JP2010028318A - 受信装置 - Google Patents

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絵里 三好
Koichi Tsutsui
浩一 筒井
Mansaku Nakano
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Abstract

【課題】制御タイミングの遅延を抑制しつつインピーダンス整合制御の信頼性を向上させること。
【解決手段】復調装置が、クロック信号と前記アンテナ装置を制御する制御信号とを重畳したそれぞれ異なる3つのレベル値からなるパルス信号を導線経由でアンテナ装置へ通知し、アンテナ装置が、復調装置から通知されたパルス信号に含まれるクロック信号を検知したうえで検知したクロック信号に基づいて制御信号を同期検出するように受信装置を構成する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、アンテナ近傍に設けられたアンテナ装置とアンテナ装置に給電する導線を介して接続された復調装置とを含んだ受信装置に関し、特に、制御タイミングの遅延を抑制しつつインピーダンス整合制御の信頼性を向上させることができる受信装置に関するものである。
近年、車載用DTV(デジタルテレビジョン)受信機が普及してきている。このような受信装置では、放送波を安定して受信するために、自動車のルーフ部分などに取り付けられたアンテナのインピーダンス整合をとる必要がある(たとえば、特許文献1参照)。
また、上記した受信装置は、アンテナのインピーダンス整合を行うアンテナ装置と、アンテナからの信号を復調する復調装置(本体装置)とを、同軸ケーブルなどの導線で接続して構成される。ここで、アンテナのインピーダンス整合を効果的に行うためには、上記したアンテナ装置をアンテナの近傍に設けることが好ましい。
そして、車内に設けられた復調装置(本体装置)は、導線経由でアンテナ装置に対する給電を行うとともに、アンテナ装置に対してインピーダンス整合に係る制御信号を通知する。たとえば、復調装置は制御値に応じた個数のパルス信号を通知し、アンテナ装置は通知されたパルス数をカウントすることで制御値を再生する手法が提案されている。
特開平4−298122号公報
しかしながら、上記した従来技術では、復調装置からアンテナ装置に通知されるパルスの数がそのまま制御信号値となるので、制御タイミングの遅れが問題となる。これは、制御信号に係るデータ長が大きくなると、データ伝送時間がかさむためである。たとえば、20という値を通知する場合、20個のパルスを伝送する必要があるため、1という値を通知する場合に比べて20倍の伝送時間を要することになる。
また、パルス数を制御信号値として用いると、ノイズに起因するパルス数の欠損などから誤った制御値がアンテナ装置に通知される可能性が高くなる。したがって、制御信号伝送の信頼性が低いという問題もある。特に、制御信号の始まりや終わりを示すパルス群の一部が欠損すると制御信号の通知自体に失敗してしまう。
ところで、アンテナ装置および復調装置にそれぞれクロック回路を設け、クロック回路から出力されるクロック信号に基づいて伝送データの送受信の同期をとることとすれば、アンテナ装置/復調装置間の制御信号伝送の信頼性が高くなるとも考えられる。しかし、アンテナ装置にクロック回路を設けることは、アンテナの受信感度に悪影響を及ぼすことが懸念されるため好ましくない。
これらのことから、制御タイミングの遅延を抑制しつつインピーダンス整合制御の信頼性を向上させることができる受信装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。なお、かかる課題は、車両に搭載される受信装置に限らず、屋内や屋外に設置される受信装置においても同様に発生する課題である。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、制御タイミングの遅延を抑制しつつインピーダンス整合制御の信頼性を向上させることができる受信装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、アンテナ近傍に設けられたアンテナ装置と前記アンテナ装置に対して給電する導線を介して接続された復調装置とを含んだ受信装置であって、前記復調装置は、クロック信号と前記アンテナ装置を制御する制御信号とを重畳したそれぞれ異なる3つのレベル値からなるパルス信号を前記導線経由で前記アンテナ装置へ通知する通知手段を備え、前記アンテナ装置は、前記復調装置の通知手段から通知された前記パルス信号に含まれる前記クロック信号を検知したうえで検知したクロック信号に基づいて前記制御信号を同期検出する同期検出手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、復調装置が、クロック信号と前記アンテナ装置を制御する制御信号とを重畳したそれぞれ異なる3つのレベル値からなるパルス信号を導線経由でアンテナ装置へ通知し、アンテナ装置が、復調装置から通知されたパルス信号に含まれるクロック信号を検知したうえで検知したクロック信号に基づいて制御信号を同期検出するように受信装置を構成したので、クロック信号と制御信号と重畳させつつ、2進コードの制御信号を用いることが可能となるため、制御タイミングの遅延を抑制しつつインピーダンス整合制御の信頼性を向上させることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る受信手法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る受信手法の概要について説明した後に、本発明に係る受信手法を適用した受信装置についての実施例を説明することとする。
まず、本発明に係る受信手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る受信手法の概要を示す図である。なお、アンテナの近傍に設けられるアンテナ装置と、このアンテナ装置を制御する復調装置とは同軸ケーブル等の導線で接続されることで受信装置を構成しているものとする。また、アンテナ装置は、導線を介して復調装置からの給電を受けるものとする。
本発明に係る受信手法は、復調装置が、アンテナ装置の制御に用いる制御信号と制御信号の同期に用いるクロック信号を重畳したパルス信号をアンテナ装置へ通知し、アンテナ装置が、パルス信号から取り出したクロック信号に基づいて制御信号を復号する点に主たる特徴がある。
同図に示すように、パルス信号は、3つのレベル値からなるブロック波形であり、たとえば、8V、9Vおよび10Vの電圧値をとる。なお、9Vの電圧値が基準電圧値として用いられるものとする。
ここで、クロック信号と重畳される制御信号としては、2進コードのデータを用いることができる。このため、パルス数を制御値として取り扱う従来手法に比べてパルス数を削減することができ、伝送時間の短縮化によって制御タイミングの遅れを低減することが可能となる。なお、クロック信号と制御信号とを重畳したパルス信号の詳細については、図3を用いて後述する。
また、アンテナ装置側では、復調装置側で発生させたクロック信号を用いて制御信号の同期検出を行うので、アンテナ装置側にクロック回路を設ける必要がない。したがって、アンテナの受信感度に悪影響を及ぼすおそれがない。なお、パルス信号から制御信号を復号する処理の詳細については、図4を用いて後述する。
このように、本発明に係る受信手法では、復調装置が、制御信号とクロック信号とを重畳した3レベルのパルス信号をアンテナ装置に対して通知し(同図の(1)参照)、アンテナ装置が、通知されたパルス信号から取り出したクロック信号に基づいて制御信号を同期検出することとした(同図の(2)参照)。
したがって、クロック信号と制御信号と重畳させつつ、2進コードの制御信号を用いることが可能となるため、制御タイミングの遅延を抑制しつつインピーダンス整合制御の信頼性を向上させることができる。
以下では、図1を用いて説明した受信手法を適用した受信装置についての実施例を説明する。なお、以下では、自動車等の車両に搭載される受信装置について説明することとする。
図2は、本実施例に係る受信装置1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、受信装置1は、アンテナ2の近傍に設けられるアンテナ装置2と、受信装置1の本体装置にあたる復調装置20とを、導線3で接続することによって構成される。
なお、アンテナ2は、デジタルテレビジョン放送波などの放送波を受信する。また、導線3は、たとえば、単一の同軸ケーブルで構成され、復調装置20からアンテナ装置10への直流電圧、復調装置20からアンテナ装置10へのパルス信号、アンテナ装置10から復調装置20へのアンテナ受信信号(高周波信号)を伝送する。
まず、アンテナ装置10の構成について説明する。アンテナ装置10は、インピーダンス整合回路11と、前置増幅回路12と、出力整合回路13と、LPF(ローパスフィルタ)14と、電圧安定化回路15と、インピーダンス制御部16とを備えている。また、インピーダンス制御部16は、復号化回路16aと、調整回路16bとをさらに備えている。
ここで、クロック信号と制御信号とが重畳されたパルス信号が復調装置20から通知されると、かかるパルス信号は、LPF14経由でインピーダンス制御部16へ入力され、復号化回路16aで制御信号の復号化が行われる。
インピーダンス整合回路11は、インピーダンス制御部16からの指示に基づいてアンテナ2のインピーダンスを可変制御する回路であり、たとえば、直流成分を除去するためのコンデンサと複数の可変リアクタンス回路とを含む。また、前置増幅回路12は、インピーダンス整合回路11から出力された高周波信号を増幅する回路であり、たとえば、電界効果トランジスタで構成される。
出力整合回路13は、アンテナ装置10の出力インピーダンスを導線3のインピーダンスと整合させる回路であり、たとえば、コンデンサとコイルとで構成される。また、LPF(ローパスフィルタ)14は、たとえば、コンデンサとコイルとで構成され、高周波信号をカットする。LPF14を設けることで、復号化回路16aには、インピーダンス整合回路11から出力された高周波成分は入力されず、復調装置20から出力されたパルス信号および直流電圧のみが入力される。
電圧安定化回路15は、定電圧(たとえば、3.3V)を生成する回路であり、ツェナーダイオードを含んでいる。ここで、電圧安定化回路15は、ツェナーダイオードのツェナー効果によって定電圧を発生させる。また、復調装置20から出力されたパルス信号は、最小でも8Vの電圧レベルを維持するように調整されているので、電圧安定化回路15で3.3Vの定電圧を発生させることは可能である。
インピーダンス制御部16は、復号化回路16aと、調整回路16bとを備えている。復号化回路16aは、復調装置20から出力されたパルス信号(クロック信号と制御信号とが重畳された信号)から制御信号を復号化する回路である。また、調整回路16bは、復号化された制御信号に基づいてインピーダンス整合回路11を調整する回路である。
次に、復調装置20の構成について説明する。復調装置20は、復調部21と、符号化回路22と、電源供給部23と、定電圧電源25と、LPF26とを備えており、メモリなどの記憶部に設定テーブル24を記憶している。
復調部21は、外部装置からの受信周波数情報に基づいて高周波信号を中間周波信号へ変換する処理等を行い、処理後の信号(復調出力)を外部装置(たとえば、デジタルシグナルプロセッサ)に対して出力する。
符号化回路22は、アンテナ装置10を制御する制御信号を、設定テーブル24および外部装置からの受信周波数情報に基づいてアンテナ装置10を制御する制御信号を生成するととともに、生成した制御信号とクロック信号とを重畳したパルス信号を生成する回路である。また、電源供給部23は、符号化回路22によって生成されたパルス信号が、所定の直流電圧が重畳された信号となるように維持する処理を行う。
設定テーブル24は、受信周波数情報と制御信号とを関連付けた情報であり、たとえば、受信周波数範囲項目と、制御値項目とを含んでいる。符号化回路22は、受信周波数情報に基づいて設定テーブル24を検索し、該当する制御値を取得する。ここで、制御値としては、2進コードが用いられる。なお、2進コードに誤り訂正符号を付加することとしてもよい。
定電圧電源25は、符号化回路22および電源供給部23に対して定電圧(たとえば、12V)を供給する。また、LPF(ローパスフィルタ)26は、アンテナ装置10からの高周波信号が、電源供給部23へ入力されることを防止する。なお、電源供給部23から出力された3レベルのパルス信号は、LPF26および導線3を経由してアンテナ装置10へ送信される。
次に、復調装置20が生成する3レベルのパルス信号について図3を用いて説明する。図3は、3レベルパルス信号の一例を示す図である。なお、同図では、制御信号が、「1100101」の2進コードである場合について示している。また、クロック信号は、所定の間隔で「1」または「0」を繰り返す信号である。
同図に示すように、復調装置20は、制御信号と、クロック信号とを重畳し、パルス信号を生成する。ここで、パルス信号は、9Vの電圧値を中間値とする、8V、9Vおよび10Vの3つのレベル値をもつ。なお、以下では、10Vの電圧値を「第1レベル値」、8Vの電圧値を「第2レベル値」、9Vの電圧値を「第3レベル値(中間値)」と記載することとする。
また、制御信号と、クロック信号との重畳処理は以下の手順で行われる。すなわち、クロック信号が1かつ制御信号が1の場合には「第1レベル値」とし、クロック信号が1かつ制御信号が0の場合には「第2レベル値」とする。そして、クロック信号が1かつ制御信号が0の場合およびクロック信号が0かつ制御信号が1の場合には「第3レベル値」とする。
次に、アンテナ装置10が、図3に示したパルス信号から制御信号を復号化する手順について図4を用いて説明する。図4は、制御信号の復号化を示す図である。なお、同図に示すパルス信号は、図3に示したパルス信号と同一であり、復号化された制御信号は、同図の「RS−FFout」に示している。
同図に示すように、アンテナ装置10は、パルス信号の「第1レベル値」/「第3レベル値」間に閾値Hを設けるとともに、パルス信号の「第3レベル値」/「第2レベル値」間に閾値Lを設ける。なお、閾値Hおよび閾値Lを設けることで、ノイズ等の影響でパルス信号の電圧値に変動が生じた場合であっても、復号化を正確に行うことが可能となる。
アンテナ装置10は、パルス信号と各閾値(閾値Hまたは閾値L)とを比較することで、信号「a」および信号「b」を生成する。同図の「a(>閾値H)」として示した信号「a」は、同図に示したパルス信号が閾値Hを上回った場合に1、その他の場合に0の値をとる信号である。また、同図の「b(<閾値L)」として示した信号「b」は、同図に示したパルス信号が閾値Lを下回った場合に0、その他の場合に1の値をとる信号である。
つづいて、アンテナ装置10は、信号「a」と信号「b」との論理的排他和をとることで、同図の「a EXOR b」に示した信号を生成する。ここで、信号「a EXOR b」は、図3に示したクロック信号を反転させたものである。すなわち、信号「a EXOR b」の生成は、クロック信号の抽出と同意である。
さらに、アンテナ装置10は、信号「b」を反転させることで、同図の「c(=NOT b)に示した信号を生成する。そして、後述するRS−FF回路(図6の64参照)に対して信号「a」および信号「b」を入力し、出力として同図の「RS−FFout」として示した信号「RS−FFout」を得る。
具体的には、信号「a EXOR b」を基準としつつ、信号「a」の立ち上がりを検出したならば信号「c」の立ち上がりを検出するまで、値を1とする。また、信号「c」の立ち上がりを検出したならば信号「a」の立ち上がりを検出するまで、値を0とする。このようにして生成された信号「RS−FFout」は、図3に示した制御信号に一致している。すなわち、図4を用いて説明した手順で、アンテナ装置10は、制御信号を復号化する。
次に、図2に示した復調装置20の回路例について図5を用いて説明する。図5は、復調装置20の回路例を示す図である。なお、同図には、符号化回路22、電源供給部23およびLPF(ローパスフィルタ)26の回路例を示している。
同図に示すように、符号化回路22は、受信周波数情報および設定テーブル24に基づいて生成した制御信号を出力する制御信号出力部22aを備えている。また、符号化回路22は、制御信号出力部22aからの制御信号に基づいてコレクタ/エミッタ間の導通の有無が制御されるトランジスタ22bおよび22cと、複数の分圧抵抗(22d、22e、22fおよび22g)とを備えている。
制御信号出力部22aは、入力された受信周波数情報で設定テーブル24を検索して制御信号を生成するとともに、生成した制御信号をクロック信号と重畳する処理を行う(図3参照)。そして、パルス信号(図3参照)を生成するための制御信号をトランジスタ22bおよび22cに対して出力する。トランジスタ22bおよび22cでは、制御信号に基づいてコレクタ/エミッタ間の導通の有無が切り替えられ、分圧抵抗(22d、22e、22fおよび22g)の分圧比が変更されることで適正な振幅のパルス信号が生成される。
たとえば、制御信号出力部22aは、電源供給部23から第2レベル値(図3参照)に相当する8Vを出力させたい場合には、トランジスタ22bおよびトランジスタ22cに対してハイレベルを出力する。また、電源供給部23から第3レベル値(図3参照)に相当する9Vを出力させたい場合には、トランジスタ22bに対してローレベルを、トランジスタ22cに対してハイレベルを、それぞれ出力する。そして、電源供給部23から第1レベル値(図3参照)に相当する10Vを出力させたい場合には、トランジスタ22bおよびトランジスタ22cに対してローレベルを出力する。
電源供給部23は、定電圧電源25と直列接続されるトランジスタ23bと、トランジスタ23bのエミッタ電圧を分圧して帰還電圧を生成する抵抗23cおよび23dと、帰還電圧および分圧抵抗22d〜22gの分圧比に基づく電圧を比較する誤差増幅器23aとを含んでいる。電源供給部23は、トランジスタ23bに流れる電流を帰還電圧に基づいて制御することで、LPF26への出力電圧をパルス信号の振幅に基づいた3レベルの電圧に維持する。
具体的には、電源供給部23は、帰還電圧が分圧比に基づく電圧よりも小さい場合には、トランジスタ23bに流れる電流を増加させることで出力電圧が高くなるように、帰還電圧が分圧比に基づく電圧よりも大きい場合には、トランジスタ23bに流れる電流を抑制することで出力電圧が低くなるように、それぞれ制御する。なお、LPF26は、同図に示すように、コンデンサとコイルとで構成される。
次に、図2に示したアンテナ装置10におけるインピーダンス制御部16の回路例について図6を用いて説明する。図6は、インピーダンス制御部16の回路例を示す図である。なお、同図に示す16cは、電圧安定化回路15からの定電圧を、同図に示す16dおよび16eは、LPF14経由で入力される復調装置20からのパルス信号を、それぞれ示している。
同図に示すように、復号化回路16aは、比較回路(COMP)61aおよび62bと、論理否定回路(NOT)62と、排他的論理和回路(EXOR)63と、RS−FF回路64と、シフトレジスタ(Shift Registor)65と、ラッチ回路(LATCH)66と、同期検出回路(SYNC DET)67と、デコード回路(DECODE)68と、24bitデータレジスタ69とを含んでいる。
パルス信号は、比較回路(COMP)61aで図4に示した閾値Hと比較され、閾値Hを上回る信号が、信号「a」として出力される。また、パルス信号は、比較回路(COMP)61bで図4に示した閾値Lと比較され、閾値Lを下回る信号が、信号「b」として出力される。
そして、信号「a」は、RS−FF回路64の端子Sに入力されるとともに、排他的論理和回路(EXOR)63にも入力される。また、信号「b」は、論理否定回路(NOT)62経由で信号「c」に変換されたうえで、RS−FF回路64の端子Rに入力されるとともに、排他的論理和回路(EXOR)63にも入力される。
また、信号「a」および信号「b」は、排他的論理和回路(EXOR)63経由でCLK(クロック)信号に変換され、シフトレジスタ(Shift Registor)65に入力される。
RS−FF回路63は、入力された信号「a」および「c」を、図4に示した信号「RS−FFout」に変換する。そして、信号「RS−FFout」は、端子Q経由でシフトレジスタ(Shift Registor)65に入力される。
ラッチ回路(LATCH)66は、同期検出回路(SYNC DET)67による同期信号に基づいてシフトレジスタ(Shift Registor)65から信号を取り出し、デコード回路(DECODE)68は、制御信号(図3参照)を復号化する。そして、復号化された制御信号は、調整回路16bへ入力される。
また、同図に示すEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)70には、制御信号のデータパターンと、各データパターンに対応する制御値とを関連付けた変換情報が記憶されており、制御信号のデータパターンは、変換情報に基づいて制御値へ変換されて24bitデータレジスタ69に入力される。なお、調整回路16bは、デジタル/アナログコンバータ(DAC)71および72を含んでいる。
次に、受信装置1が実行する処理手順について図7を用いて説明する。図7は、受信装置1が実行する処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、復調装置20は、受信周波数情報に基づいてインピーダンス整合情報を導出する(ステップS101)。そして、ステップS101で導出したインピーダンス整合情報に基づいて40ビットの符号化パルス信号を生成する(ステップS102)。
そして、復調装置20は、生成したパルス信号をアンテナ装置10に対して送信する(ステップS103)。アンテナ装置10は、復調装置20からパルス信号を受信したならば(ステップS104)、閾値Hを上回った信号を「a」とするとともに(ステップS105)、閾値Lを下回った信号を「b」とする(ステップS106)。
つづいて、「NOT b」を信号「c」とし(ステップS107)、信号「a」および信号「c」をRS−FF回路64へ入力する(ステップS108)。そして、「a EXOR b」で再生したクロックと、RS−FF回路64の出力とをシフトレジスタ65へ入力する(ステップS109)。
そして、同期検出回路67およびラッチ回路66へデータをシフトし(ステップS110)、デコード回路68がデータを復号化したうえで(ステップS111)、データを各出力端子へ出力して(ステップS112)処理を終了する。なお、同図においては、40ビットの符号化パルス信号をパルス信号として生成する場合について示したが、パルス信号のビット数を他の値とすることとしてもよい。
次に、図2に示した受信装置1の変形例について図8および図9を用いて説明する。なお、以下では、図2に示した各構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付し、説明を省略するか簡単な説明にとどめることとする。
図8は、AGC(オートゲインコントロール)回路を用いた受信装置1aの構成を示すブロック図である。同図に示すように、アンテナ装置10aは、AGC回路17を備える点で、アンテナ装置10(図2参照)とは異なる。また、復調装置20aは、利得生成部27および第2設定テーブル28を備える点で、復調装置20(図2参照)とは異なる。
アンテナ装置10aのAGC回路17は、復号化回路16aからの信号値に基づいて前置増幅回路12のゲインを調整する。ここで、復号化回路16aからの信号値とは、たとえば、復調装置20aから通知されたAGC回路17に対する制御情報である。なお、復号化回路16aは、復調装置20から通知されたパルス信号から制御情報を復号化してAGC回路17へ渡す。
復調装置20aの利得生成部27は、アンテナ2で受信され前置増幅回路12で増幅された高周波信号が、予め設定された目標レベルになるように、アンテナ装置10の前置増幅回路12のゲインを調整するフィードバック制御部として動作する。
具体的には、利得生成部27は、復調部21で復調された信号の信号レベルを目標レベルと比較し、両レベルの差分が予め設定された所定の閾値よりも大きい場合には、差分に基づいた目標ゲインを算出して符号化回路22へ出力する。なお、差分から目標ゲインを算出するための情報は、たとえば、各差分値および目標ゲインを対応づけた第2設定テーブル28として記憶部に記憶される。
このように、アンテナ装置10aにAGC(オートゲインコントロール)回路17を設けた場合であっても、復調装置20aは、AGC回路17に対する制御情報をパルス波に重畳させて送信することができる。また、アンテナ装置10aのAGC回路17は、復号化回路16aで復号化された制御情報を受け取ることができる。
図9は、複数のアンテナを備えた受信装置1bの構成を示すブロック図である。なお、同図に示したアンテナ装置10bは、所定の個数(n個)のアンテナ2と接続されている。以下では、n個のアンテナ2について、アンテナ2−1、アンテナ2−2のように枝番を付すこととする。また、各アンテナ2(2−1〜2−n)にそれぞれ対応するインピーダンス整合回路11、前置増幅回路12、出力整合回路13にも同様の枝番を付すこととする。
同図に示すように、アンテナ装置10bは、各アンテナ系列からの高周波信号を多重化する多重化処理部18を備える点で、アンテナ装置10(図2参照)とは異なる。また、復調装置20bは、アンテナ2−1〜2−nにそれぞれ対応する復調部21−1〜21−nを備えており、各復調部21(21−1〜21−n)に対してアンテナ装置10bからの高周波信号をそれぞれ振り分ける分割処理部29を備える点で、復調装置20(図2参照)とは異なる。
アンテナ装置10bの多重化処理部18は、各アンテナ系列からの高周波信号を、所定のフォーマットの転送ブロックにそれぞれ割り付ける。ここで、所定フォーマットとは、たとえば、所定ビットのヘッダと、各受信チャンネルに対応する所定ビットの格納エリアの繰り返しとからなる。たとえば、各アンテナ系列がそれぞれ異なるチャンネルを受信する場合、各受信チャンネルに対応する高周波信号が、各格納エリアにそれぞれ格納される。
復調装置20bの分離処理部29は、アンテナ装置10bの多重化処理部18において多重化されたデータを、多重化処理部18と逆の処理を行うことで、各アンテナ系列の高周波信号に分離する。そして、分離した各高周波信号を、対応する復調部21(21―1〜21−n)へそれぞれ渡す処理を行う。
そして、各復調部21(21−1〜21−n)は、受信周波数情報1〜nを符号化回路22へそれぞれ出力し、符号化回路22は、アンテナ系列ごとに用意された設定テーブル24に基づいて制御信号を生成する。
このように、アンテナ装置10bが複数のアンテナ2と接続される場合であっても、復調装置20bは、各インピーダンス整合回路11(11−1〜11−n)に対する制御信号をパルス波に重畳させて送信することができる。また、各インピーダンス整合回路11(11−1〜11−n)は、復号化回路16で復号化された各制御信号をそれぞれ受け取ることができる。
なお、図8ではAGC回路を備えた場合の変形例について、図9では、複数のアンテナに接続された場合の変形例について、それぞれ示したが、AGC回路を備え、かつ、複数のアンテナに接続された受信装置を構成することとしてもよい。
上述してきたように、本実施例では、復調装置が、クロック信号と前記アンテナ装置を制御する制御信号とを重畳したそれぞれ異なる3つのレベル値からなるパルス信号を導線経由でアンテナ装置へ通知し、アンテナ装置が、復調装置から通知されたパルス信号に含まれるクロック信号を検知したうえで検知したクロック信号に基づいて制御信号を同期検出するように受信装置を構成した。
かかる構成によって、クロック信号と制御信号と重畳させつつ、2進コードの制御信号を用いることが可能となるため、制御タイミングの遅延を抑制しつつインピーダンス整合制御の信頼性を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る受信装置は、制御タイミングの遅延を抑制しつつインピーダンス整合制御の信頼性を向上させたい場合に適しており、特に、自動車などの移動体における放送波の受信に適している。
本発明に係る受信手法の概要を示す図である。 本実施例に係る受信装置の構成を示すブロック図である。 3レベルパルス信号の一例を示す図である。 制御信号の復号化を示す図である。 復調装置の回路例を示す図である。 インピーダンス制御部の回路例を示す図である。 受信装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。 AGC回路を用いた受信装置の構成を示すブロック図である。 複数のアンテナを備えた受信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1、1a、1b 受信装置
2 アンテナ
3 導線
10、10a、10b アンテナ装置
11 インピーダンス整合回路
12 前置増幅回路
13 出力整合回路
14 LPF
15 電圧安定化回路
16 インピーダンス制御部
16a 復号化回路
16b 調整回路
17 AGC回路
18 多重化処理部
20、20a、20b 復調装置
21 復調部
22 符号化回路
23 電源供給部
24 設定テーブル
25 定電圧電源
26 LPF
27 利得生成部
28 第2設定テーブル
29 分離処理部

Claims (5)

  1. アンテナ近傍に設けられたアンテナ装置と前記アンテナ装置に対して給電する導線を介して接続された復調装置とを含んだ受信装置であって、
    前記復調装置は、
    クロック信号と前記アンテナ装置を制御する制御信号とを重畳したそれぞれ異なる3つのレベル値からなるパルス信号を前記導線経由で前記アンテナ装置へ通知する通知手段
    を備え、
    前記アンテナ装置は、
    前記復調装置の通知手段から通知された前記パルス信号に含まれる前記クロック信号を検知したうえで検知したクロック信号に基づいて前記制御信号を同期検出する同期検出手段
    を備えたことを特徴とする受信装置。
  2. 前記クロック信号および前記制御信号は、
    0または1の2値信号であって、
    前記復調装置の通知手段は、
    クロック信号が1かつ制御信号が1の場合には第1のレベル値とし、クロック信号が1かつ制御信号が0の場合には前記第1のレベル値よりも小さい第2のレベル値とし、クロック信号が1かつ制御信号が0の場合およびクロック信号が0かつ制御信号が1の場合には前記第1のレベル値と前記第2のレベル値との中間値である第3のレベル値とした前記パルス信号を通知することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記アンテナ装置の同期検出手段は、
    前記パルス信号が前記第1のレベル値と前記第3のレベル値との間に設けられた第1の閾値よりも大きい場合に前記制御信号が1であるとし、前記パルス信号が前記第2のレベル値と前記第3のレベル値との間に設けられた第2の閾値よりも小さい場合に前記制御信号が0であるとすることを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
  4. 前記アンテナ装置は、
    前記制御信号のデータパターンと当該データパターンに対応する制御値とを関連付けた変換情報を記憶する記憶手段と、
    前記同期検出手段によって同期検出された前記制御信号のデータパターンを前記変換情報に基づいて前記制御値へ変換する変換手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の受信装置。
  5. 前記アンテナ装置は、
    複数のアンテナを有するものであって、
    前記復調装置の通知手段は、
    前記複数のアンテナごとの前記制御信号を前記パルス信号に含めて通知し、
    前記アンテナ装置の同期検出手段は、
    前記通知手段から通知された前記パルス信号から前記複数のアンテナごとの前記制御信号をそれぞれ同期検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の受信装置。
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