(第1実施形態)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、第1実施形態のパケット集配信システムSYSの構成を示す図である。図1に示すパケット集配信システムSYSは、ネットワークを介して互いに接続された入出力装置10A、12B、12C、12D・・・12Eを有している。入出力装置10A、12B〜12Eは、被監視装置100A、100B、100C、100D・・・100Eおよび外部出力装置110A、110B、110C、110D・・・110Eにそれぞれ接続されている。
本実施形態のパケット集配信システムSYSは、例えば、給電設備の監視システムに利用される。入出力装置10A、12B〜12Eは、例えば、コンピュータ等の計算機である。これらの入出力装置10A、12B〜12Eは、被監視装置100A〜100E、外部出力装置110A〜110Eにおけるデータの送受信の制御および図示していない給電設備における配線の接点の切り替え等を制御する。
被監視装置100A〜100Eは、例えば、水力発電所の水位や発電量の測定装置あるいは配線の接点の状態を検出する装置である。また、外部出力装置110A〜110Eは、例えば、測定された水位や発電量を表示するモニタあるいは接点の状態を表示する系統盤等である。なお、図中の被監視装置100A〜100Eおよび外部出力装置110A〜110Eは、複数の測定装置等を1つのブロックにまとめて示している。
図中に示す破線の矢印は、被監視装置100A〜100Eから出力されるデータの流れの一例を示している。例えば、入出力装置10Aは、被監視装置100Aから出力されるデータ(例えば、発電量)を集計し、集計したデータをパケットにして、入出力装置10A、12B〜12Eに送信する。パケットを受信した入出力装置10A、12B〜12Eは、パケットをデータに分解し、分解したデータを外部出力装置110A〜110Eに出力する。
入出力装置10Aは、後述する図2に示すパケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルを作成するマスタ入出力装置である。以後、入出力装置10Aをマスタ入出力装置10Aとも称する。そして、マスタ入出力装置10Aは、作成したパケット組み立てファイルをパケット組み立てテーブルとするとともに、パケット分解ファイルをパケット分解テーブルとして入出力装置12B〜12Eに送信する。この場合、例えば、入出力装置12Bでは、入出力装置12Bが使用するパケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルのみを受信する。他の入出力装置についても、各入出力装置が使用するパケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルのみを受信する。
なお、マスタ入出力装置10Aのパケット組み立てテーブル52Aは、例えば、パケット組み立てファイル42Aがマスタ入出力装置10A内の転送により作成される。また、同様にして、マスタ入出力装置10Aのパケット分解テーブル54Aは、例えば、パケット組み立てファイル44Aがマスタ入出力装置10A内の転送により作成される(詳細は後述する)。
これにより、パケットの発信元(以後、入力端とも称する)である入出力装置のパケット組み立てテーブルと、パケットの発信先(以後、出力端とも称する)である入出力装置のパケット分解テーブルとで送受信するデータの対応関係が一致することになる。この結果、入出力装置に接続する機器の追加等により、パケット組み立てテーブルおよびパケット分解テーブルを更新する場合でも、各入出力装置は、発信元のデータと発信先のデータとの対応が常に一致しているテーブルを使用できる。従って、各入出力装置は、各入出力装置間でデータを正しく送受信できる。
図2は、第1実施形態のマスタ入出力装置10Aの構成の一例を示す図である。図1で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
マスタ入出力装置10Aは、入力部20、入力バッファ部22、パケット組み立て部24、パケット送受信部26、パケット分解部28、出力バッファ部30、出力部32、入出力関係データベース40、パケット組み立てファイル42A、42B、42C、42D・・・42E、パケット分解ファイル44A、44B、44C、44D・・・44E、パケット組み立てテーブル52Aおよびパケット分解テーブル54Aを有している。
入力部20は、被監視装置100Aから出力される発電量等のアナログデータや接点状態の情報等のデジタルデータが入力される入力チャネルICH1、ICH2、ICH3・・・ICH150を有している。入力バッファ部22は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)で形成され、入力チャネルICH1〜ICH150に入力されたデータを記憶する。
パケット組み立て部24は、パケット組み立てテーブル52Aに記憶されている入力チャネル、パケット番号、データ番号および伝送タイミングをそれぞれ示す情報に従って、入力チャネルICH1〜ICH150に入力されたデータを入力バッファ部22から読み出してパケットに組み立てる。これらの情報の詳細については後述する。
パケット送受信部26は、パケット組み立て部24により作成されたパケットを入出力装置12B〜12Eにネットワークを介して送信する。また、パケット送受信部26は、パケットを入出力装置12B〜12Eからネットワークを介して受信する。なお、マスタ入出力装置10Aからマスタ入出力装置10Aへのパケットの送受信は、マスタ入出力装置10A内の転送によって行われる。
パケット分解部28は、パケット分解テーブル54Aに記憶されている出力チャネル、パケット番号、データ番号および入力端の入出力装置をそれぞれ示す情報に従って、パケット送受信部26により受信したパケットをデータに分解する。出力バッファ部30は、例えば、DRAMやSRAMで形成され、パケット分解部28により分解されたデータを記憶する。出力部32は、出力バッファ部30に記憶されているデータを外部出力装置110Aに出力する出力チャネルOCH1、OCH2、OCH3・・・OCH150を有している。
入出力関係データベース40には、発信先情報、出力端の入出力装置のアドレスおよびこの入出力装置の出力チャネルが予め定義されている。この発信先情報は、マスタ入出力装置10Aや入出力装置12B〜12Eの入力チャネルICH1〜ICH150に入力されるデータの発信先を示す。この入出力関係データベース40は、例えば、マスタ入出力装置10Aの図示していないハードディスクやメモリに記憶される。
パケット組み立てファイル42A〜42Eは、例えば、マスタ入出力装置10Aの図示していないCPU(Central Processing Unit)により、プログラムに基づいて、発信先情報を入出力関係データベース40から抽出して作成される。例えば、マスタ入出力装置10Aは、入出力関係データベース40に定義されている発信先情報を入力端の入出力装置毎に分割し、分割した各発信先情報にパケット番号およびデータ番号を出力端の入出力装置毎に付加する。マスタ入出力装置10Aは、このパケット番号およびデータ番号が付加された発信先情報をパケット組み立てファイル42A〜42Eとして、例えば、マスタ入出力装置10Aの図示していないハードディスクやメモリに記憶する。
パケット分解ファイル44A〜44Eは、例えば、マスタ入出力装置10Aの図示していないCPUにより、プログラムに基づいて、発信元情報を入出力関係データベース40から抽出して作成される。発信元情報は、マスタ入出力装置10Aや入出力装置12B〜12Eの出力チャネルOCH1〜OCH150から出力されるデータの発信元、例えば、入力端の入出力装置のアドレス、この入出力装置の入力チャネル、この入力チャネルが受けるデータのパケット番号およびデータ番号である。
例えば、マスタ入出力装置10Aは、パケット組み立てファイル42A〜42Eの作成処理によりパケット番号およびデータ番号が付加された入出力関係データベース40の発信元情報を出力端の入出力装置毎に分割する。マスタ入出力装置10Aは、この分割した各発信元情報をパケット分解ファイル44A〜44Eとして、例えば、マスタ入出力装置10Aの図示していないハードディスクやメモリに記憶する。
パケット組み立てファイル42A〜42Eは、各入出力装置のパケット組み立てテーブルとして使用される。また、パケット分解ファイル44A〜44Eは、各入出力装置のパケット分解テーブルとして使用される。
これらのパケット組み立てテーブル52Aおよびパケット分解テーブル54Aは、例えば、マスタ入出力装置10Aの図示していないハードディスクやメモリに記憶される。また、同様にして、各入出力装置のパケット組み立てテーブルおよびパケット分解テーブルについても、各入出力装置のハードディスクやメモリに記憶される。
図3は、第1実施形態の入出力装置12Bの構成の一例を示す図である。図2で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。入出力装置12Bは、図2に示したマスタ入出力装置10Aから入出力関係データベース40、パケット組み立てファイル42A〜42Eおよびパケット分解ファイル44A〜44Eが省かれて構成されている。また、入出力装置12Bは、マスタ入出力装置10Aのパケット組み立てテーブル52Aおよびパケット分解テーブル54Aの代わりにパケット組み立てテーブル52Bおよびパケット分解テーブル54Bが設けられている。その他の構成は、マスタ入出力装置10Aと同じため、詳細な説明を省略する。
その他の各入出力装置12C、12D・・・12Eの構成は、パケット組み立てテーブル52Bおよびパケット分解テーブル54Bを除いて入出力装置12Bと同じである。以後、各入出力装置12C、12D・・・12Eのパケット組み立てテーブルを、アルファベット記号に対応させることにより、それぞれ、パケット組み立てテーブル52C、52D・・・52Eとも称する。また、各入出力装置12C、12D・・・12Eのパケット分解テーブルを、アルファベット記号に対応させることにより、それぞれ、パケット分解テーブル54C、54D・・・54Eとも称する。
図4は、第1実施形態のパケット組み立てファイル42A〜42Eの構成の一例を示す図である。パケット組み立てファイル42A〜42E内の括弧内の符号AA、AB等は、入力端と出力端の入出力装置を示している。例えば、パケット組み立てファイル42Aに示したABは、マスタ入出力装置10Aから入出力装置12Bに送信されるデータをパケットに組み立てるために参照される領域である。
パケット組み立てファイル42A〜42Eは、パケット情報としてパケット番号PNOおよびデータ番号DNOを有し、また、入力端の情報として入力端の入出力装置を示す情報およびこの入出力装置の入力チャネルICHを示す情報を有している。
さらに、パケット組み立てファイル42A〜42Eは、出力端の情報として出力端の入出力装置を示す情報およびこの入出力装置の出力チャネルOCHを示す情報を有している。
加えて、パケット組み立てファイル42A〜42Eは、パケット毎に伝送するタイミングを示す情報である伝送タイミングを有している。
入出力装置を示す情報は、例えば、入出力装置のアドレスである。なお、パケット組み立てファイルは、入出力装置毎に作成されるため、入力端の入出力装置を示す情報を省略してもよい。また、出力端の入出力装置の出力チャネルOCHを示す情報は、パケット組み立て処理では参照されないため、省略してもよい。
パケット組み立てファイル42AのABの領域に記録されている具体的内容の一例を図中の右側に示している。例えば、図中のパケット組み立てファイル42Aの1行目は、マスタ入出力装置10Aの入力チャネルICH3に入力されたデータを、入出力装置12Bに送信される第1のパケットにおけるデータ1の領域に格納することを示している。
さらに、伝送タイミングが、C001であることを意味している。ここで、伝送タイミングとしては、一例として、定周期(例えば、1秒、30秒)、イベント発生時(例えば、接点の状態変化)およびこれらの組み合わせとなる。伝送タイミングの記号の意味は、以下の通りである。C001は、定周期1秒、C030は、定周期30秒、Eは、イベント発生時を表し、C030Eは、定周期30秒かつイベント発生時を表している。
各入出力装置12B〜12Eは、このパケット組み立てファイル42B〜42Eをパケット組み立てテーブルとしてマスタ入出力装置10Aからそれぞれ取得し、取得したパケット組み立てテーブルに従ってデータをパケットに組み立てる。なお、マスタ入出力装置10Aは、装置内でパケット組み立てファイル42Aを組み立てテーブルとして取得し、取得したパケット組み立てテーブルに従ってデータをパケットに組み立てる。
図5は、第1実施形態のパケット組み立て処理の一例を示す図である。パケットPAB1、PAB2は、パケットの付属情報を格納するヘッダ部HEADおよびデータを格納するデータ領域D1〜D100を有している。パケットの付属情報は、例えば、発信元、発信先およびパケット番号等を示す情報である。マスタ入出力装置10Aは、例えば、図4に示したパケット組み立てファイル42Aをパケット組み立てテーブル52Aとして所持する。
この場合、パケット組み立て部24は、パケット組み立てテーブル52Aを参照し、例えば、入力チャネルICH3に入力されたデータを入力バッファ部22から読み出し、読み出した入力チャネルICH3のデータを第1のパケットPAB1のデータD1の領域に格納する。同様に、パケット組み立て部24は、入力チャネルICH111に入力されたデータを第2のパケットPAB2のデータD1の領域に格納する。パケット組み立て部24は、上述の処理を入力チャネルICH1〜ICH150に入力されるデータに対して実施し、データをパケットに組み立てる。この例では、PAB1には、アナログデータが格納され、PAB2にはデジタルデータが格納される。
図6は、第1実施形態のパケット分解ファイル44A〜44Eの構成の一例を示す図である。パケット分解ファイル44A〜44Eは、パケット情報としてパケット番号PNOおよびデータ番号DNOを有し、また、入力端の情報として入力端の入出力装置を示す情報およびこの入出力装置の入力チャネルICHを示す情報を有している。さらに、パケット分解ファイル44A〜44Eは、出力端の情報として出力端の入出力装置を示す情報およびこの入出力装置の出力チャネルOCHを示す情報を有している。
なお、パケット分解ファイルは、入出力装置毎に作成されるため、出力端の入出力装置を示す情報を省略してもよい。また、入力端の入出力装置の入力チャネルICHを示す情報は、パケット分解処理では参照されないため、省略してもよい。
図6において、パケット分解ファイル44Aに記録されている具体的内容の一例を図中に示している。例えば、図中のパケット分解ファイル44Aの1行目は、マスタ入出力装置10Aから受信した第1のパケットにおけるデータ1の領域に格納されているデータをマスタ入出力装置10Aの出力チャネルOCH1から外部出力装置に出力することを示している。
各入出力装置12B〜12Eは、このパケット分解ファイル44B〜44Eをパケット分解テーブルとしてマスタ入出力装置10Aからそれぞれ取得し、取得したパケット組み立てテーブルに従ってパケットをデータに分解する。なお、マスタ入出力装置10Aは、装置内でパケット分解ファイル44Aを分解テーブルとして取得し、取得したパケット分解テーブルに従ってパケットをデータに分解する。
図7は、第1実施形態のパケット分解処理の一例を示す図である。パケットPAA1、PBA1、PBA2、PEA1のヘッダ部HEADには、マスタ入出力装置10Aから送信された第1のパケット、入出力装置12Bから送信された第1のパケット、入出力装置12Bから送信された第2のパケット、入出力装置12Eから送信された第1のパケットであることを示す情報がそれぞれ格納されている。
マスタ入出力装置10Aは、例えば、図6に示したパケット分解ファイル44Aをパケット分解テーブル54Aとして所持する。この場合、パケット分解部28は、パケット分解テーブル54Aを参照し、例えば、マスタ入出力装置10Aから受信したパケットPAA1のデータD1の領域に格納されているデータを、出力チャネルOCH1から出力するデータとして出力バッファ部30に書き込む。出力バッファ部30に書き込まれたデータは、出力部32により読み出され、出力チャネルOCH1から外部出力装置110Aに出力される。パケット分解部28は、上述の処理を受信したパケットPAA1、PBA1、PBA2、PEA1に対して実施し、パケットをデータに分解する。
図8〜図11は、第1の実施形態のマスタ入出力装置10Aにおけるパケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルの作成処理の一例を示している。
図8は、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルにおける作成処理の全体の流れを示す図である。図8に示した処理P10、P20、P30およびP40は、例えば、マスタ入出力装置10AのCPU(不図示)により、プログラムに基づいて実施される。処理P10〜P30は、パケット組み立てファイルの作成処理を示している。処理P40は、パケット分解ファイルの作成処理を示している。
図9は、入出力関係データベース40の構成の一例を示す図である。図10は、図8に示した処理P20の結果の一例を示す図である。この入出力関係データベース40は、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルを作成するために参照される。図11は、図8に示した処理P30により作成されたパケット組み立てファイルの構成の一例を示す図である。
図9に示した入出力関係データベース40は、図8に示した処理P10の実施前であって、例えば、給電設備の構築あるいは変更時にシステム設計者により予め定義される。入出力関係データベース40は、入力端の情報として入力端の入出力装置を示す情報、この入出力装置の入力チャネルICHを示す情報および伝送タイミングを有している。
また、入出力関係データベース40は、出力端の情報として出力端の入出力装置を示す情報およびこの入出力装置の出力チャネルOCHを示す情報を有している。
ここで、パケット集配信システムに使用される入出力装置データには、上述した通り、例えば、電流や電圧など微量ながら時々刻々と変化するアナログデータと、電子機器などの接点の状態変化によりON/OFFのフラグを切り替えるデジタルデータとがある。
アナログデータの監視を重視する場合、アナログデータ用のパケットについては、デジタルデータ用のパケットと比較して伝送間隔を短くすることが望ましいため、本実施形態では、伝送タイミングを定周期1秒とする。また、デジタルデータ用のパケットについては、アナログデータ用のパケットと比較して伝送間隔を長くすることが望ましいため、本実施形態では、伝送タイミングを定周期30秒とする。さらに、イベントが発生した場合には、イベントの発生を通知するデジタルデータ用のパケットを即時伝送するため、伝送タイミングをEとする。なお、図9では、図4で説明した通り、デジタルデータ用のパケットについては、定周期30秒かつイベント発生時とするため、C030Eと表記している。
また、図9において、入出力装置を示す情報は、例えば、入出力装置のアドレスである。この場合、各入出力装置の項目に記載されている10A、12B、12C、12D、12Eは、各入出力装置10A、12B、12C、12D、12Eのアドレスをそれぞれ示している。
例えば、入出力関係データベース40の2行目の情報は、マスタ入出力装置10Aの入力チャネルICH1が被監視装置から受けたデータを入出力装置12Bの出力チャネルOCH2から外部出力装置に出力することを意味している。また、マスタ入出力装置10Aは、入出力装置12Bに対して、定周期1秒の伝送タイミングでパケットを送信することを意味している。
ここで、図9中、矢印Aで示す行の情報は、マスタ入出力装置10Aの入力チャネルICH109が被監視装置から受けたデータを入出力装置12Bの出力チャネルOCH100から外部出力装置に出力することを意味している。この場合の伝送タイミングは、C001(定周期1秒)である。
また、図9中、矢印Bで示す行の情報は、マスタ入出力装置10Aの入力チャネルICH120が被監視装置から受けたデータを入出力装置12Bの出力チャネルOCH150から外部出力装置に出力することを意味している。この場合の伝送タイミングは、C030E(定周期30秒かつイベント発生時)である。
これにより、本実施形態においては、アナログデータ用のパケットとデジタルデータ用のパケットを伝送タイミングに応じて、分けて送信することが可能となる。
この入出力関係データベース40は、例えば、マスタ入出力装置10Aの図示していないハードディスクやメモリに記憶される。
ここで、図8に示した処理P10では、マスタ入出力装置10Aは、入出力関係データベース40に定義されている入力端と出力端との組み合わせを維持した状態で、入出力関係データベース40を入力端の入出力装置毎に分割する。以後、入力端の各入出力装置10A、12B〜12E毎に分割した入出力関係データベース40を入出力関係データベースINA、INB、INC、IND、INEともそれぞれ称する。
図8に示した処理P20では、マスタ入出力装置10Aは、入力端と出力端との組み合わせを維持した状態で、処理P10により作成された入出力関係データベースINA、INB、INC、IND、INEを出力端の入出力装置毎に分割する。以後、出力端の各入出力装置10A、12B〜12E毎に分割した入出力関係データベースINA〜INEを入出力関係データベースOUTA、OUTB、OUTC、OUTD、OUTEともそれぞれ称する。
図10は、入出力関係データベースINAの一例を示している。図10では、入出力関係データベースINAを出力端の各入出力装置10A、12B〜12Eにそれぞれ分割した結果の一例を示す図である。例えば、マスタ入出力装置10Aは、並べ替えの優先順位の第1位から第3位を、出力端の入出力装置(第1位)、伝送タイミング(第2位)、出力チャネルOCH(第3位)に設定する。この優先順位に従って、図9に示した入出力関係データベースINAを並べ替えた結果が図10となる。これにより、図10に示した入出力関係データベースOUTA〜OUTEが得られる。
図8に示した処理P30では、処理P20で得られた、入出力関係データベースOUTA〜OUTEに対して、それぞれ、入力チャネル(ICH)、データ番号(DNO)、パケット番号(PNO)および伝送タイミング(TIM)を割り当てる。この場合、処理P30では、データ番号DNOとパケット番号PNOを割り当てるときに、同一の伝送タイミングの入力端および出力端の組み合わせ毎にパケット番号PNOを割り当てる。
例えば、マスタ入出力装置10Aは、まず、処理P20により作成された入出力関係データベースOUTA〜OUTEの入力端と出力端との各組み合わせに対して、データ番号DNOを割り当てる。
さらに、マスタ入出力装置10Aは、同一の伝送タイミング(TIM)の入力端および出力端の組み合わせ毎にパケット番号PNOを割り当てる。
パケット番号PNOおよびデータ番号DNOが割り当てられた入出力関係データベースOUTA〜OUTEは、パケット組み立てファイルになる。
ここで、図10中、矢印Aで示す行の情報は、図9に示した矢印Aで示す行の情報に対応づけられている。また、図10中、矢印Bで示す行の情報は、図9に示した矢印Bで示す行の情報に対応づけられている。このようにして、アナログデータ用のパケットとデジタルデータ用のパケットが振り分けられる。これにより、異なる伝送タイミングでアナログデータ用のパケットとデジタルデータ用のパケットとを送信することができる。
図11は、図10に示す出力端12B向けのパケット組み立てファイルの一例を示す図である。すなわち、図11では、図10に示した入出力関係データベースOUTBについて、伝送タイミング毎にパケット番号PNOおよびデータ番号DNOを、割り当てた構成の一例を示している。図11に示した入出力関係データベースOUTB’は、上述した図4に示したマスタ入出力装置10Aにおけるパケット組み立てファイル42Aの領域ABの情報に相当する。
なお、1つのパケットに格納できる上限数、例えば、上限数が100を超える場合には、複数のパケット番号を割り当て、パケット毎にデータ番号DNOを割り当ててもよい。
図8に示した処理P40では、マスタ入出力装置10Aは、入力端と出力端との組み合わせと、処理P30により割り当てられたパケット番号PNOおよびデータ番号DNOとの関係を維持する。この状態で、マスタ入出力装置10Aは、パケット番号PNOおよびデータ番号DNOが割り当てられた全ての入出力関係データベースOUTA〜OUTEを1つにまとめ、1つにまとめたデータベースを出力端の入出力装置毎に再分割する。
この場合、例えば、マスタ入出力装置10Aは、並べ替えの優先順位として、出力端の入出力装置、出力チャネルOCHの順に設定して、パケット番号PNOおよびデータ番号DNOが割り当てられた入出力関係データベース40を並べ替える。
以上、図8に示した処理P10〜P40により、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルが作成される。
次に、パケット集配信システムSYSの動作の一例について説明する。
ここでは、説明をわかりやすくするため、図1のパケット集配信システムSYSを簡略化し、マスタ入出力装置10A、入出力装置12Bおよび入出力装置12Cで構成されるパケット集配信システムSYSとする。このように簡略化して説明できるのは、本実施形態のパケット集配信システムSYSが、マスタ入出力装置10Aと、他の入出力装置が少なくとも1つあれば、成立するためである。そのため、マスタ入出力装置10A、入出力装置12Bおよび入出力装置12Cで構成されるパケット集配信システムSYSの動作の一例について以下説明する。
図12は、第1実施形態における集配信システムSYSのパケット転送処理の一例を示す図である。図1で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図12の破線の矢印は、パケットの転送処理の流れを示している。
図12に示す通り、マスタ入出力装置10Aにおいて、デジタルデータの入力チャネルは、ICH1〜100とし、アナログデータの入力チャネルは、ICH101〜150とする。また、デジタルデータの出力チャネルは、ICH1〜150とし、アナログデータの出力チャネルは、ICH151〜300とする。
また、入出力装置12Bにおいて、デジタルデータの入力チャネルは、ICH1〜50とし、アナログデータの入力チャネルは、ICH51〜100とする。また、デジタルデータの出力チャネルは、ICH1〜100とし、アナログデータの出力チャネルは、ICH101〜200とする。
また、入出力装置12Cにおいて、デジタルデータの入力チャネルは、ICH1〜50とし、アナログデータの入力チャネルは、ICH51〜100とする。また、デジタルデータの出力チャネルは、ICH1〜50とし、アナログデータの出力チャネルは、ICH51〜100とする。
なお、これらの入力チャネルおよび出力チャネルの設定は、一例であって、これに限定されるものではない。
集配信システムSYSでは、まず、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルを作成する。なお、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルの元になるデータは、システム設計者等により予め入力されているものとする。
図13は、第1実施形態における集配信システムSYSの入出力関係データベースの一例を示す図である。ここでは、マスタ入出力装置10A、入出力装置12Bおよび入出力装置12Cで構成されるパケット集配信システムSYSの入出力関係データベース40’を示す。
マスタ入出力装置10AのCPU(不図示)は、この入出力関係データベース40’に基づいて、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルを作成する。なお、図13に示す入出力関係データベース40’は、図9に示した入出力関係データベース40とは異なるものを用いる。図14に、マスタ入出力装置10AのCPUが作成したパケット組み立てファイルを示す。
図14は、パケット組み立てファイルの構成を示す一例の図である。図14(a)は、マスタ入出力装置10Aから入出力装置12Bに向けてパケット送信するための、マスタ入出力装置10Aが利用するパケット組み立てファイルの一例である。また、図14(b)は、マスタ入出力装置10Aから入出力装置12Cに向けてパケット送信するための、マスタ入出力装置10Aが利用するパケット組み立てファイルの一例である。
次に、マスタ入出力装置10AのCPUは、パケット組み立てファイルからパケット組み立てテーブルを作成する。また同様にして、マスタ入出力装置10AのCPU(不図示)は、パケット分解ファイルからパケット分解テーブルを作成する。
次に、マスタ入出力装置10AのCPUは、入出力装置12Bおよび入出力装置12Cについて、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルの転送処理を行う。
図15は、第1実施形態における集配信システムSYSの動作の一例を示すタイミングチャートである。
図15の時刻tは、システム設計者等により図13に示した入出力関係データベース40’に更新された時刻を示している。以下の処理ステップは、例えば、各入出力装置10A、12B、12Cの図示していないCPUにより、プログラムに基づいて実施される。
ステップS10:マスタ入出力装置10AのCPUは、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルの更新通知を、入出力装置12B、12Cに送信する。
ステップS11:入出力装置12BのCPUは、更新通知を受信した後、マスタ入出力装置10Aに更新したファイルのダウンロードを要求する。
ステップS12:マスタ入出力装置10AのCPUは、入出力装置12Bのダウンロード要求を受けつけた後、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルを入出力装置12Bに転送する。
ステップS13:入出力装置12CのCPUは、更新通知を受信した後、マスタ入出力装置10Aに更新したファイルのダウンロードを要求する。
ステップS14:マスタ入出力装置10AのCPUは、入出力装置12Cのダウンロード要求を受けつけた後、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルを入出力装置12Cに転送する。
入出力装置12B、12CのCPUは、転送されたパケット組み立てファイルに基づいて、パケット組み立てテーブルを更新する。また同様にして、入出力装置12B、12CのCPUは、転送されたパケット分解ファイルに基づいて、パケット分解テーブルを更新する。
ステップS15:マスタ入出力装置10AのCPUは、定周期1秒(C001)の伝送タイミングで、図14(a)に示したパケット組み立てファイルに基づいて作成されるアナログデータのパケット(PNO:2)を入出力装置12Bに転送する。なお、図15では、図中、1本の矢印で示しているが、定周期1秒毎にパケット(PNO:2)が転送されているものとする。入出力装置12BのCPUは、パケット分解テーブルに基づいて、アナログデータを出力する。
ステップS16:マスタ入出力装置10AのCPUは、定周期30秒(C030E)の伝送タイミングで、図14(a)に示したパケット組み立てファイルに基づいて作成されるデジタルデータのパケット(PNO:1)を入出力装置12Bに転送する。なお、図15では、図中、1本の矢印で示しているが、イベントが発生しない限り、定周期30秒毎にパケット(PNO:1)が転送されているものとする。なお、イベントが発生した場合には、マスタ入出力装置10AのCPUは、パケット(PNO:1)を転送する。入出力装置12BのCPUは、パケット分解テーブルに基づいて、デジタルデータを出力する。
ステップS17:マスタ入出力装置10AのCPUは、定周期1秒(C001)の伝送タイミングで、図14(b)に示したパケット組み立てファイルに基づいて作成されるアナログデータのパケット(PNO:2)を入出力装置12Cに転送する。入出力装置12CのCPUは、パケット分解テーブルに基づいて、アナログデータを出力する。
ステップS18:マスタ入出力装置10AのCPUは、定周期30秒(C030E)の伝送タイミングで、図14(b)に示したパケット組み立てファイルに基づいて作成されるデジタルデータのパケット(PNO:1)を入出力装置12Cに転送する。入出力装置12CのCPUは、パケット分解テーブルに基づいて、デジタルデータを出力する。
ステップS19:マスタ入出力装置10AのCPUは、定周期1秒(C001)の伝送タイミングで、アナログデータのパケットを入出力装置12Bから受信する。マスタ入出力装置10AのCPUは、パケット分解テーブルに基づいて、アナログデータを出力する。
ステップS20:マスタ入出力装置10AのCPUは、定周期30秒(C030E)の伝送タイミングで、デジタルデータのパケットを入出力装置12Bから受信する。マスタ入出力装置10AのCPUは、パケット分解テーブルに基づいて、デジタルデータを出力する。
ステップS21:マスタ入出力装置10AのCPUは、定周期1秒(C001)の伝送タイミングで、アナログデータのパケットを入出力装置12Cから受信する。マスタ入出力装置10AのCPUは、パケット分解テーブルに基づいて、アナログデータを出力する。
ステップS22:マスタ入出力装置10AのCPUは、定周期30秒(C030E)の伝送タイミングで、デジタルデータのパケットを入出力装置12Cから受信する。マスタ入出力装置10AのCPUは、パケット分解テーブルに基づいて、デジタルデータを出力する。
このようにして、集配信システムSYSでは、アナログデータ用のパケットとデジタルデータ用のパケットとを異なるタイミングで送受信することが可能となる。なお、この処理フローは、通常、24時間稼働しているものとする。ただし、システム設計者等により、機器の増設や撤去によりパケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルを更新する場合、例えば、この処理フローは、一旦終了する。そして、更新後に、この処理フローは、再開する。
この結果、入出力データの特性に合った、伝送タイミングを入出力関係データベースに追加し、パケット組み立てファイルを生成することで、アナログデータおよびデジタルデータについて適切な伝送タイミングで送受信することができる。これにより、パケット集配信システムは、入出力装置やネットワークの処理負荷を軽減させるとともに、リアルタイムの監視が可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態のパケット集配信システムについて説明する。
図16は、第2実施形態のパケット集配信システムSYS2の構成を示す図である。第1実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。この実施形態のパケット集配信システムSYS2は、第1実施形態のパケット集配信システムSYSにファイルサーバ200を追加して構成されている。
また、パケット集配信システムSYS2は、第1実施形態におけるパケット集配信システムSYSのマスタ入出力装置10Aの代わりに入出力装置12Aが設けられている。その他の構成は、第1実施形態と同じである。第2実施形態のパケット集配信システムSYS2は、例えば、給電設備の監視システムに利用される。図中、破線の矢印の意味は上述した図1と同じである。
ファイルサーバ200は、入出力装置12A〜12Eにより構成されるネットワークに接続され、パケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルを作成する。そして、ファイルサーバ200は、作成したパケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルをパケット組み立てテーブルおよびパケット分解テーブルとして入出力装置12A〜12Eに送信する。
すなわち、ファイルサーバ200は、第1実施形態のマスタ入出力装置10Aが実施していたパケット組み立てファイルおよびパケット分解ファイルの管理を実施する。入出力装置12Aは、入出力装置12B〜12Eと同様の構成のため、詳細な説明を省略する。
図17は、ファイルサーバ200の構成を示す一例の図である。図2で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
ファイルサーバ200は、入出力関係データベース40、パケット組み立てファイル42A、42B、42C、42D・・・42E、パケット分解ファイル44A、44B、44C、44D・・・44E、およびCPUを有している。
ファイルサーバ200のCPUは、例えば、図示されていないメモリに記憶されているプログラムに基づいて、パケット組み立てファイル42A〜42Eおよびパケット分解ファイル44A〜44Eを作成する。ファイルの作成処理は、上述した図8〜図11と同様であるため、詳細な説明を省略する。ファイルの更新処理は、更新したファイルの転送処理以外は、第1実施形態と同じである。
続いて、第2実施形態における集配信システムSYS2の動作について、第1実施形態における集配信システムSYSの動作の一例を示すタイミングチャート(図15)を参照して説明する。この場合、ステップS10からステップS14までの処理をファイルサーバ200のCPUが行う。それ以外は、第1実施形態における集配信システムSYSと同様であるので、詳細な説明を省略する。
以上より、第2実施形態における集配信システムSYS2においても、第1実施形態における集配信システムSYSと同様、入出力装置やネットワークの処理負荷を軽減させるとともに、リアルタイムの監視が可能となる。
10A、12A〜12E‥入出力装置;20‥入力部;22‥入力バッファ部;24‥パケット組み立て部;26‥パケット送受信部;28‥パケット分解部;30‥出力バッファ部;32‥出力部;40、40’‥入出力関係データベース;42A〜42E‥パケット組み立てファイル;44A〜44E‥パケット分解ファイル;52A〜52E‥パケット組み立てテーブル;54A〜54E‥パケット分解テーブル;100A〜100E‥被監視装置;110A〜110E‥外部出力装置;200‥ファイルサーバ;SYS、SYS2‥パケット集配信システム