JP2010047039A - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

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雅彦 神谷
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Abstract

【課題】ストロークシミュレータを備える液圧ブレーキ装置のエアレーションの抑止機能を高めるために、冷却専用の機器を追加せずに制動力発生手段からリザーバに戻されるブレーキ液の冷却が効果的になされるようにしてブレーキ液の過熱、温度上昇を抑制することを課題としている。
【解決手段】ストロークシミュレータ20でブレーキ操作部材1にブレーキ操作の反力を加える液圧ブレーキ装置の前記ストロークシミュレータ20の反力付与室27を、調圧部11の減圧弁13からリザーバ4に至るドレン通路Dの途中に設け、制動力発生手段5から前記減圧弁13を通って排出されるブレーキ液を、前記反力付与室27を経由してリザーバ4に戻すようにして制動力発生手段5からリザーバ4に戻されるブレーキ液をストロークシミュレータ20で冷却するようにした。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両の運転手によるブレーキ操作部材の操作に対して、ストロークシミュレータを用いて反力を加える方式の液圧ブレーキ装置に関する。
ブレーキバイワイヤ方式のブレーキ装置は、車両の運転手によるブレーキ操作量を電気信号に変換し、その信号を利用した電気的な制御を行なうことで制動力発生手段を作動させて車輪に必要な制動力を加えるものであって、ブレーキ操作部材に対してブレーキ操作量に応じた反力を付与するストロークシミュレータを備えている。
このブレーキバイワイヤ方式のブレーキ装置に採用される制動力発生手段は、電気アクチュエータを用いるものもあるが、運転手のブレーキ操作力で液圧を発生させるマスタシリンダと動力ポンプを有する液圧源を組み合わせたものが多く利用されている。
液圧を利用して制動力を発生させる後者のブレーキ装置(液圧ブレーキ装置)は、例えば、下記特許文献1〜3に開示されている。このブレーキ装置においては、正常時の制動ではマスタシリンダが制動力発生手段から切り離され、制動力発生手段には、動力ポンプで発生させて調圧部で必要な値に調圧した液圧が供給される。マスタシリンダで発生させた液圧は、動力ポンプの液圧を使うことができない装置異常時に制動力発生手段に供給される。
この方式のブレーキ装置に採用されるストロークシミュレータは、ハウジングの内部に、マスタシリンダの圧力室に発生させた液圧を一端に受けて移動するピストン(可動部材)を組み込み、そのピストンの他端が臨む反力付与室(ばね室)に、前記ピストンに対してブレーキ操作に応じた反力(変位量)を付与するコイルばね(スプリング)を収容している。
特許文献1は、ストロークシミュレータの反力発生部材として、ばね定数の異なる第1、第2コイルばねを設け、前記ピストンと前記反力付与室(ばね室)に内蔵するスプリングリテーナとの間に第1コイルばねを、前記スプリングリテーナとハウジング端の閉鎖部材との間に第2コイルばねをそれぞれ配置することでブレーキペダルの操作に対してペダルを踏み込むほどペダル剛性が高まる滑らかな非線形の反力特性を実現している。
なお、特許文献1に記載されたストロークシミュレータは、コイルばねを収容する反力付与室をマスタシリンダのリザーバに連通させており、その反力付与室にはリザーバからのブレーキ液が導入されている。
特許文献2が開示しているストロークシミュレータも、ばね定数の異なる第1、第2コイルばねを組み合わせて用いている。前記スプリングテーナに代えて第2ピストンを設けた点や反力付与室を大気室にした点などが特許文献1のストロークシミュレータと異なるが、特許文献1のストロークシミュレータと同様の非線形の反力特性が得られるものになっている。
特許文献3のブレーキ装置用のストロークシミュレータは、マスタシリンダに一体化しており、ペダルを踏み込むほどペダル剛性が高まる非線形の反力特性を1個のコイルばねと1個の弾性部材を組み合わせることで実現している。このストロークシミュレータも、特許文献1と同様にコイルばねを収容した反力付与室をリザーバに連通させてそのばね室にブレーキ液を導入している。
特開2002−293229号公報 特開2004−276666号公報 特表2003−528768号公報
ブレーキバイワイヤ方式の液圧ブレーキ装置では、各種センサから運転手のブレーキ操作情報を受けた電子制御装置が車両としての制動要求を判断し、必要時にその電子制御装置からの指令に基いて調圧部が制動力発生手段に供給されたブレーキ液圧の加減圧制御を行なう。その際の減圧制御は、調圧部に含まれる減圧弁(減圧用電磁弁)を開弁させ、その減圧弁からリザーバに至るドレン通路を開放することによってなされるが、制動力発生手段から排出されるブレーキ液は制動で生じた熱を吸収しており、また、急激な流れに際しては流体摩擦等による熱も加わるため、ブレーキ液を循環させながら増減圧制御が繰り返されると次第に温度が上昇する。
これに対し、上記特許文献1のブレーキ装置は、ブレーキを緩める減圧制御が実行されて制動力発生手段から排出されるブレーキ液が、専用のドレン通路を通ってリザーバに戻される構造になっており、ブレーキ液の温度上昇を積極的に抑制する機能がない。
そのために、ブレーキ液の温度が上昇してエアレーションが起こり、そのエアレーションによる調圧用電磁弁の弁振動や異音(流動音)の発生、機器内でのエア残留などが懸念される。
特許文献2、3が開示しているブレーキ装置も同様である。なお、機器内にエアが残留してその残留エアが動力ポンプなどの圧力発生室に流入すると得られる圧力が小さくなるので、圧力発生室への残留エアの流入の懸念は可能な限り小さくすることが望まれる。
この発明は、液圧ブレーキ装置におけるエアレーションの抑止機能を高めるために、冷却専用の機器を追加せずに制動力発生手段からリザーバに戻されるブレーキ液の冷却が効果的になされるようにしてブレーキ液の過熱、温度上昇を抑制することを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、ストロークシミュレータをブレーキ液の冷却器として機能させる。
具体的には、車両の運転手によって操作されるブレーキ操作部材と、
ブレーキ操作によって発生した力を一端に受けて移動する可動部材及びその可動部材の他端が臨んだハウジング内の反力付与室に収容されて前記可動部材にブレーキ操作に応じた変位量と反力を付与する反力発生部材を備え、前記ブレーキ操作部材に運転手のブレーキ操作力に応じた変位量と反力を発生させるストロークシミュレータと、
リザーバから供給されるブレーキ液を加圧して液圧を発生させる液圧源と、
その液圧源が発生させた液圧を電子制御装置からの指令に基いて調圧して出力する調圧部と、
前記調圧部経由で供給されるブレーキ液圧で制動力を発生させて車輪に付与する制動力発生手段を有する液圧ブレーキ装置において、
前記ストロークシミュレータの前記反力付与室を、前記調圧部の減圧弁から前記リザーバに至るドレン通路の途中に設け、前記制動力発生手段から前記調圧部の減圧弁を通って排出されるブレーキ液を、前記反力付与室を経由してリザーバに戻すようにした。
この液圧ブレーキ装置の好ましい形態を以下に挙げる。
(1)前記ドレン通路の前記反力付与室への接続を、前記リザーバにつなぐ前記反力付与室の出口が前記減圧弁につなぐ前記反力付与室の入口よりも上方にあり、かつ、前記出口が前記反力付与室の最上部にあるように行う。
(2)前記反力付与室の中心軸が鉛直方向を向き、この状態での平面視において、前記反力付与室の入口と出口を前記反力付与室の中心軸を基準にして周方向の正反対位置に配置する。
(3)ストロークシミュレータを、前記可動部材が上、反力発生部材が下になる向きに設置する。
(4)前記反力付与室に対する前記ドレン通路の接続を、前記減圧弁を通って前記制動力発生手段から前記リザーバにブレーキ液が戻されるときに前記反力付与室の中に前記可動部材を初期位置に戻す方向の流れが発生するように行なう。
(5)ストロークシミュレータのハウジングをアルミ系の金属で形成する。
(6)前記反力発生部材を金属製のコイルばねで構成し、そのコイルばねの外周に、前記反力付与室内におけるブレーキ液の移動経路を延長する螺旋状の空間を生じさせる。
(7)前記(6)の構成において、反力付与室の内部に、その反力付与室に流入するブレーキ液を濾過するフィルタを設置し、そのフィルタに含ませた筒状のホルダで前記コイルばねの外周を拘束してコイルばねを径方向に位置決めする。
(8)前記ハウジングの内部に形成されるドレン通路に、前記減圧弁に対して背圧を付与する背圧付与部材を設ける。
(9)前記背圧付与部材を、前記ハウジングの内部に形成されるドレン通路の通路断面積を減少させる絞り又は設置圧で開弁するリリーフ弁で構成する。
(10)前記背圧付与部材を、前記反力付与室の入口側に配置する。
この発明のブレーキ装置は、調圧部による減圧制御が実施されたときに制動力発生手段から排出されるブレーキ液が、ストロークシミュレータの反力発生部材を収容した反力付与室を通ってリザーバに戻される。そのために、ストロークシミュレータが熱をもったブレーキ液の冷却器として機能し、このストロークシミュレータのハウジングやハウジング内の液体や部材に熱が吸収されてブレーキ液の温度が下がる。
反力発生部材を収容する前記反力付与室は、反力発生部材として通常、コイルばねが使用されるので、その容積がある程度大きくなる。その反力付与室に充填された容量の大きいブレーキ液の中を通過させることで充填ブレーキ液や熱容量の大きいハウジングによる熱吸収が効果的になされ、加減圧制御で循環するブレーキ液の温度上昇が抑制される。
そのために、エアレーションが抑えられ、エアレーションに起因した弁振動、異音、機器内でのエア残留が防止される。なお、上記において好ましいとした形態の作用効果は次項で説明する。
以下、添付図面の図1〜図5に基いてこの発明の実施の形態を説明する。この発明の液圧ブレーキ装置の一例を図1に示す。この液圧ブレーキ装置は、車両の運転手によって操作されるブレーキ操作部材1、ストロークセンサ2、タンデム型のマスタシリンダ3、リザーバ4、制動力発生手段5、液圧源6、カット弁(遮断弁)10、調圧部11、カット弁(開閉弁)14、圧力センサ15、電子制御装置(ECU)16及びストロークシミュレータ20を組み合わせて構成されている。
図示のブレーキ操作部材1はブレーキペダルである。ストロークセンサ2はそのブレーキ操作部材1の操作量を検出する。
マスタシリンダ3は、ブレーキ操作部材1に加えられた操作力を受けて作動し、車両の運転手がブレーキ操作部材1に加えた操作力に見合う液圧を発生させる。
リザーバ4はマスタシリンダ3に付属させており、マスタシリンダ3に対するブレーキ液の補給と液圧源6に対するブレーキ液の供給がここからなされる。また、ブレーキ液圧の制御が減圧モードに切り換わったときに制動力発生手段5から排出されるブレーキ液はこのリザーバ4に戻される。
制動力発生手段5は、ホイールシリンダであり、車両の2個の前輪と2個の後輪に個別に制動力を加える。マスタシリンダ3の出力ポートは、2系統に分けた液圧通路A,Aを介してこの制動力発生手段5につながれる。液圧通路A,Aは、図示の装置では、一方が車両の右前輪に、他方が左前輪にそれぞれ接続される。
液圧源6は、モータで駆動してリザーバ4からブレーキ液を汲み上げる動力ポンプ7と、アキュムレータ8と、リリーフ弁9からなる。この液圧源6は、液圧通路Bを介して各制動力発生手段5につながれており、ブレーキ装置が正常に作動するときの制動は、ここから供給される液圧を利用して行われる。
カット弁10は、常開型の電磁駆動の弁であって、マスタシリンダ3と制動力発生手段5との間において2系統の液圧通路A,Aを開閉する。
調圧部11は、液圧源6と各制動力発生手段5との間において液圧通路Bの4つの分岐部にそれぞれ組み込む常閉型の増圧弁12と、各制動力発生手段5とリザーバ4との間に設けられたドレン通路Dに組み込む減圧弁13とで構成されている。増圧弁12は、電磁駆動の常閉型の弁である。また、減圧弁13は、液圧通路A側の2つが電磁駆動の常閉型の弁、他の2つが電磁駆動の常開型の弁である。図示の弁は、リニア弁と称される弁であり、液圧を駆動電流の大きさによって調圧する機能を備えている。
カット弁14は常閉型の電磁駆動の弁である。カット弁10よりも上流(マスタシリンダ3側)で液圧通路Aから枝分かれした液圧通路Cにストロークシミュレータ20を挿入しており、そのストロークシミュレータ20とマスタシリンダ3との間において液圧通路Cにカット弁14が配置されている。
圧力センサ15は、マスタシリンダ3の各圧力室からの出力液圧を検出する位置と、液圧源6の出力液圧を検出する位置と、各制動力発生手段5に供給されたブレーキ液圧を検出する位置にそれぞれ設置されている。
電子制御装置16は、運転手のブレーキ操作を検出する各種センサ、例えば、ストロークセンサ2や、圧力センサ15などからの情報に基いて車両としての制動要求を判断し、必要時に調圧部11の機器に指令を出して制動力発生手段5に供給されたブレーキ液圧の加減圧制御を行なう。その制御が減圧モードのときに、減圧弁13が開弁して制動力発生手段5から排出されるブレーキ液が減圧弁13経由でリザーバ4に戻される。
ストロークシミュレータ20は、ハウジング21の内部に、可動部材(図のそれはピストン)22と、反力発生部材23と、リテーナ(スプリングリテーナ)24と、2個の弾性体の緩衝部材25−1,25−2を設けたものを採用している。
ハウジング21は、アルミ系の材料(純金属、合金のどちらも可)で形成されている。このハウジング21には、シリンダ26と、ハウジング21の周壁によって外部から画された、シリンダ径よりも大径の穴で構成された反力付与室27が設けられており、シリンダ26に可動部材(図のそれはピストン)22がスライド可能に挿入されている。また、反力付与室27に反力発生部材23と、リテーナ24と、緩衝部材25が収納されている。
反力発生部材23は、第1、第2の2個の金属製のコイルばね23-1,23-2によって構成されている。リテーナ24も2個あり、可動部材22の外周に装着された第1リテーナ24−1と、カップ状に形成された第2リテーナ24−2との間に第1コイルばね23-1が配置され、第2リテーナ24−2とハウジング21の端壁との間に第2コイルばね23-2が配置されている。また、緩衝部材25−1は、第1コイルばね23-1が設定量圧縮されると第2リテーナ24−2に押し当てられ、緩衝部材25−2は、第2コイルばね23-2が設定量圧縮されると第2リテーナ24−2の端壁に押し当てられるようになっている。
ハウジング21にはさらに、可動部材22の一端が臨む液室28が設けられており、その液室28にマスタシリンダ3で発生させた液圧が導入され、その液圧で可動部材22が液圧の大きさに応じた位置に移動し、このときに、第1、第2のコイルばね23-1,23-2が圧縮されて液圧に応じた反力(すなわち、運転手のブレーキ操作力に応じた反力)が発生し、その反力が、ブレーキ操作部材1を通じて運転手に伝わるようになっている。図1の29は、必要に応じて設けるエアブリーダであり、液室28のエア抜きに利用される。
図示の液圧ブレーキ装置は、その装置が正常な状態で運転手によるブレーキ操作がなされると、カット弁10が閉、増圧弁12とカット弁14がそれぞれ開となって各制動力発生手段5に液圧源6からブレーキ液圧が供給される。電子制御装置16による制御が実行されない装置異常時の制動で運転者がブレーキ操作力を開放、或いは、緩めると、カット弁10が開いているので、マスタシリンダ3から液圧通路Aを通って各制動力発生手段5に供給されたブレーキ液は液圧通路Aを通り、さらにマスタシリンダ3を通ってリザーバ4に戻る。
一方、電子制御装置16による減圧モードの制御が行なわれたときには、減圧弁13が開き、各制動力発生手段5に供給されたブレーキ液がドレン通路Dを通ってリザーバ4に戻る。このときのブレーキ液がストロークシミュレータ20を通ってその位置で冷却される。
図1のストロークシミュレータ20は、前掲の特許文献1に開示されたものと同様の反力特性が得られる。このストロークシミュレータ20をドレン通路Dの途中に設け、ドレン通路Dの一部をハウジング21に形成された反力付与室27で構成しており、この構成が従来品と異なる。
ハウジング21に反力付与室27に通じるブレーキ液の入口Piと出口Poを設けてその入口Piと出口Poにドレン通路Dをつないでおり、減圧弁13経由で制動力発生手段5から排出されたブレーキ液は、反力付与室27を通ってリザーバ4に戻る。
反力付与室27は十分な容積が確保されており、その反力付与室27に充填された容量の大きいブレーキ液の中に制動力発生手段5から排出されたブレーキ液が混ざり込むことによって反力付与室27に流入したブレーキ液の温度が下がる。反力付与室27内のブレーキ液や金属製の反力発生部材23に吸収された熱は、ハウジング21に流れてそのハウジング21の表面から外部に放散される。
なお、ストロークシミュレータ20は、図1に示すように、ドレン通路Dの反力付与室27への接続を、リザーバ4につなぐ反力付与室27の出口Poが減圧弁13につなぐ反力付与室27の入口Piよりも上方にあり、しかも、出口Poが反力付与室27の最上部にあるように行うと好ましい。
そのような構造にすると、反力付与室27内でのブレーキ液の移動経路が長くなって冷却効率が高まる。また、反力付与室27にブレーキ液を充填する際の空気抜きを、反力付与室27用のエアブリーダを設けずに行なえる。
反力付与室27の中心が図1のように鉛直方向を向き、この状態での平面視において、図2に示すように、反力付与室27の入口Piと出口Poを反力付与室27の中心軸を基準にして周方向の正反対位置に配置するのも好ましい。この場合も、反力付与室27内でのブレーキ液の移動経路が長くなるため、冷却効率が高まる。
図1に示すように、ストロークシミュレータ20を、可動部材22が上、反力発生部材23が下になる向きに設置するのも好ましい。反力付与室27には摩耗粉などの異物がブレーキ液に混入して流入する可能性があるが、可動部材22を反力発生部材23よりも上側に配置することで、可動部材22とシリンダ26との間の摺動隙間に異物が噛み込まれる懸念をなくすことができる。
反力付与室27に対するドレン通路Dの接続を、減圧弁13を通って制動力発生手段5からリザーバ4にブレーキ液が戻されるときに反力付与室27の中に可動部材22を初期位置に戻す方向の流れが発生するように行なうのも好ましい。図1の構造は、そのような流れとなる。このようにしたものは、可動部材22の戻りが液流によって阻害されることがない。
反力発生部材23として設けた金属製の2個のコイルばねのうち、直径の大きい第2コイルばね23−2の外周に形成される螺旋状の空間によって、反力付与室27内におけるブレーキ液の移動経路が延長されるようにしておくのも好ましい。ばねの線径と線間隙間の大きさ、反力付与室27への入口Piからのブレーキ液の導入方向などを適切に設定すると、第2コイルばね23−2の外周の螺旋状空間に沿ったブレーキ液の流れが生じて反力付与室27内におけるブレーキ液の移動経路が延長され、それにより、熱を持ったブレーキ液がコイルばねやハウジングに接触する時間が長くなって冷却効率が高まる。
図3に示すように、反力付与室27の内部に、反力付与室27に流入するブレーキ液を濾過するフィルタ30を設置し、そのフィルタ30に筒状ホルダ31を含ませてその筒状ホルダ31で第2コイルばね23−2の外周を拘束する構造も考えられ、この構造では、第2コイルばね23−2の径方向位置決めをフィルタ30を利用して行える。
このほか、図4、図5に示すように、ハウジング21に形成されるドレン通路の内部、好ましくは入口Pi内に、減圧弁13に対して背圧を付与する背圧付与部材32を設けるのも好ましい。
図4のストロークシミュレータ20に設けた背圧付与部材32は、ハウジング21内ドレン通路の通路断面積を減少させる絞り32aを設けてその絞り32aで構成しているが、図5に示すように、ハウジング21内ドレン通路にリリーフ弁32bを設置し、そのリリーフ弁32bを背圧付与部材にして減圧弁13に背圧を付与することもできる。
ブレーキ液の温度が上昇することだけでなく、排出されるブレーキ液のドレン通路入口側と出口側での圧力差が大きいこともエアレーション発生の原因となる。従って、減圧弁13に背圧を付与して排出されるブレーキ液の急激な圧力変動や負圧の発生を防止することはエアレーションの抑制効果を高める。
なお、背圧付与部材32は、図4、図5のように、反力付与室27の入口Pi側においてハウジング21内ドレン通路に設けるのがよい。このような配置にすることで、反力付与室27の背圧によるストロークシミュレータ特性への影響を抑えることができる。
なお、ブレーキバイワイヤ方式の液圧ブレーキ装置は、液圧源に動力ポンプが含まれ、その動力ポンプで発生させた液圧が電子制御装置からの指令に基いて調圧されて(この調圧は、通常制動では運転者のブレーキ操作量に応じたブレーキ液圧となるように行われる)制動力発生手段に供給されるものが主流をなしており、そのような構造の液圧ブレーキ装置にこの発明を適用すると発明の有効性が顕著に発揮される。
この発明の液圧ブレーキ装置の一形態を示す全体構成図 ストロークシミュレータの図1のII−II線に沿った断面図 ストロークシミュレータの他の実施の形態を示す断面図 ストロークシミュレータに設けた背圧付与部材の一形態を示す断面図 ストロークシミュレータに設けた背圧付与部材の他の形態を示す断面図
符号の説明
1 ブレーキ操作部材
2 ストロークセンサ
3 マスタシリンダ
4 リザーバ
5 制動力発生手段
6 液圧源
7 動力ポンプ
8 アキュムレータ
9 リリーフ弁
10、14 カット弁
11 調圧部
12 増圧弁
13 減圧弁
15 圧力センサ
16 電子制御装置
20 ストロークシミュレータ
21 ハウジング
22 可動部材
23 反力発生部材
23−1 第1コイルばね
23−2 第2コイルばね
24 リテーナ
24−1 第1リテーナ
24−2 第2リテーナ
25−1,25−2 緩衝部材
26 シリンダ
27 反力付与室
Pi 入口
Po 出口
28 液室
29 エアブリーダ
30 フィルタ
31 筒状ホルダ
32 背圧付与部材
32a 絞り
32b リリーフ弁
A〜C 液圧通路
D ドレン通路

Claims (13)

  1. 車両の運転手によって操作されるブレーキ操作部材(1)と、
    ブレーキ操作によって発生した力を一端に受けて移動する可動部材(22)及びその可動部材(22)の他端が臨んだハウジング(21)内の反力付与室(27)に収容されて前記可動部材(22)にブレーキ操作に応じた変位量と反力を付与する反力発生部材(23)を備え、前記ブレーキ操作部材(1)に運転手のブレーキ操作力に応じた変位量と反力を発生させるストロークシミュレータ(20)と、
    リザーバ(4)から供給されるブレーキ液を加圧して液圧を発生させる液圧源(6)と、
    その液圧源(6)が発生させた液圧を電子制御装置(16)からの指令に基いて調圧して出力する調圧部(11)と、
    前記調圧部(11)経由で供給されるブレーキ液圧で制動力を発生させて車輪に付与する制動力発生手段(5)を有する液圧ブレーキ装置において、
    前記ストロークシミュレータの前記反力付与室(27)を、前記調圧部(11)の減圧弁(13)から前記リザーバ(4)に至るドレン通路(D)の途中に設け、前記制動力発生手段(5)から前記調圧部(11)の減圧弁(13)を通って排出されるブレーキ液を、前記反力付与室(27)を経由して前記リザーバ(4)に戻すようにしたことを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  2. 前記ドレン通路(D)の前記反力付与室(27)への接続を、前記リザーバ(4)につなぐ前記反力付与室(27)の出口(Po)が前記減圧弁(13)につなぐ前記反力付与室(27)の入口(Pi)よりも上方にあり、かつ、前記出口(Po)が前記反力付与室(27)の最上部にあるように行ったことを特徴とする請求項1に記載の液圧ブレーキ装置。
  3. 前記反力付与室(27)の中心軸が鉛直方向を向き、この状態での平面視において、前記反力付与室(27)の前記ドレン通路(D)につなぐ入口(Pi)と前記リザーバ(4)につなぐ出口(Po)を前記反力付与室(27)の中心軸を基準にして周方向の正反対位置に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の液圧ブレーキ装置。
  4. 前記ストロークシミュレータ(20)を、前記可動部材(22)が上、反力発生部材(23)が下になる向きに設置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液圧ブレーキ装置。
  5. 前記反力付与室(27)に対する前記ドレン通路(D)の接続を、前記減圧弁(13)を通って前記制動力発生手段(5)から前記リザーバ(4)にブレーキ液が戻されるときに前記反力付与室(27)の中に前記可動部材(22)を初期位置に戻す方向の流れが発生するように行なったことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液圧ブレーキ装置。
  6. ストロークシミュレータ(20)の前記ハウジング(21)をアルミ系の金属で形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液圧ブレーキ装置。
  7. 前記反力発生部材(23)を金属製のコイルばねで構成し、そのコイルばねの外周に、前記反力付与室(27)内におけるブレーキ液の移動経路を延長する螺旋状の空間を生じさせたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液圧ブレーキ装置。
  8. 前記反力付与室(27)の内部に、その反力付与室(27)に流入するブレーキ液を濾過するフィルタ(30)を設置し、そのフィルタ(30)に筒状ホルダ(31)を含ませてその筒状ホルダ(31)で前記コイルばねの外周を拘束してコイルばねを径方向に位置決めしたことを特徴とする請求項7に記載の液圧ブレーキ装置。
  9. 前記ハウジング(21)の内部に形成されるドレン通路に、前記減圧弁(13)に対して背圧を付与する背圧付与部材(32)を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液圧ブレーキ装置。
  10. 前記背圧付与部材(32)を、ハウジング(21)内ドレン通路の通路断面積を減少させる絞り(32a)で構成したことを特徴とする請求項9に記載の液圧ブレーキ装置。
  11. 前記背圧付与部材(32)を、リリーフ弁(32b)で構成したことを特徴とする請求項9に記載の液圧ブレーキ装置。
  12. 前記背圧付与部材(32)を、前記反力付与室(27)の入口(Pi)側に配置したことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の液圧ブレーキ装置。
  13. 前記液圧源(6)に動力ポンプ(7)が含まれ、その動力ポンプ(7)で発生させた液圧が前記電子制御装置(16)からの指令に基いて調圧されて前記制動力発生手段(5)に供給されるように構成されたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の液圧ブレーキ装置。
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