JP2010021908A - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整を行う場合であっても処理に時間がかかることなく、かつ、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整を適切に行えるようにする。
【解決手段】第1WB回路1041によりホワイトバランス調整されたRawデータから、デモザイク回路1042により、3原色データを形成し、これをバッファメモリ1043に一時記憶する。操作部121を通じて受け付けたユーザーからの指示入力(調整指示)に応じたホワイトバランス調整を行う場合には、バッファメモリ1043に一時記憶したデモザイク処理された3原色データに対してホワイトバランス調整を行う。
【選択図】図1
【解決手段】第1WB回路1041によりホワイトバランス調整されたRawデータから、デモザイク回路1042により、3原色データを形成し、これをバッファメモリ1043に一時記憶する。操作部121を通じて受け付けたユーザーからの指示入力(調整指示)に応じたホワイトバランス調整を行う場合には、バッファメモリ1043に一時記憶したデモザイク処理された3原色データに対してホワイトバランス調整を行う。
【選択図】図1
Description
この発明は、デモザイク処理(同時化処理)される前の未現像の画像データであるRawデータを処理することが可能な装置、当該装置で用いられる方法、プログラムに関する。
撮像素子から出力されたそのままの信号であるいわゆるRawデータ(Raw画像データ)を、例えばパーソナルコンピュータなどのRaw現像装置によってユーザーが現像調整を行いながら現像するRaw現像がその利便性から近年注目を集めている。
Raw現像装置においては、例えば、図12に示すように、Rawデータと、当該Rawデータを所定の範囲毎に検波(積分解析)することにより得られるパラメータとがWB(White Balance)回路1に供給される。
そして、Rawデータは、WB回路1において、撮影時の光源に左右されることなく、元々の白い画像部分は白い画像部分として表現できるように、検波により得られたパラメータに応じて色のバランスの調整がなされた後、デモザイク処理部2に供給される。
デモザイク処理部2では、これに供給されたRawデータから、画素毎にR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の3原色データを形成する。すなわち、Rawデータは、撮像素子の色フィルタに応じて画素毎にR(赤)、G(緑)、B(青)の1色のデータが割り当てられた状態の未現像のデータである。
このため、デモザイク処理部2において、デモザイク処理を行うことによって、画素毎に不足している色の色信号(原色信号)を補い、画像を適切に形成するための3原色信号を形成している。
そして、デモザイク処理部2において形成された3原色信号は、解像度変換部3において、記録や再生に適した解像度に変換され、YC信号(輝度信号(Y)と色差信号(Cb、、Cr))に変換された後、圧縮処理部4に供給される。
圧縮処理部4は、これに供給されたYC信号を表示処理部5に供給すると共に、当該YC信号を所定のデータ圧縮方式にしたがってデータ圧縮することによって、記録用画像データを形成し、これを記録媒体に記録することができるようにしている。
一方、圧縮処理部4からデータ圧縮前のYC信号の供給を受けた表示処理部5は、当該YC信号から表示部6の表示画面に画像を表示する表示用の画像信号を形成し、これを表示部6に供給する。
これにより、表示部6の表示画面には、供給されたRawデータを現像処理することにより形成した画像データに応じた画像が表示される。
そして、Raw現像処理においては、ユーザーは様々な現像パラメータをRaw現像装置に指定することによって、その現像パラメータに対応した結果画像を得ることができる。しかし、Raw現像処理においては、ユーザーは現像パラメータの追い込み作業を繰り返し行うことによって、目的や好みに合った画像を形成する。
このため、例えば、ホワイトバランスを調整しようとすれば、図12を用いて説明したように、WB調整回路1〜表示部6までの各部における処理が繰り返し行われることになる。
すなわち、図13に示すように、Rawデータの現像処理を行う場合には、まず、現像対象のRawデータに対してホワイトバランス処理を実行する(ステップS1)。そして、ホワイトバランス処理後のRawデータに対して、デモザイク処理等を行い(ステップS2)、デモザイク処理等がされた画像データに応じた画像を表示する(ステップS3)。
この後、表示された画像を確認したユーザーから、例えば、ホワイトバランスに関する調整指示を受け付ける(ステップS4)。そして、ホワイトバランスに関する調整指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS5)。
ステップS5の判断処理において、調整指示を受け付けたと判断した場合には、ステップS1からの処理を繰り返すようにし、受け付けた調整指示に応じたホワイトバランス処理を行って、処理後の画像を再表示する。
ステップS5の判断処理において、調整指示を受け付けていないと判断した場合には、終了指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS6)。ステップS6の判断処理において、終了指示を受け付けていないと判断したときには、ステップS4からの処理を繰り返し、ユーザーから調整指示を受け付ける。
また、ステップS6の判断処理において、終了指示を受け付けたと判断したときには、ユーザーの調整指示に応じてホワイトバランス処理され、デモザイク処理等がされて形成された画像データを圧縮処理して記録媒体に記録する(ステップS7)。そして、Rawデータの現像処理が終了する。
このように、現像処理された画像データによる画像に対して、再度調整を施すためには、また始めから一連の現像処理を行わなければならず、処理の負荷が大きく、また、処理に時間もかかっていた。
このため、Rawデータの現像処理の高速化を目的として、後に記す特許文献1には、中間現像画像を持つようにするものが提案されている。この手法は、例えば、現像処理が、工程1〜工程3の3つの工程からなっている場合に、Raw画像データRdに対して工程1、工程2からなるステージ1の処理が終了した段階の途中結果画像を中間現像画像Cdとして保持するようにし、工程3からなるステージ2を実行し、結果画像Ddを形成した後においても(現像完了後においても)、中間現像画像Cdを保持しておくようにする。
そして、次回のユーザー指定現像パラメータがその中間現像画像を生成する上で必要なパラメータと差分がない場合に、すなわち、ステージ1の工程1と工程2とを実行する必要がない場合に、中間現像画像Cdを用いてステージ2の工程3だけをパラメータを変えて実行し、繰り返し現像を行えるようにすることにより現像処理の高速化を実現しようとするものである。これによってユーザーが中間現像画像以降の現像処理に対する現像パラメータの変更に対しては、高いパフォーマンスを提供することができる。
なお、上述した特許文献1は、以下に示す通りである。
特開2005−341551号公報
ところで、ユーザーは状況に応じて様々な現像パラメータを調整するが、一般的に調整する頻度が高いとされているのがホワイトバランス調整である。通常、ホワイトバランス調整はRawデータに対して直接行われる処理である。
例えば、デモザイク処理では、Rawデータに対して適切なホワイトバランス調整が行われていないと、適切な色を再生できるように、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色信号を適切に得ることができなくなってしまう。そこで、図12、図13を用いて説明したように、従来からホワイトバランス調整は、デモザイク処理される前のRawデータに対して行うようにされている。
したがって、特許文献1に記載の技術のように、中間現像画像を保持するようにしても、ホワイトバランス調整を行う場合には、結局、デモザイク処理をも含めた一連の現像処理の全部を繰り返し行う必要が生じる。
このため、Rawデータを現像処理する場合であって、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整を繰り返し行う場合にも、現像処理の高速化を実現することが望まれている。
また、ホワイトバランス調整には、現像処理された画像の目的とする部分(画像エリア)がグレーになるように、画像全体のホワイトバランスを調整するいわゆるグレー点補正も含まれる。
当該グレー点補正を行う場合には、目的とする画像エリア内を検波して、R(赤)信号、B(青)信号の調整量を特定する処理を行わなければならない。このため、グレー点補正を行う場合にも、処理の高速化を実現すると共に、より自然で適切なホワイトバランス調整を行えるようにすることが望まれている。
以上のことに鑑み、この発明は、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整を行う場合であっても処理に時間がかかることなく、かつ、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整を適切に行えることを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像処理装置は、
未現像状態の画像データであるRawデータに対して、当該Rawデータを検波することにより得られたパラメータに基づいて、ホワイトバランス調整を行う第1の調整手段と、
前記第1の調整手段によりホワイトバランスが調整されたRawデータから、画像を形成する画素毎に、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色データを形成するデモザイク処理手段と、
前記デモザイク処理手段により形成された3原色データを一時記憶する一時記憶手段と、
ユーザーからのホワイトバランス調整に関する指示入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段を通じて、ホワイトバランス調整に関する前記指示入力を受け付けた場合に、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データに対して、前記指示入力に応じたホワイトバランス調整を行う第2の調整手段と
を備えたものである。
未現像状態の画像データであるRawデータに対して、当該Rawデータを検波することにより得られたパラメータに基づいて、ホワイトバランス調整を行う第1の調整手段と、
前記第1の調整手段によりホワイトバランスが調整されたRawデータから、画像を形成する画素毎に、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色データを形成するデモザイク処理手段と、
前記デモザイク処理手段により形成された3原色データを一時記憶する一時記憶手段と、
ユーザーからのホワイトバランス調整に関する指示入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段を通じて、ホワイトバランス調整に関する前記指示入力を受け付けた場合に、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データに対して、前記指示入力に応じたホワイトバランス調整を行う第2の調整手段と
を備えたものである。
この請求項1に記載の発明の画像処理装置によれば、第1の調整手段によりホワイトバランス調整されたRawデータから、デモザイク処理手段により、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色データが形成され、この3原色データが一時記憶手段に記憶保持される。
そして、受付手段を通じて受け付けたユーザーからの指示入力に応じたホワイトバランス調整を行う場合には、一時記憶手段に記憶保持された3原色データに対して、ホワイトバランス調整が行われる。
これにより、ユーザーからの指示入力に応じてホワイトバランス調整を繰り返し行う場合であっても、第1の調整手段によるホワイトバランス調整とデモザイク処理手段によるデモザイク処理とを繰り返し行うことはないので、処理に時間がかかることなく、かつ、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整を適切に行うことができるようにされる。
また、請求項2に記載の発明の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記デモザイク処理手段により形成された前記3原色データに応じた画像を表示する表示手段を備え、
前記第2の調整手段は、
前記受付手段を通じて、前記表示手段に表示された画像上において、目的とするエリアの指示入力を受け付けた場合に、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データの当該エリア内の3原色データを検波し、R(赤)原色データとB(青)原色データの調整量を算出する調整量算出手段と、
前記調整量算出手段により算出されたR(赤)原色データとB(青)原色データの調整量に基づいて、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データに対してグレー点補正を行うグレー点補正手段と
を備える。
前記デモザイク処理手段により形成された前記3原色データに応じた画像を表示する表示手段を備え、
前記第2の調整手段は、
前記受付手段を通じて、前記表示手段に表示された画像上において、目的とするエリアの指示入力を受け付けた場合に、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データの当該エリア内の3原色データを検波し、R(赤)原色データとB(青)原色データの調整量を算出する調整量算出手段と、
前記調整量算出手段により算出されたR(赤)原色データとB(青)原色データの調整量に基づいて、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データに対してグレー点補正を行うグレー点補正手段と
を備える。
この請求項2に記載の画像処理装置によれば、第2の調整手段は、調整量算出手段とグレー点補正手段とを備えたものであり、ユーザーの指示に応じてグレー点補正することができるものである。
これにより、ユーザーの指示に応じてグレー点補正する場合であっても、第1の調整手段によるホワイトバランス調整やデモザイク処理手段によるデモザイク処理を繰り返し行うことはないので、処理に時間がかかることなく、かつ、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整の1つであるグレー点補正を適切に行うことができるようにされる。
また、請求項3に記載の発明の画像処理装置は、請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記調整量算出手段は、輝度が最小値(0%)の時と、輝度が最大値(100%)の時には、R(赤)原色データとB(青)原色データの前記調整量を値「1」とし、グレー点補正を行わないものである。
前記調整量算出手段は、輝度が最小値(0%)の時と、輝度が最大値(100%)の時には、R(赤)原色データとB(青)原色データの前記調整量を値「1」とし、グレー点補正を行わないものである。
この請求項3に記載の発明の画像処理装置によれば、輝度が最小値(0%)の時(全黒時)と、輝度が最大値(100%)の時(全白時)には、R(赤)原色データとB(青)原色データの調整を行わないようにして、グレー点補正をしないようにする。
これにより、不必要なホワイトバランス調整を行わないようにして、全黒および全白が変化することを防止し、低輝度時および高輝度時の不具合を解消することができるようにされる。
また、ユーザーの指示に応じてグレー点補正する場合であっても、第1の調整手段によるホワイトバランス調整やデモザイク処理手段によるデモザイク処理を繰り返し行うことはないので、処理に時間がかかることなく、かつ、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整の1つであるグレー点補正をより適切に行うことができるようにされる。
また、請求項4に記載の発明の画像処理装置は、請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記調整量算出手段は、輝度が最小値(0%)〜第1の値までの区間と、輝度が前記第1の値より大きな第2の値〜最大値(100%)までの区間においては、R(赤)原色データとB(青)原色データの前記調整量を、輝度に応じた値にするものである。
前記調整量算出手段は、輝度が最小値(0%)〜第1の値までの区間と、輝度が前記第1の値より大きな第2の値〜最大値(100%)までの区間においては、R(赤)原色データとB(青)原色データの前記調整量を、輝度に応じた値にするものである。
この請求項4に記載の発明の画像処理装置によれば、輝度が最小値(0%)から明るくなる方向に一定区間(輝度が最小値(0%)〜第1の値までの区間)と、輝度が最大値から暗くなる方向に一定区間(第2の値〜最大値(100%)までの区間)においては、輝度に応じて、R(赤)原色データとB(青)原色データの調整量が調整される。
これにより、所定の低輝度区間と所定の高輝度区間とにおいては、輝度に応じてR(赤)原色データとB(青)原色データの調整量が調整されるので、所定の低輝度区間と所定の高輝度区間とにおいてもより適切にグレー点補正することができるようにされる。
したがって、ユーザーの指示に応じてグレー点補正する場合であっても、第1の調整手段によるホワイトバランス調整やデモザイク処理手段によるデモザイク処理を繰り返し行うことはないので、処理に時間がかかることなく、かつ、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整の1つであるグレー点補正をより適切に行うことができるようにされる。
ユーザーの指示に応じてホワイトバランス調整を繰り返し行う場合であっても、処理に時間がかかることなく、かつ、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整を適切に行うことができる。
以下、図を参照しながら、この発明による装置、方法、プログラムの一実施の形態について説明する。この発明は、被写体の画像を撮影する撮像装置や、Rawデータの現像機能を備えた画像表示装置などの種々の画像処理装置に適用可能なものである。
以下においては、まず、この発明をデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置に適用した場合を例にして説明する。この後、この発明を画像表示装置に適用した場合についても説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、この発明の一実施の形態が適用された第1の実施の形態の撮像装置100の構成例を説明するためのブロック図である。
図1は、この発明の一実施の形態が適用された第1の実施の形態の撮像装置100の構成例を説明するためのブロック図である。
図1に示すように、第1の実施の形態の撮像装置100は、撮像素子部101、前処理回路102、検波回路103、画像処理部104、解像度変換部105、圧縮処理部106、表示処理部107、表示部108を備えている。
画像処理部104は、詳しくは後述するが、第1ホワイトバランス回路(以下、第1WB回路と略称する。)1041、デモザイク回路1042、バッファメモリ1043、第2ホワイトバランス回路(以下、第2WB回路と略称する。)1044からなっている。
また、撮像装置100は、制御部110、操作部121、縮小Raw画像生成部122、Raw画像ファイル生成部123、伸張処理部124、記録/再生部125、記録媒体126、外部インターフェース(以下、外部I/Fと略称する。)127、入出力端子128を備えている。
制御部110は、この第1の実施の形態の撮像装置100の各部を制御するものである。制御部110は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、不揮発性メモリ114がCPUバス115を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU111は、後述するROM112に記憶保持されている種々のプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成して出力したり、各部から送信されてくるデータを処理したりする。
ROM112は、上述したように、CPU111によって実行される種々のプログラムや、処理に必要になる種々のデータを記憶保持するものである。RAM113は、種々の処理において、主に作業領域として用いられるものである。
また、不揮発性メモリ114は、電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、ユーザーが設定した種々のパラメータや機能追加のために新たに提供されたプログラムなどを記憶保持するものである。なお、不揮発性メモリ114としては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリなどが用いられる。
また、制御部110に接続された操作部121は、シャッターキーやメニューキー、その他の種々の調整キーや設定キーを備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換し、制御部110に供給することができるものである。
これにより、制御部110は、操作部121を通じて受け付けたユーザーからの操作入力に応じて各部を制御し、ユーザーの操作入力に応じた処理を行うことができるようにしている。
次に、この第1の実施の形態の撮像装置100の動作について説明する。撮像素子部101は、図示しないが、光学ブロックや撮像素子、これらのドライブ回路を備えたものである。
ここで、光学ブロックは、レンズ、フォーカス機構、シャッター機構、絞り機構などからなり、被写体の画像を撮像素子の結像面に対して適切に結像させるようにする部分である。また、撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどである。
そして、撮像素子部101は、制御部110の制御に応じて被写体の画像を取り込んで、これを撮像素子に対して供給し、当該撮像素子の結像面に画像を結像させる。撮像素子は、自己の結像面に結像された画像(光の像)を光電変換して出力するものである。すなわち、撮像素子は、制御部110の制御に応じたタイミングで被写体の画像を電気信号として取り込んで、これを前処理回路102に供給する。
前処理回路102は、これに供給された電気信号の画像情報に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理を行って、S/N比を良好に保つようにするとともに、AGC(Automatic Gain Control)処理を行って、利得を制御する。
そして、前処理回路102は、利得制御後の画像情報をA/D(Analog/Digital)変換して、デジタル信号とされたRawデータを形成する。このRawデータは、検波回路103に供給される。
このように、Rawデータ(Raw画像データ)は、撮像装置の撮像素子から得られた電気信号である被写体の画像情報をデジタル化したものであり、現像処理前の未現像の状態の画像データを意味する。
なお、現像処理は、後述もするが、Rawデータに対して、ホワイトバランス調整処理、デモザイク処理などの一連の画像処理を行って、画素毎に3原色信号であるR(赤)、G(緑)、B(青)の3チャンネルの濃淡レベルを持つフレーム画像データを形成するものである。そして、現像処理を行うことによって、Rawデータから最終的にユーザーが視認可能な画像を再現できる画像データが形成される。
次に、検波回路103は、これに供給されたRawデータに基づいて、露出調整のためのパラメータやホワイトバランス調整のためのパラメータなど、後段で行う種々の画像処理のための現像パラメータの集まり(現像パラメータ群)Pmを生成する。
そして、検波回路103は、生成した現像パラメータ群PmとRawデータとを、画像処理部104の第1WB回路1041と制御部110とに供給する。なお、検波回路103で生成された現像パラメータ群Pmと、撮像素子部101を通じて取り込まれた被写体画像のRawデータとを、制御部110を通じて第1WB回路1041に供給するように構成することも可能である。
第1WB回路1041は、供給されたRawデータに対して、供給された現像パラメータ群Pmを用いたホワイトバランス調整を実行する。これにより、デモザイク処理を高品位に行うことが可能なようにホワイトバランス調整されたRawデータが形成される。
このように、第1WB回路1041は、Rawデータに対して、Rawデータを検波することにより得たパラメータに応じたホワイトバランス調整、すなわち、撮影時の状態に応じたホワイトバランス調整を行うものである。
そして、第1WB回路1041において撮影時の状態に応じたホワイトバランス調整されたRawデータは、デモザイク回路1042に供給される。
デモザイク回路1042は、撮像素子で用いられている色フィルタに応じて、画素毎に1色の色データ(色信号)からなるRawデータから、画素毎に必要となる色信号の全部、すなわち、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色データ(3原色信号)を形成する処理を行う。
なお、以下において、R(赤)原色信号はR(赤)信号あるいはR(赤)データと記載する。同様に、G(緑)原色信号はG(緑)信号あるいはG(緑)データと記載し、B(青)原色信号はB(青)信号あるいはB(青)データと記載する。
デモザイク回路1042で形成された3原色データは、画像処理部104内のバッファメモリ1043に供給されて一時記憶されるとともに、第2WB回路1044にも供給される。
第2WB回路1044は、操作部121を介して入力され、制御部110を通じて供給されるユーザーからのホワイトバランスについての調整指示に基づいて、デモザイク回路1042で形成された3原色データに対してホワイトバランス調整を行う。
このように、第2WB回路1044は、デモザイク回路1042で形成された3原色データに対して、ユーザーからの調整指示に応じたホワイトバランス調整を行うものである。
なお、詳しくは後述するが、撮像装置100においては、操作部121を通じて繰り返しユーザーからの調整指示を受け付けることができるようにしている。この場合、第2WB回路104は、ユーザーからの調整指示に応じて、バッファメモリ1043の3原色データに対して、繰り返しホワイトバランス調整を施すことができるようにしている。
そして、第2WB回路1044において処理された3原色データは、解像度変換部105に供給される。解像度変換部105は、これに供給された3原色データに対して、アパーチャ補正処理、ガンマ(γ)補正処理、輝度データ(Y)と色データ(Cb、Cr)への変換処理(Y/C変換処理)、色収差補正処理、解像度変換処理を行う。
解像度変換部105において、所定の解像度とされた輝度データ(Y)と色データ(Cb、Cr)とは、圧縮処理部106に供給される。圧縮処理部106は、これに供給された輝度データ(Y)と色データ(Cb、Cr)とを表示処理部107に供給する。
また、圧縮処理部106は、当該輝度データ(Y)と色データ(Cb、Cr)とを所定のデータ圧縮方式にしたがってデータ圧縮することにより、記録用画像データS1を形成して制御部110に供給する。
表示処理部107は、圧縮処理部106を介して供給された解像度変換部105からの輝度データ(Y)と色データ(Cb、Cr)とから、表示部108の表示画面に画像を表示するための画像信号を形成し、これを表示部108に供給する。
表示部108は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELパネル(Organic Electroluminescence Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)などの表示素子を備え、表示処理部107からの画像信号の供給を受けて、これに応じた画像を自己の表示素子の表示画面に表示する。
また、上述したように、検波回路からのRawデータと現像パラメータ群Pmとは、制御部110に供給される。これらRawデータと現像パラメータ群Pmとは、制御部110を通じてRaw画像ファイル生成部123に供給される。さらに、当該Raw画像ファイル生成部123には、制御部110の例えば不揮発性メモリ114などに記憶保持されている撮影時に用いた種々のパラメータも供給される。
また、検波回路103からのRawデータは縮小Raw画像生成部122にも供給される。縮小Raw画像生成部122は、これに供給されたRawデータを間引き処理するなどして、縮小画像サイズ(いわゆるサムネイルサイズ)の画像を形成する縮小RawデータSnを形成し、出力する。縮小Raw画像生成部122において形成された縮小RawデータSnは、Raw画像ファイル生成部123に供給される。
これにより、Raw画像ファイル生成部123には、検波回路103からのRawデータと現像パラメータ群Pm、撮影時の種々のパラメータ、縮小Raw画像生成部122で形成された縮小Rawデータが供給される。そして、Raw画像ファイル生成部123は、供給された種々のデータを用いて、記録用のRawファイルR−fを形成する。
図2は、Raw画像ファイル生成部123において形成されるRawファイルR−fのレイアウトの一例を説明するための図である。図2に示すように、この例のRawファイルR−fは、メイン画像IFD(Image File Directory)、カメラ撮影情報、IFD1などからなるメイン画像についてのIFD情報を有する。
また、サムネイル画像データであるセット再生用JPEG(Join Photographic Experts Group)データと、機種情報や暗号化などのオリジナルフォーマット仕様などからなる平文部メーカーノートIFD情報とを有する。
また、カメラ制御モードなどExif(Exchangeable Image File Format)に規定されていない必要情報からなるメーカーノートIFD情報を有する。
さらに、撮影時に用いた種々のパラメータとして、撮影時を再現する画像処理に必要な種々のパラメータからなるパラメータテーブルを有している。また、撮影時の合焦位置情報、撮影時の背景位置情報、撮影時の顔位置情報、撮影時の逆光位置情報、撮影時の飽和位置情報、撮影時の光軸中心位置情報などの情報を有する。
そして、子画像用のIDF情報、縮小Rawデータを有するとともに、メインの画像情報であるRawデータを有する構成となっている。この図2に示したレイアウトのRawファイルR−fが、Raw画像ファイル生成部123において形成され、これが記録/再生部125に供給される。
なお、図2に示したRawファイルのレイアウトは一例であり、この他にもさらに詳細な情報を持たせるようにするなどのことももちろん可能である。
そして、記録/再生部125には、上述したように、Raw画像ファイル生成部123で形成された記録用のRawファイルR−fや、圧縮処理部106でデータ圧縮された記録用の画像データS1が供給される。
記録/再生部125は、制御部110の制御に応じて、記録用のRawファイルR−fや記録用の画像データS1を記録媒体126に記録する。記録媒体126は、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、MD(Mini Disc(登録商標))等の光磁気ディスク、半導体メモリを用いたいわゆるメモリカードなどである。
なお、これらの各種の記録媒体には、対応するドライブ回路を介して、種々のデータが記録される。しかし、図1においては説明を簡単にするため、記録媒体のドライブ回路については省略した。また、この第1の実施の形態の撮像装置100において、記録媒体126は、例えば、メモリカードである。
また、記録/再生部125は、制御部110の制御に応じて、記録媒体126に記録されている記録用の画像データS1を読み出すこともできる。記録/再生部125により記録媒体126から読み出された画像データS1は、伸張処理部124に供給される。
伸張処理部124は、供給されたデータ圧縮されている記録用データS1を伸張処理することによりデータ圧縮前の画像データSを復元し、これを制御部110を通じて表示処理部107に供給する。これにより、記録媒体126に記憶保持されているデータ圧縮された画像データS1に応じた画像を、表示部108の表示画面に表示することができる。
また、記録/再生部125は、制御部110の制御に応じて、記録媒体126に記録されている記録用のRawファイルR−fを読み出すこともできる。記録/再生部125により記録媒体126から読み出されたRawファイルR−fは、RAM113が作業領域として用いられ、制御部110において各データが分離されて、そのそれぞれを利用することができるようにされる。
そして、Rawデータと現像パラメータ群Pmとは、制御部110から画像処理部104の第1WB回路1041に供給される。これにより、上述もしたように、第1WB回路1041、デモザイク回路1042、第2WB回路1044、解像度変換部105により一連の現像処理が行われる。
この後、現像処理後の輝度データ(Y)、色データ(Cb、Cr)は、圧縮処理部106を介して表示処理部107に供給され、読み出されたRawデータによる画像が、表示部108の表示素子の表示画面に表示される。これにより、記録媒体126に記憶保持されているRawデータに応じた画像を、表示部108の表示画面に表示することができる。
また、この第1の実施の形態の撮像装置100は、入出力端子128を通じて、例えばパーソナルコンピュータなどの外部機器に接続することができるようになっている。そして、制御部110の制御により、記録媒体126に記録されているRawデータ等を外部I/F127、入出力端子を介して、外部機器に送信して外部機器の記録媒体にバックアップしたりすることができるようになっている。
また、外部機器からのデータやプログラムの提供を入出力端子128、外部I/F127を通じて制御部110が受け付けて、これを記録/再生部125を介して記録媒体126に記録したり、不揮発性メモリ114に記録したりすることができるようになっている。
このように、この第1の実施の形態の撮像装置100は、撮像素子部101を通じて取り込んだ被写体の画像を表示部108の表示画面に表示して確認しながら撮影を行うことができるものである。
そして、この第1の実施の形態の撮像装置100は、操作部121のシャッターキーの押下タイミングで取り込んだ被写体の画像について、現像処理前のRawデータとして記録媒体に記録することができるものである。
また、この第1の実施の形態の撮像装置100は、Rawデータとともに、現像処理後の画像データであって、所定の方式でデータ圧縮された画像データをも記録媒体に記録することができるものである。
そして、上述したように、この実施の形態の撮像装置100は、記録媒体126に記録されたRawデータを読み出して、現像処理を施し、現像処理後の画像データに応じた画像を表示部108の表示画面に表示することができる。
この場合、ユーザーは、表示画像を確認しながら、繰り返しホワイトバランス調整を行うことができる。しかし、撮像装置100において、撮影時のパラメータに応じたホワイトバランス調整やデモザイク処理が繰り返し行われることは無い。
すなわち、撮像装置100においては、デモザイク処理されて形成された3原色データがバッファメモリ1043に記憶保持されている。このバッファメモリに記憶保持されている3原色データに対して、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整を繰り返し行うことにより、第1WB回路1041、デモザイク回路1042の処理を省略することができるようにしている。
[ユーザー指示に応じたホワイトバランス調整処理]
このように、撮影することにより得たRawデータを現像処理して表示するとともに、ユーザーからの調整指示に応じてホワイトバランス調整を繰り返し行う場合について説明する。
このように、撮影することにより得たRawデータを現像処理して表示するとともに、ユーザーからの調整指示に応じてホワイトバランス調整を繰り返し行う場合について説明する。
操作部121を通じてユーザーが所定の操作を行うことにより、Rawファイルに格納されているセット再生用JPEGデータによるサムネイル画像の一覧表示を行うことができるようにされる。もちろん、Rawファイルに格納されている縮小Rawデータを現像処理して、サムネイル画像の一覧表示を行うようにすることもできる。
そして、ユーザーが、操作部121を通じて、当該サムネイル画像の一覧表示の中から、目的とする画像を選択すると、当該サムネイルを形成したJPEGデータを含むRawファイルが記録媒体126から読み出される。
読み出されたRawファイルは、RAM113に一時記憶され、各データに分離された後、Rawデータと現像パラメータ群Pmなどの必要なデータが抽出され、これらが画像処理部104の第1WB回路1041に供給される。
そして、上述したように、第1WB回路1041〜解像度変換部105の機能により現像処理された後の画像データから表示処理部107により表示用の画像信号が形成される。この表示用の画像信号が表示部108に供給されて、読み出された当該Rawデータによる画像が表示部108の表示画面に表示される。
この後、ユーザーは、操作部121を通じホワイトバランス調整を行うようにするための所定の操作を行うと、制御部110は、ホワイトバランス調整用の表示を表示部108の表示画面に表示する。
すなわち、制御部110は、表示処理部107に必要な表示情報を供給するとともに、表示処理部107を制御して、ホワイトバランス調整用の表示を表示部107の表示画面
に表示する。
に表示する。
図3は、この第1の実施の形態の撮像装置100において、ユーザー指示に応じたホワイトバランス調整を行う場合の調整画面の一例について説明するための図である。この第1の実施の形態の撮像装置100の場合には、表示されている画像に対して、色温度の調整バー81と調整スライダ81S、演色性の調整バー82と調整スライダ82S、エリア指定アイコン84、グレー点アイコン84が表示される。
そして、操作部121の例えば上矢印キーと下矢印キーとを用いることによって、画面上に表示された色温度、演色性、エリア指定の内のいずれかを選択することができるようにしている。そして、決定キーを押下操作することにより、調整対象を決定することができる。
そして、色温度の調整を選択して決定した場合には、左右の矢印キーを用いて、色温度の調整バー81上において調整スライダ81Sを左右に移動させることにより、表示されている画像に対して色温度の調整を行うことができる。
この場合、操作部121を通じて入力された調整指示は、制御部110を通じて第2WB回路1044に供給される。そして、第2WB回路1044は、バッファメモリ1043に記憶保持されているデモザイク処理済みの画像データ(3原色データ)に対して、ユーザーからの調整指示に応じて色温度の調整を行う。
色温度の調整後の画像データは、上述もしたように、解像度変換部105で処理された後、圧縮処理部106を介して表示処理部107に供給され、ここで表示用の画像信号にされて表示部108に供給される。これにより、ユーザーの指示に応じて色温度が調整された画像が表示部108の表示画面に表示される。
そして、色温度の調整指示を繰り返し行うことにより、表示されている画像について、バッファメモリ1043の画像データを用いて繰り返し、色温度の調整を行うことができるようにされる。
同様に、演色性の調整を選択して決定すると、左右の矢印キーを用いて、演色性の調整バー82上において調整スライダ82Sを左右に移動させることにより、表示されている画像に対して演色性の調整を行うことができるようにされる。
この場合にも、操作部121を通じて入力された調整指示は、制御部110を通じて第2WB回路1044に供給される。そして、第2WB回路1044は、バッファメモリ1043に記憶保持されているデモザイク処理済みの画像データに対して、ユーザーからの調整指示に応じて演色性の調整を行う。
演色性の調整後の画像データは、上述もしたように、解像度変換部105で処理された後、圧縮処理部106を介して表示処理部107に供給され、ここで表示用の画像信号にされて表示部108に供給される。これにより、ユーザーの指示に応じて演色性が調整された画像が表示部108の表示画面に表示される。
そして、演色性の調整指示を繰り返し行うことにより、表示されている画像について、バッファメモリ1043の画像データを用いて繰り返し、演色性の調整を行うことができるようにされる。
さらに、グレー点補正を行うために、エリア指定アイコン82を選択して決定すると、画像上にエリア指定のためのカーソルが表示される。ユーザーは、操作部121の上下左右の矢印キーを用いてカーソルを表示されている画像上の目的とする位置に移動させる。
そして、決定キーをも用いて対角線の両端を指示することにより、図3において指定エリアArが示すように、表示された画像上の目的とする位置に目的とする大きさのエリアを指定する。
すなわち、表示された画像上において、カーソルの移動と位置の決定とを行うことにより、目的とするエリアの対角線の両端を指定するおとにより、表示された画像上の目的とする位置に目的とする大きさのエリアを指定することができるようにされる。
グレー点補正は、表示された画像において、本来、グレーや白などの色が少ない部分を指定して、当該指定部分をグレーにするように当該画像全体の色調を調整するものである。そして、表示画像上に指定する当該指定エリアは、本来、グレーや白などとして表現されるべき部分を指定するものである。
この後、例えば、操作部121の上下左右の矢印キーを用いて、カーソルをグレー点アイコン84に位置付け、決定キーを押下操作することにより、制御部121は、第2WB回路1044に対してグレー点補正を実行するように指示を出す。
この場合、第2WB回路1044は、バッファメモリ143に記憶保持されている3原色データであって、ユーザーによって指定された指定エリアAr内の3原色データの状態を解析し、この解析結果に基づいて、画像全体に対してグレー点補正を行う。
図4、図5は、グレー点補正の具体例について説明するための図である。図4において太枠内の4画素×4画素の範囲がユーザーによって指定された指定エリアArであるとする。この場合、指定エリアAr内のR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号のそれぞれの平均値を求め、G信号に対するR信号の比と、G信号に対するB信号の比を求める。
そして、G信号に対するR信号の比に対して調整値Rgainを掛け算した結果が値「1」になるように調整値Rgainを定める。同様に、G信号に対するB信号の比に対して調整値Bgainを掛け算した結果が値「1」になるように調整値Bgainを定める。そして、求めた調整値Rgain、Bgainによって、ホワイトバランス調整を行うことにより、グレー点補正を行う。
すなわち、調整値Rgainは、図5(1)式に示すように、値「1」をG信号に対するR信号の比で割り算することにより求めることができる。図5(1)において、Num(R)、Num(G)は、指定エリアAr内の画素数である。そして、(ΣR/Num(R))は、R信号の平均値を、(ΣG/Num(G))は、G信号の平均値を示している。
また、調整値Bgainは、図5(2)式に示すように、値「1」をG信号に対するB信号の比で割り算することにより求めることができる。図5(2)において、Num(B)、Num(G)は、指定エリアAr内の画素数である。そして、(ΣB/Num(B))は、B信号の平均値を、(ΣG/Num(G))は、G信号の平均値を示している。
そして、指定エリアAr内のR信号の平均がG信号の2倍あり、グレーより赤かったとすると、調整値Rgainは、1/2(2分の1)となる。この調整値Rgainに基づいて、第2WB回路1044が、バッファメモリ1043内の画像データに対してユーザーホワイトバランス調整を行う。つまり、ユーザーホワイトバランス調整後のR信号は、ユーザーホワイトバランス調整前のR信号を1/2倍(2分の1倍)することにより求めることができる。B信号についても、同様の処理を行う。
このようにして、第2WB回路1044は、指定エリアAr内の3原色信号に基づいて、R信号についての調整値Rgainと、B信号についての調整値Bgainとを求め、これらに基づいて、目的とする画像を構成する各画素のR信号とB信号を補正する。これにより、指定エリアAr内がグレーになるように、画像全体に対してホワイトバランス調整を行うことができるようにされる。
また、このグレー点補正についても、指定エリアArの位置や大きさを順次に変更することにより、繰り返し、グレー点補正を行うことができる。
このように、この第1の実施の形態の撮像装置100は、記録媒体126に記憶保持したRawデータを読み出して、現像処理を行うことにより再生することができるものである。
この場合に、デモザイク処理後の画像データをバッファメモリ1043に一時記憶させておくことにより、デモザイク処理後の画像データに対して、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整(ユーザーホワイトバランス調整)を繰り返し行うことができるようにしている。
なお、ここでは、矩形内検波例として簡単な単純平均測光法を用いる場合を説明したが、これに限るものではない。例えば、中心重点測光法やスポット測光法や顔重点測光法などの種々のホワイトバランス測光手法を用いることも可能である。
また、ここでは、平均処理例として総和(色信号のレベルの総和)/数(指定エリアの画素数)という単純平均を用いるようにしたが、これに限るものではない。いわゆるイプシロンフィルタを用いた平均など、種々の平均処理を用いることができる。
従って、ここでは、図5を用いて説明した計算式にしたがって、R(赤)信号の調整値とB(青)信号の調整値とを求めるようにしたが、これに限るものではない。例えば、重み付けを用いたり、撮像素子等の特性に応じた調整を行うようにしたりするなど、種々の条件を加味した計算式により、より適した調整値を求めるようにすることが可能である。
[Rawデータの現像処理の全体構成]
次に、この第1の実施の形態の撮像装置100において行われる、ユーザー指示に応じたホワイトバランス調整処理をも含むRawデータの現像処理の全体構成について説明する。図6は、この第1の実施の形態の撮像装置100において、記録媒体126に記憶保持されているRawデータの現像処理について説明するためのフローチャートである。
次に、この第1の実施の形態の撮像装置100において行われる、ユーザー指示に応じたホワイトバランス調整処理をも含むRawデータの現像処理の全体構成について説明する。図6は、この第1の実施の形態の撮像装置100において、記録媒体126に記憶保持されているRawデータの現像処理について説明するためのフローチャートである。
撮像装置100においては、操作部121を通じて所定の操作を行うことにより、制御部110が表示処理部107を制御し、表示部108の表示画面に、当該撮像装置100において実行可能な処理の一覧リストであるメニューを表示する。
そして、当該メニューの選択項目の中から操作部121を通じてRawデータの現像処理を選択すると、制御部110は、図6に示したフローチャートの処理を実行する。
すると、制御部110は、記録媒体126に記憶保持されている多数のRawファイルのそれぞれからセット用JPEGデータ(サムネイルデータ)を読み出して一覧表示を行い、目的とするRawデータの選択を受け付けるようにする(ステップS101)。なお、Rawファイルは、図2を用いて説明したレイアウトのものである。
そして、表示されたサムネイル画像の中から、操作部121を通じて目的とするサムネイル画像が選択されると、制御部110は選択されたサムネイル画像が格納されているRawファイルを特定する。そして、特定したRawファイルを読み出し、当該RawファイルからRawデータと撮影時に取得した現像パラメータ群とを取得して、第1WB回路1041に供給する。
第1WB回路1041は、これに供給されたRawデータに対して、同じく供給された現像パラメータ群Pmを用いたホワイトバランス調整(撮影時WB調整)を行う(ステップS102)。撮影時WB処理されたRawデータは、デモザイク回路1042に供給される。
デモザイク回路1042は、これに供給されたRawデータについてデモザイク処理を実行し、画像を構成する画素毎にR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号の3原色データを形成して、これをバッファメモリ1043に記録する(ステップS103)。また、デモザイク処理後の3原色データは、デモザイク回路105から第2WB回路1044を通じて解像度変換部105に供給される。
解像度変換部105は、これに供給された3原色データに対して、種々の補正処理やY/C変換処理及び解像度変換処理を行う。そして、解像度変換部105は、処理後の画像データを圧縮処理部106を通じて表示処理部107に供給し、デモザイク後の画像データによる画像を、表示部108の表示画面に表示する(ステップS104)。
そして、制御部110は、図3を用いて説明したように、調整バーや調整スライダ、必要なアイコン等を表示し、ユーザーからのホワイトバランス調整指示を受け付ける(ステップS105)。
この後、制御部110は、ホワイトバランスについての調整指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS106)。ステップS106の判断処理において、ホワイトバランス調整についての調整指示を受け付けたと判断したときには、制御部110は、ユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整を行う(ステップS107)。
具体的にステップS107の処理は、制御部110が、第2WB回路1044を制御して、バッファメモリ1043に一時記憶されているデモザイク処理後の画像データ(3原色データ)についてユーザーの指示に応じたホワイトバランス調整を行う。
第2WB回路1044において、ユーザーの調整指示に応じてホワイトバランス調整された画像データ(3原色データ)は、上述もしたように解像度変換部105で処理され、圧縮処理部106を通じて表示処理部107に供給される。これにより、ユーザーの調整指示に応じてホワイトバランス調整された画像データによる画像が表示部108の表示画面に表示される(ステップS108)。
この後、制御部110は、ステップS105からの処理を繰り返し、ユーザーからの指示に応じたホワイトバランス調整を繰り返し行うことができるようにされる。
一方、ステップS106の判断処理において、ホワイトバランス調整についての調整指示を受け付けていないと判断したときには、制御部110は、ユーザーからホワイトバランス調整の終了指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS109)。
ステップS109の判断処理において、終了指示を受け付けていないと判断したときには、ステップS105からの処理を繰り返し、ユーザーからの指示に応じたホワイトバランス調整を行うことができるようにされる。
ステップS109の判断処理において、終了指示を受け付けたと判断したときには、制御部110は、ユーザーの調整指示に応じたホワイトバランス調整後であって、データ圧縮された画像データを記録媒体126に記録する(ステップS110)。
このステップS110の処理は、制御部110が、圧縮処理部106と記録/再生部125とを制御することにより実行される。ステップS110の処理の後、この図6に示す処理は終了する。
[ユーザー指示に応じたホワイトバランス調整の詳細について]
次に、図6のステップS107において実行されるユーザーからの調整指示に応じたホワイトバランス調整の詳細について説明する。図7は、図6に示したステップS107において実行されるユーザーからの調整指示に応じたホワイトバランス調整を説明するためのフローチャートである。
次に、図6のステップS107において実行されるユーザーからの調整指示に応じたホワイトバランス調整の詳細について説明する。図7は、図6に示したステップS107において実行されるユーザーからの調整指示に応じたホワイトバランス調整を説明するためのフローチャートである。
図7に示すように、制御部110は、まず、図6に示したステップS105で受け付けたユーザーからの調整指示が色温度の調整指示か否かを判断する(ステップS701)。
ステップS701の判断処理において、ユーザーからの調整指示が色温度の調整指示であると判断した場合、制御部110は、第2WB回路1044を制御し、バッファメモリ1043の画像データに対してユーザーからの指示に応じた色温度の調整を行う(ステップS702)。このステップS702の処理の後、制御部110は、この図7に示す処理を終了して、図6に示したステップS108からの処理を行う。
ステップS701の判断処理において、ユーザーからの調整指示が色温度の調整指示ではないと判断したときには、制御部110は、図6に示したステップS105で受け付けたユーザーからの調整指示が演色性の調整指示か否かを判断する(ステップS703)。
ステップS703の判断処理において、ユーザーからの調整指示が演色性の調整指示であると判断したときには、制御部110は、第2WB回路1044を制御し、バッファメモリ1043の画像データに対してユーザーからの調整指示に応じた演色性の調整を行う(ステップS704)。このステップS704の処理の後、制御部110は、この図7に示す処理を終了して、図6に示したステップS108からの処理を行う。
ステップS703の判断処理において、ユーザーからの調整指示が演色性の調整指示ではないと判断したときには、制御部110は、図6に示したステップS105で受け付けたユーザーからの調整指示は、エリア指定及びグレー点補正の調整指示であると判断する。
そして、この場合には、制御部110は、第2WB回路1044を制御し、バッファメモリ1043の画像データに基づいて、ユーザーによって指定された指定エリアAr内の画像データを検波する(ステップS705)。
このステップS705の処理は、図3〜図5を用いて説明したように、ユーザーによって指定された指定エリア内のG(緑)信号に対するR(赤)信号の比と、G(緑)信号に対するB(B)信号の比とを求める。そして、これらの比を用い図5の計算式にしたがって、R(赤)信号についての調整値Rgainと、B(青)信号についての調整値Bgainを求める処理である。
そして、ステップS705において求めたR(赤)信号についての調整値Rgainと、B(青)信号についての調整値Bgainとを用い、画像を形成する画素毎にR(赤)信号とB(青)信号とを調整してグレー点補正を行う(ステップS706)。このステップS706の処理の後、制御部110は、この図7に示す処理を終了して、図6に示したステップS108からの処理を行う。
このように、この第1の実施の形態の撮像装置100においては、撮影することにより得たRawデータの現像処理を行うことができる。そして、現像処理は、撮影時ホワイトバランス調整とデモザイク処理については1回だけ行い、その結果の画像データをバッファメモリ1043に記憶保持しておく。
これにより、ユーザーからの調整指示に応じたホワイトバランス調整については、バッファメモリ1043に記憶保持されている画像データに対して繰り返し行うことができる。したがって、ユーザーからの調整指示に応じたホワイトバランス調整を繰り返し行う場合であっても、撮影時ホワイトバランス調整とデモザイク処理とについては繰り返し行う必要はないので、迅速に現像処理を行うことができる。
もちろん、撮影時ホワイトバランス調整もデモザイク前のRawデータに対して行われるので、高品位な現像処理が実現できる。
[変形例1]
ところで、上述した撮像装置100においては、ユーザーの指示に応じた指定エリアAr内を検波することにより求められたR(赤)信号についての調整値(Rgain)とB(青)信号についての調整値(Bgain)を用いてグレー点補正を行った。しかし、Rgain、Bgainだけでなく、さらに輝度値をも考慮して、より適切にグレー点補正を行うようにすることもできる。
ところで、上述した撮像装置100においては、ユーザーの指示に応じた指定エリアAr内を検波することにより求められたR(赤)信号についての調整値(Rgain)とB(青)信号についての調整値(Bgain)を用いてグレー点補正を行った。しかし、Rgain、Bgainだけでなく、さらに輝度値をも考慮して、より適切にグレー点補正を行うようにすることもできる。
すなわち、輝度が0%(パーセント)である部分は、複雑な色の表現は存在せずいわゆる全黒の状態である。また、輝度が100%(パーセント)である部分も、複雑な色の表現は存在せず、全黒とは逆のいわゆる全白の状態である。
そして、輝度が0%(パーセント)である部分、及び、輝度が100%(パーセント)である部分は、全黒、全白となるように、通常、予め補正処理されている。このため、これら全黒の部分や全白の部分において、グレー点補正を行ってしまうと、全黒や全白が正しく表現できなくなってしまう。
そこで、輝度が0%である部分と、輝度が100%である部分とについては、調整値であるRgain、Bgainに応じたグレー点補正は行わず、調整値を値「1」として、実質的な調整は行わないようにする。その他の部分については、調整値であるRgain、Bgainに応じたグレー点補正を行う。
このようにすることにより、全黒や全白である部分に対して、不必要なグレー点補正を行うことも無いので、現像対象の画像に対してより適切にグレー点補正を行って、自然な色合いの画像を形成することができる。
[変形例2]
さらに、輝度が0%近傍となる部分では、調整値であるRgain、Bgainに応じたグレー点補正を行った場合に、調整値が大きすぎるなどするために、適切なグレー点補正ができない場合があると考えられる。
さらに、輝度が0%近傍となる部分では、調整値であるRgain、Bgainに応じたグレー点補正を行った場合に、調整値が大きすぎるなどするために、適切なグレー点補正ができない場合があると考えられる。
同様に、輝度が100%近傍となる部分でも、調整値であるRgain、Bgainに応じたグレー点補正を行った場合に、調整値が大きすぎるなどするために、適切なグレー点補正ができない場合があると考えられる。
そこで、輝度が0%近傍の部分と、輝度が100%近傍の部分とにおいては、輝度に応じて、調整値であるRgain、Bgainをさらに調整して用いるようにする。
図8は、輝度に応じてグレー点補正を行うようにする場合の、輝度変調矩形内(指定エリア内)検波の概要について説明するための図である。図8に示すように、輝度が0%〜L%の区間においては、調整値を、値「1」(1倍)から値「Rgian」、「Bgain」倍までの間において、徐々に変化させるようにする。
また、図8に示すように、輝度がH%〜100%の区間においては、調整値を、値「Rgian」、「Bgain」倍から値「1」(1倍)までの間において、徐々に変化させるようにする。
ここで、L%が予め決められる第1の値であり、H%が予め決められる値であって、第1の値よりも大きな第2の値である。また、第1の値の具体例としては、例えば、5%、10%、15%、20%などの値であり、第2の値としては、80%、85%、90%、95%などの値である。もちろん、ユーザーの指示に応じて1%単位などの任意の単位で細かく調整できるようにすることも可能である。
そして、画像を構成する各画素において、その画素の輝度が、輝度が0%〜L%の区間と、輝度がH%〜100%の区間とにおいては、調整値「Rgian」、「Bgain」をそのまま用いることなく、輝度に応じて調整した値を用いるようにする。
具体的には、輝度が0%〜L%の区間と、輝度がH%〜100%の区間とにおいては、調整値「Rgian」、「Bgain」を基準値として用い、それぞれの区間において線形に変化するように定めればよい。
このように、輝度が0%〜L%の区間と、輝度がH%〜100%の区間とにおいては、R(赤)信号とB(青)信号とについての調整値を輝度に応じて変化させることにより、必要以上に大きな調整値や必要以上に小さな調整値で調整を行うことを防止することができる。
これにより、目的とする画像について、より適切にグレー点補正を行い、画像の色彩をより自然なものとして再現することができる。
なお、画像を構成する画素の輝度は、当該画素の3原色信号のそれぞれを用い、例えば、以下に示す(1)式により求めるようにすればよい。すなわち、
輝度Y=0.30R+0.59G+0.11B …(1)
により求めることができる。ここで、R、G、Bのそれぞれは、R(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号のそれぞれのレベル値を意味している。
輝度Y=0.30R+0.59G+0.11B …(1)
により求めることができる。ここで、R、G、Bのそれぞれは、R(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号のそれぞれのレベル値を意味している。
また、簡便的には、G(緑)信号を輝度信号とみなし、G(緑)信号のレベル値に基づいて、R(赤)信号に対する調整値と、B(青)信号に対する調整値とを求めるようにしてもよい。
[変形例1、2の場合のグレー点補正処理について]
図9は、上述した変形例1、2のグレー点補正を含む、ユーザーホワイトバランス調整について説明するためのフローチャートである。この図9に示すフローチャートの処理もまた、図6に示したステップS107において実行されるものである。
図9は、上述した変形例1、2のグレー点補正を含む、ユーザーホワイトバランス調整について説明するためのフローチャートである。この図9に示すフローチャートの処理もまた、図6に示したステップS107において実行されるものである。
そして、図9のフローチャートの処理は、ステップS705X、ステップS706Xで行われる処理を除けば、図7に示したフローチャートの処理と同様に行われるものである。このため、図9においては、図7に示したフローチャートの処理と同様に行われる部分には同じ参照符号を付し、その部分の説明については重複するので省略することとする。
図9に示した処理において、グレー点補正を行うことが指示された場合に実行されるステップS705Xにおいては、図8のステップS705の処理と同様に、まず、指定エリアAr内の3原色信号に基づいて、調整値Rgain、Bgainが求められる。さらに、ステップS705Xにおいては、輝度値に応じて、調整値Rgain、Bgainが変調するようにされる。
具体的には、変形例1の場合には、輝度が0%と、100%の時には、調整値は値「1」とされる。また、変形例2の場合には、輝度が0%〜L%の区間と、輝度がH%〜100%の区間とにおいては、R(赤)信号とB(青)信号とについての調整値を輝度に応じて変化させる。
より具体的に説明すれば、変形例2の場合、調整対象の画素の輝度が0%〜L%の区間にあるときに、用いる調整値は、以下の(2)式により求めることができる。すなわち、
用いる調整値=調整値Rgain、Bgain×(輝度(%)/L%)…(2)
となる。
用いる調整値=調整値Rgain、Bgain×(輝度(%)/L%)…(2)
となる。
また、変形例2の場合、調整対象の画素の輝度がH%〜100%の区間にあるときに、用いる調整値は、以下の(3)式により求めることができる。すなわち、
用いる調整値=調整値Rgain、Bgain×((100%−輝度(%))/(100%−H%))…(3)
となる。
用いる調整値=調整値Rgain、Bgain×((100%−輝度(%))/(100%−H%))…(3)
となる。
なお、変形例2の場合においても、輝度が0%のときと、輝度が100%のときにおいては、用いる調整値は、値「1」にする。これ以外の場合には、上述した(2)式、(3)式により用いる調整値を線形に変換させる。
そして、図9のステップS706Xにおいては、まず、調整対象の画素の輝度を求める。そして、求めた輝度が、0%〜L%の区間にあるか、H%〜100%の区間にあるか、それ以外かに応じて、R(赤)信号とB(青)信号に対する調整値が異なるようにされる。
すなわち、調整対象の画素の輝度が、0%以上L%以下の時には上記の(2)式により求めた調整値が用いられる。また、調整対象の画素の輝度が、L%より大きく、H%より小さいときには調整値Rgain、Bgainがそのまま用いられる。また、調整対象の画素の輝度が、H%以上100%以下の時には上記の(3)式により求めた調整値が用いられる。
このようにして、調整対象の画素の輝度値をも考慮して、グレー点補正のための調整値を調整して用いることにより、不自然な調整を極力行わないようにして、自然な色合いの画像となるように、グレー点補正を行うようにすることができる。
なお、図8を用いて説明したように、この第1の実施の形態の第2の変形例の場合、調整対象の画素の輝度が、0%〜L%の区間と、H%〜100%の区間とにおいては、線形に調整値を変化させる場合を例にして説明したが、これに限るものではない。
色彩の再現性、撮像素子や表示素子の特性、あるいは、ユーザーの好みなどの種々の条件に基づいて、種々の条件を考慮して、0%〜L%の区間と、H%〜100%の区間とにおいては、2次関数や3次関数によって定義されるような関係に従って、輝度に応じた調整値を求めるようにしてもよい。
また、輝度に応じた調整値を、ユーザーの好みに応じて変化するように、輝度が0%〜L%の区間と輝度がH%〜100%の区間とのそれぞれにおいて、ユーザーによってその変化の状態を調整できるようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、この発明の一実施の形態が適用された第2の実施の形態の画像処理装置について説明する。この第2の実施の形態の画像処理装置200は、撮像機能は備えず、Rawデータの提供を受けて、これを処理する機能を備えたものである。具体的には、例えば、画像データの専用処理装置、あるいは、パーソナルコンピュータなどの種々のデータの処理が可能な情報処理装置として実現されるものである。
次に、この発明の一実施の形態が適用された第2の実施の形態の画像処理装置について説明する。この第2の実施の形態の画像処理装置200は、撮像機能は備えず、Rawデータの提供を受けて、これを処理する機能を備えたものである。具体的には、例えば、画像データの専用処理装置、あるいは、パーソナルコンピュータなどの種々のデータの処理が可能な情報処理装置として実現されるものである。
図10は、この発明の一実施の形態が適用された第2の実施の形態の画像処理装置200の構成例を説明するためのブロック図である。
図10に示すように、第2の実施の形態の画像処理装置200は、圧縮/伸張部201、画像処理部202、解像度変換部203、表示処理部204、表示部205、ハードディスクドライブ(以下、HDDと略称する。)206を備えている。
画像処理部202は、第1ホワイトバランス回路(以下、第1WB回路と略称する。)2021、デモザイク回路2022、バッファメモリ2023、第2ホワイトバランス回路(以下、第2WB回路と略称する。)2024を備えたものである。
また、画像処理装置200は、制御部210、操作部221、メディアドライブ222、外部インターフェース(以下、外部I/Fと略称する。)223、入出力端子224、通信インターフェース(以下、通信I/Fという。)225、送受信アンテナ226を備えている。
制御部210は、画像処理装置200の各部を制御するものであり、図10に示すように、CPU211、ROM212、RAM213、不揮発性メモリ244がCPUバス215を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU211は、後述するROM212に記憶保持されている種々のプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成して出力したり、各部から送信されてくるデータを処理したりする。
ROM212は、上述したように、CPU211によって実行される種々のプログラムや、処理に必要になるデータを記憶保持するものである。RAM213は、種々の処理において、主に作業領域として用いられるものである。
また、不揮発性メモリ214は、電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、ユーザーが設定するようにした種々のパラメータや機能追加のために新たに提供されたプログラムなどを記憶保持するものである。なお、不揮発性メモリ214としては、例えば、EEPROMやフラッシュメモリなどが用いられる。
また、制御部210に接続された操作部121は、数字キー、上下左右の矢印キー、その他種々のファクションキーなどを備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換し、制御部210に供給することができるものである。
また、この第2の実施の形態の画像処理装置200において、操作部221は、例えばいわゆるマウスなどと呼ばれるポインティングデバイスなど、種々の形態のポインティングデバイスをも含んでいるものである。
これにより、制御部210は、操作部221を通じて受け付けたユーザーからの操作入力に応じて各部を制御し、ユーザーの操作入力に応じた処理を行うことができるようにしている。
そして、図10に示した画像処理装置200において、圧縮/伸張部201は、図1に示した撮像装置100の圧縮処理部106と伸張処理部124との機能を合わせ持つようにしたものである。
また、図10に示した画像処理装置200において、画像処理部202は、図1に示した撮像装置100の画像処理部104と同様に構成されるものである。
すなわち、画像処理装置200の第1WB回路2021は、撮像装置100の第1WB回路1041と同様に構成されたものである。また、画像処理装置200のデモザイク回路2022は、撮像装置100のデモザイク回路1041と同様に構成されたものである。
また、画像処理装置200のバッファメモリ2023は、撮像装置100のバッファメモリ1043と同様に構成されたものである。また、画像処理装置200の第2WB回路2024は、撮像装置100の第2WB回路1044と同様に構成されたものである。
また、画像処理装置200の解像度変換部203は、撮像装置100の解像度変換部106と同様に構成されたものである。また、画像処理装置200の表示処理部204は、撮像装置100の表示処理部107と同様に構成されたものである。
また、画像処理装置200の表示部205は、撮像装置100の表示部108と同様に構成されたものである。なお、画像処理装置200は、画像データの例えば専用処理装置として実現されるものであるので、撮像装置100の表示部108よりも大画面、高性能の表示部を備えるようにすることが可能である。
そして、画像処理装置200において、HDD206は、ハードディスクを備え、制御部210の制御に応じてハードディスクから目的とするデータを読み出したり、当該ハードディスクに対してデータを記録したりすることができるものである。
また、画像処理装置200において、メディアドライブ222は、カードメモリ用のものである。すなわち、メディアドライブ222に対しては、カードメモリが着脱可能にされている。そして、メディアドライブ222は、これに装着されたカードメモリからデータを読み出したり、当該カードメモリに対してデータを書き込んだりするものである。
なお、画像処理装置200において、メディアドライブ222は、カードメモリ用のものとして説明したが、これに限るものではない。メディアドライブ222は、例えば、DVDやCDなどの光ディスク用のものとして構成したり、MD(登録商標)等の光磁気ディスク用のものとして構成したりするなど、種々の記録媒体用のものとして構成することももちろん可能である。
また、画像処理装置200において、外部インターフェース(以下、外部I/Fという。)223、入出力端224は、当該画像処理装置200に対して、例えば撮像装置などの外部機器を接続するためのものである。
また、画像処理装置200において、通信インターフェース(以下、通信I/Fという。)225、送受信アンテナ226は、通信機能を備えた外部機器との間で、種々のデータの送受信を行うためのものである。
そして、画像処理装置200の制御部210は、外部I/F223、入出力端224を通じて接続された外部機器から画像データ等を取得し、これをHDD206のハードディスクやメディアドライブ222に装着されたカードメモリ等に記録することができる。
また、画像処理装置200の制御部は、外部I/F223、入出力端224を通じて接続された外部機器に対して、HDD206のハードディスクやメディアドライブ222に装着されたカードメモリに記録されている画像データ等を送信することもできる。
同様に、画像処理装置200の制御部210は、通信I/F225、送受信アンテナ226を通じて外部機器からの画像データ等を受信し、これをHDD206のハードディスクやメディアドライブ222に装着されたカードメモリ等に記録することができる。
また、画像処理装置200の制御部は、通信I/F225、送受信アンテナ226を通じて外部機器に対して、HDD206のハードディスクやメディアドライブ222に装着されたカードメモリ等に記録されている画像データ等を送信することもできる。
そして、この第2の実施の形態の画像処理装置200においては、例えば、図2に示したレイアウトのRawファイルが記録されたカードメモリがメディアドライブ222に装着された場合に、そのRawデータの現像処理を行うことができる。
もちろん、外部I/F223及び入出力端224を通じて外部機器から取得し、HDD206のハードディスクやメディアドライブ222に接続されたカードメモリに記録されたRawファイルのRawデータの現像処理も行うことができる。
また、通信I/F225及び送受信アンテナ226を通じて外部機器から取得し、HDD206のハードディスクやメディアドライブ222に接続されたカードメモリに記録されたRawファイルのRawデータの現像処理も行うことができる。
[Rawデータの現像処理の概要]
ここで、画像処理装置200において行われるRawデータの現像処理の概要について説明する。
ここで、画像処理装置200において行われるRawデータの現像処理の概要について説明する。
詳しくは後述するが、HDD206のハードディスクやメディアドライブ222に装着されたカードメモリに記録されているRawファイルの中から、操作部221を通じてユーザーにより現像対象のRawデータが選択されると現像処理が実行される。
この場合、制御部210は、目的とするRawデータと現像パラメータ群Pmとを記録先の記録媒体から読み出し、これらを画像処理部202の第1WB回路2021に供給する。
第1WB回路2021は、供給されたRawデータに対して、供給された現像パラメータ群Pmを用いたホワイトバランス調整を実行する。このように、第1WB回路2021は、Rawデータを検波することにより得られた現像パラメータ群Pmに応じたホワイトバランス調整を行うものである。
そして、第1WB回路2021でホワイトバランス調整されたRawデータは、デモザイク回路2022に供給され、ここでデモザイク処理(同時化処理)が施される。この結果、デモザイク回路2022において、画像を構成する画素毎に、3原色データ(3原色信号)が形成され、これがバッファメモリ2023に一時記憶されるとともに、第2WB回路2024を通じて解像度変換部203に供給される。
解像度変換部203は、これに供給された3原色データに対して、アパーチャ補正処理、ガンマ(γ)補正処理、輝度データ(Y)と色データ(Cb、Cr)への変換処理(Y/C変換処理)、色収差補正処理、解像度変換処理を行う。解像度変換部105において、所定の解像度とされた輝度データ(Y)と色データ(Cb、Cr)は表示処理部204に供給される。
表示処理部204は、解像度変換部203からの輝度データ(Y)と色データ(Cb、Cr)とから、表示部205の表示画面に画像を表示するための画像信号を形成し、これを表示部205に供給する。表示部205は、表示処理部204からの画像信号の供給を受けて、これに応じた画像を自己の表示素子の表示画面に表示する。
この後、制御部210は操作部221を通じて、表示部205の表示画面に表示された画像を確認したユーザーからのホワイトバランス調整に関する調整指示を受け付けるようにする。
制御部210は、ユーザーからの当該調整指示を受け付けると、これを第2WB回路2024に供給し、ユーザーの調整指示に応じたホワイトバランス調整を行うように制御する。
この場合、第2WB回路2024は、バッファメモリ2023に記憶保持されている3原色データに対して、ユーザー調整指示に応じたホワイトバランス調整を行い、処理後の3原色データを解像度変換部203に供給する。
そして、上述したように、解像度変換部203においてYC変換等の処理がなされるとともに、所定の解像度に変換されたYCデータ(輝度データ(Y)と色データ(Cb、Cr))が、表示処理部204で処理され、表示部205に供給される。
これにより、ユーザーの調整指示に応じてホワイトバランス調整された画像データによる画像を表示部205の表示画面に表示することができる。ユーザーは、表示画像を確認し、ホワイトバランス調整についての調整指示を入力することにより、第2WB回路2024の機能により、ユーザーの調整指示に応じたホワイトバランス調整を繰り返し行うことができる。
このように、この第2の実施の形態の画像処理装置200もまた、Rawデータの現像処理を行うことができるものである。そして、画像処理装置200もまた、デモザイク処理後の3原色データをバッファメモリに保持しておくことによって、ユーザーの調整指示に応じたホワイトバランス調整を行う場合であっても、繰り返しデモザイク処理等を行うこともない。
したがって、ユーザーからの調整指示に応じたホワイトバランス調整を繰り返し行うようにした場合であっても、画像処理装置200にかかる負荷が増大したり、現像処理に時間がかかったりすることもないようにされる。
[Rawデータの現像処理の詳細]
図11は、この第2の実施の形態の画像処理装置200において、目的とする画像のRawデータを選択して現像処理を行うとともに、ユーザー指示に応じたホワイトバランス調整をも行えるようにする場合の調整画面の一例について説明するための図である。
図11は、この第2の実施の形態の画像処理装置200において、目的とする画像のRawデータを選択して現像処理を行うとともに、ユーザー指示に応じたホワイトバランス調整をも行えるようにする場合の調整画面の一例について説明するための図である。
この第2の実施の形態の画像処理装置200においても、操作部221を通じて所定の操作を行うことにより、制御部210が表示処理部204を制御し、画像処理装置200において実行可能な処理の一覧メニューを表示部205の表示画面に表示する。
ユーザーは、操作部221を通じて、表示された一覧メニューの中からRawデータの現像処理を行うようにする項目を選択するとともに、Rawファイルの格納先のメディア(記録媒体)を指定する。すると、制御部210は、表示処理部204を制御し、図11に示すように、表示部205の表示画面の左側に、まず、一覧表示ウィンドウ2051を表示する。
この一覧表示ウィンドウ2051は、指示されたメディアに記録保持されているRawファイルの格納先であるフォルダ名の指定欄と、指定されたフォルダに格納されているRawファイルのサムネイル画像の一覧表示欄とを有するものである。
そして、ユーザーが操作部211を通じてフォルダ名の指定欄に目的とするフォルダ名を入力する。すると、制御部210は、当該フォルダに格納されている各Rawファイルのセット再生用JPEGデータ等のサムネイル画像データを読み出し、これを表示処理部204に供給してサムネイル画像の一覧表示を行う。
この後、ユーザーは、操作部221を通じて、現像したいRawデータに対応するサムネイル画像を選択する。すると、制御部210は、選択されたサムネイル画像に対応するRawファイルを特定し、特定したRawファイルから現像対象のRawデータと現像パラメータPmとを読み出して、画像処理部202の第1WB回路2021に供給する。
これにより、上述もしたように、画像処理部202の各部、解像度変換部203、表示処理部204、表示部205が機能して、図11に示すように、表示部205の表示画面の中央の調整画像領域2052に、選択され現像処理された画像が表示される。
また、このとき、制御部210は、表示処理部204を制御し、表示画面の右側に、調整入力ウィンドウ2053を表示し、ユーザーからのホワイトバランス調整についての調整指示の入力を受け付けるようにする。
この例の場合、調整入力ウィンドウ2053は、ユーザーによって既に設定されている調整指示を撮影時に戻すためのアイコン531と、設定されている調整指示が存在する場合に、これを呼び出すためのアイコン532と、新たに入力した調整指示を保存するためのアイコン533とを備えている。
また、ホワイトバランス調整に関する調整指示を入力するための表示として、色温度の調整バー534と調整スライダ534S、演色性の調整バー535と調整スライダ535S、エリア指定アイコン536、グレー点アイコン537が表示される。
そして、ユーザーは、操作部221を通じて、表示画面205G上に表示された色温度、演色性、エリア指定の内のいずれかを選択する。そして、色温度の調整を選択した場合には、左右の矢印キー等を用いて、色温度の調整バー534上において調整スライダ534Sを左右に移動させることにより、表示されている画像に対して色温度の調整を行うことができるようにされる。
この場合、操作部221を通じて入力された調整指示は、制御部210を通じて第2WB回路2024に供給される。そして、第2WB回路2024は、バッファメモリ2023に記憶保持されているデモザイク処理済みの画像データに対して、ユーザーからの調整指示に応じて色温度の調整を行う。
色温度の調整後の画像データは、上述もしたように、解像度変換部203で処理された後、表示処理部204に供給され、ここで表示用の画像信号にされて表示部205に供給される。これにより、ユーザーの指示に応じて色温度が調整された画像が表示部205の表示画面に表示される。
そして、色温度の調整指示を繰り返し行うことにより、表示されている画像について、バッファメモリ2023の画像データを用いて繰り返し、色温度の調整を行うことができるようにされる。
同様に、演色性の調整を選択し、左右の矢印キー等を用いて、演色性の調整バー535上において調整スライダ535Sを左右に移動させることにより、表示されている画像に対して演色性の調整を行うことができるようにされる。
この場合にも、操作部221を通じて入力された調整指示は、制御部210を通じて第2WB回路2024に供給される。そして、第2WB回路2024は、バッファメモリ2023に記憶保持されているデモザイク処理済みの画像データに対して、ユーザーからの調整指示に応じて演色性の調整を行う。
演色性の調整後の画像データは、上述もしたように、解像度変換部203で処理された後、表示処理部204に供給され、ここで表示用の画像信号にされて表示部205に供給される。これにより、ユーザーの指示に応じて演色性が調整された画像が表示部205の表示画面に表示される。
そして、演色性の調整指示を繰り返し行うことにより、表示されている画像について、バッファメモリ2023の画像データを用いて繰り返し、演色性の調整を行うことができるようにされる。
さらに、グレー点補正を行うために、エリア指定アイコン536を選択すると、画像上にエリア指定のためのカーソルが表示される。ユーザーは、操作部221を通じてカーソルを表示されている画像上の目的とする位置に移動させる。
そして、例えば決定キーをも用いて対角線の両端を指示することにより、図11において指定エリアArが示すように、表示された画像上の目的とする位置に目的とする大きさの指定エリアArを指定する。
すなわち、表示された画像上において、カーソルの移動と位置の決定とを行い、目的とするエリアの対角線の両端を指定するおとにより、表示された画像上の目的とする位置に目的とする大きさの指定エリアArを指定することができるようにされる。
この後、例えば、操作部221を通じて、カーソルをグレー点アイコン537に位置付け、決定キーを押下操作することにより、制御部220は、第2WB回路2024に対してグレー点補正を実行するように指示を出す。
この場合、第2WB回路2024は、ユーザーによって指定された指定エリアAr内の3原色データの状態を解析し、この解析結果に基づいて、画像全体に対してグレー点補正を行う。
そして、指定エリアArの位置や大きさの変更を繰り返し行うことにより、表示されている画像について、バッファメモリ2023の画像データを用いて繰り返し、グレー点補正を行うことができるようにされる。
また、グレー点補正を行う場合には、上述した第1の実施の形態の撮像装置100の場合と同様に、第2WB回路2024において、R(赤)信号に対する調整値Rgain、B(青)信号に対する調整値Bgainとを求め、これに応じて補正を行う。
もちろん、上述した第1の実施の形態の撮像装置100の場合と同様に、画像の各画素の輝度をも考慮し、輝度が0%である部分と、輝度が100%である部分とについては、調整値であるRgain、Bgainに応じたグレー点補正は行わず、調整値を値「1」として、実質的な調整は行わないようにしてもよい。その他の部分については、調整値であるRgain、Bgainに応じたグレー点補正を行うようにすればよい。
また、第1の実施の形態において、図8を用いて説明したように、輝度が0%〜L%の区間と、輝度がH%〜100%の区間とにおいては、調整値「Rgian」、「Bgain」をそのまま用いることなく、輝度に応じて調整した値を用いるようにする。その他の部分については、調整値であるRgain、Bgainに応じたグレー点補正を行うようにすればよい。
このように、この第2の実施の形態の画像処理装置200においても、第1の実施の形態の撮像装置100の場合と同様に、制御部210において図6を用いて説明した処理を実行する。これにより、Rawデータの現像処理に応じて、バッファメモリ2023に保持されたデモザイク処理後の画像データに対して、ユーザーの調整指示に応じたホワイトバランス調整を繰り返し行うことができる。
また、画像処理装置200において、図6に示した処理を実行する場合であっても、図6のステップS107においては、図7に示した処理と、図9に示した処理のいずれをも実行することができる。
また、上述した第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様に、矩形内検波例として簡単な単純平均測光法を用いるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、中心重点測光法やスポット測光法や顔重点測光法などの種々のホワイトバランス測光手法を用いることも可能である。
また、平均処理例としては第1の実施の形態の場合と同様に、総和(色信号のレベルの総和)/数(指定エリアの画素数)という単純平均を用いることができる。しかし、これに限るものではない。いわゆるイプシロンフィルタを用いた平均など、種々の平均処理を用いることもできる。
また、この第2の実施の形態においても、図5を用いて説明した計算式にしたがって、R(赤)信号の調整値とB(青)信号の調整値とを求めるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、重み付けを用いたり、撮影に持ちられた撮像装置に関する情報を取得し、当該撮像装置の撮像素子等の特性に応じた調整を行うようにしたりするなど、種々の条件等を加味した計算式により、より適した調整値を求めるようにすることが可能である。
[その他]
なお、上述した第1、第2の実施の形態においては、バッファメモリ1043、2023へのデータの書き込みや読み出しは、図1、図10に示したように、デモザイク回路1042、2022を介して行うように表現した。しかし、これに限るものではない。
なお、上述した第1、第2の実施の形態においては、バッファメモリ1043、2023へのデータの書き込みや読み出しは、図1、図10に示したように、デモザイク回路1042、2022を介して行うように表現した。しかし、これに限るものではない。
ユーザーの調整指示に応じたホワイトバランス調整を行う場合には、第2WB回路1044、2024が直接にバッファメモリ1043、2023から読み出すことができるように構成することももちろん可能である。
また、バッファメモリ1043、2023を画像処理部104、202内に設けるのではなく、制御部110、210などの別の場所も受けられたRAMなどのメモリを用いるようにすることも可能である。
また、上述した第1、第2の実施の形態において、グレー点補正を行う場合には、画像上において、グレーにすべき指定エリアArを矩形範囲として指示するようにした。しかし、指定エリアArは、矩形のエリアに限るものではない。例えば、円形のエリアとして設定したり、その他の種々の形状のエリアとして指定したりすることも可能である。
また、上述した実施の形態においては、Rawデータは、いわゆるベイヤー配列(G市松配列)の単板のカラーフィルタを用いた撮像素子を通じて取得するようにしたものである。しかしこれに限るものではない。
例えば、近年用いられるようになってきているいわゆるクリアビッド(Clearvid)配列のカラーフィルタを用いた撮像素子を通じて取得したRawデータを現像する場合にもこの発明を適用することができる。
また、R、G、Bのいわゆる3板のカラーフィルタを用いた撮像素子を通じて取得したRawデータを現像する場合であっても、この発明を用いるようにすることができる。すなわち、ユーザーによる調整指示に応じたホワイトバランス調整については、撮影時の検波パラメータに従ったホワイトバランス調整を行って、画像を形成する画素毎にR、G、Bの3原色信号を生成してこれを保持し、当該保持した3原色信号に対して、ユーザーからの調整指示に応じたホワイトバランス調整を行うようにすればよい。
また、上述した第1、第2の実施の形態においては、デモザイク処理後の3原色信号に対して、ユーザーの調整指示に応じたホワイトバランス調整を行う場合について説明した。しかしこれに限るものではない。デモザイク処理後の3原色信号に対して、例えば、輝度調整やシャープネス調整などの適宜の画像調整を行うようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、ユーザーの調整指示に応じたホワイトバランス調整後の画像データを、所定の記録媒体に記録するものとして説明した。この場合に、記録するか否かを選択するようにしたり、既に記録されている画像データと置き換えるようにしたりするなどの適宜の保存処理を行うようにすることももちろん可能である。
なお、上述した実施の形態においては、第1WB回路1041、2021が、第1の調整手段としての機能を実現し、デモザイク回路1042、2022が、デモザイク処理手段としての機能を実現している。
また、バッファメモリ1043、2023が、一時記憶手段としての機能を実現し、第2WB回路1044、2024が、第2の調整手段としての機能を実現している。
また、第2WB回路1044、2024内に、調整量算出手段としての機能と、グレー点補正手段としての機能とが設けられる。
また、撮像素子部101が撮像素子を備えるものであり、前処理回路102が、Rawデータを形成する形成手段としての機能を実現している。
[方法の発明としての実現性について]
なお、上述した第1、第2の実施の形態において、画像処理部104、202内の第1WB回路1041、2021、デモザイク回路1042、2022、バッファメモリ1043、2023、第2WB回路1044、2024の各部で行われる処理のそれぞれ(各部について行われる処理のそれぞれ)は、この発明による方法における対応する各工程の処理に該当する。
なお、上述した第1、第2の実施の形態において、画像処理部104、202内の第1WB回路1041、2021、デモザイク回路1042、2022、バッファメモリ1043、2023、第2WB回路1044、2024の各部で行われる処理のそれぞれ(各部について行われる処理のそれぞれ)は、この発明による方法における対応する各工程の処理に該当する。
より具体的には、図6、図7、図9のフローチャートに示した処理は、この発明よる方法が適用されたものである。したがって、この発明の方法についても、実現可能である。
[プログラムの発明としての実現性について]
また、上述した第1、2の実施の形態において、画像処理部104、202内の第1WB回路1041、2021、デモザイク回路1042、2022、第2WB回路1044、2024の各部で行われる処理のそれぞれは、例えばマイクロコンピュータの構成とされた制御部110、210で実行されるプログラムによってその機能を実現することができる。
また、上述した第1、2の実施の形態において、画像処理部104、202内の第1WB回路1041、2021、デモザイク回路1042、2022、第2WB回路1044、2024の各部で行われる処理のそれぞれは、例えばマイクロコンピュータの構成とされた制御部110、210で実行されるプログラムによってその機能を実現することができる。
より具体的には、図6、図7、図8のフローチャートに示した処理は、この発明よるプログラムが適用されたものである。したがって、この発明のプログラムについても、実現可能である。
したがって、図6、図7、図8のフローチャートに示した処理を行うプログラムを形成し、これをインターネットなどの通信網や種々の記録媒体を介して配布し、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置などに追加搭載することも可能である。
100…撮像装置、101…撮像素子部、102…前処理回路、103…検波回路、104…画像処理部、105…解像度変換部、106…圧縮処理部、107…表示処理部、108…表示部、110…制御部、111…CPU、112…ROM、113…RAM、114…不揮発性メモリ、115…CPUバス、121…操作部、122…縮小Raw画像生成部、123…Raw画像ファイル生成部、124…伸張処理部、125…記録/再生部、126…記録媒体、127…外部I/F、128…入出力端子、1041…第1WB回路、1042…デモザイク回路、1043…バッファメモリ、1044第2WB回路
Claims (13)
- 未現像状態の画像データであるRawデータに対して、当該Rawデータを検波することにより得られたパラメータに基づいて、ホワイトバランス調整を行う第1の調整手段と、
前記第1の調整手段によりホワイトバランスが調整されたRawデータから、画像を形成する画素毎に、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色データを形成するデモザイク処理手段と、
前記デモザイク処理手段により形成された3原色データを一時記憶する一時記憶手段と、
ユーザーからのホワイトバランス調整に関する指示入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段を通じて、ホワイトバランス調整に関する前記指示入力を受け付けた場合に、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データに対して、前記指示入力に応じたホワイトバランス調整を行う第2の調整手段と
を備えた画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記デモザイク処理手段により形成された前記3原色データに応じた画像を表示する表示手段を備え、
前記第2の調整手段は、
前記受付手段を通じて、前記表示手段に表示された画像上において、目的とするエリアの指示入力を受け付けた場合に、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データの当該エリア内の3原色データを検波し、R(赤)原色データとB(青)原色データの調整量を算出する調整量算出手段と、
前記調整量算出手段により算出されたR(赤)原色データとB(青)原色データの調整量に基づいて、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データに対してグレー点補正を行うグレー点補正手段と
を備える画像処理装置。 - 請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記調整量算出手段は、輝度が最小値(0%)の時と、輝度が最大値(100%)の時には、R(赤)原色データとB(青)原色データの前記調整量を値「1」とし、グレー点補正を行わない画像処理装置。 - 請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記調整量算出手段は、輝度が最小値(0%)〜第1の値までの区間と、輝度が前記第1の値より大きな第2の値〜最大値(100%)までの区間においては、R(赤)原色データとB(青)原色データの前記調整量を、輝度に応じた値にする画像処理装置。 - 請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の画像処理装置であって、
被写体の画像を電気信号として取り込む撮像素子と、
前記撮像素子から出力される前記電気信号から前記Rawデータを形成する形成手段と
を備え、撮像装置として機能する画像処理装置。 - 未現像状態の画像データであるRawデータに対して、当該Rawデータを検波することにより得られたパラメータに基づき、ホワイトバランス調整を行う第1の調整工程と、
前記第1の調整工程においてホワイトバランスが調整されたRawデータから、画像を形成する画素毎に、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色データを形成するデモザイク処理工程と、
前記デモザイク処理工程において形成した前記3原色データを一時記憶手段に記録する一時記録工程と、
ユーザーからのホワイトバランス調整に関する指示入力を受け付ける受付工程と、
前記受付工程においてホワイトバランス調整に関する前記指示入力を受け付けた場合に、前記一時記憶手段に記録した前記3原色データに対して、前記指示入力に応じたホワイトバランス調整を行う第2の調整工程と
を有する画像処理方法。 - 請求項6に記載の画像処理方法であって、
前記デモザイク処理工程において形成した前記3原色データに応じた画像を表示手段に表示する表示工程を有し、
前記第2の調整工程においては、
前記受付工程において、前記表示手段に表示された画像上における目的とするエリアの指示入力を受け付けた場合に、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データの当該エリア内の3原色データを検波し、R(赤)原色データとB(青)原色データの調整量を算出する調整量算出工程と、
前記調整量算出工程において算出したR(赤)原色データとB(青)原色データの調整量に基づいて、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データに対してグレー点補正を行うグレー点補正工程と
を実行する画像処理方法。 - 請求項7に記載の画像処理方法であって、
前記調整量算出工程においては、輝度が最小値(0%)の時と、輝度が最大値(100%)の時には、R(赤)原色データとB(青)原色データの前記調整量を値「1」とし、グレー点補正を行わない画像処理方法。 - 請求項7に記載の画像処理方法であって、
前記調整量算出工程においては、輝度値が最小値(0%)〜第1の値までの区間と、輝度値が前記第1の値より大きな第2の値〜最大値(100%)までの区間においては、R(赤)原色データとB(青)原色データの前記調整量を、輝度値に応じた値にする画像処理方法。 - 未現像状態の画像データであるRawデータに対して、当該Rawデータを検波することにより得られたパラメータに基づき、ホワイトバランス調整を行う第1の調整ステップと、
前記第1の調整ステップにおいてホワイトバランスが調整されたRawデータから、画像を形成する画素毎に、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色データを形成するデモザイク処理ステップと、
前記デモザイク処理ステップにおいて形成した前記3原色データを一時記憶手段に記録する一時記録ステップと、
ユーザーからのホワイトバランス調整に関する指示入力を、指示入力受付手段を通じて受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいてホワイトバランス調整に関する前記指示入力を受け付けた場合に、前記一時記憶手段に記録した前記3原色データに対して、前記指示入力に応じたホワイトバランス調整を行う第2の調整ステップと
を画像処理装置に搭載されたコンピュータが実行するコンピュータ読み取り可能な画像処理プログラム。 - 請求項10に記載の画像処理プログラムであって、
前記デモザイク処理ステップにおいて形成した前記3原色データに応じた画像を表示手段に表示する表示ステップを有し、
前記第2の調整ステップにおいては、
前記受付ステップにおいて、前記表示手段に表示された画像上における目的とするエリアの指示入力を受け付けた場合に、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データの当該エリア内の3原色データを検波し、R(赤)原色データとB(青)原色データの調整量を算出する調整量算出ステップと、
前記調整量算出ステップにおいて算出したR(赤)原色データとB(青)原色データの調整量に基づいて、前記一時記憶手段に記憶保持されている前記3原色データに対してグレー点補正を行うグレー点補正ステップと
を実行するようにした画像処理プログラム。 - 請求項11に記載の画像処理プログラムであって、
前記調整量算出ステップにおいては、輝度が最小値(0%)の時と、輝度が最大値(100%)の時には、R(赤)原色データとB(青)原色データの前記調整量を値「1」とし、グレー点補正を行わない画像処理プログラム。 - 請求項7に記載の画像処理プログラムであって、
前記調整量算出ステップにおいては、輝度値が最小値(0%)〜第1の値までの区間と、輝度値が前記第1の値より大きな第2の値〜最大値(100%)までの区間においては、R(赤)原色データとB(青)原色データの前記調整量を、輝度値に応じた値にする画像処理プログラム。
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