図1は、本発明に係る放電灯点灯装置の一実施形態を示す全体ブロック図である。放電灯点灯装置1は、本実施形態においては商用交流電源ACがコンセントなどを介して接続されることによって駆動される。ダイオードブリッジDBは、商用交流電源ACを全波整流するものである。ダイオードブリッジDBの出力側には、昇圧チョッパ回路10が接続されている。昇圧チョッパ回路10は、チョークコイルLc、スイッチング素子Q01、整流ダイオードD01及び平滑コンデンサC01からなり、平滑コンデンサC01の一端に所定電圧、ここでは360Vを生成するものである。スイッチング素子駆動回路11はスイッチング素子Q01のベースに接続され、スイッチング素子Q01の駆動を制御するものある。
マイクロコンピュータ12は、各回路部に対して信号の入出力を行うものである。マイクロコンピュータ12は、例えばスイッチング素子駆動回路11へ制御信号を出力し、平滑コンデンサC01が所定電圧に充電されるようにスイッチング素子Q01をオン、オフ駆動させる。また、マイクロコンピュータ12はROM120、RAM(メモリ121)を備え、ROM120には各種動作プログラムや、放電灯FLの負荷種類に適合したスイッチング周波数を設定するための情報が書き込まれており、RAMの一部である所定のメモリ部121には、後述するランプ選択装置21からの選択操作に従って選択された放電灯FLの負荷種別情報が書き込まれるようになっている。なお、この放電灯FLの負荷種別情報は、電源を切っても内容が保持される不揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリに書き込まれ、次回電源投入時には、このフラッシュメモリに書き込まれている負荷種別情報が読み出されて、発振動作が行われるようになっている。
交流入力検出回路13は、商用交流電源ACラインと接地との間に接続され、商用交流電源ACの接続状態を検出し、検出結果をマイクロコンピュータ12に出力する。チョークコイル出力検出回路14は、チョークコイルLcの二次側に接続され、ダイオードブリッジDBからチョークコイルLcへ電力が供給されているか否かを検出するもので、検出結果をマイクロコンピュータ12に出力する。制御回路用電源回路15は、昇圧チョッパ回路10で生成される電圧を用いて、マイクロコンピュータ12や後述するハーフブリッジ駆動回路16、寿命末期検出回路18等の電源電圧(14Vおよび5V)を生成するものである。
ハーフブリッジ駆動回路16は、マイクロコンピュータ12からの制御信号、すなわちマイクロコンピュータ12のメモリ部121から読み出されたランプ選択情報に基づいて、例えば以下のようにして設定される周波数で交互にハイ、ローとなる駆動パルスをインバータ回路17に出力するものである。ハーフブリッジ駆動回路16は、例えば以下の回路構成で駆動パルスの周波数を調整可能にしている。すなわち、一定電流が流入する積分回路と積分回路の充電電圧が参照レベルに達すると、放電(すなわち再充電の開始)及びスイッチングして前記駆動パルスを出力する回路とを有する。さらに、前記参照レベルがマイクロコンピュータ12からの制御信号に応じて変更可能な構成とされており、これによって駆動パルスの周波数が変更設定可能にされている。あるいは、基準周波数、例えば20MHzの発振回路と分周比が変更可能にされた分周回路とを備え、マイクロコンピュータ12からの制御信号に応じて分周比を変更することで、出力パルス、すなわち駆動パルスの周波数が変更可能にされる態様としてもよい。
インバータ回路17は、直列接続されたスイッチング素子Q02,Q03と、その出力(負荷)側に共振回路を構成するための誘導リアクトルL01、コンデンサC02,C03を備えている。スイッチング素子Q02,Q03は、ハーフブリッジ駆動回路16からの交互にハイ、ローとなる駆動パルスが入力されることで、スイッチング動作を行う。共振回路のコンデンサC03には、並列に放電灯FLが着脱可能に接続されている。なお、コンデンサC02は直流カット用である。スイッチング素子Q02,Q03は、ハーフブリッジ駆動回路16からの互いに逆位相の駆動パルスが入力されることで交互にオン、オフを繰り返す。従って、放電灯FLは、スイッチング素子Q02,Q03のオン、オフ動作及び共振動作により、所定電源(本実施例では360V)からの電力が高周波電力に変換されて供給され、両フィラメントが予熱された後、始動して点灯する。なお、ハーフブリッジ駆動回路16とインバータ回路17とを合わせてインバータ回路と見なしてもよい。
寿命末期検出回路18は、放電灯FLの両端に接続されたもので、検出した電圧をマイクロコンピュータ12に出力する。マイクロコンピュータ12は、寿命末期検出回路18からの検出電圧に基づいて放電灯FLの寿命末期の判定及び制御を行うものである。電源電圧検出回路19は、昇圧チョッパ回路10で生成される電圧のレベルを検出するものである。マイクロコンピュータ12は、電源電圧検出回路19の検出結果に基づき、昇圧チョッパ回路10で生成された電圧のレベルが安定するようにスイッチング素子駆動回路11を介してスイッチング素子Q01のオンオフのタイミングを制御する。
調光信号入力回路20は、外部操作部(調光コントローラ201、図2参照)から操作指示信号の入力があると、入力された指示信号に応じた調光指示信号をマイクロコンピュータ12に出力するものである。マイクロコンピュータ12は、調光信号入力回路20からの調光指示信号に応じて放電灯FLの調光制御を行う。
図2は、図1の放電灯点灯装置に対してランプ選択装置1(放電灯選択装置)が接続可能にされた概略構成図を示す。ランプ選択装置21は、放電灯FLの負荷の種類に適合した放電灯点灯装置1を形成させるためのものである。切換リレー22は、調光信号入力回路20に対する、調光コントローラ201とランプ選択装置21との接続を切り換えるものである。放電灯点灯装置1の組み立て行程においては、放電灯点灯装置1と放電灯FLの負荷種別とを適合させるセッティングが行われる。ランプ選択装置21はこのセッティングを行うための治具である。セッティング作業は、切換リレー22をランプ選択装置21側に切り換えた状態で行われる。切換リレー22のランプ選択装置21側への切り換えは、マニュアル操作であってもよいし、ランプ選択装置21を切換リレー22の図略のコネクタに接続することで自動的に切り換わるようにしてもよい。あるいは、調光コントローラ201と差し替え可能に接続する構成でもよい。この場合、切換リレー22は不要となる。
図3は、調光信号入力回路20及びランプ選択装置21の回路構成の一例を示す回路図である。調光信号入力回路20は、元々の回路構成に、ランプ選択装置21に対応するべく、回路の一部が変更されている。なお、図では切換リレー22は省略されている。
調光信号入力回路20は、入力側(端子Pi1、Pi2)の2本の信号線間に抵抗R1を介して、ダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジが設けられ、その出力側に分圧抵抗R8,R9、及びフォトカプラPC2のフォトトランジスタからなる直列回路が接続されている。更に、この直列回路に、分圧抵抗R7,R2、及びフォトカプラPC1の発光ダイオードからなる直列回路が並列接続されている。また、抵抗R7には、並列にトランジスタQ4のエミッタ、コレクタが接続され、ベースが分圧抵抗R8,R9の接続点に接続されている。
一方、絶縁型の出力側には、所定電源(ここでは、5V)に、フォトカプラPC1のフォトトランジスタと分圧抵抗R3,R4とからなる直列回路が接続されている。また、この直列回路に、抵抗R5とトランジスタQ1の直列回路が並列接続されている。トランジスタQ1のベースは分圧抵抗R3,R4の接続点に接続されている。
トランジスタQ1のコレクタには、抵抗R5、抵抗R6及びコンデンサC1からなる積分回路が接続され、抵抗R6とコンデンサC1の接続点はマイクロコンピュータ12の端子ADINに接続されている。トランジスタQ1はコンデンサC1の充電電荷を放電するものである。
また、フォトカプラPC1のフォトトランジスのエミッタと接地間には分圧抵抗R10,R11が接続されている。さらに、前記所定電源と接地間には、抵抗R12とトランジスタQ2との直列回路が接続され、トランジスタQ2のベースは分圧抵抗R10,R11の接続点に接続されている。そして、トランジスタQ2のコレクタがマイクロコンピュータ12の端子portBに接続されている。
さらに、前記所定電源と接地間には、トランジスタQ3、フォトカプラPC2の発光ダイオード及び抵抗R15の直列回路が接続されている。トランジスタQ3には、コレクタ−ベース間に抵抗R13が接続され、ベースは抵抗R14を介してマイクロコンピュータ202の端子portAに接続されている。
ここで、調光信号入力回路20の動作の概要を説明する。まず、図2の調光コントローラ201から調光指示がなされた場合の動作を説明する。調光コントローラ201は、所定周波数、例えば1KHzのPWM(Pulse Width Modulation)パルス信号を調光信号入力回路20に出力する。調光コントローラ201は、マニュアル操作状態に応じてオンデューティが変更されるPWMパルス信号を生成する公知のものである。
例えば図4(a)に示すようなPWMパルス信号が抵抗R1の両端に入力されると、そのハイレベル期間中、ダイオードブリッジD1〜D4を経て、フォトカプラPC1の発光ダイオードに電流が流れて発光ダイオードが発光し、フォトカプラPC1のフォトトランジスタに電流が流れる。フォトカプラPC1のフォトトランジスタに電流が流れると、トランジスタQ1が、その間、オンする。一方、コンデンサC1は所定電源から抵抗R5,R6を経て充電されており、トランジスタQ1がオンする期間、充電電荷を放電する。従って、図4(a)の左と右の波形に示すように、オンデューティの最少調整値(例えば5%)のPWMパルス信号のときは、放電量が少ないためコンデンサC1の充電電圧は高レベルに平滑保持され、図4(b)に示すようにオンデューティの中間設定値(例えば50%)のPWMパルス信号のときは、放電量が中くらいのためコンデンサC1の充電電圧は中間レベルに平滑保持され、図4(c)に示すようにオンデューティの最大設定値(例えば85%)のPWMパルス信号のときは、放電量が多いためコンデンサC1の充電電圧は低レベルに平滑保持される。この平滑された充電電圧は、端子ADINからマイクロコンピュータ12に入力される。マイクロコンピュータ12は、入力電圧に応じた調光処理、例えば公知のスイッチング周波数の微調整を行う等して調光を実行する。図4(d)は調光信号入力回路20への入力信号と端子ADINへの出力信号との関係を示す図である。図4(d)に示すように、調光コントローラ201を操作することで調光信号(電圧レベル)を反比例的に変更することができる。
図5は、ランプ選択装置21との間で入出力される信号の、調光信号入力回路20の入力部と出力部における波形を示す図である。図5(a)は、調光信号入力回路20の入力側Pi1,Pi2から出力側(マイクロコンピュータ12の端子portB)へ入力される際の信号を示し、図5(b)は、出力側(マイクロコンピュータ12の端子portA)から入力側Pi1,Pi2へ送られる信号を示している。
ランプ選択回路21から入力側Pi1,Pi2の抵抗R1の両端にパルス信号が入力されると、マイクロコンピュータ12のADIN端子には、図3で説明したとおり、コンデンサC1の平滑電圧が出力される。一方、このパルス信号によって、そのハイレベル期間にフォトカプラPC1のフォトトランジスタがオンし、さらにトランジスタQ2がオンするようになされた信号入力経路を経ることで、マイクロコンピュータ12の端子portBにローレベルの信号が入力される。すなわち、図5(a)に示すように、マイクロコンピュータ12の端子portBには、入力側のパルス信号の位相が反転されたパルス信号が導かれ、これによって、入力側から信号入力経路を経てマイクロコンピュータ12の端子portBに信号を送ることができる。
また、図5(b)に示すように、マイクロコンピュータ12のportAからパルス信号が出力されると、そのローレベル期間にトランジスタQ3がオンし、フォトカプラPC2の発光ダイオードに電流が流れて発光し、フォトカプラPC2のフォトトランジスタがオンする。フォトカプラPC2のフォトトランジスタがオンすることで、トランジスタQ4がオンして、分圧抵抗R7,R2のうちの抵抗R7が短絡されるようになされた信号出力経路を経ることで、後述するように、ランプ選択装置21のオペアンプOP101の非反転入力端子の入力電圧が抵抗R2と抵抗R103との分圧電圧となる。一方、マイクロコンピュータ12のportAから出力されたパルス信号のハイレベル期間では、ランプ選択装置21のオペアンプOP101の非反転入力端子の入力電圧は、抵抗R7と抵抗R2の合計抵抗値と抵抗R103の抵抗値との分圧比となり、この結果、図5(b)に示すようになる。すなわち、図5(b)に示すように、調光信号入力回路20の入力側Pi2には、マイクロコンピュータ12のportAからのパルス信号が同相で導かれ、これによって、調光信号入力回路20の出力側から信号出力経路を経て入力側にパルス信号を送ることができる。なお、図5(a)(b)の説明におけるパルス信号は、後述する図8のような2値のデータ信号である。
続いて、図3及び図6のランプ選択装置21について説明する。図6は、ランプ選択装置21の筐体の正面図の一例を示したものである。図6において、筐体表面には、所定数、ここではLEDからなる5個の表示素子La0〜La4と、外部操作可能な5個のスイッチSW0〜SW4(例えば押し釦式スイッチ)が設けられている。また、各表示素子及び各スイッチに配置位置に対応させて内容を報知するための文字が表記されている。表示素子La0は状態確認用であり、表示素子La1〜La4は選択内容の確認用である。スイッチSW0はランプの選択状態を必要に応じて確認するためのものであり、スイッチSW1〜SW4は選択用である。すなわち、本実施形態では、放電灯FLの負荷の種類として4種類がセッティング可能にされている。以降においては、4種類の負荷種別のそれぞれについて、第1〜第4の負荷種別の放電灯、また“ランプ1”〜“ランプ4”と適宜表現する。なお、セッティング可能な放電灯の負荷の種類としては、4種類に限定されず、例えばJIS(日本工業規格)に定められている所要種類分の、あるいは任意の種類分の負荷の放電灯に対して適用可能とすることもできる。
図2に戻って、ランプ選択装置21の動作について説明する。ランプ選択装置21は、内部にマイクロコンピュータ211を備えている。マイクロコンピュータ211は入出力信号と表示素子La0〜La4、スイッチSW0〜SW4との対応処理を行うためのものである。
図7は、ランプ選択装置21のマイクロコンピュータ211と端子Po1,Po2との間における入出力信号を示している。図7(a)はマイクロコンピュータ211の端子port01及び端子P01における各パルス信号を示し、図7(b)は端子P02及びマイクロコンピュータ211の端子port02における各パルス信号を示している。
マイクロコンピュータ211は、端子port10〜port14を有する。端子port10〜port14と所定電源(ここでは5V)との間には各表示素子La0〜La4が電流制限抵抗を介して接続されている。また、マイクロコンピュータ211は、端子port20〜port24を有する。所定電源(ここでは5V)と接地との間には各スイッチSW0〜SW4が並列接続され、かつそれぞれのスイッチSW0〜SW4には電流制限抵抗が介設されている。スイッチSW0〜SW4と電流制限抵抗との接続点と端子port20〜port24とが対応して接続されている。
マイクロコンピュータ211の端子port01には分圧抵抗を介してトランジスタQ102が接続され、そのコレクタに抵抗R101を介してトランジスタQ101のベースが接続されている。トランジスタQ101のエミッタは所定電源(ここでは10V)に接続され、コレクタは端子P01に接続されている。
かかる回路構成によれば、端子port01にパルス信号が出力されると、そのハイレベル期間ではトランジスタQ102がオン、トランジスタQ101がオンして、所定電源(10V)が端子P01から入力端子Pi1に出力される。一方、ローレベル期間ではトランジスタQ102がオフ、トランジスタQ101がオフになって、ローレベルが端子P01に出力される。従って、図7(a)に示すように、端子port01からの出力パルス信号が同相で端子P01に出力される。
また、マイクロコンピュータ211の端子port02と端子P02間には増幅回路が介設されている。すなわち、オペアンプOP101の非反転入力端子は端子P02に接続されると共に抵抗R103を介して接地に接続されている。オペアンプOP101の反転入力端子は所定電源(ここでは5V)を分圧して所定の閾値を設定するための分圧抵抗R104,R105の接続点に接続されている。オペアンプOP101の出力端子はマイクロコンピュータ211の端子port02に接続されると共に抵抗R106を介して所定電源(ここでは5V)に接続されている。
かかる回路構成によれば、端子P02にパルス信号が入力されると、そのハイレベル期間では、オペアンプOP101からハイレベルが出力され、このハイレベル出力が端子port02に入力される。一方、ローレベル期間では、オペアンプOP101からローレベルが出力され、このローレベル出力が端子port02に入力される。なお、端子P02にパルス信号が入力されるタイミングでは、端子port01がハイレベルに設定され、端子P01に所定電源である10Vを印加することで、調光信号入力回路20の入力側に電源を付与している。かかる動作によって、図7(b)に示すように、端子P02からの入力パルスが同相で端子port02に入力される。
図8は、マイクロコンピュータ12とマイクロコンピュータ211との間で授受されるデータを形成するパルス信号の信号フォーマットの一例を示している。データは、ハイ、ローの2値で形成されており、スタートビットST、データビットD0〜D7、パリティ付加ビットP及びストップビットSPからなる所定長を有するものである。
図9は、データの種類を示すものである。図9(a)に示すデータ0x80〜0x50はマイクロコンピュータ12からマイクロコンピュータ211へ送信されるものであり、図9(b)に示すデータ0xa0〜0xc0はマイクロコンピュータ211からマイクロコンピュータ12へ送信されるものである。
図10〜図12は、マイクロコンピュータ211の処理の流れを示すフローチャートである。本フローは、放電灯点灯装置1にランプ選択装置21が接続され、あるいは切換リレー22がランプ選択装置21側に切り換えられることで開始される。
先ず、port10〜port14がハイレベルにされて表示素子La0〜La4が全て消灯状態とされ、かつ端子port01がハイレベルに設定される(ステップS1)。なお、端子port01をハイレベルに設定する理由は、調光信号入力回路20の入力側に電源供給を行うことで、マイクロコンピュータ12からの信号の受信を可能にするためである。この状態で、端子port02より、ランプ選択モードへの移行に関する信号を要求する要求信号0x80が入力されたか否かがマイクロコンピュータ211によって判断される(ステップS3)。要求信号0x80が入力されたのであれば(ステップS3で、“True”)、この要求信号0x80に応答するべく、端子port01に、ランプ選択モードに移行することを通知するランプ選択モード設定信号0xa0が出力される(ステップS5)。ランプ選択モード設定信号0xa0が出力されると、次の信号の受信を行うため、端子port01がハイレベルに設定される(ステップS7)。
次いで、端子port02より、マイクロコンピュータ12がランプ選択モードの状態に移行したことを示すランプ選択モード確認信号0x81が入力されたか否かが、マイクロコンピュータ211によって判断される(ステップS9)。ランプ選択モード確認信号0x81が入力されたのであれば、端子port10にローレベルが出力されて、放電灯の選択操作のためのスイッチ操作が可能であることを報知するべく、表示素子La0の点灯が行われる(ステップS11)。
次いで、端子port21がローレベルに変化したか否か、すなわちスイッチSW1がオンされたか否かが判断される(ステップS13)。スイッチSW1がオンされたのであれば、端子port01より、第1の負荷種別に該当する放電灯FLを特定するランプ選択信号0xc1が出力される(ステップS15)。なお、本実施形態では、放電灯FLの負荷種類として、第1〜第4の負荷種別が選択対象とされているものとする。
一方、ステップS13でスイッチSW1がオンされたのでなければ、次に、端子port22がローレベルに変化したか否か、すなわちスイッチSW2がオンされたか否かが判断される(ステップS17)。スイッチSW2がオンされたのであれば、端子port01より、第2の負荷種別に該当する放電灯FLを特定するランプ選択信号0xc2が出力される(ステップS19)。
一方、ステップS17でスイッチSW2がオンされたのでなければ、次に、端子port23がローレベルに変化したか否か、すなわちスイッチSW3がオンされたか否かが判断される(ステップS21)。スイッチSW3がオンされたのであれば、端子port01より、第3の負荷種別に該当する放電灯FLを特定するランプ選択信号0xc3が出力される(ステップS23)。
一方、ステップS21でスイッチSW3がオンされたのでなければ、次に、端子port24がローレベルに変化したか否か、すなわちスイッチSW4がオンされたか否かが判断される(ステップS25)。スイッチSW4がオンされたのであれば、端子port01より、第4の負荷種別に該当する放電灯FLを特定するランプ選択信号0xc4が出力される(ステップS27)。
なお、スイッチSW1〜SW4に対する作業者による操作は、放電灯点灯装置1に取付け予定の放電灯FLの負荷種別を視認して、該当するスイッチを押下することで行われる。したがって、放電灯点灯装置1とこれに接続される放電灯FLとの適合性は、後述する一連の処理により確実なものとなる。
続いて、スイッチSW1〜SW4のいずれもオンされたのでなければ、端子port20がローレベルに変化したか否か、すなわちスイッチSW0がオンされたか否かが判断される(ステップS29)。スイッチSW0がオンされたのであれば、端子port01より、現在の選択されている放電灯の負荷の種別を返信する旨を要求するランプ種別返信要求信号0xc0が出力される(ステップS31)。
そして、端子port01よりいずれかの信号が出力された場合には、次の信号を受信可能にするべく、端子port01がハイレベルに変更され(ステップS33)、さらに表示素子La1〜La4を消灯するべく、端子port11〜14にハイレベルが出力される(ステップS35)。
続いて、あるいはステップS13〜S29のいずれにおいてもスイッチSW0〜SW4がオンされなかった場合、端子port02より、放電灯ランプ種別確認信号の入力の有無の判断が行われる。
先ず、端子port02より、第1の負荷種別を特定する放電灯ランプ種別確認信号0x51が入力されたか否かが判断される(ステップS37)。確認信号0x51が入力されたのであれば、端子port11がローレベルに変更されて(ステップS39)、第1の負荷種別の放電灯が選択された旨が表示素子La1を点灯させることで報知される。
一方、ステップS37で放電灯ランプ種別確認信号0x51が入力されたのでなければ、端子port02より、第2の負荷種別を特定する放電灯ランプ種別確認信号0x52が入力されたか否かが判断される(ステップS41)。確認信号0x52が入力されたのであれば、端子port12がローレベルに変更されて(ステップS43)、第2の負荷種別の放電灯が選択された旨が表示素子La2を点灯させることで報知される。
一方、ステップS41で放電灯ランプ種別確認信号0x52が入力されたのでなければ、端子port02より、第3の負荷種別を特定する放電灯ランプ種別確認信号0x53が入力されたか否かが判断される(ステップS45)。確認信号0x53が入力されたのであれば、端子port13がローレベルに変更されて(ステップS47)、第3の負荷種別の放電灯が選択された旨が表示素子La3を点灯させることで報知される。
一方、ステップS45で放電灯ランプ種別確認信号0x53が入力されたのでなければ、端子port02より、第4の負荷種別を特定する放電灯ランプ種別確認信号0x54が入力されたか否かが判断される(ステップS49)。確認信号0x54が入力されたのであれば、端子port14がローレベルに変更されて(ステップS51)、第4の負荷種別の放電灯が選択された旨が表示素子La4を点灯させることで報知される。
ステップS49あるいはS51が終了すると、フローは、ステップS13に戻り、同様の処理が繰り返される。このようにして、放電灯点灯装置1に対して接続された放電灯の負荷種別に適合したスイッチング周波数の選択処理及び確認処理が行われることになる。
図13〜図14は、マイクロコンピュータ12の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、放電灯点灯装置1にランプ選択装置21が接続され、あるいはリレー22がランプ選択装置21側に切り換えられることで開始される。
先ず、端子portAにハイレベルが出力されて(ステップS101)、フォトカプラPC2がオフにされる。次いで、マイクロコンピュータ12に内蔵の、所定時間、ここでは100msをカウントするタイマがクリアされる(ステップS103)。
続いて、端子ADINに、調光指示信号と区別するための該調光指示信号の設定範囲外の信号、例えばオンデューティが100%の信号に対応する、例えば0.5V以下(図4(d)参照)が入力されているか否かが判断される(ステップS105)。さらに、端子portBがローレベルであるか否か、すなわちデータ入力がないか否かが判断される(ステップS107)。そして、レベル判定処理が100msの間、行われ、ステップS105,S107のいずれか一方が否定された場合には、通常処理(ここでは調光処理)として扱われる(図15参照)。
一方、100msのレベル判定処理において、ステップS105,S107のいずれもが肯定されると、ランプ選択処理と判断される。すなわち、端子portAに要求信号0x80が出力される(ステップS111)。要求信号0x80の出力が終了すると、ランプ選択モードへの移行が完了したとしてタイマがクリアされる(ステップS113)。
次いで、端子portBより、ランプ選択モード設定信号0xa0が入力されたか否かが、所定時間、ここでは100msの間、判断される(ステップS115)。端子portBより、ランプ選択モード設定信号0xa0が入力されなければ、ステップS103に戻って、最初から行われる。一方、100msの間に(ステップS117)、端子portBより、ランプ選択モード設定信号0xa0が入力されれば、端子portAより、マイクロコンピュータ12がランプ選択モードに移行した旨のランプ選択モード確認信号0x81が出力される(ステップS119)。
次いで、タイマがクリアされて(ステップS121)、端子ADINに0.5V以下の電圧が入力されたか否かの判断が行われる(ステップS123)。端子ADINに0.5V以下の電圧が入力されていれば、タイマがクリアされ(ステップS125)、他方、所定時間、ここでは100ms経過しても(ステップS127で“True”)、端子ADINに0.5V以下の電圧が入力されなければ、通常処理として扱われる。これにより、ランプ選択装置21が放電灯点灯装置1から外された場合、あるいはリレー22が調光コントローラ201側に切り換えられた場合に、自動的に通常処理に移行するようにしている。
所定時間(100ms)以内に、端子ADINに0.5V以下の電圧が入力されると、端子portBより、第1の負荷種別を有する放電灯を特定するランプ選択信号0xc1が入力されたか否かが判断される(ステップS129)。端子portBよりランプ選択信号0xc1が入力されたのであれば、マクロコンピュータ12に接続された内部メモリ121に“ランプ1”の情報が書き込まれると共に、端子portAより、第1の負荷種別を有する放電灯を特定するランプ種別確認信号0x51が出力される(ステップS131)。
一方、端子portBよりランプ選択信号0xc1が入力されたのでなければ、端子portBより第2の負荷種別を有する放電灯を特定するランプ選択信号0xc2が入力されたか否かが判断される(ステップS133)。端子portBよりランプ選択信号0xc2が入力されたのであれば、マクロコンピュータ12に接続された内部メモリ121に“ランプ2”の情報が書き込まれると共に、端子portAより、第2の負荷種別を有する放電灯を特定するランプ種別確認信号0x52が出力される(ステップS135)。
一方、端子portBよりランプ選択信号0xc2が入力されたのでなければ、端子portBより第3の負荷種別を有する放電灯を特定するランプ選択信号0xc3が入力されたか否かが判断される(ステップS137)。端子portBよりランプ選択信号0xc3が入力されたのであれば、マクロコンピュータ12に接続された内部メモリ121に“ランプ3”の情報が書き込まれると共に、端子portAより、第3の負荷種別を有する放電灯を特定するランプ種別確認信号0x53が出力される(ステップS139)。
一方、端子portBよりランプ選択信号0xc3が入力されたのでなければ、端子portBより第4の負荷種別を有する放電灯を特定するランプ選択信号0xc4が入力されたか否かが判断される(ステップS141)。端子portBよりランプ選択信号0xc4が入力されたのであれば、マクロコンピュータ12に接続された内部メモリ121に“ランプ4”の情報が書き込まれると共に、端子portAより、第4の負荷種別を有する放電灯を特定するランプ種別確認信号0x54が出力される(ステップS143)。
次いで、端子portBよりランプ選択信号0xc4が入力されたのでなければ、端子portBよりランプ種別返信要求信号0xc0が入力されたか否かが判断される(ステップS145)。端子portBよりランプ種別返信要求信号0xc0が入力されたのであれば、マクロコンピュータ12に接続された内部メモリ121に記憶されている情報を読み出し、その情報が“ランプ1”であれば(ステップS147)、端子portAより、“ランプ1”に相当するランプ種別確認信号0x51が出力される(ステップS149)。
一方、マクロコンピュータ12に接続されたメモリ部121に記憶されている情報が“ランプ2”であれば(ステップS151)、端子portAより、“ランプ2”に相当するランプ種別確認信号0x52が出力される(ステップS153)。
一方、マクロコンピュータ12に接続されたメモリ部121に記憶されている情報が“ランプ3”であれば(ステップS155)、端子portAより、“ランプ3”に相当するランプ種別確認信号0x53が出力される(ステップS157)。
一方、マクロコンピュータ12に接続されたメモリ部121に記憶されている情報が“ランプ4”であれば(ステップS159)、端子portAより、“ランプ4”に相当するランプ種別確認信号0x54が出力される(ステップS161)。
一方、メモリ部121に記憶されている情報が“ランプ1”〜“ランプ4”のいずれでもなければ、端子portAより、ランプ種別確認信号0x50が出力される(ステップS163)。
図15は、マイクロコンピュータ12による「通常処理」の流れを示すフローチャートである。先ず、メモリ部121に記憶されている情報が“ランプ1”であれば(ステップS201)、第1の負荷種別に対応したプログラムが実行される(ステップS203)。すなわち、第1の負荷種別に対応した放電灯に適合する第1のスイッチング周波数で放電灯の点灯制御が行われる。例えば、放電灯の点灯動作が始動されると、メモリ部121から“ランプ1”の情報が読み出され、直流レベルに変換されてハーフブリッジ駆動回路16の参照レベルが該“ランプ1”に対応したレベルに設定される。この結果、ハーフブリッジ駆動回路16から出力される逆位相のスイッチング用のパルスの周波数が“ランプ1”に対応したものに設定される。
一方、内部メモリ121に記憶されている情報が“ランプ1”でなければ、メモリ部121に記憶されている情報が“ランプ2”か否かが判断され(ステップS205)、“ランプ2”であれば、第2の負荷種別に対応したプログラムが実行される(ステップS207)。すなわち、第2の負荷種別に対応した放電灯に適合する第2のスイッチング周波数で放電灯の点灯制御が行われる。
一方、内部メモリ121に記憶されている情報が“ランプ2”でなければ、メモリ部121に記憶されている情報が“ランプ3”か否かが判断され(ステップS209)、“ランプ3”であれば、第3の負荷種別に対応したプログラムが実行される(ステップS211)。すなわち、第3の負荷種別に対応した放電灯に適合する第3のスイッチング周波数で放電灯の点灯制御が行われる。
一方、内部メモリ121に記憶されている情報が“ランプ3”でなければ、メモリ部121に記憶されている情報が“ランプ4”か否かが判断され(ステップS213)、“ランプ4”であれば、第4の負荷種別に対応したプログラムが実行される(ステップS215)。すなわち、第4の負荷種別に対応した放電灯に適合する第4のスイッチング周波数で放電灯の点灯制御が行われる。
そして、内部メモリ121に記憶されている情報が“ランプ1”〜“ランプ4”のいずれでもなければ、ランプ未設定状態と判断して、動作が停止される(ステップS217)。
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
(1)放電灯の点灯状態を調整する点灯調整部として、本実施形態では、調光信号入力回路20を採用したが、これに代えて、点滅調整を行う調整回路であってもよい。
(2)本実施形態では、調光信号入力回路20に調光コントローラ201を直接接続する態様であったが、調光コントローラ201が赤外線リモコン式のような近接通信可能な構成の場合には、ランプ選択装置も同様に近接通信可能な構成で信号の授受を行う方式とすることが可能である。
(3)本実施形態では、選択の確認として表示素子La1〜La4を採用したが、これに代えて、液晶画面に直接文字表示させる態様でもよく、またブザーを採用して識別可能に報知する報知手段を採用した態様でもよい。例えばブザーの場合、例えば、“ランプ1”が選択された場合にはブザーを1回鳴らし、“ランプ2”が選択された場合にはブザーを2回続けて鳴らし、“ランプ3”が選択された場合にはブザーを3回続けて鳴らし、“ランプ4”が選択された場合にはブザーを4回続けて鳴らす態様とすれば識別可能となる。スピーカを用いて音声で報知する態様でもよい。