JP2010019421A - 免震装置、滑り支承また免震構造 - Google Patents
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Abstract
積層ゴム免震より、安く、耐久性があり、高い免震性能が得られる免震装置の開発である。
【解決手段】免震装置によって免震される構造体とこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分との両者間に設けられ、下向きの凹形状滑り面部を有する上部材と上向きの凹形状滑り面部を有する下部材とを、互いに交差する方向にスライドできるように係合することにより、全方向性の復元力を持たせられるように構成され、かつ、前記上部材を免震される構造体に、前記下部材をこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする。
【選択図】図90
Description
滑り支承は、構造体とこの構造体を支持する構造体との間に設けられるものであり、免震装置も、免震装置によって免震される構造体とこの免震される構造体を支持する構造体との間に設けられるものである。
ここで発明された免震装置は、当然、滑り支承として使用また応用できる。
特許 1844024号および特許 2575283号の免震復元装置は、全方向での復元性能を考えると、すり鉢状及び球面状等の凹形状滑り面部をもった免震皿からなる重力に復元する免震復元装置であった。下部また上部におかれる免震皿は場所も取るし、構造体及び基礎からはみ出している部分に力が加わった場合の支持強度上の問題があり、はみ出している部分の面積は小さい方が有利である。そのような問題の解決が望まれた。
また重力復元型特有の振幅時の垂直変位のための遊びによるがたつきの問題の解決、またそのことによる引抜き時の衝撃を吸収する機能が求められた。
2.1. 復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承
特許 1844024号の引抜き防止装置に、復元また減衰機能を持つ装置を求められた。また、免震皿から外れる事を抑制また防止することが求められた。
2.2. 積層ゴム/ゴム/バネ引抜き防止対応装置
積層ゴムの引抜き力対応に対しての欠如と積層ゴムの座屈(底辺に対して高さの高い積層ゴム)の問題を解決する必要が求められた。
2.3. 引抜き防止機能の増強
また、特許 1844024号の引抜き防止装置の引抜き防止機能をさらに増強する事が望まれる。
2.4. 新引抜き防止装置・滑り支承
また、特許 1844024号の引抜き防止装置の違う形も求められた。
2.5. 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承
特許 1844024号の引抜き防止装置と免震復元装置との複合が求められた。
2.6. 重力復元型免震・滑り支承振幅時の垂直変位の吸収装置
特許 1844024号の引抜き防止装置に、併用する免震復元装置の振幅時の垂直変位のための遊びによるがたつきの問題の解決、またそのことによる引抜き時の衝撃を吸収する機能が求められた。
特許 1844024号および特許 2575283号の免震装置また免震復元装置等の滑り型免震装置・滑り支承に関しては、初滑動を良くする必要が求められ、また地震時の振幅を小さくする必要が求められた。
滑り型免震装置の問題として、摩擦係数を大きくすると振幅を抑制するが、初動加速度が大きくなり、逆に、摩擦係数を小さくと、初動加速度が小さいが、振幅が大きくなるという問題があった。そのためこのような問題が解決される減衰装置が求められる。つまり、初動加速度が小さく、免震感度が高く、しかし、一定以上の振幅を抑制するというような減衰装置が求められている。
特許 1844024号および特許 2575283号の免震装置また免震復元装置の免震皿を小さくし、さらにその密閉性も求められた。
また、免震皿と滑り部の摩擦性能も上げ、接触面積をできるだけ大きくし、且つ、振幅時にも、その接触面積が変化しないように同じにしたい。
5.1. 重力復元型免震・滑り支承の滑り部の改良
特許 1844024号および特許 2575283号の免震装置また免震復元装置の免震皿と滑り部の接触面積をできるだけ大きくし、且つ、振幅時にも、その接触面積が変化しないように同じにしたい。また、滑り性能を上げたい。また、首ふり角度を急にしたい。
5.2. 垂直変位吸収型の重力復元型免震・滑り支承
免震復元装置による皿の移動による垂直変位を吸収する必要があった。
バネとかゴムではない長寿命の復元装置が求められ、また、特許 1844024号および特許2575283号の、垂直変位のない免震復元装置(重力復元型免震・滑り支承)が求められた。
今回の阪神大震災で地震の垂直動を吸収できる垂直免震装置の必要性が求められている。
また、特許 2575283号の固定ピン装置の詳細の仕様が求められた。
阪神大震災では建物が無事でも 杭がやられて駄目になったケースが多かった。その対処法も考えられるべきである。
免震される構造体と、それを支持する構造体とを分離する必要から、1階の梁とそれに支えられる床が必要になり、それをいかに安くするかも課題であった。また、プレハブ・在来・2×4という上部構造の構法の違いを問題としない構法、また上部構造としての剛性のない問題も解決する必要があった。
免震装置の配置に関する内容と、その際の復元装置の復元能力の設計に関する内容が求められた。
免震装置の施工時及び施工後の水平性維持の問題も解決する必要がある。
またさらに、従来の積層ゴムは、鋼とゴムとの付着性の問題、鋼とゴムとの付着して積重ねてゆく製法上の困難性の問題、また耐圧能力の問題、防火上の問題等があり、もっと簡易な製法で、これらの問題が解決する方法が望まれた。
以上の免震装置・構造を利用して、具体的に建物等の構造体設計の具体的方法も求められた。
12.1. 超高層建物・構造体
特に、柔構造の超高層では、地震時にも大きく揺れるが、風力時にも大きく揺れる。この問題を免震装置によって解決する方法が望まれた。
12.2. 高塔状比建物・構造体
引抜き力が働く建物・構造体には、従来の積層ゴムは、使用できず、高塔状比建物・構造体には、免震装置は使用されなかった。この問題を解決する方法が望まれた。
12.3. 軽量建物・構造体
従来の積層ゴムでは、固有周期が延びず、免震されないため、軽量建物・構造体には、免震装置は使用されなかった。この問題を解決する方法が望まれた。
1.十字重力復元型免震・滑り支承
1.1. 十字重力復元型免震・滑り支承
特許 1844024号の免震装置(特許 1844024号の明細書の第 8図〜第9図)の材料を節約
するために、十字型にした(以下「十字型免震・滑り支承」という)。 特許 1844024号の一方向性の免震皿を持った免震復元装置(特許 1844024号の明細書の第 1図〜第 4図)に全方向の復元性能を持たせるために、凹形状の一方向性免震復元装置を上下に交差させて係合させる(以下「十字重力復元型免震・滑り支承」という)。十字型免震・滑り支承と同様に、材料を節約することになる。
上記十字重力復元型免震・滑り支承の上下スライド部材の摩擦係数を下げ、また相互の滑り面の接触面積を上げるために中間滑り部を設ける。
また、発明は、特許 1844024号の引抜き防止装置(特許 1844024号の明細書の第10図〜第11図)との一体化も可能になり、引抜きを防止し、かつ復元も可能という免震装置を可能にする(以下、 「十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承」という)。
また重力復元型特有の振幅時の垂直変位のための遊びによるがたつきの問題の解決及び引抜き時の衝撃の問題は、上部スライド部材のスライド孔を下向きの凹形状にし、同様に、スライド孔を挟む下部材の下部を下向きの凹形状にし、下部スライド部材のスライド孔を挟む上部材の上部を上向きの凹形状にし、同様に、下部スライド部材のスライド孔を上
向きの凹形状に構成して、上下部スライド部材が互いに滑走することにより、解決される。
2.1. 復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承
請求項1項の発明は、特許 1844024号の引抜き防止装置のスライド穴に、復元また減衰のために水平にバネ(空気バネ含む)を設け、復元また減衰機能をもたせた。
また、このバネ(空気バネ含む)またゴムは、係合されたもう一方のスライド部材に接すること無く、途中までに設けられている構成により、併用する免震皿の滑り面から滑り部等が外れる可能性のある地震振幅のみに抑制が働き、免震皿の大きさの地震振幅には、抑制は働かずに、免震装置による免震性能を減じない効果が得られる。
請求項2項の発明は、積層ゴムの引抜き力防止の解決策であり、また同時に引抜き防止装置が、垂直荷重をカバーするので、積層ゴム自体の座屈(底辺に対して高さの高い積層ゴム)の問題の解決にもなる。これにより、積層ゴムの幅を大きくしないと大きな変位に対応できないという積層ゴム自体の問題をも解決し、積層ゴム自体のコンパクト化と低コスト化を可能にする。
特許 1844024号での発明の引抜き防止装置の引抜き力に対する補強のため、上下スライド部材中央部でそれらを貫く係合材を取り付けることにより構成するものである。
特許 1844024号での発明の引抜き防止装置のスライド孔を有さない上下スライド部材の中央部でそれらを貫く係合材を取り付けることにより構成し、引抜き力に対応するものである。
請求項3項の発明は、特許 1844024号での発明の引抜き防止装置に、特許 1844024号での免震復元装置を複合させたものである。
特許 1844024号での発明の引抜き防止装置の、両方のスライド孔内に、他方のスライド部材をバネ等で押さえ込むプレート等の部材を取付けたもので、併用する重力復元型免震・滑り支承の振幅時の垂直変位のための遊びによるがたつき、また引抜き時の衝撃を吸収する。
また、重力復元型免震・滑り支承の曲率と同じ勾配を上下スライド部材にもたせる構成による方法もある。
3.1. 摩擦係数の変化
地震の初滑動を良くするために、免震皿の滑り面部において中心部の摩擦係数は小さくする。また、振幅を小さくするために、免震皿の滑り面部において周辺部の摩擦係数を大きくする。
また両方を組合せ、免震皿の滑り面部において中心部の摩擦擦係数は小さくし、滑り面部の周辺部の摩擦係数を大きくする。そうする事により、地震の初動加速度が小さくでき、しかも、一定以上の振幅を抑制するという効果がより高まる。 また、免震皿の滑り面部において、漸次的変化で中心部から周辺部に向かって、漸次的に摩擦係数を大きくしてゆく方法もあり、また段階的に大きくしてゆく方法もある。請求項4項は、その発明である
。
また、粘性ダンパー等またバネ・ゴム等に比べて、摩擦は、摩擦係数で簡単に減衰効果を変えられるだけでなく、地震後の減衰効果も大きい。というのは減衰性に関して、摩擦は速度と無関係で一定という関係であり、地震後の震動速度が弱まると減衰効果は大きくなり、速やかに減衰する。逆に粘性ダンパー等は速度に比例し、またバネ・ゴム等は振幅に比例するため、地震後でも、漸近線的なカーブになり、なかなか減衰しない。
重力復元型免震・滑り支承において、凹型の滑り面部において中心部の曲率を大きくし、また周辺部の曲率を小さくした免震皿にする。
請求項5項の発明は、その発明である。
4.1. 二重(以上)免震皿免震・滑り支承
免震皿の大きさを小さくするために、支持され免震される構造体と、それを支持する構造体の両方に、免震皿を取付け、免震皿を上下二重(二重免震皿)にする。この上下の二重免震皿免震・滑り支承は、平面形状滑り面部免震皿同士で滑る場合と、平面形状滑り面部と凹曲面形状滑り面部との免震皿同士で滑る場合、また凹曲面形状滑り面部の免震皿同士で滑る場合とに別れる。平面と凹曲面との免震皿同士で滑る場合、また凹曲面の免震皿同士で滑る場合は、上下の二重免震皿の間に中間滑り部を必要とする。この二重免震皿免震・滑り支承は、特許 1844024号の滑り部と免震皿を持った免震装置また免震復元装置に比べて、一枚の免震皿の面積あたりで、ほぼ 1/4で、上下合わせても、ほほ 1/2で良くなる。また、同じ大きさの免震皿にできることにより、地震時以外の常時の密閉性も得られる。また、当然、三重以上の免震皿による免震・滑り支承も考えられる。
請求項6項〜請求項7項は、その発明である。
また、上部免震皿、中間免震皿、下部免震皿による三重免震皿免震・滑り支承において、上部免震皿、中間免震皿とをスライド部材でつなぎ(x軸方向=水平方向)、中間免震皿、下部免震皿とをスライド部材でつなぐ(y軸方向=水平方向)ことにより、上部免震皿、中間免震皿、下部免震皿が相互に連結して(z軸方向=鉛直方向)、引抜き力に対処できる。また、四重以上免震皿免震・滑り支承も同様に考えられる。
請求項8項〜請求項9項は、その発明である。
4.2.1. 中間滑り部(一重)
4.2.1.1. 中間滑り部
上部に下向きの平面また凹曲面の免震皿と下部に上向きの平面また凹曲面の免震皿とで構成され、上部免震皿と下部免震皿との間に、中間滑り部が挟まれる。また、三重以上の免震皿の場合には、免震皿ごとに挟み込む場合もある。
4.2.1.2. 中間滑り部(球面免震皿、円柱面免震皿)
中間滑り部持ち二重の復元免震皿(凹曲面免震皿)をもった免震装置において、上部下向き凹型の免震皿と同一曲(球面)率を持つ凸型と 下部上向き凹型の免震皿と同一曲(球面)率を持つ凸型とが合体した中間滑り部を、上部下向き凹型の免震皿と下部上向き凹型の免震皿とに挟み込むことにより構成する。
この場合、中間滑り部は1つの場合でも、上下皿の中間滑り部の接触面積は、上皿と中間滑り部と下皿と中間滑り部ともに、振動時でも同面積が得られる。
4.2.2. 二重中間滑り部
4.2.1.において、中間滑り部は第一中間滑り部と第二中間滑り部とに分かれ、上また下の凹型の免震皿の一方の凹型と同一球面曲率を持つ凸型をもち、且つその凸型の反対部は凸型球面をもつ形状の第一中間滑り部と、その反対部の凸型球面と同一球面曲率を持つ凹型をもち、且つその凹型の反対部は、上また下の凹型の免震皿のもう一方の凹型と同一球面曲率を持つ凸型球面をもつ形状の第二中間滑り部を有し、この第一中間滑り部及び第二中間滑り部を、上及び下の凹型の免震皿にはさみこむことにより構成する。
4.2.3. 三重中間滑り部その1
4.2.1.において、中間滑り部は第一中間滑り部と第二中間滑り部と第三中間滑り部とに分かれ、上また下の凹型の免震皿の一方の凹型と同一球面曲率を持つ凸型をもち、且つその凸型の反対部は凹型球面をもつ形状の第一中間滑り部と、その反対部の凹型球面と同一球面曲率を持つ凸型をもち、且つその凸型の反対部は凸型球面をもつ形状の第二中間滑り部と、その反対部の凸型球面と同一球面曲率を持つ凹型をもち、且つその凹型の反対部は、上また下の凹型の免震皿のもう一方の凹型と同一球面曲率を持つ凸型球面をもつ形状の第三中間滑り部を有し、この第一中間滑り部、第二中間滑り部及び第三中間滑り部を、上及び下の凹型の免震皿にはさみこむことにより構成する。
4.2.4. 三重中間滑り部その2
4.2.1.において、中間滑り部は第一中間滑り部と第二中間滑り部と第三中間滑り部とに分かれ、上また下の凹型の免震皿の一方の凹型と同一球面曲率を持つ凸型をもち、且つその凸型の反対部は凸型球面をもつ形状の第一中間滑り部と、その反対部の凸型球面と同一球面曲率を持つ凹型をもち、且つその凹型の反対部は凹型球面をもつ形状の第二中間滑り部と、その反対部の凹型球面と同一球面曲率を持つ凸型をもち、且つその凸型の反対部は、上また下の凹型の免震皿のもう一方の凹型と同一球面曲率を持つ凸型球面をもつ形状の第三中間滑り部を有し、この第一中間滑り部、第二中間滑り部及び第三中間滑り部は、上及び下の凹型の免震皿にはさみこむことにより構成する。
二重(以上)免震皿の側面の周囲全周を、中小地震程度の揺れを許容するシールまた防塵カバーで密閉することにより構成する。
5.1. 重力復元型免震・滑り支承の滑り部の改良
5.1.1. 中間滑り部
免震皿の凹型と同一球面曲率を持つ凸型をもち、且つその凸型の反対部は凹型球面をもつ形状の中間滑り部を有し、この中間滑り部の前記凹型球面と同一球面曲率を持つ凸型をもつ滑り部を有し、この中間滑り部を、凹型の免震皿と滑り部にはさみこむことにより構成する。
5.1.2. 二重中間滑り部
免震皿の凹型と同一球面曲率を持つ凸型をもち、且つその凸型の反対部は凸型球面をもつ形状の第一中間滑り部と、その反対部の凸型球面と同一球面曲率を持つ凹型をもち、且つその凹型の反対部は凸型球面をもつ形状の第二中間滑り部を有し、この第二中間滑り部の前記凸型球面と同一球面曲率を持つ凹型をもつ滑り部を有し、この第一中間滑り部及び第二中間滑り部を、凹型の免震皿と滑り部にはさみこむことにより構成する。
免震復元装置による皿の移動による滑り部の垂直変位を吸収するために、滑り部の上部に垂直方向に弾性をもつバネ(空気バネ含む)・ゴム等をいれ、その上をネジを切った押さえ材でそのバネを押さえる。
そのバネで、皿の移動による滑り部の垂直変位を吸収する。
その押さえ材をネジ方向に締めたり、緩めたりすることにより、復元・減衰率が変えられる。また地震後の残留変位をその押さえ材をネジ方向に締める事により無くす事も可能になる。
またこのバネは、地震の垂直動の免震装置の効果をも持つ。
重力復元型免震・滑り支承の滑り部の取り付く部材が、免震される構造体と水平力は伝達するが、垂直力は伝達しない部材で、その部材の重さが、免震される構造体に比べて、この重力復元型免震・滑り支承の復元性を得られるほど、重い部材をもった重力復元型免震・滑り支承である。
請求項10項は、その発明である。
免震装置等で支持された免震される構造体に重りをケーブル等でぶらさげ、その真下の位置の、免震装置される構造体を支持する構造体に、ケーブルの入る大きさの孔を穿ち、その孔の中にその重りをぶらさげる。
地震時には、免震装置される構造体に重りの支持位置とその孔がずれるが、重りのお陰で その位置のずれを矯正しようとする力が働き、復元力が得られる。 場合により、その孔の周囲は、低摩擦材、潤滑材等で ケーブルとその孔の周囲の摩擦抵抗を最小限にする。
長寿命の重力復元型免震装置で、しかも垂直変位がない。
請求項11項〜請求項12項は、その発明である。
7.1. 滑り部垂直変位吸収型の垂直免震・滑り支承
請求項13項は、免震・滑り支承、また重力復元型免震・滑り支承の滑り部に垂直方向にバネ(空気バネ含む)を入れる装置の発明である。
垂直免震は、垂直バネ(空気バネ含む)の座屈を防ぐために、水平力は逃がして、垂直力だけを垂直バネに受け持たせねばいけないので、、水平力を逃がせる機構となっている十字型免震装置、また引抜き防止装置の上部スライド部材の上に、また、下部スライド部材の下に垂直方向にバネ(空気バネ含む)を入れるか、上部スライド部材と下部スライド部材の両方にいれる。
当然、2.1.の復元・減衰バネ付き引抜き防止装置に上述のように垂直方向にバネ(空気バネ含む)を入れる場合もある。
請求項14項は、その発明である。
水平力は構造体の基礎部(また低層階)に設けた免震装置(水平力免震装置)で、構造体全体を免震装置させ、垂直免震装置は、構造体全体では難しいので、何階単位か一まとめにした層単位か、階単位で、垂直免震装置を入れ免震装置させる。
この垂直免震装置としては、階単位での床免震装置が考えられるが、床・壁・天井を一体にさせた箱を、層単位か、階単位で、垂直免震装置させる場合もある。 請求項15項は、その発明である。
特許 1778741号で、引張材による垂直支持の方式を発明をしているが、この引張材に弾性をもたせることにより、垂直免震性をもたせることが可能になる。
請求項16項は、その発明である。
請求項17項〜請求項23項の発明は、特許 2575283号での固定ピン装置の詳細の仕様である。
固定ピン装置は、風揺れを防止させるための装置であり、8.1.地震動作動による固定ピン装置と、8.2.風力センサーによる固定ピン装置の2つに別れる。
8.1. 地震動作動による固定ピン装置
この発明は、免震装置される構造体とこの免震装置される構造体を支持する構造体とを固定をする固定ピンが、地震センサー等で地震の初期微動を感じてその固定ピンの挿入孔から引抜かれる等によって、免震装置される構造体の固定が解除され、免震装置が可動し、風揺れを防止する装置である。
8.1.1. 地震衝撃・加速度による折れピン型固定ピン装置
請求項17項の発明は、免震装置される構造体とこの免震装置される構造体を支持する構造体とを固定をする固定ピンが、地震時に地震力によって切断されることによって、免震装置される構造体の固定状態が解除され、免震装置が可動し、風揺れを防止する装置である。
8.1.2.1.簡易連動作動固定ピン装置A
上記の折れピンによる固定ピン装置の装置の欠点は、二個以上設置の場合、一個が折れても、もう一個が同時に折れるとは限らず、そのもう一個のために、地震力が働くと、偏芯した動きをする。その欠点を解消するためには、同時に固定ピンの解除の形が求められた。この装置はそれを解決するためのものである。
具体的には、一定以上の地震力により折れるか切れるかする構造をもつピンが含まれる2つ以上の前記固定ピンの装置において、これら固定ピンの上端また下端で相互にワイヤー、ロープまたケーブル等で繋がり、もう一方の端でバネまたゴム等で引っ張られて、地震時に地震力によって前記固定ピンが折れるか切れるかした場合、もう一方の固定ピンもワイヤー、ロープまたケーブル等で連動してロックが解除し、免震される構造体の固定を、同時に解除することにより構成する。
8.1.2.2.簡易連動作動固定ピン装置B
以下に説明する簡易連動作動固定ピン装置B〜Eは、上記の8.1.1.の折れピン型固定ピン装置だけでなく、下記の8.1.3.以下に説明される固定ピン装置においても使用可能なものである。
ワイヤー、レリーズ等でロック同士を連結し、2つ以上の固定ピンの固定と解除が行われる方法である。
8.1.2.3.簡易連動作動固定ピン装置C
一方向にスライドできるようにされたプレートに、2つ以上のロック孔をもち、そのプレートの動きに連動し、そのロック孔に、はめ込まれた固定ピンの固定と解除が行われる方法である。
8.1.2.4.簡易連動作動固定ピン装置D
中心において回転できるプレートに、その両端にロック孔をもち、そのプレートの回転に連動し、そのロック孔に、はめ込まれた固定ピンの固定と解除が行われる方法である。8.1.2.5.簡易連動作動固定ピン装置E
三つ又、四つ又、またそれ以上にわかれ、中心において回転できるプレートに、その分岐した個々の端にロック孔をもち、そのプレートの回転に連動し、そのロック孔に、はめ込まれた固定ピンの固定と解除が行われる方法である。
簡易型固定ピン装置に関して、一回限りの衝撃力の折れピン型の固定ピン装置だけでなく、再使用可能な簡易型の固定ピン装置が求められた。この装置はそれを可能にしたものである。
a) ロック解除型
地震センサー振幅装置の、振幅が自由にされた部材の先に、固定ピンのロックがあり、滑り部の振幅が大きくなり、ある一定以上になるとそのロックにぶつかり、固定ピンのロックが解除されるこことなり、固定ピンに設けられたバネ等により、固定ピンの挿入孔から固定ピンが外れ、免震される構造体の固定を解除することにより構成される。
また、地震センサー振幅装置の中に、固定ピンが入り、地震センサー振幅装置が同時にロックの役割を果たす場合もある。
また、以下のような、構成も考えられる。
b) 吊材切断型
免震皿また、振り子により、振幅が自由にされた部材に刃が付いた部材の先に、固定ピンの吊材があり、滑り部の振幅が大きくなり、ある一定以上になるとその刃が、吊材に当たり、吊材を切断する事になり、固定ピンに設けられたバネ等により、固定ピンの挿入孔から固定ピンが外れ、免震される構造体の固定を解除することにより構成される。
上記の8.1.3.の再使用可能な簡易型の固定ピン装置に、固定ピン自動復元装置を取り付ける事により、自動化を可能にしたものである。これにより、それも一々、固定ピンの固定位置への復帰のための手を煩わせる必要はなくなり、大地震だけの一回限りのものから、中小地震までの免震を可能にするものである。
装置の構成としては、8.1.3.の簡易地震センサー(振幅)による固定ピン装置の、固定ピンの下部に、固定ピン自動復帰装置が設けられる。
a) 免震皿型の場合
免震皿上の滑り部の(地震後の)静止位置と、滑り部とに電気接点が取付けられ、この静止位置に、滑り部が継続的にとどまり、通電状態が継続すると、固定ピン自動復帰装置が作動し、固定ピンをロック位置に自動復帰させる。
b) 振り子型の場合
振り子の(地震後の)静止位置と、その振り子を吊す材か、振り子下の材かの、振り子の静止位置と同じ位置とに、電気接点が取付けられ、この静止位置に、振り子が継続的にとどまり、通電状態が継続すると、固定ピン自動復帰装置が作動し、固定ピンをロック位置に自動復帰させることにより構成される。
上述の8.1.4.自動復元型よりも自動化を進めたもので、地震時の解除も電気でやるものである。
固定ピンの上部また下部に、固定ピン自動制御装置が設けられる。
免震皿型と振り子型の2つに分けられる。
a) 免震皿型の場合
免震皿上の滑り部の(地震後の)静止位置と、滑り部とに電気接点が取付けられ、この静止位置に、滑り部が継続的にとどまる限り、固定ピンは作動せず、通電状態の継続が破られると、固定ピンを引き抜いて、固定を解除し、地震後、この静止位置に、滑り部が継続的にとどまり、通電状態が継続すると、固定ピン自動制御装置が作動し、固定ピンをロック位置に自動復帰させる。
b) 振り子型の場合
振り子の(地震後の)静止位置と、その振り子を吊す材か、振り子下の材かの、振り子の静止位置と同じ位置とに、電気接点が取付けられ、この静止位置に、振り子が継続的にとどまる限り、固定ピンは作動せず、通電状態の継続が破られると、固定ピンを引き抜いて、固定を解除し、地震後、この静止位置に、振り子が継続的にとどまり、通電状態が継続すると、固定ピン自動制御装置が作動し、固定ピンをロック位置に自動復帰させることにより構成される。
8.1.6.1.地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置B
風揺れ等を防止する固定ピンが差し込まれるすり鉢形状等の挿入孔(差し込まれる側)と当該挿入孔に差し込まれる固定ピン(差し込み側)を有し、筒中を液体空気等をほぼ漏らさずにスライドするピストンをもった固定ピンが、その筒に挿入され、その外に固定ピン先端が突き出ており、さらに、この筒の上と下とは管で繋がれており、このピストンには、この管の孔より大きい、孔があり、その孔に弁があり、この弁は、このピストンが引き込まれる時に、開くように付けられており、また、この筒の中にバネまたゴムが入り、このピストンをもった固定ピンを押出す役割をする場合もあり、この弁の性格により、前記固定ピン先端は、この筒の中に入る方向では、速やかであり、出る方向では、遅延され、それにより、地震力が働くと速やかに、この固定ピン先端は、この筒の中に入り、地震力が働いている間は、出にくくなり、また、この筒と前記管とは、油等で満たされている場合もあり、加えて、この固定ピン先端には、第1のピンが差し込まれる溝また窪みがあり、この第1のピンは常時、バネで押されており、この第1のピンには、さらに第2のピンが差し込まれる溝また窪みがあり、この第2のピンも常時、バネで押されており、そしてこの第2のピンにはワイヤー等で、地震で振幅する装置と繋がれており、そして、この地震センサー振幅装置が振幅し、このワイヤー等により、この第2のピンが引っ張られ、前記第1のピンのロックが外れて、前記固定ピン先端は、前記筒の中に入り、免震装置全体が可動し始め、地震終了時には、重力また前記筒中のバネまたゴムにより、徐々にこの固定ピン先端が出始め、前記すり鉢形状の挿入孔勾配に従いながら、最も底で、前記第1のピンにより、この固定ピン先端がロックされ、免震される構造体も固定され、かつ、前記固定ピンの差し込み側と差し込まれる側のうち、一方を免震される構造体に、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体に設けることにより構成する。
8.1.6.2.連動作動固定ピン
8.1.6.1.地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置B記載の2つ以上の固定ピン装置において、固定ピンをロックしている第1のピン同士をワイヤー等で繋ぎ、他方が動くと片方も動くように構成する。
風揺れ等を防止する固定ピンが差し込まれるすり鉢形状等の挿入孔(差し込まれる側)と当該挿入孔に差し込まれる固定ピン(差し込み側)を有し、筒中を液体空気等をほぼ漏らさずにスライドするピストンをもった固定ピンが、その筒に挿入され、その外に固定ピン先端が突き出ており、この筒の上と下とは管で繋がれており、また、この筒の中にバネまたゴムが入り、ピストンを押出す役割をする場合もあり、また、この筒とこの管とには、油等で満たされている場合もあり、加えて、地震で振幅する装置をもち、その地震センサー振幅装置には、前記管に設けられた弁を開くための押出し部を持ち、この弁は、ピストンを押出す時に開くようにされており、押出し部には、この弁を常に閉じる状態にするバネを設ける場合もあり、地震時には、前記地震センサー振幅装置が振幅し、この押出し部を押出して、この弁を開き、地震力により前記固定ピン先端が(すり鉢形状の挿入孔勾配を上り)持ち上がり、免震装置全体が可動し始め、地震終了時には、前記すり鉢形状の挿入孔勾配に従いながら、前記筒の中のバネまた重力により、この固定ピン先端が突き出る方向に働き、かつ、この弁も突き出る方向にしか開かないので、前記すり鉢形状の挿入孔勾配に従いながら、最も底で、この固定ピン先端が止まり、免震される構造体も固定され、かつ、前記固定ピンの差し込み側と差し込まれる側のうち、一方を免震される構造体に、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体に設けることにより構成する。請求項18項は、その発明である。
請求項19項は、その発明である。
二重(以上)免震皿免震・滑り支承において、平面形状滑り面部を有する免震皿と凹形状滑り面部を有する免震皿との組合せの二重皿免震において、この平面形状滑り面部を有する免震皿の中央部に、8.1.6.地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置B、また8.1.7.地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置Cの記載の固定ピン装置のような、地震センサーによる自動制御型固定ピン装置の固定ピンの差し込み側を設け、他方の凹形状滑り面部を、この固定ピンの鉢形状等をもった挿入孔と兼用することにより構成する。請求項20項は、その発明である。
8.2.1. 一般
免震装置される構造体とこの免震装置される構造体を支持する構造体とを固定をする固定ピンが、風力センサーによって、ある一定以上の風圧時にのみ、その固定ピンの挿入孔に挿入され、免震装置される構造体が固定され、風揺れを防止する装置である。
8.2.2. 油圧型
8.2.1.の固定ピン装置の風力センサーにおいて、風圧を受ける板を設け、風圧により、この風圧板と連動する油圧ポンプが押され、そのことにより、液体が押出され、その押出された液体が、パイプ等で、各固定ピン装置を作動させる油圧ポンプに流れだし、油圧ポンプのピストンが押され、免震される構造体がロックされ、風が止むと、前記風圧を受ける板は、バネ等で元の位置にもどり、それにより、この風圧板と連動する前記油圧ポンプのピストンも元の位置に戻り、それにより液体も引き戻され、前記各固定ピン装置の各油圧ポンプのピストンを戻し、免震される構造体のロックが解除されることにより構成する。
8.3.1. 一般
固定ピン装置は、免震装置される構造体の重心位置またその近傍に設置される。請求項21項は、その発明である。
8.3.2. 2個以上の固定ピン装置の設置
8.1.地震動作動による固定ピン装置および8.2.風力センサーによる固定ピン装置においては、免震される構造体の重心位置また近傍以外の周辺位置に、切断感度また地震センサー振幅装置の感度が敏感なタイプのものを設置し、免震される構造体の重心位置また近傍には、前記周辺位置に比べて切断感度また地震センサー振幅装置の感度が鈍感なものを設置することにより構成する。
上部構造(地上構造物)と杭等の基礎部との縁を切り、その両者間をある一定以上の地震力によって折れるピンで繋ぐ。請求項22項は、その発明である。
8.5.1.重力復元型免震・滑り支承の免震皿の形状
8.1.4.自動復元型の場合、及び8.1.5.自動制御型固定ピン装置、8.2.風力センサーによる固定ピン装置の各場合においては、重力復元型免震・滑り支承の免震皿の凹滑り面部としては、地震後の残留変位の少ないすり鉢形状が望ましい。
8.5.2.固定ピンの挿入孔孔形状
固定ピンが差し込まれる挿入孔(差し込まれる側)の形状として、停止点に向かって、すり鉢状等の凹面を施し、また、停止点よりも広い範囲で、凸凹の形状を施す。請求項23項は、その発明である。
この構法は、汎用戸建て免震に適しているが、それに限定される事はないが、特に、戸建て用免震装置としての意味がある。
今までの在来構法及びプレハブの住宅を免震装置対応にする場合の問題は、まず、1階の梁とそれに支えられる床が必要になり、それをいかに安くするという課題、次に、プレハブ・在来・2×4という上部構造の構法の違いを問題とせず、汎用的方法があるかどうかいう課題、さらに、上部構造としてのフレームとしての剛性のない問題も解決する必要がある。
その解決方法として、ベタ基礎の上に空隙を設けて、もう一つベタ基礎(スラブ)を打ち、その間に免震装置を入れる方法である。
具体的に施工法を説明すると、ベタ基礎コンクリートの上に免震装置を配備し、その間を有機溶剤で溶けるスタイロフォーム等で埋めて間隙を作り、その上にコンクリートスラブを打ち、コンクリートが固まるとスタイロフォーム等の間隙を有機溶剤で溶かし、空間を作ると、ベタ基礎の上に、免震装置のみに支えられてコンクリートスラブが浮く形となり、免震装置の作動が可能となる。
そして、このコンクリートスラブを人工土地的な扱いとすることにより、上物の自由を拘束せずに、在来構法・プレハブ構法・2×4構法の違いを違いとせずに住宅を自由に建てられ、上部構造の自由がもたらされる。
また上部構造としてのフレームとしての剛性のなさもスラブの剛性により解決される。
また免震装置解析も、上部構造を含めた免震装置される部分の重心が、このコンクリートスラブの重さによって下がり、一質点系振動の解析でほぼ近似でき、またこの部分の荷重が、上部構造に比して大きく、木造・鉄骨等軽量戸建てが載る場合は、解析の一様化が可能になり、上物ごとの個別認定でなく、一般認定の可能性を開くものである。
また、単に二重にベタ基礎(スラブ)を打つのと同じであるので、ローコストを可能にする。請求項24項は、その発明である。
10.1. 免震装置配置
経済性をもたらすために、重心位置またその近傍にのみ、2箇所以上の復元装置を装備し、それ以外は、復元力を持たない免震滑り支承とする。
また必要に応じて、固定ピン装置を配する。これも復元装置と同様に、重心位置またその近傍にのみ、2箇所以上とするのが良い。請求項25項は、その発明である。
10.1.1. 滑り型免震装置の水平性維持
滑り型免震装置の施工時及び施工後の水平性維持の問題は、建物の内側(また重心)に向かって転ぶ傾斜(外が高く、内が低い傾斜)を持たせることにより、解決される。
免震性能を上げるためには、滑り型免震装置の場合、復元装置の復元力を押さえ、復元が可能な最小限の復元力にする事である。
凹形状の重力復元型においては、復元が得られる限り、曲率半径はできるだけ大きくし、また、バネ等の復元型においては、復元が得られる限り、バネ定数はできるだけ小さくし、双方ともに、復元力を最小限にするためには、免震・滑り支承の摩擦係数を下げる事も必要である。そのことは、また、免震性能をよくする事につながる。請求項26項は、その発明である。
上述の従来の積層ゴムの問題から、鋼とゴムとを一層ごとに付着させず、鋼等の硬質板を何層か積層させ、その硬質板の中心部を欠き、その中心部にゴムまたバネ(空気バネ含む)等のバネを充填させる構成をとる。
12.1. 超高層建物・構造体
滑り型免震等の免震装置上の超高層建構造体は、従来の柔構造によらず、風力ではゆれない程度の剛性をもたせる構造とする。また、建物の剛性を上げることは、免震性能を上げることにもつながる。
そのことにより、免震され、風揺れしない超高層建物が可能になる。
12.2. 高塔状比建物・構造体
引抜き力が働く建物・構造体の問題は、引抜き防止装置によって対処し、塔状比によれば、ロッキングを小さくするために、免震・滑り支承の摩擦係数をできるだけ小さくする。
12.3. 軽量建物・構造体
従来の積層ゴムでは、固有周期が延びない軽量建物・構造体には、免震・滑り支承等の免震装置で、免震が可能になる。
1.1. 十字重力復元型免震・滑り支承
この発明は、同形の部材の上下の噛み合わせで、一方向しかできなかった免震時の復元が、全方向で得られる。またこのような単純な機構により、耐久性も得られ、メンテナンス上の問題も少なくなる。また、十字型にすることにより材料を節約した。
1.2. 十字重力復元型免震・滑り支承の中間滑り部
中間滑り部によって摩擦性能を上げられ、免震皿と滑り部との接触面積も上げられる。また振動時の、免震皿と滑り部との接触面積の変化もない。
1.3. 十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承
1つの装置で、免震復元と引抜き防止を合せ持った装置が可能になる。
また重力復元型特有の振幅時の垂直変位のための遊びによるがたつきの問題及び引抜き時の衝撃の問題をも解決できる。
免震される構造体の免震される構造体を支持する構造体からの引抜きを防止する装置の改良に関する発明である。
2.1. 復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承
復元・減衰バネ付きの引抜き防止装置・滑り支承である。
2.2. 積層ゴム/ゴム/バネ付き引抜き防止装置・滑り支承
積層ゴムの引抜き力対応の解決策となり、また同時に、積層ゴムの座屈(底辺に対して高さの高い積層ゴム)の問題を解決にもなった。これにより、積層ゴム自体のコンパクト化と低コスト化を可能にした。
2.3. 引抜き防止機能の増強
引抜き防止機能をさらに増強される。
2.4. 新引抜き防止装置・滑り支承
新しい引抜き防止装置・滑り支承である。
2.5. 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承
重力復元置型の免震復元が可能な引抜き防止装置・滑り支承である。
2.6. 重力復元型免震・滑り支承振幅時の垂直変位の吸収装置
重力復元型免震・滑り支承の併用時の地震振幅時の垂直変位による特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の遊びによる、風等の引抜き力が働いたときの衝撃を吸収する装置である。
3.1. 摩擦係数の変化による
免震皿の中心部の摩擦係数を小さくすることは、最初に滑べり始める地震力の大きさを小さくして免震装置感度を上げ、周辺部を大きくすることは、振幅を小さくさせる。両方の使用により、初滑動を良くし、かつ地震時の振幅を小さくする。
つまり、摩擦係数を大きくすると振幅を抑制するが、初動加速度が大きくなり、免震感度が悪くなり、逆に、摩擦係数を小さくと、初動加速度が小さいが、振幅が大きくなるという滑り型の問題を解決する。
3.2. 曲率の変化
重力復元型免震・滑り支承の、凹曲面の曲率を、中心部から周辺に向かって、小さくして急勾配にして、地震の振幅抑制するものである。
滑り部と免震皿の方式(特許 1844024号での免震復元装置)に比べて、免震皿の面積で、ほぼ1/4になり、免震皿を上下合わせても、ほぼ1/2になる。
4.1. 二重(以上)免震皿免震・滑り支承
滑り免震を可能にし、また、免震される構造体の免震される構造体を支持する構造体からの引抜きを防止する。
二重・三重・四重に滑り面が得られ、すべり性能が向上する。
4.2.1. 中間滑り部
上部下向き凹型の免震皿と同一球面曲率を持つ凸型と 下部上向き凹型の免震皿と同一球面曲率を持つ凸型とが合体した中間滑り部を挟み込むことにより、上下の免震皿と滑り部の接触面積は、振幅時にも、この中間滑り部が上下の免震皿の球面曲率に追随して、変わらないようにできる。
4.2.2. 二重中間滑り部
共に受けタイプとなり潤滑油充填しやすい。
三重に低摩擦面が得られる。
4.2.3. 三重中間滑り部その1
四重に低摩擦面が得られる。
4.2.4. 三重中間滑り部その2
四重に低摩擦面が得られる。
免震皿をシールまた防塵カバーで密閉することにより、潤滑剤の蒸発を防ぎ、防雨、防塵、また防錆により摩擦係数の低下を防ぐ事が可能になる。
5.1. 重力復元型免震・滑り支承の滑り部の改良
免震皿と滑り部の接触面積をできるだけ大きくし、且つ、振幅時にも、その接触面積が変化しないように同じにできる。
二重・三重に滑り面が得られ、滑り性能が向上する。
5.1.1. 中間滑り部
共に下受けタイプとなり潤滑油充填しやすい。
2重に摩擦面が得られる。
5.1.2. 二重中間滑り部
3重に低摩擦面が得られる。
首ふり角度を急にでき、凹型の免震皿の減衰効果を上げられる。
5.2.1. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型免震・滑り支承A
重力復元型免震・滑り支承の作動時の垂直変位を吸収するだけでなく、垂直免震の機能も持ち合わせている。
筒の上部に、雄ネジが挿入されている場合には、復元力の調整をできるだけでなく、地震後の残留変位の矯正も可能になる。
5.2.2. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型免震・滑り支承B
後述の8.1.6.および8.1.7.の地震センサー(振幅)による上記自動制御型固定ピン装置BCの固定ピンを、滑り部にし、固定ピンの挿入孔を、凹形状滑り面部を有する免震皿にすると、滑り部垂直変位吸収型の重力復元型免震・滑り支承が可能になる。
重力復元型免震・滑り支承を使用しても、他の免震装置に、垂直変位動の影響を及ぼさない重力復元型免免震・滑り支承震である。
また、重心位置に設ける事により、一質点系に近い振動を可能にし、地震時の動きを単純化させる効果をも持つ。
また、免震される構造体の重心を下げる効果により、安定した免震性能が得られる。
垂直変位動のない重力復元型免震装置である。
免震される構造体の重心を下げる効果により、安定した免震性能が得られる。
7.1. 滑り部垂直変位吸収型の垂直免震装置
水平免震装置自体に、垂直免震装置を仕込むことで、水平免震且つ垂直免震の装置がコンパクトにして可能になる。
7.2. 垂直免震・滑り支承(復元付き含む)
地震の水平力と垂直力の免震を分けることにより、垂直免震を可能にする。
7.3. 基部に水平免震装置・滑り支承+各層・各階ごとの垂直免震装置をもった免震構造
地震の水平力と垂直力の免震を分けることにより、垂直免震を現実的な形で可能にする。
7.4. 引張材による水平免震・垂直免震装置
重量の大きい構造体の垂直免震が可能になる。
8.1. 地震動作動による固定ピン装置
地震センサー等で地震の初期微動を感じて固定ピンがその挿入孔から引抜かれる等の係脱する装置である。
8.1.1. 地震衝撃・加速度による折れピンによる固定ピン装置
折れピン方式は簡易型に適している。またメンテナンスも簡易である。
8.1.2. 簡易連動作動固定ピン
固定ピン装置は、2か所以上必要なので、同時にロック解除されないと、一か所だけが解除された場合、残された固定ピン装置により偏芯して地震動により振り回される可能性が生じる。その問題を解決するものである。
8.1.3. 簡易地震センサー(振幅)による固定ピン装置
8.1.5.の自動制御型固定ピン装置の簡易版であり、8.1.4.自動復元型と組合わせると、ほぼ同等に近い効果が得られる。
8.1.4. 自動復元型
固定ピンが解除された場合に、地震後に自動的に固定状態に復帰させるものである。
8.1.5. 地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置
8.1.4.に比べて、免震される構造体の固定の解除まで自動で行うものである。 また、挿入孔を持たない、単に、固定ピンが、免震される構造体に押し当たり、その摩擦で固定する形は、地震後の残留変位に対応できる。
8.1.6. 地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置B
8.1.7. 地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置C
8.1.4.また8.1.5.は電気制御式が一般的になるが、地震後の固定ピン装置の元の位置への復帰に関して、地震後の停電を考えると、中小ビル以下では適用しにくい。8.1.6.また8.1.7.地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置BCは、電気に頼らないシステムにより、その問題を解決するものである。
8.1.8. 重力復元型免震・滑り支承併用自動制御型固定ピン装置
8.1.6.また8.1.7.のような、地震センサーによる上記自動制御型固定ピン装置に、重力復元型免震・滑り支承の効果も合わせ持たせる事も可能である。
8.1.9. 自動制御型固定ピン装置付き二重免震皿
4.の二重免震皿と、自動制御型固定ピン装置との一体化を計ったものである。省スペース化と取付け手間の省力化を可能にする。
8.2.1.一般型
風力センサーにより、風力時にのみ固定ピンが差し込まれ、免震される構造体が固定される。この型のメリットは、前述の8.1.地震動作動による固定ピン装置のように地震力の大きさによらず、全ての微細な地震まで免震可能だということである。
8.2.2.油圧型
電気式でないため、停電時でもこの固定ピン装置は作動可能である。
8.3.1. 一般
固定ピン装置の設置位置として、免震される構造体の重心位置その近傍に、最低2か所必要であるが、その事により安定する。
8.3.2. 2個以上の固定ピン装置の設置
離れた場合の2個以上の固定ピン装置の連動に関しては、電気式連動でない場合は、8.1.2.簡易連動作動固定ピンでは難しく、固定ピン装置の感度による差をつける事でその問題を解決できる。
杭の破壊防止にもなり、上部構造(地上構造物)の地震力緩和にもなる。
杭のあるすべての構造体に使える。
8.5.1.重力復元型免震・滑り支承の免震皿の形状
重力復元型免震・滑り支承の免震皿の形状としては、すり鉢形状とすることにより、地震後の残留変位の少なくできる。
8.5.2.固定ピンの挿入孔孔形状
地震後の残留変位の生じる範囲内のどの位置でもロックできるように、固定ピンをロックできる範囲(差し込まれる側、また挿入孔)を、地震後の予想される残留変位と同じ範囲とすることにより、地震後の残留変位に対処できる。さらにすり鉢状等の凹面形状で、最初の点に戻るように誘うことも可能である。
この固定ピンをロックできる範囲の形状として、球面形状、すり鉢形状、凸凹の多い摩擦の加わる形状等があげられる。
そして、すり鉢形状等を選択する場合には、8.1.6.また8.1.7.の地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置BCによる方法を選ぶことによって、元の位置に戻すことも可能になる。
低廉な簡易型の免震装置が可能になる。
また、1階の梁とそれに支えられて床のコスト上の問題も解決する。
また、プレハブ・在来・2×4という上部構造の構法の違いを問題としない。上部構造の剛性のない場合の問題も解決する。
10.1. 免震装置配置
重心位置またその近傍にのみ、2箇所以上の復元装置を装備し、それ以外は、復元力を持たない免震滑り支承とすることは、経済性をもたらす。
また必要に応じて、固定ピン装置を配する。これも復元装置と同様に、重心位置またその近傍にのみ、2箇所以上とするのが良い。箇所数が多いとし固定ピン解除また差込みののタイムラグの心配があり、特に固定ピン装置に関しては、数が少ない事に越したことはないが、一箇所では、風力による回転の心配がある。それゆえ、2箇所以上が良く、これも経済性をもたらす。
10.2. 復元装置の復元能力の設計
滑り型免震装置の場合、復元が可能な最小限の復元力が、免震性能上一番良く、凹形状の重力復元型においては、復元が得られる限り、曲率はできるだけ大きくし、また、バネ等の復元型においては、復元が得られる限り、バネ定数はできるだけ小さくし、双方ともに、復元力を最小限にするためには、免震・滑り支承の擦係数を下げる事も必要である。そのことは、また、免震性能をよくする事につながる。
従来の積層ゴムは、鋼とゴムとの付着性の問題、鋼とゴムとの付着して積重ねてゆく製法状の問題、耐圧性の問題、防火状の問題等が解決される。
鋼とゴムとを一層ごとに付着せず、鋼だけを積層させ、鋼の中心部を欠き、その中心部にゴムまたコイルバネを充填させる方法をとる事により、鋼と鋼とを積層させるので、鋼とゴムとの付着性の問題はなくなり、鋼とゴムとを付着して積重ねてゆく製法状の困難も解消する。耐圧性能に関しては、ゴムを挟まず鋼と鋼とが積層するので鋼自体の耐圧性性能が得られ、また、ゴムが内部に封じ込められ、直接外部に出ないため防火状の問題も解決する。
12.1. 超高層建物・構造体
滑り型免震等の免震装置上の超高層建構造体は、風力ではゆれない程度の剛性をもたせる構造とすることにより、免震され、風揺れしない超高層建物が可能になる。
12.2. 高塔状比建物・構造体
引抜き防止装置によって、従来の積層ゴム免震では不可能だった引抜き力の働く高塔状比建物・構造体の免震を可能にする。
また、免震・滑り支承の摩擦係数をできるだけ下げ、1階等の地上に近い階の床等を重くすることにより、ロッキング等の問題も解消する。
また、固定ピン装置によって、自重に対して、ある一定以上の風圧見つけのある構造体の風揺れ問題も解決する。
12.3. 軽量建物・構造体
免震・滑り支承等の免震装置によって、従来の積層ゴム免震では固有周期が延びず、免震効果の得られない軽量建物・構造体の免震を可能にする。また、摩擦係数を下げることによる風揺れ問題も、固定ピン装置によって解決する。また、引抜き力が働く場合には、引抜き防止装置によって対処もできる。
1.1. 十字重力復元型免震・滑り支承
図1〜9は、免震装置・滑り支承(以下「免震・滑り支承」という)また復元付き免震・滑り支承の発明に関するもので、凹形状滑り面部を有するスライド部材4を上下に交差させて係合させることにより、免震性を、また一方向性もしくは全方向の復元性を持たせるようにしたものである。上下に交差させて係合させる上で、スライド部材4
の交差方向の角の面を取り、スムーズに交差できるようにした場合もある。
上部のスライド部材4-aは、下向きの凹形状滑り面部を有するものであり、下部のスライド部材4-bは、上向きの凹形状滑り面部を有するものである。ともに滑り面部には低摩擦材が使用されている場合がある。
そして、以上の上下スライド部材(4-a、4-b)を、互いに交差する方向にスライドできるように係合することにより構成し、前記上部スライド部材4-aを免震される構造体1に、下部スライド部材4-bをこの免震される構造体を支持する構造体2に設ける。
図1〜2は、下向きの凹形状滑り面部を有する上部スライド部材4-aと上向きの凹形状滑り面部を有する下部スライド部材4-bとの組合せである。
図1は、上下スライド部材(4-a、4-b)の凹形状滑り面部が台形の直線で構成される場合で、また、その凹形状滑り面部にスライド部材の交差方向に平坦面での場合である。
図2は、上下スライド部材(4-a、4-b)の凹形状滑り面部が円弧状で、また、その凹形状滑り面部にスライド部材の交差方向に丸みを持たせた場合である。
なお凹形状に関して、台形の直線で構成される場合と円弧、放物線、スプライル曲線等の曲線で構成される場合がある。また上下部スライド部材共に凹形状滑り面部の底部に関して、互いのスライド部材が嵌まり込むように少し掘り下げられて風等では動きにくくしている場合もある。
図11〜13は、下向きの凹形状滑り面部を有する上部スライド部材4-aと上向きの凹形状滑り面部を有する下部スライド部材4-bの間に、中間滑り部6を設けたものである。
図10、14は、十字型免震・滑り支承、特に図14は、引抜き防止付き十字型免震・滑り支承、図11〜13は、十字型復元付き免震・滑り支承である。
図10は、図9の構成の上部スライド部材4-aと、下部スライド部材4-bとの間に、中間滑り部6が挟まれた実施例である。この場合の中間滑り部6は、円柱形をなしている。
図11は、図1また2の構成の上部スライド部材4-aと、下部スライド部材4-bとの間に、中間滑り部6が挟まれた実施例である。
上部スライド部材4-aの下向き凹形状滑り面部と、下部スライド部材4-bの上向き凹形状滑り面部との間に、中間滑り部6が挟み込まれ、この中間滑り部6の滑り部上部6-uが、上部滑り面部と同曲率を持ち、また滑り部下部6-lが、下部滑り面部と同曲率を持つように構成する。
この場合、図(e) 〜図(h) のように、滑り部上部6-uと上部滑り面部、及び滑り部下部6-lと下部滑り面部共に、振動による上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとが、ずれを起こしても、滑り部6の接触面積が、同面積得られて、垂直荷重伝達能力が最大になる。
図11のうち、(a) は免震・滑り支承の斜視図、(b)(c)はその断面図、(d) は免震・滑り支承部の詳細斜視図、(e)(f)(g)(h)は、振動時の断面図であり、 (g)(h) は最大時、(e)(f)は途中の時で、(e)(g)は基礎方向から見たもの、(f)(h)は基礎方向に対面する方向から見たものである。
図12は、図11の中間滑り部6が球の場合の実施例であり、上部スライド部材4-aの下向き凹形状滑り面部と、下部スライド部材4-bの上向き凹形状滑り面部との間に、球状の滑り面部を有する中間滑り部6が挟み込まれ、この球状の中間滑り部6と接する上部スライド部材4-aの滑り面部が同曲率を持ち、下部スライド部材4-bの滑り面部も、この球状の中間滑り部6と同曲率を持つように構成する。
この場合、図(e) 〜図(h) のように、振動による上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとが、ずれを起こしても、上部滑り面部と、また下部滑り面部と、滑り部6との接触面積が、常に同面積得られる。
図13は、図11の中間滑り部6が、三重中間滑り部の場合の実施例であり、 中間滑り部6が、第一中間滑り部6-aと第二中間滑り部6-bと第三中間滑り部6-cとに分かれる。
第一中間滑り部6-aは、上部スライド部材4-aの下向き凹形状滑り面部と同曲率を持つ凸型の滑り面部をもち、その凸型の反対部は凹型球面滑り面部を有している。
第二中間滑り部6-bは、この反対部の凹型球面と同一球面曲率を持つ凸型形状滑り面部をもち、この凸型形状の反対部は凸型球面滑り面部を有している。第二中間滑り部6-bは球形の場合もある。
第三中間滑り部6-cは、この反対部の凸型球面と同一球面曲率を持つ凹型形状で、その凹型の反対部は、下部スライド部材4-bの上向き凹形状滑り面部と同一曲率を持つ凸型形状滑り面部を有している。
そして、上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとの間に、この第一中間滑り部6-a、第二中間滑り部6-b及び第三中間滑り部6-cを、挟み込むことにより構成する。
この場合、図(e) 〜図(h) のように、滑り部上部6-uと上部滑り面部、及び滑り部下部6-lと下部滑り面部共に、振動による上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとが、ずれを起こしても、滑り部6の接触面積が、同面積得られて、垂直荷重伝達能力が最大になる。
図13のうち、(a) は免震・滑り支承の斜視図、(b)(c)はその断面図、(d) は免震・滑り支承部の詳細斜視図、(e)(f)(g)(h)は、振動時の断面図であり、 (g)(h) は最大時、(e)(f)は途中の時で、(e)(g)は基礎方向から見たもの、(f)(h)は基礎方向に対面する方向から見たものである。
図14は、特許 1844024号での発明の引抜き防止装置の上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材と、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材との間に、かつ、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材と、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材との間に、かつ、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材との間に、中間滑り部が挟まれた実施例である。この場合の個々の中間滑り部6は、円柱形をなしている。
なお、個々の中間滑り部6の滑り部上部6-uと滑り部下部6-lとは摩擦面としての低摩擦が得られるような処理がなされている。
図3〜8−2は、特許 1844024号での発明の引抜き防止装置に、復元付き免震装置の機能を持たせたものであり、重力復元型引抜き防止装置・滑り支承の実施例を示している。
具体的に説明すると、下向きの凹形状滑り面部を有する上部材は、真横に細長く開口したスライド孔を有するスライド部材4-aを形成し、上向きの凹形状滑り面部を有する下部材は、真横に細長く開口したスライド孔を有するスライド部材4-bを形成し、これらのスライド部材を、互いに交差する方向にスライドできるように双方のスライド孔に係合することにより構成し、かつ、これらのスライド部材のうち、上なるスライド部材(上部スライド部材)4-aを免震される構造体1に、下になるスライド部材(下部スライド部材)4-bをこの免震される構造体を支持する構造体2に設けて、引抜き防止の機能も合わせ持たせた復元付き免震・滑り支承である。
なお凹面形状に関して、台形の直線で構成される場合と円弧、放物線、スプライル曲線等の曲線で構成される場合がある。また上下部スライド部材共に凹形状滑り面部を有する底部に関して、互いのスライド部材が嵌まり込むように少し掘り下げられて風等では動きにくくしている場合もある。
なお、重なり合う上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとは、隙間がある場合もあり、接している場合には含油メタル、テフロン(登録商標)により低摩擦化されている例もある。免震皿の凹形状滑り面及び当該部を滑走しうるローラー・ボールベアリング若しくは滑り部も同様である。以下の実施例でも同様である。
図3は、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材に上向き凹形状滑り面部を有し、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材に当該凹形状滑り面部を滑走しうる滑り部を有する実施例である。
図4は、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材に下向き凹形状滑り面部を有し、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材に当該凹形状滑り面部を滑走しうる滑り部を有する実施例である。
図5は、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材に上向き凹形状滑り面部を有し、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材に当該凹形状滑り面部を滑走しうる滑り部を有し、かつ、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材に下向き凹形状滑り面部を有し、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材に当該凹形状滑り面部を滑走しうる滑り部を有する実施例である。
図6は、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材に上向き凹形状滑り面部を有し、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材に当該凹形状滑り面部を滑走しうる下向き凹形状滑り面部を有し、かつ、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材に上向き凹形状滑り面部を有し、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材に当該凹形状滑り面部を滑走しうる滑り部を有する実施例である。
図7は、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材に下向き凹形状滑り面部を有し、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材に当該凹形状滑り面部を滑走しうる滑り部を有し、かつ、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材に下向き凹形状滑り面部を有し、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材に当該凹形状滑り面部を滑走しうる上向き凹形状滑り面部を有する実施例である。
図8(a)(b)(c) は、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材に下向き凹形状滑り面部を有し、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材に当該凹形状滑り面部を滑走しうる上向き凹形状滑り面部を有し、かつ、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材に下向き凹形状滑り面部を有し、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材に当該凹形状滑り面部を滑走しうる上向き凹形状滑り面部を有する実施例である。
図8(d)(e)(f) は、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材の下部に下向き凹形状滑り面部を有し、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材の上部に当該下向き凹形状滑り面部が滑走しうる上向き凹形状滑り面部を有し、下部に下向き凸形状滑り面部を有し、かつ、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材の上部に、当該下向き凸形状滑り面部を滑走しうる上向き凸形状滑り面部を、下部に下向き凹形状滑り面部を有し、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材の上部に当該下向き凹形状滑り面部が滑走しうる上向き凹形状滑り面部を、有する実施例である。
この図8(d)(e)(f) は、重力復元型にもかかわらず、上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとの間に、上部スライド部材4-aの上下変位による隙間を必要としない方式が可能となり、重力復元型特有の地震振幅時の垂直変位のための遊びによる、がたつきの問題と引抜き時の衝撃の問題をも解決できる。
2.1. 復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承
図20〜22は、請求項1項の、復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承Fの実施例を示している。
特許 1844024号での引抜き防止装置・滑り支承F、また1.3.の十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承の、上部スライド部材4-a、下部スライド部材4-bの片方また両者に、スライド孔の片側また両側にバネ (空気バネ含む)またゴム25を設置し、そのバネ等25により、他方のスライド部材を当該スライド孔の中央部に位置せしめる機能を与え、地震後に免震される構造体Aを元の位置に復元させ、また当該スライド孔の端に衝突させない機能を有するものである。
復元付き引抜き防止装置・滑り支承に、復元・減衰バネ等25を設けたものである。
図21のように、バネ等25の固定に関して、バネ等25の一方の端は、スライド孔の端に固定され、もう一方の端は、スライド止め金4-Pを介して 交差する他方のスライド部材に押し当てる。そのスライド止め金4-Pとバネ等25とは固定されている。
また、このバネ等25は、交差する他方のスライド孔部材に接すること無く、途中までに設けられている場合もあり、図22は、この場合の実施例である。途中までの場合は、スライド孔の両端部にぶつからないための緩衝装置の役目が主である。この構成により、併用する免震皿の滑り面から滑り部等が外れる可能性のある地震振幅時のみに抑制が働き、免震皿内の地震振幅時には、抑制は働かず免震装置による免震性能を減じない効果が得られる。
図21、22のうち、(a-1)(a-2)(a-3)(a-4)は、スライド止め金4-Pの斜視図である。(a-1)(a-2)でワンセット、(a-3)(a-4)でワンセットであり、(a-1)(a-2)とは違うタイプである。免震・滑り支承の斜視図(a) 、また断面図(b)(c)には、(a-1)(a-2)タイプが描かれている。(a-1)(a-3)は、上部スライド部材4-aのスライド止め金4-Pであり、(a-2)(a-4)は、下部スライド部材4-bのスライド止め金4-Pである。
図15〜19は、請求項2項の、バネまたゴムまた積層ゴム25と引抜き防止装置・滑り支承Fとの複合装置の実施例を示している。
特許 1844024号での引抜き防止装置・滑り支承Fと積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25との位置関係は、
(1) 上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材また免震される構造体1と下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材との間、
(2) 下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材と上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材との間、
(3) 上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材また支持する構造体2との間、
の3通り考えられる。
また、積層ゴムまたゴムまたバネ25の位置とは箇所数は、上記 (1)、 (2)、(3) の一か所の場合、 (1)と (2)、 (1)と (3)、 (2)と (3)の二か所の場合、 (1) と (2)と (3)の三か所の場合がある。
図15は、(3) の上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材との間に、積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25が設置され、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の上部フランジとが接合され、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の下部フランジとが接合されている実施例である。
図15のうち (a)(b)(c)は、バネ(空気バネ含む)またゴムまた積層ゴム25の高さが低い場合、(d)(e)(f)はバネ(空気バネ含む)またゴムまた積層ゴム25の高さが高い場
合である。
図16は、(1) の免震される構造体1と下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材との間、積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25が設置され、免震される構造体1と積層ゴムまたゴムまたバネ (空気バネ含む)25の上部フランジとが接合され、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の下部フランジとが接合されている実施例である。
図16のうち (a)(b)(c)は、バネ(空気バネ含む)またゴムまた積層ゴム25の高さが低い場合、(d)(e)(f)はバネ(空気バネ含む)またゴムまた積層ゴム25の高さが高い場
合である。
図17は、 (2)と(3) の二か所に積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25が設置される場合で、上部積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25については、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の上部フランジとが接合され、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の下部フランジとが接合され、
下部積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25については、上部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の上部フランジとが接合され、下部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の下部フランジとが接合されている実施例である。
図18は、 (1)と (2)と (3)の三か所に積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25が設置される場合で、上部積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25については、免震される構造体1と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の上部フランジとが接合され、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の下部フランジとが接合され、中部積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25については、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の上部フランジとが接合され、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の下部フランジとが接合され、下部積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25については、上部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の上部フランジとが接合され、下部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の下部フランジとが接合されている実施例である。
図18のうち(a)(b)(c) は、バネ(空気バネ含む)またゴムまた積層ゴム25の高さが低い場合、(d)(e)(f)はバネ(空気バネ含む)またゴムまた積層ゴム25の高さが高い場
合である。
図19は、引抜き防止装置・滑り支承Fを2連装し、(3) の上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と支持する構造体2との間に積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25が設置される場合で、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の上部フランジとが接合され、支持する構造体2と積層ゴムまたゴムまたバネ(空気バネ含む)25の下部フランジとが接合されている実施例である。
図19のうち(a)(b)(c) は、バネ(空気バネ含む)またゴムまた積層ゴム25の高さが低い場合、(d)(e)(f)はバネ(空気バネ含む)またゴムまた積層ゴム25の高さが高い場
合である。
図23〜26は、補強引抜き防止装置・滑り支承Fの実施例を示している。
特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承Fにおいて、真上及び真横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとを、互いに交差する方向にスライドできるように双方の真横のスライド孔4-vに係合し、双方の真上のスライド孔(4−av、4−bv)を貫く繋ぎ部材・係合材27を取付けて、引抜き防止を補強する装置である。
図23は、双方の真上のスライド孔(4−av、4−bv)を貫く繋ぎ部材・係合材27が1個のとき、図24は、3個のとき、図25は、4個のときであり、図26は、ロ型の繋ぎ部材・係合材27が 2個のときで、上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとを係合して、引抜き防止を補強している。
1.3. 十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承、2.1. 復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承、2.2. 積層ゴム/ゴム/バネ付き引抜き防止装置・滑り支承との複合装置の各装置において、引抜き防止装置・滑り支承に、上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとに 真上に細長く開口したスライド孔をあけて、双方の真上のスライド孔(4−av、4−bv)を貫く繋ぎ部材・係合材27を取り付けて、引抜き防止を補強する装置である。
図27は、新引抜き防止装置・滑り支承の実施例を示している。
真上に細長く開口したスライド孔4-vを有する上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとを、互いに交差する方向にスライドできるように、双方の真上のスライド孔(4−av、4−bv)を貫く係合材27を取り付けることにより構成され、かつ、前記上部スライド部材4-aを免震される構造体1に、下部スライド部材4-bをこの免震される構造体を支持する構造体2に設けることにより構成する新引抜き防止装置・滑り支承である。
また、図23〜26と同様に、係合材27の複数か所止めの場合もある。
図28〜29は、請求項3項の、引抜き防止装置・滑り支承と重力復元型免震・滑り支承(特許 1844024号では免震復元装置)との複合装置の実施例を示しており、特許1844024
号の引抜き防止装置・滑り支承と重力復元型免震・滑り支承との合体装置である。
つまり、真横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとを、互いに交差する方向にスライドできるように双方のスライド孔に係合することにより構成され、上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bのうち一方に凹形状滑り面部を有する免震皿3を有し、もう一方に当該免震皿3の凹形状滑り面部を滑走しうるローラー・ボールベアリング若しくは滑り部5を有し、前記上部スライド部材4-aを免震される構造体1に、下部スライド部材4-bをこの免震される構造体を支持する構造体2に設けることにより構成する重力復元型引抜き防止装置・滑り支承である。
また、図28は、免震皿3が下にある場合、図29は、免震皿3が上にある場合である。
2.6.1.バネ付き部材での押さえ込み
重力復元型免震・滑り支承併用される場合、特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承には、重力復元型免震・滑り支承の振幅時の上下動を吸収するために、スライド孔を他方のスライド部材の厚みに上下動分の余裕を見ているが、風等の引抜き力が働いたときにその余裕の空隙のために、他方のスライド部材がスライド孔でぶつかり衝撃が走る。
そのために、特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承に、スライド孔の両方また片方に、他方のスライド部材をバネで押さえ込むプレート等の部材4-cを取付けることにより、その衝撃を防ぐ。図30〜31ともに、スライド孔の片方に、他方のスライド部材をバネで押さえ込むプレート等の部材4-cを取付けた場合である。図30は、バネがコイルバネ4-sのとき、図31は、バネが板バネ4-fs のときの場合である。
2.6.2.重力復元型免震・滑り支承と同曲率付き
重力復元型免震・滑り支承併用される場合、特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承には、重力復元型免震・滑り支承の振幅時の上下動を吸収するために、スライド孔を他方のスライド部材の厚みに上下動分の余裕を見ているが、風等の引抜き力が働いたときにその余裕の空隙のために、他方のスライド部材がスライド孔でぶつかり衝撃が走る。そのために、特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承に、併用される重力復元型免震・滑り支承の免震皿の曲率と同じ勾配を上下スライド部材にもたせる構成により、重力復元型免震・滑り支承の水平振幅時の垂直変位を吸収する。
つまり、免震装置によって免震される構造体とこの免震される構造体を支持する構造体との両者間に設けられ、真横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとを、互いに交差する方向にスライドできるように双方のスライド孔に係合し、当該装置と併用される重力復元型免震・滑り支承の免震皿の曲率と同じ勾配形状を上下スライド部材にもたせることにより構成され、かつ、前記上部スライド部材4-aを免震される構造体に、下部スライド部材4-bをこの免震される構造体を支持する構造体に設けることにより構成する。
3.1. 摩擦係数の変化
図32〜33は、請求項4項の実施例を示している。
中心部の摩擦係数は小さく、周辺部の摩擦係数は大きくする。
凹形状もしくは平面形状をもつ滑り面部を有する免震皿と滑り部を持つ免震・滑り支承において、免震皿中心部の摩擦係数は小さくし、免震皿周辺部の摩擦係数は大きい免震皿をもつことによって構成する。
免震皿の中心部の摩擦係数を小さくすることは、免震感度を良くする。つまり最初に滑べり始める地震力の大きさを小さくして免震感度をあげられる。
また、周辺部を小さくすることは 地震による振幅の抑制につながる。
よって実施例は3つに別れる
1) 免震皿の中心部の摩擦係数を小さくする。
2) 免震皿の周辺部の摩擦係数を大きくする。
3) 免震皿の中心部の摩擦係数を小さくし、かつ免震皿の周辺部の摩擦係数を大きくする。
3) に関しては 免震皿3の中心部の摩擦係数を小さくして、免震皿の周辺部に行くに従い摩擦係数を大きくする方法もある。
図32は、平面形状滑り面部を有する免震皿3の場合、図33は、凹曲面形状滑り面部を有する免震皿3の場合で、同心円状に摩擦係数が、中心部から周辺部に向かって大きくなっている実施例である。摩擦係数が大きくなってゆく割合は、一定の割合での比例的な場合もあるし、二乗またn乗に比例的な場合もあるし、等差数列的な場合もあるし、等比数列的な場合もあるし、また特殊な関数の場合もある。
請求項5項の発明は、免震皿の曲率を、中心部から周辺に向かって、小さくして急勾配にして、地震の振幅抑制するものである。
免震皿の形状は、全方向性の 球面等の凹曲面もあるし、一方向性の円柱面等の凹曲面もある。曲率の変化の割合は、一定の割合での比例的な場合もあるし、二乗またn乗に比例的な場合もあるし、等差数列的な場合もあるし、等比数列的な場合もあるし、また特殊な関数の場合もある。
また、免震皿の、3.1.の摩擦係数の変化と、3.2.の曲率の変化とを、両方使って、滑り免震・滑り支承のダンパー機能向上及び初滑動向上を行う方法もある。
4.1. 二重(以上)免震皿免震・滑り支承
図34〜42は、請求項6項〜請求項7項の二重(以上)免震皿免震・滑り支承の実施例を示している。
二重(以上)免震皿免震・滑り支承は、以下によって構成される。
下向きの平面また凹曲面で形成された滑り面部をもった上部免震皿3-aと、上向きの平面また凹曲面で形成された滑り面部をもった下部免震皿3-bとで構成され、また、この上部免震皿3-aと下部免震皿3-bの中間に上面下面ともに滑り面部をもった、一個若しくは複数個の中間免震皿3-mも挟み込まれる場合もあり、この上部免震皿3-aと下部免震皿3-bとが上下に重なり、免震・滑り支承を構成し、上部免震皿3-aを支持され免震される構造体1に取付け、下部免震皿3-bを構造体1を支持する構造体2に取付けることにより構成される。
図34は、中間滑り部6を持たない場合であり、図35〜42は、中間滑り部6を持つ場合である。
図34(a) 〜(d) は、二重免震皿(上部免震皿3-a、下部免震皿3-b)の場合、図34(e) 〜(f) は、三重免震皿(上部免震皿3-a、中間免震皿3-m、下部免震皿3-b)の場合であり、さらに四重以上免震皿の場合も考えられる。層数を重ねるほうが、免震性能は増すと考えられる。
なお、図34(c)(d)は、特許 1844024号での免震復元装置との大きさの比較図であり、(c) は特許 1844024号での免震復元装置、 (d)は、二重免震皿の場合である。
二重(以上)免震皿免震・滑り支承の構成について説明する。
まず、免震皿の大きさの一辺は、地震の最大振幅のほぼ半分の寸法で良い。
というのは、同じ大きさの免震皿の二重の構成を取るために、地震時にお互いがずれる事により、お互いの接触点でのみ、免震される構造体Aの垂直荷重が伝達できる最小限の面積のみあれば良く、最小限の面積をQの二乗とすると正方形の場合で考えると、一辺はQでよくなる。地震の最大振幅の半分をLとすると、二重免震皿の場合、上下免震皿相互にずれるので、正方形の場合で考えると免震皿の一辺の大きさは、L+Qでよくなる。一般的には、それに余裕をみた寸法か、それ以上の寸法とする。図34(d) の通りである。
一方、特許 1844024号での免震復元装置(重力復元型免震・滑り支承)で考えると、正方形の場合で考えると免震皿の一辺の大きさは、2×L+Qとなる(Qは滑り部5の幅)。図34(c) の通りである。
よって、一辺の大きさで、ほぼ、半分になり、面積で、ほぼ1/4になり、また免震皿を上下合わせても、ほぼ1/2になる。
次に、免震皿の形状を円形で考えた場合も、地震時にお互いがずれた二重皿の接触点の、免震される構造体Aの垂直荷重が伝達できる最小限の面積からの寸法が変わるのみで、ほぼ同じである。
また、免震皿の形状に関しては、以上のように、正方形、円形でも、さらに四角形、多角形、また楕円等の曲線により形成された形でもよい。
これは、免震皿の大きさが大きく、場所を取る問題を解決する。
また、この事により、同じ大きさの免震皿の二重で良くなる。
この事は、特許 1844024号での免震復元装置(重力復元型免震・滑り支承)の密閉性がないことによる、雨さらしになる事、ゴミがたまる事、また空気に暴露される事等により、摩擦係数の低下が、問題も解決する。
つまり、密閉が可能になる。それも完全密閉が可能になるからである。
免震皿の大きさと密閉性に関しての長所は、平面形状滑り面部を有する免震皿であろうが、凹形状滑り面部を有する免震皿であろうが、同じである。
密閉性に関して、さらに説明すると、免震皿が、平面形状滑り面部同士の場合には、問題がないことは直ぐに認識できると思うが、凹形状滑り面部同士の場合でも、同じである。つまり、同じ大きさの二重の凹形状免震皿が、完全に重なった時、後述の中間滑り部6の高さ寸法を、隙間ができない大きさに設定する事により解決する。
さらに、ほぼ真中に、潤滑油の出る孔を設けて、潤滑油がしみ出すような工夫も考えられる。また、免震皿に、グリース・固形の潤滑油をためる窪みを設ける。それは下部免震皿3-bだけでも良く、上部免震皿3-aだけでも良く、上下部免震皿(3-a、3-b))の両方でも良い。
この、グリース・固形の潤滑油をためる窪みは、一箇所また数箇所でも良い。一箇所の場合、その位置は、ほぼ中央でも良く、数箇所の場合は、分散配置も可能となる。また、その窪みに、潤滑油がしみ出す管を設けて、その管に潤滑油を送る装置を結合する場合もある。
上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿による三重免震皿免震・滑り支承において、上部免震皿と中間免震皿とを平行なす対辺同士でスライド部材によって繋ぎ、それと交差方向に平行なす対辺同士でスライド部材によって中間免震皿と下部免震皿とを繋ぐことにより、上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿とが相互に連結し、上部免震皿を支持され免震される構造体1に取付け、下部震皿を構造体1を支持する構造体2に取付けることにより構成する。
中間免震皿が複数個あっても、同様であり、平行なす対辺同士でスライド部材によって、その中間免震皿を相互につなぎ、さらに、それと交差方向に平行なす対辺同士でスライド部材によって次の中間免震皿とを相互につなぎ、順次、交差方向に平行なす対辺同士でスライド部材によって次の中間免震皿とを連結してゆくことによって構成する。
交差方向の角度に関して、免震皿の枚数に応じて、それぞれがなす交差角は、360度の等分割が良いがそれよりずれても良い。
なお、スライド部材自体は、免震皿の一辺より、大きい場合もある。その方が、ずれに対応できるからである。
なお、ここでのスライド部材は、スライド方向に移動可能で、垂直方向には抗する機能(垂直方向には繋ぎ留める機能)をもった部材である。
また、免震皿の形状に関しては、以下説明されるような正方形、正多角形、円形でもよいが、さらに四角形、多角形、また楕円等の曲線による形成された形でもよい。
以下、具体的に説明する。
(1) 交差2平行(直交2平行)スライド部材繋ぎ
図95は、上部免震皿3-aと中間免震皿3-mと下部免震皿3-bによる引抜き防止付き三重免震皿免震・滑り支承の実施例である。実施例では、正方形である。 上部免震皿3-aと中間免震皿3-mとを平行なす対辺同士でスライド部材3-sによって繋ぎ、それと交差(直交する)方向に中間免震皿3-mと下部免震皿3-bとを平行なす対辺同士でスライド部材3-sによって繋ぐことにより、上部免震皿3-aと中間免震皿3-mと下部免震皿3-bとが相互に連結して、引抜き力に抗することができる。
(2) 交差3平行スライド部材繋ぎ
図96は、上部免震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m2 と下部免震皿3-bによる四重免震皿免震・滑り支承の実施例である。実施例では、正六角形である。
上部免震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 とを平行なす対辺同士でスライド部材3-sによって繋ぎ、それと交差方向(六角形の一つの角の角度、例えば60度)に中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m2 とを平行なす対辺同士でスライド部材3-sによって繋ぎ、さらに、それと交差方向(六角形の一つの角の角度、例えば60度)に中間免震皿(その2)3-m2 と下部免震皿3-bとを平行なす対辺同士でスライド部材3-sによって繋ぐことにより、上部免震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m2 と下部免震皿3-bとが相互に連結して、引抜き力に抗することができる。
なお、この実施例では、上部免震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m2 と下部免震皿3-bの相互を繋ぐ、上下のスライド部材同士の角度のずれは、順番に60度づつずれていったが、重複しなければ、その順番は問わない。その角度も、360度の6等分割が良いが、単に6分割でも良い。
(3) 交差4平行スライド部材繋ぎ
(2) の方法で、同様に、正八角形の上部免震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m2 と中間免震皿(その3)3-m3 と下部免震皿3-bによる五重免震皿免震・滑り支承が、構成される。
しかし、正八角形では、一辺が短くなりすぎるので、図97の実施例では、正方形形状の45度ずれた2枚を接合した免震皿を、5重積層させ、それらを相互にスライド部材3-sによって繋ぐ。
つまり、5重積層とは、上部免震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m2 と中間免震皿(その3)3-m3 と下部免震皿3-bとによって構成される。
具体的に説明する。
まず、正方形形状の45度ずれた2枚を接合した上部免震皿3-aと同形の中間免震皿(その1)3-m1 とを平行なす対辺同士でスライド部材3-sによって繋ぐ。上部免震皿3-aの2枚のうちの下の免震皿と、中間免震皿(その1)3-m1 の2枚のうちの上の免震皿とがスライド部材3-sによって繋がれる。
その中間免震皿(その1)3-m1 の2枚のうちの下の免震皿と、中間免震皿 (その2)3-m2 の2枚のうちの上の免震皿とを、平行なす対辺同士でスライド部材3-sによって繋ぐ。このスライド部材の方向は、上部免震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 との接合のスライド部材の方向とは、45度ずれる。
さらに、この中間免震皿(その2)3-m2 2枚のうちの下の免震皿と中間免震皿(その3)3-m3 の2枚のうちの上の免震皿とを平行なす対辺同士でスライド部材3-sによって繋ぐ。このスライド部材の方向も、同様に、中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m2 との接合のスライド部材の方向とは、45度ずれる。
また、さらにこの中間免震皿(その3)3-m3 2枚のうちの下の免震皿と下部免震皿3-bの2枚のうちの上の免震皿とを平行なす対辺同士でスライド部材3-sによって繋ぐ。このスライド部材の方向も、同様に、中間免震皿(その2)3-m2 と中間免震皿(その3)3-m3 との接合のスライド部材の方向とは、45度ずれる。
以上の構成により、上部免震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m2 と中間免震皿(その3)3-m3 と下部免震皿3-bとが相互に連結して、引抜き力に対処できる。
なお、上部免震皿3-aの2枚のうちの上の免震皿と、免震される構造体1と、下部免震皿3-bの2枚のうちの下の免震皿と、免震される構造体を支持する構造体2とが接合される。
なお、この実施例では、上部免震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m2 と中間免震皿(その3)3-m3 と下部免震皿3-bの相互を繋ぐ、上下のスライド部材同士の角度のずれは、順番に45度づつずれていったが、重複しなければ、その順番は問わない。その角度も、360度の8等分割が良いが、単に8分割でも良い。
(4) 交差5平行以上スライド部材繋ぎ
また、交差5平行以上スライド部材繋ぎ(正十角形以上)も同様に考えられる。交差平行数が増えるほうが、免震皿に対して斜め方向の地震力に対応しやすい。
(5) 免震皿の形状
いずれにしても、スライド部材3-sが平行なす対辺同士で取り付けられ、全方向に免震皿がスライドできるものであれば、免震皿の形態は問わない。(1) では交差2方向(直交)の平行形状に、スライド部材3-sが取り付けられれば、(2) では交差3方向の平行形状に、スライド部材3-sが取り付けられれば、(3) では交差4方向の平行形状に、スライド部材3-sが取り付けられれば、(4) 交差5方向の平行形状に、スライド部材3-sが取り付けられれば、また、交差6方向の平行形状に、スライド部材3-sが取り付けられれば、・・・・・というようにである。
平面形状滑り面部を有する免震皿と凹形状滑り面部を有する免震皿との組合せと、凹形状滑り面部を有する免震皿と凹形状滑り面部を有する免震皿との組合せとには、必ず、中間滑り部は必要であるが、平面形状滑り面部を有する免震皿と平面形状滑り面部を有する免震皿との組合せにも設けられる場合もある。
4.2.1. 中間滑り部
4.2.1.1. 中間滑り部
図35〜42は、中間滑り部を持つ二重免震皿免震・滑り支承の実施例を示している。
以下の(1)(2)(3) の3つの場合がある。
(1) 二重平面免震皿
図35は、上下の平面形状滑り面部を有する平面免震皿(3-a、3-b)との間に、中間滑り部6を挟み込む場合である。
(2) 平面免震皿と凹曲面免震皿(復元免震皿)
図36は、平面形状滑り面部を有する免震皿と凹曲面滑り面部を有する免震皿(3-a、3-b)との間に、中間滑り部6を挟み込む場合である。
(3) 二重凹曲面面免震皿
図37〜42は、下向きの凹曲面滑り面部を有する免震皿と上向きの凹曲面滑り面部を有する免震皿(3-a、3-b)との間に、中間滑り部6を挟み込む場合である。 また、三重以上の免震皿の場合には、免震皿ごとに中間滑り部を挟み込む場合もある。
以上の(1)(2)(3) の中間滑り部6の滑り部上部6-uおよび滑り部下部6-lは、滑り部として低摩擦仕様としてあり、テフロン(登録商標)等の低摩擦材が使用されている場合もある。
図37〜38は、凹型の球面また円柱面の滑り面部を持つ免震皿と、免震皿の球面また円柱面と同曲率の凸型中間滑り部とを有する二重免震皿免震・滑り支承の実施例を示しており、図37と図38の2つの場合に別れる。
図37は、上部の下向きの凹曲面滑り面部を有する免震皿3-aと下部の上向きの凹曲面滑り面部を有する免震皿3-bとの間に、中間滑り部6を挟み込む場合である。
図37の実施例は、上部の下向き凹型球面滑り面部を有する免震皿3-aと、下部の上向き凹型球面滑り面部を有する免震皿3-bとの間に、凸型の滑り部上部6-uが、上部免震皿3-aと同球面曲率を持ち、凸型の滑り部下部6-lが、下部免震皿3-bと同球面曲率を持つ、中間滑り部6を挟み込む場合に有利さがある。
その場合、図37(e) (f) のように、振動による上部免震皿3-aと下部免震皿3-bとが、ずれを起こしても、滑り部上部6-uと上部免震皿3-aとの接触面積、及び滑り部下部6-lと下部免震皿3-bとの接触面積が、ともに、常に同面積得られて、垂直荷重伝達能力が最大になる。
また、図38の実施例は、上部の下向き凹型円柱面の滑り面部を有する免震皿3-aと、下部の上向き凹型円柱面の滑り面部を有する免震皿3-bとの間に、滑り部上部6-uが、上部免震皿3-aと同曲率を持ち、滑り部下部6-lが、下部免震皿3-bと同曲率を持つ中間滑り部6を挟み込む場合で、図37の実施例が、全方向の復元力をもつのに対して、図38の実施例は、一方向しか持たないが、それ以外の特徴・メリットは同じである。つまり、振動による上部免震皿3-aと下部免震皿3-bとが、ずれを起こしても、滑り部上部6-uと上部免震皿3-aとの接触面積、及び滑り部下部6-lと下部免震皿3-bとの接触面積が、ともに、常に同面積得られて、垂直荷重伝達能力が最大になる。
図39〜40は、二重中間滑り部を有する二重免震皿免震・滑り支承の実施例を示している。
4.2.1.における中間滑り部6は、第一中間滑り部6-aと第二中間滑り部6-bとに分かれる。
第一中間滑り部6-aは、上部の下向きの凹型球面滑り面部を有する免震皿3-aの凹型と同一球面曲率を持つ凸型の滑り面部をもち、且つこの凸型の滑り面部の反対部は凸型球面滑り面部を有する。
第二中間滑り部6-bは、第一中間滑り部6-aのこの反対部の凸型球面滑り面部と同一球面曲率を持つ凹型滑り面部をもち、且つこの凹型滑り面部の反対部は、下部の上向きの凹型球面滑り面部を有する免震皿3-bの凹型と同一球面曲率を持つ凸型球面滑り面部を有する。
そして、この第一中間滑り部6-aと第二中間滑り部6-bとを、上部及び下部の凹型の免震皿(3-a、3-b)にはさみこむことにより構成する。
また、第一中間滑り部6-aと第二中間滑り部6-bとの関係が、上下逆の場合もあり、図40は、図39の逆の場合である。
図39、図40のいずれの場合も、図39(e) (f) のように、振動による上部免震皿3-aと下部免震皿3-bとが、ずれを起こしても、滑り部上部6-uと上部免震皿3-aとの接触面積、及び滑り部下部6-lと下部免震皿3-bとの接触面積が、ともに、常に同面積得られて、垂直荷重伝達能力が最大になる。
図41は、三重中間滑り部を有する二重免震皿免震・滑り支承の実施例を示している。
4.2.1.における中間滑り部6は、第一中間滑り部6-aと第二中間滑り部6-bと第三中間滑り部6-cとに分かれる。
第一中間滑り部6-aは、上部の下向き凹型球面滑り面部を有する免震皿3-aの凹型と同一球面曲率を持つ凸型の滑り面部をもち、且つこの凸型の反対部は凹型球面滑り面部を有する。
第二中間滑り部6-bは、第一中間滑り部6-aのこの反対部の凹型球面と同一球面曲率を持つ凸型の滑り面部をもち、且つこの凸型の反対部は、凸型球面滑り面部を有する。
第三中間滑り部6-cは、第二中間滑り部6-bのこの反対部の凸型球面と同一球面曲率を持つ凹型の滑り面部をもち、且つこの凹型の反対部は、下部の上向き凹型球面滑り面部を有する免震皿3-bの凹型と同一球面曲率を持つ凸型球面滑り面部を有する。
そして、この第一中間滑り部6-a、第二中間滑り部6-b及び第三中間滑り部6-cを、上部及び下部の凹型の免震皿(3-a、3-b)に挟みこむことにより構成する。
この場合、図41(e) (f) のように、振動による上部免震皿3-aと下部免震皿3-bとが、ずれを起こしても、滑り部上部6-uと上部免震皿3-aとの接触面積、及び滑り部下部6-lと下部免震皿3-bとの接触面積が、ともに、常に同面積得られて、垂直荷重伝達能力が最大になる。
第二中間滑り部6-bは球形の場合もあり、図41は、その場合である。
図42も、三重中間滑り部を有する二重免震皿免震・滑り支承の実施例を示している。
4.2.1.における中間滑り部6は、第一中間滑り部6-aと第二中間滑り部6-bと第三中間滑り部6-cとに分かれる。
第一中間滑り部6-aは、上部の下向き凹型球面滑り面部を有する免震皿3-aの凹型と同一球面曲率を持つ凸型の滑り面部をもち、且つこの凸型の反対部は凸型球面滑り面部を有する。
第二中間滑り部6-bは、第一中間滑り部6-aのこの反対部の凸型球面と同一球面曲率を持つ凹型の滑り面部をもち、且つこの凹型の反対部は、凹型球面滑り面部を有する。
第三中間滑り部6-cは、第二中間滑り部6-bのこの反対部の凹型球面と同一球面曲率を持つ凸型の滑り面部をもち、且つこの凸型の反対部は、下部の上向き凹型球面滑り面部を有する免震皿3-bの凹型と同一球面曲率を持つ凸型球面滑り面部を有する。
そして、この第一中間滑り部6-a、第二中間滑り部6-b及び第三中間滑り部6-cは、上部及び下部の凹型の免震皿(3-a、3-b)に挟みこむことにより構成する。
この場合、図42(e) (f) のように、振動による上部免震皿3-aと下部免震皿3-bとが、ずれを起こしても、滑り部上部6-uと上部免震皿3-aとの接触面積、及び滑り部下部6-lと下部免震皿3-bとの接触面積が、ともに、常に同面積得られて、垂直荷重伝達能力が最大になる。
また、図34(g)(h)は、二重(以上)免震皿のシールまた防塵カバーに関する実施例である。
二重(以上)免震皿の側面の周囲全周を、中小地震程度の揺れを許容するシールまた防塵カバー3-cで密閉し、潤滑剤の蒸発また雨さらしになる事、ゴミがたまる事、また空気に暴露される事等により、摩擦係数の低下を防ぐ事が可能になる。
5.1. 重力復元型免震・滑り支承の滑り部の改良
図43〜45は、重力復元型免震・滑り支承の滑り部5の改良発明の実施例を示している。
5.1.1. 中間滑り部
図43は、中間滑り部を有する重力復元型免震・滑り支承の実施例を示している。
凹型球面形状をなした滑り面部を有する免震皿3の凹型と同一球面曲率を持つ凸型の滑り面部をもち、且つこの凸型の反対部は凹型球面滑り面部を有する中間滑り部6を有し、この中間滑り部6の凹型球面滑り面部と同一球面曲率を持つ凸型の滑り面部をもつ滑り部5を有し、この中間滑り部6を、前記凹型の免震皿3とこの滑り部5に挟み込むことにより構成する。滑り部5は、支持され、免震される構造体1に取付けられ、免震皿3は、支持され、免震される構造体1を支持する構造体2に取付けられる。
また、免震皿3と滑り部5の関係が、上下逆の場合もある。
この場合、振動による滑り部5と下部免震皿3とが、ずれを起こしても、中間滑り部6が免震皿3の球面曲率に追随するように中間滑り部6が滑り部5に対して回転し、滑り部(5、6)と免震皿3との接触面積が、常に同面積得られて、垂直荷重伝達能力が最大になる。
図44〜45は、二重中間滑り部を有する重力復元型免震・滑り支承の実施例を示している。
5.1.1.における中間滑り部6は、第一中間滑り部6-aと第二中間滑り部6-bとに分かれる。
図44は、二重中間滑り部を有する重力復元型免震・滑り支承の実施例であり、凹型球面滑り面部を有する免震皿3の凹型と同一球面曲率を持つ凸型球面滑り面部をもち、且つこの凸型球面滑り面部の反対部は凹型球面滑り面部を有する第二中間滑り部6-bと、この反対部の凹型球面滑り面部と同一球面曲率を持つ凸型球面滑り面部をもち、且つこの凸型球面滑り面部の反対部は凹型球面滑り面部をもつ第一中間滑り部6-aを有し、この第一中間滑り部6-aのこの凹型球面滑り面部と同一球面曲率を持つ凸型球面滑り面部をもつ滑り部5を有し、この第一中間滑り部6-a及び第二中間滑り部6-bを、凹型の免震皿3と滑り部5に、挟みこむことにより構成する。
また、免震皿3と滑り部5の関係が、上下逆の場合もある。
図45は、二重中間滑り部を有する重力復元型免震・滑り支承の実施例であり、凹型球面滑り面部を有する免震皿3の凹型と同一球面曲率を持つ凸型型球滑り面部をもち、且つこの凸型の反対部は凸型球面滑り面部を有する第二中間滑り部6-bと、この反対部の凸型球面滑り面部と同一球面曲率を持つ凹型球面滑り面部をもち、且つこの凹型球面滑り面部の反対部は凸型球面滑り面部をもつ第一中間滑り部6-aを有し、この第一中間滑り部6-aのこの凸型球面滑り面部と同一球面曲率を持つ凹型球面滑り面部をもつ滑り部5を有し、この第一中間滑り部6-a及び第二中間滑り部6-bを、凹型の免震皿3と滑り部5に、挟みこむことにより構成する。
また、免震皿3と滑り部5との関係が、上下逆の場合もある。
図44、図45のいずれの場合も、図45(e) (f) のように、振動による滑り部5と下部免震皿3とが、ずれを起こしても、中間滑り部6-bが免震皿3の球面曲率に追随するように、中間滑り部6-bが中間滑り部6-aに対して回転し、さらに中間滑り部6-aが滑り部5に対して回転し、滑り部(5、6-a、6-b)と免震皿3との接触面積が、常に同面積得られて、垂直荷重伝達能力が最大になる。
5.2.1. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型免震・滑り支承A
図46は、滑り部垂直変位吸収型の重力復元型免震・滑り支承の実施例を示している。
重力復元型免震・滑り支承Cの振動時の凹曲面による垂直変位を吸収するもので、滑り部5が、筒5-aと、その筒5-aの中に挿入されるバネ(空気バネ含む)またゴム5-bと、その下部に突き出る形で挿入されている滑り部先端5-cからなっている。
このバネ(空気バネ含む)またゴム5-bは、重力復元型免震・滑り支承Cの作動時の垂直変位を吸収するが、2.6.重力復元型免震・滑り支承振幅時の垂直変位の吸収装置の併用によってもより効果がでる。
筒5-aの上部に関して、単に止め金が固定されている場合もあるが、雌ネジが切られて、雄ネジ5-dが挿入されている場合もある。この雄ネジ5-dについては、雄ネジ5-dが入り込み方向に回転して締めることにより、バネ等5-bを圧縮してバネ等5-bの反発力を強め、滑り部先端5-cの押し出す力を強める機能をもち、復元力を高めたり、地震後の免震される構造体Aの残留変位の矯正を可能にする。
また、このバネ(空気バネ含む)またゴム5-bは、重力復元型免震・滑り支承Cの作動時の垂直変位を吸収するだけでなく、垂直免震の機能も持ち合わせている。
滑り部垂直変位吸収型の重力復元型免震・滑り支承に関する発明である。
後述の8.1.6.および8.1.7.の地震センサー(振幅)による上記自動制御型固定ピン装置BCの固定ピン7を、滑り部5にし、固定ピンの挿入孔7-v,7-vm を、凹形状滑り面部を有する免震皿3にしたもので、そうすることにより、滑り部垂直変位吸収型の重力復元型免震・滑り支承が可能になる。
また、図93は、請求項10項の縁切り型の滑り部垂直変位吸収重力復元型免震・滑り支承の実施例を示している。
凹滑り面部を有する免震皿3と当該免震皿3の凹滑り面部を滑走しうるローラー・ボールベアリング若しくは滑り部5を有し、かつ、前記免震皿3およびローラー・ボールベアリング若しくは滑り部5のうち一方を、免震される構造体1に、垂直方向にスライドし、水平方向は拘束されているスライド装置32で繋ぎ、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体2に設けることにより構成される免震装置・滑り支承である。
このうち、図93(a) と(b) は、凹滑り面部を有する免震皿3と当該免震皿3の凹滑り面部を滑走しうるローラー・ボールベアリング若しくは滑り部5を有し、かつ、ローラー・ボールベアリング若しくは滑り部5を、免震される構造体1に、垂直方向にスライドし、水平方向は拘束されているスライド装置32で繋ぎ、免震皿3をこの免震される構造体を支持する構造体2に設けることにより構成される免震装置・滑り支承の実施例である。
図93(a) と(c) は、凹滑り面部を有する免震皿3と当該免震皿3の凹滑り面部を滑走しうるローラー・ボールベアリング若しくは滑り部5を有し、かつ、前記免震皿3を、免震される構造体1に、垂直方向にスライドし、水平方向は拘束されているスライド装置32で繋ぎ、前記ローラー・ボールベアリング若しくは滑り部5をこの免震される構造体を支持する構造体2に設けることにより構成される免震装置・滑り支承の実施例である。
図93(a) と(b) 、(a) と(c) ともに、凹滑り面部を有する免震皿3は一方向性(特許1844024号の1〜4図、また本願の図38の実施例の上また下の免震皿参照)でも良いし、球面またすり鉢等形状の全方向性でも良い。
機能を説明すると、垂直方向にスライドし、水平方向は拘束されているスライド装置32で、免震される構造体Aと、重力復元型免震・滑り支承Cの滑り部5また免震皿3の一方とを繋ぐことにより、重力復元型免震・滑り支承Cの地震時の振幅による水平変位は、免震される構造体Aに伝達するが、重力復元型免震・滑り支承Cの地震時の振幅による垂直変位は、免震される構造体Aに伝達されない。
その事により、他の併用使用の免震装置の垂直変位の遊びを設ける必要がなくなる。例えば、特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承引抜き防止装置の垂直変位の遊びによる風力時の引抜き力によるがたつきがなくなる。
重力復元型免震・滑り支承Cの復元性能を考えると、重力復元型免震・滑り支承Cの滑り部5に取り付く部材20の重さが、免震される構造体Aに比べて、この重力復元型免震・滑り支承の復元性を得られるほど、重い必要がある。
また、部材20の重さを自由に変えることにより、重力復元型免震・滑り支承Cの個数を調整可能であり、また平面位置に応じて、部材20の重さを自由に変えることによっても、調整可能である。
なお、図93の(b)(c)は免震・滑り支承の断面図であり、(a) はそれらの平面図である。
図47〜48は、請求項11項〜請求項12項の新重力復元型免震装置Cの実施例を示している。
図47は、請求項11項の実施例で、免震される構造体Aに吊材8で吊された重り20を、それを支持する構造体また基礎2の孔31を経由して、その下にまで、吊して設置する。その孔31の形状に関してはすり鉢状等の形状で、支持する構造体また基礎2とそのすり鉢状形状との接する角も取られて丸められている方がよい。またそのすり鉢状形状31の材質は、低摩擦材の方がよく、材質の強度も求められる。また、吊材8も、材質の強度があり、また曲げられる材料のケーブル、ワイヤー、ロープ等が選択される。
復元力に関して、この新重力復元型免震装置Cの単独使用の場合は、重り20の重さは、免震される構造体Aの重さと、併用される免震・滑り支承の摩擦係数とを掛合わせた数値以上にする必要がある。この装置を複数個使用する場合は、上記の値をその個数で割り、その数値以上にする必要がある。
図48は、請求項12項の実施例で、図47の実施例の重り20と支持する構造体2の間に、バネ(空気バネ含む)・ゴム等25(以下『バネ』と称する)を付加した実施例で、バネ25の強度分、重り20を軽くする事が可能である。
図49〜57は、地震の垂直力を免震させる垂直免震装置の実施例を示している。
7.1. 滑り部垂直変位吸収型の垂直免震・滑り支承
図49〜50は、請求項13項の垂直免震・滑り支承Iの実施例を示している。
前述の5.2.滑り部垂直変位吸収型の重力復元型免震・滑り支承の応用で、凹形状滑り面部また平面形状滑り面部を有する免震皿3と当該免震皿3の滑り面部を滑走しうるローラー・ボール等のベアリング部若しくは滑り部5(以下、「滑り部」という)を有し、滑り部5が、筒5-aと、その筒5-aの中に挿入されるバネ(空気バネ含む)またゴム5-bと、その下部に突き出る形で挿入されている滑り部先端5-cからなっており、かつ、前記免震皿3および滑り部5のうち、一方を免震される構造体1に、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体2に設けることにより構成されている免震・滑り支承である。
また、筒5-aの上部に関して、5.2.同様に、単に止め金が固定されている場合もあるが、雌ネジが切られて、雄ネジ5-dが挿入されている場合もある。この雄ネジ5-dについては、雄ネジ5-dが入り込み方向に回転して締めることにより、バネ等5-bを圧縮して、バネ等5-bの反発力を強め、滑り部先端5-cの押し出す力を強める機能をもち、復元力を高めたり、地震後の地震後の免震される構造体Aの残留変位の矯正を可能にする。
図51〜52は、請求項14項の垂直免震・滑り支承Iの実施例を示している。
上述の十字型免震・滑り支承、十字型復元付き免震・滑り支承、また特許 1844024号の引抜き防止装置・滑り支承の、上部スライド部材4-aと免震される構造体1の間、また、下部スライド部材4-bと免震される構造体を支持する構造体2との間の、片方、両方に、垂直方向に弾性のあるバネ(空気バネ含む)またゴム25を設置したものである。当然、上部スライド部材4-aと免震される構造体1の間に、また、下部スライド部材4-bと免震される構造体を支持する構造体2との間のどちらか一方のみでも良い。
この装置の特徴は、十字型免震・滑り支承(復元付き含む)、また引抜き防止装置・滑り支承により水平力を吸収してくれるので、地震水平力の影響を受けずに、地震垂直動のみを前記バネ(空気バネ含む)またゴム25で吸収でき、垂直免震が可能になることである。
図51は、特許 1844024号での引抜き防止装置・滑り支承Fに、上部スライド部材4-aと免震される構造体1の間、および、下部スライド部材4-bと免震される構造体を支持する構造体2との間の、両方に、垂直方向に弾性のあるバネ(空気バネ含む)またゴム25を設置した実施例である。
図52は、2.1.の復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承に、上部スライド部材4-aと免震される構造体1の間、および、下部スライド部材4-bと免震される構造体を支持する構造体2との間の、両方に、垂直方向に弾性のあるバネ(空気バネ含む)またゴム25を設置した実施例である。
図52は、水平復元また減衰性能をも持つ。
図53〜54は、請求項15項の垂直免震装置の実施例を示している。
地震垂直力を免震させる垂直免震装置Iは、建物全体では難しい。そのため、地震水平力は、免震される構造体を支持する構造体Bの基礎部(また低層階)に設けた水平方向にのみ免震する水平免震装置Hで、免震される構造体A全体を免震させ、何階単位かを一まとめにした層単位か、階単位で、垂直方向にのみ免震する垂直免震装置I(当然、垂直方向及び水平方向にも免震する免震装置でもよい)を入れて免震させる。
この垂直免震装置Iとしては、階単位での床免震も考えられるが、床・壁・天井を一体にさせた箱を、層単位か、階単位で、垂直免震させる場合もある。
この発明のメリットは、垂直免震させる上のバネが、建物等の構造体全体では巨大になりすぎ、不可能になる事を、各階、また各層に分散させる事により可能とする。また、地震力の水平力と垂直力を明確に分けて免震できるメリットもある。
図53の1、2階(層)では、壁・床・天井を一体にさせた箱全体を、3階 (層)では、壁・床を、4階(層)では、床を、また、5階(層)では、1層内に、3階分床が組まれており、それらの壁・床・天井を一体にさせた箱全体を、屋上層では、何階分かの屋上に構築された構造体全体を、垂直免震させる実施例を表したものである。
垂直免震装置Iの入れ方は、2階(層)以上のように、大抵、下部であるが、1階(層)は、壁・床・天井を一体にさせた箱全体の上下に、垂直免震装置Iを入れる場合もある。
図54 (a)は、各層(階)には、水平方向には拘束され、垂直方向のみに免震する垂直免震装置Iを装備し、地震水平力は構造体の基礎部(また低層階)に設けた水平免震装置で、免震させる実施例を表したものである。
この、水平方向には拘束され、垂直方向のみに免震する垂直免震装置Iを装備する事により、地震振動が単純化されて、構造解析の単純化が可能になる。しかし、当然、垂直方向及び水平方向にも免震する免震装置を、各層(階)に設置する方法もある。
図54 (b)は、この、水平方向には拘束され、垂直方向のみに免震する垂直免震装置Iを、実施例を表したもので、この、水平方向には拘束され、垂直方向のみに免震する垂直免震装置Iの具体的構成としては、二重の筒(円筒、角筒でも良い)で、一方の筒5-cが、他方の筒5-aの中に挿入できる大きさで、相互にスライドし、その中に、垂直方向に伸縮するバネ5-bが入っている。相互にスライドする二重の筒(5-a、5-c)の大きさは、一方の筒と他方の筒とが重なり部をもって、このバネ5-bが、伸びきった状態でも、はみでない大きさであることが必要である。さらに、相互にスライドする二重の筒(5-a、5-c)の大きさは、一方の筒と他方の筒とが完全に重なって一番縮んだときに、このバネ5-bが、圧縮され縮み切った状態で、丁度納まり余らないほどの大きさであることが必要である。
図55〜57は、請求項16項の引張材による垂直免震装置Iの実施例を示している。
免震される構造体Aの柱また梁また基礎等の支持材1を支持するために三方向以上に引張材8を張り、その他端を、支持する構造体また基礎Bの圧縮材等2により構成された3角形以上の頂点で支え、この引張材8の弾性もしくはこの引張材8の途中に設けられたバネ等25の弾性で、免震される構造体Aの垂直免震性を可能にする。
また、引張材8も、上弦材8-uと下弦材8-lにより構成される場合もあり、下弦材8-lのみでも成立するが、上弦材8-uを加えることにより、免震される構造体Aの柱等1は、自立する。
図55は、引張材8が、下弦材のみで構成される場合の実施例である。
図56は、引張材8が、上弦材8-uと下弦材8-lとにより構成される場合の実施例である。
図57は、上弦材8-uと下弦材8-lとにより構成され、さらにバネ25が挿入される場合の実施例である。
また、バネを使わない場合の引張材による弾性は、高張力の綱また高張力のケーブル材を利用することで可能になる。つまりこれらの材料は、弾性率が高いからである。また、この装置の特徴は、(バネ25を使わない場合には)バネを使わないお陰で、相当な重量物の垂直免震性を可能にする。
また、いずれの場合も、水平免震としての機能も持つ。
8.1. 地震動作動による固定ピン装置
地震力によって反応(作動)する固定ピン装置の型は 1) 衝撃力・加速度反応型 2) 振幅反応型に別れる。
1) 衝撃力・加速度反応型は、8.1.1.地震衝撃・加速度による折れピンによる固定ピン装置と、8.1.2.簡易連動作動固定ピンであり、
2) 振幅反応型は、8.1.3. 簡易地震センサー(振幅)による固定ピン装置と、8.1.4.自動復元型、8.1.5.地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置である。
また、 1) 衝撃力・加速度反応型より 2) 振幅反応型の方が、感度(敏感性)に関して優れている。
さらに、作動に関して、一回のみ作動型(主に大地震対応型)と、自動復元型、自動制御型に別れる。
図58〜59は、請求項17項のうちの刃付き切断型固定ピン装置Gの実施例を示している。
この固定ピン装置Gは、作動に関して、一回のみ作動型であり、そのため、大地震対応型である。
この固定ピン7は、地震時に地震力によって切断される等により係脱され、免震される構造体1の固定を解除するように取付けられる(以下、「折れピン」、「折れピン型固定ピン装置」と称する)。
具体的には、免震装置によって免震される構造体1とこの免震される構造体を支持する構造体2とを固定する固定ピン7と、この固定ピン7が挿入される挿入孔7-vからなる。この固定ピン7は、一定以上の地震力により折れるか切れる構造をもつピンにより、地震時に地震力によって前記免震される構造体1の固定を解除するように取付けられ、かつ、前記挿入孔7-vは、前記免震される構造体1及びこの免震される構造体を支持する構造体2に設けられ、前記固定ピン7は、これら双方の挿入孔7-vに連続して挿入される構成をとる。
固定ピン7を切断するための刃16と固定ピン7のうち一方が、免震される構造体1に、他方が、免震される構造体を支持する構造体2に取付けられる。
図58、図59ともに、固定ピン7が、免震される構造体1に、この固定ピン7を切断するための刃16が、免震される構造体を支持する構造体2に、取付けられるている場合の実施例である。逆の関係の場合もある。
また、固定ピン7の片側から切断する片刃タイプもあるし、固定ピン7の両側から切断する両刃タイプもある。
図58は、片刃タイプであり、図59は、両刃タイプである。
8.1.1.1.において、刃16と固定ピン7に、ある程度の遊びを設けて加速させて、固定ピン7を切断する。
刃16と固定ピン7とが、中小地震程度では、接触しないように、刃16と固定ピン7との遊びの空隙に、緩衝材26を挿入する。緩衝材26はグラスウール等のクッション材、また粘性摩擦を与える材料の場合もある。
図58は、片刃タイプであり、図59は、両刃タイプである。
8.1.2.1.簡易連動作動固定ピン装置A
図60は、簡易連動作動固定ピン装置Aの、固定ピン7が、相互に連動するように考えられた発明の実施例である。特に、折れピン型固定ピン装置の場合に価値がある。
具体的には、免震装置によって免震される構造体1とこの免震される構造体を支持する構造体2とを固定する固定ピン7と、この固定ピン7が挿入される挿入孔7-vからなる。
この固定ピン7およびこの挿入孔7-vの一方は前記免震される構造体又はこの免震される構造体を支持する構造体の一方に取付けられ、この固定ピン7および挿入孔7-vの他方は前記免震される構造体又はこの免震される構造体を支持する構造体の他方に取付けられる。
かつ、折れピン型固定ピン装置の、一定以上の地震力により折れるか切れるかする構造をもつ固定ピン7-sが含まれる2つ以上の固定ピン装置において、これら固定ピン7の上端また下端で相互にワイヤー、ロープまたケーブル等8で繋がり、もう一方のケーブル等8の端でバネ(空気バネ含む)またゴム等9-tで引っ張られている。
地震時に地震力によって前記固定ピン7-sが折れるか切れるかした場合、前記ケーブル等8で連動して、もう一方の固定ピン7をロックするために、この固定ピン7をロック孔11-vに嵌め込んだロックプレート11が緩められ、固定ピン7のロック(止め金等)受けの欠き込み7-cからロックプレート11がはずれ、固定ピン7のロックが解除され、この固定ピン7に付けられたバネ等9-c(引張られた状態のバネ等9-tの場合も当然考えられる)で、この固定ピン7がはずされて、免震される構造体1の固定を、同時に解除するものである。
さらに、ロックプレート11の説明をすると、ロックプレート11には、固定ピン7をロックするためのロック孔11-vが開けられており、ロック孔11-vは、固定ピン7を貫通できる大きさを持つ。そして、固定ピン7のロック(止め金等)受けの欠き込み7-cに、そのロック孔11-vに嵌め込まれ、固定ピン7がロックされている。また、ロックプレート11は、一方向にスライドできるようにされている。
なお、図の固定ピン装置Gが、免震される構造体1、この免震される構造体1を支持する構造体2に対して逆に取り付き、ケーブル、ワイヤーまたロープ等8も逆になる場合もある。
この装置は、8.1.3.簡易地震センサー(振幅)による固定ピン装置、8.1.4.自動復元型、8.1.5.地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置、8.2.風力センサーによる固定ピン装置にも使用できるものである。
これら、8.1.3.、8.1.4.、8.1.5.、8.2.の固定ピン装置の固定ピンが複数個の場合には、電気指令、メカニカル装置等により、同時に解除し挿入される方法が、選択される場合もある事はいうまでもない。
この装置の開発により、折れピン型の固定ピン装置の欠陥である折れピン二個以上設置の場合の問題を解決する。つまり、一個が折れても、もう一個が同時に折れるとは限らず、その一個のために、地震力が働くと、偏芯した動きをする。その欠点を解消するためには、同時に固定ピンの解除の形が求められた。この装置は、この問題を解決する。
以下に説明する簡易連動作動固定ピン装置B〜Eは、上記の8.1.1.の折れピン型固定ピン装置だけでなく、下記の8.1.3.以下に説明される固定ピン装置においても使用可能なものである。
図70は、簡易連動作動固定ピン装置Bの実施例を示している。
ロックプレート11には、固定ピン7をロックするためのロック孔11-vが開けられており、ロック孔11-vは、固定ピン7を貫通できる大きさを持つ。そして、固定ピン7のロック(止め金等)受けの欠き込み7-cに、そのロック孔11-vに嵌め込まれ、固定ピン7がロックされている。また、ロックプレート11は、一方向にスライドできるようにされている。
そして、2つ以上の、このロックプレート11を、ワイヤー等8で連結し、そのワイヤー等により引張り方向には連動し、その逆方向はバネ等9で自力で戻り、地震時にそのロックプレート11の押出し方向に、後述の地震センサー振幅装置13、14、15の押出し部17が作用し(図70中の白抜き矢印)、そのロックプレート11にあけられたロック孔11-vに、嵌め込まれロックされている固定ピン7のロック解除が同時に行われる方法である。
また、ワイヤー8にかわり、レリーズ等8-rで連結し、一方向にスライドできるようにされた2つ以上のロックプレート11同士を連結し、そのレリーズ等8-rにより押出しと引張り両方向に連動でき、地震時にそのロックプレート11のロック解除の方向に(押出し方向に)、地震センサー振幅装置の押出し部17が作用し、そのロック孔11-vに、嵌め込まれロックされている固定ピン7のロック解除が同時に行われる方法もある。なお、ロックプレート11の押出し方向の逆方向には、ロックプレート11のいずれかにバネ等9を付けて復元させる必要はある。
図71は、8.1.1.の折れピン型固定ピン7の場合であり、上記、地震時にロックプレート11のロック解除の方向に、地震センサー振幅装置の押出し部17が作用するかわりに、ロックプレート11のロック孔11-vに嵌め込まれロックされている固定ピン7が、地震時に折れるか切断されて、重力またバネ9-t等によりはずれて、固定ピンのロック(止め金等)受けの欠き込み7-cの形状によりこのロックプレート11が押し出されて、固定ピンの解除方向に動き、その他の固定ピンのロックプレート11も、ワイヤー、レリーズ等8によってその動きに連動して、固定ピンの解除方向に動き、そのロックプレート11のロック孔11-vに嵌め込まれたその他の固定ピン7も同時にロック解除されるものである。
図72は、簡易連動作動固定ピン装置Cの実施例を示している。
一方向にスライドできるようにされたロックプレートに、2つ以上のロック孔11-vをもち、地震時にそのロックプレート11のロック解除の方向に(押出し方向に)、後述の地震センサー振幅装置13、14、15の押出し部17が作用し(図72中の白抜き矢印)、そのロックプレート11のロック孔11-vに嵌め込まれロックされている2つ以上の
固定ピン7のロック解除が、同時に行われる方法である。なお、ロックプレート11の押出し方向の逆方向には、ロックプレート11にバネ等9を付けて復元させる必要はある。
図73は、8.1.1.の折れピン型固定ピン7の場合であり、上記、地震時にロックプレート11のロック解除の方向に、地震センサー振幅装置の押出し部17が作用するかわりに、ロックプレート11のロック孔11-vに嵌め込まれロックされている固定ピン7が、地震時に折れるか切断されて、重力またバネ9-t等によりはずれて、固定ピンのロック(止め金等)受けの欠き込み7-cの形状によりこのロックプレート11が押し出されて、固定ピンの解除方向に動き、このロックプレート11のその他のロック孔11-vに嵌め込まれた他の固定ピン7も同時にロック解除されるものである。
なお、図72は、分岐のないロックプレートに、2つのロック孔11-vが開けられている場合であり、図73は、三つ又、四つ又、またそれ以上にわかれているプレートに個々にロック孔11-vをもち、地震時に同時に解除される場合である。当然のように、図72においても、図73と同様に、三つ又、四つ又、またそれ以上にわかれているプレートで考えられる。
図74は、簡易連動作動固定ピン装置Dの実施例を示している。
その中心において回転できるロックプレート11に、その両端側にロック孔11-vをもち、そのロックプレート11が固定ピン7のロック解除の回転方向に、地震時に、後述の地震センサー振幅装置13、14、15の押出し部17が作用し(図74中の白抜き矢印)、そのロック孔11-vに、嵌め込まれロックされている固定ピン7のロック解除が同時に行われる方法である。なお、地震センサー振幅装置の押出し方向の逆方向回転には、ロックプレート11にバネ等9を付けて復元させる必要はある。
図75は、8.1.1.の折れピン型固定ピン7の場合であり、上記、ロックプレート11のロック解除の回転方向に、地震時に地震センサー振幅装置の押出し部17が作用するかわりに、ロックプレート11のロック孔11-vに嵌め込まれロックされている固定ピン7が、地震時に折れるか切断されて、重力またバネ9-t等によりはずれて、固定ピンのロック(止め金等)受けの欠き込み7-cの形状によ
りこのロックプレート11が押し出されて、固定ピンの解除方向に回転し、このロックプレート11のその他のロック孔11-vに嵌め込まれた他の固定ピン7も同時にロック解除されるものである。
図76は、簡易連動作動固定ピン装置Eの実施例を示している。
三つ又、四つ又、またそれ以上にわかれ、その中心において回転できるロックプレート11に、その分岐した個々の端側にロック孔11-vをもち、そのロックプレート11が固定ピン7のロック解除の回転方向に、地震時に、後述の地震センサー振幅装置13、14、15の押出し部17が作用し(図76中の白抜き矢印)、そのロック孔11-vに嵌め込まれた固定ピン7のロック解除が同時に行われる方法である。なお、地震センサー振幅装置の押出し方向の逆方向回転には、ロックプレート11にバネ等9を付けて復元させる必要はある。
図77は、8.1.1.の折れピン型固定ピン7の場合であり、上記、ロックプレート11のロック解除の回転方向に、地震時に地震センサー振幅装置の押出し部17が作用するかわりに、ロックプレート11のロック孔11-vに嵌め込まれロックされている固定ピン7が、地震時に折れるか切断されて、重力またバネ9-t等によりはずれて、固定ピンのロック(止め金等)受けの欠き込み7-cの形状によりこのロックプレート11が押し出されて、固定ピンの解除方向に回転し、このロックプレート11のその他のロック孔11-vに嵌め込まれた他の固定ピン7も同時にロック解除されるものである。
なお、以上の8.1.2.2.簡易連動作動固定ピン装置B〜8.1.2.5.簡易連動作動固定ピン装置Eの地震センサー振幅装置13、14、15の押出し部17がぶつかるロック11の出を調整可能なものとして、スライド装置24を設け、地震センサー振幅装置13、14、15の押出し部17とロック11との間隔を自由に変えられ、地震センサー振幅装置の振幅巾を調整可能とすることにより、固定ピン7解除時の地震力の大きさを自由に変更できるものである。
なお、図70〜図77の平面図中の米印の付いた鉤矢印は、その下の断面図の切断方向を表しているものである。
簡易地震センサー(振幅)による固定ピン装置は、免震皿型と振り子型との2つに別れ、それぞれ、ロック解除型と吊材切断型との2つに別れる。
特に、完全な再使用可能な簡易型の固定ピン装置は、ロック解除型であるが、吊材切断型は吊材を張り代えるだけで、再使用は可能になる。
8.1.3.1. 免震皿型(復元:重力復元型またバネ復元型)
1) ロック解除型
図61〜62は、固定ピン装置Gのロック解除型の実施例を示している。
地震センサー振幅装置(免震皿型)14、15の免震皿3により、振幅が自由にされた滑り部の先に、固定ピン7のロック11があり、滑り部の振幅が大きくなり、ある一定以上になると、滑り部の先の押出し部17が、そのロック11にぶつかり、固定ピン7のロック11を解除することとなり、固定ピン7に設けられたバネ等9-cにより、固定ピンの挿入孔7-vから固定ピン7が外れ、免震される構造体1の固定を解除する。
このロック11については、バネ止め10とバネ9-cにより、常時、地震センサー振幅装置側へ、押出されている形になっており、さらに、垂直には拘束され、持ち上らないようになっており、地震センサー振幅装置側方向へのみ、水平にスライドするように取付けられている。
このロック11については、以下、振り子型、8.1.4.自動復元型においても、共通の形式である。
固定ピン側のロック11の出を調整可能として(図67、68のスライド装置24のように)、地震センサー振幅装置(免震皿型)14、15とロック11との間隔を自由に変えられ、地震センサー振幅装置の振幅巾を調整可能とすることにより、固定ピン7解除時の地震力の大きさを自由に変更できる。
また、地震センサー振幅装置(免震皿型)14、15とロック11との間隔調整の方法としては、上記の方法以外にも、地震センサー振幅装置(免震皿型)14、15の押出し部17の先端の出を調整可能とする方法もある。
図61は、地震センサー振幅装置14が、免震皿型の重力復元型で、図62は、地震センサー振幅装置15が、免震皿型のバネ復元型である。
図78は、前述の地震センサー振幅装置の中に、固定ピンが入り、地震センサー振幅装置15が同時にロック11の役割を果たす場合である。
2) 吊材切断型
図63〜64は、固定ピン装置Gの吊材切断型の実施例を示している。
地震センサー振幅装置(免震皿型)14、15の免震皿3により、振幅が自由にされた刃16が付いた滑り部の先に、固定ピン7の吊材12があり、滑り部の振幅が大きくなり、ある一定以上になると、その刃16が、吊材12に当たり、吊材12を切断する事になり、固定ピン7に設けられたバネ等9-cにより、固定ピンの挿入孔7-vから固定ピン7が外れ、免震される構造体1の固定を解除する。
なお、吊材12の取付け部12-fは、免震される構造体1側に、固定ピン7の吊材12が出ている場合は、免震される構造体1に固定されている。その逆の、吊材12の取付け部12-fは、免震される構造体1を支持する構造体2側に、固定ピン7の吊材12が出ている場合は、支持する構造体2に固定されている。
ロック解除型と同様に、地震センサー振幅装置(免震皿型)14、15の刃16の出を調整可能として、刃16と吊材12との間隔を自由に変えられ、地震センサー振幅装置の振幅巾を調整可能とすることにより、固定ピン7解除時の地震力の大きさを自由に変更できる。
1)ロック解除型、2)吊材切断型ともに、免震皿3は 全方向性を持った球面またすり鉢状等の凹曲面をもったものが望ましいが、一方向性のものでもよい(以下、重力復元型という)。また凹曲面でない平面形状滑り面部を有する免震皿3の場合はバネ等9で元の位置に復元させる場合(以下、バネ復元型という)もある(以上併せて、免震皿型という)。
図63は、地震センサー振幅装置14が、免震皿型の重力復元型で、図64は、地震センサー振幅装置15が、免震皿型のバネ復元型である。
なお、1)ロック解除型、2)吊材切断型ともに、図の固定ピン装置Gが、免震される構造体1、この免震される構造体を支持する構造体2に対して、逆に取り付く場合もある。
1) ロック解除型
図65は、固定ピン装置Gのロック解除型の実施例を示している。
地震センサー振幅装置13が振り子型であり、振幅が自由にされた振り子13の先に、固定ピン7のロック11があり、滑り部の振幅が大きくなり、ある一定以上になると、振り子13の先の押出し部17が、そのロック11にぶつかり、固定ピン7のロック11が解除されるこことなり、固定ピン7に設けられたバネ等9-cにより、固定ピンの挿入孔7-vから固定ピン7が外れ、免震される構造体1の固定を解除する。
免震皿型と同様に、固定ピン側のロック11の出を調整可能として(図69のスライド装置24のように)、振り子13とロック11との間隔を自由に変えられ、地震センサー振幅装置の振幅巾を調整可能とすることにより、固定ピン7解除時の地震力の大きさを自由に変更できる。
また、振り子13とロック11との間隔調整の方法としては、上記の方法以外にも、振り子13側の先の押出し部17の先端の出を、調整可能とする方法もある。
2) 吊材切断型
図66は、固定ピン装置Gの吊材切断型の実施例を示している。
振幅が自由にされた刃16が付いた振り子13の先に、固定ピン7の吊材12があり、振り子13の振幅が大きくなり、ある一定以上になると、その刃16が、吊材12に当たり、吊材12を切断する事になり、固定ピン7に設けられたバネ等9-cにより、固定ピンの挿入孔7-vから固定ピン7が外れ、免震される構造体1の固定を解除する。
ロック解除型と同様に、振り子13側の先の刃16の出を調整可能として、振り子13と吊材12との間隔を自由に変えられ、地震センサー振幅装置の振幅巾を調整可能とすることにより、固定ピン7解除時の地震力の大きさを自由に変更できる。
1)ロック解除型、2)吊材切断型ともに、振り子13は、全方向性を持ったものが望ましいが、一方向性でもよい(以下、振り子型と言う)。
なお、1)ロック解除型、2)吊材切断型ともに、図の固定ピン装置Gが、免震される構造体1、この免震される構造体を支持する構造体2に対して、逆に取り付く場合もある。
なお、1)ロック解除型、2)吊材切断型ともに、地震センサー振幅装置13は、免震される構造体1側に、固定ピン7の先端が出ている場合は、免震される構造体1に固定されている。その逆に、免震される構造体1を支持する構造体2側に、固定ピン7の先端が出ている場合は、支持する構造体2に固定されている。このことは後述される地震センサー振幅装置13の各場合においても同じである。
図67〜69は、固定ピン装置Gの自動復元型の実施例を示している。
上記の8.1.3.の再使用可能な簡易型の固定ピン装置(ロック解除型)に、固定ピン自動復元装置を取り付ける事により、自動化を可能にしたものである。
具体的には、固定ピン7をロック11位置に、地震後に、自動復帰させるもので、固定ピン7の下部に、固定ピンの自動復帰装置21が設けられる。その位置は、固定ピン7が、完全に解除された位置の下に装備される。
構成を説明すると、免震皿型の場合、地震センサー振幅装置(14、15)の免震皿上の滑り部の(地震前また地震後の)静止位置と滑り部とに、電気接点23-cが取付けられ、この静止位置に、地震後において、滑り部が継続的にとどまり、通電状態が継続すると、固定ピン自動復帰装置21が作動し、固定ピン7を押し上げて、ロック11の位置に自動復帰させ、そして、自動復帰させた後に、所定位置に戻るものである。
また、免震皿3は、重力復元型の、全方向性を持った球面またすり鉢状等の凹曲面滑り面部をもったものが望ましいが、一方向性でもよい。また凹曲面でない平面形状の滑り面部を有する免震皿3の場合は、バネ復元型の、バネ9で元の位置に復元させる場合もある。
図67は、免震皿型の重力復元型の場合の実施例であり、図68は、バネ復元型の場合の実施例である。
図69は、振り子型の場合の実施例であり、振り子の(地震後の)静止位置と、その振り子を吊材か、振り子下の材かの、振り子の静止位置と同じ位置とに、電気接点23-cが取付けられ、この静止位置に、地震後において、振り子が継続的にとどまり、通電状態が継続すると、固定ピン自動復帰装置21が作動し、固定ピン7を押し上げて、ロック11位置に自動復帰させ、そして、自動復帰させた後に、所定位置に戻るものである。
また、振り子も、全方向性を持ったものが望ましいが、一方向性でもよい。
図67〜69において、以上に述べた他は、8.1.3.簡易地震センサー(振幅)による固定ピン装置の免震皿型および振り子型のロック解除型と同じである。
なお、図67〜69の、図の固定ピン装置Gが、免震される構造体1、この免震される構造体を支持する構造体2に対して、逆に取り付く場合もある。
以下の8.1.5.の地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置でも同様であるが、この自動復帰装置21と反対側の固定ピンの挿入孔7-v側の先端部は、錐状等の先端が尖った形が望ましい。固定ピン7をロック11位置に戻すためにも必要である。上述のように、ロック11は、バネ止め10とバネ9-cにより、常時、地震センサー振幅装置側へ、押出されている形になっており、さらに、垂直には拘束され、固定ピン7が自動復帰装置21等により押し上ってきても 持ち上らないようになっており、地震センサー振幅装置側方向へのみ、水平にスライドするように取付けられており、固定ピン7が自動復帰装置21等により押し上ってくると自動的に固定ピンのロック受けの欠き込み7-cに嵌り込む。
また、挿入孔7-vも、固定ピン7が挿入しやすいように、すり鉢状等の凹形状7-vm が望ましい。
また、このように固定ピンの挿入孔7-v側の先端部が、錐状等の先端が尖った形の場合は、固定ピン7が、免震される構造体1の挿入孔7-vに入らない場合 (地震後の残留変位のため)でも、免震される構造体の床版等1に突き刺すようにして当たり、免震される構造体1を固定する機能を持つ。そのためには、固定ピン自動復帰装置21、また自動制御型固定ピン装置22にも、固定ピン7が、完全に挿入孔7-vに貫入しなくても停止する遊び(途中停止による)が必要である。
また、以下の8.1.5.の地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置の場合には、免震される構造体の床版等1側に挿入孔7-vを持たずに、単に、固定ピン7が、免震される構造体の床版等1に押し当たり、その摩擦で固定する形も考えられる。その場合の方が地震後の残留変位に対応できる。
図79〜81は、その実施例を示しており、固定ピンの先端部は、摩擦面積が最大になるように平らにされており、さらに、摩擦係数の大きいザラザラの仕上になっている。
なお、以上のことは、固定ピン装置Gが、免震される構造体1、免震される構造体を支持する構造体2に対して、逆に取り付く場合、逆の関係になる。
図79〜81は、地震センサー(地震センサー振幅装置)による自動制御型固定ピン装置Aの実施例を示している。
自動制御型固定ピン装置Gは、地震センサー等(地震センサー振幅装置)で地震の初期微動を感じて、固定ピン7がその挿入孔7-vから引抜かれる等の係脱し、その固定状態が解除され、地震後に自動復帰させる装置である。
具体的に説明すると、固定ピン7の上部また下部に、固定ピン7も一体となる形で、固定ピン自動制御装置22が設けられる。
免震皿型の場合、免震皿上の滑り部の(地震後の)静止位置と滑り部とに、電気接点23-cが取付けられ、この静止位置に、滑り部が継続的にとどまる限り、固定ピン自動制御装置22は作動せず、通電状態の継続が破られると、固定ピン7を引き抜いて、固定を解除する。そして地震後、この静止位置に、滑り部が継続的にとどまり、通電状態が継続すると、固定ピン自動制御装置22が作動し、固定ピン7を免震される構造体1を固定する位置に自動復帰させる。
電気接点23-cについて述べると、この接点の大きさが、免震装置の免震感度を決定する。大きければ、感度は悪くなり、小さいと感度が良くなる。ただし、地震後の残留変位の存在のために、余裕をみた大きさにする必要がある。また、この接点大きさを、調整可能とする事により、免震装置の免震感度の調整を可能とする。
また、免震皿3は 重力復元型の、全方向性を持った球面またすり鉢状等の凹曲面滑り面部をもったものが望ましいが、一方向性でもよい。また凹曲面でない平面形状の滑り面部を有する免震皿3の場合は、バネ復元型の、バネ9で元の位置に復元させる場合もある。また、免震皿3の滑り部は、単に球形状の場合もある。
また、振り子型の場合、振り子の(地震後の)静止位置と、その振り子を吊す材か、振り子下の材かの、振り子の静止位置と同じ位置とに、電気接点23-cが取付けられ、この静止位置に、振り子が継続的にとどまる限り、固定ピン7は作動せず、通電状態の継続が破られると、固定ピン7を引き抜いて、固定を解除する。そして地震後、この静止位置に、振り子が継続的にとどまり、通電状態が継続すると、固定ピン自動制御装置22が作動し、固定ピン7を免震される構造体1を固定する位置に自動復帰させるものである。
また、振り子も、全方向性を持ったものが望ましいが、一方向性でもよい。
図79は、地震センサー振幅装置14が免震皿型で重力復元型の場合、図80は、地震センサー振幅装置15が免震皿型でバネ復元型の場合、図81は、地震センサー振幅装置13が振り子型の場合である。
なお、免震皿型、振り子型ともに、図の固定ピン装置Gが、免震される構造体1、この免震される構造体を支持する構造体2に対して、逆に取り付く場合もある。
8.1.6.1.地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置B
図82は、地震センサー(地震センサー振幅装置)による自動制御型固定ピン装置Bの実施例を示している。
固定ピンが挿入されるすり鉢形状等の挿入孔7-vと当該挿入孔7-vに挿入される固定ピン7を有し、筒中で液体や空気等が漏れず、スライドするピストン7-pをもった固定ピン7が、その筒(固定ピン取付け部)7-aに挿入され、その外に固定ピン先端7-wが突き出ており、さらに、筒7-aの上と下とは管7-eで繋がれている。
そして、ピストン7-pには、この管7-eの孔より大きい、孔7-jがあり、その孔に弁7-fがある。
この弁7-fは、ピストン7-pが引き込まれる時に、開くように付けられる。
また、その筒7-aの中にバネ(空気バネ含む)またゴム7-oが入り、ピストン7-pをもった固定ピン7を押出す役割をする場合もある。
この弁7-fの性格により、固定ピン先端7-wは、筒7-a中に入る方向では、速やかであり、出る方向では、遅延される。
それにより、地震力が働くと速やかに、固定ピン先端7-wは、筒7-a中に入り、地震力が働いている間は、出にくくなる。
また、筒7-a、及び管7-eとは、油等で満たされている場合もある。
さらに、固定ピン先端7-wには、第1のピン7-lが差し込まれる溝また窪み7-kがあり、この第1のピン7-lは常時、バネ9-cで押されている。この第1のピン7-lには、さらに第2のピン7-nが差し込まれる溝また窪み7-mがあり、この第2のピン7-nも常時、バネ9-cで押されている。そしてこの第2のピン7-nにはワイヤー等8で、地震センサー振幅装置13、14、15と繋がれている。
そして地震時には、地震センサー振幅装置13、14、15が振幅し、ワイヤー等8により、第2のピン7-nが引っ張られ、前記第1のピン7-lのロックが外れて、固定ピン先端7-wは、筒7-a中に入り、免震装置全体が可動し始める。
逆に、地震終了時には、重力またバネ(空気バネ含む)またゴム7-oにより、徐々に固定ピン先端7-wが出始め、すり鉢形状の挿入孔勾配に従いながら、最も底で 第1のピン7-lにより、固定ピン先端7-wがロックされ、免震される構造体Aも固定される。後述のように2.6.1.バネ付き部材での押さえ込みの引抜き防止装置との併用で、より固定ピン効果を高められる。
そして、地震力が働かない限り、第1のピン7-lにより、固定ピン先端7-wがロックされ続けており、風等では免震される構造体Aは動かない。
以上の構成は、固定ピン7が免震される構造体1に、固定ピンの挿入孔7-vが免震される構造体を支持する構造体2に、取付けられている場合の実施例である。逆の関係の場合もある。
つまり、前記固定ピンの挿入孔7-vおよび固定ピン7のうち、一方を免震される構造体1に、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体2に設けることになる。
また、筒7-aの上部に関して、5.2.同様に、単に止め金が固定されている場合もあるが、雌ネジが切られて、雄ネジ7-dが挿入されている場合もある。この雄ネジ7-dについては、雄ネジ7-dが入り込み方向に回転して締めることにより、バネ等7-oを圧縮して、バネ等7-oの反発力を強め、固定ピン先端7-wの押し出す力を強める機能をもち、復元力を高めたり、地震後の地震後の免震される構造体Aの残留変位の矯正を可能にする。
図83は、自動制御型固定ピン装置Bの連動作動の実施例を示している。
8.1.2.簡易連動作動固定ピンでの方式と同じように、2つ以上の自動制御型固定ピン装置Bの第1のピン7-l同士をワイヤー等8-rで繋ぎ、他方が動くと片方も動くように構成する。
図84は、請求項18項の地震センサー(地震センサー振幅装置)による自動制御型固定ピン装置Cの実施例を示している。
固定ピンが挿入されるすり鉢形状等の挿入孔7-vm と当該挿入孔7-vm に挿入される固定ピン7を有し、筒中で液体や空気等が漏れず、スライドするピストン7-pをもった固定ピン7が、その筒(固定ピン取付け部)7-aに挿入され、その外に固定ピン先端7-wが突き出ており、さらに、筒7-aの上と下とは管7-eで繋がれている。
また、その筒7-aの中にバネ(空気バネ含む)またゴム7-oが入り、ピストン7-pをもった固定ピン7を押出す役割をする場合もある。
さらに、地震センサー振幅装置13、14、15( (a)図は、地震センサー振幅装置15の場合、 (b)図は、地震センサー振幅装置14)をもち、その地震センサー振幅装置及び押出し部17の先に、管7-eの弁7-fを開く押出し部7-hを持つ。なお、押出し部7-hには、弁7-fを常に閉じる状態にするバネ7-iを設ける場合がある。
この弁7-fは、ピストン7-pを押出す時に開くように付けられる。
そして、地震時には、地震センサー振幅装置(13、14、15)が振幅し、押出し部7-hを押出して、弁7-fを開き、地震力により固定ピン先端7-wが(すり鉢形状の挿入孔勾配を上り)持ち上がり、免震装置全体が可動し始める。
逆に、地震終了時には、すり鉢形状の挿入孔勾配に従いながら、バネ7-oまた重力(固定ピン7が上の場合)により、固定ピン先端7-wが突き出る方向に働き、かつ、弁7-fも突き出る方向にしか開かないので、すり鉢形状の挿入孔勾配に従いながら、最も底で、固定ピン先端7-wが止まり、免震される構造体Aも固定される。後述のように2.6.1.バネ付き部材での押さえ込みの引抜き防止装置との併用で、より固定ピン効果を高められる。
以上のことから、この弁7-fの性格により、地震時以外は、固定ピン先端7-wは、下に突き出す方向性のみを持ち、引き込むことは、地震時以外には起こらない。
また、筒7-a、及び管7-eとは、油等で満たされている場合もある。
以上の構成は、固定ピン7が免震される構造体1に、固定ピンの挿入孔7-vが免震される構造体を支持する構造体2に、取付けられている場合の実施例である。逆の関係の場合もある。
つまり、前記固定ピンの挿入孔7-vおよび固定ピン7のうち、一方を免震される構造体1に、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体2に設けることになる。
また、筒7-aの上部に関して、5.2.同様に、単に止め金が固定されている場合もあるが、雌ネジが切られて、雄ネジ7-dが挿入されている場合もある。この雄ネジ7-dについては、雄ネジ7-dが入り込み方向に回転して締めることにより、バネ等7-oを圧縮して、バネ等7-oの反発力を強め、固定ピン先端7-wの押し出す力を強める機能をもち、復元力を高めたり、地震後の地震後の免震される構造体Aの残留変位の矯正を可能にする。
また、以上の8.1.6.〜8.1.7.共に、2.6.1.バネ付き部材での押さえ込みの引抜き防止装置との併用で、より固定ピン効果を高められる。というのは、隙間のない引抜き防止装置(重力復元型併用時の、上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとの間に、上部スライド部材4-aの上下変位による隙間のない引抜き防止装置)の併用では、固定ピン装置のブレーキが効き過ぎ、また免震性能を落とすからであり、引抜き防止装置を使用しないか、若しくは、バネ付き部材での押さえ込みのない隙間のある引抜き防止装置では、固定ピン効果の効用が少ないからである。
以上のような地震センサーによる自動制御型固定ピン装置の、固定ピン部分7に、滑り部5的機能を合せ持たせ、固定ピンの挿入孔7-vに、免震皿3の機能を合せ持たせる(すり鉢形状等の凹形態7-vm )ことにより、重力復元型免震・滑り支承の機能をも合せ持たせることが可能である。このことにより、地震の終了時には重力復元型免震・滑り支承の役割を果たしながら、地震のない平常時は、固定ピンの役割を果たすことが可能になる。
図84(a) の固定ピンの挿入孔7-vが、滑り性能を高めた球面等の凹曲面形状で、かつ固定ピン7に、滑り部5的機能を合せ持たせる場合には、重力復元型免震・滑り支承の機能をも合せ持たせることが可能である。また、逆に図84(c) のように固定ピンの挿入孔7-vが、すり鉢形状では、球面等の凹曲面形状に比べて固定ピン装置としての機能が高くなる。
請求項19項は、その重力復元型免震・滑り支承併用自動制御型固定ピン装置の発明を示している。
図85は、請求項20項の、自動制御型固定ピン装置付き二重免震皿免震装置・滑り支承の実施例を示している。
平面形状滑り面部を有する免震皿と凹形状滑り面部を有する免震皿との組合せの二重皿免震において、この平面形状滑り面部を有する免震皿の中央部に、自動制御型固定ピン装置の固定ピン取付け部7-aを取付け、他方の凹形状滑り面部を、この固定ピンのすり鉢形状等をもった挿入孔7-vm と兼用することにより構成される。
8.1.〜8.1.8.の各場合の、地震センサー振幅装置13、14、15の設置場所は、免震される構造体A、また免震される構造体を支持する構造体Bのどちらでも良いが、地震力以外の振動が働かない場所のほうが良い。つまり、免震される構造体を支持する構造体Bのほうが良い。また地震センサーからの指令を電気等で送れる場合は、地下等の地震力以外の振動が働かない場所のほうが良い。
8.2.1.一般型
風力センサーによる固定ピン装置Gは、風力センサーによる風力を感じて、固定ピン7が、その挿入孔7-vに差し込まれる装置である。
この固定ピン7は、屋上等におかれる風力センサーによって、風力時にのみ前記挿入孔7-vに挿入され、免震される構造体Aを固定するようにし、そして風力がやむと、固定ピン自動制御装置22が作動し、固定ピン7を引き抜く。そして普段は、固定が解除されているものである。
図86は、風力センサーによる油圧型固定ピン装置の実施例を示している。
屋上等におかれる風圧センサー7-Qの機構として、風圧を受ける板(風圧板)7-rをもうけ、風圧により、この風圧板と連動する油圧ポンプ7-tのピストン7-pが押され、そのことにより、液体が押出される。その押出された液体が、パイプ等で、各固定ピン装置Gを作動させる油圧ポンプ7-uに流れだし、油圧ポンプのピストン7-pが押され、免震される構造体Aがロックされる。
そして風が止むと、前記風圧板7-rは、バネ9-c等で元の位置にもどり、それにより、この風圧板7-rと連動する前記油圧ポンプ7-tのピストン7-pも元の位置に戻る。それにより液体も引き戻され、前記各固定ピン装置Gの各油圧ポンプ7-uのピストン7-pを戻し、免震される構造体Aのロックが解除される。
風力センサーによる固定ピン装置Gの感度は、風圧板7-rと連動する油圧ポンプ7-tと固定ピン装置Gを作動させる油圧ポンプ7-uとのシリンダーの大きさとの関係で決まる。つまり、固定ピン装置Gを作動させる油圧ポンプ7-uに比べて、風圧板と連動する油圧ポンプ7-tのシリンダーの大きさを大きくすればするほど、風力に対して、固定ピン装置Gは、敏感になる。
なお、風圧板7-rと連動する油圧ポンプ7-tは、回転心棒7-xの上に乗り、尾翼7-yが付いていることにより、風上に風圧板7-rを向けた風見鶏のように回転する。
8.3.1. 一般
請求項21項は、固定ピン装置の設置位置に関するものである。
特許 2575283号の固定ピン装置、および、8.1.〜8.2 記載の固定ピン装置は、免震される構造体Aの重心位置またその近傍に一か所また複数箇所設置される。重心近傍で(その固定ピン7を中心に)回転が生じない程度離れた2箇所設置が、多くの場合に採用されると考えられる。
その場合、2箇所の固定ピン装置は、8.1.地震動作動による固定ピン装置の場合は、8.1.2.簡易連動作動固定ピンで同時解除され、8.2.風力センサーによる固定ピン装置の場合は、電気また油圧(8.2.2.)で同時に解除される。
また、8.1.地震動作動による固定ピン装置で、8.1.2.簡易連動作動固定ピンでは困難な、2箇所の固定ピン装置の距離の離れた場合には、以下の方法があり、この方法は、8.2.風力センサーによる固定ピン装置の場合にも利用できる。
図87は、8.1.6.〜8.1.7.記載の自動制御型固定ピン装置BCの設置位置の実施例を示している。
自動制御型固定ピン装置BCに関しては、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)以外の周辺位置に、地震センサー振幅装置13、14、15の感度が敏感な固定ピン装置(弁5-fの開きに関して地震力に敏感なもの)G-sを設置し、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)には、周辺位置に比べて、地震センサー振幅装置の感度が鈍感な固定ピン装置G-dを設置する。
地震センサー振幅装置が敏感なタイプのものとは、弁5-fの開きに関して地震力に敏感なものことを言う。つまり小地震力に対して弁5-fが開くということである。
そのことにより、まず、一般時には、重心位置(また近傍)とそれ以外の周辺位置との2ヶ所以上の箇所で、免震される構造体Aが、免震される構造体を支持する構造体Bに固定され、地震時には、まず周辺部分の自動制御型固定ピン装置BCG-sがまず解除されて、その後、重心位置(また近傍)の自動制御型固定ピン装置BCG-dが解除され、免震される構造体Aが、免震状態に入る。
また、重心位置(また近傍)以外の周辺に設置される自動制御型固定ピン装置BCG-sに関しては、8.1.8.自動制御型固定ピン装置BC付き二重免震皿が適している場合が多い。
図87(a)(b)(c) は、その実施例であり、
(a) は、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)以外の周辺位置に1箇所と、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)の1箇所の場合、
(b) は、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)以外の周辺位置に2箇所と、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)に1箇所の場合、
(c) は、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)以外の周辺位置に4箇所と、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)に1箇所の場合である。
この方法は、全ての固定ピン装置において、可能な方法である。
8.1.1.の地震衝撃・加速度による折れピンによる固定ピン装置においては、地震センサー振幅装置の感度の代わりに、固定ピンの切断される感度として、同様に考える。具体的には、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)以外の周辺位置に、固定ピンの切断感度が敏感な(固定ピンが切断されやすい)固定ピン装置G-sを設置し、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)には、周辺位置に比べて、固定ピンの切断感度が鈍感な(固定ピンが切断されにくい)固定ピン装置G-dを設置する。
8.2.の風力センサーによる固定ピン装置Gにおいては、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)以外の周辺位置に、風力センサーの感度を下げた固定ピン装置G-wd を設置し、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)には、周辺位置に比べて、風力センサーの感度を上げた固定ピン装置G-ws を設置する。
つまり、風力時には、まず、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)の固定ピン装置G-ws の固定ピンが、まず下がり、そして周辺位置の固定ピン装置G-wd の固定ピンが、それに続いて下がる事になる。しかし、風力センサーによる固定ピン装置は電動型を使用できるので、同時に固定ピンを差し込む方式が可能である。
図87(e)(f)(g) は、その実施例であり、
(e) は、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)以外の周辺位置に1箇所と、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)の1箇所の場合、
(f) は、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)以外の周辺位置に2箇所と、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)に1箇所の場合、
(g) は、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)以外の周辺位置に4箇所と、免震される構造体Aの重心位置(また近傍)に1箇所の場合である。
この風力センサーによる固定ピン装置に比べて、8.1.の地震動作動による固定ピン装置は、地震時に停電の可能性もあり(自家発電設備を全て設けるわけにもゆかないし、電池方式にもメンテナンスフリーを考えると問題もあり)、電動型を使用しにくいので、以上の方法が必要になる。
請求項22項の杭折れ防止構法は、上部構造(地上構造物)と杭等の基礎部とを構造的に縁を切り、その両者間をある一定以上の地震力によって折れる固定ピン7で繋ぐことにより構成するものである。
ある一定以上の地震力とは、杭折れが起こる地震力以下の地震力である。
上部構造(地上構造物)の柱等と、基礎部との詳細としては、まず、基礎部の柱受けの詳細として 柱より大きな支持板を持ち、周辺は立ちあげて、柱がそこよりずれを防ぐ必要もある。
またその支持板は、杭折れを防ぐためだけなら、コンクリートならコンクリートでも良く、また形状は、平面でも、すり鉢また球面等の凹曲面でも良い。同様に 上部構造(地上構造物)の柱等の基礎当たり部の材料は杭折れを防ぐためだけなら、コンクリートならコンクリートでも良く、また形状は、平面でも、基礎部と対称の、台円錐また球面等の曲凸面でも良い。
また固定ピン7も、折れピン同様、誘発切り込みの入ったものでも良い。
8.5.1.重力復元型免震・滑り支承の免震皿の形状
重力復元型免震・滑り支承の免震皿3の凹形状滑り面部としては、地震後の残留変位の少ないすり鉢形状が望ましく、さらに、すり鉢形状の底を平らにし、その大きさも滑り部とほぼ同じ大きさにして、滑り部がそこに戻りやすくする工夫も必要である。また、摩擦係数を小さくする必要もある。
8.1.4.自動復元型の場合、及び 8.1.5.自動制御型固定ピン装置、8.2.風力センサーによる固定ピン装置の各場合において併用する場合には、このような方法は不可欠になる。8.5.2.固定ピンの挿入孔孔形状
図88は、請求項23項の固定ピン7の挿入孔(差し込まれる側)7-vの形状の実施例を示している。
固定ピン7を固定する側(差し込まれる側)の形状としては、残留変位のために、必しも、当初の停止点に戻るとは限らず、他の位置で停止しても、免震される構造体1をロックできるように考えると、当初の停止点よりも広い範囲(残留変位の生じる範囲)で、ロックでき、さらにまた、自然に当初の停止点に戻るような工夫が必要である。
つまり、当初の停止点よりも広い範囲(残留変位の生じる範囲)で、摩擦の加わる形状、凸凹の多い形状を施し、さらにまた、すり鉢状等の凹面形状で、当初の停止点に戻るように誘う工夫が必要である。
(1) 球面
図88(a) は、固定ピン7の挿入孔7-vが球面形状の場合である。
(2) すり鉢、
図88(b) は、固定ピン7の挿入孔7-vがすり鉢の場合である。
(3) 凸凹形状
図88(c) は、固定ピン7の挿入孔7-vの近傍まで含めて凸凹形状の場合である。
(4) 斜め段々形状型すり鉢
図88(d) は、固定ピン7の挿入孔7-vが、段々形状で、全体としては円錐形すり鉢形状となっている。
以上の (1)〜(4) の構成は、固定ピン7が免震される構造体1に、その挿入孔7-vが免震される構造体を支持する構造体2に、取付けられるている場合の実施例である。逆の関係の場合もある。
また、 (1)(2) のような形状にすることにより、重力復元型免震装置と固定ピン装置の兼用も可能になり、8.1.6.また8.1.7.の地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置BCによる方法を選ぶことによって、元の位置に戻すことも可能になる。
図89〜92は、請求項24項の実施例を示している。
特に、戸建て用免震装置としての意味がある。
ベタ基礎2、また布基礎2と地面33の上に空隙を設けて、スラブ1-sを打ち、その間に免震・滑り支承を入れる。
具体的に施工法を説明すると、ベタ基礎2、また布基礎2と地面33の上に免震・滑り支承を配備し、その間を有機溶剤で溶けるスタイロフォーム等のプラスチック30か、水で溶けるプラスチック30で埋めて間隙を作り、それらの上にコンクリートスラブ1-sを打ち、コンクリートが固まるとこのプラスチックを有機溶剤か水で溶かし、空間を作ると、ベタ基礎2、また布基礎2と地面33の上に、免震・滑り支承のみに支えられてコンクリートスラブ1-sが浮く形となり、免震・滑り支承の作動が可能となる。
そしてこのコンクリートスラブ1-sには、在来構法・プレハブ構法・2×4構法等の住宅を自由に建てられるように、一定荷重の以上の構造設計として、配筋設計をする。また上部構造としてのフレームとしての剛性のなさを補うようにスラブの剛性設計もする。その事により、上物の自由を拘束せずに、上部構造の自由がもたらされ、上部構造としてのフレームとしての剛性のなさもスラブの剛性により解決される。
図89は、べた基礎に空隙を設けてスラブ1-sを打つ場合であり、図90は、布基礎2と地面33の上に空隙を設けて、スラブ1-sを打つ場合である。
また、ベタ基礎2、また布基礎2と地面33の上に、コンクリートスラブ1-sのつくり方のその他の方法としては、
1) ベタ基礎、また布基礎と地面の上に、施工後にボルトのネジ操作でジャッキアップの機能を持ったボルトを一定間隔に設けて、ベタ基礎、また布基礎と地面の上に、コンクリートの剥離材また剥離を容易にするシートを設けて、その上にコンクリートスラブを打つ。コンクリートが固まると、埋めてあったボルトのネジ操作でジャッキアップし、空間を作ると、ベタ基礎、また布基礎と地面の上に、免震・滑り支承のみに支えられてコンクリートスラブが浮く形となり、免震・滑り支承の作動が可能となる。
2) ベタ基礎、また布基礎と地面の上に、免震・滑り支承を配備して、その上にPC版を並べる方法もある。
3) ベタ基礎、また布基礎と地面の上に、免震・滑り支承を配備して、その上に鉄骨を梁としてかけ渡し、その鉄骨梁にPC版またALC版をかけ渡す方法もある。
この構法は、汎用戸建て免震に適しているが、それに限定される事はない。
10.1. 免震装置配置
請求項25項は、免震装置配置に関するものである。
免震される構造体Aの重心位置またその近傍にのみ、2箇所以上の復元装置Cを装備し、それ以外は、復元力を持たない免震・滑り支承Dとする。
特に、2箇所の場合には 免震される構造体Aの長軸方向における重心位置をはさみ、ほぼ等距離の位置の二箇所に設定が好ましい。当然、重心位置を挟み対称位置でも構わない。また等距離からずれても構わない。
また必要に応じて、固定ピン装置Gを配する。特に固定ピン装置Gに関しては、箇所数が多いと、固定ピンの解除また差し込みのタイムラグの心配があり、箇所数が少ない事に越したことはないが、一箇所では、風力による回転の心配がある。それゆえ、2箇所が良い。一箇所の場合には、免震される構造体Aの重心位置またその近傍がよい。詳細は、8.3.に書かれている。
滑り型免震・滑り支承の水平性維持の施工に関するものである。
免震・滑り支承を、免震される構造体の内側(また重心)方向に向かって低く、免震される構造体の外側に向かって高い傾斜を持たせて設置する。そのことにより、滑り型免震・滑り支承の施工時及び施工後の水平性維持の問題が解決される。
滑り型免震・滑り支承の材料は、ステンレスまたチタン等の錆びない材料によって構成される。特にチタンはほとんど錆びず、高硬度なため低摩擦材としての性能を長期的に保持できる。表面研磨は、平面状免震皿の二重による二重免震の場合は、鏡面仕上げでなく、一段階ほど荒くした方が良い。
図89〜92は、戸建ての実施例の場合を示しており、戸建ての標準的柱間隔に、また、その柱ごとの下に、4.1.の二重(以上)平面形状滑り面部を有する免震・滑り支承D等を装備し、免震される構造体Aの重心位置またその近傍に、復元装置C、また固定ピン装置Gを装備した実施例である。
図89(a) 、図90(a) は、全体配置図であり、図89(b) 、図90(b) は、その部分断面図である。
図91は、重心位置またその近傍に位置する2.1.の復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承Cの実施図であり、図92は、スラブを取った状態での2.1.の復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承Cの実施図である。
装置ごとの具体的な配置について説明すると、
1) 免震・滑り支承の配置
免震・滑り支承Dの配置に関して、2.7mとか3.6mとかの標準的柱間隔に、その柱ごとの下に(間柱等は飛ばす場合あり)、4.1.の二重(以上)平面形状滑り面部を有する免震・滑り支承D等を装備する。
安価な免震装置Dのお陰で、柱ごとに設置が可能となり、免震装置間隔を飛ばす必要がなくなり、そのために戸建ての構造形態をかえる必要はなくなった。
2) 復元装置の配置
復元装置Cの配置に関して、免震される構造体Aの重心位置またその近傍に、一か所、2箇所、また数箇所(特に2箇所以上に)、復元装置Cを装備するが、当然、2.1.の復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承だけでなく、積層ゴムでも良いし、5.3.の縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震・滑り支承であっても良いし、6.の新重力復元型免震装置でも良いし、また2.2.の積層ゴム/ゴム/バネ付き引抜き防止装置・滑り支承でも良い。
特に、5.3.の縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震・滑り支承と、6.の新重力復元型免震装置とは、免震される構造体Aの重心を下げる効果により、安定した免震性能が得られる。
3) 固定ピン装置の配置
また、固定ピン装置Gに関して同様であり、免震される構造体Aの重心位置またその近傍に1箇所、2箇所、また数箇所設置されるが、特に2箇所とするのが良い。
固定ピン装置Gの装置の種類に関して、8.1.1.の地震衝撃・加速度による折れピンによる固定ピン装置、8.1.3.の簡易地震センサー(振幅)による固定ピン装置、8.1.4.の自動復元型、8.1.5.の地震センサー(振幅)による自動制御型固定ピン装置、8.2. 風力センサーによる固定ピン装置のいずれかが設置される。
8.1.1.の地震衝撃・加速度による折れピンによる固定ピン装置の場合には、8.1.2.簡易連動作動固定ピンが必要になる。
一般ビルの場合も、そのビルの柱間隔に、その柱ごとの下に(小スパン間隔の場合は飛ばす場合あり)、免震・滑り支承D等を装備し、中心部に復元装置C、また固定ピン装置Gを装備する。以下、ほぼ同様である。
請求項26項は、復元装置の復元能力の設計に関するものである。
滑り型免震装置のどのような場合にも言える事であるが、復元装置の復元能力の設計に関して、復元が可能な最小限の復元力が、免震性能上一番良い。
つまり、凹形状の重力復元型免震・滑り支承・十字重力復元型免震・滑り支承免震皿においては、復元が得られる限り、曲率半径はできるだけ大きくして平坦面に近付ける。また、バネ等の復元型の場合おいては、復元が得られる限り、バネ定数はできるだけ小さくする。
そして、双方ともに、復元力を最小限にするためには、免震・滑り支承の摩擦係数を下げる事も必要である。そのことは、また、免震性能をよくする事につながる。
積層ゴム免震は、時間軸を横軸に変位を縦軸にすると、等比級数的な減衰曲線を持ち、減衰しにくく、減衰ダンパーは必ずと言って良いほど必要であるが、滑り型免震では、時間軸を横軸に変位を縦軸にすると、等差級数的な減衰曲線を持ち、すみやかに減衰するため、減衰ダンパーは必要ない。また、滑り型免震に、減衰ダンパーを設けた場合には、免震性能を下げる効果しか持たない。
図94は、新積層ゴム免震装置の実施例を示している。
中央部の穴が開いた鋼等の硬質板28を積み重ねて、積層させ、その中央部にゴムまたバネ(空気バネ含む)29を挿入させることにより構成され、かつ、この硬質板28の最上部の板を免震される構造体1に、最下部の板をこの免震される構造体を支持する構造体2に設けることにより構成する。
剪断変形に関しては、ゴム自体の性能を期待できるが、耐圧性能に関しては、ゴムの膨脹の問題があった。
ゴムの圧縮力によるこの膨脹の問題は、また、ゴムまたバネの座屈の問題は、この、中央部の穴が開いた鋼鉄等の硬質板28で防ぐことができ、さらに、現状の積層ゴムのような一枚一枚ゴムと鉄を接着するような手間が省けて、生産を容易にする。
12.1. 超高層建物・構造体
柔構造の超高層での地震時の揺れと風力時の揺れの問題は、風力に対しては、風力ではゆれない程度の剛性をもたせる構造とし、地震力に対しては、特許 1844024号と特許 2575283号との免震復元装置、免震装置、及び上述の滑り型免震・滑り支承で免震させる。また、建物の剛性を上げることは、免震性能を上げることにもつながる。
そのことにより、地震時に免震され、風揺れしない超高層建物が可能となり、風揺れ防止のための制振構造を採用する必要もなくなる。
ある塔状比以上の構造体は、免震・滑り支承等の免震装置に加えて引抜き防止装置を必要とする。
また、ロッキング等の問題を少なくするために、免震・滑り支承の摩擦係数を、できるだけ下げ、また、1階等の地上に近い階の床等を重くする必要もある。
また、自重に対して、ある一定以上の風圧見つけの大きい構造体は、固定ピン装置を必要とする場合もある。
従来の積層ゴムでは、固有周期が延びない軽量建物・構造体には、免震・滑り支承等の免震装置で、免震が可能になる。
また、引抜き力が働く場合は、引抜き防止装置によって対処し、風で揺れる場合には、固定ピン装置を必要とする。
免震性能を上げるために、重心を下げて、1階等の地上に近い階の床等を重くする必要もある。
B…支持される構造体また免震される構造体Aを支持する構造体、
C…復元装置(重力復元型免震・滑り支承、積層ゴム型またバネ型を含む)、
D…免震・滑り支承、E…外れ防止装置、
F…引抜き防止装置・滑り支承、
G…固定ピン装置、
G-d…地震感度の鈍感な固定ピン装置、
G-s…地震感度の敏感な固定ピン装置、
G-wd …風力センサー感度の鈍感な固定ピン装置、
G-ws …風力センサー感度の敏感な固定ピン装置、
H…水平免震装置、
I…垂直免震装置、
1…支持され、免震される構造体の梁また床版・スラブまた柱、
1-s…支持され、免震される構造体のスラブ、
2…支持される構造体また免震される構造体Aを支持する構造体の部材また基礎部分、
3…免震皿、
3-a…上部免震皿、3-b…下部免震皿、3-m…中間免震皿、
3-m1 …中間免震皿(その1)、3-m2 …中間免震皿(その2)、
3-m3 …中間免震皿(その3)、3-m4 …中間免震皿(その4)、
3-m5 …中間免震皿(その5)、3-m6 …中間免震皿(その6)、
3-t…免震皿の摩擦係数の違う滑り部の区分け線(実際は線などない)、
3-s…免震皿同士をつなぐスライド部材
3-c…免震皿の側面の周囲のシールまた防塵カバー
4…スライド部材、
4-P…スライド止め金、
4-v…真上のスライド孔、
4-a…上部スライド部材、
4-b…下部スライド部材、
4-av …上部スライド部材の真上のスライド孔、
4-bv …下部スライド部材の真上のスライド孔、
4-c…スライド部材押さえプレート等の部材、
4-s…スライド部材の押えバネ、
4-fs …スライド部材の押え板バネ
5…ローラー・ボール等のベアリング部若しくは滑り部、
5-a…垂直免震装置また滑り部の筒、
5-b…垂直免震装置また滑り部の筒に挿入されるバネ(空気バネ含む)またゴム、5-c…垂直免震装置また滑り部の筒に挿入されるバネの先に取付く滑り部先端、5-d…垂直免震装置また滑り部の筒のバネの押さえ雄ネジ
6…中間滑り部、
6-u…滑り部上部、
6-l…滑り部下部、
6-a…第一中間滑り部、
6-b…第二中間滑り部、
6-c…第三中間滑り部、
7…固定ピン
7-a…ピストン7-pの挿入筒(固定ピン取付け部)
7-b…固定ピンの取付け取外しのためのねじ切り
7-c…固定ピンのロック(止め金等)受けの欠き込み
7-d…雄ネジ
7-e…管
7-f…弁
7-h…押出し部
7-i…弁7-fを常に閉じる状態にするバネ
7-j…孔
7-k…第1のピン7-lが差し込まれる溝また窪み
7-l…第1のピン
7-m…第2のピン7-nが差し込まれる溝また窪み
7-n…第2のピン
7-o…バネ(空気バネ含む)またゴム
7-p…ピストン
7-Q…風圧センサー
7-r…風圧を受ける板(風圧板)
7-s…折れピンによる固定ピン、
7-t…風圧板と連動する油圧ポンプ
7-u…固定ピン装置を作動させる油圧ポンプ
7-v…固定ピンの挿入孔、
7-vm …固定ピンのすり鉢形状等の凹形態の挿入孔、
7-w…固定ピン先端
7-x…回転心棒
7-y…尾翼
8…ワイヤー、ロープまたケーブル、8-u…上弦材、8-l…下弦材、
8-r…レリーズ
8-rf …レリーズの固定材
9…バネ、
9-c…圧縮された状態のバネ(空気バネ含む)またゴム
9-t…引張られた状態のバネ(空気バネ含む)またゴム
10…バネ止め(その直下の免震される構造体(逆の場合は免震される構造体を支持する構造体)等に取付けられている)
11…固定ピンのロックプレート(止め金等)
11-s…固定ピンのロックプレート11のスライドを可能としてスライド方向以外を拘束する固定材
11-v…固定ピンのロックプレートのロック孔
11-x…固定ピンのロックプレート11の回転心棒
12…固定ピンの吊材、
12-f…固定ピンの吊材・バネ等の取付け部
13…地震センサー振幅装置(振り子型)
14…地震センサー振幅装置(免震皿型、重力復元型)
15…地震センサー振幅装置(免震皿型、バネ型)
15-s…地震センサー振幅装置15の感度調整ネジ
16…切断刃
17…固定ピンのロック(止め金等)を押して解除させる地震センサー振幅装置の押出し部
18…クッション材、また粘性材等の緩衝材
19…ワイヤー、ロープまたケーブル用滑車
20…重り
21…自動復帰装置
22…自動制御装置
23…電線、23-c…電気接点
24…振幅調整のためのスライド装置
25…バネ(空気バネ含む)またゴムまた積層ゴム、
26…緩衝材、
27…係合材繋ぎ部材、
27-p…係合材繋ぎ部材の押さえワッシャーまたプレート
28…硬質板(積層ゴム)、
29…ゴムまたバネ(空気バネ含む)本体
30…有機溶剤で溶けるプラスチックか、水で溶けるプラスチック
31…新重力復元型免震装置のすり鉢形状の挿入孔
32…滑り部垂直変位吸収のスライド装置
33…地面
Claims (26)
- 免震装置によって免震される構造体とこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分との両者間に設けられ、真横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向にスライドできるように双方のスライド孔に係合し、係合されたスライド孔の両側にバネまたゴム等の復元材を設け、この復元材の一方の端は、スライド孔の端に、もう一方の端は、スライド止め金を介して、交差する他方のスライド部材に押し当てるか、途中までに設けられているかして構成され、かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下部スライド部材をこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする免震支承。
- 免震装置によって免震される構造体とこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分との両者間に設けられ、真横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向にスライドできるように双方のスライド孔に係合することにより構成され、かつ、上部スライド部材また免震される構造体と下部スライド部材また免震される構造体を支持する構造体また基礎部分との間に積層ゴムまたゴムまたバネが設けられ、かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下部スライド部材をこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする免震支承。
- 免震装置によって免震される構造体とこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分との両者間に設けられ、真横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向にスライドできるように双方のスライド孔に係合することにより構成され、上部スライド部材と下部スライド部材のうち一方に凹形状滑り面部を有する免震皿を有し、もう一方に当該免震皿の凹形状滑り面部を滑走しうるローラー・ボールベアリング若しくは滑り部を有し、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下部スライド部材をこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする免震支承。
- 凹面部もしくは平面部をもつ滑り面部を有する免震皿とそれを滑るか転がる滑り部を持つ免震支承において、凹面部もしくは平面部の滑り面部において中心部の摩擦係数を小さくし、また周辺部の摩擦係数を大きくした免震皿をもつことにより構成されてなることを特徴とする免震支承。
- 凹型の滑り面部を有する免震皿とそれを滑るか転がる滑り部を持つ免震支承において、凹型の滑り面部において中心部の曲率を大きくし、また周辺部の曲率を小さくした免震皿をもつことにより構成されてなることを特徴とする免震支承。
- 下向きの平面また凹曲面で形成された滑り面部をもった上部免震皿と、上向きの平面また凹曲面で形成された滑り面部をもった下部免震皿とで構成され、上部免震皿・下部免震皿ともにぽぼ同じ大きさの免震皿で、また、中間滑り部が、上部免震皿・下部免震皿の間に挟み込まれる場合もあり、この上部免震皿と下部免震皿とが上下に重なり、免震支承を構成し、かつ、上部免震皿を支持され免震される構造体に取付られ、下部免震皿を構造体を支持する構造体また基礎部分に取付けることにより構成されてなることを特徴とする免震支承。
- 請求項6項記載の免震支承において、上部免震皿・下部免震皿ともにぽぼ同じ大きさの免震皿で、上部免震皿及び下部免震皿の寸法を、地震の最大振幅の半分と、上部免震皿・下部免震皿同士で免震される構造体の垂直荷重が伝達できる最小限の面積を得られる寸法とを、足し合わせた寸法、またそれに余裕をみた寸法からなる免震皿により構成されてなることを特徴とする免震支承。
- 下向きの平面また凹曲面で形成された滑り面部をもった上部免震皿と、上向きの平面また凹曲面で形成された滑り面部をもった下部免震皿とで構成され、この上部免震皿と下部免震皿の中間に上面下面ともに滑り面部をもった、中間免震皿が挟み込まれ、上部免震皿・中間免震皿・下部免震皿ともにぽぼ同じ大きさの免震皿で、上部免震皿及び下部免震皿の寸法を、地震の最大振幅の半分と、上部免震皿・下部免震皿同士で免震される構造体の垂直荷重が伝達できる最小限の面積を得られる寸法とを、足し合わせた寸法、またそれに余裕をみた寸法からなる免震皿によって構成され、この上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿とが上下に重なり、免震支承を構成した、三重免震皿免震支承において、上部免震皿と中間免震皿とを平行なす対辺同士でスライド部材によってつなぎ、
それと交差方向に中間免震皿と下部免震皿とを平行なす対辺同士でスライド部材によってつなぐことにより、上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿とが相互に連結し、かつ、上部免震皿を支持され免震される構造体に取付られ、下部免震皿を構造体を支持する構造体また基礎部分に取付けることにより構成してなることを特徴とする免震支承。 - 請求項8項記載の免震支承において、中間免震皿が複数個あり、平行なす対辺同士でスライド部材によって、その中間免震皿を相互につなぎ、順次連結してゆくことにより構成してなることを特徴とする免震支承。
- 凹滑り面部を有する免震皿と当該免震皿の凹滑り面部を滑走しうるローラー・ボールベアリング若しくは滑り部を有し、かつ、前記免震皿およびローラー・ボールベアリング若しくは滑り部のうち一方を、免震される構造体に、垂直方向にスライドし、水平方向は拘束されているスライド装置で繋ぎ、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする免震支承。
- 免震される構造体に吊材等で吊された重りを、それを支持する構造体また基礎の孔を経由して、吊して設置し、その孔の形状は、すり鉢状等の形状により構成され、免震支承を併用してなることを特徴とする免震復元装置。
- 請求項11項記載の免震装置において、重りと免震される構造体を支持する構造体また基礎と間に、バネ (空気バネ含む)、ゴム等を付加したものを特徴とする免震復元装置。
- 凹形状滑り面部また平面形状滑り面部を有する免震皿と当該免震皿の滑り面部を滑走しうる滑り部を有し、滑り部を挿入する筒の中に、バネが挿入され、滑り部が突き出る形で構成され、かつ、前記免震皿と滑り部を挿入する筒とのうち、一方を免震される構造体に、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする免震支承。
- 上部スライド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向にスライドできるように係合することにより構成され、かつ、上部スライド部材と免震される構造体の間、また、下部スライド部材と免震される構造体を支持する構造体また基礎部分との間の、片方また両方に、垂直方向に弾性のあるバネ(空気バネ含む)またゴムを設置し、かつ、前記上部スライド部材を、免震される構造体に、下部スライド部材を、この免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする免震支承。
- 免震される構造体の基部また低層階に水平免震支承を、かつ、免震される構造体の何階単位かの層単位か、階単位かに、垂直免震装置を、装備する事により構成されてなることを特徴とする免震構造。
- 免震される構造体の柱また梁また基礎等の支持材を支持するために三方向以上に引張材を張り、その他端を、支持する構造体また基礎の圧縮部材等により構成された3角形以上の各頂点で支え、またこの引張材の途中に設けられたバネ等をもうけることにより構成されてなることを特徴とする免震装置。
- 風揺れ等を防止する固定ピンが差し込まれる挿入孔(差し込まれる側)と当該挿入孔に差し込まれる固定ピン(差し込み側)を有し、この固定ピンは、一定以上の地震力により折れるか切れるかする構造をもつピンにより、地震時に地震力によって前記免震される構造体の固定を解除するように取付けられ、かつ、前記固定ピンの差し込み側(固定ピン取付け側)と差し込まれる側(挿入孔)のうち、一方を免震される構造体に、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする固定ピン装置。
- 風揺れ等を防止する固定ピンが差し込まれるすり鉢形状等の挿入孔(差し込まれる側)と当該挿入孔に差し込まれる固定ピン(差し込み側)を有し、筒中を液体空気等をほぼ漏らさずにスライドするピストンをもった固定ピンが、その筒に挿入され、その外に固定ピン先端が突き出ており、この筒の上と下とは管で繋がれており、また、この筒の中にバネまたゴムが入り、ピストンを押出す役割をする場合もあり、また、この筒とこの管とには、油等で満たされている場合もあり、加えて、地震で振幅する装置をもち、その地震センサー振幅装置には、前記管に設けられた弁を開くための押出し部を持ち、この弁は、ピストンを押出す時に開くようにされており、押出し部には、この弁を常に閉じる状態にするバネを設ける場合もあり、地震時には、前記地震センサー振幅装置が振幅し、この押出し部を押出して、この弁を開き、地震力により前記固定ピン先端が(すり鉢形状の挿入孔勾配を上り)持ち上がり、免震装置全体が可動し始め、地震終了時には、前記すり鉢形状の挿入孔勾配に従いながら、前記筒の中のバネまた重力により、この固定ピン先端が突き出る方向に働き、かつ、この弁も突き出る方向にしか開かないので、前記すり鉢形状の挿入孔勾配に従いながら、最も底で、この固定ピン先端が止まり、免震される構造体も固定され、かつ、前記固定ピンの差し込み側と差し込まれる側のうち、一方を免震される構造体に、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする固定ピン装置。
- 地震センサーによる自動制御型固定ピン装置において、固定ピンを、滑り部に置き換え、固定ピンの挿入孔を、凹形状滑り面部を有する免震皿に置き換えることにより構成されてなることを特徴とする免震装置。
- 請求項6項、請求項7項、請求項8項、また請求項9項記載の免震支承において、平面形状滑り面部を有する免震皿と凹形状滑り面部を有する免震皿との組合せの二重皿免震において、この平面形状滑り面部を有する免震皿の中央部に、自動制御型固定ピン装置の固定ピンの差し込み側を設け、他方の凹形状滑り面部を、この固定ピンの鉢形状等をもった挿入孔と兼用することにより構成されてなることを特徴とする固定ピン装置。
- 風揺れ等を防止する固定ピンが差し込まれる挿入孔(差し込まれる側)と当該挿入孔に差し込まれる固定ピン(差し込み側)を有する固定ピン装置は、免震される構造体の重心位置またその近傍に設置され、かつ、前記固定ピンの差し込み側(固定ピン取付け側)と差し込まれる側(挿入孔)のうち、一方を免震される構造体に、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする固定ピン装置。
- 上部構造(地上構造物)と杭等の基礎部とを構造的に縁を切り、その両者間をある一定以上の地震力によって折れるピンで繋ぐことにより構成されてなることを特徴とする免震構造。
- 風揺れ等を防止する固定ピンが差し込まれる挿入孔(差し込まれる側)と当該挿入孔に差し込まれる固定ピン(差し込み側)を有し、当該固定ピンが差し込まれる挿入孔(差し込まれる側)の形状として、当初の停止点に向かって、当初の停止点よりも広い範囲にすり鉢状等の凹面を施し、または、当初の停止点よりも広い範囲で、凸凹の形状を施し、かつ、前記固定ピンの差し込み側(固定ピン取付け側)と差し込まれる側(挿入孔)のうち、一方を免震される構造体に、もう一方をこの免震される構造体を支持する構造体また基礎部分に設けることにより構成されてなることを特徴とする固定ピン装置。
- 免震装置を設置するベタ基礎または布基礎、さらに地面の上に有機溶剤や水等の溶剤で溶ける材質の充填材を敷き、その上にコンクリートスラブを打ち、コンクリートが固まると充填材を溶剤で溶かして、免震装置に支えられたコンクリートスラブを作ることを特徴とする免震構造。
- 免震される構造体に、2箇所以上の復元装置を、免震される構造体の重心位置をはさみ、ほぼ等距離の位置か、重心位置を挟み対称位置(等距離からずれても構わない)かに設置して、それ以外の免震される構造体の垂直荷重伝達位置には、復元力を持たない免震支承としてなることを特徴とする免震構造。
- 地震後に免震される構造体が元の位置に戻る復元力が得られる限りの、復元力をできるだけ小さくした復元装置を装備することにより構成されてなることを特徴とする免震構造。
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