JP2010036703A - 輪荷重推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減衰力発生手段による抗力の影響を低減または除外して、車両重量を推定する技術を提供する。
【解決手段】輪荷重推定装置は、車輪側部材に連結する第1伝達部材と車体側部材に連結する第2伝達部材とが相対回転することにより車輪と車体の間に減衰力を発生させる減衰力発生手段を備える。DCモータ210は、第1伝達部材と第2伝達部材を相対回転させて、車輪と車体の相対距離を変化させる。電源220は、DCモータ210に電力を供給して、第1伝達部材と第2伝達部材を第1の回転方向に相対回転させる。制御回路300は、電力供給手段によりモータに電力を供給して、車輪と車体の相対距離を変化させるときの第1抗力を推定し、また電力供給手段による電力供給を停止したあとに、第1伝達部材と第2伝達部材が第2の回転方向に相対回転するときの第2抗力を推定する。制御回路300は、第1抗力と第2抗力から、輪荷重を推定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、輪荷重を推定する装置および方法に関する。
車両の重量を推定することにより、車両の挙動をより緻密に予測でき、これにより車両挙動の正確なフィードフォワード制御が可能となる。しかしながら、車両重量を推定するためには、ショックアブソーバの内圧を測定する圧力センサなどを必要とし、コスト高となる。
従来、車高制御手段が車高調整手段を作動させたときに、車高調整手段の作動時間と車高変化量とに基づいて輪荷重を推定する手段を備えた車両制御装置を開示するものがある(特許文献1参照)。この車両制御装置では、圧力センサを設けずに車高センサを利用することで車両重量を推定している。
特開平11−222018号公報
しかしながら、特許文献1に開示された車両制御装置では、圧力センサの代わりに車高センサのコストがかかるという問題がある。また、この車両制御装置によると、たとえばショックアブソーバが故障して、車高の変化方向に対してショックアブソーバから予期できない抗力が発生すると、車高調整手段の本来の作動時間とは異なる作動時間をもとに車両重量を推定することになる。したがって、この場合は正確な車両重量を推定することができない。なお、この事情は、従来のように圧力センサを設けた場合でも同様である。以下に、その説明を行う。
図1(a)は、正常な抗力を発生するショックアブソーバを利用した場合に推定される車両重量を示し、図1(b)は、正常でない抗力を発生するショックアブソーバを利用した場合に推定される車両重量を示す。なお車両重量は、車両本体の重量と乗員などの積載重量を加算したものである。図1(a)および図1(b)において、ハッチングで示す棒グラフの高さは、車両重量による抗力を示し、黒色で示す棒グラフの高さは、ショックアブソーバ抵抗による抗力を示し、白色で示す棒グラフは、車両重量による抗力からショックアブソーバ抵抗による抗力を差し引いた抗力を示す。従来の圧力センサを利用して車高を推定する技術では、圧力センサにより検出される差分抗力が、車両重量推定に利用される。
図1(a)において、車両重量抗力A12に対して、車両重量抗力A11は車両重量が減少したときの抗力であり、車両重量抗力A13は車両重量が増加したときの抗力である。それぞれの場合において、ショックアブソーバ抗力B12、B11、B13は予定されている通常の値を示し、ここではそれぞれ等しいことを前提とする。したがって、この前提のもとでは、差分抗力C12、C11、C13が取得できれば、車両重量を推定できる。
一方、図1(b)においては、車両重量抗力A21、A22、A23が全て同じであるにもかかわらず、ショックアブソーバ抗力B21、B22、B23が異なるために、車両推定に利用される差分抗力C21、C22、C23がそれぞれ異なっている。図1(a)および図1(b)を参照すると、車両重量抗力A11とA21とが異なるにもかかわらず差分抗力C11とC21が等しく、また車両重量抗力A13とA23とが異なるにもかかわらず差分抗力C13とC23とが等しくなっている。したがって、ショックアブソーバによる抗力が予定していない値となる場合には、圧力センサを用いても正確な車両重量を推定できないことが分かる。なお、特許文献1に示す車高センサを用いた場合でも同様に正確な車両重量を推定することは困難である。したがって、ショックアブソーバが発生する抗力の影響を低減または除外して、車両重量を推定することが好ましい。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、輪荷重を精度よく推定することのできる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の輪荷重推定装置は、輪荷重を推定する輪荷重推定装置であって、車輪側部材に連結する第1伝達部材と車体側部材に連結する第2伝達部材とが相対回転することにより車輪と車体の間に減衰力を発生させる減衰力発生手段と、第1伝達部材と第2伝達部材を相対回転させて、車輪と車体の相対距離を変化させるモータと、モータに電力を供給して、第1伝達部材と第2伝達部材を第1の回転方向に相対回転させる電力供給手段と、電力供給手段によりモータに電力を供給して、車輪と車体の相対距離を変化させるときの第1抗力を推定する第1抗力推定手段と、電力供給手段による電力供給を停止したあとに、第1伝達部材と第2伝達部材が第2の回転方向に相対回転するときの第2抗力を推定する第2抗力推定手段と、第1抗力推定手段により推定された第1抗力と、第2抗力推定手段により推定された第2抗力から、輪荷重を推定する荷重推定手段と、を備える。
この態様によると、モータに電力を供給して第1伝達部材と第2伝達部材を第1の回転方向に相対回転させたときに推定される第1抗力と、電力供給を停止したあとに第1伝達部材と第2伝達部材が第2の回転方向に相対回転したときに推定される第2抗力とから、輪荷重を精度よく推定することが可能となる。
第1抗力推定手段は、モータに供給される電流をもとに第1抗力を推定し、第2抗力推定手段は、モータに発生する電流をもとに第2抗力を推定してもよい。モータ電流により輪荷重を推定可能とすることで、車高センサや圧力センサなどを不要とし、低コスト化できる。
荷重推定手段は、第1抗力と第2抗力を用いて、それぞれに含まれる減衰力発生手段による抗力分を相殺することで、輪荷重を推定してもよい。これにより、減衰力発生手段が正規の挙動を示さない場合であっても、輪荷重推定装置は、減衰力発生手段の挙動の影響を低減または除外して輪荷重を精度よく推定することが可能となる。
モータの回転数を検出する回転数検出手段をさらに有してもよい。第1抗力推定手段は、モータの回転速度が一定値となったときに第1抗力を推定し、第2抗力推定手段は、モータの回転速度が一定値である場合における第2抗力を推定してもよい。なお、第2抗力推定手段は、モータの回転速度を一定値に設定して第2抗力を推定してもよく、また複数の回転速度における抗力から、モータの回転速度が一定値のときの第2抗力を推定してもよい。
モータの端子に接続される可変抵抗器と、可変抵抗器の抵抗値を制御する抵抗器制御部をさらに備えてもよい。可変抵抗器の抵抗値を制御することで、第2抗力推定時におけるモータの回転速度を調整することが可能となる。抵抗器制御部は、第2抗力推定手段が第1抗力の推定時におけるモータ回転速度と同じモータ回転速度における第2抗力を推定できるように、可変抵抗器の抵抗値を制御してもよい。
第1抗力推定手段は、モータが車高を高くする方向に回転するときの第1抗力を推定し、第2抗力推定手段は、車高が高い位置から元の位置に戻るときの第2抗力を推定してもよい。これにより、減衰力発生手段の挙動が、輪荷重の推定に与える影響を低減ないしは除外することが可能となる。
本発明によれば、輪荷重を精度よく推定することのできる技術を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
図2は、本発明の実施の形態に係る輪荷重推定装置の一部を構成するサスペンション装置1の取付構造を示す。本実施の形態の輪荷重推定装置は、サスペンション装置1における減衰力発生手段による減衰力の影響を低減または除外して、車輪にかかる荷重を推定する。以下では、本実施の形態における減衰力発生手段について説明し、それから減衰力発生手段を備えた輪荷重推定装置の説明を行う。
サスペンション装置1は、車輪3を回転可能に支持する支持部材6と、支持部材6を上下に揺動可能に支持するロアアーム4およびアッパアーム5を備える。車両本体2、ロアアーム4、アッパアーム5および支持部材6はリンク機構7を構成し、ロアアーム4およびアッパアーム5は、車両本体2に回転可能に取り付けられる。
本実施の形態において、サスペンション装置1は、リンク機構7のジョイント部にビスカスカップリング100を備えて構成される。実施の形態におけるリンク機構7は、4節リンク機構を構成しており、ビスカスカップリング100は、車両本体2とロアアーム4のジョイント部8a、車両本体2とアッパアーム5のジョイント部8b、アッパアーム5と支持部材6のジョイント部8c、ロアアーム4と支持部材6のジョイント部8dのいずれに設けられてもよい。図示の例では、ビスカスカップリング100が、車両本体2とロアアーム4のジョイント部8aを構成している。以下、ジョイント部8a〜8dを総称する場合には、「ジョイント部8」と呼ぶ。
ビスカスカップリング100は、車輪3と車両本体2の間に減衰力を発生させる減衰力発生手段であって、ケース体と、ケース体から突設されるシャフトを有して構成される。ケース体が1つのリンクに取り付けられ、またシャフトが当該リンクに隣接するリンクに取り付けられることで、隣り合う2つのリンクを相対回転可能に連結するジョイント部8が構成される。図1に示す例では、ケース体が車両本体2に固定され、またシャフトがロアアーム4に連結されることで、ロアアーム4の上下動に応じてシャフトとケース体とが相対回転し、減衰力を発生する。シャフトおよびケース体は、それぞれ車輪側部材に連結する第1伝達部材、車体側部材に連結する第2伝達部材として機能する。なお、車体側部材は、リンク機構7において車輪側部材に対して車両本体2に近い側の部材である。すなわちリンク機構7において、シャフトおよびケース体はジョイント部8を構成するが、それぞれが取り付けられるリンクのうち、車両本体2に近い部材を車体側部材とよび、他方、すなわち車輪3に近い部材を車輪側部材と呼ぶ。図1に示す例では、車両本体2が車体側部材であり、ロアアーム4が車輪側部材となる。なお、シャフトが車体側部材に連結する第2伝達部材、ケース体が車輪側部材に連結する第1伝達部材として機能してもよい。
なお以下の実施の形態において、リンク機構7の構造は例示であり、サスペンション装置1が他のマルチリンク機構を有してもよい。さらに、図1に示す例ではビスカスカップリング100がジョイント部8aを構成しているが、他のジョイント部8b、8c、8dを構成してもよく、また複数のビスカスカップリング100が複数のジョイント部8を構成してもよい。
図3は、実施の形態に係る輪荷重推定装置10の構成を示す。輪荷重推定装置10は、ジョイント部8を構成するビスカスカップリング100と、ビスカスカップリング100の出力軸62に連結されるモータ回路200とを備える。ビスカスカップリング100は、ロアアーム4に連結されてロアアーム4の上下動に応じて回転するシャフト20と、環状張出部14において車両本体2に連結される円筒状のケース体12を備える。ビスカスカップリング100において、複数のインナープレート30がプレート支持体58に係合され、複数のアウタープレート40がケース体12に係合され、プレート支持体58とケース体12が相対回転することにより減衰力を発生させる。以下で説明するように、プレート支持体58はシャフト20とともに回転するため、プレート支持体58およびシャフト20を第1伝達部材と呼んでもよい。シャフト20は、図示しない軸受により、ケース体12に対して相対回転可能に支持される。なお第1伝達部材に複数のアウタープレート40が係合され、第2伝達部材に複数のインナープレート30が係合されていてもよい。
ケース体12の内部には作動室16が形成されて、シリコンオイルなどの粘性流体が充填され、作動室16は、オイルシール22a、22bにより封止される。作動室16には、シャフト20に連結された遊星歯車機構110が設けられる。図4は、図3に示すビスカスカップリング100のA−A断面を示す。以下、図3および図4を参照して、遊星歯車機構110の構造を説明する。
遊星歯車機構110は、キャリア50、連結軸52、内歯車54、遊星歯車56および太陽歯車60を有して構成される。この遊星歯車機構110は、プラネタリ型の機構であり、内歯車54がケース体12の内周面に対して固定される。内歯車54の内側には太陽歯車60が設けられ、複数の遊星歯車56が、内歯車54と太陽歯車60のそれぞれと噛合して、両者の間に設けられる。キャリア50は連結軸52を有し、複数の遊星歯車56を、軸受を介して円周方向等間隔に回転自在に支持する。これにより遊星歯車56は、連結軸52を中心に自転しながら、太陽歯車60の周囲を公転する。キャリア50は中心位置においてシャフト20に連結されて、シャフト20とともに回転する。キャリア50に設けられた連結軸52は、遊星歯車56の軸受を経由して、プレート支持体58に固着される。これによりプレート支持体58は、シャフト20と同一速度で回転可能となる。太陽歯車60の中心には、モータ回路200に連結される出力軸62が設けられる。シャフト20および出力軸62は同軸上に形成される。
図5は、プレート支持体58を示す。プレート支持体58は、貫通口を有する円筒部材64および円板部材66を有して形成される。貫通口には、出力軸62が挿通される。円板部材66の裏面にはキャリア50から延びる連結軸52が固着される。また円筒部材64の外周面に、複数枚のインナープレート30が連結される。
ビスカスカップリング100において、ケース体12の内周面には、複数枚のアウタープレート40が連結されている。複数枚のインナープレート30と複数枚のアウタープレート40は交互に所定の間隔をあけて配置される。
車輪3の挙動によりロアアーム4が上下動すると、シャフト20が回転して、シャフト20とケース体12とが相対回転する。これにより、シャフト20とともに回転するプレート支持体58に連結されている複数枚のインナープレート30と、ケース体12に連結されている複数枚のアウタープレート40とが差動回転し、その回転差に応じて粘性流体にせん断力が発生して、トルクが発生する。この発生トルクは、サスペンション装置1における減衰力を構成する。
図6は、ビスカスカップリング100による差動回転数と発生トルクとの関係を示す。図2に示すようにビスカスカップリング100をサスペンション装置に組み込むと、差動回転数はサスペンションストローク速度、発生トルクは減衰力に対応する。
以下、ビスカスカップリング100における発生トルクの計算式を示す。
Figure 2010036703
Sn:プレート間隔(ピッチ)
N:流体粘度
e:密度
ra:プレート重なり領域の大径
ri:プレート重なり領域の小径
Δn:差動回転(相対回転)数
式1から示されるように、ビスカスカップリング100では、インナープレート30とアウタープレート40の差動回転数に比例の関係でトルクが発生する。
図3にもどって、モータ回路200は、出力軸62に連結されたDCモータ210、DCモータ210の端子間に接続される可変抵抗器214、端子間電圧を測定する電圧計216および可変抵抗器214に流れる電流を測定する電流計218を備える。なお電圧計216は、必ずしも設けられなくてもよい。
モータ回路200は、これらの構成に加えて、直流電源として構成される電源220と、制御回路300とを備える。電源220は、制御回路300により制御されて、DCモータ210に対して直流電圧を供給する。電源220は、DCモータ210を正方向および逆方向に駆動するための直流電圧を供給するように構成されてよい。なお本実施形態の輪荷重推定装置10においては、電源220は、DCモータ210が車高を高くする方向に強制的に回転駆動させるように構成されてよい。電源220は、図示されるようにDCモータ210および可変抵抗器214の間に直列に配置されてもよいが、並列に配置されてもよく、いずれにしてもDCモータ210に電力を供給できる位置に配置されていればよい。
DCモータ210のシャフトは、太陽歯車60の中心から延出される出力軸62に連結される。シャフト20の回転が遊星歯車機構110を介して出力軸62から出力されると、その回転出力はDCモータ210のシャフトに伝達される。これにより、DCモータ210への電力非供給時、DCモータ210は車両重量に抗したトルクを発生する。輪荷重推定装置10において、この発生トルクは、減衰力に対応する。なお、輪荷重推定装置10においては、後述するように、車高を一度上昇させてから、車高を下降させる制御を行うが、DCモータ210は、その車高下降時にトルクを発生する。
図7は、モータ回路200によるシャフト回転数と発生トルクとの関係を示す。逆起電圧によるDCモータ210の発生トルクは、回転数、モータに接続する抵抗の影響を受ける。以下、DCモータ210における発生トルクの計算式を示す。
Figure 2010036703
Rm:モータ内部抵抗(Ω)
Rr:外部抵抗(Ω)
K:トルク定数(mNm/A)
N:回転数(rpm)
式2に示すように、外部抵抗である可変抵抗器214の抵抗値(Rr)を設定することで、図7に示す発生トルク特性における傾きを制御することが可能となる。以上のように、ジョイント部8を構成するビスカスカップリング100と、ビスカスカップリング100の出力軸62に連結されるモータ回路200は、輪荷重推定装置10において車高下降時に減衰力発生手段を構成する。
図8は、サスペンションストローク速度と、減衰力発生手段の全体の発生減衰力との関係を示す。ライン70で示される全体の減衰力は、ビスカスカップリング100により発生される減衰力と、モータ回路200により発生される減衰力とを含む。既述したように、モータ回路200による減衰力は、後述する車高下降時に発生する。なおビスカスカップリング100による減衰力は、車高上昇時および車高下降時の双方において発生する。図8においては、範囲aで示される減衰力がビスカスカップリング100により発生され、範囲bで示される減衰力がモータ回路200により発生されている。このように輪荷重推定装置10では、ビスカスカップリング100およびモータ回路200を備えることで、車高下降時において、ビスカスカップリング100による減衰力に加えて、モータ回路200による減衰力が発生される。
以上、輪荷重推定装置10において、ビスカスカップリング100により構成される第1減衰力発生手段、およびモータ回路200により構成される第2減衰力発生手段について説明した。以下では、これらの減衰力発生手段を備えた輪荷重推定装置10において、車輪3にかかる荷重を推定する技術について説明する。
輪荷重推定装置10においては、まず、車両が停止した状態からDCモータ210を駆動して、車両本体2と車輪3との相対距離を変化させる。具体的には、DCモータ210に電力を供給して駆動することで、車高を、車両停止時の安定した位置(以下、「基準高さ」と呼ぶ)から強制的に上昇させ、車高上昇時にDCモータ210にかかる第1抗力を推定する。この第1抗力には、車両重量による抗力と、ビスカスカップリング100により構成される第1減衰力発生手段による抗力とが含まれる。DCモータ210への電力供給を停止すると、車高が元の基準高さまで下降するが、その下降中にDCモータ210にかかる第2抗力を推定する。輪荷重推定装置10は、この第1抗力と第2抗力から、輪荷重を推定する。
以下、輪荷重推定装置10による輪荷重の推定原理を説明する。
図9(a)は、輪荷重推定装置10により正常な抗力を発生するショックアブソーバ(減衰力発生手段)を利用した場合に推定される車両重量を示し、図9(b)は、輪荷重推定装置10により正常でない抗力を発生するショックアブソーバ(減衰力発生手段)を利用した場合に推定される車両重量を示す。なお車両重量は、車両本体の重量と乗員などの積載重量を加算したものである。図9(a)および図9(b)において、左下向きのハッチングで示す棒グラフの高さは、車両重量による抗力を示し、黒色で示す棒グラフの高さは、第1減衰力発生手段による抗力を示す。右下向きのハッチングで示す棒グラフの高さは、車高上昇時における車両重量および第1減衰力発生手段による上昇時抗力(第1抗力)を示し、ドット模様で示す棒グラフの高さは、車高下降時における車両重量および第1減衰力発生手段による下降時抗力(第2抗力)を示す。本実施形態の輪荷重推定装置10は、上昇時抗力(第1抗力)および下降時抗力(第2抗力)から、車両重量抗力すなわち輪荷重を推定する。上昇時抗力は、車両重量抗力と、第1減衰力発生手段による抗力とを加算したものであり、下降時抗力は、車両重量抗力から、第1減衰力発生手段による抗力を減算したものである。したがって、車両重量抗力をA、第1減衰力発生手段による抗力をB、上昇時抗力をD、下降時抗力をEとすると、以下の関係式が成立する。
D=A+B・・・式(1)
E=A−B・・・式(2)
なお、ここでは、車高上昇時における第1減衰力発生手段の抗力と、車高下降時における減衰力発生手段の抗力のそれぞれの絶対値が等しいとしている。図6を参照して、第1減衰力発生手段の減衰力の絶対値は、差動回転数に比例するため、それぞれの絶対値が等しい場合とは、車両本体2の上昇速度および下降速度が等しいことを意味する。すなわち、DCモータ210の回転数(差動回転数に比例関係にある)が車高上昇時と車高下降時とで等しい場合、
A=(D+E)/2・・・式(3)
以上により、上昇時抗力Dと下降時抗力Eを導出して、これらを利用して車両重量抗力Aを導出することで、第1減衰力発生手段による抗力Bの影響をなくすことができる。したがって、第1減衰力発生手段が本来予定されている挙動を示さない場合であっても、抗力Bの影響を除外、または少なくとも低減して、車両重量を正確に推定することが可能となる。
図9(a)において、車両重量抗力A32に対して、車両重量抗力A31は車両重量が減少したときの抗力であり、車両重量抗力A33は車両重量が増加したときの抗力である。それぞれの場合において、第1減衰力発生手段による抗力B32、B31、B33に変化はないことを前提とする。これは、図1(a)における車両重量抗力およびショックアブソーバ抗力の関係と同じである。式(3)により、
A31=(D31+E31)/2
A32=(D32+E32)/2
A33=(D33+E33)/2
と、それぞれの車両重量抗力A31、A32、A33を導出できる。
一方、図9(b)においては、車両重量抗力A41、A42、A43が全て同じであり、第1減衰力発生手段による抗力B41、B42、B43が異なる状態を示す。これは、図1(b)における車両重量抗力およびショックアブソーバ抗力の関係と同じである。第1減衰力発生手段による抗力B41、B42、B43がそれぞれ異なることで、それぞれの状態における上昇時抗力D41、D42、D43、および下降時抗力E41、E42、E43が異なっている。
このように、第1減衰力発生手段が本来予期している挙動を示さない場合であっても、本実施形態による輪荷重推定の手法を用いると、以下のように車両重量抗力を導出できる。
A41=(D41+E41)/2
A42=(D42+E42)/2
A43=(D43+E43)/2
導出された車両重量抗力A41、A42、A43においては、第1減衰力発生手段による抗力B41、B42、B43の影響が除かれている。したがって、第1減衰力発生手段が予期されない動作を行っても、輪荷重推定装置10は、正確に輪荷重を推定することが可能となる。
上記した輪荷重推定手法を実現するための構成を以下に示す。
図10は、制御回路300の構成を示す。制御回路300は、輪荷重推定指示部302、車両停止判定部304、供給電圧決定部306、電源制御部308、電流監視部310、電圧監視部312、回転数検出部320、回転数取得部326、抗力推定部330、抵抗器制御部340、テーブル保持部350および輪荷重推定部360を備える。回転数取得部326は、下降時回転数取得部322および上昇時回転数取得部324を有する。抗力推定部330は、下降時抗力推定部332および上昇時抗力推定部334を有する。テーブル保持部350は、抵抗値テーブル保持部352、下降時抗力テーブル保持部354および上昇時抗力テーブル保持部356を有する。
電流監視部310は、電流計218で測定される電流値を監視する。電圧監視部312は、電圧計216で測定される電圧値を監視する。回転数検出部320は、DCモータ210の回転数を検出する。回転数検出部320は、電流監視部310で監視している電流値をもとに、DCモータ210の回転数を検出してもよい。DCモータ210で発生する電流は、回転数に応じた交流波形をもつ。そのため、発生電流の変動周期を検出することで、回転数検出部320は、DCモータ210の回転数を導出することができる。なお、DCモータ210に対して電力を供給していないとき、すなわち車高下降時においては、回転数検出部320は、電圧監視部312で監視している逆起電圧値をもとに、DCモータ210の回転数を検出してもよい。DCモータ210で発生する電圧は、回転数に比例する。この比例関係を利用することで、回転数検出部320は、DCモータ210の回転数を演算により導出することができる。回転数検出部320は、電圧監視部312および/または電流監視部310の監視結果をもとにモータ回転数を検出することで、サスペンションストロークを検出するセンサなどの機器を不要にできる。
まず、輪荷重推定指示部302が、輪荷重推定処理の実行を指示する。輪荷重推定指示部302は、たとえばイグニッションキーのオンを検出して、輪荷重推定処理の実行指示を生成してもよい。これにより、輪荷重推定装置10による輪荷重推定処理が開始される。車両停止判定部304は、車両が停止状態にあるか否かを判定する。車両停止判定部304は、ブレーキのシフト位置がP(パーキング)レンジにある場合に、車両が停止状態にあることを判定してもよい。また車両停止判定部304は、アクセルペダルが踏まれていないことを検出することで、車両が停止状態にあることを判定してもよい。車両が停止状態にあるとき、車両重量とサスペンション装置1によるばね力とが釣り合って、車高は、安定した高さ(基準高さ)に維持されている。車両停止判定部304は、車両が停止状態にあることを判定すると、輪荷重推定処理の実行指示を供給電圧決定部306に供給する。
供給電圧決定部306は、車高を上昇させるべく、DCモータ210に供給する電圧を決定する。この供給電圧は、予め設定されている値であってよい。電源制御部308は、電源220を制御して、供給電圧決定部306で決定された電圧をDCモータ210に供給させる。電源制御部308および電源220は、電力供給手段を構成する。電源制御部308は、電源220を制御すると同時に、回転数取得部326および抗力推定部330に対して、車高上昇制御を開始したことを通知する。
電源220は、DCモータ210に電力を供給することで、シャフト20およびケース体12を第1の回転方向に相対回転させて、車輪3と車両本体2の高さ方向の相対距離を変化させる。これにより車高は、基準高さから上昇する。一定電圧でDCモータ210を駆動すると、車両重量抗力および第1減衰力発生手段による抗力にモータ駆動トルクが打ち勝ち、ある回転数で釣り合い車両本体2が定速で上昇する。このとき、DCモータ210の駆動電流は一定となり、上昇時抗力推定部334は、その電流値から、車高上昇時におけるトルク(上昇時抗力)を推定する。
図11は、モータ駆動電流と上昇時抗力との関係を示す。上昇時抗力は、下向きの抗力として発生する。モータ駆動電流と上昇時抗力は、比例の関係にある。上昇時抗力テーブル保持部356は、図11に示すモータ駆動電流と上昇時抗力との関係を保持する。上昇時抗力テーブル保持部356は、モータ駆動電流と上昇時抗力の関係をテーブルとして保持してもよく、またマップ化したデータとして保持してもよい。また、モータ駆動電流と上昇時抗力との関係を、比例関数として保持してもよい。第1減衰力発生手段が正常な抗力を発生するとき、モータ駆動電流はI、上昇時抗力はFの値を示す。一方で、第1減衰力発生手段の抗力が正常値よりも高い場合には、モータ駆動電流および上昇時抗力は、それぞれIおよびFの値よりも大きくなり、一方で第1減衰力発生手段の抗力が正常値よりも低い場合には、それぞれIおよびFの値よりも小さくなる。
車高上昇時、上昇時抗力推定部334は、電流が一定値となると、そのときの電流値から、上昇時抗力テーブル保持部356に保持される関係を参照して、上昇時抗力を推定する。また上昇時回転数取得部324は、電流が一定値となったときに回転数検出部320により検出されたDCモータ210の回転数を取得する。車高上昇時のDCモータ210の回転数は、下降時抗力を推定する際に用いられる。
電源制御部308は、所定のタイミングでDCモータ210への電力供給を停止する。たとえば、モータ駆動電流が一定値となってから所定時間が経過したときに、電力供給を停止してもよい。電力供給が停止されると、シャフト20とケース体12とが第2の回転方向、すなわち車高上昇時の第1の回転方向とは逆方向に相対回転して、車高が、元の基準高さまで下降する。電源制御部308は、電源220からの電力供給を停止すると同時に、回転数取得部326および抗力推定部330に対して、車高上昇制御を終了したことを通知する。このとき可変抵抗器214は、所定の抵抗値R1に設定されている。
図12は、モータ回転数と抗力との関係を示す。ライン400は、モータ回転数と下降時抗力の関係を示す。下降時抗力は、車両重量抗力から第1減衰力発生手段の抗力を減算した値となるため、回転数(下降速度)が大きくなると、下降時抗力が小さくなる特性をもつ。またライン402および404は、モータ回転数とモータ発生トルクの関係を示す。モータ発生トルクは、回転数に対して、可変抵抗器214の抵抗値を小さくすると傾きが大きくなり(ライン404)、抵抗値を大きくすると傾きが小さくなる(ライン402)。
可変抵抗器214の抵抗値がR1であるとき、車両本体2が下降すると、モータ発生トルクに抗力が打ち勝ち、ある回転数で釣り合い車両本体2が定速で下降する。このとき、DCモータ210の発生電流は一定となり、下降時抗力推定部332は、その電流値から、車高下降時におけるトルク(下降時抗力)を推定する。
図13は、モータ発生電流と下降時抗力との関係を示す。下降時抗力は、下向きの抗力として発生する。モータ発生電流と下降時抗力は、比例の関係にある。下降時抗力テーブル保持部354は、図13に示すモータ発生電流と下降時抗力との関係を保持する。下降時抗力テーブル保持部354は、モータ発生電流と下降時抗力の関係をテーブルとして保持してもよく、またマップ化したデータとして保持してもよい。また、モータ発生電流と下降時抗力との関係を、比例関数として保持してもよい。
車高下降時、下降時抗力推定部332は、電流が一定値となると、そのときの電流値から、下降時抗力テーブル保持部354に保持される関係を参照して、下降時抗力を推定する。また下降時回転数取得部322は、電流が一定値となったときに回転数検出部320により検出されたDCモータ210の回転数を取得する。車両本体2は、基準高さまで下降する。
下降時抗力推定部332は、下降時回転数取得部322から車高下降時の回転数を受け取り、また上昇時回転数取得部324から車高上昇時の回転数を受け取る。これらの回転数が等しい場合、下降時抗力推定部332および上昇時抗力推定部334は、それぞれ推定した下降時抗力および上昇時抗力を輪荷重推定部360に供給する。輪荷重推定部360は、式(3)をもとに、輪荷重を推定する。これにより、第1減衰力発生手段の動作の影響を除いて、正確な輪荷重を推定することが可能となる。すなわち輪荷重推定部360は、下降時抗力と上昇時抗力を用いて、それぞれに含まれる第1減衰力発生手段による抗力分を相殺することで、輪荷重を正確に推定できる。
一方、車高上昇時と車高下降時の回転数が異なる場合、下降時抗力推定部332は、車高上昇時の回転数と同じ回転数における下降時抗力を推定する必要がある。そのため、可変抵抗器214の抵抗値を調整して、下降時抗力を再度推定し、推定した2つの下降時抗力から、車高上昇時の回転数と同じ回転数で下降したときの抗力を推定する。
図14(a)は、車高上昇時の回転数N0と、1回目の車高下降時の回転数N1との関係を示す。抵抗器制御部340は、下降時回転数取得部322から回転数N1を受け取り、上昇時回転数取得部324から回転数N0を受け取る。図14(a)の例では、1回目の車高下降時には、可変抵抗器214の抵抗値が所望値よりも小さかったために、車高下降時の回転数N1が、車高上昇時の回転数N0よりも小さくなっている。そのため、抵抗器制御部340は、可変抵抗器214の抵抗値を1回目下降時の抵抗値R1よりも大きくすることで、2回目の車高下降時の回転数をN2(=2N0−N1)となるようにする。図14(b)は、モータ回転数とモータ発生トルクの関係を示すライン412を示す。可変抵抗器214の抵抗値を設定することで、車高下降時の回転数をN2とすることができる。
抵抗値テーブル保持部352は、可変抵抗器214の抵抗値と、モータ回転数との関係を示す抵抗値テーブルを保持する。具体的に抵抗値テーブル保持部352は、段階的に複数の抵抗値テーブルを有している。
図15(a)は、第1段階の抵抗値テーブルの一例を示す。このテーブルは、1回目下降時の抵抗値がR1であることを前提として作成されている。この抵抗値テーブルでは、1回目下降時の回転数と、次に参照するテーブル名とが対応付けられて記録されている。抵抗器制御部340は、抵抗値テーブルを参照して、1回目の車高下降時の回転数N1をキーとして、テーブルMMが次に参照するテーブルであることを特定する。
図15(b)は、第2段階のテーブルMMの一例を示す。テーブルMMは、1回目下降時の抵抗値がR1、そのときの回転数がN1であることを前提として、2回目下降時の目標回転数と、可変抵抗器214の抵抗値とが対応付けられて記録されている。抵抗器制御部340は、車高上昇時の回転数N0、1回目車高下降時の回転数N1から、2回目の車高下降時の目標回転数がN2(=2N0−N1)であることを算出する。抵抗器制御部340は、テーブルMMを参照して、2回目の車高下降時の目標回転数N2をキーとして、抵抗値をR2にすべきことを特定する。
2回目の車高下降を行わせるために、電源制御部308は、1回目の車高上昇を行ったときの電圧を電源220からDCモータ210に供給させる。これにより車高が上昇される。2回目の車高上昇制御は1回目の車高上昇制御と同じであってよく、1回目の車高上昇による高さと同じ高さまで上昇されることが好ましい。
ここで抵抗器制御部340は、可変抵抗器214の抵抗値をR2に設定する。この状態で、車高を下降させ、下降時抗力推定部332は、電流が一定値となると、そのときの電流値から、下降時抗力テーブル保持部354に保持される関係を参照して、2回目の下降時抗力を推定する。また下降時回転数取得部322は、電流が一定値となったときに回転数検出部320により検出されたDCモータ210の回転数を取得する。このときの回転数はR2となる。車両本体2は、基準高さまで下降する。
下降時抗力推定部332は、2回目の下降時の抗力を取得し、1回目の下降時抗力との平均をとる。すなわち、1回目の下降時抗力をE1、2回目の下降時抗力をE2とすると、下降時抗力推定部332は、下降時抗力Eを、
E=(E1+E2)/2
と算出する。これにより、上昇時抗力の導出時における車両本体2の上昇速度と、下降時抗力の導出時における車両本体2の下降速度とを等しくできる。下降時抗力推定部332および上昇時抗力推定部334は、それぞれ推定した下降時抗力Eおよび上昇時抗力Dを輪荷重推定部360に供給する。輪荷重推定部360は、式(3)をもとに、輪荷重を推定する。これにより、ビスカスカップリング100により構成される第1減衰力発生手段の動作の影響を除いて、正確な輪荷重を推定することが可能となる。すなわち輪荷重推定部360は、下降時抗力と上昇時抗力を用いて、それぞれに含まれる第1減衰力発生手段による抗力分を相殺することで、輪荷重を正確に推定できる。
なお以上は、下降時抗力E1とE2を導出して、それらを平均化することで、下降時抗力Eの見かけ上のモータ回転数を上昇時抗力Dの推定時のモータ回転数にあわせるようにした。なお抵抗器制御部340は、図15(b)に示すテーブルMMを参照して、2回目の車高下降時の目標回転数をN0に設定し、N0をキーとして、抵抗値R0を導出してもよい。この場合、抵抗値をR0に設定すれば、2回目の車高下降のモータ回転数は、車高上昇時のモータ回転数と同じとなり(回転方向は逆)、したがって輪荷重推定部360は、上昇時抗力と、2回目の車高下降時に推定される下降時抗力をもとに、式(3)から輪荷重を推定してもよい。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施の形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
(a)は、正常な抗力を発生するショックアブソーバを利用した場合に従来手法により推定される車両重量を示す図であり、(b)は、正常でない抗力を発生するショックアブソーバを利用した場合に従来手法により推定される車両重量を示す図である。 本発明の実施の形態に係る輪荷重推定装置の一部を構成するサスペンション装置の取付構造を示す図である。 実施の形態に係る輪荷重推定装置の構成を示す図である。 図3に示すビスカスカップリングのA−A断面を示す図である。 プレート支持体を示す図である。 ビスカスカップリングによる差動回転数と発生トルクとの関係を示す図である。 モータ回路によるシャフト回転数と発生トルクとの関係を示す図である。 サスペンションストローク速度と、減衰力発生手段の全体の発生減衰力との関係を示す図である。 (a)は、正常な抗力を発生するショックアブソーバを利用した場合に本実施形態の手法により推定される車両重量を示す図であり、(b)は、正常でない抗力を発生するショックアブソーバを利用した場合に本実施形態の手法により推定される車両重量を示す図である。 制御回路の構成を示す図である。 モータ駆動電流と上昇時抗力との関係を示す図である。 モータ回転数と抗力との関係を示す図である。 モータ発生電流と下降時抗力との関係を示す図である。 (a)は、車高上昇時の回転数N0と、1回目の車高下降時の回転数N1との関係を示す図であり、(b)は、モータ回転数とモータ発生トルクの関係を示すラインを示す図である。 (a)は、第1段階の抵抗値テーブルの一例を示す図であり、(b)は、第2段階のテーブルの一例を示す図である。
符号の説明
1・・・サスペンション装置、2・・・車両本体、3・・・車輪、10・・・輪荷重推定装置、12・・・ケース体、20・・・シャフト、22・・・オイルシール、30・・・インナープレート、40・・・アウタープレート、50・・・キャリア、52・・・連結軸、54・・・内歯車、56・・・遊星歯車、58・・・プレート支持体、60・・・太陽歯車、62・・・出力軸、64・・・円筒部材、66・・・円板部材、100・・・ビスカスカップリング、110・・・遊星歯車機構、200・・・モータ回路、210・・・DCモータ、214・・・可変抵抗器、216・・・電圧計、218・・・電流計、220・・・電源、300・・・制御回路、302・・・輪荷重推定指示部、304・・・車両停止判定部、306・・・供給電圧決定部、308・・・電源制御部、310・・・電流監視部、312・・・電圧監視部、320・・・回転数検出部、322・・・下降時回転数取得部、324・・・上昇時回転数取得部、326・・・回転数取得部、330・・・抗力推定部、332・・・下降時抗力推定部、334・・・上昇時抗力推定部、340・・・抵抗器制御部、350・・・テーブル保持部、352・・・抵抗値テーブル保持部、354・・・下降時抗力テーブル保持部、356・・・上昇時抗力テーブル保持部、360・・・輪荷重推定部。

Claims (7)

  1. 輪荷重を推定する輪荷重推定装置であって、
    車輪側部材に連結する第1伝達部材と車体側部材に連結する第2伝達部材とが相対回転することにより車輪と車体の間に減衰力を発生させる減衰力発生手段と、
    第1伝達部材と第2伝達部材を相対回転させて、車輪と車体の相対距離を変化させるモータと、
    前記モータに電力を供給して、第1伝達部材と第2伝達部材を第1の回転方向に相対回転させる電力供給手段と、
    前記電力供給手段により前記モータに電力を供給して、車輪と車体の相対距離を変化させるときの第1抗力を推定する第1抗力推定手段と、
    前記電力供給手段による電力供給を停止したあとに、第1伝達部材と第2伝達部材が第2の回転方向に相対回転するときの第2抗力を推定する第2抗力推定手段と、
    第1抗力推定手段により推定された第1抗力と、第2抗力推定手段により推定された第2抗力から、輪荷重を推定する荷重推定手段と、
    を備えることを特徴とする輪荷重推定装置。
  2. 前記第1抗力推定手段は、前記モータに供給される電流をもとに第1抗力を推定し、前記第2抗力推定手段は、前記モータに発生する電流をもとに第2抗力を推定することを特徴とする請求項1に記載の輪荷重推定装置。
  3. 前記荷重推定手段は、第1抗力と第2抗力を用いて、それぞれに含まれる減衰力発生手段による抗力分を相殺することで、輪荷重を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の輪荷重推定装置。
  4. 前記モータの回転数を検出する回転数検出手段をさらに有し、
    前記第1抗力推定手段は、前記モータの回転速度が一定値となったときに第1抗力を推定し、
    前記第2抗力推定手段は、前記モータの回転速度が前記一定値である場合における第2抗力を推定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の輪荷重推定装置。
  5. 前記モータの端子に接続される可変抵抗器と、
    前記可変抵抗器の抵抗値を制御する抵抗器制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の輪荷重推定装置。
  6. 前記抵抗器制御部は、前記第2抗力推定手段が第1抗力の推定時におけるモータ回転速度と同じモータ回転速度における第2抗力を推定できるように、前記可変抵抗器の抵抗値を制御することを特徴とする請求項5に記載の輪荷重推定装置。
  7. 前記第1抗力推定手段は、モータが車高を高くする方向に回転するときの第1抗力を推定し、
    前記第2抗力推定手段は、車高が高い位置から元の位置に戻るときの第2抗力を推定することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の輪荷重推定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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