JP2010034145A - 密閉容器の蓋開閉システム - Google Patents
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Abstract
【課題】FIMSシステムにおいて基板のポッドからの飛び出しを精度よく検出可能な構成を提供する。
【解決手段】FIMSシステムにおける基板飛び出し検出用センサとして光反射型センサを用いる。当該センサにおいて、センサ光の集光時の焦点よりずれてセンサ光の照射領域がセンサ光伝達用の光ファイバの口径まで広がった状態でセンサ光を当該光ファイバに導入させ、検出領域に当該センサ光を射出させる際に、基板から反射された検出光の到達範囲を拡大させる。
【選択図】図1B
【解決手段】FIMSシステムにおける基板飛び出し検出用センサとして光反射型センサを用いる。当該センサにおいて、センサ光の集光時の焦点よりずれてセンサ光の照射領域がセンサ光伝達用の光ファイバの口径まで広がった状態でセンサ光を当該光ファイバに導入させ、検出領域に当該センサ光を射出させる際に、基板から反射された検出光の到達範囲を拡大させる。
【選択図】図1B
Description
本発明は、半導体製造プロセス等において、ポッドと呼ばれる搬送容器に内部保持されたウエハを半導体処理装置間にて移送する際に用いられる、所謂FIMS(Front-Opening Interface Mechanical Standard)システムに関する。より詳細には、ウエハを収容する密閉容器たる所謂FOUP(Front-Opening Unified Pod)と呼ばれるポッド、及び当該ポッドの蓋を開閉して該ポッドに対するウエハの移載を行うFIMSシステムにおいて、蓋が取り外された状態にあるポッドに対して該蓋を固定してポッド開口を閉鎖する蓋開閉システム及び当該システムを用いた基板の処理方法に関する。
以前、半導体製造プロセスは、半導体ウエハを取り扱う部屋内部を高清浄化した所謂クリーンルーム内において行われていた。しかしウエハサイズの大型化への対処とクリーンルームの管理に要するコスト削減の観点から、近年では処理装置内部、ポッド(ウエハの収容容器)、及び当該ポッドから処理装置への基板受け渡しを行う微小空間のみを高清浄状態に保つ手法が採用されるに至っている。
ポッドは、その内部に複数のウエハを平行且つ隔置した状態で保持可能な棚と、外面を構成する面の一つにウエハ出し入れに用いられる開口とを有する略立方体形状を有する本体と、その開口を閉鎖する蓋とから構成される。この開口が形成されている面がポッドの底面ではなく一側面(微小空間に対して正対する面)に位置するポッドは、FOUP(front-opening unified pod)と総称され、本発明はこのFOUPを用いる構成を主たる対象としている。
上述した微小空間は、ポッドの開口と向かい合う第一の開口部と、該第一の開口部を閉鎖するドアと、半導体処理装置側に設けられた処理装置側の第二の開口部と、第一の開口部からポッド内部に侵入してウエハを保持すると共に該処理装置側の第二の開口部を通過して処理装置側にウエハを搬送する移載ロボットとを有している。微小空間を形成する構成は、同時にドア正面にポッド開口が正対するようポッドを支持する載置台を有している。
載置台上面には、ポッド下面に設けられた位置決め用の穴に嵌合されてポッドの載置位置を規定する位置決めピンと、ポッド下面に設けられた被クランプ部と係合してポッドを載置台に対して固定するクランプユニットとが配置されている。通常、載置台はドア方向に対して所定距離の前後移動が可能となっている。ポッド内のウエハを処理装置に移載する際には、ポッドが載置された状態でポッドの蓋がドアと接触するまでポッドを移動させ、接触後にドアによってポッド開口部からその蓋が取り除かれる。これら操作によって、ポッド内部と処理装置内部とが微小空間を介して連通することとなり、以降ウエハの移載操作が繰り返して行われる。この載置台、ドア、開口部、ドアの開閉機構、開口部が構成された微小空間の一部を構成する壁等を含めて、FIMS(front-opening interface mechanical standard)システムと総称される。
ここで、ポッドの蓋の開閉操作を行う際に、その前提として該ポッドに収容されるウエハは、全てが常に所定の位置に収容されていることを要する。しかし、何等かの要因によってポッド内の棚に正確に載置されず、例えば一枚のウエハがポッド開口から一部はみ出すようにして存在する場合も考えられる。このような状況において通常の蓋の閉鎖操作を行えば、ウエハの破損等、工程上大きな支障を生じさせる恐れがある。このため、通常はポッドからのウエハの飛び出しを検出するセンサを配置し、このような状況の検出を行って飛び出したウエハをそのままにして工程を続行して支障を生じさせることを防止している。このようなセンサを用いたFIMSシステムとして、例えば特許文献1及び2に開示する構成が知られている。
近年、半導体の製造工程において、石英等からなる透明な所謂ガラスウエハを用いる機会が増加している。ここで、このようなウエハのポッドからの飛び出しを検出するセンサとして、所謂光透過型のセンサと光反射型のセンサとが存在する。光透過型のセンサの場合、ウエハによって検出光が遮られるか否かによって得られる信号の変化に基づいてウエハの飛び出しの有無を判定する。しかし、ガラスウエハ等透明な基板の場合、検出光はウエハを透過して大部分はセンサの受光素子に至り、結果として検出光の光量の僅かな変化によって検出光の光路中のウエハの有無を判定せねばならない。これに対し、光反射型のセンサの場合、透明基板表面によって反射されたセンサ光を受光素子にて受光することにより基板の飛び出しの判定を行う。従って、受光素子によるセンサ光の受光の有無という所謂オンオフ比を比較的大きく取れる信号を用いることから精度良く飛び出した基板を検出することができる。このため、昨今は例えば特許文献1或いは2に示されるように、所謂反射型の光センサを用いてウエハの飛び出しの有無を判定する構成が多く用いられている。
ここで、ポッド内部に収容される基板は、基板の厚さに対してある程度のクリアランスを保持して設けられた棚の各々に納められている。従って、例えば基板が該棚から大きく外れて基板の重心がポッドからはみ出した場合、或いは左右が異なる棚に嵌まり込んで完全に収容されずにポッドからはみ出した場合には、基板は正しい収容姿勢から傾いてしまう。光反射型のセンサを用いる場合、センサ光の投光素子から基板、更には受光素子に至る光軸は、通常正しい姿勢にて収容される基板を対象として設定されている。従って、前述した基板が傾いた状態にてはみ出した場合には、センサ光は通常とは異なる方向に反射され、結果的に受光素子に至ることができない場合も考えられる。このような場合、反射されたセンサ光は受光素子に受光されず、センサとしては基板の飛び出しが存在しないと判定してしまう。
本発明は以上の状況に鑑みて為されたものであり、密閉容器たるポッドに対して蓋の取付け及び取外しをなる蓋開閉装置について、被収容物たる基板が所謂透明な基板が所定の姿勢に対して傾いた状態にてポッドからはみ出した状態にある場合であっても、当該飛び出し状態を正しく検出することを可能とするとする密閉容器に対応する蓋開閉システム及び当該蓋開閉システムを用いた透明基板の処理方法の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る蓋開閉システムは、略平板形状を有する蓋と蓋により閉鎖される開口を一側面に有すると共に内部に基板を収容可能な本体とからなる密閉容器に対して蓋を開閉して密閉容器内部への基板の挿脱を可能とする蓋開閉システムであって、開口部を有する微小空間と、開口部を略閉鎖する位置と開放する位置との間で移動可能であって、蓋を保持するドアと、本体の開口を開放した状態において密閉容器内から外にはみ出した基板により、センサ光投光部から射出されたセンサ光が反射されてセンサ光受光部に入射することで、基板の飛び出しを検出する飛び出し検出用センサと、を有し、飛び出し検出用光センサは、センサ光を発する光源と、センサ光を光源からセンサ光投光部に導く投光用光ファイバと、を有し、センサ光は集光焦点から外れた位置にて投光用光ファイバに導入されることを特徴としている。
なお、前述した蓋開閉システムにあっては、投光用光ファイバは、微小口径を有する細線光ファイバを複数本束ねてなるバンドル型ファイバからなるバンドルファイバ部と、バンドルファイバ部と接続されてセンサ光投光部を構成するバンドルファイバ部の細線光ファイバの微小口径よりも大きな口径を有する光ファイバから構成される大口径ファイバ部とからなることが好ましい。
本発明によれば、一のポッドに収容された基板の飛び出し等の状態検出について、基板が通常の収容状態に対して傾いた状態で飛び出している場合であっても、該飛び出し状態を確実に検出することが可能となる。より詳細には、本発明では、センサ光をいわゆる光ファイバにて投光素子に伝送しているが、該光ファイバにセンサ光を入射させる際に該センサ光が分散した状態としている。従って、センサ光はある程度の領域を有するスポットとして投光素子より射出され、基板が傾いている場合であっても当該スポットのある部分が受光素子に至ることから当該基板を検出することが可能となる。また、本発明においては、該投光素子おける光射出端部においてセンサ光を射出端面全域に均一に分散させた後に当該センサ光の射出を行っている。従って、仮に前述したスポットの端部しか受光素子に至らない場合であっても、光反射型センサとしてセンサ光の受光を示す十分な強度を有する信号を得ることが可能となる。
次に、本発明の一実施形態について、以下に図面を参照して説明する。図1Aは、通常の光反射型センサに用いられるセンサ本体の概略構成を示す図であり、図1Bは本発明の一実施形態に係る蓋開閉システムにおけるセンサ本体の概略構成を示す。図1A及び1Bに示されるように、センサ本体10は光源11、集光レンズ13、本体側センサ光入射端部15、投光用光ファイバ17の端部、本体側センサ光射出端部21、受光用光ファイバ19の端部、及び光電変換素子23を有する。光源11はセンサ光を放射し、集光レンズ13は放射されたセンサ光を所定の焦点位置Pに集光する。集光されたセンサ光は、焦点位置Pに配置された本体側センサ光入射端部15より、投光用光ファイバ17に入射される。当該投光用光ファイバ17に入射されたセンサ光は後述する検出側センサ光射出端部31(図5B参照)から不図示の検出領域に射出される。なお、当該検出側センサ光射出端部31は、センサ光投光部として作用する。また、検出領域に存在する基板等によって反射されたセンサ光は、同じく後述する検出側センサ光入射端部33(図5B参照)から受光用光ファイバ19に入射し、同ファイバ、本体側センサ光射出端部21を経て、光電変換素子23に導入される。当該光電変換素子23は、得られたセンサ光に基づく等して、飛び出し基板に関連した信号を生成する。
なお、本実施形態では、投光用光ファイバ17及び受光用光ファイバ19として、センサ光を検出領域に効率的且つ確実に伝送することを目的として複数の細線状の光ファイバを束ねてなる所謂バンドルタイプのライトガイドと称呼される光ファイバを用いている。このバンドルタイプの光ファイバは、当該光ファイバの取り回しの影響を受けず且つ損失の変化を生じることなく正確な光の伝送を実施できる。このため、従来の装置に置いて焦点に絞られて焦点位置Pから投光用光ファイバ17に導入されたセンサ光は、その焦点をある程度維持した状態で検出側センサ光射出端部31から射出される。従って、当該検出側センサ光射出端部31の光強度を模式的に示すと、図2Aに示すように焦点S1、及びその外周にあるセンサ光の散乱により得られる照明領域S2が、同心状に形成される。また当該照明領域S2等は、該ファイバに対してセンサ光が入射された際の入射位置に応じて、ファイバ端面FEに対して偏心して存在する。このような場合、前述したように基板が傾いている場合には、S1の領域から得られる反射光を検出側センサ光入射端部33に的確に入射させることは困難である。また、同図からも理解されるように、焦点がファイバ中心に対して偏心していることから、通常の姿勢にある基板からの反射光を該検出側センサ光入射端部33に入射させる場合であっても、当該端部の正確な位置合せが求められる。更に、ファイバ端面FEにはセンサ光が射出されない領域も存在し、例えばポッド内の複数段の基板を対象とした場合、当該領域の影響で検出不能な範囲が存在してしまう恐れもある。
本発明の一実施形態では、傾きを有した基板への対処、及び検出不能範囲を無くす或いは減少させることを目的として、図1Bに示すように、本体側センサ光入射端部15を焦点位置Pよりも外れた位置P’に配置している。当該位置P’は、集光レンズ13によって焦点に絞られたセンサ光が拡散し、本体側センサ光入射端部15の端面とセンサ光の光軸方向断面の大きさとがほぼ一致する位置とすることが好ましい。なお、当該位置P’は、センサ光が焦点に至る以前の位置であっても良い。これにより、本体側センサ光入射端部15の端面のほぼ全面に対して、センサ光が入射する状況が得られる。従って、図2Bに示すように、検出側センサ光射出端部31におけるファイバ端面FEの全面においてセンサ光により得られる照明領域S3が得られる。照明領域S3内部にはセンサ光の強度分布が存在するが、焦点から離れた位置において当該光ファイバに対するセンサ光の導入が行われることから、図2Aに示したような極端な強度分布の形成は避けられる。
当該構成からなる光反射型センサを蓋開閉システムにおける基板飛び出し用センサとして用いることによって、通常の光反射型センサを用いた場合と比較して、基板に対して照射されるセンサ光の有用照射範囲を大きくすることが可能となる。従って、飛び出した基板がポッドに対する通常の姿勢(水平状態)から傾いた場合であっても、当該基板から反射されたセンサ光が検出側センサ光入射端部33に至る可能性を高くすることが可能となる。なお、上述した実施形態では、センサ光をセンサ本体10から検出位置に伝送する手段として、所謂ファイバ心線を数千本束ねてなる前述したバンドルタイプのライトガイドを用いている。光源から照射されるセンサ光を効果的に使用する上で、センサ光の非受光領域を低減することから、当該ライトガイドを構成するファイバ心線の本数は多いほうが好適と考えられる。しかしながら、細線からなるファイバ心線の場合、個々の心線に入射するセンサ光は元から指向性が高いことから、該ファイバ端部からセンサ光が射出される際にもその指向度が比較的強く維持される。このため、前述した光照明領域S3内の光強度分布も、本体側センサ光入射端部15から入射したセンサ光の強度分布に大きく影響される。
そこで、本実施形態では、当該バンドルタイプのライトガイドから直接センサ光を射出させるのではなく、一旦光ファイバ内でのセンサ光の分散を図り、射出時の強度分布の低減を図ることとしている。具体的には、図3に示すように、投光用光ファイバ17を、その大部分を占めるバンドルタイプのライトガイドからなるバンドル部17aと、検出側センサ光射出端部31近傍のみに配置されて該バンドルタイプライトガイド部17aに接続される所謂大口径タイプのライトガイドからなる大口径ファイバ部17bと、から構成することとしている。大口径ファイバ部17bは、大口径の単一コアからなる構成される。バンドルファイバ端部から単一コアに導入されたセンサ光は、当該コア内部で拡散し、コア端面(検出側センサ光射出端部31)において前述したS3内でのセンサ光強度の分布を更に平坦化させる。その結果、射出されたセンサ光の光軸に対して垂直な平面内での強度分布の均質化を進めることが可能となる。このような大口径ファイバ部17bを配置することによって、傾いた基板により反射されたセンサ光の端部のみが検出側センサ光入射端部33に入射した場合であっても、ある程度以上の強度を有したセンサ光がセンサ本体10に送られることとなる。
なお、光照射領域における光強度分布を低下させる方法として、センサ光を光ファイバに導入する以前の段階、或いは光ファイバより射出する段階において、所謂コリメータレンズ等を介在させてセンサ光を所定の照射領域を有する平行成分を主とする光とすることも考えられる。しかしながら、当該構成によれば、照射領域内部のセンサ光の成分がほぼ同一の方向性を有することから、基板により反射されたセンサ光が検出側センサ光入射端部33近傍に形成する反射光の照射領域は明確に定義される。これに対し、本構成の場合、センサ光の拡散成分が大きいことから、実質的な反射光の照射領域はより大きくなる。従って、基板が傾いた場合の反射光が検出側センサ光入射端部33に至る可能性はより大きく維持される。また、センサ光の拡散をより大きくするために、分散材を含んだコアを用いることも考えられる。しかし、当該構成の場合には分散と同時にセンサ光の減衰も大きく生じるため、結果的に反射光が有効な強度を保持して検出側センサ光入射端部33に至る程度は低下する。本発明の如く、光の透過率(伝達能)の高い大口径のコアを介在させることによって、センサ光の適度な分散と反射されたセンサ光の強度維持という、相反する要求を両立させることが可能となる。なお、本形態では単一の大口径コアから大口径ファイバ部17bを構成することとしているが、前述した適度な光分散と効率的なセンサ光の伝達との両立が図れれば、複数本の大口径コアから当該大口径ファイバ部17bを構成することとしても良い。また、当該大口径コアは円筒状ではなく角柱状等のものを用いることとして、特定方向への分散の度合いを高めることとしても良い。
次に、以上述べた基板飛び出しセンサを用いた本発明に係るに密閉容器の蓋開閉システムたるFIMSシステムの実施形態について以下に述べる。図4は、該システムの概略構成を示す側断面図である。また、図5Aは該システムについてポッドを除外して図4における矢印5A方向から見た状態の概略構成を示し、図5Bは図5Aにおける要部5Bの拡大図を、図5Cは図5Bに示される構成の側面図を、各々示している。FIMSシステム101は、微小空間103を構成する筐体105及び筐体105に隣接して配置されるポッド載置部121を有する。筐体105は、更にファン107、ロボット109、第一の開口部111、第二の開口部113、ドア11、及び当該ドア11を駆動するドア駆動系115を有する。
ファン107は筐体105によって微小空間103の上部に配置され、筐体105の外部空間に存在する気体を微小空間内部に導入する。筐体105の下部には気流が流出可能となるような構造が配置されており、微小空間103内部で発生する粉塵等は当該気流に運ばれて筐体105の下部から外部空間に排出される。ロボット109におけるロボットアーム109aは、第一の開口部111及び第二の開口部113を介して微小空間の外部に突出可能となっている。第一の開口部111は、筐体105において隔壁として定義される壁に設けられる。また、第一の開口部111は、ドアシステム115におけるドア11により一見閉鎖状態とされるが、ドア11の外周と第一の開口部111の内周面との間には隙間が形成されることから、当該ドア11は第一の開口部111を略閉鎖可能となっていると述べる。第二の開口部113は、ウエハ処理装置117の内部と接続されているが、当該ウエハ処理装置117の詳細に関しては本発明と直接の関係を有さないために本明細書における説明は省略する。
ポッド載置部121は、ドッキングプレート123、ポッド固定システム125、及びドッキングプレート駆動システム127を有する。ドッキングプレート123の上面は略平面とされており、該上面にはポッド固定システム125の一部が配置される。ポッド1は、ドッキングプレート123の上面に載置され、ポッド固定システム125の当該一部、具体的にはピンがポッド1の下面に配置された不図示の被係合部と係合することによりドッキングプレート123上の所定位置に固定される。なお、ドッキングプレート123は、ポッド1を上面に載置した際に、ポッド1における本体開口2aが前述した第一の開口部111と正対するよう配置されている。ドッキングプレート駆動システム127は、ガイドレール127a及び駆動シリンダ127bを用いて、ドッキングプレート123と共に該所定位置に固定されたポッド1を該第一の開口部111に向かう方向及び離間する方向に駆動する。
駆動用シリンダ127bは載置台121本体に一端部が固定されており、他端部となる伸縮するシリンダ端部がドッキングプレート123に固定されている。ドッキングプレート123はガイドレール127aに対して摺動可能に支持されており、駆動シリンダ127bのシリンダ端部の伸縮に応じてガイドレール127a上を摺動する。ここで、ドッキングプレート123は、ポッド1を当該ドッキングプレート123上に外部から搭載する(ロードする)或いは取り除く(アンロードする)位置が微小空間103から最も離れた位置に存在することとなり、ポッドの蓋3を取り外す位置が微小空間103に対して最も接近する位置となる。
なお、図4、5A、5B及び5Cに示す実施形態では図1Bに示したセンサ本体10から延在する投光用光ファイバ17の端部である検出側センサ光射出端部31と、受光用光ファイバ19の端部であると検出側センサ光受光端部33と、が一つのセンサ端部ユニット30として構成される。当該センサ端部ユニット30は、飛び出した基板により反射されるセンサ光の想定上のセンサ光の光軸に対して、検出側センサ光射出部31でのセンサ光の射出中心軸及び検出側センサ光入射端部33でのセンサ光の入射中心軸が各々一致するように端部用ブラケット35に対して固定されている。また、本形態においては基板飛び出しの検出に光透過型のセンサも用いており、当該センサの光投光部37、及び当該光投光部37に透過用のセンサ光を導く光透過センサ用光導入ファイバ39も、当該端部用ブラケット35に対して固定される。
当該端部用ブラケット35は、第一の開口部111の垂直方向に伸びる中心線上であって、当該第一の開口部111の直上に設けられた凹部105aに配置される。当該凹部105aに端部用ブラケット35を収容することによって、本発明に係る光反射型センサにおけるセンサ光の光軸及び光透過型センサにおけるセンサ光の光軸を、当該第一の開口部111の開口を構成する筐体105の外壁面と略一致するように配置することが可能となる。
図6に当該FIMSシステム101の構成をブロック図として示す。上述したファン107、ロボット109、ドア駆動系115、ポッド固定システム125、及びドッキングプレート駆動システム127は、制御装置102によって各々制御される。ドア駆動系115は、ラッチキー駆動機構115f、ドア開閉用アクチュエータ115c、及びドア上下機構115dを各々独立して制御可能であるが、実際上はこれら各々の構成が一連のタイムチャートに応じて動作するようにこれら構成を制御する。なお、吸着パッド115kに対する負圧供給源108からの負圧の供給及び供給停止(負圧の破壊)の動作は、制御装置102によって行われる。ここで、ラッチキー駆動機構115fは蓋3をポッド本体2に固定する不図示のラッチ機構を操作するものであり、吸着パッド115kはドア11が蓋3を吸着保持するために用いられる。
ドッキングプレート駆動システム127は、駆動シリンダ127bの駆動のオンオフを行うが、当該駆動シリンダ127の動作によってドッキングプレート123が確実に所定の二位置、即ちポッド1のロード位置に存在する場合とポッド1がウエハ挿脱可能な位置であるドック位置に存在する場合とを検出する必要がある。このため、ポッド1がドッキングプレート123上の載置されたこと、及びドッキングプレート123に対してポッド1をロード・アンロードすべき位置に該ドッキングプレート123が存在することを検出するロードセンサ127dが、ドッキングプレート駆動システム127に接続されている。また、ドッキングプレート123が上述したドック位置に存在するか否かを検出するドックセンサ127cも該ドッキングプレート駆動システム127に接続されている。
また、本発明においては、ポッド本体2より蓋3を取り外して開口2aを開放した状態においてウエハの飛び出しを検出する、飛び出し検出用センサ20を有する。当該飛び出し検出用センサ20は、上述したセンサ本体10及びセンサ端部ユニット30とから構成される。制御装置102は、外部操作による任意のタイミング、或いは前述した種々のセンサが発する信号、或いは種々の公正の動作を示す信号等に対応した所定のタイミングにて、当該飛び出し検出用センサ20を動作させる。また、制御装置102は、センサ光用の光源11の使用時間に伴う光量変化に基づいて予め入力されているセンサ光強度校正用のデータを参照し、実際のウエハの飛び出し検出時におけるセンサの所謂オン・オフの閾値を設定する。ポッド本体2より蓋が取り外された後は、ポッド内部にウエハが戻されて蓋3による開口2aの閉鎖が為されるまで、飛び出し検出用センサ20によるポッド本体2からのウエハの飛び出しの有無のチェックが行われる。
ここで、実際にウエハ処理作業を行う際の当該FIMSシステム101の動作について説明する。ウエハ処理作業において、所定枚数のウエハを収容し内部が清浄気体によって満たされたポッド1がドッキングプレート123上に載置される。ドッキングプレート123を載置する際に、ポッド固定システム125が動作してドッキングプレート123に対するポッド1の載置位置を所定のものとする。続いてドッキングプレート駆動システム127が動作し、ポッド1を第一の開口部111に向けて駆動する。具体的には、ポッド固定システム125によってドッキングプレート123と一体化されたポッド1を、ドッキングプレート123を介する様式にて駆動シリンダ127bが移動させる。その際、ドア11は第一の開口部111を略閉鎖する位置で停止している。当該駆動動作は、ポッド1の蓋3がドア11の当接面と当接し、ドッキングプレート123と第一の開口部111と所定の位置関係となった段階にて終了する。この時、ラッチキー駆動機構115fにおけるラッチキー115eが蓋3表面の露出するキー受容孔15bに挿貫され円板15を回転することによって蓋3をポッド本体2に対して着脱可能な状態とすると同時に、吸着パッド115kが蓋3を吸着し、蓋3がドア115aによって保持された状態となる。
当該状態からドア開閉アクチュエータ115cが動作を開始し、ドアアーム115bが回動して蓋3を保持するドア11を第一の開口部111から微小空間103の内部方向に運ぶ。ドアアーム115bが所定角度で回動を停止した後、ドア上下機構115dが動作を開始し、ドア開閉アクチュエータ115cと共にドア11を下方に移動させる。当該動作によって第一の開口部111は全開状態となり、微小空間103は第一の開口部111を介してポッド本体2の内部と連通した状態となる。この状態においてロボット109が動作を開始し、ロボットアーム109aによってウエハ4をポッド1の内部から第二の開口部113を介してウエハ処理装置117に搬送する。搬送されたウエハは当該ウエハ処理装置117内部にて所定の処理が施される。また、この状態を維持して、当該ロボット109は、更にウエハ処理装置117内部において所定の処理が施されたウエハをポッド1内部へも搬送する。飛び出し検出用センサ20はこれらウエハのポッド1に対する挿脱操作の実行中、ポッド本体2内の所定の棚からのウエハの飛び出しの有無をチェックし続ける。
以上述べたように、本発明によれば、基板が通常の状態に対して傾いた姿勢でポッドから飛び出しており、従来の光反射型センサを用いた場合には基板による反射光が当該センサの受光側素子に対してセンサ光が導かれ得ない状態であったとしても、反射光の一部が受光素子に至ることが可能となり、基板飛び出しをその状態によらずに検出することが可能となる。
以上述べた実施形態では、本発明は所謂ガラスウエハ等の透明基板を対象とするFIMSシステムに関して主として述べている。しかしながら、本発明の適用対象は該システムに限定されず、例えばディスプレイ用のパネル、光ディスク等を収容する密閉容器等に対しても適用可能である。
1:ポッド、 2:ポッド本体、 3:蓋、 4:ウエハ、 10:センサ本体、 11:光源、 13:集光レンズ、 15:本体側センサ光入射端部、 17:投光用光ファイバ、 19:受光用光ファイバ、 20:飛び出し検出用センサ、 21:本体側センサ光射出端部、 23:光電変換素子、 30:センサ端部ユニット、 31:検出側センサ光射出端部、 33:検出側センサ光入射端部、 35:端部用ブラケット、 37:光透過型センサ投光部、 39:光透過型センサ用光導入ファイバ、 101:ロードポート装置、 102:制御装置、 103:微小空間、 105:筐体、 107:ファン、 108:負圧供給源 109:ロボット、 111:第一の開口部、 113:第二の開口部、 115:ドアシステム、 117:ウエハ処理装置、 121:ポッド載置部、 123:ドッキングプレート、 125:ポッド固定システム、 127:ドッキングプレート駆動システム
Claims (2)
- 略平板形状を有する蓋と前記蓋により閉鎖される開口を一側面に有すると共に内部に基板を収容可能な本体とからなる密閉容器に対して前記蓋を開閉して前記密閉容器内部への前記基板の挿脱を可能とする蓋開閉システムであって、
開口部を有する微小空間と、
前記開口部を略閉鎖する位置と開放する位置との間で移動可能であって、前記蓋を保持するドアと、
前記本体の開口を開放した状態において前記密閉容器内から外にはみ出した前記基板により、センサ光投光部から射出されたセンサ光が反射されてセンサ光受光部に入射することで、基板の飛び出しを検出する飛び出し検出用センサと、を有し、
前記飛び出し検出用光センサは、前記センサ光を発する光源と、前記センサ光を光源から前記センサ光投光部に導く投光用光ファイバと、を有し、
前記センサ光は集光焦点から外れた位置にて前記投光用光ファイバに導入されることを特徴とする蓋開閉システム。 - 前記投光用光ファイバは、微小口径を有する細線光ファイバを複数本束ねてなるバンドル型ファイバからなるバンドルファイバ部と、前記バンドルファイバ部と接続されて前記センサ光投光部を構成する前記バンドルファイバ部の前記細線光ファイバの微小口径よりも大きな口径を有する光ファイバから構成される大口径ファイバ部とからなることを特徴とする請求項1に記載の蓋開閉システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008192260A JP2010034145A (ja) | 2008-07-25 | 2008-07-25 | 密閉容器の蓋開閉システム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013005363A1 (ja) * | 2011-07-06 | 2013-01-10 | 平田機工株式会社 | 容器開閉装置 |
-
2008
- 2008-07-25 JP JP2008192260A patent/JP2010034145A/ja not_active Withdrawn
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