「擬似呼吸球方式」の実用化は、既に多くの先達により試みられてきたものであるが、本願発明者が知る限り、いずれもが何らかの課題を残しており、未だ完成の域に達しているとは云い難く、以下にその実例と残された課題を挙げる。
先ず、より簡便な方法として、球形あるいは正12面体や32面体と呼ばれる略球形の筺体表面に複数の同等のスピーカーユニットを配置し同相駆動する「擬似呼吸球方式」の球形スピーカーシステムは、特許文献1や特許文献2や特許文献3など多数あるが、残念ながら、いずれの先達も単に「球形あるいは正12面体や32面体と呼ばれる略球形の筺体表面に複数のスピーカーユニットを配置し同相駆動する」だけでは、特許文献1の段落[0004]の(ロ)に記載され[図3]のグラフに示されている、また、特許文献2の段落[0003]に記載され[図4(A)]のグラフに示されている、更には、特許文献3の段落[0004]に記載され[図5]のグラフに示されているようにフラットな出力指向性周波数特性の実現には至っておらず、複雑な電子(電気)回路を前段に備え入力信号に対処療法的補正を加えることでフラットな出力指向性周波数特性を得ようとしている。
一方、特許文献4記載の「直径10cm足らずの正12面体の全ての面(実際には11面)を振動板として各振動板に対応した駆動ユニットでドライブする形態」を実施することで、より「呼吸球」に近いものとして既に市場に発表されているビクターのPulsating Sphereでは、中・高音域に於いては再生指向性周波数特性のフラット化に著しい効果を獲得しており、当出願人は、その主な要因は「筐体を持たないことに拠る」と述べているが、そのために新たに、極めて複雑な構造のスピーカーユニット(当出願人は「電気音響変換器」と称している)の開発を必要としたうえ、その外形の小ささゆえに充分な低音再生能力を得られず、その不足を別途にウーハー(低音域再生専用のスピーカーユニット)を外付けすることで補っている。
これら特許文献1〜4に限らず、球形の筺体表面に複数のスピーカーユニットを均等に配置し同相駆動する「擬似呼吸球方式」を採るスピーカーシステムは、総じて、1)出力特性に大きなピークやギャップが出てしまう、2)高音域では能率が著しく低下する、3)低音域での再生能力不足、と言う問題を抱えることは、当業者の間では良く知られており、現在公表又は市販されているいずれの擬似呼吸球方式・球形スピーカーシステムを視ても、入力信号の電気(電子)的補正を必要とせずスピーカーユニットと筺体のみからなるシンプル且つローコストな構成で高品位音場再生を実現できる球形スピーカーシステムは、本願発明者が知る限りでは見当たらない。
本願発明者は、前述の「擬似呼吸球方式・球形スピーカーシステムが抱える問題」の内、特に1)・2)に関しては、特願2007−223570号の明細書に記載したようにその一因を「球形筺体内に於いて発生する定在波と各スピーカーユニット同士の相互干渉によるもの」とし、「定在波の減衰を促し、スピーカーユニット間の直接背面波による相互干渉を抑止する手段」として、「球形筺体内の略中心に、球形筺体の内壁面に平行になる面を一つも持たない多面体の剛体を置く」ことで改善をみた。更に、本願発明者の別途解析に拠れば、前述の問題1)・2)は、「擬似呼吸球方式」が目指す「点音源」は理論上音源が一つであるのに対し「擬似呼吸球方式」は複数の音源を持つことに起因しており、その問題解決には、スピーカーシステムの外形をより小さくすることが有効である(実際、この観点から前述の特許文献1〜4を比べると、中・高音域に於いては、外形が他のものより極端に小さい特許文献4の再生指向性周波数特性が格段に優れていることも肯ける)。これ以外の理由、例えば製造コストの点でも、設置の自由度の点でも、擬似呼吸球方式のスピーカーシステムは外形が小さいに越したことはない一方で、低音域に関しては一般に「筺体容量が大きいほど有利である」ことも事実であり、前述の問題1)・2)を改善することは、即ち、3)の「低音域での再生能力不足」と言う問題を増長することとなる。このジレンマに対して、特許文献1〜4の各出願人は前述のような「入力信号補正」や「ウーハーの外付け」と言う対処療法的手段で、その妥協点を求めている。
一般には、筺体容量に制約がある場合、低音域の性能向上には、位相反転型(バスレフ型)方式と言う方法が採られることが多い。
位相反転型方式とは、使用スピーカーユニットの固有定数と、筺体内容積と、筺体内外を繋ぐバスレフダクトと呼ばれる音響ポートの開口面積と長さとで決まる特定周波数(補強したい低音域)でのヘルムホルツ共振を利用して、スピーカーユニット振動板の背面から筺体内に放射された音波の位相を反転させ、振動板前面からの音波の位相に揃えて、音響ポートを通じて筺体外側開口部より筺体外へ放出することにより、スピーカーユニット振動板前面から放射された音波に相乗させて、使用ユニット本来の低音再生能力を補強する仕組みであり、現代のスピーカーシステムでは非常にポピュラーな方式である。
然るに、実際には、この位相反転型方式を採るスピーカーシステムでは、低音の量を増やすことは出来ても、その低音の質は、濁っていたり、しまりがなかったりと、所謂バスレフ臭さを感じられるものが多く、必ずしも高品位な音質とは言い難かった。
特開平9−70092号公報 特開2005−051694号公報 特開平10−341493号公報 特開2006−311349号公報
本発明は、高品位音場再生の実現のために、擬似呼吸球方式を採る球形スピーカーシステムの全周波数帯域に渡る音質向上を課題とし、「入力信号の補正」や「ウーハーの外付け」と言う対処療法的手段に頼らずとも、「筺体の小型化」と「筺体内に発生する定在波の減衰を促し、また、スピーカーユニット間の直接背面波による相互干渉を抑止する」ことにより中・高音域の周波数特性のピークやギャップの改善と音質向上を図り、尚且つ、これに伴う筺体容量の不足による低音域再生能力の低下を補い豊かで高品位な低音域再生を可能とすることで、全周波数帯域に渡る音質向上を実現するものである。
本発明は、上記課題を解決するために、1つの筺体の筺体内空間を共通のバックキャビティーとして共有する複数の同等のスピーカーユニットを同相駆動するスピーカーシステムであって、前記筺体内部で全ての前記スピーカーユニットの振動板中心からの距離が等しくなる位置に入口を配置し前記筺体表面に出口を配置する筒状の音響ポートを備える。
但し、「バックキャビティー」とは、スピーカーユニットが振動板背面からの音波を放射する閉空間のことで、「筺体内空間を共通のバックキャビティーとして共有する複数の同等のスピーカーユニット」とは、複数の同等のスピーカーユニットの全てが、同一の筺体内空間中に振動板背面からの音波を放射することを意味する。
また、ここで言う「複数の同等のスピーカーユニット」とは、基本的には同一メーカー且つ同一型式であることを指し、最低共振周波数、実効振動板面積、振動系等価質量、等価Q、能率などのスペックの、量産品としての常識範囲内での特性誤差は許容するものである。これは、即ち、最低共振周波数、実効振動板半径、振動系等価質量、等価Q、能率などのスペックが同等ならば、必ずしも同一メーカー且つ同一形式である必要も無いとの意味も含む。つまり、同一の入力に対し略同一の出力を得るスピーカーユニット群との意味を含むものである。
また、「全ての前記スピーカーユニットの振動板中心からの距離が等しくなる位置」とは、厳密に「イコール」ではなく、以後記載する本発明による効果を得られる範囲内(実験より、具体的にはスピーカーユニットからの距離の約10パーセント以内)の誤差偏位は許容するものであり、以降の同様の表記に対しても同じく適用するものである。
また、「筒状」とは、その断面形状を円形に限るものではなく、角形、楕円形、あるいは任意の断面形状を形成する筒状でよい。
更に、1つの筺体の筺体内空間を共通のバックキャビティーとして共有する複数の同等のスピーカーユニットの各振動板背面から真後方に放射される音響エネルギーのベクトル(方向と大きさ)の全てが唯一の点でバランスする位置関係を以って全ての前記スピーカーユニットを前記筺体表面に配置して同相駆動するスピーカーシステムであって、前記筺体内部で全ての前記スピーカーユニットの振動板中心からの距離が等しくなる位置に入口を配置し前記筺体表面に出口を配置する筒状の音響ポートを備える。
このように、音響ポート入口を置くべき「各スピーカーユニット振動板中心からの距離が全て等しい点」が少なくとも存在し、且つ、同相駆動する複数の同等のスピーカーユニットの各振動板背面から真後方に放射される音響エネルギーのベクトル(方向と大きさ)の全てが唯一の点でバランスするためには、全てのスピーカーユニットを同一円周上に均等に配置しその円周の中心から放射方向に向けて取り付けるか、又は、全てのスピーカーユニットを同一球面上に均等に配置しその球の中心から放射方向に向けて取り付けなければならない。尚、ここで言う「中心から放射方向に向けて」とは、円周もしくは球の中心にスピーカーユニットの振動板背面が正対する向きに設置することである。また、「同一円周上に均等に配置し」とは、n個(nは2以上の整数)のスピーカーユニットをその円周の中心から[360/n]度の角度を以ってその円周上に配置するという意味あり、例えば、スピーカーユニットが3個の場合は、各スピーカーユニットを同一円周上にその円周中心から120度の角度を以って配置することである。更に、この円周は唯一である必要はなく、複数の円周でもそれらの中心全てが唯一の点として重なれば、各円周上にそれぞれ均等に配置すれば良く、この配置は同一球面上の、球の中心を中心とする複数の円周に全てのスピーカーユニットを均等に且つ球の中心から放射方向に向けて設置したものでもある。
また、「同一球面上に均等に配置し」とは、球の表面全体をスピーカーユニットの個数で同じ面積と形に等分割したときの各エリアの重心に各スピーカーユニットを配置することであり、例えば、球の表面上で球の中心を中心とした1つの同一円周上に全てのスピーカーユニットを均等に配置することもこれに当てはまるが、スピーカーユニットの数が4個の場合、球に外接する正4面体の各面の中心となる位置もしくは球に内接する正4面体の各頂点となる位置に、6個の場合は球に外接する正6面体の各面の中心となる位置もしくは球に内接する正8面体の各頂点となる位置に、8個の場合は球に外接する正8面体の各面の中心となる位置もしくは球に内接する正6面体の各頂点となる位置に配置するといった具合に、3次元的に配置することも可能である(この配置は、擬似呼吸球方式・全指向性球形スピーカーシステムの典型的な構成そのものでもある)。
尚、以上のいずれの配置でも、「円周の中心」及び「球の中心」は、即ち、音響ポート入口を置くべき「全てのスピーカーユニット振動板中心からの距離が等しい位置」と一致する。
1つの筺体の筺体内空間を共通のバックキャビティーとして共有する複数の同等のスピーカーユニットを同相駆動するスピーカーシステムであって、前記筺体内部で全ての前記スピーカーユニットの振動板中心からの距離が等しくなる位置に入口を配置し前記筺体表面に出口を配置する筒状の音響ポートを備えることにより、既に成熟に域に達していると思われる位相反転型方式による低音域補強を、量的にも最も効率よく、質的にも「バスレフ臭さ」のない良質な補強を可能とし、より高品位な低音域再生を可能とする。
更に、1つの筺体の筺体内空間を共通のバックキャビティーとして共有する複数の同等のスピーカーユニットの各振動板背面から真後方に放射される音響エネルギーのベクトル(方向と大きさ)の全てが唯一の点でバランスする位置関係を以って全ての前記スピーカーユニットを前記筺体表面に配置して同相駆動するスピーカーシステムであって、前記筺体内部で全ての前記スピーカーユニットの振動板中心からの距離が等しくなる位置に入口を配置し前記筺体表面に出口を配置する筒状の音響ポートを備えることにより、低音域に於いては、従来の位相反転型方式のホルムヘルツ共振による低音域補強効果に加えて音響エネルギーの圧縮作用による低音域補強効果が得られ、また、中・高音域に於いては、当該音響ポートが「定在波の減衰を促し、スピーカーユニット間の直接背面波による相互干渉を抑止する」構造物として働くことで中・高音域の出力特性のピークやギャップを改善することができ、結果、再生周波数帯域全域に渡る大幅な音質向上を果たす。
先ず、低音域に関して、前述の「バスレフ臭」は、その主な原因としては、筺体の剛性不足や音響ポートの寸法の不適切な設定(開口部面積やポート長、共振周波数、取り付け位置など)などが考えられるが、本願発明者は、特に、バスレフダクトに導入する音波波形に着目し、既に成熟に域に達していると思われる位相反転方式の更なる音質向上の可能性を引き出すべく、先ず、「複数の音源から成る音場」を以下のように解析した。
図8に於いて、(a)はA・Bの2つの音源から同相且つ同時に正弦波を出力した時の、両音源を結んだ直線に垂直な方向から見た音の拡がりを表した図であり、(b)はA・B・Cの3つの音源を同一円周上に非等間隔に配置し各音源から同相且つ同時に正弦波を出力した時の、円周に囲まれた平面に対して垂直方向から見た音の拡がりを、(c)はA・B・Cの3つの音源を同一円周上に円周の中心Oから120度の角度を以って等間隔(均等)に配置し、各音源から同相且つ同時に正弦波を出力した時の円周に囲まれた平面に対して垂直方向から見た音の拡がりを表した図である。また図9は、図2中の各音源から同相且つ同時に正弦波2周期分を出力した時の、各点P1〜P10に於ける到達波形(各音源からの合成波形)を、時間を追ってグラフに表したものである(但し、空気中伝播による音の減衰は無視する)。ここで、各音源からの出力を正弦波2周期分のみとした理由は、高品位音場再生用スピーカーシステムが取り扱う音楽等のソースの音声信号は、一般的な測定等に使われる定常正弦波とは異なり、周波数、振幅共に常に変化しているものであり、入力に忠実な出力かどうかを判定するには、同じ波形を延々と繰り返す定常波ではなく、過渡的特性といえる1乃至2周期分の入力に対する応答性(再現性)を視ることが重要だからである。
図8及び図9から、P1、P2、P4、P7の各点では、波形が各音源からの出力に相似且つ大きさが各音源からの出力の総和に等しい合成波形が観測できる。一方、その他のP3、P5、P6、P8、P9、P10の各点では、観測される波形も大きさも、各音源から出力されたものとは異なるものとなる。P1、P2、P4、P7の各点はいずれも全ての音源から等距離となる点であり、よって、複数の音源から同相且つ同時に正弦波を2周期分だけ出力したとき、全ての音源から等距離である点でのみ、各音源からの出力に相似、且つ、大きさが各音源からの出力の総和に等しい合成波形を観測できることが判る。
例えば、図8のP3やP5の波形の音を実際に聴取すると、A・B・C各音源から出力された元の音と比べて、「切れが悪い音」や「締まりのない音」に聞こえ、P6、P8、P9、P10の波形は、「歪んだ音」や「違う音」に聞こえる。この、合成波形の変形の度合いは各音源からの距離差に対し音波の波長が長いほど小さくなる。位相反転型方式で扱う低音域では、筺体のサイズに対し波長が充分長いため、各音源からの到達時間のずれに拠る合成波形の変形は非常に小さいものであるが、それでも人間の耳では「音色の違い」や「違和感」として感じるに充分な差である。
この「複数の音源による音場の解析」を、実際のスピーカーシステムに当てはめてみると、前述のとおり、位相反転型という方式が、「スピーカーユニット振動板の背面から筺体内に放射される音波」の位相をバスレフダクトによって反転させることで「スピーカーユニット振動板前面から筺体外空間に放射される音波」に位相を揃えて、バスレフダクト外側開口部より筺体外へ放出することにより、これを「スピーカーユニット振動板前面から放射される音波」に相乗させて、使用ユニット本来の低音再生能力を補強する仕組みである以上、「スピーカーユニット振動板前面から放射された音波の波形」と、「各スピーカーユニット振動板背面から筺体内に放射され、バスレフダクトの筺体内側開口部に到達した音波の合成波の位相を反転した波形」とが一致しなければ、当然、その合成波形、つまり、この位相反転型スピーカーシステム全体としての出力波形は、本来の波形(入力信号)とは異なるものとなってしまい、逆に、両者の波形が一致していれば、最高の効率と質で低音域補強を行うこととなり、より入力に忠実な低音再生、即ち高品位な低音再生を成し得る。
厳密には、スピーカーユニット振動板前面から放射された音波に対し、バスレフダクト外側開口部より放出される音波は、少なくとも各スピーカーユニットからの音波がバスレフダクトの筺体内側開口部に到達するまでに掛かる時間以上の時間的遅れ、即ち位相のずれを生じる為、たとえ「スピーカーユニット振動板前面から放射された音波の波形」と、「スピーカーユニット振動板背面から筺体内に放射され、バスレフダクトの筺体内側開口部に到達した音波の波形」を反転したものの両者が全く相似な波形であっても、その合成波形、即ちスピーカーシステム全体としての出力波形は原型を損なってしまうこととなる。よって、バスレフダクトの筺体内開口部の位置は可能な限り各スピーカーユニットに近い位置にするよう配慮すべきであるが、それでも、「スピーカーユニット振動板前面から放射された音波の波形」と、「各スピーカーユニット振動板背面から筺体内に放射され、バスレフダクトの筺体内側開口部に到達した音波の合成波の位相を反転した波形」の両者が元から異なっている場合に比べれば、この位相反転型スピーカーシステム全体としての出力波形は、より原形(入力波形)に近いものであることは明白である。
以上より、1つの筺体の筺体内空間を共通のバックキャビティーとして共有する複数の同一のスピーカーユニットを同相駆動するスピーカーシステムにあっては、球形、矩形に限らず如何なる形状の筺体であっても、筺体内の、「各スピーカーユニットから等距離となる点」でのみ、必ず、波形が「各スピーカーユニットから出力された音波の波形」と相似且つ大きさが「各スピーカーユニットからの出力の総和」と等しい音波を得られることになり、本発明では、図1や図2(a)〜(c)で示すように「音響ポート(バスレフダクト)の筺体内側開口部」の位置を「各スピーカーユニットから等距離となる点」に限定して配置することにより、位相反転方式による低音域補強効果を量的にも質的にも最大限に発揮させるものである。
この特徴について、図2を用いて更に詳しく解説する。
(a)は、筺体表面の、ある1つの平面に2個の同等のスピーカーユニットを取り付けたものである。この図では、本発明に係る音響ポートの筺体内側開口部を置くべき点である「各スピーカーユニットから等距離となる点」は、図中二点鎖線上に無数存在するが、実際には「各スピーカーユニットから等距離となる点」は、SP1・SP2各スピーカーユニットを結ぶ直線とSP1−SP2の中点で直交するこの二点鎖線を含む平面上に無数存在する。但し、3個以上のスピーカーユニットを1つの平面上に配置する場合は、平面上の同一円周上に配置しなければ「各スピーカーユニットから等距離となる点」は存在せず、その場合「同一平面上の同一円周上に取り付けた各スピーカーユニットから等距離となる点」は、その円周の中心を通りその平面と直交する直線上に無数存在することとなる。
(b)は、筺体表面に円筒曲面の一部を有し、その曲面上に複数(3個)の同等のスピーカーユニットを、円筒曲面の曲率中心Oを中心とする同一円周上に、この円周中心Oから放射方向となる向きに取り付けたものである。この図では、「各スピーカーユニットから等距離となる点」は、円周中心Oの1点のみであるが、実際には、この円周に囲まれた平面に直交し中心Oを通る直線上に無数存在する。また、この円筒曲面を球面とした場合は、「各スピーカーユニットから等距離となる点」は、この球面を一部とする球の中心Oの1点のみである。
(c)は、円柱の円形平面を天地とした円柱状筺体の側面となる円筒面上の、円柱中心軸上の1点を中心とした円周上に、複数(3個)の同等のスピーカーユニット(SP1,SP2,SP3)を均等(円周の中心点Oから120度の角度を持って)に配置し、且つ、この円周中心Oから放射方向となる向きに設置したものである。この図中でも、「各スピーカーユニットから等距離となる点」は、円周中心Oの1点のみであるが、実際には、この円周に囲まれた平面に直交し中心Oを通る直線上、即ち円柱状筺体の中心軸上に無数存在する。尚、この構成を実施するスピーカーシステムとして最も連想し易いものとしては、円柱の2つの円平面を天地とし円筒曲面を側面とする円柱状筺体に於いて、側面上で円柱軸上の1点を中心とする同一円周上に複数の同等のスピーカーユニットを全周均等に配置する、水平方向・全指向性スピーカーシステムがあるが、円柱状に限らず、正多角柱状の筺体全てに適用できる。
更に(c)は、そのまま、球形の筺体に於いて、筺体表面で筺体中心を中心とする同一円周上に複数(3個)の同等のスピーカーユニット(SP1,SP2,SP3)を均等(円周の中心点Oから120度の角度を持って)に配置し、且つ、この円周中心Oから放射方向となる向きに設置したものも表している。この場合でも図中では「各スピーカーユニットから等距離となる点」は、円周中心Oの1点のみであるが、実際には、この円周に囲まれた平面に直交し中心Oを通る直線上に無数存在する。但し、こと球形筺体のように球面を有する筺体に限っては、複数の同等のスピーカーユニットの位置を1つの同一円周上に限定しない場合は、「各スピーカーユニットから等距離となる点」は球の中心Oの唯一1点しか存在し得ない。
以上のように、図2(a)〜(c)の各図で示したいずれのスピーカーシステムであっても、「各スピーカーユニットから等距離となる点」は存在し、其処に「音響ポート(バスレフダクト)の筺体内側開口部」を限定して配置することで、位相反転方式による低音域補強効果を量的にも質的にも最大限に発揮させるものである。但し、「各スピーカーユニットから等距離となる点」が複数存在する場合は、本明細書の段落[0021]の記載を考慮し、音響ポートの筺体内開口部の位置を可能な限り各スピーカーユニットに近い位置にするべきである。
次に、1つの筺体の筺体内空間を共通のバックキャビティーとして共有する複数の同等のスピーカーユニットの各振動板背面から真後方に放射される音響エネルギーのベクトル(方向と大きさ)の全てが唯一の点でバランスする位置関係を以って全ての前記スピーカーユニットを前記筺体表面に配置して同相駆動するスピーカーシステムであって、前記筺体内部で全ての前記スピーカーユニットの振動板からの距離が等しくなる位置に入口を配置し前記筺体表面に出口を配置する筒状の音響ポートを備えるスピーカーシステムは、本来の位相反転型による低音域補強効果に加えて、以下に示す「更なる低音域補強効果」をもたらす。
位相反転方式で利用される低音域の波長は筺体内空間寸法に比して十分大きいため、音は「空気中を伝わる波」と言うよりも、空気が一種の流体である故に「スピーカーユニットの振動板から振幅方向に向かい時間と共に移動する空気密度(気圧)変動」、より解り易く言うと「往復する風」のようなものとみなせる。スピーカーユニットの背面から真後方に放射される低音域の音波の音響エネルギーベクトルをこの「風」に見立てると、「スピーカーユニットの各振動板背面から真後方に放射される音響エネルギーのベクトル(方向と大きさ)の全てが唯一の点でバランスする」とは、図3に表すように「全てのスピーカーユニットから真後方に向かって吹く「風」が筺体内のある1点に向かい、その1点でぶつかり合い、その風の強さと向きがバランスする為に逃げ場を失い、結果、その1点で圧縮される」ことになる。この圧縮作用により、その1点では単に各スピーカーユニットから放射された音の大きさの総和以上のエネルギー密度を得られることとなる。
前述のように、「各スピーカーユニットの振動板背面から真後方に放射される音響エネルギーのベクトル(方向と大きさ)の全てが唯一の点でバランスする位置関係を以って全てのスピーカーユニットを筺体表面に配置する」とは、「全てのスピーカーユニットを同一円周上に均等に配置しその円周の中心から放射方向に向けて取り付ける」か、又は、「全てのスピーカーユニットを同一球面上に均等に配置しその球の中心から放射方向に向けて取り付ける」ことであり、この時の円周の中心及び球の中心が「各スピーカーユニットの振動板背面から真後方に放射される音響エネルギーのベクトル(方向と大きさ)の全てがバランスする唯一の点」であり、音響ポートの筺体内側開口部を置くべき「全ての前記スピーカーユニットの振動板からの距離が等しくなる位置」である。つまり、前述の圧縮作用により密度を高められた音響エネルギーを、その直近に置く音響ポート開口部に取り込むことは、通常の位相反転方式以上の低音補強効果をもたらす。更に、この構成では、音響ポート筺体内側開口部から各スピーカーユニットまでの距離は最短となり、空気中伝播による音響エネルギーロスや本明細書の段落[0021]の記載を考慮する上でも有利である。
この特徴を実施したスピーカーシステムとしては、図2(c)で表した円柱形及び球形のスピーカーシステムの中でも特に、円柱状筺体ではスピーカーユニットを設置した同一円周の中心の1点に、また、球形筺体では球の中心の1点に音響ポートの筺体内側開口部を置くものである。特に、図1で表すようにスピーカーユニットを球形筺体表面に3次元的に均等に配置する構成(擬似呼吸球方式・全指向性球形スピーカーシステムの典型的な構成)では、球形筺体内の中心に集約する音響エネルギーのベクトルは3次元方向のいずれにも逃げ場がなく、音響ポートの筺体内側開口部での圧縮作用を最も期待できることから、本発明を実施するための最良の形態といえる。
ここまでは、本発明が低音域の音質向上に寄与する効果について述べてきたが、本発明の特徴を実施することにより、円柱形筺体の中心軸と重なるように設置された音響ポートや球形筺体の中心に筺体内側開口部を置く音響ポートは、そのスピーカーユニットが高音域にまで至る再生範囲を受け持つ(フルレンジスピーカーとして使用される)場合には、音波が中・高音域に於いては障害物により反射する光のような性質を持つことから、以下に示すように、中・高音域周波数帯域に於いても音質向上効果をもたらす。
先ず、一般に、スピーカーシステムの筺体内で発生する「定在波」は、広帯域に渡ってその再生音質に多大なる悪影響を及ぼす。図4(a)に表すように、円柱形の筺体内に於いては円柱の中心軸に向かい集約・発散を繰り返す同心円状の定在波を、球形の筺体内に於いては球の中心に向かい集約・発散を繰り返す球面波状の定在波を発生するが、これは、円柱や球の内壁面が、円柱軸や球の中心を挟んで対峙する「微細な平行面の対」の集まりであることに由来する。理論上、筺体内壁による反射波のうち波長が筺体内空間直径の約数となる周波数(複数存在する)の音波が、「微細な平行面の対」の間を往復し続ける(発振する)ことで発生する定在波は、この「微細な平行面の対」の全てを遮る位置に平行を崩す形状の障害物を置くことでその発生を阻止できる。
具体的には、円柱形の筺体の場合は、その中心軸の位置に中心軸と同じ向きに、三角柱等のなるべく側面数の少ない多角柱(円柱状は不可)の剛体を置くことで、定在波の発生を阻止できるが、本発明では、この「多角柱の剛体」の役割を音響ポートが果たす。
この場合、音響ポートは、図4(b)に表すように円柱形筺体の中心軸に集約する定在波を乱反射してその減衰・消滅を促す。また、この構成は、円柱形筺体に限らず、側壁面数が偶数である略円柱(少なくとも側壁面が6つ以上の正多角柱)形の筺体に於いても同じ効果を得ることが出来る。
尚、円柱形筺体に於いては音響ポートの外形が「円柱状は不可」である理由は、円柱形筺体と円柱状音響ポートの組み合わせでは、音響ポートの外側面と筺体の側壁内面との間に再び「微細な平行面の対」を無数に形成することとなってしまい、その間で新たな定在波が発生してしまうからである。同様に、側壁面数が偶数である略円柱形筺体の場合も、音響ポート外側面と筺体の側壁内面との間で平行な面が存在しないように、音響ポートの側面の向きや形状に留意する必要がある。また、音響ポートの長さが円柱形筺体の高さに対して短い場合は、音響ポートを延長する形で多角柱の剛体をダミーとして設置することも必要である。更に、略円柱形筺体の場合は、音響ポートの外形を、音響ポートの投影幅が正対し合う筺体側壁面の間で各側壁面の幅(天地面の正多角形の1辺の長さ)以上になるようにすることが、より効果的である。
次に、球形の筺体の場合は、具体的には、球の中心に4面体等のなるべく面数の少ない多面体(球形状は不可)の剛体を置くことで、定在波の発生を阻止できるが、本発明では、この「多面体の剛体」の役割を音響ポートが果たす。
球形筺体に於いては、音響ポート筺体内側開口部付近の外形が無理に4面体ではなく、図4(c)に表すように円筒端のままでも球形筺体の中心に集約する定在波を乱反射してその減衰・消滅を促し、球形筺体に於ける「定在波の発生を阻止する剛体」としての効果を発揮する。また、この構成は、球形に限らず、正12面体や32面体などの略球形の筺体に於いても同じ効果を得ることが出来る。
尚、球形筺体に於いては音響ポート筺体内側開口部付近の外形が「球形状は不可」である理由も、球形筺体と筺体内側開口端部の外形が球形である音響ポートの組み合わせでは、音響ポートの筺体内側開口端部と筺体内壁との間に再び「微細な平行面の対」を無数に形成することとなってしまい、その間で新たな定在波が発生してしまうからである。同様に、略球形筺体の場合も、音響ポート筺体内側開口端部と筺体内壁面との間で平行な面が存在しないように、音響ポート筺体内側開口端部の向きや形状に留意する必要がある。また、略球形筺体の場合は、音響ボート筺体内側開口部の外形を、音響ポート筺体内側開口部の投影像が正対し合う筺体内壁面の間で各内壁面の大きさ以上になるようにすることが、より効果的である。
次に、一般に、複数の同等のスピーカーユニットを同一筺体に収める場合、スピーカーユニット同士の「相互干渉」にも留意する必要がある。元々、全く同一な仕様の振動板が近くに存在する場合、両者は共振を起こしやすいが、特に図5(a)に表すように、相背対する(振動板背面同士を正対する)振動板同士では各スピーカーユニットの振動板背面から真後方に放射された直接背面波は、相背対するスピーカーユニットにダイレクトに到達し、その振動板を強制的に振動させるため、再生音質に悪影響を及ぼす。この「相背対するスピーカーユニット同士の相互干渉」を防ぐには、各スピーカーユニットの振動板背面から真後方に放射された直接背面波が相背対するスピーカーユニットにダイレクトに到達する経路を遮る障害物を置くことが有効である。
これに対し、「円柱形筺体の中心軸の位置に中心軸と同じ向きに音響ポートを置く」ことや「球形筺体の中心に音響ポート筺体内側開口部を置く」ことは、図5(b),(c)に表すように、音響ポートを形成する構造物が各スピーカーユニットの振動板背面から真後方に放射された直接背面波が相背対するスピーカーユニットにダイレクトに到達する経路を遮る障害物としての役割を果たし、相背対するスピーカーユニット同士の干渉を防ぐことで、スピーカーシステムの再生音質向上に貢献する。
但し、音響ポート筺体内開口部を形成する構造物がスピーカーユニットの振動板背面と正対する面を持たないよう注意する必要が有る。なぜなら、その面によって反射された直接背面波が元のスピーカーユニット振動板に戻り、自己干渉を引き起こすからである。また、音響ボートの外形を、音響ポートの投影像が相背対し合うスピーカーユニットの間で各スピーカーユニットの振動板の大きさ以上になるようにすることが、より効果的である。
以上に挙げた、「筺体内の定在波の減衰・消滅の促進」と「スピーカーユニットの相互干渉の抑止」という2つの効果は、もはや本来の位相反転型方式におけるバスレフダクトの役割を超越し、円柱形や球形のスピーカーシステムの全周波数帯域に渡る音質向上に大きく貢献するものであるため、本願発明者は[特許請求の範囲]に於いて、敢えて「バスレフダクト」ではなく「音響ポート」と表現した。
このように、本発明は、主に、スピーカーシステムに於ける低音域の量的・質的向上をもたらすべく為されたものであり、実際のスピーカーシステムにあっては、低音域再生を受け持つ専用のスピーカーユニット(ウーハー)を複数備える位相反転型のスピーカーシステムであれば、筺体の形状の如何を問わず効果を発揮するものである。更に、円柱形や球形スピーカーシステムに於いては、低音域のみならず再生周波数帯域全体に渡る音質向上効果を発揮するものである。
なかでも、特に擬似呼吸球方式・全指向性球形スピーカーシステムに本発明を実施するとき、その効果は最も有益且つ効率よく働くことから、球形スピーカーシステムに於ける最良の形態を以下に挙げる。
本願発明者の別途解析に拠れば、一つの球形筺体表面に複数の同等のスピーカーユニットを均等に配置して同相駆動する擬似呼吸球方式の全指向性球形スピーカーシステムにあっては、その外形が小さいほど、中・高音域特性にとっては有利となることは既に述べたが、詳細には、隣接するスピーカーユニット間距離が小さいほど、即ち、同じスピーカーユニット数ならば筺体外形が小さいほど、筺体外形が同じならばスピーカーユニット数が多いほど、中・高音域の出力指向性特性はフラットに近づく。
但し、一般に、スピーカーユニット数を増やすことは低音域再生の為にも有効となるが、それに伴い必要な筺体容量も大きくなり、結果、球形筺体は大きくせざるを得なくなる。更に、スピーカーユニット数の増加は製造コストに直接影響するためむやみに増やしたくない。よって、高品位音場再生の為には、前・後・左・右・上・下に均等に出力波をサービスできる必要最小限のスピーカーユニット数で、球形筺体の小型化を目指すべきである。
また、略球形筺体の場合は、特許文献4のように外形を正12面体のままで置くよりも、筺体外側表面に角がなく滑らかな球面にした方が、筺体外側表面での回折・反射による波形の乱れも避けられ、出力指向性特性はよりフラットになる。
本発明に係る形態を球形スピーカーシステムに実施する時、前置条件として「球形筺体表面に複数の同等のスピーカーユニットを均等に配置して同相駆動する」ことは、スピーカーユニット同士で振動系の運動モーメントがバランスし相殺される為、スピーカーシステム全体としても、各スピーカーユニットの振動系による影響から開放され、スピーカーシステムの設置方法や設置場所に自由度を増すことも2次的メリットと言える。
筺体内部の中心に筺体内側開口部を置かれた音響ポートは、前述のように、単にバスレフダクトという音響フィルターとしての役割だけでなく、筺体内中心部に集約する定在波や各スピーカーユニットからの直接背面波の反射板としての役割も果たす為、それ自身が振動しないよう充分な機械強度を持たせる必要がある。
更に、その開口部の大きさ(開口面積ではなく開口部を形成する構造物の大きさ)は、特に相背対するスピーカーユニットの対が存在する場合は、対の一方から他方に直接到達する背面波(直接背面波)を遮れる充分な大きさとして、少なくとも各スピーカーユニットの有効振動板面積以上の投影面積となる大きさであることが望ましいことは既に述べたとおりである。
更に、音響ポート内を流れる空気の流量・流速は共に、従来の位相反転型方式のバスレフダクト内のそれを遥かに凌ぐ大きなものとなる為、音響ポート内壁面を鏡面研磨し、出入り口に滑らかなアールを取る等、風切音の対策が不可欠である。
また、音響ポートの筺体内側開口部の位置を球形筺体内部の中心に限定することは、以下のような設計上の制約を受ける。
通常、位相反転型スピーカーシステムを設計する際は、使用するスピーカーユニットの諸元からホルムヘルツの計算式により、必要な筺体容量と、補強したいホルムヘルツ共振周波数に相応した音響ポートの容量(ポート開口面積とポート長の積)が決まり、次にスピーカーユニットの等価有効振動板面積とダクト内の空気流量の制限から、風切音を出さない最低限のダクト開口面積とポート長も決まる。このとき、本発明の特徴である、「音響ポートの筺体内側開口部の位置を球形筺体内部の中心に置く」ためには、必然的に、筺体外形直径を音響ポート長の2倍にしなければならない。筺体としての強度を確保する為に必要な板厚も含め、これら全ての条件を満たす寸法を見出さなければならず、もし、ポート長の計算値が大きくなりすぎる場合は、中・高音域の音質を損なうこととなる筺体直径を増やすことは避け、音響ポートを屈曲させて必要な長さを稼いだり、音響ポートの本数を増やしたりすることで対処する。それでも尚、全ての条件が満たされない場合は、スピーカーユニットそのものの仕様変更も考えるべきである。
以上、本発明を球形スピーカーシステムに実施するための最良の形態を述べたが、球形以外のスピーカーシステム全般に於いては、スピーカーユニットの数が3個以上の場合、「全てのスピーカーユニットから等距離となる点」が少なくとも1箇所以上存在する為には、全てのスピーカーユニットを同一円周上もしくは同一球面上に配置しなければならない。また、「全てのスピーカーユニットから等距離となる点」が複数存在する場合は、本明細書の段落[0021]の記載を考慮し、音響ポートの筺体内開口部の位置を可能な限り各スピーカーユニットに近い位置にするべきであることを付け加えておく。
以上のように、位相反転型方式は既に熟成され尽くした感のある非常にポピュラーな手段であり、本発明の基本的動作原理は既存の位相反転型スピーカーシステムと同じくヘルムホルツ共振を利用したものであるにも拘らず、既存の球形スピーカーシステムのみならず一般的な矩形スピーカーシステムの中にも、本発明と同じ目的でバスレフダクトの筺体内側開口部の位置を意図的に限定したと思われる前例は、本願発明者が検索した限りでは見当たらなかった。なぜなら、これまで当業者が位相反転型方式による低音の量的補強にばかり目を奪われがちであったのに対し、本発明は「複数の同等のスピーカーユニットを備えた筺体内に於ける各スピーカーユニットから放射される背面波の振る舞い」という本願発明者独自の視点からの解析の基づいて得られた所謂「コロンブスの卵」的思想によってなされたものだからであり、当然、本発明の「バスレフダクトの筺体内側開口部の位置を各スピーカーユニットから等距離となる位置に限定する」という技術的特徴ついても、当業者が思い至らなかったものであろう。
特に、3個以上の同等のスピーカーユニットを備えたスピーカーシステムについては、全てのスピーカーユニットから等距離の位置にバスレフダクトの筺体内側開口部を位置するような前例は皆無で、この事実からも本発明が独自の思想に拠るものであることを確信している。
更に、本願明細書段落[0029]〜[0034]に挙げた2つの効果は、本願発明者による特願2007−223570号の明細書に記載した本願発明者独自の思想に基づく「球形筺体内における音波解析」から派生し、更に掘り下げることで得られたものであることから、その新規性、有用性は間違い無いものと確信する。
本願発明者は、本発明の効果を実証すべく、本発明に係るスピーカーシステムについて、図1に示す形態の球形スピーカーシステムの試作機を以下のように設計・製作し、試聴した。
本実施例に係るスピーカーシステム10は、球形筐体11に8個のスピーカーユニット13を配置し、筐体内空間12を共通のバックキャビティーとして共有させながら、この8個のスピーカーユニット13のそれぞれの振動板中心14aから距離が等しくなる位置、すなわち、筐体中心18に音響ポート筐体内側開口部(入口)16を形成させ、また、球形筐体11の表面に音響ポート筐体外側開口部(出口)17を形成させた音響ポート15を設けている。
また、8個のスピーカーユニット13は、球形筺体11に外接する正8面体の各面の中心となる位置もしくは球形筺体11に内接する正6面体の各頂点となる位置に配置されている。このようにスピーカーユニット13を配置することによれば、全てのスピーカーユニット13の各々の振動板14の背面から真後方に放射される音響エネルギーのベクトルの全ては筐体中心18でバランスする。言い換えれば、筐体中心18でこれらの音響エネルギーのベクトルがバランスするように8個のスピーカーユニット13が配置されている。
スピーカーユニット13は、一般市販され入手が容易な、米国オーラサウンド社製1インチフルレンジスピーカーユニットNSW1−205−8Aを8個使用し、2個ずつ直列に繋いだもの4セットを並列に繋ぎ、スピーカーシステム10全体のインピーダンスを4オームとした。このスピーカーユニット13は、フルレンジスピーカーユニットとしては異例に小さく、必要とする筺体容量も少なくて済む。また、スピーカーユニット単体での最低共振周波数は220Hzと高く、低音再生能力が極めて低いが、中・高音域に掛けては可聴帯域の上限である20kHzまでほぼフラットに伸びており、これを、低音域を補強し筺体内での定在波の発生とスピーカーユニット13同士の相互干渉を抑制する効果を得ることが出来る本発明に係る特徴を実施する球形筺体11に採用することで、高品位音場再生に耐えうる、高音質な球形スピーカーシステムと成り得ることが期待される。
筺体の寸法設定に当たり、前述の条件を満たす寸法を計算シミュレーションから導き出した結果、筺体外形直径=184mm、音響ポート長=92mm(筺体外形直径の半分)、音響ポートの開口直径=25.3mm(ポートの肉厚を加算すると直径32mmとなり、スピーカーユニットの有効振動直径を超える)、板厚=15mm、筺体内容量=約1.7リットル(スピーカーユニット、補強リブ、吸音材など内容物の体積を引いたもの)、ヘルムホルツ共振周波数=約85Hzとした。尚、筺体材料には、板厚15mm、一辺4.1cmの正6角形花梨無垢板材20個、一辺4.1cmの正5角形桜無垢板材12個を組み合わせ、切頂20面体を組み立てた後、表面の各角を高さ約4mm削り落とし、更に表面全体を滑らかになるよう削ってほぼ球形とした。
完成したスピーカーシステム10の試作機の出力周波数特性を図6のグラフに実線で示す。図6において、破線は、スピーカーユニット13単体の周波数特性を示し、更に本試作機と同容積の密閉型矩形筺体に8個のスピーカーユニットを取り付けた時の出力周波数特性を1点鎖線で示し、また、単に従来の位相反転型としての低音補強のみを施した場合の出力周波数特性を2点鎖線で示す。
本実施例に係るスピーカーシステム10の試作機の再生音は、点線で示すスピーカーユニット13単体の周波数特性はもちろんのこと、2点鎖線で示す従来の位相反転型としての低音補強値をも大幅に超えた低音補強効果を得ることが出来、中・高音域も、先達が苦慮したピークやギャップが抑えられたことでスピーカーユニット13単体の特性をほぼ踏襲しており、球形スピーカーシステムのメリットである濃密な情報量と自然な音の広がりを遺憾なく発揮し、まさに高品位音場再生が実現されていることが理解される。
本発明により、既に成熟の域に達していると思われた位相反転型方式に更なる音質向上の可能性が見出された。更に、本発明に係る形態を実施することで、他に前例のない合理的且つシンプルな構成により全周波数帯域に渡って音質の向上を果たした球形スピーカーシステムは、低コストでありながら、世のオーディオ愛好者の間でもハイエンドクラスと認められる高音質を獲得し、更に、その、より小型で、より明瞭かつ上質な音を広範囲にサービス出来る本球形スピーカーシステムは、例えば、ホールなどでの拡声用途に於いても従来の単一指向性の拡声装置よりも遥かに少ない設置数でこと足りる、コスト面でのメリットも有する。
1つの球形筺体表面に、複数(8個)の同等のスピーカーユニットを均等に配置し同相駆動する擬似呼吸球方式・全指向性球形スピーカーシステムであって、前記筺体内部で全ての前記スピーカーユニットの振動板中心からの距離が等しくなる位置である球形筺体の中心に入口を配置し前記筺体表面に出口を配置する筒状の音響ポートを備えることを特徴とするスピーカーシステムの構成を表す透視図である。 1つの筺体の筺体内空間を共通のバックキャビティーとして共有する複数の同等のスピーカーユニットを同相駆動するスピーカーシステムであって、前記筺体内部で全ての前記スピーカーユニットの振動板中心からの距離が等しくなる位置に入口を配置し前記筺体表面に出口を配置する筒状の音響ポートを備えることを特徴とするスピーカーシステムの具体的構成を表した図である(各スピーカーユニットからの出力波の拡がりを破線で表す)。但し、各スピーカーユニットの出力指向性特性はフラットとし、筺体壁面による音波の反射及び回折は無視するものとする。 (a)は、筺体表面の内の1つの平面に、複数(2個)の同等のスピーカーユニットを配置し同相駆動するスピーカーシステムであって、各スピーカーユニットから等距離となる筺体内側の点(図中では2点鎖線上の任意の点全てが該当する)に音響ポートの筺体内側開口部を配置し、筺体表面に筺体外側開口部を配置したもの、(b)は、一部に円筒曲面持つ筺体の該当曲面に複数(3個)の同等なスピーカーユニットを同一円周上に円周の中心Oから放射方向に向けて設置し同相駆動するスピーカーシステムであって、各スピーカーユニットから等距離となる点である前記円周の中心Oに音響ポートの筺体内側開口部を配置し、筺体表面に筺体外側開口部を配置したもの、(c)は、円柱の円形平面を天地とした円柱状筺体の側面となる円筒面上の、円柱中心軸上の1点を中心とした円周上に、複数(3個)の同等のスピーカーユニットを均等(円周の中心Oから120度の角度を持って)に配置し、且つ、この円周中心Oから放射方向となる向きに設置したものである。また(c)はそのまま、球形の筺体に於いて、筺体表面で筺体中心を中心とする同一円周上に複数(3個)の同等のスピーカーユニットを均等(円周の中心Oから120度の角度を持って)に配置し、且つ、この円周中心Oから放射方向となる向きに設置したものを表した図でもある。 円柱形筺体の側壁面上で円柱中心軸上の1点Oを中心とする同一円周上に均等に配置した複数の同等のスピーカーユニットを同相駆動するスピーカーシステム(水平方向全指向性スピーカーシステム)の筺体内もしくは球形筺体の表面に均等に配置した複数の同等のスピーカーユニットを同相駆動するスピーカーシステム(全指向性スピーカーシステム)の筺体内に於いて、複数の同等の各スピーカーユニットからの背面波が円柱形筺体中心軸上の点Oもしくは球形筺体内中心Oに集約・圧縮される様子をイメージ化して表した図である。 (a)は、円柱形もしくは球形の筺体内に於ける定在波の振る舞い(中心Oで集約・発散を繰り返す)を模式的に表した図であり、(b),(c)は円柱形筺体の中心軸上もしくは球形筺体の中心に配置した音響ポートもしくはその開口部が定在波の集約を阻む様子を表した図である。 (a)は、円柱形筺体もしくは球形筺体の表面に複数且つ偶数個の同等のスピーカーユニットを円柱形筺体の円柱中心軸上の1点もしくは球形の筺体の中心Oに点対称に配置して同相駆動する球形スピーカーシステムの筺体内で、各スピーカーユニットから真後方に放射された音波(図中では破線矢印で表記)が相背対するスピーカーユニットへ到達する様子を表した図であり、(b),(c)は、筺体の中心軸上もしくは中心に配置した音響ポートが、その到達を阻む障害物として作用する様子を表した図である。 本発明に係る特徴の形態を実施した構成で試作した球形スピーカーシステムを実試聴して、聴感による出力周波数特性をグラフ化し実線で表した図である。比較の為に、スピーカーユニット単体の実データを破線で表し、本試作機と同容積の密閉型矩形筺体に8個のスピーカーユニットを取り付けた時のシミュレーションによる出力周波数特性を1点鎖線で表し、本試作機と同容積の位相反転型矩形筺体(バスレフダクトの筺体内側開口部の位置は任意)に8個のスピーカーユニットを取り付けた時のシミュレーションによる出力周波数特性を2点鎖線で表した。 1つの球形筺体表面に複数個の同一のスピーカーユニットを備え、同相駆動することで呼吸球に近い効果を期待する「擬似呼吸球方式」の、動作原理を表した図である。 (a)は、A・B2つの音源から同相出力した時の音場(破線で表記)を表し、(b)は、A・B・C3つの音源を、点Oを中心とした同一円周(1点鎖線で表記)上にランダムに配置し、各音源から同相出力した時の音場(破線で表記)を破線で表し、(c)は、A・B・C3つの音源を、点Oを中心とした同一円周(1点鎖線で表記)上に中心Oから120度の角度を以って等間隔(均等)に配置し、各音源から同相出力した時の音場(破線で表記)を表した図である。但し、各音源の出力指向性特性はフラット、即ち綺麗な球面波を出力するものとする。 図8中のA・B・Cの各音源からの出力波形と、P1〜P10の各点に於ける到達波形を、時間を追って表したグラフである。但し、空気中伝播及び拡散による減衰は無視するものとする。
符号の説明
1 筺体
2a、2b、2c、2d スピーカーユニット
3a、3b、3c、3d 背面波音圧
4 定在波
5a、5b、5c、5d 直接背面波
6 筺体内壁からの反射波
9 音響ポート
10 スピーカーシステム
11 球形筐体
12 筐体内空間
13 スピーカーユニット
14 振動板
14a 振動板中心
15 音響ポート
16 音響ポート筐体内側開口部(入口)
17 音響ポート筐体外側開口部(出口)
18 筐体中心
O 円もしくは球の中心
A、B、C 音源
SP1、SP2、SP3 スピーカーユニット


Claims (2)

  1. 1つの筺体の筺体内空間を共通のバックキャビティーとして共有する複数の同等のスピーカーユニットを同相駆動するスピーカーシステムであって、前記筺体内部で全ての前記スピーカーユニットの振動板中心からの距離が等しくなる位置に入口を配置し前記筺体表面に出口を配置する筒状の音響ポートを備えることを特徴とするスピーカーシステム。
  2. 前記複数の同等のスピーカーユニットの各々の振動板背面から真後方へ放射される音響エネルギーのベクトルの全てが唯一の点でバランスする位置関係を以って前記複数の同等のスピーカーユニットを前記筺体表面に配置することを特徴とする請求項1記載のスピーカーシステム。
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