JP2010041600A - 音制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】突発的なノイズを除去でき、音質の劣化を抑止でき、また、複雑な処理を要することなく特定の対象に対して音を追従させることが可能な音制御装置を提供する。
【解決手段】壁材11と、壁材11の第1側に配置され、供給される超音波を出力する第1のスピーカ12と、第1のスピーカ12およびフィルタ15に超音波信号を供給する超音波発信器14と、フィルタ15を通過した超音波信号を音楽信号で変調する変調部17と、変調部17で変調された超音波信号が供給され、この超音波信号を出力する第2のスピーカ13と、を含む。そして、フィルタ15は、第1のスピーカ15から発せされた超音波が壁材11を通過する際の変化と同じ変化を与える機能を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノイズをキャンセルしたり音の指向性を利用して音を制御する音制御装置に関するものである。
外来ノイズをマイクロフォンで受信し、反転信号を作成して、音楽信号などの音声信号に加えることで実現されるノイズキャンセラヘッドフォンが商品化されている(BOSE社のQuiet Comfort 3など)。
また、離れた場所から必要な音のみを届けたい場合、超音波スピーカを複数用意し干渉を利用することで鋭い指向性を持たせるものが、一般的に使われてきた。
また、車載機器で夜間の歩行者の有無や後続車の接近をダッシュボードのディスプレイに表示し警告するものが商品化されている。
これらの技術に関しては、特許文献1〜5等に開示されている。
特開2006−96070号公報 特開平08−2339号公報 特開2004−46150号公報 特開2006−93792号公報 特開2004−147311号公報
ところが、上記した技術では以下のような不利益がある。
すなわち、ノイズキャンセラヘッドフォンでは、構造上マイクと耳が近いため複雑な信号処理をする時間がとれず、ノイズに応じて信号処理を変えるなどの複雑なことはできなかった。
そのため、一定レベルで持続する騒音については効果があるが、人の話し声などのような突発的に発生するものについては対処が間に合わず充分な効果が得られなかった。
また、上記した超音波スピーカを複数用意し干渉を利用することで鋭い指向性を持たせる技術では、超音波の周波数特性の非線形性などが原因で、周波数レンジが広く取れず独特の再生音になってしまい音楽の再生には向かないという不利益があった。
上記の超音波による超指向性を利用したシステムでは、複数の人間が動き回るような状況において特定の人物にだけ特定の情報を送るためには、人物の把握とそこへ向けての正確な放射などたいへんな処理能力が要求され現在の技術では商品化は現実的ではない。
また、上記車載機器で夜間の歩行者の有無や後続車の接近をダッシュボードのディスプレイに表示し警告する技術では、目線の移動を伴うためかえって危険になる場合がある。音のみで表現すれば目線の移動がなくなるが、目視に比べて表現できることが非常に少なく、ディスプレイの補助用に使われている程度である。たとえば、歩行者を発見すると警告音を鳴らして注意を喚起するなどの技術である。
本発明は、突発的なノイズを除去でき、音質の劣化を抑止でき、また、複雑な処理を要することなく特定の対象に対して音を追従させることが可能な音制御装置を提供することにある。
本発明の第1の観点の音制御装置は、第1側と第2側をしきる壁材と、フィルタと、上記壁材の第1側に配置され、供給される超音波を出力する第1のスピーカと、上記第1のスピーカおよび上記フィルタに超音波信号を供給する超音波発信器と、上記フィルタを通過した超音波信号を音楽信号で変調する変調部と、上記変調部で変調された超音波信号が供給され、当該超音波信号を出力する第2のスピーカと、を含み、上記フィルタは、上記第1のスピーカから発せられた超音波が上記壁材を通過する際の変化と同じ変化を与える機能を有する。
好適には、上記フィルタは、上記第1のスピーカから発せられた超音波が上記壁材を通過する際の周波数特性の変化をシミュレートする。
本発明の第2の観点の音制御装置は、第1側と第2側をしきる壁材と、上記壁材の第1側に配置され、当該第1側の環境音を出力するマイクロフォンと、上記環境音が上記壁材を通過する際の周波数特性の変化を逆補正するフィルタと、状況に応じて上記第2側で発生するノイズ情報があらかじめ格納されている記憶部と、上記第2側の状況を把握するための情報を得るための情報取得部と、上記情報取得部の取得情報を受けて、上記記憶部の格納情報を用いて上記第2側で発生が予想されるノイズを打ち消すキャンセル信号を生成する制御部と、上記フィルタから出力される上記第1側の環境音と上記制御部によるキャンセル信号とを加算する加算部と、上記壁材の第2側に配置され、上記加算部で加算して得られた信号を出力するスピーカとを有する。
好適には、上記壁材は車両の壁材であり、上記第1側は車両外であり、上記第2側は車両の室内である。
本発明の第3の観点の音制御装置は、所定の位置関係をもって配置された複数の音制御ユニットを有し、上記各音制御ユニットは、第1側と第2側をしきる壁材と、コイルとマグネットを含み、上記壁材の上記第1側および第2側にそれぞれ配置された第1のトランスデューサおよび第2のトランスデューサと、位相器と、を含み、上記第1のトランスデューサおよび第2のトランスデューサのいずれか一方がマイクロフォンとして機能し、他方がスピーカとして機能し、上記位相器は、上記マイクロフォンとしてのトランスデューサにより電気信号に変換された音の位相を調整して上記スピーカとしてのトランスデューサに出力する。
好適には、上記各音制御ユニットの位相器は、位相調整量が可変である。
本発明の第4の観点の音制御装置は、音波を送信する送信機と、上記送信機から送信された音波を受信する受信機と、を有し、上記送信機は、音源と、乱数を発生する第1の乱数発生器と、上記音源による音を上記乱数発生器による乱数で変調する変調部と、上記変調部で変調された音波を出力する第1のスピーカと、を含み、上記受信機は、上記送信機のスピーカから発せられた音波に上記送信機の第1の乱数発生器と同じ乱数を空間的または時間的に混合する混合部と、上記混合部により混合された音を出力する第2のスピーカと、を含む。
好適には、上記第1の乱数発生器と上記第2の乱数発生器との同期をとる同期装置を有する。
本発明の第5の観点の音制御装置は、ヘッドフォンと、上記ヘッドフォンが装着された頭部の向きを検出するためのマーカーと、上記マーカーを撮像する撮像装置と、上記撮像装置で撮像したマーカーから頭部の向きを検出し、向いた方向に音が追従するように位相制御を行う位相制御装置と、上記撮像装置で撮像したマーカーから頭部の向きを検出し、向いた方向に音を追従させて上記ヘッドフォンに音波を出力する複数の音制御ユニットを含む少なくとも一つの音出力部と、を有し、上記音出力部の上記各音制御ユニットは、第1側と第2側をしきる壁材と、コイルとマグネットを含み、上記壁材の上記第1側および第2側にそれぞれ配置された第1のトランスデューサおよび第2のトランスデューサと、位相器と、上記第1のトランスデューサおよび第2のトランスデューサのいずれか一方がマイクロフォンまたは電気信号を入力する装置として機能し、他方がスピーカとして機能し、上記位相器は、上記マイクロフォンとしてのトランスデューサにより電気信号に変換された音の位相を調整して上記スピーカとしてのトランスデューサに出力し、上記位相制御装置は、上記撮像装置で撮像したマーカーから頭部の向きを検出し、当該検出結果に応じて上記位相器の位相調整量を制御する。
本発明によれば、たとえば第1側であるノイズ側の第1のスピーカより超音波を出力することでノイズに変調をかけ超音波領域にシフトさせる。
また、第2側である室内側にはあらかじめこの超音波で変調した音楽を流す。すると、第1側の第1のスピーカで発生させた超音波により第2側の音は可聴領域に復調される。
本発明によれば、突発的なノイズを除去でき、音質の劣化を抑止でき、また、複雑な処理を要することなく特定の対象に対して音を追従させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る音制御装置の構成例を示す図である。
第1の実施形態に係る音制御装置10は、図1に示すように、壁材11、第1のスピーカ12、第2のスピーカ13、超音波発信器14、フィルタ15、音楽信号発生部16、および変調部17を有する。
壁材11は、ノイズ源のある第1側(図中の左側、たとえば外部側)SD11と第2側(図中の右側、たとえば室内側)SD12とを仕切るように配置されている。
そして、壁材11の第1側SD11に第1のスピーカ12が配置され、第2側SD12に第2のスピーカ13が配置されている。
第1のスピーカ12および第2のスピーカ13は、コイルCLとマグネットMGを含むトランスデューサにより形成される。
第1のスピーカ12は、超音波発信器14により超音波信号が供給され、その超音波を出力する。
第2のスピーカ13は、変調部17で変調された超音波信号が供給され、この超音波信号を出力する(発音する)。
超音波発信器14は、音声信号より高周波数の超音波信号を発信し、第1のスピーカ12およびフィルタ15に供給する。
フィルタ15は、第1のスピーカ12から発せられた超音波が壁材11を通過する際の変化と同じ変化を与える機能を有する。
具体的には、フィルタ15は、第1のスピーカ12から発せられた超音波が壁材11を通過する際の周波数特性の変化をシミュレートし、その結果を変調部17に出力する。
変調部17は、フィルタ15で通過し、上記処理を受けた超音波信号を、音楽信号発生部16による音楽信号で変調し、変調した超音波信号を第2のスピーカ13に供給する。
変調部17は、たとえば乗算器により形成される。
本第1の実施形態においては、壁材11にコイルとマグネットにより形成される第1および第2のスピーカ12,13を直接とりつける構成を例に示している。
本第1の実施形態の音制御装置10においては、壁材11の外部側(ノイズ源のある側)である第1側SD11と室内側である第2側SD12に第1のスピーカ12および第2のスピーカ13をそれぞれとりつける。
超音波発信器14の超音波信号の出力を2分し、一方を外部側の第1のスピーカ12に入力させる。もう一方の超音波信号は壁材を通過する際の周波数特性の変化をシミュレートするためのフィルタ15を通った後、変調部17において室内で試聴する音楽信号で変調され室内側の第2のスピーカ13より出力する。
これにより、音制御装置10は、室外のノイズを人間に聞こえない超音波領域へ追い出すことで実現される、いわゆる遮音壁として機能する。
本第1の実施形態の音制御装置10は、小型化することで、図2に示すように、ノイズキャンセラヘッドフォン20に応用することもできる。
既存のノイズキャンセラでは、マイクロフォンとフィルタと反転器と音楽信号との加算器とスピーカによって構成される。
これに対して、遮音壁として機能する本第1の実施形態の音制御装置10は、マイクロフォンは使用しない。壁材11の両側の装置はどちらもスピーカとして機能する。
ノイズ側(壁の左側)の第1のスピーカ12より超音波を出力することでノイズに変調をかけ超音波領域にシフトさせる。
また、室内側(壁の右側)にはあらかじめこの超音波で変調した音楽を流す。すると、第1側SD11のスピーカで発生させた超音波により第2側SD12の音は可聴領域に復調される。
これは、図3に示すように、周波数軸上では、超音波領域の音楽と可聴領域のノイズを交換する形となる。
周波数軸上では、超音波領域の音楽と可聴領域のノイズを交換することができる原理について、図4および図5に関連付けて説明する。
三角関数の積和公式に従って、互いに異なる周波数f1、f2のサイン波同士を掛け算すると、図4に示すように、周波数を足したもの(f1+f2)と引いたもの(f1−f2)が発生する。
Figure 2010041600
したがって、周波数が20〜20kHzの可聴域の音は、たとえば周波数が100kHzの超音波と混合することで、図5に示すように、聞こえない領域にシフトする。
この例では、可聴域の音は、超音波と混合することで、80kHz〜99.98kHz、100.02kHz〜120kHzの聞こえない非可聴域にシフトする。
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、音制御装置10は、壁材11と、壁材11の第1側に配置され、供給される超音波を出力する第1のスピーカ12と、第1のスピーカ12およびフィルタ15に超音波信号を供給する超音波発信器14と、含む。
さらに、音制御装置10は、フィルタ15を通過した超音波信号を音楽信号で変調する変調部17と、変調部17で変調された超音波信号が供給され、この超音波信号を出力する第2のスピーカ13と、を含む。
そして、フィルタ15は、第1のスピーカ15から発せされた超音波が壁材11を通過する際の変化と同じ変化を与える機能を有する。
したがって、本第1の実施形態によれば、マイクロフォンは不要で、人の話し声などの突発的なノイズも除去することができる。
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2の実施形態に係る音制御装置の構成例を示す図である。
第2の実施形態に係る音制御装置30は、図6に示すように、壁材31、マイクロフォン32、スピーカ33、フィルタ34、アンプ35、記憶部としてのメモリ36、情報取得部37、制御装置38、および加算部39を有する。
壁材31は、第1側(図中の左側、たとえば外部側)SD31と第2側(図中の右側、たとえば室内側)SD32とを仕切るように配置されている。
そして、壁材31の第1側SD31にマイクロフォン32が配置され、第2側SD32にスピーカ33が配置されている。
たとえば、本音制御装置30を図7に示すような自動車などの車両40に適用する場合、壁材31が車両40のボディ材41であり、第1側SD31は車両40の外部であり、第2側SD32は車両40の室内である。
マイクロフォン32および第2のスピーカ33は、コイルCLとマグネットMGを含むトランスデューサにより形成される。
マイクロフォン32は、第1側SD31の外部環境音を収音し、出力する。
スピーカ33は、加算部39で加算して得られた信号を出力する(発音する)。
フィルタ34は、環境音が壁材31を通過する際の周波数特性の変化を逆補正し、その逆補正した音信号をアンプ35に出力する。
アンプ35は、フィルタ34の出力信号を適当な振幅に増幅する。
メモリ36には、各種状況に応じて第2側SD32である室内側、たとえば車両の室内
で発生するノイズをあらかじめ測定し、その測定結果が記憶されている。
メモリ36に格納される情報には、たとえば車両40のエンジン音情報等が含まれる。
情報取得部37は、第2側SD32の状況を把握するためのセンサ情報を得る。
センサ情報は、アクセル開度、車速、ギヤ段数、エンジン回転数等が車内のノイズの要因となることを前提として取得される。
すなわち、本第2の実施形態においては、第2側SD32が車両40の室内である場合であって、車内といった特定の環境下ではエンジンなどで発生するノイズが車速、エンジン回転数、ギヤ段数、アクセル開度などによって予測できることを利用する。
制御装置38は、センサ情報を受けて、メモリ36の格納情報を用いて第2側SD32で発生が予想されるノイズを打ち消すキャンセル信号S39を生成し、キャンセル信号S38を加算部39に出力する。
加算部39は、フィルタ34から出力されアンプ35で増幅作用を受けた第1側SD31の環境音と制御装置38によるキャンセル信号S38とを加算し、加算した信号S39をスピーカ33に出力する。
本音制御装置30においては、壁材31の第1側SD31である外部側にマイクロフォン32をとりつけ外部環境音を電気信号に変換した後、外部環境音が壁材を通過する際の周波数特性の変化を逆補正するフィルタ34を通しアンプ35で適当な振幅に増幅する。 一方、各種状況に応じて室内側で発生するノイズをあらかじめ測定しその結果を記憶するメモリ36を用意し、状況を把握するためのセンサからのセンサ情報を制御装置38に送る。
制御装置38は、第2側SD32である室内で発生が予想されるノイズをメモリ36の内容から読み出しあるいは合成し、それを打ち消すような反転信号であるキャンセル信号S38を生成する。
そして、前記の外部環境音と、室内ノイズのキャンセル信号を加算部39で加算し室内側のスピーカ33から出力する。
これにより、音制御装置30は、いわゆる音の透明壁として機能する。
本第2の実施形態の音制御装置30は、自動車などの車内での適応例として説明すると、他車の走行音、自然環境音などの車外の音を取得するのが目的で、ノイズは車内に存在する。車内のノイズとしては、エンジン音、風切り音などをあげることができる。
既存のノイズキャンセラがマイクでノイズを拾うことを特徴にするのに対し、本音制御装置30ではノイズキャンセラ動作自体にはマイクロフォンは使用しない。
本第2の実施形態においては、車内といった特定の環境下ではエンジンなどで発生するノイズが車速、エンジン回転数、ギヤ段数、アクセル開度などによって予測できることを利用する。
このようなエンジンノイズを決める要素をセンサから取り込み、半導体メモリなどの記憶部にあらかじめ録音された情報から、そのときに予想されるエンジンノイズを合成すれば、かなり正確に再現することができる。
このようにして得た車内ノイズからそれを打ち消すような信号を車内に出力すれば車内が静粛化される。
さらにこの車内ノイズ打消し信号に外部マイクで得た車外の音を加えれば、車体が音的に透明になってあたかも存在しないように外部の音が聞こえるようになる。
これにより、後続車の接近を音で感じ取ることで安全性を向上させたり、森林のドライブで小川のせせらぎを聞き取ることが可能になるなどの臨場感の向上が期待できる。
なお、本クレームでは、あらかじめ用意された情報をベースにノイズキャンセラ動作を行うため、複雑な信号処理は必要なく処理時間が問題になることは少ない。
本第2の実施形態によれば、音制御装置30は、壁材31の第1側SD31に配置され、第1側SD31の環境音を出力するマイクロフォン32と、環境音が壁材31を通過する際の周波数特性の変化を逆補正するフィルタ34と、を有する。
音制御装置30は、さらに、状況に応じて第2側SD32で発生するノイズ情報があらかじめ格納されている記憶部としてのメモリ36と、第2側の状況を把握するための情報を得るための情報取得部37と、を含む。
さらに、音制御装置30は、情報取得部37の取得情報を受けて、メモリ36の格納情報を用いて第2側で発生が予想されるノイズを打ち消すキャンセル信号S38を生成する制御装置38を有する。
そして、音制御装置30は、フィルタ34から出力される第1側の環境音と制御装置38によるキャンセル信号とを加算する加算部39と、壁材31の第2側に配置され、加算部39で加算して得られた信号を出力するスピーカ33と、を有する。
したがって、本第2の実施形態によれば、車内が静粛になるだけでなく外部音が聞こえることで安全性やエンターテイメント性が向上する。車内ノイズ情報のメモリ容量を増やすことで、複雑な信号処理はより少なくてすむ。
<第3実施形態>
図8は、本発明の第3の実施形態に係る音制御装置の構成例を示す図である。
第3の実施形態に係る音制御装置50は、図8に示すように、所定の位置関係をもって配置された複数nの音制御ユニット50−1,・・50−nを有する。図8の例ではn=2である。
図8の例において、音制御ユニット50−1,50−2が図中の縦方向に所定間隔をあけて一直線上になるような所定の位置関係をもって配置されている。より具体的には、音制御ユニット50−1,50−2は、構成要素として含む壁材が一直線上になるように所定の位置関係をもって配置されている。
音制御ユニット50−1,50−2は、図8に示すように、壁材51、第1のトランスデューサ52、第2のトランスデューサ53、および位相器54を有する。
壁材51は、第1側(図中の左側、たとえば外側)SD51と第2側(図中の右側、たとえば内側)SD52とを仕切るように配置されている。
そして、壁材51の第1側SD35に第1のトランスデューサ52が配置され、第2側SD52に第2のトランスデューサ53が配置されている。
第1のトランスデューサ52および第2のトランスデューサ53は、コイルCLとマグネットMGを含む。第1のトランスデューサ52および第2のトランスデューサ53のいずれか一方がマイクロフォンとして機能し、他方がスピーカとして機能する。
本実施形態においては、たとえば第1のトランスデューサ52がマイクロフォンとして機能し、第2のトランスデューサ53がスピーカとして機能する。
位相器54は、マイクロフォンとして機能する第1のトランスデューサ52とスピーカとしての機能する第2のトランスデューサ53との間に接続されている。
位相器54は、マイクロフォンとしての第1のトランスデューサ52により電気信号に変換された音の位相を調整してスピーカとしての第2のトランスデューサ53に出力する。
位相器54は、位相調整量が可変である。
この位相器54は、たとえばアンプにより構成される。
本第3の実施形態に係る音制御装置50は、壁材51の第1側(外部側)SD51と第2側(内部側)SD52にコイルCLとマグネットMGからなるトランスデューサ52,53を配置し、一方をマイクロフォンとし、他方をスピーカとして機能させる。
そして、マイクロフォンによって電気信号に変換された音の位相を調整する位相器54を経てスピーカに入力する。
図9に示すように、このような構成の音制御ユニット50−1,50−2、・・、50−nを複数用意することで、いわゆる音のレンズが実現される。
音制御装置50においては、音の方向を変化させることもでき、位相器54を付け換えることで、音の角度だけでなく入出力方向を変えることも可能である。
より具体的には、音制御装置50において、マイクロフォンとスピーカの役割とそれらをつなぐアンプを瞬時に変えることで音の方向を入れ替えることができる。
また、このセットを複数用いることで、音の方向を曲げたり、レンズのように収束させることができる。これらはマイクロフォンとスピーカの間に設けたアンプで位相(遅延)を調整することで行われる。
たとえば、光学レンズではその材質(ガラスなど)によって光が屈折することを利用して集光させているが、これはガラス中で光速が低下することによる位相合成と同じことになる。
図10(A),(B)は、第3の実施形態に係る音制御装置による音の方向を制御する例を示す図である。
図10(A)に示すように、音制御ユニット50−1,50−2の位相器54の位相調整量を同じにして同位相とすることで音を直進させることができる。
図10(B)に示すように、音制御ユニット50−1,50−2の位相器54の位相調整量を異ならせて異位相とすることで音の方向を所定角度曲げることができる。
本第3の実施形態によれば、音制御装置50は、所定の位置関係をもって配置された複数の音制御ユニット50−1〜50−nを有する。
各音制御ユニット50−1〜50−nは、コイルとマグネットを含み、壁材51の第1側SD51および第2側SD52にそれぞれ配置された第1のトランスデューサ52および第2のトランスデューサ53と、位相器54と、を含む。
そして、第1のトランスデューサ52および第2のトランスデューサ53のいずれか一方がマイクロフォンとして機能し、他方がスピーカとして機能する。位相器54は、マイクロフォンとしてのトランスデューサにより電気信号に変換された音の位相を調整してスピーカとしてのトランスデューサに出力する。
したがって、本第3の実施形態によれば、超音波の指向性を利用したものに比べ音質の劣化が少なくてすむ。電気的制御なので音の方向を一瞬にして変更できる。
<第4実施形態>
図11は、本発明の第4の実施形態に係る音制御装置の構成例を示す図である。
図12は、図11の受信機の構成例を示す図である。
第4の実施形態に係る音制御装置60は、図11に示すように、音波を送信する送信機61と、送信機から送信された音波を受信する受信機62と、を有する。
受信機62は、たとえばヘッドフォンにより形成される。
送信機61は、図11に示すように、音源611、第1の乱数発生器612、変調部613、および第1のスピーカ614を含む。
第1の乱数発生器612は乱数1を発生し、変調部613に出力する。
変調部613は、音源611による音を乱数発生器612による乱数1で変調し、変調した音波を第1のスピーカ614に出力する。
第1のスピーカ614は、変調部613で変調された音波を出力する。
変調部613は、たとえば乗算器により形成される。
受信機62は、マイクロフォン(MIC)621、アンプ622、第2の乱数発生器623、混合器624、アンプ625、第2のスピーカ626、およびスケルチ回路627を含む。
マイクロフォン621は、送信機61のスピーカ614から発せられた音波を収音し、アンプ622に出力する。
アンプ622は、マイクロフォン621の出力を所定の振幅に増幅し混合器624に出力する。
第2の乱数発生器623は、同期信号SYNCに同期して送信機61の第1の乱数発生器612と同じ乱数1を発生可能であり、発生した乱数を混合器624に出力する。
混合器624は、アンプ622を介したマイクロフォン621で収音した音波に第2の乱数発生器623による乱数を混合し、アンプ625に出力する。
アンプ625は、混合器624の出力を所定の振幅に増幅し第2のスピーカ626に出力する。
第2のスピーカ626は、アンプ625を介した混合器624により混合された音を出力する。
なお、たとえば受信機62がヘッドフォンで形成される場合、第2のスピーカ623が両耳用に1対、すなわち2個設けられる。この場合、マイクロフォン621、第2の乱数発生器623等は共用することが可能である。
なお、後述するように、音制御装置60は、送信機61側の第1の乱数発生器612と受信機62側の第2の乱数発生器623との同期をとる同期装置を有する。
このように、第4の実施形態に係る音制御装置60は、音源をある特定の乱数で変調しスピーカより出力する送信機61と、それぞれ別個の乱数発生器612,623と、送信機61の第1の乱数発生器612と同期をとる同期装置を含んで構成される。
送信機61より送られた音波をマイクロフォン621で受け、第2の乱数発生器623による乱数との乗算を行う混合器624、あるいは乱数を発生させ空間上で混合を行うスピーカを持つヘッドフォンからなるワイヤレスヘッドホンシステムが実現される。
この音制御装置60においては、受信機62で乱数系列が送信機61と同じヘッドフォンのみ元の音源の音が正しく再生される。
ここで、上述したようなワイヤレスヘッドフォンについて説明する。
前述した実施形態のように、壁材とスピーカのセットを壁で分離すればワイヤレスヘッドフォンになる。
本実施形態では、超音波をキャリアとして使うものではない。すなわち、本実施形態においては、単純な超音波ではなく乱数を使う。
音声信号より高い周波数(=超音波領域)の乱数で音声信号を変調することでそのままでは聞こえない状態で空気中に放出し、受け側のヘッドフォンでは送り側と同じ乱数を発生させたスピーカを用意して復調を行う。
こうすると同じ乱数系列をもつヘッドフォンのみが音声信号を再生することになる。
図13(A),(B)は、受信機で送信機と同じ乱数を用いる場合と異なる乱数を用いる場合の再生状態を説明するための図である。
また、図14は、受信機で送信機と同じ乱数を用いる場合と異なる乱数を用いる場合の再生状態を説明するための波形図である。
図13(A)に示すように、受信機62側で送信機61側と同じ乱数1を用いて復調すると、受信機62で乱数系列が送信機61と同じヘッドフォンのみ元の音源の音が正しく再生される。
これに対して、図13(B)に示すように、受信機62側で送信機61側と異なる乱数2を用いて復調すると、ノイズのみ聞こえるようになる。
このノイズがヘッドフォン装着時に不快感を与える場合は、図12に示すように、一定レベル以下の信号をノイズとみなしてスピーカ音量を下げるスケルチ回路を挿入してもよい。
さらに詳細に説明すると次のようになる。
図14(a)に示すような原音に、図14(b)に示すような乱数1を掛けると、図14(c)に示すように変調波1が生成される。そして、図14(d)に示すように、同じ乱数1をもう一度掛けると、図14(e)に示すように、復調波1は原音と同じになる。
一方、図14(A)に示すような原音に、図14(B)に示すように乱数2を掛けてつくった図14(C)に示すような変調波2に、図14(D)に示すような乱数1を掛けても図14(E)に示すように復調波2は原音と同じにならない。
上述したように、乱数は同期している必要があるが、これには、光など別の信号経路を利用する方法、送信側である長さの固定の乱数を周期的に使いそれを検出する方法などを採用することが可能である。
図15は、光を用いた同期装置を有する音制御装置の一例を示す図である。
図16は、図15の音制御装置のタイミングチャートを示す図である。
この例では、送信機61において第1の乱数発生器612に発光ダイオード615が接続され、受信機62において第2の乱数発生器623にフォトトランジスタ627が接続されている。
この場合、たとえば図16に示すように、送信機61側において発光ダイオード615を乱数の先頭で発光される。
この光が受信機62側のフォトトランジスタ627で受光され、これを同期信号SYNCとして第2の乱数発生器623が乱数の発生を開始する。
原理的には、1回同期がとれればよいが、実際には同期に失敗したり、長時間立つと同期がずれてしまう可能性があることから、あらかじめ決められた間隔で繰り返し同期をとることになる。
図17は、乱数に目印をつけて同期をとる同期装置を有する音制御装置の一例を示す図である。
図18は、図17の音制御装置のタイミングチャートを示す図である。
図19は、受信機側に設けられる相関器の構成例を示す図である。
図20は、図19の相関器のタイミングチャートである。
この音制御装置60Bは、送信機61において乱数1の先頭部分を目印MKとしてあらかじめ決めておいたパターンとして生成される。
受信機62において、マイクロフォン621と第2の乱数発生器623との間に相関器628が接続されている。
受信機62において、(1)目印発見処理(探索処理)、(2)乱数1発生、(3)目印確認処理が行われる。
この場合、図19に示すように、あらかじめ規定された時間ごとに相関器628の出力パルスが出力されていれば同期がとれている。相関器628の出力パルスが出力されていなければ、目印MKの発見処理から繰り返す。
相関器628は、図19に示すように、乗算器6281、ハイパスフィルタ(HPF)6282、レベルメータ6283、および判定器6284を有する。
相関器628において、マイクロフォン621の出力に対して乗算器6281で目印MKが掛け合わされる。
ここで目印が一致しない場合には、高域成分が残ってしまう。図20に示すように、これをHPF6282で高域成分の抽出処理が行われ、そのレベルがレベルメータで検出され、このレベルが判定器6284で判定される。判定器6284で目印が一致したと判定された場合に同期がとれているものとして同期信号SYNCが第2の乱数発生器623に出力される。
本第4の実施形態によれば、音制御装置60は、音波を送信する送信機61、および送信機61から送信された音波を受信する受信機62、を有する。
送信機61は、音源611と、乱数を発生する第1の乱数発生器612と、記音源による音を第1の乱数発生器による乱数で変調する変調部613と、変調部613で変調された音波を出力する第1のスピーカ614と、を含む。
受信機62は、送信機61のスピーカから発せられた音波を収音するマイクロフォン621と、送信機の第1の乱数発生器612と同じ乱数を発生可能な第2の乱数発生器623と、を含む。更に、受信機62は、マイクロフォン621で収音した音波に第2の乱数発生器623による乱数を混合する混合器624と、混合器624により混合された音を出力する第2のスピーカ626と、を含む。
したがって、第4の実施形態によれば、複数人がそれぞれ任意の方向に移動しているようなケースでも、特定の人のみに音を聞かせることができる。左右のスピーカの乱数系列を変えればステレオで送ることもできる。
<第5実施形態>
図21は、本発明の第5の実施形態に係る音制御装置の構成例を示す図である。
第5の実施形態に係る音制御装置70は、図21に示すように、ヘッドフォン71、ヘッドフォン71が装着された頭部HDの向きを検出するためのマーカー72、マーカー72を撮像する撮像装置73、位相制御装置74、および音出力部75−1,75−2を有する。
撮像装置73は、CCDやCMOSセンサ等の固体撮像素子を用いたカメラにより構成される。
位相制御装置743は、撮像装置73で撮像したマーカー72から頭部HD、たとえば顔の向きを検出し、向いた方向に音が追従するように音出力部75−1,75−2を構成する音制御ユニット751〜75nの位相器の位相を制御する。
音出力部75−1,75−2は、位相制御装置74の位相制御に基づいて、撮像装置73で撮像したマーカー72から頭部HD、たとえば顔が向いた方向に音を追従させてヘッドフォン71に音波を出力する。
各音制御ユニット751〜75nは、第3の実施形態で説明した音制御装置の音制御ユニットと同様の構成を有する。
すなわち、音制御ユニット751〜75nは、理解を容易にするために、図8および図9に関連付けて説明すると、以下の構成を有する。
音制御ユニット751〜75nは、図8に示すように、壁材51、第1のトランスデューサ52、第2のトランスデューサ53、および位相器54を有する。
壁材51は、第1側(図中の左側、たとえば外側)SD51と第2側(図中の右側、たとえば内側)SD52とを仕切るように配置されている。
そして、壁材51の第1側SD35に第1のトランスデューサ52が配置され、第2側SD52に第2のトランスデューサ53が配置されている。
第1のトランスデューサ52および第2のトランスデューサ53は、コイルCLとマグネットMGを含む。第1のトランスデューサ52および第2のトランスデューサ53のいずれか一方がマイクロフォンとして機能し、他方がスピーカとして機能する。
本実施形態においては、たとえば第1のトランスデューサ52がマイクロフォンとして機能し、第2のトランスデューサ53がスピーカとして機能する。
位相器54は、マイクロフォンとして機能する第1のトランスデューサ52とスピーカとしての機能する第2のトランスデューサ53との間に接続されている。
位相器54は、マイクロフォンとしての第1のトランスデューサ52により電気信号に変換された音の位相を調整してスピーカとしての第2のトランスデューサ53に出力する。
位相器54は、位相制御装置74の制御により位相調整量が可変である。
この位相器54は、たとえばアンプにより構成される。
このような構成の音制御ユニット751〜75nを複数有する音出力部75−1,75−2を用意することで、いわゆる音のレンズが実現され、音の方向を変化させることもでき、位相器54を付け換えることで、音の角度だけでなく入出力方向を変えることも可能である。
このように、第5の実施形態の音制御装置70は、装着した人の顔の向きが検出できるようにあらかじめマーカー72をつけたヘッドフォン71と、そのマーカー72を検出するカメラ73を用意し、第3の実施形態で説明した音のレンズを用いて人間の耳の位置に向けて音信号を供給する装置として構成されている。
ここで、第5の実施形態の音制御装置70におけるビームフォーカスについて説明する。
人間が移動したり、首を振った場合にそれに追従して音源を移動あるいは固定させるためには、人間の位置や顔の向きを知ることと、耳に向けて正確に音を送り込む必要がある。
これには人間の顔面認識を行う必要があるが、もっと簡便に耳の位置がわかるようなマーカーをつけたヘッドフォンを装着してもらい、カメラでそれを検出することでも可能となる。
耳に音を送る方法としては、超音波スピーカの超指向性を利用する方法の他に、本実施形態のように第3の実施形態で説明した音のレンズを使用しても良い。その場合、ヘッドフォンはマーカーだけでよく、専用のイヤリングといったものでも代用できる。
本第5の実施形態によれば、車内の運転者やゲームプレイヤーなど、顔の向きが刻々と変わるような状況下でも、顔の真正面に常に音を追従させたり、逆に音源が常に同じ位置にあるように聞こえさせるなど、目的に応じて自由に設定することができる。
<第6実施形態>
本第6の実施形態においては、各種センサからの情報を、音の位相差(x軸方向を表現)、音程(y軸方向を表現)、音量(色に相当するものを表現)によって表現し、頭の中で2次元ディスプレイを思い浮かべることで情報を得る音のスクリーンを形成するシステムについて説明する。
ここでは、音スクリーンについて説明する。
たとえばカーナビゲーション(以下、カーナビという)のような走行中に運転者に色々な情報を伝達する装置としては液晶ディスプレイが代表的なものである。
ただし、前方の景色とディスプレイの視線移動は危険発見の遅れの原因となることもありできるだけないほうが良い。そこで、戦闘機などで用いられる HUD(Head Up Display)を使ってフロントガラスに情報を投影する方法があるが高価なためほとんど普及していない。
本第6の実施形態においては、音によってより多くの情報を表現する手段を提供するものである。音の位相差(左右つまりX軸を表現する)、音程(高低つまりY軸を表現する)、音量(視覚の色に相当する表現を行う)の3つのパラメータを用いて情報の表現を行う。非常に画素の荒い白黒テレビを音で表現しようとするようなものである。
図22は、第6の実施形態に適用可能な音制御装置の構成例を示す図である。
この音制御装置80は、制御装置81、第1の音源82、第2の音源83、第1のスピーカ84、および第2のスピーカ85を有する。
たとえば、1kHzのサイン波を左右のスピーカから出力する。その際、左右の位相差なし、周波数は中くらい(中心をあらわす)から、右のスピーカ側の音の位相を早くし(遅延を少なくする)、周波数を高くすれば、自分の真正面から右上に線が引かれるように聞こえる。
これを自車の上方からの図が描かれた液晶ディスプレイで、中心から右上に矢印が引かれたと考えれば、自車の右前方に何かあるというサインとなる。このようにして、図23に示すように、○や△などの簡単な図形や、線が表現できる。また、音量を変えることで重要度表現することもできる。
一般的に、危険の接近やカーナビの右左折のポイントを実際の方向から音が聞こえてくることで指示するものは知られているが、本第6の実施形態に係る音制御装置80は、頭の中でいったん画像として認識させることを目的としている。
本構成を実現するにあたり、運転者の耳を狙って音を送り込む必要がある。有線のヘッドフォンを使用するのが一番簡単である。
したし、第5の実施形態で説明したビームフォーカスを利用すると無線化できる。
また、第4の実施形態で説明したワイヤレスヘッドフォンを応用すれば、マーカーや顔認識は必要ない。
つまり、運転者が装着するヘッドフォンの右スピーカと左スピーカの乱数系列を変えておけば、運転者の頭の向きに関係なく左右の音が耳に届くことになる。
以上説明した音制御装置のうち、第1の実施形態に係る音制御装置は遮音壁として機能し、第2〜第6の実施形態で構成される車載システムの2つに大きく分けて説明した。
第1の実施形態においては、比較的ノイズの少ない高周波数領域と交換することで環境ノイズを削減するものであり、フィードバックがないことから人の話し声などの突発的なノイズに対しても有効である。
第2〜第6の実施形態に関する発明を、マイクロフォンを使わないメモリ式ノイズキャンセラで車内を静粛にし、音の透明壁でとらえた外部音と、カーステレオなどの車内音楽と、音スクリーンによる情報表示を組み合わせることも可能である。
また、マーカーか顔面検出で得た顔の向きにあわせて、超音波による指向性スピーカか、音のレンズ、あるいはワイヤレスヘッドフォンで特定の情報を特定の者にだけ聞かせるシステムを実現している。
ここで、第1〜第6の実施形態による効果をまとめると以下のようになる。
第1の実施形態によれば、マイクロフォンは不要で、人の話し声などの突発的なノイズも除去できる。
第2の実施形態によれば、車内が静粛になるだけでなく外部音が聞こえることで安全性やエンターテイメント性が向上する。車内ノイズ情報のメモリ容量を増やすことで、複雑な信号処理はより少なくてすむ。
第3の実施形態によれば、超音波の指向性を利用したものに比べ音質の劣化が少なくてすむ。電気的制御なので音の方向を一瞬にして変更できる。
第4の実施形態によれば、複数人がそれぞれ任意の方向に移動しているようなケースでも、特定の人のみに音を聞かせることができる。左右のスピーカの乱数系列を変えればステレオで送ることもできる。
第5の実施形態によれば、車内の運転者やゲームプレイヤーなど、顔の向きが刻々と変わるような状況下でも、顔の真正面に常に音を追従させたり、逆に音源が常に同じ位置にあるように聞こえさせるなど、目的に応じて自由に設定することができる。
第6の実施形態によれば、運転中の視線移動がなくなる。3次元(位相差、音程、音量)で表現することで簡単な図形を頭の中で描画できるなど、単なる警告音より高度な表現ができる。
本発明の第1の実施形態に係る音制御装置の構成例を示す図である。 図1の音制御装置の適用例としてのノイズキャンセルヘッドフォンを示す図である。 第1の実施形態において、周波数軸上で超音波領域の音楽と可聴領域のノイズを交換する形となることを示す図である。 互いに異なる周波数のサイン波同士を掛け算すると周波数を足したものと引いたものが発生することを説明するための図である。 可聴域の音は、超音波と混合することで非可聴域にシフトすることを説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る音制御装置の構成例を示す図である。 本実施形態に係る音制御装置が適用される車両の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る音制御装置の構成例を示す図である。 第3の実施形態において音のレンズを形成する好適な例を示す図である。 第3の実施形態に係る音制御装置による音の方向を制御する例を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る音制御装置の構成例を示す図である。 図11の受信機の構成例を示す図である。 受信機で送信機と同じ乱数を用いる場合と異なる乱数を用いる場合の再生状態を説明するための図である。 受信機で送信機と同じ乱数を用いる場合と異なる乱数を用いる場合の再生状態を説明するための波形図である。 光を用いた同期装置を有する音制御装置の一例を示す図である。 図15の音制御装置のタイミングチャートを示す図である。 乱数に目印つけて同期をとる同期装置を有する音制御装置の一例を示す図である。 図17の音制御装置のタイミングチャートを示す図である。 受信機側に設けられる相関器の構成例を示す図である。 図19の相関器のタイミングチャートである。 本発明の第5の実施形態に係る音制御装置の構成例を示す図である。 第6の実施形態に適用可能な音制御装置の構成例を示す図である。 第6の実施形態においてカーナビの方向指示や危険の表示などのイメージを示す図である。
符号の説明
10,30,50,60,70,80・・・音制御装置、11・・壁材、12・・・第1のスピーカ、13・・・第2のスピーカ、14・・・超音波発信器、15・・・フィルタ、16・・・音楽信号発生部、17・・・変調部、31・・・壁材、32・・・マイクロフォン、33・・・スピーカ、34・・・フィルタ、35・・・アンプ、36・・・記憶部としてのメモリ、37・・・情報取得部、38・・・制御部、39・・・加算部、音制御ユニット50−1〜50−n・・・音制御ユニット、51・・・壁材、52・・・第1のトランスデューサ、53・・・第2のトランスデューサ、54・・・位相器、61・・・送信機、62・・・受信機、611・・・音源、612・・・第1の乱数発生器、613・・・変調部、614・・・第1のスピーカ614、621・・・マイクロフォン(MIC)、622・・・アンプ、623・・・第2の乱数発生器、624・・・混合器、625・・・アンプ、626・・・第2のスピーカ、71・・・ヘッドフォント、72・・・マーカー、73・・・撮像装置、74・・・位相制御装置、75−1,75−2・・・音出力部。

Claims (9)

  1. 第1側と第2側をしきる壁材と、
    フィルタと、
    上記壁材の第1側に配置され、供給される超音波を出力する第1のスピーカと、
    上記第1のスピーカおよび上記フィルタに超音波信号を供給する超音波発信器と、
    上記フィルタを通過した超音波信号を音楽信号で変調する変調部と、
    上記変調部で変調された超音波信号が供給され、当該超音波信号を出力する第2のスピーカと、を含み、
    上記フィルタは、
    上記第1のスピーカから発せられた超音波が上記壁材を通過する際の変化と同じ変化を与える機能を有する
    音制御装置。
  2. 上記フィルタは、
    上記第1のスピーカから発せられた超音波が上記壁材を通過する際の周波数特性の変化をシミュレートする
    請求項1記載の音制御装置。
  3. 第1側と第2側をしきる壁材と、
    上記壁材の第1側に配置され、当該第1側の環境音を出力するマイクロフォンと、
    上記環境音が上記壁材を通過する際の周波数特性の変化を逆補正するフィルタと、
    状況に応じて上記第2側で発生するノイズ情報があらかじめ格納されている記憶部と、
    上記第2側の状況を把握するための情報を得るための情報取得部と、
    上記情報取得部の取得情報を受けて、上記記憶部の格納情報を用いて上記第2側で発生が予想されるノイズを打ち消すキャンセル信号を生成する制御部と、
    上記フィルタから出力される上記第1側の環境音と上記制御部によるキャンセル信号とを加算する加算部と、
    上記壁材の第2側に配置され、上記加算部で加算して得られた信号を出力するスピーカと
    を有する音制御装置。
  4. 上記壁材は車両の壁材であり、
    上記第1側は車両外であり、
    上記第2側は車両の室内である
    請求項3記載の音制御装置。
  5. 所定の位置関係をもって配置された複数の音制御ユニットを有し、
    上記各音制御ユニットは、
    第1側と第2側をしきる壁材と、
    コイルとマグネットを含み、上記壁材の上記第1側および第2側にそれぞれ配置された第1のトランスデューサおよび第2のトランスデューサと、
    位相器と、を含み、
    上記第1のトランスデューサおよび第2のトランスデューサのいずれか一方がマイクロフォンとして機能し、他方がスピーカとして機能し、
    上記位相器は、
    上記マイクロフォンとしてのトランスデューサにより電気信号に変換された音の位相を調整して上記スピーカとしてのトランスデューサに出力する
    音制御装置。
  6. 上記各音制御ユニットの位相器は、
    位相調整量が可変である
    請求項5記載の音制御装置。
  7. 音波を送信する送信機と、
    上記送信機から送信された音波を受信する受信機と、を有し、
    上記送信機は、
    音源と、
    乱数を発生する第1の乱数発生器と、
    上記音源による音を上記乱数発生器による乱数で変調する変調部と、
    上記変調部で変調された音波を出力する第1のスピーカと、を含み、
    上記受信機は、
    上記送信機のスピーカから発せられた音波に上記送信機の第1の乱数発生器と同じ乱数を空間的または時間的に混合する混合部と、
    上記混合部により混合された音を出力する第2のスピーカと、を含む
    音制御装置。
  8. 上記第1の乱数発生器と上記第2の乱数発生器との同期をとる同期装置を有する
    請求項7記載の音制御装置。
  9. ヘッドフォンと、
    上記ヘッドフォンが装着された頭部の向きを検出するためのマーカーと、
    上記マーカーを撮像する撮像装置と、
    上記撮像装置で撮像したマーカーから頭部の向きを検出し、向いた方向に音が追従するように位相制御を行う位相制御装置と、
    上記撮像装置で撮像したマーカーから頭部の向きを検出し、向いた方向に音を追従させて上記ヘッドフォンに音波を出力する複数の音制御ユニットを含む少なくとも一つの音出力部と、を有し、
    上記音出力部の上記各音制御ユニットは、
    第1側と第2側をしきる壁材と、
    コイルとマグネットを含み、上記壁材の上記第1側および第2側にそれぞれ配置された第1のトランスデューサおよび第2のトランスデューサと、
    位相器と、
    上記第1のトランスデューサおよび第2のトランスデューサのいずれか一方がマイクロフォンまたは電気信号を入力する装置として機能し、他方がスピーカとして機能し、
    上記位相器は、
    上記マイクロフォンとしてのトランスデューサにより電気信号に変換された音の位相を調整して上記スピーカとしてのトランスデューサに出力し、
    上記位相制御装置は、
    上記撮像装置で撮像したマーカーから頭部の向きを検出し、当該検出結果に応じて上記位相器の位相調整量を制御する
    音制御装置。
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