JP2010036488A - 液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010036488A
JP2010036488A JP2008202953A JP2008202953A JP2010036488A JP 2010036488 A JP2010036488 A JP 2010036488A JP 2008202953 A JP2008202953 A JP 2008202953A JP 2008202953 A JP2008202953 A JP 2008202953A JP 2010036488 A JP2010036488 A JP 2010036488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
droplet discharge
image
scanning direction
platen
line image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008202953A
Other languages
English (en)
Inventor
Yohei Nishino
洋平 西野
Hiroto Yoneyama
博人 米山
Takashi Matsumura
貴志 松村
Kiyokazu Mashita
清和 真下
Katsuhiro Sato
克洋 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2008202953A priority Critical patent/JP2010036488A/ja
Publication of JP2010036488A publication Critical patent/JP2010036488A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】液滴吐出ヘッドの走査方向に交差する方向に線画像を描画する場合であっても、画質劣化の抑制される液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】液滴吐出装置によれば、記録媒体上に異なる方向に延伸された複数種類の線画像が形成対象の線画像である場合であっても、各線画像の延伸方向と主走査方向Xとが同一となるように調整した後に、液滴吐出ヘッド14の主走査方向Xへの移動によって該線画像を形成する。このため、形成対象の各線画像の全てについて、液滴吐出ヘッド14の主走査方向Xの移動に伴う液滴の吐出により線画像形成が行われることとなる。
【選択図】図5

Description

本発明は液滴吐出装置に関する。
従来から、液滴を吐出することによってインク画像や配線回路等の描画を行う技術が知られている。一例として、有機エレクトロニクスの分野では、印刷プロセスによって電気デバイスを製造しようとする際に、液滴吐出によって描画としての配線回路を形成する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
液滴吐出によって画像を形成する装置において、描画対象の画像を記録媒体上に形成する場合には、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの液滴吐出口から液滴を吐出させながら、該液滴吐出ヘッドまたは記録媒体を相対的に走査方向に移動させることで、該走査方向の描画を行った後に、該走査方向に交差する方向に記録媒体または液滴吐出ヘッドを所定距離移動させ、再度液滴吐出ヘッドまたは記録媒体を相対的に該走査方向に移動させながら液滴吐出を行う、という一連のサイクルを繰り返すことで、記録媒体の全面に渡って画像が形成されている。
具体的には、図13(A)に示すように、記録媒体Pに対して液滴吐出ヘッドを走査方向Xに向かって移動させることで図13(B)に示すように、複数のドット65〜ドット65からなる線画像65を形成した後に、記録媒体Pを走査方向Xに直交する方向Yに移動させる。そして、再度記録媒体Pに対して液滴吐出ヘッドを走査方向Xに向かって移動させることで図13(B)に示すように、複数のドット66〜ドット66からなる線画像66を形成した後に、記録媒体Pを走査方向Xに直交する方向Yへ移動させる、という一連のサイクルが繰り返されることで、記録媒体Pの全面に渡って線画像等の画像が形成されている。
特開2006−253482号公報
本発明は、液滴吐出ヘッドの走査方向に交差する方向に線画像を描画する場合であっても、画質劣化の抑制される液滴吐出装置を提供することを抑制することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
液滴を吐出する液滴吐出手段と、
前記液滴の吐出される記録部材が載せられる第1の部材と、
前記液滴吐出手段及び前記第1の部材の少なくとも一方を他方に対して予め定められた走査方向に相対的に移動させる移動手段と、
前記液滴吐出手段及び前記第1の部材の少なくとも一方を、互いに対向する方向を回転軸として回転させる回転手段と、
形成対象の線画像が前記第1の部材上に載せられた前記記録部材に形成されたときの延伸方向と、前記走査方向と、が一致するように前記回転手段を制御した後に、前記走査方向に移動しながら液滴を吐出するように前記液滴吐出手段及び前記移動手段を制御することによって該線画像を形成する制御手段と、
を備えた液滴吐出装置である。
請求項2に係る発明は、前記液滴吐出手段は、複数の液滴吐出口を備え、前記制御手段は、形成対象の同一の線画像が、該複数の液滴吐出口の内の同一の液滴吐出口から吐出される液滴により形成されるように、前記液滴吐出手段及び前記回転手段を制御する請求項1に記載の液滴吐出装置である。
請求項3に係る発明は、前記制御手段は、前記線画像の形成後または前記延伸方向と前記走査方向とが一致するように前記回転手段を制御する前に、前記液滴吐出手段及び前記第1の部材が、前記回転角度が0°となる位置として予め定められた基準位置に位置されるように、前記回転手段を制御する請求項1または請求項2に記載の液滴吐出装置である。
請求項4に係る発明は、
前記記録部材に記録された記録画像を読み取る読取手段を備え、
前記制御手段は、前記読取手段による読取結果に基づいて、前記記録画像に重ねて形成する対象となる積層画像が該記録画像の予め定められた位置に重ねて形成されるように、該積層画像を構成する各ドットの形成される位置及び大きさの少なくとも一方を補正した補正画像データを作成した後に、該補正画像データの補正画像を前記記録画像上に形成するように前記液滴吐出手段及び前記回転手段を制御する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液滴吐出装置である。
請求項1に係る発明によれば、液滴吐出ヘッドの走査方向に交差する方向に線画像を描画する場合であっても、画質劣化が抑制されるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比して、更なる画質向上が実現される。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、形成対象の線画像の記録媒体上に形成される位置及び方向の精度向上が図れる、という効果を奏する。
請求項4に係る発明によれば、複数の画像を積層させて形成する場合であっても、画質劣化が抑制されると共に精度良く複数画像の位置合わせ精度が向上される、という効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る液滴吐出装置10には、図示を省略する筐体に設けられたロッド16、及びこのロッド16に沿って移動するキャリッジ12が設けられている。キャリッジ12には、液滴を吐出するための液滴吐出ヘッド14が着脱可能に搭載されている。
なお、本実施の形態では、液滴吐出ヘッド14には、液滴を吐出するための液滴吐出口(図示省略)が1つのみ設けられているとして説明するが、このような形態に限られず、複数設けられた形態であっても良い。
このキャリッジ12には、キャリッジ12をロッド16に沿って移動させるためのキャリッジ走査モータ22(図2参照)が設けられている。このキャリッジ走査モータ22は、後述するドライバ44を介して制御部20に信号授受可能に接続されており、制御部20の制御によって駆動される。制御部20の制御によって、このキャリッジ12がロッド16に沿って移動されながら液滴吐出ヘッド14から液滴が吐出されることで、主走査方向Xへの記録が行なわれる。
なお、本実施の形態において、「主走査方向X」とは、液滴吐出ヘッド14の設けられたキャリッジ12がロッド16に沿って移動する方向、すなわち、ロッド16の延伸方向を示すものとする(図1及び図2中、矢印Xに対応する)。この主走査方向は、本発明の液滴吐出装置における「走査方向」に相当する。
さらに、液滴吐出装置10には、液滴を吐出されることで描画の形成される記録媒体Pを載せるためのプラテン18が設けられている。このプラテン18には、液滴を吐出される対象の記録媒体Pが図示を省略する搬送ローラ等によって搬送されて載せられる。このプラテン18上に載せられた状態の記録媒体Pに対して、液滴吐出ヘッド14による液滴吐出が行われて描画が形成される。描画の形成された記録媒体Pは、図示を省略する搬送ローラによってプラテン18上から液滴吐出装置10の外部へと排出される。
このプラテン18には、プラテン18上に載せられた記録媒体Pを、上記主走査方向X(ロッド16の延伸方向)に交差する方向(以下、副走査方向Yと称する(図1中、矢印Y方向)参照)に搬送する搬送ローラ24及び搬送ローラ25が設けられている。搬送ローラ24及び搬送ローラ25は、これらのローラを駆動するための媒体搬送モータ26に接続されている。この媒体搬送モータ26は、後述するドライバ46を介して制御部20に信号授受可能に接続されており、制御部20の制御によって媒体搬送モータ26が駆動されることで、この駆動力が搬送ローラ24及び搬送ローラ25に伝達される。媒体搬送モータ26による駆動力が伝達されることで、これらの搬送ローラ24及び搬送ローラ25は回転駆動し、これらの回転駆動によって、プラテン18上に置載された記録媒体Pは、プラテン18上を副走査方向Yに搬送される。
さらに、本実施の形態の液滴吐出装置10には、液滴吐出ヘッド14の液滴吐出面とプラテン18との対向方向を回転軸として該プラテン18を回転させるための回転駆動部30が設けられている。図2に示すように、この回転駆動部30は、プラテン18の中央部に設けられた支軸28を介してプラテン18に固定化されており、回転駆動部30による回転駆動力が支軸28を介してプラテン18に伝わることで、プラテン18が該支軸28(回転軸)を中心にして回転される(図1及び図2中、矢印Z方向に回転)。
なお、本実施の形態では、この副走査方向Yと、プラテン18の長尺方向(図1中、矢印R方向、以下、長尺方向Rと称する)と、が一致した状態、すなわち、プラテン18の長尺方向Rと主走査方向Xとが直交した状態にあるときを、プラテン18の回転角度がゼロ点調整された基準位置にあるとして説明する。
なお、本実施の形態の液滴吐出装置10が本発明の液滴吐出装置に相当し、液滴吐出ヘッド14が、液滴吐出手段に相当し、プラテン18が第1の部材に相当する。また、キャリッジ走査モータ22が本発明の液滴吐出装置の移動手段に相当し、回転駆動部30が回転手段に相当する。また、制御部20が、本発明の液滴吐出装置の制御手段に相当する。
図3に示すように、液滴吐出装置10には、CPU32、ROM34、RAM36、及び周囲装置を備えた制御部20が設けられている。制御部20は、CPU32、ROM34、RAM36、及び入出力インターフェース(入出力I/F)38がバス49で接続されて構成されている。入出力I/F38では、他の装置から画像データ等の各種データやコマンドの入力や、液滴吐出装置10に設けられている各機器への指示信号の出力が行われる。
詳細には、この入出力I/F38には、媒体搬送モータ26を駆動するドライバ46、キャリッジ走査モータ22を駆動するドライバ44、及び回転駆動部30を駆動するドライバ48が信号授受可能に接続されている。このため、制御部20の指示に応じて、回転駆動部30、媒体搬送モータ26、キャリッジ走査モータ22、及び液滴吐出ヘッド14等が制御される。
本実施の形態の液滴吐出装置10は、インク滴と吐出してインク画像を形成するインクジェット記録装置や、液滴として電子デバイスに適用される材料を吐出することで配線回路を描画するインクジェット方式を用いた記録装置等に好適に適用される。このため、画像形成対象の記録媒体Pは、記録用紙等の紙媒体に限られず、電子デバイスに用いられる基板などを用いても良く、適宜選択される。
次に、液滴吐出装置10のCPU32で実行される処理を説明する。
なお、ROM34には、予め図4に示す処理ルーチンを実行するための処理プログラムが予め記憶されているものとする。
また、本実施の形態の液滴吐出装置10では、説明を簡略化するために複数方向に延伸された線画像からなる画像を記録媒体Pに形成するものとして説明する。また、この複数方向に延伸された線画像からなる画像の画像データは、予めRAM36に記憶されているとして説明するが、入出力I/F38を介して、有線または無線通信回線により外部装置から入力された画像データをRAM36に記憶し、この画像データを画像形成に用いても良いことは言うまでもない。
CPU32では、液滴吐出装置10の図示を省略する指示ボタンがユーザによって入力されることで画像形成指示を示す信号が入力されると、ROM34に記憶されている処理プログラムを読み取ることで、図4に示す処理ルーチンを実行する。
ステップ100では、RAM36に記憶されている複数の線画像からなる画像の画像データを、形成対象の画像の画像データとして読取る。
次のステップ102では、上記ステップ100で読み取った画像データに含まれる線画像の線画像情報毎に、各線画像がプラテン18上に載せられる記録媒体P上に形成されたときの延伸方向と、各線画像の記録媒体P上の位置と、を導出する。この導出方法としては、例えば、上記ステップ100で読み取った画像データを解析することにより行ってもよいが、どのような方法であってもよい。なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、プラテン18上に載せられる記録媒体Pは、記録媒体Pの長尺方向と、プラテン18の長尺方向Rと、が一致するようにプラテン18上に載せられるものとし、これを条件として各線画像の延伸方向を導出するものする。
なお、本実施の形態において、「線画像」とは、同一方向に延伸された線からなる画像を示すものとして説明する。このため、例えば、途中の一箇所で折れ曲がって延伸方向が変化する折れ線は、延伸方向変化前の直線部分と、延伸方向変化後の直線部分と、の2つの線画像であるものとして取り扱う。
また、本実施の形態において、「線画像情報」には、各線画像を形成する複数のドットの各々について、ドットの数、各ドットの大きさ、各ドットの記録媒体P上の位置、等の情報が含まれているものとする。
次のステップ104では、上記ステップ102で位置及び方向を導出した線画像毎に、該ステップ102で導出した延伸方向と、キャリッジ12の主走査方向X(図1及び図2中、矢印X方向参照)と、を一致させるために必要な、プラテン18の基準位置からの回転角度を算出する。そして、次のステップ106では、上記ステップ104で算出した回転角度を示す回転角度情報を、対応する各線画像を示す線画像情報に対応づけてRAM36に記憶する。
なお、本実施の形態では、上述したように、プラテン18の長尺方向R(記録媒体Pの長尺方向と同一)と主走査方向Xとが直交した状態にあるときを、プラテン18の回転角度が0°の基準位置にあるとし、この基準位置からの回転角度を算出する場合を説明するが、プラテン18について支軸28を回転軸として回転させたときの任意の位置を基準位置として予め定めておいて、この任意の位置を基準として回転角度を算出しても良く、このような形態に限られない。
この基準位置からの回転角度の算出によって、例えば、プラテン18が基準位置に位置された状態にあるときに、該プラテン18上に長尺方向がプラテン18の長尺方向Rと一致するように載せられた記録媒体P上に形成されたときに、主走査方向Xに延伸された線となるような形成対象の線画像については、回転角度として0°を示す情報が算出される。また、プラテン18が基準位置に位置された状態にあるときに、該プラテン18上に長尺方向がプラテン18の長尺方向Rと一致するように載せられた記録媒体P上に形成されたときに、走査方向Xに対して直交する方向に延伸された線となるような形成対象の線画像については、回転角度として90°を示す情報が算出される。
次のステップ110では、プラテン18の回転位置が基準位置となるように調整することを指示する基準位置調整指示信号を回転駆動部30へ出力する。
基準位置調整指示信号を受け付けた回転駆動部30では、プラテン18の回転角度を0°、すなわち、プラテン18の長尺方向Rと、副走査方向Yと、が一致した状態となるように、プラテン18を回転する。これによって、プラテン18は、基準位置に位置された状態となる。
この基準位置調整の方法としては、例えば、プラテン18の回転角度が0°となった事を検出するためのセンサ27(図2、図3参照)を回転駆動部30に信号授受可能に予め接続し、このセンサ27からの信号入力に基づいて判断すればよい。このセンサ27としては、例えば、プラテン18の板面方向端部等に予め識別マークを付与しておくと共に、該識別マークを検出可能で且つプラテン18の回転角度が0°となったときにのみ該識別マークが検出される位置に、該識別マークを検出するセンサ27を予め設置すればよい。
次のステップ112では、上記ステップ106でRAM36に記憶した、形成対象の各線画像の線画像情報の中から、未形成の線画像の線画像情報及び、該線画像情報に対応する回転角度情報を読み取る。
この未形成の線画像の判別は、RAM36に記憶されている線画像情報の中から、画像形成済を示す形成済情報が対応づけて記憶されていない線画像情報を検索することにより可能である。
次のステップ114では、上記ステップ112で読み取った回転角度情報と、該回転角度情報の回転角度の基準位置からの回転を指示する回転指示信号と、を回転駆動部30へ出力する。
回転指示信号を受け付けた回転駆動部30では、基準位置からの回転角度が、回転指示信号に含まれる回転角度情報の回転角度となるように、プラテン18を回転する。
この回転駆動部30による回転角度の制御は、例えば、回転駆動部30内に、前回停止された状態からの回転角度を示す角度センサを設け、この角度センサによる検出結果が上記回転指示信号に含まれる回転角度情報の回転角度の回転を検知したときに、該回転角度の回転終了を示す回転済信号を回転駆動部30へ出力するようにし、この出力を検知することで行えばよい。
次のステップ116では、回転駆動部30から回転動作終了を示す信号が入力されるまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ117へ進む。ステップ116の判断は、例えば、回転駆動部30による回転駆動が終了したときに、回転駆動部30からCPU32へ回転駆動終了を示す信号を出力するようにし、この信号の入力を判別することによって、回転動作終了を判別すればよい。
次のステップ117では、上記ステップ112で読み取った未形成の線画像の線画像情報に基づいて、上記ステップ114の処理によって、形成対象の線画像の延伸方向と主走査方向Xが一致するように所定角度回転された状態におけるプラテン18上に載せられている記録媒体P上における、該線画像の副走査方向Y一端部の位置が、液滴吐出ヘッド14によって液滴の吐出される位置に到るように、記録媒体Pを副走査方向Yへ搬送することを示す初期搬送指示信号を媒体搬送モータ26へ出力する。
ステップ117の処理によって、初期搬送指示信号を受け付けた媒体搬送モータ26は、該信号に応じた位置までプラテン18上の記録媒体Pを副走査方向Yへ搬送する。
次のステップ118では、上記ステップ112で読み取った未形成の線画像情報の線画像形成指示を示す線画像形成指示信号を、キャリッジ走査モータ22、及び液滴吐出ヘッド14へ出力する。この線画像形成指示信号には、線画像情報(線画像を形成する複数のドットの各々について、ドットの数、各ドットの大きさ、各ドットの記録媒体P上の位置、等の情報が含む)、及び画像形成指示を示す情報が含まれている。
この線画像形成指示信号を受け付けたキャリッジ走査モータ22は、予め定められた速度でキャリッジ12をロッド16に沿って移動させる。
また、この線画像の形成指示信号を受け付けた液滴吐出ヘッド14では、図示を省略する駆動制御部の制御によって、キャリッジ12の移動速度、及び線画像形成指示信号に基づいて、線画像を構成する各ドットを構成するための液滴を、該線画像形成指示信号に含まれるドットの大きさに応じた吐出量で、各ドットの位置に対応する記録媒体P上の領域へ、キャリッジ12の移動に伴って吐出する。このように、液滴吐出ヘッド14の主走査方向Xの移動により、記録媒体P上に線画像が形成される。
次のステップ120では、上記ステップ118の指示による線画像の形成が終了するまで否定判断を繰り返し、肯定されるとステップ122へ進む。ステップ120の判断は、例えば、1つの線画像の形成が終了したときに、液滴吐出ヘッド14の図示を省略する駆動制御部から線画像形成終了信号が出力されるようにし、この線画像形成終了信号を判別することによって1つの線画像形成終了を判別すればよい。なお、キャリッジ走査モータ22のロッド16の一端部から他端部までの移動が終了したことを示す信号を出力するようにし、この信号の入力を判別することによって、1つの線画像形成終了を判別してもよい。
次のステップ121では、上記ステップ118の指示によって形成された線画像の線画像情報に対応づけて、画像形成済を示す形成済情報を対応づけて記憶する。
次のステップ122では、RAM36に記憶されている1または複数の線画像情報の全てについて、画像形成済を示す形成済情報が対応づけて記憶されているか否かを判別し、形成済情報が対応づけられていない線画像情報がある場合には、否定判断されて、上記ステップ110へ戻る。
一方、上記ステップ122で肯定されて、全線画像が形成済である場合には、ステップ126へ進み、上記ステップ110と同様に、プラテン18の回転角度についてゼロ点調整指示を示すゼロ点調整指示信号を回転駆動部30へ出力する。
ゼロ点調整指示信号を受け付けた回転駆動部30では、プラテン18の回転角度を0°、すなわち、プラテン18の長尺方向Rと、副走査方向Yと、が一致した状態となるように、プラテン18を回転する。これによって、プラテン18は、基準位置に位置された状態となる。
次のステップ128では、線画像の形成された記録媒体Pを、プラテン18上から排出すると共に図示を省略する記録媒体P貯留部へ排出することを示す排出指示信号を、媒体搬送モータ26及び図示を省略する搬送ローラの駆動部へ吐出力した後に、本ルーチンを終了する。
媒体搬送モータ26及び搬送ローラ(図示省略)は、排出指示信号を受け付けると、プラテン18上に載せられていた記録媒体Pを、図示を省略する記録媒体P貯留部へと排出する。
上記ステップ100〜ステップ128の処理が実行されることによって、例えば、図5(A)に示すように、プラテン18上に長尺方向がプラテン18の長尺方向R(図5参照)と一致するように載せられた記録媒体Pに、該プラテン18の長尺方向Rに直交する方向(すなわち、主走査方向Xに一致する方向)に延伸する形成対象の線画像70A(延伸方向Q)と、該プラテン18の長尺方向Rに延伸する形成対象の線画像72B(延伸方向S)と、を含む画像を形成する場合には、下記のような描画が行われる。
具体的には、上記ステップ100〜ステップ128の処理が実行されることによって、図5(A)に示すように、主走査方向Xに一致する方向に延伸(延伸方向Q)した状態にある形成対象の線画像70Aについては、プラテン18の回転角度を0°としてプラテン18の回転がなされない状態のままで、キャリッジ12のロッド16に沿った主走査方向Xへの移動と共に液滴吐出ヘッド14から形成対象の線画像70Aを構成する各ドットに応じた量の液滴が連続して吐出されることで、図5(B)に示すように、形成対象の線画像70Aに対応する線画像70Bが形成される。
そして、図5(A)及び図5(B)の状態において、プラテン18の長尺方向Rに延伸(延伸方向S)する形成対象の線画像72B、すなわち、主走査方向Xに対して直交する方向に延伸(延伸方向S)した状態にある形成対象の線画像72Aについては、プラテン18が90°回転されることで(図5(C)参照)、形成対象の線画像72Aの延伸方向Sと主走査方向Xとが一致した状態とされた後に、キャリッジ12のロッド16に沿った主走査方向Xへの移動と共に液滴吐出ヘッド14から形成対象の線画像72Aを構成する各ドットに応じた量の液滴が連続して吐出されることで、図5(D)に示すように、形成対象の線画像72Aに対応する線画像72Bが形成される。
以上説明したように、本実施の形態の液滴吐出装置10によれば、記録媒体P上に異なる方向に延伸された複数種類の線画像が形成対象の線画像である場合であっても、各線画像の延伸方向と主走査方向Xとが同一となるように調整した後に、液滴吐出ヘッド14の主走査方向Xへの移動によって該線画像を形成する。このため、形成対象の各線画像の全てについて、液滴吐出ヘッド14の主走査方向Xの移動に伴う液滴の吐出により線画像形成が行われることとなる。
このため、主走査方向Xへのドット形成が終了した後に副走査方向Yへの記録媒体Pの移動が行われ、更に主走査方向Xへのドット形成が行われるという一連のサイクルが繰り返されることで画像形成が行われる従来の方式では、得られなかった画質向上が実現される。具体的には、従来方式では、図6(B)に示すように、同一方向に延伸された線画像74及び線画像76でありながら、線画像74を形成するためのドット74が形成された後に主走査方向Xに隣接する線画像76を形成するためのドット76が形成され、副走査方向Yへの記録媒体Pの移動が行われた後にドット74に副走査方向Yに隣接するドット742が形成され、次に該ドット74に隣接するドット76が形成される、という一連のサイクルが繰り返されることで、副走査方法Yに延伸された線画像74及び線画像76の各々が形成されていた。
このため、同一の線画像を形成するドットでありながら、隣接するドット間、例えば、ドット74とドット74との液滴が吐出されてからの経過時間が本実施形態に比べて長くなり、結果的に不均一な画像が形成される場合があった。
一方、本実施の形態の液滴吐出装置10によれば、図6(A)に示すように、形成対象の各線画像の全てについて、液滴吐出ヘッド14の主走査方向Xの移動に伴う液滴の吐出により線画像形成が行われるため、例えば、線画像78を形成する各ドット78〜78は、液滴吐出ヘッド14の主走査方向Xの移動に伴う液滴の連続吐出により形成されることとなり、同一線画像を構成している隣り合うドット間の乾燥時間の差が従来方式に比べて短くなる。このため、画質劣化が抑制される。
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、液滴吐出ヘッド14に設けられている液滴吐出口は1つである場合を説明したが、複数設けられた構成であってもよい。
この場合には、例えば、液滴吐出口を副走査方向Yに複数配列させた構成とすればよい。このような構成とすれば、液滴吐出ヘッド14の一回の主走査方向Xの移動によって、液滴吐出口の数に応じた複数の線画像が一度に形成される。
また、この場合には、同一の線画像を形成するドットについては、同一の液滴吐出口から液滴を吐出させるように、液滴吐出ヘッド14に対するドット形成対象領域の箇所を調整すればよい。この調整は、例えば、同一のノズルによって同一の線画像が形成されるように、液滴吐出口に対する記録媒体Pの副走査方向Yの位置を、媒体搬送モータ26をCPU32によって駆動制御すればよい。
また、本実施の形態では、液滴吐出ヘッド14をキャリッジ12に装着し、このキャリッジ12をロッド16に沿って移動させることで液滴吐出ヘッド14を主走査方向Xへ移動させる場合を説明したが、液滴吐出ヘッド14とプラテン18とが相対的に主走査方向Xに移動すればよく、このような形態に限られない。
例えば、液滴吐出ヘッド14を固定し、上記各種機構に加えて更にプラテン18を主走査方向Xへ移動する移動機構を設けて、上記液滴吐出ヘッド14の主走査方向Xへの移動に変えてプラテン18を主走査方向Xへ移動させるようにしてもよい。また、液滴吐出ヘッド14及びプラテン18の双方を、主走査方向Xに相対的に移動可能に構成してもよい。
また、本実施の形態では、プラテン18に回転駆動部30を設けることで、形成対象の線画像の延伸方向と、主走査方向Xと、が一致するように、プラテン18を回転させる場合を説明したが、液滴吐出ヘッド14とプラテン18との対向方向を回転軸として少なくとも一方を回転可能に構成すればよく、このような形態に限られない。例えば、ロッド16を該対向方向を回転軸として回転可能に構成するとともに該ロッド16を回転駆動する駆動部を設けて制御部20に信号授受可能に接続する。そして、このロッド16及びプラテン18の何れか一方または双方を該対向方向を回転軸として回転させることで、形成対象の線画像の延伸方向と、主走査方向Xと、が一致するように調整してもよい。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、上記第1の実施の形態で説明した液滴吐出装置10の構成に、さらにスキャナ機能(画像読取機能)を設けた構成とした場合を説明する。
なお、本実施の形態で説明する液滴吐出装置11は、第1の実施の形態で説明した液滴吐出装置10の装置各部と略同一であるため、同一部分には同一符号を付与して、説明を省略する。
図7及び図8に示すように、本実施の形態に係る液滴吐出装置11には、第1の実施の形態で説明した液滴吐出装置10の構成に、更に、スキャナ部80が設けられた構成とされている。具体的には、ロッド16、キャリッジ12、液滴吐出ヘッド14、キャリッジ走査モータ22、プラテン18、搬送ローラ24、搬送ローラ25、媒体搬送モータ26、支軸28、及び回転駆動部30が設けられている。そして更に液滴吐出装置11には、スキャナ部80が設けられている。
なお、本実施の形態の液滴吐出装置11は本発明の液滴吐出装置に相当し、液滴吐出ヘッド14が、液滴吐出手段に相当し、プラテン18が第1の部材に相当する。また、キャリッジ走査モータ22が本発明の液滴吐出装置の移動手段に相当し、回転駆動部30が回転手段に相当する。また、後述する制御部21が、本発明の液滴吐出装置の制御手段に相当し、スキャナ部80が読取り手段に相当する。
図9に示すように、液滴吐出装置11には、CPU33、ROM34、RAM36、及び周囲装置を備えた制御部21が設けられている。制御部21は、CPU33、ROM34、RAM36、及び入出力インターフェース(入出力I/F)38がバス49で接続されて構成されている。入出力I/F38では、他の装置から画像データ等の各種データやコマンドの入力や、液滴吐出装置11に設けられている各機器への指示信号の出力が行われる。
詳細には、この入出力I/F38には、媒体搬送モータ26を駆動するドライバ46、キャリッジ走査モータ22を駆動するドライバ44、及び回転駆動部30を駆動するドライバ48が信号授受可能に接続されている。さらに、この入出力I/F38には、スキャナ部80が信号授受可能に接続されている。このため、制御部21(詳細にはCPU33)の指示に応じて、回転駆動部30、媒体搬送モータ26、キャリッジ走査モータ22、液滴吐出ヘッド14、及びスキャナ部80等が制御される。
スキャナ部80は、本実施の形態では、記録媒体Pに次に形成する対象となる画像が形成される前に、該記録媒体P上に形成されている記録画像を読取可能な位置に設けられていれば、どのような場所に設けられていても良い。本実施の形態では、例えば、図7に示すように、液滴吐出装置11のプラテン18に記録媒体Pが供給される搬送経路上の、該プラテン18より上流側に設けられた構成である場合を説明するが、液滴吐出装置11の筐体(図示省略)の外部に別体として設けられた構成であってもよいし、プラテン18上に載せられた状態の記録媒体P上の画像を読取り可能な位置に設けられていてもよい。
このスキャナ部80は、記録媒体P上に形成された記録画像を、図示を省略する撮像素子であるCCDセンサで読取り、このCCDセンサの出力信号をA/D変換器(図示省略)においてA/D変換して得た画像データを、入出力I/F38を介してCPU33へ出力する。
本実施の形態の液滴吐出装置11は、第1の実施の形態と同様に、インク滴と吐出してインク画像を形成するインクジェット記録装置や、液滴として電子デバイスに適用される材料を吐出することで配線回路を描画するインクジェット方式を用いた記録装置等に好適に適用される。そして、これらの装置の中においても、特に、記録媒体P上に複数の画像を積層して形成する形態において、特に好適に適用される。なお、画像形成対象の記録媒体Pとしては、記録用紙等の紙媒体に限られず、電子デバイスに用いられる基板などを用いても良く、適用対象に応じて適宜選択される。
次に、本実施の形態の液滴吐出装置11のCPU33で実行される処理を説明する。
本実施の形態の液滴吐出装置11のCPU33では、下記画像読取補正処理が実行される。なお、ROM34には、図10に示す処理ルーチンを実行するための画像読取補正処理プログラムが予め記憶されているものとする。詳細を下記に説明する。
また、本実施の形態の液滴吐出装置11のRAM36には、記録媒体Pに積層して形成する各層毎の積層画像の積層画像データ、該積層画像データの積層画像が記録媒体P上の何層目に形成される画像かを示す層数データ、及び互いに隣接する層の積層画像間の一致するべき特徴領域を示す特徴情報が予め記憶されている。この特徴情報としては、例えば、記録媒体Pに層状に重ねて形成される各積層画像の全領域の内の、他の層の積層画像が重ねて形成されたときに位置合わせとして用いられる領域を示す情報が用いられる。この特徴情報は、各積層画像の各々について1箇所のみ予め定めても良いし、精度向上の理由から、複数箇所予め定めても良い。そして、これらの情報は、予め定めてRAM36に記憶するようにすればよい。
CPU33では、液滴吐出装置11の図示を省略する指示ボタンがユーザによって入力されることで画像形成指示を示す信号が入力されると、画像読取補正処理プログラムがROM62から読み取られることで、図10に示す処理ルーチンが実行されてステップ200へ進む。
ステップ200では、記録媒体P上に形成されている記録画像の読取指示を示す画像読取指示信号をスキャナ部80へ出力する。
画像読取指示信号を受け付けたスキャナ部80は、記録媒体P上に形成されている記録画像を読み取り、読み取った記録画像の記録画像データをCPU33へ出力する。この記録画像データには、記録画像を構成する各ドットの記録媒体P上の位置、及び大きさ等の情報が含まれている。
次のステップ201では、スキャナ部80から記録画像データが入力されるまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ202へ進む。
ステップ202では、ステップ201で取得した記録画像データを解析し、RAM36に記憶されている特徴情報の特徴領域に一致する特徴領域を該記録画像データから抽出する。
次のステップ204では、上記ステップ202で抽出した特徴領域に対応する積層画像データをRAM36から検索し、該検索した積層画像データの画像の上に次に形成する対象となる積層画像データを読み取る。
ステップ204の処理は、例えば、RAM36から形成した、上記ステップ202で抽出した特徴領域に対応する積層画像データに対応する層数データの総数を“1”カウントアップした層数データに対応する積層画像データを読み取ることによって可能である。
次のステップ206では、上記ステップ204で読み取った次に形成する対象となる積層画像データに対応する特徴情報を検索し、上記ステップ202で抽出した読取画像データの読取画像中の特徴領域と、該検索した特徴情報の特徴領域と、が記録媒体P上で重なって形成されるように、該積層画像データを補正した補正画像データを作成する。
この積層画像データの補正処理としては、例えば、積層画像データの積層画像が、先に記録媒体P上に形成されている記録画像上に、精度良く積層されるべき位置に位置合わせされて形成されるように、積層画像データの積層画像を拡大、縮小、及び変形等の処理の内の少なくとも1つを行う処理が挙げられる。なお、積層されるべき位置に積層されるように、とは、例えば、先に形成されている記録画像の特徴領域の記録媒体P上の位置及び大きさと、該記録画像上に次に積層される積層画像の特徴領域の記録媒体P上の位置及び大きさと、が一致するように積層されることを意味している。
例えば、拡大処理を行う場合には、該特徴領域が一致するように、積層画像データの積層画像を構成する各ドットの大きさ及び位置を変更することで、補正画像データが作成される。
次のステップ208では、上記ステップ206で作成した補正画像データをRAM36に記憶する。
次のステップ210では、画像形成処理が実行された後に、本ルーチンを終了する。ステップ210における画像形成処理は、上記第1の実施の形態において説明した図4に示すステップ100〜ステップ128の処理と同じであるため、詳細な説明を省略する。異なる点は、上記第1の実施の形態においては、ステップ100において、読み取り対象の画像の画像データが、上記ステップ206で作成した補正画像データである点である。
ステップ200〜ステップ210の処理が実行されることによって、記録媒体P上に複数の画像を積層させて構成する場合に、記録媒体Pに先に形成されている画像を読取り、読み取った画像に重ねて形成する画像の位置ずれを補正した補正画像データの補正画像が、記録媒体P上に形成されている画像上に重ねて形成される。そして、画像形成時には、第1の実施の形態で説明したように、形成対象の線画像の延伸方向が主走査方向Xと一致するようにプラテン18が回転された後に、液滴吐出ヘッド14の該主走査方向Xの移動に伴う液滴吐出によって線画像が形成される。
このため、本実施の形態の液滴吐出装置11によれば、記録媒体Pとして、多層配線基板に用いられる基板を用い、この基板上に複数の配線層を画像として順次積層させて形成する場合等であっても、画質劣化が抑制されると共に、制度良く画像が積層して形成される。
すなわち、本実施の形態の液滴吐出装置11は、特に、複数の配線層を順次積層させて多層配線基板を形成する場合等に好適に適用される。
具体的には、まず、多層配線基板を形成する場合には、図11(A)に示すように、記録媒体Pとしては、変形の少ない材料からなる基板90が用いられる。
この基板90としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド樹脂、及びステンレス板などが挙げられるが、これらに限られない。
そして、図11(B)に示すように、この記録媒体Pとしての基板90上に上記第1の実施の形態における図4に示す処理ルーチンが実行されることで配線画像92が形成されたとする。多層配線基板の製造工程においては、配線画像が形成される度に、熱処理が行われる事が多く、この場合、図11(C)に示すように、基板90に収縮や変形等による歪みが生じる場合があり、この基板90の歪みに伴って基板90上に形成されている配線画像92も変形する場合がある。
しかし、本実施の形態の液滴吐出装置11によれば、図11(D)に示すように、スキャナ部80によって配線画像92を読取り、この配線画像92上に形成する対象の積層画像の積層画像データを、この積層画像の予め定めた特徴領域と、配線画像92上の特徴領域と、が一致するように、積層画像を拡大、縮小、または変形するように補正した補正画像データを生成する。そして、この補正画像データの補正画像を、配線画像92上に形成することによって、配線画像92上に精度良く配線画像94が積層して形成される(図11(E)参照)。
そして、この配線画像92及び配線画像94の形成時には、上記ステップ208の処理が行われることから、線画像について画質劣化が抑制されると共に、積層画像の位置合わせ精度の低下も抑制される。
なお、さらに、位置合わせ精度を向上させるために、スキャナ部80による形成画像の読取り時に、透明(可視光の透過率80%以上)な基板を用いて基板90に圧力をかけることで基板90の歪みを補正した状態で画像を読み取るようにすれば、更に積層画像の位置合わせ精度が向上される。
また、さらに、スキャナ部80による形成画像の読取り時には、該形成画像に積層させて画像を形成するときと同じ環境が実現されるように、温度調整した同一環境下で読取り及び画像書込を行うことが望ましい。このようすれば、形成画像の読取り時と、積層させてさらに画像を形成するときと、の環境が略同一であることから、基板90等の歪みが抑制されて、さらなる画質向上が図れる。
以下、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に挙げる各実施例及び比較例では、ピエゾインクジェット方式の液滴吐出装置(富士ゼロックス社製、研究用社内自作品)に、プラテンを液滴吐出ヘッドとの対向方向を回転軸として回転可能となるように回転するための回転機構を設ける改造を行った。なお、電気的構成図としては、図3に示した構成となるように改造した。
この液滴吐出装置について、更に、上記図4に示す処理ルーチンが実行されるように制御部を改造した。
印字テストは、下記条件下で行った。
・インクジェット記録ヘッドのスキャンスピード:50cm/秒
・印字環境:温度:25±1℃、湿度:40±2%RH
・記録媒体:ガラス基板(26×70mm、松浪硝子社製、商品名:スライドグラスS111)
・インク:銀インク。アルバックマテリアル社製、商品名:Agナノメタルインク。
(実施例1)
評価用テストパターンとして、図12に示す複数の線画像からなる評価用テストパターンを形成した。パターンを示す画像データは、予めRAMに記憶した。
上記改造した液滴吐出装置に、ノズル数1つの液滴吐出ヘッドを装着し、図4に示す処理ルーチンを実行させることによって、ガラス基板に画像を形成した。この画像としては、L字状に屈曲された屈曲部を有する直線からなる線図を、所定間隔毎に複数形成した。
形成された画像について、画質評価として、線幅のバラツキ、厚み分布、及び断線状態を評価した。なお、評価方法および評価基準は以下の通りである。
<線幅のバラツキ>
線幅のバラツキは、ガラス基板上に形成された複数の線図(L字状に屈曲された屈曲部を有する直線)の幅を光学顕微鏡で観察しながら、該線図の一端部から他端部に渡って所定間隔毎に100点について計測し、基板に形成されている複数の線図について得られた計測結果の平均幅に対するバラツキを算出することで得た。測定結果を表1に示した。
<厚み分布>
厚み分布は、ガラス基板上に形成された複数の線図(各直線)の厚みを、該線図の一端部から他端部に渡って所定間隔毎に100点について計測し、基板に形成されている複数の線図について得られた計測結果の平均厚みに対するバラツキを算出することで得た。測定結果を表1に示した。
<断線>
断線は、テスター(テクトロニクス社製、商品名:DMM157)を用いて、必要に応じて複数の線図各々における屈曲部を1つのみ含む領域を、各屈曲部毎に各々切り出して、該L字状に屈曲された屈曲部を1つ有する直線の一端部と他端部との間に電圧を印加したときの配線抵抗を観察することによって測定した。そして、全ての屈曲部で導通が確認された場合を断線「なし」とし、断線している場合には、屈曲部の数に対する断線箇所の割合を断線率として示した。なお、この断線箇所は、抵抗が無限大となる事を確認することによって得た。結果を表1に示した。
(実施例2)
評価用テストパターンとして、図12に示す複数の線画像からなる評価用テストパターンを形成した。パターンを示す画像データは、予めRAMに記憶した。
上記改造した液滴吐出装置に、5つのノズルが主走査方向Xに直交する方向に等間隔で(250μm)で配列された液滴吐出ヘッドを用い、5本の線画像を同時に形成した以外は、実施例1と同様にして図12に示す複数の線画像からなる評価用テストパターンを形成した。形成された画像について、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1で用いた改造機において、プラテンの回転機構を取り外し、改造前の状態に戻した装置を用いて、図12に示す複数の線画像からなる評価用テストパターンを形成し、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1で用いたガラス基板に変えて、画像の形成された基板(100μm厚500mm角のPEN基板)を用いるとともに、図4に示す処理ルーチンに変えて、図10に示す処理ルーチンを実行するように制御部を改造し、さらにスキャナを設ける改造を行った以外は、実施例1と同様にして画像を形成し、評価を行った。なお、インクとしては、Agメタルインク(アルバックマテリアル社製、商品名:Agナノメタルインク)を用い、各層の画像形成が終了する度に、乾燥機を用いて150℃で60分間の焼成を行った。
なお、該基板(100μ厚50mm角のPEN基板)としては、予め10分間プラズマ処理で洗浄したものを用い、この基板に、上記改造装置を用いて図14に示される、線図91で示される配線パターンが予め形成されたものを用いた。すなわち、図14に示すように、同一方向に延びる10本の直線が等間隔を開けて配列された線図91Aと、線図91Bと、が間隔を開けて設けられた線図91で示される配線パターンをまず形成した。
そして、この線図91を形成した後に形成する配線パターン(すなわち、発明の詳細な説明では積層させる積層画像に相当する)を示す積層画像データとしての配線パターンデータや、特徴領域(図10のステップ202参照)を示す情報を予めRAMに記憶した。なお、この線図91を形成した後に形成する配線パターンは、図15に示すように、線図91Aを構成する同一方向に延びる10本の直線の一端部と、線図91Bを構成する同一方向に延びる10本の直線の一端部と、に連続されるように設けられた2箇所の屈曲点を有する10本の直線からなる配線パターン92とした。この配線パターン92を示す積層画像データとしての配線パターンデータを、予めRAMに記憶した。
そして、上記改造した液滴吐出装置に、ノズル数1つの液滴吐出ヘッドを装着し、図10に示す処理ルーチンを実行させることによって、ガラス基板に形成されている配線パターン91に連続されるように、配線パターン92を形成した。
形成された画像について、画質評価として、線幅のバラツキ、厚み分布、及び断線状態を実施例1と同様にして評価すると共に、形成された各層の画像間の位置合わせ精度、コンタクト不良率を評価した。なお、評価方法および評価基準は以下の通りである。
<位置合わせ精度>
位置合わせ精度は、基板上に段階的に形成された画像について先に形成されていた画像(配線パターン91)と次に形成した画像(配線パターン92)との接合部の位置ずれを、光学顕微鏡により観察し、各接合部間のズレ量のばらつきを算出することで得た。測定結果を表1に示した。
<コンタクト不良率>
コンタクト不良率は、図15に示されるように、配線パターン91に配線パターン92を連続するように形成することで形成された線画像の一端部12aと、他端部12bと、の間の導通を確認することにより得た。測定結果を表1に示した。
(実施例4)
上記実施例3において、図10に示すステップ206及びステップ208の処理を行わず(補正画像データの作成及び記憶を行わず)、ステップ204で読みとった次に積層する画像の画像データを補正せずに形成した以外は、実施例3と同様にして画像形成及び評価を行った。評価結果を表1に示した。
Figure 2010036488

表1から分かるように、液滴吐出ヘッドの移動する主走査方向と、形成対象の線画像の延伸方向と、が同一となるようにプラテンが回転された後に該線画像の形成を行った実施例1〜4では、全ての線画像について該プラテンの回転を行わずに線画像の形成を行った比較例1に比べて、線幅のバラツキ、膜厚分布、及び断線の全てにおいて少なく、良好な画質の画像が形成されたといえる。
またさらに、複数の画像を積層させた実施例3及び実施例4においては、各層の画像については良好な画像が得られたものの、各層の画像間の位置ずれについては、作成した補正画像データを用いて画像形成を行った実施例3が補正画像データを作成しなかった実施例4に比べて、位置合わせ精度が更に向上された。
第1の実施の形態の液滴吐出装置の一の形態を示す概略構成図である。 第1の実施の形態の液滴吐出装置の一の形態を示す概略構成図である。 第1の実施の形態の液滴吐出装置の電気的構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態の液滴吐出装置で実行される処理を示すフローチャートである。 (A)〜(D)第1の実施の形態の液滴吐出装置において、延伸方向の異なる複数の線画像を形成した場合を示す模式図である。 (A)は、第1の実施の形態の液滴吐出装置における線画像形成を示す模式図であり、(B)は、従来方式の液滴吐出装置における線画像形成を示す模式図である。 第2の実施の形態の液滴吐出装置の一の形態を示す概略構成図である。 第2の実施の形態の液滴吐出装置の一の形態を示す概略構成図である。 第2の実施の形態の液滴吐出装置の電気的構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態の液滴吐出装置で実行される処理を示すフローチャートである。 (A)〜(E)第2の実施の形態の液滴吐出装置において、複数の画像を積層して形成する場合を示す模式図である。 実施例において形成した評価用テストパターンを示す模式図である。 (A)(B)従来方式の液滴吐出装置における線画像書込を示す模式図である。 実施例3で用いた評価用の配線パターンを示す模式図である。 実施例3で用いた評価用の配線パターンを示す模式図である。
符号の説明
10 液滴吐出装置
11 液滴吐出装置
12 キャリッジ
14 液滴吐出ヘッド
18 プラテン
20 制御部
21 制御部
22 キャリッジ走査モータ
24 搬送ローラ
25 搬送ローラ
26 媒体搬送モータ
27 センサ
28 支軸
30 回転駆動部
80 スキャナ部

Claims (4)

  1. 液滴を吐出する液滴吐出手段と、
    記録部材が載せられる第1の部材と、
    前記液滴吐出手段及び前記第1の部材の少なくとも一方を他方に対して予め定められた走査方向に相対的に移動させる移動手段と、
    前記液滴吐出手段及び前記第1の部材の少なくとも一方を、互いに対向する方向を回転軸として回転させる回転手段と、
    形成対象の線画像が前記第1の部材上に載せられた前記記録部材に形成されたときの延伸方向と、前記走査方向と、が一致するように前記回転手段を制御した後に、前記走査方向に移動しながら液滴を吐出するように前記液滴吐出手段及び前記移動手段を制御することによって該線画像を形成する制御手段と、
    を備えた液滴吐出装置。
  2. 前記液滴吐出手段は、複数の液滴吐出口を備え、前記制御手段は、形成対象の同一の線画像が、該複数の液滴吐出口の内の同一の液滴吐出口から吐出される液滴により形成されるように、前記液滴吐出手段及び前記回転手段を制御する請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記制御手段は、前記線画像の形成後または前記延伸方向と前記走査方向とが一致するように前記回転手段を制御する前に、前記液滴吐出手段及び前記第1の部材が、前記回転角度が0°となる位置として予め定められた基準位置に位置されるように、前記回転手段を制御する請求項1または請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記記録部材に記録された記録画像を読み取る読取手段を備え、
    前記制御手段は、前記読取手段による読取結果に基づいて、前記記録画像に重ねて形成する対象となる積層画像が該記録画像の予め定められた位置に重ねて形成されるように、該積層画像を構成する各ドットの形成される位置及び大きさの少なくとも一方を補正した補正画像データを作成した後に、該補正画像データの補正画像を前記記録画像上に形成するように前記液滴吐出手段及び前記回転手段を制御する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
JP2008202953A 2008-08-06 2008-08-06 液滴吐出装置 Pending JP2010036488A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008202953A JP2010036488A (ja) 2008-08-06 2008-08-06 液滴吐出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008202953A JP2010036488A (ja) 2008-08-06 2008-08-06 液滴吐出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010036488A true JP2010036488A (ja) 2010-02-18

Family

ID=42009526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008202953A Pending JP2010036488A (ja) 2008-08-06 2008-08-06 液滴吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010036488A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012132672A1 (ja) * 2011-03-30 2012-10-04 富士フイルム株式会社 パターン形成方法およびパターン形成装置
CN109927413A (zh) * 2017-12-15 2019-06-25 住友重机械工业株式会社 膜形成装置及膜形成方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012132672A1 (ja) * 2011-03-30 2012-10-04 富士フイルム株式会社 パターン形成方法およびパターン形成装置
JP2012209460A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Fujifilm Corp パターン形成方法およびパターン形成装置
KR101511463B1 (ko) 2011-03-30 2015-04-10 후지필름 가부시키가이샤 패턴 형성 방법 및 패턴 형성 장치
CN109927413A (zh) * 2017-12-15 2019-06-25 住友重机械工业株式会社 膜形成装置及膜形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9340009B2 (en) Printing apparatus and processing method therefor
JP5663342B2 (ja) 塗布方法および塗布装置
US9523735B2 (en) Electrical test system with vision-guided alignment
JP4882551B2 (ja) 液滴吐出装置
JP2007098838A (ja) 液滴吐出ヘッドのアライメント調整方法及び液滴吐出装置
JP5371370B2 (ja) プリンタおよび物体の移動検出方法
JP4978398B2 (ja) 部品実装システム及び部品実装方法
JP2004141758A (ja) 液滴吐出装置のドット位置補正方法、アライメントマスク、液滴吐出方法、電気光学装置およびその製造方法、並びに電子機器
JP6695237B2 (ja) 液滴吐出装置及び液滴吐出条件補正方法
JP2011095162A (ja) 移動検出装置、移動検出方法および記録装置
JP2010036488A (ja) 液滴吐出装置
JP4661840B2 (ja) アライメントマスクおよびドット位置認識方法
JP4162022B2 (ja) 搬送量補正装置、搬送量補正方法、及び、プログラム
US7547086B2 (en) Recording medium conveyance amount measurement method and inkjet recording apparatus
US9581640B2 (en) Vision-guided alignment method
JP6236073B2 (ja) 検査装置、検査方法、および、制御装置
JP2012088914A (ja) 印刷装置の製造方法、印刷装置の調整方法、及び、印刷装置
US9557374B2 (en) Vision-guided alignment system
JP2010069707A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2007076256A (ja) インクジェット方式による印刷方法およびインクジェット方式による印刷装置
JP5874224B2 (ja) 記録装置
JP2009137137A (ja) 液体吐出装置、及び、評価用パターン形成方法
JP5821344B2 (ja) 搬送装置、記録装置、及び搬送方法
JP6740706B2 (ja) 画像形成装置、及びヘッド位置調整方法
JP6217105B2 (ja) 記録装置、及び、記録装置における記録部の位置調整方法