JP2010034173A - 波長掃引光源 - Google Patents

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Abstract

【課題】狭いスペクトル線幅の光を高速で掃引可能な波長掃引光源を得る。
【解決手段】半導体発光素子10と、この半導体発光素子10から前後方向に発せられる光のうち一方向に進む光を減衰させるとともに、他方向に進む光を該半導体発光素子10に帰還させる光帰還系11と、この半導体発光素子10に帰還させる光の波長を選択し、その波長を連続的に変化させる波長選択手段14とを備えてなる波長掃引光源において、光帰還系11における光の周回数が120〜2400回の間となるように光帰還系11の長さを設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は波長掃引光源、より詳しくは、特に狭いスペクトル線幅の光を掃引できるようにした波長掃引光源に関するものである。
例えばOCT(Optical Coherence Tomography:光トモグラフィー計測)のような光計測技術においては、狭いスペクトル線幅の光を、数100nm程度の広い波長掃引幅に亘って連続に掃引できる光源が必要とされている。
従来、そのような波長掃引光源の一つとして、例えば特許文献1に示される光ファイバファブリペロリングレーザが知られている。この特許文献1に示されたレーザは、レーザダイオードの光をカプラでリング状光帰還系に導入し、該帰還系内に配置された光ファイバ増幅器で増幅し、ファイバファブリペロエタロンで狭線幅化した光をカプラで取り出す基本構成を備えたものである。そして、ファイバファブリペロエタロンのエアギャップ間隔を変えることで、エタロンのFSR(Free Spectral Range)を変え、そこを透過する光の波長を可変としている。この特許文献1には、上記構成により、60nmの帯域に亘って波長を連続的に変えられる旨の記載がある。このような構成のレーザによれば、例えば透過波長幅(FWHM:半値全幅)が0.26nmの光ファイバファブリロエタロンを用いたとき、0.1nm以下の狭スペクトル線幅のレーザ光を得ることもできる。
またその他の波長掃引光源として、例えば特許文献2に示されるように、レーザ光を回折格子やミラーに通して波長選択する一方、該回折格子やミラーを、その光軸とレーザ光の波面法線との角度が変化するように回転させて選択波長を掃引させるものが広く知られている。さらに、特に狭いスペクトル線幅の光を波長掃引できるようにした光源として、例えば特許文献3に示されるものが公知となっている。この特許文献3に示される波長掃引光源は、LN(LiNO3)基板上に光導波路、反射面、カプラ等を形成し、その光導波路を導波させた光を電気光学効果によって波長掃引するようにしたものである。
特開平5−175577号公報 特開2005−142197号公報 特開平9−246642号公報
特許文献2に示されるような波長掃引光源は、回折格子やミラーを回転させるためにモータ等の機械的な駆動系を用いていることから、掃引速度を高速化するのが困難であるという問題が認められる。それに対して特許文献3に示される波長掃引光源は、高速掃引が可能であるが、波長掃引の帯域を広く取ることが難しいという問題が認められる。
また、前述した特許文献1に示される光ファイバファブリペロリングレーザにおいて、光ファイバ増幅器に代えて半導体発光素子を組み込むことも考えられる。そのように構成した場合も、半導体発光素子から発せられた光のエタロンにおける透過波長を変化させ、その光を半導体発光素子に帰還させることにより、波長掃引されたレーザ光を得ることが可能となる。
しかし、そのような構成の波長掃引光源においては、レーザ光のスペクトル線幅が拡がるという問題が有る。具体的には、透過波長幅(FWHM)が0.26nmのファイバファブリペロエタロンを用いた場合、波長掃引しないときは0.1nm以下の狭スペクトル線幅が得られるのに対し、掃引周波数を100Hzとして波長掃引すると、レーザ光のスペクトル線幅はエタロンの透過波長幅と同等の0.3nm程度まで拡がってしまう。透過波長幅が0.1nm以下のファイバファブリペロエタロンを用いれば、レーザ光のスペクトル線幅をより狭くすることができるが、そのようなファイバファブリペロエタロンは作製が困難である。
本発明は上記の事情に鑑み、狭いスペクトル線幅の光を高速で掃引可能な波長掃引光源を提供することを目的とする。
本発明による波長掃引光源は、
半導体発光素子と、
この半導体発光素子から前後方向に発せられる光のうち一方向に進む光を減衰させるとともに、他方向に進む光を該半導体発光素子に帰還させる光帰還系と、
この半導体発光素子に帰還させる光の波長を選択し、その波長を連続的に変化させる波長選択手段とを備えてなる波長掃引光源において、
前記光帰還系における光の周回数が120〜2400回の間となるように光帰還系の長さが設定されていることを特徴とするものである。
なお上記の光帰還系としては、一例として光ファイバから構成されるリング状光帰還系等を適用することができ、その場合は半導体発光素子の両側に、前記他方向に進む光のみを通過させるアイソレータが配置されることが望ましい。またこの種のリング状光帰還系は、光の偏波方向を保持するライトガイドから構成されることが望ましい。
また、上述の光帰還系として、ファブリペロ型共振器からなる往復光帰還系を適用することも可能である。
他方、上記の波長選択手段としては例えば、エアギャップ間隔を連続的に変化させるファイバファブリペロエタロンが好適に用いられる。
また本発明による波長掃引光源は、前述したOCT装置の計測光源として特に好適に用いられるものである。
図1に示すようなリングレーザからなる波長掃引光源を作製し、それにおける波長掃引速度(掃引周波数)と出力レーザ光のスペクトル線幅との関係を調べた。なおこの図中、10は半導体発光素子、11はこの半導体光増幅器10の一端と他端面とを連絡するリング状のファイバ光帰還系、12、13はこのファイバ光帰還系11内において半導体光増幅器10の前方側、後方側に介設されたアイソレータ、14はファイバファブリペロエタロン、15はファイバ光帰還系11から外部にレーザ光を取り出すカプラである。なおファイバ光帰還系11の全長は8.4mである。またファイバファブリペロエタロン14は、例えばピエゾ素子の駆動によりエアギャップ間隔を変えることで、そこを透過する光の波長を可変とするものであり、ここでは、波長1060nmに対してFSR=100nm、F(フィネス=FSR/FWHM)=384のものを使用した。
この測定において、波長掃引中のレーザ光のスペクトル線幅は、カプラ15から出力された光を透過波長幅が十分に狭いエタロン(FSR =1nm、F=1569 )に導き、このエタロンを透過した光をオシロスコープで測定して求めた。このスペクトル線幅の測定について、より詳しく説明する。上述のような光をオシロスコープで測定すると、複数本のピークが観測される。そのようなピークを示すのはエタロンを透過して来た光であり、ピーク波長はエタロン透過波長と一致する。ここでエタロンの透過波長の間隔はFSR(1nm)である。オシロスコープで観測されるピーク間隔は時間ΔT(秒)であるが、測定された波長間隔が時間と線形の関係に有るという前提の下に、ピーク波形のスペクトル線幅(波長:FWHM)を時間(秒)から求めることができる。
この測定によると、出力レーザ光のスペクトル線幅と掃引周波数との間には、図2に示すような関係が有ることが判明した。この図2から分かるように、ファイバ光帰還系11の全長が8.4mの場合は、掃引周波数が400Hzを超えるか、あるいは20Hzを下回るとスペクトル線幅が特に増大する傾向が認められる。
このことは以下のように説明される。広帯域の半導体光増幅器10から出射された光は、ファイバ光帰還系11に介設されたアイソレータ12、ファイバファブリペロエタロン14、カプラ15、アイソレータ13を通過し、半導体光増幅器10に再度入射することで光出力を増幅させるが、その際、ゲインの大きい波長の出力が優先的に増幅され、リング状のファイバ光帰還系11を何度も周回することで、スペクトル線幅が狭くなって行く。これは、ファイバファブリペロエタロン14を除いたリング系においても同様であり、具体的に、そのようなリング系においてスペクトル線幅が0.05nm以下になることを確認した。ファイバファブリペロエタロン14を入れたリング系においても、エタロンの透過波長幅内の光がそこを透過できるが、その中でもゲインの高い波長の光が優先的に発振し、波長掃引をしない時にはスペクトル線幅が0.05nm以下になる。
以上のように、ファイバファブリペロエタロン14の透過波長幅内の光がリング系において周回を重ねるが、波長掃引をする場合は該エタロン14の透過波長幅が変化して行くため、ある波長域内の光はリング系を何回か周回した後、エタロンを透過できなくなる。ファイバファブリペロエタロン14を余りにも高速で駆動すると、つまり高い掃引周波数で駆動すると、光が周回できる回数が上記理由により少なくなるため、スペクトル線幅が十分に狭くならなくなって、スペクトル線幅が増大する。
他方、ファイバファブリペロエタロン14を低速で駆動する場合は、多数回の周回が可能であるため、エタロンの透過波長幅0.27nmに対して、レーザ光は十分に狭線化する(例えば0.05nm程度)。しかしそのとき、エタロンの透過波長幅が変化すると、優先的に発振するスペクトルがとびとびに変化してしまう。あるいは、エタロンの透過波長幅が変化するような外乱を受けたときにモードホップが生じ、そのため、安定した連続掃引ができなくなり、実効的にスペクトル線幅が増大することが分かった。
以上の二点から、光帰還系を備えて波長掃引する光源においては、光の周回数がある一定の範囲となるように光帰還系の長さを設定することで、安定した狭線幅のスペクトルの光を得ることが可能であることが分かった。この知見に基づいて本発明の波長掃引光源では、光帰還系における光の周回数が120〜2400回の間となるように光帰還系の長さを設定したものであり、それにより、0.1nm以下程度の狭スペクトル線幅で、帯域が約100nmに亘る光を数10kHz以上で掃引可能となる。
なお、光の周回数を120〜2400回とすることの根拠については、以下の実施形態に沿って説明する。
また、本発明による波長掃引光源が特にOCT装置の計測光源として用いられた場合は、分解能向上に寄与するものとなる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
《第1の実施形態》
図1は、本発明の第1の実施形態による波長掃引光源の基本構成を概略的に示すものである。この波長掃引光源は、半導体発光素子である半導体光増幅器10と、この半導体光増幅器10の一端面と他端面とを連絡するリング状のファイバ光帰還系11と、このファイバ光帰還系11内において半導体光増幅器10の前方側、後方側に介設されたアイソレータ12、13と、ファイバファブリペロエタロン14と、ファイバ光帰還系11から外部にレーザ光を取り出す3dBカプラ15とを備えている。
半導体光増幅器10は、広帯域の自然放出光を出力するように両端面が斜めカットされ、その両端にAR(無反射)コートが施されたチップ状のものである。この半導体光増幅器10は図示外のヒートシンクにマウントされ、ペルチェ素子により25℃に温調される。
この半導体光増幅器10の一端面(図中の右側の端面)から出力された光は、両面にARコートが施された図示外のコリメータレンズで平行光化され、同様に両面ARコートされた集光レンズで集光されて、ファイバ光帰還系11を構成する光ファイバに結合される。この光ファイバの端面は斜めカットされており、そこで反射した光が半導体光増幅器10に戻らないように考慮されている。なお上記光ファイバとしては、すべて偏波保持光ファイバが用いられている。
こうして半導体光増幅器10から光ファイバに結合した光は、アイソレータ12を経てファイバファブリペロエタロン14に導かれる。波長選択手段としてのファイバファブリペロエタロン14は、例えばピエゾ素子の駆動によりエアギャップ間隔を変えることで、そこを透過する光の波長を連続的に可変とするものであり、ここでは、波長1060nmに対してFSR=100nm、F=384のものが用いられている。
ファイバファブリペロエタロン14を透過した光は、カプラ15において2系統に分けられ、一方は出力光とされ、他方はアイソレータ13を経て半導体光増幅器10に帰還される。なお、半導体光増幅器10の他端面(図中の左側の端面)から出力された光はアイソレータ13によりカットされ、またアイソレータ12を経てから何らかの部分で反射した光もこのアイソレータ12によってカットされるため、一方向のみに光が周回可能なリングレーザが構成される。
ここで、ファイバ光帰還系11における光の周回数について検討する。この周回数Nについては、N= {c / f × d / (FSR × 2) }/L・・・(1)
と表される。ここで、cは光速、Lは光周回距離(リング光ファイバ長)、fはファイバファブリペロエタロン14の掃引周波数、FSRは該エタロン14のFSRであり、dはエタロン14の透過波長幅(FWHM)でd=FSR/Fである。上記(1)式においてd=FSR/F=100/384、L=約8.4mとして、図2の関係を周回数とスペクトル線幅との関係に直すと、図3の通りとなる。つまりこの場合、掃引周波数を前述の20Hz〜400Hzの範囲に収めるためには、周回数Nが120回〜2400回の範囲に入っていればよい。
以上のことを考慮して本実施形態では、掃引周波数を100Hzに設定した。このときの周回数Nは、上記120回〜2400回の範囲内にある約465回である。それにより本実施形態では、図2から分かるように約0.05nmのスペクトル線幅の出力光が得られ、安定した連続掃引が可能となっている。
ここで、本発明で規定する周回数Nの範囲について詳しく説明する。リング光ファイバ長Lが異なる場合は、掃引周波数が一定でも、光が周回する回数が異なる。スペクトル形状は、半導体光増幅器10に入射する光のスペクトル形状と該半導体光増幅器10の利得と各光モジュールにおける損失の波長依存性、特に、フィルタの特性によって決まる。ここで、光がリング共振器内を周回するときに、光出力が大きくなってくると、利得が大きく、損失の小さい波長が優先的にゲインを得るようになって、スペクトルの先鋭化が起こると考えられる。このように考えると、スペクトルの先鋭化の程度は、光の周回数によって一定であると考えることができる。したがって本発明では、L=約8.4mの場合に求めた上記の好ましい周回数Nの範囲つまり120回〜2400回を、スペクトルを狭線幅化する上で好ましい範囲とするものである。
本実施形態では、ファイバ光帰還系11を構成する光ファイバとして偏波保持光ファイバが用いられているが、それによって得られる効果について説明する。半導体光増幅器10には、図4に示すように、例えばTE偏光比が顕著に高いものが存在する。具体的にこの図4の例では、駆動電流が550mAのとき、TE偏光のTM偏光に対する出力比は420倍である。この種の半導体光増幅器10が用いられる場合、偏波保持光ファイバが用いられていると、半導体光増幅器10には出射光と同じ偏光状態で光が帰還されるので、効率良く光が増幅されるとともに、高出力化が可能になる。
なお、ファイバ光帰還系11を構成する光ファイバとしてシングルモード光ファイバが用いられるような場合でも、パドル式偏波コントローラや広帯域用の波長板(λ/4板、λ/2)を用いることによって、半導体光増幅器10に帰還される光の偏光状態を出射光のそれと同じに設定すれば、上記と同様の効果を得ることができる。
《第2の実施形態》
本実施形態の波長掃引光源は、基本的に図1に示したものと同様の構成を有し、ファイバファブリペロエタロン14の掃引周波数fと、光周回距離Lの値が変えられたものである。すなわち本実施形態では光周回距離L=1mに設定しており、この場合は前記第1の実施形態と比べてLの値は1/8.4であるので、掃引周波数を第1の実施形態の場合の8.4倍の値、つまり168Hz〜3360Hzの範囲に収めればスペクトルを狭線幅化が実現される。そこで本実施形態では掃引周波数fを、上記範囲内の3kHzに設定して、周回数Nを120回〜2400回の範囲内にある135回としている。この場合は図2から分かるように、約0.1nmのスペクトル線幅の出力光が得られ、安定した連続掃引が可能となっている。
《第3の実施形態》
本実施形態の波長掃引光源は図1に示したものと比べると、半導体光増幅器10に代えて、内部ストライプを有する赤外発光SLD(Super Luminescent Diode)20が用いられた点が異なるものである。以下、このSLD20について図5を参照して説明する。
このSLD20は、n型GaAs基板21上に、n型GaAsバッファ層(0.1μm厚キャリア濃度7.0×1017cm-3)22、n型In0.49Ga0.51P下部クラッド層(2.0μm厚キャリア濃度7.0×1017cm-3)23、ノンドープGaAs下部光ガイド層(0.1μm厚)24 、InGaAs多重量子井戸活性層(1.1μm発光)25、ノンドープGaAs上部光ガイド層(0.1μm厚)26、p型In0.49Ga0.51P上部第1クラッド層(0.2μm厚、キャリア濃度7.0×1017cm-3)27、p型 GaAsエッチングストップ層(10nm厚、キャリア濃度7.0×1017cm-3)28が積層され、さらにその上に電流注入領域となるストライプ状開口を持つn型In0.49Ga0.51P電流ブロック層(0.5μm厚、キャリア濃度7.0×1017cm-3)29およびp型GaAsキャップ層(0.1μm厚、キャリア濃度7.0×1017cm-3)30、一部が上記開口の部分に入り込んだp型(Al0.33Ga0.670.5As上部第2クラッド層(1.7μm厚、キャリア濃度7.0×1017cm-3)31、p-GaAsコンタクト層(0.5μm厚、キャリア濃度1.0×1019cm-3)32が積層され、そしてその上にp側電極33が、またn型GaAs基板21の裏側にn側電極34が形成されてなるものである。
このSLD20の製造方法は以下の通りである。まずn型GaAs基板21上に、MOCVD法により成長温度685℃、成長圧力10.3kPaの条件下にてn型GaAsバッファ層22、n型In0.49Ga0.51P下部クラッド層23を積層させ、次いで成長温度を600℃に下げてノンドープGaAs下部光ガイド層24 、InGaAs多重量子井戸活性層25、ノンドープGaAs上部光ガイド層26、p型In0.49Ga0.51P上部第1クラッド層27、p型 GaAsエッチングストップ層28、n型In0.49Ga0.51P電流ブロック層29およびp型GaAsキャップ層(0.1μm厚、キャリア濃度7.0×1017cm-3)30をこの順で1回目の成長により積層配置する。
次に上記p型GaAsキャップ層30の上に、ストライプに相当する部分に開口を持たせたSiO2などからなる誘電体膜を形成し、この誘電体膜をマスクとしてその開口部分から、上記p-GaAsキャップ層30、n型In0.49Ga0.51P電流ブロック層29をエッチングし、下端の幅が3μmになる内部ストライプ構造を形成する。
次にその上からp型(Al0.33Ga0.670.5As上部第2クラッド層(1.7μm厚、キャリア濃度7.0×1017cm-3)31、p-GaAsコンタクト層(0.5μm厚、キャリア濃度1.0×1019cm-3)32を成長温度600℃で3回目の結晶成長により形成する。その後全体の厚みが100μm程度になるまで基板の研磨を行い、最後にn側電極34を基板裏面に、p側電極33をコンタクト層32上に蒸着および熱処理により形成する。
そして、共振器長が1.5mmになるようにSLDバーを劈開により切り出し、共振器面へAR膜(素子からの発光波長に対して0.5%以下の反射率)のコーティングを施す。そしてこのバーを切断してチップ状態とする。このチップは、放熱効果を高めるため、発光部のあるpn接合部を下にしてヒートシンクに実装し、SLD20が完成する。なお本実施形態では、このSLD20の両端面から出射する光を、コリメータレンズおよび集光レンズを通してファイバ光帰還系11(図1参照)に導くパッケージが用いられる。
この波長1.1μm帯で発光するSLD20を用いる場合も、さらには波長1.3μm帯や波長0.83μm帯で発光するSLDを用いる場合も、ファイバ光帰還系11における光の周回数Nが120回〜2400回の範囲に入るように構成することにより、第1の実施形態や第2の実施形態におけるのと同様の効果を得ることができる。
以上、光帰還系としてリング状光帰還系が適用された実施形態について説明したが、本発明においては、光帰還系としてファブリペロ型共振器からなる往復光帰還系を適用することも可能である。
次に、本発明による波長掃引光源が好適に使用される装置の例について、図6を参照して説明する。この図6に示す画像取得装置1は、測定対象の断層画像をSS-OCT(Swept source−OCT)によって取得するものであって、例えば1.3μmを中心波長とした100nmの波長範囲において波長掃引された測定光L1を用いて、断層画像を取得するように構成されている。
すなわち本装置では光源ユニット310に、例えば前記第2の実施形態の基本構成を有する波長掃引光源が適用されている。なおこの図6において、図1中に示した要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この波長掃引光源のカプラ15からは、前述のようにして波長掃引されたパルス状のレーザ光Laが光ファイバFB1へ射出される。
光ファイバFB1を伝搬するレーザ光Laは、光分割手段2を経て光分割手段3に導かれる。この光分割手段3は、例えば2×2の光ファイバカプラから構成されており、光ファイバFB1を導波した光Laを測定光L1と参照光L2とに分割する。この光分割手段3は、2本の光ファイバFB2、FB3にそれぞれ光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB2を導波し、参照光L2は光ファイバFB3を導波する。なお、本例におけるこの光分割手段3は、合波手段4としても機能するものである。
光ファイバFB2には光プローブ210が光学的に接続されており、測定光L1はこの光プローブ210に導かれる。光プローブ210は、その長軸に対して直角な方向に測定光L1を射出し、そしてその射出部分が長軸周りに回転駆動されて、測定光L1により照射対象Sを走査するものである。この光プローブ210は、光学コネクタ231により光ファイバFB2に対して着脱可能に取り付けられ、例えば鉗子口から鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入される。
一方、光ファイバFB3の参照光L2の射出側には光路長調整手段220が配置されている。光路長調整手段220は、断層画像の取得を開始する位置を調整するために、参照光L2の光路長を変更するものであって、光ファイバFB3から射出された参照光L2を反射させる反射ミラー222と、反射ミラー222および光ファイバFB3との間に配置された第1光学レンズ221aと、第1光学レンズ221aと反射ミラー222との間に配置された第2光学レンズ221bとを有している。
上記第1光学レンズ221aは、光ファイバFB3のコアから射出された参照光L2を平行光化するとともに、反射ミラー222により反射された参照光L2を光ファイバFB3のコアに集光する機能を有している。また、第2光学レンズ221bは、第1光学レンズ221aにより平行光とされた参照光L2を反射ミラー222上に集光するとともに、反射ミラー222により反射された参照光L2を平行光にする機能を有している。つまり、第1光学レンズ221aと第2光学レンズ221bとにより共焦点光学系が形成されている。
さらに光路長調整手段220は、第2光学レンズ221bと反射ミラー222とを固定した基台223と、該基台223を第1光学レンズ221aの光軸方向に移動させるミラー駆動手段224とを有している。こうして基台223が矢印A方向に移動することにより、参照光L2の光路長が変えられるようになっている。
また合波手段4は、前述の通り2×2の光ファイバカプラからなり、光路長調整手段220により周波数シフトおよび光路長の変更が施された参照光L2と、照射対象Sからの反射光L3とを合波し、光ファイバFB4を介して干渉光検出手段240側に射出するように構成されている。
干渉光検出手段240は、合波手段4により合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を検出する。また画像取得手段250は、干渉光検出手段240により検出された干渉光L4をフーリエ変換することにより、照射対象Sの各深さ位置における反射光L3の強度を検出し、照射対象Sの断層画像を取得する。そして、この取得された断層画像が表示装置260に表示される。なお本例の装置は、干渉光L4を合波手段4で二分した光をそれぞれ光検出器40aと40bに導き、演算手段241においてバランス検波を行う機構を有している。以上の通り本例では、光検出器40a、40bおよび演算手段241により干渉光検出手段240が構成されている。
ここで、干渉光検出手段240および画像取得手段250による干渉光L4の検出および画像生成について簡単に説明する。なお、この点の詳細については文献“武田 光夫、「光周波数走査スペクトル干渉顕微鏡」、光技術コンタクト、2003、Vol.41、No.7、pp426−432”に詳しい記載がなされている。
測定光L1が照射対象Sに照射されたとき、照射対象Sの各深さからの反射光L3と参照光L2とがいろいろな光路長差をもって干渉しあう際の、各光路長差lに対する干渉縞の光強度をS(l)とすると、干渉光検出手段240において検出される光強度I(k)は、
I(k)=∫ S(l)[1+cos(kl)]dl
で表される。ここで、kは波数、lは光路長差である。上式は波数k=ω/cを変数とする光周波数領域のインターフェログラムとして与えられていると考えることができる。そこで、画像取得手段250において、干渉光検出手段240が検出したスペクトル干渉縞をフーリエ変換し、干渉光L4の光強度S(l)を決定することにより、照射対象Sの測定開始位置からの距離情報と反射強度情報とを取得し、それらに基づいて断層画像を生成することができる。
前述した通り本発明の波長掃引光源によれば、狭スペクトル線幅の波長掃引光を得ることができるので、この波長掃引光源をOCT装置の計測光源として適用すると、分解能向上の効果が得られる。すなわちOCT装置において、干渉振幅がノイズに埋もれずに検出できる被観察体表面からの距離(深達度)は、理想的には光源のコヒーレント長(可干渉距離)に比例すると考えられる。可干渉距離は、λ2/2Δλ(λ:光源波長、Δλ:線幅)であり、それに基づくと、例えば波長1060nmの場合で、スペクトル線幅0.27nmのときコヒーレント長は1.25mmとなり、線幅0.1nmのときコヒーレント長は上記の2倍の2.5mmとなる。この例から明らかな通り、スペクトル線幅の狭域化に逆比例して上記深達度が向上する。
またOCT装置において、十分な動画断層像を得るためには、一般に10kHz以上の高速で波長掃引する必要がある。そのように波長掃引周波数を10kHz以上とする場合、0.1nmのスペクトル線幅を得るには、光帰還系の長さ(リング状光帰還系の場合はその全長であり、ファブリペロ型共振器からなる往復光帰還系の場合は共振器長の2倍である)は33cm以下とすればよい。また波長掃引周波数を5kHz以上とする場合、0.1nmのスペクトル線幅を得るには、光帰還系の長さは66cm以下に設定すればよい。
本発明の第1の実施形態による波長掃引光源を示す概略構成図 スペクトル線幅と掃引周波数との関係を示すグラフ スペクトル線幅と光帰還系内の光周回数との関係を示すグラフ 半導体発光素子の偏光特性の一例を示すグラフ 本発明に用いられる半導体発光素子の一例を示す概略斜視図 本発明の波長掃引光源が適用される装置の一例を示す概略構成図
符号の説明
1 画像取得装置
10 半導体光増幅器
11 ファイバ光帰還系
12、13 アイソレータ
14 ファイバファブリペロエタロン
15 カプラ
20 SLD

Claims (6)

  1. 半導体発光素子と、
    この半導体発光素子から前後方向に発せられる光のうち一方向に進む光を減衰させるとともに、他方向に進む光を該半導体発光素子に帰還させる光帰還系と、
    この半導体発光素子に帰還させる光の波長を選択し、その波長を連続的に変化させる波長選択手段とを備えてなる波長掃引光源において、
    前記光帰還系における光の周回数が120〜2400回の間となるように光帰還系の長さが設定されていることを特徴とする波長掃引光源。
  2. 前記光帰還系がリング状光帰還系であることを特徴とする請求項1記載の波長掃引光源。
  3. 前記リング状光帰還系において、前記半導体発光素子の両側に、前記他方向に進む光のみを通過させるアイソレータが配置されていることを特徴とする請求項2記載の波長掃引光源。
  4. 前記光帰還系が、光の偏波方向を保持するライトガイドから構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の波長掃引光源。
  5. 前記波長選択手段が、エアギャップ間隔を連続的に変化させるファイバファブリペロエタロンから構成されていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の波長掃引光源。
  6. OCT(Optical Coherence Tomography:光トモグラフィー計測)装置の計測光源として用いられていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の波長掃引光源。
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