JP2010022311A - 動物による樹木の樹皮剥ぎ防止方法 - Google Patents

動物による樹木の樹皮剥ぎ防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性のある繊維ロープを樹木にくくり付けることにより、長期にわたって樹皮剥ぎ防止効果を維持し、しかも、樹木の生長に合わせて拡径することで、木材としての価値の低下を生じさせることがない動物による樹木の樹皮剥ぎ防止方法を提供する。
【解決手段】樹木1の幹2の外周長よりも長いロープ3を用い、樹木1の幹2の外周に巻き付けた前記ロープ3の一方端部と途中を、この巻き付け部分の拡径を許容する自在結び6で結合し、前記ロープ3の他端側余剰部分を樹木1の幹2の山側外面に垂らした垂下部5とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、杉やヒノキ等の樹木において、熊や鹿等の動物による樹皮剥ぎの被害を未然に防止するための動物による樹木の樹皮剥ぎ防止方法に関する。
熊や鹿等の動物が生息する森林において、これら動物が、杉やヒノキ等の樹木の樹皮を剥がす事態が発生しており、樹皮が剥がされると樹木の成長に弊害が生じると共に、ひどい場合には樹木を枯死させることも有り、熊や鹿等の動物が樹皮を剥ぐ理由は特に解明されていないが、近年森林における樹皮剥ぎによる被害は多くなっている。
従来、樹木にわら繩を巻き付けたり、梱包用のビニールテープを巻き付けておくと、樹皮剥がしの被害が比較的少なくなることが体験的に知られている。
しかしながら、わら繩の巻き付け方法は、わら繩が短期間で劣化し、長期にわたる防止効果を維持することができないという問題がある。
また、ビニールテープの巻き付け方法は、樹木の成長に伴ってビニールテープが切断されないと、樹皮にビニールテープが食い込み、木材としての価値が低下する。
しかも、ビニールテープは、3〜5年程度で風化して脱落し、地表に残ったビニールテープはチエンソーや草刈機の刃に巻き付き、機械を傷めるだけでなく、森林の環境を汚染するという問題がある。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決するため、耐久性のある滑らかでくくり易い繊維ロープを用い、これを樹木にくくり付けることにより、長期にわたって樹皮剥ぎ防止効果を維持し、しかも、樹木の生長に合わせて拡径することで、木材としての価値の低下を生じさせることがない動物による樹木の樹皮剥ぎ防止方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、この発明は、樹木の幹の外周長よりも長いロープを用い、樹木の幹の外周に巻き付けた前記ロープの一方端部と途中を、この巻き付け部分の拡径を許容する自在結びで結合し、前記ロープの他端側余剰部分を幹の外面に垂らすようにする構成を採用したものである。
上記ロープの自在結びを樹木の幹に対して山側に位置させ、このロープの他端側余剰部分を樹木の幹の山側に垂らすようにしたり、上記ロープは、樹木の幹の地面から所定高さの範囲に、上下に間隔を設けて複数巻着するようにしてもよい。
ここで、ロープは、耐久性のある滑らかでくくり易いポリエチレンやポリエステル等の繊維ロープを用い、例えば、ロープ径が3〜12mmで内側から引き出しやすいトワイン巻きにした荷姿になっており、現地への搬入に適した2〜3kg程度の重量になる長さに設定されている。
また、樹木に巻き付けたロープの一方端部と途中を結合する自在結びは、ロープの一方端部をロープの途中に引掛けることで折り返し、この折り返し部をロープの一方端部側の途中に引掛けて下から上に折り返す事で、ロープの途中が貫通する輪をつくり、この輪の中に折り返し部を差し込んで輪を絞ることにより形成され、樹木に巻着した状態でロープの途中は輪に対して長さ方向に移動可能となり、巻着部分は拡径できることになる。
この発明によると、樹木の外周長よりも長いロープを樹木の外周に巻き付け、前記ロープの他端側余剰部分を樹木の外面に垂らすようにしたので、樹木に巻き付いたロープとその垂れ下がり部分の存在により、熊や鹿はこの樹木に近づくのを嫌い、従って、熊や鹿による樹木の樹皮剥ぎ発生を有効に防止することができる。
また、ロープはその材質を選ぶことによって耐久性に優れたものとなり、そのままで長期にわたって樹皮剥ぎ発生の防止機能を維持することができ、しかも、ロープの一方端部と途中を自在結びで結合してあるので、樹木に巻き付けたロープの拡径が自在となり、樹木の成長により径が太くなっても樹木に傷を付けることがなく、木材としての価値を低下させることがない。
更に、ロープは耐久性に優れ、樹木から脱落することがないので、森林の環境を汚染することがない。
以下、この発明の実施の形態を図示例に基づいて説明する。
図1のように、この発明の動物による樹木の樹皮剥ぎ防止方法は、樹木1の幹2の外周長よりも長いロープ3を用い、樹木2に対して山側に立ち、このロープ3を樹木1の幹2に対して谷側から巻き、樹木1に対して山側でロープ3の一方端部と途中を結び、ロープ3を、輪状の巻着部4と、他端側余剰部分を樹木1の山側外面に垂らした垂下部5とすることによって実施される。
上記ロープ3は、耐久性のある滑らかでくくり易いポリエチレンやポリエステルからなる、3本縒り、8本縒り、もしくはブレード打ち等の繊維ロープを用い、例えば、ロープ径が3〜12mmで内側から引き出しやすいトワイン巻きにした荷姿になっており、現地への搬入や取り扱いに適した2〜3kg程度の重量になる長さに設定されている。
上記ロープ3の一方端部と途中を結ぶために、樹木1の幹2への輪状の巻着部4には、拡径を許容する自在結び6が採用されている。
この自在結び6は、図2に示すように、樹木1の幹2に巻き付けたロープ3の一方端部3aをロープ3の途中3bに引掛けることで折り返し、この折り返し部分を一方端部3aの途中に引掛けて下から上に折り返すことで、ロープ3の途中3bが貫通する輪6aをつくり、この輪6aの中に折り返し部分を差し込んで輪6aを絞ることにより形成され、ロープ3の樹木1の幹2へ輪状に巻着した巻着部4が保持され、図2の矢印のように、輪状の巻着部4におけるロープの途中3bは輪6aに対して長さ方向に移動可能となり、従って、樹木1の生長により幹2が太くなると、これに追従してロープ3の巻着部4は拡径できることになる。
上記樹木1の幹2に対するロープ3の巻き付けは、地面から所定高さHの範囲に、上下に間隔hを設けて複数巻着するようにするものであり、例えば、地面から1.2m〜1.5mの高さの範囲に、30cm〜40cmの間隔で上下複数箇所に巻き付ける。
この場合、各巻き付けロープ3の樹木の山側外面に垂らす垂下部5の長さは、下位巻き付けロープ3の巻着部4に達しない程度の長さに設定すればよい。
この発明の熊や鹿による樹木の樹皮剥ぎ防止方法は、上記のような構成であり、熊や鹿が生息する森林において、これら熊や鹿による樹木の樹皮剥ぎ被害を防止するため、杉やヒノキ等の樹木1の幹2に対して、地面から所定高さの範囲で上下複数箇所の位置に、ロープ3を巻着して取付ける。
このようなロープ3の巻着は、間伐作業と同時期に作業が可能であり、ロープ3の耐用年数は例えば10年程度あり、しかも、作業が簡単でコスト的にも低価である。
ロープ3は、図1のように、樹木に対して山側に立ち、このロープ3を樹木1の幹2に対して谷側から巻き、樹木1に対して山側でロープ3の一方端部と途中を自在結び6によって結び、ロープ3の他端側余剰部分を樹木1の山側外面に垂らして垂下部5とする。
上記のように、樹木1の幹2に対して上下複数箇所にロープ3が巻き付き、各巻着部4から、熊や鹿の習性による樹木1の樹皮剥ぎ被害の発生が多い山側外面に垂下部5が垂れていると、山側から降りてきて樹皮剥ぎを行なおうとする熊や鹿は、これを見て樹木1に近づくのを嫌い、また、前記垂下部5は風を受けた場合に揺れ動くこともあるので、離れた位置からでも熊や鹿の目につきやすくなり、樹皮剥ぎ被害の発生を効果的に防ぐことができる。
また、樹木1の幹2に対して輪状に巻着したロープ3は、拡径が自由になっているので、樹木1の生長により幹2が太くなってもこれに追従し、幹2に傷を生じさせないので木材としての価値を低下させることがない。
この発明の動物による樹木の樹皮剥ぎ防止方法を実施した状態の樹木の側面図 樹木に巻着するロープの自在結びを示す斜視図
符号の説明
1 樹木
2 幹
3 ロープ
4 巻着部
5 垂下部
6 自在結び

Claims (3)

  1. 樹木の幹の外周長よりも長いロープを用い、樹木の幹の外周に巻き付けた前記ロープの一方端部と途中を、この巻き付け部分の拡径を許容する自在結びで結合し、前記ロープの他端側余剰部分を幹の外面に垂らすようにする動物による樹木の樹皮剥ぎ防止方法。
  2. 上記ロープの自在結びを樹木の幹に対して山側に位置させ、このロープの他端側余剰部分を樹木の幹の山側に垂らすようにする請求項1に記載の動物による樹木の樹皮剥ぎ防止方法。
  3. 上記ロープは、樹木の幹の地面から所定高さの範囲に、上下に間隔を設けて複数巻着する請求項1又は2に記載の動物による樹木の樹皮剥ぎ防止方法。
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JP2012019716A (ja) * 2010-07-13 2012-02-02 Sekisui Jushi Co Ltd 樹木の根元保護具及び樹木の根元保護方法
CN106962076A (zh) * 2017-01-19 2017-07-21 浙江建设职业技术学院 树干绕绳设备及其使用方法

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