JP2010019184A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関1の排気中の粒子状物質を捕集するフィルタ8bのクリーニングを自動的に行う排気浄化装置において、フィルタクリーニングの実行時に排気絞り制御を無用に行わないようにし、内燃機関1の運転状況に関係なく、フィルタクリーニングを迅速かつ適切に遂行可能とする。
【解決手段】制御手段10は、フィルタクリーニングの実行要求に伴いフィルタ8bの入口温度を昇温させるように内燃機関1の燃焼条件を制御する運転制御を実行し(S1)、その実行過程において、フィルタ8bの入口温度が第1閾値X以上である場合に排気通路41に燃料成分を供給して燃焼させる燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行する形態とする(S3)一方、フィルタ8bの入口温度が第1閾値未満でかつ排気温度が昇温しにくい内燃機関1の運転状況である場合に、排気絞り弁9を絞る排気絞り制御および前記燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行する形態とする(S6)。
【選択図】図3
【解決手段】制御手段10は、フィルタクリーニングの実行要求に伴いフィルタ8bの入口温度を昇温させるように内燃機関1の燃焼条件を制御する運転制御を実行し(S1)、その実行過程において、フィルタ8bの入口温度が第1閾値X以上である場合に排気通路41に燃料成分を供給して燃焼させる燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行する形態とする(S3)一方、フィルタ8bの入口温度が第1閾値未満でかつ排気温度が昇温しにくい内燃機関1の運転状況である場合に、排気絞り弁9を絞る排気絞り制御および前記燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行する形態とする(S6)。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される内燃機関(エンジンともいう)に用いる排気浄化装置に係り、詳しくは、排気通路に燃料を添加する燃料添加弁を備えた内燃機関の排気浄化装置に関する。
車両等に搭載されるディーゼルエンジン等では、排出される排気ガス中に、カーボンを主成分とする粒子状物質(PM:Particulate Matter)が含まれており、それを大気に排出することが好ましくないので、従来では、ディーゼルエンジンの排気通路に、触媒装置が設けられている。
触媒装置は、排気通路を通過する排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化して浄化するための酸化触媒と、排気通路を通過する排気ガス中に含まれるPMを捕集するフィルタとを備えており、大気中に放出されるエミッション量を低減する。
前記のフィルタは、一般的にDPF(Diesel Particulate Filter)や、DPR(Diesel Particulate active Reduction system)と呼ばれるものとされる。DPFは、多孔質
部材を設けた構成とされており、また、DPRは、多孔質部材に酸化触媒を担持させた構成になっている。
部材を設けた構成とされており、また、DPRは、多孔質部材に酸化触媒を担持させた構成になっている。
このようなフィルタでは、その温度が活性化温度より低い状態だと、浄化性能が低下する。また、このようなフィルタは、捕集したPMの堆積量が多くなると詰りが生じ、そのような場合には、PM捕集機能が低下するとともに、フィルタを通過する排気の圧力損失が増大し、これに伴うエンジンの排気背圧増大によってエンジンの出力低下や燃費低下につながる。
このような不具合を解消するため、従来では、フィルタのPM捕集量(堆積量)が所定の限界量になったときに、フィルタをクリーニングすることによりPM捕集機能を回復させる、いわゆる再生を行うことが考えられている。
このフィルタクリーニングは、排気温度を上昇させて、フィルタに捕集されているPMの燃焼、除去させることが有効である。
このフィルタクリーニングの形態についていろいろ考えられているので、以下で具体的に説明する。
まず、フィルタクリーニング時に、内燃機関の排気通路においてフィルタの下流に設けられる排気絞り弁を絞ることにより、排気温度を上昇させてフィルタに捕集されているPMを燃焼、除去することが考えられている(例えば特許文献1参照。)。
また、内燃機関の排気通路に燃料を供給し、この燃料を酸化触媒で酸化反応(燃焼)させることでフィルタの入口温度を上昇させて、フィルタに堆積したPMを燃焼、除去することが考えられている。
このように排気通路に燃料を供給する形態としては、例えば内燃機関の燃焼室に対する主燃料噴射後で排気弁が閉じられる前に少量の燃料を副次的に噴射(いわゆるポスト噴射
)する形態(例えば特許文献2参照。)や、排気通路においてフィルタよりも上流側に燃料添加弁を設け、この燃料添加弁から排気通路に燃料成分を供給させる形態が知られている。
)する形態(例えば特許文献2参照。)や、排気通路においてフィルタよりも上流側に燃料添加弁を設け、この燃料添加弁から排気通路に燃料成分を供給させる形態が知られている。
さらに、フィルタクリーニングとして、酸化触媒の上流側温度が所定温度以下のときに排気絞り弁を閉じた状態で前記のような燃料の多段噴射を行い、酸化触媒の上流側温度が所定温度を超えた後において酸化触媒とフィルタとの間の温度が所定温度以下のときに、排気絞り弁を段階的あるいは連続的に開きながら前記のような燃料の多段噴射を行うようにすることが考えられている(例えば特許文献3参照。)。
特開2005−282534号公報
特開2005−259600号公報
特開2004−353529号公報
前記特許文献1に係る従来例のように、フィルタクリーニング時に、排気絞り弁を絞ってフィルタの入口温度を上昇させることは有効であるものの、排気絞り弁を絞ったときに、排気抵抗が増大して内燃機関の出力が低下する等、ドライバビリティが悪化するとともに、排気絞り弁を一旦絞った後で開放したときに大きな排気音を発するといった不具合が発生する。
前記特許文献2に係る従来例では、例えば内燃機関の冷間始動時や、車両のノロノロ運転が長期にわたって連続することによって酸化触媒やフィルタの温度が活性化温度に上昇しない状況だと、排気通路に燃料を供給してもこの燃料の酸化反応が期待できなくなり、フィルタの入口温度がPMの自己燃焼温度に到達しない等、フィルタクリーニングが完了できなくなるおそれがある。
前記特許文献3に係る従来例では、フィルタクリーニングを行う場合に、酸化触媒の上流側温度が所定温度以下のときに排気絞り弁を閉じるようにしているので、例えば内燃機関の冷間始動時や、車両のノロノロ運転が長期にわたって連続することによって酸化触媒やフィルタの温度が活性化温度に昇温しない状況でも、その状況の初期段階において、酸化触媒の上流側温度が所定温度以下であることを検出したら、即座に排気絞り弁を閉じた状態で燃料の多段噴射を行うことによりフィルタクリーニングを行うようになる。
このように、特許文献3に係る従来例では、酸化触媒の上流側温度が所定温度以下であれば、そのときの内燃機関の運転状態に関係なく、排気絞り弁を閉じた状態で燃料の多段噴射を行うフィルタクリーニングを行うようになっているが、このフィルタクリーニングは、内燃機関の燃焼条件を制御する運転制御を併せて行うようにはなっていない。また、排気絞り弁を閉じる条件は、酸化触媒の上流側温度が所定温度以下のときであるため、この所定温度以下の状態が一瞬でも発生すると、即座に排気絞り弁を閉じるようになってしまい、状況判断が不十分であると言える。
このような事情に鑑み、本発明は、内燃機関の排気中のPMを捕集するフィルタのクリーニングを自動的に行う排気浄化装置において、フィルタクリーニングの実行時に排気絞り制御を無用に行わないようにしながらも、内燃機関の運転状況に関係なく、フィルタクリーニングを迅速かつ適切に遂行可能とすることを目的としている。
本発明は、排気通路に設けられる酸化触媒と、排気通路において前記酸化触媒の下流側に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、排気通路において前記フィルタ
より下流側に設けられる排気絞り弁と、必要に応じて前記フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタクリーニングを実行する制御手段とを有する内燃機関の排気浄化装置であって、前記制御手段は、フィルタクリーニングの実行要求に伴いフィルタの入口温度を昇温させるように内燃機関の燃焼条件を制御する運転制御を実行し、その実行過程において、前記フィルタの入口温度が第1閾値以上である場合に排気通路に燃料成分を供給して燃焼させる燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行する形態とする一方、前記フィルタの入口温度が第1閾値未満でかつ前記排気温度が昇温しにくい内燃機関の運転状況である場合に、前記排気絞り弁を絞る排気絞り制御および前記燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行する形態とする、ことを特徴としている。
より下流側に設けられる排気絞り弁と、必要に応じて前記フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタクリーニングを実行する制御手段とを有する内燃機関の排気浄化装置であって、前記制御手段は、フィルタクリーニングの実行要求に伴いフィルタの入口温度を昇温させるように内燃機関の燃焼条件を制御する運転制御を実行し、その実行過程において、前記フィルタの入口温度が第1閾値以上である場合に排気通路に燃料成分を供給して燃焼させる燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行する形態とする一方、前記フィルタの入口温度が第1閾値未満でかつ前記排気温度が昇温しにくい内燃機関の運転状況である場合に、前記排気絞り弁を絞る排気絞り制御および前記燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行する形態とする、ことを特徴としている。
なお、フィルタクリーニングとは、フィルタに堆積している粒子状物質を燃焼除去することにより、フィルタの機能を回復させる処理であるので、フィルタ再生とも言われる。また、第1閾値は、酸化触媒の活性化温度に設定される。そのようにしている理由は、要するに、現在のフィルタの入口温度が、酸化触媒の活性化温度以上であれば、後で排気通路に燃料成分を供給したときにフィルタに堆積している粒子状物質を燃焼可能な自己燃焼温度にまで迅速に昇温させることが可能になるからである。
そもそも、排気絞り制御を行うと、排気通路内における排気絞り弁より上流側に排気熱が滞留されるようになるから、フィルタの入口温度が比較的早期に昇温されるようになる。その反面、排気抵抗が大きくなるから、内燃機関の出力が低下する。
この構成によれば、要するに、運転制御によるフィルタクリーニングを実行している過程で、フィルタの入口温度が比較的高温であれば、燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行させる形態とすることで、フィルタの入口温度をフィルタに堆積している粒子状物質を燃焼可能な自己燃焼温度にまで素早く昇温させることが可能になる。この場合、排気絞り制御を行わずに済むから、内燃機関の出力低下を避けた状態でフィルタクリーニングを迅速に完了することが可能になる。
しかし、運転制御によるフィルタクリーニングを実行している過程で、フィルタの入口温度が比較的低温だと、排気絞り制御および燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行させる形態とすることで、フィルタの入口温度をフィルタに堆積している粒子状物質を燃焼可能な温度にまで可及的速やかに昇温させることが可能になる。この場合、排気絞り制御を行う関係上、内燃機関の出力低下が起こりうるものの、フィルタクリーニングを比較的早期に完了することが可能になる。
このように、フィルタクリーニングを行う場合に、昇温効率が良いものの出力低下を伴う排気絞り制御を極力行わないようにすることが可能になり、また、前記排気絞り制御を行う必要がある場合でも、速やかに排気絞り制御を終了することが可能になる。
好ましくは、前記制御手段は、前記運転制御と排気絞り制御と燃料供給制御とを併せた形態のフィルタクリーニングを実行している過程で、前記フィルタの入口温度が前記第1閾値より高い第2閾値以上になったときに前記排気絞り制御を終了して運転制御と燃料供給制御とを併せた形態のフィルタクリーニングを継続させて完了させる。
なお、第2閾値は、例えばフィルタの入口温度をフィルタに堆積する粒子状物質を燃焼可能な自己燃焼温度に設定される。
この構成によれば、そもそも、フィルタの入口温度がフィルタクリーニングを行うのに十分な排気温度になると、それ以上、排気温度を上昇させる必要がないことを考慮し、排気絞り弁を開側にするようにしており、それによって排気圧が過剰に上昇せずに済み、内
燃機関の出力低下が避けられることになる。
燃機関の出力低下が避けられることになる。
好ましくは、前記運転制御は、内燃機関の燃焼室への吸入空気量を絞る形態と、内燃機関の燃焼室への燃料噴射時期を遅角させる形態と、EGR量を増加させる形態との少なくともいずれか一つとされる。
この構成では、運転制御の形態を特定している。吸入空気量を絞る形態では、空燃比が低くなり、排気温度が高くなってフィルタの入口温度が上昇することになる。また、内燃機関への燃料噴射時期を遅角させる形態では、内燃機関の燃焼室から排気通路に未燃ガスが排出されやすくなるので、この排気通路に排出される未燃ガスが酸化触媒で酸化反応(燃焼)されてフィルタの入口温度が上昇することになる。さらに、EGR量を増加させる形態では、内燃機関の燃焼室における燃焼温度が低下して燃焼室から排気通路に未燃ガスが排出されやすくなるので、この排気通路に排出される未燃ガスが酸化触媒で酸化反応(燃焼)されてフィルタの入口温度が上昇することになる。
好ましくは、前記燃料供給制御は、内燃機関の燃焼室へ燃料を主噴射した後にポスト噴射を行う形態とされる。
この構成では、燃料供給制御の形態を特定している。前記のように燃焼室にポスト噴射された燃料は燃焼室で燃焼されにくく、排気通路に未燃ガスが排出されることになるので、この排気通路に排出された未燃ガスが酸化触媒で酸化反応(燃焼)されることによりフィルタの入口温度が上昇することになる。
好ましくは、前記燃料供給制御は、排気通路のフィルタ上流側に燃料成分を添加する形態とされる。
この構成では、燃料供給制御の形態を特定している。前記のように排気通路に燃料成分を添加すると、この燃料成分が酸化触媒で酸化反応(燃焼)されることによりフィルタの入口温度が上昇することになる。
好ましくは、前記フィルタクリーニングの実行要求は、前記フィルタへの粒子状物質の堆積量の推定値が所定の上限値(限界堆積量)以上になったときに発令される。なお、この場合、内燃機関の運転時間が経過するに伴いフィルタのPM堆積量が増加することを考慮し、内燃機関の運転条件(例えば、排気温度、燃料噴射量、機関回転数等)に応じたPM付着量を予め実験等により調べてマップ化しておき、このマップにより求められるPM付着量を積算してPM堆積量とすることが考えられる。これにより、現在の運転時間を検出すれば、前記マップに基づいて対応するPM堆積量を求めることができる。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、フィルタクリーニングを行う場合に、内燃機関の運転状況を考慮して、昇温効率が良いものの出力低下を伴う排気絞り制御の実行可否を選択するようになっているから、フィルタクリーニングを行う場合に、排気絞り制御を極力行わないようにすることが可能になり、また、前記排気絞り制御を行う必要がある場合も、速やかに排気絞り制御を終了することが可能になる。これにより、フィルタクリーニングを実行するときの内燃機関の運転状況に関係なく、迅速かつ適切にフィルタクリーニングを遂行することが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図3に本発明の一実施形態を示している。まず、図1を参照して、本発明に係る排気浄化装置の使用対象となる内燃機関の概略構成を説明する。
図1に示す内燃機関1は、例えば筒内直噴型の直列四気筒ディーゼルエンジンとされており、基本的には、吸気系から供給される空気と燃料供給系から供給される燃料とを適宜の空燃比で混合してなる混合気を燃焼室2に噴射して燃焼させた後、燃焼室2内の排気ガスを排気系を経て大気放出させるようになっている。
前記吸気系は、シリンダヘッドの吸気ポート3に接続されるインテークマニホールド21に吸気管22を接続してなる吸気通路に、その空気流通方向上流側から順にエアクリーナ23、スロットルバルブ24を配置した構成である。
前記燃料供給系は、燃料供給路31に、その燃料供給方向上流側から順に燃料タンク32、サプライポンプ33、コモンレール34、複数の燃料噴射弁35・・・を配置した構成である。サプライポンプ33は、内燃機関1の図示しないクランクシャフトによって駆動されるもので、燃料タンク32から燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を燃料供給路31を介してコモンレール34に供給する。コモンレール34は、サプライポンプ33から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各燃料噴射弁35に分配する。燃料噴射弁35は所定電圧が印加されたときに開弁して、燃焼室2内に燃料を噴射供給する電磁駆動式の開閉弁である。
前記排気系は、シリンダヘッドの排気ポート4に接続されるエキゾーストマニホールド41にマフラー42を接続して構成される排気通路からなる。
この実施形態で例示する内燃機関1には、ターボチャージャ(過給機)5、インタークーラ6、排気再循環装置としてのEGR装置7、触媒装置8、排気絞り弁9が装備されているので、以下で説明する。
ターボチャージャ5は、一般的に公知のように排気ガスを利用して吸入空気を昇圧過給するものであり、主としてコンプレッサインペラ5aと、タービンホイール5bとを備えている。コンプレッサインペラ5aは、吸気管22途中に配置されており、タービンホイール5bは、エキゾーストマニホールド41の集合部とマフラー42との間に配置されている。
インタークーラ6は、ターボチャージャ5で昇圧過給した吸入空気を強制的に冷却するものであり、ターボチャージャ5のコンプレッサインペラ5aとスロットルバルブ24との間に配置されている。スロットルバルブ24は、その開度を無段階に調整することが可能な電子制御式の開閉弁であり、所定条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
EGR装置7は、排気の一部(EGRガス)を吸気系に戻して燃焼室2へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものであり、EGR通路7aに、その上流からEGRクーラ7b、EGRバルブ7cを配置した構成である。
EGR通路7aは、排気系から吸気系へ燃焼室2をバイパスして連接するバイパス通路からなる。EGRクーラ7bは、例えばEGR通路7aを通過する排気ガスと内燃機関1の冷却液との間で熱交換を行うことにより排気ガスの温度を下げる熱交換器からなる。EGRバルブ7cは、EGR通路7a内を排気系側から吸気系側へ還流される排気ガスの還流量を制御するものである。
触媒装置8は、排気通路を構成するエキゾーストマニホールド41とマフラー42との間に介装されており、酸化触媒8aとパティキュレートフィルタ8bとを備える構成とされている。酸化触媒8aは、排気通路において、パティキュレートフィルタ8bよりも上流側に設けられている。
パティキュレートフィルタ8bは、例えば一般的に公知のDPF(Diesel Particulate
Filter)やDPR(Diesel Particulate active Reduction system)と呼ばれるものと
される。
Filter)やDPR(Diesel Particulate active Reduction system)と呼ばれるものと
される。
なお、DPFは、多孔質部材を設けた構成とされている。また、DPRは、例えば多孔質セラミックからなるハニカム構造体に酸化触媒(例えば白金等の貴金属を主成分とするもの)を担持させた構成であり、原理的には、排気ガス中の有害物質を酸化触媒で酸化させ、二酸化炭素と水蒸気に変換し、さらにPMをハニカム構造体の多孔質セラミック基材の微細孔に捕集する。
排気絞り弁9は、排気通路において触媒装置8の下流側に設けられて、排気流量を調整するものである。この排気絞り弁9の開度は、コントローラ10により制御される。
このような内燃機関1の各種動作は、コントローラ10により制御される。このコントローラ10は、一般的に公知のECU(Electronic Control Unit)とされ、例えば図2
に示すように、CPU101、ROM102、RAM103ならびにバックアップRAM104等から構成されている。このコントローラ10が請求項に記載の制御手段に相当している。
に示すように、CPU101、ROM102、RAM103ならびにバックアップRAM104等から構成されている。このコントローラ10が請求項に記載の制御手段に相当している。
なお、ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104は、例えば内燃機関1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。これらROM102、CPU101、RAM103ならびにバックアップRAM104は、双方向性バス107によって相互に接続されるとともに、入力インターフェース105や出力インターフェース106と接続されている。
このコントローラ10は、各種のセンサ類の信号(運転パラメータ:車両の走行状態、内燃機関の運転状態に応じた信号)に基づいて、内燃機関1のいろいろな運転を制御するのであるが、ここでは本発明の特徴に関係する制御(例えばフィルタクリーニング)についてのみ説明し、本発明の特徴に無関係の制御についての説明は割愛する。
入力インターフェース105には、図2に示すように、水温センサ71、エアフローメータ72、吸気温センサ73、吸気圧センサ74、A/F(空燃比)センサ75、O2(
酸素)センサ76、温度センサ77、レール圧センサ78、スロットル開度センサ79、アクセル開度センサ80、クランクポジションセンサ81などが接続されている。
酸素)センサ76、温度センサ77、レール圧センサ78、スロットル開度センサ79、アクセル開度センサ80、クランクポジションセンサ81などが接続されている。
水温センサ71は、内燃機関1の冷却水温に応じた検出信号を出力する。エアフローメータ72は、吸気系のスロットルバルブ24よりも上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ73は、インテークマニホールド21に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ74は、インテークマニホールド21に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/Fセ
ンサ75は、排気系7の触媒装置8の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。
ンサ75は、排気系7の触媒装置8の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。
温度センサ77は、触媒装置8において酸化触媒8aとパティキュレートフィルタ8bとの間に設けられており、同じく酸化触媒8aの出口温度あるいはパティキュレートフィルタ8bの入口温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ78は、コモンレール34内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ79は、スロットルバルブ24の開度を検出する。アクセル開度センサ80は、アクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力する。クランクポジションセンサ81は、内燃機関1のクランクシャフト(図示省略)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力する。
一方、出力インターフェース106には、スロットルバルブ24、燃料噴射弁35、EGRバルブ7c、排気絞り弁9などが接続されている。
なお、排気浄化装置は、主として、触媒装置8、排気絞り弁9、コントローラ10を含んだ構成とされる。
この実施形態では、コントローラ10により、触媒装置8のパティキュレートフィルタ8bのPM捕集機能を回復させるためのフィルタクリーニングの実行形態を工夫しているので、以下で詳細に説明する。
このフィルタクリーニングは、基本的に、パティキュレートフィルタ8bの入口温度を昇温させることにより、パティキュレートフィルタ8bに捕集されたPMを燃焼除去するものであるが、前記入口温度を昇温させるための具体的形態について、以下で説明する。
そもそも、内燃機関1の冷間始動運転時や、車両のノロノロ運転(低速低負荷運転)等のような運転条件が長期にわたって連続する場合、内燃機関1の排気温度が低いために、酸化触媒8aの温度やパティキュレートフィルタ8bの入口温度が低く、また昇温しにくい。
そこで、この実施形態では、要するに、フィルタクリーニングについて、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が十分に高い場合だと、パティキュレートフィルタ8bの入口温度を昇温させるように内燃機関1の燃焼条件を制御する運転制御(第1昇温制御)と、排気通路に燃料成分を供給して燃焼させる燃料供給制御(第2昇温制御)とを併せて実行する形態とする一方、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が低くてかつ排気温度が昇温しにくい内燃機関1の運転状況である場合だと、排気絞り弁9を絞る排気絞り制御(第3昇温制御)と前記運転制御(第1昇温制御)と前記燃料供給制御(第2昇温制御)とを併せて実行する形態とするようにしている。
具体的に、図3に示すフローチャートを参照して、コントローラ10によるフィルタクリーニングの制御を詳細に説明する。
図3に示すフローチャートは、フィルタクリーニングが要求されたときにスタートする。つまり、コントローラ10は、パティキュレートフィルタ8bのPM堆積量を推定している。
このPM堆積量を推定する方法としては、例えば、内燃機関1の運転条件(例えば、排気温度、燃料噴射量、機関回転数等)に応じたPM付着量を予め実験等により調べてマップ化しておき、このマップにより求められるPM付着量を積算してPMの堆積量とする方
法や、車両走行距離もしくは走行時間に応じてPM堆積量を推定する方法、あるいは、パティキュレートフィルタ8bの入口(上流側)圧力と出口(下流側)圧力との差圧を検出する差圧センサを設け、そのセンサ出力に基づいてパティキュレートフィルタ8bに捕集されたPM堆積量を推定する方法などが挙げられる。
法や、車両走行距離もしくは走行時間に応じてPM堆積量を推定する方法、あるいは、パティキュレートフィルタ8bの入口(上流側)圧力と出口(下流側)圧力との差圧を検出する差圧センサを設け、そのセンサ出力に基づいてパティキュレートフィルタ8bに捕集されたPM堆積量を推定する方法などが挙げられる。
コントローラ10は、PM堆積量の推定値が所定の上限値(限界堆積量)を超えたときにパティキュレートフィルタ8bの機能回復、つまり再生が必要であると判断して、フィルタクリーニングフラグをオンする。
そして、コントローラ10は、内燃機関1の運転中において、一定周期毎にフィルタクリーニングフラグがオンになっているか否かを監視し、オンになっていると判断したときに、図3に示すフローチャートにエントリーし、ステップS1でフィルタクリーニングを実行開始する。
ここでは、フィルタクリーニングとして、パティキュレートフィルタ8bの入口温度を昇温させるように内燃機関1の燃焼条件を制御する運転制御を行う。
この運転制御については、内燃機関1の燃焼室への吸入空気量を絞る形態と、内燃機関1の燃焼室への燃料噴射時期を遅角させる形態と、EGR装置7によるEGR量を増加させる形態との少なくともいずれか一つとすることができる。
つまり、吸入空気量を絞る形態では、空燃比が低くなり、排気温度が高くなってパティキュレートフィルタ8bの入口温度が上昇することになる。また、内燃機関1への燃料噴射時期を遅角させる形態では、内燃機関1の燃焼室から排気通路に未燃ガスが排出されやすくなるので、この排気通路に排出される未燃ガスが酸化触媒8aで酸化反応(燃焼)されてパティキュレートフィルタ8bの入口温度が上昇することになる。さらに、EGR量を増加させる形態では、内燃機関1の燃焼室における燃焼温度が低下して燃焼室から排気通路に未燃ガスが排出されやすくなるので、この排気通路に排出される未燃ガスが酸化触媒8aで酸化反応(燃焼)されてパティキュレートフィルタ8bの入口温度が上昇することになる。
したがって、前記ステップS1において内燃機関1の運転制御によるフィルタクリーニングを実行すると、その時間経過に伴い、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が徐々に上昇するようになる。
この後、ステップS2において、温度センサ77の検出出力に基づいてパティキュレートフィルタ8bの入口温度を調べ、当該入口温度が第1閾値X以上であるか否かを判定する。
この第1閾値Xは、例えば酸化触媒8aの活性化温度(例えば200℃)に設定される。そのようにしている理由は、要するに、現在のパティキュレートフィルタ8bの入口温度が、酸化触媒8aの活性化温度以上であれば、後で燃料供給制御を実行することにより排気通路(41,42)に燃料成分を供給したときにパティキュレートフィルタ8bに堆積するPMを燃焼可能な自己燃焼温度(例えば600℃)にまで迅速に昇温させることが可能になるからである。この第1閾値Xは、最適値に適宜のマージンを見込んだ値に設定するのが好ましい。
ここで、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が第1閾値X以上である場合、つまり前記ステップS2で肯定判定した場合には、下記ステップS3,S4の流れに移行するが、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が第1閾値X未満である場合、つまり前記
ステップS2で否定判定した場合には、下記ステップS5〜S9の流れに移行する。
ステップS2で否定判定した場合には、下記ステップS5〜S9の流れに移行する。
まず、ステップS3では、燃料供給制御を実行させることによって、フィルタクリーニングを前記の運転制御と燃料供給制御とを併せた形態とする。このとき、酸化触媒8aが活性化温度以上であるので、燃料供給制御を行うと、燃料の酸化反応が促進されて速やかに昇温するようになる。このような燃料供給制御と先の運転制御とを併せたフィルタクリーニングを実行することにより、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が迅速に昇温されることになるので、パティキュレートフィルタ8bに堆積しているPMの燃焼が進展しやすくなる。
この後、ステップS4において、フィルタクリーニングが完了したか否かを判定する。このステップS4では、要するに、PM堆積量の推定値が所定の下限値以下になったか否かを調べている。
ここで、PM堆積量の推定値が所定の下限値以下になっていない場合、フィルタクリーニングが完了していないことを意味するので、前記ステップS4で否定判定して、PM堆積量の推定値が所定の下限値以下になるのを待つ。一方、PM堆積量の推定値が所定の下限値以下になると、フィルタクリーニングが完了したことを意味するので、前記ステップS4で肯定判定して、フィルタクリーニングフラグをオフしてから、フィルタクリーニングを終了する。
ところで、前記のステップS5〜S9の流れを説明する。まず、ステップS5では、排気絞り制御が必要か否かを判定する。つまり、ここでは、現在の内燃機関1の運転状況が排気温度の上昇しにくい状況であるか否かを調べている。
この排気温度の上昇しにくい状況とは、例えば内燃機関1の冷間始動運転時や、車両のノロノロ運転(低速低負荷運転)等のような運転条件が長期にわたって連続する場合のことである。ちなみに、内燃機関1の温間運転時、つまり通常運転時には、内燃機関1からの排気温度が酸化触媒8aの活性化温度以上になるとともに、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が上昇しやすくなる。
ここで、排気絞り制御が不要である場合、つまり前記ステップS5で否定判定した場合には、前記ステップS2に戻る。
しかし、排気絞り制御が必要である場合、つまり前記ステップS5で肯定判定した場合には、続くステップS6において排気絞り制御を実行させることよって、フィルタクリーニングを、前記の運転制御に排気絞り制御および前記燃料供給制御を併せた形態とする。
なお、排気絞り制御を実行させると、排気通路(エキゾーストマニホールド41、マフラー42)において排気絞り弁9より上流側に排気熱が滞留されることになるので、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が上昇することになる。但し、排気絞り制御では、排気絞り弁9を全閉状態とせずに、所定量の排気ガスの通過を許容して排気詰まりを回避するような開度とするのが好ましい。
このような運転制御と排気絞り制御と燃料供給制御とを併せた形態のフィルタクリーニングを実行することにより、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が迅速に昇温されることになるので、パティキュレートフィルタ8bに堆積しているPMの燃焼が進展しやすくなる。
この後、ステップS7では、温度センサ77の検出出力に基づいてパティキュレートフ
ィルタ8bの入口温度を調べ、当該入口温度が第2閾値Y以上であるか否かを判定する。
ィルタ8bの入口温度を調べ、当該入口温度が第2閾値Y以上であるか否かを判定する。
この第2閾値Yは、第1閾値Xより高い温度、つまり、PMの自己燃焼温度(例えば600℃)に設定される。この第2閾値Yは、最適値に適宜のマージンを見込んだ値に設定するのが好ましい。
ここで、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が第2閾値Y未満である場合、つまり前記ステップS7で否定判定した場合には、第2閾値Y以上になるまで待つ。
しかし、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が第2閾値Y以上である場合、つまり前記ステップS7で肯定判定した場合には、ステップS8において排気絞り制御のみを終了する。なお、排気絞り制御を終了するときには、排気絞り弁9の開度を予め規定してある開度に戻す。
これにより、運転制御と燃料供給制御とを併せた形態のフィルタクリーニングが継続されることになって、PM燃焼が進展することになる。
そこで、続くステップS9において、フィルタクリーニングが完了したか否かを判定する。このステップS9では、要するに、PM堆積量の推定値が所定の下限値以下になったか否かを調べている。
ここで、PM堆積量の推定値が所定の下限値以下になっていない場合、フィルタクリーニングが完了していないことを意味するので、前記ステップS9で否定判定して、PM堆積量の推定値が所定の下限値以下になるのを待つ。
一方、PM堆積量の推定値が所定の下限値以下になると、フィルタクリーニングが完了したことを意味するので、前記ステップS9で肯定判定して、フィルタクリーニングフラグをオフしてから、フィルタクリーニングを終了する。
以上説明したように、本願発明の特徴を適用した実施形態によれば、フィルタクリーニングを実行する際、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が酸化触媒8aの活性化温度より高い状況だと、運転制御と燃料供給制御とを併せた形態のフィルタクリーニングを行う一方、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が酸化触媒8aの活性化温度より低い状況だと、運転制御と燃料供給制御と排気絞り制御とを併せた形態のフィルタクリーニングを行うようにしている。
これにより、前者のように、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が比較的高温になっている状況で、運転制御と燃料供給制御とを併せた形態のフィルタクリーニングを行う場合には、パティキュレートフィルタ8bの入口温度をPMの自己燃焼温度にまで素早く昇温させることが可能になる。この場合、排気絞り制御を行わずに済むから、内燃機関1の出力低下を避けた状態でフィルタクリーニングを迅速に完了することが可能になる。
また、前記後者の場合のように、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が比較的低温になっている状況で、運転制御と排気絞り制御と燃料供給制御とを併せた形態のフィルタクリーニングを行う場合には、パティキュレートフィルタ8bの入口温度をPMの自己燃焼温度にまで可及的速やかに昇温させることが可能になる。この場合、排気絞り制御を行う関係上、内燃機関1の出力低下が起こりうるものの、フィルタクリーニングを比較的早期に完了することが可能になる。
このように、フィルタクリーニングを行う場合に、昇温効率が良いものの出力低下を伴
う排気絞り制御を極力行わないようにすることが可能になり、また、前記排気絞り制御を行う必要がある場合でも、速やかに排気絞り制御を終了することが可能になる。
う排気絞り制御を極力行わないようにすることが可能になり、また、前記排気絞り制御を行う必要がある場合でも、速やかに排気絞り制御を終了することが可能になる。
したがって、フィルタクリーニングの実行時に排気絞り制御を無用に行わないようにしながらも、内燃機関1の運転状況全般にわたって、パティキュレートフィルタ8bのクリーニングを迅速かつ適切に遂行することが可能になる。
特に、パティキュレートフィルタ8bをDPRとする場合には、このDPRに酸化触媒が担持されている関係より、前記した運転制御や燃料供給制御により排気通路に供給される燃料がパティキュレートフィルタ8bに備える酸化触媒で酸化反応(燃焼)させることが可能になり、それによって、パティキュレートフィルタ8bそのものの温度上昇が可能になるから、PM燃焼の効率が向上することになり、好ましい。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)上記実施形態において、排気系に燃料(例えばディーゼルエンジンでは軽油)等の添加剤を供給するための添加剤供給装置を装備することができる。
その一例を、図4に示す。図4に示す実施形態では、図1に示した構成に加えて、エキゾーストマニホールド41に、その集合部分へ向けて例えば燃料を噴射する燃料添加弁51を付設し、この燃料添加弁51を、添加剤供給路52を介してサプライポンプ33に接続する。
そして、フィルタクリーニングにおける燃料供給制御として、例えば上記実施形態において燃料噴射弁35によるポスト噴射の代わりに、燃料添加弁51によりエキゾーストマニホールド41に燃料を噴射させるものとすることができる。
この場合、コントローラ10は、例えばクランクポジションセンサ81の出力から読み込んだ機関回転数Neに基づいて、予め実験等により作成されたマップを参照して要求添加量および添加間隔を算出し、その算出結果に応じて燃料添加弁51の開閉を制御して、エキゾーストマニホールド41に燃料添加を断続的に繰り返す。このような燃料添加により、酸化触媒8aが添加燃料に酸化反応(燃焼)して、パティキュレートフィルタ8bの入口温度が上昇することになるので、パティキュレートフィルタ8bに堆積しているPMが燃焼され、H2OやCO2となって排出されることになる。
ここでの添加剤供給装置は、上述した燃料添加弁51、添加剤供給路52、サプライポンプ33、コントローラ10を含んだ構成となる。
(2)上記実施形態で例示した内燃機関1は、ターボチャージャ5およびEGR装置7を装備したものを例に挙げているが、それらのいずれか一方または両方を無くしたものであっても本発明を適用できる。
(3)上記実施形態では、触媒装置8のパティキュレートフィルタ8bをDPFやDPRとした例を挙げているが、このフィルタ8bは、DPNR(Diesel Particulate−NOx Reduction system)とすることが可能である。
DPNRは、前記DPRの機能に加えて窒素酸化物(NOx)を除去することが可能なものであり、例えば多孔質セラミック構造体に酸化触媒(例えば白金等の貴金属を主成分
とするもの)とNOx吸蔵還元型触媒とを担持させたものである。このDPNRは、排気ガス中のPMを多孔質の壁を通過する際に捕集され、また、排気ガスの空燃比がリーンの場合、排気ガス中のNOxはNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵され、空燃比がリッチになると吸蔵したNOxは還元・放出される。
とするもの)とNOx吸蔵還元型触媒とを担持させたものである。このDPNRは、排気ガス中のPMを多孔質の壁を通過する際に捕集され、また、排気ガスの空燃比がリーンの場合、排気ガス中のNOxはNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵され、空燃比がリッチになると吸蔵したNOxは還元・放出される。
このようなDPNRの場合、前記したフィルタクリーニングと同様の処理を行うことに加えて、NOx吸蔵還元触媒のS被毒から回復させるNOx還元処理を行う必要がある。この場合も、前記フィルタクリーニング時に上記実施形態で説明した制御を行うことができる。
(4)上記実施形態では、触媒装置8を、酸化触媒8aとパティキュレートフィルタ8bとを有する構成とした例を挙げているが、それらに加えてNSR触媒を追加する構成とすることも可能である。
このNSR触媒は、要するに、NOx吸蔵還元型触媒と呼ばれるものの一種であって、例えば、アルミナ(Al2O3)を担体とし、この担体上に例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)のようなアルカリ土類、ランタン(La)、イットリウム(Y)のような希土類と、白金(Pt)のような貴金属とが担持された構成となっている。
このNSR触媒は、排気ガス中に多量の酸素が存在している状態においてはNOxを吸蔵し、排気ガスの酸素濃度が低くかつ還元成分(例えば燃料の未燃成分(HC))が多量に存在している状態においてはNOxをNO2もしくはNOに還元して放出する。NO2やNOとして放出されたNOxは、排気ガス中のHCやCOと速やかに反応することによってさらに還元されてN2となる。また、HCやCOは、NO2やNOを還元することで、自身は酸化されてH2OやCO2となる。
1 内燃機関
2 燃焼室
4 シリンダヘッドの排気ポート(排気通路の一部)
8 触媒装置
8a 酸化触媒
8b パティキュレートフィルタ
9 排気絞り弁
10 コントローラ(制御手段)
41 エキゾーストマニホールド(排気通路の一部)
42 マフラー(排気通路の一部)
75 A/Fセンサ
76 O2センサ
77 温度センサ
2 燃焼室
4 シリンダヘッドの排気ポート(排気通路の一部)
8 触媒装置
8a 酸化触媒
8b パティキュレートフィルタ
9 排気絞り弁
10 コントローラ(制御手段)
41 エキゾーストマニホールド(排気通路の一部)
42 マフラー(排気通路の一部)
75 A/Fセンサ
76 O2センサ
77 温度センサ
Claims (6)
- 排気通路に設けられる酸化触媒と、排気通路において前記酸化触媒の下流側に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、排気通路において前記フィルタより下流側に設けられる排気絞り弁と、必要に応じて前記フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタクリーニングを実行する制御手段とを有する内燃機関の排気浄化装置であって、
前記制御手段は、フィルタクリーニングの実行要求に伴いフィルタの入口温度を昇温させるように内燃機関の燃焼条件を制御する運転制御を実行し、
その実行過程において、前記フィルタの入口温度が第1閾値以上である場合に排気通路に燃料成分を供給して燃焼させる燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行する形態とする一方、
前記フィルタの入口温度が第1閾値未満でかつ前記排気温度が昇温しにくい内燃機関の運転状況である場合に、前記排気絞り弁を絞る排気絞り制御および前記燃料供給制御を前記運転制御と併せて実行する形態とする、ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記制御手段は、前記運転制御と排気絞り制御と燃料供給制御とを併せた形態のフィルタクリーニングを実行している過程で、前記フィルタの入口温度が前記第1閾値より高い第2閾値以上になったときに前記排気絞り制御を終了して運転制御と燃料供給制御とを併せた形態のフィルタクリーニングを継続させて完了させる、ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記運転制御は、内燃機関の燃焼室への吸入空気量を絞る形態と、内燃機関の燃焼室への燃料噴射時期を遅角させる形態と、EGR量を増加させる形態との少なくともいずれか一つとされる、ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1から3のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記燃料供給制御は、内燃機関の燃焼室へ燃料を主噴射した後にポスト噴射を行う形態とされる、ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1から3のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記燃料供給制御は、排気通路のフィルタ上流側に燃料成分を添加する形態とされる、ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1から5のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記フィルタクリーニングの実行要求は、前記フィルタへの粒子状物質の堆積量の推定値が所定の上限値(限界堆積量)以上になったときに発令される、ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
Priority Applications (1)
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JP2008181228A JP2010019184A (ja) | 2008-07-11 | 2008-07-11 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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-
2008
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