JP2010023126A - インサート着脱式テーパ加工用工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】繰り返しの再研磨により切刃が後退したインサートであっても使用することができ、コストの低減を図ることが可能なインサート着脱式テーパ加工用工具を提供する。
【解決手段】被切削材にテーパ加工を行うテーパリーマ1において、工具本体の先端外周に形成されたインサート取付座12に、長方形平板状をなすインサート20をその長手方向の一端側を工具本体2の先端側に向けるとともに、切刃24を工具径方向外側に突出させて、かつ工具本体2の後端側から先端側に向かうに従い漸次軸線に近づくように傾斜させて着脱可能に取り付け、インサート取付座20の工具径方向内側にインサート20の長手方向に沿って、インサート20に当接する超硬プレート(スペーサ)30を交換可能に設ける。
【選択図】図2
【解決手段】被切削材にテーパ加工を行うテーパリーマ1において、工具本体の先端外周に形成されたインサート取付座12に、長方形平板状をなすインサート20をその長手方向の一端側を工具本体2の先端側に向けるとともに、切刃24を工具径方向外側に突出させて、かつ工具本体2の後端側から先端側に向かうに従い漸次軸線に近づくように傾斜させて着脱可能に取り付け、インサート取付座20の工具径方向内側にインサート20の長手方向に沿って、インサート20に当接する超硬プレート(スペーサ)30を交換可能に設ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、被切削材にテーパ孔やテーパ溝等を形成するテーパ加工に用いられるテーパリーマやテーパエンドミル等のインサート着脱式テーパ加工用工具に関するものである。
このようなテーパ加工を行う工具のうち、被切削材にテーパ孔を形成するテーパ孔用工具や、こうして形成されたテーパ孔や下孔を所定の精度のテーパ孔に仕上げるテーパリーマとしては、例えば特許文献1〜3に記載のようなものが提案されている。また、溝底に向けて溝幅が漸次小さくなるテーパ溝を被削材に形成するテーパエンドミルとしては、例えば特許文献4に記載のようなものが提案されている。
特開平8−257816号公報
特開平5−253742号公報
特開平9−272015号公報
特開平6−047615号公報
ところで、これら特許文献1〜4に記載のテーパ加工用工具はいずれも、軸線回りに回転されてテーパ加工を行う工具本体自体が超硬合金等の硬質材料により形成されて、この工具本体に切刃が直接に形成されたソリッド(むく)タイプの工具であり、切刃に摩耗等が生じたときには、ある程度までは再研磨して使用可能ではあるものの、最終的には上述のような硬質材料よりなる工具本体をそのまま廃棄しなければならない。
そこで、このようなテーパ加工用工具においては、その切刃の部分だけを硬質材料よりなるインサートに形成して、かかるインサートを工具本体に着脱可能に取り付けたインサート着脱式のテーパ加工用工具とすることが望まれている。これによれば、切刃の再研磨が限界に達した場合であっても、インサートのみを交換すれば足りるので、上記ソリッドタイプの工具に比べてコスト低減を図ることができる。
このようなテーパリーマやテーパエンドミルに用い得る切刃長の長いインサートとしては、長方形平板状であってその長方形面をすくい面とし、この長方形面の長辺に切刃が形成されたものが考えられる。また、テーパ加工時の切削抵抗の低減を図るには、上記切刃に連なって逃げ面とされるインサート本体の側面がすくい面と鋭角に交差するようにされたポジティブタイプのインサートとされるのが望ましい。
また、このようなテーパ加工用インサートが着脱可能に取り付けられるインサート着脱式テーパ加工用工具では、このインサートの切刃が、工具本体の外周側に突出させるとともに該工具本体の後端側から先端側に向かうに従い漸次この工具本体の軸線に近づくように傾斜させられることになり、この切刃の上記軸線回りの回転軌跡がなす円錐のテーパ角が加工テーパ角とされて、被削材にテーパ孔やテーパ溝等のテーパ加工が施される。
ここで、例えばテーパリーマなどでは、工具本体の外周にガイドパッドを固定して、その軸線回りの回転軌跡が上記切刃の回転軌跡と平行に極僅かに後退するように配設し、このガイドパッドをテーパ孔の内周に摺接させることにより、工具本体を軸線に沿って直進するように案内して高精度のテーパ孔加工を行うことがある。
この場合、ガイドパッドの外周面が軸線回りの回転軌跡においてなす円錐面と、工具本体の外周側に突出させられた切刃の回転軌跡がなす円錐面とのクリアランスが重要となり、このクリアランスが大き過ぎるとガイドパッドによる案内性が得られない一方、クリアランスが小さ過ぎると切刃が下孔の内周面に食い付かず切削を行うことができなくなるとともに、工具本体の送りに伴いガイドパッドが切刃によって切削されていない下孔の内周面に摺接して却って案内性を損なうことになる。
よって、インサートに繰り返し再研磨を施すことにより切刃が工具径方向内側に後退して、ガイドパッドとの間のクリアランスを確保することができなくなった場合、もはや当該インサートにより切削加工を行うことはできず、インサート自体を廃棄しなければならない。
一方、上記のように切刃とガイドパッドとの間で適切なクリアランスを確保するには、インサートの切刃位置の調整を施す必要があり、この場合、長方形平板状のインサートを工具本体の径方向に移動させなければならない。この際、切刃がガイドパッドの回転軌跡に対して傾いてしまうおそれがあり、切刃位置を安定して調整するためには多くの時間と労力とを要することになる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、繰り返しの再研磨により切刃が後退したインサートであっても使用することができ、コストの低減を図ることが可能なインサート着脱式テーパ加工用工具を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、インサートの切刃位置の安定調整を行うことが可能なインサート着脱式テーパ加工用工具を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、インサートの切刃位置の安定調整を行うことが可能なインサート着脱式テーパ加工用工具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係るインサート着脱式テーパ加工用工具は、軸線回りに回転される工具本体に切刃を有するインサートが取り付けられ、被切削材にテーパ加工を行うインサート着脱式テーパ加工用工具であって、前記インサートは、略長方形平板状をなし、一方の長方形面にすくい面が形成されるとともに、長手方向に延びる一対の側面の一方が逃げ面とされて、前記すくい面と前記逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されており、前記工具本体の先端外周に形成されたインサート取付座に、前記インサートが、上記長手方向の一端側を上記工具本体の先端側に向けるとともに、前記切刃を工具径方向外側に突出させて、かつ該工具本体の後端側から先端側に向かうに従い漸次前記軸線に近づくように傾斜させて着脱可能に取り付けられており、前記インサート取付座の工具径方向内側に前記インサートの長手方向に沿って配置されて、前記インサートの前記逃げ面の反対側の側面全域に当接する超硬プレートが、交換可能に設けられたことを特徴とする。
即ち、本発明に係るインサート着脱式テーパ加工用工具は、軸線回りに回転される工具本体に切刃を有するインサートが取り付けられ、被切削材にテーパ加工を行うインサート着脱式テーパ加工用工具であって、前記インサートは、略長方形平板状をなし、一方の長方形面にすくい面が形成されるとともに、長手方向に延びる一対の側面の一方が逃げ面とされて、前記すくい面と前記逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されており、前記工具本体の先端外周に形成されたインサート取付座に、前記インサートが、上記長手方向の一端側を上記工具本体の先端側に向けるとともに、前記切刃を工具径方向外側に突出させて、かつ該工具本体の後端側から先端側に向かうに従い漸次前記軸線に近づくように傾斜させて着脱可能に取り付けられており、前記インサート取付座の工具径方向内側に前記インサートの長手方向に沿って配置されて、前記インサートの前記逃げ面の反対側の側面全域に当接する超硬プレートが、交換可能に設けられたことを特徴とする。
このような特徴のインサート着脱式テーパ加工用工具によれば、再研磨を繰り返したことによって切刃が後退したインサートであっても、インサートと工具本体との間のスペーサを厚みの大きなものに交換することにより、インサートの切刃の突出量を調整して、再度切削加工に使用することが可能となる。
また、本発明に係るインサート着脱式テーパ加工用工具においては、前記スペーサが超硬合金からなることを特徴としている。
これにより、スペーサが高い硬度及び剛性を備えていることから、インサートに切削抵抗が作用する際であっても、スペーサが変形してインサートが動いてしまうことはなく、安定した切削加工を行うことができる。
これにより、スペーサが高い硬度及び剛性を備えていることから、インサートに切削抵抗が作用する際であっても、スペーサが変形してインサートが動いてしまうことはなく、安定した切削加工を行うことができる。
また、本発明に係るインサート着脱式テーパ加工用工具は、前記スペーサを工具径方向外側に向かって押圧して、該スペーサに当接する前記インサートの前記切刃の位置を調整する切刃位置調整機構が設けられたことを特徴とする。
このような特徴のインサート着脱式テーパ加工用工具によれば、切刃位置調整機構による工具径方向外側に向かっての押圧力は、スペーサによってその長手方向全域に分散された上でインサートに伝達されるため、インサートに局所的な力が及ぶことはない。従って、インサートは、その長手方向全域においてに均等に工具径方向外側に向かって押圧されるため、切刃が所望の回転軌跡から傾いてしまうことをなく、安定した切刃位置の調整を行うことが可能となる。
さらに、本発明に係るインサート着脱式テーパ加工用工具は、前記切刃位置調整機構が少なくとも2つ設けられ、一の前記切刃位置調整機構が前記スペーサの長手方向の一端側を工具径方向外側に押圧し、他の前記切刃位置調整機構が前記スペーサの長手方向の他端側を工具径方向外側に押圧することを特徴とする。
このような特徴のインサート着脱式テーパ加工用工具によれば、2つの切刃位置調整機構による押圧力を適宜調整することにより、切刃の位置及び傾きの微調整を容易に行うことが可能となる。
さらにまた、本発明に係るインサート着脱式テーパ加工用工具において、前記切刃位置調整機構は、前記工具本体の直径方向に沿って、前記工具本体の外周面から前記スペーサに向かって穿設された貫通孔と、該貫通孔に挿入されて前記超硬プレートに当接する押圧ピンと、該貫通孔の前記外周面側の内壁面に形成された雌ネジに螺合して、前記押圧ピンを前記超硬プレートに向かって押し込む調整ネジとから構成されていることを特徴とする。
これにより、貫通孔の外周面側の開口から調整ネジを捩じ込むことで、該調整ネジが押圧ピンを押圧してこの押圧力が超硬プレートに伝達されるため、インサートの突出量の微調整を容易に行うことが可能となる。
これにより、貫通孔の外周面側の開口から調整ネジを捩じ込むことで、該調整ネジが押圧ピンを押圧してこの押圧力が超硬プレートに伝達されるため、インサートの突出量の微調整を容易に行うことが可能となる。
本発明のインサート着脱式テーパ加工用工具によれば、再研磨の繰り返しにより切刃が後退したインサートであっても、スペーサを厚みの大きなものに交換することによって切削加工に使用することができるため、インサートの超寿命化及びコストの低減を図ることが可能となる。
また、切刃位置調整機構が超硬プレートを介してインサートを工具径方向外側に押圧することにより、押圧力を分散・均等化させてインサートに伝達することができるため、切刃位置の安定調整を行うことが可能となる。
また、切刃位置調整機構が超硬プレートを介してインサートを工具径方向外側に押圧することにより、押圧力を分散・均等化させてインサートに伝達することができるため、切刃位置の安定調整を行うことが可能となる。
以下、本発明に係るインサート着脱式テーパ加工用工具の実施の形態であるテーパリーマについて図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るテーパリーマの側面図、図2は本発明の実施の形態に係るテーパリーマの正面図、図3は本発明の実施の形態に係るテーパリーマを切刃に沿って先端側から見た正面図、図4はインサートをすくい面に対向する方向から見た平面図、図5はインサートを切刃に沿って端面側から見た図である。
図1は本発明の実施の形態に係るテーパリーマの側面図、図2は本発明の実施の形態に係るテーパリーマの正面図、図3は本発明の実施の形態に係るテーパリーマを切刃に沿って先端側から見た正面図、図4はインサートをすくい面に対向する方向から見た平面図、図5はインサートを切刃に沿って端面側から見た図である。
図1に示すように、テーパリーマ1は、鋼材等から形成されて軸線Oを中心とした概略多段円柱状をなす工具本体2を有し、この工具本体2の後端側(図1において右側)部分は当該工具本体2を工作機械の主軸に装着するためのテーパタイプのシャンク部3とされるとともに、先端側(図1において左側)部分はシャンク部3から一段拡径した後、外周面が先端側に向かうに従い漸次縮径する外形円錐台状の刃部4とされている。
このテーパリーマ1は、シャンク部3が工作機械の主軸に装着されて、軸線O回りに工具回転方向Tに回転させられつつ該軸線O方向に送り出され、被切削材に形成された下孔の内周を、刃部4に取り付けられたインサート20により、孔底側に向かうに従い内径が所定の加工テーパ角で漸次縮径するテーパ孔に仕上げていく。なお、刃部4がなす円錐台が先端側に向けて縮径して先細りとなるテーパ角θは、この加工テーパ角と等しくされている。
このテーパリーマ1に取り付けられるインサート20は、詳しくは図4及び図5に示すように、超硬合金等の硬質材料により形成された略長方形平板状をなしており、対向する2つの長方形面のうち一方の長方形面には、一の長辺に沿ったすくい面21が形成されており、当該一の長方形面におけるすくい面21の形成領域以外の部分は、工具本体2に取り付けられる際にクランプされる被クランプ面22とされている。これらすくい面21と被クランプ面22とは、前記一の長辺に直交する断面が例えばV字等の凹状をなすように形成されている。
また、インサート20の長手方向に沿って延びる一対の側面のうち、上記すくい面21と交差する一方の側面が逃げ面23とされ、これらすくい面21と逃げ面23との交差稜線部にインサート20の長手方向に沿った直線状をなす切刃24が形成されている。なお、本実施形態においては、上記逃げ面23はすくい面21に対して鋭角に交差しており、即ち、インサート20は逃げ面23に逃げ角が付されたポジディブタイプのインサートとされている。
なお、インサート20の一方の長方形面の反対側の他方の長方形面は、工具本体2に取り付けられる際の着座面25とされ、インサート20の長手方向に沿って延びる一方の側面の反対側の他方の側面は、後述する超硬プレート(スペーサ)30が当接する被押圧面26とされている。従って、被押圧面26と着座面25とは互いに直交するように形成される。
このようなインサート20が取り付けられるテーパリーマ1の刃部4の外周には、詳しくは図2に示すように軸線Oに直交する断面において、刃部4をその外周面がなす円の弦に沿って略直線状に切り欠かれるようにして切欠面11が形成されている。この切欠面11は、刃部4の軸線O方向全域にかけて、該刃部4の先端から後端側に向かうに従って漸次軸線Oから離間して傾斜するように形成されており、この切欠面11が軸線Oに対してなす角度は上記テーパ角θと等しくされている。
一方、この切欠面11の工具回転方向T後方側には、図2に示すように軸線Oに直交する断面において、該切欠面11よりも工具径方向内側に向かって矩形状に凹むインサート取付座12が、刃部4の先端から該刃部4の後端部の手前にかけて延びるように形成されている。
このインサート取付座12は、工具回転方向T前方側を向く底面12aと、工具径方向外側を向く壁面12bと、工具回転方向T後方側を向く壁面12cとを有しており、この工具径方向外側を向く壁面12cと軸線Oとのなす角度は、やはり上記テーパ角θと等しくなるように形成されている。これにより、インサート取付座12の刃部4外周面からの深さは当該刃部4の軸線O方向の全域において等しくなっている。
このインサート取付座12は、工具回転方向T前方側を向く底面12aと、工具径方向外側を向く壁面12bと、工具回転方向T後方側を向く壁面12cとを有しており、この工具径方向外側を向く壁面12cと軸線Oとのなす角度は、やはり上記テーパ角θと等しくなるように形成されている。これにより、インサート取付座12の刃部4外周面からの深さは当該刃部4の軸線O方向の全域において等しくなっている。
このように形成されたインサート取付座12に上記インサート20を取り付けるに際しては、インサート取付座12の工具径方向外側を向く壁面12bとインサート20の被押圧面26との間に超硬プレート30(スペーサ)が介在させられる。
この超硬プレート30は、図1〜図3に示すように、超硬合金により形成された略長方形平板状をなしており、互いに平行に対向する2つの長方形面が、上記インサート20の被押圧面26と略同一となるように構成されている。図2及び図3に示すように、この2つの長方形面のうちの一方の長方形面は、インサート取付座12の工具径方向外側を向く壁面12bに対向する着座面31とされており、他方の長方形面はインサート20の被押圧面にその面積を同一にして対向する押圧面32とされている。なお、これら着座面31と押圧面32との距離である超硬プレート30の厚みtは、種々の寸法のものが用いられる。
そして、このような超硬プレート30は、インサート20を取り付けるに先立って、その着座面31をインサート取付座12の工具径方向外側を向く壁面12bに密着させるとともに、長手方向に沿った一方の側面33を底面12aに密着させて、押圧面32を工具径方向外側へ向けた状態となるように、インサート取付座12内の工具径方向内側に箇所に設置させられる。
その後、インサート20が、そのすくい面21を工具回転方向T前方に向けるとともに、着座面25を底面12aに密着させ、また、逃げ面23を工具径方向外側に向けるとともに、被押圧面26を超硬プレート30の押圧面32に密着させ、さらに、長手方向の一端側を工具本体2先端側に向けて着座させられる。
その後、インサート20が、そのすくい面21を工具回転方向T前方に向けるとともに、着座面25を底面12aに密着させ、また、逃げ面23を工具径方向外側に向けるとともに、被押圧面26を超硬プレート30の押圧面32に密着させ、さらに、長手方向の一端側を工具本体2先端側に向けて着座させられる。
また、図1及び図3に示すように、上記切欠面11には、軸線O方向に間隔をあけて複数(本実施形態においては3つ)の断面円形の取付孔11aが刃部4の外周面から内周側に向けて形成されており、これらの取付孔11aには、インサート20の被クランプ面22に当接する凸部を有したクランプ駒13が挿入されている。
そして、このクランプ駒13が、該クランプ駒13と工具本体2とに螺着されるクランプネジ13aによって工具本体2の内周側及びインサート取付座12の底面12a側に押し付けられることにより、インサート20が工具本体2にクランプされて着脱可能に取り付けられる。
こうして工具本体2に取り付けられた状態で、インサート20のすくい面21と逃げ面23との交差稜線部に形成された切刃24は、刃部4の外周面よりも僅かに工具本体2の外周側に突出し、またその長手方向一端側が刃部4の先端面から僅かに突出させられている。
そして、インサート取付座12の工具径方向外側を向く壁面12bと軸線Oとのなす角度がテーパ角θと等しくなるように形成されていることから、工具外周側に突出した切刃24は工具本体2の後端側から先端側に向かうに従い漸次上記軸線Oに近づくように傾斜させられて、その軸線O回りの回転軌跡がなす円錐面のテーパ角θが、被切削材の加工テーパ角と等しくなるように設定される。
そして、インサート取付座12の工具径方向外側を向く壁面12bと軸線Oとのなす角度がテーパ角θと等しくなるように形成されていることから、工具外周側に突出した切刃24は工具本体2の後端側から先端側に向かうに従い漸次上記軸線Oに近づくように傾斜させられて、その軸線O回りの回転軌跡がなす円錐面のテーパ角θが、被切削材の加工テーパ角と等しくなるように設定される。
さらに、刃部4の外周面には、本実施形態ではインサート取付座12から軸線O回りに間隔を空けて、この外周面に開口する断面コの字状の複数の凹溝14が、刃部4の先端面から後端側に向けて、該外周面がなす円錐台の母線に沿って延びるように一定の溝深さで形成されている。そして、これらの凹溝14には、インサート20と同じ超硬合金等の硬質材料よりなるガイドパッド15がそれぞれ嵌め入れられた上で、ろう付け等により接合されて固定されている。
こうして固定された計4つのガイドパッド15は、その工具本体2の外周側を向く面が刃部4の外周面から突出し、その軸線O回りの回転軌跡が、切刃24の上記回転軌跡がなす円錐面と同一か、これよりも極僅かに後退して該軸線Oを中心としたテーパ角θで先端側に向かうに従い縮径する円錐面状をなすようにされている。
こうして固定された計4つのガイドパッド15は、その工具本体2の外周側を向く面が刃部4の外周面から突出し、その軸線O回りの回転軌跡が、切刃24の上記回転軌跡がなす円錐面と同一か、これよりも極僅かに後退して該軸線Oを中心としたテーパ角θで先端側に向かうに従い縮径する円錐面状をなすようにされている。
また、本実施形態のテーパリーマ1には、切刃24の突出量の微調整を行う2つ切刃位置調整機構40が設けられている。
この切刃位置調整機構40は、図1及び図3に示すように、工具本体2の外周面のうち、インサート取付座12から見て、直ぐ工具回転方向T前方側にある2つのガイドパッド15、15の間の外周面から、工具本体2の直径方向に沿って穿設されて、インサート取付座12の工具径方向外側を向く壁面12bに開口する貫通孔41と、該貫通孔41に挿入される押圧ピン42及び調整ネジ43とから構成されている。
この切刃位置調整機構40は、図1及び図3に示すように、工具本体2の外周面のうち、インサート取付座12から見て、直ぐ工具回転方向T前方側にある2つのガイドパッド15、15の間の外周面から、工具本体2の直径方向に沿って穿設されて、インサート取付座12の工具径方向外側を向く壁面12bに開口する貫通孔41と、該貫通孔41に挿入される押圧ピン42及び調整ネジ43とから構成されている。
上記貫通孔41は、本実施形態においては、図1に示すように、インサート20及び超硬プレート30の長手方向の一端側及び他端側に対応する2つの位置に形成されている。また、各貫通孔41の内周壁面には、工具本体2外周面の開口から一定距離(本実施形態は貫通孔41の総延長の略半分の長さ)まで雌ネジ41aが形成されており、上記調整ネジ43が、この雌ネジ41aに捩じ込まれている。これにより調整ネジ43は、貫通孔41の工具本体2外周面の開口から例えばレンチ等が挿入されて回転させられることで、貫通孔41に沿って変位可能とされている。
また、上記押圧ピン42は、貫通孔41の雌ネジ41aが形成されていない円形孔41bに、その一端をインサート取付座12内の超硬プレート30の着座面31に当接させるように挿入されている。なお、この押圧ピン42の一端は、着座面31に面当たりする切欠面とされている。そして、該押圧ピン42の他端には、上記調整ネジ43の先端が当接しており、即ち、押圧ピン42は、超硬プレート30と調整ネジ43とで挟まれるようにして配置されている。
これにより、調整ネジ43が回転させられて変位した際には、その押圧力が押圧ピン42を介して超硬プレート30の一端側及び他端側の計2箇所にそれぞれ伝達されることになる。そして、超硬プレート30に及んだ押圧力がインサート20に作用して、該インサート20を工具径方向外側に変位させることで切刃24の位置調整が行われる。
これにより、調整ネジ43が回転させられて変位した際には、その押圧力が押圧ピン42を介して超硬プレート30の一端側及び他端側の計2箇所にそれぞれ伝達されることになる。そして、超硬プレート30に及んだ押圧力がインサート20に作用して、該インサート20を工具径方向外側に変位させることで切刃24の位置調整が行われる。
以上のように構成されたテーパリーマ1は、軸線O回りに工具回転方向Tに回転させられつつ該軸線O方向に送り出され、被切削材に形成された下孔の内周をインサート20の切刃24により、孔底側に向かうに従い内径がテーパ角θに等しい加工テーパ角で漸次縮径するテーパ孔に仕上げていく。
また、この際、ガイドパッド15をテーパ孔の内周に摺接させることにより、工具本体2を軸線に沿って直進するように案内してテーパ孔加工を精度高くして行うことができる。
また、この際、ガイドパッド15をテーパ孔の内周に摺接させることにより、工具本体2を軸線に沿って直進するように案内してテーパ孔加工を精度高くして行うことができる。
ここで、このようなテーパ孔加工においては、ガイドパッド15の外周面が軸線O回りの回転軌跡においてなす円錐面と、切刃24の回転軌跡がなす円錐面とのクリアランスが重要となり、このクリアランスが大き過ぎるとガイドパッド15による案内性が得られない一方、クリアランスが小さ過ぎると切刃24が下孔の内周面に十分に食い付かず切削を行うことができなくなるとともに、工具本体2の送りに伴いガイドパッド15が切刃によって切削されていない下孔の内周面に摺接して却って案内性を損なうことになる。
よって、インサート20に繰り返し再研磨を施すことにて切刃24が工具径方向内側に後退して、ガイドパッド15との間のクリアランスを確保することができなくなった場合、安定した切削加工ができなくなってしまう。
よって、インサート20に繰り返し再研磨を施すことにて切刃24が工具径方向内側に後退して、ガイドパッド15との間のクリアランスを確保することができなくなった場合、安定した切削加工ができなくなってしまう。
この点、本実施形態のテーパリーマ1においては、インサート20と工具本体2との間に設けられた超硬プレート30の厚みtを変更することにより容易に切刃24の突出量を調整して、上記クリアランスを確保することが可能となる。
即ち、複数回の再研磨によりインサート20の切刃24が後退してガイドパッド15とのクリアランスを確保できなくなった場合であっても、超硬プレート30を厚みtの大きなものに交換することにより、インサート20を工具径方向外側に変位させて、再び上記クリアランスを確保することができる。よって、インサート20の再研磨の許容回数を増加させてより長期に亘って使用することができるようになるため、コストの低減を図ることが可能となる。
即ち、複数回の再研磨によりインサート20の切刃24が後退してガイドパッド15とのクリアランスを確保できなくなった場合であっても、超硬プレート30を厚みtの大きなものに交換することにより、インサート20を工具径方向外側に変位させて、再び上記クリアランスを確保することができる。よって、インサート20の再研磨の許容回数を増加させてより長期に亘って使用することができるようになるため、コストの低減を図ることが可能となる。
また、上記超硬プレート30は、超硬合金から構成されており高い硬度及び剛性を備えていることから、インサート20に切削抵抗が作用する場合でも、超硬プレート30が変形してインサート20が動いてしまうことはないため、安定した切削加工を行うことができる。
切刃位置調整機構40は、調整ネジ43を捩じ込むことにより該調整ネジ43が押圧ピン42を押圧してこの押圧力が超硬プレート30に伝達される構成のため、調整ネジ43の捩じ込み量を調整することにより、切刃24の位置の微調整を容易に行うことが可能となる。例えば、数回の再研磨の間は、超硬プレート30を交換せずに、この切刃位置調整機構40によって、インサート20を変位させて切刃24のクリアランスを確保することも可能である。
また、この切刃位置調整機構40による工具径方向外側に向かっての押圧力は、超硬プレート30によってその長手方向全域に分散された上でインサート20に伝達されるため、インサート20に局所的な力が及ぶことはない。従って、インサート20は、その長手方向に均等に工具径方向外側に向かって押圧されるため、切刃24が所望の回転軌跡から傾いてしまうことはなく、安定した切刃24の位置の調整を行うことが可能となる。
さらに、切刃位置調整機構40が、超硬プレート30の両端に対応する箇所に2つ設けられていることから、これら切刃位置調整機構40による押圧力を適宜個別に調整することで切刃24の位置及び傾きの微調整を容易かつ確実に行うことが可能となる。
以上、本発明の実施の形態であるテーパリーマ1について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態においては、2つの切刃位置調整機構40を備えたテーパリーマ1について説明したが、これに限定されることはなく、3つ以上の切刃位置調整機構40を備えたものであってもよい。これによって、切刃24の位置の微調整をより正確に行うことが可能となる。
例えば、本実施形態においては、2つの切刃位置調整機構40を備えたテーパリーマ1について説明したが、これに限定されることはなく、3つ以上の切刃位置調整機構40を備えたものであってもよい。これによって、切刃24の位置の微調整をより正確に行うことが可能となる。
1 テーパリーマ(インサート着脱式テーパ加工用工具)
2 工具本体
3 シャンク部
4 刃部
12 インサート取付座
15 ガイドパッド
20 インサート
24 切刃
30 超硬プレート(スペーサ)
31 着座面
32 押圧面
40 切刃位置調整機構
41 貫通孔
41a 雌ネジ
41b 円形孔
42 押圧ピン
43 調整ネジ
2 工具本体
3 シャンク部
4 刃部
12 インサート取付座
15 ガイドパッド
20 インサート
24 切刃
30 超硬プレート(スペーサ)
31 着座面
32 押圧面
40 切刃位置調整機構
41 貫通孔
41a 雌ネジ
41b 円形孔
42 押圧ピン
43 調整ネジ
Claims (5)
- 軸線回りに回転される工具本体に切刃を有するインサートが取り付けられ、被切削材にテーパ加工を行うインサート着脱式テーパ加工用工具であって、
前記インサートは、略長方形平板状をなし、一方の長方形面にすくい面が形成されるとともに、長手方向に延びる一対の側面の一方が逃げ面とされて、前記すくい面と前記逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されており、
前記工具本体の先端外周に形成されたインサート取付座に、前記インサートが、上記長手方向の一端側を前記工具本体の先端側に向けるとともに、前記切刃を工具径方向外側に突出させて、かつ該工具本体の後端側から先端側に向かうに従い漸次前記軸線に近づくように傾斜させて着脱可能に取り付けられており、
前記インサート取付座の工具径方向内側に前記インサートの長手方向に沿って配置されて、前記インサートの前記逃げ面の反対側の側面全域に当接するスペーサが、交換可能に設けられたことを特徴とするインサート着脱式テーパ加工用工具。 - 前記スペーサが超硬合金からなることを特徴とする請求項1に記載のインサート着脱式テーパ加工用工具。
- 前記スペーサを工具径方向外側に向かって押圧して、該スペーサに当接する前記インサートの前記切刃の位置を調整する切刃位置調整機構が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載のインサート着脱式テーパ加工用工具。
- 前記切刃位置調整機構が少なくとも2つ設けられ、一の前記切刃位置調整機構が前記スペーサの長手方向の一端側を工具径方向外側に押圧し、他の前記切刃位置調整機構が前記スペーサの長手方向の他端側を工具径方向外側に押圧することを特徴とする請求項3に記載のインサート着脱式テーパ加工用工具。
- 前記切刃位置調整機構は、
前記工具本体の直径方向に沿って、前記工具本体の外周面から前記スペーサに向かって穿設された貫通孔と、
該貫通孔に挿入されて前記スペーサに当接する押圧ピンと、
該貫通孔の前記外周面側の内壁面に形成された雌ネジに螺合して、前記押圧ピンを前記スペーサに向かって押し込む調整ネジとから構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のインサート着脱式テーパ加工用工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008183949A JP2010023126A (ja) | 2008-07-15 | 2008-07-15 | インサート着脱式テーパ加工用工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008183949A JP2010023126A (ja) | 2008-07-15 | 2008-07-15 | インサート着脱式テーパ加工用工具 |
Publications (1)
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---|---|
JP2010023126A true JP2010023126A (ja) | 2010-02-04 |
Family
ID=41729451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008183949A Withdrawn JP2010023126A (ja) | 2008-07-15 | 2008-07-15 | インサート着脱式テーパ加工用工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010023126A (ja) |
-
2008
- 2008-07-15 JP JP2008183949A patent/JP2010023126A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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