JP2010017560A - 外科用フィラメントの区別 - Google Patents

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Abstract

【課題】外科処置の間に組織を接合するための外科用フィラメントを提供すること。
【解決手段】上記外科用フィラメントは、第1端および第2端;ならびにこの第1端および第2端のうちの少なくとも一方に備えられる触知可能な構造であって、触覚的な係合によりこの第1端とこの第2端との間の区別を容易にする、触知可能な構造、を備える。1実施形態において、この触知可能な構造は、このフィラメントの第1端に備えられる第1の触知可能な指示器と、このフィラメントの第2端に備えられる第2の触知可能な指示器とを備え、この第1および第2の触知可能な指示器の各々が、このフィラメントがこの第1端とこの第2端との間に異なる構成を画定するように、異なる表面機構の輪郭を画定する。
【選択図】図1

Description

関連出願に対する相互参照
本願は、2008年7月14日に出願された、米国仮出願第61/080,317号の利益を主張し、この仮出願は、本明細書中に参考として援用される。
技術分野
本開示は、一般に、組織を一緒に固定するための装置、およびこの装置の製造法に関する。より具体的には、本開示は、使用時に医師が両端の間を区別することができるように、少なくとも一方の端部に異なる触知可能な指示器を組み込んだ外科用フィラメントに関する。
関連技術の背景
外科処置において、縫合糸は、半月板(meniscal)の修復の場合には、皮膚、内臓、血管などの開口部を修復するため、そして、靭帯または腱の骨への再付着の場合には、種々の組織を一緒に接合するために使用される。一般に、外科処置は、開放性の処置または最小侵襲性の処置のいずれかとして分類され得る。
最小侵襲性の処置(例えば、関節鏡処置、内視鏡処置および腹腔鏡処置)は、一般に、患者の組織における小さな開口部(例えば、身体における生来の開口部、または、メスを用いて作り出された切開)を通して行われる。外科処置の対象となる位置(surgical worksite)における組織、血液および他の流体の存在は、可視性を低下させ、そして、視野を狭める結果となり得る。結果として、縫合糸の位置を決定し、その方向を確認し、そして/または、その両端を区別することは医師にとって困難で有り得、縫合糸は、使用中に絡まることになるだろう。1以上の縫合糸を同時に用いることを必要とするような処置では、当然のことながら、困難さは増す。
外科処置の対象となる位置における可視性の低下に対処するための試みにおいて、種々の進歩が成されている。いくつかの縫合糸は、医師が異なる縫合糸の間およびその両端の間を弁別する助けとなり得る、1以上の着色されたセクションを備える。しかし、流体および組織の存在下では、どの色が互いに容易に区別され得るかに関して制限が存在する。医師が、視覚ではなく触覚によって読み取り得る物理的な特徴を備える縫合糸もまた開発されている。例えば、2006年3月23日に出願されたZwolinskiらに対する特許文献1(本明細書中で、以後、「Zwolinski」)は、縫合糸の外側表面上の物理的な印の使用を記載している。Zwolinskiによって提案される印は、縫合糸材料の量、縫合糸の長さ、縫合糸の貫通の深さ、または、縫合糸に加えられる張度に関する情報を提供し得るが、医師が縫合糸の一端を他方の端と区別することを可能にするために、この分野における改善が所望されている。
米国特許出願公開第2007/0225763号明細書
要旨
本開示の一局面では、外科処置の間に組織を接合するための外科用フィラメントが開示される。このフィラメントは、第1端および第2端を有し、これらの第1端および第2端は、触覚的な係合により両端の間の区別を容易にする、触知可能な構造を備える。触知可能な構造は、フィラメントの第1端に備えられる第1の触知可能な指示器と、フィラメントの第2端に備えられる第2の触知可能な指示器とを備える。第1および第2の触知可能な指示器は、異なる表面機構の輪郭を画定し、したがって、フィラメントは、その第1端と第2端との間で異なる構成を画定する。
一実施形態では、第1および第2の触知可能な指示器は、フィラメントの外側表面から外向きに延びる少なくとも1つの突出部を備える。第1の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部は、第2の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部のものとは異なる構成を画定し得る。
第1および第2の触知可能な指示器は、同じ数または異なる数の突出部を備え得る。しかし、第1の触知可能な指示器と第2の触知可能な指示器とが同じ数の突出部を備える場合、第1の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部は、第2の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部とは異なる寸法を画定し得る。
第1および第2の触知可能な指示器の各々は、少なくとも2つの突出部を備え得、この場合、第1の触知可能な指示器の少なくとも2つの突出部は、これらの突出部の間に、第2の触知可能な指示器の少なくとも2つの突出部の間に画定される距離とは異なる距離を画定し得る。
代替的な実施形態では、第1および第2の触知可能な指示器の各々は、フィラメントの外側表面から内向きに延びる少なくとも1つの刻み目を備え得る。第1の触知可能な指示器の少なくとも1つの刻み目は、第2の触知可能な指示器の少なくとも1つの刻み目(protrusion)のものとは異なる構成を画定し得る。
第1および第2の触知可能な指示器は、同じ数または異なる数の刻み目を備え得る。しかし、第1の触知可能な指示器と第2の触知可能な指示器とが同じ数の刻み目を備える場合、第1の触知可能な指示器の少なくとも1つの刻み目は、第2の触知可能な指示器の少なくとも1つの刻み目とは異なる寸法を画定し得る。
第1および第2の触知可能な指示器の各々は、少なくとも2つの刻み目を備え得、この場合、第1の触知可能な指示器の少なくとも2つの刻み目は、これらの刻み目の間に、第2の触知可能な指示器の少なくとも2つの刻み目の間に画定される距離とは異なる距離を画定し得る。
フィラメントはさらに、第1端と第2端との間を延びる細長の本体または中央部分を備える。細長の本体は、外科用フィラメントの第1端および第2端のうち少なくとも一方の上に備えられる触知可能な構造によって画定されるものとは異なる表面機構の輪郭を画定し得る。
別の実施形態では、第1の触知可能な指示器および第2の触知可能な指示器のうちの一方は、実質的に均一な表面機構の輪郭を画定する。
フィラメントはさらに、第1端もしくは第2端のいずれか、または第1端および第2端の両方に接続された係留部材を備え得、この係留部材は、組織内への挿入の際に、遠位部分に向かう動きを制限するように構成される。
フィラメントの一実施形態では、触知可能な構造は、第1端および第2端の各々の上に1以上の突出部を備える。突出部は、同じ数または異なる数で、フィラメントの両端に存在し得る。触覚的な係合による第1端と第2端との間の区別を容易にするために、第1端の上に備えられる突出部は、第2端の上に備えられる突出部とは、数および/または構成が異なり得る。例えば、第1端の上に備えられる突出部は、ループとして構成され得るのに対し、第2端の上に備えられる突出部は、矢印形状の部材として構成され得る。フィラメントの第1端と第2端とが、異なる数の突出部を備える場合、第1端および第2端の上に備えられる突出部は、同じ構成を画定し得る。
本開示の別の局面では、外科処置の間に組織を接合するための外科用縫合糸が開示される。この縫合糸は、少なくとも1つの外科用繊維と、少なくとも1つの外科用フィラメントとを備え、この繊維とフィラメントとは、間に複数の隙間を画定するように配置される。少なくとも1つの外科用フィラメントは、第1端および第2端を備え、第1端および第2端は、医師が触覚的な係合により縫合糸の両端の間を区別することを可能にする触知可能な構造を備える。
本開示はまた、外科処置の間に組織を接合するための外科用フィラメントの製造方法に関する。この方法は、第1端と第2端とを有する外科用フィラメントを提供する工程、ならびに、第1端および第2端の各々に触知可能な構造を形成して、触覚的な係合によるこれらの間の区別を容易にする工程、を包含する。
本開示はさらに、外科処置の間に組織を接合するための外科用縫合糸の製造方法に関する。この方法は、少なくとも1つの外科用繊維を提供する工程、第1端と第2端とを有する少なくとも1つの外科用フィラメントを提供する工程、フィラメントの第1端および第2端の各々に触知可能な構造を形成する工程、ならびに、少なくとも1つの繊維と少なくとも1つのフィラメントとを、これらの間に複数の隙間を画定するように配置させる工程、を包含する。少なくとも1つのフィラメントの第1端および第2端の各々の上に触知可能な構造を備えることは、医師が触覚的な係合によって縫合糸の両端の間を区別することを可能にする。
したがって、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1) 外科処置の間に組織を接合するための外科用フィラメントであって、以下:
第1端および第2端;ならびに
この第1端および第2端のうちの少なくとも一方に備えられる触知可能な構造であって、触覚的な係合によりこの第1端とこの第2端との間の区別を容易にする、触知可能な構造
を備える、フィラメント。
(項目2) 上記項目に記載のフィラメントであって、上記触知可能な構造が、このフィラメントの第1端に備えられる第1の触知可能な指示器と、このフィラメントの第2端に備えられる第2の触知可能な指示器とを備え、この第1および第2の触知可能な指示器の各々が、このフィラメントがこの第1端とこの第2端との間に異なる構成を画定するように、異なる表面機構の輪郭を画定する、フィラメント。
(項目3) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1および第2の触知可能な指示器の各々が、このフィラメントの外側表面の外向きに延びる少なくとも1つの突出部を備える、フィラメント。
(項目4) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1および第2の触知可能な指示器の上記少なくとも1つの突出部が、少なくとも1つの棘を含む、フィラメント。
(項目5) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部が第1の構成を画定し、そして、上記第2の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部が第2の構成を画定し、この第1の構成とこの第2の構成とが異なる、フィラメント。
(項目6) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1および第2の触知可能な指示器が、異なる数の突出部を備える、フィラメント。
(項目7) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1および第2の触知可能な指示器が同じ数の突出部を備え、この第1の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部が第1の寸法を画定し、そして、この第2の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部が第2の寸法を画定し、この第1の寸法とこの第2の寸法とが異なる、フィラメント。
(項目8) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1および第2の触知可能な指示器の各々が、少なくとも2つの突出部を備え、この第1の触知可能な指示器の少なくとも2つの突出部が、この突出部間に第1の距離を画定し、そして、この第2の触知可能な指示器の少なくとも2つの突出部が、この突出部間に第2の距離を画定し、この第1の距離とこの第2の距離とが異なる、フィラメント。
(項目9) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1および第2の触知可能な指示器の各々が、このフィラメントの外側表面から内向きに延びる少なくとも1つの刻み目を備える、フィラメント。
(項目10) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1の触知可能な指示器の少なくとも1つの刻み目が第1の構成を画定し、上記第2の触知可能な指示器の少なくとも1つの刻み目が第2の構成を画定し、この第1の構成とこの第2の構成とが異なる、フィラメント。
(項目11) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1および第2の触知可能な指示器が、異なる数の刻み目を備える、フィラメント。
(項目12) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1および第2の触知可能な指示器が同じ数の刻み目を備え、この第1の触知可能な指示器が第1の寸法を画定する刻み目を備え、この第2の触知可能な指示器が第2の寸法を画定する刻み目を備え、この第1の寸法とこの第2の寸法とが異なる、フィラメント。
(項目13) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1および第2の触知可能な指示器の各々が、少なくとも2つの刻み目を備え、この第1の触知可能な指示器の少なくとも2つの刻み目が、この刻み目間に第1の距離を画定し、この第2の指示器の少なくとも2つの刻み目が、この刻み目間に第2の距離を画定し、この第1の距離とこの第2の距離とが異なる、フィラメント。
(項目14) 上記第1端と第2端との間を延びる細長の本体をさらに備える、上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、この細長の本体は、このフィラメントの第1端および第2端のうち少なくとも一方の上に備えられる上記触知可能な構造によって画定される上記表面機構の輪郭とは異なる表面機構の輪郭を画定する、フィラメント。
(項目15) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1および第2の触知可能な指示器のうちの一方が、実質的に均一な表面機構の輪郭を画定する、フィラメント。
(項目16) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、このフィラメントの上記第1端および第2端の各々の上に備えられる上記触知可能な構造が、少なくとも1つの突出部を備える、フィラメント。
(項目17) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、上記第1端および第2端の各々の上に備えられる上記触知可能な構造が、同じ数の突出部を備え、このフィラメントの第1端の上に備えられる少なくとも1つのこの突出部が、このフィラメントの第2端の上に備えられる少なくとも1つのこの突出部と、構成が異なる、フィラメント。
(項目18) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、このフィラメントの上記第1端の上に備えられる少なくとも1つの突出部がループとして構成され、そして、このフィラメントの上記第2端の上に備えられる少なくとも1つの突出部が矢印形状の部材として構成される、フィラメント。
(項目19) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、このフィラメントの上記第1端の上に備えられる突出部の数が、このフィラメントの上記第2端の上に備えられる突出部の数と異なる、フィラメント。
(項目20) 上記項目のいずれかに記載のフィラメントであって、このフィラメントに取り付けられた少なくとも1つの針をさらに備える、フィラメント。
(項目21) マルチフィラメント縫合糸であって、以下:
少なくとも1つのフィラメントであって、このフィラメントは、このフィラメントの第1端の上に第1の触知可能な指示器を、そして、このフィラメントの第2端の上に第2の触知可能な指示器を備え、この第1および第2の触知可能な指示器の各々が、異なる表面機構の輪郭を画定する、少なくとも1つのフィラメントと;
この少なくとも1つのフィラメントと混合された少なくとも1つの繊維と
を備える、マルチフィラメント縫合糸。
本開示の種々の実施形態が、図面を参照して本明細書中で以下に記載される。
図1は、外科処置の間に使用するためのフィラメントの一実施形態の側面平面図であり、第1端が第1の触知可能な指示器を有し、そして、第2端が第2の触知可能な指示器を有しており、この触知可能な指示器の各々が、少なくとも1つの突出部を備える。 図2は、本開示のフィラメントの別の実施形態の側面平面図である。 図2Aは、第1の触知可能な指示器を示す、図2に示されるフィラメントの第1端の端面図である。 図2Bは、第2の触知可能な指示器を示す、図2に示されるフィラメントの第2端の端面図である。 図3は、本開示に従うフィラメントの代替的な実施形態の側面平面図である。 図4は、本開示に従うフィラメントの別の実施形態の側面平面図である。 図4Aは、第1の触知可能な指示器を示す、図4に示されるフィラメントの第1端の端面図である。 図4Bは、第2の触知可能な指示器を示す、図4に示されるフィラメントの第2端の端面図である。 図5は、本開示に従うフィラメントの別の代替的な実施形態の側面平面図である。 図6〜10は、第1および第2の触知可能な指示器の突出部のための代替的な構成を示す、図1に示されるフィラメントの側面平面図である。 図6〜10は、第1および第2の触知可能な指示器の突出部のための代替的な構成を示す、図1に示されるフィラメントの側面平面図である。 図6〜10は、第1および第2の触知可能な指示器の突出部のための代替的な構成を示す、図1に示されるフィラメントの側面平面図である。 図6〜10は、第1および第2の触知可能な指示器の突出部のための代替的な構成を示す、図1に示されるフィラメントの側面平面図である。 図6〜10は、第1および第2の触知可能な指示器の突出部のための代替的な構成を示す、図1に示されるフィラメントの側面平面図である。 図11は、本開示のフィラメントの別の実施形態の側面平面図であり、第1端が第1の触知可能な指示器を有し、そして、第2端が第2の触知可能な指示器を有しており、この触知可能な指示器の各々が、少なくとも1つの刻み目を備える。 図12は、図11に示されるフィラメントの実施形態を示す側面平面図である。 図12Aは、第1の触知可能な指示器を示す、図12に示されるフィラメントの第1端の端面図である。 図12Bは、第2の触知可能な指示器を示す、図12に示されるフィラメントの第2端の端面図である。 図13は、本開示に従うフィラメントの代替的な実施形態の側面平面図である。 図14は、本開示に従うフィラメントのなお別の実施形態の側面平面図である。 図14Aは、第1の触知可能な指示器を示す、図14に示されるフィラメントの第1端の端面図である。 図14Bは、第2の触知可能な指示器を示す、図14に示されるフィラメントの第2端の端面図である。 図15は、本開示に従うフィラメントの代替的な実施形態の側面平面図である。 図16〜20は、第1および第2の触知可能な指示器の刻み目のための代替的な構成を示す、フィラメントの側面平面図である。 図16〜20は、第1および第2の触知可能な指示器の刻み目のための代替的な構成を示す、フィラメントの側面平面図である。 図16〜20は、第1および第2の触知可能な指示器の刻み目のための代替的な構成を示す、フィラメントの側面平面図である。 図16〜20は、第1および第2の触知可能な指示器の刻み目のための代替的な構成を示す、フィラメントの側面平面図である。 図16〜20は、第1および第2の触知可能な指示器の刻み目のための代替的な構成を示す、フィラメントの側面平面図である。 図21〜24は、フィラメントの両端に関連付けられた突出部を備える第1および第2の触知可能な指示器を組み込んだ、本開示に従うフィラメントの側面平面図である。 図21〜24は、フィラメントの両端に関連付けられた突出部を備える第1および第2の触知可能な指示器を組み込んだ、本開示に従うフィラメントの側面平面図である。 図21〜24は、フィラメントの両端に関連付けられた突出部を備える第1および第2の触知可能な指示器を組み込んだ、本開示に従うフィラメントの側面平面図である。 図21〜24は、フィラメントの両端に関連付けられた突出部を備える第1および第2の触知可能な指示器を組み込んだ、本開示に従うフィラメントの側面平面図である。 図25は、フィラメントの第1端および第2端のうちの一方と同じ機構の輪郭を画定する細長の本体または中心部分を備える、本開示に従うフィラメントのさらなる実施形態の側面平面図である。 図26は、本開示に従うフィラメントの代替的な実施形態の側面平面図である。 図27は、第1の触知可能な指示器を備える第1端と第2の触知可能な指示器を備える第2端とを有するフィラメントと混合された複数の繊維を備える、外科処置の間に使用するための縫合糸の側面平面図である。 図28は、図27に示される縫合糸の代替的な実施形態の側面平面図である。 図29は、一対の係留部材と関連して示される、図1に示されるフィラメントの側面断面図である。 図30は、外科用針と関連して示され、かつ、組織セグメントを結び付ける方法を示す、図1に示されるフィラメントの斜視図である。
詳細な説明
図面および以下の明細書(類似の参照記号は、類似もしくは同一の要素を同定する)において、用語「フィラメント」は、組織を接合するという意図された目的のために適した任意の細長の部材(縫合糸、結紮糸および外科用テープが挙げられるがこれらに限定されない)を指すものとして理解されるべきである。さらに、用語「組織」は、あらゆる身体の組織(皮膚、筋膜、靭帯、腱、筋肉および骨が挙げられるがこれらに限定されない)を指すものとして理解されるべきである。
図1は、一般に記号100により参照される、フィラメントの一実施形態を示す。フィラメント100は、あらゆる適切な生分解性もしくは非生分解性の材料から形成され得る。本開示のフィラメントを構築するために使用され得る適切な生分解性材料としては、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、バレロラクトン、カーボネート(例えば、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネートなど)、ジオキサノン(例えば、1,4−ジオキサノン)、1,ジオキセパノン(例えば、1,4−ジオキセパン−2−オンおよび1,5−ジオキセパン−2−オン)、エチレングリコール、エチレンオキシド、エステルアミド、γ−ヒドロキシ吉草酸塩、β−ヒドロキシプロピオネート、α−ヒドロキシ酸、ヒドロキシ酪酸塩(hydroxy buterate)、ポリ(オルトエステル)、ヒドロキシアルカノエート、チロシンカーボネート、ポリイミドカーボネート、ポリイミノカーボネート(例えば、ポリ(ビスフェノール A−イミノカーボネート)およびポリ(ヒドロキノン−イミノカーボネート))、ポリウレタン、ポリ無水物、ポリマー薬物(例えば、ポリジフルニソール、ポリアスピリンおよびタンパク質治療薬)のようなポリマー、ならびに、これらのコポリマーおよび組み合わせが挙げられる。適切な天然の生分解性ポリマーとしては、コラーゲン、セルロース、ポリ(アミノ酸)、多糖類、ヒアルロン酸、カイコのてぐす(silk gut)、これらのコポリマーおよび組み合わせが挙げられる。本開示のフィラメントを構築するために使用され得る適切な非生分解性材料としては、フッ素化ポリマー(例えば、フルオロエチレン、プロピレン、フルオロPEG)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、ナイロン、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリブトエステル、ポリアリールエーテルケトン、鋼、これらのコポリマーおよび組み合わせが挙げられる。さらに、非生分解性のポリマーおよびモノマーは、複合フィラメントを作り出すために、互いに組み合わされ得、そしてまた、種々の生分解性のポリマーおよびモノマーと組み合わされ得る。
望ましくは、フィラメント100は、フィラメント100が、組織の隣接するセクションを一緒に接合するために医師によって操作され得るように、可撓性の基準を有する。例示的な例として、フィラメント100は、従来の縫合技術を用いて、切開、創傷などを修復または閉鎖するために使用され得る。
フィラメント100は、第1端102と、第2端104と、これらの間を延びる細長の本体または中央部分106とを備える。第1端102は、第1の触知可能な指示器108を備え、そして、第2端104は、第2の異なる触知可能な指示器110を備える。触知可能な指示器108、110は、医師によって触覚的に弁別可能なあらゆる構造を備え得る。異なる触知可能な指示器108、110を組み込むことで、フィラメント100の両端102、104の間を、触覚的な係合により区別する方法を提供する。
図1に見られるフィラメント100の実施形態では、第1の触知可能な指示器108および第2の触知可能な指示器110の各々は、フィラメント100の外側表面114から外向きに延びる1以上の隆起した突出部112を備える。しかし、触知可能な指示器108、110は、備えている突出部112の数が異なる。示されるように、第1の触知可能な指示器108は、単一の突出部112を備えるのに対し、第2の触知可能な指示器110は、一対の突出部112を備える。突出部112は、フィラメント100の代替的な実施形態において、より多い数またはより少ない数で存在し得ることが理解されるべきである。
図2〜24は、フィラメント100の種々の実施形態を示し、この各々は、種々の触知可能な指示器の組み込みに寄与し得る、その両端の特異的な機構の輪郭を除いて、図1に見られるフィラメント100と同様である。したがって、フィラメント100の各実施形態は、その備えている触知可能な指示器に関してのみ考察される。
図2〜2Bは、第1の触知可能な指示器208および第2の触知可能な指示器210を備えるフィラメント200を示しており、この指示器208、210は、1以上の突出部212を備えている。異なる数の突出部112を有する指示器108、110を備える図1に見られるフィラメント100とは対照的に、触知可能な指示器208、210の各々は、同一の数の突出部212を備える。しかし、触知可能な指示器208、210は、サイズの異なる突出部212を備えていることにより、互いに区別される。あるいは、触知可能な指示器208、210は、異なる相対的な間隔または異なる構成を有する突出部212を備え得る。
図2〜2Bに見られるように、一実施形態では、触知可能な指示器208、210の各々は、距離「C」だけ互いに等しく間隔を空けた3つの突出部212を備える。この実施形態では、第1の指示器208および第2の指示器210は、備えている突出部212のサイズが異なる。第1の触知可能な指示器208は、第1の高さ「H」を画定するようにフィラメント200の外側表面214から外向きに延びる突出部212を備えるのに対し、第2の触知可能な指示器210は、第2のより高い高さ「H」を画定するように外側表面214から外向きに延びる3つの突出部212を備える。フィラメント200の外周に沿って延びるように示されているが、突出部212は、あるいは、図3に見られるように、互いに軸方向に間隔を空けるように、フィラメント200の長さに沿って延び得る。
図4〜4Bは、フィラメント300として参照されるフィラメントの別の実施形態を示し、第1の触知可能な指示器308および第2の触知可能な指示器310の各々が実質的に同一の高さ「H」を画定する3つの突出部312を備えている。この実施形態では、触知可能な指示器308、310は、隣接する突出部312の間の距離または間隔によって区別される。第1の触知可能な指示器308が、間に第1の距離「C」を画定するようにフィラメント300の外周に沿って間隔を空けられた突出部312を備えるのに対し、第2の触知可能な指示器310は、間に第2のより長い距離「C」を画定するようにフィラメント300の外周に沿って間隔を空けられた突出部312を備える。あるいは、図5に見られるように、突出部312は、フィラメント300の第1端302において間に第1の距離「L」を、そして、第2端304において間に第2のより長い距離「L」を画定するように、互いから直線的に間隔を空けられ得る。
図1〜5に見られる突出部(例えば、突出部112(図1))は、実質的に半球の隆起部116として示されているが、突出部112は、医師によって触覚的に弁別可能な構造を提供するという意図された目的のために適切なあらゆる構成を画定し得る。例示的な例として、代替的な実施形態では、突出部112は、図6に見られるようなフィン118、図7に見られるような線形のリブ120、または、図8に見られるような環状のリブ122を画定し得る。
ここで、図9を参照すると、フィラメント400として参照されるフィラメントの別の実施形態が示され、第1の触知可能な指示器408および第2の触知可能な指示器410が、等しい数の突出部412を備える。この実施形態では、触知可能な指示器408、410は、備えている突出部412の構成によって区別される。例えば、図9に見られる実施形態では、第1の触知可能な指示器408は、上述の隆起部416として構成された突出部412を備えるのに対し、第2の触知可能な指示器410は、環状のリブ422を画定する突出部412を備える。図10は、フィラメント500によって画定される長手方向軸「A」に対して第1の角度αで下側に延びているフィン518を画定する突出部512を持つ第1の触知可能な指示器508と、長手方向軸「A」に対して第2の異なる角度βで下側に延びているフィン518を画定する突出部512を持つ第2の触知可能な指示器510とを備える、フィラメント500の別の例を示す。
図11は、フィラメント600として参照されるフィラメントのなお別の実施形態を示し、第1の触知可能な指示器608および第2の触知可能な指示器610の各々が、フィラメント600の外側表面614から内向きに延びる1以上の刻み目624を備えている。しかし、第1の触知可能な指示器608と第2の触知可能な指示器610とは、備えている刻み目624の数が互いに異なる。示されるように、第1の触知可能な指示器608が、単一の刻み目624を備えるのに対し、第2の触知可能な指示器610は、一対の刻み目624を備える。刻み目624は、フィラメント600の代替的な実施形態において、より多い数またはより少ない数で存在し得ることが理解されるべきである。
図12〜12Bは、第1の触知可能な指示器708および第2の触知可能な指示器710を持つフィラメント700を示し、これらの指示器708、710もまた1以上の刻み目724を備える。異なる数の刻み目612を有する指示器608、610を備える図11に見られるフィラメント600とは対照的に、フィラメント700の第1の触知可能な指示器708と、第2の触知可能な指示器710とは、サイズの異なる同一の数の刻み目724を備える。あるいは、触知可能な指示器708、710は、異なる相対的な間隔または異なる構成を有する刻み目724を備え得る。
一実施形態では、触知可能な指示器708、710の各々は、距離「C」だけ互いに等しく間隔を空けた3つの刻み目724を備える。この実施形態では、第1の指示器708および第2の指示器710は、備えている刻み目724のサイズによって互いに区別される。第1の触知可能な指示器708は、第1の寸法「D」を画定する刻み目724を備えるのに対し、第2の触知可能な指示器710は、第2のより大きな寸法「D」を画定する3つの刻み目724を備える。フィラメント700の外周に沿って延びるように示されているが、刻み目724は、あるいは、図13に見られるように、互いに軸方向に間隔を空けるように、フィラメント700の長さに沿って延び得る。
図14〜14Bは、フィラメント800として参照されるフィラメントの別の実施形態を示し、触知可能な指示器808、810が実質的に同一の寸法「D」を画定する刻み目824を備えている。この実施形態では、触知可能な指示器808、810は、隣接する刻み目824の間の距離によって互いに区別される。第1の触知可能な指示器808が、間に第1の距離「C」を画定するようにフィラメント800の外周に沿って間隔を空けられた刻み目824を備えるのに対し、第2の触知可能な指示器810は、間に第2のより長い距離「C」を画定するようにフィラメント800の外周に沿って間隔を空けられた刻み目824を備える。あるいは、図15に見られるように、第1の触知可能な指示器808が、間に第1の距離「L」を画定するようにフィラメント800の長さに沿って互いに直線的に間隔を空けられた3つの刻み目824を備え得るのに対し、第2の触知可能な指示器810は、第2のより長い距離「L」だけ互いに間隔を空けられた3つの刻み目824を備え得る。
図11〜15に見られる刻み目(例えば、刻み目624(図11))は、実質的に半球の陥凹626として示されているが、刻み目624は、医師によって触覚的に弁別可能な構造を提供するという意図された目的のために適切なあらゆる構成を画定し得る。例示的な例として、刻み目624は、図16に見られるような実質的に三角形の構成628、図17に見られるような線形のチャネル630、または、図18に見られるような弧状のチャネル632を画定し得る。
ここで、図19を参照すると、等しい数の刻み目924を持つ第1の触知可能な指示器908および第2の触知可能な指示器910を有する、フィラメント900として参照されるフィラメントの別の実施形態が示される。しかし、触知可能な指示器908、910は、備えている刻み目924の構成が異なる。例えば、図19に見られる実施形態では、第1の触知可能な指示器908が、上述の同じ実質的な半球の陥凹926を画定する刻み目924を備えるのに対し、第2の触知可能な指示器910は、弧状のチャネル932を画定する刻み目924を備える。
ここで、図20を参照して、第1の触知可能な指示器1008と第2の触知可能な指示器1010とを備える、参照記号1000によって参照されるフィラメントの一実施形態が開示される。第1の触知可能な指示器1008は、実質的に滑らかな表面1034を備えるのに対し、第2の触知可能な指示器1010は、ギザギザもしくは傷のついた表面1036を備えており、その結果、医師は、フィラメント1000の第1端1002と第2端1004との間を区別し得る。
ここで、図21〜24を参照して、フィラメントのさらなる実施形態が考察される。フィラメント1100は、第1の触知可能な指示器1108および第2の触知可能な指示器1110を組み込み、これらの指示器1108、1110は、それぞれ、フィラメント1100の第1端1102および第2端1104を越えて延びる突出部1112を備える。突出部1112は、例えば、図21〜22に示されるように、フィラメント1100の第1端1102および第2端1104から延び得る。あるいは、第1の触知可能な指示器1108および第2の触知可能な指示器1110のいずれかもしくは両方が、それぞれ、フィラメント1100の第1端1102および第2端1104と一体的に形成された突出部1112を備え得ることが想定される。例えば、図23は、第1端1102から延びる突出部1112を備える第1の触知可能な指示器1108と、第2端1104と一体的に形成された突出部1112を備える第2の触知可能な指示器1110とを組み込んだフィラメント1100を示しているのに対し、図24は、第1端1102と一体的に形成された複数の突出部1112を備える第1の触知可能な指示器1108と、第2端1104から延びる単一の突出部1112を備える第2の触知可能な指示器1110とを組み込んだフィラメント1100を示す。
触覚的な係合によるフィラメント1100の両端1102、1104の間の区別を容易にするために、第1の触知可能な指示器1108および第2の触知可能な指示器1110は、図21および24に示されるように、異なる数の突出部1112を備え得る。一例として図21に示されるフィラメント1100の実施形態を具体的に参照すると、第1の触知可能な指示器1108は、単一の突出部1112を備えるものとして示されるのに対し、第2の触知可能な指示器1110は、一対の突出部1112を備えるものとして示される。あるいは、第1の触知可能な指示器1108および第2の触知可能な指示器1110は、図22および23に示されるように、同じ数の突出部1112を備え得る。この場合、フィラメント1100の両端1102、1104の間の区別を容易にするために、第1の触知可能な指示器1108は、ある構成を画定する突出部1112を備え、そして、第2の触知可能な指示器1110は、別の異なる構成を画定する突出部1112を備える。図22に示されるフィラメント1100の実施形態を具体的に参照すると、第1の触知可能な指示器1108は、ループ1114として構成される突出部1112を備えるのに対し、第2の触知可能な指示器1110は、矢印形状の部材1116として構成される突出部1112を備える。フィラメント1110の代替的な実施形態では、突出部1112は、医師がフィラメントの両端1102、1104の間を触覚的な係合により区別することを可能にするという意図された目的のために適した任意の様式で構成され得る。
上記実施形態の各々は、フィラメントの第1端および第2端の各々とは異なる機構の輪郭を示す細長の本体を備えるものとして示されてきたが(例えば、図1に見られるフィラメント100の細長の本体106は、第1の触知可能な指示器108および第2の触知可能な指示器110に寄与し得る第1端102および第2端104の織目を出された機構の輪郭とは対照的に、実質的に均一な機構の輪郭を画定する)、第1端および第2端のいずれかと同じ機構の輪郭を示す細長の本体を備えるフィラメントもまた、本開示の範囲内である。例えば、図25は、単一の線形の突出部1212を有する第1の触知可能な指示器1208を持つ第1端1212と、これもまた単一の線形の突出部1212を備える細長の本体1206と、一対の線形の突出部1212を有する第2の触知可能な指示器1210を持つ第2端1204とを備えるフィラメント1200を示す。あるいは、図26に見られるように、図20に関して上述されたように、実質的に滑らかな表面1334を画定する第1の触知可能な指示器1308を有する第1端1302と、ギザギザの表面1336を備える細長の本体1306と、これもまたギザギザの表面1336を備える第2の触知可能な指示器1310を有する第2端1304とを備えるフィラメント1300が開示される。
再度図1を参照して、フィラメント100の製造方法が記載される。最初に、その意図される使用に依存して多様であり得るある長さのフィラメント100が提供される。その後、触知可能な指示器108、110が、フィラメント100の第1端102および第2端104に形成される。触知可能な指示器108、110は、任意の適切な方法(成形、鋳造、押出し、レーザ整形、または、フライス削りおよび/もしくは研削のような機械的プロセスが挙げられるがこれらに限定されない)によって形成され得る。
ここで、図27〜28を参照して、縫合糸1400が開示される。縫合糸1400は、本明細書において上述されたフィラメントのいずれかと混合された1以上の繊維1500を備える。フィラメントは、図1〜25の実施形態に示されるフィラメントのいずれか、または、これらの組み合わせであり得る。例えば、一実施形態では、縫合糸1400は、繊維1500と、図1に関して考察されたフィラメント100とを備える。繊維1500とフィラメント100とは、間に複数の隙間1438を画定するように配置され、そして、この意図された目的に適した任意の様式(ブレーディング、絡ませること(entangling)、織ること、または、繊維1500とフィラメント100とを混合すること(comingling)が挙げられるがこれらに限定されない)で配置され得る。繊維1500およびフィラメント100は、図27に見られるように、ブレーディングされた構成で配置されても、あるいは、繊維1500およびフィラメント100は、図28に見られるように、ゆるく撚り合わされてもよい。縫合糸1400は、繊維1500の間に単一のフィラメント100のみを含むものとして示されているが、代替的な実施形態では、縫合糸1400は、より多い数のフィラメント100を備え得る。上述のように、縫合糸1400は、上述のフィラメントのうち任意の1以上を含み得ること、そして、示される実施形態に限定されないことが想定される。
縫合糸1400を製造するためには、最初に、ある長さのフィラメント100(図1)が、先に記載されたように、その両端102、104に、触知可能な指示器108、110を画定するように加工される。その後、フィラメント100と繊維1500とは、これらの間に複数の隙間1438が画定されるように配置される。
ここで、図29を参照すると、本明細書において上述されたフィラメントのいずれか(例えば、図1に関して記載されるフィラメント100、または、図27〜28に関して記載される縫合糸1400)は、示されるようなカニューレに挿入される種類、または、カニューレに挿入されない種類、のいずれかの1以上の係留部材1600と組み合わせて使用され得る。先の実施形態のいずれかに記載される任意のフィラメントは、係留部材が骨および/または組織内に埋め込まれたときに、フィラメントの両端の上の触知可能な指示器が露出されるように、この実施形態の係留部材1600と組み合わせて使用され得ることが想定される。係留部材1600は、その挿入を容易にするために、その下側の端1602付近が少なくとも部分的にテーパー状になった構成を画定しているが、テーパー状になっていない構成もまた、本開示の範囲内である。代替的な実施形態では、下側の端1602は、示されるように実質的に鈍らでも、または、組織の貫通を容易にするために鋭くてもよい。複数の係留部材1600(すなわち、フィラメント100の両端102、104に1つの係留部材1600が取り付けられる)を備えるこれらの実施形態では、係留部材1600は、示されるように実質的に同一であっても、あるいは、係留部材1600は、異なる寸法を画定するか、そして/または、異なる材料を備えているかのいずれかであってもよい。各係留部材1600は、組織内への係留部材1600の挿入を容易にし、そして、その後のその逆行を防ぐように位置を定められた少なくとも1つの棘1604を備える。係留部材1600の構造および/または機能に関するさらなる詳細は、Oberlanderに対する共有に係る米国特許第6,554,852号(その全内容が本明細書中に参考として援用される)を参照することから得られ得る。
ここで、図30を参照して、隣接する組織セグメント「T」および「T」を接合するための、外科用フィラメント(例えば、図1に関して上述される外科用フィラメント100)の使用方法が考察される。組織セグメント「T」、「T」の貫通を容易にするために、外科用フィラメント100は、外科用針1700に取り付けられる。外科用フィラメント100は、任意の適切な方法によって(例えば、外科用フィラメントの第1端102を、外科用針1700の近位端1704に設けられた穴1702内に挿入し、その後、外科用針1700の近位端1704をクリンプ留めすることによって)外科用針1700に取り付けられ得る。外科用針1700を外科用フィラメント100と一体的に形成することなどによる、外科用フィラメント100と外科用針1700とを取り付ける代替的な方法もまた想定される。次いで、組織セグメント「T」、「T」は、外科用針1700、したがって、外科用フィラメント100を、任意の適切な様式で、組織セグメント「T」、「T」を通して通過させることによって接合され得る。例えば、内部の手術領域において行われる処置の過程の間のように、可視性が制限される場合、触知可能な指示器108、110の異なる表面機構の輪郭は、医師が、外科用フィラメント100の両端102、104の間を区別することを可能にする。組織セグメント「T」、「T」が首尾よく接合された後、外科用針1700は、外科用フィラメント100から取り除かれ得、そして、外科用フィラメント100が結ばれ得る。
当業者は、本明細書中に具体的に記載され、さらに、添付の図面に示されるデバイスおよび方法が、非限定的でかつ例示的な実施形態としてみなされることが意図されること、そして、1つの例示的な実施形態に関連して示され、また、記載される特徴が、他の実施形態の特徴と組み合され得ることを理解する。さらに、当業者は、上記実施形態に基づいて、本開示のさらなる特徴および利点を理解する。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、具体的に示され、かつ説明されるものによっては制限されない。
摘要
本開示は、外科処置において使用するためのフィラメントに関する。フィラメントは、第1の触知可能な指示器を持つ第1端と、第2の異なる触知可能な指示器を持つ第2端とを備える。第1および第2の触知可能な指示器は、それぞれ、フィラメントの第1端および第2端に異なる表面機構の輪郭を与え、これらの間を触覚的な係合により区別する方法を提供する。
100:フィラメント
102:フィラメントの第1端
104:フィラメントの第2端
106:細長の本体または中央部分
108:第1の触知可能な指示器
110:第2の触知可能な指示器
112:突出部
116:隆起部

Claims (21)

  1. 外科処置の間に組織を接合するための外科用フィラメントであって、以下:
    第1端および第2端;ならびに
    該第1端および第2端のうちの少なくとも一方に備えられる触知可能な構造であって、触覚的な係合により該第1端と該第2端との間の区別を容易にする、触知可能な構造
    を備える、フィラメント。
  2. 請求項1に記載のフィラメントであって、前記触知可能な構造が、該フィラメントの第1端に備えられる第1の触知可能な指示器と、該フィラメントの第2端に備えられる第2の触知可能な指示器とを備え、該第1および第2の触知可能な指示器の各々が、該フィラメントが該第1端と該第2端との間に異なる構成を画定するように、異なる表面機構の輪郭を画定する、フィラメント。
  3. 請求項2に記載のフィラメントであって、前記第1および第2の触知可能な指示器の各々が、該フィラメントの外側表面の外向きに延びる少なくとも1つの突出部を備える、フィラメント。
  4. 請求項3に記載のフィラメントであって、前記第1および第2の触知可能な指示器の前記少なくとも1つの突出部が、少なくとも1つの棘を含む、フィラメント。
  5. 請求項3に記載のフィラメントであって、前記第1の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部が第1の構成を画定し、そして、前記第2の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部が第2の構成を画定し、該第1の構成と該第2の構成とが異なる、フィラメント。
  6. 請求項3に記載のフィラメントであって、前記第1および第2の触知可能な指示器が、異なる数の突出部を備える、フィラメント。
  7. 請求項3に記載のフィラメントであって、前記第1および第2の触知可能な指示器が同じ数の突出部を備え、該第1の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部が第1の寸法を画定し、そして、該第2の触知可能な指示器の少なくとも1つの突出部が第2の寸法を画定し、該第1の寸法と該第2の寸法とが異なる、フィラメント。
  8. 請求項3に記載のフィラメントであって、前記第1および第2の触知可能な指示器の各々が、少なくとも2つの突出部を備え、該第1の触知可能な指示器の少なくとも2つの突出部が、該突出部間に第1の距離を画定し、そして、該第2の触知可能な指示器の少なくとも2つの突出部が、該突出部間に第2の距離を画定し、該第1の距離と該第2の距離とが異なる、フィラメント。
  9. 請求項2に記載のフィラメントであって、前記第1および第2の触知可能な指示器の各々が、該フィラメントの外側表面から内向きに延びる少なくとも1つの刻み目を備える、フィラメント。
  10. 請求項9に記載のフィラメントであって、前記第1の触知可能な指示器の少なくとも1つの刻み目が第1の構成を画定し、前記第2の触知可能な指示器の少なくとも1つの刻み目が第2の構成を画定し、該第1の構成と該第2の構成とが異なる、フィラメント。
  11. 請求項9に記載のフィラメントであって、前記第1および第2の触知可能な指示器が、異なる数の刻み目を備える、フィラメント。
  12. 請求項9に記載のフィラメントであって、前記第1および第2の触知可能な指示器が同じ数の刻み目を備え、該第1の触知可能な指示器が第1の寸法を画定する刻み目を備え、該第2の触知可能な指示器が第2の寸法を画定する刻み目を備え、該第1の寸法と該第2の寸法とが異なる、フィラメント。
  13. 請求項9に記載のフィラメントであって、前記第1および第2の触知可能な指示器の各々が、少なくとも2つの刻み目を備え、該第1の触知可能な指示器の少なくとも2つの刻み目が、該刻み目間に第1の距離を画定し、該第2の指示器の少なくとも2つの刻み目が、該刻み目間に第2の距離を画定し、該第1の距離と該第2の距離とが異なる、フィラメント。
  14. 前記第1端と第2端との間を延びる細長の本体をさらに備える、請求項1に記載のフィラメントであって、該細長の本体は、該フィラメントの第1端および第2端のうち少なくとも一方の上に備えられる前記触知可能な構造によって画定される前記表面機構の輪郭とは異なる表面機構の輪郭を画定する、フィラメント。
  15. 請求項2に記載のフィラメントであって、前記第1および第2の触知可能な指示器のうちの一方が、実質的に均一な表面機構の輪郭を画定する、フィラメント。
  16. 請求項1に記載のフィラメントであって、該フィラメントの前記第1端および第2端の各々の上に備えられる前記触知可能な構造が、少なくとも1つの突出部を備える、フィラメント。
  17. 請求項16に記載のフィラメントであって、前記第1端および第2端の各々の上に備えられる前記触知可能な構造が、同じ数の突出部を備え、該フィラメントの第1端の上に備えられる少なくとも1つの該突出部が、該フィラメントの第2端の上に備えられる少なくとも1つの該突出部と、構成が異なる、フィラメント。
  18. 請求項17に記載のフィラメントであって、該フィラメントの前記第1端の上に備えられる少なくとも1つの突出部がループとして構成され、そして、該フィラメントの前記第2端の上に備えられる少なくとも1つの突出部が矢印形状の部材として構成される、フィラメント。
  19. 請求項16に記載のフィラメントであって、該フィラメントの前記第1端の上に備えられる突出部の数が、該フィラメントの前記第2端の上に備えられる突出部の数と異なる、フィラメント。
  20. 請求項1に記載のフィラメントであって、該フィラメントに取り付けられた少なくとも1つの針をさらに備える、フィラメント。
  21. マルチフィラメント縫合糸であって、以下:
    少なくとも1つのフィラメントであって、該フィラメントは、該フィラメントの第1端の上に第1の触知可能な指示器を、そして、該フィラメントの第2端の上に第2の触知可能な指示器を備え、該第1および第2の触知可能な指示器の各々が、異なる表面機構の輪郭を画定する、少なくとも1つのフィラメントと;
    該少なくとも1つのフィラメントと混合された少なくとも1つの繊維と
    を備える、マルチフィラメント縫合糸。
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