JP2010022423A - ミシンの糸張力調整機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】機構の省スペース化を図る。
【解決手段】同一の支持軸2上に設けられた複数の糸調子器20と、同一のカム軸4に固定支持された、糸調子器の糸張力を調節する複数のカム部材40と、カム部材のカム部41の変位により往動する入力部51と入力部の移動量に応じて往動する出力部52とを有する複数の伝達部材50と、支持軸と共に回転可能且つ当該支持軸に沿って移動可能であって、出力部の移動量に応じて糸調子器の押圧バネ23を圧縮させる複数の当接部材22とを備え、各当接部材には、伝達部材の出力部と当接して押圧バネに圧縮動作を付与するための当接面81と、当接面よりも押圧バネを伸長させる方向に落差を生じている解放部82とを備え、各当接部材の当接面と解放部とが支持軸の回転操作に応じて同時に位置切り換え可能としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミシンの糸張力を調整する糸張力調整機構に関する。
複数の縫い糸を取り扱う従来のミシンは、縫い糸毎に設けられたバネ圧が付与された対をなす糸調子皿と、複数のカム機構を介して各糸調子皿に対して同時にバネ圧の調節を行う調節ダイヤルと、各糸調子皿に対して個別にバネ圧の調節を行う調整つまみと、各糸調子皿の糸張力付与状態を解放する複数の挿入板と、各糸調子皿及び各調整つまみを支持する一本の支持軸と、各カム機構を支持する一本のカム軸と、各挿入板を支持する一本の調節レバー軸とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
そして、調節ダイヤルは、カム軸に固定装備されており、当該調節ダイヤルを回転操作することにより、各カム機構が同時に作動して各糸調子皿に対して同時に糸張力の調整を行う。この時、各カム機構は、それぞれ対応する糸調子皿の押圧力を増減する方向に作用し、各々の糸調子皿に対して個別の糸張力に調節することができ、これにより、ダイヤルを各操作位置に合わせることで、各糸調子皿を種々の縫いに好適な所定の糸張力の組合せに切り換えることを可能としている。一方、各調整つまみは、調節ダイヤルによりそれぞれの糸調子皿が所定の糸張力に切り換えられたときに、個別に微調整を行うためのものである。
また、各挿入板はいずれも調節レバー軸に固定装備されており、当該調節レバー軸を回転操作することにより各挿入板が対をなす糸調子皿の隙間に挿入され、それぞれを解放状態とすることができるようになっている。
特開平11−207071号公報
しかしながら、上記従来のミシンでは、支持軸、カム軸及び調節レバー軸はいずれも、各縫い糸に個別に対応する各種の構成を横並びに配置することから、糸調子器の個体数に応じて長さを長く設計することが不可避であり短かくするのが難しいこと、そして、このような複数の構成を同時に支持する軸がミシン内に三本も存在することから、ミシン内部に大きな配置スペースが必要となりミシンの大型化を招くという問題があった。
本発明は、ミシンの小型化を図ることをその目的とする。
請求項1の発明は、同一の支持軸上に設けられ、当該支持軸に沿って互いに圧接するように押圧バネにより一方が他方に押圧された二枚の糸調子皿からなる複数の糸調子器と、前記支持軸と平行な同一のカム軸に固定支持されて、前記糸調子器の糸張力を前記カム軸回りの回転により調節する複数のカム部材とを備えるミシンの糸張力調整機構において、前記カム部材のカム部の変位に応じて前記カム軸に沿った移動動作が入力される入力部と、前記入力部の移動量に応じて前記支持軸に沿った移動量で移動動作を行う出力部とを有する複数の伝達部材と、前記支持軸と共に回転可能且つ当該支持軸に沿って移動可能に支持されると共に、前記押圧バネと前記伝達部材の出力部との間に介在し、当該出力部の移動量に応じて前記各押圧バネを圧縮させる複数の当接部材とを備え、前記各当接部材は、前記伝達部材の出力部と当接して前記押圧バネに圧縮動作を付与することが可能な当接面と、当該当接面に比して前記押圧バネが伸長する方向に落差を生じている解放部とを備え、前記各当接部材は、前記支持軸の回転操作に応じて同時に、対応する前記伝達部材の出力部に対して、前記当接面と解放部とが位置切り換え可能であることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記当接部材の当接面から解放部への切り替えが行われる際に、前記支持軸に加えられる回転力を利用して、前記当接部材を前記伝達部材の出力部側に移動させる解放動作補助手段を複数備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記当接部材と前記糸調子器の一方の糸調子皿とが一体をなすことを特徴とする。
請求項1記載の発明は、カム軸を回転操作して各カム部材を回転させると、各カム部材に当接している伝達部材の入力部がカム部の変位に応じてカム軸方向に沿って移動を生じる。そして、伝達部材は、入力部の移動に伴い、出力部が支持軸に沿って移動を行う。一方、伝達部材の出力部は当接部材の当接面に当接しており、カム部材により出力部が移動を生じると、これに伴って当接部材も支持軸に沿って移動を行い、その結果、当接部材の移動量に応じて押圧バネが伸縮を行い、当該伸縮量に応じて糸調子器の二つの糸調子皿の押圧力が変動して、糸張力の調整が行われる。なお、全てのカム部材は同一のカム軸に設けられているので、カム軸の回転操作により全ての糸調子器の調整が同時に行われる。
次に、支持軸に所定方向への回転操作を加えると、伝達部材の出力部に対して当接していた当接部材の当接面が解放部と位置が切り替わる。このとき当接部材における解放部と当接面の、伝達部材の出力部に対する距離の差だけ、圧縮部材は出力部側に移動することが可能となる。そして、かかる移動方向は押圧バネを伸長させる方向と一致するので、押圧ばねの伸長により圧縮部材は伝達部材側に移動し、当該押圧ばねの伸長により糸調子皿相互の押圧状態が解除され、糸を解放状態とすることができる。そして、全ての当接部材は同一の支持軸に対して同時回転可能に支持されているので、支持軸の回転操作により全ての糸調子器を同時に解放状態とすることができる。
このように、請求項1記載の発明は、複数の糸調子器の同時調整を可能としつつ同時解放も可能とする。そして、これらを実現するための構成である当接部材を糸調子皿と同じ支持軸に設けているため、糸調子器の個体数に応じて長く設計する必要がある軸が支持軸とカム軸の二本で足りるため、糸張力調整機構の配置スペースを縮小することが可能となる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、支持軸への解放操作における回転力を利用して、当接部材を伝達部材の出力部側に移動させる解放動作補助手段を複数備えるので、当接部材を解放位置に積極的に移動させることができ、解放操作をより円滑に行うことができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、各当接部材と各糸調子器の一方の糸調子皿とがいずれも一体をなすので、部品点数の低減を図ることが可能となると共に、同一の支持軸上に並ぶ部材数を低減することができ、各校性をより密に配置することが可能となることから支持軸をより短く設計することも可能となるため、さらなる配置スペースの縮小化を図ることが可能となる。
(発明の実施の形態の全体構成)
以下、本発明の実施形態であるミシンの糸張力調整機構10について、図1から図4に基づいて説明する。図1は糸張力調整機構10の正面図である。
糸張力調整機構10は、ミシンのアーム部正面側において、フレームカバーの内側であってカバーの表面近くに格納配置される。かかる糸張力調整機構10は、ミシンに使用され得る最大本数の糸と同数の糸調子器20を保有しており(本実施形態の糸張力調整機構10では三つ)、各糸に個別に糸張力を付与することを可能としている。
図示はしないが、ミシンのフレームカバーには縦方向のスリットが各糸調子器20に対応して当該糸調子器20と同数形成されており、各スリットのすぐ内側に各糸調子器20が配置され、それぞれの糸をスリット内に差し込むと、糸調子器20の有する糸調子皿21,22の間に挟持されて糸張力が付与されるようになっている。
上述の糸張力調整機構10は、複数の糸調子器20と、各糸調子器20の糸張力の調整を行うための複数のカム部材40と、各カム部材40のカム部41の変位に応じて対応する糸調子器20の押圧バネ23の押圧力を調整する複数の伝達部材50と、各糸調子器20の糸張力を個別に微調整可能とする複数の調整機構60と、各糸調子器20の糸調子皿21,22を全て支持する支持軸2と、各カム部材40を全て支持するカム軸4と、支持軸2の回転操作により各糸調子器20を同時に糸解放状態(糸張力を付与しない状態)にする糸張力解放構造80と、各糸調子器20の糸解放動作を補助する解放動作補助手段70とを備えている。
そして、カム部材40,伝達部材50調整機構60及び解放動作補助手段70は、各糸調子器20に個別に対応し得るように当該各糸調子器20と同じ数だけ設けられている。
(支持軸及び糸調子器)
支持軸2は、ミシンのフレームカバー内部においてアーム部に沿って水平に向けられた状態で回転可能に支持されている(以下の説明において支持軸2に沿った方向をH方向とする)。そして、複数(三つ)の糸調子器20が支持軸2に沿って均一間隔で並んで配置されている。また、支持軸2の一端部には、当該支持軸2に対して回転操作を加える図示しない糸解放レバーが取り付けられており、全糸調子器20を糸解放状態にする際には、後述する図3の矢印B方向に回転操作が加えられる。
各糸調子器20は、相互の挟持面を互いに対向させた状態で支持軸2に支持された糸調子皿21,22と、一方の糸調子皿22をその背面から他方の糸調子皿21側に押圧する押圧バネ23とを備えている。
糸調子皿21,22は、互いの対向面が球面状に形成されており、互いの中央部が接触する。そして、かかる中央接触部において糸を挟み込んで張力の付与を行うようになっている。
図2は図1におけるZ−Z線に沿った断面図(支持軸2の一方から見た断面図)である。図示のように、糸調子皿22は円形であって、その中心に設けられた挿通穴22aに支持軸2が挿通されている。さらに、中央挿通穴22aの上下にはキー溝22bが形成されており、これらに支持軸2に設けられたキー2a,2aが嵌合している。かかるキー構造は糸調子皿22の支持軸2に沿った移動を妨げない。従って、糸調子皿22は、支持軸2に沿って滑動可能に支持されると共に支持軸2の回転時にこれに伴って回転を行うようになっている。
なお、図示しないが、糸調子皿21にもその中心に設けられた挿通穴22aに支持軸2が挿通されており、糸調子皿21は支持軸2の軸方向に沿って滑動可能に支持される。そして、糸調子皿21はその背面に支持軸2を挿通させた状態のコイル状の押圧バネ23の一端部が当接しており、糸調子皿21が糸調子皿22側に押圧される構造となっている。なお、押圧バネ23の他端部は、後述する調整機構60の調節ネジ部材61の一端と当接している。また、この押圧バネ23は、支持軸2と同じH方向に沿って伸縮を行うように配置されている。
また、糸調子皿22の背面には、後述する伝達部材50の出力部52が当接してバネ圧に抗して糸調子皿21,22が所定位置を維持するように支えている。
(カム軸及びカム部材)
カム軸4は、ミシンのフレームカバー内部においてH方向に沿って配置され且つ支持軸2の上方で回転可能に支持されている。そして、複数(三つ)のカム部材40がカム軸4に沿って均一間隔で並んで配置されている。また、カム軸4の一端部には、当該カム軸4に対して回転操作を加える図示しない切り換えダイヤルが取り付けられており、当該切り換えダイヤルに設定された各位置(角度)に切り替え操作を行うことにより、全糸調子器20の糸張力を同時に各々に予め設定された糸張力に切り替えることが可能となっている。
各カム部材40は、円板状の端面カムであり、一方の端面がカム部41となっている。かかるカム部41は、端面の外縁部の円周における各位置でその厚さが変化する構造となっており、伝達部材50の入力部51がカム部41に当接することにより、当該入力部41に対して厚さに応じてH方向の変位を加えることが可能となっている。
なお、三枚のカム部材40は、それぞれのカム部41が異なる変位を与える形状となっており、なおかつ、各カム部材40の中心をカム軸4が貫通した状態でこれらを固定支持している。そして、カム軸4を介して切り換えダイヤルにより位置(角度)切り替え操作が行われると、各位置において各カム部材40のカム部41が各々に設定された変位を各伝達部材50の入力部51に付与し、各糸調子器20に対して個々に予め定められた糸張力に同時に調節することを可能としている。例えば、切り換えダイヤルの各位置を、ミシンで行う各種の縫い毎に要求される各糸への糸張力の個別設定値に合わせるようにすることで、切り換えダイヤルの切り換え操作を行うだけで、選択した縫いの種類に適した各糸いおける糸張力に調節することができ、個別調節作業を不要とすることが可能となっている。
(調整機構)
各調整機構60は、図示しないミシンフレームの一部である支持壁62に取り付けられた押圧バネのバネ圧の調節を行う調節ネジ部材61と、支持壁62に回転可能に支持された調節ダイヤル63と、調節ダイヤル63の回転動作を調節ネジ部材61に伝達する伝達歯車64とを備えている。これら調節ネジ部材61、調節ダイヤル63及び伝達歯車64は、いずれもH方向に平行な中心線回りに回転可能に支持壁62に支持されている。
そして、調節ダイヤル63は、その外周部の一部が図示しないフレームカバーに設けられた開口部から外部に露出しており、当該露出部から回転操作を加えることが可能となっている。また、調節ダイヤル63には、歯車63aが一体的に設けられており、伝達歯車64に噛合している。
調節ネジ部材61は、円筒状であって、支持軸2がその内側に遊挿されている。また、調節ネジ部材61は、外周に雄ネジが形成されており、支持壁62に貫通形成されたネジ穴に螺合している。そして、調節ネジ部材61の糸調子器20側の端部には、伝達歯車64に噛合する受動歯車61aが一体的に形成されると共に、当該端部側の端面が押圧バネ23の他端部に押し当てられている。
かかる構成により、調整機構60は、調節ダイヤル63に回転操作を加えると、伝達歯車64を介して調節ネジ部材61を回転させることができる。そして、調節ネジ部材61は回転されると、ネジ構造により支持壁62に支持されているのでそのH方向に沿って移動が行われる。調節ネジ部材61が移動を行うと、その移動方向に応じて押圧バネ23を伸長又は収縮させるので、バネ圧の増減が図られ、糸調子器20の糸張力の微調整が行われる。
(伝達部材及び糸調子器の糸張力解放構造)
伝達部材50は、長手方向を上下方向に沿った状態で配置されると共に、その中間部において支持軸2に直交する水平方向に沿った支軸53を介して図示しないミシンフレームにより、回動可能に支持されている。そして、その上端部には、カム部材40のカム部41に当接してカム軸4の方向に沿った変位を入力される入力部51を有し、その下端部には、糸調子器20の糸調子皿22の背面側に当接してカム部41の変位に対応したH方向に沿った変位を糸調子皿22に付与する出力部52を有している。かかる構造により、伝達部材50は、カム部41から受けた変位に従って糸調子皿22、21を支軸部2に沿って移動させ、出力部52の変位に従って押圧バネ23を伸縮させることができ、伸縮量に応じて糸張力を調整することを可能としている。
なお、伝達部材50の入力部51と出力部52とは、いずれもH方向について等倍の変位を生じる構造となっているが、無論これに限定されるものではなく、支軸部53の位置比率を調節して伝達比率を適宜調節しても良い。
一方、糸調子皿22の背面側には、「支持軸2と共に回転可能且つ当該支持軸2に沿って移動可能に支持されると共に、押圧バネ23と伝達部材50の出力部52との間に介在し、当該出力部52の移動量に応じて押圧バネ23を圧縮させる当接部材」が当該糸調子皿22に一体的に形成されている構造となっている。
さらに、糸調子皿22の背面側には、「当接部材」として機能する糸張力解放構造80が形成されている。かかる糸張力解放構造80は、糸調子皿22の背面側に、伝達部材50の出力部52と当接して押圧バネ23に圧縮動作を付与することが可能な当接面81と、当該当接面81に比して押圧バネ23が伸長する方向に異なる距離に位置する解放部82と、当接面81と解放部82とを繋ぐ連続面で出力部52の相対移動を円滑に行わせるための傾斜面83とから構成される。
図3は支持軸2を回転させて糸調子器20を糸解放状態に切り換えた状態を示す動作説明図である。
上記当接面81、傾斜面83、解放部82は、支持軸2を中心とし、伝達部材50の出力部52と当接する位置の円周に沿って並んで配置され、糸解放レバーにより支軸部2を回転方向Bに回転させると、当接面81に当接していた出力部52は、傾斜面83を経て解放部82に到達するようになっている。
なお、支持軸2には、当該支持軸2を糸解放操作時の回転方向Bと逆方向に回転を付勢する図示しない復帰バネと、伝達部材50の出力部52が当接面81に当接する位置よりも先に回転しないように制止する図示しないストッパとを備えており、糸解放レバーを操作しないときには、伝達部材50の出力部52が、常に、当接面81に当接する位置となるように設計されている。
また、当接面81は、H方向に対して垂直となる平面であって、当該H方向における位置が、出力部52が当接した状態において、糸調子皿22を介して押圧バネ23を適宜圧縮させた状態となるように設定されている。
一方、解放部82も当接面81と同様にH方向に対して垂直となる平面である。そして、解放部82のH方向における位置は、押圧バネ23が自然長まで延びきった状態で糸調子皿21,22を押圧バネ23側に寄せたときに、カム部41による押圧バネ23側への最大変位を生じた出力部52が解放部82に届かない位置に設定されている。つまり、解放部82が当接面81に対して上記異なる距離に位置する構造であることから、糸解放レバーにより解放部82に位置切り替えが行われることにより、押圧バネ23が自然長まで延びきる位置まで糸調子皿21,22が図1における左方に移動することとなり、糸調子皿21と糸調子皿22との間の圧接力は0となるので、糸張力の解放状態に切り替えが行われることとなる。
なお、上記当接面81及び解放部82のH方向における位置の設定は、前述した調整機構60による調節位置が所定の基準位置に調節されている場合を前提とするものである。
また、解放部82は、当接面81のように出力部52が接触することを前提としていないので当接面81のように平滑である必要はなく、端あるくぼみや切り欠き等でも良い。
(解放動作補助手段)
図4は解放動作補助手段70を図1におけるC方向から見た説明図である。図1〜図4に示すように、解放動作補助手段70は、糸調子皿22に設けられた係合突起71と糸解放操作が行われた時に回転移動を行う係合突起71が当接することで糸調子皿22を糸解放方向に移動させる傾斜面72を有するガイド部材73とを備えている。
上記係合突起71は、糸調子皿22の外周部から回転半径方向外側向かって突設されている。
一方、ガイド部材73は、図示しないミシンフレームの固定支持された片持ちの長尺の板状体であり、その先端部が上方に屈曲されると共に当該屈曲部の上面が傾斜面72となっている。また、傾斜面72は、糸解放時の回転動作により係合突起71が旋回移動を行う際に、解放位置に到達する前の途中過程で係合突起71と当接するように配置されている。また、傾斜面72は、糸解放動作における係合突起71の旋回移動による下降方向と糸解放時の糸調子皿22が移動する方向との合成方向におおむね沿うように形成されており、糸解放操作により支持軸2に付与される回転力を利用して糸調子皿22を糸解放方向に積極的に移動させることを可能としている。
(糸張力調整機構の動作説明)
糸張力調整機構10は、切り換えダイヤルによりカム軸4を回転操作して各カム部材40を回転させると、各カム部材40に当接している伝達部材50の入力部51がカム部41の変位に応じてH方向に沿って移動を生じる。そして、伝達部材50は、入力部51の移動に伴い、出力部52がH方向に沿って移動を行う。一方、伝達部材50の出力部52は糸調子皿22の背面側に形成された糸張力解放構造80の当接面81に当接しており、カム部材40の変位に応じて出力部52が移動を生じると、これに伴って糸調子皿22も支持軸2に沿って移動を行い、その結果、糸調子皿22の移動量に応じて押圧バネ23が伸縮を行い、当該伸縮量に応じて糸調子器20の二つの糸調子皿21,22の押圧力が変動して、糸張力の調整が行われる。なお、全てのカム部材40は同一のカム軸4に設けられているので、カム軸4の回転操作により全ての糸調子器20の調整が同時に行われる。
また、カム軸4の回転操作により全ての糸調子器20の調整とは別に各調整機構60により調節ダイヤル63への回転操作により、各糸調子器20毎に個別に調節を行うことができる。
次に、糸解放レバーにより支持軸2に回転方向Bへの回転操作を加えると、伝達部材50の出力部52に当接していた糸調子皿22の当接面81が傾斜面83を経て解放部82と位置が切り替わる。解放部82は、伝達部材50の出力部52に対して当接面81と異なる距離に位置しており、異なる距離異なる距離の分だけ糸調子皿22は出力部52側に移動することが可能となる。そして、かかる移動方向は押圧バネ23を伸長させる方向と一致すると共に、落差は十分に長く設定されているので、押圧バネ23は自然長まで伸びきってしまい、糸調子皿21,22相互の押圧状態が解除され、糸を解放状態とすることができる。そして、全ての糸調子器20の糸調子皿22は同一の支持軸2に対して回転可能に支持されているので、支持軸2の回転操作により全ての糸調子器20を同時に解放状態とすることができる。
また、上記糸解放動作による糸調子皿22の回転動作に伴い、糸調子皿22に設けられた係合突起71はガイド部材73の傾斜面72に当接し、糸調子皿22を糸調子皿21から離間する方向に移動させる。このため、糸解放動作による糸調子皿22の回転動作の際には、糸調子皿22は、糸調子皿21を介する押圧バネ23の押圧と解放動作補助手段70との協働により或いは解放動作補助手段70の単独の作用により糸解放方向に移動させられる。
(発明の実施形態の効果)
このように、糸張力調整機構10は、複数の糸調子器20の同時調整を可能としつつ糸調子圧の同時解放も可能とする。そして、糸調子圧の同時解放を行うための糸張力解放構造80が糸調子皿22に一体に設けられることから、複数の糸調子器20の同時調整と糸調子圧の同時解放とを行う構成を支持軸2とカム軸4の二本の軸上に設けることを可能とし、従来のように長軸を多数必要とすることなく、従って、ミシン内における糸張力調整機構10の配置スペースを縮小することが可能となる。
また、糸張力解放構造80が糸調子皿22と一体構造をなすので、これらを別部材とする場合と比べて支持軸2を短く設計することができるようになり、ミシン内における糸張力調整機構10の配置スペースをさらに縮小することが可能となる。
また、糸張力調整機構10では、支持軸2への解放操作における回転力を利用して、糸調子皿22を伝達部材50の出力部52側に移動させる解放動作補助手段70を各糸調子器20毎に備えるので、糸解放時には糸調子皿22を解放位置に積極的に移動させることができ、解放操作をより円滑に行うことができる。
(その他)
なお、上記糸張力調整機構10では、糸張力解放構造80を糸調子皿22の背面側に設け、当接部材を糸調子皿22と一体的に形成した場合を例示したが、図5に示すように、糸調子皿22とは別体の当接部材90を設ける構成としても良い。
この場合、糸調子皿22及び押圧バネ23と伝達部材50の出力部52との間に当接部材90を設け、糸調子皿22に替えて当接部材90に中央挿通穴22a及びキー溝22bを設け(図2参照)、当接部材90を支持軸2に沿って移動可能且つ支持軸2と共に回転可能とする。一方、糸調子皿21,22は支持軸2に沿って移動可能であれば足り、支持軸2と共に回転可能とはしなくとも良い。
また、糸張力解放構造80及び解放動作補助手段70の係合突起71を糸調子皿22ではなく、当接部材90に設ける構成とする。
かかる構成の場合も、当接部材を糸調子皿22と一体とした場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
また、伝達部材50は中間位置で支軸53によりミシンフレームに回動可能に支持された天秤構造であったが、例えば、図6に示す伝達部材50Aのように、当該伝達部材50Aを支持軸2(又はカム軸4でもよい)を挿通する挿通穴を設けると共に当該支持軸2(カム軸4)に沿って滑動可能に支持される構造としても良い。この場合、入力部51Aを入力部51とは逆側に設けると共に当該入力部51Aに対向するようにカム部材40を配置すると共にカム部41を逆側の端面に設け、カム部材40の回転切り換え操作により伝達部材50Aが支軸2に沿った直進方向に前後移動して糸張力の切り替えを行う構成としても良い。
なお、かかる伝達部材50Aの場合には、支持軸2(又はカム軸4)の回転操作に伴い回転しないように、支持軸2(又はカム軸4)に対しては回転可能とし、なおかつ、支持軸2(又はカム軸4)との供回りを生じないように、回動を規制する回り止めを設けることが望ましい。
また、上述の糸張力調整機構10では、糸解放時に押圧バネ23を自然長まで伸ばしきってしまう構成としたが、糸調子皿21は糸調子皿22側への移動について、押圧バネ23が伸びきってしまう位置より手前にストッパを設けても良い。かかるストッパの存在により糸解放時の糸調子皿22の移動量を低減することができ、さらには、糸張力解放構造80の当接面81に対する解放部82の落差を低減することができる。
本発明の実施形態たる糸張力調整機構の正面図である。 図1におけるZ−Z線に沿った断面図である。 支持軸を回転させて糸調子器を糸解放状態に切り換えた状態を示す動作説明図である。 解放動作補助手段を図1におけるC方向から見た説明図である。 糸調子皿とは別体の当接部材を加えた糸張力調整機構の他の例を示した正面図である。 伝達部材の他の例を示す正面図である。
符号の説明
2 支持軸
4 カム軸
10 糸張力調整機構
20 糸調子器
21 糸調子皿
22 糸調子皿(当接部材)
23 押圧バネ
40 カム部材
41 カム部
50 伝達部材
51 入力部
52 出力部
70 解放動作補助手段
80 糸張力解放構造
81 当接面
82 解放部

Claims (3)

  1. 同一の支持軸上に設けられ、当該支持軸に沿って互いに圧接するように押圧バネにより一方が他方に押圧された二枚の糸調子皿からなる複数の糸調子器と、
    前記支持軸と平行な同一のカム軸に固定支持されて、前記糸調子器の糸張力を前記カム軸回りの回転により調節する複数のカム部材とを備えるミシンの糸張力調整機構において、
    前記カム部材のカム部の変位に応じて前記カム軸に沿った移動動作が入力される入力部と、前記入力部の移動量に応じて前記支持軸に沿った移動量で移動動作を行う出力部とを有する複数の伝達部材と、
    前記支持軸と共に回転可能且つ当該支持軸に沿って移動可能に支持されると共に、前記押圧バネと前記伝達部材の出力部との間に介在し、当該出力部の移動量に応じて前記押圧バネを圧縮させる複数の当接部材とを備え、
    前記各当接部材は、前記伝達部材の出力部と当接して前記押圧バネに圧縮動作を付与することが可能な当接面と、当該当接面に比して前記押圧バネが伸長する方向に落差を生じている解放部とを備え、
    前記各当接部材は、前記支持軸の回転操作に応じて同時に、対応する前記伝達部材の出力部に対して、前記当接面と解放部とが位置切り換え可能であることを特徴とするミシンの糸張力調整機構。
  2. 前記当接部材の当接面から解放部への切り替えが行われる際に、前記支持軸に加えられる回転力を利用して、前記当接部材を前記伝達部材の出力部側に移動させる解放動作補助手段を複数備えることを特徴とする請求項1記載のミシンの糸張力調整機構。
  3. 前記当接部材と前記糸調子器の一方の糸調子皿とが一体をなすことを特徴とする請求項1又は2記載のミシンの糸張力調整機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012235972A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Aisin Seiki Co Ltd ミシン糸調子装置およびミシン

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