JP2010017441A - 歩行補助具 - Google Patents

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善弘 長竹
Masayuki Masuda
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Abstract

【課題】老人や身体障がい者が歩行するときに使用される歩行補助具において、使用者が体を入れる左右の脚フレーム間の間隔を調節できるようにする。
【解決手段】上下方向に延びる前後2本の脚部22,23の上端部がハンドル24によって連結された左右一対の脚フレーム21,21と、これら脚フレーム21を、脚フレーム21の前方の脚部22で連結する第1連結杆32と、脚フレームのハンドル24の前方部分同士を連結する第2連結杆33を有し、第1連結杆32には、段階的な長さ調節を行う突部36と孔部37が備えられる一方、第2連結杆33には、無段階の長さ調節を行うロック部材33cが備えられた歩行補助具11。
【選択図】図1

Description

この発明は、たとえば老人や身体障がい者が歩行するときに使用される歩行補助具に関し、より詳しくは、使用者の体格に応じて幅調節ができるような歩行補助具に関する。
このような歩行補助具として、老人等の使用者が両手で掴んで体を支え、足を運ぶごとに歩行補助具の位置を前に進めて使用する、下記特許文献1に開示されているようなものが提案されている。
この歩行補助具は、略逆U字状に形成された左右一対のパイプ状本体を、パイプ状本体の前部において棒状の連結バーと連結部で連結して平面視コ字状にした構造である。左右一対のパイプ状本体は、平行に配設されている。
登録実用新案第3075015号公報
上記のような構造の歩行補助具を用いれば、使用者は自らの体を支えながら歩行をすることができる。
しかし、上記の連結バーと連結部の長さは一定である。使用者には既製の歩行補助具を使うか、自分の体格に合った歩行補助具をあつらえて使用するかしか、選択肢がなかった。
また、施設やレンタル業者にとっては、サイズの異なる複数種類の歩行補助具を用意することは、経済的な点からも保管上の点からも困難であるため、既製の一定幅のもので対応せざるを得なかった。
ところが、歩行補助具は上記のように、使用者が自らの体をパイプ状本体の間に入れて、両手でパイプ状本体の上端部を掴んで体重をかけて使用するものであるため、使用者の体格にあったものを使用することは大事である。体格に合わない歩行補助具を使用し続けると、使用者が体を楽に支えられなくて歩行が容易でなくなったり、体の他の部分に余計な負担を掛けることになったりするおそれがある。
そこでこの発明は、使用者の体格に応じて幅調節ができるようにすることを主たる目的とする。
そのための手段は、上下方向に延びる前後2本の脚部の上端部がハンドルによって連結された左右一対の脚フレームと、これら脚フレームを、脚フレームの前部において左右に連結する連結手段を有する歩行補助具であって、上記連結手段に、脚フレーム間の間隔を調節する長さ調節手段が設けられた歩行補助具である。
連結手段の長さ調節手段を利用して連結手段を適宜の長さにして、脚フレーム間の幅を使用者の体格に合わせて調節する。
ここで、上記の連結手段は、脚フレームの前方の脚部同士を連結する第1連結杆と、脚フレームのハンドルの前方部分同士を連結する第2連結杆を有し、第1連結杆の長さ調節手段が段階的な調節をするものである一方、第2連結杆の長さ調節手段が無段階の調節をするものであるとよい。
この場合には、第2連結杆における長さ調節手段のロック状態を解除して自由に伸縮するようにしてから第1連結杆の長さ調節手段による長さ調節を行う。すると第2連結杆の長さが自動的に定まるので、この状態で第2連結杆の長さ調節手段を固定する。
なお、連結杆をパイプ状の部材で構成する場合、左右の脚フレームが固定された固定式の場合には第1連結杆は1本でよく、左右の脚フレームが交互に動かせる交互式の場合には第1連結杆は2本以上で構成する。
また、上記の一対の脚フレームは、連結手段によって下側ほど開くハの字形に連結されるとよい。
この場合には、長さ調節のために不可欠なクリアランスが長さ調節手段にあっても、左右の脚フレームが外側に傾くことはなく荷重を良好に支えられ、安定性を確保できる。
以上のように、この発明によれば、連結手段の長さ調節手段により、左右の脚フレーム間の間隔を調節できるので、使用者の体格にあった歩行補助具にすることができる。このため、より使い易い歩行補助具となる。
また、施設やレンタル業者にとっては、大きさの異なる複数種類の歩行補助具を揃えなくてもよく、都合がよい。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は、歩行補助具11の斜視図、図2はその正面図であり、これらの図に示すように歩行補助具11は、左右一対の脚フレーム21,21と、これらの脚フレーム21,21を脚フレーム21の前部において下側ほど開くハの字形になるように左右に連結する連結手段31とを有する。図示例の歩行補助具11は、左右の脚フレーム21,21が固定されている固定式のものである。
そして、この歩行補助具11では、左右の脚フレーム21,21間の間隔が調節できるように構成されている。
上記の脚フレーム21は、全体として、上下方向に延びる前後2本の脚部22,23の上端部が水平方向に延びるハンドル24によって連結された逆U字状に、アルミ等の金属製のパイプによって形成されている。2本の脚部22,23は、下側ほど開くハの字形に配設され、各脚部22,23の長さ方向の中間部は、上端部のハンドル24と平行な第2ハンドル25によって強固に連結されている。
また、各脚部22,23の下端部には、脚キャップ26aを備えた補助脚部26が挿嵌されており、複数段階の高さ調節が可能である。
そして、ハンドル24の後部側の略半分の部分と、後方の脚部23の上端部を含む略横L字形の部分は、パイプ状のグリップ保有部材42で構成されている。このグリップ保有部材42は、脚フレーム21におけるその他の部分である脚フレーム本体21aに対して着脱可能である。また、グリップ保有部材42におけるハンドル側の部位には、上記のグリップ41が強固に一体に固定されている。
グリップ41には、PVA(ポリビニルアルコール)製やウレタン製の発泡樹脂や合成ゴムなどの適宜の材料からなるものを使用でき、歩行補助具11にふさわしいものを、機能性を重視して選定する。
脚フレーム本体21aにおけるグリップ保有部材42を取り付ける部分の端部間は、グリップ保有部材42と反対向きの横L字形をなす補強杆27で連結され、脚フレーム21の形態が保持されている。
脚フレーム本体21aにおけるグリップ保有部材42を取り付けるハンドル側端部21bと、脚部側端部21cには、グリップ保有部材42を固定するための固定手段としての挿入部51,52が備えられる。挿入部51,52は、グリップ保有部材42の両端の開口部42a,42b(図3参照)に挿入される部分である。
ハンドル側端部21bの挿入部は、予め突出した第1挿入部51で、脚部側端部21cの挿入部は、出没自在の第2挿入部52である。
第1挿入部51は、脚フレーム本体21aのハンドル側端部21b内に、別体のパイプ部材をその端部を突出した状態で装着すれば構成できる。
第2挿入部52は、図3に示したように、脚フレーム本体21aの脚部側端部21c内に摺動自在に収納される出没パイプ53と、これを突出方向に付勢する付勢手段としてのバネ54と、出没パイプ53の突出状態をロックするロック手段55で構成される。
すなわち、脚フレーム本体21aの脚部側端部21cにおける前面側には、ロック手段55の一部として、上端に円形の孔を備えた縦長溝状の切欠部56を有する。そして、脚フレーム本体21の脚部側端部21cの内側に収納される上記の出没パイプ53の前面側には、上記の切欠部56のうち、円形の孔部分に略対応する形状の挿入孔57が形成され、この挿入孔57が切欠部56の円形の孔部分に位置したときに上端部分が脚部側端部21cの上端から突出するように、出没パイプ53の長さは設定されている。
また、出没パイプ53の下端部には、上側バネ受け部材58が固定されている。上側バネ受け部材58は、上記のバネ54の上端を受ける受け部58aを下端に有し、この受け部58aの上側には、出没パイプ53内に嵌る嵌入部58bが形成されている。嵌入部58bは円柱状で、内部に挿入路58cと適宜のぬすみ58dを有する。
上記の出没パイプ53の挿入孔57に対応する部位には、内部にむけて延びる断面たてなが長方形の上記挿入路58cが形成され、挿入路58cの先端側の上方は開放されている。挿入路58cの基部側の上方部分は、上記ロック手段の一部としての規制段部58eである。すなわち、この挿入路58cにはロックピン59が挿入される。
ロックピン59は、板状で両側に凹みを有するつまみ部59aと、つまみ部59aの先端から突出する軸部59bとで構成され、軸部59bの基部は断面円形をなし、脚フレーム本体21aと出没パイプ53の肉厚を足した程度の長さの円柱状に形成され、それより先の部分は、略断面たてなが長方形に形成されて、上方に突出する係止爪59dと、この係止爪59dを上方に付勢するバネ部59eとを一体に上下に配設している。係止爪59dの基部側には、ロックピン59を引き出せるように傾斜面59fが形成されている。
つまり、ロックピン59を引き出すと、係止爪59dの傾斜面59fと規制段部58eとの協働により、ロックピン59が引っ込む方向に付勢される。また、ロックピン59を引き出すと、ロックピン59の軸部59bの基部59cが切欠部56の円形の孔部分から外れ、バネ54の付勢力に抗してロックピン59を押し下げれば、これに連動して出没パイプ53が下方へ移動し、脚フレーム本体21aの脚部側端部21c内に入り込むことになる。
上記のバネ54の下端は、図3に示したように、脚フレーム21の後方の脚部23内の適宜位置に固定された下側バネ受け部材60で受ける。
上記の連結手段31は、各脚フレーム21,21の前方の脚部22同士を連結する第1連結杆32と、ハンドル24の前方部分同士を連結する第2連結杆33で構成されている。
第1連結杆32は、複数段階に長さを調節できるようにしたもので、図4にも示したように、左右2個の第1連結杆担体32a,32bで構成されている。各第1連結杆担体32a,32bは、脚フレーム21の前方の脚部22に外嵌するパイプ状の支柱部34と、この支柱部34の長さ方向の中間部から延設されたアーム部35とを有し、各第1連結杆担体32a,32bのアーム部35が相互に嵌め合い可能な太さに設定されている。
アーム部35の太さが細いほうの一方の第1連結杆担体32aのアーム部35に、出没自在の突起36を備え、他方の第1連結杆担体32bのアーム部35には、上記の突起36が嵌合する複数の孔部37を長さ方向に沿って間隔を隔てて備えている。突起36は、先端が半球状に形成され、アーム部35内に収納されたU字状の板ばね36aによって突出方向に付勢されている。
第2連結杆33は、無段階(連続的)に長さを調節できるようにしたもので、左右2個の第2連結杆担体33a,33bで構成されている。各第2連結杆担体33a,33bは、ハンドル24の下にスペーサ38を介して回転可能に保持される、ハンドル24と平行をなす短い円柱状の取り付け部39と、この取り付け部39の先端に直角に連結されたアーム部40とを有し、各部材のアーム部40が相互に嵌め合い可能な太さに設定されている。
そして、太さの太いアーム部40を有した一方の第2連結杆担体33aの先端に、ロック部材33cが固定されている。ロック部材33cは、レバー33dを引き起こすとロックが解除され、レバー33dを倒すと内部のカム33eが他方の第2連結杆担体33bのアーム部40に圧接してロックがなされる構造である(図5参照)。
以上のように構成された歩行補助具11は、正面から見ても側面から見ても脚部22,23がハの字形に開いた形態をなしており、安定性が良好である。
使用に際しては、左右両側の脚フレーム21,21が体の両側に位置するように歩行補助具11のグリップ41を手で持って体を支える。このとき、使用者の体格に合わせて、脚フレーム21の高さを調節するとともに、左右の脚フレーム間の間隔を調節する。
脚フレーム21間の間隔の調節は、まず第2連結杆33の長さ調節手段であるロック部材33cのレバー33dを引き起こしてロックを解除して、自由な伸縮ができるような状態にしてから、第1連結杆32の長さ調節手段である突部36と孔部37による長さ調節を行う。突部36と孔部37による長さ調節を行うと、自動的に第2連結杆33の長さも変わる。そしてこの状態で、第2連結杆33のロック部材33cのレバー33dを倒してロックをかけると、脚フレーム21間の間隔が固定される。
このとき、一対の脚フレーム21は、連結手段31によって下側ほど開くハの字形に連結されるので、長さ調節のために不可欠なクリアランスが長さ調節手段にあっても、左右の脚フレーム21が外側に傾くことなく荷重を良好に支えられ、安定性を確保できる。
このようにして歩行補助具11の寸法を使用者に合わせた後、足の運びにしたがって、歩行補助具11を持ち上げては下ろし、進行方向に移動させてゆく。また、着座姿勢から歩行補助具11につかまって立とうとするときや、歩行補助具11によって起立した姿勢から着座姿勢に移行するときには、両側の第2ハンドル25を持って体を支える。
なお、第2ハンドル25は、一時的に使用する部分であって、この部分を持って歩行をすることはないので、グリップは不要であるが、装着しておくことも可能である。
上記のように各連結杆32,33により、左右の脚フレーム間の間隔を調節できるので、使用者の体格にあった歩行補助具にすることができ、より使い易い歩行補助具を得られる。また、施設やレンタル業者にとっては、大きさの異なる複数種類の歩行補助具を揃えなくてもよく、都合がよい。
使用によってグリップ41が汚れたり破れたりした場合や、好みの色に変える場合、使用者が代わる場合など、適宜の必要なときに、グリップ41を有するグリップ保有部材42を交換する。
交換は、ロックピン59のつまみ部59aを持って引っ張り、引っ張った状態のまま下に押し下げると、第2挿入部52が下がって、グリップ保有部材42の下側の端部の固定状態が解除される。このため、この状態のままグリップ保有部材42を第1挿入部51から抜き取ればよい。
グリップ保有部材42を取り付けるときには、まずロックピン59のつまみ部59aを持って引っ張って、そのまま下に押し下げて、第2挿入部52を後退させる。この状態で、グリップ保有部材42の上側の端部の開口部42aを第1挿入部51に挿嵌し、グリップ保有部材42の下側の端部の開口部42bを、後退した第2挿入部52に対応する位置に位置させて、ロックピン59の押し下げ状態を解除する。するとロックピン59と第2挿入部52はバネ54の付勢力で上方へ移動し、続いてロックピン59は規制段部58eと係止爪59dの傾斜面59fと、係止爪59dの下のバネ部59eの協働により引っ込み、第2挿入部52が突出した状態が保持される。
第1挿入部51と第2挿入部52の向きは異なるので、それぞれがグリップ保有部材42に挿入された状態となるだけで、グリップ保有部材42の固定ができ、その状態は強固なものとなる。しかも、第2挿入部52は、上記のようなロックピン59等で突出するように付勢され、その状態が保持されるので、安全性を確保できる。
そのうえ、一対の脚フレーム21,21は、正面から見ても側面から見ても下側ほど開くハの字形をなすので、グリップ保有部材42を持ち上げたときに、グリップ保有部材42が第2挿入部52からまっすぐに抜ける方向に力がかからないので、この点からも高い一体性を保てる。
また、グリップ41はグリップ保有部材42に一体に固定されているので、グリップ41のみを交換する場合のように、ハンドルに対するグリップの一体性が不測に損なわれるようなことはなく、安全性も高い。
また、グリップ41の交換ができるので、グリップ41には、機能性を重視した最適なグリップ41を使用できる。このため、使用者にとってより良い歩行補助具を提供できる。
なお、以上の説明では固定式の歩行補助具11の例を示したが、図6に示したような、左右の脚フレームを交互に動かせる交互式の歩行補助具11とすることもできる。この交互式の歩行補助具11では、第1連結杆32を2本備えるとともに、第2連結杆33における左右2個の第2連結杆担体33a,33bを、端部にアール部分を有するアーム部40で構成し、このアーム部のアール部分側の端部がハンドル24の下にスペーサ38を介して回転可能に保持されている。その他の部位については上記の構成と同一である。
この発明の構成と、上記の一形態の構成との対応において、
この発明の連結手段は、上記の第1連結杆32、第2連結杆33に対応し、
この発明の長さ調節手段は、上記の突部36及び孔部37、ロック部材33cに対応するも、
この発明は上記の構成のみに限定されるものではなく、その他の形態を採用することができる。
歩行補助具の斜視図。 歩行補助具の正面図。 グリップ部分の断面図。 第1連結杆の一部破断平面図。 第2連結杆の正面図。 他の例に係る歩行補助具の斜視図。
符号の説明
11…歩行補助具
21…脚フレーム
22,23…脚部
24…ハンドル
31…連結手段
32…第1連結杆
33…第2連結杆
33c…ロック部材
36…突部
37…孔部

Claims (3)

  1. 上下方向に延びる前後2本の脚部の上端部がハンドルによって連結された左右一対の脚フレームと、これら脚フレームを、脚フレームの前部において左右に連結する連結手段を有する歩行補助具であって、
    上記連結手段に、脚フレーム間の間隔を調節する長さ調節手段が設けられた
    歩行補助具。
  2. 前記連結手段が、脚フレームの前方の脚部同士を連結する第1連結杆と、脚フレームのハンドルの前方部分同士を連結する第2連結杆を有し、
    第1連結杆の長さ調節手段が段階的な調節をするものである一方、
    第2連結杆の長さ調節手段が無段階の調節をするものである
    請求項1に記載の歩行補助具。
  3. 前記一対の脚フレームが、連結手段によって下側ほど開くハの字形に連結された
    請求項1または請求項2に記載の歩行補助具。
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