以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16−1,図16−2はコネクタホルダーの分解斜視図、図17はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図18は他の形態を示すストッパーの斜視図、図19,図20はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図21は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図22はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図23は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図、図24はスロットマシン上部の縦断面図、図25はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図26は図25の分解斜視図、図27はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図28は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図29は電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図、図30は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図31は他の形態を示す照明装置の概略断面図、図32は透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図、図33は透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図、図34は透明板を装着した扉形前面部材の図32A−A線相当断面図、図35はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図36はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図37は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図38は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図39は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図40は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図41は図40の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図である。
本発明のスロットマシン1は、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄が駆動手段によって変動されることで図柄が回転表示される図柄変動表示装置300(図柄表示手段)と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、前記天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟600(図24想像線参照)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1,図2に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル払出装置110と、メダル払出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル払出装置]
前記メダル払出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。なお、メダル払出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
前記電源装置112は、図25〜図29に示したように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、前記メダル払出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の電源基板112s(図29参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。
装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図29参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には図25,図26に示したように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図30は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先をガード部102bの溝に嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に前記側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への電源基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに電源基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
前記装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の前記放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に前記通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図29参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、前記放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図25において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図25において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は前記放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから前記電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたりスロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し実施形態の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本発明のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを実施形態のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。さらにまた、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストを掛けずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1,図2参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述する主制御基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1ベットボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAXベットボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、主制御基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留メダル精算ボタン209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを、当選役を当てるかのように遊技者自らの意思によって選択されたタイミングで停止させることが可能な3個のリール停止ボタン211a,211b,211c(意思介入停止操作手段)等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル払出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、図32,図33に示したように、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって画像表示体500と図柄変動表示装置300の領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする大きさに設定しておけば、画像表示体500と図柄変動表示装置300の配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
前記縁部材214bは、図34に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。なお、図33では、発光ユニット217が扉形前面部材200に取り付けられているように描かれているが、実際の発光ユニット217は、図34に示したように縁部材214bの中に嵌め込まれている。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
その他、図32,図33において符号218は、透明板214aの上の左右コーナー部分に設けた固定部材であって、透明板214aの裏側から透孔214c(図32拡大図参照)に通したビス(図示せず)により、縁部材214bと縁部材214bの間に嵌った図33の状態で止められている。該固定部材218は、外見上コーナー飾りとしての役割を果たす一方、扉形前面部材200と透明板214aの夫々の上のコーナー部分に設けた通孔200a,214d(図32拡大図参照)に対し扉形前面部材200の裏側から通したビス(図示せず)に螺合し、もって透明板214aを扉形前面部材200に固定するナット的な役割を果たす。
また、図32〜図34において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、図34に示したように、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217a(光源217a−1と導光板217a−2の組合せ)の光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図33拡大図参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図34は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図34から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。この錠装置215に専用キーを挿入して左回りに回すと、錠装置215の奥に設けた打止め解除/エラー解除スイッチ215cからの検出信号がリセット信号として後述する主制御基板409に入力されるようになっている。一方、右回りに回して扉形前面部材200を外本体100から開放させると、扉形前面部材200の裏面に設けた扉開放検知スイッチ220からの開放信号が入力されるようになっている。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール301a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天部板305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天部板305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a,301b,301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天部板305には指掛可能な使用状態と、天部板305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。
このように装置ケース302の天部板305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。
すなわち、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天部板305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天部板305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。
ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張ていてそれが障害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図21に示したように、天部板305に2つのベルト通し314,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図21の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。
また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示したようにフランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板である主制御基板409が装着され、さらに主制御基板409以外の制御基板等(例えば、後述する周辺制御基板750)も配線作業空間408内に装着されている。
ケース部材400の天板406には、図1に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が前記外本体100の貫通孔132,132…を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、図2,図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図19に示したように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図20に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図2,図17,図22に示した揺動レバー形態のストッパー117,117,117で止められている。このストッパー117は、図1,図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図17実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図17想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図18に示したように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図22に示したようにケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図23に示したようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記主制御基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309と主制御基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示したように空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線通路たる凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図23に示したように図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面HLと、リール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間の範囲を下限とする状態、つまりその範囲内に下辺を置く高さに配置したものである、と言い換えることもできる。
[画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)と、前記液晶ディスプレイの表示制御を行う周辺制御基板750(後述)等を備えて構成されており、ユニット化されている。画像表示体500は、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図35は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、前記ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、前記画像表示体500の裏側(図35の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図36の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図36(a)〜(c)に示したように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図11,図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。そうすることにより扉形前面部材200を開いて直ぐに画像表示体500を開けばその奥の配線作業空間408内のチェックが行える。
[画像表示体−連結具]
なお、実施形態のスロットマシン1は、画像表示体500の奥の配線作業空間408内のチェックを効率よく行う手段として、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。この場合、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500は、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そのため実施形態の連結具700は、図39に示したように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図38のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、前記止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。また、図39において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパであって、前記止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部に係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることにより前記ストッパ704のロックが外れるようになっている。また、図39において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の自由端側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図11に示したように、補強桟402には、前記係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部402aが設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が前記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図40,図41に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えば主制御基板409)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部443,443の間の補強帯444)には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の床板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。
[画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向であってリール301a…の回転軸と同方向)に細長い帯状の基板503に多数の発光ダイオード(以下LEDという。)504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の例えば乳白色である透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側、すなわち透明板214a側に向かう斜め下向きに設置してある。実施形態では比較的強い指向性を持ったLED504の主たる照射領域の中心線L(図4拡大図参照)を透明板214aに対し斜めに向かわせるべく、基板503のLED取付面の向きが、前記透明板214a側に向けて斜め下向きに傾けられている。また、もし照明装置502の光源として蛍光灯のような棒状発光体を採用した場合には、図4の基板503を板状又は光源を包むような凹面状の反射部材に変更し、直射光と反射光の総和により方向付けられる主たる照射領域の中心線が、透明板214a側の裏面に斜めに当たるように設定すればよい。以上のように照明装置502の照射照準を透明板214aに設定すれば、漏れた一部の光がリール301a,301b,301cの外周面を照らしても殆ど影響はない。
実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a,301b,301cの周面側に向けた場合には、湾曲するリール301a,301b,301cの特定部分が強く反射して見辛くなるのに対し、上記のように主たる照射領域の中心線Lを透明板214aに対し斜めに向かわせた場合には、透明板214aを介してリール外周面が照らされることにより、リール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見え易くなることが確認できた。その理由として、照明装置502から照射した光が扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板214aに当たって反射し全体に拡散するか、或は透明板214aが明るく照らされることでリール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。
以上のような上側の照明装置502の構造は、下側の照明装置502にも採用することができ、もちろん図31に示したように下側の照明装置502にのみ採用することもできる。なお、図31は図4の上側の照明装置502を下側に配置し、下側の照明装置502を上側に配置したものであるため、上記照明装置502の説明の「上」を「下」に読み替え、「下」を「上」に読み替えればよい。
ところで照明装置502の光源として実施形態のようにLEDを採用した場合には、(a)低電圧で駆動するため約200Vの高電圧で駆動する従来の冷陰極管より安全性が高い、(b)冷陰極管より寿命が長い、(c)ガラス管である冷陰極管より丈夫である、(d)多色発光が可能であるため演出の幅を広げることができる、(e)インバータと組み合わせて使用する冷陰極管より軽く、従って画像表示体500を支えるヒンジ金具420の負担が少ない、というメリットがある。
[配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル払出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各ベットボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えば主制御基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、遊技ユニット(外本体100の内部に対して着脱自在に設けられたケース部材400に、図柄変動表示装置300と任意の画像を表示する画像表示体500と含むケース側電気部品を組み付けてなる。この実施形態では図11の分解斜視図に示されているように、図柄変動表示装置300+ケース部材400+画像表示体500よりなる)が外本体100に対し着脱自在であるため、遊技ユニット(ケース部材400)の交換等に際して本体側電気部品とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示したように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながる遊技ユニット側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)即ち、主中継基板122,周辺中継基板123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板である主中継基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記主制御基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。実施形態において、主制御基板409につながっているハーネス424及び先端のコネクタ425は(図11、図16−1参照)、請求項1にも記載されている遊技ユニット側配線類のうちの遊技制御基板につながった主制御系配線類及びその先端に取付けられた主制御系配線類接続用コネクタに相当する。また、主中継基板122のコネクタ124は、請求項1にも記載されている電源装置112からの配線を含む本体側配線類を集合させた主中継用コネクタに相当するものである。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板(周辺中継基板)123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、後述の周辺制御基板750につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。実施形態において、周辺制御基板750につながっているハーネス426及びその先端のコネクタ427は、請求項1にも記載されている遊技ユニット側配線類のうちの周辺制御基板につながった周辺制御系配線類及びその先端に取付けられた周辺制御系配線類接続用コネクタに相当する。また、周辺中継基板123のコネクタ125は、請求項1にも記載されている本体側配線類とは別とされ(図14に符号910で示されているハーネスが相当する)、扉形前面部材200に配設された扉側装飾発光体(後述の左発光体217A、右発光体217B及び上発光体217Cが相当する)からの配線類を含んで集合させた周辺中継用コネクタに相当する。さらに、本発明では、遊技ユニット側配線類が遊技制御基板につながった主制御系配線類424と周辺制御基板につながった周辺制御系配線類426とに分割される(図16−1参照)。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品
(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面とリール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面との間に自己の下辺が位置する高さにして配線窓411を形成する。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながる遊技ユニット側配線類423とを中継する配線中継部材113を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102,102沿い(背板104とのコーナーを含む(図10参照)。)に設けた配線経路を迂回するため、リール301a,301b,301cを外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下ってリール301a,301b,301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、リール301a,301b,301cの径を大きくすることができる。なお、リール301a,301b,301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400の主制御基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、後述の周辺制御基板750につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。この2つのコネクタ425,427は、図16−1に示したように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている(コネクタ425,427は、1つのコネクタホルダー428に一括支持されている)。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5,図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示したようにケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,426(図13参照)の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と遊技ユニットが相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
(b)前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、
(c)前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながる遊技ユニット側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
(d)前記遊技ユニット側配線類の先端に取り付けたコネクタと、
(e)該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、
(f)該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、
(g)前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有し、
(h)遊技ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、遊技ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする
(i)遊技機。
上記の遊技機は、遊技ユニットの外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば遊技ユニットに直接コネクタを取り付け、遊技ユニットを外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな遊技ユニットが輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して遊技ユニットを物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を遊技ユニット側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して遊技ユニットを物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、図5に示したように外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し遊技ユニットから離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、遊技ユニットのみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。
しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
以上の遊技機は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと遊技ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、遊技ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と遊技ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、遊技ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図16−2に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔427aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔427aを遊嵌させ、座金付きのビス427cをもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔427aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2以上でもよい。
また、実施形態では図4,図12に示したように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。この配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300と主制御基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール主中継基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻して主制御基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかして主制御基板409等とリール主中継基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す必要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール主中継基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール主中継基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照。)とリール主中継基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。しかし一方、リール主中継基板312の接続対象たる基板類(主制御基板409,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール主中継基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。
なお、配線口438,438とケーブル溝437を使った配線は、リール主中継基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、このとき図24想像線のように、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを木ねじ等の固定部材601で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに固定部材601を挿通させ、さらにドライバー等の工具602で天窓部443越しに固定部材601を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟600の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟600に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害
(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図24に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
[遊技ユニットの交換]
遊技内容を変更する場合や、遊技機種を変更する場合には、外本体100及び扉前面部材200に配設されている部材や電気部品を残してそのまま継続使用すると共に、遊技ユニットのみを本体側(外本体100及び扉前面部材200)に対して取り外し、新たな遊技ユニットを外本体100の開口109の内部に収納固定することになる。以下、遊技ユニットを交換する場合の具体的な作業手順を説明する。
[遊技ユニットの外本体100からの取り外し]
図3に示す扉形前面部材200の自由端側の一側の錠装置215にキー(鍵)を挿入して右回りに回すと錠が外れ、扉形前面部材200を外本体100から開放させることができる。扉形前面部材200を外本体100に対して手前に引くと、扉形前面部材200が回転軸100a(図1,図38参照)を中心として外本体100に対して内部を開放する方向に回動する。このとき、画像表示体500は、連結具700(図39参照)により、扉形前面部材200の支持片215bに支持された止め軸703の下端部分が、画像表示体500の固定鞘部材701内を摺動するロッド702に連結されていることにより、画像表示体500がヒンジ金具420(図38参照)を中心に扉形前面部材200と一体となって回動する。これにより、ケース部材400の開口部401が露出した状態となる。
次に、ケース部材400の開口部401に手を入れ、その奥の配線作業空間408内のコネクタホルダー428(図16−1参照)を配線中継部材113から外す。図5に示すように、コネクタホルダー428は左右のボタン形パネルファスナー432,432により配線中継部材113の支持筒128,128に固定されている。左右のボタン形パネルファスナー432,432を摘み、手前方向に5mmほど引くと、左右のボタン形パネルファスナー432,432と支持筒128,128との結合が外れる。そして、コネクタホルダー428の左右の取着片431,431を手で支持して手前方向に引くことにより、配線中継部材113のコネクタ124とコネクタホルダー428のコネクタ425とのコネクタ結合が外れると共に、配線中継部材113のコネクタ125とコネクタホルダー428のコネクタ427とのコネクタ結合が外れることにより、両コネクタ425,427を抜くことができる。配線中継部材113から取り外したコネクタホルダー428は、仮止め棚418のベンチ部433に配置するようにする(図6参照)。これにより、遊技ユニットを輸送中にコネクタホルダー428が移動したりすることがない。
次に、図22に示されている上部左右のストッパー117を遊技ユニットの内部から手で回してケース部材400の係止孔442に係合しない位置に回動させる(ケース部材400の前方向への移動規制の解除)。また、下部のストッパー117(図1,図17参照)を図17で2点鎖線で示される位置に回動させて倒す(ケース部材400の前方向への移動規制の解除)。
次に、図39に示す連結具700の止め軸703をスプリング703aの付勢に抗して上方に持ち上げることにより、止め軸703とロッドとの係合を解除した状態としたまま、画像表示体500をヒンジ金具420(図38参照)を中心にケース部材400の開口部401を閉鎖する方向に回動させる。そして、画像表示体500でケース部材400の開口部401を閉鎖した状態とし、図11に示すロック片421を時計回りに回動させて、その先端を画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500をケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックする。これにより、遊技ユニットが外本体100の仕切板105(図1参照)に載っただけの状態となる。
次いで、図柄変動表示装置300の下方となるケース部材400の下部の下把手316(図1,図11参照)に手を掛けて手前方向に引くことにより、遊技ユニットをケース部材400と共に外本体100に対して手前方向に引き出す。そして、ケース部材400の上面に設けられた把手口422に手を掛けて一気に遊技ユニットを引き出す。以上のようにして、遊技ユニットを外本体100から取り外す。なお、前記把手口422は遊技ユニットの重心のほぼ真上に位置しているため、安定して持つことができる。なお、新たな遊技ユニットを外本体100の開口109の内部に収納固定する手順は逆となる。
[スロットマシンに配備される電気系統]
次に、スロットマシン1に配備される電気系統について説明する。スロットマシン1の制御構成は、図42乃至図44に示すように、遊技ユニット側に配備された主制御基板409及び周辺制御基板750から構成されており、各種制御が分担されている。図42は遊技ユニット(図11の分解斜視図に示されているように図柄変動表示装置300+ケース部材400+画像表示体500よりなる)側に配備された主制御基板409及び本体側(外本体100の背板104に配設された配線中継部材113)に配備された主中継基板122のブロック図である。また、図45は、配線中継部材113に収納される主中継基板122及び周辺中継基板123の正面図である。
[主中継基板122]
主中継基板122は、図45に示すように、電源基板112sとの接続用のコネクタCN1(以下、主中継基板122のコネクタCN1という)と、主制御基板409に繋がっているハーネス付きコネクタ425(図16−1参照)と接続されるコネクタ124(図14及び図15参照、以下、主中継基板122のコネクタCN2という)と、後述の扉形前面部材200の裏面に配備される主扉中継基板850と接続されるコネクタCN3(以下、主中継基板122のコネクタCN3という)と、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータ(図示せず)に対してスロットマシン1の遊技情報を出力するために中継する外部中継端子板131(図1参照)と接続されるコネクタCN4(以下、主中継基板122のコネクタCN4という)と、メダル払出装置110と接続されるコネクタCN5
(以下、主中継基板122のコネクタCN5という)と、メダル用補助収納箱111の内部に配設されたメダル補助収納庫スイッチ111aと接続されるコネクタCN6(以下、主中継基板122のコネクタCN6という)と、扉開放検知スイッチ220と接続されるコネクタCN7(以下、主中継基板122のコネクタCN7という)とを備えている。主中継基板122は、単純に各種信号や電源電圧を素通りさせる中継(中継入力又は中継出力)の役割を果たす。なお、以下の説明では、基板毎にコネクタがあるので、符号「CN」は異なる基板で重複することがある。
図42の電源基板112sは、AC24V(2つの端子)を入力として、主制御基板409のメモリのバックアップ電源や各種の直流作動電源(+30V電源、+12V電源、+24V電源)を生成し、主中継基板122のコネクタCN1に供給する。なお、符号FG(1つの端子)は、図示しない電源ハーネスを介して遊技島設備のアースに接続される。また、筐体FG端子(1つの端子)は、遊技機本体の金属部分にアースとして接続される。
図46は、主中継基板122のコネクタCN1、CN4、CN5、CN6及びCN7のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。図42及び図46に示すように、主中継基板122のコネクタCN1(対電源基板112s)は12ピンで構成されている。コネクタCN1の1番ピン〜5番ピンは何れもグランドGNDの中継入力である。6番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の中継入力であり、7番ピン及び8番ピンは+30V電源の中継入力であり、9番ピン及び10番ピンはいずれも+12V電源の中継入力であり、11番ピンは+24V電源の中継入力であり、12番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の中継入力である。
主中継基板122のコネクタCN4(対外部中継端子板131)は10ピンで構成されている。コネクタCN4の1番ピンは外部信号5の中継出力、2番ピンは外部信号4の中継出力、3番ピンは外部信号3の中継出力、4番ピンは外部信号2の中継出力、5番ピンは外部信号1の中継出力である。また、コネクタCN4の6番ピンはメダル払出信号の中継出力であり、7番ピンはメダル投入信号の中継出力である。さらに、コネクタCN4の8番ピン〜10番ピンは何れも+24V電源の中継出力である。
主中継基板122のコネクタCN5(対メダル払出装置110)は5ピンで構成されている。コネクタCN5の1番ピンはS+5V(センサ用+5V電源を意味する、以下、センサ用+5V電源という)の中継出力であり、2番ピンは遊技メダル払出カウントスイッチ信号の中継入力であり、3番ピンはグランドGNDであり、4番ピンは遊技メダル払出ドライブ1の中継出力であり、5番ピンは遊技メダル払出ドライブ2の中継出力である。
主中継基板122のコネクタCN6(対メダル補助収納庫スイッチ111a)は2ピンで構成されている。コネクタCN5の1番ピンはオーバーフロースイッチ(メダル補助収納庫スイッチ111a)の信号の中継入力であり、2番ピンはグランドGNDである。また、主中継基板122のコネクタCN7(対扉開放検知スイッチ220)は2ピンで構成されている。コネクタCN7の1番ピンは扉開放検知スイッチ220の信号の中継入力であり、2番ピンはグランドGNDである。
図47は、主中継基板122のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。図42及び図47に示すように、主中継基板122のコネクタCN3は30ピンで構成され、主扉中継基板850に接続されている。図42において一点鎖線で囲われている「ドアブロック」で示されるように、主扉中継基板850及び主扉中継基板850にコネクタ接続されているメダルセレクタ207、貯留メダル精算ボタン209、MAXベットボタン206、1ベットボタン205、始動レバー210、リール停止ボタン211(211a〜211c)及び打止め解除/エラー解除スイッチ215cは扉形前面部材200に配設されている。
図51は、スロットマシン1の扉形前面部材200の裏面図である。扉形前面部材200は、スロットマシンの外本体100(図1参照)の前面に横開きの扉状に回動可能に取り付けられている。図51に示すように、扉形前面部材200の裏面の略中央には、内部に主扉中継基板(図示せず)と扉装飾駆動基板(図示せず)を収納した扉基板収納ケース800が配設されている。
また、図52は扉基板収納ケース800の斜視図である。図52に示すように、扉基板収納ケース800は、内部に扉装飾駆動基板860(符号のみ図示)を収納した四角形状をなした扉装飾駆動基板収納部分801の側部に、扉装飾駆動基板よりも小型の四角形状で、内部に主扉中継基板850(符号のみ図示)を収納した主扉中継基板収納部分802が一体に形成されている。
図42に示すように、主扉中継基板850にはメダルセレクタ207、貯留メダル精算ボタン209、MAXベットボタン206、1ベットボタン205、始動レバー210、リール停止ボタン211(左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c)、打止め解除/エラー解除スイッチ215cが接続されている。
図52において、符号803は扉基板収納ケース800の上面全体を覆う収納ケースカバーであり、主扉中継基板収納部分802の収納ケースカバー803の外面に、メダルセレクタ207に接続されたハーネス付きコネクタを接続するメダルセレクタ用接続コネクタ851(図42に示すように10ピンで構成)と、貯留メダル精算ボタン209に接続されたハーネス付きコネクタを接続する貯留メダル精算ボタン用接続コネクタ852(図42に示すように2ピンで構成)と、MAXベットボタン206に接続されたハーネス付きコネクタを接続するMAXベットボタン用接続コネクタ853(図42に示すように4ピンで構成)と、1ベットボタン205に接続されたハーネス付きコネクタを接続する1ベットボタン用接続コネクタ854(図42に示すように2ピンで構成)と、始動レバー210に接続されたハーネス付きコネクタを接続する始動レバー用接続コネクタ855(図42に示すように3ピンで構成)と、リール停止ボタン211に接続されたハーネス付きコネクタを接続するリール停止ボタン用接続コネクタ856(図42に示すように8ピンで構成)と、打止め解除/エラー解除スイッチ215cに接続されたハーネス付きコネクタを接続する打止め解除/エラー解除スイッチ用接続コネクタ857(図42に示すように2ピンで構成)と、主として主扉中継基板850から本体側の主中継基板122へ各信号を送出する対本体接続コネクタ部材858(30ピン雌型で構成)とが露出した状態で配設されている。
主扉中継基板850と主中継基板122との接続は、主扉中継基板850の対本体接続コネクタ部材858(CN1)に対応接続するコネクタ部材を一端に備えた対本体接続用ハーネス付きコネクタ(従来より周知の接続部材であるため図示せず)を用いて行われ、主扉中継基板850の対本体接続コネクタ部材858(CN1)に対本体接続用ハーネス付きコネクタの一端を接続し、主中継基板122のコネクタCN3(図42参照)に対本体接続用ハーネス付きコネクタ900(図14参照)の他端を接続する。
図47に示すように、主中継基板122のコネクタCN3の1番ピンは+24V電源の中継出力であり、2番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の中継出力であり、3番ピンはグランドGNDである。4番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ用+5V電源の中継出力であり、5番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ(メダル投入スイッチ1)信号の中継入力であり、6番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ(メダル投入スイッチ2)信号の中継入力であり、7番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチの信号の中継入力であり、8番ピンはグランドGNDである。
9番ピンは貯留メダル精算ボタン209(貯留メダル精算スイッチ)のスイッチ信号の中継入力であり、10番ピンはグランドGNDである。11番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、12番ピンはMAXベットボタン206(貯留メダル投入スイッチ2)のスイッチ信号の中継入力であり、13番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の中継出力であり、14番ピンはグランドGNDである。15番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、16番ピンは1ベットボタン205(貯留メダル投入スイッチ1)のスイッチ信号の中継入力であり、17番ピンはグランドGNDである。18番ピンは始動レバー210(スタート操作手段)のレバーセンサのセンサ用+5V電源の中継出力であり、19番ピンはグランドGNDであり、20番ピンは始動レバー210のレバーセンサ信号の中継入力である。
21番ピンは第1リールに対応した左リール停止ボタン211aの信号の中継入力であり、22番ピンは第2リールに対応した中リール停止ボタン211bの信号の中継入力であり、23番ピンは第3リールに対応した右リール停止ボタン211cの信号の中継入力であり、24番ピンはグランドGNDである。25番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、26番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の中継出力であり、27番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の中継出力であり、28番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の中継出力である。29番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、30番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の中継入力である。
[主中継基板122と主制御基板409とのコネクタ接続]
図42に示すように、主中継基板122のコネクタCN2は主制御基板409のコネクタCN1と接続される(図15のコネクタ124と図16−1のハーネス424付きのコネクタ425との接続を介して接続される)。主中継基板122のコネクタCN2及び主制御基板409のコネクタCN1は、64ピンで構成されている。
図48は、主中継基板122のコネクタCN2のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図であり、図49は、主制御基板409のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。なお、図48の主中継基板122のコネクタCN2のピン番号と図49の主制御基板409のコネクタCN1のピン番号とは同一の番号同士が対応している。
主制御基板409のコネクタCN1の1番ピンは外部信号5の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の1番ピンは外部信号5の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の2番ピンは外部信号4の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の2番ピンは外部信号4の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の3番ピンは外部信号3の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の3番ピンは外部信号3の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の4番ピンは外部信号2の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の4番ピンは外部信号2の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の5番ピンは外部信号1の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の5番ピンは外部信号1の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の6番ピンはメダル払出信号出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の6番ピンはメダル払出信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の7番ピンはメダル投入信号出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の7番ピンはメダル投入信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の8番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の8番ピンもグランドGNDである。主制御基板409のコネクタCN1の9番ピンは遊技メダル払出カウントスイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の9番ピンは遊技メダル投払出カウントスイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の10番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の10番ピンもグランドGNDである。
主制御基板409のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ1の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の11番ピン及び12番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ1の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ2の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の13番ピン及び14番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ2の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の15番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の15番ピンもグランドGNDである。主制御基板409のコネクタCN1の16番ピンはオーバーフロースイッチ信号(メダル補助収納庫スイッチ111aのスイッチ信号)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の16番ピンはオーバーフロースイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の17番ピンは扉開放検知スイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の17番ピンは扉開放検知スイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の18番ピン〜23番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の18番ピン〜23番ピンも何れもグランドGNDである。
主制御基板409のコネクタCN1の24番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の24番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の25番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ1信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の25番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ1信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の26番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ2信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の26番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ2信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の27番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の27番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の28番ピンは貯留メダル精算スイッチ信号(貯留メダル精算ボタン209)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の28番ピンは貯留メダル精算スイッチ信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の29番ピンは貯留メダル投入スイッチ1信号(1ベットボタン205)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の29番ピンは貯留メダル投入スイッチ1信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の30番ピンは貯留メダル投入スイッチ2信号(MAXベットボタン206)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の30番ピンは貯留メダル投入スイッチ2信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の31番ピンは始動レバー210のレバーセンサ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の31番ピンは始動レバー210のレバーセンサ信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の32番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の32番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の33番ピンは第1リールに対応した左リール停止ボタン211aの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の33番ピンは第1リールに対応した左停止ボタン211aの信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の34番ピンは第2リールに対応した中リール停止ボタン211bの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の34番ピンは第2リールに対応した中リール停止ボタン211bの信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の35番ピンは第3リールに対応した右リール停止ボタン211cの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の35番ピンは第3リールに対応した右リール停止ボタン211cの信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の36番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の36番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の37番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の37番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の38番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の38番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の39番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の39番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の40番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の40番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の41番ピンはS+5V(センサ用+5V電源)の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の41番ピンはS+5V(センサ用+5V電源)の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の42番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の42番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の43番ピン〜49番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の43番ピン〜49番ピンも何れもグランドGNDである。また、主制御基板409のコネクタCN1の50番ピン〜56番ピンは何れも+12V電源の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の50番ピン〜56番ピンは何れも+12V電源の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の57番ピン〜60番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の57番ピン〜60番ピンも何れもグランドGNDである。また、主制御基板409のコネクタCN1の61番ピン〜64番ピンは何れも+30V電源の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の61番ピン〜64番ピンは何れも+30V電源の中継出力である。
[主制御基板]
図43は遊技ユニット側に配備された主制御基板409及び周辺制御基板750のブロック図である。図43に示すように、主制御基板409には、前述の主中継基板122が接続される他、12ピンで構成されるコネクタにより遊技状態表示基板450が接続され、24ピンで構成されるコネクタを介してリール主中継基板312が接続され、1個が8ピンで構成されるコネクタ2個により機能分離中継端子板441が接続されている。なお、図示されていないが、遊技状態表示基板450にはクレジット表示部、ゲーム数表示部、払出枚数表示部、メダルインランプ、スタートランプ、ベットランプ、ボーナスフラグ告知ランプ等が設けられている。リール主中継基板312には、左リール301aに対応したリールモータ中継基板が8ピンで構成されるコネクタを介して接続され、中リール301bに対応したリールモータ中継基板が8ピンで構成されるコネクタを介して接続され、右リール301cに対応したリールモータ中継基板が8ピンで構成されるコネクタを介して接続されている。
主制御基板409は、図示していないが、マイクロプロセッサとしての主制御MPU、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート、上述した、左リール駆動モータ303a、中リール駆動モータ303b及び右リール駆動モータ303cに駆動信号を出力するドライブ回路、スロットマシン1の設定(例えば、設定1〜6)を変更する設定キー(鍵穴)、設定スイッチ/エラー解除、打止有無スイッチ、精算有無スイッチ等を備えて構成されている。主制御MPUには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMとが内蔵されており、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPUは、上述した、1ベットボタン205、MAXベットボタン206、貯留メダル精算ボタン209、始動レバー210、リール停止ボタン211(左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c)、メダルセレクタ207(ロックアウトソレノイド、通過センサ、レバーセンサ)、扉開放検知スイッチ220、メダル払出装置110の遊技メダル払出カウントスイッチ及びメダル用補助収納箱111のメダル補助収納庫スイッチ111aからの検出信号が主制御I/Oポートを介して入力されており、これらの検出信号に基づいて、ロックアウトソレノイド、クレジット表示部、ゲーム数表示部、払出枚数表示部、メダルインランプ、スタートランプ、ベットランプ、ボーナスフラグ告知ランプ及びメダル払出装置110の駆動手段への駆動信号を、主制御I/Oポートを介して、出力する。
また、主制御MPUは、主制御I/Oポート及びリール主中継基板312、各リールモータ中継基板を介して左リール301a、中リール301b及び右リール301cをそれぞれ回転させる左リール駆動モータ303a、中リール駆動モータ303b及び右リール駆動モータ303cへの駆動信号を出力したり、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの原位置をそれぞれ検出する左リール位置センサ、中リール位置センサ及び右リール位置センサからの検出信号が入力されたりする。
主制御MPUは、主制御I/Oポートを介して、設定スイッチ/エラー解除、打止有無スイッチ、精算有無スイッチ、打止め解除/エラー解除スイッチ215cからの信号が入力されたり、メダル払出信号、メダル投入信号や遊技ステータス等を外部中継端子板131に出力したりする。
「設定スイッチ/エラー解除」
設定スイッチ/エラー解除は設走キーの状況によって役割が変わる。設定キーがOFFのときは(遊技可能状態)、エラー解除スイッチとして機能する。一方、設定キーがONのときは(設定変更状態)、設定スイッチとして機能する。
[設定キーと設定スイッチ/エラー解除]
次に、スロットマシン1の設定の変更手順について説明する。まず、スロットマシン1を電源OFFの状態とし、その状態で設定キースイッチを操作する。詳しくは、設定キースイッチに所定のキーを差し込んでキーを右へ90度回転させる。次に、設定キースイッチにキーが差し込まれた状態でスロットマシン1を電源ONにする。電源ONは、電源ユニットの電源スイッチを操作することによって行なう。電源ONにすると、現在のスロットマシン1の設定がクレジット表示部に表示される(例えば、設定1の場合にはクレジット表示部に「1」が表示される)。次に、設定スイッチを操作する。設定スイッチを操作すると、クレジット表示部に表示されていた設定値に1が加算された数値が表示される。但し、表示されている数値が6の場合は、加算されずに表示される値が1に戻る。このように設定スイッチを操作して、クレジット表示部に所望の設定の値が表示されると、始動レバー210を操作する。始動レバー210を操作することによって、設定が確定する。キースイッチを左へ90度回転させ、設定キースイッチに差し込まれているキーを抜く。そして、次に電源投入されたときには、先ほど設定した設定値で遊技機が動作する。
[打止め有無スイッチ]
まず、「打止め」とはボーナスゲームが終了した後にメダルを受け付けない状態にすることである。打止め有無スイッチはボーナスゲームが終了した後に「打止め」にするか、それとも継続してゲームを行うことを許容するかを決定するスイッチである。
[精算有無スイッチ]
「精算」とはボーナスゲームが終了した後にクレジットを精算、つまりクレジット分のメダルを払い出すことを意味する。精算有無スイッチは、ボーナスゲームが終了した後に「精算」にするか、それとも「精算」しないかを決定するスイッチである。
外部中継端子板131は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、メダル投入信号によりスロットマシン1に投入されたメダルの枚数を把握し、メダル払出信号によりスロットマシン1が払い出したメダルの枚数を把握し、遊技ステータスによりスロットマシン1の遊技状態等を把握することによって、計数管理を行っている。
図43において、主制御基板409には、1つが8ピンで構成されるコネクタ2つにより機能分離中継端子板441が接続されている。また、機能分離中継端子板441には、1つが8ピンで構成されるコネクタ2つにより後述する周辺制御基板750(サブ制御基板)が接続されている。なお、矢印のついていない8ピンで構成されるコネクタは電源中継用であり、グランドGNDが4ピン、+12V電源が2ピン、+30V電源が2ピンで構成されている。また、主制御基板409→機能分離中継端子板441→周辺制御基板750というように、矢印付きで示される8ピンで構成されるコネクタは遊技に関する各種コマンド送信用であり、パラレルデータ(コマンド)D0〜D3の4ピン、SEL(セレクト信号)が1ピン、WR(ライト信号、請求項1のストローブ信号に相当する)が1ピン、停電予告信号が1ピン、グランドGNDが1ピンで構成されている。主制御MPUは、遊技に関する各種コマンドを、主制御I/O及び機能分離中継端子板441を介して、後述する周辺制御基板750に送信するようになっている。
[主制御基板409と周辺制御基板750とのコネクタ接続]
図55は、主制御基板409のコネクタCN4及びコネクタCN5と、周辺制御基板750のコネクタCN1及びCN2とによる各コネクタのピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。図55に示すように、主制御基板409のコネクタCN4は周辺制御基板750のコネクタCN1と接続され、主制御基板409のコネクタCN5は周辺制御基板750のコネクタCN2と接続される。主制御基板409のコネクタCN4及び周辺制御基板750のコネクタCN1は8ピンで構成され、主制御基板409のコネクタCN5及び周辺制御基板750のコネクタCN2は8ピンで構成されている。なお、主制御基板409のコネクタCN4のピン番号と周辺制御基板750のコネクタCN1のピン番号とは同一の番号同士が対応し、主制御基板409のコネクタCN5のピン番号と周辺制御基板750のコネクタCN2のピン番号とは同一の番号同士が対応している。なお、主制御基板409のコネクタCN5と周辺制御基板750のコネクタCN2とは、遊技に関する各種コマンド送信用である。
主制御基板409のコネクタCN4の1番ピン及び2番ピンはグランドGNDであり、周辺制御基板750のコネクタCN1の1番ピン及び2番ピンもグランドGNDである。主制御基板409のコネクタCN4の3番ピン及び4番ピンは+12V電源の出力であり、周辺制御基板750のコネクタCN1の3番ピン及び4番ピンは+12V電源の入力である。また、主制御基板409のコネクタCN4の5番ピン及び6番ピンは+30V電源の出力であり、周辺制御基板750のコネクタCN1の5番ピン及び6番ピンは+30V電源の入力である。さらに、主制御基板409のコネクタCN4の7番ピン及び8番ピンはグランドGNDであり、周辺制御基板750のコネクタCN1の7番ピン及び8番ピンもグランドGNDである。
主制御基板409のコネクタCN5の1番ピン〜4番ピンは、パラレルのコマンドデータD0〜D3の各出力であり、周辺制御基板750のコネクタCN2の1番ピン〜4番ピンはコマンドデータD0〜D3の各入力である。主制御基板409のコネクタCN5の5番ピンはSEL信号(セレクト信号)の出力であり、周辺制御基板750のコネクタCN2の5番ピンはSEL信号の入力である。なお、周辺制御基板750のコネクタCN2の5番ピンは、周辺制御基板750に配備されると共に、前述のコマンドデータD0〜D3に対応した演出に関する制御を行うサブCPUの割込端子(INT2端子)に接続されている。主制御基板409のコネクタCN5の6番ピンはWR信号(ライト信号、なお、請求項1に記載のストローブ信号に相当する)の出力であり、周辺制御基板750のコネクタCN2の6番ピンはWR信号の入力である。なお、本実施形態におけるWR信号は、一般にはストローブ信号と呼ばれているものと同義である。なお、周辺制御基板750のコネクタCN2の6番ピンは、前記サブCPUの割込端子(INT1端子)に接続されている。主制御基板409のコネクタCN5の7番ピンは停電予告信号の出力であり、周辺制御基板750のコネクタCN2の7番ピンは停電予告信号の入力である。また、主制御基板409のコネクタCN5の8番ピンはグランドGNDであり、周辺制御基板750のコネクタCN2の8番ピンもグランドGNDである。
[周辺制御基板750(サブ制御基板)]
周辺制御基板750は、図示していないが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU(サブCPUに相当する)、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM、画像表示体500を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)、15.9液晶モジュール500bに表示する各種画像を記憶する画像ROM、高音質の演奏を行う音源IC、この音源ICが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMを備えて構成されている。前記周辺制御MPUは、パラレル入出力ポート及びシリアル入出力ポート等の各種入出力ポートを内蔵している。
周辺制御基板750には、前述の機能分離中継端子板441が2個の8ピンで構成されたコネクタで接続される他、2ピンで構成されるコネクタによりリール照明LED基板(上)503aが接続され、2ピンで構成されるコネクタによりリール照明LED基板(下)503bが接続され、12ピンで構成されるコネクタを介してリール周辺中継基板317が接続されている。リール周辺中継基板317には、左リール301a(第1リール)に対応したバックライト中継基板が4ピンで構成されるコネクタを介して接続され、さらに該バックライト中継基板に第1リールを背後から照明する発光体を備えたバックライト基板がコネクタ接続されている。同様に、リール周辺中継基板317に、中リール301b(第2リール)に対応したバックライト中継基板が4ピンで構成されるコネクタを介して接続され、さらに該バックライト中継基板に第2リールを背後から照明する発光体を備えたバックライト基板がコネクタ接続されている。また、リール周辺中継基板317に、右リール301c(第3リール)に対応したバックライト中継基板が4ピンで構成されるコネクタを介して接続され、さらに該バックライト中継基板に第3リールを背後から照明する発光体を備えたバックライト基板がコネクタ接続されている。
また、周辺制御基板750には、3ピンで構成されるコネクタにより液晶インバータ基板500aが接続され、20ピンで構成されるコネクタにより15.9液晶モジュール500bが接続され、2ピンで構成されるコネクタにより画像表示体500のファンモータ500cが接続されている。さらに、液晶インバータ基板500aと15.9液晶モジュール500bとが3ピンで構成されるコネクタによって接続され、液晶インバータ基板500aは+30V電源を入力として+200V程度のバックライト用作動電圧を生成し、前記15.9液晶モジュール500bに与える。
[周辺制御基板750と周辺中継基板123とのコネクタ接続]
図44は遊技ユニット側に配備された周辺制御基板750及び本体側(外本体100の背板104に配設された配線中継部材113)に配備された周辺中継基板123のブロック図である。周辺制御基板750と周辺中継基板123とは、20ピンで構成されるコネクタ接続により接続されている。また、周辺中継基板123は、先に示した図45に示されている。
[周辺中継基板123]
周辺中継基板123は、図45に示すように、周辺制御基板750に繋がっているハーネス付きコネクタ427(図16−1参照)と接続されるコネクタ125(図14及び図15参照、以下、周辺中継基板123のコネクタCN1という)と、後述の扉形前面部材200の裏面に配備される扉装飾駆動基板860と接続されるコネクタCN2(以下、周辺中継基板123のコネクタCN2という)と、低音スピーカ(図1の外本体100内部の下部に配置されているメダル払出装置110の後方位置において背板104に配設されているスピーカ、図25参照)と接続されるコネクタCN3(以下、周辺中継基板123のコネクタCN3という)とを備えている。周辺中継基板123は、単純に各種信号や電源電圧を素通りさせる中継(中継入力又は中継出力)の役割を果たす。
図44に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN1は周辺制御基板750のコネクタCN3と接続される(図15のコネクタ125と図16−1のハーネス426付きのコネクタ427との接続を介して接続される)。周辺中継基板123のコネクタCN1及び周辺制御基板750のコネクタCN3は、20ピンで構成されている。
図50は、周辺制御基板750のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板123のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板123のコネクタCN2並びにコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号とを示す図である。
周辺制御基板750のコネクタCN3の1番ピンは−SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の1番ピンは−SPK−W2の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス中継入力である)。周辺制御基板750のコネクタCN3の2番ピンは+SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の2番ピンは+SPK−W2の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス中継入力である)。
周辺制御基板750のコネクタCN3の3番ピンは−SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の3番ピンは−SPK−W1の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス中継入力である)。周辺制御基板750のコネクタCN3の4番ピンは+SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の4番ピンは+SPK−W1の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス中継入力である)。
周辺制御基板750のコネクタCN3の5番ピンは−SPK−Lであり(左スピーカ201aのマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の5番ピンは−SPK−Lの中継入力である(左スピーカ201aのマイナス中継入力である)。周辺制御基板750のコネクタCN3の6番ピンは+SPK−Lであり(左スピーカ201aのプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の6番ピンは+SPK−Lの中継入力である(左スピーカ201aのプラス中継入力である)。
周辺制御基板750のコネクタCN3の7番ピンは−SPK−Rであり(右スピーカ201bのマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の7番ピンは−SPK−Rの中継入力である(右スピーカ201bのマイナス中継入力である)。周辺制御基板750のコネクタCN3の8番ピンは+SPK−Rであり(右スピーカ201bのプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の8番ピンは+SPK−Rの中継入力である(右スピーカ201bのプラス中継入力である)。
周辺制御基板750のコネクタCN3の9番ピン及び10番ピンはグランドGNDであり、周辺中継基板123のコネクタCN1の9番ピン及び10番ピンもグランドGNDである。周辺制御基板750のコネクタCN3の11番ピン及び12番ピンは+12V電源の出力であり、周辺中継基板123のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンは+12V電源の中継入力である。
周辺制御基板750のコネクタCN3の13番ピン及び14番ピンはグランドGNDであり、周辺中継基板123のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンもグランドGNDである。
周辺制御基板750のコネクタCN3の15番ピンはS−LATCHの出力であり(ラッチ信号出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の15番ピンはS−LATCHの中継入力である(ラッチ信号の中継入力である)。周辺制御基板750のコネクタCN3の16番ピンはS−MODEの出力であり(モード信号出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の16番ピンはS−MODEの中継入力である(モード信号の中継入力である)。周辺制御基板750のコネクタCN3の17番ピンはS−CLKの出力であり(クロック信号の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の17番ピンはS−CLKの中継入力である(クロック信号の中継入力である)。周辺制御基板750のコネクタCN3の18番ピンはS−DATAであり(シリアルの点灯データの出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の18番ピンはS−DATAの中継入力である(シリアルの点灯データの中継入力である)。
周辺制御基板750のコネクタCN3の19番ピンはSEL1であり(セレクト信号1の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の18番ピンはSEL1の中継入力である(セレクト信号1の中継入力である)。周辺制御基板750のコネクタCN3の20番ピンはSEL0であり(セレクト信号0の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の20番ピンはSEL0の中継入力である(セレクト信号0の中継入力である)。
また、図44に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN2は20ピンで構成され、扉装飾駆動基板860に接続されている。図44において一点鎖線で囲われている「ドアブロック」で示されるように、扉装飾駆動基板860、トップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876、Lスピーカ(左スピーカ)201a、Rスピーカ(右スピーカ)201b及び下パネル照明点灯基板876に接続されている下パネル照明877は、扉形前面部材200に配設されている。
図44に示すように、扉装飾駆動基板860にはトップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876、Lスピーカ201a、Rスピーカ201bが接続されている。このように、扉形前面部材200に配設された扉側装飾発光体(後述)の点灯駆動を行う扉装飾駆動基板860が周辺制御基板750とは別体とされて扉形前面部材200に配設されている。
図52に示すように、扉基板収納ケース800の扉装飾駆動基板収納部分801の収納ケースカバー803の外面に、トップ装飾基板871に接続されたハーネス付きコネクタを接続するトップ装飾基板用接続コネクタ861(図44に示すように12ピンで構成)と、左上装飾基板872に接続されたハーネス付きコネクタを接続する左上装飾基板用接続コネクタ862(図44に示すように13ピンで構成)と、左下装飾基板873に接続されたハーネス付きコネクタを接続する左下装飾基板用接続コネクタ863(図44に示すように6ピンで構成)と、右上装飾基板874に接続されたハーネス付きコネクタを接続する右上装飾基板用接続コネクタ864(図44に示すように13ピンで構成)と、右下装飾基板875に接続されたハーネス付きコネクタを接続する右下装飾基板用接続コネクタ865(図44に示すように6ピンで構成)と、下パネル照明点灯基板876に接続されたハーネス付きコネクタを接続する下パネル照明点灯基板用接続コネクタ866(図44に示すように2ピンで構成)と、Lスピーカ201aに接続されたハーネス付きコネクタを接続するLスピーカ用接続コネクタ867(図44に示すように2ピンで構成)と、Rスピーカ201bに接続されたハーネス付きコネクタを接続するRスピーカ用接続コネクタ868(図44に示すように2ピンで構成)と、扉装飾駆動基板860から本体側の周辺中継基板123へ各信号を送出する対本体接続コネクタ部材859(20ピン雌型で構成)とが露出した状態で配設されている。
[周辺中継基板123と扉装飾駆動基板860とのコネクタ接続]
図44に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN2は周辺制御基板750のコネクタCN1と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN2及び周辺制御基板750のコネクタCN2は、20ピンで構成されている。
扉装飾駆動基板860と周辺中継基板123との接続は、扉装飾駆動基板860の対本体接続コネクタ部材859(CN1)に対応接続するコネクタ部材を一端に備えた対本体接続用ハーネス付きコネクタ(従来より周知の接続部材であるため図示せず)を用いて行われ、扉装飾駆動基板860の対本体接続コネクタ部材859(CN1)に対本体接続用ハーネス付きコネクタの一端を接続し、周辺中継基板123のコネクタCN2(図45参照)に対本体接続用ハーネス付きコネクタ910(図14参照)の他端を接続する。
図50においては周辺中継基板123のコネクタCN2のみを示し、扉装飾駆動基板860のCN1は図示を省略している。周辺中継基板123のコネクタCN2の1番ピンはSEL0の中継出力であり(セレクト信号0の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の1番ピンはSEL0の入力である(セレクト信号0の入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の2番ピンはSEL1の中継出力であり(セレクト信号1の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の2番ピンはSEL1の入力である(セレクト信号1の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の3番ピンはS−DATAの中継出力であり(シリアルの点灯データの中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の3番ピンはS−DATAの入力である(シリアルの点灯データの入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の4番ピンはS−CLKの中継出力であり(クロック信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の4番ピンはS−CLKの入力である(クロック信号の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の5番ピンはS−MODEの中継出力であり(モード信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の5番ピンはS−MODEの入力である(モード信号の入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の6番ピンはS−LATCHの中継出力であり(ラッチ信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の6番ピンはS−LATCHの入力である(ラッチ信号の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の7番ピン及び8番ピンはグランドGNDであり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の7番ピン及び8番ピンもグランドGNDである。周辺中継基板123のコネクタCN2の9番ピン及び10番ピンは+12V電源の中継出力であり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の9番ピン及び10番ピンは+12V電源の入力である。周辺中継基板123のコネクタCN2の11番ピン及び12番ピンはグランドGNDであり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンもグランドGNDである。
周辺中継基板123のコネクタCN2の13番ピン及び14番ピンは+SPK−Rの中継出力であり(右スピーカ201bのプラス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンは+SPK−Rの入力である(右スピーカ201bのプラス入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の15番ピン及び16番ピンは−SPK−Rの中継出力であり(右スピーカ201bのマイナス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の15番ピン及び16番ピンは−SPK−Rの入力である(右スピーカ201bのマイナス入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の17番ピン及び18番ピンは+SPK−Lの中継出力であり(左スピーカ201aのプラス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の17番ピン及び18番ピンは+SPK−Lの入力である(左スピーカ201aのプラス入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の19番ピン及び20番ピンは−SPK−Lの中継出力であり(左スピーカ201aのマイナス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の19番ピン及び20番ピンは−SPK−Lの入力である(左スピーカ201aのマイナス入力である)。
[周辺中継基板123と低音スピーカ221とのコネクタ接続]
図44に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN3は低音スピーカ221と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN3は4ピンで構成されている。図50に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN3の1番ピンは+SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス出力であり)、同コネクタCN3の2番ピンは−SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス出力であり)、同コネクタCN3の3番ピンは+SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス出力であり)、同コネクタCN3の4番ピンは−SPK−W2である(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス出力である)。
[扉形前面部材200の各装飾基板の配置]
上述のトップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876の各配設位置を図3において示す。トップ装飾基板871は、扉形前面部材200の前面上半部に配されている透明板214aの左右方向に向いた上辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。左上装飾基板872は、透明板214aの上下方向に向いた左辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。左下装飾基板873は、各リール停止ボタン211a〜211cの下方に配置された意匠板230(透明な樹脂製の板に遊技機種を象徴させるキャラクタ等が印刷されている部材)の左側方に位置する略三角形状の装飾パネルの内部に嵌め込まれている。右上装飾基板874は、透明板214aの上下方向に向いた右辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。右下装飾基板875は、意匠板230の右側方に位置する略三角形状の装飾パネルの内部に嵌め込まれている。下パネル照明点灯基板876及び下パネル照明877は、意匠板230の背後に配置されている。なお、下パネル照明点灯基板876はインバータで構成され、下パネル照明877は冷陰極管で構成され、意匠板230を背後から照明する。
[周辺制御基板750による制御]
図43に示されているサブ制御ブロックは、図43において点線で区切られている部分及び図44に記載されている周辺中継基板123に接続されているドアブロック部分と低音スピーカ221で構成されている。図43の周辺制御基板750の周辺制御MPU(サブCPUに相当する)は、主制御基板409から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、前述のリール照明LED基板503a,503bやバックライト基板
(第1リール〜第3リール)の発光ダイオードを点灯する点灯信号を出力したり、前述の左上装飾基板872に配設された発光体及び左下装飾基板873に配設された発光体で構成された左発光体217A(後述)、右上装飾基板874に配設された発光体及び右下装飾基板875に配設された発光体により構成された右発光体217B(後述)を階調点灯する階調点灯信号(点灯制御する点灯制御用データの一態様)を、扉形前面部材200の裏面に配置した、周辺制御基板750と別体に設けた扉装飾駆動基板860を介して出力したり、上述したトップ装飾基板871に配設された上発光体217C(後述)を点滅する点滅信号(点灯制御する点灯制御用データの一態様)を、扉装飾駆動基板860を介して出力したりする。
なお、左発光体217A及び右発光体217Bへの点滅信号や上発光体217Cへの階調点灯信号は、前述の周辺制御MPUのシリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期して出力されたシリアルデータS−DATA(点灯制御用データに相当する)と、パラレル入出力ポートから出力されたモード信号S−MODE、ラッチ信号S−LATCH及びセレクト信号SEL0,SEL1と、に基づいて、扉装飾駆動基板860が左発光体217A、右発光体217B及び上発光体217Cに出力するようになっている。
周辺制御基板750のVDPは、周辺制御MPUから出力された制御信号に基づいて画像ROMから画像を読み出して15.9液晶モジュール500bの表示制御を行う。15.9液晶モジュール500bにはバックライト(冷陰極管)が内蔵されており、液晶インバータ基板500aによって点灯されている。
周辺制御基板750の音源ICは、周辺制御MPUから出力された制御信号に基づいて音ROMから音情報を読み込み、周辺中継基板123を中継して接続された低音スピーカ221と、扉装飾駆動基板860を介して扉型前面部材200のLスピーカ201a,Rスピーカ201bとから各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
[扉装飾駆動基板860]
次に、扉装飾駆動基板860について説明する。図53は扉装飾駆動基板の簡易的な回路図である。扉装飾駆動基板860は、図53に示すように、セレクト回路860a、スイッチ回路860b、駆動回路860cを備えて構成されており、ここでは、まず扉装飾駆動基板860に入力される各種信号について説明し、続けてセレクト回路860a、スイッチ回路860b、駆動回路860cについて説明する。なお、図53では、セレクト回路860a等に供給される制御電圧である直流+5ボルト(V)や左発光体217A等に供給される駆動電圧である直流+12Vの図示を省略した。
[扉装飾駆動基板860に入力される各種信号]
扉装飾駆動基板860は、図53に示すように、周辺制御基板750の周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)からクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAが入力されている。クロック信号S−CLKは、本実施形態では1秒(s)あたり250kb(キロビット)の情報が出力できるように設定されている。
シリアルデータS−DATAは、データの形式の異なる、左発光体217A及び右発光体217Bを階調点灯する階調点灯データと、上発光体217Cを点滅する点滅データとが含まれている。ここで階調点灯データは、階調データ及び点灯データから構成されている。なお、これらの点滅データ及び階調点灯データは、周辺制御基板750の周辺制御ROMに予めテーブルとして別々に複数記憶されており、周辺制御MPUが必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATAとして作成し、扉装飾駆動基板860に出力するようになっている。
扉装飾駆動基板860には、クロック信号S−CLK、シリアルデータS−DATAのほかに、周辺制御MPU(パラレル入出力ポート)からセレクト信号SEL0,SEL1、モード信号S−MODE及びラッチ信号S−LATCHが入力されている。セレクト信号SEL0,SEL1は、周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)から出力されているシリアルデータS−DATAが点滅データであるか階調点灯データであるかをスイッチ回路860bに伝える信号であり、モード信号S−MODEは、階調点灯データが階調データであるか点灯データであるかを駆動回路860cに伝える信号であり、ラッチ信号S−LATCHは、駆動回路860cが取り込んだシリアルデータS−DATAに基づいて、左発光体217A及び右発光体217Bに階調点灯信号を出力開始する旨を、スイッチ回路860bを介して駆動回路860cに伝えたり、上発光体217Cに点滅信号を出力開始する旨を、スイッチ回路860bを介して駆動回路860cに伝えたりする信号である。
なお、周辺制御基板750と扉装飾駆動基板860との基板間の配線は、両端に接続用のコネクタ(20ピン)を有するハーネス付きコネクタの一端が周辺制御基板750のコネクタCN3(20ピン)に接続され、図16−1に示すように前記ハーネス(426)付きコネクタの他端427がコネクタホルダー428に取り付けられると共に(以上の構成が遊技ユニット側)、図8(a)に示すように、配線中継部材113に収められた周辺中継基板123のコネクタ125(図44及び図45ではCN1、20ピン)(外本体100側)と接続されている。そして、図14に示すように、両端に接続用のコネクタ(20ピン)を有するハーネス910付きコネクタの一端が、周辺中継基板123のコネクタCN2(20ピン)に接続され、ハーネス910付きコネクタの他端が、扉形前面部材200に引き伸ばされて扉装飾駆動基板860のコネクタCN1(20ピン)と接続されている(図52では符号859、図44参照)。これらのハーネスを介して、周辺制御MPUからのクロック信号S−CLK、シリアルデータS−DATA、セレクト信号SEL0,SEL1、モード信号S−MODE及びラッチ信号S−LATCHが扉装飾駆動基板860に伝わるようになっている。
[セレクト回路860a]
セレクト回路860aは、図53に示すように、インバータIC1A,IC1B(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC14)、論理積IC2A,IC3A(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC08)を備えて構成されている。
インバータIC1A,IC1Bの各々は、8つの反転回路を備えており、その2つ(IC1A,IC1B)にセレクト信号SEL0,SEL1がそれぞれ入力されている。論理積IC2A,IC3Aは、4つの論理積回路を備えている(なお、後述のIC2B〜IC2D、IC3B〜IC3Dも同様)。インバータIC1Aの入力端子1に入力されたセレクト信号SEL0は、入力された論理を反転して出力端子2から反転セレクト信号SEL0′として出力され、論理積IC2Aの入力端子2に入力されている。論理積IC2Aの入力端子1にはセレクト信号SEL1が入力されており、論理積IC2Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路860bに出力される。
インバータIC1Bの入力端子3に入力されたセレクト信号SEL1は、入力された論理を反転して出力端子4から反転セレクト信号SEL1′として出力され、論理積IC3Aの入力端子2に入力されている。論理積IC3Aの入力端子1にはセレクト信号SEL0が入力されており、論理積IC3Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路860bに出力される。
[スイッチ回路860b]
セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されるスイッチ回路860bは、図53に示すように、論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dを備えて構成されている。論理積IC2B,IC3Bの入力端子4にはシリアルデータS−DATAが入力され、論理積IC2B,IC3Bの入力端子5にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2B,IC3Bは論理積回路であるため、入力端子4,5の論理積をとってその演算結果が出力端子6から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、シリアルデータS−DATAを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板750と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、シリアルデータS−DATAを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATAを駆動回路860cに出力することがなくなる(意図しないシリアルデータS−DATAが駆動回路860cに出力されることを防止する)。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATAのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2C,IC3Cの入力端子9にはクロック信号S−CLKが入力され、論理積IC2C,IC3Cの入力端子10にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2C,IC3Cは論理積回路であるため、入力端子9,10の論理積をとってその演算結果が出力端子8から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板750と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたクロック信号S−CLKを駆動回路860cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はクロック信号S−CLKのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2D,IC3Dの入力端子12にはラッチ信号S−LATCHが入力され、論理積IC2D,IC3Dの入力端子13にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2D,IC3Dは論理積回路であるため、入力端子12,13の論理積をとってその演算結果が出力端子11から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、ラッチ信号S−LATCHを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板750と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、ラッチ信号S−LATCHを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたラッチ信号S−LATCHを駆動回路860cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はラッチ信号S−LATCHのノイズ対策としての役割も担っている。
[駆動回路860c]
スイッチ回路860bの論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dによる演算結果が入力される駆動回路860cは、図53に示すように、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6を備えて構成されている。
[点滅制御IC4]
点滅制御IC4は、本実施形態では、東京芝浦電気製のTB62709を用いている。このTB62709は、定電流ドライバであり、発光ダイオード等を直接駆動することができる。点滅制御IC4のDATA−IN端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATAが入力され、点滅制御IC4のCLOCK端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、点滅制御IC4のLOAD端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Dの演算結果、つまりラッチ信号S−LATCHが入力されている。なお、点滅制御IC4で取り込まれるシリアルデータS−DATAは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、点滅データとなるようになっている。
このように、点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATA(点滅データ)を取り込み、ラッチ信号S−LATCHが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DATA(点滅データ)に基づいて、OUT−a端子〜OUT−g端子から上発光体217Cに点滅信号を出力する。この点滅信号は定電流であり、この定電流が上発光体217Cに流れて上発光体217Cが点灯又は点滅する。
[左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6]
左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、本実施形態では、テキサス・インスツルメント(TI)製のTLC5922を用いている。このTLC5922には16チャンネルの出力があり、各出力チャンネルは個別のON/OFF制御に加え、チャンネルごとに、0〜80ミリアンペア(mA)の範囲でプログラム可能な定電流を流すことができる(これらの設定はMODE信号に基づいて行われる)。また、1個の外付け抵抗(図示しない)により最大出力電流を設定し、この最大出力電流に対して、0〜127の128段階で出力電流を、チャンネルごとに出力することができる。
左側用階調制御IC5のSIN端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATAが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のSCLK端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のXLAT端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Dの演算結果、つまりラッチ信号S−LATCHが入力されている。また、左側用階調制御IC5のSOUT端子と右側用階調制御IC6のSIN端子とが電気的に接続されており、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6がデイジーチェーン接続されている。これにより、左側用階調制御IC5のSIN端子に入力されたシリアルデータS−DATAはSOUT端子から右側用階調制御IC6のSIN端子に入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6はシリアルデータS−DATAを取り込むことができる。左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のMODE端子には、モード信号S−MODEが入力されている。なお、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6で取り込まれるシリアルデータS−DATAは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、階調データ及び点灯データから構成された階調点灯データとなるようになっている。
このように、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATA(階調点灯データ)を取り込み、ラッチ信号S−LATCHが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DATA(階調点灯データ)に基づいて、左側用階調制御IC5はそのOUT0端子〜OUT15端子から左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6はそのOUT0端子〜OUT15端子から右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。この階調点灯信号は、設定された階調データに基づいて最大出力電流に対して0〜127段階の電流が左発光体217A及び右発光体217Bに流れて左発光体217A及び右発光体217Bが点灯又は階調点灯する。
[点滅データ及び階調点灯データの出力シーケンス]
次に、上述した周辺制御基板750の周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)から出力するシリアルデータS−DATAの出力シーケンスについて説明する。このシリアルデータS−DATAは、上述したように、点滅データ及び階調データにより構成されており、周辺制御基板750の周辺制御ROMに予めテーブルとして複数記憶されている。周辺制御MPUは、必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATAとして作成し、扉装飾駆動基板860に出力する。
図54はシリアルデータの出力シーケンスの一例を示すタイミングチャートである。周辺制御基板750の周辺制御MPUは、図54に示すように、パラレル入出ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIにして出力するとともに、セレクト信号SEL1の論理をLOWにして出力する(タイミングT0)。セレクト信号SEL0の論理をHI、セレクト信号SEL1の論理をLOWにすることでシリアルデータS−DATAが点滅データであることを扉装飾駆動基板860に伝えている。
タイミングT0の後、点滅データの出力シーケンスを開始し(タイミングT1)、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAである点滅データを扉装飾駆動基板860に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWにして出力することによって、図53に示した、扉装飾駆動基板860の点滅制御IC4が点滅データを取り込む。その後、シリアル入出力ポートから点滅データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をHIにして出力することによって、点滅制御IC4は、ラッチ信号S−LATCHを契機として取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217Cに点滅信号を出力し、上発光体217Cが点灯又は点滅する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をLOWからHIにして出力する
(タイミングT2)。これにより、点滅データの出力シーケンスが完了する。
タイミングT2の後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIからLOWにして出力し、階調点灯データの出力シーケンスを開始する(タイミングT3)。セレクト信号SEL0の論理をLOW、セレクト信号SEL1の論理をHIにすることでシリアルデータS−DATが階調データであることを扉装飾駆動基板860に伝えている。
タイミングT3の後、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAである階調データを扉装飾駆動基板860に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWにして出力することによって、図53に示した扉装飾駆動基板860の左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6が階調点灯データを取り込む。このとき、モード信号S−MODEの論理がHIとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち階調データを取り込む。
シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち階調データをすべて出力すると、図示しないが、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWからHIにして出力し、その後、ラッチ信号S−LATCHの論理をHIからLOWにして出力する。そしてパラレル入出力ポートからモード信号S−MODEの論理をHIからLOWにする。このとき、モード信号S−MODEの論理がLOWとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち点灯データを取り込む。シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち点灯データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCH及びモード信号S−MODEの論理をLOWからHIにすることによって、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、ラッチ信号S−LATCHを契機として取り込んだ階調データに基づいて、左側用階調制御IC5は左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217Bに階調点灯信号を出力し、左発光体217A及び右発光体217Bが点灯又は階調点灯する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCH及びモード信号S−MODEの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をHIからLOWにして出力する(タイミングT4)。これにより、階調点灯データの出力シーケンスが完了する。
以上説明した本実施形態のスロットマシン1は、周辺制御基板750、扉装飾駆動基板860を備えている。周辺制御基板750は、シリアル入出力ポート及びパラレル入出力ポートが内蔵されたマイクロプロセッサである周辺制御MPUを実装する。扉装飾駆動基板860は、周辺制御基板750と別体に設けられており、周辺制御MPUのシリアル入出力ポートから出力されたシリアルデータS−DATAに基づいて、上発光体217Cに点滅信号を出力し、左発光体217A及び右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。
扉装飾駆動基板860は、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6、セレクト回路860aを備えている。点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATAの点滅データを取り込み、かつ、上発光体217Cに点滅信号を出力する。左側用階調制御IC5は、シリアルデータS−DATAの階調点灯データを取り込み、左発光体217Aに階調点灯信号を出力する。右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATAの階調点灯データを取り込み、右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。セレクト回路860aは、周辺制御MPUのパラレル入出力ポートから出力されたセレクト信号SEL0,SEL1に基づいて、シリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替える。
シリアルデータS−DATAは、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データとから構成されており、点滅データと階調点灯データとの形式が異なっている。
このように、シリアルデータS−DATAは、データの形式が異なる、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データと、から構成されており、セレクト回路860aが、そのシリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替えている。したがって、取り込むシリアルデータS−DATAの形式が異なる、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6を備えても、1つのシリアルデータS−DATAとして取り扱うことができる。
点滅制御IC4は、点滅データを取り込み、上発光体217Cに点滅信号を出力し、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調データ及び点灯データから構成された階調データを取り込み、左側用階調制御IC5は左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。
シリアルデータS−DATAは、形式の異なる、点滅データ及び階調点灯データから構成されており、セレクト回路860aは、周辺制御MPUのパラレル入出力ポートから2本のセレクト信号SEL0,SEL1が入力されており、セレクト信号SEL0の論理がHIであり、かつ、セレクト信号SEL1の論理がLOWであるときには点滅データを点滅制御IC4に出力する一方、セレクト信号SEL0の論理がLOWであり、かつ、セレクト信号SEL1がHIであるときには階調点灯データを、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力する。
こうすれば、1つのシリアルデータS−DATAで、点滅制御IC4に点滅データ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に階調点灯データを、セレクト回路860aに入力された、セレクト信号SEL0,SEL1によって出力することができる。これにより、点滅制御IC4は取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217Cに点滅信号を出力することができ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は取り込んだ階調点灯データに基づいて、左側用階調制御IC5が左発光体217Aに階調点灯信号を出力することができ、右側用階調制御IC6が右発光体217Bに階調点灯信号を出力することができる。
更に、セレクト回路860aに入力されるセレクト信号SEL0,SEL1の論理が共にHI又はLOWであるとき、つまり同論理であるときには、スイッチ回路860bによる点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6へのシリアルデータS−DATA、クロック信号S−CLK及びラッチ信号S−LATCHの出力は行われない。セレクト信号SEL0,SEL1にノイズが侵入すると、その論理が同一(同論理)になる性質がある。この性質を利用して、セレクト回路860aに入力されたセレクト信号SEL0,SEL1の論理が同論理になると、スイッチ回路860bが、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力しなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATAのノイズ対策としての役割も担っている。
以上に説明したように、遊技ユニットを外本体100の開口109の内部に着脱交換するに際し、コネクタホルダー428を配線中継部材113に着脱可能に結合することにより、コネクタホルダー428のコネクタ425(主制御系配線類接続用コネクタ)と主中継基板122のコネクタ124(主中継用コネクタ)とが接離可能に接続され、かつコネクタホルダー428のコネクタ427(周辺制御系配線類接続用コネクタ)と周辺中継基板123のコネクタ125(周辺中継用コネクタ)とが接離可能に接続されるので、接続に供するコネクタの数が2つで済むから、接続に供するコネクタの数を減らすことができ、機種交換に際して、機種に依存しない本体部分に対して機種に依存する部分としての遊技ユニットの分離/結合の作業を容易に行うことができる。
周辺制御基板750のマイクロプロセッサ(周辺制御MPU)のシリアル出力ポートから点灯制御用データをシリアルデータで出力し、扉装飾駆動基板860の駆動回路860cへシリアル通信により送信する構成としたので、周辺中継基板123から扉装飾駆動基板860に至るまでのハーネスの本数を減らすことができ(点灯制御用データを伝達するに要する信号線をS−DATAの1つとすることができる結果)、扉形前面部材200が回動可能に外本体100の前面一側に取り付けているヒンジ近くの屈曲する部分のハーネスの本数を減らすことになり、扉形前面部材200と外本体100との間にハーネスが挟み込まれる虞を低く抑えることができ(ハーネスを傷めてしまうというトラブルを激減でき)、信頼性が向上する。
[主制御基板409から周辺制御基板750へのコマンド送信]
図56は、本実施形態における主制御基板409から周辺制御基板750(サブ制御基板)へのコマンド送信における各信号(SEL,WR,D0〜D3)のオンオフタイミングを示すタイムチャートである。主制御基板409に配備されるメインCPU(遊技制御を行う主制御手段)は、所定時間毎(本実施形態では、例えば、1.49msとしている)に発生するタイマ割込に応じてタイマ割込処理ルーチンを実行する。メインCPUによるコマンド送信は、タイマ割込処理ルーチンにおける一連の処理の内の1つとして実行される。図56に示されている「割込周期」は、メインCPUにおいて発生するタイマ割込のタイミングである。
主制御基板409から周辺制御基板750に送信するコマンドデータは、4ニブル(1ニブル=4ビット)で1パケットで構成されている。さらに、詳しくは、このうち、ステータス(1コマンドにおけるステータス部)が1バイト(**Hの形式)、モード(1コマンドにおけるモード部)が1バイト(**Hの形式)で構成され、全体では2バイトの大きさとなる。また、ステータス及びモードで1つのコマンドとして周辺制御基板750のサブCPU(演出に関わる制御処理を行うサブ制御手段)に認識される。図56に示すように、主制御基板409から周辺制御基板750へは、D0〜D3の4ビットにより、ステータスの上位4ビット、ステータスの下位4ビット、モードの上位4ビット、モードの下位4ビットの順序で出力される。
SEL信号は、主制御基板409によりコマンド送信の開始から終了までオンされる。また、サブCPUでは、SEL信号のオンからオフへの立ち下りでINT2割込が発生し、SEL割込処理が実行される。なお、SEL信号のオンからオフへの立ち下りでINT2割込を発生させる設定は、電源投入時にサブCPUが行う初期設定処理にて設定される。
WR信号は、請求項1に記載のストローブ信号に相当する信号である。WR信号は、主制御基板409によりコマンドデータD0〜D3にコマンドデータを出力する際にオンされる。図56において、時間T0は、コマンドデータの最初の4ビットの出力からSEL信号及びWR信号の立ち上がりまでの時間である。また、時間T1は、コマンドデータの2番目に送信される4ビットの出力からWR信号の立ち上がりまでの時間である。時間T2はWR信号のオン時間である。WR信号のオン時間は、サブCPUがコマンドデータD0〜D3を取り込むのに足るだけの時間とされている。なお、WR信号のオン時間は、例えば、ほぼ22μsとしてあり、メインCPU及びサブCPUに予め設定記憶されている。また、サブCPUでは、WR信号のオフからオンへの立ち上がりでINT1割込が発生し、コマンド受信割込処理が実行される。なお、WR信号のオフからオンへの立ち上りでINT1割込を発生させる設定は、電源投入時にサブCPUが行う初期設定処理にて設定される。また、時間T4は、SEL信号及びWR信号のオフ状態の保持時間である。図56に示されるように、本実施形態では、8回分のタイマ割込(1.49ms×8)により1コマンド(2バイト)を送信するようになっている。しかしながら、実施形態のものに限らず、タイマ割込毎に4ビットずつ送信するようにしてもよい。
[メインCPU/コマンド出力処理]
図57乃至図58は、主制御基板409のメインCPUが実行するコマンド出力処理のフローチャートである。コマンド出力処理は、所定時間毎(例えば、1.49ms)に発生するタイマ割込に応じて実行されるタイマ割込処理ルーチンにおける一連の処理の内の1つの処理として実行される。
メインCPUは、コマンド出力処理を開始すると、まず、コマンドフラグが「1(コマンドあり)」であるか否かを判別する(ステップS10)。コマンドフラグは、サブCPUに対して送信するコマンドが準備されているか否かを識別するためのフラグであり、図示しない遊技に関わる各処理において、遊技状態に応じて送信するコマンドデータがSTTSエリア(ステータスエリア)及びMODEエリア(モードエリア)にセットされた場合に、「1(コマンドあり)」がセットされるものである。メインCPUは、コマンドフラグが「1(コマンドあり)」でなければ、即ち、送信すべきコマンドデータがなければ、ステップS10をNOと判別し、コマンド出力処理を抜けてタイマ割込処理ルーチンにリターンする。
一方、コマンドフラグが「1(コマンドあり)」であれば、即ち、送信すべきコマンドデータがある場合、メインCPUは、ステップS10をYESと判定し、ステップS11に進み、割込回数カウンタNの値が0であるか否かを判別する(ステップS11)。ここで、割込回数カウンタNは、0乃至7の範囲内で循環的に更新されるカウンタで、コマンド出力処理が実質的に実行される毎に+1づつ値が更新される。但し、割込回数カウンタNの値が7の場合は0に戻される。なお、割込回数カウンタNの初期値は0とされているものとする。メインCPUは、割込回数カウンタNの値が0である場合、即ち、図56の1番目のタイマ割込である場合、ステップS11をYESと判別し、ステップS12に進む。
メインCPUは、割込回数カウンタNの値を+1し(ステップS12)、コマンドデータのSTTSエリアの上位4ビットを読み出し(ステップS13)、読み出した4ビットのデータを出力ポート(D0〜D3に対応する)から出力し(ステップS14)、NOP命令(何も実行しない)を3回実行し(ステップS15)、SEL信号の出力ポートをオンし(ステップS16)、WR信号の出力ポートをオンし(ステップS17)、ステップS18に進む。なお、NOP命令を3回実行する処理時間が、図56の時間T0に相当している。
ステップS18に進むと、メインCPUは、タイマレジスタにWR信号のオン時間(この実施形態では22μs)に相当するウエイト値をセットし(ステップS18)、ステップS19に進んで、タイマレジスタのウエイト値を−1し(ステップS19)、タイマレジスタのウエイト値が0に達したか否かを判別する(ステップS20)。タイマレジスタのウエイト値が0に達していなければ、メインCPUはステップS20をNOと判別し、ステップS19に戻る。以下、タイマレジスタのウエイト値が0になるまで、ステップS19及びステップS20をNOと判別する処理を繰り返す。そして、タイマレジスタのウエイト値が0に達すると、WR信号のオン時間が経過したことになり、ステップS20をYESと判別し、WR信号の出力ポートをオフし(ステップS21)、コマンド出力処理を抜けてタイマ割込処理ルーチンにリターンする。このように、図56の時間T2に相当するオン時間だけWR信号がオンされる。
以後、次のタイマ割込の発生に応じて行われるコマンド出力処理では、ステップS10をYESと判別し、更新アップされた割込回数カウンタNの値1に基づいて、ステップS11をNOと判別し、ステップS22の割込回数カウンタNの値が1であるか否か、即ち、図56の2番目のタイマ割込であるか否かの判別処理をYESと判別し、ステップS23に進む。メインCPUは、割込回数カウンタNの値を+1し(ステップS23)、この場合、割込回数カウンタNの値は2となる。次いで、SEL信号の出力ポートをオンし(ステップS24)、WR信号の出力ポートをオフし(ステップS25)、コマンド出力処理を抜けてタイマ割込処理ルーチンにリターンする。つまり、本割込周期では、SEL信号のオン状態及びWR信号のオフ状態を維持する。
以後、次のタイマ割込の発生に応じて行われるコマンド出力処理では、ステップS10をYESと判別し、更新アップされた割込回数カウンタNの値2に基づいて、ステップS11をNOと判別し、ステップS22をNOと判別し、ステップS26の割込回数カウンタNの値が2であるか否か、即ち、図56の3番目のタイマ割込であるか否かの判別処理をYESと判別し、ステップS27に進む。メインCPUは、割込回数カウンタNの値を+1し(ステップS27)、この場合、割込回数カウンタNの値は3となる。次いで、コマンドデータのSTTSエリアの下位4ビットを読み出し(ステップS28)、読み出した4ビットのデータを出力ポート(D0〜D3に対応する)から出力し(ステップS29)、NOP命令(何も実行しない)を3回実行し(ステップS30)、WR信号の出力ポートをオンし(ステップS31)、ステップS18に進む。なお、NOP命令を3回実行する処理時間が、図56の時間T1に相当している。
以下、前述と同様、ステップS18〜ステップS21の処理を行い、コマンド出力処理を抜けてタイマ割込処理ルーチンにリターンする。従って、WR信号をオンした処理後、オン時間(22μs)をタイマで待ち、WR信号をオフする。この結果、図56に示すように、コマンドデータのSTTSエリアの下位4ビットの出力に対して、時間T2に相当するオン時間だけWR信号がオンされる。
以後、次のタイマ割込の発生に応じて行われるコマンド出力処理では、ステップS10をYESと判別し、更新アップされた割込回数カウンタNの値3に基づいて、ステップS11をNOと判別し、ステップS22をNOと判別し、ステップS26をNOと判別し、ステップS32の割込回数カウンタNの値が4であるか否かをNOと判別し、ステップS35の割込回数カウンタNの値が6であるか否かをNOと判別し、ステップS38の割込回数カウンタNの値が7であるか否かをNOと判別し、ステップS23に進み、割込回数カウンタNの値を+1し(ステップS23)、この場合、割込回数カウンタNの値は4となる。次いで、SEL信号の出力ポートをオンし(ステップS24)、WR信号の出力ポートをオフし(ステップS25)、コマンド出力処理を抜けてタイマ割込処理ルーチンにリターンする。
以後、次のタイマ割込の発生に応じて行われるコマンド出力処理では、ステップS10をYESと判別し、更新アップされた割込回数カウンタNの値4に基づいて、ステップS11をNOと判別し、ステップS22をNOと判別し、ステップS26をNOと判別し、ステップS32の割込回数カウンタNの値が4であるか否かをYESと判別し、ステップS33に進む。メインCPUは、割込回数カウンタNの値を+1し(ステップS33)、この場合、割込回数カウンタNの値は5となる。次いで、コマンドデータのMODEエリアの上位4ビットを読み出し(ステップS34)、読み出した4ビットのデータを出力ポート(D0〜D3に対応する)から出力し(ステップS29)、NOP命令(何も実行しない)を3回実行し(ステップS30)、WR信号の出力ポートをオンし(ステップS31)、ステップS18に進む。
以下、前述と同様、ステップS18〜ステップS21の処理を行い、コマンド出力処理を抜けてタイマ割込処理ルーチンにリターンする。従って、WR信号をオンした処理後、オン時間(22μs)をタイマで待ち、WR信号をオフする。この結果、図56に示すように、コマンドデータのMODEエリアの上位4ビットの出力に対して、時間T2に相当するオン時間だけWR信号がオンされる。
以後、次のタイマ割込の発生に応じて行われるコマンド出力処理では、ステップS10をYESと判別し、更新アップされた割込回数カウンタNの値5に基づいて、ステップS11をNOと判別し、ステップS22をNOと判別し、ステップS26をNOと判別し、ステップS32をNOと判別し、ステップS35をNOと判別し、ステップS38をNOと判別し、ステップS23に進み、割込回数カウンタNの値を+1し(ステップS23)、この場合、割込回数カウンタNの値は6となる。次いで、SEL信号の出力ポートをオンし(ステップS24)、WR信号の出力ポートをオフし(ステップS25)、コマンド出力処理を抜けてタイマ割込処理ルーチンにリターンする。
以後、次のタイマ割込の発生に応じて行われるコマンド出力処理では、ステップS10をYESと判別し、更新アップされた割込回数カウンタNの値6に基づいて、ステップS11をNOと判別し、ステップS22をNOと判別し、ステップS26をNOと判別し、ステップS32をNOと判別し、ステップS35の割込回数カウンタNの値が6であるか否かをYESと判別し、ステップS36に進む。メインCPUは、割込回数カウンタNの値を+1し(ステップS36)、この場合、割込回数カウンタNの値は7となる。次いで、コマンドデータのMODEエリアの下位4ビットを読み出し(ステップS37)、読み出した4ビットのデータを出力ポート(D0〜D3に対応する)から出力し(ステップS29)、NOP命令(何も実行しない)を3回実行し(ステップS30)、WR信号の出力ポートをオンし(ステップS31)、ステップS18に進む。
以下、前述と同様、ステップS18〜ステップS21の処理を行い、コマンド出力処理を抜けてタイマ割込処理ルーチンにリターンする。従って、WR信号をオンした処理後、オン時間(22μs)をタイマで待ち、WR信号をオフする。この結果、図56に示すように、コマンドデータのMODEエリアの下位4ビットの出力に対して、時間T2に相当するオン時間だけWR信号がオンされる。
以後、次のタイマ割込の発生に応じて行われるコマンド出力処理では、ステップS10をYESと判別し、更新アップされた割込回数カウンタNの値7に基づいて、ステップS11をNOと判別し、ステップS22をNOと判別し、ステップS26をNOと判別し、ステップS32をNOと判別し、ステップS35をNOと判別し、ステップS38をYESと判別し、ステップS39に進み、割込回数カウンタNの値に0をセットする(ステップS39)。次いで、1コマンドの出力が完了したことに対応してコマンドフラグを0クリアし(ステップS40)、SEL信号の出力ポートをオフし(ステップS41)、コマンド出力処理を抜けてタイマ割込処理ルーチンにリターンする。従って、次のタイマ割込の発生までの間、図56に示すように、時間T4に相当する時間だけ、SEL信号及びWR信号のオフ状態が保持される。
[サブCPU/SEL割込処理]
SEL信号のオンからオフへの立ち下りによってサブCPUにINT2割込が発生し、SEL割込処理が実行される。図59は、周辺制御基板750(サブ制御基板)のサブCPUが実行するSEL割込処理のフローチャートである。サブCPUは、SEL割込処理を開始すると、取得したコマンドデータの格納エリアを指定するためのバッファカウンタの値を4の倍数となるように切り捨て(ステップA50)、SEL割込処理を抜けて図示しないメインルーチンにリターンする。例えば、ステップA50を行う前のバッファカウンタの値が0,1,2,3のうちの何れかであった場合は、ステップA50を実行後は、バッファカウンタの値が0となる。また、例えば、ステップA50を行う前のバッファカウンタの値が4,5,6,7のうちの何れかであった場合は、ステップA50を実行後は、バッファカウンタの値が4となる。なお、バッファカウンタの値は、電源投入に伴って実行される初期化処理にて、初期値0がセットされる。
[サブCPU/コマンド受信割込処理]
WR信号のオフからオンへの立ち上りによってサブCPUにINT1割込が発生し、コマンド受信割込処理が実行される。図60は、周辺制御基板750(サブ制御基板)のサブCPUが実行するコマンド受信割込処理のフローチャートである。サブCPUは、コマンド受信割込処理を開始すると、まず割込禁止に設定する(ステップA60)。このため、INT1割込が禁止される。次いで、サブCPUは、SEL信号がオンとなっているか否かを判断する(ステップA61)。SEL信号がオンとなっていない場合、即ち、WR信号のオフからオンへの立ち上りによってサブCPUにINT1割込が発生した状態で、SEL信号がオフである場合、ステップA61をNOと判定し、ステップA70において割込禁止の設定を解除し(ステップA70)、SEL割込処理を抜けて図示しないメインルーチンにリターンする。この場合、INT1割込の禁止が解除されるため、INT1割込が可能となる。
一方、SEL信号がオンとなっている場合、即ち、WR信号のオフからオンへの立ち上りによってサブCPUにINT1割込が発生した状態で、SEL信号がオンである場合、図56に示すように、正常のタイミングであり、サブCPUは、ステップA61をYESと判定し、ステップA62に進む。サブCPUは、レジスタに記憶されている内容を退避し(ステップA62)、コマンドデータD0〜D3(4ビットのデータ)の受信バッファに取得し(ステップA63)、取得したコマンドデータをバッファカウンタの値で指定される格納エリアに格納する(ステップA64)。例えば、バッファカウンタの値が0の場合、取得したステータスの上位4ビットがバッファカウンタの値0で指定される格納エリアに格納される。
次いで、サブCPUは、バッファカウンタの値を+1する(ステップA65)。この場合、バッファカウンタの値は1となる。次に、サブCPUはステップA66に進み、タイマレジスタにWR信号のオン時間(この実施形態では22μs)に相当するウエイト値をセットし(ステップA66)、ステップA67に進んで、タイマレジスタのウエイト値を−1し(ステップA67)、タイマレジスタのウエイト値が0に達したか否かを判断する(ステップA68)。タイマレジスタのウエイト値が0に達していなければ、サブCPUはステップA68をNOと判定し、ステップA67に戻る。以下、タイマレジスタのウエイト値が0になるまで、ステップA67及びステップA68をNOと判定する処理を繰り返す。そして、タイマレジスタのウエイト値が0に達すると、WR信号のオン時間が計時されたことになり、ステップA68をYESと判別し、ステップA69にて、退避させておいたレジスタの記憶内容を元のレジスタに復帰させ(ステップA69)、ステップA70において割込禁止の設定を解除し(ステップA70)、SEL割込処理を抜けて図示しないメインルーチン(INT1割込前の処理)にリターンする。よって、INT1割込の禁止が解除されるため、INT1割込が可能となる。
なお、サブCPUは、外部割込に対して「高速割込」と呼ばれる制御方法がソフト的な初期設定で選択可能であり、「高速割込」を予め選択しておくと、割込制御状態に高速で遷移する。この「高速割込」を使い、割込制御処理においてコマンドデータの取込(取得及び格納)を行うと、WR信号がオフする前に既にサブ制御基板でコマンドの取込が終了している状態になる。一方で、例えば、WR信号がオンしている状態の時に、WR信号線にノイズが入り込むと、瞬間的にWR信号がオフとなる。WR信号は、ノイズが消えると再度オン状態に戻るため、サブ制御基板にて再度割込が発生し、再度割込制御処理においてコマンドデータの取込が行われることになり、同一のコマンドの重複した取り込みが発生してしまうという不具合を生じる。本発明は、サブCPUにおいて外部割込に対して「高速割込」を設定し、外部から与えられるWR信号の立ち上がり(又は立ち下り)で「高速割込」を実行し、「高速割込」による割込制御処理においてコマンドデータの取込(取得及び格納)を行う構成とした場合に顕在化した上記不具合を解消することができる。
即ち、以上の説明から理解されるように、サブCPUは、ステップA63及びステップA64により、コマンドデータD0〜D3(4ビットのデータ)を取得してコマンドデータをバッファカウンタの値で指定される格納エリアに格納した後も、WR信号が立ち下がるまで、即ち、タイマレジスタにセットしたWR信号のオン時間(ウエイト値)が計時されるまで、コマンド受信割込処理を継続して行い(ステップA67及びステップA68をNOと判定してステップA67に戻る)、WR信号のオン時間が計時された時点で(ステップA68をYESと判定した時点で)、INT1割込の禁止を解除する(ステップA70)。従って、WR信号がオンとなっている間は、当該のコマンド受信割込処理において再度のINT1割込が禁止されている。従って、取得したコマンドデータを格納エリアに格納した後に、ノイズ等によりWR信号が瞬間的に立ち下り、再度立ち上がった場合でも、INT1割込がかかることがなく、ノイズによる同一コマンドの重複した取り込みを防止することができる。
また、SEL信号(セレクト信号)が入力されている場合に(ステップA61がYES)コマンドの取込処理(ステップA63〜ステップA64)を実行する一方、セレクト信号が入力されていない場合は(ステップA61がNO)、割込禁止の設定を解除し(ステップA70)、割込処理を終了する構成であるので(コマンドの取込処理を行わない構成であるので)、正常なWR信号(ストローブ信号)によってではなくノイズにより誤ったINT1割込が発生した場合、WR信号(ストローブ信号)のみによってコマンドの取込処理を実行することがなく、誤ったコマンドの取り込みを防止することができる。また、WR信号のオン時間(22μs)は、サブCPUがコマンドを取り込むのに足るだけの時間とされているため、確実にコマンドを取り込むことができる。
以後、次のINT1割込の発生に応じて行われるコマンド受信割込処理では、バッファカウンタの値が1である条件のもとに上述のステップA60、ステップA61をYESと判定、ステップA62〜ステップA70までの処理(正常ルーチンという)が行われることにより、図56に示すように、コマンドデータとしてステータスの下位4ビットが取得され(ステップA63)、取得されたステータスの下位4ビットがバッファカウンタの値1で指定される格納エリアに格納される(ステップA64)。そして、バッファカウンタの値が+1されて2となる(ステップA65)。また、当然、WR信号がオンとなっている間は、当該のコマンド受信割込処理において再度のINT1割込が禁止されている。
また、その次のINT1割込の発生に応じて行われるコマンド受信割込処理では、バッファカウンタの値が2である条件のもとに上述のステップA60、ステップA61をYESと判定、ステップA62〜ステップA70までの処理(正常ルーチンという)が行われることにより、図56に示すように、コマンドデータとしてモードの上位4ビットが取得され(ステップA63)、取得されたモードの上位4ビットがバッファカウンタの値2で指定される格納エリアに格納される(ステップA64)。そして、バッファカウンタの値が+1されて3となる(ステップA65)。また、当然、WR信号がオンとなっている間は、当該のコマンド受信割込処理において再度のINT1割込が禁止されている。
さらに、その次のINT1割込の発生に応じて行われるコマンド受信割込処理では、バッファカウンタの値が3である条件のもとに上述のステップA60、ステップA61をYESと判定、ステップA62〜ステップA70までの処理(正常ルーチンという)が行われることにより、図56に示すように、コマンドデータとしてモードの下位4ビットが取得され(ステップA63)、取得されたモードの下位4ビットがバッファカウンタの値3で指定される格納エリアに格納される(ステップA64)。そして、バッファカウンタの値が+1されて4となる(ステップA65)。また、当然、WR信号がオンとなっている間は、当該のコマンド受信割込処理において再度のINT1割込が禁止されている。
以上の4回のINT1割込発生に応じて行われる計4回のコマンド受信割込処理を行うことにより、格納バッファ(0)、格納バッファ(1)、格納バッファ(2)、格納バッファ(3)のそれぞれに、ステータスの上位4ビット、ステータスの下位4ビット、モードの上位4ビット、モードの下位4ビットが格納され、サブ制御基板おいて1コマンドの受け渡しが完了となる。なお、本実施形態のタイミングによれば、図56に示すように、モードの上位4ビットに対応するWR信号がオンからオフに立ち下がった後に、SEL信号がオンからオフに立ち下がるようになっている。SEL信号がオンからオフに立ち下がると、前述のSEL割込処理が実行され、バッファカウンタの値を4の倍数となるように切り捨てられる(図59参照)。この場合、バッファカウンタの値は4となる。そして、サブCPUは、図示しないコマンドに応じた演出を行わせるための制御処理で、バッファカウンタの値が4であるか否かの判定を行い、バッファカウンタの値(現在値では4)が4であると判定すると、格納バッファ(0)〜格納バッファ(3)から各データの読み出しを行い、読み出したコマンドに応じた演出を行わせるための制御を行うと共に、バッファカウンタの値を0に戻す。
[停止されたリールの入賞判定に係る入賞ライン]
次に、3ベット数に対応する有効ラインと有効ラインの数について具体的に説明する。図3に示すケース部材400の開口部401の前面に透明板214aが配置され、遊技者は透明板214aを通して左、中、右の3つのリールで9個分の図柄を視認することができる。
図61は、透明板214aを通して視認される入賞ラインを示す図である。各リールにはそれぞれ下段表示位置、中段表示位置、上段表示位置が設定されている。そして、3ベットに対応する有効ラインは、図61に図示されるL1〜L5の5ラインである。
上述した有効ラインとしてのL1は、左リールの上段位置と中リールの上段位置と右リールの上段位置とを繋いだ「上段−上段−上段」となる上段水平の有効ライン(上段水平ライン)である。L2は、左リールの中段位置と中リールの中段位置と右リールの中段位置とを繋いだ「中段−中段−中段」となる中段水平の有効ライン(中段水平ライン)である。L3は、左リールの下段位置と中リールの下段位置と右リールの下段位置とを繋いだ「下段−下段−下段」となる上段水平の有効ライン(中段水平ライン)である。L4は、左リールの上段位置と中リールの中段位置と右リールの下段位置とを繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの有効ライン(右下がりライン)である。L5は、左リールの下段位置と中リールの中段位置と右リールの上段位置とを繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの有効ライン(右上がりライン)である。
また、全リール301a,301b,301cが停止した時に入賞判定の対象とされる有効化された入賞ラインは、点灯により遊技者に知らされる。そして、内部抽選にて当選した当選役に対応する図柄組み合わせが有効化された入賞ライン上に揃うと入賞となる。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、図62に示すように、複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から21番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図62では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部401(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓401として統一する)を介して視認可能となるように配置されている。
図柄の種類は、図62に示すように、「7」図柄、「ベル」図柄、「チェリー」図柄、「スイカ」図柄および「リプレイ」図柄がある。
「7」図柄は、赤で塗りつぶされている「赤7」図柄(リール帯321a,321b,321cそれぞれの配列番号3およびリール帯321bの配列番号6が相当する)、青で塗りつぶされている「青7」図柄(リール帯321aおよび321cの配列番号10、並びに、リール帯321bの配列番号11および14が相当する)、白で塗りつぶされている「白7」図柄(リール帯321aおよび321cの配列番号17、並びに、リール帯321bの配列番号19が相当する)の3種類がある。ただし、「7図柄」が内部抽選の結果としての当選役である場合には、色別の区別がされることなく、図柄表示窓には上記3種類のいずれの「7」の組み合わせも出現しうる。
「ベル」図柄は、「赤ベル」図柄(リール帯321aの配列番号2、リール帯321bの配列番号2および5、リール帯321cの配列番号1が相当する)、「青ベル」図柄(リール帯321aの配列番号9、リール帯321bの配列番号10および13、リール帯321cの配列番号8が相当する)、「白ベル」図柄(リール帯321aの配列番号16、リール帯321bの配列番号18、リール帯321cの配列番号15が相当する)の3種類がある。
図62に示すように、「赤ベル」図柄は「赤7」図柄の近傍に配置されており、「青ベル」図柄は「7」図柄の近傍に配置されており、「白ベル」図柄は「白7」図柄の近傍に配置されている。したがって、フラグの成立如何によっては、「赤7」図柄を後述する有効ライン上に出現するように狙って停止操作すると「赤ベル」を有効ライン上に出現させることが可能であり、「青7」図柄を有効ライン上に出現するように狙って停止操作すると「青ベル」を有効ライン上に出願させることが可能であり、「白7」図柄を有効ライン上に出現するように狙って停止操作すると「白ベル」を有効ライン上に出願させることが可能である。なお、本実施形態では、停止操作してからリールが停止されるまでの最大滑り数(所謂引き込みコマ数)は4コマ(4図柄)である。
「チェリー」図柄は、チェリーを形どった図柄であり(例えば、リール帯321aの配列番号13等)、「リプレイ」図柄は、「RP」という文字の書かれた図柄であり(例えば、リール帯321aの配列番号1等)、「スイカ」図柄は、スイカを形どった図柄である(例えば、リール帯321aの配列番号21等)。
ここで、スロットマシン1によるゲームの概要を説明する。スロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの掛け数を決定した状態で始動レバー210を操作したことに基づいて、複数の抽選フラグのうち少なくとも一以上の抽選フラグが抽出される内部抽選としての乱数抽選が行われるとともに、各リール301a,301b,301cの回転が開始される。その後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを停止操作すると、内部抽選の結果および停止操作に応じて、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御される(回転停止制御手段)。そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、有効ライン上に示現された図柄の組み合わせの態様からゲーム結果を判断し、有効ライン上に示現された当選役に対応する規定数のメダルまたは再遊技(リプレイ)の権利を、賞として付与する(賞付与手段)。
上記は本実施形態に記載の回胴式遊技機の有効ラインについての説明であるが、有効ラインは上記に限られることはない。
[枠部材]
図柄表示窓401からは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から上段、中段、下段という。
上記のことから、図柄表示窓401内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より図柄表示窓401内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
枠部材501(表示パネルともいう、以下では表示パネル501として統一する)の左側端(図柄表示窓401から見て左側には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。
本実施形態では、「BET3」の場合のみが有効となる所謂3枚専用機であるが、ベット数に応じて有効となる並び(有効ライン)が決められていてもよい。
後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓401内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄が一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このような場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断される。
表示パネル501には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類が設けられている。これらのランプ類は図の上から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604、上記BETランプ614のすぐ下に位置する、「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを掛けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚数を知らせる役割を持っている。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)、および、当該当選役に対応する図柄の組み合わせについて、具体的に説明をする。なお、当選役に対応する図柄の組み合わせは、遊技者に向けた配当表(各当選役の遊技特典の簡単な説明を表記したもの)として表示パネル501等に表記されることが好ましい。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯321a,321b,321cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内に表示されることの無いものとなっている。なお、図柄表示窓401内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓401内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓401内で3ベット数に対応する有効ラインのいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。そして、有効ライン上に当選役図柄が揃ったときに入賞となり、入賞役に応じた賞が付与される。なお、内部抽選にて当選した役を当選役と称し、有効ライン上に揃った役を入賞役と称しており、いずれかの役が入賞するためにはその前提として当該役が内部抽選にて当選していることが必要である。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」、「赤ベル」、「青ベル」、「白ベル」、「チェリー図柄」、「スイカ図柄」、「リプレイ図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「白7図柄」、「青7図柄」、「白ベル図柄」、「赤ベル」、「青ベル」は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている(詳しく言えば、「白ベル図柄」、「赤7ベル」、「青7ベル」は他の図柄に比べて目立ち易いわけではないが、それぞれ、「赤7図柄」、「白7図柄」、「青7図柄」の近傍に図柄が配列されている点で識別しやすい)。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。これらの図柄はいずれも、各リール301a,301b,301c上に1つしかなく、加えて色彩を視認しやすい。これにより、リールの回転中であっても、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」、「赤ベル」、「青ベル」、「白ベル」、「チェリー図柄」、「スイカ図柄」、「リプレイ図柄」のうち所望の図柄を目標として停止操作することが可能となっている。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。すなわち、所定の遊技特典が付与される。
[ビッグボーナス、レギュラーボーナス]
ビッグボーナス(以下ではBBと呼称する)に対応する図柄(BB図柄)の組み合わせ態様として「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」による組み合わせ、具体的には、同色図柄による3通りの組み合わせを含めて、第1の図柄組み合わせとしての27通りの組み合わせが予め決められており、内部抽選の結果がBBである場合は、これら27種類の組み合わせのうち、いずれの組み合わせも有効ライン上に揃いうる。27通りの組み合わせは、3色且つ3図柄(左、中、右)であるから3の3乗の27通りである。即ち、全く異なる色同士の組み合わせも含まれる。なお、この27通りの組み合わせは全てに共通する一のフラグに対応している。つまり、BBフラグとしては一のフラグのみであるが、この一のBBフラグが当選成立すると、27通りの「7」の組み合わせのうちいずれの組み合わせも有効ライン上に揃いうる。
言い換えると、内部的にはBBのフラグが1個であるものの、当該1個のBBフラグが成立すると、色彩は異なるものの、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」による27通りの図柄組み合わせのうちいずれの組み合わせも示現されうるようになっている。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与される(ボーナスゲーム実行手段)。このBBゲームでは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われることになる。これは、規定枚数のメダル(例えば、300枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BBゲームは終了となる。
また、スロットマシン1では、BB図柄が揃った際(BB図柄が揃った当該ゲーム)には、メダルは付与されない。つまり、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行する契機としての役割を持っていることになる。また、BB図柄は各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図62参照)、BB図柄を図柄表示窓401内に正確に狙って停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)を行わないと、BB図柄を揃えることができない。このように目的の図柄(この例ではBB図柄)を狙って停止操作を行うこと、即ち「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技量(または技術、遊技者が意図して行う必要がある操作)の一つである。
よって、遊技者の「目押し」の技量が高ければ(主に遊技に熟練した遊技者等、遊技の熟練度が高い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓401内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとなる。一方、遊技者の「目押し」の技量が低ければ(主に遊技に未熟な遊技者等、遊技の熟練度が低い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓401内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとはならない(困難であるといえる)。
なお、ビッグボーナスよりも遊技者に付与されうるメダル数は少ないレギュラーボーナス(以下ではRBと呼称する)も一般的には設けられているが、本実施形態ではRBについての説明は割愛する。
[ベル]
ベル(小役1〜27)の示されている当選役には、対応する図柄(ベル図柄)の組み合わせ態様として「赤ベル図柄」、「青ベル図柄」、「白ベル図柄」による組み合わせ、具体的には、同色図柄による3通りの組み合わせを含めて、第2の図柄組み合わせとしての27通りの組み合わせが予め決められており、内部抽選の結果が「ベル」である場合は、これら27種類の組み合わせのうち、いずれの組み合わせも有効ライン上に揃いうる。27通りの組み合わせは、3色且つ3図柄(左、中、右)であるから3の3乗の27通りである。即ち、全く異なる色同士の組み合わせも含まれる。ただし、この27通りの組み合わせは全て別フラグとなっている。したがって、この27通りのフラグのうち、成立したフラグのみが有効ライン上に揃いうる。なお、「赤ベル図柄」、「青ベル図柄」、「白ベル図柄」の図柄は、いずれもベルと把握できるような色彩(例えば黄色)であるが、ベルのキャラクタが把持している旗の数によって、内部的に「赤ベル図柄」、「青ベル図柄」、「白ベル図柄」が区別されている。
即ち、BBのフラグとは異なり、互いに異なる小役のフラグが内部的には27個あることになる(小役1〜小役27)。内部的にはこの27個のフラグは全く別フラグであるから、当該当選したフラグに対応する小役(小役1〜27のいずれか)についての図柄組み合わせが有効ライン上に揃うタイミングで停止操作された場合に限り、当該当選したフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことになる。即ち、27個のフラグについては、それぞれ、対応する小役についての図柄組み合わせが有効ライン上に揃うための独自のタイミングが割り当てられていることになる。なお、いかなるタイミングで停止操作を行ったとしても、この27個のフラグに対応するいずれかのタイミングと合致することとなる。言い換えると、27個のフラグ全てが成立していたとすると、27個のフラグのうちいずれか1つのフラグに対応する小役についての図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことになる。しかしながら、小役のフラグは内部的には27個であるものの、実際に27種類の役が存在するよう遊技者に意識させると、遊技内容が煩雑となるだけであり分かりづらい。そこで、内部的には27種類の小役が存在するにも拘らず、外観上は同じ役に見えるように同種の図柄(ベル図柄)による組み合わせとすることで、遊技内容の煩雑さを生じさせることなく、新たな遊技性を提供できるようになる。
なお、「当選したフラグに対応する小役についての図柄組み合わせが有効ライン上に揃うタイミング」とは、当選フラグ(成立フラグ)に対応した当選役図柄をリール停止制御(リールの引き込み制御)によって図柄表示窓401内に引き込むことが可能な時間幅である。本実施形態でいうと、例えば左リール321aの上段に当選役図柄としての配列番号2を停止させたい場合、配列番号2よりもリールの回転方向(配列番号が大きい順から小さい順に回転する)に4図柄前の配列番号6よりも小さい配列番号(配列番号5〜2)の図柄が左リール321aの上段にあるときに停止操作すると、配列番号2が左リール321aの上段に停止表示される。したがって、「対応する小役についての図柄組み合わせが有効ライン上に揃うための独自のタイミング」とは、対応する小役についての図柄組み合わせをリール停止制御によって図柄表示窓401内に引き込むことが可能な、当該対応する小役独自の時間幅のことである。
ここで、左リール321aについては、「赤ベル」を含む前後7図柄の間には「赤ベル」のみが配置されており、「青ベル」を含む前後7図柄の間には「青ベル」のみが配置されており、「白ベル」を含む前後7図柄の間には「白ベル」のみが配置されている。例えば、配列番号2〜8を第1ゾーン、配列番号9〜15を第2ゾーン、配列番号16〜1を第3ゾーンとすると、「赤ベル」図柄は第1ゾーンのみに配置され、「青ベル」図柄は第2ゾーンにのみ配置され、「白ベル」図柄は第3ゾーンにのみ配置されている。これにより、停止操作のタイミングによって、「赤ベル」、「青ベル」および「白ベル」のうち常に必ず1種のベルしか有効ライン上に出現することがなく、2種以上のベル図柄が同時に有効ライン上に出現しうることはありえない。
また、中リール321aについては、「赤ベル」を含む前後5図柄の間には「赤ベル」のみが配置されており、「青ベル」を含む前後5図柄の間には「青ベル」のみが配置されており、「白ベル」を含む前後5図柄の間には「白ベル」のみが配置されている。これにより、停止操作のタイミングによって、「赤ベル」、「青ベル」および「白ベル」のうち常に必ず1種のベルしか有効ライン上に出現することがなく、2種以上のベル図柄が同時に有効ライン上に出現しうることはありえない。
さらに、右リール321cについては、「赤ベル」を含む前後7図柄の間には「赤ベル」のみが配置されており、「青ベル」を含む前後7図柄の間には「青ベル」のみが配置されており、「白ベル」を含む前後7図柄の間には「白ベル」のみが配置されている。これにより、停止操作のタイミングによって、「赤ベル」、「青ベル」および「白ベル」のうち常に必ず1種のベルしか有効ライン上に出現することがなく、2種以上のベル図柄が同時に有効ライン上に出現しうることはありえない。
ところで、ベル図柄が揃うと、規定枚数(本実施形態では1枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ベル図柄が揃うと1枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。ベル図柄が揃ったときに払いだされるメダル数は少なければ少ないほど好ましいため、本実施形態では最小単位の1枚としている。なぜなら、後述する通り、本実施形態のスロットマシン1では、ベルとしての成立役を従来のスロットマシンのように遊技者にとって価値のないハズレ(本実施形態のハズレとは異なる)と同様に扱っており、従来のスロットマシンでいうところのハズレのような位置付けにあるからである。
[リプレイ]
リプレイの当選役には、対応する図柄(リプレイとなる図柄)の組み合わせ態様として「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が予め決められている。
リプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できることをいう。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃った当該ゲームの有効ライン数と同じとなる。
また、リプレイ図柄が揃った際にもメダルは付与されず、リプレイゲームへ移行する契機としての役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを掛ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ図柄をそれぞれ満遍なく配置することにより、リプレイ図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。具体的には、左リールおよび右リールでは、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置される他の図柄(リプレイ図柄とは異なる種類の図柄のこと)が2個または3個となっており、中リールでは、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置され他の図柄が3個または4個となっている。
[チェリー]
チェリーの当選役には、対応する図柄(チェリー図柄)が予め決められている。また、チェリー図柄については、「チェリー図柄−ANY−ANY」というように、チェリー図柄が1つ(この例では、左リール301aのみ)あればそれだけでチェリー図柄が揃ったとみなされる。ここでいう「ANY」とはいずれの図柄でもよいことを示す。そして、チェリー図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(例えば、4枚)のメダルの払い出しが行われる。つまり、チェリー図柄が揃うと4枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。なお、チェリー図柄は、左リール301aに満遍なく配置されているので、目押しの必要がなく揃えることができる図柄となっている。
従って、チェリー図柄は、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。ただし、メダルの払い出しは全てのリール停止後に行われる。なお本実施形態のスロットマシン1では上記でいう「少なくとも1つのリール」を右リール301cとしている。
ところで、チェリーについても、前述のベルと同様に、ゲームの進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、チェリー図柄についても、前述のリプレイ図柄等と同様、各リール301a,301b,301c(特に右リール301c)に満遍なく配置されている(この場合は、チェリー図柄からチェリー図柄までの間に配置される他の図柄を1個から最大4個までとする)ことにより、チェリー図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとしても問題ない。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[スイカ]
スイカの当選役には、対応する図柄(スイカ図柄)が予め決められている。また、スイカ図柄については、「スイカ図柄−7図柄−スイカ図柄」の組み合わせが有効ライン上に揃ったときに、スイカ図柄が揃ったとみなされる。スイカ図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(例えば、8枚)のメダルの払い出しが行われる。つまり、スイカ図柄が揃うと8枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。なお、スイカ図柄(中リール301bは7図柄)は、各リール301a,301b,301cに満遍なく配置されているので、目押しの必要がなく揃えることができる図柄となっている。具体的には、左リールおよび右リールでは、スイカ図柄からスイカ図柄までの間に配置される他の図柄(スイカ図柄とは異なる種類の図柄のこと)が2〜6個となっており、中リールでは、7図柄から7図柄までの間に配置される他の図柄が2個または4個となっている。
また、前述したチェリーおよびスイカはいずれもメダルの払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「一般役」と称する。また、ベルを便宜上「小役」と称する。
なお、スロットマシン1では、チェリーおよびスイカを一般役として説明したが、これらの他にさらに一般役を設けることもできる。例えば、チェリー図柄、スイカ図柄とは異なる種類の図柄を設けて、これに対応するメダルの払い出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の一般役と区別したり、あるいは各リール301a,301b,301cの図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な当選役図柄として難易度をつけたりすることも可能である。
[ハズレ]
BB、ベル(小役1〜27)、チェリー、スイカ、リプレイのいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。なお、本実施形態では、通常の遊技状態(即ち、BBやRBといった遊技状態でない状態)においてハズレとなる確率は極めて小さくなっている(本実施形態では0.18%)。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。
ところで、本実施形態のスロットマシンでは、詳細は後述するが、複数のフラグが重複して成立する場合がある。また、リプレイ、小役(ベル)および一般役のフラグについては次ゲーム以降に持ち越されないものの、BBのフラグについては有効ライン上に揃えることができなければ次ゲーム以降に持ち越される。即ち、複数のフラグが重複して同時に成立する場合がある。この場合、リプレイに対応する図柄組み合わせ、ベルに対応する図柄組み合わせ、一般役(チェリー、スイカ)に対応する図柄組み合わせ、BBに対応する図柄組み合わせの優先順位で、有効ライン上に揃う(優先停止制御手段)。
具体的には、リプレイのフラグが成立したとき、リプレイに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示可能なタイミングで遊技者が停止操作していれば、他のフラグ(小役、一般役、BB)の成立如何に拘らず、リプレイに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる。ただし、リプレイに対応する図柄組み合わせは、上述した通り、リプレイ図柄を目押しの必要がなく揃えることができる図柄なので、リプレイのフラグが成立したときは、常に必ずリプレイに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなり、たとえBBのフラグが成立していたとしても、BBに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に揃えることができない。
また、リプレイのフラグが成立せず且つ小役(ベル)または一般役のフラグが成立したとき、当該成立した小役(ベル)または一般役のフラグに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示可能なタイミングで遊技者が停止操作していれば、BBのフラグの成立如何に拘らず、当該成立した小役(ベル)または一般役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる(本実施形態では、小役のフラグと一般役のフラグとが同時に成立しないようになっている)。
ただし、リプレイ同様に、一般役(チェリー、スイカ)に対応する図柄組み合わせは、上述した通り、目押しの必要がなく揃えることができる図柄なので、一般役のフラグが成立したときは、常に必ず一般役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなり、たとえBBのフラグが成立していたとしても、BBに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に揃えることができない。
なお、上述した通り、内部的には27通りの小役(ベル)があり、当該成立した小役(ベル)に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示可能なタイミングで遊技者が停止操作する限り、たとえBBのフラグが成立していたとしても、当該成立した小役(ベル)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる。言い換えると、成立した小役(ベル)に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示不可能なタイミングで遊技者が停止操作し且つBBのフラグが成立している場合に、BBに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる(特別停止制御手段)。
上記を簡単に言い換えると、リプレイについては、リプレイフラグが成立していれば常にリプレイ図柄に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うように図柄配列されている。そのため、リプレイのフラグが成立していれば、他のフラグが重複して成立していたとしても常にリプレイ図柄に対応する組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。一般役についても、リプレイ同様に、一般役が成立していれば常に一般役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うように図柄配列されている。
また、小役(ベル)のフラグとBBのフラグとが重複して成立していれば、当該成立している小役(ベル)に対応する組み合わせを有効ライン上に揃えることができない場合にのみ、BBに対応する組み合わせが有効ライン上に揃う可能性がある。
さらに、内部抽選の結果がハズレである場合は、フラグが一切成立していなければハズレが有効ライン上に表示され、フラグが成立していれば、当該成立しているフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃いうる。ここで、次ゲーム以降に持ち越されうるフラグはBBのフラグのみであり(RBが設けられている場合はRBのフラグも持ち越される)、さらに本実施形態では、BBに対応する図柄が、リプレイ図柄と同様に、目押しの必要がなく揃えることができるように図柄配列されている。したがって、BBフラグが成立し且つ内部抽選の結果がハズレであれば、常に必ずBBに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図63は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAXベットボタン206(あるいは1ベットボタン205)の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、このステップS2は解決手段に記載の掛け数決定手段の一例に相当する。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する(乱数抽選手段)。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理(抽選停止制御手段)を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのリール301a,301b,301cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBBやRB、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図64は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入、1枚ベットボタン205、MAXベットボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベットボタン206の操作またはメダル3枚の投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当する要件(例えば、メダル3枚の投入、MAXベットボタン206の操作1回、1枚ベットボタン205の操作3回)が成立した場合に満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー210の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグがある。そして、このゲーム状態フラグがOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常状態中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは役抽選手段である。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から65535(2の16乗=65536個の乱数値)までの整数値と決めることができる。なお、スロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から65535としているが、0から16383まで(2の14乗=65536個の乱数値)や、0から32767まで(2の15乗=32768個の乱数値)をとるものとしてもよい。ただし、乱数の抽出範囲を拡大した方が、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる点で好ましい。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から65535)内の乱数値のうち、BBのみに対応する乱数値は存在しない。即ち、BBは、他の当選役と重複してのみ成立しうる。
図65は、BBのフラグが成立していない一般中における各当選役及びハズレの当たり値の数を示したものである(抽選判定テーブルという)。これらはそれぞれ、当たり値判定テーブルとして予めROM1112等に格納されているものである。ここで、BBについては、BB+ベルの当選役といったように、BBとベルとの共有当選当たり値となっている。なお、図示していないが、BBのフラグが成立している内部中における各当選役及びハズレの当たり値の数は、図65に示す番号3〜36については一般中と同じであり、図65に示す番号1については0であり、図65に示す番号2については49780となっている(番号1の4900が、番号2に割り当てられる)。
内部抽選の結果が図65に示す番号が「1」の場合は、BB+ベルの当たり値に該当する。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「1」の場合は、次回ゲームにおいて、27通りのBB図柄組み合わせおよび27通りのベル図柄組み合わせのうちいずれか1の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。なお、図65に示す番号「1」が抽出されるか確率は、65536分の4900である。ただし、次回ゲームにおいてベルが入賞しなければベルのフラグは消失するが、BBのフラグは成立したまま次々回ゲーム以降も維持される。したがって、内部抽選にてBBに当選する確率は65536分の4900であることから、確率上は、概ね13.4ゲームを行うとBBに当選することになる。また、ハズレは65536分の118の確率でしか出現しないため(図65の番号36参照)、BBボーナスゲームの実行中でない通常状態では、ほぼ常に、BBと、小役または一般役と、が重複して当選成立状態にあることとなる。この通常状態でのゲームの実行は、通常状態制御手段(主制御基板409)によって実現される。「ほぼ常に」としたのは、例えばボーナスゲームの終了後は、BBフラグが当選成立されるまで、BBフラグが当選成立していない状態となる一方で、一旦BBフラグが当選成立すると、ボーナスゲームが行われるまでBBフラグが当選成立状態となるからである。
ところで、ボーナス役は、これよりも優先的に停止表示される全パターン(27通り)のベル役(図65の番号1)、チェリー役(図65の番号30)、リプレイ役(図65の番号31)およびスイカ役(図65の番号32)のうちいずれかの役と重複してのみ当選されるようになっている。この点、ベル役は、その全パターン(27通り)の当選時は、どのようなタイミングにて停止ボタンを押したとしても、27通りのうちのいずれかのベルに対応する図柄組み合わせが停止表示されるように、上記リール上にて配列されている。同様に、チェリー役、リプレイ役およびスイカ役についても、これらの役の当選時は、どのようなタイミングにて停止ボタンを押したとしても、これらの役に対応する図柄組み合わせが停止表示されるように、上記リール上にて配列されている。したがって、ボーナスが当選された当該変動表示ゲームでは、BB図柄組み合わせが有効ライン上に表示(示現)されることがない。
内部抽選の結果が図65に示す番号が「2」の場合は、小役の当たり値に該当する。即ち、内部的に異なる27個の小役(小役1〜27)が全て同時に成立する。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「2」の場合は、次回ゲームにおいて、27通りのベル図柄組み合わせのうちいずれか一つの組み合わせが常に必ず有効ラインに揃うこととなる。なお、図65に示す番号「2」が抽出されるか確率は、65536分の44880である。したがって、実行したゲームのうちの大部分のゲームでは、外観上のベル図柄が有効ラインに揃うことになる(図65の番号1および3〜29の場合にも外観上のベルが揃いうる)。この実施形態にかかるスロットマシンでは、ボーナス確定状態に移行する前か後かに関係なく、このような高確率、すなわち従来のスロットマシンと比較するならば、ハズレとしての位置づけとして、ベル図柄組み合わせが現れるようになっている。ただし、ベル図柄が揃っても、当該変動表示の実行に要したメダル数よりも少ないメダル数(ここでは1枚)しか払い出されないため、持ちメダルが増加することはない。つまり、ゲームに供するメダル数が3枚であるため、1枚のメダルが払い出されたとしても、1ゲームあたり2枚減少することとなる。
このように、本実施形態のスロットマシン1における27個の小役のフラグは、BBのフラグが成立しているにも拘らず、BBに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃いにくくする機能を有している。また、小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃ったとしても、1枚しかメダルが払い出されないよう構成されており、遊技者からすると、従来のスロットマシンでいうところのハズレに近いものがある。このように、ベルを所謂ハズレのように効果的に扱うために、本実施形態では、さまざまな工夫が施されている。
例えば、27個の小役を所謂ハズレのように効果的に扱うために、ベルに入賞したとしても、メダルの払出音を遊技者が気付き難くなっている。上述したように、本実施形態のスロットマシン1では、メダルが払い出される際には、メダルが払い出されている態様を視認しなくとも、実際にメダルが払い出されることを確認することができるように、メダル払出音が出力される。ただし、ベルの入賞に基づいて1枚のメダルを払い出す際には、メダルの払出音を遊技者が気付き難くなっている。メダルの払出音を遊技者が気付き難い態様としては、1枚のメダルが払い出されるにも拘らず、メダルの払出音を全く出力しない、メダルの払出音を出力するものの遊技者が聞き取りにくい程度(音量を下げるなど)の効果音を出力する、通常のメダル払出音とは全く異なる効果音(例えば演出音)を出力することによってメダルの払い出しが行われたとは思えないような態様、が考えられる。
また、上述の他、有効ラインを、当該有効ライン上に揃った図柄組み合わせを遊技者が把握し難いような並びとしてもよい。さらに、内部抽選にて図65に示す番号「3」〜「29」のうちいずれか1つが抽出された場合に、ベル図柄組み合わせに代えてハズレ目(少なくとも1つのリールに付された図柄が他の2つのリールに付された図柄と異なる図柄で示現された図柄組み合わせ、または、全てのリールに付された図柄が全て異なる図柄で示現された図柄組み合わせ)が示現されるようにするとより効果的である。
なお、一般的なスロットマシンでは、何らかの役に入賞したときに、所定の範囲(例えばメダル50枚相当)内でクレジットと称される電子データがアップされる。したがって、ベル図柄組み合わせが有効ライン上に示現されたときに(入賞したときに)、賞としてのメダルを1枚払い出すことに代えて、クレジットを1だけアップする際にも、クレジットアップされた旨を把握し難いようにすることが好ましい。この態様としては、例えば、クレジットアップ音を出力するものの遊技者が聞き取りにくい程度(音量を下げるなど)の効果音を出力する、通常のクレジットアップ音とは全く異なる効果音(例えば演出音)を出力することによってクレジットアップされたとは思えないような態様、が考えられる。
さらに、本実施形態では、小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃ったときはベル図柄組み合わせが示現されるようにしているが、これに代えて、何らの役にも入賞していない印象を遊技者に与えるべく、従来のハズレ目に相当する図柄組み合わせを、小役に対応する図柄組み合わせとして有効ライン上に揃うように構成してもよい。従来のハズレ目に相当する図柄組み合わせは、例えば、全てのリール3つのリール301a,301b,301cが停止したときに有効ライン上に示現されるこれらの図柄組み合わせが、全て異なる図柄であるような図柄組み合わせである。ただし、1つのリールのみ異なる図柄であってもよい。
内部抽選の結果が図65に示す番号「3」〜「29」の場合は、いずれも、27通りの小役(小役1〜27)図柄組み合わせのうち、一部の組み合わせが排除されただけの多数の組み合わせ(ここでは26通りの組み合わせ)が有効ラインに揃うこととなる(27分の26択)。上述した通り、小役のフラグが内部的に成立すると、当該内部的に成立しているフラグに対応する小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うように停止操作された場合に限り、当該内部的に成立した小役が有効ライン上に揃う。
ただし、本実施形態のスロットマシン1では、図65に示す番号が「3」〜「29」の場合は、27個の小役フラグのうち26個までが重複して成立する(言い換えると、27個の小役フラグのうち1個のフラグのみが重複成立していない非重複フラグである)。即ち、27個のうち非重複フラグを除く26個の小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うように停止操作された場合には、当該内部的に成立した小役が有効ライン上に揃う。
その一方で、27個のうち非重複フラグを除く26個の小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことが回避されるかたちで停止操作された場合には、小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことがないよう制御される(当選役回避制御手段)。そして、27個のうち非重複フラグを除く26個の小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことが回避されるかたちで停止操作され(図65に示す番号「36」のハズレが選ばれた場合は除く)、且つ、BBのフラグが当選成立状態である場合に限り、BBに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うようにリール制御される(限定的ボーナス示現手段)。即ち、内部抽選が行われる都度、27個の小役(小役1〜27)フラグのうちいずれかのフラグが当選成立しないかたちでの重複当選成立が付与されることによって、ベル図柄組み合わせ(第2の図柄組み合わせ)に対して優先して停止表示されないBBの図柄組み合わせ(第1の図柄組み合わせ)が有効ライン上に揃うかたちでの停止表示が可能となる(優先小役重複当選手段)。
なお、このように、内部抽選の結果が図65に示す番号「3」〜「29」の場合は、停止操作のタイミング如何によって小役のフラグに対応する図柄組み合わせが所謂取りこぼされることのある(有効ライン上に揃わない)取りこぼし小役であるともいえ、この小役のフラグに対応する図柄組み合わせが取りこぼされたときに、BBのフラグに対応する図柄組み合わせが入賞する。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選にてBBに当選し、且つ、図65に示す番号「3」〜「29」の27分の26択ベルまたは番号「36」が当選成立した場合に限り、BBの図柄組み合わせが有効ライン上に揃いうる。しかも、ベル図柄組み合わせが有効ライン上に揃ったときはメダルが1枚しか払い出されないので、通常状態では、ゲームの進行に応じてメダルが減少しつつも自らの停止操作如何でBBの図柄組み合わせが有効ライン上に揃いうるといった、新たなゲーム性を創出できる。
また、上述のとおり、通常状態において、図65に示す番号「3」〜「29」の小役に当選した場合に、27個のうち非重複フラグを除く26個の小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことが回避されるかたちで停止操作できなかったとしても、常に、ベル図柄組み合わせが示現される(救済的賞付与手段)。このように、27個のうち非重複フラグを除く26個の小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことが回避されるかたちで停止操作できなかった場合にベル図柄組み合わせが示現されるようにすることで、当該ベル図柄組み合わせの示現を、BB図柄組み合わせが示現されなかったことに対する救済的な処理と捉えることができ、遊技者に与える損失感が軽減され、興趣の低下を抑制できる。とくに、長期間にわたってボーナスゲームが実行されない場合等に入賞しうる役を取りこぼしたときは、遊技者に与える落胆が大きいが、上記によると、この点を軽減できる。
このように、通常状態では、BBと、小役および一般役のうちいずれかの役と、がほぼ常に(ハズレ時以外)重複して当選成立状態にあるので、65536分の5400の確率(図65に示す番号「3」〜「29」の小役が内部抽選にて当選する確率)で、27個の小役フラグのうち非重複フラグを除く26個の小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことが回避されるかたちで停止操作できるチャンスがおとずれることとなる。したがって、ボーナスゲームが行われない遊技が続いたとしても、ボーナスゲームが行われるか否かが従来の遊技機のようにスロットマシン1側にて一方的に決められるのではないことから、これまでの遊技が全くムダとなったことに起因して遊技者に与えうる徒労感が軽減されるだけでなく、遊技意欲の低下も抑制できる。また、遊技者は、図65に示す番号「3」〜「29」の小役が当選成立したゲームにおいて、どのタイミングで停止操作を行うと26個の小役フラグに対応するタイミングを避けることができるかといった、いかにも籤を引くような籤引的な感覚で停止操作を行うことができる楽しみもある。
また、上記スロットマシン1では、図65に示す番号「3」〜「29」の小役が当選成立したゲームにおいて順押し(左→中→右)したときに、第1リール301aおよび第2リール302aのうち少なくともいずれかのリールについて、27個の小役フラグのうち非重複フラグを除く26個の小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことが回避されるかたちで停止操作されなかった場合には、常に、ベル図柄のみのシングルテンパイが示現されるように制御される。つまり、このとき、ボーナステンパイは示現されない(限定的ボーナステンパイ示現手段)。このように、ボーナステンパイは、図65に示す番号「3」〜「29」の小役が当選成立したゲームにおいて非重複フラグを除く26個の小役フラグに対応するタイミングを避けて3つのリールのうち2つのリールについての停止操作が行われた場合と、図65に示す番号「36」のハズレが選ばれた場合とでしか出現しないようにリールの停止制御が行われるので、通常状態のもとでボーナステンパイになると、遊技者は非常に大きな興奮を感じることとなり、興趣の低下を抑制できる。
ただし、図65に示す番号「3」〜「29」の小役が当選成立したゲームにおいて重複フラグを除く26個の小役フラグに対応するタイミングを避けて3つのリール301a,301b,301cのうち2つのリール301a,301bについての停止操作が行われた場合、常に、ボーナステンパイと小役テンパイ(ベルテンパイ)とが重複して成立する。このように、ボーナステンパイと小役テンパイ(ベルテンパイ)とが重複して成立すると、残りの1つのリールでのみ、3分の1の確率で26個の小役フラグに対応するタイミングを避ければ、「7」図柄の組み合わせが入賞する。また、図65に示す番号「36」のハズレが選ばれた場合には、この時点でBB図柄組み合わせの入賞が確定する。したがって、ボーナステンパイした時点で遊技者に与える期待感が非常に大きなものとなる。ここで、ボーナステンパイとは、3つの回リールに付された図柄のうち最後に停止表示される図柄のみが回転表示状態であって、当該回転表示状態にある図柄が停止表示されたときに「7」図柄の組み合わせを構成する態様である。つまり、左リール301aおよび中リール301bが既に停止表示状態にあって、且つ、右リール301cのみが回転表示状態であるときに、左リール301aおよび中リール301bの有効ライン上に「7」図柄が停止表示された態様である。
なお、本実施形態のスロットマシン1は順押しを前提としており、図65に示す番号「3」〜「29」の小役が当選成立したゲームにおいて順押ししなかった場合には、ベル図柄組み合わせを入賞させることができず、いずれの役も取りこぼすこととなる。
また、非重複フラグは、内部抽選の結果が図65に示す番号「3」〜「29」のいずれかによって都度異なる。即ち、内部抽選が行われる都度、非重複フラグが変更されることとなり、非重複フラグが変更されると、小役のフラグに対応する図柄組み合わせ(ベル図柄の組み合わせ)が有効ライン上に揃う停止操作のタイミングが可変とされる。言い換えると、非重複フラグが変更されることで、小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことのない(BBに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃いうる)停止操作のタイミングが可変とされる。これにより、ゲームを実行する都度、可変するBBに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃いうる停止操作のタイミングを予想するといった新たなゲーム性を提供できる。
例えば、内部抽選の結果が図65に示す番号「3」である場合、即ち、小役2〜27のフラグが重複して成立した場合は、小役1に相当する図柄の組み合わせについては、当該小役1に相当するベル図柄の組み合わせが有効ラインに揃うように停止操作を行ったとしても当該図柄が揃うことがない。ただしこのとき、BBのフラグが成立していれば「7」図柄の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。
また、例えば、内部抽選の結果が図65に示す番号「5」である場合、即ち、小役1、2及び3〜27のフラグが重複して成立した場合は、小役3に相当する図柄の組み合わせについては、当該小役3に相当するベル図柄の組み合わせが有効ラインに揃うように停止操作を行ったとしても当該図柄が揃うことがない。ただしこのとき、BBのフラグが成立していれば「7」図柄の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。このように、内部抽選の結果如何で、ベル図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うことのない停止操作のタイミングが都度異なることとなる。
このように、内部抽選の結果が図65に示す番号「3」〜「29」の場合、約10分の1(番号「1」、「30」〜「32」でBB当選するので、正確には65536分の6150)の当選確率で成立しうるBBのフラグが成立していれば、常に必ずBBに対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されうるボーナス放出チャンスゲームであるといえる。しかも、BBに対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示される停止操作タイミングは、都度異なる(内部抽選の結果が図65に示す番号「3」〜「29」であった都度異なる)ので、遊技者はどういったタイミングで停止操作すればよいか分からない。しかも、図65に示す番号「3」〜「29」が内部抽選の結果として抽出されるか確率はいずれも65536分の200なので、65536分の5400の確率で、小役としてのベルを有効ラインに揃えることを回避できる機会がおとずれることとなる(ただし、これに加えてハズレの場合もBBを有効ライン上に揃えることができる)。したがって、遊技者は、毎ゲームのように、27分の1の排除フラグがいずれであるかを予想することができるといった新たな遊技性を提供できる。しかも、ラッキーな遊技者であれば、高頻度で小役としてのベルを有効ラインに揃えることを回避することもありえる。このように、約13ゲームに1回といった高頻度で小役としてのベルを有効ラインに揃えることを回避しうるチャンスがおとずれるので、ムダな遊技が延々と続くことが回避でき、興趣の低下を抑制することができる。
このように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、いずれのタイミングにて停止された場合(例えばリール301a,301b,301cのいずれの箇所に対応させて停止された場合)であってもメダルの払出(小役遊技)の実行条件が成立可能となる図柄組み合わせが現れる一般役のほかに、特定のタイミングにて停止されたときにのみ(例えばリールの所定の箇所に対応させて停止されたときにのみ)メダルの払出(小役遊技)の実行条件が成立可能となる図柄組み合わせが現れる小役(特定小役)が用意されている。また、同小役(特定小役)が当選されたとき、当該当選に応じた図柄組み合わせを上記ボーナス役の当選に応じた図柄組み合わせよりも優先して停止表示されるようになっている。そしてこの上で、各々フラグの異なる複数の小役(「赤ベル」、「青ベル」、「白ベル」の組み合わせである3の3乗=27個の小役)のうち、一部の小役(ここでは1通り)だけが除かれた多数の小役を同時に重複当選させるようにしている。すなわちこれによって、上記ボーナス確定状態に制御されていたとしても、上記優先表示によってボーナスゲームの実行契機となるボーナス役の図柄組み合わせが停止表示されることを困難としつつも、「赤7」、「青7」、「白7」図柄の27通りの組み合わせのうち、上記除かれた小役によって上記小役の優先表示を受けない箇所にリール配置されている「7」図柄の組み合わせだけを停止可能とすることで、記ボーナスゲームの実行契機となるボーナス役の図柄組み合わせにて停止表示される可能性をわずかながらに残すようにしている。
ただし、このような多数の小役を同時に重複当選させることによって最低限のメダルしか払い出されない遊技(小役遊技)を半ば強制的に行わせることは、ボーナス確定状態に制御されているか否かにかかわらず上記抽選の結果として最も高い確率にて行われるため、遊技者は、ボーナス確定状態に制御されたとしてもその事実を推定し、且つ特定の除かれたリール箇所を狙って上記「7」図柄の特定の組み合わせを停止表示させることは困難である。したがって通常は、遊技者は、ボーナス役が未だ当選されていない通常の遊技が行われているものと判断しつつ遊技することが多くなる。
しかしながら、この実施の形態にかかるスロットマシン1によれば、外見的には通常の遊技が淡々と行われているように見える状態にあっても、上記ボーナス役の高い当選確率と相まって、実際には、上記変動表示が行われる都度、上記ボーナスゲームの実行条件が成立可能となる上記「赤7」、「青7」、「白7」図柄の27通りの組み合わせのうちの、上記除かれた小役によって上記小役の優先表示を受けない箇所にリール配置されている「7」図柄の組み合わせだけではあるものの、それを停止表示させてボーナスゲームに移行させることのできる特別機会が遊技者に付与されていることが多い。そして、この特別機会によって上記「7」図柄の組み合わせが偶発的に停止表示されたときには、ボーナスの図柄組み合わせが突然現れたかのように見えるため、遊技者は、いかなる遊技状態にあっても、「7」図柄の組み合わせが停止表示されるかもしれない、といった熱い期待をもって遊技することができるようになり、ひいてはあらゆる遊技場面における遊技興趣の底上げを図ることができるようになる。
しかも、この実施の形態にかかるスロットマシン1によれば、ボーナス役の当選によってボーナス確定状態に移行制御されたとしても、複数の小役(「赤ベル」、「青ベル」、「白ベル」の組み合わせである3の3乗=27個の小役)のうちの多数の小役の重複当選(重複具合)、及びそれら当選された小役に応じた図柄組み合わせの「7」図柄に対する優先表示によって、通常は、当該移行制御があってから実際に「7」図柄の組み合わせが停止表示されるまでには相当数の抽選ゲームが消化されることとなる。このため、従来のスロットマシンと比較して、ボーナスゲームにて払いだされるメダルの総数期待値を維持しつつ、ボーナス役の当選確率(例えば「1/10」)を高く設定することによって早い段階にてボーナス確定状態に移行させることが可能となる。そして、こうしてボーナス確定状態に移行制御された後は、図柄の変動表示が行われる都度、上記「7」図柄の組み合わせが停止表示される可能性は低いとはいえ、通常は、その図柄組み合わせが現れるチャンスが付与されているもとで上記図柄表示を停止させることが可能であることから、このような高いボーナス確率によっても早い段階にてボーナス確定状態に移行されることで幅広い期間にわたって熱い期待をもって遊技することができるようになる。
なおこの場合、実質的なボーナスゲームへの突入確率は、ボーナス役の当選確率と、ボーナス確定状態において上記「7」図柄の組み合わせが停止表示される図柄出現確率とによって算出されることとなる。したがって、ボーナス役の当選確率については、図柄出現確率、すなわち少なくとも複数の小役の当選にかかる重複具合によって定められる確率(ベル図柄の全通りの組み合わせに対して除かれるベル図柄の組み合わせである「1/27」)分だけはこれを従来よりも低く設定することが可能となる。ただし、より早い段階にてボーナス確定状態に移行させることによって遊技興趣の向上を図る上では、同確率(ボーナス役の当選確率)については、複数の小役の当選にかかる重複具合によって定められる確率よりも高く設定しておくことが望ましい。
図65に示す番号が「30」の場合は、BB+チェリーの当たり値に該当する。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「30」の場合は、次回ゲームにおいて、27通りのBB図柄組み合わせおよびチェリー図柄組み合わせのうちいずれか1の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。なお、図65に示す番号「30」が抽出されるか確率は、65536分の150である。ただし、次回ゲームにおいてチェリーが入賞しなければチェリーのフラグは消失するが、BBのフラグは成立したまま次々回ゲーム以降も維持される。
図65に示す番号が「31」の場合は、BB+リプレイの当たり値に該当する。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「31」の場合は、次回ゲームにおいて、27通りのBB図柄組み合わせおよびリプレイ図柄組み合わせのうちいずれか1の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。なお、図65に示す番号「31」が抽出されるか確率は、65536分の500である。ここで、リプレイ図柄は、いずれの図柄よりも優先して有効ライン上に揃うようにリール制御され、且つ、図柄配列上もリプレイ図柄は常に揃う配列となっているため、次回ゲームではリプレイが有効ライン上に揃う。また、BBのフラグは成立したまま次々回ゲーム以降も維持される。
図65に示す番号が「32」の場合は、BB+スイカの当たり値に該当する。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「32」の場合は、次回ゲームにおいて、27通りのBB図柄組み合わせおよびスイカ図柄組み合わせのうちいずれか1の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。なお、図65に示す番号「32」が抽出される確率は、65536分の600である。ただし、次回ゲームにおいてスイカが入賞しなければスイカのフラグは消失するが、BBのフラグは成立したまま次々回ゲーム以降も維持される。
図65に示す番号が「33」〜「35」は、それぞれ、チェリー、リプレイ、スイカの単独当選当たり値となっている。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「33」の場合は、次回ゲームにおいてチェリーが有効ライン上に優先して揃うこととなり、内部抽選にて抽出された乱数値が「34」の場合は、次回ゲームにおいてリプレイが有効ライン上に優先して揃うこととなり、内部抽選にて抽出された乱数値が「35」の場合は、次回ゲームにおいてスイカが有効ライン上に優先して揃うこととなる。なお、図65に示す番号「33」が抽出されるか確率は65536分の159、図65に示す番号「34」が抽出されるか確率は65536分の8478、図65に示す番号「35」が抽出されるか確率は65536分の410である。ただし、チェリーまたはスイカのフラグが成立している場合は、次回ゲームにおいて入賞しなければこれらのフラグは消失するが、BBのフラグは成立したまま次々回ゲーム以降も維持される。また、リプレイのフラグが成立している場合は、上述したとおり、次回ゲームでは常にリプレイが有効ライン上に揃う。そのため、図65に示す番号「34」が抽出されるか確率が、図65に示す番号「33」または「35」が抽出されるか確率よりも高くなっている。
以上より、内部抽選にてBBのフラグが成立する確率は、65536分の6150となり、約10ゲームに1回程度、BBフラグが成立することとなる。ただし、BBのフラグが成立していたとしても、内部抽選にて図65に示す番号「2」または「31」が抽出された場合には、上述したとおり、常に、BBに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に成立させることができない。また、内部抽選にて図65に示す番号「3」〜「29」のうちいずれか1つが抽出された場合には、27分の1の確率でしか、BBに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に成立させることができない。なお、内部抽選にてチェリーまたはスイカのフラグが成立した場合には、チェリーまたはスイカに対応する組み合わせがBBに対応する組み合わせよりも優先して有効ライン上に揃うことになるが、チェリーまたはスイカのフラグが成立する確率は、ベルやリプレイのフラグが成立する確率よりも小さくなっている。
このように、内部的にはBBのフラグが極めて高い確率で成立するものの、BBに対応する組み合わせを有効ライン上に揃えることは困難である。通常の遊技状態では、BBに対応する組み合わせが有効ライン上に揃う確率は、少なくとも270分の1以下となる。
ところで、赤ベル、青ベル、白ベルは、それぞれ、赤7、青7、白7の近傍に図柄配置されている。即ち、赤7を狙って停止操作すると赤ベルを有効ライン上に出現させることが可能であり、青7を狙って停止操作すると青ベルを有効ライン上に出現させることが可能であり、白7を狙って停止操作すると白ベルを有効ライン上に出現させることが可能である。
ここで、BBのフラグが成立しているときに、図65に示す番号「3」〜「29」のいずれか1つが抽出されると27分の1の確率でBBに対応する組み合わせを有効ライン上に揃えることができることについては上述したとおりであるが、言い換えると、BBのフラグが成立しており、且つ、図65に示す番号「3」〜「29」のいずれか1つが抽出された場合に、27分の1の確率で有効ライン上に揃えることができない小役がいずれであるかを遊技者に教唆することによって、BBに対応する図柄を有効ライン上に揃えることが可能となる。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、上述したとおり、図65に示す番号「31」または「34」のリプレイ役が当選成立すると、3つのリール301a,301b,301cの停止操作をいかなるタイミングで行ったとしても、有効ライン上にはリプレイ図柄組み合わせが示現される。
ただし、遊技者が2つのリール301a,301bの停止操作を行った結果として、左リール301aの上段に配列番号3(図62参照)の「7」が停止表示され、中リール301bの上段に配列番号3(図62参照)の「7」が停止表示される場合がある。このとき、上段水平ラインL1(図61参照)にはボーナステンパイし、右上がりラインL5(図61参照)にはリプレイテンパイする。このように、ボーナステンパイとリプレイテンパイとが重複するのは、図65に示す番号「31」または「34」のリプレイ役が当選成立した場合の他には、図65に示す番号「36」のハズレの場合のみである(ハズレの場合は停止タイミングに関係なくBB図柄組み合わせが示現される)。ここで、図65に示す番号「31」または「34」のリプレイ役が当選成立する確率が65536分の8978であるのに対し、図65に示す番号「34」のハズレが成立する確率は65536分の118と極めて低い。
このように、ボーナステンパイと他の図柄とが重複してテンパイしたとき、当該他の図柄がベルであるのかリプレイであるのかによってBB図柄組み合わせが示現される期待度が異なる。遊技者は、一般的に、各リール301a,301bの停止操作を行った際にボーナステンパイされたか否かに興味を持ち、ボーナステンパイされたことを確認したのちに、他の図柄がテンパイしていないか否かを確認すると考えられる。これにより、ボーナステンパイと他の図柄とが重複してテンパイしたときに、当該他の図柄如何でBB図柄組み合わせが示現される期待度が異なるようにすることで、遊技者自らの停止操作によってリールを停止させて図柄を表示させるといったスロットマシン等の遊技機特有の面白さを享受できる。
なお、本実施形態では、所定条件が成立したことに基づいて、遊技者により行われる各リール301a,301b,301cの停止操作が支援される。具体的には、BBのフラグが当選成立状態にあるときに図65に示す番号「3」〜「29」のいずれか1つが抽出されると、小役としてのベルを有効ラインに揃えることを回避できるタイミングが、積極的に遊技者に教唆される(有賞否定支援手段)。例えば、図65に示す番号が「5」である場合には、小役としてのベル役が入賞することによって賞が付与されるにもかかわらず、当該賞を放棄させるべく、左リールに白、中リールに赤、右リールに赤を狙って停止操作するように促される。このように促されたタイミングで各リール301a,301b,301cを停止操作すると、小役3に相当する図柄組み合わせ「白ベルー赤ベルー赤ベル」が有効ライン上に揃わないように、リールの停止制御が行われる。このように促されたタイミングで各リール301a,301b,301cを停止操作したときに小役3に相当する図柄組み合わせ「白ベルー赤ベルー赤ベル」が有効ライン上に揃わないのは、上述したとおり、同種色の7とベルとが互いに近傍に配置されているからである。これにより、小役としてのベル役よりもより遊技者に付与される利益度合いが高いBBに対応する組み合わせが有効ライン上に揃うこととなり、停止操作が支援されない状態時と比べてBBに対応する組み合わせが有効ライン上に揃う頻度(ひいてはBBゲームが実行される頻度)が飛躍的にアップし、これまでにない新たな遊技性を提供することができ、興趣の低下を抑制できる。
また、ボーナスゲーム期間中でない通常状態において、上記支援が行われる支援期間と、上記支援が行われない非支援期間とを創出することによって、抽選手段が予め定められた一の確率にてボーナスフラグが当選成立とされる内部抽選を行うものでありながらも、ボーナスゲームが実行される確率が、支援期間と非支援期間との間で実質的に変更されることとなる(一般役示現確率変更手段)。つまり、通常状態において、図65に示す番号「3」〜「29」のいずれか1つの小役が当選成立すると、当選成立状態にある小役に対応する図柄組み合わせが示現されることを回避するタイミングが、遊技者に示唆される。これにより、通常状態ではほぼ常に、小役または一般役が当選成立状態にあるものの、当該当選成立状態にある小役または一般役に対応する図柄が示現される確率が、支援期間と非支援期間とで異なることとなる。その結果として、上述のとおり、ボーナスゲームが実行される確率を可変とすることが可能となる。
なお、上記支援は、例えば、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音を出力することによって実現できる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、小役(ベル1〜27)または一般役(チェリー、スイカ、リプレイ)に当選成立した旨を、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音によって、遊技者にアピールする訴求演出を行っている(訴求演出手段)。
ところで、従来のスロットマシンでは、遊技者に期待感を与えるべく、実際にはなんらの役にも当選していないにもかかわらず、なんらかの役に当選している旨の虚偽の期待演出がたびたび行われる。
この点、本実施形態のスロットマシン1では、上述のとおり、通常状態中、ハズレを除いて常に、内部抽選にて小役または一般役が当選成立する。したがって、上記訴求演出を行ったとしても、当該演出が虚偽演出とはなりえない。また、通常状態中は、BBがほぼ常に当選成立状態にあることがほとんどなので、内部抽選の結果が仮にハズレであったとしても、このときはBBに対応する図柄組み合わせが示現されるので、やはり、虚偽演出とはなりえない。これにより、虚偽演出が頻出することによって遊技者が感じうる嫌気を軽減でき、興趣の低下を抑制できる。
なお、BBゲームにおける内部抽選では、図65に示す番号「2」が高い頻度で抽出されて、小役1〜27に対応する図柄組み合わせ(即ちベル図柄の組み合わせ)が有効ラインに出現する。このとき、1枚のメダルが払い出される。また、図65に示す番号「2」の他、番号「3」〜「29」のいずれかも抽出されうる。
また、上述したように、ベルが有効ラインに揃ったとき(入賞したとき)に払い出されるメダル枚数を1枚としたのは、内部抽選が行われた際に、図65に示す番号「2」が高い頻度で抽出されるようにして、BBのフラグが成立したとしても、通常の遊技状態ではBBに対応する組み合わせが有効ライン上に成立し難くするためである。
なお、スロットマシン1には複数の設定値(設定値1から4までの4段階)を設けている(それぞれ図示はしない)。そして、それぞれの設定値では内部抽選確率に格差(段階的な差、極端な差など)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4、というように設定値が高くなるほど、図65に示す番号「3」〜「29」の小役の内部抽選確率が高くなるように構成されている。例えば、設定値1に比べると設定値4では図65に示す番号「3」〜「29」の小役の当選確率が高く決められているので、27個の小役フラグのうち非重複フラグを除く26個の小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことが回避されるかたちで停止操作できるチャンスがおとずれる頻度が高くなる。このように段階的な設定値を設けることにより、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、ホール等の経営に合わせた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能となる。なお、上記のような設定値に限られることはない。また、BB(図65に示す番号「1」、「30」〜「32」の重複役の内部抽選確率が、単独でまたは上記小役と併せて高くなるように構成してもよい。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図66では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン基板409のROM1112に格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン211aを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン211cを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する(当選図柄示現手段)。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは右下がりラインと下段ラインの2ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール301b、右リール301c)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓401内の図柄(これを停止目と呼ぶ、以下同様)のうち特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。これにより、BB図柄、RB図柄以外の当選役図柄については目押しの必要なく揃えることができることになる(詳細はリール停止制御にて説明する)。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する(当選図柄示現手段)。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。なお、右リール停止処理(ステップS220)においても、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブルに基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する(当選図柄示現手段)。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。すなわち、「逆押し」の停止操作手順では、右リール301cのみが停止状態となり、なおかつ、右リール301cの停止目のうち、下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓401内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓401内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓401内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓401内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
スロットマシン1では、先述のように、重複して当選したBBを除くほぼ全ての当選役について当選フラグが成立した場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる(前述の図62参照)。
また、チェリーについても、目押しを必要とせずにチェリー図柄を揃えることができる。
以上のことから、スロットマシン1では、重複して当選したBBを除いて、ほぼ全ての当選役図柄については、目押しを必要とせずに揃えることができる。つまり、重複して当選したBBを除く当選役については「取りこぼし」を生じることがないということになる。また、このBBについても、他の当選役が重複して当選していない状態になれば、目押しを必要とせずにBB図柄を揃えることができるようになる。従って、目押しの技量の差により、遊技者ごとに利益の差が大きくなる(メダルの獲得枚数に大幅な差が生じることなど)ことを極力解消することができる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図67では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301、S302では、それぞれ、現在の遊技状態がRBゲーム中であるか、BBゲーム中であるかを判定する。これは後述するRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS380に移る。またBBゲーム中フラグがON(=1)となっているとステップS302の判定が満たされ、ステップS370に移る。
RBゲーム中フラグ及びBBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S302の判定がいずれも満たされず、いずれかの有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS310,S320,S330,S340,S350のいずれかに移る。
ステップS310では、BB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS312に移る。
次のステップS312では、BBゲーム開始処理を実行する。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS320では、RB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にRB図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。なお、本実施形態ではRBの説明を割愛しているが、当該処理が行われるのが一般的である。
次のステップS322では、RBゲーム開始処理を実行する。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、ベル図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にベル図柄が揃っている場合(「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」、この判定が満たされ、次のステップS336に移り、規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役(ベル)に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。ただし、上述したとおり、ベルは準ハズレとしての位置付けであるから、メダルが払い出されたことを告知しなくともよい。
そして、ステップS338では、ベル当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
ステップS340では、チェリー図柄が揃っているかを判定する。有効ライン上にチェリー図柄が揃っている場合(「チェリー図柄−ANY−ANY」)、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。
次のステップS342では、規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役(チェリー)に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
そして、ステップS344では、チェリー当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
ステップS350では、リプレイ図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。
次のステップS352では、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS354では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS310,S320,S330,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
従って、当該当選フラグが、BB当選フラグ、RB当選フラグ、のいずれにも該当しない場合、この時点で「取りこぼし」が確定することになる。なお、スロットマシン1では、この「取りこぼし」が生じる当選役は無いものであるが、小役等には「取りこぼし」が生じる可能性を持たせた当選役を含めてもよい。
一方、当該当選フラグがBB当選フラグ及びRB当選フラグのいずれかに該当する場合、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BB及びRBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BB、RBといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBB、RBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技量の低い遊技者にとっては、BB図柄(あるいはRB図柄)を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
上記のステップS303からステップS360までの処理は、通常状態中にて実行される処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム及びRBゲームにて実行される処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、BBゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合(例えば、「リプレイ図柄−ベル図柄−ベル図柄」、「チェリー図柄−ANY−ANY」、または「リプレイ図柄−7図柄−スイカ図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理を実行し(詳細は後述する)、判定処理を終了する。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。特にこの例では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理を実行(詳細は後述する)し、判定処理を終了する。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に述べたとおりであるため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図67のステップS310の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図68を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常状態中のゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図67のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図69を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図67のステップS372にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数が300枚を超えたかを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグをOFF(=0)にし、BBゲーム終了判定処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図67のステップS320の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図70を用いて説明する。なお、本実施形態のスロットマシンではRBの説明を割愛しているため、一般的なRBゲームの例として説明する。
まず、ステップS501では、RBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常状態中のゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常状態中のゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図67のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図71を用いて説明する。なお、本実施形態のスロットマシンではRBの説明を割愛しているため、一般的なRBゲームの例として説明する。
まず、ステップS551では、前述の図67のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS552では、累計払出枚数が100枚を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、RBゲーム終了判定処理を終了する。
[演出動作の制御]
以上は、メイン基板409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせて演出制御基板510により各種演出動作の制御を実行する。これはメイン基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、演出制御基板510(主にCPU1118等)にて実行するものである。前述の通りメイン基板409から出力された各種コマンドは、一旦、RAM1122に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてROM1120内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し枚数までを知らせる態様でもよい)などがある。
示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。図65の番号「36」のハズレの場合には、BBが当選成立状態である限り、各リール301a,301b,301cをいかなるタイミングで停止操作しても、「7」図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる。
告知演出は、例えば、図65の番号「3」〜「29」の小役であった場合、「ベル確定」等、遊技者が当該ゲームでいずれの当選役となったかを明確に知ることのできるものである。この演出は、特に上記ハズレなど遊技者にとって喜ばしい当選役(ハズレであれば「7」図柄組み合わせの入賞が確定し、メダルを大量に獲得できるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、「7」図柄組み合わせの入賞が確定した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
また、連続演出態様としては、通常状態中、BBゲーム等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているかを明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現在の遊技状態が通常状態中であるのか、BBゲーム中であるのか、といった区別を付けることが容易となる。
以上の演出態様は、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、画像表示体500、スピーカ512、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、画像表示体500に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
ところで、上述した実施形態(発明を実施するための最良の形態)に記載の遊技機からは、以下の技術思想を抽出できる。
[技術思想]
複数種類の図柄が付された回転表示体を複数有し、該回転表示体に付された図柄を回転表示可能な図柄表示手段と、
前記複数の回転表示体に付された図柄の回転表示を開始させるスタート操作手段と、
予め定められた一の確率で当選成立とされるボーナスフラグを含み、複数の抽選フラグのうち一または複数の抽選フラグについての当選成立にかかる乱数抽選を、前記スタート操作手段の操作に基づいて行う乱数抽選手段と、
回転表示状態にある前記図柄が停止表示されたときに示現される前記複数の回転表示体を跨る図柄組み合わせに応じて、1ゲームの結果としての賞を付与しうる賞付与手段と、
前記複数の抽選フラグのうち特定の抽選フラグに対応する図柄組み合わせが示現されるタイミングをあてるかのように行われた遊技者の意思による外部操作に基づいて、回転表示状態にある前記図柄を停止表示可能な意思介入停止操作手段と、
前記図柄が停止表示されたときに示現された図柄組み合わせが前記ボーナスフラグに対応する図柄組み合わせであるときは、前記賞付与手段によって賞が付与されうるゲームが複数ゲームにわたって行われるボーナスゲームを実行可能なボーナスゲーム実行手段と、
前記ボーナスフラグが非当選成立状態である徒労遊技が継続しないよう前記ボーナスフラグが常には当選成立されうる確率で前記乱数抽選が行われながらも、当該ボーナスフラグに対応する図柄組み合わせよりも優先して図柄組み合わせが示現される少なくとも一の一般フラグも併せて当選成立されうる通常状態にて、当該一般フラグに対応する図柄組み合わせが示現されるタイミングが、前記意思介入停止操作手段による外部操作を介して回避されることで、当該一般フラグに対応する図柄組み合わせの示現を回避する当選役回避的遊技実行手段と、
前記通常状態において、前記当選成立状態にある一般フラグに対応する図柄組み合わせの示現が回避される頻度を可変とすべく、遊技者による前記意思介入停止操作手段を介した外部操作を支援する期間と当該支援が行われない期間とを創出する一般役示現確率変更手段と、を備えることによって、
前記抽選手段が予め定められた一の確率にて前記ボーナスフラグが当選成立とされる内部抽選を行うものでありながらも、前記ボーナスゲームが実行される確率を変更しうるようにした
ことを特徴とする遊技機。
本技術思想に記載の遊技機は、例えばメダル等の遊技媒体を遊技機に投入したことに基づいてゲームのスタート操作がスタート操作手段を介して可能となり、ゲームのスタート操作が行われたことに基づいて、複数の抽選フラグのなかからいずれかの抽選フラグについての当選成立にかかる乱数抽選が行われる。ただし、後述する賞付与手段によって再遊技が付与された場合には、遊技媒体を投入しなくともゲームの開始条件が成立し、ゲームのスタート操作が可能となる。
上記複数の抽選フラグには、一の確率で当選成立とされるボーナスフラグと、複数種の一般フラグと、が少なくとも含まれており、乱数抽選手段にて乱数抽選が行われると、これら複数の抽選フラグのなかから少なくとも一以上の抽選フラグが当選成立状態とされる。なお、各抽選フラグには固有の図柄組み合わせが対応付けられており、乱数抽選にていずれかの抽選フラグが当選成立状態とされた場合には、当該当選成立状態とされた抽選フラグに対応する図柄組み合わせが示現可能となる。ここで、「図柄組み合わせ」は、回転表示体に付された図柄が停止表示された場合に、図柄表示手段にて複数の回転表示体を跨って停止表示された図柄の組み合わせである。
なお、上記「複数種の一般フラグ」に対応する上記実施形態に記載の役は、ベル、チェリー役、リプレイ役およびスイカ役である。すなわち、上記実施形態では、ベル役を小役と称し、チェリー役、リプレイ役およびスイカ役を一般役と称しているが、上記では、一般役としてのチェリー役、リプレイ役およびスイカ役のみならず、小役としてのベル役を含むとともに、BBを除く全ての役に対応するフラグを総称して一般フラグと称している。
ところで、乱数抽選にて当選成立状態とされた抽選フラグが一般フラグであるとき、当該一般フラグについての当選成立状態は、従来の遊技機と同様に、当選成立状態とされた当該ゲームにおいてのみ有効とされる。すなわち、乱数抽選にて当選成立状態とされた一般フラグに対応する図柄組み合わせ(以下、「一般図柄組み合わせ」と称する)は、当該当選成立状態となったゲームにおいてのみ示現されることが可能であり、当該乱数抽選にて当選成立状態とされた一般図柄組み合わせが当該ゲームにおいて示現されたか否かにかかわらず、次ゲーム以降での乱数抽選にて当選成立状態とならない限り示現されることはない。
そして、一般図柄組み合わせが示現されると、1ゲームの結果としての賞が、賞付与手段によって付与される。この賞は、例えば、遊技に供する所定の遊技媒体、遊技媒体を供することなく再遊技としての次ゲームを実行する権利が例示され、示現された図柄組み合わせによって利益度合いが異なる。
これに対し、乱数抽選にて当選成立状態とされた抽選フラグがボーナスフラグであるとき、当該ボーナスフラグについての当選成立状態は、これも従来の遊技機と同様に、当選成立状態とされた当該ゲームにおいて示現されなかったとしても、次ゲーム以降まで持ち越される。すなわち、乱数抽選にて当選成立状態とされたボーナス図柄は、当該当選成立状態となったゲームにおいて示現されなかったとしても、次ゲーム以降にて示現可能となる。
このボーナス図柄組み合わせが示現されると、ボーナスゲーム実行手段によりボーナスゲームが実行される。このボーナスゲームが実行されると、賞付与手段によって賞が付与されうるゲームが複数ゲームにわたって行われるので、遊技者は、大量の遊技媒体を獲得することができる。
乱数抽選にていずれかの抽選フラグが当選成立状態となったとき、当該当選成立状態にある抽選フラグ固有(独自)のタイミングで遊技者による外部操作が行われた場合に、当該当選成立状態にある抽選フラグに対応する図柄組み合わせが示現される。具体的には、一の抽選フラグが当選成立状態にあるとき、当該当選成立状態にある抽選フラグに対応付けられた固有の図柄組み合わせが示現されるタイミングで外部操作が行われた場合に限り、当該当選成立状態にある抽選フラグに対応付けられた固有の図柄組み合わせが示現される。つまり、結果的に各抽選フラグには固有のタイミングが対応付けられて(割り当てられて)いることとなり、乱数抽選の結果として一の抽選フラグが当選成立状態になると、当該当選成立状態となった抽選フラグに対応付けられた固有のタイミングで外部操作が行われた場合に、当該当選成立状態となった抽選フラグに対応する図柄組み合わせが示現される。
なお、各抽選フラグに対応付けられている固有のタイミングは、周期的におとずれるものである。具体的には、回転表示体はほぼ一定の回転数で回転することから、回転表示体に付された特定の図柄は、周期的におとずれることになる。ここで、回転表示体に付された図柄が1周する時間が1周期であり、周期的におとずれる所定長さの時間がタイミングである。
なお、従来の遊技機では、ボーナスゲームが行われない単調な遊技が長期間にわたって行なわれる場合がある。従来、ボーナスゲームが行われるか否かについては遊技機側にて一方的に決められていたため、ボーナスゲームが行われない単調な遊技が継続すると、これまでの遊技は全くムダな徒労遊技となってしまい、遊技者は、引き続き行う意欲が低下するおそれがあった。
そこで、上記技術思想に記載の遊技機では、ボーナスフラグが常には当選成立されうる確率で乱数抽選が行われながらも、複数の一般フラグのうち少なくとも一の一般フラグも併せて当選成立されうる確率で乱数抽選が行われる通常状態にて遊技が行われるようにした。詳しくは、常には、ボーナスフラグと、複数の抽選フラグのうちいずれか一以上の一般フラグと、が重複して当選成立状態にある通常状態にて遊技が実行されることとし、この通常状態において、当選成立状態にある一般フラグに対応するタイミングを回避して遊技者による外部操作が行われた場合に限り、当選成立状態にある一般フラグに対応する図柄組み合わせの示現が当選役回避的遊技実行手段によって回避されるようにした。そして、当選成立状態にある一般フラグに対応する図柄組み合わせの示現が回避された場合に限り、当選成立状態にあるボーナスフラグに対応する図柄組み合わせが、限定的ボーナス示現手段によって示現される。つまり、通常状態では一の一般フラグが当選成立状態であるにもかかわらず、当該当選成立状態にある一般フラグに対応するタイミングを避けるようにして遊技者が意思介入停止操作手段を介して停止操作を行った場合に限り、ボーナスゲームが実行されることになる。なお、遊技者は、自らが選択した任意のタイミングで停止操作を行うことができるので、どのタイミングで停止操作を行うと当選成立状態にある一般フラグに対応するタイミングを避けることができるかといった、いかにも籤を引くような籤引的な感覚で停止操作を行うことができる楽しみがある。
なお、乱数抽選では、複数の抽選フラグのうちいずれか一以上の一般フラグが常に当選成立するが、上記技術思想の趣旨を逸脱しない範囲で、極稀にいずれの抽選フラグも当選成立しない場合があってもよい。このような場合、それ以前にボーナスフラグが当選成立していれば、いずれのタイミングで停止操作が行われたとしてもボーナス図柄組み合わせが常に示現されるようにすると、所謂鉄板ゲームを創出することができるので、興趣の低下が抑制できる。
また、上述したとおり、ボーナスフラグは次ゲーム以降に持ち越されうるので、通常状態では、ほぼ毎ゲームのように、乱数抽選にて一般フラグが当選成立することとなる。また、ボーナスフラグが単独で当選成立状態となるようなことがないよう、乱数抽選にてボーナスフラグが当選成立したゲームでは、当該ボーナスゲームと併せていずれかの一般フラグも同時に当選成立することとなる。
上記のような遊技を行うことができる具体的手段としては、例えば、各回転表示体について、1周期のうちの全ての時間をボーナスフラグに対応させるとともに、1周期のうち3分の2を占める時間を一般フラグに対応させ、且つ、ボーナスフラグと一般フラグとが重複して当選成立状態にあるときは、ボーナス図柄組み合わせよりも一般図柄組み合わせを優先して示現させるよう構成することで実現できる。
このとき、複数の回転表示体のうち少なくとも一の回転表示体に付された図柄について、1周期のうち一般フラグに対応する3分の2の時間内に停止操作が行われると、一般図柄組み合わせが示現される。これに対して、複数の回転表示体に付された全ての図柄について、1周期のうち一般フラグに対応する3分の2の時間を回避して停止操作が行われた場合に限り、限定的ボーナス示現手段によりボーナス図柄組み合わせが示現される。
すなわち、複数の回転表示体のうち一つでも、1周期のうち一般フラグに対応する3分の2の時間内に停止操作が行われると、ボーナス図柄組み合わせが示現されることなく、一般図柄組み合わせが示現されることとなる。したがって、回転表示体の数が例えば3つであると、停止操作といった遊技者自らの操作によって、27分の26の確率で、当選成立状態にある一般図柄組み合わせが示現されることが回避される。
しかも、ボーナスフラグおよび一般フラグのいずれもが当選成立状態にある通常状態にて一般図柄組み合わせが示現されたとしても、次ゲームではよほどのことがない限り再び複数の抽選フラグのうちいずれか一以上の一般フラグが当選成立状態となるので、次ゲームでは再び一般図柄組み合わせが常に示現されるかまたは示現されやすい状態となる。
このように、上記技術思想に記載の遊技機では、従来の遊技機のように、ボーナス図柄組み合わせが示現されうる状態であるか否かが遊技機側で一方的に決定されるのではなく、通常状態にて遊技者自ら行った停止操作、しかも、当選成立状態にある一般図柄組み合わせを回避するかたちで停止操作した場合に限りボーナス図柄組み合わせが示現されるといった、これまでにない斬新な遊技機を提供することができる。
また、通常状態において毎ゲームのように遊技者自らの停止操作如何でボーナス図柄組み合わせが示現されるよりも、例えば、数ゲームに1回、10数ゲームに1回、または、数10ゲームに1回といった頻度で、遊技者自らの停止操作如何でボーナス図柄組み合わせが示現されるようにすると好ましい。なぜなら、ボーナス図柄組み合わせが示現される確率は出玉率との関係で決まるので、毎ゲームのように遊技者自らの停止操作如何でボーナス図柄組み合わせが示現されるようにすると、遊技者自らの停止操作に基づいてボーナス図柄組み合わせが示現される確率が極めて低くなってしまい、遊技者自らの停止操作によってボーナス図柄組み合わせが示現されるといった期待感が低下し、せっかくの斬新な構成が意味のないものになってしまうからである。
なお、従来の遊技機では、ボーナスフラグが当選成立する確率と、ボーナス図柄組み合わせが示現される確率と、はほぼ同じであった。これに対し、上記技術思想に記載の遊技機では、遊技者自らの停止操作如何で一般図柄組み合わせの示現が回避されるタイミングが生じるゲームが行われる確率(図68の番号3〜29の27分の26択ベルが当選成立する確率)と、遊技者自らの停止操作に基づいて当選成立状態にある一般図柄組み合わせの示現が回避される確率(図68の番号3〜29の27分の26択ベルが当選成立したときに、ベル図柄組み合わせが回避される確率としての27分の1)と、を乗じた値が、ボーナス図柄組み合わせが示現される確率となる。
ところで、上記技術思想に記載の遊技機は、さらに、通常状態において、遊技者による意思介入停止操作手段を介した外部操作を支援する期間(支援期間)と当該支援が行われない期間(非支援期間)とを創出する一般役示現確率変更手段を備えている。つまり、通常状態において当選成立状態にある一般フラグに対応する図柄組み合わせが示現されることを回避するタイミングが、一般役示現確率変更手段によって遊技者に示唆される。これにより、通常状態ではほぼ常にいずれかの一般フラグが当選成立状態にあるものの、当該当選成立状態にある一般フラグに対応する図柄が示現される確率が、支援期間と非支援期間とで異なることとなる。その結果として、抽選手段が予め定められた一の確率にてボーナスフラグが当選成立とされる内部抽選を行うものでありながらも、ボーナスゲームが実行される確率が、支援期間と非支援期間との間で実質的に変更されることとなり、興趣の低下が抑制できる。
なお、当選成立状態にある一般フラグに対応する図柄組み合わせが示現されることを回避するタイミングを遊技者に示唆する態様は、例えば、液晶表示器等の表示手段に表示される演出画像により視覚的に表示する態様であってもよいし、スピーカー等の効果音出力手段から出力される効果音により聴覚的に示唆する態様であってもよい。また、視覚的に表示する態様と聴覚的に示唆する態様とを併用してもよい。
また、上記技術思想に記載の遊技機では、通常状態のもとでボーナステンパイが示現されると、遊技者は非常に大きな興奮を感じることとなり、興趣の低下を抑制できる。より詳しくは、通常状態では複数の一般フラグのうちいずれかの一般フラグが当選成立状態にあることから、当該当選成立状態にある一般フラグに割り当てられたタイミングで遊技者による外部操作が行われると一般図柄組み合わせが示現され、この示現された一般図柄組み合わせに応じた利益度合いの賞が付与される。
また、一般図柄組み合わせが示現されると当該一般図柄組み合わせに応じた利益度合いの賞が付与されるにもかかわらず、当選成立状態にある一般フラグに対応付けられたタイミングを回避するようにして遊技者による停止操作が行われると、一般図柄組み合わせが示現されていれば付与されたであろう賞よりも利益度合いが大きいボーナス図柄組み合わせが示現される。しかも、ボーナステンパイが示現されるか否かは、従来の遊技機のように遊技機側で一方的に決定されるのではなく、遊技者による停止操作にも依存するので、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制できる。
なお、ボーナステンパイとは、複数の回転表示体に付された図柄のうち最後に停止表示される図柄のみが回転表示状態であって、当該回転表示状態にある図柄が停止表示されたときにボーナス図柄組み合わせを構成する態様である。例えば、回転表示体の数が3つであって、このうち2つの回転表示体に付された図柄が停止表示状態であって、且つ、1つの回転表示体に付された図柄のみが回転表示状態であるときに、当該回転表示状態にある図柄が停止表示されたときにボーナス図柄組み合わせを構成するのであれば、停止表示状態にある2つの回転表示体に付された図柄によって構成される図柄組み合わせをボーナステンパイと称する。
以上は、本発明のスロットマシン1の一形態であるが、これに限定されることはなく、本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。例えば、上記実施の形態ではスロットマシンについて説明したが、スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなるパチンコ球取込回胴式遊技機等(即ち、パチンコ球が取込装置によって機内に取り込まれることによってリールが回転し、当該回転しているリールを停止操作することによって停止した図柄の組み合わせによって入賞判定が行われる遊技機)であっても本発明を適用することができる。このような遊技機は、パチンコ球を投入することを除いて基本的にスロットマシンと似た遊技機である。上記実施形態によると、ベルが入賞した際に払い出されるメダルは最少単位であることが好ましいが、パチンコ球はメダルよりも一般的に遊技価値が低いため(メダルの5分の1が一般的)、上記発明は、パチンコ球取込回胴式遊技機に適用されるとより好ましい。