JP2010031070A - エマルション燃料製造装置及びエマルション燃料製造方法 - Google Patents

エマルション燃料製造装置及びエマルション燃料製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃焼効率が高く品質が長時間維持されるエマルション燃料を、簡単な構成により柔軟に生成できるエマルション燃料製造装置及びエマルション燃料製造方法を提供する。
【解決手段】油ロ、水ハ及び乳化剤ニと、酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる気体イとを加圧下で混合してエマルション燃料を製造するエマルション燃料製造装置1は、導入部12及び導出部11を備えた圧力容器10と、導出部11から導出された内容物を循環させて、導入部12から圧力容器内へ再導入するための循環配管20とを備え、循環配管20には、加圧された気体を導入する気体導入手段21と、内容物を循環させるための送液手段22と、液体及び気体を混合するための混合手段23とを備えたことを特徴とする。前工程として、水ハと乳化剤ニと気体イとを加圧下で混合するための圧力容器及び循環配管を具備した添加水混合部を、更に備えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、油、水及び乳化剤と気体とを混合するエマルション燃料製造装置及びエマルション燃料製造方法に関する。
石油から精製される重油、軽油等は、内燃機関を始め様々なボイラー、焼却炉等の燃料として大量に使用されている。また、使用済みの潤滑油などの廃油も、燃料としてリサイクルが図られている。これら重油、廃油等の化石燃料については、その燃焼時に発生する二酸化炭素、窒素酸化物等の汚染物質の排出が大きな問題となる。このため、重油、廃油等の油に水を混合したエマルション燃料が、汚染物質の排出を減らし、石油の使用量を減少させるものとして期待されている。
従来のエマルション燃料の一般的な製造方法では、先ず、密閉されていない容器内で水及び乳化剤を攪拌機によって攪拌混合しながら油を投入し、均一に混合させる。その後、圧力ポンプ及びラインミキサー等を備えた循環配管に容器の内容物を送り、圧力ポンプで圧送される内容物をラインミキサー等によって混合させて、容器に再導入する。この循環によって、内容物が微細に粒子化されたエマルション燃料が生成される。前記攪拌混合する工程を省略して、水、乳化剤及び油を投入した後、圧力ポンプで圧送した内容物をラインミキサー等によって混合してエマルション燃料を製造する方法もある。
特開2006−188616号公報 特開平11−6615号公報
前記の通り、従来は、重油等の油、水及び乳化剤を混合し、高圧力下でミキシングすることによってエマルション燃料を製造する方法が一般的であったが、これによって生成されるエマルション燃料は、水の混合割合が多いほど燃焼温度が低下するという問題があった。また、時間の経過とともに油と水が分離して燃焼効率が低下するという問題があった。
その他、従来のエマルション燃料を使用するためには、重油等を単体で燃焼させる場合とは異なる特別なバーナーや燃焼方法を用いることが必要な場合もあった。
さらに、エマルション燃料を実用とするためには、特別な手段を用いることなく簡単にエマルション燃料製造装置が構成でき、エマルション燃料の製造量に応じた最適な構成によって効率よく短時間で製造できることが求められる。
本発明は、上記のような問題に鑑み、燃焼効率が高く、エマルションの状態が長時間維持されるエマルション燃料を、簡単な構成により、製造量に応じて柔軟に生成できるエマルション燃料製造装置及びエマルション燃料製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
1.油、水及び乳化剤と、酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる気体と、を加圧下で混合してエマルション燃料を製造するエマルション燃料製造装置であって、導入部A及び導出部Bを備えた圧力容器と、前記導出部Bと前記導入部Aとを連結するとともに、前記導出部Bから導出された内容物を循環させて前記導入部Aから前記圧力容器内へ再導入するための循環配管と、を備え、前記循環配管には、前記導出部B側から順に、前記循環配管に加圧された前記気体を導入する気体導入手段と、前記循環配管内の前記内容物を循環させるための送液手段と、前記油、前記水、前記乳化剤及び前記気体を混合するための混合手段と、を備えたことを特徴とするエマルション燃料製造装置。
2.前記圧力容器及び前記循環配管の前段に、前記油、前記水及び前記乳化剤を撹拌混合する撹拌槽を更に備えており、前記撹拌槽によって混合された前記油、前記水及び前記乳化剤の混合物が前記圧力容器又は前記循環配管に導入される前記1.記載のエマルション燃料製造装置。
3.前記撹拌槽の前段に、前記水及び前記乳化剤と、前記気体とを加圧下で混合する添加水混合部を更に備えており、前記添加水混合部は、導入部C及び導出部Dを備えた添加水混合部用圧力容器と、前記導出部Dと前記導入部Cとを連結するとともに、前記導出部Dから導出された内容物を循環させて前記導入部Cから前記添加水混合部用圧力容器内へ再導入するための添加水混合部用循環配管と、を備え、前記添加水混合部用循環配管には、前記導出部D側から順に、前記添加水混合部用循環配管に加圧された前記気体を導入する添加水混合部用気体導入手段と、前記添加水混合部用循環配管内の前記内容物を循環させるための添加水混合部用送液手段と、前記水、前記乳化剤及び前記気体を混合するための添加水混合部用混合手段と、が設けられており、前記添加水混合部で混合された前記水及び前記乳化剤と前記気体との混合物が前記撹拌槽に導入される前記2.に記載のエマルション燃料製造装置。
4.前記添加水混合部の前段に、前記水及び前記乳化剤を撹拌混合する添加水撹拌槽を更に備えており、前記添加水撹拌槽によって混合された前記水及び前記乳化剤の混合物が前記添加水混合部用圧力容器又は前記添加水混合部用循環配管に導入される前記3.記載のエマルション燃料製造装置。
5.前記油は重油及び/又は廃油を含む前記1.乃至4.のいずれか1項に記載のエマルション燃料製造装置。
6.前記油、前記水及び前記乳化剤は、前記導出部Bと前記送液手段との間の前記循環配管に導入される前記1.乃至5.のいずれか1項に記載のエマルション燃料製造装置。
7.前記水及び前記乳化剤は、前記導出部Dと前記添加水混合部用送液手段との間の前記添加水混合部用循環配管に導入される前記3.乃至6.のいずれか1項に記載のエマルション燃料製造装置。
8.エマルション燃料を製造するエマルション燃料製造方法であって、前記1.乃至7.のいずれか1項に記載のエマルション燃料製造装置を用いて、前記油、前記水及び前記乳化剤を導入して前記圧力容器に収容する第1の導入工程と、前記導出部Bから内容物を導出し、前記送液手段によって前記循環配管内の前記内容物を送液しつつ、加圧された酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる前記気体を前記気体導入手段によって導入し、前記混合手段によって前記内容物及び前記気体を混合し、前記導入部Aから前記圧力容器内へ再導入する第1の加圧混合工程と、前記圧力容器内が所定の圧力に達するまで前記第1の加圧混合工程を継続して行う第1の循環工程と、を備えることを特徴とするエマルション燃料製造方法。
9.前記3.乃至7.のいずれか1項に記載のエマルション燃料製造装置を用いて、前記水及び前記乳化剤を導入して前記添加水混合部用圧力容器に収容する第2の導入工程と、前記導出部Dから内容物を導出し、前記添加水混合部用送液手段によって前記添加水混合部用循環配管内の前記内容物を送液しつつ、加圧された酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる前記気体を前記添加水混合部用気体導入手段によって導入し、前記添加水混合部用混合手段によって前記内容物及び前記気体を混合し、前記導入部Cから前記添加水混合部用圧力容器内へ再導入する第2の加圧混合工程と、前記添加水混合部用圧力容器内が所定の圧力に達するまで前記第2の加圧混合工程を継続して行う第2の循環工程と、を更に備え、前記第2の循環工程によって混合された前記水及び前記乳化剤と前記気体との混合物、又は当該混合物と前記油とを攪拌混合した混合物を、前記第1の導入工程において導入する前記8.記載のエマルション燃料製造方法。
油、水、及び乳化剤と、酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる気体と、を加圧下で混合してエマルション燃料を製造する本発明のエマルション燃料製造装置は、圧力容器と、圧力容器の内容物を循環するための循環配管とを備え、循環配管には、加圧された前記気体を導入する気体導入手段と、前記内容物を循環させるための送液手段と、前記内容物及び前記気体を混合するための混合手段と、を備えることにより、極めて微細な前記気体粒子が封入され、水の混合割合が多くても燃焼効率が高く、長時間にわたり油と水とが分離しないエマルション燃料を生成することができる。また、電界、磁界等を作用させる特別な手段を使用しないため、簡単な構成によりエマルション燃料製造装置を実現することができる。
油、水及び乳化剤を撹拌混合する撹拌槽を更に備え、撹拌槽によって混合された混合物を前記圧力容器又は前記循環配管に導入すれば、効率よく短時間で前記エマルション燃料を生成することができる。
水、乳化剤及び前記気体を加圧下で混合する添加水混合部を更に備え、添加水混合部には、添加水混合部用圧力容器と、添加水混合部用循環配管とを備え、添加水混合部用循環配管には、加圧された前記気体を導入する添加水混合部用気体導入手段と、添加水混合部用送液手段と、添加水混合部用混合手段と、が設けられており、添加水混合部で生成された混合物が前記撹拌槽に導入されれば、添加水混合部によって極めて微細な気体粒子が封入された水及び乳化剤の混合物が生成された後、さらに油と前記気体とが混合されるため、一段と燃焼効率が高く安定性に優れたエマルション燃料を生成することができる。
水及び乳化剤を撹拌混合する添加水撹拌槽を更に備えており、添加水撹拌槽で撹拌混合された混合物を、前記添加水混合部に導入すれば、一段と燃焼効率が高く安定性に優れたエマルション燃料を効率よく生成することができる。
前記油は重油及び/又は廃油を含むことにより、用途に応じて重油、廃油、又はその混合物を材料として使用し、燃焼効率が高く低コストのエマルション燃料を製造することができる。
油、水及び乳化剤が、前記導出部Bと前記送液手段との間の前記循環配管に導入されれば、油、水及び乳化剤は前記送液手段によって吸引されるため、供給元又は前工程からの液体の導入を容易にすることができる。
水及び乳化剤が、前記導出部Dと前記添加水混合部用送液手段との間の前記添加水混合部用循環配管に導入されれば、水及び乳化剤は添加水混合部用送液手段によって吸引されるため、供給元又は前工程からの液体の導入を容易にすることができる。
上記のいずれかに記載のエマルション燃料製造装置を用いて、油、水及び乳化剤を導入する工程と、導入された内容物と、酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる気体を加圧混合する工程と、前記圧力容器内が所定の圧力に達するまで内容物の循環を続けて加圧混合させる工程を備えるエマルション燃料製造方法によって、簡単な制御及び工程で、極めて微細な前記気体粒子が封入されて燃焼効率が高いエマルション燃料を、必要量に応じて効率的に製造することができる。
前記添加水混合部を備えるいずれかのエマルション燃料製造装置を用いて、水及び乳化剤と前記気体との混合物を生成し、その混合物又は当該混合物と油とを攪拌混合した混合物をエマルション燃料製造装置に導入すれば、一段と燃焼効率が高く安定性に優れたエマルション燃料を製造することができる。
本発明のエマルション燃料製造装置及びエマルション燃料製造方法によって生成されるエマルション燃料は、従来のエマルション燃料に比べて燃焼時の温度低下が少なく、長時間にわたり品質が維持される。
例えば、前記液体として重油80〜70%、前記乳化剤を含む前記水20〜30%の重量組成とし、前記気体として空気を用いた場合にも、重油単体の場合に比べて燃焼温度の低下を3〜7%に抑えることが可能となる。
また、本装置及び本製造方法によって生成されるエマルション燃料は、燃料中に分散又は溶解している粒子が非常に小さいという特徴を有し、従来のエマルション燃料には白濁が見られるのに対し、外観は透明である。更に、粘度が低く、長時間にわたり変化が生じない。このため、送油のためのポンプ等にかかる負荷が増加せず、特別なバーナー等を使用しなくても燃焼させることができる。
1.エマルション燃料製造装置
本発明のエマルション燃料製造装置は、油、水及び乳化剤と、酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる気体とを加圧下で混合することによりエマルション燃料を製造する。
前記油としては、A、B及びC重油、並びに軽油、灯油及び廃油等が挙げられる。それらの1種類(例えばA重油)を用いても、2種類以上(例えば、A重油及び廃油)を使用してもよい。
前記水は、特に種類を問わない。水道水、工業用水、農業用水、地下水等、一般に使用される水でよいが、蒸留水、イオン交換等、精製処理された水であってもよい。
前記乳化剤としては、界面活性剤、分散剤等、安定なエマルションを形成させるものであれば特に限定されない。液体に限らず、固体の乳化剤を水に溶解させたもの等でもよい。固体の乳化剤を使用する場合には、水と攪拌混合させる等の前工程が適宜に設計されればよい。また、乳化剤を水に分散させて得られた分散液を使用することもできる。
前記気体として、酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体を使用することができる。前記酸素ガスはOからなる気体であり、前記酸素含有気体は酸素とその他の気体とが混合された気体である。酸素含有気体として、酸素ガス濃度が21体積%である空気を用いてもよく、空気に酸素を配合した酸素濃度の高い気体を用いてもよい。前記水素含有気体は水素ガス(H)とその他の気体が混合された気体である。前記その他の気体としては、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス等が挙げられる。
図1に示すように、本エマルション燃料製造装置1(以下、「装置1」という。)は、導出部B(11)及び導入部A(12)を備えた圧力容器10と、導出部Bと導入部Aとを連結するとともに、導出部B(11)から導出された内容物を循環させて、導入部A(12)から圧力容器10内へ再導入するための循環配管20とを備える。
圧力容器10は、導入された前記油、前記水、前記乳化剤、及び気体イが収容される容器である。圧力容器10内の圧力は、大気圧(0.1MPa(絶対圧。以下、圧力は絶対値基準で表す。))から2MPa程度までの範囲とすることができる。0.1MPa〜1MPaの範囲で使用されることが好ましく、更に好ましくは0.15〜0.25MPaの範囲とすることができる。
圧力容器の大きさについては特に限定されない。形状についても特に限定されず、円筒形状、各種断面形状の筒形状、カプセル形状又は球形状等とすることができる。
前記導出部B(11)及び導入部A(12)を圧力容器10に設ける位置は限定されないが、循環配管20への内容物の導出及び循環配管20からの内容物の再導入を簡便にするため、導出部Bは圧力容器10の下部(底面、側面下部等)に、導入部Aは圧力容器10の上部(上面、側面上部等)に配設されることが好ましい。また、導入部Aに接続される循環配管は、図1に示すように、導入部Aから圧力容器10内部に底部方向に延設され、循環配管からの内容物が液体中に再導入されてもよい。
前記油、前記水及び前記乳化剤は、液体導入路を介して、循環配管20又は圧力容器10に導入される。油ロ、水ハ及び乳化剤ニは、それぞれ液体導入路24、25及び26を介して導入される。各液体の導入は、各液体導入路に設けられた自動弁によって制御することができる。
図1は、各液体導入路の接続口27が循環配管20の経路に設けられ、各液体が循環配管20を通して導入される例を示すが、各液体導入路の接続口27を圧力容器10の上部に設け、油ロ、水ハ及び乳化剤ニを圧力容器10に直接導入してもよい。
各液体導入路を循環配管20の経路に接続する場合は、接続口27は前記導出部Bと送液手段22との間の循環配管部、すなわち送液手段22の上流側の循環配管部に設けられることが好ましい。液体が送液手段によって吸引されるため、供給元又は前工程からの液体の導入を容易にすることができる。
液体導入路24等の数は、装置1に導入する液体の種類に応じて必要な数を設ければ足りる。例えば、油ロ、水ハ及び乳化剤ニを各別に導入する場合には、3本の液体導入路が設けられる。水と乳化剤とが予備的に混合されており、その混合物と油ロとを装置1に導入する場合には、2本の液体導入路を備えればよい。また、油、水及び乳化剤が予備的に混合されている場合には、その混合物を導入する1本の液体導入路を設ければ足りる。
循環配管20には、加圧された前記気体イを導入するための気体導入手段21、循環配管20内の内容物を循環させるための送液手段22、前記液体及び前記気体イを混合するための混合手段23、を備える。気体導入手段21は、送液手段22よりも導出部B側(上流)の循環配管部に接続されることが好ましい。混合手段23は、送液手段22よりも導入部A側(下流)の循環配管部に設けられることが好ましい。
気体導入手段21によって導入される酸素ガス、酸素含有気体等の気体イは、大気圧より高い圧力であることを要する。例えば、気体イは0.15MPa〜0.8MPaに加圧されていることが好ましい。気体イの供給元は特に限定されず、ガスボンベの他、コンプレッサー等によって供給することができる。気体イは、循環配管に内容物である液体が流れている状態で少量ずつ導入される。気体イの導入は、自動弁によって制御される。
送液手段23としては、高圧力ポンプを使用することができる。送液手段23は、前記導出部B(11)から導出された圧力容器10の内容物と、上流側に設けた気体導入手段21によって導入された気体イとを吸入し、高圧力で下流側に吐出する。
混合手段24は、送液手段23の下流側に設置され、送液手段23によって吐出された流体を混合する混合器である。循環配管20を流れる前記油、前記水、前記乳化剤(又はそれらの混合物)及び気体イは、該混合器によって更に攪拌され、微細化され、混合される。混合器の種類や方式は特に限定されず、静止ミキサー、ラインミキサー等を使用することができる。
混合手段24によって混合された混合物は、導入部A(12)から圧力容器10内へ再導入される。循環配管20には、該配管の遮断及び流量調節のために自動弁を備えることができる。
前記圧力容器10内に生成された内容物を排出するために、装置1は排出配管を適宜に備えることができる。例えば、図1に示す装置1は、排出配管28及び排出配管29を備える。
排出配管28は、前記送液手段22の下流の循環配管20から分岐され、送液手段22によって与えられる圧力を利用して、圧力容器10の内容物を循環配管20を介して排出するための配管である。
排出配管29は、圧力容器10内の残存圧力を利用して、圧力容器10の内容物を排出するための配管である。この排出配管29は、循環配管20とは別に圧力容器10の下部に接続されてもよい。
図1に示す例では、圧力容器10の内容物は、排出配管28又は排出配管29のいずれかを使用して排出することができる。このため、排出配管28、29の出口は、自動弁を介して排出口30に1本化されている。排出先が圧力容器10よりも低い位置にある等、前記送液手段23による圧力を利用しなくても内容物を排出させることができる場合には、排出配管28は不要である。
本エマルション燃料製造装置1(装置1)は、その制御のために、図1に示すような各種センサ、自動弁等を備えることができる。
圧力容器10には、自動弁13、圧力計14、液位計15等を備えることができる。
自動弁13は、圧力容器10と大気との間を遮断及び開放するために、圧力容器10の上部に備えられる。自動弁13を閉じたとき、圧力容器10内は大気と遮断されて密閉状態となり、自動弁13を開けたときは圧力容器10内は大気に開放される。
圧力計14は、圧力容器10内の圧力を計測するために圧力容器10の上部に設置されており、圧力容器10内の圧力に対応する値の電気信号を出力する。圧力計の種類は特に問わず、設定された圧力へ到達したことを示す電気信号を出力する圧力計等であってもよい。また、圧力容器10の上部には、内部圧力の異常な上昇時に作動する安全弁(図示せず)を設けることが望ましい。
液位計15は、圧力容器10内の液面の位置に対応する値を電気信号として検出できる液位計であり、フロート式、超音波式など種類・方式は問わない。また、導入する液体ごとの液位や上下限レベル等、制御に必要な液位ごとに検出可能な計測手段であってもよい。
この他、液体導入路、循環配管等には、流量に応じた電気パルス信号を発生する流量計を必要に応じて備えることができる。
また、液体導入路、循環配管、排出配管等には、適宜に自動弁、手動弁等を設けることができる。例えば、2方自動弁(31)を使用すれば流路の開閉又は開度を制御することができる。自動弁は電気信号等によって制御され、電磁弁、エアー弁、電動弁等と呼ばれる各種の自動弁から適宜に選択されればよい。必要な場合は、自動弁とともに又は適宜に手動弁(図示せず)を備えることができる。
本エマルション燃料製造装置は、前記装置1の前段(上流)に前工程として、前記水、前記乳化剤及び前記気体を加圧下で混合するための添加水混合部1aを更に備えることができる。
図7に示すように、添加水混合部1aは前記装置1と同様に構成され、導出部D(11a)及び導入部C(12a)を備えた添加水混合部用圧力容器10aと、導出部Dと導入部Cとを連結するとともに、導出部D(11a)から導出された内容物を循環させて、導入部C(12a)から圧力容器10a内へ再導入するための添加水混合部用循環配管20aとを備える。添加水混合部用循環配管20aには、加圧された前記気体イを導入するための添加水混合部用気体導入手段21a、循環配管20a内の内容物を循環させるための添加水混合部用送液手段22a、前記水、前記乳化剤及び前記気体イを混合するための添加水混合部用混合手段23a、を備える。
前記水ハは、液体導入路25aから添加水混合部1aに導入される。また、乳化剤ニは、液体導入路26aを介して添加水混合部1aに導入される。
図7においては、液体導入路25a、26aの接続口27aが添加水混合部用循環配管20aの経路に設けられる例を示すが、接続口27aを添加水混合部用圧力容器10aの上部に設け、水ハ及び乳化剤ニを添加水混合部用圧力容器10aに直接導入してもよい。
各液体導入路を添加水混合部用循環配管20aの経路に接続する場合は、接続口27aは前記導出部Dと添加水混合部用送液手段22aとの間の循環配管部、すなわち送液手段22aの上流側の循環配管部に設けられることが好ましい。それにより、液体が送液手段22aによって吸引されるため、供給元又は前工程からの液体の導入を容易にすることができる。
液体導入路25a等の数は、本添加水混合部に導入する液体の種類に応じて必要な数を設ければ足りる。例えば、水ハ及び乳化剤ニを各別に導入する場合には、2本の液体導入路25a、26aを設ける。水と乳化剤とが予備的に混合されており、その混合物を本添加水混合部1aに導入する場合には、1本の液体導入路を備えれば足りる。
添加水混合部用気体導入手段21a、添加水混合部用送液手段22a、添加水混合部用混合手段23a、添加水混合部用の排出配管28a、29a及びその他の構成要素については、それぞれ前記装置1における気体導入手段21、送液手段22、混合手段23、排出配管28、29及びその他の構成要素と同様であり、配設についても同様である。
本添加水混合部1aによって、前記水及び乳化剤と前記気体とが加圧下で混合された液体チ(以下、気体封入添加水という。)が生成され、排出路30aから排出される。気体封入添加水は、前記装置1に導入される。また、攪拌槽等に導入され、油と攪拌混合等された後、装置1に導入することもできる。
本エマルション燃料製造装置は、装置の制御を自動的に行うための制御手段(図示せず)を備えることができる。制御手段には、一般的なシーケンスコントローラ等、プログラム可能なコントローラを使用することができる。制御手段の入力には、前記圧力計、前記液位計、前記流量計等によって出力される電気信号が接続される。制御手段からの出力は、前記送液手段、前記自動弁等に接続され、それらを制御するための電気信号を出力する。制御手段に備えられる制御プログラムは、圧力、液位、各部の流量等を読み取り、自動弁の開閉、送液のオン・オフ等を制御する。エマルション燃料の製造プラントが本エマルション燃料製造装置を含む複数の装置及び配管等から構成される場合には、本制御手段は該プラントの制御手段の一部として構成されてもよい。また、本エマルション燃料製造装置を用いた製造において、制御を自動的に行わない工程がある場合には、前記各計器を目視して手動弁を操作する等により手動で行ってもよい。
2.エマルション燃料の製造方法
本発明のエマルション燃料の製造方法は、図1に示した前記エマルション燃料製造装置1、及び図7に示した前記添加水混合部1aを用いて実施される。以下、本製造方法を導入工程、加圧混合工程、循環工程及び排出工程に分けて説明する。
(1)導入工程
第1の導入工程は、前記装置1を使用して行う。前記油、前記水及び前記乳化剤を前記装置1(前記圧力容器10又は前記循環配管20)に導入し、圧力容器10内に収容する工程である。各液体を導入するときには、圧力容器10の内圧を0.15MPa以下とすることが好ましく、更に好ましくは、圧力容器10の上部に配設された自動弁等を開けて圧力容器内を大気圧(0.1MPa)とする。
先ず、一つの液体導入路24等に設けられた自動弁を開けて液体を導入する。液体を循環配管20に導入する場合は、送液手段22を作動して該液体を導入部Aから圧力容器内に収容する。該液体は、圧力容器内の所定の液位に達するまで導入される。該液体が所定の液位に達したら、自動弁を閉じて導入を終了する。2以上の液体を導入する場合は、次の液体を圧力容器内の所定の液位まで前記同様に導入し、すべての液体を導入する。
すべての液体が圧力容器内に収容された後、送液手段を作動して、収容された液体の全量に相当する量を単位として1〜2回循環配管に循環させ、混合手段によって混合することが好ましい。
第2の導入工程は、前記装置1の前段に前記添加水混合部1aを備える場合に、前記水、前記乳化剤又はそれらの混合物を、添加水混合部1a(前記添加水混合部用圧力容器10a又は前記添加水混合部用循環配管20a)に導入し、添加水混合部用圧力容器10a内に収容する工程であり、上記第1の導入工程と同じ方法によって行うことができる。
(2)加圧混合工程
第1の加圧混合工程は、前記第1の導入工程によって圧力容器10に導入された内容物を前記導出部B(11)から導出し、送液手段22によって循環配管20内の内容物を送液しつつ、加圧された酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる前記気体を気体導入手段21によって導入し、混合手段23によって前記内容物及び前記気体を混合して、前記導入部A(12)から圧力容器10内へ再導入する工程である。
先ず、前記自動弁13等を閉じて、圧力容器10及び循環配管20内を大気から密閉する。この状態で圧力容器内に収容された内容物を循環配管20に導出し、送液手段22によって循環配管20の内容物を送りながら、加圧された前記気体を気体導入手段21によって循環配管20に少量ずつ導入する。循環配管を流れる液体及び導入された気体は、混合手段23によって混合される。
導入される気体の圧力は、0.15〜2MPa程度の範囲とすることができ、好ましくは0.15〜0.8MPa程度である。気体の導入は、断続(パルス)的に行っても、連続的に行ってもよい。
第2の加圧混合工程は、前記装置1の前段に前記添加水混合部1aを備える場合に、前記第2の導入工程によって添加水混合部用圧力容器10aに導入された内容物を前記導出部D(11a)から導出し、添加水混合部用送液手段22aによって添加水混合部用循環配管20a内の内容物を送液しつつ、加圧された酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる前記気体を添加水混合部用気体導入手段21aによって導入し、添加水混合部用混合手段23aによって前記内容物及び前記気体を混合して、前記導入部C(12a)から添加水混合部用圧力容器10a内へ再導入する工程である。上記第1の加圧混合工程と同じ方法によって行うことができる。
(3)循環工程
第1の循環工程は、前記圧力容器10内が所定の圧力に達するまで前記第1の加圧混合工程を継続して行う。すなわち、本工程を行う間、圧力容器10の内容物は循環配管20を通って循環し、前記気体の導入と混合が行われる。
前記所定の圧力は特に限定されるものではないが、0.1MPa〜1MPaの範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.15〜0.25MPaの範囲とすることができる。また、油、水及び乳化剤と空気の混合の程度を最適にするために、本工程を行う時間を調整することができる。圧力容器内が設定された圧力に達してから、圧力容器内の全量に相当する量を単位として2回程度内容物を循環配管に循環させ、混合手段によって混合することが好ましい。
第2の循環工程は、前記装置1の前段に前記添加水混合部1aを備える場合に、添加水混合部用圧力容器10a内が所定の圧力に達するまで前記第2の加圧混合工程を継続して行う。すなわち、本工程を行う間、添加水混合部用圧力容器10aの内容物は添加水混合部用循環配管20aを通って循環し、前記気体の導入と混合が行われる。上記第1の循環工程と同じ方法によって行うことができる。
以上のエマルション燃料製造装置1を使用した第1の導入工程、第1の加圧混合工程、及び第1の循環工程によって、極微細な気泡が封入されたエマルション燃料が生成される。
また、添加水混合部1aを使用した第2の導入工程、第2の加圧混合工程、及び第2の循環工程によって、極微細な気泡が封入された水及び乳化剤の混合物が生成される。
(3)排出工程
エマルション燃料製造装置1に対して、次工程から前記エマルション燃料の排出の要求があった時、圧力容器10の内容物を排出口30から排出する。
排出方法は任意であるが、例えば、排出配管1(29)を介して、圧力容器で保持している内圧力を利用して排出することができる。圧力容器内の圧力が低下して排出ができない場合は、排出配管1を閉じて排出配管2(28)を開け、送液手段22によって排出させることもできる。また、次工程の位置が排出口より低い場合は自然落下による排出でも良く、その場合排出配管2を使用した排出は不要となる。
前記添加水混合部1aに対して、次工程から前記水及び乳化剤の混合物の排出の要求があった時、添加水混合部用圧力容器10aの内容物を排出配管28a、29aを介して排出する工程も、上記と同様である。
本発明のエマルション燃料製造装置及びエマルション燃料製造方法によって生成されるエマルション燃料(以下、本エマルション燃料という。)の外観は、白濁がなく透明であるという特徴を有する。従来の方法で生成されたエマルション燃料は通常白濁してみえるが、これは材料粒子が投射光を反射するのに十分な大きさであるためである。本エマルション燃料が透明にみえることは、液体混合物中に分散又は溶解している粒子が非常に小さいことを示すものであり、それによって高い燃焼効率を得ることができると考えられる。また、本エマルション燃料は粘度が低く、長時間にわたり変化が生じないため、送油のためのポンプ等にかかる負荷が増加せず、特別な燃焼方法を用いることなく燃焼させることができる。
従来は、燃料に水を混ぜ、高圧力下でミキシングすることによってエマルション燃料を製造しているが、水の混合割合が多いほど燃焼温度が低下した。本エマルション燃料は、水の混合割合が多くても燃焼温度の低下が少なく、燃焼効率が優れている。
汎用のバーナーで各燃料を燃焼させたときの燃焼温度を、図10に示す方法によって計測した。長さ1200mm、直径600mmの円筒容器100を水平に置き、一方の端面に設けられた開口部120からバーナー110によって燃焼させた火炎を容器内に噴込んで、火炎を反対側の端面101に当てる。そして、その火炎が当てられる端面中央部102の温度を非接触型温度計によって計測し、この温度を燃焼温度とした。
この方法で従来のエマルション燃料を燃焼させると、火炎121のように広がって前記端面101に到達せず、不完全燃焼によって火花も発生する(122)。しかし、本エマルション燃料の場合には、火炎123が真っ直ぐ伸びて端面101に到達し、火花を生じることなく良好な燃焼状態であった。また、本エマルション燃料を燃焼させるとき、バーナーの空気流入口111からの空気の吸入量は、重油の場合の10分の1程度で済む。
上記方法により、(イ)A重油単体、(ロ)A重油70%と水30%の重量組成により生成した本エマルション燃料a、(ハ)A重油80%、水20%の重量組成により生成した本エマルション燃料b、を燃焼させた。本エマルション燃料a及びbの製造に用いた液体乳化剤の量は、A重油と水を加えた重量に対して0.3〜1%である。また、本エマルション燃料aの製造では、水と乳化剤及び空気を前記添加水混合部によって混合した前記気体封入添加水を使用した。
燃焼温度は次の通りであった。
(イ)A重油のみ 599℃
(ロ)本エマルション燃料a 556℃
(ハ)本エマルション燃料b 575℃
(ニ)同b(1日経過後) 580℃
30%の水を加えた本エマルション燃料aの場合であっても、A重油単体の場合に対して燃焼温度の低下は7%程度に止まった。本エマルション燃料bの場合には、燃焼温度の低下は4%程度である。また、1日経過後にも白濁を生じず、燃焼温度の低下は3%程度であった。
以上の結果から、本エマルション燃料によって燃焼状態は大幅に改善され、燃焼効率が向上されることが分かる。また、本エマルション燃料は長時間にわたり分離することなく、安定に性能が維持される。
本発明のエマルション燃料製造装置及びエマルション燃料製造方法は、前記装置1を核として種々の態様によって実施することができる。これにより、エマルション燃料を短時間に効率よく製造することが可能となる。
(実施形態1)
図2は、本エマルション燃料製造装置(前記装置1)に、油、水及び乳化剤(液体)をそれぞれ別個に導入する場合の構成を示す。図2において、装置1が備える前記圧力容器、前記循環配管、前記気体導入手段、前記混合手段その他詳細は省略して示している(以下の図においても同様とする)。
装置1は液体導入路24、25、26を備え、それぞれ、油ロ、水ハ、及び乳化剤ニが装置1に供給される。
油ロは、例えば重油であり、導入路に適宜設けられた自動弁、流量計32を介して装置1に導入される。更に、油ロ’の導入路を設け、自動弁によって使用する油を油ロとするか油ロ’とするかを選択してもよいし、油ロと油ロ’を混合して使用してもよい。油ロ’として、廃油等を用いることができる。
水ハは、導入路に設けられた流量計33を介して装置1に導入される。また、液体の乳化剤ニは、例えば導入路に設けられた定量ポンプ34を用いて装置1に一定量が供給される。
乳化剤は、前記の通り、液体に限らず、固体の乳化剤を水に溶解させたもの等でもよいが、以下の実施形態においては液体の乳化剤ニを使用する場合を例示する。
各所定量の油、水、及び乳化剤が装置1の圧力容器内に収容された後、循環配管に加圧された気体が少量ずつ導入されるとともに混合される。そして、圧力容器内が所定圧に達した後、生成されたエマルション燃料ホは必要に応じて排出口30から排出される。図2に示すように、3方自動弁35によって、前記油ロと、装置1によって生成されたエマルション燃料ホとを切替えて排出することができる。
(実施形態2)
図3は、油、水、及び乳化剤を、あらかじめ攪拌混合する攪拌槽50を更に備えるエマルション燃料製造装置を示す。
ここで、攪拌槽50は、図4に例示するように、各液体の導入路(54、55、56)と、導入された液体を収容する攪拌容器51と、攪拌機52、液位計53とを備える。液位計53によって攪拌容器51内の液位を計測し、所定の各液体の投入量、排出・補給要求液位、上・下限液位等に基づいて、液体の補給や排出等を制御することができる。
攪拌容器51に収容された液体は、例えば攪拌翼を備えた攪拌機52によって攪拌混合され、攪拌容器に設けられた排出部57から排出される。
図3に示したエマルション燃料製造装置は、前記装置1と攪拌槽50とを備え、攪拌槽50に備えられた排出部57と、装置1に備えられた液体導入路24とが接続される。
油ロは、自動弁、流量計32を介して攪拌槽50に導入される。前記同様、別途に廃油等の油ロ’の導入路を設け、油ロとロ’を混合等して供給してもよい。水ハは、流量計33、自動弁を介して攪拌槽50に供給される。
乳化剤ニは、定量ポンプ34、自動弁を介して攪拌槽50に供給される。固体の乳化剤が攪拌槽51に供給されてもよい。
攪拌槽50から排出された混合物(ヘ)は、装置1に導入される。油、水、及び乳化剤が攪拌槽50によって予備的に混合されるため、装置1によって効率よくエマルション燃料ホを生成することができる。
(実施形態3)
図5は、前記同様の攪拌槽50aを使用し、攪拌槽50aによって水と乳化剤を攪拌混合し、その混合物(ト)を前記装置1に導入する構成例を示す。油ロは、直接に装置1に導入される。水と乳化剤の混合液体があらかじめ別途に生成されるため、効率的にエマルション燃料を製造することができる。
(実施形態4)
図6は、前記装置1の前段に、水、乳化剤及び気体とを加圧下で混合する前記添加水混合部1aを備えるエマルション燃料製造装置の構成例を示す。ここで、添加水混合部1aは、前記(図7)の通り、添加水混合部用圧力容器11aと、添加水混合部用循環配管20aとを備え、細部は省略して示す。
水ハは、流量計33を介して液体導入路25aから添加水混合部1aに導入される。乳化剤ニは、定量ポンプ34を介して導入路26aから添加水混合部1aに導入される。添加水混合部1aによって、水、乳化剤及び前記気体が加圧下で混合された前記気体封入添加水(チ)が生成され、排出路30aから排出されて装置1に導入される。
添加水混合部1aによって生成された気体封入添加水、油及び前記気体を、更に装置1によって加圧下で混合するため、一段と燃焼効率の高いエマルション燃料を生成することができる。
(実施形態5)
図8は、装置1の前段に攪拌槽50bを備え、更に前記添加水混合部1aを備えるエマルション燃料製造装置を示す。
水ハは、流量計33を介して添加水混合部1aに導入される。乳化剤ニは、定量ポンプ34を介して添加水混合部1aに導入される。添加水混合部1aによって生成された気体封入添加水(チ)は、攪拌槽50bに供給される。
攪拌槽50bは前記攪拌槽50(図4)と同様の構成であり、油ロと、気体封入添加水(チ)が供給される。攪拌槽50bによって攪拌混合された混合物(リ)が、装置1に導入される。
添加水混合部1aによって水、乳化剤及び気体が加圧下で混合され、その気体封入添加水と油とが攪拌槽50bによって攪拌混合された後、更に装置1によって気体を付加して加圧下で混合されるため、一段と燃焼効率の高いエマルション燃料を生成することができる。
(実施形態6)
図9に示す実施形態は、前記実施形態5に示したエマルション燃料製造装置(装置1、攪拌槽50b、添加水混合部1aを備える)の前段に、更に、水と乳化剤とを攪拌混合する攪拌槽50aを備えるエマルション燃料製造装置の構成例を示す。
攪拌槽50aによって生成された水ハと乳化剤ニの攪拌混合物が、前記添加水混合部1aに導入される。その後の構成及び工程は実施形態5と同様である。
図9に示すように、本エマルション燃料製造装置の最終段には、装置1を並列に2台(1(1)、1(2))備えることができる。装置1の台数は、エマルション燃料の製造量に応じて決定されればよい。
本エマルション燃料製造装置においては、油を混合する前に、水及び乳化剤と気体とが加圧下で混合されているため、最終的に生成されるエマルション燃料の燃焼効率を一段と向上させることができる。また、液体を予備的に混合する攪拌槽が介在されているため、効率のよい製造ができ、製造量のコントロールも柔軟にすることができる。さらに、最終段の本体の台数を増減できるので、エマルション燃料の製造量に応じて最適な製造プラントを構築することが可能となる。
本発明のエマルション燃料製造装置(装置1)の構成図である。 本発明のエマルション燃料製造装置の実施形態1を示すブロック図である。 本発明のエマルション燃料製造装置の実施形態2を示すブロック図である。 本発明のエマルション燃料製造装置に使用される攪拌槽の例を示す構成図である。 本発明のエマルション燃料製造装置の実施形態3を示すブロック図である。 本発明のエマルション燃料製造装置の実施形態4を示すブロック図である。 本発明のエマルション燃料製造装置の添加水混合部の構成図である。 本発明のエマルション燃料製造装置の実施形態5を示すブロック図である。 本発明のエマルション燃料製造装置の実施形態6を示すブロック図である。 本発明のエマルション燃料の燃焼試験の説明図である。
符号の説明
1;エマルション燃料製造装置(装置1)、1a;添加水混合部、10;加圧容器、10a;添加水混合部用加圧容器、11;導出部B、11a;導出部D、12;導入部A、12a;導入部C、14;圧力計、15;液位計、20;循環配管、20a;添加水混合部用循環配管、21;気体導入手段、21a;添加水混合部用気体導入手段、22;送液手段、22a;添加水混合部用送液手段、23;混合手段、23a;添加水混合部用混合手段、24、25、25a、26、26a;液体導入路、28、28a、29、29a;排出配管、30、30a;排出部、31;2方自動弁、32、33;流量計、34;定量ポンプ、35;3方自動弁、50、50a、50b;攪拌槽、イ;気体、ロ、ロ’;油、ハ;水、ニ;乳化剤、ホ;エマルション燃料、チ;気体封入添加水。

Claims (9)

  1. 油、水及び乳化剤と、酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる気体と、を加圧下で混合してエマルション燃料を製造するエマルション燃料製造装置であって、
    導入部A及び導出部Bを備えた圧力容器と、
    前記導出部Bと前記導入部Aとを連結するとともに、前記導出部Bから導出された内容物を循環させて前記導入部Aから前記圧力容器内へ再導入するための循環配管と、
    を備え、
    前記循環配管には、前記導出部B側から順に、前記循環配管に加圧された前記気体を導入する気体導入手段と、前記循環配管内の前記内容物を循環させるための送液手段と、前記油、前記水、前記乳化剤及び前記気体を混合するための混合手段と、を備えたことを特徴とするエマルション燃料製造装置。
  2. 前記圧力容器及び前記循環配管の前段に、前記油、前記水及び前記乳化剤を撹拌混合する撹拌槽を更に備えており、
    前記撹拌槽によって混合された前記油、前記水及び前記乳化剤の混合物が前記圧力容器又は前記循環配管に導入される請求項1記載のエマルション燃料製造装置。
  3. 前記撹拌槽の前段に、前記水及び前記乳化剤と、前記気体とを加圧下で混合する添加水混合部を更に備えており、
    前記添加水混合部は、導入部C及び導出部Dを備えた添加水混合部用圧力容器と、
    前記導出部Dと前記導入部Cとを連結するとともに、前記導出部Dから導出された内容物を循環させて前記導入部Cから前記添加水混合部用圧力容器内へ再導入するための添加水混合部用循環配管と、を備え、
    前記添加水混合部用循環配管には、前記導出部D側から順に、前記添加水混合部用循環配管に加圧された前記気体を導入する添加水混合部用気体導入手段と、前記添加水混合部用循環配管内の前記内容物を循環させるための添加水混合部用送液手段と、前記水、前記乳化剤及び前記気体を混合するための添加水混合部用混合手段と、が設けられており、
    前記添加水混合部で混合された前記水及び前記乳化剤と前記気体との混合物が前記撹拌槽に導入される請求項2に記載のエマルション燃料製造装置。
  4. 前記添加水混合部の前段に、前記水及び前記乳化剤を撹拌混合する添加水撹拌槽を更に備えており、
    前記添加水撹拌槽によって混合された前記水及び前記乳化剤の混合物が前記添加水混合部用圧力容器又は前記添加水混合部用循環配管に導入される請求項3記載のエマルション燃料製造装置。
  5. 前記油は重油及び/又は廃油を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエマルション燃料製造装置。
  6. 前記油、前記水及び前記乳化剤は、前記導出部Bと前記送液手段との間の前記循環配管に導入される請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエマルション燃料製造装置。
  7. 前記水及び前記乳化剤は、前記導出部Dと前記添加水混合部用送液手段との間の前記添加水混合部用循環配管に導入される請求項3乃至6のいずれか1項に記載のエマルション燃料製造装置。
  8. エマルション燃料を製造するエマルション燃料製造方法であって、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエマルション燃料製造装置を用いて、
    前記油、前記水及び前記乳化剤を導入して前記圧力容器に収容する第1の導入工程と、
    前記導出部Bから内容物を導出し、前記送液手段によって前記循環配管内の前記内容物を送液しつつ、加圧された酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる前記気体を前記気体導入手段によって導入し、前記混合手段によって前記内容物及び前記気体を混合し、前記導入部Aから前記圧力容器内へ再導入する第1の加圧混合工程と、
    前記圧力容器内が所定の圧力に達するまで前記第1の加圧混合工程を継続して行う第1の循環工程と、
    を備えることを特徴とするエマルション燃料製造方法。
  9. 請求項3乃至7のいずれか1項に記載のエマルション燃料製造装置を用いて、
    前記水及び前記乳化剤を導入して前記添加水混合部用圧力容器に収容する第2の導入工程と、
    前記導出部Dから内容物を導出し、前記添加水混合部用送液手段によって前記添加水混合部用循環配管内の前記内容物を送液しつつ、加圧された酸素ガス、酸素含有気体又は水素含有気体からなる前記気体を前記添加水混合部用気体導入手段によって導入し、前記添加水混合部用混合手段によって前記内容物及び前記気体を混合し、前記導入部Cから前記添加水混合部用圧力容器内へ再導入する第2の加圧混合工程と、
    前記添加水混合部用圧力容器内が所定の圧力に達するまで前記第2の加圧混合工程を継続して行う第2の循環工程と、
    を更に備え、
    前記第2の循環工程によって混合された前記水及び前記乳化剤と前記気体との混合物、又は当該混合物と前記油とを攪拌混合した混合物を、前記第1の導入工程において導入する請求項8記載のエマルション燃料製造方法。
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