JP2010017102A - 両軸受リールのスプール - Google Patents

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Abstract

【課題】両軸受リールのスプールにおいて、圧入される釣り糸係止ピンの圧入量を所定量に維持できるようにする。
【解決手段】両軸受リールのスプール4は、スプール本体9と釣り糸係止ピン23とを備えている。スプール本体は、糸巻胴部9aと第1及び第2フランジ部9b,9cと座繰り部9fとピン固定部9hとを有している。糸巻胴部は、スプール軸の外周面と内周面が隙間をあけて配置され外周に釣り糸を巻付可能な円筒状のものである。第1及び第2フランジ部は、糸巻胴部の両側に形成されている。座繰り部は、糸巻胴部の外周面に円形に凹んで形成され底面が平坦である。ピン固定部は、底面に糸巻胴部の径方向に沿って内周面に貫通して形成された貫通孔9iを有する。釣り糸係止ピンは、ピン固定部に圧入される第1軸部23aと、第1軸部より大径な第2軸部23bと、第2軸部より大径の頭部23cと、を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、スプール、特に、両軸受リールのスプール軸に連結されリール本体に対して回転自在な両軸受リールのスプールに関する。
両軸受リールには、リール本体に対して回転可能なスプールがスプール軸に連結されている。スプールは、スプール軸に連結され外周に釣り糸を巻付可能な円筒状の糸巻胴部と、糸巻胴部の両側に大径に形成されたフランジ部と、を有している。この種の両軸受リールのスプールにおいて、糸巻胴部に、釣り糸の端部を係止するため釣り糸係止ピンが固定されているものが知られている。特に、キャスティングに用いられる両軸受リールのように釣り糸が全長にわたり繰り出されるおそれがあるような両軸受リールには、釣り糸係止ピンが糸巻胴部に固定されている(例えば、特許文献1参照)。
従来のスプールは、スプール軸に回転自在に支持されており、糸巻胴部の内周面は、スプール軸の外周面と隙間をあけて配置されている。釣り糸係止ピンは、略同径の軸状部材であり、糸巻胴部に径方向に沿って形成された貫通孔に圧入等により固定されている。
特開2003−250406号公報
前記従来の釣り糸係止ピンを糸巻胴部に形成された貫通孔に圧入する際に、特に糸巻胴部の肉厚が薄い場合、釣り糸係止ピンを所定量より深く圧入するおそれがある。このように、釣り糸係止ピンを所定量より深く圧入すると、釣り糸係止ピンの糸巻胴部の外周面からの突出量が少なくなり、釣り糸を引っ掛けにくくなる。
本発明の課題は、円筒状の糸巻胴部を有する両軸受リールのスプールにおいて、圧入される釣り糸係止ピンの圧入量を所定量に維持できるようにすることにある。
発明1に係る両軸受リールのスプールは、両軸受リールのリール本体に対して回転可能であり、スプール軸に連結されたスプールであってスプール本体と、釣り糸係止ピンと、を備えている。スプール本体は、糸巻胴部と、第1及び第2フランジ部と、座繰り部と、固定部と、を有している。糸巻胴部は、スプール軸の外周面と内周面が隙間をあけて配置され外周に釣り糸を巻付可能な円筒状のものである。第1及び第2フランジ部は、糸巻胴部の両側に大径に形成されたものである。座繰り部は、糸巻胴部の外周面に円形に凹んで形成され底面が平坦なものである。固定部は、底面に糸巻胴部の径方向に沿って内周面に貫通して形成された貫通孔を有するものである。釣り糸係止ピンは、固定部に圧入により固定される第1軸部と、第1軸部より大径であり外周面に釣り糸の端部を係止可能な第2軸部と、第2軸部より大径の頭部と、を有し、釣り糸を係止するためのものである。
この両軸受リールのスプールでは、釣り糸係止ピンをスプールの糸巻胴部に圧入して固定する際には、釣り糸係止ピンの第1軸部を貫通孔にセットし頭部を押圧する。これにより、貫通孔内に第1軸部が圧入される。そして、第1部と第2軸部との境界部分の段差が座繰り部の底部に接触するとそれ以上圧入されなくなる。ここでは、大小2つの軸部を釣り糸係止ピンに形成し、第1軸部を貫通孔に圧入するように構成するとともに、座繰り部に平坦な底面を形成してしいる。このため、第1軸部と第2軸部との段差部分が底部に接触すると、釣り糸係止ピンの圧入を終了することができ、釣り糸係止ピンの圧入量を所定量に維持することができる。しかも、段差部分が平坦な底部に接触するで、段差部分と底面との間に隙間が生じにくくなり、段差部分と底面との間に釣り糸が噛み込みにくくなる。
発明2に係る両軸受リールのスプールは、発明1に記載のスプールにおいて、貫通孔は、底面の中心に形成されている。この場合には、貫通孔が底面の中心に形成されているので、釣り糸係止ピンと座繰り部との隙間が均等になる。
発明3に係る両軸受リールのスプールは、発明1又は2に記載のスプールにおいて、座繰り部は、糸巻胴部の外周面の軸方向の中央部に形成されている。この場合には、釣り糸係止ピンが糸巻胴部の中心に位置するので、第1及び第2フランジ部から釣り糸係止ピンまでの距離が同じになり、釣り糸を釣り糸係止ピンに結ぶ作業を行いやすくなる。
本発明によれば、大小2つの軸部を釣り糸係止ピンに形成し、第1軸部を貫通孔に圧入するように構成するとともに、座繰り部に平坦な底面を形成してしいる。このため、第1軸部と第2軸部との段差部分が底部に接触すると、釣り糸係止ピンの圧入を終了することができ、釣り糸係止ピンの圧入量を所定量に維持することができる。しかも、段差部分が平坦な底部に接触するで、段差部分と底面との間に隙間が生じにくくなり、段差部分と底面との間に釣り糸が噛み込みにくくなる。
本発明の一実施形態による両軸受リールは、図1から図3に示すように、釣り糸を釣り竿と食い違う軸回りに巻取可能な小型のレバードラグ型のものである。両軸受リールは、リール本体1と、リール本体1の側方に回動自在に配置されたドラグ調整レバー2を含むドラグ調整機構7と、ドラグ調整レバー2の下方でリール本体1に回転自在に支持されたハンドル3と、リール本体1の内部に配置されたスプール4とを備えている。また両軸受リールは、スプール4を回転自在に支持するスプール軸5と、スプール4の糸繰り出し方向の回転を制動するドラグ機構6と、を備えている。
<リール本体の構成>
リール本体1は、たとえばアルミニウム合金等の金属製の部材である。リール本体1は、フレーム10と、フレーム10の両側方を覆う第1及び第2側板13a,13bとを有している。なおこの実施形態では、第2側板13bは、フレーム10と一体形成されているが、別体でフレームに固定される構成でもよい。フレーム10は、ハンドル3側の第1筒部11aと、第1筒部11aとスプール軸方向に間隔を隔てて配置され第1筒部11aより小径の第2筒部11bと、両筒部11a,11bを前後及び下部で連結する複数の連結部12a〜12cと、を有している。たとえば第1筒部11aの外径は、第2筒部11bの外径の110%以上140%以下の範囲であり、この実施形態では第2筒部11bの径の110%〜120%となっている。複数の連結部12a〜12cは、第1及び第2筒部11a,11bと一体成形されており、下側の連結部12cは、図1及び図3に示すように、リールを釣り竿RDに装着するための前後に長い金属製の竿装着脚部8aが固定されている。竿装着脚部8aには、釣り竿RDを挟むロッドクランプ8bが対向して配置されている。
第1側板13aは、図1〜図3に示すように、第1筒部11bの側方に装着される円筒部14と、円筒部14の軸方向外方(図2右側)に突出する膨出部15とを有している。第2側板13bは、図1及び図3に示すように、第2筒部11bの側方に一体形成された側面視略円形の部材である。円筒部14及び第2側板13bは、それぞれ第1及び第2筒部11a,11bと略同径の側面視略円形の部材であり、第1側板13aの外径は第2側板13bの外径より大径になるように形成されている。たとえば円筒部14の外径は、第2側板13bの外径の110%以上140%以下の範囲であり、本実施形態では第2側板13bの外径の110%〜120%となっている。
膨出部15は、円筒部14と一体成形され、内部に円筒部14と連通する空間を有するように軸方向外方(図2右側)に突出して形成されている。膨出部15は、小円弧部と大円弧部とを有する側面視略雨滴形状の部材であり、下部の大円弧部が円筒部14より下方に突出するように形成されている。膨出部15には、ドラグ調整レバー2及びハンドル3が外方に露出するように装着されている。
膨出部15のドラグ調整レバー2の装着部分には、図4及び図5に示すように、ドラグ調整レバー2を回動自在に支持するとともにスプール軸5を支持するためのボス部34が他の部分より外方に階段状に突出して形成されている。ボス部34は、大径突出部34aと大径突出部34aから突出する小径突出部34bとを有する部分であり、大径突出部34aの内部には、後述する軸受20d(図5参照)が収納されている。ボス部34の内周側、具体的には、小径突出部34bの内周側には、後述するカム部材50(図5参照)を回転不能かつ軸方向移動自在に案内するガイド部材17が固定されている。
ガイド部材17は、第1側板13aのスプール軸5が貫通する小径突出部34bの内周側に第1側板13aを貫通してカシメ固定されている。ガイド部材17の外周面には、案内用の六角形のガイド部17aが形成され、内周面には、スプール軸5が通過可能な通過孔17bが形成されている。膨出部15のボス部34の前方には、ドラグ調整レバー2の最大ドラグ位置を規制するためのストッパ35が固定されている。ストッパ35は、ドラグ調整レバー2の後述するレバー部分47bに当接してドラグ調整レバー2の図2時計回りの回動を規制する。
<回転伝達系の構成>
膨出部15のドラグ調整レバー2の下方には、ハンドル3装着用の突出筒16が外方に突出して形成されている。突出筒16の内部には、図3及び図5に示すように、スプール4の回転軸であるスプール軸5に平行に筒状のハンドル軸31が配置されている。ハンドル軸31は、突出筒16の両端に配置された2つの軸受32、33により突出筒16に回転自在に支持されており、一方(図5左方)の軸端は軸受32より軸方向内側に突出して配置されている。ハンドル軸31の軸受32側の突出部分には、メインギア60が回転自在に装着されている。
ハンドル3は、図1から図3に示すように、ハンドル軸31の他方の端部(先端)に固定されている。ハンドル3は、ハンドル軸31の先端に固定されたハンドルアーム40と、ハンドルアーム40の先端に回動自在に支持されたハンドル把手41とを備えている。ハンドルアーム40は、ねじ部材42によりハンドル軸31の先端にハンドル軸31に一体回転可能に固定されている。ハンドル把手41は、力を入れて握りやすくするために、外形が丸みを帯びた略T字形状になるように形成されている。
メインギア60は、図5に示すように、回り止め部材63により回れ止めされてハンドル軸31と一体回転する。回り止め部材63は、ハンドル軸31に一体回転可能に連結されており、ハンドル軸31の一方の軸端にねじ込まれた固定ボルト65によりハンドル軸31に固定されている。回り止め部材63は、ハンドル軸31に一体回転可能に連結されるリング部63aと、リング部63aの外周部から径方向両側にL字状に屈曲してメインギア60を係止する1対の係止部63bとを有している。メインギア60には、係止部63bに係止される1対の係止孔60aが形成されている。メインギア60は、ピニオンギア61に噛み合っている。
ピニオンギア61は、スプール軸5の外周側にスプール軸5に対して回転可能に装着されている。ピニオンギア61は、第1側板13aのボス部34の大径突出部34aの内部に装着された軸受20dによりリール本体1に回転自在に支持されている。ピニオンギア61は、図6に示すように、メインギア60に噛み合うギア歯61aと、概ね矩形に形成されたディスク支持部61bと、を外周面に有している。ディスク支持部61bには、ギア歯61aを形成する際のギア切削工具の加工痕が残っている。また、内周面には、スプール軸5が貫通する貫通孔61cを有している。ピニオンギア61のディスク支持部61bには、ドラグ機構6を構成する後述する制動ディスク22の内周部が一体回転可能に連結されている。この結果、ハンドル3からの回転はメインギア60、ピニオンギア61、制動ディスク22を介して後述する摩擦ディスク21に伝達され、摩擦ディスク21からスプール4に伝達され、スプール4が回転する。また、ディスク支持部61bには、後述する第2ワンウェイクラッチ64を構成するばね支持板69も一体回転可能に装着されている。
<スプール軸及びその周辺の構成>
スプール軸5は、図3に示すように、リール本体1に軸方向移動可能かつ相対回転不能に支持された軸部材である。スプール軸5の図3左端は、第2側板13bの中心部に内向きに突出して形成されたボス部13cに軸方向移動自在かつ回転不能に支持されている。スプール軸5の左端側には、スプール軸5を回り止めするための回り止めピン5aがスプール軸5を貫通して配置されている。回り止めピン5aは、ボス部13cに形成された回り止め溝13dに係合している。
スプール軸5の外周には、スプール4を回転自在に装着するための軸受20a、20bと、制動ディスク22を回転可能に支持するための軸受20cが装着されている。
<ワンウェイクラッチの構成>
軸受32、33の間には、図5に示すように、ローラ型の第1ワンウェイクラッチ62が配置されている。第1ワンウェイクラッチ62は、ハンドル軸31の糸巻き取り方向の正転だけを許容し糸繰り出し方向の逆転を禁止する。また、スプール軸5の外周側には、爪式の第2ワンウェイクラッチ64が配置されている。第2ワンウェイクラッチ64はピニオンギア61を介してハンドル軸31の逆転を禁止するものである。
第1及び第2ワンウェイクラッチ62,64は、主にドラグ機構6を動作させるために使用される。第2ワンウェイクラッチ64は、図6に示すように、制動ディスク22に一体回転可能に連結されたラチェットホイール66と、ラチェットホイール66を係止するラチェット爪67と、ラチェット爪67を付勢するばね部材68と、ばね部材68を装着するためのばね支持板69と、を有している。
ラチェットホイール66は、外周面にラチェット爪67に噛み合う概ね鋸歯形状のラチェット歯66aが形成され、内周部に制動ディスク22に係合する係合突起66bが形成された板状の部材である。係合突起66bは、制動ディスク22の後述する本体部材25の端面に一体回転可能に連結されている。
ラチェット爪67は、第1側板13aの内側面にねじ込まれる回動軸65に回動自在に支持されている。ラチェット爪67は、回動軸65に支持される支持孔67aを有する回動支持部67bを基端部に有し、先端部にラチェットホイール66のラチェット歯66aに食い込む爪部67cを有している。中間部には、ばね部材68が係合する係合スロット67dが形成されている。ラチェット爪67は、ばね部材68の作用により、ラチェットホイール66に接触してラチェットホイール66の回転を禁止する接触位置と、それから離反してラチェットホイールの糸巻取方向の回転を静音化する離反位置との間で回動する。なお、第1側板13aの内側面に設けられた図示しない規制部により、ラチェット爪67の離反位置がラチェットホイール66から僅かに離反した位置に規制されている。
ばね部材68は、スプール4の糸巻取方向の回転のときにラチェット爪67をラチェットホイール66から離反させて第2ワンウェイクラッチ64の静音化を図るとともに、糸繰り出し方向の回転のときにラチェット爪67をラチェットホイール66に向けて付勢するためのものである。ばね部材68は、ばね性を有する金属線材製の部材であり、スプール4の回転方向に応じてラチェット爪67を異なる方向に付勢する。ばね部材68は、ばね支持板69の装着溝69aに摩擦係合するC字状の装着部68aと、装着部68aから径方向に延びるアーム部68bと、アーム部68bから屈曲してU字状に湾曲して係合スロット67dに係合する湾曲部68cと、を有している。ばね部材68は、スプール4が糸巻取方向に回転し、かつ制動ディスク22が同方向に回転すると、ラチェット爪67をラチェットホイール66から離反する方向に付勢する。また、スプール4が糸繰り出し方向に回転し、かつ制動ディスク22が同方向に回転すると、ラチェット爪67をラチェットホイール66に接近する方向に付勢する。これにより、制動ディスク22の糸繰り出し方向の回転を阻止する。
ばね支持板69は、円板状の部材であり、外周面にばね部材68の装着部68aが摩擦係合する装着溝69aが形成されている。内周部には、ピニオンギア61のディスク支持部61bに一体回転可能に連結される矩形の連結孔69bが形成されている。
<スプールの構成>
スプール4は、図7に示すように、スプール本体9と、スプール本体9に固定された釣り糸係止ピン23と、を有している。スプール本体9は、スプール軸5の外周面と内周面が隙間をあけて配置され外周面に釣り糸を巻付可能な円筒状の糸巻胴部9aと、糸巻胴部9aの両側に形成され糸巻胴部9aより大径の第1フランジ部9b及び第2フランジ部9cとを有している。また、スプール本体9は、糸巻胴部9aの外周面に形成された座繰り部9fと、座繰り部9fに形成されたピン固定部9hと、を有している。
スプール本体9は、軸受20a、20bによりスプール軸5に回転自在に支持されている。また、スプール4のハンドル3側には、ドラグ機構6が設けられている。さらに、スプール4の第2側板13b側には、スプール4の回転により発音するスプール発音機構18が設けられている。
座繰り部9fは、図7のG部に拡大して示すように、糸巻胴部9aの軸方向の中央部の外周面に円形に凹んで形成されている。座繰り部9fの底面9gは平坦であり、底面9gの中心に、貫通孔9iを有するピン固定部9hが形成されている。貫通孔9iは、底面9gから糸巻胴部9aの径方向に沿って糸巻胴部9aの内周面まで貫通して形成されている。
釣り糸係止ピン23は、釣り糸の先端を止めるためのものであり、糸巻胴部9aの軸方向の中央部の貫通孔9iに圧入固定されている。釣り糸係止ピン23は、貫通孔9iに圧入により固定される第1軸部23aと、第1軸部23aより大径であり外周面に釣り糸を、例えば結ぶなどにより係止可能な第2軸部23bと、第2軸部23bより大径の頭部23cと、を有している。
このように釣り糸係止ピン23に第1軸部23aと第1軸部23aより大径の第2軸部23bとを形成し、第1軸部23aを貫通孔に圧入するように構成するとともに、座繰り部9fに平坦な底面9gを形成してしいる。このため、第1軸部23aと第2軸部23bとの段差部分が底部9gに接触すると、釣り糸係止ピン23の圧入を終了することができ、釣り糸係止ピン23の圧入量を所定量に維持することができる。しかも、段差部分が平坦な底部9gに接触するで、段差部分と底面9gとの間に隙間が生じにくくなり、段差部分と底面9gとの間に釣り糸が噛み込みにくくなる。
第1フランジ部9bは第2フランジ部9cより大径であり、かつ外周面9dの軸方向長さが第2フランジ部9cの外周面9eの軸方向長さより長い。第1フランジ部9bの外側面には、ドラグ機構6を収納可能な収納空間36が形成されている。
第1及び第2フランジ部9b,9cは、第1筒部11a及び第2筒部11bに各別に進入している。第1筒部11aは、第1フランジ部9bが進入可能な円形の第1開口19aを有している。また、第1筒部11aは、第1開口19aの開口端に設けられ、開口端で第1フランジ部9bの外周面に対向して微小な隙間(たとえば、0.2mm〜0.7mm)を形成可能であり、かつ第1フランジ部9bの外周面より長さが短い第1対向部19cと、第1対向部19cよりスプール軸方向外側に第1対向部19cより大径に形成された第1逃がし部19eと、を有している。さらに第1筒部11aは、第1対向部19cのスプール軸方向内側に第1対向部19cより大径に形成された第1逃がし部19eを有している。なお、ここで、スプール軸方向内方とは、スプール本体9の軸方向の中心部(具体的には、前述した釣り糸係止ピン23が装着された部分)に向かう方向であり、スプール軸方向外方とはスプール本体9の中心部から離れる方向である。
第2筒部11bは、スプール本体9の小径の第2フランジ部9cが進入可能な円形の第2開口19bを有している。したがって、第2開口19bは第1開口19aより小径である。また、図7に示すように、第2筒部11bは、第2開口19bの開口端に設けられ、開口端で第2フランジ部9cの外周面に対向して微小な隙間(たとえば、0.2mm〜0.7mm)を形成可能であり、かつ第2フランジ部9cの外周面より長さが短い第2対向部19dと、第2対向部19dよりスプール軸方向外側に第2対向部19dより大径に形成された第2逃がし部19fと、を有している。さらに第2筒部11bは、第2対向部19dのスプール軸方向内側に第2対向部19dより大径に形成された第4逃がし部19hを有している。
このように、通常は、第2フランジ部9cより長さが長い第1フランジ部9bと第1開口19aとの対向部分の長さを短くしたので、液体がその隙間に浸入しても隙間が広い第1逃がし部19e側に流れやすくなる。このため、液体が第1開口19aと第1フランジ部9bとの隙間に浸入してもスプール4の自由回転が妨げられにくくなる。
なお、下側の連結部12cが形成された部分において第1及び第2筒部11a,11bの第1及び第2逃がし部19e,19f形成部分には、第1及び第2水抜き孔13e,13fが内外周面を貫通して径方向に沿って形成されている。第1及び第2水抜き孔13e,13fは、第1及び第2フランジ部9b,9cと第1及び第2開口19a,19bとの間から進入した液体を排出するためのものである。
<ドラグ調整機構の構成>
ドラグ調整機構7は、図3から図5に示すように、スプール軸5に装着されたスプール4の糸繰り出し方向への回転に加えられるドラグ力を変更、調整するためのものであり、ドラグ機構6を移動させる移動機構として機能する。なお、図3及び図5では、スプール軸5の軸芯Xの下側が最大ドラグ時のスプール軸5の軸方向位置を示し、上側がドラグ解除時の軸方向位置を示している。
ドラグ調整機構7は、ドラグ調整レバー2の回動をドラグ機構6のスプール軸方向への移動に変換するカム機構43と、カム機構43に設けられドラグ調整レバー2の回動を規制する回動規制部44(図10参照)と、ドラグ調整レバー2の回動により発音するレバー発音機構45と、を備えている。
<ドラグ調整レバーの構成>
ドラグ調整レバー2は、図2の時計回りに回動させるとドラグ力が強くなり、反時計回りに回動させるとドラグ力が弱くなる。又、実線で示す位置より僅かに時計回りに回動した位置がストライクポジションであり、2点鎖線で示す位置がドラグ解除位置であり、破線で示す位置が最大ドラグ位置である。ここで、ストライクポジションは、魚のヒットによる突然の強い引き込みにも釣り糸が切断せず、しかも魚の口に釣り針をしっかり刺すことのできるドラグ力に調整可能な位置であり、一般には釣り糸の切断強度の1/3程度の値である
ドラグ調整レバー2は、第1側板13aのボス部34の大径突出部34a及び小径突出部34bの外周面に回動自在に装着されている。ドラグ調整レバー2は、例えば、アルミニウム合金製のレバー本体47と、レバー本体47に圧入された、例えば亜鉛合金製のインサート部材48と、を有している。レバー本体47は、ボス部34の周囲に配置された筒状の基端部分47aと、基端部分47aから径方向外方に延びるレバー部分47bと、を有している。基端部分47aの内周面には、レバー部分47bとの境界部分におい斜めに切りかかれた切り欠き部47cが形成されており、そこにレバー発音機構45が装着されている。基端部分47aの内周面には、インサート部材48が圧入により固定されている。
インサート部材48は、大径突出部34a及び小径突出部34bに回動自在に支持される段付き筒状の部材であり、小径側の筒部48aの外周面には、例えば、カム機構43のカム受け部52を構成する2本のカム受けピン52aが径方向に沿って立設されている。図4に示すように、インサート部材48の小径側の筒部48aとボス部34の小径突出部34bとの間には回動方向に支持するためのラジアルブッシュ46aが配置されている。また、インサート部材48とボス部34の壁面34cとの間には軸方向に支持するためのスラストリング46bが装着されている。
<レバー発音機構の構成>
レバー発音機構45は、ドラグ調整レバー2の回動操作により発音するとともに、ドラグ調整レバー2を位置決めするものである。レバー発音機構45は、図4及び図5に示すように、ボス部34の大径突出部34aの外周面に装着された筒状の発音部材70と、発音部材70への衝突を繰り返す打撃部71と、を備えている。
発音部材70は、例えば、ポリアセタール等の比較的硬質で摺動性が高い合成樹脂製のリング形状の部材である。発音部材70は、スプール軸5の軸方向外方にいくほど小径となるように傾斜したコーン面70aと、コーン面70aに周方向沿って形成された凹凸部70bと、を有している。凹凸部70bは、コーン面70aに円弧状に凹んで形成されている。発音部材70は、大径突出部34aに回転不能かつ軸方向内方への移動が規制され軸方向外方への移動が自在な状態で装着されている。発音部材70は、膨出部15のボス部34形成部分の外壁面15aにより軸方向内方への移動が規制されている。外壁面15aには、回り止めのための回り止め穴15bが形成されており、発音部材70には、回り止め穴15bに係合する回り止め突起70cが形成されている。これにより、発音部材70の軸方向内方への移動が規制されるとともに、発音部材70が回り止めされる。しかし、発音部材70は軸方向外方への移動は規制されていない。
また、レバー発音機構45は、コーン面70aと実質的に直交する軸に沿ってドラグ調整レバー2の切り欠き部47cに形成された装着穴72aを有する装着部72をさらに有している。打撃部71は、コーン面70aに向けて進退可能に装着穴72aに装着された音出しピン73と、音出しピン73を凹凸部70bに向けて付勢するように装着穴72aに装着されたコイルばねの形態のばね部材74と、を有している。音出しピン73は、先端が球状の、例えば合成樹脂製のピン部材であり、基端部が先端部より小径に形成されている。その基端部の外周側にばね部材74が配置されている。
ここでは、発音部材70に軸方向外方にいくほど小径となるように傾斜したコーン面70aを形成し、そのコーン面70aに凹凸部70bを形成し、その凹凸部70bに打撃部71の音出しピン73が弾性的に接触している。このため、打撃部71により発音部材70を軸方向内方に付勢できるので、打撃部71により発音部材70を抜け止めできる。このため、抜け止め構造を設けることなくボス部34に発音部材70を装着できるようになる。
また、装着穴72aがコーン面70aと実質的に直交する軸に沿って形成されている。このため、ばね部材74で付勢された音出しピン73により軸方向外方への移動が自在な発音部材70を軸方向内方に向けて付勢できる。このため、ばね部材74により付勢された音出しピンにより発音部材を軸方向内方に付勢できるので、打撃部材により発音部材を抜け止めできる。この結果、さらに明瞭なクリック音が発せられるとともに、音出しピンによりさらに確実に発音部材を抜け止めできる。
また、装着穴72aが斜めに形成されているので、装着穴72aをドラグ調整レバー2の内側面に近い位置に形成しても、装着穴72aと内側面との間の距離が徐々に大きくなる。このため、装着穴72aを形成してもドラグ調整レバー2に薄肉部分が生じにくくなり、その部分の強度の低下を抑えることができる。
さらに音出しピン73が腐食しにくい合成樹脂製であるので、一度装着穴72aに装着すると取り出しにくい音出しピン73が腐食により装着穴72aに固着するおそれがなくなり、レバー発音機構45のメンテナンスが不要になる。
<カム機構の構成>
カム機構43は、カム面49を有するカム部材50と、ドラグ調整レバー2の調整範囲を設定するためのドラグ調整つまみ51と、カム面49に接触可能に設けられドラグ調整レバー2の図2時計回りの回動によりカム部材50を第1軸方向(図5右方)に移動させるカム受け部52と、ドラグ調整レバー2の図2反時計回りの回動によりカム部材50をドラグ調整つまみ51を介してカム受け部52に接触する第2軸方向に移動させる付勢部としてのコイルばねからなる第1付勢部材53と、を備えている。また、ドラグ調整機構7は、スプール4はスプール軸5に対して離反する方向(図3右方)に付勢する例えば4枚の皿ばねからなる第2付勢部材54を有している。
<カム部材の構成>
カム部材50は、例えばステンレス合金製の筒状の部材であり、図8及び図9に示すように、外筒部50aと内筒部50bと、外筒部50aと内筒部50bを連結する円板部50cと、を有している。外筒部50aの先端にカム面49が形成されている。また、外筒部50aの外周面には、Oリング56が装着される環状溝50dが形成されている。内筒部50bの内周面には、ガイド部材17の六角形のガイド部17aに係合する六角孔50eが形成されている。さらに、円板部50cの外側面には、後述するつまみ発音機構55を構成する音出し凹部50fが形成されている。
カム面49は、図8及び図10に展開して示すように、全体としてカム部材50の端面に沿って円弧状に徐々に突出高さが低くなる傾斜面で構成されており、180度間隔で同じ形状のものが2つ形成されている。カム面49の途中の規制位置Cの両側にドラグ調整レバー2の回動を規制する回動規制部44が形成されている。ここで、規制位置Cは、たとえば、カム面49の基準位置Aから25度から30度程度離れた位置である。
回動規制部44は、カム受けピン52aに向かって突出する規制突起44aを有している。規制突起44aは、規制位置Cに位置する頂点44bと、頂点44bからドラグ解除位置に相当する第1位置Bに向かう第1傾斜面44cと、頂点44bから第1位置Bと逆側に向かう第2傾斜面44dと、を有している。第1傾斜面44cの傾斜角度αは、第2傾斜面44dの傾斜角度βより小さい。例えばこの実施形態では、傾斜角度αは、14度であり、10度を超え18度以下の範囲が好ましい。第2傾斜面44dは、図10に二点鎖線で示したカム受けピン52aの半径と略同一の半径の円弧で形成されている。頂点44bで接する接線での傾斜角度βは、例えばこの実施形態では、20度であり、18度を超え25度以下の範囲が好ましい。規制突起44aにおいて、頂点44bのスプール軸方向の第1高さH1は、最大ドラグ位置に対応する第2位置Eの第2高さH2の半分より小さい。たとえば、この実施形態では、頂点44bの第1高さH1は、0.6mm〜0.8mmであり、第2位置Eの第2高さH2は、1.7mm〜2.mmである。なおこの実施形態では、第2位置Eは、基準位置Aから150度離れている。
ここでは、規制突起44aの頂点44bを挟む第1傾斜面44cと第2傾斜面44dにおいて、ドラグ解除位置側の第1傾斜面44cの傾斜角度αを第2傾斜面44dの傾斜角度βより小さくしている。このため、最大ドラグ位置側から回動規制部44までドラグ調整レバー2を回動させたときに、規制突起44aを超える手前でドラグ力が増加し、ドラグ解除位置への回動操作がその途中で行いにくくなる。また、ドラグ解除位置から回動規制部44に向かう回動操作では、第1傾斜面44cの傾斜が緩いので、ドラグ力の変化が少なくなり回動操作を行いやすくなる。
また、規制突起44aにおいて、頂点44bのスプール軸方向の第1高さH1は、最大ドラグ位置に対応する第2位置の第2高さH2の半分より小さい。このため、スプール軸5の最大移動量の半分以下の移動量となる位置に頂点44bが位置するので、規制時にスプール4に小さいドラグ力を作用させることができる。
カム面49は、第1位置Bと基準位置Aまで形成されスプール軸に実質的に直交して配置された第1平坦面49aと、第2位置Eから第4位置Fまで形成され第1平坦面49aと平行に配置され第1平坦面49aより軸方向に突出した第2平坦面49bと、第1平坦面49aと第2平坦面49bとをつなぐ第3傾斜面49cと、を含んでいる。規制突起44aは、第1平坦面49aと第3傾斜面49cとの間に突出して形成されている。
第3傾斜面49cは、この実施形態では、基準位置Aから100度の第3位置Dで傾斜角度が異なる第4傾斜面49dと第5傾斜面49eとで構成されている。第4傾斜面49dの傾斜角度γは、3度を超えて4度以下であり、第5傾斜面49eの傾斜角度δは、第4傾斜面49dより小さく2度を超えて3度以下である。第3位置Dには、ストライクポジションを報知するための円弧状に僅かに(例えば、0.05mm〜0.2mmの範囲)凹んだ凹み部49fが形成されている。この凹み部49fもカム受けピン52aと略同一の半径で形成されている。ストライクポジションを越えると傾斜角度が小さくなるので、ストライクポジションを通過するとドラグ力の増加割合が小さくなる。
基準位置Aから第4位置Fまでの角度は、たとえば170度である。この第4位置Fには、スプール軸と平行な規制壁49gが形成されている。規制壁49gでドラグ解除位置が規制され、ドラグ調整レバー2はそれ以上回動しない。しかし、最大ドラグ位置側では、前述したストッパ35がなければ、規制壁49gを超えて回動可能である。このため、ストッパ35で最大ドラグ位置以上にドラグ調整レバー2が回動しないように規制している。なお、規制壁49gにもカム受けピン52aと同径の円弧面が形成されている。
<その他のカム機構の構成>
ドラグ調整つまみ51は、図4及び図5に示すように、スプール軸5の先端に形成された雄ねじ部5cに螺合する部材である。ドラグ調整つまみ51は、ねじ込み量を調整することで、ストライクポジションでのドラグ力及びドラグ力の調整範囲を調整できる。ドラグ調整つまみ51には、操作時に発音するつまみ発音機構55が設けられている。つまみ発音機構55は、前述したカム部材50に形成された音出し凹部50fと、ドラグ調整つまみ51にスプール軸5に沿って形成された収納穴51aに音出し凹部50fに向けて進退自在に装着された音出しピン55aと、音出しピン55aを音出し凹部50fに向けて付勢するばね部材55bと、を有している。
カム受け部52は、前述したように、ドラグ調整レバー2のインサート部材48に立設された2本のカム受けピン52aを有している。カム受けピン52aは、たとえば、ステンレス合金製の棒状部材であり、インサート部材48の小径側の筒部48aの外周面にたとえば、圧入や接着などの適宜の固定手段により固定されている。このカム受けピン52aがカム面49に接触してカム部材50を移動させる。
第1付勢部材53は、軸受20bと軸受20cとの間でスプール軸5の外周に配置されている。第1付勢部材53は、スプール4をドラグ機構6から離反する方向に付勢して、カム部材50をカム受け部52に接触させている。第2付勢部材54は、軸受20aの軸方向外方(図3左側)のスプール軸5外周に配置されている。第2付勢部材54は、スプール軸5に対してスプール4を軸方向内方(図3右側)に付勢する。第2付勢部材54は、スプール軸5に装着された止め輪5bと軸受20aの間に配置されている。第1付勢部材53は、第2付勢部材54に比して付勢力が弱くなっている。このため、ドラグ調整時にスプール軸5が軸方向右方に移動すると、まず第1付勢部材53が圧縮し、次に第2付勢部材54が圧縮するようになっている。第2付勢部材54はドラグ力を滑らかに変化させるために設けられている。
<ドラグ機構の構成>
ドラグ機構6は、スプール4とスプール軸5方向に相対移動してスプール4の糸繰り出し方向の回転を制動するものである。ドラグ機構6は、図5及び図6に示すように、スプール4の第1フランジ部9b側に形成された円形の収納空間36に収納されている。ドラグ機構6は、スプール本体9と一体回転可能な摩擦ディスク21と、摩擦ディスク21と対向して配置された制動ディスク22と、収納空間36をスプール軸方向外方から覆うカバー部材26と、を有している。
摩擦ディスク21は、収納空間36内でスプール本体9の第1フランジ部9bの外側面に接触して配置されている。摩擦ディスク21は、外周面に内周側に凹んで少なくとも一つ(例えば4つ)の係合凹部21aを有する円板状の部材である。摩擦ディスク21は、カバー部材26によりスプール本体9と一体回転可能に連結されている。摩擦ディスク21は、たとえばカーボン繊維の織布にフェノール樹脂等の耐熱樹脂を含浸させた繊維強化樹脂等の耐熱合成樹脂製である。
カバー部材26は、円筒部26aと底部26bとを有する有底筒状の例えばアルミニウム合金等の金属製の部材であり、第1フランジ部9bの端面に、複数本のねじ部材(図5参照)28により固定されている。カバー部材26は、底部26bの中心に制動ディスク22の本体部材25が通過可能な通過孔26cを有している。円筒部26aは、収納空間36の内周面である第1フランジ部9bの内周面に嵌合する外周面26dを有している。円筒部26aは、カバー部材26が第1フランジ部9bに固定されたとき、その先端が摩擦ディスク21の側面に接近可能なスプール軸方向の長さを有している。円筒部26aの外周面26dには、外周面から円形に突出し、第1フランジ部9bの端面に密着可能な突出部26fが形成されている。突出部26fは、第1フランジ部9bの端面に対向して配置され、ねじ部材28(図7)が装着される複数のねじ通過孔26gが周方向に間隔を隔てて形成されている。第1フランジ部9bの端面には、ねじ部材28が螺合するねじ孔9j(図7)が形成されている。
また、カバー部材26は、円筒部26aの先端面に設けられ、係合凹部21aに係合する少なくとも一つの係合突起26eを有している。係合突起26eは、円筒部26aの先端に第1フランジ部9bの外側面に向けて周方向に間隔を隔てて突出して円弧状に複数(例えば4つ)形成されている。係合突起26eは、先端部と第1フランジ部9bの外側面との間に僅かな隙間が形成されるようなスプール軸方向の突出長さを有している。
制動ディスク22は、第2ワンウェイクラッチ64に連結されており、糸繰り出し方向の回転が禁止されている。制動ディスク22は、図5及び図6に示すように、摩擦ディスク21が圧接可能に配置されるドーナツ状の摺動ディスク24と、スプール軸5に軸方向移動不能かつ回転自在に装着された本体部材25とを有している。摺動ディスク24は、たとえばステンレス等の耐熱耐食金属製である。摺動ディスク24は、摩擦ディスク21よりやや小径であり、抜け止め部材27により本体部材25に抜け止めされている。摺動ディスク24は、中心に本体部材25に一体回転可能に係合する矩形の係合孔24aを有している。
本体部材25は、概ね筒状の例えばアルミニウム合金製合金製の部材である。本体部材25は、前述したように軸受20cによりスプール軸5に回転自在に支持されている。本体部材25のピニオンギア61側の内周面には、ピニオンギア61のディスク支持部61bが一体回転可能に係合する矩形の係合孔25a(図5)が形成されている。またピニオンギア61側の軸端面には、第2ワンウェイクラッチ64のラチェットホイール66を一体回転可能に連結するための連結溝25bが直径方向に沿って形成されている。この連結溝25bにラチェットホイール66の係合突起66bが係合することにより、ラチェットホイール66がピニオンギア61及び本体部材25と一体回転する。
本体部材25のピニオンギア61と逆側の外周面には、摺動ディスク24を一体回転可能に連結するための矩形の回り止め部25cが形成されている。この回り止め部25cに摺動ディスクの係合孔24aが係合して本体部材25と摺動ディスク24が一体回転する。また、回り止め部25cには、抜け止め部材27を装着するための環状溝25dが形成されている。さらに、回り止め部25cと連結溝25bとの間の外周面には、カバー部材26の内部をシールするシール部材29を装着するための環状の装着溝25eが形成されている。本体部材25は、ピニオンギア61に内周面で係合しているため、ピニオンギア61、軸受20dを介して、リール本体1により軸方向外方(図5右側)への移動が規制されている。
シール部材29は、外周部にリップ29aを有している。リップ29aは、図5のスプール軸芯Xの上側に示すドラグ解除状態のときには、カバー部材26に接触せず、スプール軸芯Xの下側に示す最大ドラグ状態になるとカバー部材26に接触して内部をシールするように構成されている。これにより、ドラグ解除状態に自由回転するときのスプール4の回転抵抗を減少させることができる。
このような構成のドラグ機構6を組み立てる際には、スプール4をスプール軸5に装着した後に、たとえば、カバー部材26側に制動ディスク22及び摩擦ディスク21を載置する。このとき、摩擦ディスク21の係合凹部21aとカバー部材26の係合突起26eとを係合させる。そして、スプール軸5を挿通して第1フランジ部9bの端面にカバー部材26の突出部26fを密着させる。このとき、突出部26fが密着しないときは、係合突起26eが係合凹部21aに正確に係合していないので、再度係合突起26eと係合凹部21aとを係合させる。最後にねじ孔9jとねじ通過孔26gとの位相を合わせてねじ部材28によりカバー部材26を第1フランジ部9bに固定する。これにより、摩擦ディスク26がスプール4に対して回り止めされる。なお、前述したように、係合突起26eが係合凹部21aに係合していないと、突出部26fと第1フランジ部9bの端面との間に隙間が生じるため、係合突起26eと係合凹部21aとが係合しているか否かが目視により簡単に把握できる。ここでは、収納空間36ではなくカバー部材26で摩擦ディスク21を回り止めしている。このため、収納空間36にカバー部材26の円筒部26aを嵌合させることができ、カバー部材26と収納空間36との隙間を小さくすることができる。しかも、突出部26fが第1フランジ部9bの端面に密着する。したがって、収納空間36をシールしやすい形状にしても摩擦ディスク21を回り止めできるようになる。
また、円筒部26aは、カバー部材26が第1フランジ部9bに固定されたとき先端が摩擦ディスク21の側面に接近可能なスプール軸方向長さを有しているので、制動ディスク22が摩擦ディスク21から離反しても摩擦ディスク21ががたつきにくくなる。
さらに、係合突起26eは、第1フランジ部9bの外側面との間に隙間が形成されるようなスプール軸方向の長さを有している。このため、カバー部材26を第1フランジ部9bに固定しても、係合突起26eの先端部が第1フランジ部9bの外側面に接触しなくなり、カバー部材26と収納空間36との隙間をさらに小さくすることができる。
<スプール発音機構の構成>
スプール発音機構18は、図8及び図11に示すように、スプール本体9の第2フランジ部9cの外側面に固定された発音部材75と、第2側板13bに発音部材75に接触する発音位置と離反する無音位置とに進退自在に装着された打撃部材76と、打撃部材76を移動させるかつまみ部材77と、打撃部材76を中立位置に付勢する付勢部材78と、を備えている。
発音部材75は、例えば合成樹脂製の部材であり、スプール本体9に固定される円板状の装着部75aと、装着部75aと一体形成され外周にギア歯形状の多数の凹凸が形成された凹凸部75bと、を有している。発音部材75は、スプール4とともに回転する。
打撃部材76は、例えば合成樹脂製の部材であり、つまみ部材77に揺動自在に支持される基端部76aと、基端部から延び先端が先細り形状に形成され凹凸部75bと衝突を繰り返す打撃部76bと、基端部76aと打撃部76bとの間に形成されたくびれ部76cとを有している。打撃部材76は、無音位置に退入したときに、第2筒部11bの第2逃がし部19fが形成された部分に配置されている。これにより、打撃部材を従来のものより径方向外方に配置することができ、発音部材75の大径化を図ることができる。このため、凹凸部75bが凹凸の数が多くなり、より細かなクリック音を発生させることができる。
つまみ部材77は、打撃部材76を発音位置と無音位置とに移動操作する部材である。つまみ部材77は、軸部77aと軸部77aの基端部に軸部77aより大径に形成されたつまみ部77bとを有する鍔付きの軸部材である。軸部77aは、第2側板13bの外側面に内側面に貫通して形成された長孔13gに案内される。軸部77aの先端に打撃部材76が揺動自在に連結されている。
付勢部材78は、例えば合成樹脂製の部材であり、円周の一部を切り欠いたような形状の対向部分78cを有するC字筒状のばね部78aと、ばね部78aの中間部分に板状に形成された取付部78bと、を有している。ばね部78aは、打撃部材76が発音位置に進出すると、対向部分78cの間に打撃部材76のくびれ部76cが接触可能である。取付部78bは中央部にねじ部材79が貫通する固定孔78dを有し、固定孔78dを挟んだ両側に位置決め用の1対の位置決め突起78e,78fを有している。固定孔78dは、第2側板13bの内側面に形成されねじ部材79が螺合するねじ孔13hに対向可能であり、位置決め突起78e,78fは、ねじ孔13hの両側に形成された位置決め孔13i,13jに係合する。これにより、位置決め精度が向上するとともに、従来は2本のねじ部材で固定されていた付勢部材を1本のねじ部材で固定でき、部品点数を削減できる。
<ドラグ力の調整範囲の設定操作>
このように構成された両軸受リールにおいて、ドラグ機構6のドラグ力の調整範囲を設定する場合には、ドラグ調整つまみ51を使用する。ドラグ調整つまみ51を反時計回りに回動させると、図5下側の軸方向左側に少しだけ移動しドラグ力の調整範囲が僅かに弱くなる方向にシフトする。また、ドラグ調整つまみ51を時計回りに回動させると図5下側の軸方向右側に少しだけ移動しドラグ力の調整範囲が僅かに強くなる方向にシフトする。具体的には、釣り糸の先に所定の質量の重りを結び、ストライクポジションにドラグ調整レバー2を操作した状態でそれを引っ張ったときに、ドラグが作動するようにドラグ調整範囲を調整する。
ドラグ機構6のドラグ力を強弱調整する場合には、ドラグ調整レバー2を回動させる。ドラグ調整レバー2を図2に二点鎖線で示す最も手前側の回動位置であるドラグ解除位置に配置すると、図10に示すように、カム受けピン52aは、ドラグ解除位置である第1平坦面49aに配置される。そこから、図2時計回りにドラグ調整レバー2を回動操作すると、カム受けピン52aがカム面49の規制突起44aの第1傾斜面44cに沿って移動し、頂点44bに至る。このとき、付勢力が弱い第1付勢部材53が圧縮してカム部材50がスプール軸方向外方(図3右側)に徐々に移動し、スプール軸5及びスプール4を徐々に図3右側に移動させる。
そして、通常のドラグ調整範囲の場合、頂点44bの手前側、具体的には、湾曲した第2傾斜面44dの最も低い位置より低い第1傾斜面44cの位置で摩擦ディスク21が制動ディスク22に接触しドラグ力が発生する。そして、規制突起44aの頂点44bに分かって徐々にドラグ力が増加し、頂点44bを越えると、一旦ドラグ力は弱まる。しかし、第2傾斜面44dの最も低い位置を越えると第3傾斜面49cにカム受けピン52aが接触してドラグ力が徐々に上昇する。そして第2平坦面49bに至るとドラグ調整範囲の最大ドラグ力になる。この頂点44bを越えるまでの回動操作において、第1傾斜面44cが第2傾斜面4dより傾斜角度が小さい(角度α<角度β)ので、ドラグ力の増加の割合が小さくなり回動操作を行いやすくなる。
制動ディスク22が摩擦ディスク21に接触した状態でさらにドラグ調整レバー2を図2時計回りに操作すると、スプール軸5が移動するとともに、第2付勢部材54の皿ばねが徐々に圧縮する。この圧縮量に比例してドラグ力が強くなる。そして、ストライクポジションに至ると凹み部49fにカム受けピン52aが配置され、僅かなクリック感でそのことを操作者は認識できる。このストライクポジションまで操作すると、ドラグ調整つまみ51の操作により調整された所定のドラグ力が得られる。ストライクポジションからさらにドラグ操作レバー2を回動操作すると、それ以前より増加の割合が小さくなる。そして、カム受けピン52aが第2平坦部49bに到達するとドラグ力が調整範囲の最大になる。
一方、ドラグ調整レバー2を逆方向(図2反時計回り)に回動操作すると、4枚の皿ばねからなる第2付勢部材54及びコイルばねからなる第1付勢部材53によりスプール4及びスプール軸5が図3左側に付勢されドラグ力が徐々に弱くなる。そして、第2付勢部材54により付勢力が第1付勢部材53による付勢力より弱くなると、摩擦ディスク21が制動ディスク22から離反して制動解除状態になる。この回動操作のときに、カム受けピン52aが回転規制部44の規制突起44aに到達すると、ドラグ力が一旦増加して回動操作しにくくなる。このため、ドラグ調整レバー2をドラグ解除位置側に操作してもドラグ解除位置の手前側でドラグ調整レバー2の回動操作を行いにくくなる。
<他の実施形態>
(a)前記実施形態では、レバードラグ型の両軸受リールを例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、スプールの糸巻胴部の内周面がスプール軸の外周面と隙間をあけて配置されるスタードラグ型の両軸受リールを含む全ての両軸受リールのスプールに適用できる。
(b)前記実施形態では、釣り糸係止ピンを糸巻胴部の中央部に配置したが、釣り糸係止ピンの配置位置は糸巻胴部の中央部に限定されない。
本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。 前記両軸受リールのハンドル側側面図。 前記両軸受リールの断面図。 ドラグ調整機構の分解斜視図。 ハンドル側の各部の構成を示す拡大断面図。 ドラグ機構を含む回転伝達系の構成を示す分解斜視図。 スプールの周囲の断面図部分図。 カム部材の正面図。 カム部材の断面図。 円弧状のカム面を直線的に展開した展開図。 スプール発音機構の分解斜視図。
符号の説明
1 リール本体
4 スプール
9 スプール本体
9a 糸巻胴部
9b,9c 第1及び第2フランジ部
9f 座繰り部
9f 底部
9h ピン固定部(固定部の一例)
9i 貫通孔
23 釣り糸係止ピン
23a 第1軸部
23b 第2軸部
23c 頭部

Claims (3)

  1. 両軸受リールのリール本体に対して回転可能であり、スプール軸に連結された両軸受リールのスプールであって、
    前記スプール軸の外周面と内周面が隙間をあけて配置され外周に釣り糸を巻付可能な円筒状の糸巻胴部、前記糸巻胴部の両側に大径に形成された第1及び第2フランジ部、前記糸巻胴部の外周面に円形に凹んで形成され底面が平坦な座繰り部、及び前記底面に前記糸巻胴部の径方向に沿って内周面に貫通して形成された貫通孔を有する固定部、を有するスプール本体と、
    前記固定部に圧入によって固定される第1軸部と、前記第1軸部より大径であり外周面に前記釣り糸の端部を係止可能な第2軸部と、前記第2軸部より大径の頭部と、を有し、前記釣り糸を係止するための釣り糸係止ピンと、
    を備えた両軸受リールのスプール。
  2. 前記貫通孔は、前記底面の中心に形成されている、請求項1に記載の両軸受リールのスプール。
  3. 前記座繰り部は、糸巻胴部の外周面の軸方向の中央部に形成されている、請求項1又は2に記載の両軸受リールのスプール。
JP2008178489A 2008-07-08 2008-07-08 両軸受リールのスプール Pending JP2010017102A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016174575A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 グローブライド株式会社 両軸受型リール

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