JP2010024403A - マイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液、冷却液、及び熱移送媒体 - Google Patents

マイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液、冷却液、及び熱移送媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】フロン系溶媒中にマイクロカプセル水溶性相転位物質粒子を分散させた場合に、水溶性相転位物質粒子の沈降が少なく安定化されたマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒の分散液を提供することにある。
【解決手段】水溶性相転位物質粒子界面が有機系又はフロン系マイクロカプセル化剤でマイクロカプセル化されたマイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子のフロン系溶媒に分散液に、フッ素系界面活性剤および含酸素有機化合物を添加することにより、フロン系溶媒中でマイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子を安定化させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロカプセル化された水溶性相転位物質のフロン系溶媒への分散液、冷却液、及び熱移送媒体に関するものである。より詳しくは、フッ素系界面活性剤および含酸素有機化合物を添加することにより、フロン系溶媒中でマイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子を安定化させたマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液、冷却液、及び熱移送媒体に関するものである。
フロン系溶媒中にマイクロカプセル化された相転位物質粒子の分散液としては、下記特許文献1に記載されている。この特許文献1では、相転位物質として水酸化バリウム8水和物(融点78℃)粒子をフッ素オイル(パーフルオロカーボン)に分散させた分散液にシランカップリング剤を添加し、シランカップリング剤を無機粒子である相転位物質の水酸化バリウム8水和物粒子の界面に吸着させた後に、分散液の温度を55℃程度にすることにより、相転位物質粒子界面でシランカップリング剤を重合させ、フロン系溶媒中でマイクロカプセル化された相転位物質の分散液を得ている。
又、下記特許文献2では、相転位物質として水酸化バリウム8水和物(融点78℃)、フッ素系溶媒としてパーフルオロカーボン(商品名「フロリナートFC3255」、住友スリーエム社製)およびフッ素系界面活性剤(商品名「フタージェント150」、ネオス社製)を相転位物質の融点以上の温度(85℃)で、高圧乳化機を用いて乳化分散液を調製した後に、マイクロカプセル化剤であるスチレンモノマー、ジビニルペンゼンモノマーおよび重合開始剤である4,4−アゾビス−4−シアノバレリツク酸(商品名「AVCC」、大塚化学社製)を分散液の攪拌下に添加し、相転位物質粒子の界面でビニルモノマーを重合させ、フロン系溶媒中でマイクロカプセル化された相転位物質の分散液を得ている。
特開2005−203148号公報 特開2007−31597号公報
上記特許文献1に記載した特徴を有するフロン系溶媒中にマイクロカプセル化された相転位物質粒子を分散する方法の場合、マイクロカプセル化剤の全量が相転位物質である無機粒子界面に吸着するのではなく、フッ素系溶媒中でミセルを形成する結果、相転位物質を内包しないマイクロカプセル化粒子を多く含む問題を有している。また、界面活性剤で表面が覆われている相転位物質粒子へのカプセル化剤の吸着が弱く、十分な強度のあるマイクロカプセル化壁を形成できない問題を有している。更に、フッ素系溶媒に溶解するビニルモノマーの種類は非常に限定され、形成したマイクロカプセル水溶性相転位物質粒子とフロン系溶媒の親和性が十分でなく、マイクロカプセル水溶性相転位物質粒子が凝集してしまう問題も有している。
上記特許文献2に記載した特徴を有するフロン系溶媒中にマイクロカプセル化された相転位物質粒子を分散する方法の場合、特許文献1と同じように、マイクロカプセル化剤の全量が相転位物質界面に吸着するのではなく、フッ素系溶媒中でミセルを形成する結果、相転位物質を内包しないマイクロカプセル化粒子を多く含む問題を有している。更に、界面活性剤で表面が覆われている相転位物質粒子へのカプセル化剤の吸着が弱く、十分な強度のあるマイクロカプセル化壁を形成できない問題を有している。更に、溶媒が除かれた状態で、マイクロカプセル化された相転位物質粒子が合一してしまい、再分散後に相転位物質粒子の粒子径が大きくなり、一部の相転位物質粒子が沈降してしまう問題を有している。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、フロン系溶媒中にマイクロカプセル水溶性相転位物質粒子を分散させた場合に、水溶性相転位物質粒子の沈降が少なく安定化されたマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒の分散液を提供することにある。
本発明者らは、マイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子のフロン溶媒分散液に、特定の化合物を添加することにより、フロン系溶媒中でマイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子を安定化させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、第1に、本発明は、安定化させたマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液の発明であり、水溶性相転位物質粒子界面が有機系及び/又はフロン系マイクロカプセル化剤でマイクロカプセル化されたマイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子をフロン系溶媒に分散させた、マイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子のフロン溶媒分散液に、フッ素系界面活性剤及び含酸素有機化合物が添加されたことを特徴とする。
マイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子界面にフッ素系界面活性剤および含酸素有機化合物を添加することにより、マイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子の凝集を防止することにより、水溶性相転位物質粒子の沈降が少なく安定化されたマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒の分散液を得ることができる。
本発明のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液に用いられるマイクロカプセル化剤の少なくとも1つがウレタンのモノマー又はプレポリマーであり、含酸素有機化合物が、2官能アルコールのエーテル及び/又はエステルであることが好ましい。
マイクロカプセル化剤の少なくとも1つがウレタンのモノマーまたはプレポリマーであり、含酸素有機化合物が2官能アルコールのエーテル及び/又はエステルであることにより、水溶性相転位物質中に含有される水を開始剤として確実に水溶性相転位物質の界面でマイクロカプセル化反応を進行し得る。ウレタンのモノマーまたはプレポリマーを用い、ウレタンのモノマーまたはプレポリマーより形成されたマイクロカプセル化壁と親和性が高い2官能アルコールのエーテル及び/またはエステルを用いることにより、より安定化されたマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒の分散液を得ることができる。
本発明のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液において、フッ素系界面活性剤の添加量が水溶性相転位物質の質量に対して、5質量部から30質量部であり、含酸素有機化合物の添加量が水溶性相転位物質の質量に対して、5質量部から100質量部であることが好ましい。
フッ素系界面活性剤の添加量を水溶性相転位物質の質量に対して、5質量部から30質量部であり、含酸素有機化合物の添加量を水溶性相転位物質の質量に対して、5質量部から100質量とすることで、比較的高価なフッ素系界面活性剤の添加量を減量することができる。
本発明のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液において、水溶性相転位物質が、糖、糖アルコール、尿素、及びチオ尿素から選択される1種以上を含有することが好ましい。
糖、糖アルコール、尿素、チオ尿素は、単位容量当りの融解潜熱が大きく、融解、凝固を繰返し行なっても、無機塩水和物のように脱水して変質しない特徴を有している。
第2に、本発明は、上記のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液からなる冷却液である。
第3に、本発明は、上記のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液からなる熱移送媒体である。
本発明のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液は、水溶性相転位物質粒子の沈降が少なく、安定化されたマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒の分散液である。
本発明において用いられる有機系マイクロカプセル化剤は、特に限定はされないが、スチレン、ジビニルベンゼン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのアニオン重合性モノマー、ε−カプロラクタム、β−プロピオラクトン、エチレンイミン、テトラメチルシロキサンなどの開環重合性モノマー、水硬化型のウレタンウレタンのモノマーまたはプレポリマーを例示できる。
水硬化型のウレタンウレタンのモノマーは、末端にイソジアネート基を有して、水と反応して重合反応を起こすものであれば特に限定されないが、トリレンジイソシナート(TDI)系のモノマーまたはプレポリマー、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系のモノマーまたはプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系のモノマーあるいはプレポリマーが好ましく例示される。
本発明において用いられるフロン系マイクロカプセル化剤は、炭素骨格の水素基をフッ素基に置換したモノマーまたはプレポリマーであれば特に限定はされないが、分子内に水酸基を有していれば、水硬化型のウレタンウレタンのモノマーまたはプレポリマーと共重合して好ましい。
これらのマイクロカプセル化剤は、単独で使用しても差し支えないし、混合して使用しても差し支えないが、フッ素系界面活性剤の添加効果を高めるために、マイクロカプセル化剤のうち、10質量%〜70質量%をフロン系のマイクロカプセル化剤を使用することが好ましい。
本発明において用いられるフロン系溶媒としては、炭素骨格の水素基をフッ素基に置換した化合物であれば特に限定されない。パーフルオロポリエーテル、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルなどが好まし例示される。これらのフロン系溶媒は単独で使用しても差し支えないし、混合して使用しても差し支えない。
本発明においてフロン系溶媒に含有されるフッ素系界面活性剤は、フロン系溶媒に可溶化するものであれば特に限定されないが、分子内部にスルホン酸、カルボン酸、ジカルボン酸、ポリオキシエチレンエーテルを含むフッ素系界面活性剤が好ましく例示される。
これらのフッ素系界面活性剤は、単独で使用しても差し支えないし、混合して使用しても差し支えない。
本発明において用いられる水溶性相転位物質は、特に限定されない。炭酸カリウム6水和物、硝酸リチウム3水和物、硫酸ナトリウム10水和物、炭酸ナトリウム10水和物、チオ硫酸ナトリウム5水和物、硝酸ニッケル6水和物、酢酸ナトリウム3水和物、硝酸鉄6水和物、硝酸アルミ9水和物、4ホウ酸ナトリウム10水和物、水酸化バリウム8水和物、水酸化ストロンチウム8水和物、硝酸マグネシウム6水和物、硫酸アルミニウム10水和物、塩化マグネシウム6水和物などの無機塩水和物、リボース、マルトース1水和物、フルクトース、スクロース、ラクトース1水和物などの糖類、エリスリトール、スレイトール、キシリトー、ソルビトール、マルチトールなどの糖アルコール類が好ましく例示される。窒素含有化合物としては、尿素チオ尿素、アセトアミドなどが好ましく例示される。
マイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子はフロン系溶媒中で加熱・冷却されることにより、融解・凝固を繰り返すが、その融解・凝固の繰返しにより水溶性相転位物質の組成変化が生じると、融解温度・凝固温度が変化してしまう。繰返し融解・凝固を行なっても組成変化しない観点からは、水溶性相転位物質内に結晶水和水を有していないほうが好ましく、その観点から水溶性相転位物質は、結晶水和水を含まない糖アルコール、尿素、チオ尿素を水溶性相転位物質として用いることが好ましい。
これらの水溶性相転位物質は、単独で使用しても差し支えないし、混合して使用しても差し支えない。また、融解点を調節するために、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリンなどの低分子の水溶性物質を含んでも差し支えない。
本発明においてフッ素系界面活性剤と併用する含酸素有機化合物は、分子内に酸素を含有した化合物であれば特に限定されないが、アルコール類、フェノール類、エーテル類、エステル類、ケトン類が好ましく例示される。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等が好ましく例示される。
フェノール類としては、石炭酸、クレゾール、キシレノール等が好ましく例示される。
エーテル類としては、上記アルコール類の脱水化合物あるいはアルコール類とフェノール類の脱水化合物が好ましく例示される。
エステル類としては、上記アルコール類あるいはフェノール類と有機酸の脱水化合物が好ましく例示される。ここで、有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸、乳酸等が好ましく例示される。
ケトン類としては、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等が好ましく例示される。
マイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液の安全性の観点からは、添加する含酸素有機化合物の引火点は高いほうが好ましく、その観点から、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールのエーテルあるいはエステルが好ましい。
また、マイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液の安全性の観点から、両末端水酸基がエーテルまたはエステル結合した、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(DEG−MEEA)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(DEG−MBuEA)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(TEG−DME)が特に好ましい。
以下に、マイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液について説明する。
水溶性相転位物質のマイクロカプセル化は、有機系溶媒あるいはフロン系溶媒にマイクロカプセル化剤溶解し、水溶性相転位物質の相転位温度以上の温度で、有機系溶媒あるいはフロン系溶媒に分散と同時に水溶性相転位物質界面でマイクロカプセル化剤の重合反応を生じさせ、水溶性相転位物質界面にマイクロカプセルを形成させる。この時の分散方法は特に限定されないが、ミクロンオーダーあるいはサブミクロンオーダーの水溶性相転位物質粒子を得るために、一般的には、高圧乳化機、高速回転ミキサー(ホモジナイザー)、膜乳化装置などが使用される。上記の水溶性相転位物質の分散とマイクロカプセル化工程において、フッ素系界面活性剤を全量または一部を添加してもかまわないし、添加せずに分散とマイクロカプセル化工程を行なってもかまわない。
有機溶媒中で水溶性相転位物質のマイクロカプセル化を行なった場合は、マイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子をデカンテーション、遠心分離、濾過等の手段により、有機溶媒を分離した後にフロン系溶媒に分散させる。フロン系溶媒中で水溶性相転位物質のマイクロカプセル化を行なった場合は、上記の溶媒置換工程は不要となるが、フロン系溶媒中に溶解するマイクロカプセル剤の種類が限定されてしまう。一方、有機系溶媒中で水溶性相転位物質のマイクロカプセル化を行なった場合は、上記の溶媒置換工程は必要であるが、種々のマイクロカプセル化剤を使用できる利点を有している。
マイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子をフロン系溶媒に安定して分散させるためには、フッ素系界面活性剤が必要不可欠であり、水溶性相転位物質の質量に対して、5質量%〜30質量%添加する必要があり、さらに分散液の安定性を向上させるために、含酸素有機化合物を水溶性相転位物質の質量に対して、10質量%〜100質量%添加する必要がある。
このようにして得られた分散液は、マイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子をフロン系溶媒中で安定した状態で存在させることができる。
(調製例)
モレキュラシーブ3A(ナカライテスク株式会社製)で脱水したトルエン(ナカライテスク株式会社製、試薬特級)に、トリレンジイソシアネート系のプレポリマーであるタケネートM−408(三井武田ケミカル株式会社製)およびフッ素系ポリマーであるルミフロンLF−710F(旭硝子株式会社製)を60質量%となるように調製したトルエン溶液900mlをホモジナイザーにて16000rpmで回転しつつ、90℃まで加熱し、マイクロカプセル化剤溶液容器に準備した。ここで、タケネートM−408とルミフロンLF−710Fの樹脂比率は50/50質量%とした。さらに、フッ素系界面活性剤KB−L110(株式会社ネオス製)を50質量%となるように調製したトルエン溶液を調製し、20mlを樹脂トルエン溶液に添加した。
一方、スレイトール(エーピーアイ・コーポレーション社製)にイオン交換水を10質量%となるように添加したもの100mlを、90℃まで加熱し、スレイトール溶融液を調製し、16000rpmで攪拌されている90℃に攪拌下で維持されたタケネートM−408、ルミフロンLF−710F、ならびにKB−L110が溶解しているトルエン溶液中に、スレイトール溶融液を約3minで流し入れた。スレイトール溶融液を流し入れた後も、タケネートM−408、ルミフロンLF−710F、ならびにKB−L110が溶解しているトルエン溶液を90℃に保ちつつ30min攪拌を継続し、マイクロカプセル化反応を完結させた。その後、マイクロカプセル化分散液を室温まで冷却し、パーフルオロカーボン(商品名「フロリナートFC3283」、住友スリーエム社製)を400ml添加し、2min間マグネチックスターラーで均一攪拌した。攪拌終了後、室温で30min静置して、上相にトルエン、下相にマイクロカプセル化された水溶性相転位物質の分散液600gを得た。
このマイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子のフロン系溶媒分散液600g中には、パーフルオロカーボン392g、スレイトール130g、マイクロカプセル65g、フツ素系界面活性剤(KB−L110)13gを含有している。フッ素系溶媒に分散されたマイクロカプセル化された水溶性相転位物質粒子をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(株式会社堀場製作所製)により測定し、体積平均径が5μmであることを確認した。
調製例で調製した分散液60g(スレイトール13g含有、フッ素系界面活性剤1.3g含有)にジエチレングリコール(DEG)6.5g(スレイトールに対して50質量%)を添加し、室温で30min間マグネチックスターラーで均一攪拌した後、24h静置した。24h静置後に上層に分離したマイクロカプセル化粒子分散液を分離し、下層のフロン系溶媒(パーフルオロカーボン)の質量を測定したところ25gであった。すなわち、分散液質量の41質量%が分離したことになる。
分散液にジエチレングリコールに代えて、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DEG−MEE)を6.5g(スレイトールに対して50質量%)とした以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、15g(分散液質量の25質量%)のフロン系溶媒(パーフルオロカーボン)が分離した。
分散液にジエチレングリコールに代えて、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(DEG−MEEA)を6.5g(スレイトールに対して50質量%)とした以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、24h静置後もフロン系溶媒(パーフルオロカーボン)は分離しなかった。
分散液にジエチレングリコールに代えて、ジェチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(DEG−MBuEA)を6.5g(スレイトールに対して50質量%)とした以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、24h静置後もフロン系溶媒(パーフルオロカーボン)は分離しなかった。
分散液にジエチレングリコールに代えて、トリエチレングリコールジメチルエーテル(TEG−DME)を6.5g(スレイトールに対して50質量%)とした以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、24h静置後もフロン系溶媒(パーフルオロカーボン)は分離しなかった。
比較例1
分散液にジエチレングリコールを添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、30g(分散液質量の50質量%)のフロン系溶媒(パーフルオロカーボン)が分離した。
比較例2
分散液にジエチレングリコールに代えて,トルエンを6.5g(スレイトールに対して50質量%)とした以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、37g(分散液質量の62質量%)のフロン系溶媒(パーフルオロカーボン)が分離した。
比較例3
分散液にジエチレングリコールに代えて、ジメチルシリコーン(DMシリコーン)を6.5g(スレイトールに対して50質量%)とした以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、35g(分散液質量の58質量%)のフロン系溶媒(パーフルオロカーボン)が分離した。
表1に、これらの実施例1〜5および比較例1〜3の結果をまとめる。
Figure 2010024403
ジエチレングリコールのような含酸素有機化合物を水溶性相転位物質に対して50質量%添加した場合に、フロン系溶媒の安定性が改善される。特に、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテト(DEG−MEEA)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(DEG−MBuEA)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(TEG−DME)を添加した場合は、24h静置後もフロン系溶媒の分離が見られなかった。
本発明のマイクロカプセル化された水溶性相転位物質のフロン系溶媒への分散液の用途としては、自動車エンジンや燃料電池の冷却液媒体、蓄熱システムの熱移送媒体などの用途が挙げられる。従来の熱移送媒体に比較して、電気伝導度が小さく、単位体積当りの見掛け比熱が大きいため、媒体の循環流量を小さくすることができ、省エネルギーに貢献できる。

Claims (6)

  1. 水溶性相転位物質粒子界面が有機系及び/又はフロン系マイクロカプセル化剤でマイクロカプセル化されたマイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子をフロン系溶媒に分散させた、マイクロカプセル化水溶性相転位物質粒子のフロン溶媒分散液に、フッ素系界面活性剤及び含酸素有機化合物が添加されたことを特徴とする安定化させたマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液。
  2. 前記マイクロカプセル化剤の少なくとも1つがウレタンのモノマー又はプレポリマーであり、前記含酸素有機化合物が、2官能アルコールのエーテル及び/又はエステルであることを特徴とする請求項1記載のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液。
  3. 前記フッ素系界面活性剤の添加量が前記水溶性相転位物質の質量に対して、5質量部から30質量部であり、前記含酸素有機化合物の添加量が前記水溶性相転位物質の質量に対して、5質量部から100質量部であることを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液。
  4. 前記水溶性相転位物質が、糖、糖アルコール、尿素、及びチオ尿素から選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液からなる冷却液。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロカプセル化水溶性相転位物質のフロン系溶媒分散液からなる熱移送媒体。
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