JP2010017097A - 給水弁、その給水弁を用いた給水装置および植物栽培装置 - Google Patents

給水弁、その給水弁を用いた給水装置および植物栽培装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は空のペットボトルに容易に取り付けることができ、水の排出がスムーズで、取り扱いが容易である給水装置の給水ならびにそれを用いた給水装置および植物栽培装置を提供する。
【解決手段】上下に延びる筒状部13と、その筒状部の内部を塞ぎ、下面が傾斜し、少なくとも水排出路14aと空気導入路14bを備えたレンコン状のブロック部14と、前記筒状部の上端開口を塞ぐ方向に付勢されている弁体15と、前記水供給容器を水路22に設置することにより、前記蓋が筒状部の上端開口を塞ぐのを解除する弁棒16とを備えている給水弁12。
【選択図】図1

Description

本発明は植木鉢、プランターなどの底部に自動的に給水する給水装置の給水弁、その給水弁を用いた給水装置および植物栽培装置に関する。
特開2006−230394号公報 特開2000−83498号公報 特開平9−255048号公報
特許文献1には、自動給水機能を備えた栽培装置が記載されている。図6にその栽培装置100を示す。このものは、排水孔101を植木鉢100aの内底面よりも高くして、植木鉢100aの下部に水を貯留できるようにしている。さらに植木鉢100aの上方に設けた給水容器102の下部に下部連通管103を連結し、その下端103aを植木鉢100aの下部に導いている。一方、給水容器102の上部の空気層には上部連通管104が連結され、その下端102aは前記下部連通管の下端103aより上方に配置されている。そのため、植物による貯留水の吸収、蒸発などにより植木鉢100aの水位が下がると、上部連通管104の下端104aと水面との間に隙間が出来て、そこから空気が給水容器102に導入され、その空気に置換された給水容器内の水が下部連通管を通して排出され、元の水位が保たれるというものである。
特許文献2には、自動灌水植物栽培容器が開示されている。このものは特許文献1の装置とほぼ同じであるが、貯留水と植物が植えられる用土との間に大気層を設けていることを特徴としており、貯留水の水位が下がるとその分だけ空気が用土を通過し、大気層に導入される。そのため、用土に酸素を供給することができるというものである。
特許文献3には、図7に示すような二液混合容器が記載されている。この二液混合容器110は、容器111の口部である筒体112内に、容器111の内部まで延びる空気置換パイプ113と、筒体112の先端側へ延びる液体流通パイプ114とを配置し、置換される空気の流れと、下方に流通される液体の流れを円滑にし、液体の流通速度を速めるというものである。筒体112の下端開口部には、蓋115が開閉自在に設けられている。
特許文献1の装置では、容器に水を入れたまま連通管を所望の位置に配置するのが困難である。すなわち、連通管を塞いた状態で、所定の位置まで案内するか、給水容器自体の高さを植木鉢より低くしなければならず、作業が煩雑である。特許文献2の装置では水を植木鉢に与える初期の段階でスムーズに水を供給しにくい。特許文献3の装置は、空のペットボトルなどの口部が細い筒状の容器にそのまま用いるのが困難である。
本発明は空のペットボトルなど、口部が細い筒状の容器に容易に取り付けることができ、水の排出がスムーズな給水弁を提供することを技術課題としている。さらに本発明は、取り扱いが容易な給水装置および植物栽培装置を提供することを技術課題としている。
本発明の給水弁(請求項1)は、上端に筒状の口部を備え、上下を逆にした状態で設置される有底筒状の水供給容器に用いられる給水弁であって、前記口部に挿入される筒状部と、その筒状部の内部を塞ぎ、下面が傾斜し、中心に上下に貫通するガイド孔および前記傾斜面の上部および下部で開口する上下に貫通する2本の貫通路が形成されたブロック部と、前記ガイド孔に摺動自在に挿通される弁軸と、その弁軸の上端に固定され、前記筒状部の上端開口を塞ぐ弁体と、前記弁軸を下方向に付勢するバネと、前記筒状部を水供給容器の口部に着脱自在に固定する固定手段とを備えていることを特徴としている。
このような給水弁においては、ブロック部に、前記2本の貫通路に加えて、ガイド孔を囲むように配列される複数本の追加の貫通路が形成されているものが好ましい(請求項2)。また、前記水供給容器の口部外周にオネジが形成されており、前記筒状部の下端近辺に水供給容器の口部端と当接するフランジが設けられ、前記固定手段が、そのフランジを水供給容器の口部端に当接する状態で前記オネジに螺着される、天面中央に開口を備えたキャップであるものが好ましい(請求項3)。その場合、キャップがフランジと一体にされているものが好ましい(請求項4)。その場合、キャップに、複数個の脚部が設けられているものがさらに好ましい(請求項5)。さらに前記いずれの給水弁においても、筒状部が外径15〜20mmの円筒状であり、前記貫通路が3〜6mmの断面円形を有し、その貫通路の本数が2〜8本であるものが好ましい(請求項6)。
本発明の植物栽培用の給水装置(請求項7)は、上端に筒状の口部を備え、上下を逆にした状態で設置される有底筒状の水供給容器と、その水供給容器の前記口部に取付けられる前述のいずれかの給水弁とからなることを特徴としている。本発明の植物栽培装置(請求項8)は、前記給水装置と、その給水装置を着脱自在に受け入れて支持する支持部、その支持部の側方に配置され、水路を介して水が供給される貯水皿、およびその貯水皿に蓄えられた水を吸収すると共に、植物の根が配置される水分吸収体を備えた栽培容器、とからなることを特徴としている。
本発明の給水弁(請求項1)は、水を入れた水供給容器の口部に取付け、上下を逆にして植木鉢内の設置部に、あるいは植木鉢の内部と連通する貯水皿に設置して使用する。このとき、上下を逆にしても、弁軸を介してバネで下向きに付勢されている弁体が筒上部の上端開口を塞ぐので、水供給容器から水はこぼれない。水供給容器を植木鉢の設置部や貯水皿に設置すると、弁軸の下端が設置部あるいは貯水皿によって押し込まれ、弁体が筒上部の上端から離れ、貫通路から水が流出する。
そのとき、下面が傾斜したブロックの傾斜面の上部側で開口する短い貫通路から置換用の空気が導入され、下部側の長い貫通路から水が流出する。したがって1個の開口から水を流すのに比べて流れに乱れを生じにくい。これは短い貫通路の下端に加わる水圧より長い貫通路に加わる水圧が小さいためと考えられる。さらに長い貫通路の下端は傾斜面に開口しており、開口の面積が大きく周囲長さが長いので表面張力による抵抗が少ない。そのため、水供給容器の水の残量が少なくなって水圧が下がっても、水の流出はスムーズである。
また、ブロック部に貫通路を形成しているので、複数の貫通孔を形成するのが容易である。そのため、空のペットボトルなど、細い口部内に用いることができる。使用の途中で水供給容器を持ち上げると、弁軸を介して下方に付勢されている弁体が筒状部の上面に蓋をし、全ての貫通路を閉じることができるので、水供給容器を逆さに向けても水は流出しない。
前記ブロック部に、前記2本の貫通路に加えて、ガイド孔を囲むように配列される複数本の追加の貫通路が形成されている場合(請求項2)は、水が流出する貫通路の面積が増大するので、一層スムーズに水を供給することができる。
前記水供給容器の口部外周にオネジが形成されており、前記筒状部の下端近辺に水供給容器の口部端と当接するフランジが設けられ、前記固定手段が、そのフランジを水供給容器の口部端に当接する状態で前記オネジに螺着される、天面中央に開口を備えたキャップである場合(請求項3)は、水供給容器への給水弁の取付けが確実で、着脱が容易である。また、前記キャップがフランジと一体にされている場合(請求項4)は、給水弁の取り扱いが一層容易である。
前記キャップに、複数個の脚部が設けられている場合(請求項5)は、水供給容器をキャップの脚部で支えることができ、脚部の隙間から水を流出させることができる。そのため、水供給容器の肩部などで支えて下端を浮かせる必要がない。また、弁棒の押し込み量が一定になるため、適切な流出量を設定できる。
また、前記筒状部が外径15〜20mmの円筒状であり、前記貫通路が径3〜6mmの断面円形を有し、その貫通路の本数が2〜8本である場合(請求項6)は、水の流出が一層スムーズである。
本発明の植物栽培用の給水装置(請求項7)は、前述の給水弁を備えているので、水供給容器への水の充填および植木鉢などへの設置が容易である。本発明の植物栽培装置(請求項8)は、前述の給水装置を備えているので、栽培容器の植物が水を吸収して、あるいは水が蒸発して水位が下がると、自動的に給水装置がから水が供給され、元の水位まで戻る。さらに水供給容器への水の充填および植木鉢などへの設置が容易である。
つぎに図面を参照しながら本発明の給水弁、給水装置および植物栽培装置の実施の形態を説明する。図1は本発明の植物栽培装置の一実施形態を示す一部断面正面図、図2はその植物栽培装置に用いられている給水装置の一部切り欠き要部正面図、図3aはその給水装置に用いられている給水弁の一部断面側面図、図3bは図3aの給水弁の底面図、図4は図1の植物栽培装置の使用方法を示す模式図、図5aは本発明の給水弁の他の実施形態を示す一部断面側面図、図5bは図5aの給水弁の底面図である。
図1に示す植物栽培装置1は、給水装置10と、その給水装置10から水Wが供給され、植物Pが栽培される栽培容器20とからなる。給水装置10は、底部を上方にして配置される有底筒状の水供給容器11と、その水供給容器11の筒状の口部11aに設けられた給水弁12とからなる。水供給容器11としては、市販飲料の容器として使用されるペットボトルが資源再利用の意味で好ましい。ただし合成樹脂、ガラス、金属などから形成された専用の容器でもよい。いずれの場合でも、全体あるいは部分的に透明な容器が好ましく、それにより内容量が視認できる。図2に示すように、水供給容器11の口部11aの外周にはオネジ11bが形成されており、そのオネジ11bにキャップ11cが螺合し、水供給容器11に給水弁12が固定される。キャップ11cの天面中央は水を流出させるため、大きい開口11dが形成されている。前記水供給容器11に封入される水Wには、植物の栄養分を含ませてもよい。
図3に示すように、給水弁12は、筒状部13およびその筒状部13の内部を塞ぎ、下面が傾斜した円筒状のブロック部14とを備えた本体と、筒状部13の上端開口を塞ぐ弁体15と、その弁体15を作動させる弁棒15aとを備えている。本体は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリメチルメタアクリル(PMMA)などの合成樹脂材料で一体形成されるのが好ましい。ブロック部14の中心部には、弁棒15aを摺動自在にガイドするガイド孔14aが形成され、そのガイド孔14aの周囲には、上面から下面まで貫通する複数の貫通路14b〜dが形成され、全体としてレンコン状に形成されている。ブロック部14の軸方向の長さは、長い方の側で28〜35mm、好ましくは30〜33mmであり、短い方の側で13〜20、好ましくは15〜18mmである。また、前記下面の水平方向に対する傾斜角度は20〜70度程度が好ましく、とくに30〜60度が好ましい。
前記筒状部13は、その長さが28〜35mm、好ましくは30〜33mmである。その外径は16〜23mm、好ましくは18〜21mmであり、内径は14〜21mm、好ましくは16〜19mmである。例えば、水供給容器11がペットボトルの容器であるなら、その容器の規格された口部の内径に合わせるのがよい。また、前記筒状部13の下部の外周にはフランジ部13aが設けられている。そのフランジ部13aは、図2に示すように、口部11aに筒状部13を挿入した際に、口部11aの下端面と当接する。そのため、前記キャップ11cを口部11aに螺合させると、前記フランジ部13aが口部11aに押し当てられ、給水弁12が水供給容器11に固定される(図2参照)。
前記ブロック部14には、少なくとも2本の貫通路が設けられている。その2本の貫通路というのは、ブロック部14の傾斜した面の下手側(最も下手側のもの)から上面まで貫通した長い貫通路(水排出路)14cと、上手側(最も上手側のもの)の短い貫通路(空気導入路)14bのことである。また、ブロック部14には、その軸心に沿ってガイド孔14aが形成されており、前記弁体15から延びる弁棒15aが挿通される。この実施形態ではブロック部14の下面中央から細い筒14eが突出しており、その筒14eの内部までガイド孔14aが延長されている。また、その突出した筒14eの先端部には段部14fが形成されている。その他の貫通路14d・・はブロック部14の下面の水排出路14cと空気導入孔14bとの間の位置にバランスよく配置されている。それらの貫通路14dからは水が排出される場合もあるし、空気が導入される場合もある。なお、前記水排出路14cの径は3〜6mm、好ましくは3〜5mmである。そして、空気導入孔14bの径は3〜6mm、好ましくは3〜5mmである。また、その他の貫通路14dについては、前記水排出路14cおよび空気導入孔14bと同じにしてもよい。また、前記貫通路の全本数(排出路および導入路を含む)は2〜8、好ましくは4〜6本形成される。さらに、水供給容器11に封入される液体の粘度や、供給の速度に応じて、これら貫通路の本数や1本当りの貫通路の断面積を変化させてもよい。なお、図3bの符号14gは、筒状部13の周壁に溶融樹脂をスムーズに流すための連通路の痕である。
前記弁体15は、筒状部13の上端開口を開閉する円形の板状部材である。その蓋部材15の中心から下向きに弁棒15aが延びている。その弁棒15aはブロック部14のガイド孔14cを貫通し、傾斜した下面側をさらに超え、筒状部13の下端からさらに下方にその先端を延ばしている。その先端の外周には鍔部15bが取付けられている。なお、前記貫通路14b〜14dを複数の壁面を有する格子状、多角形などの形状にすることもできるが、ペットボトルの口部のような小さな径の中にそれらを形成するのは困難であるし、そのような角のある流路は流れを乱しやすい。
前記弁体15は、コイルスプリング16のような弾性を備えた部材により下向きに付勢されている。コイルスプリング16の場合、弁棒15aの周囲に装着させた上で、上端をブロック部14の斜面から突出する筒14eの先端の段部14fに、下端を前記鍔部15bにそれぞれ係止させている。そのため、常時は弁体15が筒上部13の上端開口を閉じており、弁棒15aがコイルスプリング16の付勢力に抗して押上げられたとき、弁体15が上端開口を開く。図3では、コイルスプリング16が伸びた状態における弁棒15aの下端部を二点鎖線で記載している。なお、付勢手段として、コイルスプリングのほか、同じような作用を奏するものならば、他のものも使用できる。例えな、ダンパ、弾性部材などを用いて前記付勢力を得るようにしてもよい。なお、前記弁体15がゴムなどの材質で形成され、筒状部13の上端にパッキンが配置されると、一層シール性が増す。
図1に戻って、前記栽培容器20は、給水装置10の口部11aが取り付けられるボトル固定部21と、そのボトル固定部21と連結されて水供給容器11から水が導かれる水路22と、その水路22を介して水が供給される貯水皿23と、その貯水皿23に載置される植木鉢と、その植木鉢に収容され、溜まった水を吸収し、かつ植物Pの根が配置されている水吸収体24とからなる。
前記ボトル固定部21は、底面21aと、その底面21aの周縁から立ち上がる周壁21bとを有する上方に向けて開口した略筒状である。そのボトル固定部21には、給水装置10の口部11aが底を上方に向けた状態で挿入される。前記ボトル固定部21の下端には切り欠き21cが形成され、前記水路22の一端が連結され、貯水皿23へ延びている。
前記貯水皿23は、皿状の部材で、その側方から水路22が連通している。その貯水皿の側面部は上方に延長され、植木鉢の筒状の側壁23aを形成している。その筒状の側壁23aと貯水皿23の側面部とを連結している付近で、貯水皿の上面には、網状の部材23bが配置されている。前記水分吸収体24は筒状の側壁23a内の網状部材23bの上に配置されている。また、貯水皿23の側面あるいは延長された筒状の側壁23aには、オーバーフローのための排水孔23cが形成されている。排水孔23cは貯水皿23の底面から所定高さH2(≧H1)の位置にある。
植木鉢は通常は貯水皿23とは別体であるが、貯水皿23と筒状の側壁23aは、たとえば合成樹脂品などを一体成形することにより薄肉のカップ状に形成することもできる。合成樹脂で成形する場合には透明で内部が視認できるようにすることもできる。ただし、陶器やガラスなど、他の材料も使用しうる。なお、容器の全体が透明でなくとも、一部に窓を設けてその部分に外部から内部を視認できるガラスや合成樹脂を用いることもできる。
さらに、前記網状部材23bはステンレス製あるいは合成樹脂製など、耐水性の高いものが好ましい。ステンレスあるいは合成樹脂製のパンチングプレートであってもよいし、合成樹脂背のネットあるいは籠などを用いてもよい。
なお、前記水吸収体24としては、用土のほか、発泡ウレタンなどの発泡樹脂、あるいは発泡ゴムなど、通気性および透水性を有する柔軟な材料で形成するのが好ましい。なお、ヤシ殻やシュロなどの天然繊維、ポリエステル繊維などの化学繊維など、通気性および透水性が高く、植物を保持できるものであれば、他の材料も採用することができる。
また、本実施形態では網状部材23b、水分吸収体24は貯水皿23の形状に合わせて円形にしているが、角形、多角形であってもよい。
次に図4を用いて植物栽培装置1が使用される様子を説明する。まず、空のペットボトルに水Wを充填する。あるいは内部に養分を含む水Wを封入したペットボトルなどからなる水供給容器11を用意する(工程S1)。次いで、その水供給容器11に給水弁12を装着して給水装置10とし、それを逆さまにし、ボトル固定部21に挿入する(工程S2)。その際、給水弁の弁棒15の下端をボトル固定部の底面21aに押し当て、その自重でコイルスプリング16の付勢力に逆って弁棒15を上昇させる(図3参照)。そうすると、弁体15と筒状部13の上端との接触は解除される。内部の水Wはブロックの水排出路14c(図3参照)から流出し、それと置換されるように空気が空気導入孔14bから導入される(工程S3)。このとき、弁体15は水供給容器11の口部11aより上側に抜けて、肩部内に達し、周囲に十分大きい隙間ができるようにしている。そして、流出した水Wが固定部の底面21aと周壁21bとで囲まれる範囲に溜まり、その水位が水排出路14aのところまで来る(高さH1)。そうすると、筒状部13の下端の全周が水面に接し、あるいは若干水没するため、置換される空気が導入できなくなる。そのため、水の流出が止まる(工程S4)。また、栽培容器20側の排水孔23cの方が水排出路14aより高い位置にあるので(H2≧H1)、排水孔23cから水が排出されることはない。
流出した水Wは水路22から貯留皿23に貯留され、その水位は前記H1と同じ高さである。そして、水Wは水分吸収体24によりいくらか上方に吸い上げられ、植物に吸収されたり、蒸発したりすることにより次第に水位が低くなる(工程S5)。そうすると、前記水排出路14aの下端と水面とが接しなくなり、かつ筒状部13の下端と水面との間にも隙間Aができる。その隙間により空気の導入を許し、導入された空気によりボトル内の水が置換され、水排出路14aから水Wが流出する(工程S6)。そして、再び、水位が水排出路14aのところまで来て(高さH1)、筒状部13の下端の全周が水面に接し、あるいは若干水没して、置換される空気が導入できなくなると、水の流出が止まる(工程S4)。水が止まった状態ではブロック部14の斜面も下方に空気が溜まっている。
また、何らかの原因、例えば栽培容器20を外に出していた場合に雨などにより、貯水皿23に大量の雨水が流れ込んだ場合や給水装置10の取り付けの不具合により内部の水Wが過剰に流出した場合などに、前記排水孔23cがあると、そこから余分な水をオーバーフローさせることができる。そのため、安心して使用することができる機構である。
さらに、筒状部13の下端の全周囲が水面に接する、あるいは若干水中に入り込むと、水Wの流出が止まる。そのため、自動的に水Wを供給させるために必要な水面高さを低くすることができる。必要な水面高さを低くすることができると、給水装置10から流出する水の量を少なくすることができ、水の滞留時間を小さくすることができるので、衛生的である。また、滞留している間の蒸発も防ぐことができるので、さらに節水効果が高いし、使用時間も長くすることができる。
図5に給水弁の他の実施例を示す。このものは筒状部13の周囲に隙間13aを空けて筒状の部分13bを設けている。その筒状の周壁13bの内面にはメネジが形成されており、前記ペットボトルの口部11aのオネジ11bと螺合する。さらに隙間13aの底にはパッキン13cが設けられており、水漏れしにくい。また、筒状の周壁13bは下方に延長されて脚部13cとされている。その脚部13cは等間隔に3本延びており、脚部13cの間から溶液Wが排出される。
本発明の植物栽培装置の一実施形態を示す正面図である。 図2は水供給容器(ペットボトル)の正面図である。 図3aは給水弁の側面図、図3bは図3aの底面図である。栽培容器を示す一部断面側面図である。 図4は図1の装置を用いる様子を示す。 図5aは給水弁の他の実施例を示す部分断面側面図、図5bは図5aの底面図である。 従来の装置を示す正面図である。 従来の装置を示す正面図である。
符号の説明
1 植物栽培装置
10 給水装置
11 水供給容器
11a 口部
11b オネジ
11c キャップ
12 給水弁
12a 脚部
12b 周溝
13 筒状部
13a 隙間
13b 周壁
13c 脚部
14 ブロック
14a ガイド孔
14b 大気導入路
14c 水排出路
14d 貫通路
14e 筒
14f 段部
14g 連通路の痕
15 弁体
15a 弁棒
15b 鍔部
16 コイルスプリング
20 栽培容器(植木鉢)
21 ボルト固定部
21a 底面
21b 周壁
21c 切り欠き
22 水路
23 貯水皿
23a 側壁
23b 網状の部材
23c 排水孔
24 水分吸収体
P 植物

Claims (8)

  1. 上端に筒状の口部を備え、上下を逆にした状態で設置される有底筒状の水供給容器に用いられる給水弁であって、
    前記口部に挿入される筒状部と、
    その筒状部の内部を塞ぎ、下面が傾斜し、中心に上下に貫通するガイド孔および前記傾斜面の上部側および下部側で開口する上下に貫通する2本の貫通路が形成されたブロック部と、
    前記ガイド孔に摺動自在に挿通される弁軸と、
    その弁軸の上端に固定され、前記筒状部の上端開口を塞ぐ弁体と、
    前記弁軸を下方向に付勢するバネと、
    前記筒状部を水供給容器の口部に着脱自在に固定する固定手段とを備えている水供給容器の給水弁。
  2. 前記ブロック部に、前記2本の貫通路に加えて、ガイド孔を囲むように配列される複数本の追加の貫通路が形成されている請求項1記載の給水弁。
  3. 前記水供給容器の口部外周にオネジが形成されており、前記筒状部の下端近辺に水供給容器の口部端と当接するフランジが設けられ、前記固定手段が、そのフランジを水供給容器の口部端に当接する状態で前記オネジに螺着される、天面中央に開口を備えたキャップである請求項1または2記載の給水弁。
  4. 前記キャップがフランジと一体にされている請求項3記載の給水弁。
  5. 前記キャップに、複数個の脚部が設けられている請求項3または4記載の給水弁。
  6. 前記筒状部が外径15〜20mmの円筒状であり、前記貫通路が径3〜6mmの断面円形を有し、その貫通路の本数が2〜8本である請求項1〜5のいずれかに記載の給水弁。
  7. 上端に筒状の口部を備え、上下を逆にした状態で設置される有底筒状の水供給容器と、その水供給容器の前記口部に取付けられる請求項1〜5のいずれかに記載の給水弁とからなる植物栽培用の給水装置。
  8. 請求項7記載の給水装置と、
    その給水装置を着脱自在に受け入れて支持する支持部、その支持部の側方に配置され、水路を介して水が供給される貯水皿、およびその貯水皿に蓄えられた水を吸収すると共に、植物の根が配置される水分吸収体を備えた栽培容器、とからなる植物栽培装置。
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