JP2010035520A - 冷蔵流通液状卵とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷蔵流通液状卵として、殺菌液卵と未殺菌液卵、更には液状全卵、液状卵白、液状卵黄、ホール全卵の種別を問わず、保存性が従来に比して飛躍的に向上し、廃棄率を著しく低減して安定した供給を確保でき、製造から消費に至るまでの流通上のコスト負担が少なくて済むものを提供する。
【解決手段】酸素不透過性包材中に、溶存酸素濃度1.7ppm以下の液状卵が封入されてなる冷蔵流通液状卵。
【選択図】なし
【解決手段】酸素不透過性包材中に、溶存酸素濃度1.7ppm以下の液状卵が封入されてなる冷蔵流通液状卵。
【選択図】なし
Description
本発明は、保存性を高めた冷蔵流通液状卵と、その製造方法に関する。
一般的に、冷蔵流通液状卵には殺菌液卵と未殺菌液卵とがあるが、いずれにおいても長く保存する内に生菌数が上昇して腐敗に至ることから、商業的保存性(賞味期限)は衛生面より殺菌液卵で5日、未殺菌液卵で4日とされている。従って、現状では、液状卵の製造から流通過程を含めて消費まで厳しい時間的制約を受ける上、期日超過による廃棄を余儀なくされる場合が多々あり、廃棄率を少なくして安定した供給を確保するために保存性を高めることが大きな課題になっている。
そこで、従来より、液状卵の保存性を高める手段として、卵液を−1〜−4℃の品温で液状状態のまま保持する方法(特許文献1)、耐圧性容器に満杯に充填、密封された卵液を−4℃より低い品温で液状状態のまま保持する方法(特許文献2)、ホール液卵を酸素透過性のない容器に入れ脱気後、空気を不活性ガスで置換して0〜−3℃で保存する方法(特許文献3)等が提案されている。
しかるに、前記提案のように卵液を品温−1〜−4℃で液状状態に保持する方法は、製造側及び消費側の冷蔵設備ならびに搬送部門での車載冷蔵設備として、高度な温度制御機構を備えるものが必要になり、設備的に非常に高コストにつくため、実際の流通上では採用困難である。また、耐圧性容器に満杯に充填、密封された卵液を−4℃より低い品温で液状状態に保持する方法は、容器の剛性によって卵液の低温化に伴う体積膨脹を抑え、内圧の上昇による凍結点の低下で液状状態を保つということであるが、それだけ特殊で高価な容器が必要になる上、低温化を速めるために容器充填前に予冷処理を行ったり、取り出し時の凍結を防止するために時間をかけて昇温させた上で開封する等、手間及び時間のかかる操作が必要であり、作業性及び経済性の両面で難点がある。更に、前記ホール液卵を脱気及び不活性ガス置換して0〜−3℃で保存する方法では、やはり0〜−3℃で保持する上で高度な温度制御機構を備える冷蔵設備を必要とし、実際の流通上では採用困難であり、また保存温度を5℃や10℃に変更した場合や攪拌液状卵に適用した場合は保存性の改善は殆ど得られていない。
一方、食品全般について衛生上の保存性を向上させる手段として、通常の腐敗菌が酸素呼吸での代謝で増殖することから、その呼吸を抑えるために真空包装や不活性ガス充填包装が以前から行われている(非特許文献1,2)。しかるに、例えば乳飲料、清涼飲料、茶、コーヒー、食用油、果汁類、酒類等の一般的な液状飲食品に関しては、通常8mg/L程度の溶存酸素を含むが、その溶存酸素が著しく減少すると、通性及び偏性嫌気性菌の増殖を招くのが通例であり、嫌気性分解によって悪臭物質が発生することも知られているため、溶存酸素濃度を極度に減少させる手法はとられておらず、主として酸化による品質劣化を抑える目的で、一部の液状飲食品において溶存酸素濃度を3mg/L程度に落としたものが存在する程度である。
特開昭61−177940号公報
特開昭62−122551号公報
特開昭63− 39541号公報
単行本「最新食品微生物制御システムデータ集」サイエンスフォーラム(株)発行
単行本「チルド食品」光琳(株)発行
本発明は、上述の情況に鑑み、冷蔵流通液状卵として、殺菌液卵と未殺菌液卵、更には液状全卵、液状卵白、液状卵黄、ホール全卵の種別を問わず、その保存性が従来に比して飛躍的に向上し、もって廃棄率を著しく低減して安定した供給を確保でき、しかも製造から消費に至るまでの流通上のコスト負担が少なくて済むものを提供することを課題としている。
本発明者らは、上記目的を達成するために、様々な角度から鋭意検討を行うと共に、綿密な実験研究を重ねた結果、液状卵における溶存酸素の影響が一般的な液状食品とは全く異なり、溶存酸素が極めて低濃度の領域で、通性及び偏性嫌気性菌の増殖を生じることなく、飛躍的に保存性が向上し、酸素不透過性包材の利用により、10℃前後の好気性雰囲気下での保存でも2週間以上、更には20日以上の衛生上保存が可能になることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、請求項1の発明は、酸素不透過性包材中に、溶存酸素濃度1.7ppm以下の液状卵が封入されてなる冷蔵流通液状卵を要旨としている。
また、請求項2の発明は、酸素不透過性包材中に、溶存酸素濃度0.7ppm以下の液状卵が封入されてなる冷蔵流通液状卵を要旨としている。
そして、請求項3の発明は、前記請求項1又は2の冷蔵流通液状卵において、酸素不透過性包材中に、炭酸ガスもしくは炭酸ガスと窒素ガスの混合ガスを主体とするヘッドスペースを有してなる構成としている。
更に、請求項4の発明は、前記請求項1〜3のいずれかの冷蔵流通液状卵において、品温が5〜15℃である構成としている。
一方、請求項5の発明は、液状卵を溶存酸素濃度1.7ppm以下まで脱酸素処理したのち、酸素不透過性包材による真空包装又は不活性ガス充填包装を行うことを特徴とする冷蔵流通液状卵の製造方法を要旨としている。
また、請求項6の発明は、前記請求項5の冷蔵流通液状卵の製造方法において、液状卵の前記脱酸素処理を真空度80mbar以上の減圧脱気によって行う構成としている。
請求項1の発明に係る冷蔵流通液状卵は、酸素不透過性包材中に、溶存酸素濃度1.7ppm以下の液状卵が封入されたものであるため、10℃前後の好気性雰囲気下での保存でも2週間以上の衛生上保存が可能になる。
請求項2の発明に係る冷蔵流通液状卵は、酸素不透過性包材中に、溶存酸素濃度0.7ppm以下の液状卵が封入されたものであるため、10℃前後の好気性雰囲気下での保存でも20日以上の衛生上保存が可能になる。
請求項3の発明によれば、前記の冷蔵流通液状卵において、酸素不透過性包材中に、炭酸ガスもしくは炭酸ガスと窒素ガスの混合ガスを主体とするヘッドスペースを有することから、袋内での気液平衡によって液状卵の溶存酸素が安定的に極低濃度に維持され、もってより確実に長期保存性が発揮される。
請求項4の発明によれば、冷蔵流通液状卵の品温が5〜15℃であるため、製造側及び消費側の冷蔵設備ならびに搬送部門での車載冷蔵設備として、高い冷却能力や高度な温度制御機構を要さず、もって製造から消費までの設備コスト負担ならびに流通コスト負担が少なくて済み、それだけ高い経済性が得られ、液状卵を低コストで提供できるという利点がある。
請求項5の発明に係る冷蔵流通液状卵の製造方法によれば、液状卵を溶存酸素濃度1.7ppm以下まで脱酸素処理したのち、酸素不透過性包材による真空包装又は不活性ガス充填包装を行うことから、前記の優れた保存性を有する冷蔵流通液状卵を確実に得ることができる。
請求項6の発明によれば、前記の冷蔵流通液状卵の製造方法において、液状卵の脱酸素処理を真空度80mbar以上の減圧脱気によって行うことから、液状卵の溶存酸素濃度を極低濃度に確実且つ迅速に設定できる。
本発明で対象とする液状卵は、液状全卵、液状卵白、液状卵黄のいずれをも含み、更にこれらに糖分を加えた加糖液卵、同じく塩を加えた加塩液卵、また加熱液卵のように何らかの処理を加えた処理液卵、割卵後の黄身と白身の形態を保持したホール全卵等も包含するが、特に熱変性されない程度に熱を掛けた未殺菌卵が好適である。また、本発明の冷蔵流通液状卵における冷蔵流通とは、品温5〜15℃での流通をいうものとする。
本発明の冷蔵流通液状卵では、液状卵の溶存酸素濃度を1.7ppm以下、より好ましくは0.7ppm以下という極低濃度に設定するが、これによって一般的な好気性菌の増殖を防止できることは無論のこと、本来は増殖の懸念がある筈の通性及び偏性嫌気性菌の増殖も生じないことが確認されている。なお、この溶存酸素濃度に採用したppmという単位は、液相中ではmg/Lと等価であるとする。
すなわち、一般的な液状食品については、既述のように、溶存酸素が著しく減少すると、通性及び偏性嫌気性菌の増殖を招くのが通例とされ、嫌気性分解による悪臭物質の発生も懸念されるため、溶存酸素を極度に低減する処理は全く行われておらず、一部の液状食品として酸化による品質劣化を抑える目的で溶存酸素濃度を3mg/L程度に低減する例があるに過ぎない。しかるに、本発明者らの知見によると、こと液状卵の場合は、鶏卵独自の免疫作用や酵素作用等の生物学的特性に依拠するものと推測されるが、正常卵中には偏性嫌気性菌が存在しないか、存在しても増殖しにくいことが判明している。
なお、液状卵の取扱い中、何らかの要因で外部から嫌気性菌が混入した場合でも、安全性が損なわれる可能性は殆どない。例えば、通性嫌気性菌である黄色ブドウ球菌が液状卵中に存在しても、冷蔵流通の10℃程度の低温域では増殖しない。また、冷蔵で増殖し得るポツリヌスE菌の混入を生じたとしても、上記冷蔵流通の低温域で毒素を造り出すには1カ月以上の長期間を要すると想定される。一方、嫌気性菌の呼吸のためには硫酸根、硝酸根、炭酸ガスを必要とするが、液状卵中ではこれら成分が不足するために急速な増殖は果たせず、また発酵では増殖速度が遅いので危険なレベルに達するのに長期間を要することになる。従って、外部からの嫌気性菌の混入があっても、保存期間を極端に長くしない限りは安全性に問題を生じない。そして、このような外部からの嫌気性菌の混入は、取扱いにおける安全管理の徹底によって十分に避け得ることでもある。
しかして、本発明の冷蔵流通液状卵では、後述する実施例で実証されるように、液状卵の溶存酸素濃度が1.7ppm以下である場合、10℃程度の冷蔵流通温度で2週間以上の衛生的保存が可能となる。更に該溶存酸素濃度が0.7ppm以下である場合、同冷蔵流通温度で20日以上の衛生的保存を行える。これは、現状の冷蔵流通液状卵の保存期間が4日や5日であることからすれば、本発明の冷蔵流通液状卵は賞味期限を従来品の優に倍以上の長さ、更には数倍以上の長さに設定できることを意味している。従って、本発明によれば、液状卵の製造から消費までの時間的制約が著しく緩和され、製造側及び消費側である程度の日数を貯蔵する余裕ができ、もって液状卵の安定供給を実現できると共に、各製造工場からの出荷配送範囲を大幅に拡大できる上、期限超過で廃棄されることが少なくなるから、食材の有効利用率を高めることに貢献できる。しかるに、液状卵の溶存酸素濃度が1.7ppmを越える場合は、卵中の好気性菌の増殖を充分に抑えられず、保存可能日数が極端に短くなる。
液状卵の溶存酸素を前記の極低濃度まで低下させる手段としては、特に制約されないが、減圧脱気による脱酸素処理が推奨される。すなわち、卵の場合、60℃付近から凝固を生じるため、大気圧下の沸騰による溶存酸素の揮散を行えず、減圧による沸点低下を利用し、真空吸引によって凝固を生じない60℃未満の低温下で沸騰させて溶存酸素を揮散させるのがよい。
液状卵の雰囲気を真空吸引によって減圧してゆくと、所定の真空度に達した段階で一挙に該液状卵から水分と炭酸ガスを主体とする気化成分が多数の泡を伴って蒸発揮散(沸騰)し、溶存酸素も付随して蒸発揮散することが判明している。この現象により、液状卵が粘性を有しているにも拘らず、その溶存酸素を極低濃度まで容易に減少させることができるのである。そして、更に減圧を続けてゆくと、なおも少しずつ溶存酸素が水蒸気に伴って抜け出て来るが、液状卵中の水分の蒸発によって温度低下と共に卵の固形分濃度が高くなるため、なるべく水蒸気を除かずに溶存酸素のみを除去することが望ましい。従って、例えば液状卵をできるだけ表面積が大きくなるように薄膜状にした状態で減圧する等、短時間で溶存酸素のみが飛散するように工夫すべきであるが、飛散する水蒸気に見合う量の脱酸素水を補給することも可能である。また、この真空吸引の際、蒸発熱による温度低下で脱酸素効率が落ちる場合、所定温度を維持するように熱を加え、もって脱酸素効率の低下を抑えるようにしてもよい。
真空吸引による液状卵の沸騰(一挙な気泡発生)は温度が高いほど低真空度で生じるため、溶存酸素を既述の極低濃度まで低減させるための減圧度合は特に限定されないが、10〜30℃程度の温度範囲においては約80mbarで沸騰を生じることから、一般的には真空度80mbar以上に減圧することが推奨される。この真空吸引によって溶存酸素を所定の極低濃度まで低減させた液状卵は、そのまま酸素不透過性包材を用いて密封包装すればよい。なお、液状卵の沸騰による溶存酸素の低減作用は温度が高いほど大きく、例えば50℃では3分間の減圧沸騰によって溶存酸素を0.6mg/Lまで低減でき、また10℃では同様に1.5mg/Lまで低減できることが判明している。
しかるに、一回の真空処理では、真空開放時に少量の空気が泡となって液状卵中に巻き込まれ、この空気泡の周辺から菌が増殖してくる恐れがあるので注意を要する。そのため、好ましくは、真空処理後に不活性ガス中で真空開放(ガスパージ)してシールするか、この不活性ガス中での真空開放後に再度真空吸引を行った上でシールするのがよい。また、他の手段として、空気泡を巻き込まないような充填方法、例えば炭酸ガス等の不活性ガス通気下充填法や、縦ピロー充填法等を採用したり、アルコール噴霧によって空気泡を生じにくくしてもよい。ただし、液状卵は、水や液体調味料等に比較して粘性が高いため、一般の高粘度液のように真空時に発生した泡が真空ラインへ吸引されたり、含有する高分子物質によって脱酸素が阻害されたりすることが懸念されるが、本発明者らの実験研究によれば、実際の真空吸引時の泡発生量は20〜40倍程度と意外に低い上、高分子物質による脱酸素の阻害作用も少なく、真空吸引による脱酸素に各別な困難性がないことが判明している。
なお、このような減圧による溶存酸素の飛散除去に用いる機器としては、薄膜形成回転ディッシュ型、高速回転ディッシュ型、回転ディスク有孔板型等のディアレーター、回転タンブラー型真空ドライヤー等の真空吸引装置又は単なる真空タンクと真空発生ポンプの組み合わせ等を採用できる。また、衝撃波やガラスチューブを利用する窒素ガスストリッピングと真空脱気との組み合わせで溶存酸素を減少させることもでき、この場合には消泡が問題となるが、液状卵でも流動性の良好な部位の脱気には利用可能である。
更に他の溶存酸素低減手段として、酸素不透過性包材内に液状卵を収容すると共に、その包材内のヘッドスペースを不活性ガス置換し、密封シールして保管する方法もある。これは、液状卵中の溶存酸素が気液平衡によってヘッドスペースの気相中へ蒸発移行する現象を利用するものであり、ヘッドスペースを非常に大きくとることで液状卵中の溶存酸素を極低濃度まで減らすことが可能である。ただし、生産効率を高めることと封入製品の嵩を低くする観点から、先に真空吸引によってある程度まで脱酸素を行った上で、前記ヘッドスペースの不活性ガス置換を行うことが推奨される。
本発明で用いる酸素不透過性包材は、特に限定されないが、酸素透過性が5cc /m2 ・24hr・atm以下のもの、より好ましくは酸素透過性が1.5cc /m2 ・24hr・atm以下のものが推奨される。そして、このような酸素不透過性包材の具体例としては、例えばアルミ箔ラミネートフィルム、アルミ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム、アルミナ・シリカ蒸着フィルム等が挙げられる。
前記の不活性ガス置換に使用する不活性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス、窒素ガスと炭酸ガスの混合ガスが好適である。そして、特に前記混合ガス又は炭酸ガスによる置換は、液状卵の低溶存酸素濃度と相俟って相乗的な保存性向上効果が得られることが判明している。しかして、ヘッドスペースの気相成分は、置換に用いた不活性ガスの他に、少量であれば未置換の残留空気等に由来する他のガス成分を含んでいてもよい。
前記ヘッドスペースの空気置換率は、液状卵の溶存酸素を既述の極低濃度に設定する上で非常に重要な因子となる。すなわち、ヘッドスペースの気相中の酸素濃度は空気置換率と等価な指標であるが、酸素濃度が高いと、液状卵中に酸素が溶け込んで溶存酸素濃度を押し上げるため、液状卵の保存性に悪影響を与える。従って、ヘッドスペースにおける酸素濃度は1%以下、好ましくは0.5%以下とするのがよい。そして、このように酸素濃度の低いヘッドスペースの容積が大きければ、液状卵中の溶存酸素が気液平衡によって蒸散して気相側に移行し、これによって液状卵中の溶存酸素濃度がより低下するから、保存性向上に繋がることになる。
液状卵の溶存酸素濃度は、例えば市販のガルバニ式や蛍光式等の溶存酸素計を用いて液相濃度を直接に測定する方法、あるいは被測定液(液状卵)を加熱するか又は長時間掛けることによって気液平衡状態を作り、その気相中の酸素濃度をジルコニア式酸素濃度計等の市販の溶存酸素濃度計によって測定し、この測定値から液相中の酸素濃度を算出する方法によって知ることができる。ただし、前者の液相濃度の直接測定は、被測定液が水を主体とする場合は容易であるが、被測定液に塩や有機物が溶解している場合は測定値に誤差を生じ易く、特に測定域が極低濃度になると、アルコールや炭酸ガスの存在による測定値の狂いが大きくなる可能性があるので注意を要する。
上記後者の気相中酸素濃度から液相中酸素濃度を算出する方法は、『気相酸素濃度(体積%)=k(温度によって変化する定数)・液相溶存酸素濃度(mg/L)』の平衡関係が成り立つことを前提として、例えば次のようにして行う。まず、被測定液(液状卵)の10体積部を容量100体積部以上の酸素不透過性耐圧容器内に収容し、この耐圧容器内に90体積部(1気圧の体積)の窒素ガスを注入し、該耐圧容器を密閉した上で被測定液の沸騰温度まで加熱し、当該温度での気液平衡に達するまで溶存酸素を気相中へ追い出したのち、温度を25℃まで降下させて気相中の酸素濃度を測定し、前記平衡式を用いて液相中の酸素濃度を算出する。なお、気液平衡状態は通常では沸騰温度近くで数分から数十分保持することで到達するが、沸騰を生じない場合は昇温可能な温度まで加熱を続け、その昇温過程で一定時間毎に酸素濃度を測定し、飽和に達した酸素濃度を「平衡状態での気相酸素濃度」として液相溶存酸素濃度を算出すればよい。また、被測定液量に対する窒素ガスの注入量は、上記のように10体積倍とするのが一般的であるが、測定精度を上げるために2体積倍とする等、適宜の倍数を選択できる。ただし、測定対象が極低濃度であるため、該注入量を被測定液量に対して多くし過ぎると、測定限界に近づいて精度が低下することになる。
以下、本発明の実施例を挙げて作用効果を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制約を受けるものではない。なお、以下の実施例にて使用した包材A〜Dは次のとおりである。
包材A・・・カウバック社製の透明蒸着袋(シリカ蒸着ポリエステル−ポリアミド−ポ リプロピレン積層フィルム…酸素不透過性)
包材B・・・カウバック社製のレトルト袋(ポリエステル−ポリアミド−アルミ箔−ポ リプロピレン積層フィルム…酸素不透過性)
包材C・・・福助工業社製の透明蒸着袋(ポリエステル−アルミ蒸着ポリエステル−ポ リエチレン積層フィルム…酸素不透過性)
包材D・・・カウバック社製のポリアミド・ポリ袋(ポリアミド−ポリエチレン積層フ ィルム…酸素透過性)
実施例1
60℃にて30秒間の熱処理を施した液状卵を後記表1記載の包材に収容し、真空包装機を使用し、品温15〜20℃において、該真空包装機に内蔵の油回転式真空ポンプにより5mbarまで減圧して同表記載時間の脱気処理を行い、ガスパージなしにシール(真空包装)し、袋入り液状卵 No.1-1〜No.1-6を作製した。なお、この脱気処理では、減圧が80mbar付近に達した際に液状卵から多量に泡が発生し、その後は徐々に泡の発生が減少した。得られた袋入り液状卵を10℃で保存し、その14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数をパールコア寒天培地(栄研社製)を用いて測定した。その結果を、ガルバニ式溶存酸素計による溶存酸素濃度の測定値と共に表1に記載する。
60℃にて30秒間の熱処理を施した液状卵を後記表1記載の包材に収容し、真空包装機を使用し、品温15〜20℃において、該真空包装機に内蔵の油回転式真空ポンプにより5mbarまで減圧して同表記載時間の脱気処理を行い、ガスパージなしにシール(真空包装)し、袋入り液状卵 No.1-1〜No.1-6を作製した。なお、この脱気処理では、減圧が80mbar付近に達した際に液状卵から多量に泡が発生し、その後は徐々に泡の発生が減少した。得られた袋入り液状卵を10℃で保存し、その14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数をパールコア寒天培地(栄研社製)を用いて測定した。その結果を、ガルバニ式溶存酸素計による溶存酸素濃度の測定値と共に表1に記載する。
表1の結果から明らかなように、減圧脱気によって溶存酸素濃度を1.7mg/L(=ppm)以下に低減した液状卵を酸素不透過性包材中に封入したもの(No.1-1〜No.1-5)は、いずれも14日間の衛生的保存が可能である。これに対し、同様に溶存酸素を極低濃度まで低減しても、包材が酸素透過性を有する場合(No.1-6)は、菌繁殖を防止できないことが判る。なお、袋入り液状卵 No.1-3,1-4の20日後の一般生菌数が増えているのは、脱気処理時に空気泡を生じ、その空気泡の周りから細菌が増殖してきたものと推定される。
実施例2
実施例1と同様の液状卵を後記表2記載の包材にその容量の1/10量で収容し、品温15〜20℃において富士インパルス製ノズル型真空吸引不活性ガス置換シール機を用い、真空吸引と該吸引後のヘッドスペースへの窒素ガス充填を表記の回数行ったのち、シールして袋入り液状卵No.2-1〜No.2-6を作製した。ただし、ガス充填回数が真空吸引回数より一つ少ないNo.2-3は、最後の真空吸引の終了時点でガスパージなしにシールしているため、ヘッドスペースを有していない。また、No.2-5は窒素ガスの代わりに空気を充填している。得られた袋入り液状卵を10℃で保存し、その初期、9日後、14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数と大腸菌群及びサルモネラ菌の菌数を実施例1と同様にして測定した。その結果を、実施例1同様にして測定した溶存酸素濃度と、ジルコニア式酸素測定法にて測定したシール後のヘッドスペースにおける酸素濃度と併せて表2に記載する。なお、各袋入り液状卵における各項目の測定値は同様条件で作製した複数検体(n2〜3)の平均で示している。また、表中、−符号は未測定、(−)符号は非検出を示す。
実施例1と同様の液状卵を後記表2記載の包材にその容量の1/10量で収容し、品温15〜20℃において富士インパルス製ノズル型真空吸引不活性ガス置換シール機を用い、真空吸引と該吸引後のヘッドスペースへの窒素ガス充填を表記の回数行ったのち、シールして袋入り液状卵No.2-1〜No.2-6を作製した。ただし、ガス充填回数が真空吸引回数より一つ少ないNo.2-3は、最後の真空吸引の終了時点でガスパージなしにシールしているため、ヘッドスペースを有していない。また、No.2-5は窒素ガスの代わりに空気を充填している。得られた袋入り液状卵を10℃で保存し、その初期、9日後、14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数と大腸菌群及びサルモネラ菌の菌数を実施例1と同様にして測定した。その結果を、実施例1同様にして測定した溶存酸素濃度と、ジルコニア式酸素測定法にて測定したシール後のヘッドスペースにおける酸素濃度と併せて表2に記載する。なお、各袋入り液状卵における各項目の測定値は同様条件で作製した複数検体(n2〜3)の平均で示している。また、表中、−符号は未測定、(−)符号は非検出を示す。
前記実施例2は、真空吸引では液状卵が突沸するまでの減圧を行わず、体積の大きいヘッドスペースのガス置換により、液相中の酸素を気液平衡で気相へ蒸発移行させ、もって液状卵の溶存酸素を減少させる試みである。しかして、表2に示すように、酸素不透過性の包材を用い、真空吸引と窒素ガス充填の繰り返しで最終的に溶存酸素を極低濃度とした袋入り液状卵No.2-6は優れた保存性が得られている。これに対し、酸素透過性の包材を用いたもの(No.2-1〜2-3)は、ヘッドスペースの不活性ガス置換や真空包装を行っていても、外部からの酸素の侵入により、保存性が改善しないことが判る。また、酸素不透過性の包材を用いて真空吸引と窒素ガス充填の繰り返しを行っても、最終的に溶存酸素を極低濃度まで減少できなかった場合(No.2-4)は、やはり充分な保存性が得られないことが判る。なお、当然のことながら、ヘッドスペースに空気を充填した場合(No.2-5)の保存性の改善は全く認められない。
実施例3
実施例1と同様の液状卵を後記表3記載の包材にその容量の1/10量で収容し、品温15〜20℃において実施例1と同様の真空包装機及び真空ポンプを用い、真空度80mbar以上で表記時間保持して液状卵を突沸させたのち、窒素ガスで置換し、更に2度目の真空吸引と窒素ガス置換を行った上で、シールして袋入り液状卵No.3-1〜No.3-4を作製した。また、同様の方法において、真空度が80mbarに達してから15秒で突沸を生じる前に真空吸引を停止し、ヘッドスペースを窒素ガスで置換後、シールして袋入り液状卵No.3-5及びNo.3-6を作製した。更に脱気を行わず、ヘッドスペースを窒素ガスで置換(置換率85%)してシールしたものを袋入り液状卵No.3-7とした。これらの袋入り液状卵を10℃で保存し、その14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数を実施例1と同様にして測定した結果を、実施例1同様にして測定した溶存酸素濃度と共に表3に記載する。
実施例1と同様の液状卵を後記表3記載の包材にその容量の1/10量で収容し、品温15〜20℃において実施例1と同様の真空包装機及び真空ポンプを用い、真空度80mbar以上で表記時間保持して液状卵を突沸させたのち、窒素ガスで置換し、更に2度目の真空吸引と窒素ガス置換を行った上で、シールして袋入り液状卵No.3-1〜No.3-4を作製した。また、同様の方法において、真空度が80mbarに達してから15秒で突沸を生じる前に真空吸引を停止し、ヘッドスペースを窒素ガスで置換後、シールして袋入り液状卵No.3-5及びNo.3-6を作製した。更に脱気を行わず、ヘッドスペースを窒素ガスで置換(置換率85%)してシールしたものを袋入り液状卵No.3-7とした。これらの袋入り液状卵を10℃で保存し、その14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数を実施例1と同様にして測定した結果を、実施例1同様にして測定した溶存酸素濃度と共に表3に記載する。
表3の結果から、真空吸引による減圧脱気を施した上で不活性ガス置換を行う方法では、真空吸引と不活性ガス置換を2回行って溶存酸素を極低濃度まで減少させること(No.3-1〜No.3-4)で少なくとも2週間の衛生的保存が可能になり、特に溶存酸素濃度を0.7%以下まで低減したもの(No.3-1,No.3-2)は20日間もの長期保存が可能になることが明らかである。しかるに、真空吸引による脱気を行わない場合(No.3-7)や、液状卵の突沸前の真空停止で溶存酸素を充分に低減できなかった場合(No.3-5,No.3-6)は、ヘッドスペースを不活性ガス置換しても菌増殖を抑えられないことが判る。
実施例4
実施例1と同様の液状卵を後記表4−1〜4−3に記載の包材にその容量の1/10量で収容し、品温15〜20℃(No.4-12のみ40℃)において実施例1と同様の真空包装機及び真空ポンプを用い、表記の真空度で表記時間保持したのち、ヘッドスペースを表記の不活性ガスで置換し、ヘッドスペースが液状卵に対して9倍容積(気相比率9/10)又は1/4容積(気相比率1/5)となる位置でシールして袋入り液状卵No.4-1〜No.4-32を作製した。なお、袋入り液状卵No.4-1,4-5,4-6,4-13,4-17, 4-24については、真空度が200mbarに達した時点で真空停止したため、液状卵の突沸による脱気に至っていない。また、袋入り液状卵No.4-4,4-16,4-22では、5mbarまで減圧して一旦は真空開放し、更に300mbarまで減圧して不活性ガス置換を行っている。一方、袋入り液状卵No.4-11,4-12,4-23,4-31,4-32については不活性ガス置換を行わなかった。更に、袋入り液状卵No.4-29,4-30については、窒素ガスボンベと5%エタノール入り炭酸ガスボンベの二つのボンベを使用し、両ボンベのガスを7:3となるように混合して置換ガスとし、2回のガス置換を行った。そして、これらの袋入り液状卵を10℃で保存し、その14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数を実施例1と同様にして測定した結果を、実施例1同様にして測定した気相中の酸素及び炭酸ガス濃度、溶存酸素濃度と共に表4−1〜4−3に記載する。
実施例1と同様の液状卵を後記表4−1〜4−3に記載の包材にその容量の1/10量で収容し、品温15〜20℃(No.4-12のみ40℃)において実施例1と同様の真空包装機及び真空ポンプを用い、表記の真空度で表記時間保持したのち、ヘッドスペースを表記の不活性ガスで置換し、ヘッドスペースが液状卵に対して9倍容積(気相比率9/10)又は1/4容積(気相比率1/5)となる位置でシールして袋入り液状卵No.4-1〜No.4-32を作製した。なお、袋入り液状卵No.4-1,4-5,4-6,4-13,4-17, 4-24については、真空度が200mbarに達した時点で真空停止したため、液状卵の突沸による脱気に至っていない。また、袋入り液状卵No.4-4,4-16,4-22では、5mbarまで減圧して一旦は真空開放し、更に300mbarまで減圧して不活性ガス置換を行っている。一方、袋入り液状卵No.4-11,4-12,4-23,4-31,4-32については不活性ガス置換を行わなかった。更に、袋入り液状卵No.4-29,4-30については、窒素ガスボンベと5%エタノール入り炭酸ガスボンベの二つのボンベを使用し、両ボンベのガスを7:3となるように混合して置換ガスとし、2回のガス置換を行った。そして、これらの袋入り液状卵を10℃で保存し、その14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数を実施例1と同様にして測定した結果を、実施例1同様にして測定した気相中の酸素及び炭酸ガス濃度、溶存酸素濃度と共に表4−1〜4−3に記載する。
表4−1〜4−3の結果から、脱気条件、不活性ガス置換条件、酸素不透過性包材の種類等の差異があっても、最終的な液状卵の溶存酸素が0.7ppm以下の極低濃度であれば、20日間もの長期保存が可能になることが判る。また、この実施例4から、真空吸引と不活性ガス置換が一回である場合、置換ガスとして窒素ガスと炭酸ガスの混合ガスを用いれば、総じて窒素ガスを用いるよりも液状卵の溶存酸素を極低濃度まで低減し易いことが明らかであるが、炭酸ガスが泡を抑制するのか、気相下及び/又は液相下で酸素を封じ込めるのか、現状では炭酸ガスの作用機構は定かではない。
実施例5
実施例1と同様の液状卵を後記表5記載の包材にその容量の1/10量で収容し、品温15〜20℃においてディアレーター(真空タンク)及び真空ポンプを用い、表記真空度で表記時間保持したのち、ヘッドスペース(液状卵に対して40倍容積)を窒素ガスで置換し、続いて真空タンク下部ノズルより液状卵を吐出して、混合ガス(N2:CO 2の容積比7:3)環境下でシール(開封を炭酸ガスで実施し、続いて同混合ガスを噴出させながら、吐出した液状卵を袋に充填してシールする)して袋入り液状卵No.5-1〜No.5-4を作製した。なお、袋入り液状卵No.5-3, No.5-5については、真空タンク内で液状卵を突沸させたのち、置換ガスで真空開放した上で、再度の所定時間の真空吸引を行っている。そして、これらの袋入り液状卵を10℃で保存し、その14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数を実施例1と同様にして測定した結果を、実施例1同様にして測定した溶存酸素濃度と共に表5に記載する。なお、表中の脱気条件における時間は、真空度80mbarに到達してからの時間を示す。
実施例1と同様の液状卵を後記表5記載の包材にその容量の1/10量で収容し、品温15〜20℃においてディアレーター(真空タンク)及び真空ポンプを用い、表記真空度で表記時間保持したのち、ヘッドスペース(液状卵に対して40倍容積)を窒素ガスで置換し、続いて真空タンク下部ノズルより液状卵を吐出して、混合ガス(N2:CO 2の容積比7:3)環境下でシール(開封を炭酸ガスで実施し、続いて同混合ガスを噴出させながら、吐出した液状卵を袋に充填してシールする)して袋入り液状卵No.5-1〜No.5-4を作製した。なお、袋入り液状卵No.5-3, No.5-5については、真空タンク内で液状卵を突沸させたのち、置換ガスで真空開放した上で、再度の所定時間の真空吸引を行っている。そして、これらの袋入り液状卵を10℃で保存し、その14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数を実施例1と同様にして測定した結果を、実施例1同様にして測定した溶存酸素濃度と共に表5に記載する。なお、表中の脱気条件における時間は、真空度80mbarに到達してからの時間を示す。
表5で示すように、真空吸引による液状卵の突沸による脱気と、窒素ガス−炭酸ガスの混合ガスによるヘッドスペースの置換を行って溶存酸素を極低濃度まで低減することにより、袋入り液状卵の保存性を飛躍的に改善できることが明らかである。
実施例6
実施例1と同様の液状卵について、品温50℃において実施例5と同様のディアレーター及び真空ポンプを用いて真空度30mbarまで減圧して脱気させ、窒素ガス中で真空開放する一方、東洋自動機製ステーション型充填機を用い、その1ステーションにおいて炭酸ガスを使って酸素不透過性包材Cの袋を開き、この袋内に炭酸ガスを吹き込みながら前記の脱気処理した液状卵を注入充填したのち、袋をシールしてヘッドスペース20%の袋入り液状卵を作製した。この袋のヘッドスペースにおける酸素濃度は0.1%、炭酸ガス濃度は99.5%、溶存酸素濃度は0.6mg/Lであった。そして、この液状卵を10℃で保存し、その14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数を実施例1と同様にして測定したところ、14日後及び20日後共に10個/g未満であった。
実施例1と同様の液状卵について、品温50℃において実施例5と同様のディアレーター及び真空ポンプを用いて真空度30mbarまで減圧して脱気させ、窒素ガス中で真空開放する一方、東洋自動機製ステーション型充填機を用い、その1ステーションにおいて炭酸ガスを使って酸素不透過性包材Cの袋を開き、この袋内に炭酸ガスを吹き込みながら前記の脱気処理した液状卵を注入充填したのち、袋をシールしてヘッドスペース20%の袋入り液状卵を作製した。この袋のヘッドスペースにおける酸素濃度は0.1%、炭酸ガス濃度は99.5%、溶存酸素濃度は0.6mg/Lであった。そして、この液状卵を10℃で保存し、その14日後及び20日後の液状卵の一般生菌数を実施例1と同様にして測定したところ、14日後及び20日後共に10個/g未満であった。
Claims (6)
- 酸素不透過性包材中に、溶存酸素濃度1.7ppm以下の液状卵が封入されてなる冷蔵流通液状卵。
- 酸素不透過性包材中に、溶存酸素濃度0.7ppm以下の液状卵が封入されてなる冷蔵流通液状卵。
- 酸素不透過性包材中に、炭酸ガスもしくは炭酸ガスと窒素ガスの混合ガスを主体とするヘッドスペースを有してなる請求項1又は2に記載の冷蔵流通液状卵。
- 品温が5〜15℃である請求項1〜3のいずれかに記載の冷蔵流通液状卵。
- 液状卵を溶存酸素濃度1.7ppm以下まで脱酸素処理したのち、酸素不透過性包材による真空包装又は不活性ガス充填包装を行うことを特徴とする冷蔵流通液状卵の製造方法。
- 液状卵の前記脱酸素処理を真空度80mbar以上の減圧脱気によって行う請求項5に記載の冷蔵流通液状卵の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017104103A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-15 | キユーピー株式会社 | 容器詰め炭酸ガス溶存液卵及び加熱調理済卵加工食品の製造方法 |
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- 2008-08-07 JP JP2008204674A patent/JP2010035520A/ja active Pending
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