JP2010046758A - タップ、およびめねじ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄いナットブランクに精度良くめねじを加工することが可能なタップを提供する。
【解決手段】回転しながら前進してナットブランクNの下穴Hにめねじを加工するタップ1において、回転方向に間隔をおいてランドA〜Fを有し、その各ランドA〜Fのうち、回転方向に沿って1つおきの各ランドA,C,Eには、有効径d1が一定の複数のねじ山A1〜A15からなる粗ねじ加工部2が設けられ、残りの各ランドB,D,Fには、粗ねじ加工部2のねじ山A1〜A15よりも有効径d2が大きく、有効径d2が一定の複数のねじ山B8〜B18からなる仕上げ加工部3が設けられ、その仕上げ加工部3は、粗ねじ加工部2の前端のねじ山A1よりも5山以上後方の位置を前端のねじ山B8とする。
【選択図】図3

Description

この発明は、精度良くめねじを加工することが可能なタップに関する。
精度良くめねじを加工するタップとして、一般に、図6に示す増径段付きタップ31が知られている。この増径段付きタップ31は、粗ねじ加工タップ32と仕上げ加工タップ33とが直列に並んで設けられており、粗ねじ加工タップ32は、仕上げ加工タップ33よりもねじ山の有効径が小さい。
この増径段付きタップ31を回転させながら被削物の下穴に前進させると、まず、粗ねじ加工タップ32のねじ山が被削物に食い付いて有効径が小さい粗ねじを加工し、その粗ねじ加工が終了した後、仕上げ加工タップ33のねじ山が被削物に食い付いて仕上げ加工を行ない、その結果、被削物の下穴には、目標とする有効径のめねじが形成される。このように、増径段付きタップ31は、めねじの加工を、粗ねじ加工と仕上げ加工の2段階に分けて行なうので、精度良くめねじを加工することができる。
この増径段付きタップ31で、ナットブランクの下穴にめねじを加工する場合、ナットブランクが十分に厚ければ、仕上げ加工タップ33がナットブランクに食い付いた後に、粗ねじ加工タップ32がナットブランクを通り抜けるので問題ない。
しかし、ナットブランクが薄い場合、仕上げ加工タップ33がナットブランクに食い付く前に、粗ねじ加工タップ32がナットブランクを通り抜けてしまうことがある。この場合、ナットブランクの軸方向位置が不安定となるので、仕上げ加工タップ33のねじ山が、粗ねじのねじ溝の位置に一致せず、めねじの形状が崩れる問題がある。
そこで、上記の問題を解決するため、この発明の発明者は、図7に示すように、回転方向に間隔をおいて4つ以上の偶数のランドA〜Fを有し、その各ランドA〜Fのうち、回転方向に沿って1つおきの各ランドA,C,Eに粗ねじ加工部34を設け、残りの各ランドB,D,Fに仕上げ加工部35を設けたタップを提案している(特許文献1)。
このタップにおいて、ランドC,EはランドAと同様に形成されており、ランドD,FはランドBと同様に形成されている。そのため、以下、ランドAとランドBについて説明する。
粗ねじ加工部34は、有効径が一定のねじ山A1〜A4からなり、その各ねじ山A1〜A4の高さが後方に向かって次第に高くなるように形成されている。有効径は、図7の鎖線に示すように、ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な円筒の直径である。
仕上げ加工部35も、有効径が一定のねじ山B3〜B7からなり、そのねじ山B3〜B7の高さが後方に向かって次第に高くなるように形成されている。仕上げ加工部35のねじ山B3〜B7の有効径は、粗ねじ加工部34のねじ山A1〜A4の有効径よりも大きく設定されている。
仕上げ加工部35の前端のねじ山B3は、粗ねじ加工部34の前端のねじ山A1よりも2山後方にある。これは、仕上げ加工部35の前端のねじ山B3が、粗ねじ加工部34の前端のねじ山A1と同じ位置にあると、タップが被削材に食い付くときに各ねじ山に作用する圧力が分散して小さくなり、タップの食い付きが悪くなるという問題があり、この問題を解決するためである(特許文献1、[従来の技術およびその課題]の第3段落と、[作用]の第3段落後段)。
さらに、このタップは、仕上げ加工部35のねじ山B3〜B7と有効径が同一のねじ山A5〜A7からなる第2仕上げ加工部36が、粗ねじ加工部34の後方に連続して設けられている。
図8に示すように、上記の構成のタップを回転させながらナットブランクNの下穴Hに前進させると、まず、ナットブランクNにねじ山A2〜A4が順に食い付き、その後端のねじ山A4が食い付くと同時に、仕上げ加工部35のねじ山B4がナットブランクNに食い付き始める。その後、図9に示すように、第2仕上げ加工部36のねじ山A5〜A7と、仕上げ加工部35のねじ山B5〜B7とが交互に仕上げ加工を行ない、目標とする有効径のめねじを完成させる。
このように、特許文献1に記載のタップは、粗ねじ加工部34の後端のねじ山A4が食い付くと同時に、仕上げ加工部35のねじ山B4が食い付きを開始するので、増径段付きタップ31のように、仕上げ加工タップ33がナットブランクNに食い付く前に、粗ねじ加工タップ32がナットブランクNを通り抜けてしまうという問題が生じない。
特開平2−95513号公報
しかし、上記タップを使用しても、薄いナットブランクNにめねじを加工する場合、めねじの加工精度を確保することができないことがあった。そこで、この発明の発明者は、めねじの加工精度を低下させる原因を検討したところ、図8に示すように、粗ねじ加工部34のねじ山A2〜A4がナットブランクNに食い付いた時点では、ナットブランクNに対するねじ山A2〜A4の食い付きが少ないので、タップが1回転するごとの軸方向の進み量が不安定であり、その状態で、仕上げ加工部35のねじ山B4がナットブランクへの食い付き始めることが原因ではないかと考えた。この場合、図9に示すように、仕上げ加工によって形成されたフランク面37に段差が生じるので、めねじの精度が低下する。
この発明が解決しようとする課題は、薄いナットブランクに精度良くめねじを加工することが可能なタップを提供することである。
上記の課題を解決するため、回転しながら前進して被削物の下穴にめねじを加工するタップにおいて、回転方向に間隔をおいて4つ以上の偶数のランドを有し、その各ランドのうち、回転方向に沿って1つおきの各ランドには、有効径が一定の複数のねじ山からなり、その各ねじ山の高さが後方に向かって次第に高くなる粗ねじ加工部が設けられ、残りの各ランドには、粗ねじ加工部のねじ山よりも有効径が大きく、有効径が一定の複数のねじ山からなり、そのねじ山の高さが後方に向かって次第に高くなる仕上げ加工部が設けられ、その仕上げ加工部は、粗ねじ加工部の前端のねじ山よりも5山以上後方の位置を前端のねじ山とする構成を採用した。
このようにすると、仕上げ加工部のねじ山がナットブランクに食い付き始めるときに、粗ねじ加工部のねじ山がすでに5山分以上食い付いているので、タップが1回転するごとの軸方向の進み量が安定した状態で、仕上げ加工を行なうことができる。そのため、薄いナットブランクにも、精度良くめねじを加工することが可能である。
前記仕上げ加工部は、その前端のねじ山から少なくとも5山以上後方のねじ山まで粗ねじ加工部とねじのリードに沿った方向に重なるようにすると好ましい。このようにすると、粗ねじ加工と仕上げ加工とを交互に行なう領域が5山分以上生じ、その領域で加工を行なっているときは、粗ねじのねじ溝の内面と仕上げ加工部のねじ山の頂との間に生じる空間に、切削油剤が入り込む。そのため、めねじのむしれが生じにくく、めねじの仕上がりが良い。
さらに、前記仕上げ加工部のねじ山と同一の有効径のねじ山からなり、ねじ山の高さが後方に向かって次第に高くなる第2仕上げ加工部を、前記粗ねじ加工部の後方に連続して設けると、めねじを加工するときに、仕上げ加工部と第2仕上げ加工部とで分担して仕上げ加工を行なうので、仕上げ加工部のねじ山が摩耗しにくい。
前記第2仕上げ加工部のねじ山の頂は、前記粗ねじ加工部のねじ山の頂と同一直線上に並んでいるように形成すると、粗ねじ加工部のねじ山の頂と第2仕上げ加工部のねじ山の頂とをまとめて加工することができ、加工コストを低減することができる。
前記仕上げ加工部は、粗ねじ加工部とねじのリードに沿った方向に重なる領域にあるねじ山の頂を連ねる直線の勾配が、粗ねじ加工部のねじ山の頂を連ねる直線の勾配よりも大きくなるように形成することができる。このようにすると、その勾配の大きい分、仕上げ加工部の前端の位置が後方にずれるので、粗ねじ加工部の前端のねじ山の位置に対する、仕上げ加工部の前端のねじ山の位置の後方へのずれ量を5山以上確保しやすい。
また、この発明では、タップを回転させながら前進させてナットブランクの下穴にめねじを加工するめねじ加工方法として、前記タップは、回転方向に間隔をおいて4つ以上の偶数のランドを有し、その各ランドのうち、回転方向に沿って1つおきの各ランドには、有効径が一定の複数のねじ山からなり、その各ねじ山の高さが後方に向かって次第に高くなる粗ねじ加工部が設けられ、残りの各ランドには、粗ねじ加工部のねじ山よりも有効径が大きく、有効径が一定の複数のねじ山からなり、そのねじ山の高さが後方に向かって次第に高くなる仕上げ加工部が設けられ、前記粗ねじ加工部のねじ山がナットブランクの少なくとも厚み分食い付いた状態で、前記仕上げ加工部のねじ山がナットブランクに食い付き始めるようにしためねじ加工方法を提供する。
このようにすると、仕上げ加工部のねじ山がナットブランクに食い付き始めるときに、粗ねじ加工部のねじ山がすでにナットブランクの厚み分食い付いているので、タップが1回転するごとの軸方向の進み量が安定した状態で、仕上げ加工を行なうことができる。そのため、ナットブランクが薄い場合にも、精度が高いナットを製造することができる。
なお、この発明において、有効径が一定の複数のねじ山とは、その各ねじ山の有効径が厳密な意味で一定である必要がなく、ねじ山の有効径がタップの前方から後方に向かって次第に小さくなるように僅かな傾斜(例えば1/1000の傾斜)のバックテーパを付けることを許容する意味での有効径が一定である。
この発明のタップは、タップが1回転するごとの軸方向の進み量が安定した状態で、仕上げ加工部のねじ山がナットブランクに食い付き始めるので、薄いナットブランクにも、精度良くめねじを加工することが可能である。
以下、この発明の実施形態のタップ1を説明する。タップ1は、図1、図2に示すように、回転方向に間隔をおいて6つのランドA〜Fを有する。
図3に示すように、各ランドA〜Fのうち、回転方向に沿って1つおきの各ランドA,C,Eには、粗ねじ加工部2が設けられ、残りの各ランドB,D,Fには、仕上げ加工部3が設けられている。ランドC,EはランドAと同様に形成されており、ランドD,FはランドBと同様に形成されている。そのため、ランドAとランドBについて説明し、残りのランドの説明を省略する。
粗ねじ加工部2は、有効径が一定の複数のねじ山A1〜A15からなり、仕上げ加工部3も、有効径が一定の複数のねじ山B8〜B18からなる。ここで、ねじ山A1〜A15の有効径d1は、目標とするめねじの有効径よりも小さく設定されており、一方、ねじ山B8〜B18の有効径d2は、目標とするめねじの有効径に等しく設定されている。そのため、ねじ山B8〜B18の有効径d2は、ねじ山A1〜A15の有効径d1よりも大きい。なお、有効径は、図の鎖線に示すように、ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な円筒の直径である。
粗ねじ加工部2には、前方から後方に向かって次第に拡径するテーパが付けられ、このテーパにより、各ねじ山A1〜A15の高さが後方に向かって次第に高くなっている。仕上げ加工部3も、前方から後方に向かって次第に拡径するテーパが付けられ、このテーパにより、各ねじ山B8〜B18の高さが後方に向かって次第に高くなっている。
また、仕上げ加工部3は、粗ねじ加工部2とねじのリードに沿った方向に重なる領域が、粗ねじ加工部2のねじ山A1〜A15の頂を連ねる直線よりも勾配が大きい直線に沿ってテーパ状に削り取られており、その結果、仕上げ加工部3の前端のねじ山B8は、粗ねじ加工部2の前端のねじ山A1よりも、5山以上後方の位置となっている。また、仕上げ加工部3は、その前端のねじ山B8から少なくとも5山以上後方のねじ山B15までが、粗ねじ加工部2とねじのリードに沿った方向に重なっている。
粗ねじ加工部2の後方には第2仕上げ加工部4が連続して設けられている。第2仕上げ加工部4は、有効径が一定の複数のねじ山A16〜A18からなる。ねじ山A16〜A18の有効径d2は、ねじ山B8〜B18の有効径d2に等しく設定されており、ねじ山A1〜A15の有効径d1よりも大きい。また、ねじ山A16〜A18の頂は、粗ねじ加工部2のねじ山A1〜A15の頂を連ねる直線と同一直線上にあり、ねじ山A16〜A18の高さが、後方に向かって次第に高くなっている。
第2仕上げ加工部4の後方には、完全山部5が連続して設けられている。完全山部5は、完全形状のねじ山A19,A20からなる。仕上げ加工部3の後方にも、完全形状のねじ山B19,B20からなる完全山部6が連続して設けられている。
このタップ1は、例えば、以下のようにして製作することができる。
(工程1)
タップ素材の外周の各ランドA〜Fに研削加工を施し、有効径d2の完全形状のねじ山A1〜A20,B1〜B20,C1〜C20,D1〜D20,E1〜E20,F1〜F20を形成する。
(工程2)
ランドA,C,Eについて、粗ねじ加工部2に相当するねじ山A1〜A15,C1〜C15,E1〜E15をさらに研削加工し、その有効径をd1(<d2)に減小させる。
(工程3)
各ランドA〜Fについて、ねじ山A1〜A18,B1〜B18,C1〜C18,D1〜D18,E1〜E18,F1〜F18に相当する領域の外周を、軸方向後方から前方に向かって外径が小さくなるように斜めに削り取り、各ランドA〜Fに食付き角をつける。
(工程4)
さらに、ランドB,D,Fについて、ランドA,C,Eの粗ねじ加工部2とねじのリードに沿った方向に重なる領域の外周を、ランドA,C,Eよりも大きい勾配で斜めに削り取る。これにより、B1〜B7,D1〜D7,F1〜F7がなくなり、B8,D8,F8が各ランドB,D,Fの前端のねじ山となる。
上記の工程1において、各ねじ山A1〜A20,B1〜B20,C1〜C20,D1〜D20,E1〜E20,F1〜F20には、回転方向前方から後方に向かって有効径が次第に小さくなるような逃げ(有効径の逃げ)を付けることができる。工程2においても、A1〜A15,C1〜C15,E1〜E15に有効径の逃げを付けることができる。
また、上記の工程3において、各ランドA〜Fのねじ山A1〜A18,B1〜B18,C1〜C18,D1〜D18,E1〜E18,F1〜F18に相当する領域の外周には、回転方向前方から後方に向かってランドの外径が次第に小さくなるような逃げ(外径の逃げ)を付ける。工程4においても、各ランドB,D,Fについて、ランドA,C,Eの粗ねじ加工部2とねじのリードに沿った方向に重なる領域の外周に、外径の逃げを付ける。
次に、このタップ1を用いて、ナットブランクNの下穴Hにめねじを加工するめねじ加工方法を説明する。
タップ1を回転させながらナットブランクNの下穴Hに前進させると、図4(a)に示すように、ナットブランクNにねじ山A2〜A15が順に食い付いて粗ねじ(即ち、有効径d1のめねじ)を加工し、そのねじ山A2〜A15が前端から5山以上食い付いたところ(図では、ねじ山A8が食い付いたところ)で、図4(b)に示すように、仕上げ加工部3のねじ山B8がナットブランクNに食い付き始める。その後、図5(a)(b)に示すように、ねじ山A8〜A15による粗ねじ加工と、ねじ山B8〜B15による仕上げ加工とが交互に行なわれる。ねじ山A8〜A15による粗ねじ加工が終了した後は、第2仕上げ加工部4のねじ山A16〜A18と、仕上げ加工部3のねじ山B16〜B18とが交互に仕上げ加工を行ない、目標とするめねじ(即ち、有効径d2のめねじ)を完成させる。
このタップ1を用いためねじの加工において、粗ねじ加工部2がナットブランクNに数山しか食い付いていない時点では、タップ1が1回転するごとの軸方向の進み量がまだ不安定なので、図4(a)(b)に示すように、粗ねじのフランク面7に段差が生じることがある。しかし、図5(a)(b)に示すように、仕上げ加工部3のねじ山B9が食い付き始める時点では、既に、粗ねじ加工部2が前端から5山以上食い付いており、タップ1が1回転するごとの軸方向の進み量が安定しているので、仕上げ加工部3で加工しためねじのフランク面8には、段差が生じない。また、粗ねじのフランク面7に生じた段差は、仕上げ加工部3で削り取られて無くなる。
また、図5(a)(b)に示すように、粗ねじ加工部2による粗ねじ加工と、仕上げ加工部3による仕上げ加工とが交互に行なわれているとき、図5(b)に示すように、粗ねじのねじ溝の内面と仕上げ加工部3のねじ山B8〜B15の頂との間に空間9が生じ、その空間9に切削油剤が入り込む。そのため、めねじのむしれが生じにくく、仕上がりが良い。
以上のように、このタップ1は、仕上げ加工部3のねじ山B8がナットブランクNに食い付き始めるときに、粗ねじ加工部2がすでに5山分以上食い付いているので、タップ1が1回転するごとの軸方向の進み量が安定した状態で、仕上げ加工を行なうことができる。そのため、薄いナットブランクNにも、精度良くめねじを加工することが可能である。
また、このタップ1は、仕上げ加工部3の前端のねじ山B8から少なくとも5山以上後方のねじ山B15まで粗ねじ加工部2とねじのリードに沿った方向に重なっているので、粗ねじ加工と仕上げ加工とを交互に行なう領域が5山分以上生じ、その領域で加工を行なっているときは、粗ねじのねじ溝の内面と仕上げ加工部3のねじ山B8〜B15の頂との間に生じる空間9に、切削油剤が入り込む。そのため、めねじのむしれが生じにくく、めねじの仕上がりが良い。
また、このタップ1は、仕上げ加工部3のねじ山B8〜B15の頂を連ねる直線の勾配が、粗ねじ加工部2のねじ山A1〜A15の頂を連ねる直線の勾配よりも大きいので、その勾配の大きい分、仕上げ加工部3の前端の位置が後方にずれる。そのため、粗ねじ加工部2の前端のねじ山A1の位置に対する、仕上げ加工部3の前端のねじ山B8の位置の後方へのずれ量を5山以上確保しやすい。
粗ねじ加工部2の後方に完全山部5を連続して設けてもよいが、このようにすると、1つおきのランドB,D,Fのみで仕上げ加工を行なうことになるので、仕上げ加工部3の摩耗が進行しやすい。これに対し、上記実施形態に示すように、粗ねじ加工部2の後方に第2仕上げ加工部4を設けると、仕上げ加工部3と第2仕上げ加工部4とで分担して仕上げ加工を行なうことができるので、仕上げ加工部3の摩耗を低減することができる。
また、第2仕上げ加工部4のねじ山A16〜A18は、その頂を連ねる直線が、ねじ山A1〜A15の頂を連ねる直線に対して別直線となるように形成してもよい(例えば、ねじ山A16〜A18の頂を連ねる直線が、ねじ山A1〜A15の頂を連ねる直線よりも低い位置にある同一勾配の直線であってもよい)が、このようにすると、ねじ山A1〜A15の頂とねじ山A16〜A18の頂とを分けて加工する必要がある。これに対し、上記実施形態に示すように、ねじ山A16〜A18の頂が、ねじ山A1〜A15の頂と同一直線上に並ぶように形成すると、粗ねじ加工部2と第2仕上げ加工部4とをまとめて加工することができ、加工コストを低減することができる。
上記実施形態では、6つのランドA〜Fを有するタップ1を例に挙げてこの発明を説明したが、この発明は、4つのランドを有するタップや、8つのランドを有するタップなど、偶数のランドを有する他のタップにも適用することができる。4つのランドを有するタップにこの発明を適用する場合、被削材の下穴に嵌合する円筒状の外周面を有するガイドをタップの先端に一体に設けると、粗ねじ加工部で粗ねじを加工するときに、タップの中心が被削材の下穴の中心からずれるのを防止することができる。
この発明の実施形態のタップを示す側面図 図1のII−II線に沿った拡大断面図 図1のタップの軸心を含む平面に沿った断面図であり、(A)は、ランドAを示す断面図、(B)は、ランドBを示す断面図、(C)は、ランドCを示す断面図、(D)は、ランドDを示す断面図、(E)は、ランドEを示す断面図、(F)は、ランドFを示す断面図 (a)は図3に示すランドAの粗ねじ加工部がナットブランクに食い付いた状態を示す図、(b)は(a)と同じ時点でのランドBとナットブランクとの関係を示す図 (a)は図3に示すランドAの第2仕上げ加工部がナットブランクに食い付いた状態を示す図、(b)は(a)と同じ時点でのランドBとナットブランクとの関係を示す図 増径段付きタップを示す側面図 従来のタップの軸心を含む平面に沿った断面図であり、(A)は、ランドAを示す断面図、(B)は、ランドBを示す断面図、(C)は、ランドCを示す断面図、(D)は、ランドDを示す断面図、(E)は、ランドEを示す断面図、(F)は、ランドFを示す断面図 (a)は図7に示すランドAの粗ねじ加工部がナットブランクに食い付いた状態を示す図、(b)は(a)と同じ時点でのランドBとナットブランクとの関係を示す図 (a)は図7に示すランドAの第2仕上げ加工部がナットブランクに食い付いた状態を示す図、(b)は(a)と同じ時点でのランドBとナットブランクとの関係を示す図
符号の説明
1 タップ
2 粗ねじ加工部
3 仕上げ加工部
4 第2仕上げ加工部
A〜F ランド
A1〜A20,B8〜B20,C1〜C20,D8〜D20,E1〜E20,F8〜F20 ねじ山
d1,d2 有効径
N ナットブランク
H 下穴

Claims (6)

  1. 回転しながら前進して被削物(N)の下穴(H)にめねじを加工するタップ(1)において、回転方向に間隔をおいて4つ以上の偶数のランド(A〜F)を有し、その各ランド(A〜F)のうち、回転方向に沿って1つおきの各ランド(A,C,E)には、有効径(d1)が一定の複数のねじ山(A1〜A15)からなり、その各ねじ山(A1〜A15)の高さが後方に向かって次第に高くなる粗ねじ加工部(2)が設けられ、残りの各ランド(B,D,F)には、粗ねじ加工部(2)のねじ山(A1〜A15)よりも有効径(d2)が大きく、有効径(d2)が一定の複数のねじ山(B8〜B18)からなり、そのねじ山(B8〜B18)の高さが後方に向かって次第に高くなる仕上げ加工部(3)が設けられ、その仕上げ加工部(3)は、粗ねじ加工部(2)の前端のねじ山(A1)よりも5山以上後方の位置を前端のねじ山(B8)とすることを特徴とするタップ。
  2. 前記仕上げ加工部(3)は、その前端のねじ山(B8)から少なくとも5山以上後方のねじ山(B15)まで粗ねじ加工部(2)とねじのリードに沿った方向に重なっている請求項1に記載のタップ。
  3. 前記仕上げ加工部(3)のねじ山(B8〜B18)と同一の有効径(d2)のねじ山(A16〜A18)からなり、ねじ山(A16〜A18)の高さが後方に向かって次第に高くなる第2仕上げ加工部(4)が、前記粗ねじ加工部(2)の後方に連続して設けられた請求項1または2に記載のタップ。
  4. 前記第2仕上げ加工部(4)のねじ山(A16〜A18)の頂が、前記粗ねじ加工部(2)のねじ山(A1〜A15)の頂と同一直線上に並んでいる請求項3に記載のタップ。
  5. 前記仕上げ加工部(3)は、粗ねじ加工部(2)とねじのリードに沿った方向に重なる領域にあるねじ山(B8〜B15)の頂を連ねる直線の勾配が、粗ねじ加工部(2)のねじ山(A1〜A15)の頂を連ねる直線の勾配よりも大きくなるように形成された請求項4に記載のタップ。
  6. タップ(1)を回転させながら前進させてナットブランク(N)の下穴(H)にめねじを加工するめねじ加工方法において、前記タップ(1)は、回転方向に間隔をおいて4つ以上の偶数のランド(A〜F)を有し、その各ランド(A〜F)のうち、回転方向に沿って1つおきの各ランド(A,C,E)には、有効径(d1)が一定の複数のねじ山(A1〜A15)からなり、その各ねじ山(A1〜A15)の高さが後方に向かって次第に高くなる粗ねじ加工部(2)が設けられ、残りの各ランド(B,D,F)には、粗ねじ加工部(2)のねじ山(A1〜A15)よりも有効径(d2)が大きく、有効径(d2)が一定の複数のねじ山(B8〜B18)からなり、そのねじ山(B8〜B18)の高さが後方に向かって次第に高くなる仕上げ加工部(3)が設けられ、前記粗ねじ加工部(2)のねじ山(A1〜A15)がナットブランク(N)の少なくとも厚み分食い付いた状態で、前記仕上げ加工部(3)のねじ山(B8〜B18)がナットブランク(N)に食い付き始めるようにしたことを特徴とするめねじ加工方法。
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