JP2010018654A - カーボンブラック製造炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心沈降分析により測定されたマトリックス中への最小分散単位であるアグリゲートの分布幅が従来よりも小さい特性を持つことを特微とするカーボンブラックを生産することのできる製造炉の提供。
【解決手段】炭化水素燃料と酸素含有ガスとの混合物の燃焼により高温ガス流を生成させるための各導入手段を備えた第一帯域、前記第一帯域で生成した高温ガス流中に原料炭化水素を複数の分割流で供給して前記原料炭化水素の熱分解および/または不完全燃焼によりカーボンブラック含有反応ガス流とするための原料導入手段を備えた円筒形状反応帯域である第二帯域、前記第二帯域からの反応ガス流に冷却水を噴霧して反応を停止させるための冷却水噴霧装置を備えた少なくとも第二帯域の直径よりも大きな円筒形状の第三帯域から構成される全体が横置きされたカーボンブラック製造炉において、第二帯域の円筒形状反応帯域の外周に複数の流動空間を備えたことを特徴とするカーボンブラック製造炉。
【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンブラックを製造するための装置に関し、より詳しくは遠心沈降分析により測定されるカーボンブラックのマトリックス中への最小分散単位であるアグリゲートにおいて、その分布幅が従来よりも狭い特性を持つカーボンブラックを生産できる製造炉に関するものである。
ファーネス法によるカーボンブラックは、耐火物でライニングされた空間内において、ガス状もしくは液状燃料を酸素含有ガス(通常は空気)により燃焼させ、発生した高温の熱ガス流中に炭素質の原料油を導入してこれを熱分解させて生産される。このとき、各種の操作条件、例えば原料油の導入量や導入位置、酸素含有ガスおよび/または燃料の導入量や導入位置、急冷位置、反応炉の内径などを適宜調節することにより、各種品位のカーボンブラックを生産することができるので、現在ではほとんどがこのファーネス法により生産されている。
カーボンブラックの用途としては、ゴムの補強剤、着色剤、乾電池配合剤などの多くの種類があるが、その90%程度はゴム補強剤として使用されている。
近年、補強剤として用いられている主な用途であるタイヤ工業において環境面、安全面が重視され、低燃料消費性やタイヤ寿命およびグリップ性能の向上などの要求が更に強まっている。そして主原料であるゴム自体の改良とともにその充填補強剤であるカーボンブラックの改良も進んできている。すなわち、従来までの比表面積やストラクチャーというマクロ的視点からではなく、粒子径や凝集体(アグリゲート)の大きさ、分布などのミクロ的な物性の制御が必要となっている。したがって、これらのミクロ的な制御が容易にできる反応炉の開発が重要となっている。
また、原料油の熱分解により生成されるカーボンブラックの収率を上げるとともに、燃焼ガスのもつ熱的エネルギーを有効に利用できる反応炉も望まれている。上述の問題点を解消するために、主として反応炉の形状、操作方法などについて多くの技術(特許)が公開されている。
カーボンブラックがゴムなどのマトリックス中に配合されたとき、その機械的特性、特に引張り強さ、摩耗抵抗性などが従来よりも大きく改良することのできる製品もまた、タイヤ用トレッドやV−ベルトなどの工業用品ゴム組成物製造分野において大きな要求がある。
前述したように、カーボンブラックは炭化水素燃料と酸素含有ガスとの燃焼反応により生じた高温燃焼ガス流中に重質原料油を導入し、その熱分解および/または不完全燃焼により生成されるので、この高温ガス流と原料油がどのように接触されるかは、生成するカーボンブラックの物理化学的性状、特にアグリゲートの性状、さらにはこれを構成する単位粒子径のサイズ、分布に大きな影響を持っている。
ファーネス法によりカーボンブラックを製造する場合、炭化水素と酸素含有ガスとの燃焼反応により生じた高温燃焼ガス流中に、炭素含有率の大きい重質原料油を噴霧導入し、この原料油の熱分解あるいは不完全燃焼によりカーボンブラックが生成する。このカーボンブラック生成過程の最初の段階、すなわち高温ガス流と原料油との接触の段階において、両者の接触状態が生成するカーボンブラックの特性に大きな影響を与えることはよく知られており、例えば、断面多角形状の反応室の内部表面を形成する偶数の実質的に平行な平坦側面を持ち、この平坦側面から1個置きに複数の炭化水素噴霧を反応室内に導入し、高温ガス流の断面領域を炭化水素噴霧で最大限に被覆するように、噴霧パターンの断面に一致するように断面を形成した製造炉が開示されている(特許文献1)。
また、本願出願人は原料油導入空間が大きくなった場合でも、生成するカーボンブラックのアグリゲート分布の幅を小さい側に制御するために、その導入空間の形状として非円形状かつ非多角形状を有するカーボンブラック製造装置を提案している(特許文献2)。
これらの従来技術における思想は、いずれも第1の燃焼帯域で生成された高温燃焼ガス流が有しているエネルギーを反応帯域中に備えられた原料導入手段からの噴霧原料流にいかに効率的に与えるか、接触させるかを課題としていた。
その一方で、カーボンブラックのアグリゲート分布を狭くする手段として原料油を導入する空間における面積を小さくすることも有効である。
しかしながら、狭い空間への燃焼ガス流の導入は圧力上昇をもたらし、このために燃焼ガス流の流量は制限を受けるという欠陥が生じる。これはカーボンブラック製造工程において非常に大きな制約となり、前述のアグリゲート分布の調整範囲は限定的なものとなる。
特公平7−74315号公報 特開2006−111643号公報(特許第3859057号)
本発明の目的は、遠心沈降分析により測定されたマトリックス中への最小分散単位であるアグリゲートの分布幅が従来よりも小さい特性を持つことを特微とするカーボンブラックを生産することのできる製造炉を提供することにある。この炉によって、アグリゲートの分布幅を小さくすることができ、ゴムへの補強性能を更に向上させることが可能となり、その結果ゴムへの配合割合を低下させることで一層のメリットを引き出すことができる。
本発明の第1は、炭化水素燃料と酸素含有ガスとの混合物の燃焼により高温ガス流を生成させるための各導入手段を備えた第一帯域、前記第一帯域で生成した高温ガス流中に原料炭化水素を複数の分割流で供給して前記原料炭化水素の熱分解および/または不完全燃焼によりカーボンブラック含有反応ガス流とするための原料導入手段を備えた円筒形状反応帯域である第二帯域、前記第二帯域からの反応ガス流に冷却水を噴霧して反応を停止させるための冷却水噴霧装置を備えた少なくとも第二帯域の直径よりも大きな円筒形状の第三帯域から構成される全体が横置きされたカーボンブラック製造炉において、第二帯域の円筒形状反応帯域の外周に複数の流動空間を備えたことを特徴とするカーボンブラック製造炉に関する。
本発明の第2は、前記原料炭化水素導入手段の数と前記流動空間の数が同じである請求項1記載のカーボンブラック製造炉に関する。
本発明の第3は、前記第二帯域である円筒形状反応帯域の面積に対する複数の外周流動空間の総面積の割合が0.2〜0.5である請求項1または2記載のカーボンブラック製造炉に関する。
本発明の第4は、前記第二帯域である円筒形状反応帯域の直径に対する外周流動空間の直径の比が1.2〜1.8である請求項1〜3いずれか記載のカーボンブラック製造炉に関する。
本発明の第5は、前記外周流動空間の直径と前記第三円筒形状帯域の直径が同じである請求項1〜4いずれか記載のカーボンブラック製造炉に関する。
本発明者らは、原料導入時での狭い空間におけるアグリゲート分布の狭少化によるメリットを生かすべく研究を進めたところ、狭い空間の外側に原料油噴霧流とは接触しない別の空間を設置することにより、アグリゲート分布を狭い側に制御できることを見いだし本発明を完成させるに到ったものである。
本発明において、円筒形状帯域の面積(S1)に対する複数の外周流動空間の総和(S2)の割合(S2/S1)が、0.2〜0.5、好ましくは0.2〜0.3であり、また円筒形状帯域の直径(d1)に対する外周流動空間の直径(d2)との比(d2/d1)が1.2〜1.8、好ましくは1.2〜1.5とすることが望ましい。いずれの比においても下限を下回った場合には外周流動空間を設置しない場合との明確な差異が発現せず、逆に上限を上回った場合には高温燃焼ガス流と原料油噴霧流との接触効率が大きく低下して反応条件、すなわちアグリゲート分布の制御が困難となり、またカーボン回収効率も低下するので好ましくない。
このように、原料油導入空間の外周に流動空間を形成させたことによりアグリゲートの分布を狭小化できた理由について、高温ガス流は原料油流と接触すると炭素形成反応により反応温度が低下するが、外周空間からの高温ガス流のエネルギーが反応生成物をとり囲むように供給されて温度低下を補完し、熱分解反応が促進されることにより炭素形成反応が均一化され、これによってアグリゲートの分布の狭小化が達成されたのではないかと推定される。
以下の実施例は本発明の製造炉を使用してカーボンブラックを製造したものである。この実施例と参照例と比較すると生産量はほぼ同等でありながら、アグリゲート分布の狭い(D50およびD50/Dstの小さい)カーボンブラックを得ることができることがわかる。このことは、生産量を維持した場合には、従来よりも高性能なカーボンブラックの生産を可能とするとともに、より物性制御範囲の拡大が可能となることを意味している。また、一般的に生産量とアグリゲート分布は連動事項であり、生産量を増加するために炉内容積(断面積)を大きくするとアグリゲート分布も大きくなることが知られていたが、本発明の製造炉を利用することにより従来のカーボンブラックとアグリゲート分布を同等に維持しながら断面積を大きくして生産量を増加することができるという利点を有する。
次に、添付の図面により本発明の実施例を説明するが、本発明は、これにより何ら限定されるものではない。
図1は本発明の実施に適切な一例を示す装置の縦断面図であり、図2は図1のP−P矢視における断面図であり、図3は、図1のQ−Q矢視の断面図である。図4は、円筒形状帯域の外周に複数の流動空間を備えた本発明カーボンブラック製造炉の内部空間を示した見取り図であり、図5は外周部に流動空間のない従来の製造炉の見取り図である。なお、製造炉1内の空間見取り図4および5は図が複雑となるために原料導入装置は9B−1〜9B−4のみを表示した。
図1の軸方向流を用いたカーボンブラック製造炉1の上流端には円筒形状の可燃性流体導入室2があり、この導入室2の外部には矩形状の燃焼保持用酸素含有ガス導入管3が接続されている。導入室2の内側には同軸的に、かつ下流端が前記導入室2と一致し、導入室2よりも長さの短い酸素含有ガス導入用円筒4があり、酸素含有ガス導入用円筒4の外周には酸素含有ガスの流動を整流するための整流板5が設置されている。この整流板5は等角度で設置するのが好ましく、10−20枚設置するのが望ましい(この点については、本出願人の特開平4−264165号公報を参照のこと)。また、導入室2および円筒4の中心軸には燃料導入用空間6を通して燃料導入管(図示せず)が備えられている。
導入室4の下流側は、図1に示したように、燃焼ガス流を次第に収れんさせる収れん室7が接続されている。その下流側には図3および図4に示される複数の原料油噴霧装置9(例えば、9B−1〜9B−4)を設置した断面形状が円環形状の原料油導入室10が連結されるが、前記導入室10の外周のうち、前記噴霧装置9が設置されていない空間には噴霧装置の数と同じ流動空間11(例えば、11−1〜11−4)が形成されている(図2A−A矢視図および図4の見取図参照)。円筒形状の原料油導入室10および外周流動空間11で形成された第2帯域8の下流側にはカーボンブラック反応ガス流を急冷して反応を停止させる(複数の冷却水噴霧装置a〜hを備えた)反応継続兼冷却室12が連結されている。反応継続兼冷却室の大きさは任意であるが、前記反応継続兼冷却室12の上流端は第2帯域から流出する反応生成物の流動での乱れへの影響を小さくするために流動空間11の直径と同じになるようにするのが望ましい。前記反応継続兼冷却室12内のa〜hには、実開昭58−140147号公報(出願人:旭カーボン株式会社)に開示されている複数の冷却水噴霧装置を備えた反応継続兼冷却室12および煙道13が連結されている。反応継続兼冷却室の大きさは任意であるが、少なくとも原料油導入室10よりも大きく、帯域12の上流端は第2の帯域から流出する反応生成物の流動での乱れへの影響を小さくするために原料油導入室10と流動空間11を含めた直径と同じになるようにするのが望ましい。さらに、前記噴霧装置9としては本願出願人が特開2004−59598号公報で開示した装置を用い、原料油導入室10の稼働面に設置した。
製造例1
図1、図2、図3および図4に示したと同様構成のカーボンブラック製造装置を用い、SAF級カーボンブラックを製造した。この製造装置の各構成部は次の通りとした。
可燃性流体導入室2
内径 650mmφ ; 長さ 600mm
酸素含有ガス導入管3(矩形)
長辺 400mm ; 短辺 200mm
酸素含有ガス導入用円筒4
内径 450mmφ ; 長さ 500mm
燃焼室 7
内径 : 上流端 595mmφ ; 下流端 160mmφ
長さ 1700mm ; 収れん角 7.3°
第2帯域 8
原料油導入室 10
内径(d1) 160mmφ ; 長さ 600mm
; 断面積〔S1=(d1/2)π〕 201cm
外周流動空間 11−1〜11−4
内径(d2) 230mmφ ; 幅(d3) 40mm
; 断面積〔S2=(d2−d1)×1/2×d3×4〕 56cm
直径比(d2/d1) 1.44 ; 面積比(S2/S1) 0.28
(いずれも原料導入室10を1としたときの比率)
反応継続兼冷却室 12
内径 230mmφ ; 長さ 1500mm
本実施例では原料導入装置を設置した空間として第2帯域8中の9A(上流端が、200mm)および9B(上流端が、400mm)を設けた例を示したが、アグリゲートサイズ分布の狭いことを特徴とする本発明カーボンブラックの製造に於いてはいずれか一方の空間の使用で良好な結果が得られるが、下流側の9Bを用いた方がさらに狭い側の製品となる傾向が見られる。実施例および比較例のいずれにおいても、原料油噴霧空間は9Bを用いた。
燃料油としては比重0.8622(15℃/4℃)のA重油を用い、原料油としては、表1に示した通りの性状および組成を有する(重質油)を使用した。
製造例2
製造例1の製造装置と同じ構造であるが、第2帯域8において下記の構造に変更した製造炉を用いてカーボンブラックを製造した。
第2帯域 8
原料油導入室 10
内径(d1) 180mmφ ; 長さ 600mm
; 断面積(S1) 254cm
外周流動空間 11−1〜11−4
内径(d2) 230mmφ ; 幅(d3) 60mm
; 断面積(S2) 60cm
直径比(d2/d1) 1.28 ; 面積比(S2/S1) 0.24
(いずれも原料油導入室10を1とした比率)
参照例1
製造例1の製造炉と同じ構造であるが、第2帯域のみを外周流動空間11−1〜11−4を備えない内径160mmφの内筒形状とした製造炉、すなわち図1において前記空間11をもたない図5の構造に変更した製造炉を用いてSAF級カーボンブラックを生産した。
第2帯域 8
原料導入室 10
内径(d1) 160mmφ ; 長さ 600mm
; 断面積(S1) 201cm
反応継続兼冷却室 12
内径 230mmφ ; 長さ 1500mm
なお、原料油噴霧装置(9−1〜9−4)は帯域8の中間部(上流側から300mm)に設置した。
参照例2
参照例1において、製造例1における帯域8(円筒部と外周流動空間で構成される)の断面積とほぼ等しい断面積を有する内径180mmφの円筒形状の反応帯域とした製造炉を用いてSAF級カーボンブラックを生産した。
第2帯域 8
原料導入室 10
内径 180mmφ
比較例1
製造例1の製造炉と同じ構造であるが、第2帯域において円筒形状空間の原料油導入室10に対する外周流動空間11−1〜11−4の直径比および面積比が本発明の範囲を上回る装置に変更してカーボンブラックを製造した。
第2帯域 8
原料油導入室 10
内径(d1) 160mmφ ; 断面積(S1) 201cm
外周流動空間 11−1〜11−4
内径(d2) 300mmφ ; 幅(d3) 40mm
; 断面積(S2) 112cm
直径比(d2/d1) 1.88 ; 面積比(S2/S1) 0.56
(いずれも原料油導入室10を1とした比率)
比較例2
上記比較例1の製造炉において、外周流動空間11−1〜11−4の幅を20mmとして原料油導入室10に対する面積比を本発明の範囲とした装置に変更してカーボンブラックを製造した。
外周流動空間 11−1〜11−4
内径(d1) 300mmφ ; 幅(d3) 20mm
; 断面積(S1) 56cm
直径比(d2/d1) 1.88 ; 面積比(S2/S1) 0.28
(いずれも原料油導入室10を1とした比率)
比較例3
製造例1の製造炉と同じであるが、外周流動空間11−1〜11−4の幅を80mmとし、原料油導入室10に対する面積比を本発明の範囲を外れた製造炉を用いてカーボンブラックを製造した。
第2帯域 8
原料油導入室 10
内径(d1) 160mmφ ; 断面積(S1) 201cm
外周流動空間 11−1〜11−4
内径(d2) 230mmφ ; 幅(d3) 80mm
; 断面積(S2) 112cm
直径比(d2/d1) 1.44 ; 面積比(S2/S1) 0.56
(いずれも原料油導入室10を1とした比率)
製造例1〜2、参照例1〜2および比較例1〜3における帯域8での円筒形状帯10および外周流動空間11での直径比および面積比をまとめると次の通りとなる。
上記の各種製造炉を用いて、次の表に記載された製造条件によりSAF級のカーボンブラックを生産した。また、このときのカーボンブラック性状についても表4に示した。
表に示されたカーボンブラックの各特性は、次のようにして測定したものである。
(1)CTAB吸着比表面積(CTAB)
JIS K 6217:1997の第8項D法に記載の方法により測定され、単位重量当たりの比表面積m/gで表示される。
(2)24M4DBP吸収量(CDBP)
JIS K 6217:1997の第10項に記載の方法で測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収されるジブチルフタレート(DBP)のmlで表示される。
(3)遠心沈降分析によるカーボンブラックアグリゲートサイズの分析法
測定装置:高速ディスク遠心法超微粒子粒度分析計(測定装置名:BI−DCP、BROOKHAVEN INSTRUMENTS CORPORATION社製)
測定方法:JIS K 6218に基づいて乾燥したカーボンブラック試料を少量の界面活性剤(ノニデットP−40)を加え、よく練ってペースト状にしたのち20容量%エタノール水溶液と混合し、カーボンブラック濃度200mg/1の分散液を作成し、超音波ホモジナイザーで十分に分散させ試料とする。
装置の回転数を8000rpmに設定し、スピン液(純水、24℃)を10.0ml加えたのち、1.0mlのバッファー液(20容量%エタノール水溶液、24℃)を注入する。次いで24℃のカーボンブラック分散液0.5mlを注入し測定を開始する。カーボンブラック分散液を加えてからの経過時間と吸光度の分布曲線より各時間tに対応するストークス相当径を式(1)により算出する。
〔数1〕
D={〔18η1n(Rd/Ri)〕÷ωΔρt}1/2・・・(1)
式(1)において、ηは溶媒の粘度(mPa・S)、ωはディスク回転数(rpm)、Δρはカーボンブラック粒子と溶媒の密度差(g/cm)、Riはカーボンブラック分散液注入点の半径(cm)、Rdは吸光度測定点までの半径(cm)、tは時間(分)である。なお、前記分散液注入点の半径と吸光度測定点までの半径という言葉について以下に説明する。この測定装置は高速で回転しているので、注入液体は装置容器の外側から満たされる。そこで分散液を注入したときの液の広がり面の半径が、分散液注入点の半径Riとなる。また、遠心力によりスピン液中でアグリゲートが沈降してゆくが、所定時間経過後の沈殿物濃度を測定する点と回転中心点との間の距離を吸光度測定点までの半径Rdとするものであり、具体的には特開平8−169983号公報記載のものと同様である。
モード径(Dst)および分布曲線の半値幅(D50)の定義
分布曲線における最多頻度値でのストークス相当径をDstモード径(nm)とし、最多頻度値の50%頻度に相当する大小2点のストークス相当径の差(半値幅)をD50(nm)とする。
本発明の実施に適切な一例を示す装置の横断面図である。 図1の原料油噴霧装置9を設置していない第2帯域8でのP−P矢視における断面図である。 図1の原料油噴霧装置9を設置してある第2帯域8でのQ−Q矢視の断面図である。 本発明カーボンブラック製造炉の内部空間を示した見取り図である。 外周に流動空間を持たない従来の製造炉の見取り図である。
符号の説明
1 カーボンブラック製造炉
2 可燃性流体導入室
3 酸素含有ガス導入管
4 酸素含有ガス導入用円筒
5 整流板
6 燃料導入管用空間
7 収れん室
8 第2帯域
9A 原料油噴霧装置
9B 原料油噴霧装置
9B−1 原料油噴霧装置
9B−2 原料油噴霧装置
9B−3 原料油噴霧装置
9B−4 原料油噴霧装置
10 原料油導入室
11−1 外周流動空間
11−2 外周流動空間
11−3 外周流動空間
11−4 外周流動空間
12 反応継続兼冷却室
13 煙道
a 冷却水噴霧装置
b 冷却水噴霧装置
c 冷却水噴霧装置
d 冷却水噴霧装置
e 冷却水噴霧装置
f 冷却水噴霧装置
g 冷却水噴霧装置
h 冷却水噴霧装置

Claims (5)

  1. 炭化水素燃料と酸素含有ガスとの混合物の燃焼により高温ガス流を生成させるための各導入手段を備えた第一帯域、前記第一帯域で生成した高温ガス流中に原料炭化水素を複数の分割流で供給して前記原料炭化水素の熱分解および/または不完全燃焼によりカーボンブラック含有反応ガス流とするための原料導入手段を備えた円筒形状反応帯域である第二帯域、前記第二帯域からの反応ガス流に冷却水を噴霧して反応を停止させるための冷却水噴霧装置を備えた少なくとも第二帯域の直径よりも大きな円筒形状の第三帯域から構成される全体が横置きされたカーボンブラック製造炉において、第二帯域の円筒形状反応帯域の外周に複数の流動空間を備えたことを特徴とするカーボンブラック製造炉。
  2. 前記原料炭化水素導入手段の数と前記流動空間の数が同じである請求項1記載のカーボンブラック製造炉。
  3. 前記第二帯域である円筒形状反応帯域の面積に対する複数の外周流動空間の総面積の割合が0.2〜0.5である請求項1または2記載のカーボンブラック製造炉。
  4. 前記第二帯域である円筒形状反応帯域の直径に対する外周流動空間の直径の比が1.2〜1.8である請求項1〜3いずれか記載のカーボンブラック製造炉。
  5. 前記外周流動空間の直径と前記第三円筒形状帯域の直径が同じである請求項1〜4いずれか記載のカーボンブラック製造炉。
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