JP2010049479A - 表示撮像装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度の高い外光(環境光)の下において、従来よりも物体を安定して検出することが可能な表示撮像装置を提供する。
【解決手段】表示面10内の受光センサ111(回路部103)の上層に、赤外透過フィルタ108を配置する。また、この赤外透過フィルタ108の透過波長領域が、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)またはオゾン(O)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを含んでいるようにする。これにより、太陽光による環境光(外光)の強度が高い状況下であっても、受光センサ111から得られる受光出力電圧が、飽和しにくくなる。
【選択図】図12

Description

本発明は、パネルに接触または近接する物体の位置などの情報を取得する表示撮像装置、およびそのような表示撮像装置を備えた電子機器に関する。
従来より、表示装置の表示面に接触あるいは近接する物体の位置などを検出する技術が知られている。その中でも代表的で一般に広く普及している技術として、タッチパネルを備えた表示装置が挙げられる。
このタッチパネルも種々のタイプのものが存在するが、一般に普及しているものとして、静電容量を検知するタイプのものが挙げられる。このタイプのものは、指でタッチパネルに接触することでパネルの表面電荷の変化を捕らえ、物体の位置などを検出するようになっている。したがってこのようなタッチパネルを用いることで、ユーザは直感的に操作することが可能である。
また、最近では表示面上にこのようなタッチパネルを別途設けることなく、物体の位置などを検出することを可能とする技術が各種提案されている。例えば、特許文献1〜5には、低温ポリシリコンを用いて製造した液晶表示装置等において、各画素に受光センサを配置し、物体の映像などを取り込むことができるようにしたものが開示されている。これら特許文献1〜5に記載されている表示装置を利用すれば、取り込んだ映像に基づいて、物体の位置などを検出することも可能である。したがって、このような表示装置を利用することで、表示面上にタッチパネルなどの部品を別途設けることなく、簡易な構成で物体の位置などを検出することが可能となる。
しかしながら、上記のように物体で反射された反射光を利用する場合、表示光の輝度が問題となることがあった。具体的には、受光する光の輝度は表示光の輝度に左右され、この表示光の輝度は画像データに応じて変化することから、例えば表示面がいわゆる黒表示状態のときには、表示光に基づいて物体の位置などを正確に検出するのが困難となってしまう。
そこで、上記特許文献1〜5には、例えば赤外光などの非可視光を利用して物体を検出するようにした表示装置も提案されている。そのような非可視光を表示光(可視光)と共に液晶表示装置の表示面から出射するようにすれば、例えば上記のように黒表示状態のときであっても、表示面に接触または近接する物体を確実に検出することができると考えられるからである。
特開2005−275644号公報 特開2004−318819号公報 特開2006−301864号公報 特許4007390号明細書 特開2007−241303号公報
ところが、上記特許文献1〜5における表示装置においても、非可視光を含む外光(環境光)の存在が問題となることがあった。具体的には、受光する光の輝度は環境光の強度に応じて変化することから、環境光の強度に応じて、受光素子から得られる受光信号が飽和してしまうことがあった。そのような飽和が生ずると、撮像した画像に基づいて物体の位置などを正確に検出するのが困難となってしまう。
そこで、表示装置から出射する赤外光などの非可視光の波長領域を透過領域とするバンドパスフィルタ(透過フィルタ)を、受光素子上に設ける方法が考えられる。この方法は、環境光が存在する場合において、物体検出用の赤外光等に対する感度を維持するために有効である。
しかしながら、晴天時のような強力な太陽光下(強度の高い環境光下)では、そのような環境光に起因した赤外光等の受光信号成分のほうが、表示装置からの反射光による赤外光等の受光信号成分と比べ、依然として大きくなってしまうことがあった。特に、晴天時の太陽光直下では、環境光に起因した赤外光等の強度が20(mW/cm)にも達するため、表示装置からの反射光による赤外光等の強度と比べ、10倍以上に達し得る。したがって、やはり受光信号が飽和してしまい、物体の位置などを正確に検出するのが困難となってしまうことがあった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、強度の高い外光(環境光)の下において、従来よりも物体を安定して検出することが可能な表示撮像装置、およびそのような表示撮像装置を備えた電子機器を提供することにある。
本発明の表示撮像装置は、表示面内に配置され、可視光領域の光を発する複数の第1発光素子と、表示面内に配置され、近赤外光を発する第2発光素子と、表示面内に配置された複数の受光素子と、表示面内の受光素子の上層に配置されると共に、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)またはオゾン(O)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを透過波長領域として含む透過フィルタと、表示面から可視光領域の光が表示光として出射するように、画像データに基づいて第1発光素子を表示駆動する表示駆動部と、表示面から出射して検出対象物体で反射された光のうち、透過フィルタを透過した透過波長領域内の近赤外光を検出光として表示面上で検出するように、受光素子を受光駆動する受光駆動部と、受光素子から得られた受光信号に基づいて検出対象物体を検出する検出部とを備えたものである。
ここで、「可視光領域」とは、380nm〜780nm程度の波長領域を意味する。また、「近赤外光」とは、800nm〜1120nm程度の波長領域(近赤外領域)の光を意味するものとする。また、「検出対象物体」とは、表示面に対して接触または近接するように接近している指やポインタ等の物体を意味する。
本発明の電子機器は、画像表示機能および撮像機能を有する上記表示撮像装置を備えたものである。
本発明の表示撮像装置および電子機器では、表示面内に配置された複数の第1発光素子において、表示駆動部による表示駆動により、可視光領域の光が画像データに表示光として出射する。また、表示面内に配置された第2発光素子から、近赤外光が発せられる。そして、表示面から出射して検出対象物体で反射された反射光(可視光領域の光および近赤外光)および環境光は、表示面内の受光素子の上層に配置された透過フィルタへ到達する。この透過フィルタを透過した上記透過波長領域内の近赤外光は、受光駆動部による受光駆動により、表示面内に配置された複数の受光素子によって検出光として検出される。そして、この受光素子から得られた受光信号に基づき、検出対象物体が検出される。ここで、上記透過フィルタの透過波長領域は、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)またはオゾン(O)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを含んでいることにより、太陽光による環境光(外光)の強度が高い状況下であっても、受光素子から得られる受光信号が飽和しにくくなる。
本発明の表示撮像装置または電子機器によれば、表示面内の受光素子の上層に透過フィルタを配置すると共に、この透過フィルタの透過波長領域が、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)またはオゾン(O)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを含んでいるようにしたので、太陽光による環境光(外光)の強度が高い状況下であっても、受光素子から得られる受光信号が飽和しにくくなる。よって、強度の高い外光(環境光)の下において、従来よりも物体を安定して検出することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る表示撮像装置(液晶表示装置)の全体構成を表すものである。この液晶表示装置は、表示部1と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、可視光発光用スキャナ24と、受光用スキャナ31と、受光信号レシーバ32と、受光信号保持部33と、位置検出部34とを備えており、画像データに基づく画像を表示部1に表示すると共に、この表示部1に接触または近接する物体(後述する検出対象物体12)の位置などを検出するものである。
表示部1は、複数の各画素11が表示部1の全面に渡ってマトリクス状に配置されたLCD(Liquid Crystal Display)からなり、後述するように線順次動作をしながら所定の図形や文字などの画像を表示するものである。また、各画素11は、可視光および非可視光(近赤外光)をそれぞれ発する発光セルCWと、非可視光(近赤外光)を受光することが可能な受光セルCRとを有する発光受光セルCWRから構成され、後述するように画素ごとに発光動作と受光動作とを行うことができるようになっている。なお、この表示部1の構成の詳細については後述する。
表示信号生成部21は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)などから供給される画像データに基づいて、例えば1画面ごと(1フィールドの表示ごと)に表示部1に表示するための表示信号を生成するものである。このようにして生成された表示信号は、表示信号保持制御部22へ出力される。
表示信号保持制御部22は、表示信号生成部21から出力される表示信号を1画面ごと(1フィールドの表示ごと)に、例えばSRAM(Static Random Access Memory)などから構成されるフィールドメモリに格納して保持するものである。この表示信号保持制御部22はまた、各発光セルCWを発光駆動する可視光発光用スキャナ24および表示信号ドライバ23と、各受光セルCRを受光駆動する受光用スキャナ31とが連動して動作するように制御する役割も果たしている。具体的には、可視光発光用スキャナ24に対しては発光タイミング制御信号41を、受光用スキャナ31に対しては受光タイミング制御信号42を、表示信号ドライバ23に対しては、制御信号、およびフィールドメモリに保持されている1画面分の表示信号に基づく1水平ライン分の表示信号を、それぞれ出力するようになっている。このようにして、これら可視光発光用スキャナ24、受光用スキャナ31および表示信号ドライバ23に各制御信号および表示信号が供給されることで、後述する例えば矢印X方向への線順次動作が行われるようになっている。
可視光発光用スキャナ24は、表示信号保持制御部22から出力される発光タイミング制御信号41に応じて、駆動対象の発光セルCWを選択するものである。具体的には、表示部1の各画素11に接続された発光用ゲート線介して駆動対象の発光セルCWへ発光用選択信号を供給し、発光素子選択スイッチを制御するようになっている。このようにして、この発光用選択信号によってある画素の発光素子選択スイッチがオン状態となる電圧が印加されると、その画素では表示信号ドライバ23から供給された電圧に対応した輝度の発光動作がなされるようになっている。
表示信号ドライバ23は、表示信号保持制御部22から出力される1水平ライン分の表示信号に応じて、駆動対象の発光セルCWへ表示データを供給するものである。具体的には、表示部1の各画素11に接続されたデータ供給線を介して、可視光発光用スキャナ24により選択された画素11へ表示データに対応する電圧を供給するようになっている。このようにして、これら可視光発光用スキャナ24および表示信号ドライバ23が連動して線順次動作することにより、任意の表示データに対応する画像が表示部1に表示されるようになっている。
受光用スキャナ31は、表示信号保持制御部22から出力される受光タイミング制御信号42に応じて、駆動対象の受光セルCRを選択するものである。具体的には、表示部1の各画素11に接続された受光用ゲート線を介して駆動対象の受光セルCRへ受光用選択信号を供給し、受光素子選択スイッチを制御するようになっている。つまり、上記した可視光発光用スキャナ24の動作と同様に、受光用選択信号によってある画素の受光素子選択スイッチがオン状態となる電圧が印加されると、その画素から検出された受光信号が受光信号レシーバ32に出力されるようになっている。このようにして、非可視光(近赤外光)が受光セルCRによって受光される。
なお、この受光用スキャナ31は、受光信号レシーバ32および受光信号保持部33に対してそれぞれ受光ブロック制御信号43を出力し、これら受光動作に寄与する部分の動作を制御する役割も果たしている。
受光信号レシーバ32は、受光用スキャナ31から出力される受光ブロック制御信号43に応じて、各受光セルCRから出力された1水平ライン分の受光信号を取得するものである。このようにして取得された1水平ライン分の受光信号は、受光信号保持部33へ出力される。
受光信号保持部33は、受光用スキャナ31から出力される受光ブロック制御信号43に応じて、受光信号レシーバ32から出力される受光信号を1画面ごと(1フィールドの表示ごと)の受光信号に再構成し、例えばSRAMなどから構成されるフィールドメモリに格納して保持するものである。このようにしてフィールドメモリに格納された受光信号は、位置検出部34へ出力される。なお、この受光信号保持部33はメモリ以外の記憶素子から構成されていてもよく、例えば受光信号をアナログデータとして保持しておくようにしてもよい。
位置検出部34は、受光信号保持部33から出力される受光信号に基づいて信号処理を行い、受光信号を検出した受光セルCRの位置から、表示部1に接触あるいは近接する物体の位置などを特定するものである。このようにして、表示部1に接触あるいは近接する物体の位置などが特定される。なお、上記のように受光信号保持部33が受光信号をアナログデータとして保持している場合には、この位置検出部34がアナログ/デジタル変換(A/D変換)を行ってから信号処理を実行するように構成することが可能である。
なお、表示信号ドライバ23および可視光発光スキャナ24が、本発明における「表示駆動手段」の一具体例に対応し、受光用スキャナ31が本発明における「受光駆動手段」の一具体例に対応する。
次に、図2〜図7を参照して、表示部1および発光受光セルCWRの構成の詳細について説明する。
図2は、各画素11における発光受光セルCWRの構成の一例を平面図で表したものである。この発光受光セルCWRは、前述のように、発光セルCWと受光セルCRとを有している。また、そのうちの発光セルCWは、赤色発光する赤色発光セルCWrと、緑色発光する緑色発光セルCWgと、青色発光する青色発光セルCWbとを有している。また、赤色発光セルCWrは、赤色発光する部分である赤色発光素子CLrと、この赤色発光素子CLrを駆動するスイッチ素子(後述する発光素子選択スイッチSW1R)を含むTFT(Thin Film Transistor)回路部113Rとを有し、緑色発光セルCWgは、緑色発光する部分である緑色発光素子CLgと、この緑色発光素子CLgを駆動するスイッチ素子(後述する発光素子選択スイッチSW1G)を含むTFT回路部113Gとを有し、青色発光セルCWbは、青色発光する部分である青色発光素子CLbと、この青色発光素子CLbを駆動するスイッチ素子(後述する発光素子選択スイッチSW1B)を含むTFT回路部113Bとを有している。なお、これら赤色発光素子CLr、緑色発光素子CLgおよび青色発光素子CLbとTFT回路部113との接続関係、ならびにTFT回路部113と前述の表示信号ドライバ23、可視光発光用スキャナ24、受光用スキャナ31および受光信号レシーバ32との接続関係の詳細は後述(図4)する。また、詳細は後述するが、赤色発光素子CLr、緑色発光素子CLgおよび青色発光素子CLbの形成領域と、TFT回路部113R,113G,113Bの形成領域とには、カラーフィルタ107が配置されており、この領域からは非可視光(近赤外光)も出射されるようになっている。
受光セルCRは、非可視光(近赤外光)を受光する部分である受光センサ111と、この受光センサ111を駆動するスイッチ素子(後述する受光素子選択スイッチSW2)を含む受光センサ回路部112とを有している。受光センサ111は例えばフォトダイオードなどから構成され、このフォトダイオードは、例えば単結晶シリコン、多結晶シリコン(ポリシリコン)または非晶質シリコン(アモルファスシリコン)などにより構成される。ここで、本実施の形態のように可視光領域よりも長波長側の非可視光(近赤外光)を利用する場合、受光センサ111は、アモルファスシリコンよりも、多結晶シリコンや単結晶シリコンから構成されていることが好ましい。これは、多結晶シリコンや単結晶シリコンによって受光センサ111を構成したほうが、受光可能な光の波長領域が広くなる(約1100nm以下の波長領域)からである。なお、詳細は後述するが、受光センサ111の形成領域(受光センサ111の上層)および受光センサ回路部112の形成領域(受光センサ回路部112の上層)には、赤外線透過フィルタ108が配置されており、近赤外領域内の所定の透過波長領域の光が選択的に受光されるようになっている。
ここで、これら赤色発光素子CLr、緑色発光素子CLgおよび青色発光素子CLbが、本発明における「液晶素子」の一具体例に対応し、受光センサ111が本発明における「受光素子」の一具体例に対応する。
図3は、図2におけるA−A部分の矢視断面図であり、表示部1の断面構成の一例を表したものである。この表示部1は、光源100と、各発光素子(赤色発光素子CLr、緑色発光素子CLgおよび青色発光素子CLb)ならびに受光素子(受光センサ111)を構成する積層構造とから構成されている。この積層構造は、具体的には光源100側から、偏光板101Aと、ガラス基板102Aと、回路部103と、絶縁層104と、透明画素電極105Aと、液晶層106と、透明電極105Bと、カラーフィルタ107および透過フィルタ108と、ブラックマトリクス109と、ガラス基板102Bと、偏光板101Bとから構成されている。すなわち、これら各発光素子は液晶素子から構成され、互いに対向するガラス基板102A,102Bの間に液晶層106を設けた構成となっている。
光源100は、可視光および非可視光(近赤外光)を上記した液晶素子へ向けて発するバックライトである。この光源100は、例えば、そのような可視光および非可視光(近赤外光;例えば、発光波長が940nmの近赤外光)を発するLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)を含んで構成されている。
ガラス基板102A,102Bは、いずれもガラス材料からなる透明基板である。ただし、これら102A,102Bをガラス材料の代わりに、透明なプラスチック材料などから構成してもよい。なお、これらガラス基板102A,102Bが、本発明における「一対の透明基板」の一具体例である。
回路部103は、図2に示したTFT回路部113や受光センサ111、受光センサ回路部112に対応する部分である。これらのうち、TFT回路部113に対応する回路部103の部分は、各透明画素電極105Aと電気的に接続されている。また、透明画素電極105Aは各発光セルCWr,CWg,CWbに配置されており、例えばITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ))などの透明材料から構成される。一方、透明電極105Bは透明電極105Aと対向する共通電極であり、透明電極105Aと同様に例えばITOなどの透明材料から構成される。また、絶縁層104は、各回路部103の間に形成されている。このような構成により、これら透明電極105A,105B間に表示データに応じた電圧が印加され、光源100からのバックライト光LOのうちの可視光Lrgbが、液晶層106において変調されるようになっている。
カラーフィルタ107は、表示面10側のガラス基板102B上において、各発光セル(赤色発光セルCWr、緑色発光セルCWgおよび青色発光セルCWb)に対応する領域に配置されており、液晶層106を透過したバックライト光LOのうち、自己の発光色に対応する波長領域の可視光(赤色光Lr、緑色光Lgまたは青色光Lb)と、非可視光(近赤外光)LIRとを選択的に透過させるものである。なお、受光セルCRに対応する領域には、カラーフィルタ107は配置されないようになっている。
赤外線透過フィルタ108は、カラーフィルタ107と同一の層内に配置されている。この赤外透過フィルタ108は、詳細は後述するが、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)またはオゾン(O)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを、透過波長領域として含むものである。これにより、表示面10から出射して検出対象物体(後述する検出対象物体12)で反射された反射光および環境光のうち、この赤外透過フィルタ108を透過した透過波長領域内の近赤外光が、検出光として受光センサ111(回路部103)で検出されるようになっている。
ブラックマトリクス109は、各発光セルおよび各受光セルの間に配置されており、光源100からのバックライト光LOを遮断して表示面10側に出射しないようにするものである。
このようにして、光源100からのバックライト光LOがカラーフィルタ107を透過することにより、各発光セルからは可視光Lrgbおよび非可視光(近赤外光)LIR、すなわち、赤色発光セルCWrからは赤色光Lr(可視光)および非可視光(近赤外光)LIRが、緑色発光セルCWgからは緑色光Lg(可視光)および非可視光(近赤外光)LIRが、青色発光セルCWbからは青色光Lb(可視光)および非可視光(近赤外光)LIRが、それぞれ出射されるようになっている。一方、受光セルCR上には赤外透過フィルタ108が配置されているため、この受光セルCRでは、非可視光(近赤外光)LIR(具体的には、赤外透過フィルタ108の透過波長領域内の近赤外光)が受光されるようになっている。
したがって、各発光セルにおける可視光Lrgbおよび非可視光(近赤外光)LIRの発光スペクトルは、例えば図4(A)〜(C)に示したようになる。すなわち、青色発光セルCWbでは、例えば図4(A)に示したように、しきい値波長W1(可視光領域と非可視光(近赤外光)領域とのしきい値波長)よりも短波長側である可視光領域側において青色発光スペクトルPbが観測される一方、このしきい値波長W1よりも長波長側である非可視光(近赤外光)領域(波長W1〜W2の領域)には、非可視光(近赤外光)発光スペクトルPIRが観測されるようになっている。また、緑色発光セルCWgでは、例えば図4(B)に示したように、しきい値波長W1よりも短波長側である可視光領域側において緑色発光スペクトルPgが観測される一方、このしきい値波長W1よりも長波長側である非可視光(近赤外光)領域(波長W1〜W2の領域)には、非可視光(近赤外光)発光スペクトルPIRが観測されるようになっている。また、赤色発光セルCWrでは、例えば図4(C)に示したように、しきい値波長W1よりも短波長側である可視光領域側において赤色発光スペクトルPrが観測される一方、このしきい値波長W1よりも長波長側である非可視光(近赤外光)領域(波長W1〜W2の領域)には、非可視光(近赤外光)発光スペクトルPIRが観測されるようになっている。
また、赤外透過フィルタ108は、例えば図5に模式的に示したように、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)またはオゾン(O)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つ(ここでは、例えば900nm〜960nm)を、透過波長領域として含んでいる。このような透過波長領域について、図6を参照して説明する。図6は、晴天時の太陽光スペクトルを示したものである。ハッチングされているのは、大気中の水蒸気(HO)やオゾン(O)による吸収のために、地表面での分光光強度が低下している波長帯(太陽光の吸収波長領域)である。図6において、図5に示された透過波長領域(900nm〜960nm;図6中の符号P12参照)では、太陽光スペクトルが、大気中の水蒸気による吸収がなかった場合の約1/2の分光光強度になっている。したがって、詳細は後述するが、このような透過波長領域を含む赤外透過フィルタ108を用いることにより、他の透過波長領域の赤外透過フィルタを用いる場合と比べ、約2倍の環境光(外光)強度まで、物体検知を行うことが可能となるからである。
また、この赤外透過フィルタ108は、透過波長領域として、上記した太陽光の吸収波長領域の吸収ピーク波長(930nm程度)を少なくとも含むようにするのが好ましい。また、透過波長領域として、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを含むようにするのが好ましい。さらに、非可視光(近赤外光)発光スペクトルPIRは、このような透過波長領域を含む波長領域であることが好ましい。より高い環境光(外光)強度まで、物体検知を行うことが可能となるからである。
このような透過波長領域を含む赤外透過フィルタ108は、例えば、短波長カット特性および長波長透過特性を有するフィルタと、短波長透過特性および長波長カット特性を有するフィルタとの2層構造により構成することができる。あるいは、バンドパス特性を有する単一材料の1層構造としてもよい。
ここで、バンドパス特性を有するフィルタと、短波長カット特性および長波長透過特性を有するフィルタとの2層構造の一例について、フィルタの材料例、製造プロセス例および透過波長領域例を詳細に説明する。
まず、レジスト塗布、パターン露光および焼成を順次行う通常のカラーフィルタ形成プロセスに先立って、TFT製造法においても用いられるプラズマCVD法を用いることにより、ガラス基板上にアモルファスシリコン(a−Si)層およびSiO層を、例えば以下のような膜厚および順序にて交互に順次形成し、5層構造の干渉フィルタとする。
ガラス基板/a−Si(65nm)/SiO(161nm)/a−Si(130nm)/SiO(161nm)/a−Si(65nm)
なお、干渉フィルタの設計方法については、藤原史朗編、光学薄膜 第2版(共立出版、1986年)、p.110の第6.2節に記載されており、この文献で言うS.H.W.型(Single Half-Wave System)フィルタを用いることができる。上記構造では、ガラス基板側から光が入射する場合、920nmを中心とした半値幅約40nmのバンドパス透過特性が得られた。
次に、レジスト塗布、パターン露光および焼成による良く知られたフォトリソグラフィー法により、受光センサ111および受光センサ回路部112を含む受光セルCR(図2)の領域のパターンにレジストパターンを形成する。そして、反応性イオンエッチングにより、レジストパターンに覆われた部分以外の上記a−Si/SiOの5層薄膜をエッチング除去し、最後にレジストパターンを剥離除去する。これら一連の工程により、上記a−Si/SiOの5層薄膜の干渉フィルタが、受光セルCRの領域のパターンに形成される。
この工程以降は、レジスト塗布、パターン露光および焼成を順次行う通常のカラーフィルタ形成プロセスにより、赤、青および緑の三色のカラーフィルタパターンを形成する。この際、上記5層薄膜の干渉フィルタは630nm以下の波長の光も透過するため、赤色カラーフィルタパターンは、図2に示した赤色発光セルCWrの領域に加え、受光センサ111および受光センサ回路部112を含む受光セルCRの領域をも覆うようにする。これにより、630nm以下の波長の光透過が防止されることになる。その結果、図5に示すような中心波長920nmバンドパス透過特性が実現された。
なお、上記した透過波長領域の他にも、図6中の符号P11,P13で示したように、750nmや1110nm付近にも、大気中の水蒸気やオゾンによる吸収波長領域があるため、これらの吸収波長領域を透過波長領域として含む赤外透過フィルタを用いるようにしてもよい。
次に、図7は、各画素11における発光受光セルCWRの回路構成の一例を表したものである。この発光受光セルCWRは、前述のように、赤色発光セルCWr、緑色発光セルCWgおよび青色発光セルCWbからなる発光セルCWと、受光セルCRとを有している。このうち、発光セルCWには、表示信号ドライバ23に接続された表示データ供給線DWと、可視光発光用スキャナ24に接続された発光用ゲート線GWとが接続されている。具体的には、赤色発光セルCWrには表示データ供給線DWrと発光用ゲート線GWとが、緑色発光セルCWgには表示データ供給線DWgと発光用ゲート線GWとが、青色発光セルCWbには表示データ供給線DWbと発光用ゲート線GWとが、それぞれ接続されている。一方、受光セルCRには、受光用スキャナ31に接続された受光用ゲート線GRと受光信号レシーバ32に接続されたデータ読み出し線DRとが接続されている。
赤色発光セルCWrは、前述の赤色発光素子CLrと、前述のTFT回路部113R内に設けられた発光素子選択スイッチSW1Rとを有している。緑色発光セルCWgは、前述の緑色発光セルCLgと、前述のTFT回路部113G内に設けられた発光素子選択スイッチSW1Gとを有している。青色発光セルCWbは、前述の青色発光素子CLbと、前述のTFT回路部113B内に設けられた発光素子選択スイッチSW1Bとを有している。また、受光セルCRは、前述の受光素子としての受光センサ111(図7に示した例では、フォトダイオード)と、前述の受光センサ回路部112内に設けられた受光素子選択スイッチSW2とを有している。なお、これら発光素子選択スイッチSW1R,SW1G,SW1Bは、いずれも例えばTFTなどのスイッチ素子から構成されており、受光センサ111等と同一の透明基板(ここでは、ガラス基板102A)上に形成されている。
発光素子選択スイッチSW1R,SW1G,SW1Bはそれぞれ、発光用ゲート線GWによってそのオンオフ動作が制御されるようになっている。また、発光素子選択スイッチSW1Rの一端は表示データ供給線DWrに接続され、その他端は赤色発光素子CLrの一端(具体的には、前述の透明画素電極105A)に接続され、赤色発光素子CLrの他端(具体的には、前述の透明電極105B)は接地されている。同様に、発光素子選択スイッチSW1Gの一端は表示データ供給線DWgに接続され、その他端は緑色発光素子CLgの一端に接続され、緑色発光素子CLgの他端は接地されている。発光素子選択スイッチSW1Bの一端は表示データ供給線DWbに接続され、その他端は青色発光素子CLbの一端に接続され、青色発光素子CLbの他端は接地されている。一方、受光素子選択スイッチSW2は受光用ゲート線GRによってそのオンオフ動作が制御されるようになっており、その一端はデータ読出線DRに接続され、その他端は受光センサ111の一端に接続され、受光センサ111の他端は接地または正バイアス点(図示せず)に接続されている。
このような回路構成により発光受光セルCWRでは、以下のような発光動作および受光動作がなされる。
まず、可視光Lrgbの発光動作時には、発光用ゲート線GWから供給される発光用選択信号に応じて、1水平ライン分の発光素子選択スイッチSW1R,SW1G,SW1Bがそれぞれオン状態となる。そして各表示信号に応じた輝度の発光となるよう、表示データ供給線DWr,DWg,DWbからそれぞれI1r,I1g,I1bの経路にて、赤色発光素子CLr、緑色発光素子CLgおよび青色発光素子CLbが充電されることで、これら発光素子はそれぞれ、各発光色に対応すると共に各表示信号に応じた輝度からなる発光動作を行うようになっている。
これに対して、非可視光(近赤外光)LIRの発光動作については、光源100から発せられた非可視光(近赤外光)LIRが、表示データの内容によらず、表示面(各発光セルCWr,CWg,CWb)内の液晶素子(赤色発光素子CLr、緑色発光素子CLgまたは青色発光素子CLb)を常に透過して出射するため、各発光素子は、一定の輝度からなる非可視光(近赤外光)LIRの発光動作を行うようになっている。
一方、受光動作時には、受光用ゲート線GRから供給される受光用選択信号に応じて、1水平ライン分の受光素子選択スイッチSW2がオン状態となり、受光センサ111において受光した光量に応じた電流がI2の経路にてデータ読出線DRへ供給されることで、非可視光(近赤外光)LIRの受光動作を行うようになっている。
なお、非可視光(近赤外光)LIRの発光動作および受光動作のいずれの動作も行っていないときには、発光素子選択スイッチSW1R,SW1G,SW1Bおよび受光素子選択スイッチSW2のいずれのスイッチもオフ状態となっており、表示データ供給線DWr,DWg,DWbと赤色発光素子CLr、緑色発光素子CLgまたは青色発光素子CLbとの間の接続、ならびにデータ読出線DRと受光センサ111との間の接続は、いずれも切断されるようになっている。
次に、以上のような構成からなる液晶表示装置において、表示部1の表示面10に接触あるいは近接する物体(検出対象物体)を検出する処理を、黒表示状態の場合とそれ以外の通常表示状態の場合とに分けて説明する。
まず、図8〜図10を参照して、検出対象物体を検出する処理の概要について説明する。ここで図8は、通常表示状態のときに検出対象物体を線順次動作で検出する処理の一例を表したものである。一方、図9は、黒表示状態のときの表示部1の状況を断面図で表したものであり、図10は、同じく黒表示状態のときに検出対象物体を線順次動作で検出する処理の一例を表したものである。なお、黒表示状態とは、通常、表示部1の画素11から可視光Lrgbが出射されていない状態を意味するが、ここでは説明のために、表示部1に表示されている映像が、全ての画素11にわたって黒表示である状態を示すものとする。また、図8および図10に示した1マスは、表示部1における画素11を表している。
まず、図8を参照して、通常表示状態の場合について説明する。
図8(A)に示したように、非可視光(近赤外光)発光素子CLIRからは前述のように常に一定の輝度からなる非可視光(近赤外光)LIRが出射されることから、表示部1における各画素11は常に非可視光(近赤外光)発光領域51となっている。
ここで、図8(B),(C)に示したように、前述の1水平ライン分の可視光発光素子CLrgbの発光動作(可視光発光領域52の領域)、および1水平ライン分の受光センサ111の受光動作(受光領域53の領域)が、それぞれ矢印Xのように同期して線順次動作(それぞれ、線順次発光動作および線順次受光動作)を行うことで、表示部1全体にわたってそれぞれ、映像の表示(可視光Lrgbの出射)および非可視光(近赤外光)LIRの受光が可能となる。そして、例えば表示部1に指などの検出対象物体12が接触あるいは近接すると、可視光発光領域52から出射された可視光Lrgbおよび非可視光(近赤外光)発光領域51から出射された非可視光(近赤外光)LIRが、それぞれこの検出対象物体12で反射される。ここで、この可視光Lrgbまたは非可視光(近赤外光)LIRを出射した画素と位置が近い画素(例えば、図8(B)の符号P3で示した水平ラインの画素)には、この検出対象物体12での反射光が入射する一方、位置が遠い画素(例えば、図8(C)の符号P6で示した水平ラインの画素)には、この検出対象物体12での反射光は入射しない。したがって、ある検出対象物体12の近傍に位置する受光センサ111からは受光信号が検出される一方、それ以外の領域からは受光信号が検出されないことから、この検出対象物体12が表示部1のどの位置に存在するのかが検知できる。
このようにして、1水平ラインが線順次発光動作すると共に、その可視光Lrgbまたは非可視光(近赤外光)LIRの出射光による反射光のうち、非可視光(近赤外光)LIRを線順次受光動作することにより、表示部1全体が発光領域になると共に受光領域となり、ある画像データが表示部1全体に渡って表示されることに加え、受光センサ111から検出された受光信号により、ある検出対象物体12が表示部1の近傍に存在するかどうか、そして存在する場合はその位置が検出される。
次に、図9および図10を参照して、黒表示状態の場合について説明する。
黒表示状態の場合には、上記のように全ての画素11で黒表示となることから、図9に示したように、光源100から出射されたバックライト光LOのうちの可視光(赤色光Lr,Lg,Lb)は、各発光セルCWr,CWg,CWbにおいて、液晶層106で変調されたのち、偏光板101Bで遮断される。一方、各発光セルCWr,CWg,CWbにおいて、前述のように、光源100から出射されたバックライト光LOのうちの非可視光(近赤外光)LIRは、液晶層106で変調されずに偏光板101Bを透過するため、常に一定の輝度からなる非可視光(近赤外光)LIRが出射される。したがって、このような黒表示状態のときでも、図10(A)〜(C)に示したように、この非可視光(近赤外光)領域51から出射された非可視光(近赤外光)LIRを用いることで、図8に示した通常表示状態の場合と同様にして、検出対象物体12の位置が検出される。このようにして、表示部1の表示状態、すなわち画像データに応じた輝度変化の影響や、さらに例えば周囲の状況(明るい場合や暗い場合など)など、そのときの使用状況の影響を受けることなく、検出対象物体12の位置が検出される。
このようにして本実施の形態の液晶表示装置では、例えば図11中の符号G1で示したような、検出対象物体12の位置に応じた受光出力電圧が得られる。ただし、晴天時のような強力な太陽光下(強度の高い環境光下)では、例えば図12(A)中の符号G101(比較例)で示したように、環境光に起因した近赤外光の受光出力電圧成分のほうが、検出対象物体12での反射光による近赤外光の受光出力電圧成分と比べ、依然として大きくなってしまう場合が生じうる。そのような場合、図12(A)中の符号G102(比較例)で示したように、受光出力電圧が飽和してしまい、検出対象物体12の位置などを正確に検出するのが困難となってしまう。
そこで、本実施の形態の液晶表示装置では、上記したように、赤外透過フィルタ108の透過波長領域が、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)またはオゾン(O)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを含むようになっている。これにより、例えば図12(B)中の符号G2で示したように、太陽光による環境光(外光)の強度が高い状況下であっても、受光出力電圧が飽和しにくくなる(ここでは、飽和するのが回避される)。
以上のように本実施の形態では、表示面10内の受光センサ111(回路部103)の上層に赤外透過フィルタ108を配置すると共に、この赤外透過フィルタ108の透過波長領域が、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)またはオゾン(O)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを含んでいるようにしたので、太陽光による環境光(外光)の強度が高い状況下であっても、受光センサ111から得られる受光出力電圧が飽和しにくくなる。よって、強度の高い外光(環境光)の下において、従来よりも物体を安定して検出することが可能となる。
また、発光セルCWにおいて、常に一定の輝度で非可視光(近赤外光)LIRを出射するようにしたので、各可視光発光セルCWr,CWg,CWbや受光セルCRに設けられているような選択スイッチが不要となり、発光受光セルCWRの構成を簡素化することが可能となる。
なお、本実施の形態では、赤外線透過フィルタ108が、カラーフィルタ107と同一の層内に配置されている場合で説明したが、例えば図13に示した表示部1Aのように、赤外線透過フィルタ108が、受光センサ111(回路部103)の直上に配置されているようにしてもよい。
また、本実施の形態では、図2に示したように、画素11内において、各発光セルCWr,CWg,CWbおよび受光セルCRが並列配置されている場合の例について説明してきたが、例えば図14に示した画素11Aのように、画素11A内において、受光セルCRを各発光セルCWr,CWg,CWbの下部や上部に配置するようにしてもよい。
(モジュールおよび適用例)
次に、図15〜図19を参照して、上記実施の形態で説明した表示撮像装置(液晶表示装置)の適用例について説明する。上記実施の形態の表示撮像装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
(適用例1)
図15は、上記実施の形態の表示撮像装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態に係る表示撮像装置により構成されている。
(適用例2)
図16は、上記実施の形態の表示撮像装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上記実施の形態に係る表示撮像装置により構成されている。
(適用例3)
図17は、上記実施の形態の表示撮像装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531,文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記実施の形態に係る表示撮像装置により構成されている。
(適用例4)
図18は、上記実施の形態の表示撮像装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541,この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542,撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有しており、その表示部544は、上記実施の形態に係る表示撮像装置により構成されている。
(適用例5)
図19は、上記実施の形態の表示撮像装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態に係る表示撮像装置により構成されている。
以上、実施の形態および適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等では、受光された受光信号に基づいて、表示部1における検出対象物体12の位置を検出する場合について説明してきたが、この受光信号に基づいて、検出対象物体12の位置および大きさのうちの少なくとも一方を検出するようにしてもよく、また、同時に配置された複数の検出対象物体を検出することも可能である。
また、可視光発光用スキャナ24に対して受光用スキャナ31が間引いて(2本おきや3本おきに)駆動するようにしてもよい。そのように構成した場合、本実施の形態における効果に加え、受光信号のデータ量を削減することで受光側の回路(受光用スキャナ31、受光信号レシーバ32、受光信号保持部33)を簡素化することができ、また、低消費電力化を図ることも可能となる。よって、特に接触あるいは近接する物体の検出位置の精度よりも回路構成の簡素化および低消費電力化を図りたい場合には有効である。
また、複数の発光セルCWr,CWg,CWbが出射した光を複数の受光セルCRが受光し、それらの受光信号を加算して1つの受光信号として出力するようにしてもよい。そのように構成した場合、本実施の形態における効果に加え、受光信号のデータ量を削減することで受光側の回路(受光用スキャナ31、受光信号レシーバ32および受光信号保持部33)を簡素化することができ、また、低消費電力化を図ることも可能となる。またその場合、複数の受光信号を加算し、1つの受光信号として受光信号レシーバ32に出力することになるので、出力信号量を上げてS/N比を向上させ、検出感度を上げることも可能となる。
また、各発光セルCWr,CWg,CWbに対して受光セルCRの配置自体を間引くように構成にしてもよい。そのように構成した場合、本実施の形態における効果に加え、受光信号のデータ量を削減することで受光側の回路(受光用スキャナ31、受光信号レシーバ32、受光信号保持部33)を簡素化することができ、また、低消費電力化を図ることも可能となる。また逆に、各発光セルCWr,CWg,CWbに対して複数の受光セルCRを配置するようにしてもよい。そのように構成した場合、本実施の形態における効果に加え、接触あるいは近接する物体をより精度良く位置検出することが可能となる。
また、上記実施の形態等では、各発光セルCWr,CWg,CWbから常に一定の輝度で非可視光(近赤外光)LIRを出射する場合について説明してきたが、常に一定輝度とするのではなく、例えば所定の周期をなすパルス波形状に出射するように構成してもよい。このように構成した場合、上記実施の形態における効果に加え、低消費電力化を図ることが可能となると共に、非可視光(近赤外光)LIRの強度波形(時間波形)に同期した信号処理により、低雑音化(高S/N化)を図ることも可能となる。
また、上記実施の形態等で説明した可視光Lrgbおよび非可視光(近赤外光)LIRを出射することが可能な光源100の代わりに、可視光Lrgbを出射することが可能な光源と、非可視光(近赤外光)LIRを出射することが可能な光源とを、別個に設けるように構成してもよい。
さらに、上記実施の形態等では、表示撮像装置が、光源と液晶素子とを含む液晶表示装置により構成されている場合について説明したが、表示撮像装置を、例えば自発光素子として有機EL(Electro Luminescence)素子を含む有機EL表示装置などにより構成してもよい。
本発明の一実施の形態に係る表示撮像装置の全体構成を表すブロック図である。 図1における発光受光セルの構成の一例を模式的に表す平面図である。 図1における発光受光セルの構成の一例を模式的に表す断面図である。 図3における各発光セルの発光スペクトル特性を表す特性図である。 図2および図3に示した赤外線透過フィルタの一例を表す特性図である。 大気中の水蒸気(H2O)またはオゾン(O3)による太陽光の吸収帯について説明するための特性図である。 図1における発光受光セルの構成の一例を表す回路図である。 通常表示状態のときに検出対象物体を線順次動作で検出する処理の一例を表す模式図である。 黒表示状態のときの発光受光セルの構成の一例を模式的に表す断面図である。 黒表示のときに検出対象物体を線順次動作で検出する処理の一例を表す模式図である。 検出対象物体を検出したときの画素位置と受光出力電圧との関係例を表す特性図である。 強度の高い外光(環境光)の下での画素位置と受光出力電圧との関係を比較例および実施の形態について表す特性図である。 変形例に係る発光受光セルを模式的に表す断面図である。 変形例に係る発光受光セルを模式的に表す平面図である。 本発明の表示撮像装置の適用例1の外観を表す斜視図である。 (A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。 適用例3の外観を表す斜視図である。 適用例4の外観を表す斜視図である。 (A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
符号の説明
1,1A…表示部、100…光源、101A,101B…偏光板、102A,102B…ガラス基板、103…回路部、104…絶縁層、105A…透明画素電極、105B…透明電極、106…液晶層、107…カラーフィルタ、108…赤外線透過フィルタ、109…ブラックマトリクス、10…表示面、11,11A…画素、111…受光センサ、112…受光センサ回路部、113…TFT回路部、12…検出対象物体、21…表示信号生成部、22…表示信号保持制御部、23…表示信号ドライバ、24…可視光発光用スキャナ、31…受光用スキャナ、32…受光信号レシーバ、33…受光信保持部、34…位置検出部、41…発光タイミング制御信号、42…受光タイミング制御信号、43…受光ブロック制御信号、51…非可視光発光領域、52…可視光発光領域、53…受光領域、CWR…発光受光セル、CW…発光セル、CWr…赤色発光セル、CWg…緑色発光セル、CWb…青色発光セル、CR…受光セル、GW…発光用ゲート線、GR…受光用ゲート線、DW,DWr,DWg,DWb…表示データ供給線、DR…データ読出線、CLr…赤色発光素子、CLg…緑色発光素子、CLb…青色発光素子、SW1R,SW1G,SW1B…発光素子選択スイッチ、SW2…受光素子選択スイッチ、I1r,I1g,I1b,…表示信号電流路、I2…受光信号電流路、Cr,Cg,Cb…キャパシタ、X…スキャン方向、P3,P6…スキャン中のラインの位置、LO…バックライト光(白色光)、Lrgb…可視光、Lr…赤色光、Lg…緑色光、Lb…青色光、LIR…非可視光(近赤外光)、Pr…赤色発光スペクトル、Pg…緑色発光スペクトル、Pb…青色発光スペクトル、PIR…非可視光(近赤外光)発光スペクトル。

Claims (8)

  1. 表示面内に配置され、可視光領域の光を発する複数の第1発光素子と、
    前記表示面内に配置され、近赤外光を発する第2発光素子と、
    前記表示面内に配置された複数の受光素子と、
    前記表示面内の前記受光素子の上層に配置されると共に、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)またはオゾン(O)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを、透過波長領域として含む透過フィルタと、
    前記表示面から可視光領域の光が表示光として出射するように、画像データに基づいて前記第1発光素子を表示駆動する表示駆動部と、
    前記表示面から出射して検出対象物体で反射された反射光および環境光のうち、前記透過フィルタを透過した前記透過波長領域内の近赤外光を検出光として前記表示面上で検出するように、前記受光素子を受光駆動する受光駆動部と、
    前記受光素子から得られた受光信号に基づいて前記検出対象物体を検出する検出部と
    を備えた表示撮像装置。
  2. 前記第2発光素子が、前記透過波長領域を含む波長領域の近赤外光を発する
    請求項1に記載の表示撮像装置。
  3. 前記透過波長領域として、前記吸収波長領域の吸収ピーク波長を少なくとも含む
    請求項1に記載の表示撮像装置。
  4. 前記透過波長領域として、前記近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを含む
    請求項1に記載の表示撮像装置。
  5. 前記第1発光素子および前記第2発光素子が、
    前記可視光領域の光および前記近赤外光を少なくとも発する光源と、
    前記表示面内に配置され、前記光源からの可視光領域の光を前記画像データに基づいて変調すると共に、前記光源からの近赤外光を透過させる液晶素子と
    を含んで構成されている
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の表示撮像装置。
  6. 前記液晶素子が、
    互いに対向する一対の透明基板と、
    前記一対の透明基板間に設けられた液晶層と、
    前記一対の透明基板のうちの少なくとも一方の透明基板上に設けられたカラーフィルタと
    を含んで構成され、
    前記透過フィルタが、前記カラーフィルタと同一の層内、または前記受光素子の直上に配置されている
    請求項5に記載の表示撮像装置。
  7. 前記光源が、前記近赤外光を発するLEDを含んで構成されている
    請求項5に記載の表示撮像装置。
  8. 画像表示機能および撮像機能を有する表示撮像装置を備え、
    前記表示撮像装置が、
    表示面内に配置され、可視光領域の光を発する複数の第1発光素子と、
    前記表示面内に配置され、近赤外光を発する第2の発光素子と、
    前記表示面内に配置された複数の受光素子と、
    前記表示面内の前記受光素子の上層に配置されると共に、近赤外領域内における、大気中の水蒸気(HO)またはオゾン(O)による太陽光の吸収波長領域の少なくとも1つを、透過波長領域として含む透過フィルタと、
    前記表示面から可視光領域の光が表示光として出射するように、画像データに基づいて前記第1発光素子を表示駆動する表示駆動部と、
    前記表示面から出射して検出対象物体で反射された反射光および環境光のうち、前記透過フィルタを透過した前記透過波長領域内の近赤外光を検出光として前記表示面上で検出するように、前記受光素子を受光駆動する受光駆動部と、
    前記受光素子から得られた受光信号に基づいて前記検出対象物体を検出する検出部とを有する
    電子機器。
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