JP2010041544A - 無線装置、および無線装置の制御方法 - Google Patents

無線装置、および無線装置の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010041544A
JP2010041544A JP2008203928A JP2008203928A JP2010041544A JP 2010041544 A JP2010041544 A JP 2010041544A JP 2008203928 A JP2008203928 A JP 2008203928A JP 2008203928 A JP2008203928 A JP 2008203928A JP 2010041544 A JP2010041544 A JP 2010041544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radio
wireless
antenna elements
arrival
weighting factor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008203928A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Toshimitsu
清 利光
Noritaka Deguchi
典孝 出口
Hideo Kasami
英男 笠見
Takahiro Kobayashi
崇裕 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2008203928A priority Critical patent/JP2010041544A/ja
Publication of JP2010041544A publication Critical patent/JP2010041544A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

【課題】キャリアセンスを行うための演算量の増大を抑制させながら、キャリアセンスに要する時間を短縮することを可能とする。
【解決手段】
信号送信前にキャリアセンスする無線装置であって、キャリアセンスに使用するアンテナ素子1〜nと重み係数との組を複数記憶する手段61と、記憶されているものの中からアンテナ素子1〜nと重み係数との組を選択する手段62と、選択したアンテナ素子1〜nと重み係数との組にしたがってある方向からの電波を検出する手段40とを備え、アンテナ素子1〜nと重み係数との組み合わせから定まるビーム利得は複数種類あることを特徴とする無線装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無線装置、および無線装置の制御方法に関するものである。
パケットの衝突を防止する技術として、キャリアセンスが知られている。キャリアセンスは、無線LAN(IEEE802.11規格など)のアクセス方式に採用されている。
キャリアセンスとは、無線装置が、パケットを送信する前に、無線チャネルが他の無線装置によって既に使用されているか否かを検出する技術である。無線装置は、他の無線装置が無線チャネルを使用している場合は、パケットの送信を抑制する。無線装置は、他の無線装置が無線チャネルを使用していない場合は、パケットを送信する。
無線の通信品質を向上させる技術として、指向性アンテナを用いる技術が知られている。指向性アンテナを用いることによって、信号対雑音特性(SNR:Signal To Noise Ratio)や、信号対干渉特性(SIR:Signal to Interference Ratio)を改善することができる。
特許文献1には、指向性アンテナを用いてキャリアセンスする方式が開示されている。特許文献1に開示される技術は、複数の指向性アンテナを用いて全方向のキャリアセンスを同時に行うものである。無線装置は、キャリアセンス後、指向性アンテナを用いてパケットを送信する。
特許文献2には、特定の方向のみをキャリアセンスする方式が報告されている。特許文献2に開示される技術は、電波を送信する送信方向と、その反対方向のみのキャリアセンスを行うものである。無線装置は、両方の方向から、他の無線装置からの信号を検出しない場合にのみ、パケットを送信する。
特開平9−247187号公報 特開2002‐57677号公報
ビームフォーミング方式で、特定の方向に対するキャリアセンスを行うためには、キャリアセンスに使用するアンテナ数や、アンテナごとの重み係数を制御する必要がある。
ビームフォーミング方式で全方向のキャリアセンスを短時間で行うためには、複数の方向に対するキャリアセンスを同一時刻に行う必要があり、従来の技術では、アンテナ数を増やすか、演算処理部の高速化が必要であった。
しかし、アンテナ数を増大させれば、コストの増大やサイズの増大が問題となる。また、演算処理部の高速化させれば、コストの増大や消費電力の増大などが問題となる。
さらに、ビームフォーミング方式で全方向のキャリアセンスに要する時間が長くなればなるほど、他の無線装置によるパケットの送信が開始されているにも関わらず、無線チャネルが使用されていないと誤判断してしまう可能性が増大し、通信品質を劣化させるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、キャリアセンスを行うための演算量の増大を抑制させながら、キャリアセンスに要する時間を短縮することを可能とする無線装置、および無線装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る無線装置は、複数のアンテナ素子を用いて無線通信を行う無線装置であって、無線信号を送信する前に、他の無線装置によって無線チャネルが使用されているか否かを判定する判定手段と、前記アンテナ素子の1つ以上を用いて、ある方向から到来する電波を検出する検出手段と、前記検出手段が検出する電波の到来方向と、当該到来方向ごとに電波を検出するためのビーム利得とを設定する設定手段とを備え、前記到来方向ごとに設定される前記ビーム利得は、複数種類あり、前記検出手段は、前記到来方向と前記ビーム利得とに従って前記到来方向ごとに電波を検出することを特徴とする。
本発明は、キャリアセンスを行うための演算量の増大を抑制させながら、キャリアセンスに要する時間を短縮することを可能とする。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る無線装置STA1の構成を示すブロック図である。
第1の実施形態に係る無線装置STA1は、n(nは2以上の整数)個のアンテナ素子1〜nと、n個の送受信切替スイッチ20と、ビーム形成部30と、ビーム制御部60と、キャリアセンス部70とを備える。ビーム形成部30は、受信ビーム形成部40と、送信ビーム形成部50とを有する。受信ビーム形成部40は、合成部41と、n個の重み付け処理部42_1〜42_nとを有する。送信ビーム形成部50は、分配部51と、n個の重み付け処理部52_1〜52_nとを有する。ビーム制御部60は、重み係数記憶部61と、重み係数選択部62とを有する。
アンテナ素子1〜nは、送受信共用である。アンテナ素子1〜nは、それぞれ送受信切替スイッチ20と接続される。アンテナ素子1〜nは、送受信切替スイッチ20によって、時間的に送信と受信を切り替えて使用される。なお、第1の実施形態において、アンテナ素子1〜nは、送受信共用であっても、送信専用または受信専用であっても良い。
図2は、アンテナ素子1〜nを示す図である。なお、図2は、アンテナ素子の数nが16個の例である。無線装置STA1は、図2のように、アンテナ素子1,2,3,4のみを使用して指向性を有するビーム(以下、指向性ビーム)1を形成する。無線装置STA1は、図2のように、アンテナ素子5,6,7,8のみを使用して指向性ビーム2を作成する。
送受信切替スイッチ20は、送信ビーム形成部50の出力信号をアンテナ素子1〜nへ出力するか、アンテナ素子1〜nからの無線信号を受信ビーム形成部40へ出力するか、を切り替える。
受信ビーム形成部40は、各アンテナ素子1〜nで受信された無線信号を合成して、受信部(図示せず)へ出力する。受信ビーム形成部40の重み付け処理部42_1〜42_nは、ビーム制御部60の制御に従い、各アンテナ素子1〜nで受信された無線信号を増幅および位相シフトを行う。受信ビーム形成部40の合成部41は、重み付け処理部42_1〜42_nから出力された信号を合成する。
送信ビーム形成部50は、送信部(図示せず)から出力された信号に対してビーム形成処理を行い、アンテナ素子1〜nへ出力する。送信ビーム形成部50の分配部51は、送信部から出力された信号をn個に分配し、それぞれ重み付け処理部52_1〜52_nへ出力する。送信ビーム形成部50の重み付け処理部52_1〜52_nは、ビーム制御部60の制御に従い、分配された信号を増幅および位相シフトを行う。
ビーム制御部60は、送信、受信、あるいはキャリアセンスに用いるアンテナ素子や重み係数に従い、受信ビーム形成部40の重み付け処理部42_1〜42_n、および送信ビーム形成部50の重み付け処理部52_1〜52_nの処理内容を制御する。
図3は、重み係数記憶部61の記憶内容を示す図である。なお、指向性ビームM(BeamM)(Mは2以上の整数)を形成する際のアンテナ素子N(Antenna#N)(Nは2以上の整数)へ出力する信号の重み係数(増幅率、位相シフト量など)を“WM,N”で示す。重み係数“0”とは、そのアンテナ素子は使用しないことを示す。
例えば、図3の1行目“Beam1”は、指向性ビーム1(Beam1)を形成する際にアンテナ1〜4を使用すること、アンテナ1へ出力する信号の重み係数は“W1,1”であること、・・・アンテナ4へ出力する信号の重み係数は“W1,4”であること、を示す。以下では、各ビームを形成するための重み係数を、“ビームの重み係数”(たとえば、Beam1の重み係数など)と呼ぶ。ビームAの重み係数は、そのビーム利得をxとした場合に、“Wx_A”と記載する。
ビーム利得とは、指向性アンテナのアンテナ利得のことであり、アンテナ利得は「被試験アンテナと基準アンテナに同一電力を加えた場合の、最大電界方向での受信電力の比」として定義される。
重み係数選択部62は、重み係数記憶部61に記憶された重み係数の中から、送信、受信、あるいはキャリアセンスに使用する重み係数を選択する。ビーム制御部60は、重み係数選択部62による“送信に使用する重み係数”の選択結果に従い、送信ビーム形成部50の重み付け処理部52_1〜52_nを制御する。ビーム制御部60は、重み係数選択部62による“受信またはキャリアセンスに使用する重み係数”の選択結果に従い、受信ビーム形成部40の重み付け処理部42_1〜42_nを制御する。
重み係数選択部62は、例えば、重み係数記憶部61に記憶された各ビームの重み係数のうち、通信相手である無線装置から受信する信号のSNR(信号対雑音比)が最大となるビームの重み係数を“送信に使用する重み係数”、“受信に使用する重み係数”として選択する。なお、重み係数選択部62は、送信、受信、あるいはキャリアセンスに使用する重み係数を、そのほかの方法で選択しても良い。
送信部は、上位層処理部から出力されたデータであって、MAC層関連および物理層関連の処理がなされたデータに対して、D/A変換処理、周波数変換処理、および増幅処理などを行う。
受信部は、受信ビーム形成部40から出力された信号に対して、増幅処理、周波数変換処理、およびA/D変換処理を行う。受信部の出力結果は、MAC層関連および物理層関連の処理がなされ、上位層処理部へ出力される。
キャリアセンス部70は、ビーム形成部40から出力された信号の信号強度が閾値以上か否かで、他の無線装置によって無線チャネルが使用されているか(BUSY)か、そうでない(IDLE)かを判定する。複数のビームによるキャリアセンスを行う場合には、キャリアセンス部70は、すべてのビームを使用したキャリアセンス結果がIDLEである場合に、他の無線装置によって無線チャネルが使用されていないと判断する。
異なるビーム利得を有する複数のビームによるキャリアセンスを行う場合には、キャリアセンス部70は、ビーム形成部40から出力された信号の信号強度が閾値以上か否かの判断において、同一の閾値を使用する。
このようにすることで、無線装置STA1のキャリアセンス部70は、キャリアセンスに使用するビームのビーム利得が小さい場合には無線装置STA1の近くで送信された電波のみを検出し、キャリアセンスに使用するビームのビーム利得が大きい場合には無線装置STA1から離れたところで送信された電波をも検出することができ、キャリアセンスの範囲をビーム利得によって制御することができる。
図4は、重み係数記憶部61に記憶された各ビームの重み係数によって、ビーム形成部30が形成するビームを示す図である。なお、図4は、重み係数記憶部61に記憶された各ビームの重み係数のビーム利得が3種類ある例を示す。
ビーム利得が小さく指向性が弱いビームを形成する重み係数を[“Wc_1”〜“Wc_N”]と示す(Nは2以上の整数)。(以下、ビーム利得の小さい重み係数と呼ぶ。)
ビーム利得が中程度で指向性も中程度のビームを形成する重み係数を[“Wb_1”〜“Wb_N”]と示す(Nは2以上の整数であってNよりも大きい。)。(以下、ビーム利得が中程度の重み係数と呼ぶ。)
ビーム利得が大きく指向性の強いビームを形成する重み係数を、[“Wa_1”〜“Wa_N”]と示す(Nは、2以上の自然数であってNよりも大きい。)。(以下、ビーム利得の大きい重み係数と呼ぶ。)
次に、無線装置STA1が周囲(360°)にわたって、上記いずれかの重み係数を使用してキャリアセンスを行う場合を考える。
キャリアセンスにビーム利得の大きい重み係数を用いる場合は、ビーム幅(キャリアセンス幅)が狭いため、無線装置STA1は、多くのビーム(重み係数)を使用する必要がある。しかし、指向性が強いビームは、ビーム利得が大きいため無線信号を検出する精度は高くなる。
キャリアセンスにビーム利得が小さい重み係数を用いる場合は、ビーム幅(キャリアセンス幅)が広いため、無線装置STA1は、使用するビーム(重み係数)は少なくても良い。しかし、指向性が弱いビームは、ビーム利得が小さいため無線信号を検出する精度は低くなる。
ここで、無線装置STA1が、1回に1つのビーム(重み係数)を使用してキャリアセンスするものとすると、キャリアセンスに要する時間は、全方向のキャリアセンスをする際に使用するビーム(重み係数)の数に比例する。
例えば、1つのビーム(重み係数)でキャリアセンスをするのに必要な時間をTcとする。ビーム利得の大きい重み係数を時間的に切り替えて全方向のキャリアセンスを行う場合、キャリアセンスに要する時間は、Tc×Nとなる。ビーム利得の小さい重み係数を時間的に切り替えて全方向のキャリアセンスを行う場合、キャリアセンスに要する時間は、Tc×Nとなる。
キャリアセンスに要する時間が増大すると、最初に、あるビーム(重み係数)を用いてキャリアセンスを行ってから、無線装置STA1が無線信号を送信するまでの経過時間も増大するため、そのキャリアセンス結果の信頼性が低下する。
そのため、無線装置STA1がキャリアセンスに使用するビーム(重み係数)の数は、システム運用時などに予め上限を定めておくことが望ましい。
同一時刻に複数のビーム(重み係数)を使用してキャリアセンスをする場合、同一時刻に使用するビーム数に比例して、キャリアセンスのための演算量が増える。
一方で、同一時刻に複数のビーム(重み係数)を使用してキャリアセンスをする場合であっても、各ビーム(重み係数)を形成するための使用するアンテナ素子1〜nがまったく重複しない場合は、ビーム数に比例した演算量の増加を抑制することができる。
そのため、以後、同一時刻に使用するビームの数をカウントする際に、同一時刻に使用するアンテナ素子1〜nがまったく重複しない複数のビーム(重み係数)を、“1つ”としてカウントする。
具体的には、ビーム1,2,3を形成するときに使用するアンテナ素子が、それぞれ、その他のいずれのビームを形成するときに使用するアンテナ素子ともまったく重複しない場合は、ビーム1、2、3を同一時刻に使用してキャリアセンスをする場合であっても、キャリアセンスに使用するビームを“1つ”とカウントする。
無線装置STA1がキャリアセンスを行うタイミングは、パケット送信前やパケット送信要求があったときであっても良く、チャネル切り替えの判断材料とするために、自局周辺の無線チャネルの使用状況を観測する場合にキャリアセンスしても良い。
第1の実施形態に係る無線装置STA1は、周囲の無線環境や無線基地局の位置によって、方向毎にキャリアセンスに必要な精度が異なることに着目して、キャリアセンスに利用するビーム(重み係数)を動的に選択する。
無線装置STA1が、周囲(360°)に対して複数のビーム(重み係数)を使用してキャリアセンスを行うときに、方向ごとに、必要な精度が異なることについて説明する。
図5は、無線基地局APと、無線装置STA1〜STA5とによるネットワークの構成例を示す図である。なお、図5における無線基地局APを中心とする円は、無線基地局APが送信する電波の到達距離(サービスエリア)を示す。
無線基地局APや無線装置STA1〜STA5は、それぞれビーム利得やビーム幅が異なる指向性ビームの送信が可能であってもよく、無指向性の電波の送信のみが可能であってもよい。無線基地局APや無線装置STA1〜STA5は、他の無線局が、指向性ビームを送受信しているか、無指向性の電波を送受信しているかを逐一把握することは難しい。
無線装置STA1が、通信相手である無線基地局APに対して、非常に鋭いビームを形成して通信する場合であっても、他の無線装置STA1が無線基地局APへビームを送信しているか(通信中であるか)否かを検出する必要がある。即ち、無線装置STA1は、無線基地局へ電波を送信する前に、周囲を探索して、無線チャネルの使用状況を観測(キャリアセンス)しなければならない。
無線チャネルの使用状況を観測する場合、無線装置STA1は、電波の検出精度を向上させるために、指向性の高いビーム(例えば、重み係数Wa_i)を使用する。ただし、指向性のビームによってキャリアセンスを行うと、電波の検出精度は向上するものの、ビーム幅が狭いため、多数のビームによるキャリアセンスが必要となり、キャリアセンスに要する時間が大きくなる。また、同一時刻に多数のビームによるキャリアセンスを行うと、演算量が増加するため、ピークの消費電力が大きくなるとともに高速な演算処理部が必要となる。
一方で、指向性の弱いビーム(たとえば、重み係数Wc_i)を使用すると、検出精度は低下するものの、ビーム幅が広いため、少数のビームによるキャリアセンスですみ、キャリアセンスに要する時間は短くなる。また、同一時刻に全方向にビームを向けたとしても、ビーム数を減少させることができるため、演算量の増加をある程度抑えることができ、ピーク消費電力を抑制させ、演算処理部に要求される処理能力をある程度抑えることができる。
ここで、図8の無線基地局APと無線装置STA1の位置関係をみる。
<無線装置STA1について>
無線基地局APのサービスエリアの端にいる無線装置STA1から見ると、無線装置STA1から無線基地局APの方向(以下、無線基地局APの方向)には、比較的遠い距離に、他の無線装置STA3、STA5が存在することがわかる。
一方、無線装置STA1から見て、無線基地局APの方向とは逆方向には、他の無線装置が存在しない。仮に、他の無線装置が存在したとしても、無線基地局APのサービスエリアを考慮すると、無線装置STA1とその無線装置との距離は近いことが想定される。
同様に、無線装置STA1から見て、無線基地局APの方向と90度の方向に他の無線装置が存在する可能性は、無線基地局APの方向と逆方向に他の無線装置が存在する可能性よりも高く、無線基地局APの方向に存在する可能性よりも低いことが想定される。仮に、無線基地局APの方向と90度の方向に他の無線装置が存在したとしても、無線基地局のサービスエリアを考慮すると、無線基地局APの方向と90度の方向に存在する他の無線装置と無線装置STA1との距離は、無線基地局APの方向に存在する無線装置との距離よりも近く、無線基地局APの方向と逆方向に存在する無線装置との距離よりも遠い可能性が高い。
なぜなら、無線装置STA1から、無線基地局APに対して90度方向のサービスエリアの端に達するまでの距離は、無線基地局APの方向と逆方向のサービスエリアの端に達するまでの距離よりも大きく、無線基地局APの方向のサービスエリアの端に達するまでの距離よりも小さいからである。
図6(a)は、無線基地局APのサービスエリアの端にいる無線装置STA1が、キャリアセンスで発見したい無線装置との距離関係を示す。この距離関係は、キャリアセンスに必要な電波の検出精度との相関が高い。言い換えれば、図6(a)は、無線装置STA1がキャリアセンスを行う際に使用するビーム(重み係数)を示す図である。
<無線装置STA2について>
無線基地局APのサービスエリアの最端にいる無線装置STA2から見ると、無線基地局APの方向と逆方向、あるいは、無線基地局APの方向と±90度の方向に、他の無線装置が存在する可能性はない。
一方で、無線装置STA2から見て、無線基地局APの方向に他の無線装置が存在する可能性は高く、また、無線装置STA2とその無線装置との距離も大きいことが想定される。
図6(b)は、無線基地局APのサービスエリアの最端にいる無線装置STA2が、キャリアセンスで発見したい無線装置との距離関係を示す。即ち、図6(b)は、無線装置STA2がキャリアセンスを行う際に使用するビーム(重み係数)を示す図である。
<無線装置STA3について>
無線基地局APの近くに位置する無線装置STA3から見ると、無線基地局APの方向、あるいは無線基地局APの方向の逆方向に、他の無線装置が存在する確率はほぼ同様であり、無線装置STA3とその無線装置との距離もほぼ同様となることが想定される。即ち、無線装置STA3から見ると、全方向に他の無線装置が位置する可能性がある。
図6(c)は、無線基地局APのサービスエリアの中心付近にいる無線装置STA3が、キャリアセンスで発見したい無線装置との距離関係を示す。即ち、図6(c)は、無線装置STA3がキャリアセンスを行う際に使用するビーム(重み係数)を示す図である。
なお、図6(a)〜図6(c)では、無線装置STA1〜STA3は、キャリアセンスを行う際に、常に指向性ビームを使用するものとして説明したが、無指向性のキャリアセンスを行ってもよい。
図6(d)は、無線装置STA1がキャリアセンスを行う際に使用するビーム(重み係数)を示す図であって、ビームのうちの1つが無指向性である場合の例を示す。
このように、図6(a)〜6(d)から明らかなように、無線装置STA1は、通信相手となる無線基地局APとの位置関係によって、周囲(360°)全方向のキャリアセンスを行う場合であっても、必要となる電波の検出精度が異なることがわかる。
このように、第1の実施形態に係る無線装置STA1(あるいは、無線装置STA2、STA3)の重み係数選択部62は、各方向に対して行うキャリアセンスに必要な検出精度を考慮して、図3、4に示す重み係数記憶部61に記憶された重み係数の中から適切な重み係数を選択する。
次に、重み係数選択部62が、ビームを選択する方法の詳細について説明する。
無線装置STA1の重み係数選択部62は、無線基地局APから無線信号を受信している間に、重み係数記憶部61に記憶された重み係数のうち、信号対雑音比(SNR)が閾値以上となる重み係数を選択する。なお、信号対雑音比(SNR)が閾値以上となる重み係数が複数ある場合には、重み係数選択部62は、最もビーム利得の小さい重み係数を選択する。以下、重み係数選択部62に選択された重み係数を“リファレンス重み係数”と呼ぶ。また、リファレンス重み係数によって形成されるビームのビーム利得を、“リファレンスビーム利得”と呼ぶ。
リファレンス重み係数は、無線装置STA1が、無線基地局APへ送信するビームを形成する際に使用する。リファレンスビーム利得は、上記のように、無線装置STA1が、無線基地局APからの距離が大きいと判断した場合は大きくなり、無線基地局APからの距離が小さいと判断した場合は小さくなるように決定する。
なお、リファレンスビーム利得の決定方法は、上記に限られない。例えば、GPS(Global Positioning System)によって、無線基地局APや自局(無線装置STA1)の位置を把握し、その位置情報からリファレンスビーム利得を決定しても良い。
また例えば、無線基地局APが自局へ無線信号を送信する際の送信電力についての情報、あるいは、無線基地局APが自局へ送信した無線信号の受信電力から、リファレンスビーム利得を決定しても良い。
また例えば、自局が、無線基地局APへ無線信号を送信する際の送信電力から、リファレンスビーム利得を決定しても良い。即ち、無線信号を送信する直前にキャリアセンスを行う場合に、その無線信号の送信電力からリファレンスビーム利得を決定しても良い。
また例えば、自局および他局(他の無線装置STA1)が無線信号を送信する際のビーム利得から、リファレンスビーム利得を決定しても良い。
以上のようにリファレンスビーム利得を定めた後、重み係数選択部62は、キャリアセンスに使用する重み係数のうち、通信相手の無線装置が存在する方向に指向性を有するビームを形成するための重み係数(以下、主の重み係数)を選択する。
重み係数選択部62は、リファレンス重み係数が既に定まっていれば、リファレンス重み係数を主の重み係数としても良い。
重み係数選択部62は、上記のように決定したリファレンスビーム利得と同じビーム利得をもち、かつ、リファレンス重み係数を用いて形成されるビームの指向性方向と同じ方向を向いたビームを形成する重み係数を、主の重み係数としても良い。
重み係数選択部62は、重み係数記憶部61に記憶された重み係数のうち、無線基地局APから無線信号を受信している間に、無線信号のSNRが最大となる重み係数と最も相関値の高い重み係数を、主の重み係数としても良い。
重み係数選択部62は、リファレンスビーム利得と同じビーム利得を有する重み係数の中から、受信信号のSNRが最大となる重み係数を、主の重み係数としても良い。
重み係数選択部62は、リファレンス重み係数と相関値が最大となる重み係数を、主の重み係数としても良い。なお、重み係数選択部62は、リファレンスビーム利得と同じビーム利得を有する重み係数とのみ、リファレンス重み係数との相関値を計算することで、相関処理の回数を減らすことができ、演算処理の簡易化、および、低消費電力化に有効である。
無線装置STA1が無線基地局APから受信した無線信号の到来方向を推定する推定部(図示せず)をさらに備える場合、無線信号の到来方向と同じ指向性方向を有する重み係数の中から、リファレンスビーム利得と同じビーム利得を有するものを、主な重み係数としても良い。
次に、重み係数選択部62が主な重み係数を定めた後、無線装置STA1は、主な重み係数によって形成されるビームの指向性方向以外をキャリアセンスするために使用するビーム(他の重み係数)を決定する。
無線装置STA1の重み係数選択部62は、主な重み係数によって形成されるビームの指向性方向以外をキャリアセンスする場合には、その方向のキャリアセンスに用いるビームのビーム利得を、主な重み係数に係るビーム利得(またはリファレンスビーム利得)と同じか、それ以下とする。
無線装置STA1の重み係数選択部62は、主な重み係数を用いて形成されるビームの指向性方向から離れれば離れるほど、キャリアセンスに使用するビームのビーム利得を小さく設定する。無線装置STA1の重み係数選択部62は、指向性方向の逆方向(180度)に対してキャリアセンスを行う際に使用するビームのビーム利得を最小とする。
このようにすることで、無線装置STA1は、図4(a)〜(c)で示すように、無線基地局APとの位置関係によって、各方向に対して行うキャリアセンスに必要な検出精度を変更することで、無線基地局APのサービスエリア内を網羅的にキャリアセンスしながらも、キャリアセンスに要する時間を短縮することができる。
以上では、他局(無線基地局APや無線装置STA2〜STA5)が、指向性ビームのみを送信するのか、無指向性の電波(ビーム)を送信するのかなどを、自局(無線装置STA1)が、把握することができないことを前提としていた。
しかし、ネットワークを構成する無線装置(無線基地局APや無線装置STA1〜STA5)すべてに対して、送信する電波に制約がある場合もありえる。
以下では、無線基地局APと無線装置STA1〜STA4は、すべてビーム幅が60°以下の指向性ビームの送信のみが許可されているものとする。(ビーム幅が60°とは、図7に示す通りである。)自局(無線装置STA1)にとって、他の無線装置の最大ビーム幅は、60°である。
<無線装置STA1が無線基地局APと離れているケース>
図7は、無線基地局APと無線装置STA1〜STA4によって構成されるネットワークを示す図である。
無線装置STA1は、無線基地局APの方向やその逆方向に存在する無線装置STA3,STA4が無線基地局APへ送信する電波を受信しうる。しかし、無線装置STA1は、無線基地局APの方向に対して±90度の方向に位置する無線装置STA1(無線装置STA2)が無線基地局APへ送信する電波を受信することはありえない。したがって、無線装置STA1が無線基地局APの方向に対して±90度の方向にキャリアセンスを行ってもビームが検出されることは無く、キャリアセンスを行う必要もない。よって、無線装置STA1は、無線基地局APの方向とその逆方向にのみ、キャリアセンスを行えば良い。
なお、無線装置STA1が無線基地局APから離れるほどキャリアセンスを行う方向は狭くなる。無線装置STA1がキャリアセンスする方向は、無線基地局APの方向を中心に±60度の範囲(他の無線装置STA1の最大ビーム幅の2倍の範囲)、および無線基地局APの方向と逆方向を中心に0度にまで狭くなりうる。無線装置STA1のキャリアセンスする方向が無線基地局APの方向を中心に±60度の範囲となる理由は、他の無線装置STA1が形成するビームの中心が必ずしもぴったりと無線基地局APの方向を向くとは限らないためである。
<無線装置STA1が無線基地局APと近接しているケース>
図8は、無線基地局APと無線装置STA1〜STA4によって構成されるネットワークを示す図である。
無線装置STA1は、無線基地局APの方向などに関わらず、他の無線装置STA2〜STA4のいずれが送信した電波をも受信しうる。従って、無線装置STA1は、周囲(360°)全方向に対してキャリアセンスを行う必要がある。但し、無線装置STA1が、無線基地局APと離れている場合と比較して、ビーム利得は小さくてもよく、電波の検出精度は低くても良い。
上記のように、無線装置STA1のキャリアセンス方向が無線基地局APの方向とその逆方向のみでよいのか、全方向なのかは、無線装置STA1と無線基地局APとの間の距離に依存する。
このように、無線装置STA1がキャリアセンスする方向を限定するためには、他の無線装置STA1の最大ビーム幅と、無線基地局APとの位置関係とを把握する必要がある。なお、第1の実施形態に係る無線装置STA1において、“他の無線装置の最大ビーム幅”と、“無線基地局APとの位置関係”とを把握する方法は、任意であってよい。
例えば、無線基地局APが、各無線装置から接続時などに通知された最大ビーム幅から、各無線装置に対して、“他の無線装置の最大ビーム幅”を報知することとしても良い。また例えば、各無線装置は、無線基地局APから受信した無線信号の受信電力情報から、“無線基地局APと自局の位置関係”を把握してもよい。
次に、無線装置STA1の重み係数選択部62は、キャリアセンスに使用するビームの重み係数(主の重み係数、他の重み係数)を選択した後、それぞれの重み係数によって形成する各ビームの利用方法・利用順番を決定する。なお、同一時刻に、すべてのビームを使用してキャリアセンスすることとしても良い。
重み係数選択部62は、主の重み係数、他の重み係数のうち、使用するアンテナ素子がまったく重複しない重み係数があれば、それらの重み係数を使用したキャリアセンスを同一時刻で行うものと決定する。
図2、3の例では、指向性ビーム1を形成するための重み係数は、アンテナ素子1、2、3、4のみを使用するもので、指向性ビーム2を形成するための重み係数は、アンテナ素子5,6,7,8のみを使用するものである。
指向性ビーム1と指向性ビーム2とを形成するために使用するアンテナ素子1〜nはまったく重複していないため、同一時刻に指向性ビーム1と2を形成したとしても、形成されるビームは独立となるため、キャリアセンスの際の電波の検出精度に影響は及ぼさない。
このようにすることで、電波の検出精度を劣化させることなく、同一時刻に2方向(複数方向)のキャリアセンスが可能となり、キャリアセンスに要する時間を短縮することができる。
重み係数選択部62は、主の重み係数、他の重み係数のうち、使用するアンテナ素子が一部でも重複する重み係数があれば、それらの重み係数を使用したキャリアセンスを異なる時刻(タイミング)で行うものと決定する。
図3の例では、指向性ビーム1を形成するための重み係数はアンテナ素子1、2、3、4のみを使用するもので、指向性ビーム6を形成するための重み係数はアンテナ素子4、5のみを使用するものである。
指向性ビーム1と指向性ビーム6とを形成するために使用するアンテナ素子は、(アンテナ素子4で)重複しているため、同一時刻に指向性ビーム1と6を形成するものとすると、キャリアセンスの際の電波の検出精度を劣化させることとなる。
そのため、重み係数選択部62は、使用するアンテナ素子が一部でも重複する重み係数を使用するキャリアセンスを、異なる時刻(タイミング)で行うものと決定する。
次に、重み係数選択部62は、主の重み係数、他の重み係数をそれぞれ使用するキャリアセンスを異なるタイミングで行う場合、どの順番でキャリアセンスをするかを決定する。
重み係数選択部62は、他の重み係数を使用するキャリアセンスから行う場合には、他の重み係数を使用するキャリアセンスをすべて行った後に、最後に主の重み係数を用いたキャリアセンスを行うことと決定する。
重み係数選択部62は、主の重み係数を使用するキャリアセンスを最初にする場合は、他の重み係数を使用するキャリアセンスを行った後に、再度、主の重み係数を用いたキャリアセンスを最後に行うことと決定する。
主の重み係数を使用するビームの指向性は、通信相手である無線基地局APの方向と同一である。そのため、無線基地局APへ無線信号を送信する際に、主の重み係数を使用するキャリアセンスを最後に行うことで、無線装置STA1は、無線基地局APの通信状況などについて最新の情報を取得でき、衝突確率を下げるのに効果的となる。
主の重み係数を使用するキャリアセンスを最初と最後に行う方法では、まず、無線基地局APの通信状況などを取得できるため、通信相手である無線基地局APが通信中であるにもかかわらず、周囲に対してキャリアセンスを行ってしまうという無駄を省くことができる。
次に、時間的に重み係数を切り替えキャリアセンスしたときに、ある重み係数に係るビームでキャリアセンスした結果が、BUSY(無線チャネル使用中)であると判断した場合の処理について説明する。
無線装置STA1は、ある重み係数を使用してキャリアセンスした結果がBUSYである場合、そのキャリアセンス結果がIDLE(無線チャネルが未使用)になるまで、その重み係数に係るキャリアセンスを継続して行う。
無線装置STA1は、キャリアセンス結果がIDLEであることを検出した後に、再度、最初に定めた順番で、キャリアセンスを実行する。
例えば、無線装置STA1は、ビーム1,2,3,4,5を順に使用してキャリアセンスすると決めた場合に、ビーム1,2,3によるキャリアセンス結果がIDLEであったものの、ビーム4によるキャリアセンス結果がBUSYであると判断したとする。
無線装置STA1は、ビーム4によるキャリアセンスをIDLEとなるまで継続する。無線装置STA1は、ビーム4によるキャリアセンス結果がIDLEとなった場合は、再度、ビーム1,2,3,4、5を順に使用してキャリアセンスを行う。
無線装置STA1は、すべてのビーム1、2、3、4、5によるキャリアセンスでIDLEと判断されれば、無線チャネルがIDLEであると判断する。
このように、あるビームによるキャリアセンス結果がBUSYであった場合に、そのビームによるキャリアセンスを継続することで、他のビームによるキャリアセンスを行う場合と比較して、キャリアセンスが無駄になるのを防ぐことができる。
例えば、ビーム1によるキャリアセンス結果がBUSYと判断した後、他のビーム(ビーム2,3,4など)によるキャリアセンスを行いその結果がすべてIDLEであったにも関わらず、再度、ビーム1によるキャリアセンス結果がBUSYとなり、他のビームによるキャリアセンスが無駄になるのを防ぐことができる。
無線装置STA1は、あるビームがBUSYである期間(BUSY期間)が予測できる場合、上記とは異なる処理を行う。
例えば、IEEE802.11で規定されているNAV(Network Allocation Vector)等のように、パケット内に無線チャネルを使用(占有)する期間が記載されている場合、無線装置STA1は、BUSY期間を予測できる
また例えば、パケット内に無線信号の信号長、伝送速度が記載されている場合、無線装置STA1は、BUSY期間を予測できる
無線装置STA1は、あるビームによるキャリアセンス結果が所定期間BUSYと予測した場合、その期間が経過する直前までに他のビームによるキャリアセンスを完了し、その後に、先ほどBUSYであったビームによるキャリアセンスを行うことができる。このようにすることで、キャリアセンスに要する時間を短縮化できる。
無線装置STA1は、あるビームによるキャリアセンス結果が所定期間BUSYと予測した場合、その期間が経過する直前までに他のビームによるキャリアセンスを完了し、先ほどBUSYであったビームによるキャリアセンスを行うことなく、他のビームによるキャリアセンス結果に応じて無線信号を送信することができる。このようにすることで、キャリアセンスに要する時間をより一層短縮化できる。
このように、第1の実施形態に係る無線装置STA1によれば、無線基地局APとの位置関係に応じてキャリアセンスに使用するビームのビーム数やビーム利得を変更することで、指向性ビームによって周囲のキャリアセンスを行う際に必要となる演算量の増大を抑制し、キャリアセンスに要する時間を短縮することができる。
第1の実施形態に係る無線装置STA1では、1つの受信ビーム形成部40を備えるものとした。しかし、第1の実施形態に係る無線装置STA1は、複数(M個:Mは2以上の整数)の受信ビーム形成部40を備えていても良い。
図9は、複数(M個:Mは2以上の整数)の受信ビーム形成部40を備える無線装置の構成を示すブロック図である。
このように無線装置STA1がM個の受信ビーム形成部40を備えることによって、無線信号の受信するときやキャリアセンスを行うときに、同一時刻にM個のビームを形成することが可能になる。
したがって、周囲(360°)全方向のキャリアセンスするために使用するビーム数がM個以下であれば、同一時刻に全方向のキャリアセンスが可能となる。また、周囲(360°)全方向のキャリアセンスするために使用するビーム数がM個以上であったとしても、同一時刻にM個のビームによるキャリアセンスができるため、キャリアセンスに要する時間を短縮することができる。
第1の実施形態に係る無線装置STA1では、1つの受信ビーム形成部40と1つの送受信切替スイッチ20を備えるものとした。しかし、第1の実施形態に係る無線装置STA1は、複数(M個:Mは2以上の整数)の受信ビーム形成部40と、複数(M個)の送受信切替スイッチ20を備えていても良い。
図10は、複数(M個:Mは2以上の整数)の受信ビーム形成部40と送受信切替スイッチ20とを備える無線装置の構成を示すブロック図である。
受信に係るビームフォーミングをアナログ処理で行う場合は、1つのアンテナ素子で受信した信号を、M個の受信ビーム形成部40へ分配する必要がある。そのため、電力ロスが発生する。このような電力ロスの影響を抑制すべく、図10のようにアンテナ素子数もM倍にする方が望ましい。
受信に係るビームフォーミングをデジタル処理で行う場合には、アンテナ数の増大により自由度が高まるため、同一時刻に形成できるビームの数を増やすことができる。
無線装置STA1が受信ビーム形成部40を複数備えるか否かは、コスト高や消費電力の増大といったデメリットもあるため、キャリアセンスに要する時間の短縮化による性能向上とのトレードオフによる。
無線装置STA1が送受信切替スイッチ20とアンテナ素子数を複数備えるか否かは、アンテナ素子数の増大によるコスト高やサイズ増といったデメリットもあるため、キャリアセンスに要する時間の短縮化による性能向上とのトレードオフによる。
第1の実施形態に係る無線装置STA1では、重み係数選択部62が、主の重み係数を選択した後、他の重み係数を適宜選択するものとした。しかし、重み係数記憶部61が図3に示す各ビームの重み係数のほかに主の重み係数と他の重み係数との組み合わせを記憶していて、重み係数選択部62による主の重み係数の選択結果に従い、他の重み係数が決定されても良い。
図11は、重み係数記憶部61が記憶する主の重み係数と他の重み係数との組み合わせを示す図である。
ビーム1に係る重み係数が主の重み係数として選択された場合、他の重み係数はビーム13〜18となる。ビーム2に係る重み係数が主の重み係数として選択された場合、他の重み係数はビーム14〜19となる。ビーム3に係る重み係数が主の重み係数として選択された場合、他の重み係数はビーム15〜19となる。
このようにすることで、重み係数選択部62は、主の重み係数を選択することで、他の重み係数を一意に決定することができ、演算処理を軽減することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の第1の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係る無線装置のアンテナ素子と形成されるビームとを示す図。 本発明の第1の実施形態に係る重み係数記憶部の記憶内容(重み係数)を示す図。 本発明の第1の実施形態に係る無線装置が形成するビームを示す図。 本発明の第1の実施形態に係るネットワークを示す図。 本発明の第1の実施形態に係る無線装置がキャリアセンスに使用するビームを示す図。 本発明の第1の実施形態に係るネットワークを示す図。 本発明の第1の実施形態に係るネットワークを示す図。 本発明の第1の実施形態に係る無線装置の構成の変形例を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係る無線装置の構成の変形例を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係る重み係数記憶部の記憶内容(主の重み係数と他の重み係数の組み合わせ)を示す図。
符号の説明
STA1、STA2、STA3、STA4、STA5・・・無線装置
1〜n、1−1〜1−M、・・・n−1〜n−M・・・アンテナ素子
20、20−1〜20−M・・・送受信切替スイッチ
30、30’、30’’・・・ビーム形成部
40、40−1〜40−M・・・受信ビーム形成部
41・・・合成部
42_1〜42_n・・・重み付け処理部
50・・・送信ビーム形成部
51・・・分配部
52_1〜52_n・・・重み付け処理部
60・・・ビーム制御部
61・・・重み係数記憶部
62・・・重み係数選択部
70・・・キャリアセンス部

Claims (11)

  1. 複数のアンテナ素子を用いて無線通信を行う無線装置であって、
    無線信号を送信する前に、他の無線装置によって無線チャネルが使用されているか否かを判定する判定手段と、
    前記アンテナ素子の1つ以上を用いて、ある方向から到来する電波を検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出する電波の到来方向と、当該到来方向ごとに電波を検出するためのビーム利得とを設定する設定手段とを備え、
    前記検出手段は、前記到来方向と前記ビーム利得とに従って前記到来方向ごとに電波を検出し、
    前記判定手段は、前記到来方向ごとに前記検出手段によって検出された電波の強度が、いずれも閾値未満である場合に無線チャネルが使用されていないと判定するものであり、
    前記到来方向ごとに設定される前記ビーム利得は、複数の種類あり、
    前記閾値は、前記到来方向ごとに電波を検出するための前記ビーム利得が異なっていたとしても、同一の値であることを特徴とする無線装置。
  2. 前記判定手段によって前記無線チャネルが使用されていないと判定された場合に、前記アンテナ素子の1つ以上を用いて、無線信号を特定方向へ送信する送信手段をさらに備え、
    前記設定手段は、前記無線信号を送信する方向と、その方向へ電波を送信するためのビーム利得を設定するとともに、
    前記到来方向ごとに電波を検出するための前記ビーム利得を、前記送信手段で無線信号を送信するときのビーム利得以下に設定することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記判定手段によって前記無線チャネルが使用されていないと判定された場合に、前記アンテナ素子の1つ以上を用いて、無線信号を特定方向へ送信する送信手段をさらに備え、
    前記設定手段は、前記到来方向ごとに電波を検出するための前記ビーム利得のうち、前記送信手段で無線信号を送信する通信相手の方向を含む到来方向からの電波を検出するためのビーム利得を最大とすることを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  4. 前記送信手段で無線信号を送信する通信相手の方向を推定する推定手段をさらに備え、
    前記設定手段は、前記到来方向ごとに電波を検出するための前記ビーム利得のうち、前記推定手段によって推定された方向を含む到来方向からの電波を検出するためのビーム利得を、前記推定手段によって推定された方向を含まない到来方向からの電波検出するためのビーム利得以上と設定することを特徴とする請求項3に記載の無線装置。
  5. 前記判定手段によって前記無線チャネルが使用されていないと判定された場合に、前記アンテナ素子の1つ以上を用いて、無線信号を特定方向へ送信する送信手段をさらに備え、
    前記検出手段は、前記送信手段で無線信号を送信する通信相手の方向を含まない到来方向からの電波を検出した後、前記送信手段で無線信号を送信する通信相手の方向を含む到来方向からの電波を検出し、
    前記判定手段は、前記検出手段の結果に従って、無線チャネルが使用されているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  6. 複数のアンテナ素子を用いて無線通信を行う無線装置であって、
    無線信号を送信する前に、他の無線装置によって無線チャネルが使用されているか否かを判定する判定手段と、
    前記アンテナ素子の1つ以上を用いて、ある方向から到来する電波を検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出する電波の到来方向と、当該到来方向ごとに電波を検出するためのビーム利得とを設定する設定手段とを備え、
    前記到来方向ごとに設定される前記ビーム利得は、複数種類あり、
    前記検出手段は、前記到来方向と前記ビーム利得とに従って前記到来方向ごとに電波を検出することを特徴とする無線装置。
  7. 複数のアンテナ素子を用いて無線通信を行う無線装置であって、
    無線信号を送信する前に、他の無線装置によって無線チャネルが使用されているか否かを判定する判定手段と、
    前記アンテナ素子の1つ以上を用いて、ある方向から到来する電波を検出する検出手段と、
    前記検出手段が電波を検出する際に使用するアンテナ素子と、当該アンテナ素子からの無線信号に対する処理内容を示す重み係数との組み合わせを、複数記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された複数の組み合わせの中から、前記検出手段が電波を検出する際に使用する前記アンテナ素子と前記重み係数との組み合わせを選択する選択手段とを備え、
    前記記憶手段に記憶された前記アンテナ素子と前記重み係数との組み合わせから定まるビーム利得は、複数種類あり、
    前記検出手段は、前記選択手段により選択された前記アンテナ素子と前記重み係数とに従って、ある方向からの電波を検出することを特徴とする無線装置。
  8. 前記検出手段が第1方向から到来する電波を検出する際に使用するアンテナ素子と、第2方向から到来する電波を検出する際に使用するアンテナ素子とが重複しない場合、前記検出手段は、前記第1方向および前記第2方向から到来する電波を同時に検出することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の無線装置。
  9. 前記検出手段が第1方向から到来する電波を検出する際に使用するアンテナ素子と、第2方向から到来する電波を検出する際に使用するアンテナ素子とが、少なくとも1つ重複する場合、前記検出手段は、前記第1方向から到来する電波の検出と、前記第2方向から到来する電波の検出とを異なる時刻に行うことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の無線装置。
  10. 無線信号を送信する前に、他の無線装置によって無線チャネルが使用されているか否かを判定し、複数のアンテナ素子を用いて無線通信を行う無線装置であって、
    検出する電波の到来方向と、当該到来方向ごとに電波を検出するためのビーム利得とを設定し、
    前記到来方向ごとに設定される前記ビーム利得は、複数種類あり、
    前記設定された前記到来方向と前記ビーム利得とに従って、前記アンテナ素子の1つ以上を用いて、前記到来方向ごとに電波を検出することを特徴とする無線装置の制御方法。
  11. 無線信号を送信する前に、他の無線装置によって無線チャネルが使用されているか否かを判定し、複数のアンテナ素子を用いて無線通信を行う無線装置の制御方法であって、
    前記無線装置は、電波を検出する際に使用するアンテナ素子と、当該アンテナ素子からの無線信号に対する処理内容を示す重み係数との組み合わせを、複数記憶する記憶手段を備え、
    前記記憶手段に記憶された前記アンテナ素子と前記重み係数との組み合わせから定まるビーム利得は、複数種類あり、
    前記記憶手段に記憶された複数の組み合わせの中から、前記検出手段が電波を検出する際に使用する前記アンテナ素子と前記重み係数との組み合わせを選択し、
    前記選択された前記アンテナ素子と前記重み係数とに従って、前記アンテナ素子の1つ以上を用いて、ある方向からの電波を検出することを特徴とする無線装置。
JP2008203928A 2008-08-07 2008-08-07 無線装置、および無線装置の制御方法 Pending JP2010041544A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008203928A JP2010041544A (ja) 2008-08-07 2008-08-07 無線装置、および無線装置の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008203928A JP2010041544A (ja) 2008-08-07 2008-08-07 無線装置、および無線装置の制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010041544A true JP2010041544A (ja) 2010-02-18

Family

ID=42013584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008203928A Pending JP2010041544A (ja) 2008-08-07 2008-08-07 無線装置、および無線装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010041544A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012156692A (ja) * 2011-01-25 2012-08-16 Kyocera Corp 通信装置及び通信方法
JP2016082517A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 シャープ株式会社 無線装置
WO2019031141A1 (ja) * 2017-08-08 2019-02-14 シャープ株式会社 基地局装置および通信方法
WO2019065239A1 (ja) * 2017-09-28 2019-04-04 シャープ株式会社 通信装置および通信方法
WO2019156082A1 (ja) * 2018-02-06 2019-08-15 シャープ株式会社 通信装置および通信方法
EP3206313B1 (en) * 2014-10-09 2022-05-11 ZTE Corporation Method and system for detecting idle channel in wireless communication system

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012156692A (ja) * 2011-01-25 2012-08-16 Kyocera Corp 通信装置及び通信方法
EP3206313B1 (en) * 2014-10-09 2022-05-11 ZTE Corporation Method and system for detecting idle channel in wireless communication system
JP2016082517A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 シャープ株式会社 無線装置
WO2019031141A1 (ja) * 2017-08-08 2019-02-14 シャープ株式会社 基地局装置および通信方法
JP2019033374A (ja) * 2017-08-08 2019-02-28 シャープ株式会社 基地局装置および通信方法
WO2019065239A1 (ja) * 2017-09-28 2019-04-04 シャープ株式会社 通信装置および通信方法
WO2019156082A1 (ja) * 2018-02-06 2019-08-15 シャープ株式会社 通信装置および通信方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8116694B2 (en) System for facilitating beam training
JP6162168B2 (ja) ワイヤレス通信システムにおける指向性チャネルアクセスのための方法および装置
US7136624B2 (en) Radio resources allocating method, radio resources allocating apparatus, and mobile communication system
JP4110519B2 (ja) 空間分割多重アクセス制御方法、無線通信システム、基地局、および移動局
EP2342837B1 (en) Asymmetric beam steering protocol
US6907269B2 (en) Mobile communication base station equipment
US20070285312A1 (en) Adaptive multi-beam system
JP4770939B2 (ja) 通信装置、通信制御方法、及び通信システム
US6754467B1 (en) Method of directive transmission and directivity-controlled communication device
JP2008271440A (ja) 受信制御方法および無線通信装置
JP3655169B2 (ja) アレーアンテナ基地局装置
JP2010041544A (ja) 無線装置、および無線装置の制御方法
JP2011080799A (ja) 到来方向推定装置、端末装置、無線通信システムおよび到来方向推定方法
JP2010066235A (ja) 距離測定装置及び距離測定方法、通信装置、コンピューター・プログラム
JP2000174536A (ja) ビーム制御アンテナ装置及びアンテナ制御方法
JP2010220078A (ja) 無線装置、及び電波到来方向推定方法
JP2006287669A (ja) 無線通信装置
Guimaraes et al. Using pulse/tone signals as an alternative to boost channel reservation on directional communications
AU2001291164A1 (en) Method and Apparatus for Determining an Operating Condition in a Communications System using Antenna Arrays
WO2002025837A2 (en) Method and apparatus for determining an operating condition in a communications system using antenna arrays
Siam et al. An overview of MIMO-oriented channel access in wireless networks
JP3926561B2 (ja) 移動通信システム
JP2003258709A (ja) 空間分割多重アクセス装置、適応アレーアンテナ基地局、端末およびその制御方法
JP2008306664A (ja) アレーアンテナ装置、アレーアンテナの通信方法、リレー通信システム及びリレー通信方法
JP2016195332A (ja) 無線通信装置、受信強度推定方法、および通信可否判定方法