JP2010020941A - 液晶表示装置および照明装置 - Google Patents
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Abstract
液晶表示装置におけるカラーフィルタによる光透過率の低下を回避して低消費電力化し、液晶表示装置の低価格化を実現する。
【解決手段】
被照射寸法、被照射面までの距離と凸反射面5の傾斜幅に応じて設定した曲率の凸反射面を導光板1の底面に棚田状に分散して設け、前記凸反射面を臨界角に基づく全反射面あるいは凸面鏡面とし、
光源からの光が平行光変換手段により平行光に変換されて導光板内を伝播する平行光を前記凸反射面に入射して、光束を拡げて被照射面に反射する。
3色の光源と、前記導光板を3層用い、導光板に分散配置された凸反射面による段差部をサブ画素幅づつ3層でずらして配置し、上層側に配置された導光板の凸反射面のピッチ間を下層側に配置された導光板の凸反射面による反射光を透過して3色の光源からの光を表示面の同一画素に照射し、液晶パネルにカラーフィルタを設けることなくカラー表示する。
【選択図】 図4
Description
乱反射ドットで反射せずに導光板背後に通過する光は光源に近いほど多くなり、効率低下が著しいので再利用するための反射シートが必要になっている。
乱反射ドットで反射した光は導光板出射面で臨界角以内の光を液晶側に放射し、臨界角以上は反射面側に多重反射する。液晶に照射される臨界角以内の光は垂直方向でなく、光源側からの斜めの光になる。斜めの光は輝度を低下するので導光板と液晶板の間にプリズムシートを設けて鉛直方向に近づける方法が多く用いられている。(特許文献2)。
乱反射方式は多重反射を伴うために、試作評価を繰り返して輝度を均一化されており、開発が非効率という問題もある。これを避けるために平行光線に近づける提案が多く出されている。
上記提案は光源に近い部分で仰角光線が多いので、光源からの距離に応じて長辺面を1〜10度の範囲で傾斜させ、短辺面は30〜50°の範囲で入射面を基準に漸次増加することにより輝度むらを改善した導光板が提案されているが、(図41、特許文献4)光源からの距離と傾斜との関数は示されていない。
光源から遠ざかるほど反射面積の大きな四角錐を底面に形成し、四角錐の反射面を焦点とするレンズを導光板出射面に設けて液晶側に平行光線を出射する方式が提案されている(特許文献5)。四角錐が窪みのため平行光は入射出来ず、四角錐よりも底面の反射面の方が遥かに面積が広いため底面における反射光は遠方のレンズ面に当たり多重反射するので効率が低下し、多重反射のため光線追跡が困難である。
導光板に多数の輪帯状の微小放物面反射鏡を設け、断面が鋸歯状になるように組み合わせた放物面フレネル反射鏡が提案されている(特許文献6)。点光源からの放射角度の内、平行光化出来る光線は放物面鏡方向に限られるため反射鏡を併用している。併用した反射鏡からの光線が放物面鏡で反射すると平行光とずれた方向に反射する問題がある。特許文献6には放物面鏡の焦線に設置した線状光源からの光を鋸歯状フレネル面で反射する方式も提案されているが、放物面鏡による平行光と光源からの直接光が混合したもので、放物面鏡の光束密度依存性が非常に大きいために輝度の均一化は困難である。
携帯機器では同心円状の微小反射材を配置した導光板に白色発光ダイオードによる点光源が使用されているが、線光源の場合より更に輝点が顕著になるので拡散シートを併用されている。図43のように光源の指向性範囲外が暗くなるので光源数を多くして緩和している(特許文献8)。
直下照明型の最もオーソドックスな形状は箱型の平面反射鏡に冷陰極管を並べたものである。薄型にすると管映りが出やすいため、光源を離し、波型などの反射鏡形状(図42)と拡散シートの併用などで均一化が図られている(特許文献9)。余弦関数反射鏡を用いる方式は光束密度が均一な結果が示されている(特許文献10)。光源からの距離と冷陰極管ピッチの関数のため薄型化と光源数の削減の双方を満足することは難しい。
反射鏡の形状は多くの方式が提案され、光線軌跡は示されているが、多くは定量的に扱われていないため均一性は不明確である。拡散シートを厚くするほど輝度を均一化出来るが吸収により効率が低下する。
顔料による着色は顔料粒子に白色光が当たり、その反射光の分光特性によるものである。白色光が粒子に当たらずに貫通すると淡色化し、顔料含有率が高過ぎると透過域の透過率が低下して暗くなってしまう。透過率を高め、遮断特性を急峻にするには微粒化、顔料分散比率と膜厚制御が必要である。
カラーフィルタによって不要帯域である2/3は吸収され、透過域でも吸収があるので光透過率は30%以下である。3波長冷陰極管の発光スペクトルは3波長以外のスペクトルも多く含まれ、これらを十分に遮断しようとすると透過域の透過率も低下して光透過率は更に低下する。カラーフィルタの透過率は液晶装置の中で最も低く、次いで偏光板の約45%などにより、液晶表示装置全体としての透過率は8%以下である。
液晶基板におけるカラーフィルタ製造法として、印刷法は少ない工程で製造可能だが高解像度化が難しく、写真蝕刻法が多く採用されている。しかし、写真蝕刻法は洗浄、レジスト塗布、露光、現像、硬化の工程をブラックマトリクス、赤、緑、青の4層について行うため工程が長く、高価な装置が必要なため液晶パネルの価格に占める割合が最も高価になっている。
冷陰極管はインバータを必要として小型化などの問題のため携帯用途などでは白色発光ダイオードを使用されている。
白色発光ダイオードは青発光ダイオードによる青色光をその補色である黄色蛍光体に当てて青と黄色加法混色により白色光に変換する方式が白色照明用途などに多く使用されている。液晶表示の場合は2色混色法では赤などの再現性が悪いので青色光を黄色、赤あるいは緑、赤の蛍光材に当てる加法混色方式が採用されている。しかし、青色光を蛍光材料比で波長変換するために配合比バラツキがアンバランスを2倍に増大し、経時変化によってもアンバランスを生じるので発光素子と蛍光材料の経時変化を同等にする必要がある。
3色のチップを同一パッケージに入れた加法混色方式もあるが、小さなパッケージの焦点からのずれが大きく3つのチップの指向性によってアンバランスが生じる。
液晶プロジェクタもダイクロイックプリズムによって混色されているが、照射面積が広いためにメタルハライドランプなどの高光度の白色光源を用い、ダイクロイックミラーで色分解する方法を多く採用されている。
時分割方式は画面の表示周期16.6mSを赤、緑、青に3分割して5.6mS毎に切り替えて視覚的に残像混色する方式である。液晶が階調、色を正しく表現するのは液晶応答の上昇期間、下降期間を差し引いた平坦期間であり、平坦期間の占める割合が低くなると輝度とコントラストが低下する。
時分割方式で動画を再生すると赤、緑、青の3つの画像が観察者の網膜上でずれて合成される色割れ妨害が起こる。これを防止する方法として第4周期目に白、黒、または中間色を挿入する方法などが提案されているが(特許文献12,13)、4分割法では応答速度が2mS以下の必要がある。ネマティック液晶の応答速度は50mS〜100mSのため、高速な液晶材料に制限されるが、強誘電液晶は高速応答な半面、シェブロン構造によるジグザグ欠陥から光漏れを起こしやすく、配向制御が難しくなる。衝撃で層構造が破壊されやすく、自己修復しないなどの難点がある。
光源に近い部分は白色塗料密度が低いために導光板背後に透過した光の損失を防止する反射シートを必要とする。
導光板内の乱反射は斜め光なので、コントラストを低下させるのでプリズムシートで確率中心を鉛直方向に変換する必要が生じる。
多重反射するために、試作評価を繰り返して輝度を均一化されており、開発が非効率である。
カラーフィルタにおける着色は顔料粒子で反射することに因っており、散乱光になるために垂直配向、ベンド配向では黒表示モードで液晶分子に斜め光が当たることによる光漏れが発生し、コントラストを低下させる。
カラーフィルタはブラックマトリクス、赤、緑、青を写真蝕刻法などで順次焼き付けるため製造工程が多く、液晶表示装置の製造コストに占める割合が最も高価である。
青発光ダイオードの光を赤、緑蛍光体に当てる混色法白色発光ダイオードは色バランスが蛍光材料の配合比に顕著に影響される。赤、緑、青発光ダイオードを同一パッケージに入れて3色光を混合する簡易な混色方法は見る方向によって色バランスが崩れる。
ダイクロイックプリズムを用いて各素子のバランスをとる方法は光学系が複雑になり高価である。
3分割方式では高速な動画が赤、緑、青にずれて表示される色割れを起こす問題があり、4分割方式などが提案されているが、4分割方式では約2mS以下の高速応答の液晶が必要になる。
棚田状導光板1を側面から見た構造は、図1のように液晶側に対向する反射面側に凸反射面5を配置した棚田状構造のものである。この凸反射面5は光源からの平行光線を略鉛直方向にある液晶の画素に向けて反射し、凸反射面が画素寸法より小さいために画素寸法に拡大するための負焦点距離の反射面である。光を伝播する導光板内では凸面だが、導光板外面から見ると凹面になっている。この凸反射面5は図2のように臨界角以上に傾斜すると全反射することが出来る。蒸着膜などの鏡面反射層にして反射することでも良く、臨界角の制約はなくなるが蒸着工程などが必要になり価格上昇になる。
凸反射面5の光源側において水平面となす傾斜角θd、入射角θ1との間には
の関係が成り立ち、全反射条件θ1>θcより
の必要がある。光源は完全な点光源ではないために平行性公差があるのでθdは公差の余裕をとる必要がある。
平行光が凸反射面で光束を拡大して被照射面におけるサブ画素の透過部の幅Wに拡大する様子を図3に示す。被照射面までの距離tは導光板厚と液晶透明基板厚の和になり、サブ画素の透過部の幅をW、導光板凸面傾斜部の円周に沿った幅をdとすると、凸反射面の曲率半径rは
で表される。棚田状構造の導光板の位置による厚さtの変化に応じて曲率半径rを変えることにより均一に画素透過部幅に照射することが出来る。
凸反射面は円筒面を直線状に並べると液晶面において直線的なストライプとして表示出来るが、凸反射面をジグザグ状に折り曲げて配置することでジグザグ状ストライプも実現出来る。
3色の点光源と、棚田状導光板を3層用い、棚田状段差部をサブ画素幅のストライプピッチでずらした状態の斜視図を図5に示す。同一画素に照射する凸反射面の曲率半径が3層の導光板で異なり、液晶面側の曲率半径を短く設定した状態である。光源は3色の発光ダイオードを用い、軸外放物面鏡の焦点に設けたものである。軸外放物面鏡は導光板の厚さ方向、幅方向とも放物線にすることにより平行光に変換出来る。幅方向の寸法は焦点距離、光束密度分布、光源の光度、指向性などにより設定されるので幅を広くするためには放物面の奥行を長くする必要がある。
3色の光源と、棚田状段差部をサブ画素幅のストライプピッチでずらした状態、及び光源は3色の発光ダイオードを用い、軸外放物面鏡の焦点に設けた点は前記と同様だが、液晶面までの距離が各層で異なるので導光板の出射面側に正焦点距離の屈折面を設け、同一構造の棚田状導光板を3層用いたときの斜視図を図6に示す。
導光板の厚さ方向、幅方向ともに放物面の焦点に発光ダイオードを設け、液晶ストライプの配列順に複数色の発光ダイオードを交互に配置することにより複数色の平行光を供給することが出来る。
数4に示す放物線上の点(x,y)と焦点(p,0)間の距離をhとすると、
光束密度は光源と反射面上の点との距離の2乗に反比例するため、光束密度Iをyの関数で表すと、
pを1としてyを0から4の範囲で図示すると、図7のように光軸から離れるほど光束密度が減少する。
総光束は、yを0から4の範囲で積分すると、
積分の曲線を図8に示す。
導光板では放物面鏡の光軸に近い範囲を利用し、導光板反射面積を逆関数にして補正すると厚さ増加を抑制して光束密度を均一に出来る。x座標の焦点p、y座標の1.41pまでの放物面鏡における段差の位置関数曲線を図9、導光板断面の包絡線を図10に示す。
放物面鏡開口端における光束を積分して総光束を求め、開口端で均等になる値を反射鏡上に求めてその座標と結んだ線が均一化するための拡散光線軌跡である。
この総光束を開口端で光軸垂直方向に均一になるよう等分する。総光束を等分した光束が反射鏡上のy座標は光束密度分布から求められ、x座標も求められる。この点と開口端の点を結べば拡散角度を求めることが出来る。
図11に放物面鏡9の平行光出射を示すが、同様に、反射鏡の傾斜を増分する角度は平行光からの増分する拡散角の半分である。反射鏡の傾斜を求めるには放物面鏡9の接線の傾斜mと法線の傾斜−1/mを求める必要がある。
放物線上の点(x0、y0)の傾斜はxで微分して、
接線の方程式よりmは
である。法線は接線に直交するので
である。
放物線の包絡線を維持したまま反射鏡の傾斜を増大するのは微細な急傾斜鏡面と緩傾斜面をもって繋げることになる。放物面鏡の鏡面を分割し、均一にするための平行光からの拡散角度の半分を放物線の接線傾斜より増大することにより反射鏡開口端において均一な光束密度で拡散することが出来る。
凹面鏡の鏡面を分割して放物線の接線傾斜より増大する急傾斜鏡面と、緩傾斜面を焦点方向に対向する面で構成する。放物線の接線傾斜より増大する面の反射光は凹面鏡開口端において均一な光束密度となるように、凹面鏡の焦点に設けた光源からの光を平行光より光束拡大し、前記開口端に更に正焦点距離屈折面を設けることにより、光束密度の均一な平行光に変換することが出来る。焦点方向に対向する鏡面の反射光は焦点に戻った光を再び凹面鏡に照射することにより最終的には放物線の接線傾斜より増大する急傾斜面の反射光として出射される。
反射鏡上のy座標の点において光束が拡大する分布状態を図13に、光束密度分布を破線で、光束密度の積分曲線を実線で図14に示す。
以上の方法で求めた曲線は
である。aは反射鏡の軸方向長さ、正焦点距離屈折面の傾斜などの影響によって幅を持っている。x<2の浅い反射鏡の場合、第2項の寄与が小さく、第2項による補正は不要だが、xが長くなるに従ってb,cを調整することにより均一性が良くなる。xの長い、つまり口径yの大きな反射鏡は図7のように光軸から離れるほど光束密度が減少するのでaのように顕著ではない。
光束密度均一化反射鏡のa=5.8,b=2.5,c=2,p=1における曲線を放物線と比較した図を図15に示す。
この拡散光を正焦点距離屈折面に入射すると平行光に戻すことが出来、これによって光束密度の均一な平行光を得ることが出来る。平行光に戻すための屈折面の角度を図12に示す。
正焦点距離屈折面で光軸に平行にするための界面の傾斜θ3は
である。各拡散角度についてθ3を求め、連続曲線にすると屈折面曲線、レンズ曲線を求めることが出来る。導光板などの透光物質に入射するとき、正焦点距離屈折面を1枚で平行光に変換する解析結果の曲線を図16に示す。平行光だけでなく屈折面の曲線によって光束密度の均一な拡散光、収束光への変換も可能である。
光束密度均一化反射鏡による拡散光を空気中に照射する場合は屈折面が複数になり、平凸レンズで構成した例を図17に示す。
平凸レンズの平面で変換された屈折光出射角θ2
屈折面で光軸に平行にするための界面の傾斜θ3は、
屈折率1.55の平凸レンズよりレンズ厚を薄くするフレネルレンズの例を図18に示す。
正焦点距離屈折面を持つ導光板に入射すると棚田状導光板の段差は一定になり、包絡線は直線になるため図9、図10の補償方法より薄型化が可能である。
第1の凸反射面は前項同様に、液晶面側の曲率半径が長く、底面側を短くして第2の棚田状導光板の上段と下段の差を緩和している。液晶表示装置の表示面をxy平面としたとき、バックライト導光素子側面からy軸方向に入射する平行光線を、yz平面上に棚田状に段差を持たせた第1の棚田状凸反射面でx軸方向に光束を拡げて方向変換し、x方向に変換されて光束拡大する光線は第2棚田状導光板において下段側ほど光束拡大率が高い入射光であり、凸反射面を円筒状にすると液晶面において下段ほど拡大される。円筒でなく、軸方向に負焦点距離反射面とする補正することで位置に依存せずに液晶画素に入射出来る。
棚田状導光板の反射面で画像拡大するので入射面の液晶表示素子は細長い形状である。これを段丘傾斜方向のみに画像拡大する場合は厚さ方向が圧縮され扁平化した画像の必要がある。
1層目を赤R、2層目を緑G、3層目を青Bとし、12画素分を1段目の凸反射面で反射する状態を模式図を示す。棚田の段丘方向の12画素を下側からA,B,C...Lとする。2段目以降は省略する。
1層目の凸反射面でA,B,C...Lの赤の画素を定ピッチでスクリーンに照射し、2層目で同じ位置に緑の画素を、3層目で同じ位置に青の画素を照射すると、スクリーン上のAの位置にAr、Ag、Abが照射され、スクリーン上で混色される。同様に、スクリーン上のB位置にBr、Bg、Bbが照射され、スクリーン上で混色される。以下は全て同様である。1段で制限無く多数画素に分配出来るわけではなく、図2のように凸面の前面側に比べて後面側では広い面積に照射することになり、後面側はスクリーン上の単位面積あたりの光量が低下する。1段あたりの多数画素に分配数は輝度の非線形性が目立たない範囲で決める必要がある。
透明物質として空気を用い、凸反射面を形成するために透光物質で凸反射面の入射側を平行光に対して垂直な面として平行光を全反射凸反射面に入射し、その反射光を出射側に光束を拡大する光線に対して略垂直の面として透光物質で構成すれば、鏡面の代わりに全反射を利用することも出来る。出射側は光束を拡大するので平面の場合は略垂直の出射面であり、これを棚田状全反射面板と呼ぶことにする。この構成により、透光層の大部分は空気であり、全反射面を構成するための透明高分子層なので軽量化とコスト削減を実現することが出来る。棚田状全反射面板を非常に薄くすると剛性が低下して光学特性を損なうことのないように支持する必要がある。図27、図28ではフレームを兼ねた支持基板21を背面に設けた例を示しているが、棚田状全反射面板39自体の厚さを厚くして剛性を高めても良い。
透明物質として空気層と棚田状全反射面板を用いたリアプロジェクタの例を図30に示す。棚田状全反射面板を楔形に支持する機構は図では省略している。
横1000mm、縦560mmの画面寸法で、奥行は拡大率を50倍として被写表示素子の短辺寸法は11.2mmになる。これを3層用い、他にスクリーンまでの空間約30mm、筐体の厚さを加えて奥行約80mmでリアプロジェクタを構成することが出来る。
光源に戻す反射鏡は蒸着などにより形成されるため工程の追加が必要になるが、図34のように再帰反射素子を形成すると樹脂成型時に形成できるので低価格化可能である。再帰反射素子はコーナーキューブまたは直角プリズムがあるが、傾斜反射面の延長上なので直角プリズムが容易である。
緑色用導光板1G内の三角柱も導光板平面方向、直上方向、及び隣接三角柱方向の3方向に分割するが、青色三角柱からの青色光を傾斜反射面30の臨界角以内で入射している。青色光は緑色光三角柱上部を照射するだけでなく、隣接する赤色光三角柱に伝播する必要がある。緑色三角柱と導光板1Rとの界面の状態を図37のB1に示す。B2は傾斜反射面を臨界角以内の光で透過する状態を示している。
赤色光三角柱は全反射面を形成するために2層になっており、図37のCに示している。
棚田状導光板は平行光を目的方向に光束を拡大して全反射するため散乱方式に比べて損失が少なく、設計効率の向上、部材コストの削減が可能である。
液晶プロジェクタでカラー表示する場合はクロスダイクロイックプリズムで混色されるために構造が複雑で高価だが、スクリーン上で混色されるため構造が簡単で低価格である。
画面寸法は横408mm、縦306mm、画素ピッチ399μm、サブ画素ピッチ133μmである。
光源からの光を平行光に変換して供給し、棚田状断面の導光板に傾斜した凸反射面を設けたものである。
液晶側に対向する反射面側は円筒凸反射面384個を均等ピッチで配置した棚田状構造のものである。導光板の棚田状段差が画素寸法より小さいために画素寸法に拡大するための凸反射面は、光源からの平行光線をほぼ鉛直方向にある液晶の画素に向けて反射するもので、この凸反射面は全反射臨界角以上に傾斜することにより反射層を形成する必要がなく製造費用削減が可能である。放物面鏡の光束密度は光軸からの距離依存性があるため光軸から遠い導光板底面側の段差を大きくして輝度を均一化している。
光源として発光ダイオードを各色とも64個を棚田状導光板光源部の軸外焦点に配置する。発光ダイオードは図4のように放物面鏡9の反射光を遮らない位置にオフセットしている。この実施例では光度250mcdの発光ダイオード各色64個を両サイドに配置することにより、光透過率40%のとき輝度307cd/m2 が得られる。
第2の凸反射面は円筒状反射面で、下段と上段で液晶パネルまでの距離が異なるため、上段ほど曲率半径を小さくしている。この方式は凸反射面で光束を拡大するため拡散シートは不要である。出射光が指向性の狭い光束拡大光のためプリズムシートは不要である。全反射を利用するため反射シートも不要である。
横1000mm、縦560mmの画面寸法で、奥行は拡大率を50倍として被写表示素子の短辺寸法は11.2mmになる。これを3層用い、他にスクリーンまでの空間約30mm、筐体の厚さを加えて奥行約80mmでリアプロジェクタを構成することが出来る。
透明物質として空気を用い、凸反射面を形成するために透光物質で凸反射面の入射側を平行光に対して垂直な面として平行光を全反射凸反射面に入射し、その反射光を出射側に光束を拡大する光線に対して略垂直の面として透光物質で構成している。この構成により、透光層の大部分は空気であり、全反射面を構成するための透明高分子層なので軽量化とコスト削減を実現することが出来る。棚田状全反射面板を非常に薄くすると剛性が低下して光学特性を損なうことのないように支持する必要があり、フレームを兼ねた支持基板21を背面に設けた例を示している。
軸対称の特性図は正の範囲のみで表示している。
1:棚田状導光板 2:サブ画素
3:空隙 5:凸反射面
7:点光源 8:線光源
9:放物面鏡 11:凹レンズ
12:偏光板 13:透明基板
14:液晶層 15:平行光
20:配線基板 22:光束均一化凹面鏡
23:正焦点距離屈折面 24:凸面鏡
25:スリット 27:棒状導光体
28:凹面鏡 29:反射面
30:三角柱 31:反射鏡
33:全反射光 34:再帰反射素子
36:負焦点距離屈折面 37:低屈折率層
39:透光物質 40:焦点
43:液晶パネル 51:スクリーン
52:投射原稿 56:投射装置
58:拡散材層 60:拡散材
61:プリズム 62:乱反射ドット層
66:遮光体
Claims (17)
- 光源からの光を平行光変換手段によって平行光を形成して導光素子に入射し、導光板内を伝播する平行光を、導光板の底面に設けた反射面に臨界角以上の入射角で入射して全反射し、あるいは前記反射面を鏡面として反射し、被照射寸法、被照射面までの距離に応じて反射面の曲率を設定することにより光束を拡げて目的方向に反射し、前記導光板を3層用いて導光板の傾斜した反射面の段差部を3層でずらして配置し、3色の光源からの光を表示面に照射してカラー表示することを特徴とする液晶表示装置。
- 同一画素に照射する3層の棚田状反射面の段差部をサブ画素幅のストライプピッチでずらし、各導光板の出射面に正焦点距離屈折面を設けて平行光に変換することにより、凸反射面の曲率半径を各層とも同一にして同一形状の導光板を3層積み重ねて各色のサブ画素に平行光を入射し、カラー表示することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 液晶表示装置の表示面をxy平面としたとき、導光板側面からy軸方向に入射する平行光線を、yz平面上に棚田状に段差を持たせた第1の棚田状凸反射面でx軸方向に光束を拡げて方向変換し、x方向に変換されて光束拡大する光線を、xy平面上に棚田状に段差を持たせた第2の凸反射面に照射して略鉛直方向にある液晶パネルに光束を拡大して反射する導光板を3層用い、第2の棚田状凸反射面の段差部をサブ画素幅のストライプピッチでずらすことにより3色で3個の光源を用いてカラー表示することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 液晶表示装置の表示面をxy平面としたとき、導光板側面からy軸方向に入射する平行光線を、yz平面上に棚田状に段差を持たせた第1の棚田状凸反射面でx軸方向に光束を拡げて方向変換し、x方向に変換されて光束拡大する光線は下段側ほど光束拡大率が高いため、第2の棚田状凸反射面を軸方向に負焦点距離反射面として液晶画素幅に入射することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 棒状の導光体内部を長軸方向に伝播する平行光を棚田状に分散配置した凸反射面で光束を拡大して、出射面側で定ピッチとなるように導光棒状体の側面に反射し、更に前記凸反射面と焦点位置が共通な正焦点距離屈折面で平行光に変換する要素を出射面に沿って配置し、棒状体の側面より平行光を出射して導光板に入射することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 3色の光を色別に3枚の液晶表示原稿素子に照射し、3層の導光板内に分散配置された反射面を3色でずらして配置することにより、傾斜した反射面で進行方向を阻害されることなく画素幅に光束拡大してスクリーンで3色を合成することによりカラー表示することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- xy平面上に棚田状に反射面を分散配置させた概略楔形導光板の入射面に表示原稿素子を設け、表示原稿素子投影光を棚田状反射面に照射し、この反射光をxy平面にある表示面に画像を拡大して反射することにより表示素子画像をスクリーンに拡大表示することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 導光板入射面に垂直方向が圧縮され扁平化した画像を持つ細長い形状の液晶表示素子を配置し、導光板内に分散配置される反射面における光束拡大機能によって細長い形状の液晶表示素子から画面寸法に拡大することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 棚田状反射面の1反射面あたりで複数画素を投影することにより棚田状に分散配置される段数を削減して反射面寸法を拡大することにより金型製作を容易にすることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 表示面をxy平面、表示透過光方向をz軸とし、投影表示素子をxz平面に設けてy軸方向に平行光を照射する配置において、yz平面上に棚田状に段差を持たせた第1の棚田状凸反射鏡でx軸方向に画像を拡大しつつ方向変換し、xy平面上に棚田状に段差を持たせた第2の棚田状凸反射面に照射し、この反射光をxy平面にある表示面に画像を拡大して反射する導光板を3層用い、第2の棚田状段差部をサブ画素幅のストライプピッチでずらすことにより3個の光源で表示素子画像をスクリーンに拡大してカラー表示することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 透明物質として空気を用い、全反射面を形成するために用いる透明高分子材における棚田状反射面の入射側を平行光に対して垂直な面として平行光を全反射面に入射し、出射側の面を光束を拡大する反射光線に対して略垂直の面として透光物質で構成することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 概略楔形導光板の厚い部分を交互に積み重ねて配置することにより全体の導光板厚を薄くしたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 線光源光を平行光変換し、導光板直下から入射した平行光を傾斜した反射面によって平面方向に変換して反射する直下照明型液晶表示装置において、45°の傾斜反射面を棚田状に分割して水平部を挿入することにより、光源の出射幅よりも導光板厚さを薄くすることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 導光板厚より幅広の直下方向にある光源からの入射光を45°の傾斜反射面で導光板の平面方向に反射し、導光板厚より幅を広くするために挿入した部分を反射鏡または再帰反射素子にして光源に戻し、再び平行光として傾斜反射面に照射することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 導光板直下から入射した光を傾斜した反射面と水平面における透過開口部の面積比の設定によって導光板の平面方向に反射する成分と傾斜面の直上部に透過する成分に分離することにより、直下照明型液晶表示装置のV字型に対向する傾斜反射面上部をも照射することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 直下照明の3色の光源からの平行光を三角柱状の傾斜反射面で平面方向に反射し、傾斜反射面に設けた透過部により三角柱上部及び隣接する三角柱への入射は臨界角以内にすることにより隣接する三角柱の上部をも照明することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 凹面鏡開口端において均一な光束密度となるように凹面鏡の鏡面を放物線の接線傾斜より増大して光源からの光を平行光より光束拡大する凹面鏡において、鏡面を分割して放物線の接線傾斜より増大する急傾斜鏡面と、焦点方向に対向する緩傾斜面で構成し、焦点方向に対向する鏡面の反射光は焦点に戻った光を再び凹面鏡に照射して放物線の接線傾斜より増大する急傾斜面の反射光として出射することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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