以下、本発明の自動販売機用照明装置の実施形態を各図に基づいて説明する。まず、本実施形態に係る自動販売機用照明装置を実装した自動販売機の構成を図1〜図4を参照して説明する。図1は、自動販売機を正面から見た説明図、図2は、II−II線による断面図、図3は、照明ユニットの構成例等を示す説明図である。また、図4は、センサユニットの構成例等を示す説明図である。
なお、本実施形態に係る自動販売機用照明装置は、図5に示すブロック図を見るとわかるように、制御ユニット20、照明ユニット30a,30bおよびセンサユニット40a,40bにより構成されているが、これらは、当該自動販売機の外扉11に分散して組み付けられている。そのため、これらについては当該自動販売機の構成を説明しながら適宜説明することにする。
図1に示すように、当該自動販売機は、主に、本体10とこの本体10の前面に開閉自在に取り付けられる外扉11とから構成されている。本体10には、商品をストックする図略の商品収容庫、商品の排出や冷却・加熱を制御する制御機構等が設けられている。
外扉11には、その上部に複数の商品見本Mを展示可能な展示空間Sが設けられており、本実施形態では、例えば、横方向に5つの商品見本Mを展示可能な展示空間Sが上下2段に構成されている。本実施形態では、商品見本Mとして、例えば、コーヒー飲料用の缶容器(内容量190g)や、清涼飲料水(内容量200ml)用のPETボトル容器を想定している。このような商品見本Mの代わりに、缶容器等の商品形態をプラスチック板に凸状に立体的に表した商品パネルが展示空間Sに収納されていることもある。
また、この外扉11の下方には、利用者が選択した商品を取り出し可能に構成される取出口19が設けられており、その上側、即ち展示空間Sと取出口19との間には、商品等に関する広告を宣伝可能な広告パネルPが設けられている。このほか、この外扉11には、利用者がコインを投入するための投入孔18や、購入希望の商品を選択する選択ボタン17等の自動販売機の基本構成要素が設けられている。
なお、図示されていないが、当該外扉11の裏側には、照明ユニット30a,30bやセンサユニット40a,40b等を制御する制御ユニット20が組み付けられている。この構成については後述する。
展示空間Sは、利用者が窓14を通して視認可能に、商品見本Mを収納するスペースで、上下段とも同様に、上壁12a、下壁12b、右壁12c、左壁12d、後壁12eおよび窓14により区画形成されている。
上段の展示空間Sは、その横幅が、例えば、直径50mm〜70mmの標準的な清涼飲料水やコーヒー飲料の商品見本Mを横方向(当該自動販売機の幅方向)に余裕をもって5本並べても展示可能な長さに設定されており、またその高さは内容量200g(200ml)前後の缶容器の高さ(例えば約100mm)の2.5倍程度に設定されている。
一方、下段の展示空間Sは、横幅は上段の展示空間Sと同様に設定されているが、高さは、上段よりも低く、例えば、内容量200g前後の缶容器の高さのほぼ2倍に設定されている。なお、上段の展示空間Sを形成する下壁12bと、下段の展示空間Sを形成する上壁12aは、当該外扉11の構成上、同一部材を共用している。
窓14は、例えば、透明アクリル板のような光学的(少なくとも視覚的)に透明な部材からなり、当該窓14を介して展示空間S内の商品見本Mを利用者が認識可能に構成されている。
このように形成される上下の展示空間Sには、展示台13や自動販売機用照明装置を構成する照明ユニット30a,30b(照明ユニット30aは上側の展示空間S、照明ユニット30bは下側の展示空間S)が設けられている。
図2に示すように、展示台13は、例えば、断面「コ字」形状で下壁12bと後壁12eとに接して商品見本Mを載せられる幅に設定されており、当該展示空間Sの横幅方向にほぼ全体に亘って延設されている。これにより、当該展示台13に商品見本Mを載置可能にしている。なお、前述した商品パネルが展示空間Sに収納されている場合には、これらの商品パネルが、直接、後壁12eに取り付けられるため、展示台13は設けられない。
照明ユニット30a,30bは、後述するセンサユニット40a,40bとともに、自動販売機用照明装置を構成するもので、図1および図2に示すように、上下それぞれの展示空間Sの上壁12aに設けられている。この照明ユニット30a,30bは、展示台13に展示される商品見本Mの窓14側の最外端(窓部側最外端)Egよりも窓14側の上方に位置(窓14の方に寄って位置)している。
そして、この照明ユニット30a,30bは、図3(A) に示すように、短冊状(または帯状)の長細いプリント配線板(以下「照明基板」という)31と、この照明基板31にアッセンブリされたドライバ回路33、高輝度照明仕様の発光ダイオード35、発振回路37、制御回路38等から構成されている。以下、照明ユニット30aを代表して説明するが、特に断らない限り、照明ユニット30bも同様に構成される。
即ち、この照明ユニット30aは、図3(B) に示すように、複数個(本実施形態では、例えば5個)の発光ダイオード35と、これらの発光ダイオード35に所定周波数で変調をかけた駆動電流を流す複数のドライバ回路33と、これら複数のドライバ回路33に個別に異なった変調信号を供給する複数の発振回路37と、これら複数のドライバ回路33により供給される駆動電流の大きさを制御する制御回路38と、から構成されている。
発光ダイオード35は、照明用に開発された白色光を発するもので、数1000lx(ルクス)、例えば2500lx〜4000lxの輝度で発光し、所定の角度(放射角)で扇状に拡がる円錐状のスポットライトLを発する。本実施形態では、この発光ダイオード35を、一つの展示空間Sに展示される商品見本Mの数量分(本実施形態では5個)、商品見本Mの展示間隔にほぼ等しい間隔で照明基板31に実装されている。なお、図2では、発光ダイオード35から出射されるスポットライト(照明光)に符号「Lf」を付し、利用者Wに反射した反射光に符号「Lr」を付している。
ドライバ回路33は、発光ダイオード35にその駆動電流を供給する回路で、本実施形態では、発振回路37から入力される所定周波数の変調信号により当該駆動電流に振幅変調をかける(所定周波数の信号成分を重畳する)機能と、制御回路38から入力される制御信号に従って段階的に駆動電流値を制御可能な機能を有する。なお、図3(B) に示す符号「TB」は、ドライバ回路33等に供給される駆動電流用の電源ラインを表している。
つまり、ドライバ回路33は、単に、発光ダイオード35に駆動電流を供給するのではなく、複数の発光ダイオード35に供給される駆動電流のそれぞれに異なる周波数f1〜f5で個別に振幅変調をかけてそれを発光ダイオード35に供給する。これにより、発光ダイオード35から照射されるスポットライトLは、その輝度が変調周波数に応じて強弱の変化を生じるため、いわゆる光変調がかけられることになる。なお、この光変調の変調周波数は、後述する発振回路37により個々のドライバ回路33ごとに固定されている。
また、このドライバ回路33は、発光ダイオード35の駆動電流の大きさを複数段階に制御可能にしている。本実施形態では、例えば、発光ダイオード35に供給可能な駆動電流の最大値近くをほぼ100%とすると、その半分(50%)や1/5(20%)あるいは消灯(0%)というように4段階で制御可能に、トランジスタやCMOSスイッチ等により構成されている。
なお、ドライバ回路33によるこのような駆動電流の変調は、次に述べるように周波数が高いため(例えば、数kHz〜数10kHz)、利用者Wに対して、発光ダイオード35のスポットライトLが、チカチカしたり瞬いたりするといったことを視覚的に感じさせることはない。
また、本実施形態では、このような発光ダイオード35によるスポットライトLの反射光Lrを後述するようにセンサユニット40a,40bで受光することによって、当該自動販売機の利用者の存在を検出しているため、自動販売機用照明装置による照明が必要な時間帯や場所においては、当該発光ダイオード35は消灯(0%)されることはなく、センサユニット40a等がスポットライトLの反射光Lrを受光可能な程度の輝度で点灯している。
また、本実施形態では、ドライバ回路33によって、発光ダイオード35の駆動電流に振幅変調をかけたが、例えば、発光ダイオード35の駆動電流に、周波数変調や位相変調をかけ得るように、ドライバ回路33を構成しても良い。ドライバ回路33は、特許請求の範囲に記載の「変調手段」や「複数の個別変調手段」に相当し得るものである。
発振回路37は、ドライバ回路33に供給する変調信号を発生(発振)可能に、例えばセラミック振動子やLC回路等で構成されるもので、本実施形態では、5個の発光ダイオード35に対して、5個の発振回路37がそれぞれ異なった発振周波数に設定される。例えば、5kHz(f1)、7kHz(f2)、11kHz(f3)、17kHz(f4)、23kHz(f5)というように、互いに干渉しあう可能性の低い周波数f1〜f5に設定される。なおここでいう「互いに干渉しあう可能性の低い周波数」とは、いずれの周波数を、整数倍したり整数で割ったりしても、他のいずれの周波数にも一致しない周波数をいう。
なお、本実施形態では、発光ダイオード35の半導体特性に起因する応答速度(スイッチング速度)の限界から、変調周波数を数kHz〜数10kHzに設定しているが、発光ダイオード35の応答速度の高速化に応じてこれよりも変調周波数を高く設定しても良い。
また、本実施形態では、上段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30aについて、5個の発光ダイオード35に対するの変調周波数を、前述のように、5kHz(f1)、7kHz(f2)、11kHz(f3)、17kHz(f4)、23kHz(f5)に設定するが、下段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30bについては、5個の発光ダイオード35に対するの変調周波数を、31kHz(f6)、19kHz(f7)、13kHz(f8)、8kHz(f9)、3kHz(f10)に設定して、照明ユニット30aの周波数と互いに干渉しあわないようにする。これにより、後述するように、センサユニット40a,40bでは、受光したスポットライトLの反射光Lrが複数あるうちのいずれの発光ダイオード35から照射されたスポットライトLのものであるのかを区別することができるので、利用者Wが注目している商品(商品見本M)の推定をより正確にできる。
制御回路38は、後述する制御ユニット20から出力されるパラレルデータからなる制御信号T1〜T5に従って、前述した複数のドライバ回路33に対して制御信号を出力するもので、例えばロジック回路により構成されている。
例えば、発光ダイオード35、1つに対して2ビットで構成されるデータを5個分要するときには、制御信号T1〜T5は10ビットのパラレルデータに設定される。本実施形態では、発光ダイオード35をその最大輝度(ほぼ100%(所定の高輝度))で発光させる場合には2ビットデータを「11」に設定し、またこの半分の輝度(最大輝度の50%(所定の低輝度))で発光させる場合には2ビットデータを「10」に設定する。さらにそれよりも暗く例えば最大輝度の20%(所定の超低輝度)で発光させる場合には2ビットデータを「01」に設定し、発光ダイオード35を消灯にする場合には「00」に設定する。
そして、例えば、5個の発光ダイオード35に#1〜#5の番号を付与して、#1の発光ダイオード35に制御信号T1、#2の発光ダイオード35に制御信号T2、#3の発光ダイオード35に制御信号T3、#4の発光ダイオード35に制御信号T4、#5の発光ダイオード35に制御信号T5、をそれぞれ割り付けた場合には、制御信号T1〜T5として出力される10ビットのパラレルデータを「0111010101」に設定すると、#2の発光ダイオード35を高輝度(ほぼ100%の輝度)で発光させ、他の発光ダイオード35を超低輝度(20%の輝度)で発光させるように制御することが可能となる。
なお、本実施形態では、この10ビットのパラレルデータに対応するものを出力マップとして定義することとし、後述する制御ユニット20のCPU21は、この出力マップに所定データを書き込む(セットする)ことにより、5個の発光ダイオード35の輝度を制御可能にする。
このように照明ユニット30a,30bを構成することによって、照明ユニット30a,30bから照射されるスポットライトLの一部は、商品見本Mと利用者Wとの間から商品見本Mを照らして商品見本Mの正面に当たり、その残りは、利用者Wに向けて照射することが可能となる。つまり、図2に示すように、スポットライトLは、商品見本Mの正面を明るく照らすとともに、当該自動販売機に近づく利用者Wにも当たるので(図2に示す符号「Lf」)、利用者Wに当たった照射光Lfは、当該利用者Wに反射して後述するセンサユニット40a,40bに向けた反射光Lrとなる。
なお、本実施形態では、照明光Lfが当該自動販売機の前面から、例えば50cm〜1mの距離dまで届くように、照明ユニット30a,30bの取付位置や取付角度(または発光ダイオード35によるスポットライトLの照射角度や範囲)が設定されている(図12参照)。
なお、図2では、照射光Lfと反射光Lrとの関係を把握しやすくするために、上側の展示空間Sに設けられる照明ユニット30aのスポットライトLについてその照射光Lfと反射光Lrを図示して、下側の展示空間Sに設けられる照明ユニット30bのスポットライトLについての照射光Lfおよび反射光Lrの図示は省略しているが、照明ユニット30bの照射光Lfと反射光Lrについても照明ユニット30aとほぼ同様となる。
また、図2では、これから説明するように、上段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30aのスポットライトLの反射光Lrは、広告パネルPの上側に設けられるセンサユニット40aによって検出されることを前提としている(下段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30bのスポットライトLの反射光Lrは、広告パネルPの下側に設けられるセンサユニット40bによって検出される。)。
ここで再び図1に戻ると、本実施形態では、展示空間Sの下方に設けられる広告パネルPの裏側に、センサユニット40a,40bが設けられている。より詳しくは、センサユニット40aが広告パネルPの上側に設けられ、センサユニット40bが広告パネルPの下側に設けられている。このセンサユニット40a,40bは、例えば、図4(A) に示すように、短冊状(または帯状)の長細いプリント配線板(以下「センサ基板」という)41と、このセンサ基板41にアッセンブリされた増幅回路43、フォトダイオード45、フィルタ回路47、A/D変換回路48等から構成されている。
即ち、このセンサユニット40a,40bは、図4(B) に示すように、複数個(本実施形態では、例えば5個)の発光ダイオード35に対応した数、つまり5個のフォトダイオード45と、これらのフォトダイオード45から出力されるセンサ電流(受光信号)を所定ゲインで増幅する複数の増幅回路43と、これら複数の増幅回路43から出力されるセンサ電流(受光信号)から、個別に異なった所定周波数の信号成分を抽出する複数のフィルタ回路47と、これら複数のフィルタ回路47から出力されるアナログ信号をデジタル値に変換するA/D変換回路48と、から構成されている。以下、センサユニット40aを代表して説明するが、特に断らない限り、センサユニット40bも同様に構成される。
フォトダイオード45は、受光した光量に比例した電流を出力し得るもので、本実施形態では、前述した照明ユニット30a(センサユニット40bの場合は照明ユニット30b)の発光ダイオード35から照射されたスポットライトLの反射光Lrを受光し得るように、当該フォトダイオード45の受光面が広告パネルPに形成されたピンホール等の小径の貫通孔を介して外部に露出可能にセンサ基板41に実装されている。このため、フォトダイオード45から出力されるセンサ電流は、光変調がかけられた変調周波数に応じて大小の変化を生じるため、この電流変動の周波数を検出することによって変調信号の復調が可能となる。なお、このフォトダイオード45は、特許請求の範囲に記載の「受光手段」や「複数の個別受光手段」に相当し得るものである。
増幅回路43は、フォトダイオード45から出力されるセンサ電流(受光信号)を所定ゲインで増幅する回路で、本実施形態では、フォトダイオード45の個数に対応して5個、設けられている。なお、フォトダイオード45に代えてフォトトランジスタを用いる場合には、当該増幅回路43は省略可能となる。なお、図4(B) に示す符号「RB」は、増幅回路43等に供給される駆動電流用の電源ラインを表している。
フィルタ回路47は、増幅回路43から出力されたセンサ電流(受光信号)から所定周波数の信号成分を抽出しセンサ信号として出力可能に、例えば、LC回路やオペアンプ(アクティブフィルタの場合)等から構成されるものである。即ち、前述したように、センサ電流の変動周波数を検出することによって変調信号の復調が可能となることから、変調周波数に一致した周波数の信号成分を抽出可能に当該フィルタ回路47の周波数数特性が設定される。
例えば、前述した照明ユニット30aの例では、発振回路37による変調信号の周波数が5種類(5kHz,7kHz,11kHz,17kHz,23kHz)に設定されているため、これに対応して、広告パネルPの上側に設けられるセンサユニット40aについては、その5個のフィルタ回路47が、それぞれ別個に、5kHz(f1)、7kHz(f2)、11kHz(f3)、17kHz(f4)、23kHz(f5)の信号成分を抽出可能に構成される。
また、前述した照明ユニット30bの例では、発振回路37による変調信号の周波数が照明ユニット30aのものとは異なる5種類(31kHz,19kHz,13kHz,8kHz,3kHz)に設定されているため、これに対応して、広告パネルPの下側に設けられるセンサユニット40bについては、その5個のフィルタ回路47が、それぞれ別個に、31kHz(f6)、19kHz(f7)、13kHz(f8)、8kHz(f9)、3kHz(f10)の信号成分を抽出可能に構成される。
これにより、例えば、11kHz(f3)で変調をかけられたスポットライトLの反射光Lrを照明ユニット30aのフォトダイオード45が受光してセンサ電流(受光信号)が出力されると、当該フォトダイオード45に対応するフィルタ回路47はA/D変換回路48にセンサ信号を出力する。つまり、センサユニット40aでは、受光したスポットライトLの反射光Lrが複数あるうちのいずれの発光ダイオード35から照射されたスポットライトLのものであるのかを区別することができる。
なお、本実施形態では、構成を簡易にするため、ドライバ回路33により振幅変調をかけて、フィルタ回路47により特定の周波数成分を抽出し得るように構成したが、例えば、発光ダイオード35の駆動電流に周波数変調や位相変調をかけ得るようにドライバ回路33を構成した場合には、フィルタ回路47に代えて、周波数変調信号や位相変調信号を復調し得るもの等、変調の種類に応じた復調回路が設けられる。また、フィルタ回路47は、特許請求の範囲に記載の「復調手段」や「複数の個別復調手段」に相当し得るものである。
A/D変換回路48は、複数のフィルタ回路47から出力されたセンサ信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換可能にするとともに、その出力R1〜R5を所定タイミング(例えば10mSecごと)でラッチ可能に構成されるもので、例えは、フィルタ回路47の個数分の、コンパレータ等の比較回路およびフリップフロップ等の状態保持回路により構成されている。
即ち、各フィルタ回路47から出力されるセンサ信号を所定の閾値でそれぞれ2値化(「1」と「0」)して一時的に保持することによって、所定周波数で変調をかけられたスポットライトLの反射光Lrを、各フォトダイオード45が受光したか否かを各ビットの集まりとして表現可能となる。
本実施形態では、センサユニット40aは、5個のフォトダイオード45を実装しているため、例えば、受光ありの場合を「1」、受光なしの場合を「0」と定義すると、周波数f1〜f5のうち、周波数f2で変調をかけられた反射光Lrのみを受光した場合には、LSBからMSBに向かってf1,f2,f3,f4,f5の順番で、5ビットのパラレルデータとして「01000」(08h)がA/D変換回路48のR1〜R5から出力される。また、周波数f2で変調をかけられた反射光Lrに加え、周波数f3で変調をかけられた反射光Lrも受光した場合には、同じ順番で「01100」(0Ch)のパラレルデータが当該A/D変換回路48のR1〜R5から出力される(なお、括弧内は5ビットを16進表示したものである)。
なお、この5ビットのパラレルデータは、後述する制御ユニット20のメモリ22に、入力マップとして定義されて、例えば、時系列的に10タイミング分サイクリック(無端環状領域)に記録可能な入力マップ領域が確保されている。これにより、A/D変換回路48により出力される5個のフォトダイオード45による受光検出情報を、所定タイミングで10周期分記録(記憶)することが可能となる。
なお、フィルタ回路47とA/D変換回路48との間にピークホールド回路を介在させて、フィルタ回路47から出力されるアナログ信号の最大値を保持することによって、A/D変換回路48による変換タイミングに余裕を持たせても良い。
このように構成される照明ユニット30a,30bやセンサユニット40a,40bは、外扉11の裏側に設けられる制御ユニット20によって制御されるので、ここで図5を参照して制御ユニット20の構成を説明する。
図5に示すように、制御ユニット20は、CPU21、メモリ22、システムバス23、入出力インタフェイス24等により構成される。CPU21は、当該制御ユニット20を制御する中央演算処理装置で、システムバス23を介してメモリ22や入出力インタフェイス24に接続されている。
メモリ22は、いわゆるRAMやROM等の半導体記憶装置で、システムバス23を介してCPU21に接続されている。このメモリ22には、CPU21を制御するシステムプログラム22aのほかに、後述する照明制御処理を可能にする各種制御プログラム22b〜22eが格納されており、前述したCPU21はこれらをメモリ22から読み出して逐次実行している。なお、このメモリ22の所定領域に、前述した入力マップ領域が確保されている。
入出力インタフェイス24は、前述した照明ユニット30a,30bやセンサユニット40a,40b、あるいは選択ボタンユニット等の当該自動販売機の基本的構成要素をなすの他ユニット50とCPU21等とのデータのやり取りを仲介する装置で、システムバス23に接続されている。なお、照明ユニット30a,30bとの間には入出力バス25が、またセンサユニット40a,40bとの間には入出力バス26が、さらに他ユニット50との間には入出力バス27が、それぞれ介在している。
ここで、メモリ22に格納されている各種制御プログラム22b〜22e、即ち、照明制御プログラム22b、待機照明プログラム22c、利用者・位置検出プログラム22d、高輝度照明プログラム22eの機能概要について説明する。
照明制御プログラム22bは、センサユニット40a,40bによって検出される利用者Wの有無に基づいて、待機照明プログラム22cや高輝度照明プログラム22eを適宜実行するもので、その処理の流れが図6に図示されている。この照明制御プログラム22bは、例えばシステムプログラム22aのメインルーチンからコールされて起動される。
待機照明プログラム22cは、センサユニット40a,40bによって利用者Wが検出されていない場合に、照明ユニット30a,30bを構成する複数の発光ダイオード35を発光輝度を所定の低輝度に設定する機能(図7;待機照明処理1)や、これら複数の発光ダイオード35のうちの少なくとも1つの発光輝度が所定の高輝度に設定されてその設定位置がランダム(不規則的)に入れ替わるように、または一方側向かって順番(規則的)に入れ替って全体として流れるようにする機能(図7;待機照明処理2)を有するものである。なお、この待機照明プログラム22cは、CPU21やメモリ22と相俟って、特許請求の範囲に記載の「照明制御手段」に相当し得るものである。
利用者・位置検出プログラム22dは、当該自動販売機に接近する利用者Wが存在するか否かを検出するとともにこの利用者Wと当該自動販売機の位置関係に関する位置情報を検出する機能を有するものである(図8〜図10;利用者・位置検出処理1〜3)。なお、この利用者・位置検出プログラム22dは、CPU21やメモリ22と相俟って、特許請求の範囲に記載の「利用者検出手段」や「位置検出手段」に相当し得るものである。
高輝度照明プログラム22eは、センサユニット40a,40bによって利用者Wが検出された場合に、複数の商品見本Mのうち、この利用者Wとの離隔距離が最も小さい商品見本Mを照らす発光ダイオード35の発光輝度を所定の低輝度よりも高い所定の高輝度に設定する機能を有するものである(図11;高輝度処理)。なお、この高輝度照明プログラム22eは、CPU21やメモリ22と相俟って、特許請求の範囲に記載の「照明制御手段」に相当し得るものである。
次に、制御ユニット20により実行される照明制御プログラムによる処理の流れ等を図6〜図12を参照して説明する。ここでは、図1に示す上段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30aとこの照明ユニット30aからのスポットライトLの反射光Lrを受光するセンサユニット40aとについて行われる各制御処理を例に説明するが、下段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30bとその照明ユニット30bからのスポットライトLの反射光Lrを受光するセンサユニット40bとについて行われる各制御処理も同様に行われている。
なお、以下説明する各処理は、前述した照明制御プログラム22b、待機照明プログラム22c、利用者検出プログラム22d、高輝度照明プログラム22eが、メモリ22からCPU21に適宜読み出されてCPU21により実行されることにより実現されるものである。
図6に示すように、照明制御処理では、まずステップS100によりメモリ22等を所定の初期状態に設定する初期化処理が行われる。例えば、メモリ22については、所定の作業領域をゼロクリアしたり、またセンサユニット40a,40bのA/D変換回路48によって書き込まれる入力マップ領域をゼロクリアする。照明ユニット30a,30bについては、制御回路38に出力する出力マップをすべて初期値「00」(消灯)に設定する(書き込む)。
次のステップS200では、待機照明処理が行われる。この処理は、前述した待機照明プログラム22cによって実行されるもので、このステップS200でコールされると、別のタスク(「タスク」のことをプロセスまたはスレッドともいう)で実行される。この処理はその詳細が図7に図示されているので、ここから図7に基づいて説明する。なお、図7には、省エネルギー効果を向上し得る待機照明処理1(図7(A) )と、集客効果を向上し得る待機照明処理2(図7(B) )とが図示されている。
図7(A) に示すように、待機照明処理1では、ステップS211により出力マップの全てに「10」をセットする(書き込む)処理が繰り返し行われる。この出力マップは、前述した照明ユニット30a,30bの制御回路38に設定する10ビットのパラレルデータに対応するものである。
先の例では、照明ユニット30a,30bの制御回路38に対して、低輝度(最大輝度の50%)で発光ダイオード35を発光させる制御信号が出力されたことになるので、制御回路38は、発光ダイオード35が最大輝度の50%の輝度で発光するように、各ドライバ回路33により発光ダイオード35に供給される駆動電流を制御する。これにより、照明ユニット30a,30bから照射されるスポットライトLは、視覚的に薄暗く感じる程度の明るさになるが、消費電流が最大時のほぼ半分に抑えられる。つまり、50%の省エネルギー効果が得られる。
これに対し図7(B) に示す待機照明処理2では、ステップS221により出力マップの全てに「01」をセットする処理が行われた後、ステップS223により高輝度位置決定処理が行われる。即ち、ステップS221により、照明ユニット30a,30bの制御回路38に対して超低輝度(最大輝度の20%)で発光ダイオード35を発光させる制御信号が出力されるので、照明ユニット30a,30bから照射されるスポットライトLは、視覚的に非常に暗く感じる明るさとなるが、次のステップS223による高輝度位置決定処理により高輝度(ほぼ100%)の明るさに設定する発光ダイオード35を決定する。
即ち、ステップS221により非常に暗く超低輝度に制御された複数の発光ダイオード35のうち、1つの発光ダイオード35だけを最大輝度(ほぼ100%)で発光させるため、この高輝度位置決定処理により特定の発光ダイオード35を決定する。
例えば、疑似乱数を発生させるアルゴリズムにより得られた疑似乱数を、照明ユニット30aを構成する発光ダイオード35の個数(本実施形態では5)で除算してその余りに1を加えた値に対応する位置を高輝度位置として決定する。この乱数方式では、当該ステップS223を実行するごとに不特定の発光ダイオード35が選択される。
また、他の方式として、例えば、照明基板31にアッセンブリされて列状に並んだ複数の発光ダイオード35(本実施形態では5個)に対して、高輝度位置を一端側から他端側に向かって順次隣に移動させる順次方式では、当該ステップS223を実行するごとに1つずつ他端側の隣に位置する発光ダイオード35が選択される。
続くステップS225により、前のステップS223で決定された位置に対応する出力マップの箇所に、高輝度(ほぼ100%)で発光させる「11」をセットする。これにより、例えば、先の例では、#1〜#5の5個の発光ダイオード35のうち、特定の1つとして#4の発光ダイオード35が際立って明るいスポットライトLを発する。そして、ステップS227により、所定時間、例えば、0.5秒〜1秒程度の間この状態を維持した後、再度、ステップS221に戻る。
同様に、ステップS221→ステップS223→ステップS225→ステップS227の順番で各処理を実行するが、ステップS223により決定される高輝度位置が当該ステップS223を実行するたびに異なる。前述した乱数方式では、当該ステップS223を実行するごとに不特定の発光ダイオード35が選択されるため、最大輝度のスポットライトLを照射する発光ダイオード35の位置が不規則に変化する。
即ち、複数の発光ダイオード35のうちの1つの発光ダイオード35の輝度を高輝度(ほぼ100%の輝度)で発光させ、残りの発光ダイオード35の輝度を超低輝度(20%の輝度)に設定するとともに、高輝度に設定された発光ダイオード35と超低輝度に設定された発光ダイオード35との位置関係がランダムに入れ替わるように制御される。例えば、#1〜#5の発光ダイオード35のうち、高輝度設定の発光ダイオード35が#2→#5→#1→#3→#4→#1→#4→#2→#5というように、不規則に例えば約1秒ごとに入れ替わる。
一方、順次方式では、一端側から他端側の隣に対応する位置を順次、高輝度位置として決定し、当該ステップS223を実行するごとに1つずつ他端側の隣に位置する発光ダイオード35が選択されるので、例えば、#1〜#5の発光ダイオード35のうち、高輝度設定の発光ダイオード35が#1→#2→#3→#4→#5→#1→#2→#3→#4というように、一方向に向かって流れるように規則的に例えば約1秒ごとに入れ替わる。なお、#1→#2→#3→#4→#5→#4→#3→#2→#1→#2、というように、左右両方向(両端方向)に往復移動するように高輝度発光する発光ダイオード35の位置を規則的に例えば約1秒ごとに入れ替えても良い。
これにより、例えば、発光ダイオード35の個数が5つの場合、そのうちの1つを高輝度設定(ほぼ100%)とし残りの4つを超低輝度設定(20%)とした場合には、合計180%(=20%×4+100%)相当の消費電力になるため、5個の発光ダイオード35を全て高輝度設定(ほぼ100%)にした場合の500%=(100%×5)に比べて、36%(=(180/500)×100)の電力消費になる。つまり、74%の省エネルギー効果が得られる。
また、特定の発光ダイオード35以外は、スポットライトLが超低輝度に抑えられるため、利用者Wには、特定の発光ダイオード35によるスポットライトLが一層際立って明るく見え、しかもその明るいスポットライトLの位置が不規則または規則的に入れ替わることから、当該自動販売機から離れた利用者Wに対しては、注意を喚起して商品の購買機会のキッカケ作りを可能にして集客効果を向上することができる。また、購買意欲を高めることが可能となる。なお、不規則または規則的に高輝度発光する位置を入れ替えるタイミングを、例えば、0.5秒〜2秒程度の間で不規則に変化させても良い。これにより、スポットライトLの当たる時間が不規則に変化するため、利用者Wに奇異な感覚を与えて注意喚起力を高めることが可能となる。
さらに、特定の発光ダイオード35以外は超低輝度されても消灯されないので(後述するように、スポットライトLの反射光Lrをセンサユニット40a,40bで受光することにより当該自動販売機の利用者の存在を検出しているため)、高輝度のスポットライトLが当たっている商品見本M以外に、他の商品見本Mがあることを消極的にではあるが、利用者Wにその存在をアピールすることができる。このため、明るいスポットライトLが当たる商品見本M以外についても、利用者Wに対して購買可能であることを伝えられる。
なお、このように高輝度発光する発光ダイオード35を1つではなく、2以上の複数に設定し、これらの高輝度発光する発光ダイオード35の位置を不規則または規則的に入れ替えても良い。これにより、高輝度設定されたスポットライトLの動きが多様化するので、視覚的な集客効果をより向上させることが可能となる。
このようなステップS200による待機照明処理が別タスクにより実行される一方で、メインルーチンでは、図6に示すように、続くステップS300により利用者・位置検出処理に移って利用者・位置検出プログラム22dがコールされる。この処理も、前述した待機照明処理と同様、別タスクで実行される。その詳細が図8〜図10に図示されているので、図8〜図10に基づいて説明する。
図8に示すように、利用者・位置検出処理の基本(利用者・位置検出処理1)は、まずステップS311による入力マップの読込処理から始まる。この入力マップは、センサユニット40a,40bのA/D変換回路48のR1〜R5から出力される5ビットのパラレルデータで、本実施形態ではメモリ22に確保された所定の入力マップ領域からこれに対応したもの(例えば最新のもの)を読み込む。
なお、本実施形態では、この入力マップは、R1〜R5が5個のフォトダイオード45に対応しており、例えば、#1の発光ダイオード35から照射されたスポットライトLの反射光Lrを受光するフォトダイオード45の出力R1には「#1」が付与されている。同様に、#2の発光ダイオード35に対応するフォトダイオード45の出力R2には「#2」、#3の発光ダイオード35に対応するフォトダイオード45の出力R3には「#3」、#4の発光ダイオード35に対応するフォトダイオード45の出力R4には「#4」、#5の発光ダイオード35に対応するフォトダイオード45の出力R5には「#5」、がそれぞれ付与されている。
次のステップS312では、読み込んだ入力マップ中に「1」があるか否かの判断処理が行われる。即ち、#1〜#5のフォトダイオード45のうち、それぞれに対応する周波数で変調されたスポットライトLの反射光Lrを受光したか否かをこのステップS312により判断する。本実施形態では、前述したように、受光ありを「1」、受光なしを「0」と定義しているので、入力マップの5ビットデータのうち、いずれかのビットが「1」であれば5個のフォトダイオード45のうちのどれかが受光したことになるので(S312;Yes)、次のステップS313に処理を進める。
これに対し、いずれのビットも「0」で「1」のビットがない場合には(S312;No)、どのフォトダイオード45もまだスポットライトLの反射光Lrを受光していないことになるため、再度ステップS311に戻って所定の入力マップ領域から最新の入力マップを読み込む。
なお、ここではこのようにステップS311において、最新の入力マップを読み込むように構成したが、これに限られず、例えば、メモリ22の入力マップ領域に記録された最新のものから約100mSec前のものまでの、10タイミング分の入力マップ全てを読み込んで、これら複数の入力マップ中に「1」のビットを持つものがあるか否かをステップS312において判断しても良い。これにより、利用者Wの検出精度を高めることが可能となる。
続くステップS313では、タイマー計時を開始する処理が行われる。即ち、所定時間内に利用者Wの存在を複数回の検出するための条件として、このステップS313によりタイマーを起動させる。なお、このステップS313は、タイマーが計時していない場合にのみ有効で、既に当該タイマーが計時を開始している場合には何も行われることなく次に処理が進む。、
ステップS314では、入力マップに対応するカウンタをアップする処理が行われる。即ち、5個のフォトダイオード45のうち、どのフォトダイオード45で利用者Wを何回検出したかをという情報を得るために、当該ステップS314を通過するたびに対応するカウンタを増加させる。このカウンタは、#1〜#5の5個のフォトダイオード45に対応して5個(C1〜C5)設けれらており、例えば、図8に示す例では、#2のフォトダイオード45に対応するカウンタC2がカウントアップされている。
続くステップS315では、ステップS314のカウンタのうちのどれかが、カウント値X以上であるか否かを判断する処理が行われる。即ち、所定時間内に利用者Wの存在を複数回の検出するための条件として、このステップS315により回数Xを設定する。例えば、ステップS313により計時を開始したタイマーが、3秒の時間を計るように設定されていた場合には、カウント値Xとして10が設定される。
そして、カウンタC1〜C5のいずれかが10以上である場合には(S315;Yes)、当該自動販売機の前に利用者Wが存在すると判断してステップS316に処理を移行して、利用者検出情報と位置検出情報をメインルーチンに出力する。例えば、図8に示す例では、カウンタC1〜C5のうち、カウンタC2の値が10に到達しているため、利用者Wを検出した旨(利用者検出情報)と、そのカウンタC2に対応するフォトダイオード45の番号#2(位置検出情報)と、を出力する。これにより、図6に示すステップS400では、利用者Wが存在することがわかる。
再び図8に戻ると、ステップS315により、カウンタC1〜C5のいずれもが10以上でない場合には(S315;No)、次のステップS317により、タイマー値がN秒を超えたか否かの判断処理が行われる。本実施形態では、例えば、N秒として3秒が設定される。
つまり、当該自動販売機の前に3秒間以上停留している者が存在している場合には、この者は、当該自動販売機を利用する可能性が高いと想定して当該者を利用者Wとして推定する一方で、1秒前後で当該自動販売機の前を通過する単なる歩行者を除外する意図からこのような3秒がN秒として設定される。なお、当該自動販売機の前で停留する利用者の停留時間の分布や、当該自動販売機の前を通過する歩行者の通過時間の分布,等に基づいて、このN秒は適宜決定される。
このステップS317によりN秒を超えたと判断された場合には(S317;Yes)、次のステップS319に処理を移行し、N秒を超えていないと判断された場合には(S317;No)、ステップS311に戻って再度、入力マップが読み込まれる。例えば、先の例では、タイマー値が3秒を超えていない場合には(S317;No)、所定の入力マップ領域から最新の入力マップを読み込む。
一方、タイマー値が3秒を超えた場合には(S317;Yes)、ステップS319により全てのカウンタC1〜C5をゼロクリアしさらにタイマーも初期値にリセットする。即ち、所定時間内に利用者Wの存在を複数回の検出するための条件としての、所定時間(N秒)を過ぎてしまっているので、回数(カウンタC1〜C5)および時間(タイマー値)を全て初期化する。
このように図8に示す利用者・位置検出処理1では、所定周波数f1〜f5のいずれかの信号成分がN秒間(所定時間)内にX回(所定回数)以上抽出されると、ステップS316により利用者検出情報および位置検出情報を出力するようにしているので、所定周波数f1〜f5の信号成分の抽出がN秒間以上ほぼ連続することなく一時的なものであったり、またはN秒間内にX回未満のものであった場合には、センサユニット40aのフィルタ回路47により所定周波数f1〜f5の信号成分が抽出されたことにはならないので、例えば、当該自動販売機の前やその近くを、単に通過する歩行者を当該自動販売機の利用者Wとして誤検出することを防止できる。つまり、図12に示すように、当該自動販売機の前やその近くに立ち止まった人を利用者Wとして検出し(図12(B) )、そうでない歩行者Uを利用者Wとして検出しないようにすることができる(図12(A) )。
なお、図8に示す例では、ステップS315において、例えば、カウンタC1〜C5のうちのいずれか1つのカウント値が10をに達している場合には、そのカウント値が10に到達しているカウンタ(図8の例ではカウンタC2)に対応するフォトダイオード45の番号を位置検出情報としてステップS316により出力したが、例えば、カウンタC1〜C5のうちのいずれか1つのカウント値が10に達している場合において、当該カウンタ(図8の例ではカウンタC2)に隣接するカウンタ(図8の例ではカウンタC1,C3)のカウント値が10または10に近い値(例えば9や8)であるときには、当該カウンタ(図8の例ではカウンタC2)に加えてその隣接するカウンタ(図8の例ではカウンタC1)に対応するフォトダイオード45の番号も位置検出情報としてステップS316により出力しても良い。これにより、後述するように、利用者Wが商品選択を迷っている場合のスポットライトLの複数点灯に対応することができる。
また、図8に示す例では、ステップS315において、前述したように、例えば、カウンタC1〜C5のカウント値が10に達した場合、当該カウンタ(図8の例ではカウンタC2)以外のカウンタで当該カウンタから離れたカウンタ(図8の例ではカウンタC3〜C5)のカウント値が10または10に近い値(例えば9や8)であるときには、当該カウンタ(図8の例ではカウンタC2)を含めて全てのカウンタ(図8の例ではカウンタC1〜C5)に対応するフォトダイオード45の番号も位置検出情報としてステップS316により出力しても良い。これにより、後述するように、利用者Wが複数人存在する場合のスポットライトLの全点灯に対応することができる。
次に、利用者・位置検出処理の他の構成例(利用者・位置検出処理2)を、図9を参照して説明する。この利用者・位置検出処理2は、前述した利用者・位置検出処理1の構成する処理からタイマー処理を省略して簡素化したものである。なお、図9において、図8に示す利用者・位置検出処理1と実質的に同一の処理ステップについては同一符号を付して説明を簡略化する。
利用者・位置検出処理2も、利用者・位置検出処理1と同様に、まずステップS311による入力マップの読込処理から始まり、続くステップS312により読み込んだ入力マップ中に「1」があるか否かの判断処理が行われる。そして、このステップS312により、入力マップの5ビットデータのうちのいずれかのビットに「1」がある場合には(S312;Yes)、次のステップS314に処理を進め、いずれのビットも「0」で「1」のビットがない場合には(S312;No)、ステップS319に処理を移行して全てのカウンタC1〜C5をゼロクリアする。
即ち、この利用者・位置検出処理2では、所定周波数f1〜f5の信号成分がX回(所定回数)以上連続して抽出されると、ステップS316により利用者検出情報および位置検出情報を出力するようにしている。このため、カウンタC1〜C5のいずかに「1」がなくいずれもが「0」である場合には、X回以上連続することなく一時的なものであったとして、カウンタC1〜C5をゼロクリアすることとしている。
これに対しステップS312により、入力マップの5ビットデータのうちのいずれかのビットに「1」がある場合には(S312;Yes)、ステップS314により入力マップに対応するカウンタをアップする処理が行われる。例えば、図9に示す例では、#2のフォトダイオード45に対応するカウンタC2がカウントアップされている。
続くステップS315では、カウンタC1〜C5のいずれかにカウント値がX以上であるものがあるか否かを判断する処理が行われる。例えば、カウント値Xとして10が設定されている場合には、カウンタC1〜C5のいずれかが10以上であるときには(S315;Yes)、当該自動販売機の前に利用者Wが存在すると判断してステップS316に処理を移行して利用者検出情報と位置検出情報をメインルーチンに出力する。これに対し、カウンタC1〜C5のいずれもが10以上でない場合には(S315;No)、ステップS311に戻って再び所定の入力マップ領域から最新の入力マップを読み込む。
ステップS316により利用者検出情報および位置検出情報を出力すると、次のステップS319によりカウンタC1〜C5をゼロクリアした後、ステップS311に戻って前述と同様に再び所定の入力マップ領域から最新の入力マップを読み込む。
このように図9に示す利用者・位置検出処理2では、所定周波数f1〜f5の信号成分がX回(所定回数)以上連続して抽出されると、ステップS316により利用者検出情報および位置検出情報を出力するようにしている。このため、前述した利用者・位置検出処理1に比べてタイマー処理(S313,S317)を省略して簡素化しつつも、所定周波数f1〜f5の信号成分の抽出がX回未満のものであった場合には、センサユニット40aのフィルタ回路47により所定周波数f1〜f5の信号成分が抽出されたことにはならないので、例えば、当該自動販売機の前やその近くを、単に通過する歩行者を当該自動販売機の利用者Wとして誤検出することを防止できる。つまり、図12に示すように、当該自動販売機の前やその近くに立ち止まった人を利用者Wとして検出し(図12(B) )、そうでない歩行者Uを利用者Wとして検出しないようにすることができる(図12(A) )。
なお、図9において、ステップS314を、図8に示すステップS313「タイマー計時をしていなければ開始する」に置き換えて、さらにステップS315を、図8に示すステップS317「タイマー値がN秒を超えたか」に置き換えて当該S317でNoの場合に図9のステップS311に移行しYesの場合に図9のステップS316に移行するように、図9の処理の流れを変更しても良い(図10)。
これにより、図10に示す利用者・位置検出処理3では、所定周波数f1〜f5の信号成分がN秒間(所定時間)以上ほぼ連続して抽出されると、ステップS316により利用者検出情報および位置検出情報を出力する。つまり、上述した利用者・位置検出処理1,2では、所定周波数f1〜f5の信号成分の抽出回数に基づいて当該自動販売機に接近する利用者Wが存在するか否かを判断していたが、この利用者・位置検出処理3では、抽出時間(抽出期間)に基づいて当該自動販売機に接近する利用者Wが存在するか否かを判断する。
このため、前述した利用者・位置検出処理1に比べてカウント処理(S314,S315)を省略して簡素化しつつも、所定周波数f1〜f5の信号成分の抽出がほぼ連続してもそれがN秒間(所定時間)未満であった場合には、センサユニット40aのフィルタ回路47により所定周波数f1〜f5の信号成分が抽出されたことにはならないので、例えば、当該自動販売機の前やその近くを、単に通過する歩行者を当該自動販売機の利用者Wとして誤検出することを防止できる。つまり、図12に示すように、当該自動販売機の前やその近くに立ち止まった人を利用者Wとして検出し(図12(B) )、そうでない歩行者Uを利用者Wとして検出しないようにすることができる(図12(A) )。
このような利用者・位置検出処理が別タスクで実行されると、その後、メインルーチンでは、図6に示すように、ステップS400により利用者が存在するか否かを判断する処理が行われる。即ち、ステップS300により得られた利用者検出情報に基づいて当該自動販売機の前に利用者Wが存在するか否かを判断する。
そして、利用者Wが存在すると判断した場合には(S400;Yes)、複数の商品見本Mのうち、当該利用者Wとの離隔距離が最も小さい商品見本Mを照らす発光ダイオード35を高輝度(ほぼ100%の輝度)で発光させるため、続くステップS500によりメインルーチンにより高輝度照明処理に移って高輝度照明プログラム22eがコールされる。一方、利用者Wが存在すると判断しない(存在しないと判断した)場合には(S400;No)、ステップS200に処理を移して、既にコールされている待機照明処理を再度行う。高輝度照明処理の詳細は、図11に図示されている。
図11に示すように、高輝度照明処理では、ステップS501により位置情報を取得する処理が行われる。即ち、ステップS300により得られた位置検出情報に基づいて当該自動販売機の前に存在する利用者Wに最も近い(利用者Wとの離隔距離が最も小さい)商品見本Mを当該利用者Wが注目している商品の商品見本Mであると推定してその位置に関する情報を取得する。
例えば、図8に示す例では、カウンタC1〜C5のうち、値が10に到達したカウンタC2に対応するフォトダイオード45の番号#2(位置検出情報)に基づいて、当該フォトダイオード45(#2)が設けれている位置に関する情報、または当該フォトダイオード45(#2)が受光した反射光Lrの元になったスポットライトLを発した発光ダイオード35(#2)が設けれている位置に関する情報が当該利用者Wの位置情報となる。
次のステップS503では、ステップS200により別タスクで実行している待機照明処理1(または待機照明処理2)を停止させる処理が行われる。即ち、続くステップS505による出力マップの設定に先立って待機照明を止める必要からこのステップにより当該処理を行う。
続くステップS505では、ステップS501により取得された位置情報に基づいて、出力マップに「11」をセットする(書き込む)処理が行われる。この出力マップは、前述した照明ユニット30aの制御回路38に設定する10ビットのパラレルデータに対応するもので、例えば、#2の発光ダイオード35が設けれている位置に関する情報が当該利用者Wの位置情報である場合には、図11に示すように、T2に「11」(ほぼ100%)をセットしそれ以外のT1,T3,T4,T5には「10」(最大輝度の50%)をセットする。なお、「10」の代わりに「01」(最大輝度の20%)をセットしても良い。
これにより、照明ユニット30aを構成する5個の発光ダイオード35のうち、#2の発光ダイオード35は高輝度(ほぼ100%)で発光するように、それ以外の#1,#3,#4,#5の発光ダイオード35は低輝度(最大輝度の50%)で発光するように、それぞれ制御回路38によって制御される。つまり、図12に示すように、当該自動販売機の前やその近くに立ち止まった人を利用者Wとして検出し(図12(B) )、当該利用者Wに最も近い商品見本M’(複数の商品見本Mのうち、利用者Wとの離隔距離が最も小さい商品見本M’)を照らす#2の発光ダイオード35の輝度を他の発光ダイオード35の輝度よりも強くしてそのスポットライトLを明るくする。
なお、図8にステップS315において、前述したように、例えば、カウンタC1〜C5のカウント値が10に達した場合、当該カウンタ(図8の例ではカウンタC2)に隣接するカウンタ(図8の例ではカウンタC1,C3)のカウント値が10または10に近い値(例えば9や8)であるときには、当該カウンタ(図8の例ではカウンタC2)に加えてその隣接するカウンタ(図8の例ではカウンタC1)に対応するフォトダイオード45の番号も位置検出情報としてステップS316により出力するように構成したときには、#2の発光ダイオード35に加えて#1の発光ダイオード35もその輝度を他の発光ダイオード35よりも強くしてスポットライトLを明るくする。これにより、例えば、選択候補が2つあり商品選択を迷っている状況の利用者Wに対し、両方の商品見本MについてスポットライトLを照らしてその存在をアピールすることができる。
また、図8にステップS315において、前述したように、例えば、カウンタC1〜C5のカウント値が10に達した場合、当該カウンタ(図8の例ではカウンタC2)以外のカウンタで当該カウンタから離れたカウンタ(図8の例ではカウンタC3〜C5)のカウント値が10または10に近い値(例えば9や8)であるときには、当該カウンタ(図8の例ではカウンタC2)を含めて全てのカウンタ(図8の例ではカウンタC1〜C5)に対応するフォトダイオード45の番号も位置検出情報としてステップS316により出力するように構成したときには、#1〜#5のすべての発光ダイオード35の輝度を強くして全スポットライトLを明るくする。これにより、例えば、当該自動販売機の前に利用者Wが複数人(2人以上)存在していた場合に全商品見本MについてスポットライトLを照らして利用者W全員にこれらの存在をアピールすることができる。
このように照明ユニット30aを制御することによって、当該自動販売機の付近に利用者Wがいる場合にはその利用者Wが他の商品見本Mに比べて接近している商品見本M’を照らす発光ダイオード35の消費電力を大きくするので、当該利用者Wが商品選択時に関心を示さない商品の商品見本Mを照らす発光ダイオード35についてまで余分な電力を消費させない。したがって、当該利用者Wが選択する可能性の低い商品の商品見本Mを照らす照明を無駄に明るくすることがないので、より効率的な省エネを可能にして省エネルギー化に寄与することができる。
ステップS505による出力マップのセット(書き込み)が終わると、当該高輝度照明処理を終了して図6に示すメインルーチンに戻った後、ステップS300に処理を移して、既にコールされている利用者・位置検出処理を再度行う。
以上説明したように、本実施形態に係る自動販売機用照明装置によると、制御ユニット20により実行される照明制御プログラム22bによる照明制御処理は、利用者・位置検出プログラム22d(ステップS300)により当該自動販売機に接近する利用者Wが存在するか否かを検出し、(1a)利用者Wが検出されていない場合には(S400;No)、複数の発光ダイオード35の輝度を低輝度(最大輝度の50%)に設定し(図7(A) ;待機照明処理1)、(1b)利用者Wが検出された場合には(S400;Yes)、利用者・位置検出プログラム22d(ステップS300)により検出された位置情報に基づいて、制御ユニット20により実行される高輝度照明プログラム22e(ステップS500)により、複数の商品見本Mのうち利用者Wとの離隔距離が最も小さい商品見本M’を照らす発光ダイオード35の輝度を高輝度(ほぼ100%)に設定する(図11)。
つまり、(1a)当該自動販売機の近くに利用者Wが存在しない場合には、各商品見本Mを照らす各スポットライトLを暗くして、(1b)当該自動販売機の近くに利用者Wが存在する場合には、その利用者Wに最も近い商品見本M’を照らすスポットライトLを、他の商品見本Mを照らすスポットライトLよりも明るくする。これにより、(1a)当該自動販売機の付近に利用者Wがいない場合には各発光ダイオード35の消費電力を小さくする一方で、(1b)当該自動販売機の付近に利用者Wがいる場合にはその利用者Wが他の商品見本Mに比べて接近している商品見本M’(通常は当該利用者Wにより選択される可能性が高い商品の商品見本)を照らす発光ダイオード35の消費電力を大きくするので、当該利用者Wが商品選択時に関心を示さない商品の商品見本Mを照らす発光ダイオードについてまで余分な電力を消費させない。したがって、当該利用者Wが選択する可能性の低い商品の商品見本Mを照らす照明を無駄に明るくすることがないので、より効率的な省エネを可能にして省エネルギー化に寄与することができる。
また、本実施形態に係る自動販売機用照明装置によると、制御ユニット20により実行される照明制御プログラム22bによる照明制御処理は、利用者・位置検出プログラム22d(ステップS300)により当該自動販売機に接近する利用者Wが存在するか否かを検出し、(2a)利用者Wが検出されていない場合には(S400;No)、複数の発光ダイオード35のうちの少なくとも1つの発光ダイオード35の輝度を高輝度(ほぼ100%)に設定し、残りの発光ダイオード35の輝度を超低輝度(最大輝度の20%)に設定するとともに、高輝度に設定された発光ダイオード35と超低輝度に設定された発光ダイオード35との位置関係が、ランダムに入れ替わるように、または配置された列の一方側向かって順番に入れ替わるように複数の発光ダイオードの輝度が制御され(図7(B) ;待機照明処理2)、(2b)利用者検出手段により利用者が検出された場合、このような制御(待機照明処理2)を中断して、利用者・位置検出プログラム22d(ステップS300)により検出された位置情報に基づいて、複数の商品見本Mのうち、利用者Wとの離隔距離が最も小さい商品見本M’を照らす発光ダイオード35の輝度を高輝度(ほぼ100%)に設定し、低輝度(最大輝度の50%)または超低輝度(最大輝度の20%)に、残りの発光ダイオード35の輝度を設定する(図11)。
つまり、(2a)当該自動販売機の近くに利用者Wが存在しない場合には、各商品見本Mを照らす各スポットライトLのうちの少なくとも1つを明るくして、残りのスポットライトLをそれよりも非常に暗くして、明るいスポットライトLと非常に暗いスポットライトLとの位置がランダムに入れ替わるように、または発光ダイオード35が配置された列の一方側向かって順番に入れ替わるようにし、(2b)当該自動販売機の近くに利用者Wが存在する場合には、このような明暗の制御を中断して、その利用者Wに最も近い商品見本M’を照らすスポットライトLを、他の商品見本Mを照らすスポットライトLよりも明るくする。これにより、(2a)当該自動販売機の付近に利用者Wがいない場合には、1つ以上の明るい発光ダイオード35の以外は消費電力が極めて小さくなるので、複数の発光ダイオード全体としては消費電力を小さくできる。したがって、当該利用者Wが選択する可能性の低い商品の商品見本Mを照らす照明を無駄に明るくすることがないので、より効率的な省エネを可能にして省エネルギー化に寄与することができる。
また、ランダムや一方向に流れるように商品見本Mを照らすので、当該自動販売機の近くに利用者Wが存在しない場合には、当該自動販売機から離れたところに位置する利用者に対して当該自動販売機の所在や稼動中であることをアピールしたり注意を喚起することができる。一方、(2b)当該自動販売機の付近に利用者Wがいる場合にはその利用者Wが他の商品見本Mに比べて接近している商品見本M’(通常は当該利用者により選択される可能性が高い商品の商品見本)を照らす発光ダイオード35の消費電力を大きくするので、当該利用者Wが商品選択時に関心を示さない商品の商品見本Mを照らす発光ダイオード35についてまで余分な電力を消費させない。したがって、当該自動販売機から離れた利用者に対しては、注意を喚起して商品の購買機会のキッカケ作りをし得る(集客効果を向上し得る)とともに購買意欲を高めることができる。
なお、上述した実施形態では、上段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30aの発光ダイオード35によるスポットライトLを、広告パネルPの上側のセンサユニット40aのフォトダイオード45で受光し、下段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30bの発光ダイオード35によるスポットライトLを、広告パネルPの下側のセンサユニット40bのフォトダイオード45で受光する構成を採ったが、この逆、即ち上段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30aの発光ダイオード35によるスポットライトLを、広告パネルPの下側のセンサユニット40bのフォトダイオード45で受光し、下段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30bの発光ダイオード35によるスポットライトLを、広告パネルPの上側のセンサユニット40aのフォトダイオード45で受光する構成を採っても、上述と同様の作用・効果を得ることができる。また、これら照明ユニット30a,30bに対するセンサユニット40a,40bの対応関係が上下混在するように構成しても良い。
また、上述した実施形態では、センサユニット40a,40bにおいて、受光したスポットライトLの反射光Lrが、照明ユニット30a,30bのいずれの発光ダイオード35から照射されたスポットライトLのものであるのかを区別するために、照明ユニット30a,30bによる光変調の変調周波数をいずれも異なるものに設定したが、例えば、パルス幅やデューティー比の異なる矩形波で変調をかけたり、あるいは異なった符号で符号化された矩形波で変調をかけても良い。この場合、センサユニット40a,40bにおいては、それぞれの変調方式に適した復調(復号)方式により信号処理を行うことによって、受光したスポットライトLの反射光Lrが、照明ユニット30a,30bのいずれの発光ダイオード35から照射されたスポットライトLのものであるのかを区別する。
また、上述した実施形態では、図12に示すように、スポットライトL(照明光Lf)が当該自動販売機の前面から、例えば50cm〜1mの距離dまで届くように、照明ユニット30a,30bの取付位置や取付角度等を設定したが、例えば、スポットライトLのビーム形状を当該自動販売機の前方に延びる楕円錐状にして、当該自動販売機から1m〜2m前方まで届くように照明ユニット30a,30bを構成しても良い。また、照明ユニット30a,30bの発光ダイオード35として、白色のものを用いたが、赤色、緑色、青色、黄色等の色つきものを用いても上述と同様の作用・効果を得ることができる。
さらに、上述した実施形態では、照明ユニット30a,30bを構成する照明基板31に発光ダイオード35を直線列状に1列配置したが、2列や3列でも良いし、また折れ線列状や環状に沿って配置しても良い。このような場合においても、上述と同様の作用・効果を得ることができる。
また、上述した実施形態では、照明ユニット30a,30bを構成する発光ダイオード35を5個に設定したが、複数であれば2個、3個でも良いし、10個以上でも良い。なお、上述した省エネ効果は、発光ダイオード35の数が増えるほど向上させることができる。また、1つの商品見本Mに対して1個の発光ダイオード35を対応させたが、2つの商品見本Mに対して1個の発光ダイオード35を対応させたり、1つの商品見本Mに対して2個以上の発光ダイオード35を対応させても良い。
また、上述した実施形態では、発光ダイオード35の発光制御において出力マップやフォトダイオード45の受光検出において入力マップを用いて、複数の発光ダイオード35やフォトダイオード45にほぼ同時に制御処理を行ったが、例えば、照明ユニット30a,30bの発光ダイオード35を時系列的に順番に1つずつ点灯するように制御して、列状に配置された複数の発光ダイオード35から照射されるスポットライトLをその列の一端側から他端側に向かって走査(スキャン)させ、これに対応してセンサユニット40a,40bでは、受光した反射光Lrを順次復調(復号)するように信号処理する制御処理を行うように、待機照明処理や利用者・位置検出処理等のアルゴリズムを構成しても良い。
また、上述した実施形態では、発光ダイオード35の発光制御において、その輝度(明るさ)を3段階に分け、明るい順番に、その最大輝度(ほぼ100%(所定の高輝度))、最大輝度の50%(所定の低輝度)、最大輝度の20%(所定の超低輝度)に設定したが、例えば、所定の高輝度を最大輝度の90%、所定の低輝度を最大輝度の45%、所定の超低輝度を最大輝度の10%というように設定しても良い。ただし、超低輝度としての明るさは、当該自動販売機の周囲に光がない照明環境下において当該自動販売機の前面から2m〜3mの距離を隔てて位置する利用者Wによって、商品見本Mの存在が視認可能な程度の明るさとする。また、輝度の強弱段階は3段階に限られず、2段階や4段階以上であっても良い。輝度の強弱段階は、段階が減ると照明制御が簡略化でき、段階が増えると照明制御が複雑化する。
なお、上述した実施形態では、利用者検出手段と位置検出手段とを、同一の制御ユニット20およびセンサユニット40a,40b(ハードウェア)や、同一の利用者・位置検出プログラム22d(ソフトウェア)で実現したが、両手段を別々のハードウェアおよびソフトウェアにより実現しても、上述と同様の作用・効果を得ることができる。
ここで、前述した照明ユニット30a,30bの他の構成例として、発光ダイオード35に流す駆動電流に所定の符号波形を重畳する(パルス幅やディーティー比の異なる矩形波で変調をかける)照明ユニット30a’,30b’を図13に基づいて説明する。なおここでは、前述した照明ユニット30a,30bと実質的に同一の構成部分については、同一符号を付して説明を省略することにする。
なお、この照明ユニット30a’,30b’は、特許請求の範囲の請求項6に記載の「変調手段」や請求項7,8に記載の「複数の個別変調手段」に相当し得るものである。
図13(A) に示すように、照明ユニット30a’,30b’は、短冊状(または帯状)の長細い照明基板31と、この照明基板31にアッセンブリされたドライバ回路33、発光ダイオード35、制御回路38’等から構成されている。前述した照明ユニット30a,30bとは異なり、発振回路37は備えていない。以下、照明ユニット30a’を代表して説明するが、特に断らない限り、照明ユニット30bも同様に構成されている。
図13(B) に示すように、この照明ユニット30a’は、複数個(本実施形態では、例えば5個)の発光ダイオード35と、これらの発光ダイオード35に所定符号波形で変調をかけた駆動電流を流す複数のドライバ回路33と、これら複数のドライバ回路33に個別に異なった符号波形の変調信号を供給する制御回路38’と、から構成されている。
即ち、この構成例では、制御回路38’は、前述した制御回路38のように2ビット情報による輝度制御(ほぼ100%(最大輝度),最大輝度の50%,最大輝度の20%、0%(消灯))に加えて、複数のドライバ回路33に対して個々に異なる所定符号波形を発生させて、ドライバ回路33に直接出力し得るように、例えばロジック回路により構成されている。このため、発光ダイオード35のオンオフタイミングを各発光ダイオード35ごとに当該制御回路38’が直接制御しているので、発振回路37は要することなく、前述した照明ユニット30aに比べコストの低減を可能にしている。
このような所定符号波形の一部として、図15(A) に示すように、例えば、100μSec周期でオンオフ(デューティー比0.5、周波数10kHz)する矩形波を500μSec間(同図に示す期間α)発生させた後に、500μSec間(同図に示す期間β)休むように、1mSec間を構成し、これを4回繰り返すものを、制御回路38’により生成する。これにより、例えば、矩形波4つで1ビットの情報「1」を表現し、このような矩形波を出力しない4mSecの期間で「0」の情報を表現して、所定符号波形を構成する。
このような所定符号波形がドライバ回路33に出力されると、ドライバ回路33では、前述したように、発光ダイオード35の駆動電流に変調をかけるが、ここでは当該発光ダイオード35の応答速度(スイッチング速度)が前述した照明ユニット30a,30bに実装したものよりも遅く、例えば5kHz前後であるとすると、例えば、図15(B) に示すような波形で発光ダイオード35が点滅をする。
即ち、発光ダイオード35に供給される駆動電流が10kHzでオンオフしても(図15(A) に示すα期間)、発光ダイオード35の応答遅れからこの間は点灯したままとなり、10kHzのオンオフのない期間(図15(A) に示すβ期間)で消灯するため、1ビットの情報「1」の期間(図15(B) に示すγ期間)においては、発光ダイオード35は点灯・消灯を4回繰り返す。これに対し、発光ダイオード35に駆動電流が供給されない1ビットの情報「0」の期間(図15(B) に示すδ期間)は、発光ダイオード35は消灯したままとなる。
これにより、例えば、制御回路38’からドライバ回路33に4ビット構成の所定符号波形「1010」が出力されると、図15(B) に示すように、発光ダイオード35を点灯や消灯するので、発光ダイオード35の点滅により当該情報「1010」をスポットライトLに重畳させることが可能となる。このように1ビットの情報「1」を表現する期間(図15(B) に示すγ期間)においても、発光ダイオード35を点滅させるので、この間を連続点灯させる場合に比べて、消費電力を低減させることが可能となる。なお、このような省エネを考慮しない場合には、1ビットの情報「1」を表現する期間(図15(B) に示すγ期間)を連続点灯させても良い。
なお、上述した構成例では、1ビットの情報「0」の期間(図15(B) に示すδ期間)は、発光ダイオード35を消灯させているが、このような発光ダイオード35の消灯期間は10mSecオーダーであるため、利用者Wの視覚的にはスポットライトLが連続して点灯しているように認識される。
また、上述した構成例では、1ビットの情報「0」の期間(図15(B) に示すδ期間)は、発光ダイオード35を消灯するようにしたが、完全に消灯させるのではなく、後述するセンサユニット40a’,40b’により復調可能な範囲であれば、例えば発光ダイオード35に供給可能な駆動電流の最大値近くをほぼ100%に対して80%や50%の駆動電流を発光ダイオード35に供給するように構成しても良い。この場合には、例えば、当該所定符号波形による変調信号により発光ダイオード35の駆動電流に振幅変調をかけることによって、図15(B) に示す点灯・消灯のタイミングで、発光ダイオード35の輝度が変化する。
図13に示す構成例では、発光ダイオード35が5個実装されているため、例えば、#1の発光ダイオード35には「1010」、#2の発光ダイオード35には「1101」、#3の発光ダイオード35には「0101」、#4の発光ダイオード35には「0010」、#5の発光ダイオード35には「1101」、というようにそれぞれの所定符号波形を設定可能に制御回路38’を構成する。これにより、次に説明するように、センサユニット40a’,40b’では、受光したスポットライトLの反射光Lrが複数あるうちのいずれの発光ダイオード35から照射されたスポットライトLのものであるのかを区別できるので、利用者Wが注目している商品(商品見本M)の推定をより正確にできる。
なお、このような5個の発光ダイオード35に対して、すべて同じ所定符号波形で変調をかけるように構成しても良い。これにより、制御回路38’の構成を簡素にできる。
このように構成される照明ユニット30a’,30b’に対して、センサユニット40a’,40b’は図14に示すように構成される。なお、前述したセンサユニット40a,40bと実質的に同一の構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。センサユニット40a’,40b’は、特許請求の範囲の請求項6に記載の「復調手段」や請求項7,8に記載の「複数の個別復調手段」に相当し得るものである。
図14(A) に示すように、センサユニット40a’,40b’は、短冊状(または帯状)の長細い照明基板41と、このセンサ基板41にアッセンブリされた増幅回路43、フォトダイオード45、制御回路48’等から構成されている。前述したセンサユニット40a,40bとは異なり、フィルタ回路47は備えていない。以下、センサユニット40a’,40b’を代表して説明するが、特に断らない限り、センサユニット40b’も同様に構成されている。
図14(B) に示すように、このセンサユニット40a’は、複数個(本実施形態では、例えば5個)の発光ダイオード35に対応した数、つまり5個のフォトダイオード45と、これらのフォトダイオード45から出力されるセンサ電流(受光信号)を所定ゲインで増幅する複数の増幅回路43と、これら複数の増幅回路43から出力されるセンサ電流(受光信号)を電圧に変換しさらにデジタル値に変換した後、それぞれのデジタル値に対応した出力ラインを「1」に設定する制御回路48’と、から構成されている。
即ち、この構成例では、制御回路48’により複数の増幅回路43から出力されるセンサ電流を直接入力して個別にデジタル的なフィルタ処理をかけているので、アナログフィルタであるフィルタ回路47は要しない。このため、前述したセンサユニット40aでは、要したフィルタ回路47がこの例では不要となることから、コストの低減を可能にしている。
例えば、前述した照明ユニット30a’によるスポットライトLの反射光Lrをフォトダイオード45が受光すると、図15(C) に示すような波形をなすセンサ電流センサ電流(受光信号)が増幅回路43から出力される。このため、制御回路48’では、このセンサ電流をコンデンサで蓄えるとともに、図15(D) に示すように、コンパレータにより当該コンデンサのチャージ電圧を所定の閾値電圧Vthで比較する。この閾値電圧Vthは、前述したような矩形波が2つ以上連続して重畳された反射光Lrを受光した場合にコンパレータが「1」を出力し、このような矩形波が1つの場合や時間幅がαやβ(図15(A) )よりも狭いノイズ成分の場合には「1」を出力しない値に設定されている。これにより、前述したような4つの矩形波からなる1ビットの情報「1」を復調(復号)可能にしている。
そして、復号した「1」や「0」のビット列を4ビット単位で、予め設定されているビット列、例えば先の例では、#1〜#5の発光ダイオード35に対応したビットパターン「1010」,「1101」,「0101」,「0010」,「1101」と比較して、発光ダイオード35の番号#1〜#5に応じたR1〜R5の各ビットを「1」または「0」に設定する。
例えば、受光ありの場合を「1」、受光なしの場合を「0」と定義すると、#1の発光ダイオード35からの反射光Lrだけを受光した場合には(図15(E) )、R1〜R5からは「10000」が出力され、#1と#2の両方の発光ダイオード35からの反射光Lrを受光した場合には(図15(E) および図15(F) )、R1〜R5からは「11000」が出力される。
このように制御回路48’では、増幅回路43から出力されるセンサ電流を、一旦、コンデンサで蓄えた後、コンパレータにより信号処理をするデジタル的なフィルタ処理を施すので、当該コンデンサによる積分効果によって時間幅がαやβよりも狭いノイズ成分を除去可能にしている。
なお、上述した構成例では、照明ユニット30a’の制御回路38’は、照明ユニット20とは別個に設けられる照明ユニット30a’の照明基板31にアッセンブリされていることを前提にしているが、例えば、照明ユニット20のCPU21に制御回路38’の機能を持たせ、入出力インタフェイス24を介してドライバ回路33を直接制御する構成を採っても良い。また、センサユニット40a’の制御回路48’についても同様に、例えば、照明ユニット20のCPU21に制御回路48’の機能を持たせ、入出力インタフェイス24を介して増幅回路43から直接センサ信号を受ける構成を採っても良い。
これにより、制御回路38’や制御回路48’が不要となるばかりか、ドライバ回路33を直接制御でき、また増幅回路43から直接センサ信号が得られるので、上述したような出力マップや入力マップといった情報処理上の概念を介することなく、直接的な情報処理が可能となる。
以上説明したような照明ユニット30a’,30b’やセンサユニット40a’,40b’を用いることによっても、前述と同様に、図6〜図12を参照して説明した各処理が可能となる。
即ち、本実施形態に係る自動販売機用照明装置によると、制御ユニット20により実行される照明制御プログラム22bによる照明制御処理は、利用者・位置検出プログラム22d(ステップS300)により当該自動販売機に接近する利用者Wが存在するか否かを検出し、(1a)利用者Wが検出されていない場合には(S400;No)、複数の発光ダイオード35の輝度を低輝度(最大輝度の50%)に設定し(図7(A) ;待機照明処理1)、(1b)利用者Wが検出された場合には(S400;Yes)、利用者・位置検出プログラム22d(ステップS300)により検出された位置情報に基づいて、制御ユニット20により実行される高輝度照明プログラム22e(ステップS500)により、複数の商品見本Mのうち利用者Wとの離隔距離が最も小さい商品見本M’を照らす発光ダイオード35の輝度を高輝度(ほぼ100%)に設定する(図11)。
つまり、(1a)当該自動販売機の近くに利用者Wが存在しない場合には、各商品見本Mを照らす各スポットライトLを暗くして、(1b)当該自動販売機の近くに利用者Wが存在する場合には、その利用者Wに最も近い商品見本M’を照らすスポットライトLを、他の商品見本Mを照らすスポットライトLよりも明るくする。これにより、(1a)当該自動販売機の付近に利用者Wがいない場合には各発光ダイオード35の消費電力を小さくする一方で、(1b)当該自動販売機の付近に利用者Wがいる場合にはその利用者Wが他の商品見本Mに比べて接近している商品見本M’(通常は当該利用者Wにより選択される可能性が高い商品の商品見本)を照らす発光ダイオード35の消費電力を大きくするので、当該利用者Wが商品選択時に関心を示さない商品の商品見本Mを照らす発光ダイオードについてまで余分な電力を消費させない。したがって、当該利用者Wが選択する可能性の低い商品の商品見本Mを照らす照明を無駄に明るくすることがないので、より効率的な省エネを可能にして省エネルギー化に寄与することができる。
また、本実施形態に係る自動販売機用照明装置によると、制御ユニット20により実行される照明制御プログラム22bによる照明制御処理は、利用者・位置検出プログラム22d(ステップS300)により当該自動販売機に接近する利用者Wが存在するか否かを検出し、(2a)利用者Wが検出されていない場合には(S400;No)、複数の発光ダイオード35のうちの少なくとも1つの発光ダイオード35の輝度を高輝度(ほぼ100%)に設定し、残りの発光ダイオード35の輝度を超低輝度(最大輝度の20%)に設定するとともに、高輝度に設定された発光ダイオード35と超低輝度に設定された発光ダイオード35との位置関係が、ランダムに入れ替わるように、または配置された列の一方側向かって順番に入れ替わるように複数の発光ダイオードの輝度が制御され(図7(B) ;待機照明処理2)、(2b)利用者検出手段により利用者が検出された場合、このような制御(待機照明処理2)を中断して、利用者・位置検出プログラム22d(ステップS300)により検出された位置情報に基づいて、複数の商品見本Mのうち、利用者Wとの離隔距離が最も小さい商品見本M’を照らす発光ダイオード35の輝度を高輝度(ほぼ100%)に設定し、低輝度(最大輝度の50%)または超低輝度(最大輝度の20%)に、残りの発光ダイオード35の輝度を設定する(図11)。
つまり、(2a)当該自動販売機の近くに利用者Wが存在しない場合には、各商品見本Mを照らす各スポットライトLのうちの少なくとも1つを明るくして、残りのスポットライトLをそれよりも非常に暗くして、明るいスポットライトLと非常に暗いスポットライトLとの位置がランダムに入れ替わるように、または発光ダイオード35が配置された列の一方側向かって順番に入れ替わるようにし、(2b)当該自動販売機の近くに利用者Wが存在する場合には、このような明暗の制御を中断して、その利用者Wに最も近い商品見本M’を照らすスポットライトLを、他の商品見本Mを照らすスポットライトLよりも明るくする。これにより、(2a)当該自動販売機の付近に利用者Wがいない場合には、1つ以上の明るい発光ダイオード35の以外は消費電力が極めて小さくなるので、複数の発光ダイオード全体としては消費電力を小さくできる。したがって、当該利用者Wが選択する可能性の低い商品の商品見本Mを照らす照明を無駄に明るくすることがないので、より効率的な省エネを可能にして省エネルギー化に寄与することができる。
また、ランダムや一方向に流れるように商品見本Mを照らすので、当該自動販売機の近くに利用者Wが存在しない場合には、当該自動販売機から離れたところに位置する利用者に対して当該自動販売機の所在や稼動中であることをアピールしたり注意を喚起することができる。一方、(2b)当該自動販売機の付近に利用者Wがいる場合にはその利用者Wが他の商品見本Mに比べて接近している商品見本M’(通常は当該利用者により選択される可能性が高い商品の商品見本)を照らす発光ダイオード35の消費電力を大きくするので、当該利用者Wが商品選択時に関心を示さない商品の商品見本Mを照らす発光ダイオード35についてまで余分な電力を消費させない。したがって、当該自動販売機から離れた利用者に対しては、注意を喚起して商品の購買機会のキッカケ作りをし得る(集客効果を向上し得る)とともに購買意欲を高めることができる。
なお、上述した実施形態では、上段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30a’の発光ダイオード35によるスポットライトLを、広告パネルPの上側のセンサユニット40a’のフォトダイオード45で受光し、下段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30bの発光ダイオード35によるスポットライトLを、広告パネルPの下側のセンサユニット40bのフォトダイオード45で受光する構成を採ったが、この逆、即ち上段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30a’の発光ダイオード35によるスポットライトLを、広告パネルPの下側のセンサユニット40bのフォトダイオード45で受光し、下段の展示空間Sに設けられる照明ユニット30bの発光ダイオード35によるスポットライトLを、広告パネルPの上側のセンサユニット40a’のフォトダイオード45で受光する構成を採っても、上述と同様の作用・効果を得ることができる。また、これら照明ユニット30a’,30b’に対するセンサユニット40a’,40b’の対応関係が上下混在するように構成しても良い。
また、上述した実施形態では、図12に示すように、スポットライトL(照明光Lf)が当該自動販売機の前面から、例えば50cm〜1mの距離dまで届くように、照明ユニット30a’,30b’の取付位置や取付角度等を設定したが、例えば、スポットライトLのビーム形状を当該自動販売機の前方に延びる楕円錐状にして、当該自動販売機から1m〜2m前方まで届くように照明ユニット30a’,30b’を構成しても良い。また、照明ユニット30a’,30b’の発光ダイオード35として、白色のものを用いたが、赤色、緑色、青色、黄色等の色つきものを用いても上述と同様の作用・効果を得ることができる。
さらに、上述した実施形態では、照明ユニット30a’,30b’を構成する照明基板31に発光ダイオード35を直線列状に1列配置したが、2列や3列でも良いし、また折れ線列状や環状に沿って配置しても良い。このような場合においても、上述と同様の作用・効果を得ることができる。
また、上述した実施形態では、照明ユニット30a’,30b’を構成する発光ダイオード35を5個に設定したが、複数であれば2個、3個でも良いし、10個以上でも良い。なお、上述した省エネ効果は、発光ダイオード35の数が増えるほど向上させることができる。また、1つの商品見本Mに対して1個の発光ダイオード35を対応させたが、2つの商品見本Mに対して1個の発光ダイオード35を対応させたり、1つの商品見本Mに対して2個以上の発光ダイオード35を対応させても良い。
また、上述した実施形態では、発光ダイオード35の発光制御において出力マップやフォトダイオード45の受光検出において入力マップを用いて、複数の発光ダイオード35やフォトダイオード45にほぼ同時に制御処理を行ったが、例えば、照明ユニット30a’,30b’の発光ダイオード35を時系列的に順番に1つずつ点灯するように制御して、列状に配置された複数の発光ダイオード35から照射されるスポットライトLをその列の一端側から他端側に向かって走査(スキャン)させ、これに対応してセンサユニット40a’,40b’では、受光した反射光Lrを順次復調(復号)するように信号処理する制御処理を行うように、待機照明処理や利用者・位置検出処理等のアルゴリズムを構成しても良い。
また、上述した実施形態では、発光ダイオード35の発光制御において、その輝度(明るさ)を3段階に分け、明るい順番に、その最大輝度(ほぼ100%(所定の高輝度))、最大輝度の50%(所定の低輝度)、最大輝度の20%(所定の超低輝度)に設定したが、例えば、所定の高輝度を最大輝度の90%、所定の低輝度を最大輝度の45%、所定の超低輝度を最大輝度の10%というように設定しても良い。ただし、超低輝度としての明るさは、当該自動販売機の周囲に光がない照明環境下において当該自動販売機の前面から2m〜3mの距離を隔てて位置する利用者Wによって、商品見本Mの存在が視認可能な程度の明るさとする。また、輝度の強弱段階は3段階に限られず、2段階や4段階以上であっても良い。輝度の強弱段階は、段階が減ると照明制御が簡略化でき、段階が増えると照明制御が複雑化する。
なお、上述した実施形態では、利用者検出手段と位置検出手段とを、同一の制御ユニット20およびセンサユニット40a’,40b’(ハードウェア)や、同一の利用者・位置検出プログラム22d(ソフトウェア)で実現したが、両手段を別々のハードウェアおよびソフトウェアにより実現しても、上述と同様の作用・効果を得ることができる。