JP2010047719A - タール除去装置及びタール除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タール除去のための高温水蒸気の供給や、活性炭、吸着剤又は触媒の使用を要することなく、ガス化ガス中のタールを除去するとともに、系内の熱効率を向上する。
【解決手段】タール除去装置は、ガス化ガス中のタールを捕獲する多数の多孔質セラミック蓄熱体(1)の集合体からなるセラミック層(C)と、セラミック層を所定区画に充填してなる容器本体(D)と、セラミック層にガス化ガス及びガス化剤を選択的に流通せしめる切換装置とを有する。ガス化ガス及びガス化剤を交互に流通可能な層内流路(4)が蓄熱体の間の間隙によってセラミック層に形成される。タール除去装置の各区画のセラミック層は、ガス化ガスをセラミック層の流路に流通させて次工程に送出するタール除去運転と、ガス化剤(空気又は酸素)をセラミック層の流路に流通させてガス化炉に供給する再生運転とに交互に切り換えられる。
【選択図】図6

Description

本発明は、タール除去装置及びタール除去方法に関するものであり、より詳細には、固体燃料の熱分解又は部分酸化によって生成したガス化ガスに含まれるタール分を除去するタール除去装置及びタール除去方法に関するものである。
廃プラスチック、汚泥、シュレッダダスト又は都市ゴミ等の有機性廃棄物、バイオマス燃料、或いは、石炭等の低質固形燃料等を熱分解ガス化炉又は部分酸化ガス化炉によってガス化するとともに、ガス化炉のガス化ガスを浄化・精製して比較的高カロリーの合成ガスを製造する固体燃料ガス化システムが知られている。合成ガスは、内燃機関、燃焼機器、発電設備、水素製造装置等の後続プロセスに供給される。
本発明者は、この種のガス化システムにおいて、高温空気で固体燃料を熱分解し又はガス化溶融するとともに、固体燃料の熱分解又は部分酸化によって生成したガス化ガスを高温の水蒸気(又は、高温空気及び高温水蒸気)によって改質する固体燃料ガス化システムを開発し、特開2002−158885号、特開2000−290666号、特開2002−210444号等において提案している。この方式のガス化システムは、固体燃料を熱分解又は部分酸化するガス化炉を備えるとともに、ガス化ガスを高温水蒸気で改質する改質装置を備える。ガス化炉に供給された固体燃料は、炉内で熱分解又は部分酸化し、炉内に発生したガス化ガスは、改質装置に供給される。ガス化ガスは、改質装置において高温水蒸気と混合し、比較的多量の水素等を含む合成ガスに改質される。合成ガスは、例えば、内燃機関、燃焼機器等の燃焼部に燃料として供給され、或いは、水素製造用の原料ガスとして水素製造装置に供給される。
本発明者は又、空気供給を絶たれた熱分解域に高温の水蒸気を供給し、高温水蒸気が保有する顕熱によって熱分解域の固体燃料を熱分解して熱分解ガスを発生させる固体燃料ガス化システムを特開2004−210942号において提案している。このようなガス化システムによれば、高温水蒸気のみが、空気供給を絶たれた熱分解域に供給されるので、窒素を含まず、比較的多量の水素を含む熱分解ガスを熱分解域に生成することができる。
ここに、廃棄物、バイオマス燃料等の固体燃料の熱分解又は部分酸化によって生成したガス化ガスには、化学反応により完全に分解することが困難なタール状成分(タール)が比較的多量に含まれる。このため、上記構成のガス化システムにおいては、600℃を超える高温水蒸気を改質装置の改質反応域に供給してガス化ガスと混合し、ガス化ガス中のタールを高温水蒸気の作用によって分解・除去する構成が採用されている。しかし、この種のガス化システムよれば、水蒸気を高温に加熱するために水蒸気加熱装置を設置し、水蒸気加熱用の燃料を水蒸気加熱装置に常に供給しなければならない。
このようなガス化ガス中のタールを除去する他の方法として、次のようなタール除去方法が近年提案されている。
(1) 特開2008−24752号公報に記載された技術においては、バイオマス燃料を充填した吸着塔がガス化ガスの経路に介装され、バイオマスガス化炉のガス化ガスが吸着塔に供給される。バイオマス燃料はタール吸着剤として使用され、ガス化ガス中のタール等はバイオマス燃料によって吸着・除去される。タールを吸着したバイオマス燃料は、ガス化燃料としてバイオマスガス化炉に供給される。
(2) 特開2007−269513号公報に記載された技術では、複数の活性炭吸着塔がガス化ガスの経路に介装され、ガス化ガス中のタール等は、活性炭によって吸着・除去される。活性炭の吸着能力が低下した吸着塔には、吸着能力回復のために水蒸気が供給される。活性炭に吸着されたタールは、水蒸気によって活性炭から除去され、水蒸気とともに吸着塔から排出される。
(3)特開2007−237135号公報に記載された技術にあっては、タール分解用触媒を担持したセラミックフィルタがガス化ガスの経路に介装され、ガス化ガス中のタール等は、セラミックフィルタ通過時に触媒と接触して分解・除去される。
固体燃料ガス化炉として、砂等の流動剤を用いた流動床ガス化炉が知られている。この形式のガス化炉においては、ガス化炉内でタールを吸着した流動剤を燃焼炉に送出してタールを燃焼除去した後、流動剤を流動床に循環する方法が一般に採用されている。このような流動床ガス化炉に関し、例えば特開2006−257315号公報には、アルミナ担体にジルコニアを担持してなる流動触媒を流動剤として使用することが記載されている。
特開2002−158885号公報 特開2000−290666号公報 特開2002−210444号公報 特開2004−210942号公報 特開2008−24752号公報 特開2007−269513号公報 特開2007−237135号公報 特開2006−257315号公報
上記特許文献1〜4に記載されたガス化システムにおいては、600℃を超える高温の水蒸気が供給される無触媒の改質装置、或いは、空気(又は酸素)及び水蒸気が供給される無触媒の改質装置が、ガス化炉に併設され、水蒸気改質反応によって熱分解ガスを効率的に改質し且つタールを除去する高温の反応場を確保していた。
しかしながら、高温水蒸気を供給するための設備の設置費用や、その運転、維持・管理等を考慮すると、このようなタール除去方法は、必ずしも熱効率的又は経済的に有利であるとは言い難い場合がある。
これに対し、上記特許文献5〜7に記載されたタール除去方法は、このような高温水蒸気を要しない構成のものであり、高温水蒸気供給に伴う不利を解消し得るかもしれない。
しかし、ガス化ガス中のタールをバイオマス燃料によって吸着・除去するタール除去方法(特許文献5)においては、特定の種類のバイオマス燃料を使用しなければならず、燃料の種類に制約が生じ、しかも、バイオマス燃料の移送工程や、タールを吸着可能な状態にバイオマス燃料を前処理するための前処理工程等が必要となる。
また、ガス化ガス中のタールを活性炭によって吸着・除去するタール除去方法(特許文献6)によれば、水蒸気を供給して活性炭の吸着能力を回復する工程が必要となる。
更に、タール分解用触媒を担持したセラミックフィルタによってガス化ガス中のタールを除去するタール除去方法(特許文献7)では、高価な触媒を使用しなければならない。触媒の寿命は一般に比較的短期であり、維持・管理費用が高額化する。また、触媒の作用がガス化ガスの組成に影響することも懸念される。
加えて、多種多様な材質又は物性の素材を含む生活ゴミ、都市ゴミ等の低質固体燃料から発生したガス化ガスは、予測不能な不純物、塵埃、煤又は触媒被毒物質等を比較的多量に含有する可能性があり、従って、活性炭又は触媒を使用した場合、活性炭層又は触媒層の閉塞、活性炭の吸着能力の早期低下、或いは、触媒の早期劣化等が懸念される。
更には、上記特許文献5〜7に記載されたタール除去方法においては、ガス化ガスをタール吸着剤、活性炭又はセラミックフィルタの耐熱温度以下の温度で吸着塔又はセラミックフィルタに供給しなければならず、従って、ガス化ガスをタール除去工程の前に温度降下させなければならず、ガスの冷却等に伴う熱損失を回避し難い。
これに対し、前述の如く流動剤を用いた流動層ガス化炉のタール除去方法をガス化ガスのタール除去方法に適用し又は応用すれば、ガス化ガスを流動剤に接触させてガス化ガス中のタールを流動剤に吸着せしめる新たなタール除去方法を実現し得るかもしれない。しかし、このようなタール除去方法においては、流動剤を循環させる循環回路(即ち、反応器等においてガス化ガスと接触してタールを吸着した流動剤を反応器等から再生装置に移送し、タールの燃焼除去等によって流動剤を再生した後、再生後の流動剤を反応器等に再び供給する流動剤循環回路)をタール除去装置に設置しなければならない。しかも、タールは、流動剤を媒体としてガス化ガスから分離されるので、タールの発熱量は、再生装置におけるタールの燃焼等によって再生装置から系外に排出されてしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高温水蒸気の供給、バイオマス燃料、活性炭又はセラミックフィルタの使用、或いは、流動剤循環回路の設置等を要することなく、ガス化ガス中のタールを除去することができ、しかも、ガス化ガス及びタールの顕熱及び燃焼熱を系内で回収して系内の熱効率を向上することができるタール除去装置及びタール除去方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成すべく、固体燃料の部分酸化又は熱分解によって固体燃料ガス化炉に生成したガス化ガスに含まれるタールを除去するタール除去装置において、
ガス化ガス中のタールを捕獲する多数の多孔質セラミック蓄熱体の集合体からなるセラミック層と、該セラミック層を所定区画に充填した容器本体と、前記セラミック層にガス化ガス及びガス化剤を選択的に流通せしめる切換手段とを有し、
ガス化ガス及びガス化剤を交互に流通可能な層内流路が前記蓄熱体の間の間隙によって前記セラミック層に形成され、
前記切換手段は、前記ガス化ガスを前記セラミック層の層内流路に流通させて次工程に送出するタール除去運転と、前記ガス化剤として空気又は酸素を前記セラミック層の層内流路に流通させ、該セラミック層を介して前記ガス化炉に供給する再生運転とに前記セラミック層の運転形態を交互に切換えることを特徴とするタール除去装置を提供する。
本発明の上記構成によれば、ガス化ガス中のタールを多孔質セラミック蓄熱体の表面に吸着し、或いは、高温の蓄熱体表面によってタールを熱分解して炭素を析出することにより、ガス化ガス中のタールを効率的に除去することができる。蓄熱体表面に付着したタールや、蓄熱体表面に析出した炭素は、再生運転時にガス化剤として供給される空気又は酸素がセラミック層の層内流路を流通することによって脱着し、或いは、酸化発熱反応(燃焼)し、蓄熱体表面から除去され、これにより、セラミック層のタール捕獲能力は再生する。
多孔質セラミック蓄熱体は又、高温のガス化ガスと伝熱接触し、ガス化ガスが保有する顕熱を蓄熱する。蓄熱体は、上記再生運転においてガス化剤と伝熱接触して放熱し、ガス化剤を加熱する熱媒体として機能する。また、上記再生運転におけるタール及び炭素の酸化発熱反応(燃焼)の発熱によってもガス化剤は加熱される。従って、上記構成のタール除去装置によれば、ガス化ガス中のタールを除去するだけではなく、ガス化ガスの顕熱回収及びタールの酸化発熱により、ガス化炉に供給すべきガス化剤を効果的に加熱(予熱)することができる。
本発明は又、複数の上記タール除去装置をガス化炉に対して並列に配置し、ガス化剤を前記ガス化炉に実質的に連続的に導入するとともに、ガス化ガスを前記ガス化炉から実質的に連続的に導出するようにしたことを特徴とするタール除去システムを提供する。
このように複数のタール除去装置、例えば、一対のタール除去装置を並列配置し、タール除去装置を交番式に交互切換運転することにより、タール除去と、タール捕獲能力再生及びガス化剤予熱とを同時に遂行することができる。
他の観点より、本発明は、上記タール除去装置を用いたタール除去方法であって、多孔質セラミック蓄熱体の表面にタールを吸着してガス化ガス中のタールを捕獲することを特徴とするタール除去方法を提供する。
本発明のタール除去装置及びタール除去方法によれば、高温水蒸気の供給、バイオマス燃料、活性炭又はセラミックフィルタの使用、或いは、流動剤循環回路の設置等を要することなく、ガス化ガス中のタールを除去することができ、しかも、ガス化ガス及びタールの顕熱及び燃焼熱を系内で回収して系内の熱効率を向上することができる。
また、本発明のタール除去システムによれば、複数のタール除去装置の切換運転により、タールの除去、タール捕獲能力再生及びガス化剤予熱を同時に実行することができる。
本発明の好適な実施形態によれば、タール除去装置の容器内には、ガス化ガスを受入れ且つガス化剤をガス化炉に供給する高温室(6)がセラミック層の高温側に形成されるとともに、セラミック層を流通したガス化ガス(合成ガス)を次工程に送出し且つガス化剤を受入れる低温室(7)がセラミック層の低温側に形成される。高温室及び低温室は、ガス化ガス及びガス化剤を均等にセラミック層に流入せしめるプレナムチャンバとして機能する。
好ましくは、タール除去装置の切換手段は低温側切換弁を有し、低温側切換弁は、セラミック層の層内流路をガス化剤供給路(L14)又はガス化ガス送出路(L13)に選択的に連通させる。なお、ガス化剤供給路は、ガス化炉に導入すべきガス化剤の供給源に連通し、ガス化ガス送出路は、ガス化ガス(合成ガス)を次工程に送出する。
所望により、タール除去装置の切換手段は高温側切換弁を更に有する。高温側切換弁は、セラミック層の層内流路をガス化剤導入路(L2)又はガス化ガス導出路(L1)に選択的に連通させる。なお、ガス化剤導入路は、ガス化剤をガス化炉に導入し、ガス化ガス導出路は、ガス化炉のガス化ガスを炉外に導出する。
他の構成の切換手段として、各区画のセラミック層を第1及び第2位置に選択的に移動させるセラミック層移動装置を使用しても良い。セラミック層移動装置は、所定区画のセラミック層を全体的に移動させ、各セラミック層の層内流路は、その第1位置において、上記ガス化剤供給路及びガス化剤導入路に連通し、その第2位置において、上記ガス化ガス導出路及びガス化ガス送出路に連通する。
好ましくは、上記セラミック層移動装置として、各区画のセラミック層を回転移動させるセラミック層回転装置(M)が採用される。例えば、各区画のセラミック層の層内流路は、全区画のセラミック層(又は容器全体)の全体的回転により、上記ガス化剤供給路及びガス化剤導入路に連通する第1位置と、上記ガス化ガス導出路及びガス化ガス送出路に連通する第2位置とに選択的に移動する。
好適には、多孔質セラミック蓄熱体は、活性アルミナ、コージライト、シリカゲル又はゼオライトの成形体からなる。。
好ましくは、多孔質セラミック蓄熱体は、最大寸法を1cm以下に成形した多孔質セラミックの球状成形体、粒子又はペレットからなる。
本発明のタール除去方法の好適な実施形態においては、ガス化ガスが保有する顕熱は、セラミック蓄熱体に伝熱し、該蓄熱体に蓄熱される。蓄熱体に蓄熱された顕熱は、ガス化剤に対して放熱し、ガス化剤を加熱する。即ち、セラミック蓄熱体は、ガス化ガスの顕熱をガス化剤に伝熱する熱媒体として使用される。
本発明の更に好適な実施形態によれば、セラミック蓄熱体表面のタールはガス化剤(空気又は酸素)の作用で蓄熱体表面から脱着し且つ燃焼し、これにより、セラミック蓄熱体から除去される。この結果、セラミック層のタール捕獲能力は再生する。同時に、タールの燃焼熱を利用したガス化剤の加熱がなされる。
本発明の好ましい実施形態では、セラミック蓄熱体の表面でタールを熱分解して炭素を析出させ、これによりタールを除去する方法が採用される。本発明者等の実験によれば、このような炭素析出作用は、セラミック蓄熱体の表面温度が600℃以上(好ましくは、800℃以下)の温度域において発生するので、セラミック層の高温側領域に位置するセラミック蓄熱体の表面温度を600℃以上(800℃以下)の温度に制御し又は管理することが望ましい。セラミック蓄熱体の表面に析出した炭素は、上記再生運転においてセラミック層に供給されたガス化剤(空気又は酸素)によって燃焼(酸化発熱反応)し、蓄熱体表面から除去される。炭素の除去によってセラミック層のタール捕獲能力は再生されるとともに、ガス化炉に供給されるガス化剤は、炭素の燃焼熱によって加熱される。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1は、固体燃料ガス化システムの全体構成を概略的に示すブロックフロー図である。図1(A)には、ガス化システムの第1作動形態が示され、図1(B)には、ガス化システムの第2作動形態が示されている。
ガス化システムは、固体燃料をガス化するガス化炉と、高温側切換装置を介してガス化炉に並列に接続された第1及び第2除去装置とを備えた装置系(システム)である。ガス化炉には、燃料供給路LF、ガス化ガス導出路L1及びガス化剤導入路L2が接続される。燃料供給路LFは、固体燃料(又は半固体燃料)をガス化炉内に供給する。ガス化ガス導出路L1は、ガス化炉内に生成したガス化ガスを炉外に送出する。ガス化剤導入路L2は、ガス化剤をガス化炉内に供給する。
ガス化ガス導出路L1及びガス化剤導入路L2は、四方弁形式の高温側切換装置を介して第1及び第2除去装置の高温側流路L3、L4に接続される。第1及び第2除去装置の低温側流路L11、L12が低温側切換装置に接続される。低温側切換装置は、ガス化ガス送出路L13及びガス化剤供給路L14に接続される。ガス化ガス送出路L13は、発電設備、燃焼装置、水素製造装置、エタノール合成装置等の次工程の機器又は装置系(図示せず)に接続され、ガス化ガス(合成ガス)を次工程の機器又は装置系に給送する。ガス化剤供給路L14は、空気(又は酸素)供給源(図示せず)に接続される。なお、各流路L1〜L4、L11〜L14は、耐熱性管材の配管又は管路等によって形成される。
図1(A)には、第1除去装置を介してガス化ガス(合成ガス)を次工程の機器に供給するとともに、第2除去装置を介してガス化剤をガス化炉に供給する作動形態(ガス化システムの第1作動形態)が示されている。この作動形態においては、高温側切換装置は、ガス化ガス導出路L1と第1除去装置の高温側流路L3とを連通させ、ガス化剤導入路L2を第2除去装置の高温側流路L4と連通させる。また、低温側切換装置は、第1除去装置の低温側流路L11とガス化ガス送出路L13とを連通させるとともに、第2除去装置の低温側流路L12とガス化剤供給路L14とを連通させる。
図1(B)には、第2除去装置を介してガス化ガス(合成ガス)を次工程の機器に供給するとともに、第1除去装置を介してガス化剤をガス化炉に供給する作動形態(ガス化システムの第2作動形態)が示されている。この作動形態においては、高温側切換装置は、ガス化ガス導出路L1と第2除去装置の高温側流路L4とを連通させ、ガス化剤導入路L2を第1除去装置の高温側流路L3と連通させる。また、低温側切換装置は、第1除去装置の低温側流路L11とガス化剤供給路L14とを連通させるとともに、第2除去装置の低温側流路L12とガス化ガス送出路L13とを連通させる。
固体燃料のガス化方法として、空気(又は酸素)をガス化剤として用いる部分酸化方式のガス化方法と、水蒸気をガス化剤として用いる水蒸気ガス化方式のガス化方法と、空気及び水蒸気の双方を用いる併用方式のガス化方法とが知られている。
本実施例のガス化炉は、部分酸化方式又は併用方式のガス化方法によって固体燃料をガス化するように構成されており、ガス化剤供給路L14は、上記の如く空気供給源に接続される。所望により、ガス化剤供給路L14に空気予熱装置を介装し、所定温度に予熱した空気を低温側切換装置に供給しても良い。また、ガス化剤として空気及び水蒸気を用いる併用方式のガス化方法を採用する場合、例えば、水蒸気供給路L5がガス化剤導入路L2に接続される。所望により、水蒸気供給路L5をガス化炉に直に接続しても良い。
廃プラスチック、汚泥、シュレッダダスト又は都市ゴミ等の有機性廃棄物、バイオマス燃料、或いは、石炭等の低質固形燃料等の固体燃料が固体燃料供給ラインLFからガス化炉内に供給される。所望により、粉砕処理等の前処理を受けた固体燃料をガス化炉に供給しても良い。なお、この種のガス化システムに使用されるガス化炉として、固定床式、流動床式、噴流式、溶融式等の各種形式の炉が知られているが、本例のガス化炉は、いずれの方式のものであっても良い。
例えば、600℃〜800℃程度の比較的低い温度で木質系バイオマス燃料をガス化すると、比較的多量のタール状成分が副生する。タール状成分は、常温において固体、半固体又は液状の高沸点炭化水素の集合体であり、一般には、有機物の熱分解によって生成する黒色又は褐色の粘ちょう性油状瀝青物質として知られている。このようなタール状成分又はタール分(以下、「タール」という。)は、バイオマス燃料に限らず、廃プラスチック、脱水汚泥、石炭等の各種固体燃料をガス化する場合、ガス化炉内に副生し、ガス化ガス(合成ガス)とともにガス化炉後段の配管、熱機器等に供給され、配管、熱機器の閉塞等の問題を生じさせる。
本発明者等の実験によれば、ガス化ガスのタールを多孔質のセラミック上に捕獲することにより、ガス化炉後段の配管、熱機器等に排出されるタールの量(タール排出量)を大幅に低減することが可能である。また、セラミック材料を熱媒体として使用するとともに、その物性(耐熱性、蓄熱性等)を有効活用すれば、ガス化ガスが保有する顕熱を回収するとともに、タールの燃焼によって得られる発熱を有効利用することが可能となると考えられる。
このような観点より、第1及び第2除去装置は、多数の多孔質セラミック球体、ペレット又は粒子からなる多孔質セラミック層Cを容器本体Dの内部に収容した構造を有し、ガス化ガス中のタールを多孔質セラミック層に捕獲するとともに、捕獲したタールの燃焼熱によってガス化剤を加熱するように構成される。
図2は、第1及び第2除去装置内の多孔質セラミック層Cの構成を概念的に示す断面図である。図2(A)には、ガス化ガスをセラミック層Cに流通させる過程が示されており、図2(B)には、ガス化剤(空気)をセラミック層Cに流通させる過程が示されている。図3は、多孔質セラミック層Cを構成する多孔質セラミック球体1のタール捕獲作用及びタール燃焼作用を説明するための概念的断面図である。図3(A)には、多孔質セラミック球体1のタール捕獲現象が概念的に示されており、図3(B)には、多孔質セラミック球体1に捕獲されたタールの燃焼(酸化発熱反応)時の状態が概念的に示されている。
図2に示す如く、第1及び第2除去装置の多孔質セラミック層Cは、多数の多孔質セラミック球体1から構成される。球体1は、高温側及び低温側の通気隔壁2、3によって画成された除去装置内の所定区画(充填区画)に充填される。通気隔壁2、3は、ガス化ガス及びガス化剤が自由に通過可能な多数の開口を有する金属格子又は金属網等の通気性耐熱部材からなる。
ガス化ガス(合成ガス)を次工程に送出するタール除去運転中のタール除去装置の状態が図2(A)に示されている。タール除去装置の高温室(高温側チャンバ)6に流入したガス化炉のガス化ガスは、高温側隔壁2の開口からセラミック層Cの高温側領域に流入し、多孔質セラミック球体1の間に形成された間隙(層内流路)4を流通してセラミック層Cの低温側領域に流動し、低温側隔壁3の開口を通って低温室(低温側チャンバ)7に流出する。球体1はガス化ガスと伝熱接触してガス化ガスと熱交換する。球体1はガス化ガスの顕熱を受熱して加熱され、他方、ガス化ガスは放熱し、温度降下する。なお、高温室6及び低温室7は、ガス流又は気流をセラミック層Cの全域に均等に流通させる一種のプレナムチャンバを構成する。
熱分解又は部分酸化ガス化反応によって生成したガス化ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、炭化水素等を含有する。メタン等の軽質炭化水素や、タールを含む炭化水素がCnHmとして図3(A)に概念的に示されている。タール(殊に重質タール)は、高温側に位置する多孔質セラミック球体1の物理的吸着効果により、球体1上に瞬時に吸着される。タールの熱分解反応が球体1上で進行し、炭素Cnが球体1の表面に析出し、球体1上に固定化される。本発明者等の実験によれば、このような炭素析出は、球体1の表面温度が600〜800℃の温度域において顕著に生じる。所望により、触媒作用を発揮する多孔質セラミックによって球体1を成形し、その触媒効果によって球体1上の炭化水素の熱分解反応を促進する装置構成を採用しても良い。
高温側領域の球体1に吸着せず、或いは、高温側の球体1に固定化せずに球体1から離脱したタール(主に軽質タール又は芳香族タール)の多くは、低温側領域に位置する多孔質セラミック球体1の物理的吸着効果により球体1上に吸着される。このようなタールの捕獲(析出・吸着)の結果、次工程に送出されるガス化ガスのタール含有量は大幅に減少する。また、前述の如く、ガス化炉に生成したガス化ガスが保有する顕熱の多くは、図3(A)に矢印hで示す如く球体1に蓄熱され、次工程に送出されるガス化ガス(合成ガス)の温度は、例えば、150〜200℃程度の温度域に温度降下する。
ガス化剤(空気)をガス化炉に供給する運転に切換えられたタール除去装置の状態が図2(B)に示されている。除去装置の低温室7に流入したガス化炉のガス化剤は、低温側隔壁3の開口からセラミック層Cに流入し、球体1の間の間隙(層内流路)4を流通して高温側隔壁3の開口を通り、高温室6に流出する。球体1はガス化剤と伝熱接触してガス化剤と熱交換する。球体1はガス化剤に放熱して温度降下し、他方、ガス化剤は、球体1に蓄熱された顕熱を受熱し、加熱される。
図3(B)に示すように、ガス化剤は、球体1の表面に沿って流動し、図3(A)に矢印hで示す如く球体1の顕熱を受熱して温度上昇する。球体1上に付着した炭化水素CnHmはガス化剤に作用によって球体表面から脱着するとともに、ガス化剤と燃焼反応(酸化発熱反応)する。ガス化剤は又、球体1上の炭素Cnと燃焼反応(酸化発熱反応)し、炭素Cnを球体表面から除去する。この結果、セラミック層Cを構成する球体1のタール捕獲能力は再生する。しかも、ガス化剤は、燃焼反応(酸化発熱反応)によって発生した熱によって更に加熱される。従って、系内の熱効率は更に改善する。なお、ガス化剤と炭化水素又は炭素との燃焼反応によって二酸化炭素、水蒸気等の燃焼ガスが発生する。しかし、このような燃焼ガスの流量はガス化剤の全流量に比べて相対的に微量であるので、ガス化炉内のガス化反応に実質的な影響を生じさせないと考えられる。
図1には、ガス化システムの第1作動形態(図1(A))及び第2作動形態(図1(B))が示されている。第1作動形態及び第2作動形態は、高温側切換装置及び低温側切換装置の切換制御に従って切り換えられる。切換時間(時間間隔)は、例えば、数十秒から数分程度の時間に設定される。図1に示す如く、ガス化システムは、高温側及び低温側の切換装置の同期切換制御を実行する制御ユニットUを有し、制御ユニットUは、各切換装置の弁装置駆動部に接続される。高温側及び低温側の切換装置は、制御ユニットUの制御下に所定の時間間隔(例えば、1分以下の所定時間に設定された所定の時間間隔)で同時に切り換えられる。
制御ユニットUは又、第1及び第2除去装置の適所に配設されたバーナ装置Bの作動を制御する。バーナ装置Bは、スタートアップ時に装置内部を加熱するとともに、多孔質セラミック球体1上の炭化水素又は炭素とガス化剤(空気)との燃焼反応(酸化発熱反応)を誘引し又は助勢するパイロットバーナ又は補助バーナとして使用される。炭化水素系燃料の燃料供給管や燃焼用空気供給管(図示せず)がバーナ装置Bに接続される。バーナ装置は、制御ユニットUの制御下に燃焼作動する。なお、バーナ装置Bは、本例では、各除去装置の高温室6に夫々配設されているが、その位置を変更し、或いは、バーナ装置Bを他の部位に更に配設しても良い。
図4は、他の実施例に係るタール除去装置を備えた固体燃料ガス化システムの全体構成を概略的に示すブロックフロー図であり、図5は、第1及び第2除去装置内の多孔質セラミック層Cの構成を概念的に示す断面図である。
前述の実施例では、各除去装置とガス化炉との間に高温側切換装置が介装されている。しかし、切換機構の耐熱性及び熱負荷等を考慮すると、ガス化ガスの温度条件によっては、高温側切換装置の設置が困難な場合が生じ得ると考えられる。このような場合を考慮し、本実施例の除去装置は、高温側切換装置を省略し、各除去装置の高温室とガス化炉の炉内領域とを常時連通させた構成を有する。第1及び第2除去装置の運転は、低温側切換装置の切換制御によって切換えられ、ガス化システムの作動形態は、低温側切換装置のみによって切換制御される。
また、タール除去装置は、図1及び図2に示す如くガス又は気流をセラミック層Cに横方向又は水平方向に流通させる横型反応器の構造のものに限定されるものではなく、図4及び図5に示す如く、ガス又は気流をセラミック層Cに上下方向、縦方向又は鉛直方向に流通させる縦型反応器の構造のものに設計することができる。なお、図1及び図2に示すタール除去装置においても、図4及び図5に示すような縦型反応器の構造を採用することができる。
図6(A)は、更に他の実施例に係るタール除去装置を備えた固体燃料ガス化システムの全体構成を概略的に示すブロックフロー図であり、図6(B)及び図6(C)は、タール除去装置の平面図及び横断面図である。
前述したとおり、低温側切換装置のみを使用する実施例2のシステム構成を採用すれば、高温側切換機構の耐熱性・熱負荷等に関する懸念は解消する。しかし、実施例2のシステムにおいては、ガス化ガス及びガス化剤が同一の高温側流路を交互に流通するため、適用可能なガス化炉の形式には限界が生じるものと想定される。このような問題は、流路切換機構を用いず、セラミック層Cの位置を全体的に移動(又は回転)させる構成を採用することによって解消する。即ち、前述の各実施例は、第1及び第2除去装置(第1及び第2セラミック層)の切換手段として、ガス化剤及びガス化ガスの流路を切換える流路切換機構を採用したものであるが、切換手段として、各セラミック層Cを移動(回転移動)させる構成のものを採用することが可能である。
図6には、回転駆動軸8の回転軸線を中心に回転可能な円筒形の容器本体Dを備えたタール除去装置が示されている。回転駆動軸8は、回転駆動装置Mの出力軸に連結されており、回転駆動装置Mは、制御ユニットUの制御下に回転駆動軸8を回転させる。容器本体Dの容器内空間は、回転駆動軸8から半径方向に一体的に延びる複数の放射状隔壁9によって分割される。隔壁9によって分割された容器内空間は、セラミック層Cを充填すべき複数の区画を構成する。本例においては、隔壁9は、90°の角度間隔を隔てて配置され、4つの区画が容器内に形成される。隔壁9の外端部は、容器本体Dの外周壁に一体的に連結され、高温側及び低温側の通気性隔壁2、3は、回転駆動軸8及び外周壁に一体的に連結される。従って、回転駆動軸8の回転により、放射状隔壁9、セラミック層C、容器外周壁及び通気性隔壁2、3は、回転駆動軸8の回転軸線を中心に一体的に回転する。
他方、容器本体Dの円形頂壁及び円形底壁は固定されており、ガス化ガス導出路L1、ガス化剤導入路L2、ガス化ガス送出路L13及びガス化剤供給路L14が円形頂壁及び円形底壁に接続される。ガス化ガス導出路L1及びガス化ガス送出路L13は、片側α(タール除去運転の側)の容器内領域と連通するように直列にタール除去装置に接続される。ガス化剤導入路L2及びガス化剤供給路L14は、他の側β(再生運転の側)の容器内領域と連通するように直列にタール除去装置に接続される。即ち、本例では、流路L1、L13、L2、L14を構成する管路の位置は固定され、セラミック層Cの位置は、容器本体Dの回転に従って移動する。
このようにセラミック層Cを移動(回転)させる場合であっても、各区画のセラミック層Cは、ガス化ガス導出路L1及びガス化ガス送出路L13に連通するタール除去運転用の位置(第1位置α)と、ガス化剤供給路L14及びガス化剤導入路L2に連通する再生運転用の位置(第2位置β)とに交互に移動する。
図7(A)は、他の実施例に係るタール除去装置を備えた固体燃料ガス化システムの全体構成を概略的に示すブロックフロー図であり、図7(B)及び図7(C)は、タール除去装置の平面図及び横断面図である。また、図7(D)は、切換機構の構成を概略的に示す斜視図である。
実施例3のタール除去装置は、回転式反応容器の採用により、高温側切換装置の使用を回避するとともに、流路L1、L13、L2、L14を構成する管路の位置を固定することを可能にした構成のものである。しかしながら、図7に示すように上下の回転板を同期回転させることにより、反応容器全体を回転させず、しかも、管路位置を固定することも可能である。
図7(D)に示す如く、容器本体Dの円形頂壁及び円形底壁は、回転駆動軸8に固定された上下の回転板21、22より構成され、上側の回転板21には、流入口11及び流出口12が形成され、下側の回転板22には、流出口13及び流入口14が形成される。流入口11と連通する円形断面の流入室31が、回転板21の上面中央部に配設され、流出口12と連通する円環状の流出室32が、回転円板21の上面外周帯域に配設される。また、流出口13と連通する円形断面の流出室33が、回転板22の下面中央部に配設され、流入口14と連通する円環状の流入室34が、回転円板22の下面外周帯域に配設される。流入室31、流出室32、流出室33及び流入室34は、位置を固定されており、各室31、32、33、34には、流路L1、L2、L13、L14が夫々接続される。回転駆動軸8を矢印方向に回転させると、流入口11、流出口12、流出口13及び流入口14が矢印方向に移動する。
図7に示す状態では、ガス化ガスは、ガス化ガス導出路L1、α側の区画のセラミック層C及びガス化ガス送出路L13を介して次工程に送出され、ガス化剤は、ガス化剤供給路L14、β側の区画のセラミック層C及びガス化剤導入路L2を介してガス化炉に供給される。
上下の回転板21、22を図7(A)に示す位置から180°回転させた状態が図8に示されている。
回転駆動軸8の回転により、流入口11、流出口12、流出口13及び流入口14は移動し、図8に示す状態では、ガス化ガスは、ガス化ガス導出路L1、β側の区画のセラミック層C及びガス化ガス送出路L13を介して次工程に送出され、ガス化剤は、ガス化剤供給路L14、α側の区画のセラミック層C及びガス化剤導入路L2介してガス化炉に供給される。なお、流入口11、流出口12、流出口13及び流入口14は、図7に示す位置と図8に示す位置との間において、他の2つの区画のセラミック層Cと流路L1、L2、L13、L14とを適宜連通させる。
かくして、放射状隔壁9によって分割された各区画のセラミック層Cは、ガス化ガス導出路L1及びガス化ガス送出路L13に連通するタール除去運転と、ガス化剤供給路L14及びガス化剤導入路L2に連通する再生運転とを交互に実行する。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施例1、2では、タール除去システムは、一対のタール除去装置を交互切換運転するように構成されているが、3つ以上のタール除去装置を適当な時間差で切換制御するシステム構成を採用しても良い。
また、上記実施例3、4では、隔壁によって容器内空間を4つの区画に分割しているが、容器内空間を2又は3の区画、或いは、5以上の区画に分割しても良い。
更に、上記実施例3、4の装置において、回転駆動軸の回転は、反応容器の構造等に相応して適当に制御される。例えば、回転駆動装置によって回転駆動軸を連続的に回転させても、或いは、回転駆動軸を間欠的に回転させるように設定しても良い。
本発明は、有機性廃棄物や、低質固形燃料等の固体燃料をガス化し、水素、一酸化炭素、軽質炭化水素を比較的多量に含む合成ガスを生成する固体燃料ガス化システムにおいて、化学反応によっては完全に分解し難いガス化ガス中のタール状成分(タール)をガス化ガスから除去するタール除去装置及びタール除去方法に適用される。
本発明のタール除去装置及びタール除去方法は、タールを捕獲する多孔質セラミック層を熱媒体としてガス化ガスの顕熱をガス化剤に伝熱するので、系内の熱効率は改善する。
また、本発明によれば、多孔質セラミック層に捕獲したタールの燃焼発熱を利用してガス化剤を加熱することができるので、系内の熱効率は更に改善する。
第1実施例に係る固体燃料ガス化システムの全体構成を概略的に示すブロックフロー図である。 除去装置内の多孔質セラミック層の構成を概念的に示す断面図である。 多孔質セラミック球体のタール捕獲及びタール燃焼の作用を説明するための概念的な断面図である。 第2実施例に係るタール除去装置を備えた固体燃料ガス化システムの全体構成を概略的に示すブロックフロー図である。 図4に示す第1及び第2除去装置における多孔質セラミック層の構成を概念的に示す断面図である。 第3実施例に係るタール除去装置を備えた固体燃料ガス化システムの全体構成を概略的に示すブロックフロー図(図6(A))、タール除去装置の平面図及び横断面図(図6(B)及び図6(C))である。 第4実施例に係るタール除去装置を備えた固体燃料ガス化システムの全体構成を概略的に示すブロックフロー図(図7(A))、タール除去装置の平面図(図7(B))、タール除去装置の横断面図(図7(C))及び切換機構の概略斜視図(図7(D))である。 図7に示すタール除去装置の回転板を180°回転させた状態で示すブロックフロー図(図8(A))、平面図(図8(B))及び横断面図(図8(C))である。
符号の説明
1 多孔質セラミック球体
2 高温側隔壁(通気性隔壁)
3 低温側隔壁(通気性隔壁)
4 間隙(層内流路)
6 高温室(チャンバ)
7 低温室(チャンバ)
C 多孔質セラミック層
D 容器本体
L1 ガス化ガス導出路
L2 ガス化剤導入路
L13 ガス化ガス(合成ガス)送出路
L14 ガス化剤供給路

Claims (14)

  1. 固体燃料の部分酸化又は熱分解によって固体燃料ガス化炉に生成したガス化ガスに含まれるタールを除去するタール除去装置において、
    ガス化ガス中のタールを捕獲する多数の多孔質セラミック蓄熱体の集合体からなるセラミック層と、該セラミック層を所定区画に充填した容器本体と、前記セラミック層にガス化ガス及びガス化剤を選択的に流通せしめる切換手段とを有し、
    ガス化ガス及びガス化剤を交互に流通可能な層内流路が前記蓄熱体の間の間隙によって前記セラミック層に形成され、
    前記切換手段は、前記ガス化ガスを前記セラミック層の層内流路に流通させて次工程に送出するタール除去運転と、前記ガス化剤として空気又は酸素を前記セラミック層の層内流路に流通させ、該セラミック層を介して前記ガス化炉に供給する再生運転とに前記セラミック層の運転形態を交互に切換えることを特徴とするタール除去装置。
  2. 前記容器内には、前記ガス化ガスを受入れ又は前記ガス化剤を前記ガス化炉に供給する高温室が前記セラミック層の高温側に形成されるとともに、前記セラミック層を流通した前記ガス化ガスを次工程に送出し又は前記ガス化剤を受入れる低温室が前記セラミック層の低温側に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタール除去装置。
  3. 前記切換手段は低温側の切換弁を有し、該切換弁は、前記ガス化剤の供給源と連通するガス化剤供給路と、前記ガス化ガスを次工程に送出するガス化ガス送出路とに前記セラミック層の層内流路を選択的に連通させることを特徴とする請求項1又は2に記載のタール除去装置。
  4. 前記切換手段は高温側の切換弁を更に有し、該切換弁は、前記ガス化炉にガス化剤を導入するガス化剤導入路と、前記ガス化炉からガス化ガスを導出するガス化ガス導出路とに前記セラミック層の層内流路を選択的に連通させることを特徴とする請求項3に記載のタール除去装置。
  5. 前記切換手段は、前記セラミック層を第1及び第2位置に選択的に移動させるセラミック層移動装置を有し、前記セラミック層の層内流路は、該セラミック層の第1位置において、前記ガス化剤の供給源に連通するガス化剤供給路と、前記ガス化炉にガス化剤を導入するガス化剤導入路とに連通し、前記セラミック層の第2位置において、前記ガス化ガスを前記ガス化炉から導出するガス化ガス導出路と、前記ガス化ガスを次工程に送出するガス化ガス送出路とに連通することを特徴とする請求項1又は2に記載のタール除去装置。
  6. 前記セラミック層移動装置は、前記セラミック層を回転させるセラミック層回転装置からなることを特徴とする請求項5に記載のタール除去装置。
  7. 前記多孔質セラミック蓄熱体は、活性アルミナ、コージライト、シリカゲル又はゼオライトの成形体からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載されたタール除去装置。
  8. 前記多孔質セラミック蓄熱体は、最大寸法を1cm以下に成形した多孔質セラミックの球状成形体、粒子又はペレットからなることを特徴とする請求項7のいずれか1項に記載されたタール除去装置。
  9. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載されたタール除去装置を前記ガス化炉に対して並列に配置し、前記ガス化剤を前記ガス化炉に実質的に連続的に導入するとともに、前記ガス化ガスを前記ガス化炉から実質的に連続的に導出するようにしたことを特徴とするタール除去システム。
  10. 請求項1乃至8に記載されたタール除去装置を用いたタール除去方法であって、
    前記セラミック蓄熱体の表面にタールを吸着して前記ガス化ガス中のタールを捕獲することを特徴とするタール除去方法。
  11. 前記ガス化ガスが保有する顕熱を前記セラミック蓄熱体に伝熱して該蓄熱体に蓄熱するとともに、前記蓄熱体が蓄熱した顕熱を前記ガス化剤に放熱して該ガス化剤を加熱することを特徴とする請求項10に記載のタール除去方法。
  12. 前記ガス化剤として前記セラミック層を流通する空気又は酸素によってセラミック蓄熱体表面のタールを該表面から脱着させ且つ燃焼させて、前記セラミック蓄熱体からタールを除去し、これにより、前記セラミック層のタール捕獲能力を再生するとともに、タールの燃焼熱によって前記ガス化剤を加熱することを特徴とする請求項10又は11に記載のタール除去方法。
  13. 前記セラミック層の高温側領域に位置する前記セラミック蓄熱体の表面温度を600℃以上の温度に制御し又は管理し、前記セラミック蓄熱体の表面に炭素を析出させることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のタール除去方法。
  14. 前記ガス化剤として前記セラミック層を流通する空気又は酸素によってセラミック蓄熱体表面の析出炭素を燃焼させてセラミック蓄熱体表面から炭素を除去し、前記セラミック層のタール捕獲能力を再生するとともに、炭素の燃焼熱によって前記ガス化剤を加熱することを特徴とする請求項13に記載のタール除去方法。
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