JP2010040380A - 有機elパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機ELパネルの発光層を形成する有機EL層を蒸着マスク使用せずに形成する。
【解決手段】透明支持基板20にレーザー光吸収層21と有機EL膜22を積層したドナー基板220に対向して、有機EL素子形成部110を有する回路基板101を配置する。ドナー基板220に対してレーザー光LAを照射して、レーザー光吸収層21に衝撃波を発生させ、ドナー基板220上の有機EL膜22を剥離させて回路基板側に付着させ、回路基板101側に有機EL層を形成する。本発明によれば、蒸着マスクを使用せずに有機ELパネルを形成できるので、高精細、大画面で、かつ、製造コストの低い有機ELパネルが実現できる。
【選択図】図2
【解決手段】透明支持基板20にレーザー光吸収層21と有機EL膜22を積層したドナー基板220に対向して、有機EL素子形成部110を有する回路基板101を配置する。ドナー基板220に対してレーザー光LAを照射して、レーザー光吸収層21に衝撃波を発生させ、ドナー基板220上の有機EL膜22を剥離させて回路基板側に付着させ、回路基板101側に有機EL層を形成する。本発明によれば、蒸着マスクを使用せずに有機ELパネルを形成できるので、高精細、大画面で、かつ、製造コストの低い有機ELパネルが実現できる。
【選択図】図2
Description
本発明は有機ELパネルの製造方法に係り、特に、発光層である有機EL層の形成方法に関する。
従来より、有機ELパネルの発光層を含む有機EL層の色分け方法として蒸着マスクを用いるマスク蒸着が用いられている。しかし、蒸着マスクが高価であるとともに運用コストも高く、デバイス基板と蒸着マスクを接触させるために異物の影響が大きく、製造歩留まりが低い。そのため、製造コストが高くなり、有機ELパネル単価を高いものとしている。更に、有機ELの大形化・高精細化やワークサイズ拡大に対しても、蒸着マスク製造技術とマスク蒸着プロセスが追いついていけない。
これらの問題を解決するため、『白色+CF』法や色変換法、インクジェット法やオフセット法等の溶液プロセス、レーザー転写法など、マスク蒸着を用いない方法が検討されている。『白色+CF』法や色変換法、インクジェット法やオフセット法等の溶液プロセスでは、発光効率が低下し、寿命も短くなる。これらの技術を実現するためには、発光効率が高く、長寿命を達成できるための材料開発を待たねばならない。なお、『白色+CF』法とは、全画素に白色発光の有機EL層を形成しておき、画素毎にカラーフィルタ(CF)を使用してカラー画像を形成するものである。
LIPS(Laser Induced Pattern wise Sublimation)とLITI(Laser-Induced Thermal Imaging)に代表されるレーザー転写法は高精細対応が可能で、大面積基板への対応が可能である。LIPSについて記載したものとして「特許文献1」が、LITIについて記載したものとして「特許文献2」が挙げられる。
LIPSは、ガラス基板全面に発光材料を塗布したドナー基板にレーザーを照射することにより発光材料を昇華させ、対向して設置させたデバイス基板上に有機EL層を形成するもので、成膜部分に選択的にレーザーを照射することにより、マスクレスパターニングを実現している。この方法では、1層ずつの蒸着となり、昇華のための蓄熱層の温度上昇により蒸着雰囲気の影響を受けやすい。このため、工程数は長くなり、膜質劣化も生じやすい。
LIPS法では、原理的に1層しかできず,分離形成する層数が増えるにしたがって,転写する工程数が増えてしまう。また,レーザーエネルギーを熱変換して利用しているため,転写雰囲気温度上昇による不純物混入などが生じ、有機EL素子の特性劣化が懸念される。
LITIは発光材料を塗布したドナーフィルムをデバイス基板に密着させ、所定の場所にレーザーを照射することによりマスクレスパターニングを実現している。LITI方法は、基本的に熱転写であるため、複数層の転写が可能である。しかし、圧力、温度を付加する必要があり、層数が増えたり、厚膜化すると膜質劣化が懸念される。したがって、LITI方法であっても1〜2層が実際的であるため、層数が増加する場合には,転写を繰り返すか,蒸着法との併用が必要となる。また,異物が存在するとそれを挟み込んだ状態で圧力を加えるため,欠陥が増加してしまう。
本発明の課題は以上のような問題点を克服し、蒸着マスクを使用せずに、発光層を含む複数の有機EL層を歩留り良く形成することである。
本発明は上記課題を解決するものであり、具体的手段は次のとおりである。
(1)回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成された少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、透明支持基板にレーザー光吸収層と前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を積層したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記薄膜片を前記 回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
(2)前記レーザー光吸収層を所定のパターン形状に形成することを特徴とする(1)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(3)前記ドナー基板の前記支持基板と前記レーザー光吸収層の間に前記レーザー光吸収層に対する反射防止膜を形成することを特徴とする請求項1または(2)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(4)前記レーザー光吸収層がTi,Ni,Cu,Au,Cr,Mo,W、あるいはこれらを含む合金のいずれかからなる薄膜層であることを特徴とする(3)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(5)前記反射防止膜は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化チタン、酸化アルミ二ウム、のいずれかを含む薄膜層であることを特徴とする(3)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(6)前記ドナー基板において、前記透明支持基板と前記有機EL膜の間に前記有機EL膜が剥離しやすくするための剥離補助層を設けたことを特徴とする(1)乃至(5)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(7)回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成された少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、レーザー光吸収する金属箔に前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を形成したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記薄膜片を前記 回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
(8)前記金属箔の板厚を10μm以上かつ50μm以下としたことを特徴とする(7)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(9)前記金属箔はNi合金で形成されていることを特徴とする(7)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(10)回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成され、複数の画素に共通して形成される下有機層と、少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、透明支持基板にレーザー光吸収層と前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を積層したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記薄膜片を前記回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
(11)回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成され、複数の画素に共通して形成される下有機層と、少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、レーザー光吸収する金属箔に前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を形成したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記薄膜片を前記 回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
(12)回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成された少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層の上に形成され、複数の画素に共通して形成される上有機層と、前記上有機層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、透明支持基板にレーザー光吸収層と前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を積層したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記薄膜片を前記回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
(13)回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成された少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層の上に形成され、複数の画素に共通して形成される上有機層と、前記上有機層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、レーザー光吸収する金属箔に前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を形成したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記薄膜片を前記 回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
(14)前記第1の電極の断面は順テーパとなっており、前記電極の下面および上面に対する前記テーパ角度は60度以下とすることを特徴とする(1)乃至(13)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(15)前記第1の電極を複数の層で形成し、これによって前記順テーパを形成することを特徴とする(14)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(16)前記有機EL素子と前記有機EL素子の間にはバンクが形成され、前記バンクは順テーパとなっており、前記バンクの下面および上面に対するテーパ角度は60度以下とすることを特徴とする(1)乃至(15)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(17)前記バンクを複数の層で形成し、これによって前記順テーパを形成することを特徴とする(16)に記載の有機ELパネルの製造方法。
(18)前記ドナー基板を形成する工程と、前記ドナー基板にレーザー光を照射して前記ドナー基板の前記有機EL膜から前記薄膜片を剥離させて、前記薄膜片を前記回路基板に付着させる工程を一連の設備内で行い、かつ、真空を破らずに行うことを特徴とする(1)乃至(17)に記載の有機ELパネルの製造方法。
本発明によれば、蒸着マスクを使用しないで有機EL層を形成することが出来るので、有機ELパネルの大形化、高精細化が可能になる。
また、本発明によれば、有機ELパネルを形成するマザー基板の大形化が可能になることから、マザー基板あたりのパネル取得数を増大させることが出来、その結果、有機ELパネルの製造コストを低減させることが出来る。
有機EL素子を構成する有機膜をドナー基板上に制約条件の少ないべた膜の状態で形成できるため、膜厚分布・再現性を高くすることができ、色純度などの特性を改善することができる。また、べた膜の状態で有機EL素子の膜構成が出来るため、膜欠陥を低減でき、有機EL層の工程数低減に寄与できる。
以下実施例にしたがって、本発明の内容を詳細に説明する。
本発明を適用した有機EL基板の製造方法の第1の実施の形態を示す工程フロー図を図2および図3に、本発明を適用した有機EL基板を図1と図4〜図8に、有機ELパネルを図9〜11に示す。本明細書においては、TFT等の駆動回路を有する駆動回路基板上に有機EL素子からなる発光素子を形成した基板を有機EL基板と呼び、有機EL基板を封止したものを有機ELパネルと呼ぶ。
図1は有機EL基板の断面図である。図1において、101はガラス基板上にTFT(薄膜トランジスタ)等を有する駆動回路を形成した駆動回路基板を、102は駆動回路基板101上に設けたアクリルやポリイミド等からなる平坦化層を、103は有機EL素子の下部電極となる導電性薄膜からなる第1の電極を、104〜106は有機EL素子を構成する有機膜を,107は上部電極となる第2の電極を、108は第2の電極上に形成された補助電極である第3の電極を示す。なお、補助電極は上部電極における電圧降下を抑制し、画面上の輝度を均一にするための電極である。110は有機EL素子形成部で平坦化層102より上層部分で有機EL素子を形成している部分を示している。有機EL基板100は駆動回路基板101とその上に形成された有機EL素子形成部110とから形成される。
発光した光を駆動回路基板101側から取り出すボトムエミッション型素子の場合には、第1の電極103としてはITOやIZO、ZnO等の透明導電膜により、第2の電極107としてはAl等の反射性金属膜により構成される。一方、発光した光を駆動回路基板101の反対側から取り出すトップエミッション型素子の場合、第1の電極103としてはAl等の反射性金属膜(表面をITO等の透明膜により被覆されることがある)が用いられ、第2の電極としてはITOやIZO、ZnO等の透明導電膜、あるいは、薄く形成されたAg等金属膜の半透明膜(透明導電膜との積層膜となることもある)が用いられる。
図1に示した有機EL基板100では、有機膜104と有機膜105は赤色発光素子105R、緑色発光素子105G、青色発光素子105Bに共通な共通層となっている。第1の電極103側がアノード(陽極)である場合には、有機膜104はホール輸送層(ホール注入層を含む、場合によっては電子ブロッキング層を含むことがある)、有機膜106は電子輸送層(電子注入層含む、場合によってはホールブロッキング層を含むことがある)となる。逆に、第2の電極106側がアノードである場合、有機膜106がホール輸送層(ホール注入層を含む、場合によっては電子ブロッキング層を含むことがある)、有機膜104は電子輸送層(電子注入層含む、場合によってはホールブロッキング層を含むことがある)となる。
有機層105は発光層を含む有機膜であり、発光色ごとに105R(赤色発光素子)、105G(緑色発光素子)、105B(青色発光素子)にパターン分離されている。有機膜105にはホールブロッキング層や電子ブロッキング層が含まれることがあり、有機EL素子に干渉効果をもたせる場合にはホール輸送層や電子輸送層を含むこともある。この有機層105の成膜に本発明を適用している。
図2に本発明による有機EL基板の製造方法の第1の実施の形態を工程フロー図で示す。以下、図2に従って説明する。図2(a)において、透明な支持基板20上に使用するレーザー光(例えば、YAG第2高調波533nm)を吸収するレーザー光吸収層21を形成する。レーザー光吸収層21の材料としてはレーザー光の吸収率の高いものが望ましく、(紫外〜)可視領域のレーザーを用いる場合には、Ti,Ni,Cu,Au,Cr,Mo,W、あるいはこれらを含む合金からなる薄膜層を用いればよい。
図2(b)において、レーザー光吸収層21上に第1の有機層22を形成することによりドナー基板220を形成する。第1の有機層22は、少なくとも105R、105G、105Bのいずれかの発光層を含む1層以上の有機膜からなるべたの(パターン化されていない)有機層である。第1の有機層22にはホールブロッキング層や電子ブロッキング層が含まれることがあり、有機EL素子に干渉効果をもたせる場合にはホール輸送層や電子輸送層を含むこともある。第1の有機層22の形成方法としては、周知の真空蒸着法や印刷法、スピンコーティング法、等を用いればよい。
図2(c)において、平坦下層102、第1の電極103と共通層である有機膜104からなる有機EL素子形成部110を設けた駆動回路基板101と図2(b)で示す工程で形成した前記ドナー基板220を対向させて成膜室(転写室)200内にセットする。駆動回路基板101とドナー基板220は接触させずに、ギャップを設ける。次いで、100Pa以下の圧力まで真空排気を行い、ドナー基板220に設けた第1の有機層22を前記駆動回路基板101に転送する雰囲気を作製する。この雰囲気は、ギャップ制御を容易にし、残留ガスの影響を抑制するため、100Pa以下の真空度としている。なお、前記薄膜片の転送雰囲気は大気圧であっても良いが、駆動回路基板101とドナー基板220のギャップを著しく狭くする必要があり、転送に対する残留ガスの影響を受けることに注意が必要である。
図2(d)において、レーザー光吸収層21の所定の場所(駆動回路基板101の発光素子パターンを形成する場所に対面するドナー基板220の場所)に、背面側(ドナー基板220のレーザー光吸収層21を形成した面とは反対側の面)からレーザー光LA(たとえば、YAGレーザーの第2高調波、波長:532nm)を照射し、レーザー光吸収層21に衝撃波を誘起する。レーザー光LAの照射場所は、コンピュータ制御による番地指定で行っても良いし、発光部パターンに対応する開口部が設けられた遮光マスクを用いても良い。
レーザー光LAの波長としてはレーザー光吸収層21に吸収されるものを選択する。レーザーとしてはパルスレーザーを用い、レーザー光吸収層21の温度上昇を防止し、衝撃波を発生させるように、パワーとパルス幅、繰り返し周波数を設定する。レーザー光吸収層21の温度上昇を防止し、衝撃波を発生させるためには、レーザー光吸収層21によるレーザー光の吸収率を高くすることによりレーザーパワーを低くすることはもちろんであるが、レーザー光吸収層21に弾性波が発生する繰り返し周波数内でパルス幅を狭くすることが有効である。レーザーの照射時間に比べて非照射時間を十分長くすることによって、冷却時間を取れるからである。すなわち、レーザー照射によって温度が上昇した部分の冷却が可能になるからである。また、レーザー光吸収層21に衝撃波を発生させるためには、発生する衝撃波の音圧によりレーザー光吸収層21が剥離しないように、レーザー光吸収層21と支持基板20の接着強度を高めなければならない。さらに、レーザー光吸収層21のアブレーション閾値が発生する衝撃波の音圧より十分大きいことが要求される。
図2(e)において、レーザー光吸収層21のレーザー光LAが照射された部分には衝撃波が誘起され、発生した衝撃波によって、その場所に積層されていた第1の有機層22が剥離する。第1の有機層22が剥離して形成された薄膜片23は発生した衝撃波からエネルギーを得て駆動回路基板101に向かって飛び出す。レーザー光吸収層21では、第1の有機層22が形成されている面とは反対側の表面に衝撃波が発生する。そのため、レーザー光吸収層21は、発生した衝撃波の振動が反対側に伝わることができる厚みとする必要がある。膜応力と膜強度、薄膜形成手法を考えると、0.1〜50μmとすれば良い。
また、第1の有機層22の一部を薄膜片として剥離させるためには、第1の有機層22とレーザー光吸収層21の密着強度が発生する衝撃波の音圧より低いこと、第1の有機層22の膜強度が発生する衝撃波の音圧より高いこと、衝撃波発生境界での第1の有機層22の膜強度が発生する衝撃波の音圧より低いこと、第1の有機層22とレーザー光吸収層21の密着強度が支持基板20と第2のレーザー光吸収層21の密着強度より低いこと、が要求される。第1の有機層22の一部が剥離して発生した薄膜片23をドナー基板220から駆動回路基板101側に転送するには、ドナー基板220と駆動回路基板101の有機EL素子形成部110を接触させても良い。しかし、効率よく転送するためには、有機EL素子形成部110とドナー基板220を接触しないようにして、できるだけ接近して対向させることが必要であり、できれば、0.01〜0.1mmとするのが好ましい。
図2(f)において、駆動回路基板101に向かって飛び出した薄膜片23はドナー基板220と駆動回路基板101の間の空間を移動し、駆動回路基板101に到達して付着する。これにより、駆動回路基板101の有機EL素子部110上に第1の有機層22からなる薄膜パターン24が形成される。この薄膜パターン24が図1に示した発光層を含む有機膜105となる。以上の図12(a)〜図12(f)で示す工程を繰り返すことにより、発光層を含む有機膜105を発光する色別に105R、105G、105Bにパターン分離できる。白色発光素子が必要な場合には、白色発光層を含む有機層を図12(a)〜図12(f)で示す工程に追加形成すればよい。
図2(g)において、有機EL素子形成部110に薄膜パターン24を形成した駆動回路基板100を成膜室200から取り出し、次の封止工程に送る。これにより、図1に示した有機EL基板100が完成される。
上記レーザー光吸収層21に衝撃波を発生させるためには、レーザー光吸収層21がレーザー光を効率よく吸収する必要がある。そのためには、レーザー光に対する吸収率が高い材料を用いることと、レーザー光吸収層21の入射面でのレーザー光の反射を防止する必要がある。
レーザー光吸収層21のレーザー光吸収を高めるためには、パワーを増やすことも有効であるが、温度を上げることにもなり、好ましくない。Alの場合には800〜900nmの半導体レーザーを、Ni、Cu等の金属にはYAGの第2高調波より短波長のレーザーを用いるなどして、レーザー光の吸収が大きくなるように、材料とレーザーを組み合わせるのが好ましい。
レーザー光吸収層21の入射面でのレーザー光LAの反射を防止するには、支持基板20とレーザー光吸収層21の間に反射防止膜を挿入することが有効である。W、Ta、Ti、Ni、Cr、Mo、C等を挿入膜とすることによって、Alなどの可視光反射率の高い材料もYAGの第2高調波に対しても使用可能となる。これらの金属膜を挿入した場合には、金属膜に衝撃波が発生することになる。また、反射防止膜としてITOやIZO、ZnOとうの導電性透明薄膜や、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、チタン酸化膜、アルミニウム酸化膜等の透明絶縁膜を用いることができる。この場合には、挿入膜はレーザー光を透過させ、干渉効果を用いてレーザー光の反射を防いでいる。
また、レーザー光吸収層21の入射面でのレーザー光の反射を防止するためには、レーザー光吸収層21のレーザー光の入射面側を粗面にすることも有効である。このためには、支持基板表面の機械的粗面化、ポリシラザンの塗布・セラミック化、ゾルゲル法によるセラミック形成などが有効である。
第1の有機層22がレーザー光吸収層21に発生した衝撃波によって剥離されるためには、第1の有機層22は発生する衝撃波エネルギーによって破壊されてはならないが、衝撃波発生境界では切断されることが必要である。しかし、第1の有機層22が厚くなった場合には、衝撃波による切断が困難な場合もある。これを解決するためのプロセスを図3に示す。
図3では、図2で示した有機膜からなる薄膜パターンの形成方法において、第1の有機層22と支持基板20の間にパターン化されたレーザー光吸収層31を挿入したものである。これにより、前記レーザー光吸収層パターン31の境界において、前記第1の有機層22に段差が発生する。レーザー光吸収層31に発生した衝撃波により前記第1の有機層22を剥離する場合、この段差により、前記第1の有機層22の切断が容易になる。
この効果をより有効にするには、レーザー光吸収層31パターンの断面形状を、急峻にするか、逆テーパにすることが望ましい。レーザー光吸収層のパターン化にはフォトエッチング手法を用いることができるため、高精細化が可能であり、薄膜パターン24を高精細化することが出来る。図3(a)〜図3(g)に示す工程は、レーザー光吸収層としてパターニングされたレーザー光吸収層31を用いるほかは、図2に示す工程と同様である。
図2においては、第1の有機層22と支持基板20の間にレーザー光吸収層21を挿入している。また、図3においては、第1の有機層22と支持基板20の間にパターン化されたレーザー光吸収層31を挿入している。これに対して、パターン化した薄膜層をレーザー光吸収層(レーザー光吸収層21あるいはレーザー光吸収層31)と支持基板20の間に挿入してもよい。あるいは、レーザー光吸収層(レーザー光吸収層21あるいはレーザー光吸収層31)と第1の有機層22の間に挿入しても良い。
前記パターン化した薄膜層をレーザー光吸収層(レーザー光吸収層21あるいはレーザー光吸収層31)と第1の有機層22の間に挿入する場合には、レーザー光を透過する必要があり、レーザー光に対して反射防止膜となることが望ましい。一方、前記パターン化した薄膜層をレーザー光吸収層(レーザー光吸収層21あるいはレーザー光吸収層31)と第1の有機層22の間に挿入する場合、レーザー光吸収層(レーザー光吸収層21あるいはレーザー光吸収層31)で発生した衝撃波を伝播できる程度の膜厚であるとともに、伝播した衝撃波によって第1の有機層22がパターン化した薄膜層より剥離されることが必要である。
また、前記パターン化した薄膜層は支持基板およびレーザー光吸収層(レーザー光吸収層21あるいはレーザー光吸収層31)との密着力が強く、発生する衝撃波によって剥離しないことも要求される。これらの条件は、前記薄膜層の成膜手法や材料の選択によって対応可能である。
以上述べてきたように、本発明による有機EL基板の形成方法によれば、次のような効果を得ることが出来る。
(1)微細化・大面積化が困難なメタルマスク(蒸着マスク)を用いる必要がない。また、メタルマスクを用いない有機膜形成であるため、異物の影響や蒸着マスクへの接触によるダメージなども抑制できる。
(2)分離形成する必要のある発光層を含む有機膜の成膜に対する制限が少ないため、有機膜の高品質化が可能になる。すなわち、発光効率向上と長寿命化に寄与する。
(3)ドナー基板上に形成された第1の有機層の層構成が維持されながら有機層パターンが形成される。ドナー基板への薄膜層形成に対する制限が少ないため、工程数を増加させずに種々の膜を用いた積層構造を作製できる。
(1)微細化・大面積化が困難なメタルマスク(蒸着マスク)を用いる必要がない。また、メタルマスクを用いない有機膜形成であるため、異物の影響や蒸着マスクへの接触によるダメージなども抑制できる。
(2)分離形成する必要のある発光層を含む有機膜の成膜に対する制限が少ないため、有機膜の高品質化が可能になる。すなわち、発光効率向上と長寿命化に寄与する。
(3)ドナー基板上に形成された第1の有機層の層構成が維持されながら有機層パターンが形成される。ドナー基板への薄膜層形成に対する制限が少ないため、工程数を増加させずに種々の膜を用いた積層構造を作製できる。
つまり、本発明を用いることによって、有機ELパネルの高精細化、大画面化、画面の高輝度化、長寿命化、大面積のマザー基板に多数の有機EL基板を形成することが出来ることによる1個当たりの有機ELパネルの製造コストの低減、製造歩留まり向上等が可能になる。
図1に示した有機EL基板100では、駆動回路基板101上に平坦化層102と第1の電極103、有機膜共通層104を順次形成した後、パターン分離した有機層105を本発明により形成し、その後、有機膜共通層106と共通層である第2の電極107と第3の電極108を形成している。本実施例に示した本発明の適用範囲はこの構造に限定されるものではない。その例を、図4〜図8に示す。
図4に示した有機EL基板100では、駆動回路基板101上に平坦化層102と第1の電極103、有機膜共通層104を順次形成した後、パターン分離した有機層105を本発明により形成し、その後、共通層である第2の電極107と第3の電極108を形成している。有機EL基板100では、パターン分離した有機層105に図1に示した共通層である有機層106が含まれている。その他の構造や製造方法は図1に示した有機EL基板100と同じである。
図5に示した有機EL基板100では、駆動回路基板101上に平坦化層102と第1の電極103を順次形成した後、パターン分離した有機層105を本発明により形成し、その後、有機膜共通層106と共通層である第2の電極107と第3の電極108を形成している。有機EL基板100では、パターン分離した有機層105に図1に示した共通層である有機層104が含まれている。その他の構造や製造方法は図1に示した有機EL基板100と同じである。
図6に示した有機EL基板100では、駆動回路基板101上に平坦化層102と第1の電極103を順次形成した後、パターン分離した有機層105を本発明により形成し、その後、共通層である第2の電極107と第3の電極108を形成している。有機EL基板100では、パターン分離した有機層105に図1に示した共通層である有機層104と、パターン分離形成する有機層105、共通層である有機層106が含まれている。その他の構造や製造方法は図1に示した有機EL基板100と同じである。本実施例では、有機EL素子を構成する有機層すべてが本発明により形成されており、有機EL基板の工程数を大幅に低減できる。
図7に示した有機EL基板100は、図1に示した有機EL基板において、第1の電極103の周縁を被覆するバンク1001を設けたものである。その他の構造や製造方法は図1に示した有機EL基板100と同じである。バンクは図4〜図6に示した有機EL基板でも設けることができる。
図8は本発明による有機層パターンのパターン分離形成方法に適した構造を示したものである。図1に示した有機EL基板100と同じ構造を有する有機EL基板100を図11(a)に、図7に示した有機EL基板100と同じ構造を有する有機EL基板100を図11(b)に示す。図8に示す有機EL基板100が図1に示す有機EL基板100と異なる点は、第1の電極103の断面構造である。
すなわち、第1の電極103の断面を順テーパ形状とした点である。このような構成とすることによって、駆動回路基板101上に設けた有機EL素子形成部110の表面を滑らかにすることが出来、したがって、ドナー基板から剥離して転送されてきた薄膜片の有機EL素子形成部110への密着性を高めることが出来る。なお、同じ目的からは、図8(b)に示すように、有機EL基板100にバンク1001が形成されている場合には、バンク1001の断面を順テーパ形状とすることが望ましい。この第1の電極の断面をテーパ形状にすることは図8に示した構造の有機EL基板100のみに限定されるものではない。
なお、第1の電極103あるいはバンク1001に対して断面を順テーパとするために、第1の電極103あるいはバンク1001を複数の層で形成することが出来る。すなわち、複数の層のうち、上方の層ほどエッチングスピードの速い材料で形成すれば、第1の電極103あるいはバンク1001の断面に対して容易にテーパを形成することが出来る。
図8に示すように、第1の電極103を順テーパとする場合は、平坦化膜102との角度、あるいは、第1の電極の上面の接線との角度を60度以下とすることが望ましい。また、図8(a)あるいは、図8(b)における第1の電極103のコーナー部、あるいは、図8(b)におけるバンク1001のコーナー部は台形の角となっているが、この部分は望ましくは曲面となっているのが良い。
本発明を用いて形成した有機EL基板を封止することにより有機ELパネルが完成する。その例を、図9〜図11に示す。図9は本発明によってパターン分離した有機層105を有する有機EL素子を設けた駆動回路基板101と封止ガラス113をシール剤(図示せず)を用いて貼り合わせ、駆動回路基板101と封止ガラス121の間の封止空間120を窒素等の不活性ガスを充填したものである。
図10は、本発明によってパターン分離した有機層105を有する有機EL素子を設けた駆動回路基板101の有機EL素子形成部を樹脂シート130により被覆したものである。樹脂シートとしてはエポキシ系高分子化合物、アクリル系高分子化合物、ポリイミド系高分子化合物、などを用いることができる。樹脂シート130と第2の電極107、第3の電極108の間には、シリコン系絶縁層(シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化酸化膜)やアルミニウム酸化膜等の無機系絶縁薄膜を介在させても良い。また、封止ガラス121の代わりにガスバリア層を設けたプラスチック等を用いても良い。
図11は、本発明によってパターン分離した有機層105を有する有機EL素子を設けた駆動回路基板101の有機EL素子形成部110を薄膜封止層140により被覆したものであり、有機ELパネルを薄くできる。薄膜封止層140としては、前述した無機系絶縁薄膜、ポリイミド、アクリル等の有機系絶縁薄膜を用いればよい。実際的には、無機系絶縁薄膜と有機系絶縁薄膜の多層膜として用いる。図10と図11に示した実施例では、本発明によってパターン分離した有機層105を有する有機EL素子を樹脂シートや薄膜封止層により押さえ込んでいるため、パターン化されて転写成膜された有機層105(すなわち、105R、105G、105B)の密着力を高める効果が得られる。
本発明による有機EL基板の発光層を含む有機層パターンの分離形成方法の第2の実施例を図12に示す。図12は、第2の実施例を示す工程フロー図である。図12において、50はレーザー光を吸収する支持基板を、500は支持基板50上に第1の有機層を形成してなるドナー基板を示す。
本実施例では、支持基板50にレーザー光を吸収させることにより衝撃波を発生させ、該衝撃波のエネルギーにより第1の有機層22を剥離・転送し、対向設置した駆動回路基板101の有機EL素子形成部に付着させる。照射するレーザーとしてYAGの第2高調波を用いる場合、NiやFe-Ni合金に大きな衝撃波を発生できる。従って、第1の有機層22を形成した、Ni板や42アロイやインバ材のようなFe-Ni合金をドナー基板とすることができる。
衝撃波は支持基板50のレーザー照射面側に発生するため、衝撃波のエネルギーにより第1の有機層22を剥離・転送させるためには支持基板50の反対側の面(第1の有機層22が形成されている面)に衝撃波を伝える必要がある。そのため、支持基板50の厚みを厚くはできず、0.2mm以下、より好ましくは、10μmから50μm、とすることが望ましい。また、支持基板50にテンションを付与しておくと、テンションのエネルギーが加わるため、照射するレーザーのパワーを低くできる。
図12(a)は支持基板50を示し、図12(b)は支持基板50に有機層22を被着してドナー基板500が形成された状態を示す。図12(c)において、ドナー基板500に対向して、駆動回路基板101に有機EL素子形成部110が形成された有機EL基板100を0.01mm〜0.1mmの間隔で配置する。図12(d)において、レーザー光LAをドナー基板500に照射すると、図12(e)に示すように、支持基板50に衝撃波が発生して、有機EL層の薄膜片23が剥離し、図12(f)に示すように、有機EL基板100に付着して薄膜パンターン24となる。このようにして形成された有機EL基板100をプロセス室200から取り出す。その後、この有機EL基板100を図9〜図11で説明したような封止を行って有機ELパネル1000が完成する。
20…支持基板、21…レーザー光吸収層、 22…有機層、 23…薄膜片、 24…薄膜パターン、 31…パターン化されたレーザー光吸収層、 50…レーザー光吸収性支持基板、 100…有機EL基板、 101…駆動回路基板、 102…平坦化層、 103…第1の電極(下部電極)、 104…下共通有機膜、 105…発光層を含む有機EL膜、105R…赤発光層、105G…緑発光層、105B…青発光層、 106…上共通有機膜、107…第2の電極(上部電極)、 108…補助電極、 110…有機EL素子形成部、 120…封止空間、 121…封止ガラス、 130…樹脂シート、 140…薄膜封止層、 200…プロセス室、 220、300、500…ドナー基板、 1000…有機ELパネル、 1001…バンク、 1101…第1の電極のテーパ部。
Claims (18)
- 回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成された少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、
透明支持基板にレーザー光吸収層と前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を積層したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、
前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記剥離片を前記 回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。 - 前記レーザー光吸収層を所定のパターン形状に形成することを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 前記ドナー基板の前記支持基板と前記レーザー光吸収層の間に前記レーザー光吸収層に対する反射防止膜を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 前記レーザー光吸収層がTi,Ni,Cu,Au,Cr,Mo,W、あるいはこれらを含む合金のいずれかからなる薄膜層であることを特徴とする請求項3に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 前記反射防止膜は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化チタン、酸化アルミ二ウム、のいずれかを含む薄膜層であることを特徴とする請求項3に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 前記ドナー基板において、前記透明支持基板と前記有機EL膜の間に前記有機EL膜が剥離しやすくするための剥離補助層を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成された少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、
レーザー光吸収する金属箔に前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を形成したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、
前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記剥離片を前記 回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。 - 前記金属箔の板厚を10μm以上かつ50μm以下としたことを特徴とする請求項7に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 前記金属箔はNi合金で形成されていることを特徴とする請求項7に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成され、複数の画素に共通して形成される下有機層と、少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、
透明支持基板にレーザー光吸収層と前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を積層したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、
前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記剥離片を前記回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。 - 回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成され、複数の画素に共通して形成される下有機層と、少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、
レーザー光吸収する金属箔に前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を形成したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、
前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記剥離片を前記 回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。 - 回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成された少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層の上に形成され、複数の画素に共通して形成される上有機層と、前記上有機層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、
透明支持基板にレーザー光吸収層と前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を積層したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、
前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記剥離片を前記回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。 - 回路基板上に導電性薄膜からなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成された少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層の上に形成され、複数の画素に共通して形成される上有機層と、前記上有機層上に形成された導電性薄膜からなる第2の電極からなる有機EL素子を複数個配列してなる表示領域が形成された有機EL基板を有する有機ELパネルの製造方法において、
レーザー光吸収する金属箔に前記有機EL層と同じ構成の有機EL膜を形成したドナー基板に対し、前記下部電極を形成した前記回路基板を所定の間隔を隔てて対向し、
前記ドナー基板にレーザー光を照射することにより前記ドナー基板表面に衝撃波を発生させ、前記衝撃波により前記ドナー基板から前記有機層を剥離させることによって剥離片を発生させ、前記剥離片を前記 回路基板の所定の箇所に付着させることによって有機ELパネルを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。 - 前記第1の電極の断面は順テーパとなっており、前記電極の下面および上面に対する前記テーパ角度は60度以下とすることを特徴とする請求項1乃至請求項13に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 前記第1の電極を複数の層で形成し、これによって前記順テーパを形成することを特徴とする請求項14に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 前記有機EL素子と前記有機EL素子の間にはバンクが形成され、前記バンクは順テーパとなっており、前記バンクの下面および上面に対するテーパ角度は60度以下とすることを特徴とする請求項1乃至請求項15に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 前記バンクを複数の層で形成し、これによって前記順テーパを形成することを特徴とする請求項16に記載の有機ELパネルの製造方法。
- 前記ドナー基板を形成する工程と、前記ドナー基板にレーザー光を照射して前記ドナー基板の前記有機EL膜から前記薄膜片を剥離させて、前記薄膜片を前記回路基板に付着させる工程を一連の設備内で行い、かつ、真空を破らずに行うことを特徴とする請求項1〜請求項17に記載の有機ELパネルの製造方法。
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JP2010157494A (ja) * | 2008-12-05 | 2010-07-15 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 成膜方法及び発光素子の作製方法 |
JP2013073001A (ja) * | 2011-09-27 | 2013-04-22 | Toshiba Corp | 表示装置の製造方法 |
KR101768148B1 (ko) * | 2011-05-25 | 2017-08-16 | 미래나노텍(주) | 도너 시트 및 이를 이용한 평판표시장치의 제조 방법 |
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2008
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