JP2010046871A - ポジション切替え装置、記録装置、ポジション切替え方法 - Google Patents

ポジション切替え装置、記録装置、ポジション切替え方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハード構成が複雑化することなく、シンプルな構成で精度よく駆動対象のポジションを切り替えることができるポジション切替え装置を提供する。
【解決手段】ポジション切替え装置50の制御手段は、第1度当て部に度当たった時から度当たったと認識してモータが一時停止するまでの間および第2度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間における動力伝達機構105の部材変形量を加味して第1度当て部または第2度当て部に度当たった状態の度当たり位置から目的の所定位置へ駆動対象19を移動させる際のモータの駆動量である所定位置切替え駆動量を設定する構成である。
【選択図】図3

Description

本発明は、モータの動力によって複数の所定位置へ移動する駆動対象と、前記モータの動力を前記駆動対象へ伝達する動力伝達機構と、前記駆動対象の移動範囲の一端と他端とをそれぞれ決める第1度当て部および第2度当て部と、前記モータを制御する制御手段と、を備えたポジション切替え装置、該ポジション切替え装置を備えた記録装置およびポジション切替え方法に関する。
本願において、記録装置には、インクジェットプリンタ、ワイヤドットプリンタ、レーザープリンタ、ラインプリンタ、複写機、ファクシミリ等の種類が含まれるものとする。
従来では、特許文献1に示す如く、記録装置は、駆動対象としてのキャリッジと、媒体支持部としてのプラテンと、支持部としてのガイド部と、動力伝達機構としての作用部および動力伝達手段と、を備えていた。このうち、前記キャリッジは、被記録媒体の一例である用紙に対して記録を実行する記録ヘッドを有し、用紙の幅方向に移動するように設けられていた。また、前記プラテンは、前記記録ヘッドと対向し、用紙を支持するように設けられていた。またさらに、前記ガイド部は、前記キャリッジを幅方向にガイドするように設けられていた。また、前記作用部は、前記ガイド部を前記記録ヘッドと前記プラテンとが対向する方向へ移動させるように構成されていた。またさらに、前記動力伝達手段は、モータから前記作用部へ動力を伝達することができるように設けられていた。
従って、前記モータを駆動させることによって、前記作用部へ動力を伝達することができ、前記ガイド部を前記対向する方向へ移動させることができた。そして、前記記録ヘッドと、前記プラテンとの間の距離である所謂、プラテンギャップを切り替えることができた。
ここで、前記モータを駆動させた際、前記動力伝達手段の構造上のたわみ等により、前記前記作用部の理論上の位置と実際の位置との間においてずれが発生する虞がある。
そこで、該ずれ対策として、検出器としてのセンサと被検出部としての遮光板とにより前記作用部の位置・位相を判定して制御していた。具体的には、前記作用部の位相が変化してもプラテンギャップが変化しない安定領域において、前記センサが前記遮光板を検出するように構成されていた。従って、前記記録ヘッドの位置を制御することができ、精度よくプラテンギャップを切り替えることができた。
特開2004−314591号公報
しかしながら、前記センサを設けたことにより、ハード構成が複雑化する。また、前記センサを設けた分だけコストも高くなる虞がある。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、ハード構成が複雑化することなく、シンプルな構成で精度よく駆動対象のポジションを切り替えることができるポジション切替え装置、該ポジション切替え装置を備えた記録装置およびポジション切替え方法を提供することである。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様のポジション切替え装置は、モータの動力によって複数の所定位置へ移動する駆動対象と、前記モータの動力を前記駆動対象へ伝達する動力伝達機構と、前記駆動対象の移動範囲の一端と他端とをそれぞれ決める第1度当て部および第2度当て部と、所定のタイミングにおいて、前記第1度当て部に度当たることにより前記駆動対象が移動不能になるまで該駆動対象を前記一端に移動させた後に、前記第2度当て部に度当たることにより前記駆動対象が移動不能になるまで該駆動対象を前記他端に移動させる駆動を実行し、該駆動に係る前記モータの駆動量を基準駆動量として取得し、該基準駆動量と、前記第1度当て部から前記第2度当て部までの前記モータの駆動量の理論値との差から、前記第1度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間および前記第2度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間における前記動力伝達機構の部材変形量を算出し、前記第1度当て部または前記第2度当て部に度当たった状態の度当たり位置から目的の所定位置までの前記モータの駆動量の理論値に、前記動力伝達機構の部材変形量を加味して前記度当たり位置から目的の所定位置へ前記駆動対象を移動させる際の前記モータの駆動量である所定位置切替え駆動量を設定する構成である制御手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明の第1の態様によれば、前記ポジション切替え装置の前記制御手段は、前記基準駆動量を取得し、該基準駆動量と、前記第1度当て部から前記第2度当て部までの前記モータの駆動量の理論値との差から、前記第1度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間および前記第2度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間における前記動力伝達機構の部材変形量を算出し、前記第1度当て部または前記第2度当て部に度当たった状態の度当たり位置から目的の所定位置までの前記モータの駆動量の理論値に、前記動力伝達機構の部材変形量を加味して前記度当たり位置から目的の所定位置へ前記駆動対象を移動させる際の前記モータの駆動量である所定位置切替え駆動量を設定する構成である。
噛み砕いて説明すると、前記制御手段は、先ず、前記駆動対象を、該駆動対象が前記動力伝達機構によって移動する範囲における前記一端から前記他端へ移動させる。そして、前記モータの駆動量の理論値と実測値としての前記基準駆動量との差から前記動力伝達機構の部材の撓み量分に相当する前記モータの駆動量を算出するように構成されている。従って、前記部材の撓み量分に相当する前記モータの駆動量に基づいた値を補正値として有することができる。
そして、前記動力伝達機構を作用させて前記駆動対象の所定位置を切替える際、前記部材の撓み量を補正値として加味した前記所定位置切替え駆動量だけ前記モータを駆動させることができる。その結果、前記駆動対象が移動する範囲において、前記駆動対象を所定位置へ精度良く移動させることができる。特に、前記動力伝達機構が樹脂製部材を有し、該樹脂製部材が撓み変形する場合に有効である。
本発明の第2の態様の記録装置は、被記録媒体に対してインクを吐出して記録を実行する記録ヘッドと、該記録ヘッドと被記録媒体との間の距離を変更するギャップ切替え機構と、を備えた記録装置であって、該ギャップ切替え機構は、上記第1の態様のポジション切替え装置を有することを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、前記ギャップ切替え機構は、上記第1の態様のポジション切替え装置を有する。従って、前記記録装置において、上記第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
一般に前記ギャップ切替え機構において、前記第1度当て部および該第1度当て部と度当たる箇所の少なくとも一方は樹脂で構成される。係る場合、樹脂で形成された部材が撓む虞があり、前記制御手段は有効である。尚、前記第2度当て部および該第2度当て部と度当たる箇所の少なくとも一方が樹脂で構成される場合も同様である。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記制御手段が前記基準駆動量を取得し、前記動力伝達機構の部材変形量を算出して更新する前記所定のタイミングは、記録を実行した被記録媒体の枚数に応じて設定される構成であることを特徴とする。
本発明の第3の態様によれば、第2の態様と同様の作用効果に加え、前記所定のタイミングは、記録を実行した被記録媒体の枚数に応じて設定される構成である。即ち、所定の枚数を搬送した毎に、前記制御手段が前記基準駆動量を取得し、前記動力伝達機構の部材変形量を算出して更新する構成である。
例えば、経時変化によって前記撓み量が変化する場合がある。係る場合に特に有効である。
本発明の第4の態様は、第2または第3の態様において、前記制御手段は、前記モータを制御すると共に、前記駆動対象の度当たりに伴うモータ電流値の上昇により該モータ電流値がしきい値に達したとき、前記度当たりと判断し、前記度当たった際の度当たり位置からの前記モータの回転量を管理することにより前記記録ヘッドを他の所定位置に切替え、前記所定のタイミングで前記モータの駆動負荷であるモータ電流値を測定し、該モータ電流値に基づいて前記しきい値を更新する構成であることを特徴とする。
ここで、「モータ電流値」とは、モータへ流れる電流の値をいう。
本発明の第4の態様によれば、第2または第3の態様と同様の作用効果に加え、前記制御手段は、所定のタイミングで前記モータの駆動負荷であるモータ電流値を測定し、該モータ電流値に基づいて前記しきい値を更新する構成である。従って、前記駆動負荷が例えば経時変化によって徐々に大きくなった場合、所定のタイミングで経時変化に対応させて前記しきい値を更新前より大きな値に設定し直すことができる。即ち、前記しきい値を前記駆動負荷の値より常に大きな値にすることができる。その結果、経時変化によって前記駆動負荷の水準が上がった場合であっても、前記駆動対象が前記度当たり位置に到達する前に前記制御手段が前記度当たりと誤判定する虞がない。
本発明の第5の態様のポジション切替え方法は、所定のタイミングにおいて、モータの動力によって複数の所定位置へ移動する駆動対象を、該駆動対象の移動範囲の一端を決める第1度当て部に度当たることにより移動不能になるまで移動させた後に、前記駆動対象の移動範囲の他端を決める第2度当て部に度当たることにより移動不能になるまで移動させる駆動を実行し、該駆動に係る前記モータの駆動量を基準駆動量として取得する基準駆動量取得工程と、該基準駆動量取得工程において取得した前記基準駆動量と、前記第1度当て部から前記第2度当て部までの前記モータの駆動量の理論値との差から、前記第1度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間および前記第2度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間における前記モータの動力を前記駆動対象へ伝達する動力伝達機構の部材変形量を算出する部材変形量算出工程と、前記第1度当て部または前記第2度当て部に度当たった状態の度当たり位置から目的の所定位置までの前記モータの駆動量の理論値に、前記部材変形量算出工程において算出した前記部材変形量を加味して前記度当たり位置から目的の所定位置へ前記駆動対象を移動させる際の前記モータの駆動量である所定位置切替え駆動量を設定する駆動量設定工程と、を具備していることを特徴とする。
本発明の第5の態様によれば、前記ポジション切替え方法は、前記基準駆動量取得工程と、前記部材変形量算出工程と、前記駆動量設定工程と、を具備している。従って、上記第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記動力伝達機構は、動力を伝達するギア輪列を有し、前記駆動量設定工程は、前記部材変形量に加えて前記ギア輪列のバックラッシをも加味して前記所定位置切替え駆動量を設定することを特徴とする。
本発明の第6の態様によれば、第5の態様と同様の作用効果に加え、前記駆動量設定工程は、前記部材変形量に加えて前記ギア輪列のバックラッシをも加味して前記所定位置切替え駆動量を設定する。従って、より精度良く前記駆動対象を所定位置へ移動させることができる。特に、ギアの数が多い輪列機構におけるバックラッシ対策に有効である。
本発明の第7の態様は、第5または第6の態様において、前記部材変形量算出工程は、取得した前記基準駆動量に基づいて前記動力伝達機構の部材変形量を算出し、前記駆動量設定工程は、前記部材変形量算出工程において算出した前記部材変形量を、前記第1度当て部に度当たった際の前記動力伝達機構の部材変形量と、前記第2度当て部に度当たった際の前記動力伝達機構の部材変形量との比率に応じて、前記第1度当て部に度当たった状態の第1度当たり位置から目的の所定位置へ移動させる際と、前記第2度当て部に度当たった状態の第2度当たり位置から目的の所定位置へ移動させる際とに配分して前記加味することを特徴とする。
本発明の第7の態様によれば、第5または第6の態様と同様の作用効果に加え、前記部材変形量算出工程は、前記算出した部材変形量を、前記比率に応じて、前記配分して前記加味する。
例えば、前記動力伝達機構の構成により、前記第1度当て部に度当たった際の前記動力伝達機構の部材変形量と、前記第2度当て部に度当たった際の前記動力伝達機構の部材変形量とが異なる場合がある。係る場合に有効である。尚、前記比率は、別の測定装置によって予め測定することができ、該測定した値を用いるものとする。
本発明の第8の態様は、第4の態様において、前記ギャップ切替え機構によって前記記録ヘッドは少なくとも3つの所定位置へ移動し、前記記録ヘッドを一の所定位置から他の所定位置まで移動させる区間が複数あるように構成され、前記制御手段は、複数の前記区間のうち前記モータ電流値が最も大きくなる区間において、前記モータ電流値を前記所定のタイミングで測定する構成であることを特徴とする。
本発明の第8の態様によれば、第4の態様と同様の作用効果に加え、前記制御手段は、複数の前記区間のうち前記モータ電流値が最も大きくなる区間において、前記モータ電流値を前記所定のタイミングで測定する構成である。従って、最大電流値に基づいて算出した前記しきい値を設定することができる。その結果、前記最も大きくなる区間において該最大電流値が前記しきい値に達して前記度当たりと誤判定する虞がない。即ち、該最大電流値を基準にして前記しきい値を算出するため、前記駆動対象が実際に度当たる度当たり位置に到達する前に前記度当たりと誤判定する虞がなく、前記度当たり位置に到達したときに精度良く前記度当たりと判定することができる。
本発明の第9の態様は、第4または第8の態様において、前記制御手段は、前記所定のタイミングで測定した前記モータ電流値に一定値を加えて前記しきい値を新たに算出する構成であることを特徴とする。
本発明の第9の態様によれば、第4または第8の態様と同様の作用効果に加え、前記制御手段は、前記所定のタイミングで測定した前記モータ電流値に一定値を加えて前記しきい値を新たに算出する構成である。
ここで、仮に前記測定したモータ電流値の値に1.0より大きな値を乗算してしきい値を算出すると、経時変化によって駆動負荷(モータ電流値)の水準が高くなることに伴い、該駆動負荷(モータ電流値)としきい値との差が大きくなる。従って、しきい値が駆動負荷(モータ電流値)の値に対して必要以上に高くなる虞がある。
そこで、前記測定したモータ電流値の値に一定値を加えて前記しきい値を新たに算出する構成とする。従って、経時変化によって駆動負荷(モータ電流値)の水準が徐々に高くなった場合であっても、該駆動負荷としきい値との差を一定にすることができる。その結果、しきい値が駆動負荷(モータ電流値)の値に対して必要以上に高くなる虞がない。
本発明の第10の態様は、第4、第8、第9のいずれか一の態様において、前前記ギャップ切替え機構は、前記モータの動力により駆動し、前記記録ヘッドと被記録媒体との間の距離を切替える主カムと、該主カムと当接し前記記録ヘッドと被記録媒体とが対向する方向に該主カムの位置を移動させ前記距離を微調整する補助調整カムと、を備え、前記制御手段は、前記モータを制御すると共に、前記補助調整カムによる前記距離の微調整に伴う前記主カムの角度の変化量を補正する補正値を有し、該補正値に基づいて前記主カムの駆動量を設定する構成であることを特徴とする。
本発明の第10の態様によれば、第4、第8、第9のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記制御手段は、前記モータを制御すると共に、前記補助調整カムによる前記距離の微調整に伴う前記主カムの角度の変化量を補正する補正値を有し、該補正値に基づいて前記主カムの駆動量を設定する構成である。従って、前記補助調整カムを回動させ前記距離を微調整した場合であっても、その後の前記主カムによる前記距離の切替えを実行した際、前記対向する方向における前記記録ヘッドの位置を精度良く決めることができる。即ち、前記微調整に伴う前記主カムの前記角度のずれによる前記記録ヘッドの位置ずれを防止することができ、前記記録ヘッドの位置を精度良く決めることができる。特に、記録装置の製造時の出荷前の段階において前記距離を微調整する場合に有効である。
本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記主カムは、ギア輪列によって前記モータから動力を受けて駆動し、前記距離を切替える際、前記補助調整カムと当接する当接点を基準に該主カム自体が前記対向する方向へ移動する構成であり、前記補正値は、前記補助調整カムを回動させた際に前記主カムが前記記録ヘッドと被記録媒体とが対向する方向へ移動したときの第1回動量と、前記補助調整カムを回動させた際の該補助調整カムと前記主カムとの間の当接点が前記記録ヘッドと被記録媒体とが対向する方向と交差する方向へ移動する移動量に相当する該主カムの第2回動量と、によって求められる構成であることを特徴とする。
本発明の第11の態様によれば、第10の態様と同様の作用効果に加え、前記主カムは、ギア輪列によって前記モータから動力を受けて駆動し、前記距離を切替える際、前記補助調整カムと当接する当接点を基準に該主カム自体が前記対向する方向へ移動する構成である。
ここで、前記主カムを前記対向する方向へ移動させる際、前記モータは停止しているため該主カムまでの動力伝達機構のギア輪列も停止している。従って、該主カムは前記対向する方向へ移動する際、回動を伴って移動する。即ち、カムフォロアとしての前記補助調整カムに対する角度(相対的な位相)が変化する。該変化量が前記第1回動量である。
また、前記補助調整カムを回動させた際、回動方向や前記補助調整カムおよび前記主カムの形状によって、前記補助調整カムと前記主カムとの間の当接点が、前記記録ヘッドと被記録媒体とが対向する方向と交差する方向へ移動する。係る場合、前記主カムが実際に回動していなくても、前記当接点が移動することにより、前記主カムと前記補助調整カムとの相対的な角度姿勢が変化する。そして、結果として前記主カムが前記補助調整カムに対して回動したことと同じとなる。このときの前記当接点が移動する量に相当する前記主カムの回動量が前記第2回動力である。
そして、前記補正値は、前記第1回動量および前記第2回動量によって求められる構成である。従って、より精度良く前記記録ヘッドの位置を決めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すのは、本実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタを示す斜視図である。
図1に示すように、プリンタ11は、四角箱状の本体12を有しており、本体12の中央領域には、キャリッジ13が、図1における左右方向X(主走査方向)に沿って延びるように架設されたガイド主軸14に案内されて、主走査方向Xに往復移動自在に設けられている。
図1に示すように、本体12の中央領域にはキャリッジ13と対向する下側位置に、長尺板状の媒体支持部としてのプラテン15がその長手方向が主走査方向と平行となる状態で配置されている。プリンタ11の前面(図1における手前側の面)下部には、給紙用のカセット16が、前面側が開口するように本体12に形成された凹状の被装着部12Aに挿抜可能な状態で装着(挿入)されている。また、本体12の右端部前面を覆っているカバー12Bの内側には、複数個のインクカートリッジ17が装填されている。
各インクカートリッジ17のインクは、フレキシブル配線板18に付設された図示しない複数本のインク供給チューブを通じてキャリッジ13にそれぞれ供給され、キャリッジ13の下部に設けられた記録ヘッド19(図2、図3、図5〜図8に示す)からインク滴が噴射(吐出)される。なお、記録ヘッド19には、インクを噴射させるための圧力をインクに付与する加圧素子(圧電素子、静電素子、発熱素子等)がノズル毎に内蔵され、加圧素子に所定の電圧が印加されることで対応するノズルからインク滴が噴射(吐出)される構成となっている。
印刷時は、カセット16から給紙されてプラテン15上に位置する用紙Pに対して、キャリッジ13と共に主走査方向へ移動する過程の記録ヘッド19からインク滴が噴射されることにより、1ライン分の印刷が施される。こうしてキャリッジ13の一走査による印字動作と、次行までの用紙搬送動作とが交互に繰り返されることにより、用紙Pに対する印刷が進められる。また、本体12の左端前面下部には、電源スイッチを含む各種の操作スイッチ20が設けられている。
図2に示すのは、本発明に係る記録部を示す斜視図である。
図2に示す如く、記録部40は、キャリッジ13と、記録ヘッド19と、キャリッジモータ121と、第1プーリ124と、第2プーリ127と、第3プーリ128と、無端ベルト30と、主軸としてのガイド主軸14と、副軸としてのガイドレール部33とを有する。
このうち、キャリッジモータ121は、基体部21としてのモータステイ129に固定されている。また、キャリッジモータ121の軸には、モータピニオン122が設けられている。
尚、本実施例では、プリンタ11の正面からみて右側を幅方向1桁側、左側を幅方向80桁側とする。
また、第1プーリ124は、用紙Pの幅方向Xにおける80桁側の80桁側プーリホルダ123に回動自在に保持されている。さらに、80桁側プーリホルダ123は、第1プーリ124を幅方向Xに所定範囲内において移動可能に保持している。そして、80桁側プーリホルダ123はコイルばね125を有し、コイルばね125によって第1プーリ124が幅方向外側に付勢されている。従って、後述する無端ベルト30にテンションを与えることができる。即ち、テンションローラの役割を果たすことができるように設けられている。
またさらに、幅方向Xにおける1桁側において、第2プーリ127および第3プーリ128が、回動自在に1桁側プーリホルダ126によって保持されている。
尚、1桁側プーリホルダ126は、モータステイ129と一体に形成されている。
また、無端ベルト30は、モータピニオン122と第1プーリ124と第2プーリ127とに巻回されている。即ち、無端ベルト30の内周面は、モータピニオン122、第1プーリ124および第2プーリ127の外周と接触するように巻回されている。そして、無端ベルト30の下側ベルト32の外周面は、第3プーリ128の外周と接触するように巻回されている。
ここで、「下側ベルト」とは、無端ベルト30のうち、幅方向Xに張られた第1プーリ124および第2プーリ127間の高さ方向Zにおける下側のベルトをいう。
また、無端ベルト30の上側ベルト31の一部は、キャリッジ13に設けられた係合部(図示せず)と係合している。
ここで、「上側ベルト」とは、無端ベルト30のうち、幅方向Xに張られた第1プーリ124および第2プーリ127間の高さ方向Zにおける上側のベルトをいう。
従って、キャリッジモータ121が駆動すると、無端ベルト30が送られてキャリッジ13に動力が伝達される。また、キャリッジ13は、軸挿通孔37と、凸部34とを有する。
このうち、軸挿通孔37にはガイド主軸14が挿通される。一方、凸部34は、ガイド主軸14と平行に設けられたガイドレール部33の溝部33aと係合し案内されるように設けられている。
本実施形態のキャリッジ13は、用紙Pの幅方向Xおよび送り方向Yに対して直交する高さ方向Zにおいて、薄い薄型に設けられている。従って、ガイド主軸14と、ガイドレール部33との位置関係は、高さ方向Zに大きく異なるのでははく、送り方向Yに大きく異なる位置関係となる。
具体的には、キャリッジ13における送り方向上流端近傍に、ガイド主軸14が挿通される軸挿通孔37が設けられている。一方、キャリッジ13における送り方向下流端近傍に、ガイドレール部33と係合する凸部34が設けられている。その結果、記録ヘッド19の姿勢は、ガイド主軸14を支点として下流側(凸部側)が下がるように回動する量である所謂、おじぎ量を殆ど無にすることができる。
図3に示すのは、本発明に係る記録部を示す側面図である。また、図4に示すのは、本発明に係るPG調整手段を示す斜視図である。またさらに、図5(A)(B)に示すのは、第1ポジションのときのPG調整手段を示す側面図である。このうち、図5(A)は幅方向1桁側からみた側面図である。一方、図5(B)は幅方向80桁側からみた側面図である。
尚、「第1ポジション」とは、プラテンギャップPGが最小のときの各部材のポジションをいう。
図3から図5(A)(B)に示す如く、記録部40は、記録ヘッド19とプラテン15との距離(PG:プラテンギャップ)を調整するPG調整手段50を有している。具体的にはPG調整手段50は、第1カム51と、第2カム61と、第3カム71と、第4カム81と、第1スライダ76と、第2スライダ86とを有している。
このうち、第1カム51は、ガイド主軸14の1桁側に設けられている。そして、ガイド主軸14の1桁側端部に形成された同心である第1支軸52と係合し、第1支軸52を支点にガイド主軸14と一体に回動するように設けられている。また、PG調整用モータ104(図10参照)の動力が動力伝達手段105である第1ギア56、第2ギア58等へ伝達されるように構成されている。具体的には、動力伝達手段105としての第1ギア56に伝達され、第1ギア56から第2ギア58へ伝達されるように構成されている。
ここで、第2ギア58は、第1カム51と一体に形成されている。
従って、第1カム51は、PG調整用モータ104の動力によって回動することができる。
また、第1カム51の外周は、基体部側に設けられた第1調整用レバー54と第1基準点55で当接している。具体的には、第1カム51の外周に設けられ、第1支軸52を中心とした同径箇所である第1ポジションの第1安定部51a(図9参照)が、第1調整用レバー54と第1基準点55で当接している。
ここで、ガイド主軸14の両端は、基体部21の図示しない部分によってZ軸方向のみへ案内されるように構成されている。
従って、第1カム51が回動すると、ガイド主軸14の1桁側は、Z軸方向へ変位することができる。
尚、第1調整用レバー54は、回動することによって、第1カム51と当接する第1基準点55の位置をZ軸方向において僅かに変位させ微調整することができるように設けられている。詳細については後述するものとする。
第2カム61は、ガイド主軸14の80桁側に設けられている。そして、ガイド主軸14の80桁側端部に形成された同心である第2支軸62と係合し、第2支軸62を支点にガイド主軸14と一体に回動するように設けられている。従って、第2カム61は、第2ギア58およびガイド主軸14を介して伝達されるPG調整用モータ104の動力によって回動することができる。
また、第2カム61の外周は、基体部側に設けられた第2調整用レバー64と第2基準点65で当接している。具体的には、第2カム61の外周に設けられ、第2支軸62を中心とした同径箇所である第1ポジションの第2安定部61a(図10参照)が、第2調整用レバー64と第2基準点65で当接している。
ここで、前述したようにガイド主軸14の両端は、基体部21の図示しない部分によってZ軸方向のみへ案内されるように構成されている。
従って、第2カム61が回動すると、ガイド主軸14の80桁側は、Z軸方向へ変位することができる。
尚、第2調整用レバー64は、回動することによって、第2カム61と当接する第2基準点65の位置をZ軸方向において僅かに変位させ微調整することができるように設けられている。
第3カム71は、ガイドレール部33の1桁側に設けられている。そして、第1スライダ76に設けられた第3支軸72と係合し、第3支軸72を支点に回動するように設けられている。さらに、動力伝達手段105の一例である第1リンクバー91によって、第1カム51の第1係合部53と、第3カム71の第3係合部73とが連結されている。従って、第3カム71は、第1リンクバー91を介して伝達されるPG調整用モータ104の動力によって回動することができる。
また、第3カム71の外周は、基体部側に設けられた第3調整用レバー74と第3基準点75で当接している。具体的には、第3カム71の外周に設けられ、第3支軸72を中心とした同径箇所である第1ポジションの第3安定部71a(図9参照)が、第3調整用レバー74と第3基準点75で当接している。
ここで、第1スライダ76は、基体部21の図示しない部分によってZ軸方向のみへ案内されるように構成されている。
従って、第3カム71が回動すると、第1スライダ76は、Z軸方向へ変位することができる。ここで、ガイドレール部33の両端は、1桁側の第1スライダ76および80桁側の第2スライダ86によって保持されている。その結果、ガイドレール部33の1桁側は、第1スライダ76と共にZ軸方向へ変位することができる。
尚、第3調整用レバー74は、回動することによって、第3カム71と当接する第3基準点75の位置をZ軸方向において僅かに変位させ微調整することができる。
第4カム81は、ガイドレール部33の80桁側に設けられている。そして、第2スライダ86に設けられた第4支軸82と係合し、第4支軸82を支点に回動するように設けられている。さらに、動力伝達手段105の一例である第2リンクバー92によって、第2カム61の第2係合部63と、第4カム81の第4係合部83とが連結されている。従って、第4カム81は、第2リンクバー92を介して伝達されるPG調整用モータ104の動力によって回動することができる。
また、第4カム81の外周は、基体部側に設けられた第4調整用レバー84と第4基準点85で当接している。具体的には、第4カム81の外周に設けられ、第4支軸82を中心とした同径箇所である第1ポジションの第4安定部81a(図10参照)が、第4調整用レバー84と第4基準点85で当接している。
ここで、第2スライダ86は、第1スライダ76と同様に基体部21によってZ軸方向のみへ案内されるように構成されている。
従って、第4カム81が回動すると、第2スライダ86は、Z軸方向へ変位することができる。ここで、前述したように、ガイドレール部33の80桁側端部は、第2スライダ86によって保持されている。その結果、ガイドレール部33の80桁側は、第2スライダ86と共にZ軸方向へ変位することができる。
尚、第4調整用レバー84は、回動することによって、第4カム81と当接する第4基準点85の位置をZ軸方向において僅かに変位させ微調整することができる。
第1調整用レバー54〜第4調整用レバー84は、プリンタ11の出荷時等に調整されるものであって、PG切替えが実行される際、固定されている。
また、第1ポジションでは、第1ギア56に設けられたギア突部57は、基体部21に設けられた第1度当て部22と当接している。従って、第1ポジションにおける各部材の位置および姿勢を精度良く位置決めすることができる。
図6(A)(B)に示すのは、第2ポジションのときのPG調整手段を示す側面図である。このうち、図6(A)は幅方向1桁側からみた側面図である。一方、図6(B)は幅方向80桁側からみた側面図である。
尚、「第2ポジション」とは、プラテンギャップPGが二番目に小さいときの各部材のポジションをいう。
図6(A)(B)に示す如く、PG調整用モータ104が第1ポジションの状態から正転駆動すると、第1ギア56が、図6(A)における時計方向へ僅かに回動する。第1ギア56の動力を受けて第2ギア58が、図6(A)における反時計方向へ僅かに回動する。
ここで、前述したように、第1カム51は、第2ギア58と一体に形成されている。
従って、第1カム51も反時計方向へ僅かに回動する。また、第1カム51は前述したように第1支軸52と係合しており、第1カム51の外周の第1作用部(51b、51d、51f)は第1支軸52の中心に対して偏心している。従って、第1カム51は、第1基準点55で第1調整用レバー54と接してガイド主軸14を、図6(A)における反時計方向へ僅かに回動させながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へ押し上げるように変位させることができる。
具体的には、第1カム51の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第1−第2ポジション間の第1作用部51b(図9参照)が設けられている。また、第1ポジションの第1安定部51aより大径であって、第1支軸52を中心とした同径箇所である第2ポジションの第1安定部51c(図9参照)が設けられている。そして、第1カム51が回動することに従って、第1−第2ポジション間の第1作用部51bが、第1調整用レバー54と当接し、ガイド主軸14をZ軸の正方向(矢印の方向)へ押し上げるように変位させる。その後、第2ポジションの第1安定部51c(図9参照)が、第1調整用レバー54と第1基準点55で当接した状態となる。
また、第2カム61は、前述したように、第1カム51が回動したとき、ガイド主軸14を介して動力を受けて回動することができるように設けられている。従って、第1カム51が図6(A)における反時計方向へ僅かに回動したとき、第2カム61は、図6(B)における時計方向へ僅かに回動する。
ここで、第2カム61は、前述したように第2支軸62と係合しており、第2カム61の外周の第2作用部(61b、61d、61f)は第2支軸62の中心に対して偏心している。
従って、第2カム61は、第2基準点65で第2調整用レバー64と接してガイド主軸14と共に図6(B)における時計方向へ僅かに回動しながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へガイド主軸14を押し上げるように変位させることができる。
具体的には、第2カム61の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第1−第2ポジション間の第2作用部61b(図10参照)が設けられている。また、第1ポジションの第2安定部61aより大径であって、第2支軸62を中心とした同径箇所である第2ポジションの第2安定部61c(図10参照)が設けられている。そして、第2カム61が回動することに従って、第1−第2ポジション間の第2作用部61bが、第2調整用レバー64と当接し、ガイド主軸14をZ軸の正方向(矢印の方向)へ押し上げるように変位させる。その後、第2ポジションの第2安定部61c(図10参照)が、第2調整用レバー64と第2基準点65で当接した状態となる。
またさらに、第3カム71は、前述したように、第1カム51が回動したとき、第1リンクバー91を介して動力を受けて回動することができるように設けられている。従って、第1カム51が図6(A)における反時計方向へ僅かに回動したとき、第3カム71は、図6(A)における反時計方向へ僅かに回動する。
ここで、第3カム71は、前述したように第3支軸72と係合しており、第3カム71の外周の第3作用部(71b、71d、71f)は第3支軸72の中心に対して偏心している。
従って、第3カム71は、第3基準点75で第3調整用レバー74と接して回動しながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へ第1スライダ76を押し上げるように変位させることができる。ここで、ガイドレール部33の1桁側端部は、前述したように第1スライダ76によって保持されている。従って、ガイドレール部33の1桁側端部を、第1スライダ76と共にZ軸の正方向(矢印の方向)へ変位させることができる。
具体的には、第3カム71の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第1−第2ポジション間の第3作用部71b(図9参照)が設けられている。また、第1ポジションの第3安定部71aより大径であって、第3支軸72を中心とした同径箇所である第2ポジションの第3安定部71c(図9参照)が設けられている。そして、第3カム71が回動することに従って、第1−第2ポジション間の第3作用部71bが、第3調整用レバー74と当接し、ガイドレール部33をZ軸の正方向(矢印の方向)へ押し上げるように変位させる。その後、第2ポジションの第3安定部71c(図9参照)が、第3調整用レバー74と第3基準点75で当接した状態となる。
また、第4カム81は、前述したように、第2カム61が回動したとき、第2リンクバー92を介して動力を受けて回動することができるように設けられている。従って、第2カム61が図6(B)における時計方向へ僅かに回動したとき、第4カム81は、図6(B)における時計方向へ僅かに回動する。
ここで、第4カム81は、前述したように第4支軸82と係合しており、第4カム81の外周の第4作用部(81b、81d、81f)は第4支軸82の中心に対して偏心している。
従って、第4カム81は、第4基準点85で第4調整用レバー84と接して回動しながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へ第2スライダ86を押し上げるように変位させることができる。ここで、ガイドレール部33の80桁側端部は、前述したように第2スライダ86によって保持されている。従って、ガイドレール部33の80桁側端部を、第2スライダ86と共にZ軸の正方向(矢印の方向)へ変位させることができる。
具体的には、第4カム81の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第1−第2ポジション間の第4作用部81b(図10参照)が設けられている。また、第1ポジションの第4安定部81aより大径であって、第4支軸82を中心とした同径箇所である第2ポジションの第4安定部81c(図10参照)が設けられている。そして、第4カム81が回動することに従って、第1−第2ポジション間の第4作用部81bが、第4調整用レバー84と当接し、ガイドレール部33をZ軸の正方向(矢印の方向)へ押し上げるように変位させる。その後、第2ポジションの第4安定部81c(図10参照)が、第4調整用レバー84と第4基準点85で当接した状態となる。
以上、説明したように、ガイド主軸14およびガイドレール部33をZ軸の正方向(矢印の方向)へ変位させることができる。このときのガイド主軸14およびガイドレール部33の変位量は同じである。即ち、ガイドレール部33を、軸方向を軸に回動するガイド主軸14と同期させてZ軸方向へ容易に変位させることができる。例えば、ガイドレール部33が、円柱型の軸ではなく、板金で形成されたものであって、軸方向を軸に回動させることができないものである場合に特に有効である。
その結果、プラテンギャップPGを二番目に小さい第2ポジションの状態にすることができる。
図7(A)(B)に示すのは、第3ポジションのときのPG調整手段を示す側面図である。このうち、図7(A)は幅方向1桁側からみた側面図である。一方、図7(B)は幅方向80桁側からみた側面図である。
尚、「第3ポジション」とは、プラテンギャップPGが三番目に小さいときの各部材のポジションをいう。
図7(A)(B)に示す如く、PG調整用モータ104が第2ポジションの状態からさらに正転駆動すると、第2ギア58が、図7(A)における反時計方向へ図6(A)の状態からさらに僅かに回動する。従って、第1カム51も反時計方向へ図6(A)の状態からさらに僅かに回動する。その結果、第1カム51は、第1基準点55で第1調整用レバー54と接してガイド主軸14を、図7(A)における反時計方向へ僅かに回動させながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へ図6(A)の状態からさらに押し上げるように変位させることができる。
具体的には、第1カム51の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第2−第3ポジション間の第1作用部51d(図9参照)が設けられている。また、第2ポジションの第1安定部51cより大径であって、第1支軸52を中心とした同径箇所である第3ポジションの第1安定部51e(図9参照)が設けられている。そして、第1カム51が回動することに従って、第2−第3ポジション間の第1作用部51dが、第1調整用レバー54と当接し、ガイド主軸14をZ軸の正方向(矢印の方向)へさらに押し上げるように変位させる。その後、第3ポジションの第1安定部51e(図9参照)が、第1調整用レバー54と第1基準点55で当接した状態となる。
また、第1カム51が図7(A)における反時計方向へ僅かに回動したとき、第2カム61は、図7(B)における時計方向へ図6(B)の状態からさらに僅かに回動する。その結果、第2カム61は、第2基準点65で第2調整用レバー64と接してガイド主軸14と共に図7(B)における時計方向へ僅かに回動しながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へガイド主軸14を、図6(B)の状態からさらに押し上げるように変位させることができる。
具体的には、第2カム61の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第2−第3ポジション間の第2作用部61d(図10参照)が設けられている。また、第2ポジションの第2安定部61cより大径であって、第2支軸62を中心とした同径箇所である第3ポジションの第2安定部61e(図10参照)が設けられている。そして、第2カム61が回動することに従って、第2−第3ポジション間の第2作用部61dが、第2調整用レバー64と当接し、ガイド主軸14をZ軸の正方向(矢印の方向)へさらに押し上げるように変位させる。その後、第3ポジションの第2安定部61e(図10参照)が、第2調整用レバー64と第2基準点65で当接した状態となる。
またさらに、第1カム51が図7(A)における反時計方向へ僅かに回動したとき、第3カム71は、図7(A)における反時計方向へ図6(A)の状態からさらに僅かに回動する。その結果、第3カム71は、第3基準点75で第3調整用レバー74と接して回動しながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へ第1スライダ76およびガイドレール部33の1桁側端部を、図6(A)の状態からさらに押し上げるように変位させることができる。
具体的には、第3カム71の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第2−第3ポジション間の第3作用部71d(図9参照)が設けられている。また、第2ポジションの第3安定部71cより大径であって、第3支軸72を中心とした同径箇所である第3ポジションの第3安定部71e(図9参照)が設けられている。そして、第3カム71が回動することに従って、第2−第3ポジション間の第3作用部71dが、第3調整用レバー74と当接し、ガイドレール部33をZ軸の正方向(矢印の方向)へさらに押し上げるように変位させる。その後、第3ポジションの第3安定部71e(図9参照)が、第3調整用レバー74と第3基準点75で当接した状態となる。
また、第2カム61が図7(B)における時計方向へ僅かに回動したとき、第4カム81は、図7(B)における時計方向へ僅かに回動する。その結果、第4カム81は、第4基準点85で第4調整用レバー84と接して回動しながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へ第2スライダ86およびガイドレール部33の80桁側端部を、図6(B)の状態からさらに押し上げるように変位させることができる。
具体的には、第4カム81の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第2−第3ポジション間の第4作用部81d(図10参照)が設けられている。また、第2ポジションの第4安定部81cより大径であって、第4支軸82を中心とした同径箇所である第3ポジションの第4安定部81e(図10参照)が設けられている。そして、第4カム81が回動することに従って、第2−第3ポジション間の第4作用部81dが、第4調整用レバー84と当接し、ガイドレール部33をZ軸の正方向(矢印の方向)へさらに押し上げるように変位させる。その後、第3ポジションの第4安定部81e(図10参照)が、第4調整用レバー84と第4基準点85で当接した状態となる。
以上、説明したように、ガイド主軸14およびガイドレール部33をZ軸の正方向(矢印の方向)へ図6(A)(B)の状態からさらに変位させることができる。このときのガイド主軸14およびガイドレール部33の変位量は同じである。
その結果、プラテンギャップPGを三番目に小さい第3ポジションの状態にすることができる。
図8(A)(B)に示すのは、第4ポジションのときのPG調整手段を示す側面図である。このうち、図8(A)は幅方向1桁側からみた側面図である。一方、図8(B)は幅方向80桁側からみた側面図である。
尚、「第4ポジション」とは、プラテンギャップPGが最大のときの各部材のポジションをいう。
図8(A)(B)に示す如く、PG調整用モータ104が第3ポジションの状態からさらに正転駆動すると、第1ギア56が、図8(A)における時計方向へ図7(A)の状態からさらに僅かに回動する。そして、ギア突部57が、基体部21に形成された第2度当て部23と当接する。従って、第1ギア56の位相を精度良く決めることができる。そして、第1ギア56の動力を受けて第2ギア58が、図8(A)における反時計方向へ図7(A)の状態からさらに僅かに回動する。従って、第1カム51も反時計方向へ図7(A)の状態からさらに僅かに回動する。その結果、第1カム51は、第1基準点55で第1調整用レバー54と接してガイド主軸14を、図8(A)における反時計方向へ僅かに回動させながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へ図7(A)の状態からさらに押し上げるように変位させることができる。
具体的には、第1カム51の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第3−第4ポジション間の第1作用部51f(図9参照)が設けられている。また、第3ポジションの第1安定部51eより大径であって、第1支軸52を中心とした同径箇所である第4ポジションの第1安定部51g(図9参照)が設けられている。そして、第1カム51が回動することに従って、第3−第4ポジション間の第1作用部51fが、第1調整用レバー54と当接し、ガイド主軸14をZ軸の正方向(矢印の方向)へさらに押し上げるように変位させる。その後、第4ポジションの第1安定部51g(図9参照)が、第1調整用レバー54と第1基準点55で当接した状態となる。
また、第1カム51が図8(A)における反時計方向へ僅かに回動したとき、第2カム61は、図8(B)における時計方向へ図7(B)の状態からさらに僅かに回動する。その結果、第2カム61は、第2基準点65で第2調整用レバー64と接してガイド主軸14と共に図8(B)における時計方向へ僅かに回動しながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へガイド主軸14を、図7(B)の状態からさらに押し上げるように変位させることができる。
具体的には、第2カム61の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第3−第4ポジション間の第2作用部61f(図10参照)が設けられている。また、第3ポジションの第2安定部61eより大径であって、第2支軸62を中心とした同径箇所である第4ポジションの第2安定部61g(図10参照)が設けられている。そして、第2カム61が回動することに従って、第3−第4ポジション間の第2作用部61fが、第2調整用レバー64と当接し、ガイド主軸14をZ軸の正方向(矢印の方向)へさらに押し上げるように変位させる。その後、第4ポジションの第2安定部61g(図10参照)が、第2調整用レバー64と第2基準点65で当接した状態となる。
またさらに、第1カム51が図8(A)における反時計方向へ僅かに回動したとき、第3カム71は、図8(A)における反時計方向へ図7(A)の状態からさらに僅かに回動する。その結果、第3カム71は、第3基準点75で第3調整用レバー74と接して回動しながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へ第1スライダ76およびガイドレール部33の1桁側端部を、図7(A)の状態からさらに押し上げるように変位させることができる。
具体的には、第3カム71の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第3−第4ポジション間の第3作用部71f(図9参照)が設けられている。また、第3ポジションの第3安定部71eより大径であって、第3支軸72を中心とした同径箇所である第4ポジションの第3安定部71g(図9参照)が設けられている。そして、第3カム71が回動することに従って、第3−第4ポジション間の第3作用部71fが、第3調整用レバー74と当接し、ガイドレール部33をZ軸の正方向(矢印の方向)へさらに押し上げるように変位させる。その後、第4ポジションの第3安定部71g(図9参照)が、第3調整用レバー74と第3基準点75で当接した状態となる。
また、第2カム61が図8(B)における時計方向へ僅かに回動したとき、第4カム81は、図8(B)における時計方向へ僅かに回動する。その結果、第4カム81は、第4基準点85で第4調整用レバー84と接して回動しながら、Z軸の正方向(矢印の方向)へ第2スライダ86およびガイドレール部33の80桁側端部を、図7(B)の状態からさらに押し上げるように変位させることができる。
具体的には、第4カム81の外周には、カムの回動方向に対して傾いた作用部としての第3−第4ポジション間の第4作用部81f(図10参照)が設けられている。また、第3ポジションの第4安定部81eより大径であって、第4支軸82を中心とした同径箇所である第4ポジションの第4安定部81g(図10参照)が設けられている。そして、第4カム81が回動することに従って、第3−第4ポジション間の第4作用部81fが、第4調整用レバー84と当接し、ガイドレール部33をZ軸の正方向(矢印の方向)へさらに押し上げるように変位させる。その後、第4ポジションの第4安定部81g(図10参照)が、第4調整用レバー84と第4基準点85で当接した状態となる。
以上、説明したように、ガイド主軸14およびガイドレール部33をZ軸の正方向(矢印の方向)へ図7(A)(B)の状態からさらに変位させることができる。このときのガイド主軸14およびガイドレール部33の変位量は同じである。
その結果、プラテンギャップPGを最大の第4ポジションの状態にすることができる。
尚、第4ポジションから第1〜第3ポジションへ切替える場合、PG調整用モータ104を逆転駆動させることによって、切替えることができる。係る場合、第4ポジションから第1および第2ポジションへ直接切替えることができるのは勿論である。
図9に示すのは、第1カムおよび第3カムを示す拡大側面図である。また、図10に示すのは、第2カムおよび第4カムを示す拡大側面図である。
図9に示す如く、第1カム51の外周には、第1ポジションの第1安定部51aと、第1−第2ポジション間の第1作用部51bと、第2ポジションの第1安定部51cと、第2−第3ポジション間の第1作用部51dと、第3ポジションの第1安定部51eと、第3−第4ポジション間の第1作用部51fと、第4ポジションの第1安定部51gとが形成されている。詳しい作用については前述したので、ここでは省略する。
また、第3カム71の外周には、第1ポジションの第3安定部71aと、第1−第2ポジション間の第3作用部71bと、第2ポジションの第3安定部71cと、第2−第3ポジション間の第3作用部71dと、第3ポジションの第3安定部71eと、第3−第4ポジション間の第3作用部71fと、第4ポジションの第3安定部71gとが形成されている。詳しい作用については前述したので、ここでは省略する。
図10に示す如く、第2カム61の外周には、第1ポジションの第2安定部61aと、第1−第2ポジション間の第2作用部61bと、第2ポジションの第2安定部61cと、第2−第3ポジション間の第2作用部61dと、第3ポジションの第2安定部61eと、第3−第4ポジション間の第2作用部61fと、第4ポジションの第2安定部61gとが形成されている。詳しい作用については前述したので、ここでは省略する。
また、第4カム81の外周には、第1ポジションの第4安定部81aと、第1−第2ポジション間の第4作用部81bと、第2ポジションの第4安定部81cと、第2−第3ポジション間の第4作用部81dと、第3ポジションの第4安定部81eと、第3−第4ポジション間の第4作用部81fと、第4ポジションの第4安定部81gとが形成されている。詳しい作用については前述したので、ここでは省略する。
またさらに、PG調整用モータ104の近傍には、駆動量測定手段101の一例であるエンコーダスケール103およびエンコーダセンサ102が設けられている。
図11に示すのは、度当たりしきい値およびたわみ補正値の更新設定シーケンスである。
図11に示す如く、制御部100は、所定のタイミングでPG調整用モータ104の電流値の負荷を測定し、第1ポジションおよび第4ポジションにおいて度当たったと判断するための度当たりしきい値を更新設定するように構成されている。また、制御部100は、度当たったときの動力伝達手段105のたわみ量に相当する駆動量を算出し、たわみ補正値として有するように構成されている。以下、度当たりしきい値の更新設定およびたわみ補正値の取得シーケンスについて詳しく説明する。
先ず、PGポジションが不明である場合があるため、PGポジションを把握する必要がある。
そこで、ステップS11では、制御部100がPG調整用モータ104を逆転駆動させ、記録ヘッド19を第1ポジション側へ移動させる。具体的には、PG調整用モータ104を逆転駆動させることにより、第1ギア56を図5(A)における反時計方向へ回動させる。
そして、ギア突部57を第1度当て部22に度当たらせるようにする。このときのPG調整用モータ104の駆動量は、第4ポジションから第1ポジションに切替えるために必要な駆動量より僅かに大きい駆動量である。従って、通常であれば、該駆動量に達するまでに、ギア突部57が第1度当て部22に度当たることが予想される。そして、ステップS12へ進む。
ステップS12では、制御部100が、PG調整用モータ104の電流値が所定の度当たりしきい値に達したか否かを判定する。ここで、電流値が所定の度当たりしきい値に達した場合、ギア突部57が第1度当て部22に度当たったことによって電流値が上昇したと判断することができる。そして、ステップS13へ進む。
一方、電流値が所定の度当たりしきい値に達しなかった場合、何らかの原因によりギア突部57が第1度当て部22に度当たらなかったと判断し、エラーとなる。
ステップS13では、PG調整用モータ104を正転駆動させ、記録ヘッド19のPGポジションを、メジャメントを実行する位置まで移動させる。第1ポジション〜第4ポジション間の移動範囲において、PG調整用モータ104の負荷が最も大きくなる区間へ移動させることが望ましい。
本実施形態では、第1カム51〜第4カム81によるカム曲線の傾斜(図14参照)が第3ポジション〜第4ポジション間において最も急な勾配となるように構成されている。
ここで、「カム曲線」とは、単位時間当りにカムが仕事をする量を表す曲線をいう。
従って、本実施形態では、第3ポジション〜第4ポジション間において、第3ポジションから第4ポジションに切り替る際にPG調整用モータ104の負荷の水準が最も高くなり、電流値の水準が最も高くなる。
そして、本実施形態の該ステップS13では、第3ポジション〜第4ポジション間まで移動させるように構成されている。より詳細には、第3ポジション〜第4ポジション間の第3ポジション側まで移動させる。
また、PG調整用モータ104を正転駆動させる前に、PG調整用モータ104の駆動量を測定するカウンタの値をリセットするように構成されている。そして、正転駆動の開始と共にカウンタによる計測を開始するように構成されている。
そして、ステップS14へ進む。
ステップS14では、制御部100がPG調整用モータ104を正転駆動させ、第3ポジション〜第4ポジション間のカム曲線(図14参照)が第3ポジション側から第4ポジション側へ上る際のPG調整用モータ104の電流値を測定する。そして、制御部100は、この区間のPG調整用モータ104の電流値である駆動負荷の平均値を算出する。従って、第3ポジション〜第4ポジション間のPG調整用モータ104の駆動負荷の水準を得ることができる。
また、該駆動負荷に一定の値を加え、度当たりしきい値を新たに算出し更新設定する。即ち、前述したステップS12において用いた所定の度当たりしきい値を更新設定する。具体的には、新たに算出した度当たりしきい値をEEPROMに書き込むことによって更新設定する。ここで、前記駆動負荷に一定の値を加えて度当たりしきい値を新たに算出する構成としたのは、度当たりしきい値が駆動負荷の水準より大きくなる程度を最小限にするためである。
尚、本実施形態では、前記駆動負荷に一定の値を加えて前記駆動負荷より大きな値としたが、前記駆動負荷を乗算して前記駆動負荷より大きな値とする構成にしてもよい。例えば、前記駆動負荷を1.5倍した値を度当たりしきい値とする構成でもよい。
そして、ステップS15へ進む。
ステップS15では、制御部100がPG調整用モータ104を正転駆動させ、記録ヘッド19を第4ポジション側へ移動させる。具体的には、PG調整用モータ104を正転駆動させることにより、第1ギア56を図8(A)における時計方向へ回動させる。そして、ギア突部57を第2度当て部23に度当たらせるようにする。このときのPG調整用モータ104の駆動量は、第1ポジションから第4ポジションに切替えるために必要な駆動量より僅かに大きい駆動量である。従って、通常であれば、該駆動量に達するまでに、ギア突部57が第2度当て部23に度当たることが予想される。そして、ステップS16へ進む。
ステップS16では、制御部100が、PG調整用モータ104の電流値が所定の度当たりしきい値に達したか否かを判定する。このとき、用いられる所定の度当たりしきい値は、前記ステップS14で更新設定された値である。そして、電流値が所定の度当たりしきい値に達した場合、前記ステップS12と同様に、ギア突部57が第2度当て部23に度当たったことによって電流値が上昇したと判断することができる。
ここで、経時変化によって動力伝達手段105の部材が摩耗し、PG調整用モータ104の駆動負荷の水準が経時変化と共に徐々に上昇する虞がある。そして、仮に、度当たりしきい値が一定である場合、ギア突部57が第1度当て部22および第2度当て部23に度当たる前に、経時変化によって上昇した駆動負荷が前記一定の度当たりしきい値を超える虞が生じる。
そこで、本実施形態は、所定のタイミングで度当たりしきい値を更新設定するように構成されている。従って、ギア突部57が第1度当て部22および第2度当て部23に度当たる前に、PG調整用モータ104の電流値が更新設定される所定の度当たりしきい値を超える虞がない。即ち、ギア突部57が第1度当て部22および第2度当て部23に度当たったときにのみ、PG調整用モータ104の電流値が所定の度当たりしきい値を超えるように構成することができる。
その結果、確実にギア突部57が第1度当て部22および第2度当て部23に度当たったことを検出することができる。そして、ステップS17へ進む。
一方、電流値が所定の度当たりしきい値に達しなかった場合、前記ステップS12と同様に、何らかの原因によりギア突部57が第2度当て部23に度当たらなかったと判断し、エラーとなる。
ステップS17では、制御部100がPG調整用モータ104を停止させると共に、カウンタによるPG調整用モータ104の駆動量の計測を終了する。そして、制御部100は、カウンタによって得た値を、ギア突部57が第1度当て部22に度当たった状態から第2度当て部23に度当たった状態となるまでのPG調整用モータ104の駆動量の第1実測値をして記憶する。そして、ステップS18へ進む。
ステップS18では、前記ステップS17で得た第1実測値が、正常な値であるか否かを判定する。具体的には、該第1実測値が、予め有する理論値と大きく異なっていないか否かで判定する。
ここで、理論値は、第1ポジション〜第4ポジション間のPG調整用モータ104の駆動量の理論値である。即ち、ギア突部57が第1度当て部22に度当たった状態から第2度当て部23に度当たった状態となるまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値である。
前記第1実測値が正常な値であると判定した場合、現在のポジションが第4ポジションであると判断することができる。そして、ステップS19へ進む。
一方、前記第1実測値が正常な値でないと判定した場合、何らかの原因によりギア突部57が第2度当て部23に度当たらなかったと判断し、エラーとなる。
ステップS19では、制御部100がPG調整用モータ104を逆転駆動させ、記録ヘッド19を第1ポジション側へ移動させる。具体的には、PG調整用モータ104を逆転駆動させることにより、第1ギア56を図5(A)における反時計方向へ回動させる。そして、ギア突部57を第1度当て部22に度当たらせるようにする。このときのPG調整用モータ104の駆動量は、第4ポジションから第1ポジションに切替えるために必要な駆動量より僅かに大きい駆動量である。従って、通常であれば、該駆動量に達するまでに、ギア突部57が第1度当て部22に度当たることが予想される。
尚、前記ステップS17において既に前記第1実測値を得ているので、該第1実測値より計算してギア突部57が第1度当て部22と度当たる直前まで、PG調整用モータ104を高速で逆転駆動させ、度当たる間際に低速に切替えることができるのは勿論である。係る場合、動力伝達手段105の部材が破損する虞を低減することができる。
また、PG調整用モータ104を逆転駆動させる前に、PG調整用モータ104の駆動量を測定するカウンタの値をリセットするように構成されている。そして、逆転駆動の開始と共にカウンタによる計測を開始するように構成されている。
そして、ステップS20へ進む。
ステップS20では、制御部100が、PG調整用モータ104の電流値が所定の度当たりしきい値に達したか否かを判定する。このとき、用いられる所定の度当たりしきい値は、前記ステップS14で更新設定された値である。そして、電流値が所定の度当たりしきい値に達した場合、前記ステップS12、S16と同様に、ギア突部57が第1度当て部22に度当たったことによって電流値が上昇したと判断することができる。
即ち、経時変化に対応して、精度良く度当たりを検出することができる。そして、ステップS21へ進む。
一方、電流値が所定の度当たりしきい値に達しなかった場合、前記ステップS12、S16と同様に、何らかの原因によりギア突部57が第2度当て部23に度当たらなかったと判断し、エラーとなる。
ステップS21では、制御部100がPG調整用モータ104を停止させると共に、カウンタによるPG調整用モータ104の駆動量の計測を終了する。そして、制御部100は、カウンタによって得た値を、ギア突部57が第2度当て部23に度当たった状態から第1度当て部22に度当たった状態となるまでのPG調整用モータ104の駆動量の第2実測値をして記憶する。そして、ステップS22へ進む。
ステップS22では、制御部100が、動力伝達手段105の部材のたわみ補正値を算出する。
ここで、「たわみ補正値」とは、ギア突部57が第1度当て部22および第2度当て部23に度当たったときにおいて、動力伝達手段105の部材が撓む量に相当するPG調整用モータ104の駆動量の値をいう。
詳しくは後述するように、第2ポジションおよび第3ポジションへ切替える際、たわみ補正値を加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定することにより、第2ポジションおよび第3ポジションを精度良く安定させることができる。
尚、たわみ補正値をどのようにして用いるかについては、後記「他の実施形態1」において説明するものとする。
具体的な算出の仕方については、下記の式により算出することができる。

たわみ補正値=(第2実測値−バックラッシ量−理論値)/2

尚、理論値は、第1ポジション〜第4ポジション間のPG調整用モータ104の駆動量の理論値である。即ち、ギア突部57が第1度当て部22に度当たった状態から第2度当て部23に度当たった状態となるまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値である。
また、「2」で割ったのは、ギア突部57が第1度当て部22に度当たったときのたわみ量と、第2度当て部23に度当たったときのたわみ量とが同じである場合を想定して均等に配分するためである。
仮に、動力伝達手段105の構成上、ギア突部57が第1度当て部22に度当たったときのたわみ量と、第2度当て部23に度当たったときのたわみ量とが異なる場合、按分比例して定めるのは勿論である。
例えば、ギア突部57が第1度当て部22に度当たったときのたわみ量と、第2度当て部23に度当たったときのたわみ量との比率が7:3である場合を考える。
係る場合、ギア突部57が第1度当て部22に度当たった状態から第2ポジションおよび第3ポジションへ切替える際に加味する第1たわみ補正値と、ギア突部57が第2度当て部23に度当たった状態から第2ポジションおよび第3ポジションへ切替える際に加味する第2たわみ補正値との比率を7:3とする。
尚、ギア突部57が第1度当て部22に度当たったときのたわみ量と、第2度当て部23に度当たったときのたわみ量とが異なるか否かは、別の計測機で予め計測するものとする。そして、該計測により予め比率も得ているものとする。
その後、制御部100は、たわみ補正値を内蔵されたEEPROMに書き込んで更新設定する。
尚、該ステップS22において、前記ステップS19〜S21で得た第2実測値を用いてたわみ補正値を算出するように構成したが、前記ステップS13〜S17で得た第1実測値を用いてたわみ補正値を算出するように構成してもよい。係る場合、ステップS19〜S21を省略することができる。
また、たわみ補正値をどのようにして用いるかについては、後記「他の実施形態1」において説明するものとする。
尚、この状態では、ギア突部57が第1度当て部22に押し付けられ、動力伝達手段105の部材にたわみが生じている。そこで、ステップS21の後に、制御部100が、PG調整用モータ104をたわみ補正値の分だけ正転駆動させるように構成してもよい。係る場合、動力伝達手段105の部材のたわみ量を無にすると共に、ギア突部57と第1度当て部22との間の面圧を解除することができる。
本実施形態において、度当たりしきい値の更新設定およびたわみ補正値の取得シーケンスは、PG調整手段50によって記録ヘッド19を移動させた回数に応じて設定される構成である。例えば、10回PG調整した毎にシーケンスを実行するように構成することができる。PG調整をした回数に従って動力伝達手段105の駆動負荷の水準が変化することが考えられるので、有効である。
尚、度当たりしきい値の更新設定およびたわみ補正値の取得シーケンスを、記録を実行した用紙Pの枚数に応じて実行する構成にしてもよい。例えば、100枚記録実行した毎にシーケンスを実行するように構成することができる。PG調整用モータ104が用紙Pを搬送する搬送用モータを兼ねている場合、用紙Pの搬送枚数に応じて動力伝達手段105の駆動負荷の水準が変化することが考えられ、係る場合に有効である。
図12に示すのは、PG調整用モータの電流値を示す図である。縦軸は電流値を表し、一方、横軸は時間を表す。
図12に示す如く、PG調整用モータ104が正転駆動し、第4ポジションとなった際、電流値の水準は、0より大きな値で安定している。このとき、第4ポジションの第1安定部51g、第4ポジションの第2安定部61g、第4ポジションの第3安定部71gおよび第4ポジションの第4安定部81gが、第1調整用レバー54、第2調整用レバー64、第3調整用レバー74および第4調整用レバー84とそれぞれ接触した状態である。
そして、PG調整用モータ104がさらに正転駆動すると、ギア突部57が第2度当て部23に接近して度当たる。ギア突部57が第2度当て部23に度当たった瞬間から徐々に電流値が上昇する。そして、前記ステップS16、S20において前述したように上昇中の電流値が度当たりしきい値を超えたとき、制御部100は度当たったと判断してPG調整用モータ104を停止させる。従って、電流値は0になる。
ここで、第1カム51〜第4カム81や動力伝達手段105の部材の摩耗による摩擦力上昇が考えられる。このような経時変化によって、第1ポジション〜第4ポジション間の切替え中において度当たる前に動力伝達手段105の駆動負荷の水準が上昇することにより、PG調整用モータ104の電流値の水準が上昇する虞がある。仮に度当たりしきい値が一定であると最悪の場合、度当たる前に電流値が一定の度当たりしきい値を超える虞がある。
そこで、前記ステップS13、S14において前述したように所定のタイミングで第1ポジション〜第4ポジション間の最も負荷の水準が高い箇所において駆動負荷を測定する。そして、一定の値を加えて新たに度当たりしきい値を算出し更新設定するように構成されている。従って、経時変化によって駆動負荷の水準が上昇した場合であっても、度当たる前に度当たりを誤検出する虞がない。即ち、精度良く度当たりを検出することができる。
本実施形態の記録装置としてのプリンタ11において、制御手段としての制御部100は、モータであるPG調整用モータ104を制御すると共に、駆動対象としてのPG調整手段50の動力伝達手段105および記録ヘッド19の度当たりに伴うモータ電流値の上昇により該モータ電流値がしきい値である度当たりしきい値に達したとき、前記度当たりと判断し、前記度当たった際の度当たり位置からのPG調整用モータ104の回転量を管理することにより記録ヘッド19を他の所定位置であるPGポジションに切替え、所定のタイミングでPG調整用モータ104の駆動負荷であるモータ電流値を測定し、該モータ電流値に基づいて前記度当たりしきい値を更新する構成であることを特徴とする。
本実施形態において、ギャップ切替え機構であるPG調整手段50によって記録ヘッド19は少なくとも3つの所定位置としての第1ポジション〜第4ポジションへ移動し、記録ヘッド19を一の所定位置から他の所定位置まで移動させる区間が複数あるように構成され、制御部100は、複数の前記区間のうちモータ電流値が最も大きくなる区間において、前記モータ電流値を前記所定のタイミングで測定する構成であることを特徴とする。
尚、本実施形態において、モータ電流値が最も大きくなる区間は、第3ポジションと第4ポジションとの間において、第3−第4ポジション間の第1作用部51f、第3−第4ポジション間の第2作用部61f、第3−第4ポジション間の第3作用部71fおよび第3−第4ポジション間の第4作用部81fがカムとして作用する区間である。さらに、該区間において、PG調整用モータが正転駆動するときである。即ち、第3−第4ポジション間の区間において、カム曲線の斜面を上るときである(図14参照)。
また、本実施形態において、制御部100は、前記所定のタイミングで測定した前記モータ電流値に一定値を加えて前記しきい値を新たに算出する構成であることを特徴とする。
[他の実施形態1]
図13に示すのは、他の実施形態1に係るたわみ補正値を用いた補正シーケンスである。
前述したように、ギア突部57が第1度当て部22および第2度当て部23と度当たったと同時にPG調整用モータ104が停止するわけではなく(図12参照)、度当たった時からPG調整用モータ104が停止するまでの間にタイムラグがある。該タイムラグの間、動力伝達手段105の部材には余分な力が作用する。従って、該タイムラグの間において、動力伝達手段105の部材にたわみが生じる。動力伝達手段105の部材にたわみ量の算出の仕方については、前述したシーケンスの前記ステップS19〜S22において説明したので、ここでは省略する。以下、たわみ補正値を用いた補正シーケンスについて説明する。
尚、前述した実施形態と同様の部材については、同じ符号を用いると共にその説明は省略する。
図13に示す如く、ステップS31では、制御部100が、目標PGポジションがどのポジションかを判定する。目標PGポジションによって、PG調整用モータ104の駆動方法が異なるからである。選択された目標PGポジションが第1ポジションである場合、ステップS34へ進む。また、選択された目標PGポジションが第2ポジションまたは第3ポジションである場合、ステップS36へ進む。またさらに、選択された目標PGポジションが第4ポジションである場合、ステップS32へ進む。
ステップS32では、第4ポジションに切替えるため、ギア突部57が第2度当て部23に度当たるまでPG調整用モータ104を正転駆動させる。そして、前記ステップS16、S20と同様に、電流値が度当たりしきい値を超えたと判定したとき、制御部100はPG調整用モータ104を停止させる。
尚、その後、PG調整用モータ104をたわみ補正値の分だけ逆転駆動させるように構成してもよい。係る場合、動力伝達手段105の部材のたわみ量を無にすると共に、ギア突部57と第2度当て部23との間の面圧を解除することができる。
ステップS34では、第1ポジションに切替えるため、ギア突部57が第1度当て部22に度当たるまでPG調整用モータ104を逆転駆動させる。そして、前記ステップS16、S20と同様に、電流値が度当たりしきい値を超えたと判定したとき、制御部100はPG調整用モータ104を停止させる。
尚、その後、PG調整用モータ104をたわみ補正値の分だけ正転駆動させるように構成してもよい。係る場合、動力伝達手段105の部材のたわみ量を無にすると共に、ギア突部57と第1度当て部22との間の面圧を解除することができる。
ステップS36では、制御部100が、現在のPGポジションのフラグを確認する。現在のPGポジションによって、駆動方法が異なるからである。現在のPGポジションのフラグが第1ポジション〜第3ポジションである場合、ステップS37へ進む。
一方、現在のPGポジションのフラグが第4ポジションである場合、ステップS39へ進む。
尚、他の実施形態1では、第1ポジション〜第3ポジションである場合と、第4ポジションである場合とに分けるように構成されている。これは、それぞれの場合において、ギア突部57を第1度当て部22に度当てるまでに必要なPG調整用モータ104の駆動量と、第2度当て部23に度当てるまでに必要なPG調整用モータ104の駆動量とを比較して少ない側へ移動させるように構成したためである。即ち、第3ポジションである場合、図7(A)に示す如く、ギア突部57を第1度当て部22に度当てる側へ回動させた方が早いからである。
ステップS37では、目標のPGポジションへ切替える前に、先ず、基準位置とする第1ポジション側へ移動させる。具体的には、ギア突部57が第1度当て部22に度当たるまでPG調整用モータ104を逆転駆動させる。そして、前記ステップS16、S20と同様に、電流値が度当たりしきい値を超えたと判定したとき、制御部100はPG調整用モータ104を停止させる。即ち、一度、ギア突部57を第1度当て部22に度当たらせて、該度当たった状態を基準に目標のPGポジションへの切替えを実行する構成である。そして、目標のPGポジションへの切替えを実行するために、ステップS38へ進む。
ステップS38では、目標のPGポジションへの切替えを実行するために、前記度当たった状態を基準に、制御部100がPG調整用モータ104の駆動量を決定する。このとき、現在の第1ポジションから目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、たわみ補正値および動力伝達手段105のギア輪列のバックラッシ量を加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定するように構成されている。具体的には、以下の式により算出する。

駆動量=|目標PGポジション位置−第1ポジション|+たわみ補正値
+バックラッシ量

ここで、「たわみ補正値」は、前述したシーケンスにおける前記ステップS22で得たたわみ補正値である。また、「バックラッシ量」は、所定値として制御部100が予め有している値である。
そして、前記ステップS37においてPG調整用モータ104を逆転駆動して度当たった後の停止させた状態から、該ステップS38において目標のPGポジションへ切替える際、PG調整用モータ104は正転駆動に切り替る。即ち、動力伝達手段105の部材が撓んだ状態で、PG調整用モータ104の駆動方向が切り替る。その際、ただ単に目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値のみの量を駆動させると、動力伝達手段105の部材のたわみ量に相当する駆動量および動力伝達手段105のギアのバックラッシ量だけ、駆動量が不足する。
そこで、他の実施形態1の該ステップS38では、前述したように現在の第1ポジションから目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、たわみ補正値および動力伝達手段105のギア輪列のバックラッシ量を加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定するように構成されている。
従って、精度良く第2ポジションおよび第3ポジションに切替えることができる。動力伝達手段105の部材がプラスチック等の樹脂素材によって形成されている場合に、度当たったときのたわみ量が大きくなる傾向にあるので、特に有効である。
ステップS39では、目標のPGポジションへ切替える前に、先ず、基準位置とする第4ポジション側へ移動させる。前記ステップS37と同様ではあるが、現在のPGポジションのフラグが第4ポジションとなっているため、第1ポジション側の度当てではなく、第4ポジション側の度当てを基準とする。前述したように、ギア突部57を第1度当て部22に度当てるより、第2度当て部23に度当てた方がPG調整用モータ104の駆動量が小さくて早いからである。
具体的には、ギア突部57が第2度当て部23に度当たるまでPG調整用モータ104を正転駆動させる。そして、前記ステップS16、S20と同様に、電流値が度当たりしきい値を超えたと判定したとき、制御部100はPG調整用モータ104を停止させる。即ち、一度、ギア突部57を第2度当て部23に度当たらせて、該度当たった状態を基準に目標のPGポジションへの切替えを実行する構成である。そして、目標のPGポジションへの切替えを実行するために、ステップS40へ進む。
ステップS40では、前記ステップS38と同様に、目標のPGポジションへの切替えを実行するために、前記度当たった状態を基準に、制御部100がPG調整用モータ104の駆動量を決定する。このとき、現在の第4ポジションから目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、たわみ補正値および動力伝達手段105のギア輪列のバックラッシ量を加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定するように構成されている。具体的には、以下の式により算出する。

駆動量=|目標PGポジション位置−第4ポジション|+たわみ補正値
+バックラッシ量

ここで、「たわみ補正値」は、前記ステップS38と同様に、前述したシーケンスにおける前記ステップS22で得たたわみ補正値である。また、「バックラッシ量」は、所定値として制御部100が予め有している値である。
そして、前記ステップS39においてPG調整用モータ104を正転駆動して度当たった後の停止させた状態から、該ステップS40において目標のPGポジションへ切替える際、PG調整用モータ104は逆転駆動に切り替る。即ち、動力伝達手段105の部材が撓んだ状態で、PG調整用モータ104の駆動方向が切り替る。その際、ただ単に目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値のみの量を駆動させると、動力伝達手段105の部材のたわみ量に相当する駆動量および動力伝達手段105のギアのバックラッシ量だけ、駆動量が不足する。
そこで、他の実施形態1の該ステップS40では、前記ステップS38と同様に、前述したように現在の第4ポジションから目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、たわみ補正値および動力伝達手段105のギア輪列のバックラッシ量を加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定するように構成されている。
従って、精度良く第2ポジションおよび第3ポジションに切替えることができる。動力伝達手段105の部材がプラスチック等の樹脂素材によって形成されている場合に、度当たったときのたわみ量が大きくなる傾向にあるので、特に有効である。
図14に示すのは、他の実施形態1に係るたわみ補正値を用いたときのPG調整用モータの動作を示す図である。ここで、上方の縦軸はPG量を示す。下方の縦軸は動作項目を示す。一方、横軸はPG調整用モータの回転量を示す。
図14に示す如く、PG調整用モータ104を正転・逆転させることによってPG量を切り替えることができる。具体的には、前述したように記録ヘッドの位置を第1ポジション〜第4ポジションの間において移動させることによってPG量を切り替えることができる。
そして、所定のタイミングで前述したたわみ補正値設定シーケンス(図11参照、特にステップS15〜S22)を実行する。具体的には、図14の下方の縦軸の「補正量算出」に示す如く、制御部100はPG調整用モータ104を正転駆動させ(図11のステップS15)、第1ギア56のギア突部57を基体部側の第2度当て部23に度当たらせる(図8(A)、図11のステップS16参照)。
その後、PG調整用モータ104を逆転駆動させ(図11のステップS19)、ギア突部57を基体部側の第1度当て部22に度当たらせる(図5(A)、図11のステップS20参照)。このときの第1ギア56の回動に必要なPG調整用モータ104の回転量の理論値と、駆動量測定手段101の一例であるエンコーダスケール103およびエンコーダセンサ102(図10参照)によって測定されたPG調整用モータ104の回転量の第2実測値との差からたわみ補正値を算出する(図11のステップS22)。そして、制御部100は、PG量を切り替える際、前記ステップS38、S40(図13参照)のように算出したたわみ補正値を加味してPG調整用モータ104を駆動させる。
尚、駆動量測定手段101は、PG調整用モータ104の動力伝達経路においてPG調整用モータ近傍に設けることが望ましい。本実施例では、伝達ベルト106(図10参照)を介して動力伝達経路におけるPG調整用モータ104の近傍でエンコーダスケール103が回動するように設けられている。そして、制御部100は、エンコーダセンサ102によってエンコーダスケール103の回動量を測定することができる。従って、制御部100は、精度よくPG調整用モータ104の駆動量を測定することができる。
またさらに、ギア突部57、第1度当て部22および第2度当て部23は、PG調整用モータ104の動力伝達経路における動力伝達方向の最下流近傍に設けることが望ましい。本実施例では、動力伝達手段105の動力伝達方向の最下流近傍に設けられている。従って、第1カム51〜第4カム81の回動範囲を精度良く決めることができ、記録ヘッド19のZ軸方向における移動範囲を精度良く決めることができる。
続いて、どのように補正値を加えてPG調整用モータ104を駆動させるかについて前記補正シーケンス(図13参照)に当てはめて説明する。
[中間ポジションから他の中間ポジションへの切り替え]
中間ポジションから他の中間ポジションへの切り替えの例として、「切り替えA」である第2ポジションから第3ポジションへの切り替えについて説明する。
第2ポジションから第3ポジションへ切り替わる際(図13のステップS31、S36)、第1ポジションを経由して一度、第1ギア56のギア突部57を基体部側の第1度当て部22に度当てて(図13のステップS37)から第3ポジションに切り替える(図13のステップS38)ように構成されている。このとき、たわみ補正値を加味して駆動量が決定されるので、精度良く第3ポジションに切替えることができる。
[中間ポジションから一端ポジションへの切り替え]
中間ポジションから一端ポジションへの切り替えの例として、「切り替えB」である第3ポジションから第4ポジションへの切り替えについて説明する。
第3ポジションから第4ポジションへ切り替わる際(図13のステップS31)、ギア突部57を第2度当て部23に度当てる(図13のステップS32)。このとき、前述したように度当たる直前にPG調整用モータ104の駆動速度を高速から低速に切り替えるように構成されている。従って、動力伝達手段105が破損する虞がない。
さらに、前述したように第3ポジションの位置を精度よく決めることができるので、度当たる直前の位置制御を向上させることができる。従って、PG調整用モータ104を高速で駆動させる区間をできるだけ長く構成することができる。
その結果、PG切り替えに要する時間を従来と比較して短くすることができる。即ち、ユーザを待たせる時間を短くすることができ、ユーザにストレスを与える虞がない。
その後、移動方向を切替えて停止する(図13のステップS33)ように構成されている。
[一端ポジションから中間ポジションへの切り替え]
一端ポジションから中間ポジションへの切り替えの例として、「切り替えC」である第4ポジションから第2ポジションへの切り替えについて説明する。
第4ポジションから第2ポジションへ切り替わる際(図13のステップS31、S36)、何らかの原因により、第4ポジションにおけるギア突部57と第2度当て部23との間の距離が変わっている虞がある。そして、このままの状態でPG調整用モータ104を逆転駆動させると、第2ポジションに位置ずれが発生する虞がある。
そこで、先ず、PG調整用モータ104を正転駆動させ、ギア突部57を第2度当て部23に度当てる(図13のステップS39)。次に、第2ポジションに切り替える(図13のステップS40)ように構成されている。このとき、たわみ補正値を加味して駆動量が決定されるので、精度良く第2ポジションに切替えることができる。
他の実施形態1のポジション切替え装置であるPG調整手段50は、PG調整用モータ104の動力によって複数の所定位置としての第1ポジション〜第4ポジションへ移動する駆動対象としての記録ヘッド19と、PG調整用モータ104の動力を記録ヘッド19へ伝達する動力伝達機構としての動力伝達手段105と、記録ヘッド19の移動範囲の一端と他端とをそれぞれ決める第1度当て部22および第2度当て部23と、所定のタイミングにおいて、第1度当て部22に度当たることにより記録ヘッド19が移動不能になるまで記録ヘッド19を前記一端に移動させた後に、第2度当て部23に度当たることにより記録ヘッド19が移動不能になるまで記録ヘッド19を前記他端に移動させる駆動を実行し、該駆動に係るPG調整用モータ104の駆動量を基準駆動量として取得し、該基準駆動量と、第1度当て部22から第2度当て部23までのPG調整用モータ104の駆動量の理論値との差から、第1度当て部22に度当たった時から度当たったと認識してPG調整用モータ104が一時停止するまでの間および第2度当て部23に度当たった時から度当たったと認識してPG調整用モータ104が一時停止するまでの間における動力伝達手段105の部材変形量を算出し、第1度当て部22または第2度当て部23に度当たった状態の度当たり位置から目的の第2ポジションまたは第3ポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、動力伝達手段105の部材変形量を加味して前記度当たり位置から目的の第2ポジションまたは第3ポジションへ記録ヘッド19を移動させる際のPG調整用モータ104の駆動量である所定位置切替え駆動量を設定する構成である制御部100と、を備えていることを特徴とする。
また、他の実施形態1において、動力伝達手段105は、動力を伝達する第1ギア56および第2ギア58等のギア輪列を有し、制御部100は、前記部材変形量に加えて前記ギア輪列のバックラッシをも加味して前記所定位置切替え駆動量を設定する構成であることを特徴とする。
またさらに、他の実施形態1において、制御部100は、取得した前記基準駆動量に基づいて動力伝達手段105の部材変形量を算出し、該算出した部材変形量を、第1度当て部22に度当たった際の動力伝達手段105の部材変形量と、第2度当て部23に度当たった際の動力伝達手段105の部材変形量との比率に応じて、第1度当て部22に度当たった状態の第1度当たり位置から目的の第2ポジションまたは第3ポジションへ移動させる際と、第2度当て部23に度当たった状態の第2度当たり位置から目的の第2ポジションまたは第3ポジションへ移動させる際とに配分して前記加味する構成であることを特徴とする。
他の実施形態1のプリンタ11は、被記録媒体の一例である用紙Pに対してインクを吐出して記録を実行する記録ヘッド19と、記録ヘッド19と用紙Pとの間の距離を変更するPG調整手段50と、を備えていることを特徴とする。
また、他の実施形態1において、制御部100が前記基準駆動量を取得し、動力伝達手段105の部材変形量を算出して更新する前記所定のタイミングは、記録を実行した用紙Pの枚数に応じて設定される構成であることを特徴とする。
他の実施形態1のポジション切替え方法は、所定のタイミングにおいて、PG調整用モータ104の動力によって複数の所定位置としての第1ポジション〜第4ポジションへ移動する駆動対象としての記録ヘッド19を、記録ヘッド19の移動範囲の一端を決める第1度当て部22に度当たることにより移動不能になるまで移動させた後に、記録ヘッド19の移動範囲の他端を決める第2度当て部23に度当たることにより移動不能になるまで移動させる駆動を実行し、該駆動に係るPG調整用モータ104の駆動量を基準駆動量として取得する基準駆動量取得工程(S19〜S21)と、該基準駆動量取得工程(S19〜S21)において取得した前記基準駆動量と、第1度当て部22から第2度当て部23までのPG調整用モータ104の駆動量の理論値との差から、第1度当て部22に度当たった時から度当たったと認識してPG調整用モータ104が一時停止するまでの間および第2度当て部23に度当たった時から度当たったと認識してPG調整用モータ104が一時停止するまでの間におけるPG調整用モータ104の動力を記録ヘッド19へ伝達する動力伝達手段105の部材変形量を算出する部材変形量算出工程(S22)と、第1度当て部22または第2度当て部23に度当たった状態の度当たり位置から目的の第2ポジションまたは第3ポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、前記部材変形量算出工程(S22)において算出した前記部材変形量を加味して第1度当て部22または第2度当て部23に度当たった状態の度当たり位置から目的の第2ポジションまたは第3ポジションへ記録ヘッド19を移動させる際のPG調整用モータ104の駆動量である所定位置切替え駆動量を設定する駆動量設定工程(S38、S40)と、を具備していることを特徴とする。
また、他の実施形態1において、動力伝達手段105は、動力を伝達する第1ギア56および第2ギア58等のギア輪列を有し、前記駆動量設定工程(S38、S40)は、前記部材変形量に加えて前記ギア輪列のバックラッシをも加味して前記所定位置切替え駆動量を設定することを特徴とする。
またさらに、他の実施形態1において、前記部材変形量算出工程(S22)は、取得した前記基準駆動量に基づいて動力伝達手段105の部材変形量を算出し、前記駆動量設定工程(S38、S40)は、前記部材変形量算出工程(S22)において算出した前記部材変形量を、第1度当て部22に度当たった際の動力伝達手段105の部材変形量と、第2度当て部23に度当たった際の動力伝達手段105の部材変形量との比率に応じて、第1度当て部22に度当たった状態の第1度当たり位置から目的の第2ポジションまたは第3ポジションへ移動させる際と、第2度当て部23に度当たった状態の第2度当たり位置から目的の第2ポジションまたは第3ポジションへ移動させる際とに配分して前記加味することを特徴とする。
[他の実施形態2]
図15に示すのは、他の実施形態2に係る第1調整用レバーのニュートラル位置を示す側面図である。また、図16に示すのは、第1調整用レバーをプラス側へ調整した状態を示す側面図である。またさらに、図17に示すのは、第1調整用レバーをマイナス側へ調整した状態を示す側面図である。
尚、前述した実施形態と同様の部材については、同じ符号を用いると共にその説明は省略する。
図15〜図17に示す如く、第1調整用レバー54には所定間隔に形成されたギザ54bが設けられている。具体的には、ニュートラル位置を基準にプラス側およびマイナス側に14目盛り54c分に対応する14のギザ54bがそれぞれ形成されている。一方、基体部21には、ギザ54bと係合する爪凸部21aが設けられている。
また、第1調整用レバー54は、通常は図示しないビスによって固定されるように設けられている。
そして、第1調整用レバー54は、出荷時の調整や修理時の調整のために調整可能に設けられている。具体的には、前記ビスを緩めることにより、ギザ54bと爪凸部21aとの係合を解除することができる。そして、第1調整用レバー54を、調整レバー支点54aを支点に揺動させることができる。ここで、第1調整用レバー54における第1カム51と当接する箇所の形状は、調整レバー支点54aに対して偏心している。従って、第1カム51の位置をZ軸方向に僅かに変位させることができる。
より具体的には、図16に示す如く、第1調整用レバー54がプラス側である時計方向へ揺動すると、第1調整用レバー54によって第1基準点55が上がり、第1カム51はZ軸方向上方へ押し上げられる。一方、図17に示す如く、第1調整用レバー54がマイナス側である反時計方向へ揺動すると、第1基準点55が下がり、第1カム51はZ軸方向下方へ下がる。
第2調整用レバー64〜第4調整用レバー84についても同様に、第2カム61〜第4カム81をZ軸方向に僅かに変位させることができる。その結果、記録ヘッド19の用紙Pに対する平行度の微調整をすることができる。
ところが、第1調整用レバー54を揺動させて第1カム51をZ軸方向へ変位させた場合、第1カム51と一体に形成された第2ギア58は第1ギア56と噛合っている。このとき、PG調整用モータ104が停止しているので、第1ギア56も停止した状態である。従って、第1カム51が変位することに伴って、第2ギア58は第1ギア56から相対的に力を受けて回動する。その結果、第1基準点55における状態が変化する。即ち、カムとカムフォロアとの相対的な関係が変化する。以下、先ず、どのように変化するのかについて具体的に説明し、次に該変化に対する補正の仕方について説明する。
[位相ずれが生じる原理]
図18(A)(B)に示すのは、第1調整用レバーの調整により位相ずれが発生する原理を示す図である。このうち、図18(A)は第1カムの位相ずれを示す図である。一方、図18(B)は第1カムと第1調整用レバーとの接点である第1基準点のずれを示す図である。
図18(A)に示す如く、例えば、第1調整用レバー54をプラス側である時計方向へ揺動させる。従って、前述したように第1基準点55をZ軸上方へ移動させると共に、第1カム51をZ軸上方へ変位させることができる。この際、第1ギア56は、前述したように固定である。従って、第2ギア58はZ軸方向上方への変位に伴い、第1ギア56から力を受ける(以下、第1の要素)。
このとき、第1カム51は、第2ギア58と一体に形成されているので、上方へ変位すると共に時計方向へ僅かに回動する。その結果、第1カム51の第1調整用レバー54に対する姿勢が変化する。即ち、位相ずれが生じる。さらに言い換えると、第1基準点55における第1カム51の接触箇所が変わる。
一方、第1調整用レバー54をマイナス側である反時計方向へ揺動させた場合は、第1カム51は下方へ変位すると共に反時計方向へ僅かに回動する。その結果、プラス側の場合と反対側の位相ずれが生じる。
図18(B)に示す如く、第1調整用レバー54をニュートラル位置からプラス側およびマイナス側に揺動させる。このとき、第1調整用レバー54における第1カム51と当接する箇所の形状が調整レバー支点54aに対して偏心しているため、接点である第1基準点55の位置がY軸方向の図中右側へ変位する(以下、第2の要素)。従って、第1カム51は、結果として第1基準点55に対して相対的に回動したことになる。これは、第1ギア56の影響(前記第1の要素)による位相ずれによるものとは別の要素である。
そして、本実施形態では、第1調整用レバー54をプラス側およびマイナス側のいずれの方向へ揺動させた場合も、図18(B)中の右側へ第1基準点55が変位するように構成されている。
尚、第1調整用レバー54の形状を変えて、第1調整用レバー54をプラス側へ揺動させた際に第1基準点55が一方側へ変位し、マイナス側へ揺動させた際に他方側へ変位するように構成してもよいのは勿論である。
続いて、本実施形態において、どれだけ位相ずれが生じるのかについて説明する。
図19(A)(B)に示すのは、第1ポジションにおける位相ずれの量を示す図である。このうち、図19(A)は第1調整用レバーをプラス側へ14目盛り揺動させた場合である。一方、図19(B)はマイナス側へ14目盛り揺動させた場合である。
また、図20(A)(B)に示すのは、第4ポジションにおける位相ずれの量を示す図である。このうち、図20(A)は第1調整用レバーをプラス側へ14目盛り揺動させた場合である。一方、図20(B)はマイナス側へ14目盛り揺動させた場合である。
またさらに、図21(A)に示すのは、補正値を算出する概念を示す図である。また図21(B)は、本実施形態における調整補正値の算出の仕方を表す図である。
図19(A)に示す如く、第1ポジションにおいて第1調整用レバー54をプラス側へ14度揺動させると、第1ギア56の影響である前記第1の要素により第1カム51は時計方向へ4.679度回動する。また、Y軸方向における第1基準点55の位置変位の影響である前記第2の要素により第1カム51は、結果として第1調整用レバー54との接点である第1基準点55に対して相対的に時計方向へ0.402度回動したことになる。
即ち、図19(A)に示す状態は、調整しなかった場合と比較して、合算した5.081度だけ、第1カム51の第1−第2ポジション間の第1作用部51bが第1基準点55に対して離間する側へ回動した状態である。
図19(B)に示す如く、第1ポジションにおいて第1調整用レバー54をマイナス側へ14度揺動させると、前記第1の要素により第1カム51は反時計方向へ4.757度回動する。また、前記第2の要素により第1カム51は、結果として第1調整用レバー54との接点である第1基準点55に対して相対的に時計方向へ0.402度回動したことになる。
即ち、図19(B)に示す状態は、調整しなかった場合と比較して、時計方向を正として合算した−4.355度だけ、第1カム51の第1−第2ポジション間の第1作用部51bが第1基準点55に対して接近する側へ回動した状態である。
図20(A)に示す如く、第4ポジションにおいて第1調整用レバー54をプラス側へ14度揺動させると、前記第1の要素により第1カム51は時計方向へ4.753度回動する。また、前記第2の要素により第1カム51は、結果として第1調整用レバー54との接点である第1基準点55に対して相対的に時計方向へ0.289度回動したことになる。
即ち、図20(A)に示す状態は、調整しなかった場合と比較して、反時計方向を正として合算した−5.042度だけ、第1カム51の第3−第4ポジション間の第1作用部51fが第1基準点55に対して接近する側へ回動した状態である。
図20(B)に示す如く、第4ポジションにおいて第1調整用レバー54をマイナス側へ14度揺動させると、前記第1の要素により第1カム51は反時計方向へ4.685度回動する。また、前記第2の要素により第1カム51は、結果として第1調整用レバー54との接点である第1基準点55に対して相対的に時計方向へ0.289度回動したことになる。
即ち、図20(B)に示す状態は、調整しなかった場合と比較して、反時計方向を正として合算した4.396度だけ、第1カム51の第3−第4ポジション間の第1作用部51fが第1基準点55に対して離間する側へ回動した状態である。
図21(A)(B)に示す如く、調整補正値は、度当たり位置、第1調整用レバー54の調整方向および調整量、前記第1の要素による第1カム51の回動量、並びに前記第2の要素による第1カム51の回動量によって決定される。
前述した図19(A)の場合は、第1ポジション側において度当てた際の調整補正値を算出することができる。このとき、第1調整用レバー54の調整方向および調整量は、プラス側に14度である。係る場合、前記第1の要素による第1カム51の回動量(4.679度)と、前記第2の要素による第1カム51の回動量(0.402度)とを合算する。
そして、該合算した値(5.081度)を相当するPG調整用モータ104のステップ数に換算する。
即ち、図19(A)に示す状態は、調整しなかった場合と比較して、換算したステップに相当する5.081度だけ、第1カム51の第1−第2ポジション間の第1作用部51bが第1基準点55に対して離間する側へ回動した状態である。
前述した図19(B)の場合も、第1ポジション側において度当てた際の調整補正値を算出することができる。このとき、第1調整用レバー54の調整方向および調整量は、マイナス側へ14度である。係る場合、前記第1の要素による第1カム51の回動量(−4.757度)と、前記第2の要素による第1カム51の回動量(0.402度)とを合算する。
そして、該合算した値(−4.355度)を相当するPG調整用モータ104のステップ数に換算する。
即ち、図19(B)に示す状態は、調整しなかった場合と比較して、換算したステップに相当する−4.355度だけ、第1カム51の第1−第2ポジション間の第1作用部51bが第1基準点55に対して接近する側へ回動した状態である。
尚、第1カム51の回動量の値の正負は、度当たり後の第1カム51の回動方向を負としている。これは、前記位相ずれによるPGポジションのずれを調整補正値と相殺するためである。
前述した図20(A)の場合、第4ポジション側において度当てた際の調整補正値を算出することができる。このとき、第1調整用レバー54の調整方向および調整量は、プラス側へ14度である。係る場合、前記第1の要素による第1カム51の回動量(−4.753度)と、前記第2の要素による第1カム51の回動量(−0.289度)とを合算する。
そして、該合算した値(−5.042度)を相当するPG調整用モータ104のステップ数に換算する。
即ち、図20(A)に示す状態は、調整しなかった場合と比較して、換算したステップに相当する−5.042度だけ、第1カム51の第3−第4ポジション間の第1作用部51fが第1基準点55に対して接近する側へ回動した状態である。
前述した図20(B)の場合も、第4ポジション側において度当てた際の調整補正値を算出することができる。このとき、第1調整用レバー54の調整方向および調整量は、マイナス側へ14度である。係る場合、前記第1の要素による第1カム51の回動量(4.685度)と、前記第2の要素による第1カム51の回動量(−0.289度)とを合算する。
そして、該合算した値(4.396度)を相当するPG調整用モータ104のステップ数に換算する。
即ち、図20(B)に示す状態は、調整しなかった場合と比較して、換算したステップに相当する4.396度だけ、第1カム51の第3−第4ポジション間の第1作用部51fが第1基準点55に対して離間する側へ回動した状態である。
続いて、調整補正値を用いた補正シーケンスについて説明する。
図22に示すのは、他の実施形態2に係る調整補正値を用いた補正シーケンスである。
図22に示す如く、ステップS51では、制御部100が、目標PGポジションがどのポジションかを判定する。目標PGポジションによって、PG調整用モータ104の駆動方法が異なるからである。選択された目標PGポジションが第1ポジションである場合、ステップS53へ進む。また、選択された目標PGポジションが第2ポジションまたは第3ポジションである場合、ステップS54へ進む。またさらに、選択された目標PGポジションが第4ポジションである場合、ステップS52へ進む。
ステップS52では、第4ポジションに切替えるため、ギア突部57が第2度当て部23に度当たるまでPG調整用モータ104を正転駆動させる。そして、前記ステップS16、S20と同様に、電流値が度当たりしきい値を超えたと判定したとき、制御部100はPG調整用モータ104を停止させる。
尚、その後、制御部100がPG調整用モータ104をたわみ補正値の分だけ逆転駆動させるように構成してもよい。係る場合、動力伝達手段105の部材のたわみ量を無にすると共に、ギア突部57と第2度当て部23との間の面圧を解除することができる。
ステップS53では、第1ポジションに切替えるため、ギア突部57が第1度当て部22に度当たるまでPG調整用モータ104を逆転駆動させる。そして、前記ステップS16、S20と同様に、電流値が度当たりしきい値を超えたと判定したとき、制御部100はPG調整用モータ104を停止させる。
尚、その後、制御部100がPG調整用モータ104をたわみ補正値の分だけ正転駆動させるように構成してもよい。係る場合、動力伝達手段105の部材のたわみ量を無にすると共に、ギア突部57と第1度当て部22との間の面圧を解除することができる。
ステップS54では、制御部100が、現在のPGポジションのフラグを確認する。現在のPGポジションによって、駆動方法が異なるからである。現在のPGポジションのフラグが第1ポジション〜第3ポジションである場合、ステップS55へ進む。
一方、現在のPGポジションのフラグが第4ポジションである場合、ステップS59へ進む。
尚、他の実施形態2では、他の実施形態1と同様に、第1ポジション〜第3ポジションである場合と、第4ポジションである場合とに分けるように構成されている。これは、第3ポジションである場合、図7(A)に示す如く、ギア突部57を第2度当て部23に度当てる側へ回動させるより、第1度当て部22に度当てる側へ回動させた方が早いからである。
ステップS55では、前述した他の実施形態1の前記ステップS37と同様に、目標のPGポジションへ切替える前に、先ず、基準位置とする第1ポジション側へ移動させる。具体的には、ギア突部57が第1度当て部22に度当たるまでPG調整用モータ104を逆転駆動させる。そして、前記ステップS16、S20と同様に、電流値が度当たりしきい値を超えたと判定したとき、制御部100はPG調整用モータ104を停止させる。即ち、一度、ギア突部57を第1度当て部22に度当たらせて、該度当たった状態を基準に目標のPGポジションへの切替えを実行する構成である。そして、目標のPGポジションへの切替えを実行するために、ステップS56へ進む。
ステップS56では、第1調整用レバー54の調整方向がマイナス側か否かを判定する。これにより、調整補正値の値が大きく異なるからである。そして、マイナス側ではない場合、即ち、プラス側およびニュートラル位置の場合、ステップS57へ進む。
一方、マイナス側である場合、ステップS58へ進む。
尚、第1調整用レバー54の調整値は、製造または修理において調整された際に調整者によって制御部に入力される。このとき、プラス・マイナスも入力される。
ステップS57では、目標のPGポジションへの切替えを実行するために、前記度当たった状態を基準に、制御部100がPG調整用モータ104の駆動量を決定する。このとき、現在の第1ポジションから目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、調整補正値として第1調整補正値を加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定するように構成されている。具体的には、以下の式により算出する。
駆動量=|目標PGポジション位置−第1ポジション|+第1調整補正値
ここで、「第1調整補正値」は、前述した図19(A)の場合に算出した305ステップの値に調整された現在の目盛り数を乗算し、総目盛り数14で割った値である。このとき、第1調整用レバー54がニュートラル位置の場合、「第1調整補正値」の値は0となる。
そして、前記ステップS55においてPG調整用モータ104を逆転駆動して度当たった後の停止させた状態から、該ステップS57において目標のPGポジションへ切替える際、PG調整用モータ104は正転駆動に切り替る。
即ち、基準位置である第1ポジションに位置する状態からPG調整用モータ104が正転駆動する。その際、ただ単に目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値のみの量を駆動させると、前記位相ずれによる第1カム51の回動量だけ、駆動量が足りなくなる。第1調整用レバー54を調整しなかった場合と比較して、前記位相ずれにより第1カム51の第1−第2ポジション間の第1作用部51bが第1基準点55に対して離間する側へ回動した状態だからである。
そこで、他の実施形態2の該ステップS57では、前述したように現在の第1ポジションから目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、調整補正値を加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定するように構成されている。
従って、精度良く第2ポジションおよび第3ポジションに切替えることができる。製造した際や修理の際に第1調整用レバー54を調整した場合に、前記位相ずれが生じるので、特に有効である。
尚、前述した他の実施形態1の前記ステップS38のたわみ補正値および動力伝達手段105のギア輪列のバックラッシ量をも、加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定してもよいのは勿論である。後述するステップS58、S61およびS62についても同様である。
ステップS58では、前記ステップS57と同様に、目標のPGポジションへの切替えを実行するために、前記度当たった状態を基準に、制御部100がPG調整用モータ104の駆動量を決定する。具体的には、以下の式により算出する。

駆動量=|目標PGポジション位置−第1ポジション|+第2調整補正値

ここで、「第2調整補正値」は、前述した図19(B)の場合に算出した262ステップの値に調整された現在の目盛り数(負の値)を乗算し、総目盛り数14で割った値である。
そして、前記ステップS55においてPG調整用モータ104を逆転駆動して度当たった後の停止させた状態から、該ステップS57において目標のPGポジションへ切替える際、PG調整用モータ104は正転駆動に切り替る。
即ち、基準位置である第1ポジションに位置する状態からPG調整用モータ104が正転駆動する。その際、ただ単に目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値のみの量を駆動させると、前記位相ずれによる第1カム51の回動量だけ、駆動量が多すぎる。第1調整用レバー54を調整しなかった場合と比較して、前記位相ずれにより第1カム51の第1−第2ポジション間の第1作用部51bが第1基準点55に対して接近する側へ回動した状態だからである。
そこで、他の実施形態2の該ステップS58では、前記ステップS57と同様に、現在の第1ポジションから目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、調整補正値を加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定するように構成されている。
このとき、「第2調整補正値」は、262ステップの値に調整された現在の目盛り数(負の値)が乗算されるので、負の値となる。従って、多すぎる駆動量を前記位相ずれの分だけ少なくすることができる。その結果、所望の駆動量にすることができ、精度良く第2ポジションおよび第3ポジションに切替えることができる。
ステップS59では、前述した他の実施形態1の前記ステップS39と同様に、目標のPGポジションへ切替える前に、先ず、基準位置とする第4ポジション側へ移動させる。具体的には、ギア突部57が第2度当て部23に度当たるまでPG調整用モータ104を正転駆動させる。そして、前記ステップS16、S20と同様に、電流値が度当たりしきい値を超えたと判定したとき、制御部100はPG調整用モータ104を停止させる。即ち、一度、ギア突部57を第2度当て部23に度当たらせて、該度当たった状態を基準に目標のPGポジションへの切替えを実行する構成である。そして、目標のPGポジションへの切替えを実行するために、ステップS60へ進む。
ステップS60では、前記ステップS56と同様に、第1調整用レバー54の調整方向がマイナス側か否かを判定する。これにより、調整補正値の値が大きく異なるからである。そして、マイナス側ではない場合、即ち、プラス側およびニュートラル位置の場合、ステップS61へ進む。
一方、マイナス側である場合、ステップS62へ進む。
ステップS61では、前記ステップS57と同様に、目標のPGポジションへの切替えを実行するために、前記度当たった状態を基準に、制御部100がPG調整用モータ104の駆動量を決定する。具体的には、以下の式により算出する。

駆動量=|目標PGポジション位置−第4ポジション|−第3調整補正値

ここで、「第3調整補正値」は、前述した図20(A)の場合に算出した303ステップの値に調整された現在の目盛り数を乗算し、総目盛り数14で割った値である。
そして、前記ステップS59においてPG調整用モータ104を正転駆動して度当たった後の停止させた状態から、該ステップS61において目標のPGポジションへ切替える際、PG調整用モータ104は逆転駆動に切り替る。
即ち、基準位置である第4ポジションに位置する状態からPG調整用モータ104が逆転駆動する。その際、ただ単に目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値のみの量を駆動させると、前記位相ずれによる第1カム51の回動量だけ、駆動量が多すぎる。第1調整用レバー54を調整しなかった場合と比較して、前記位相ずれにより第1カム51の第3−第4ポジション間の第1作用部51fが第1基準点55に対して接近する側へ回動した状態だからである。
そこで、他の実施形態2の該ステップS61では、前記ステップS57と同様に、現在の第1ポジションから目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、調整補正値を加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定するように構成されている。
このとき、多すぎる駆動量の理論値から「第3調整補正値」の分だけ引き算をすることによって、多すぎる駆動量を前記位相ずれの分だけ少なくすることができる。その結果、所望の駆動量にすることができ、精度良く第2ポジションおよび第3ポジションに切替えることができる。
ステップS62では、前記ステップS57と同様に、目標のPGポジションへの切替えを実行するために、前記度当たった状態を基準に、制御部100がPG調整用モータ104の駆動量を決定する。具体的には、以下の式により算出する。

駆動量=|目標PGポジション位置−第4ポジション|−第4調整補正値

ここで、「第4調整補正値」は、前述した図20(B)の場合に算出した264ステップの値に調整された現在の目盛り数を乗算し、総目盛り数14で割った値である。
そして、前記ステップS59においてPG調整用モータ104を正転駆動して度当たった後の停止させた状態から、該ステップS61において目標のPGポジションへ切替える際、PG調整用モータ104は逆転駆動に切り替る。
即ち、基準位置である第4ポジションに位置する状態からPG調整用モータ104が逆転駆動する。その際、ただ単に目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値のみの量を駆動させると、前記位相ずれによる第1カム51の回動量だけ、駆動量が足りなくなる。第1調整用レバー54を調整しなかった場合と比較して、前記位相ずれにより第1カム51の第3−第4ポジション間の第1作用部51fが第1基準点55に対して離間する側へ回動した状態だからである。
そこで、他の実施形態2の該ステップS62では、前記ステップS57と同様に、現在の第1ポジションから目標のPGポジションまでのPG調整用モータ104の駆動量の理論値に、調整補正値を加味してPG調整用モータ104の駆動量を決定するように構成されている。
このとき、「第4調整補正値」は、264ステップの値に調整された現在の目盛り数(負の値)が乗算されるので、負の値となる。そして、足りない駆動量の理論値から「第4調整補正値」の分だけ引き算をする。即ち、負の値を引くので結果として「第4調整補正値」の分だけ加算したことになる。従って、足りない駆動量を前記位相ずれの分だけ多くすることができる。その結果、所望の駆動量にすることができ、精度良く第2ポジションおよび第3ポジションに切替えることができる。
図23に示すのは、他の実施形態2に係る補正値を用いたときのPG調整用モータの動作を示す図である。ここで、縦軸はPG量を示す。一方、横軸はPG調整用モータの回転量を示す。
図23に示す如く、第1調整用レバー54がニュートラル位置の場合、実線で示す如く、第1カム51が回動すると共に、PGポジションを第1ポジション〜第4ポジション間で切替えることができる。
また、一点鎖線で示すのは、第1調整用レバー54をプラス側へ14目盛り揺動させた場合のPG変化量である。
第1ポジションにおいて第1調整用レバー54をプラス側へ14目盛り揺動させると、前述したように、PG調整用モータ104は停止したままの状態で、第1−第2ポジション間の第1作用部51bが第1基準点55から離間する方向へ、第1カム51が回動する。
従って、一点鎖線が示す如く、第1ポジションにおけるギア突部57が第1度当て部22に当接した状態から、第1−第2ポジション間の第1作用部51bを作用させるまでに必要なPG調整用モータ104の駆動量は、第1調整用レバー54がニュートラル位置の状態のときより多い量必要となる。
例えば、第2ポジションへ切替える際、第1調整用レバー54がニュートラル位置の状態と同じ駆動量では、第1−第2ポジション間の第1作用部51bを十分に作用させることができない虞がある。そして、第2ポジションの狙い位置である第1カム51の第2ポジションの第1安定部51cの中心に第1基準点55が位置する状態とすることができない虞がある。最悪の場合、第2ポジションの第1安定部51c上に第1基準点55が位置せず、第2ポジションへの切替えが完了しない虞がある。
そこで、前述したように、ギア突部57が第1度当て部22と当接した状態からPG調整用モータ104を正転駆動させ目的のPGポジションへ切替える際、前記ステップS57のように第1調整補正値を加味して駆動量を決定するように構成されている。即ち、駆動量の理論値に対して前記位相ずれにより足りない量だけ加算する補正を行うように構成されている。従って、精度良く第2ポジションへ切替えることができる。
また、第4ポジションから第2ポジションまたは第3ポジションへ切替える場合も同様である。具体的には、ギア突部57が第2度当て部23と当接した状態からPG調整用モータ104を逆転駆動させ目的のPGポジションへ切替える際、前記ステップS61のように第3調整補正値を加味して駆動量を決定するように構成されている。即ち、駆動量の理論値に対して前記位相ずれにより多い量だけ減算する補正を行うように構成されている。従って、精度良く第2ポジションおよび第3ポジションへ切替えることができる。
またさらに、二点鎖線で示すのは、第1調整用レバー54をマイナス側へ14目盛り揺動させた場合のPG変化量である。
第1ポジションにおいて第1調整用レバー54をマイナス側へ14目盛り揺動させると、前述したように、PG調整用モータ104は停止したままの状態で、第1−第2ポジション間の第1作用部51bが第1基準点55に接近する方向へ、第1カム51が回動する。
従って、二点鎖線が示す如く、第1ポジションにおけるギア突部57が第1度当て部22に当接した状態から、第1−第2ポジション間の第1作用部51bを作用させるまでに必要なPG調整用モータ104の駆動量は、第1調整用レバー54がニュートラル位置の状態のときより少ない量でよい。
例えば、第2ポジションへ切替える際、第1調整用レバー54がニュートラル位置の状態と同じ駆動量では多すぎる。第1カム51が回動しすぎて、第2−第3ポジション間の第1作用部51dを作用させてしまう虞がある。そして、第2ポジションの狙い位置である第1カム51の第2ポジションの第1安定部51cの中心に第1基準点55が位置する状態とすることができない虞がある。最悪の場合、第2−第3ポジション間の第1作用部51d上に第1基準点55が位置し、所望のPGポジションに切替えることができない虞がある。
そこで、前述したように、ギア突部57が第1度当て部22と当接した状態からPG調整用モータ104を正転駆動させ目的のPGポジションへ切替える際、前記ステップS58のように第2調整補正値を加味して駆動量を決定するように構成されている。即ち、駆動量の理論値に対して前記位相ずれにより多い量だけ減算する補正を行うように構成されている。従って、精度良く第2ポジションへ切替えることができる。
また、第4ポジションから第2ポジションまたは第3ポジションへ切替える場合も同様である。具体的には、ギア突部57が第2度当て部23と当接した状態からPG調整用モータ104を逆転駆動させ目的のPGポジションへ切替える際、前記ステップS62のように第4調整補正値を加味して駆動量を決定するように構成されている。即ち、駆動量の理論値に対して前記位相ずれにより足りない量だけ加算する補正を行うように構成されている。従って、精度良く第2ポジションおよび第3ポジションへ切替えることができる。
他の実施形態2のプリンタ11において、PG調整手段50は、PG調整用モータ104の動力により駆動し、記録ヘッド19と用紙Pとの間の距離を切替える主カムとしての第1カム51と、第1カム51と当接し記録ヘッド19と用紙Pとが対向するZ軸方向に第1カム51の位置を移動させ前記距離を微調整する補助調整カムとしての第1調整用レバー54と、を備え、制御部100は、PG調整用モータ104を制御すると共に、第1調整用レバー54による前記距離の微調整に伴う第1カム51の角度の変化量を補正する補正値としての第1調整補正値〜第4調整補正値を有し、該第1調整補正値〜第4調整補正値に基づいて第1カム51の駆動量を設定する構成であることを特徴とする。
また、他の実施形態2において、第1カム51は、前記ギア輪列(56、58)によってPG調整用モータ104から動力を受けて駆動し、前記距離を切替える際、第1調整用レバー54と当接する当接点である第1基準点55を基準に該第1カム51自体が前記対向するZ軸方向へ移動する構成であり、前記第1調整補正値〜第4調整補正値は、第1調整用レバー54を回動させた際に第1カム51が記録ヘッド19と用紙Pとが対向するZ軸方向へ移動したときの第1回動量(前記第1の要素)と、第1調整用レバー54を回動させた際の該第1調整用レバー54と第1カム51との間の第1基準点55が記録ヘッド19と用紙Pとが対向するZ軸方向と交差する方向であるY軸方向へ移動する移動量に相当する該第1カム51の第2回動量(前記第2の要素)と、によって求められる構成であることを特徴とする。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係るプリンタの全体を示す斜視図。 本発明に係る記録部を示す斜視図。 本発明に係る記録部を示す側面図。 本発明に係るPG調整手段を示す斜視図。 (A)(B)は第1ポジションのときのPG調整手段を示す側面図。 (A)(B)は第2ポジションのときのPG調整手段を示す側面図。 (A)(B)は第3ポジションのときのPG調整手段を示す側面図。 (A)(B)は第4ポジションのときのPG調整手段を示す側面図。 第1カムおよび第3カムを示す拡大側面図。 第2カムおよび第4カムを示す拡大側面図。 度当たりしきい値更新およびたわみ補正値設定シーケンス。 PG調整用モータの電流値を示す図。 他の実施形態1に係るたわみ補正値を用いた補正シーケンス。 他の実施形態1に係るたわみ補正値を用いたときのPG調整用モータの動作を示す図。 他の実施形態2に係る第1調整用レバーのニュートラル位置を示す側面図。 他の実施形態2に係る第1調整用レバーをプラス側へ調整した状態を示す側面図。 他の実施形態2に係る第1調整用レバーをマイナス側へ調整した状態を示す側面図。 (A)(B)は第1調整用レバーの調整により位相ずれが発生する原理を示す図。 (A)(B)は第1ポジションにおける位相ずれの量を示す図。 (A)(B)は第4ポジションにおける位相ずれの量を示す図。 (A)(B)は補正値を算出する概念を示す図および実施例における値。 他の実施形態2に係る補正値を用いた補正シーケンス。 他の実施形態2に係る補正値を用いたときのPG調整用モータの動作を示す図。
符号の説明
11 プリンタ、12 本体、12A 被装着部、12B カバー、13 キャリッジ、
14 ガイド主軸、15 プラテン、16 カセット、17 インクカートリッジ、
18 フレキシブル配線板、19 記録ヘッド、20 操作スイッチ、21 基体部、
21a 爪凸部、22 第1度当て部、23 第2度当て部、30 無端ベルト、
31 上側ベルト、32 下側ベルト、33 ガイドレール部、33a 溝部、
34 凸部、37 軸挿通孔、40 記録部、50 PG調整手段、51 第1カム、
51a 第1ポジションの第1安定部、51b 第1−第2ポジション間の第1作用部、
51c 第2ポジションの第1安定部、51d 第2−第3ポジション間の第1作用部、
51e 第3ポジションの第1安定部、51f 第3−第4ポジション間の第1作用部、
51g 第4ポジションの第1安定部、52 第1支軸、53 第1係合部、
54 第1調整用レバー、54a 調整レバー支点、54b ギザ、55 第1基準点、
56 第1ギア、57 ギア突部、58 第2ギア、61 第2カム、
61a 第1ポジションの第2安定部、61b 第1−第2ポジション間の第2作用部、
61c 第2ポジションの第2安定部、61d 第2−第3ポジション間の第2作用部、
61e 第3ポジションの第2安定部、61f 第3−第4ポジション間の第2作用部、
61g 第4ポジションの第2安定部、62 第2支軸、63 第2係合部、
64 第2調整用レバー、65 第2基準点、71 第3カム、
71a 第1ポジションの第3安定部、71b 第1−第2ポジション間の第3作用部、
71c 第2ポジションの第3安定部、71d 第2−第3ポジション間の第3作用部、
71e 第3ポジションの第3安定部、71f 第3−第4ポジション間の第3作用部、
71g 第4ポジションの第3安定部、72 第3支軸、73 第3係合部、
74 第3調整用レバー、75 第3基準点、76 第1スライダ、81 第4カム、
81a 第1ポジションの第4安定部、81b 第1−第2ポジション間の第4作用部、
81c 第2ポジションの第4安定部、81d 第2−第3ポジション間の第4作用部、
81e 第3ポジションの第4安定部、81f 第3−第4ポジション間の第4作用部、
81g 第4ポジションの第4安定部、82 第4支軸、83 第4係合部、
84 第4調整用レバー、85 第4基準点、86 第2スライダ、
91 第1リンクバー、92 第2リンクバー、100 制御部、
101 駆動量測定手段、102 エンコーダセンサ、103 エンコーダスケール、
104 PG調整用モータ、105 動力伝達手段、106 伝達ベルト、
121 キャリッジモータ、122 モータピニオン、123 80桁側プーリホルダ、
124 第1プーリ、125 コイルばね、126 1桁側プーリホルダ、
127 第2プーリ、128 第3プーリ、129 モータステイ、P 用紙、
X 幅方向、Y 送り方向、Z 高さ方向

Claims (7)

  1. モータの動力によって複数の所定位置へ移動する駆動対象と、
    前記モータの動力を前記駆動対象へ伝達する動力伝達機構と、
    前記駆動対象の移動範囲の一端と他端とをそれぞれ決める第1度当て部および第2度当て部と、
    所定のタイミングにおいて、前記第1度当て部に度当たることにより前記駆動対象が移動不能になるまで該駆動対象を前記一端に移動させた後に、前記第2度当て部に度当たることにより前記駆動対象が移動不能になるまで該駆動対象を前記他端に移動させる駆動を実行し、該駆動に係る前記モータの駆動量を基準駆動量として取得し、
    該基準駆動量と、前記第1度当て部から前記第2度当て部までの前記モータの駆動量の理論値との差から、前記第1度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間および前記第2度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間における前記動力伝達機構の部材変形量を算出し、
    前記第1度当て部または前記第2度当て部に度当たった状態の度当たり位置から目的の所定位置までの前記モータの駆動量の理論値に、前記動力伝達機構の部材変形量を加味して前記度当たり位置から目的の所定位置へ前記駆動対象を移動させる際の前記モータの駆動量である所定位置切替え駆動量を設定する構成である制御手段と、を備えたポジション切替え装置。
  2. 被記録媒体に対してインクを吐出して記録を実行する記録ヘッドと、
    該記録ヘッドと被記録媒体との間の距離を変更するギャップ切替え機構と、を備えた記録装置であって、
    該ギャップ切替え機構は、請求項1に記載のポジション切替え装置を有する記録装置。
  3. 請求項2に記載の記録装置において、前記制御手段が前記基準駆動量を取得し、前記動力伝達機構の部材変形量を算出して更新する前記所定のタイミングは、記録を実行した被記録媒体の枚数に応じて設定される構成である記録装置。
  4. 請求項2または3に記載の記録装置において、前記制御手段は、前記モータを制御すると共に、前記駆動対象の度当たりに伴うモータ電流値の上昇により該モータ電流値がしきい値に達したとき、前記度当たりと判断し、前記度当たった際の度当たり位置からの前記モータの回転量を管理することにより前記記録ヘッドを他の所定位置に切替え、
    前記所定のタイミングで前記モータの駆動負荷であるモータ電流値を測定し、該モータ電流値に基づいて前記しきい値を更新する構成である記録装置。
  5. 所定のタイミングにおいて、モータの動力によって複数の所定位置へ移動する駆動対象を、該駆動対象の移動範囲の一端を決める第1度当て部に度当たることにより移動不能になるまで移動させた後に、前記駆動対象の移動範囲の他端を決める第2度当て部に度当たることにより移動不能になるまで移動させる駆動を実行し、該駆動に係る前記モータの駆動量を基準駆動量として取得する基準駆動量取得工程と、
    該基準駆動量取得工程において取得した前記基準駆動量と、前記第1度当て部から前記第2度当て部までの前記モータの駆動量の理論値との差から、前記第1度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間および前記第2度当て部に度当たった時から度当たったと認識して前記モータが一時停止するまでの間における前記モータの動力を前記駆動対象へ伝達する動力伝達機構の部材変形量を算出する部材変形量算出工程と、
    前記第1度当て部または前記第2度当て部に度当たった状態の度当たり位置から目的の所定位置までの前記モータの駆動量の理論値に、前記部材変形量算出工程において算出した前記部材変形量を加味して前記度当たり位置から目的の所定位置へ前記駆動対象を移動させる際の前記モータの駆動量である所定位置切替え駆動量を設定する駆動量設定工程と、を具備したポジション切替え方法。
  6. 請求項5に記載のポジション切替え方法において、前記動力伝達機構は、動力を伝達するギア輪列を有し、
    前記駆動量設定工程は、前記部材変形量に加えて前記ギア輪列のバックラッシをも加味して前記所定位置切替え駆動量を設定するポジション切替え方法。
  7. 請求項5または6に記載のポジション切替え方法において、前記部材変形量算出工程は、取得した前記基準駆動量に基づいて前記動力伝達機構の部材変形量を算出し、
    前記駆動量設定工程は、前記部材変形量算出工程において算出した前記部材変形量を、前記第1度当て部に度当たった際の前記動力伝達機構の部材変形量と、前記第2度当て部に度当たった際の前記動力伝達機構の部材変形量との比率に応じて、前記第1度当て部に度当たった状態の第1度当たり位置から目的の所定位置へ移動させる際と、前記第2度当て部に度当たった状態の第2度当たり位置から目的の所定位置へ移動させる際とに配分して前記加味するポジション切替え方法。
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