JP2010049761A - 磁性材料の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁性材料の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010049761A
JP2010049761A JP2008214533A JP2008214533A JP2010049761A JP 2010049761 A JP2010049761 A JP 2010049761A JP 2008214533 A JP2008214533 A JP 2008214533A JP 2008214533 A JP2008214533 A JP 2008214533A JP 2010049761 A JP2010049761 A JP 2010049761A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
layer
mask
etching
magnetic material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008214533A
Other languages
English (en)
Inventor
庸一 ▲高▼須
Yoichi Takasu
Kazuaki Inukai
和明 犬飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2008214533A priority Critical patent/JP2010049761A/ja
Publication of JP2010049761A publication Critical patent/JP2010049761A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mram Or Spin Memory Techniques (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Abstract

【課題】主磁極を従来よりも微細にすることができる磁性材料の加工方法を提供する。
【解決手段】基板1の上方に、磁性材料を有する磁性体層31を形成し、磁性体層31の上に、塩化された状態での沸点が磁性材料の塩化物の沸点に比べて高い金属を含むマスク35を形成し、塩素系ガスとの化学反応を含むドライエッチング法によりマスク35から露出している領域の磁性体層31をエッチングする工程により、磁気ヘッドの磁極を形成する工程を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁性材料の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法に関し、特に、磁気センサー、磁気抵抗RAM(MRAM)等の磁気デバイスの製造プロセスに適用できる磁性材料膜の加工方法と、磁気材料膜のパターニング工程を有する磁気ヘッドの製造方法に関する。
コンピュータ、オーディオ等において使用される種々の記録装置のうち磁気記録装置は歴史的に古く、一般に広く普及している。磁気記録装置の1つとして、円盤状の磁気記録媒体とその上を浮上する磁気ヘッドとを有する磁気ディスク装置がある。
現在まで市場に供給されている磁気ディスク装置の記録方式の大部分は、記録層に記録される磁化の方向が面方向に向いた面内磁気記録方式と呼ばれるものである。この面内磁気記録方式において高記録密度を得るためには、磁気記録媒体の記録層を薄くするととともに、記録層を構成する磁性結晶粒を微細化することが必要となる。
しかしながら、磁気記録媒体の記録層を薄くすると磁気ディスクに熱が加わったときに情報が消失する現象、即ち熱揺らぎ現象が起きてしまい、高記録密度化を阻む一つの要因となっている。
これに対して、記録層における磁化の方向を記録層の面に垂直方向に向ける垂直磁気記録方式があり、近年実用化されてきている。
垂直磁気記録方式は、面内磁気記録方式と比較して、記録層の表面における一つ一つの磁区の面積を小さくできるので、より大きな記録密度を達成することが可能となる。さらに、記録層の膜面に対して垂直方向に記録磁化が向いているので、記録層を薄膜化した場合に発生する熱揺らぎ現象の発生が防止され、記録層を厚くすることによる不都合がなくなる。
それらいずれの記録方式においても、磁気ディスク装置についてはさらなる大容量化、高記録密度化が要求されている。
高記録密度化の要求に応えるためには、磁気記録媒体の保磁力を高くする一方で、磁気記録ヘッドから磁気記録媒体に強い磁界を出力する必要がある。磁気記録ヘッドは、記録磁界を発生する励磁コイルと、記録磁界を磁気記録媒体に導く磁極とを有している。そして、強い記録磁界を出力するために、例えば、高い飽和磁束密度等の磁気特性を有する磁性材から磁極を構成している。
磁気記録媒体に情報を書き込む場合には、磁気記録媒体の微小エリアに磁気記録ヘッドから強い磁界を加えるが、磁気記録媒体の保持力以上の磁界が隣の微小エリアに加わると、その隣の微小エリアの磁気情報が消去されてしまう。この消去については、サイドイレーズ現象と呼ばれている。
そのような書き込みエラーを無くすには、磁気記録媒体の高記録密度化が進めば進むほど、磁極データの書き込み部分の微小化、特に垂直磁気記録ヘッドでは主磁極の先端部の微細化と、磁気データの再生ヘッドの微細化が重要になってくる。
垂直磁気記録ヘッドの主磁極先端部の端面は、台形、又は略T字型にすることによりトラックからのはみ出しを防止できる形状になる。
主磁極の形成方法として、レジスト及びマスクを使用して磁性層をイオンミリングによりパターニングする工程の一例を次に説明する。
まず、図7(a)に示すように、基板(不図示)の上方に形成された絶縁膜101上に磁性体層102、マスク層103を形成した後に、マスク層103上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像してレジストパターン104を形成する。
続いて、図7(b)に示すように、レジストパターン104に覆われない領域のマスク層103をドライエッチングすることにより、レジストパターン104の形状をマスク層103に転写する。これによりパターニングされたマスク層103をマスク103aとする。
さらに、図7(c)に示すように、マスク103aに覆われない領域の磁性体層102を1回目のイオンミリングにより除去し、これによりマスク103aの下に残された磁性体層102を主磁極112とする。
続いて、図7(d)に示すように、主磁極112を斜めから2回目のイオンミリングすることにより、幅を調整するとともに断面形状を逆台形にする。その後に、マスク103aを除去する。
以上のような工程により形成された主磁極112は、図8に示す平面形状を有し、ヨーク部及び絞り部112aと先端部112bと支持部112cを有している。なお、図7(d)は、図8のX−X線から見た断面図である。
主磁極112の先端部112bは、最終的に支持部112bから分離されて磁気記録媒体に記録磁界を書き込む部分となる。
特開2006−114076号公報 特開2007−184036号公報 特開2005−42143号公報
磁気ディスクの高記録密度化の要求に伴って主磁極の先端部をさらに狭くする必要があり、そのパターニングに使用されるマスクを高い精度で細くすることが要求される。
しかし、2回のイオンミリングによる磁性体層のパターニングによれば、斜め方向からイオンを照射しているので、マスクとその下の磁性体層が横方向に削られる。このため、マスク及びその下の磁性体層のパターンは初期状態から大幅に縮小する。しかも、基板上の位置によって削り量が異なってしまう。その結果、主磁極の先端部の寸法にばらつきが生じてしまう。
磁性体層をエッチングする方法として、イオンミリング以外に、エッチングガスとしてメタノールを使用するドライエッチングの方法も知られている。しかし、メタノールを使用するエッチングは、イオンミリングよりもエッチング速度が遅い。
本発明の目的は、磁性体層のパターン精度を高くすることができる磁性材料の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明の1つの観点によれば、基板の上方に、磁性材料を有する磁性体層を形成する工程と、前記磁性体層の上に、塩化された状態の沸点が前記磁性材料の塩化物の沸点に比べて高い金属を含むマスクを形成する工程と、塩素系ガスとの化学反応を含むドライエッチング法により、前記マスクから露出している領域の前記磁性体層をエッチングする工程とを有することを特徴とする磁性材料の加工方法が提供される。
本発明によれば、磁性体層をパターニングするために使用されるマスクの材料は、塩化された状態における沸点が、磁性体層の構成材料の塩化物の沸点よりも高い金属を有している。
これにより、塩素系ガスを使用して化学反応により磁性体層をドライエッチングする際に、マスク材料の塩化物の沸点よりも低い温度下で磁性体層をエッチングすることにより、マスクに対する磁性体層のエッチング選択比を高くすることができる。しかも、イオン照射によるエッチングが抑制されるので、磁性体層のパターンの側面へのエッチング生成物の付着を抑制することができ、磁性体層のパターン精度を高くすることができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。
図1に示す磁気ヘッドは、例えば、垂直磁気記録方式に適用される構造を有し、アルチック(Al2O3−TiC)のような非磁性材からなる基板1と、アルミナ(Al2O3)などの絶縁層2を介して基板1上に形成された磁気再生ヘッド10と、アルミナなどの絶縁分離層3を介して磁気再生ヘッド10上に形成された磁気記録ヘッド20とを有している。
非磁性の基板1は、磁気ヘッドの形成後に切断、研磨等によってスライダ形状に加工される。スライダ加工後には、磁気再生ヘッド10と磁気記録ヘッド20から構成される磁気ヘッドは磁気記録媒体5の記録面に対向して配置される。
基板1上において、磁気再生ヘッド10は磁気記録媒体5に対してリーディング側となるように配置され、磁気記録ヘッド20はトレーリング側に配置される。
再生磁気ヘッド10は、絶縁層2の上に順に形成された下部磁気シールド層11、絶縁ギャップ層12及び上部磁気シールド層14から構成され、絶縁ギャップ層12の中には再生用素子13が形成されている。
下部磁気シールド層11と上部磁気シールド層14は磁性材、例えばFeNi(例えば、Fe:20質量%、Ni:80質量%)合金層から構成され、また、絶縁ギャップ層12はアルミナのような絶縁材から構成されている。再生用素子13は、絶縁ギャップ層12内に形成される一対の電極(不図示)に接続されるが、その素子構造によっては下部及び上部磁気シールド層11、14が一対の電極として兼用されることもある。
再生用素子13として、例えば磁気抵抗(Magneto Resistance:MR)効果素子、巨大磁気抵抗(Giant Magneto Resistance: GMR)効果素子又はトンネル磁気抵抗(Tunneling Magneto Resistance:TMR)効果素子が形成される。
再生用素子13は、磁気記録媒体5に対する磁気ヘッドの浮上面(ABS面:Air Bearing Surface)、即ち媒体対向面となる領域に形成される。
磁気記録ヘッド20は、絶縁分離層3上に形成された主磁極21と、主磁極21上に形成された非磁性ギャップ層23と、主磁極21及び非磁性ギャップ層23の周囲に形成された平坦化絶縁層22とを有している。さらに、磁気記録ヘッド20は、非磁性ギャップ層23及び平坦化絶縁層22上に形成された下地絶縁層24aと、下地絶縁層24a上に形成された励磁コイル25と、励磁コイル25を覆う被覆絶縁層24bとを有している。被覆絶縁層24bのトレーリング側の上には磁性層からなるリターンヨーク26が形成されている。さらに、非磁性ギャップ層23上には、リターンヨーク26の媒体対向面側の先端部に接続されて主磁極21に近接するトレーディング側磁気シールド層27が形成されている。また、主磁極21に近いクロストラック側には、サイド磁気シールド(不図示)が形成されている。
なお、磁気記録ヘッド20においては、主磁極21のトレーリング側だけでなく、リーディング側にも励磁コイルとリターンヨークが配置される構造もある。
主磁極21は、図2の斜視図に示すように、四角形のヨーク部21aと、ヨーク部21aからABS面(媒体対向面)側に突出するテーパー状の絞り(磁界収束)部21bと、絞り部21bのうちABS面側の先端から突出する直線状の先端部21cとから構成されている。
主磁極21のヨーク部21aは、励磁コイル25のほぼ中央の隙間を通して形成されるコンタクトホール28を通してリターンヨーク26に磁気的に接続されている。先端部21cの上面は、例えば、幅50nm〜120nm、長さ50nm〜150nmの平面形状を有している。
次に、主磁極21の形成工程を図3、図4に基づいて説明する。なお、図3(a)〜(h)は、図2のI−I線から見た形成工程の断面図を示し、図4(a)〜(d)は主磁極の形成工程を示す平面図である。
まず、基板1上に、図1に示した絶縁層2、磁気再生ヘッド10及び絶縁分離層3を順に形成する。絶縁分離層3の厚さを例えば約500nmとする。
次に、図3(a)に示すように、絶縁分離層3の上に、鉄を含む材料からなる磁性体層31として、例えば鉄(Fe)を70質量%、コバルト(Co)を30質量%で含むFeCo層を100nm以上、例えば250nm程度の厚さに形成する。
鉄を含む磁性体層31の材料は、Feの他に、Co、Niのうち少なくとも一方を含む磁性材であってもよい。また、磁性体層31として、高飽和磁束密度層と反強磁性体層を交互にスパッタ法により複数層形成する多層構造を採用してもよい。多層構造における高飽和磁束密度層として例えばFeCo、鉄・コバルト・ニッケル(FeCoNi)等を採用し、また、反強磁性体層としてクロム(Cr)を採用する。さらに、反強磁性体層の代わりにアルミナ、ルテニウム等の非磁性層を形成してもよい。
続いて、磁性体層31上にアルミナ層32、Cr層33を形成する。アルミナ層32は、Cr層33と磁性体層31とを分離する厚さ、例えば50nmに形成される。また、Cr層33は、例えば300nm〜350nmの厚さに形成される。
続いて、Cr層33上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像することにより、図3(b)に示すようにレジストパターン34を形成する。レジストパターン34は、図4(a)に示した平面形状を有し、主磁極21の相似形で且つ主磁極21よりも大きな平面形状を有する。レジストパターン34は、主磁極21に対応した平面形状を有している。
なお、レジストパターン34のうち主磁極21の先端部21cに対応する部分の幅を例えば約180nmとする。
次に、レジストパターン34をマスクに使用し、反応性イオンエッチング(RIE)法によりCr層33及びアルミナ層32をエッチングする。これにより、図3(c)、図4(b)に示すように、レジストパターン34の平面形状がCr層33及びアルミナ層32に転写される。
Cr層33のエッチング時には、エッチングガスとして例えば塩素(Cl2)と酸素(O)を使用する。この場合、エッチング雰囲気の圧力を例えば1Paに設定し、さらに、基板1を例えば約80℃に加熱する。また、RIE装置の電極に印加する高周波パワーを例えば2000Wとする。
アルミナ層32のエッチング時には、エッチングガスとして例えば三塩化ホウ素(BCl3)を使用する。この場合、エッチング雰囲気の圧力を例えば1Paに設定し、さらに、基板温度を例えば約80℃に加熱する。また、RIE装置の電極に印加する高周波パワーを例えば2000Wとする。
アルミナ層32のエッチング終了時に、Cr層33上にレジストパターン34が残っている場合には、その後にレジストパターン34を除去する。
これにより、パターニングされたCr層33及びアルミナ層32をハードマスク35として使用する。なお、アルミナ層32は省略してもよく、この場合にはCr層33のみがハードマスク35となる。
次に、ハードマスク35に覆われない領域の磁性体層31をRIE法によりエッチングする。磁性体層31であるFeCo層のエッチングのために、例えば反応ガスとしてCl2を使用し、エッチング雰囲気の圧力を例えば約1Paに設定する。磁性体層31のエッチング時の表面温度を例えば約350℃以上、400℃以下に設定する。また、RIE装置の電極に印加する高周波パワーを2000Wとする。
そのような条件によりパターニングされた磁性体層31の側面は、基板面に対して実質的に垂直になる。
これにより、図3(d)、図4(c)に示すように、ハードマスク35の下に残された磁性体層31を図1、図2に示す主磁極21として使用する。
次に、図3(e)、図4(d)に示すように、斜め方向から主磁極21をイオンミリングすることにより、主磁極21の断面形状を逆台形又は逆三角形にする。イオンミリングの方向は、例えば図3(e)において、主磁極21の左側部をエッチングする場合には基板1上面の垂直方向から左側に例えば70度程度に傾ける。また、主磁極21の右側をエッチングする場合には基板上面の垂直方向から右側に例えば70度程度に傾ける。これにより、主磁極21の先端部21cの幅を約100nmまで細くする。イオンミリングの角度は、70度に限られるものではなく、例えば45度〜70度の範囲から選択してもよい。
なお、先端部21cのABS面側の先端には、ハードマスク35の形状が転写されて支持部21dが形成される。
次に、図3(f)に示すように、ハードマスク35に覆われた主磁極21と非磁性絶縁層3の上にアルミナ層36を形成する。続いて、図3(g)に示すように、アルミナ層32、36及びCr層33をCMP法により研磨することによりCr層33を除去するとともにアルミナ層36を平坦化する。これにより主磁極21の周囲に残されたアルミナ層36を図1に示す平坦化絶縁層22として使用する。
その後に、図3(h)に示すように、主磁極21及び平坦化絶縁層22の上に、アルミナからなる非磁性ギャップ層23をスパッタ法により形成する。
次に、平坦化絶縁層22及び非磁性ギャップ層23の上に、図1に示す下地絶縁膜24a、励磁コイル25、被覆絶縁層24b、リターンヨーク26等を形成し、これにより磁気ヘッド用ウェハを完成させる。
その後に、磁気ヘッド用ウェハを所定形状に切断、加工し、最終的に磁気ヘッドスライダを形成する。それらのプロセスにおいて、主磁極21の支持部21dを除去するとともに先端部21cの長さを調整し、図2に示すような形状にする。
上記した本実施形態において、磁性体層31のパターニングのためのエッチング方法としてRIE法を採用している。RIE法によれば、エッチングが物理エッチングと化学エッチングの双方で作用するため、エッチング生成物の生成量がイオンミリング法に比べて少なくなる。従って、ハードマスク35の下の磁性体層31の側面でのエッチング生成物の付着が抑制され、イオンミリングによる主磁極21の整形がしやすくなる。
また、磁性体層31のエッチング時には、磁性体層31を構成する鉄とエッチングガスの化学反応によりFeCl3が生成される。本実施形態では、エッチング時の磁性体層31の表面温度をFeCl3の沸点以上、即ち350℃以上に設定しているので磁性体層31のエッチングが促進される。この結果、磁性体層31のパターン精度が向上する。
一方、エッチング時には、ハードマスク35を構成するクロムとエッチングガスの反応により塩化クロム(CrCl2)が生成される。しかし、CrCl2の沸点は、約1100℃であってFeCl3の沸点よりも750℃も高く、しかも上記したエッチング時の表面温度よりも高い。従って、Crからなるハードマスク35は、磁性体層31に比べてエッチングされ難く、エッチングマスクとして適している。
これにより、FeCoの磁性体層31は、図3(d)に示すように、ハードマスク35と同じ平面形状となり、しかも、主磁極21の側面は、絶縁分離層3の上面に対して実質的に垂直となる。
ところで、イオンミリングはイオン衝突による物理エッチングである。従って、図7(b)、(c)に示したように、ハードマスク103aに覆われていない領域の磁性体層102をイオンミリングすると、磁性体層102の側面にエッチング生成物が付着し易い。これにより、図7(c)に示した磁性体層102の側面を垂直にするためには、イオンミリングの方向を基板面に対して約45度程度に傾けることにより、磁性体層102の側部でのエッチング生成物の付着を防止する必要がある。
しかし、そのようなイオンミリングによれば、ハードマスク103a及び磁性体層102の幅方向の低減量、即ち寸法シフトが例えば110nmと大きく、パターン精度が低下する原因となる。
ところで、本実施形態に使用するハードマスク35を構成する材料は、上記のCrに限られない。その材料として、例えばルテニウム(Ru)、マンガン(Mn)、パラジウム(Pd)、イットリウム(Y)、ネオジウム(Nd)、プラセオジム(Pr)、セレン(Ce)、ランタン(La)、或いは、それらの元素を含む化合物を採用してもよい。その化合物として、例えば、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ネオジウム(Nd2O3)、酸化セレン(CeO2)等の酸化物がある。
FeCo(Fe:70質量%、Co:30質量%)の磁性体層31をエッチングするために最適なマスク材料を選ぶために、種々の層をRIE法によりエッチングしたところ図5、図6に示す結果が得られた。この場合、エッチングガスとしてCl2を用いた。
図5、図6の棒グラフの縦軸に示すエッチング選択比は、マスク材料に対するFeCo層のエッチング選択比を示している。
図5によれば、チタン(Ti)層、タンタル(Ta)層に対するFeCo層のエッチング選択比は0.1程度である。従って、Ti層、Ta層は、磁性体層31のRIE用マスク材料には適さないことがわかる。
これに対して、Cr、Mn、Y、Nd、Pr、Ce、Laのそれぞれの金属層に対するFeCo層のエッチング選択比は1より大きい。従って、それらの金属層は、磁性体層31のRIE用マスク材料に適している。
また、図6に示よれば、酸化シリコン(SiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化亜鉛(ZnO)に対するFeCo層のエッチング選択比は約0.5、又はそれ以下である。また、Al2O3層に対するFeCo層のエッチング選択比は1より小さい。従って、それらの酸化物は、磁性体層31をRIE法によりエッチングするためのマスク材料に適さないことがわかる。
エッチングガスとして塩素を採用する場合に生じる金属塩化物の沸点の一例を図5、図6にドットで示した。図5、図6において、Cr、Mn、Y、Nd、Pr、Ce、Laの塩化物の沸点は塩化鉄の沸点約350℃よりも高いので、それらの金属は、磁性体層31のRIEエッチング用のハードマスク材料に適している。
これに対して、Ti、Taの塩化物の沸点は、Feの塩化物の沸点よりも低いので、Ti層、Ta層はRIE用ハードマスクに適さない。
図5、図6によれば、塩化された状態での沸点が1000℃以上である金属材料をハードマスクとして適用することが好ましいことがわかる。
ところで、Co又はNiを50質量%以上の主成分元素とするFeCo、NiFe又はFeCoNiにより磁性体層31を構成する場合には、その磁性材料の塩化物の沸点はFeCl3の沸点350℃よりも高くなる。この場合でも、Co又はNiの塩化物、即ち塩化コバルトまたは塩化ニッケルは、上記した最適なマスク材料の塩化物に比べて沸点が低くなる。
従って、Co又はNiを主成分元素とする磁性材料からなる磁性体層31をパターニングする場合であっても、Cr、Mn、Y、Nd、Pr、Ce、Laのいずれかの金属、又はその金属の酸化物はハードマスク材に適している。Co、Niの少なくとも一方を含む磁性材料には、鉄、コバルト、ニッケルの他の材料を含む場合もある。
なお、本実施形態では、鉄を含む磁性体層31のエッチングガスとして塩素ガスを使用しているが、その他に、BCl3等の塩素系ガスを使用してもよい。また、磁性体層31のエッチング方法は、RIE法に限られるものではなく、化学反応によるエッチング作用を有するプラズマエッチング法、ICPエッチング法、ECRエッチング法を用いてもよい。
以上説明した実施形態は典型例として挙げたに過ぎず、各構成要素を組み合わせること、或いはその変形およびバリエーションは当業者にとって明らかであり、当業者であれば本発明の原理および請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく上述の実施形態の種々の変形を行えることは明らかである。例えば、磁気抵抗効果素子、MRAM等を構成する磁性体層のパターニングのために、上記したようなマスク材料を使用して塩素系ガスにより磁性体層をドライエッチングしてもよい。
以下に、本発明の実施形態をさらに付記する。
(付記1)
基板の上方に、磁性材料を有する磁性体層を形成する工程と、前記磁性体層の上に、塩化された状態での沸点が前記磁性材料の塩化物の沸点に比べて高い金属を含むマスクを形成する工程と、塩素系ガスとの化学反応を含むドライエッチング法により、前記マスクから露出している領域の前記磁性体層をエッチングする工程と、を有することを特徴とする磁性材料の加工方法。
(付記2)
前記磁性体層は、鉄を含む合金であることを特徴とする付記1に記載の磁性材料の加工方法。
(付記3)
前記磁性体層は、前記鉄の他にコバルト、ニッケルの少なくとも一方を含んでいることを有することを特徴とする付記1又は付記2に記載の磁性材料の加工方法。
(付記4)
前記マスクは、ルテニウム、マンガン、パラジウム、イットリウム、ネオジウム、プラセオジム、セレン、ランタンのいずれか又はその化合物から形成されていることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれかに記載の磁性材料の加工方法。
(付記5)
前記化合物は、酸化物であることを特徴とする付記4に記載の磁性材料の加工方法。
(付記6)
前記ドライエッチング法は、反応性イオンエッチング法であることを特徴とする付記1乃至付記5のいずれかに記載の磁性材料の加工方法。
(付記7)
前記磁性体層をドライエッチングした後に、イオンミリングにより、前記磁性体層の断面形状を前記基板側で細くなる逆台形状、逆三角形のいずれかに加工することを特徴とする付記1乃至付記6のいずれかに記載の磁性材料の加工方法。
(付記8)
前記イオンミリングは、前記基板の上面に対して垂直方向から45度〜70度の角度で傾いた方向にイオンを照射する方法であることを特徴とする付記7に記載の磁性材料の加工方法。
(付記9)
前記マスクを研磨により除去する工程を有することを特徴とする付記1乃至付記8のいずれかに記載の磁性材料の加工方法。
(付記10)
前記磁性体層は多層構造を有していることを特徴とする付記1乃至付記9のいずれかに記載の磁性材料の加工方法。
(付記11)
基板の上方に、磁性材料を有する磁性体層を形成する工程と、前記磁性体層の上に、塩化された状態の沸点が前記磁性材料の塩化物の沸点に比べて高い金属を含むマスクを形成する工程と、塩素系ガスとの化学反応を含むドライエッチング法により、前記マスクから露出している領域の前記磁性体層をエッチングする工程と、を有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
(付記12)
エッチングされた前記磁性体層は、磁気記録ヘッドの主磁極であることを特徴とする付記11に記載の磁気ヘッドの製造方法。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドを示す断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドにおける磁気記録ヘッドに適用される主磁極を示す斜視図である。 図3(a)〜(h)は、本発明の実施形態に係る磁気記録ヘッドの主磁極の形成工程を示す断面図である。 図4(a)〜(d)は、本発明の実施形態に係る磁気記録ヘッドの主磁極の形成工程を示す平面図である。 図5は、本発明の実施形態に係る主磁極形成工程に使用されるハードマスク用材料とリファレンス材料のそれぞれについて磁性体に対するエッチング選択比を示す第1のグラフである。 図6は、本発明の実施形態に係る主磁極形成工程に使用されるハードマスク用材料とリファレンス材料のそれぞれについて磁性体に対するエッチング選択比を示す第2のグラフである。 図7(a)〜(d)は、従来技術に係る磁気記録ヘッドの主磁極の形成工程を示す断面図である。 図8は、磁気記録ヘッドの一般的な形状の主磁極を含む磁性パターンの平面図である。
符号の説明
1 基板
2 絶縁層
3 絶縁分離層(下地層)
5 磁気記録媒体
10 磁気再生ヘッド
20 磁気記録ヘッド
21 主磁極
22 平坦化絶縁層
23 非磁性ギャップ層
24a 下地絶縁層
24b 被覆絶縁層
25 励磁コイル
26 リターンヨーク
27 磁気シールド層
31 磁性体層
32 アルミナ層
33 Cr層(ハード層)
34 レジストパターン
35 ハードマスク
36 アルミナ層

Claims (8)

  1. 基板の上方に、磁性材料を有する磁性体層を形成する工程と、
    前記磁性体層の上に、塩化された状態の沸点が前記磁性材料の塩化物の沸点に比べて高い金属を含むマスクを形成する工程と、
    塩素系ガスとの化学反応を含むドライエッチング法により、前記マスクから露出している領域の前記磁性体層をエッチングする工程と、
    を有することを特徴とする磁性材料の加工方法。
  2. 前記磁性体層は、鉄を含む合金であることを特徴とする請求項1に記載の磁性材料の加工方法。
  3. 前記磁性体層は、前記鉄の他にコバルト、ニッケルの少なくとも一方を含んでいることを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁性材料の加工方法。
  4. 前記マスクは、ルテニウム、マンガン、パラジウム、イットリウム、ネオジウム、プラセオジム、セレン、ランタンのいずれか又はその化合物から形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の磁性材料の加工方法。
  5. 前記化合物は、酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の磁性材料の加工方法。
  6. 前記ドライエッチング法は、反応性イオンエッチング法であることを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか1項に記載の磁性材料の加工方法。
  7. 基板の上方に、磁性材料を有する磁性体層を形成する工程と、
    前記磁性体層の上に、塩化された状態の沸点が前記磁性材料の塩化物の沸点に比べて高い金属を含むマスクを形成する工程と、
    塩素系ガスとの化学反応を含むドライエッチング法により、前記マスクから露出している領域の前記磁性体層をエッチングする工程と、
    を有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  8. エッチングされた前記磁性体層は、磁気記録ヘッドの主磁極であることを特徴とする請求項7に記載の磁気ヘッドの製造方法。
JP2008214533A 2008-08-22 2008-08-22 磁性材料の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法 Withdrawn JP2010049761A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008214533A JP2010049761A (ja) 2008-08-22 2008-08-22 磁性材料の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008214533A JP2010049761A (ja) 2008-08-22 2008-08-22 磁性材料の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010049761A true JP2010049761A (ja) 2010-03-04

Family

ID=42066714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008214533A Withdrawn JP2010049761A (ja) 2008-08-22 2008-08-22 磁性材料の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010049761A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120103933A1 (en) * 2010-11-01 2012-05-03 Hitachi High-Technologies Corporation Plasma processing method
JP2015146441A (ja) * 2015-03-23 2015-08-13 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120103933A1 (en) * 2010-11-01 2012-05-03 Hitachi High-Technologies Corporation Plasma processing method
JP2012099589A (ja) * 2010-11-01 2012-05-24 Hitachi High-Technologies Corp プラズマ処理方法
US9070388B2 (en) 2010-11-01 2015-06-30 Hitachi High-Technologies Corporation Plasma processing method
JP2015146441A (ja) * 2015-03-23 2015-08-13 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4694213B2 (ja) 垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法
US7944651B2 (en) CPP-type magnetoresistive effect head and method of manufacturing the same
KR100243822B1 (ko) 자기 저항 변환기 및 그 제조 방법
US6884730B2 (en) Method of etching a film of magnetic material and method of manufacturing a thin-film magnetic head
US11211082B1 (en) Magnetic head including spin torque oscillator
JP2006351668A (ja) 磁気検出素子及びその製造方法
JP2005166090A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに磁気記録装置
US10839829B1 (en) Magnetic head with a main pole including first and second layers and manufacturing method for the same
JP2007257711A (ja) 垂直記録磁気ヘッドの製造方法及び垂直記録磁気ヘッド
JP2009277333A (ja) 垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法
JP2006302421A (ja) 磁気ヘッドの製造方法及び磁気ヘッド
JP2006085884A (ja) 垂直磁気記録用磁気ヘッドおよびその製造方法
US10748559B1 (en) Magnetic head including spin torque oscillator and manufacturing method for the same
US9449635B2 (en) Method for forming a magnetic head for perpendicular magnetic recording
JP2007042245A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法、並びにそれを搭載した磁気記録再生装置
JP2004022114A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JP2005018836A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JP4150029B2 (ja) 垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法
JP2001344709A (ja) 薄膜パターンの形成方法および薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2009076127A (ja) 磁気ヘッド及び磁気記録装置
JP2010049761A (ja) 磁性材料の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法
US11380353B1 (en) Magnetic head including spin torque oscillator, first and second gap films, and first and second guard films, and manufacturing method for the same
JP2008287790A (ja) 垂直磁気記録ヘッド
KR100822593B1 (ko) 자기 헤드의 제조 방법
US10872624B1 (en) Magnetic head including a return path section

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20111101