JP2010038255A - 制振装置 - Google Patents

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浩之 天野
Naoki Moriguchi
直樹 森口
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Abstract

【課題】制振装置の固有振動数を所望の振動数に精度良く調節できる制振装置を提供すること。
【解決手段】制振対象物に取付けられ、制振対象物の振動を減衰させる制振装置1であって、制振対象物に取付けられる取付部と、取付部に軸方向の一端部2cが接続され、可撓性を有し、かつ、制振対象物に対して相対変位可能な変位部2bと、変位部の内部に充填され、変位部が振動することで互いに摺動する複数の摺動部材8とを備え、充填された複数の摺動部材は、軸方向と直交する方向の断面積の合計が、軸方向の他の部分の上記断面積の合計と比較して大きい大面積部8aを有し、大面積部の複数の摺動部材の質量と変位部のうち大面積部を覆う部分2dの質量との和Mと、軸方向における取付部と大面積部との間の長さLとの関係は、制振対象物の制振対象とする振動数において変位部が共振するように設定されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、制振装置に関し、特に、制振対象物に取付けられ、制振対象物の振動を減衰させる制振装置に関する。
制振対象物に取り付けられる制振装置により制振対象物の振動を低減する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、制振対象構造物に吊り下げられるものであってケーブル(弾性を有する紐状の弾性部材)を設けた構造物の制振装置が開示されている。ケーブルが振動し変形したときに発生する素線間の摩擦により、ほぼ最適な減衰定数が得られるとされている。また、特許文献1には、ケーブルの固有振動数を制振対象構造物の固有振動数に合わせることで、振動を減衰させる技術が開示されている。ケーブルの固有振動数は、ケーブルの自重以外に錘を付加することによって設定できるとされている。
特開2000−353880号公報
制振対象物に取付けられる制振装置の固有振動数の精度を向上させることについて、従来十分な検討がなされていない。例えば、上記特許文献1の制振装置において、ケーブルに錘を付加する場合、弾性部材の固有振動数は、錘の取付け位置や、取付け剛性の影響を大きく受けてしまう。このため、制振装置の固有振動数を所望の振動数に精度良く調節することが困難となる虞がある。
制振対象物に取付けられる制振装置の固有振動数を所望の振動数に精度良く調節できることが望まれている。
本発明の目的は、制振対象物に取付けられ、制振対象物の振動を減衰させる制振装置において、制振装置の固有振動数を所望の振動数に精度良く調節できる制振装置を提供することである。
本発明の制振装置は、制振対象物に取付けられ、前記制振対象物の振動を減衰させる制振装置であって、前記制振対象物に取付けられる取付部と、前記取付部に軸方向の一端部が接続され、可撓性を有し、かつ、前記制振対象物に対して相対変位可能な変位部と、前記変位部の内部に充填され、前記変位部が振動することで互いに摺動する複数の摺動部材とを備え、前記充填された前記複数の摺動部材は、前記軸方向と直交する方向の断面積の合計が、前記軸方向の他の部分の前記断面積の合計と比較して大きい大面積部を有し、前記大面積部の前記複数の摺動部材の質量と前記変位部のうち前記大面積部を覆う部分の質量との和と、前記軸方向における前記取付部と前記大面積部との間の長さとの関係は、前記制振対象物の制振対象とする振動数において前記変位部が共振するように設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、制振装置は、制振対象物に取付けられる取付部と、取付部に軸方向の一端部が接続され、可撓性を有し、かつ、制振対象物に対して相対変位可能な変位部と、変位部の内部に充填され、変位部が振動することで互いに摺動する複数の摺動部材とを備え、充填された複数の摺動部材は、軸方向と直交する方向の断面積の合計が、軸方向の他の部分の断面積の合計と比較して大きい大面積部を有し、大面積部の複数の摺動部材の質量と変位部のうち大面積部を覆う部分の質量との和と、軸方向における取付部と大面積部との間の長さとの関係は、制振対象物の制振対象とする振動数において変位部が共振するように設定されている。
軸方向における取付部と大面積部との間の長さや、大面積部の径を管理すれば安定した制振装置の固有振動数が得られる。これにより、制振装置の固有振動数を所望の振動数に精度良く調節することができる。
以下、本発明の制振装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、制振対象物に取付けられ、制振対象物の振動を減衰させる制振装置に関する。本実施形態の制振装置は、あらゆる制振対象物に適用されることができる。なお、以下の説明では、振動を減衰させる作用について述べているが、振動に伴って発生する騒音についても同様の作用により減衰させることができる。
制振対象物(制振対象部位)に線状の減衰部材(ワイヤまたはケーブル等)の一端を固定し、減衰部材を振動させることによって振動や騒音を減衰させる技術が検討されている。ワイヤやケーブルにおける線同士または線と被覆間の摩擦等により高い減衰性が得られる。図6は、減衰部材において振動を減衰させる作用の一例について説明するための図である。図6において、符号100は、減衰部材を示す。減衰部材100は、複数の素線からなる縒り線101と、複数の縒り線101の束102を覆う被覆103で構成されている。減衰部材100の一端は、後述する制振対象物104(図1参照)に固定される。
制振対象物の振動によって減衰部材100が振動すると、図6に符号Fで示すように、縒り線101同士、または、縒り線101と被覆103との間の摩擦が生じる。こうした摩擦F等により、線状の減衰部材100では高い減衰性が得られる。さらに、減衰部材100の固有振動数を制振対象の周波数に合わせることにより、最大効果を得ることができる。この場合、制振対象の周波数において減衰部材100が共振することで、ダイナミックダンパ効果による高い減衰性が得られる。固有振動数を制振対象の周波数に合わせる場合、減衰部材100の質量に最適な値が存在するが、減衰部材100のみでは最適な値に対して質量不足になる場合が多い。そこで、減衰部材100の自由端に錘を付加する方法が考えられる。
図7は、錘を付加した減衰部材100の一例を示す図である。
図7において、符号104は、制振対象物を示す。制振対象物104に取付座(ボス)105が取付けられ、ボス105に減衰部材100の一端部が取付けられている。減衰部材100の自由端100aには、錘106が取付けられている。錘106が付加されることにより、錘106の質量を加えた減衰部材100の見かけの質量が増加する。錘106の質量やモーメント(回転モーメント)によって減衰部材100の固有振動数が変化するため、その固有振動数の変化を考慮したチューニングが必要である。ここで、固有振動数は、減衰部材100や錘106の形状のばらつきだけでなく、錘106の取付け位置や取付け剛性の影響も大きく受ける。従って、錘106を接着剤・溶接・カシメ等の簡易な方法で固定した場合、固有振動数を所望の振動数に合わせるチューニングが困難となる場合がある。
これに対して、固有振動数のチューニングを容易とするために、ボルト締結により減衰部材100に錘106を固定する方法が考えられる。ボルト締結による固定では、錘106の取付け位置・剛性の管理が容易となるものの、コストや設置スペースの増加といった背反が伴う。
以下に図1および図2を参照して説明するように、本実施形態の制振装置(図1の符号1参照)では、可撓性を有する被覆(本体、図2の符号2参照)内に金属の球体(図2の符号8参照)または粉体が充填された線状の減衰部材の一端を制振対象(制振対象物、図1の符号4参照)に固定して、制振対象物4の振動を低減する。本体2の一部に径を明確に違えた袋部(図2の符号2d参照)が形成され、その部分にも他と同様の密度で球体8(または粉体)が充填される。大径に形成された袋部2dは、梁部(図2の符号2e参照)の自由端に設けられた錘として作用する。
本実施形態では、梁部2eと袋部(錘部)2dが単一部材としての本体2で構成されている。これにより、梁部2eに別部材の錘が取付けられる場合と比較して、制振対象物4に取付けられる制振装置1の固有振動数を所望の振動数に精度良く調節することができる。
図1は、本実施形態に係る制振装置の概略構成図である。
図1において、符号1は、制振装置を示す。制振装置1は、本体2を備えている。本体2は、制振対象物4に取付けられる取付部2aと、制振対象物4に対して相対変位可能な変位部2bとを有する。本実施形態の制振対象物4は、自動車のパワートレーン、例えば、トランスミッションである。本実施形態の本体2は、棒状(線状)をなしており、取付部2aと変位部2bとは一体に形成されている。言い換えると、接続部2cにおいて、変位部2bの軸方向の一端部と取付部2aとが互いに接続されている。
取付部2aは、ボス5を介して制振対象物4に取付けられている。すなわち、制振対象物4にボス5が取付けられ、ボス5に本体2の取付部2aが取付けられている。変位部2bは、制振対象物4から離間しており、制振対象物4に対して相対変位可能である。変位部2bは、可撓性を有する素材で構成されている。
図2は、変位部2bの断面図である。変位部2bの内部には、軸方向に沿って孔部7が形成されている。孔部7には、変位部2bと比較して大きな密度を有する球体(摺動部材)8が充填されている。球体8は、金属(例えば、鉄)製であり、球形に形成されている。球体8の径は、孔部7の内径よりも小さく、かつ、それぞれの球体8の径は等しい。球体8は、互いに接した状態で孔部7に充填されており、変位部2bが振動することで互いに摺動し、摩擦が生じる。また、変位部2bが振動することで、球体8と孔部7(変位部2bの内壁面)との間で摩擦が生じる。制振対象物4の振動に伴い変位部2bが振動すると、球体8同士の摩擦や、球体8と孔部7(変位部2bの内壁面)との摩擦により、振動が減衰される。例えば、ワイヤー・ケーブル等と同等の高い減衰性が得られる。
孔部7における取付部2a側と反対側の端部(自由端側の端部)には、径が孔部7の他の部分の径と比較して大きい大径部7aが設けられている。以下の説明において、孔部7における大径部7aよりも取付部2a側の部分を「小径部7b」とする。本実施形態の大径部7aは、球形状に形成されている。大径部7aの形状に対応して、変位部2bにおける取付部2a側と反対側の端部(自由端側の端部)には、変位部2bの他の部分と比較して大径である袋部2dが形成されている。以下の説明において、変位部2bにおける袋部2dよりも取付部2a側の部分を「梁部2e」とする。
袋部2dの径方向内方において、孔部7が拡径されて大径部7aが形成されていることで、大径部7aに充填された球体8の軸方向と直交する方向の断面積の合計は、小径部7bに充填された球体8の上記断面積の合計と比較して、大きなものとなる。言い換えると、孔部7に充填された複数の球体8は、軸方向と直交する方向の断面積の合計が、軸方向の他の部分(小径部7b)の上記断面積の合計と比較して大きい大面積部8aを有することとなる。大面積部8aを内部に有することで、袋部2dは、梁部2eと比較して大幅に質量・剛性が高くなる。
変位部2bが振動する場合に、振動によって曲がる部分は梁部2eであって、袋部2dは、剛体として運動する。梁部2eの軸方向の長さをL、袋部2dの質量(大面積部8aの球体8の質量と、大面積部8aを覆う袋部2dの質量との和)をMとすると、変位部2bは、長さLの梁部2e(の端部)に質量Mの錘を付加した構造と同等の構造となる。梁部2eの長さLと袋部2dの質量Mとにより制振装置1の固有振動数を所望の振動数に設定(チューニング)することができる。チューニングにより、制振装置1の固有振動数を制振対象物4の制振対象の周波数に合わせることで、制振装置1をダイナミックダンパとして作用させることができる。
本実施形態の構造では、梁部2eと袋部2dとが一体に形成された本体2と本体2の内部に充填される球体8だけで高減衰と適度な質量を有したダイナミックダンパを構成しており、本体2の形状を管理すれば安定した固有振動数が得られる。梁部2eに別部材の錘を取付ける場合、錘の取付け位置や取付け剛性の影響を受けるため、固有振動数を精度良く調節することが困難な場合があるが、本実施形態の制振装置1では、このような問題が生じない。よって、梁部2eに別部材の錘を取付ける場合と比較して、制振装置1の固有振動数を所望の振動数に精度良く調節することができる。
本実施形態では、本体2が棒状(線状)に形成されていたが、本体2の形状はこれには限定されない。例えば、本体2は、棒状に代えて、柱状や板状に形成されていてもよい。言い換えると、本体2は、本体2の梁部2eの断面形状が軸方向に沿って一定であればよい。
また、本実施形態では、大径部7aが球形をなしていたが、大径部7aの形状はこれには限定されない。大径部7aは、小径部7bよりも大きな径を有していればよい。
また、本実施形態では、孔部7には球体8が充填されていたが、孔部7に充填される充填物の形状およびサイズは、これには限定されない。例えば、孔部7に充填される充填物の形状は、球形に限らず、直方体や立方体等の多面体であってもよい。あるいは、充填物の形状は、不定形の粉体等であってもよい。また、充填物のサイズ(外径)は、一定でなくとも(充填物のそれぞれによって外径が異なっていても)よい。なお、充填された状態における充填物全体の密度分布に偏りが生じることを抑制する観点からは、充填物の形状あるいはサイズの少なくともいずれか一方を一定とすることが好ましい。
本実施形態では、大径部7aが形成されることに対応して変位部2bが拡径された袋部2dが形成されたが、大径部7aに対応する位置における変位部2bの形状は、これには限定されない。例えば、大径部7aと小径部7bとで変位部2bの外径は同一であってもよい。この場合、変位部2bの径方向の厚みを小さくすることにより、大径部7aの径を小径部7bと比較して大きくすることができる。
本実施形態では、制振対象物4が自動車(車両)のトランスミッションである場合について説明したが、これには限定されない。トランスミッション以外の車両の各部位における振動を減衰させる装置として本実施形態の制振装置1が用いられることができる。制振装置1は、一度制振対象物4に設置されるとその後に固有振動数を調節することが困難な場合に特に大きな効果を奏する。例えば、制振装置1がトランスミッションに取り付けられる場合、トランスミッションが一度車両に組み付けられてしまうと、トランスミッションの周辺に各種の装置が配置された状態となるため、その後に制振装置1の固有振動数を調節することは困難な場合がある。本実施形態の制振装置1は、固有振動数のばらつきが小さいため、制振対象物4に取り付けられた後は、調整の必要なく、大きな制振効果を発揮することができる。
(第2実施形態)
図3および図4を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、変位部2bの軸方向の一端部が制振対象物4に固定され、変位部2bが片持ち梁として設けられていたが、これに代えて、本実施形態では、変位部(図3の符号12c参照)の軸方向の両端部が制振対象物4に固定される。これにより、同一の変位部12cの長さに対して、固有振動数をより高い周波数にチューニングすることができる。
図3は、本実施形態に係る制振装置の概略構成図である。
本実施形態の制振装置10では、本体12の軸方向の両端部に取付部12a,12bがそれぞれ設けられている。取付部12a,12bは、それぞれ異なるボス15a,15bを介して制振対象物4に取付けられている。本体12の一方側の端部に設けられた取付部12aは、ボス15aを介して制振対象物4に取付けられている。本体12の他方側の端部に設けられた取付部12bは、ボス15bを介して制振対象物4に取付けられている。
変位部12cは、本体12における取付部12aと取付部12bとの間に設けられている。言い換えると、接続部12eにおいて、変位部12cの軸方向の一端部と取付部12aとが互いに接続され、接続部12fにおいて、変位部12cの他端部と取付部12bとが互いに接続されている。変位部12cは、制振対象物4から離間しており、制振対象物4に対して相対変位可能である。上記第1実施形態の変位部2bと同様に、変位部12cは、可撓性を有する素材で構成されている。
図3に示すように、本実施形態では、袋部12dが、変位部12cの軸方向の中央部に設けられている。図4は、変位部12cの断面図である。
変位部12cの内部には、軸方向に沿って孔部17が形成されている。孔部17には、上記第1実施形態と同様に、充填物としての球体8が充填されている。制振対象物4の振動に伴い変位部12cが振動すると、球体8同士の摩擦や、球体8と孔部17(変位部12cの内壁面)との摩擦により、振動が減衰される。
孔部17における軸方向の中央部には、径が孔部17の他の部分の径と比較して大きい大径部17aが設けられている。以下の説明において、孔部17における大径部17aよりも取付部12a側(接続部12e側)の部分を「第一小径部17b」とし、孔部17における大径部17aよりも取付部12b側(接続部12f側)の部分を「第二小径部17c」とする。第一小径部17bの径と第二小径部17cの径とは等しく、大径部17aの径は、第一小径部17b、および、第二小径部17cの径よりも大きい。大径部17aは、球形状に形成されている。
大径部17aに充填された球体8の軸方向と直交する方向の断面積の合計は、小径部17b,17cに充填された球体8の上記断面積の合計と比較して、大きなものとなる。すなわち、孔部17に充填された複数の球体8は、軸方向と直交する方向の断面積の合計が、軸方向の他の部分(小径部17b,17c)の上記断面積の合計と比較して大きい大面積部8bを有する。
大径部17aの形状に対応して、変位部12cにおける軸方向の中央部には、変位部12cの他の部分と比較して大径に形成された袋部12dが形成されている。以下の説明において、変位部12cにおける袋部12dよりも取付部12a側(接続部12e側)の部分を「第一梁部12g」とし、変位部12cにおける袋部12dよりも取付部12b側(接続部12f側)の部分を「第二梁部12h」とする。大径部17aが形成されて大面積部8bを内部に有することで、袋部12dは、梁部12g,12hと比較して大幅に質量・剛性が高くなる。接続部12eと接続部12fとの間の長さをL1、袋部12dの質量(大面積部8bの球体8の質量と、大面積部8bを覆う袋部12dの質量との和)をM1とすると、変位部12cは、軸方向の両端部が制振対象物4に固定された長さL1の梁部12g,12hの中央部に質量M1の錘を付加した構造と同等の構造となる。梁部12g,12hの長さL1と袋部12dの質量M1とにより制振装置10の固有振動数を所望の振動数にチューニングすることができる。
本実施形態の制振装置10では、変位部12cの両端が制振対象物4に固定されているため、上記第1実施形態のように変位部2bの一端が制振対象物4に固定されているものと比較して、変位部の長さが同じであっても、固有振動数は高くなる。変位部12cの両端が固定されている場合、一端が固定されている場合と比較して、固有振動数を6倍程度とすることができる。
本実施形態の構造では、本体12と本体12の内部に充填される球体8だけで高減衰と適度な質量を有したダイナミックダンパを構成しており、本体12の形状を管理すれば安定した固有振動数が得られる。よって、梁部12g,12hに別部材の錘を取付ける場合と比較して、制振装置10の固有振動数を所望の振動数に精度良く調節することができる。
(第3実施形態)
図5を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記各実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記各実施形態と異なり、本実施形態では、ワイヤー・ケーブル等の線状部材で制振装置が構成される。すなわち、本実施形態の変位部では、内部に形成された孔部に縒り線が充填される。
図5は、本実施形態に係る変位部の断面図である。
本実施形態の制振装置20では、本体22は、上記第2実施形態の本体12と同様に軸方向の両端部が制振対象物に固定されている。すなわち、変位部22cの軸方向の一端部22eおよび他端部22fは、それぞれ図示しない取付部およびボスを介して制振対象物に固定されている。変位部22cは、上記各実施形態の変位部2b,12cと同様に可撓性を有する素材で構成されている。
変位部22cには、軸方向に沿って孔部27が形成されている。孔部27には、複数の縒り線28が配置されている。縒り線28は、外周部が互いに接する状態で軸方向に沿って孔部27に配置されている。制振対象物の振動に伴い変位部22cが振動すると、縒り線28同士の摩擦や、縒り線28と孔部27(変位部22cの内壁面)との摩擦により、振動が減衰される。
孔部27における軸方向の中央部には、径が孔部27の他の部分の径と比較して大きい大径部27aが形成されている。各縒り線28には、縒り線28の軸方向の他の部分と比較して軸方向と直交する方向の断面積の和が大きい縒り線大面積部28aが形成されている。縒り線大面積部28aでは、縒り線28を構成する各素線が太くされている。縒り線大面積部28aの素線の太さは、縒り線大面積部28aの両端部において徐変している。すなわち、縒り線大面積部28aの両端部では、端部へ向かうほど素線の太さが細くなっている。縒り線大面積部28aは、大径部27aに配置されている。言い換えると、縒り線大面積部28aを有する複数の縒り線28の束が、変位部22cで被覆されており、縒り線大面積部28aに対応して変位部22cの内径が大きくなっている。
大径部27aの形状に対応して、変位部22cにおける軸方向の中央部には、変位部22cの他の部分と比較して大径である袋部22dが形成されている。以下の説明において、変位部22cにおける袋部22dよりも接続部22e側の部分を「第一梁部22g」とし、変位部22cにおける袋部22dよりも接続部22f側の部分を「第二梁部22h」とする。縒り線大面積部28aを内部に有することで、袋部22dは、梁部22g,22hと比較して大幅に質量・剛性が高くなる。接続部22eと接続部22fとの間の長さをL2、袋部22dの質量(縒り線大面積部28aの質量と、縒り線大面積部28aを覆う袋部22dの質量との和)をM2とすると、変位部22cは、軸方向の両端部が制振対象物に固定された長さL2の梁部22g,22hの中央部に質量M2の錘を付加した構造と同等の構造となる。梁部22g,22hの長さL2と袋部22dの質量M2とにより制振装置20の固有振動数を所望の振動数にチューニングすることができる。
本実施形態の構造では、本体22と本体22の内部に充填される縒り線28だけで高減衰と適度な質量を有したダイナミックダンパを構成しており、縒り線28の形状を管理すれば安定した固有振動数が得られる。よって、梁部22g,22hに別部材の錘を取付ける場合と比較して、制振装置20の固有振動数を所望の振動数に精度良く調節することができる。
本発明の制振装置の第1実施形態の概略構成図である。 本発明の制振装置の第1実施形態における変位部の断面図である。 本発明の制振装置の第2実施形態の概略構成図である。 本発明の制振装置の第2実施形態における変位部の断面図である。 本発明の制振装置の第3実施形態における変位部の断面図である。 減衰部材において振動を減衰させる作用の一例について説明するための図である。 錘を付加した減衰部材の一例を示す図である。
符号の説明
1 制振装置
2 本体
2a 取付部
2b 変位部
2c 接続部
2d 袋部
2e 梁部
7 孔部
7a 大径部
7b 小径部
8 球体
8a,8b 大面積部
10 制振装置
12 本体
12c 変位部
17 孔部
17a 大径部
17b 第一小径部
17c 第二小径部
20 制振装置
22 本体
22c 変位部
27 孔部
27a 大径部
28 縒り線
28a 縒り線大面積部
100 減衰部材
101 縒り線
102 束
103 被覆
104 制振対象物
105 ボス
106 錘

Claims (1)

  1. 制振対象物に取付けられ、前記制振対象物の振動を減衰させる制振装置であって、
    前記制振対象物に取付けられる取付部と、
    前記取付部に軸方向の一端部が接続され、可撓性を有し、かつ、前記制振対象物に対して相対変位可能な変位部と、
    前記変位部の内部に充填され、前記変位部が振動することで互いに摺動する複数の摺動部材とを備え、
    前記充填された前記複数の摺動部材は、前記軸方向と直交する方向の断面積の合計が、前記軸方向の他の部分の前記断面積の合計と比較して大きい大面積部を有し、
    前記大面積部の前記複数の摺動部材の質量と前記変位部のうち前記大面積部を覆う部分の質量との和と、前記軸方向における前記取付部と前記大面積部との間の長さとの関係は、前記制振対象物の制振対象とする振動数において前記変位部が共振するように設定されている
    ことを特徴とする制振装置。
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