JP2010016354A - 半導体基板の製造方法および透明体の製造方法 - Google Patents

半導体基板の製造方法および透明体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光ダイオードなどに用いられる半導体基板および光インプリント用モールドなどに用いる石英基板などの透明体にレーザエッチングによる微細加工を施すことができる半導体基板の製造方法および透明体の製造方法を提供する。また、当該製造方法により高い発光効率を有する発光ダイオードを提供する。
【解決手段】本発明の半導体基板および透明体の製造方法においては、半導体基板となるLED動作層3や透明体に光透過マスク20Aを蒸着形成する。光透過マスク20Aに形成した有底穴21Aはレーザ光LZのスポットサイズSSよりも小さく設定する。この有底穴21Aに流動性光吸収物質24を充填する。充填された流動性光吸収物質24にレーザ光LZを照射すると、レーザ光LZのスポットサイズSSよりも微細なレーザエッチングが可能となる。
【選択図】図7

Description

本発明は、半導体基板の製造方法および透明体の製造方法に係り、特に、窒化ガリウムやサファイヤ基板の加工またはそれらの加工により得たフォトニック結晶を用いる際や、光インプリント用モールドを作成する際に好適に利用できる半導体基板の製造方法および透明体の製造方法に関する。
従来の発光ダイオード101A、101Bは、その一例として、図16〜図19に示すように、サファイヤ基板102や、p型GaN(窒化ガリウム)層(p型コンタクト層)106、光を放出する発光層(活性層)105、n型GaN層(n型コンタクト層)104、透明電極107などのLED動作層(光の放出に実質的に関与する各層の集合層)103など、様々な半導体基板を備えている。ここで、発光ダイオード101A、101BのLED動作層103においては、放出された光を所定の方向に効率良く照射させるため、図16および図17に示す複数の凹部111Aまたは図18および図19に示す複数の凸部111Bの2次元配列によって構成される回折格子110A、110Bが形成されている。このような特殊な形状を半導体基板に形成して2次元フォトニック結晶を作製するため、従来より種々の製造方法が考えられてきた。
従来の半導体基板の製造方法においては、ウェットエッチングやドライエッチングが主として用いられている。特に、GaNに加工を施す際や半導体基板に微細加工を施す際には、一般的に、ドライエッチングが用いられていた。ドライエッチングとは、通常、プラズマエッチングのことを指す。ドライエッチングは、GaNへの加工および半導体基板への微細加工が容易に行えるというメリットがある反面、GaNを含む半導体基板にプラズマダメージを残してしまうというデメリットがあった。図16〜図19に示すように、半導体基板を用いて形成されたLED動作層103にプラズマダメージが残存すると、LED動作層103の内部量子効率(発光層中で再結合する電子・正孔対のうちの光子に変換される割合)が低下する原因となる。
そのため、半導体基板にダメージが生じないレーザエッチングによって半導体基板を加工する方法が考えられている。そのなかの一例として、レーザ背面湿式加工法と称される半導体基板のレーザ微細加工方法が挙げられる(特許文献1を参照)。レーザ背面湿式加工法には、露光マスク縮小型および走査鏡照射型の2つの加工法が知られている。露光マスク縮小型レーザ加工装置50は、図20に示すように、マスクによって決められたパターンを一括エッチングするものであり、レーザ光LZの光路上に左から順に、エキシマレーザ発振器51、ビームホモジナイザ52、マスク53、露光レンズ54、レーザ加工される半導体基板153、色素溶液124を備えている。走査鏡照射型レーザ加工装置60は、図21に示すように、レーザ光LZの走査エッチングを行なうものであり、レーザ光LZの光路上に左から順に、全固体レーザ発振器61、ビームエキスパンダ62、ガルバノ走査鏡63、集光レンズ64、レーザ加工される半導体基板153、色素溶液124を備えている。
特開2000−94163号公報
しかしながら、図20および図21に示す前述した2つのレーザ加工法のいずれを採用したとしても、レーザエッチングの最小加工寸法は、レーザ光LZのスポットサイズ、すなわち、レーザ光LZのスポット形状が円形であればそのスポット径の大きさ、また、レーザ光LZのスポット形状が矩形であればそのスポット幅の大きさに依存することになる。ここで、レーザ光LZのスポットサイズはレーザ光LZの波長とレンズの開口率によって決定されるものであり、量産性とコスト面を考慮するとその最小サイズには限界がある。そのため、半導体基板の製造方法においてレーザエッチングを用いた場合、半導体基板に対してレーザ光LZのスポット径またはスポット幅よりも小さな加工を施すことができないという問題があった。
上記の問題は、半導体基板に限らず、光インプリント用モールドの材料として用いられる石英基板などの透明体の加工時にも同様のことがいえる。
また、図16〜図19に示した発光ダイオード101A、101Bの回折格子110A、110Bが微細になるほど発光ダイオード101A、101Bの発光効率が高くなる。言い換えると、発光ダイオード101A、101Bの回折格子110A、110Bの寸法を小さくすることができなければ、LED動作層103において放出された光を所定の方向に効率良く導くことが難しくなるので、発光ダイオード101A、101Bの発光効率を高くすることが難しいという問題もあった。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、レーザエッチングにより発光ダイオードなどに用いられる半導体基板および光インプリント用モールドなどに用いる石英基板などの透明体に微細加工を施すことができる半導体基板の製造方法および透明体の製造方法を提供することを本発明の目的としている。
前述した目的を達成するため、本発明の半導体基板の製造方法は、その第1の態様として、レーザ光に対して透明な半導体基板の表面に、加工する所望の加工パターンと平面視同一であって有底のあるいは貫通したエッチングパターンを有するマスクを当接させる工程aと、前記マスクのエッチングパターンに流動性光吸収物質を充填する工程bと、前記マスクのエッチングパターンに充填された前記流動性光吸収物質に対して前記半導体基板を介してレーザ光を照射することにより、前記半導体基板をエッチングする工程cとを備えていることを特徴としている。
本発明の第1の態様の半導体基板の製造方法によれば、エッチングパターンを有するマスクを半導体基板に当接させることにより、レーザ光のスポットサイズよりも微細なエッチングパターンの大きさと平面視同等の大きさのレーザエッチングを行なうことができる。
本発明の第2の態様の半導体基板の製造方法は、第1の態様の半導体基板の製造方法において、前記マスクは、前記レーザ光を透過させる光透過マスクであり、前記エッチングパターンは 前記レーザ光のスポットサイズよりも小さな直径もしくは幅を有する1個または2個以上の有底穴もしくは貫通孔、または前記レーザ光のスポットサイズよりも小さな幅を有する1個または2個以上の有底溝もしくは貫通溝、によって形成されたパターンであることを特徴としている。
本発明の第2の態様の半導体基板の製造方法によれば、光透過マスクにおいてレーザ光のスポットサイズよりも小さく形成された有底穴もしくは貫通孔または有底溝もしくは貫通溝の大きさと同等の大きさのレーザエッチングを行なうことができる。
本発明の第3の態様の半導体基板の製造方法は、第2の態様の半導体基板の製造方法において、光透過マスクの材質は、SiOであることを特徴としている。
本発明の第3の態様の半導体基板の製造方法によれば、レーザ光に対して透明度の高い光透過マスクを容易に蒸着形成することができる。
本発明の第4の態様の半導体基板の製造方法は、第1の態様の半導体基板の製造方法において、前記マスクは、前記レーザ光を反射する光反射マスクであり、前記エッチングパターンは 前記レーザ光のスポットサイズよりも小さな直径もしくは幅を有する1個または2個以上の貫通孔、または前記レーザ光のスポットサイズよりも小さな幅を有する1個または2個以上の貫通溝、によって形成されたパターンであることを特徴としている。
本発明の第4の態様の半導体基板の製造方法によれば、光反射マスクを用いてレーザ光のスポットサイズよりも小さく形成された貫通孔または貫通溝の大きさと同等の大きさのレーザエッチングを行なうことができる。
本発明の第5の態様の半導体基板の製造方法は、第4の態様の半導体基板の製造方法において、光反射マスクの材質は、Al、Agまたはそれらを主成分とする合金であることを特徴としている。
本発明の第5の態様の半導体基板の製造方法によれば、レーザ光に対して反射率の高い光反射マスクを容易に蒸着形成することができる。
本発明の第6の態様の半導体基板の製造方法は、第1から第5のいずれか1の態様の半導体基板の製造方法において、マスクは、工程aにおいて半導体基板におけるレーザ光の入射側と反対側の表面上に蒸着膜を形成してから蒸着膜に対して有底穴もしくは貫通孔または有底溝もしくは貫通溝をドライエッチングまたはウェットエッチングにより形成することによって作成されるとともに、工程cにおいてレーザ光の照射終了後に除去されることを特徴としている。
本発明の第6の態様の半導体基板の製造方法によれば、寸法精度および当接位置精度の高いマスクを半導体基板の表面上に容易に形成することができる。
本発明の第7の態様の半導体基板の製造方法は、第1から第6のいずれか1の態様の半導体基板の製造方法において、半導体基板は、p型コンタクト層、発光層、n型コンタクト層、透明電極その他の発光ダイオードにおいて回折格子が形成されるLED動作層に用いられる半導体基板であることを特徴としている。
本発明の第7の態様の半導体基板の製造方法によれば、発光ダイオードのLED動作層に対してレーザ光のスポットサイズよりも微細な加工を施すことができる。
また、前述した目的を達成するため、本発明の透明体の製造方法は、その第1の態様として、レーザ光に対して透明な透明体の表面に、加工する所望の加工パターンと平面視同一であってレーザ光のスポットサイズよりも微細な有底のあるいは貫通したエッチングパターンを有するマスクを当接させる工程aと、前記マスクのエッチングパターンに流動性光吸収物質を充填する工程bと、前記マスクのエッチングパターンに充填された前記流動性光吸収物質に対して前記透明体を介してレーザ光を照射することにより、前記透明体をエッチングする工程cとを備えていることを特徴としている。
本発明の第1の態様の透明体の製造方法によれば、エッチングパターンを有するマスクを透明体に当接させることにより、レーザ光のスポットサイズよりも微細なエッチングパターンの大きさと平面視同等の大きさのレーザエッチングを行なうことができる。
本発明の第2の態様の透明体の製造方法は、第1の態様の透明体の製造方法において、前記透明体の材質は、石英であることを特徴としている。
本発明の第2の態様の透明体の製造方法によれば、レーザ光に対して透明体の透明度を高くすることができる。
本発明の第3の態様の透明体の製造方法は、第2の態様の透明体の製造方法において、前記透明体は、光インプリント用モールドであることを特徴としている。
本発明の第3の態様の透明体の製造方法によれば、微細なパターンを有する光インプリント用モールドが形成されるので、従来よりも微細なインプリントを行なうことができる。
本発明の半導体基板の製造方法透明体の製造方法によれば、レーザ光のスポットサイズよりも小さく形成されたマスクの有底穴もしくは貫通孔または有底溝もしくは貫通溝の大きさと同等の大きさのレーザエッチングを行なうことができるので、発光ダイオードなどに用いられる半導体基板および光インプリント用モールドなどに用いる石英基板などの透明体に対して従来のレーザエッチングによりも微細な加工を施すことができるという効果を奏する。
第1の実施形態の発光ダイオードを示す斜視図 第1の実施形態の発光ダイオードを示す縦断面図 第1の実施形態の半導体基板の製造方法における工程aを示す斜視図 第1の実施形態の半導体基板の製造方法における工程aを示す縦断面図 第1の実施形態の半導体基板の製造方法における工程bを示す縦断面図 第1の実施形態の半導体基板の製造方法における工程cを示す縦断面図 第1の実施形態の工程cにおいてLED動作層にエッチング穴が形成されている状態を示す縦断面図 第2の実施形態の発光ダイオードを示す斜視図 第2の実施形態の発光ダイオードを示す縦断面図 第2の実施形態の半導体基板の製造方法における工程aを示す斜視図 第2の実施形態の半導体基板の製造方法における工程cを示す縦断面図 第4の実施形態の透明体の製造方法により製造される透明体の一例である光インプリント用モールドを示す斜視図 図12の縦断面図 図12および図13の光インプリント用モールドによりインプリントされた反射防止機能付レンズ 第4の実施形態の透明体の製造方法により製造されるインプリント面が凹状に形成された光インプリント用モールドを示す縦断面図 従来の発光ダイオードの一例において凹部の2次元配列によって構成される回折格子が形成された状態を示す斜視図 図16の縦断面図 従来の発光ダイオードの一例において凸部の2次元配列によって構成される回折格子が形成された状態を示す斜視図 図18の縦断面図 レーザ背面湿式加工法における露光マスク縮小型加工法を示す概略図 レーザ背面湿式加工法における走査鏡照射型加工法を示す概略図
以下、図を用いて、本発明の半導体基板の製造方法または透明体の製造方法をその4つの実施形態により説明する。
図1および図2は、第1の実施形態の発光ダイオード1Aを示している。第1の実施形態の発光ダイオード1Aは、窒化物系フォトニック結晶LED(発光ダイオード)を想定しており、図1および図2に示すように、下方から順に、サファイヤ基板2およびLED動作層3を備えている。また、LED動作層3は、下方から順に、n型GaN層(p型コンタクト層)4、発光層5、p型GaN層(n型コンタクト層)6を備えている。n型GaN層4にはn電極9がウェットエッチング、レーザエッチングまたはドライエッチングにより形成されており、p型GaN層6の一部にはp電極8、その表面上には透明電極7がそれぞれ形成されている。
LED動作層3は、微細加工された回折格子10Aを有している。回折格子10Aの形状パターンとしては、図1および図2に示すように、凹部11Aの2次元配置パターンが選択されている。回折格子10Aの寸法については、図2に示すように、凹部11Aの直径Dは150nm、ピッチPは200nmに設定されている。このLED動作層3は、第1の実施形態の半導体基板の製造方法を用いて製造されている。
図3〜図7は、第1の実施形態の半導体基板の製造方法を示している。半導体基板の一例であるLED動作層3は、第1の実施形態の半導体基板の製造方法に基づき、工程a、工程b、工程cを経て製造される。
工程aにおいては、図3および図4に示すように、レーザ光LZによって加工されるLED動作層3に対して本発明のマスクとして用いる光透過マスク20Aを当接させる。用意するLED動作層3は、両面が平滑なサファイヤ基板2の表面上にn型GaN層4、発光層5、p型GaN層6を順に結晶成長させた後、p型GaN層6の表面上に透明電極7を成膜した多層構造のものであり、その表面上は平滑である。つまり、第1の実施形態においては、この透明電極7が成膜されたp型GaN層6に対して平滑な光透過マスク20Aを当接させる。
この光透過マスク20Aにおいては、図3または図4に示すように、複数の有底穴21Aからなるエッチングパターンが設けられている。この有底穴21Aの代わりとして、図示はしないが貫通孔が設けられていてもよい。光透過マスク20Aに有底穴21Aもしくは貫通孔が設けられている場合、工程cの終了後に、図1および図2に示すような、エッチングパターンと平面視同一の凹部11Aの2次元配置パターン(加工パターン)からなる回折格子10Aが得られる。有底穴21Aもしくは貫通孔の個数は、回折格子10Aの形状に依存するため、1個または2個以上であってもよい。有底穴21Aもしくは貫通孔のサイズについては、その形状が円形である場合、絞ったレーザ光LZのスポットサイズSSよりも小さな直径となるように設定されており、その形状が矩形である場合は絞ったレーザ光LZのスポットサイズSSよりも小さな幅になるように設定されている。第1の実施形態においては、有底穴21Aが円形、その直径Dが150μmに設定されており、隣位する有底穴21Aのピッチが200nmに設定されている。
光透過マスク20Aの作成方法および当接方法について説明する。はじめに、図4に示すように、LED動作層3のp型GaN層6の表面上に厚さ約300nm程度の蒸着膜22を平滑に形成する。第1の実施形態の工程cにおいてサファイヤ基板2側からレーザ光LZが入射するため、p型GaN層6の表面は本発明においては半導体基板におけるレーザ光LZの入射側と反対側の表面となる。p型GaN層6の表面上に形成される蒸着膜22は、透過性の高い材料を用いて成膜されていることが好ましく、第1の実施形態においてはSiOを用いて成膜されている。平滑な蒸着膜22が形成された後に、その蒸着膜22の全表面にレジスト膜(図示せず)を塗布形成し、そのレジスト膜に対して直径Dが150nmの有底穴21Aを200nmのピッチPで形成する。この有底穴21Aは、初期段階においては電子線露光により形成されており、次の段階においてはエッチングにより形成されている。このエッチングは、ドライエッチングまたはウェットエッチングのいずれであっても良い。なお、この有底穴21Aをエッチングにより貫通させると有底穴21Aは貫通孔となるが、第1の実施形態の工程cにおいては、貫通していない有底穴21Aを蒸着膜22に形成する。以上より、LED動作層3のp型GaN層6に光透過マスク20Aが当接する。
工程bにおいては、図5に示すように、光透過マスク20Aにおいて有底穴21Aが形成された面に対し、Oリングなどの柔軟性封止部材25を介して容器23を設置する。この容器23のなかには流動性光吸収物質24を封入しておく。流動性光吸収物質24は表面張力によって光透過マスク20Aの有底穴21Aの内部へ進行していく。そのため、光透過マスク20Aに流動性光吸収物質24が接触すると、流動性光吸収物質24は光透過マスク20Aの有底穴21Aに自動的に充填される。
流動性光吸収物質24としては、使用するレーザ光LZの波長(YAGレーザの2倍波(λ=532nm))に対して高い吸収率を持つ流動性物質であれば良い。例えば、ピレンのアセトン溶液、ベンジルのアセトン溶液、ピレンのテトラヒドロフラン溶液、ローダミン6Gのエタノール溶液、フタロシアニンのエタノール溶液などのような芳香族環を含む有機化合物の溶液;有機色素化合物を含む溶液;ベンゼン、トルエン、四塩化炭素などのような液体状の化合物などが挙げられる。第1の実施形態の流動性光吸収物質24としては、ローダミン6Gをエタノールに溶解した溶液が選択されている。
工程cにおいては、図6に示すように、レーザ発振器26から出射したレーザ光LZを、サファイヤ基板2側から順にサファイヤ基板2およびLED動作層3を介して、光透過マスク20Aの有底穴21Aに充填された流動性光吸収物質24に照射する。その際、レーザ光LZが光透過マスク20Aの有底穴21Aの底部に集光するように設定する。また、走査鏡照射型レーザ加工法(図21を参照)であればレーザ加工の進行に合わせてレーザ光LZの集光位置を他の有底穴21Aの底部に移動させる。なお、露光マスク縮小型レーザ加工法(図20を参照)であれば図示しない入射側マスクによって、全ての有底穴21Aの底部に対してレーザ光LZが集光しているのでレーザ加工の進行に合わせてレーザ光LZの集光位置を他の有底穴21Aの底部に移動させる必要はない。
工程cにおいてレーザ光LZの照射によりLED動作層3に所望の回折格子10Aが形成されたら、レーザ光LZの照射を終了し、光透過マスク20Aを化学的に除去する。p電極8およびn電極9は図示はしないが前述の通りエッチングにより形成する。以上の3つの工程を経ることにより、LED動作層3が製造される。
次に、第1の実施形態の半導体基板の製造方法の作用を説明する。
第1の実施形態の発光ダイオード1Aにおいては、図1および図2に示すようなp電極8および透明電極7を介してp型GaN層6に正孔が注入され、また、n電極9を介してn型GaN層4に電子が注入されると、p型GaN層6またはn型GaN層4を通じて正孔および電子が発光層5に注入される。すると、発光層5においては、注入された正孔および電子が再結合することによって光が放出する。放出した光は、p型GaN層6および透明電極7を通過してLED動作層3の外部に放出される。この放出される光の発光効率(取出効率)を大きく左右するのが、LED動作層3に形成されている回折格子10Aである。LED動作層3に回折格子10Aが形成されていると、発光層5の側方に放出されて取り出すことができなかった光が所望する取出方向(図1および図2においては上方)へ回折されて伝搬方向が変化するため、発光層5において放出された光をLED動作層3の外部に効率よく発光(取り出す)ことができる。
ここで、回折格子10Aの寸法を微細にするほど、光の発光効率を高くすることができる。第1の実施形態の発光ダイオード1Aにおいては、第1の実施形態の半導体基板の製造方法によって回折格子10Aが形成されており、その回折格子10Aの寸法については、図2に示すように、凹部11Aの直径Dが150nm、ピッチP200nmに設定されている。詳細な作用は後述するが、第1の実施形態の半導体基板の製造方法を利用すれば、絞ったレーザ光LZの最小スポットサイズSSが800nmであっても、そのスポットサイズSSよりも微細なレーザエッチングを行なうことができる。つまり、発光ダイオード1AのLED動作層3に対して、レーザ光LZのスポットサイズSSよりも微細な加工が施された回折格子10Aを形成することができるので、従来のレーザエッチングにより回折格子10Aが形成された発光ダイオード1Aの発光効率と比較して、第1の実施形態の発光ダイオード1の発光効率を高くすることができる。
また、半導体基板である第1の実施形態のLED動作層3は、第1の実施形態の半導体基板の製造方法における工程a、工程bおよび工程cを経て、製造される。工程aにおいては、図3および図4に示すように、LED動作層3の表面上に対して蒸着法により形成された光透過マスク20Aが当接している。この光透過マスク20Aにはレーザ光LZのスポットサイズSSよりも小さな有底穴21Aがエッチングにより形成されており、図5に示すように、工程bにおいてその有底穴21Aに流動性光吸収物質24が充填される。サファイヤ基板2、LED動作層3および光透過マスク20Aはレーザ光LZの波長において透明である。そのため、図6に示すように、工程cにおいては、サファイヤ基板2側から入射したレーザ光LZが、サファイヤ基板2、LED動作層3および光透過マスク20Aを順に通過して、光透過マスク20Aの有底穴21Aに充填された流動性光吸収物質24に吸収される。
ここで、図7に示すように、光透過マスク20Aの有底穴21Aに充填された流動性光吸収物質24にレーザ光LZが照射されると、光透過マスク20Aの有底穴21Aの底部がレーザエッチングされてその有底穴21Aが最終的に貫通する。つまり、第1の実施形態のように光透過マスク20Aに貫通孔でなく有底穴21Aを形成した場合であっても、工程cにおいてレーザ光LZを照射すれば、光透過マスク20Aの有底穴21Aは貫通孔になる。そのため、光透過マスク20Aの有底穴21Aに充填された流動性光吸収物質24は表面張力により貫通した有底穴21Aを通過してLED動作層3に接触する。そして、流動性光吸収物質24がLED動作層3に接触すると、光透過マスク20Aの有底穴21Aに対するレーザエッチングと同様、レーザエッチングによりLED動作層3にエッチング穴30が形成される。LED動作層3に対する流動性光吸収物質24の接触面積は有底穴21Aの寸法に依存する。そのため、レーザエッチングにより形成されたエッチング穴30の寸法は、レーザ光LZのスポットサイズSSではなく、有底穴21Aと同一の直径Dとなる。図7に示したエッチング穴30が所望の深さまでエッチングされると、そのエッチング穴30は、図1および図2に示すように、回折格子10Aの凹部11Aとなる。
このように、第1の実施形態の半導体基板の製造方法を用いれば、光透過マスク20Aにおいてレーザ光LZのスポットサイズSSよりも小さく形成された有底穴21Aの大きさと同等の大きさのレーザエッチングを半導体基板、すなわち第1の実施形態においてはLED動作層3に施すことができる。そのため、従来のレーザエッチングによりも微細な加工を施した回折格子10Aを形成したLED動作層3を製造することができる。
また、第1の実施形態の工程aにおいては、図3に示すように、LED動作層3の表面上に蒸着膜22を形成し、その蒸着膜22に対して有底穴21Aをドライエッチングまたはウェットエッチングすることにより、有底穴21Aを有する光透過マスク20AがLED動作層3の表面上に形成される。そのため、寸法精度および当接位置精度の高い光透過マスク20AをLED動作層3の表面上に容易に形成することができる。
なお、光透過マスク20Aは工程cにおいてレーザ光LZの照射終了後に除去すればよい。また、光透過マスク20Aの材質にSiOを用いれば、レーザ光LZに対して透明度の高い光透過マスク20Aを容易に蒸着形成することができる。
次に、第2の実施形態の半導体基板の製造方法を説明する。第1の実施形態と第2の実施形態との相違点は、図1および図2または図8および図9に示すように、回折格子10A、10Bの形状パターン(加工パターン)の違いにある。
第2の実施形態の発光ダイオード1BのLED動作層3は、微細加工された回折格子10Bを有している。回折格子10Bの形状パターンとしては、図8および図9に示すように、凸部11Bの2次元配置パターンが選択されている。回折格子10Bの寸法については、図9に示すように、凸部11Bの間隔Wが150nm、ピッチPが200nmに設定されている。このLED動作層3は、第2の実施形態の半導体基板の製造方法を用いて製造されている。
第2の実施形態の半導体基板の製造方法においては、第1の実施形態との大きな違いとして、光透過マスク20Bに形成されるエッチングパターン、すなわち複数の有底穴21Aが有底溝21Bに変更されている。つまり、工程aにおいては、図10または図11に示すように、光透過マスク20Bには、有底穴21Aではなく、有底溝21Bが設けられる。第1の実施形態と同様に、この有底溝21Bの代わりに図示しない貫通溝が設けられていてもよい。この場合、最終工程である工程cの終了後に凸部11Bの2次元配置パターンからなる回折格子10Bが得られる。有底溝21Bの個数は回折格子10Bの形状に依存するために1個または2個以上であってもよい。有底溝21Bのサイズについては、絞ったレーザ光LZのスポットサイズSSよりも小さな幅に設定されている。第2の実施形態の有底溝21Bにおいては、図8および図9に示した複数の円形凸部11Bの2次元配置によってそれらの間に形成された格子状の溝と同様の形状に設定されている。なお、工程aにおいて特に言及しない箇所、ならびに、工程bおよび工程cについては、第1の実施形態と同様である。
次に、第2の実施形態の半導体基板の製造方法の作用を説明する。
第2の実施形態の発光ダイオード1Bによれば、図8および図9に示すように、そのLED動作層3に微細加工された回折格子10Bが形成されている。第1の実施形態と比較すると、回折格子10Bのパターンが図1および図2に示した凹部11Aの2次元配置パターンか、図8および図9に示した凸部11Bの2次元配置パターンかという違いがあるが、いずれであっても、得られる効果は同様である。つまり、発光ダイオード1BのLED動作層3に対して、レーザ光LZのスポットサイズSSよりも微細な間隔Wをもって複数の凸部11Bが2次元配置された回折格子10Bを形成することができるので、従来のレーザエッチングにより回折格子10Bが形成された発光ダイオード1Bの発光効率と比較して、第2の実施形態の発光ダイオード1Bの発光効率を高くすることができる。
また、第2の実施形態の半導体基板の製造方法によれば、図10および図11に示すように、工程aにおいて、半導体基板である第2の実施形態のLED動作層3の表面上に対して蒸着法により形成された光透過マスク20Bが当接している。この光透過マスク20Bにはレーザ光LZのスポットサイズSSよりも小さな有底溝21Bがエッチングにより形成されている。そして、工程bにおいて光透過マスク20Bの有底溝21Bに流動性光吸収物質24が充填され、工程cにおいてレーザ光LZが流動性光吸収物質24に照射される。
ここで、図11に示すように、光透過マスク20Bの有底溝21Bに充填された流動性光吸収物質24にレーザ光LZが照射されると、光透過マスク20Bの有底溝21Bの底部がレーザエッチングされて貫通し、流動性光吸収物質24は表面張力により貫通した有底溝21Bを通過してLED動作層3に接触する。そして、流動性光吸収物質24がLED動作層3に接触すると、レーザエッチングによりLED動作層3にエッチング穴30が形成される。LED動作層3に対する流動性光吸収物質24の接触面積は有底溝21Bの寸法に依存するため、レーザエッチングにより形成されたエッチング穴30の寸法は有底溝21Bと同一の幅となる。エッチング穴30が所望の深さまでエッチングされると、そのエッチング穴30は図8および図9に示した回折格子10Bの凸部11Bに挟まれる溝となる。
このように、第2の実施形態の半導体基板の製造方法を用いれば、光透過マスク20Bにおいてレーザ光LZのスポットサイズSSよりも小さく形成された有底溝21Bの大きさと同等の大きさのレーザエッチングを半導体基板、すなわち第2の実施形態においてはLED動作層3に施すことができる。
次に 第3の実施形態の半導体基板の製造方法を説明する。第1の実施形態または第2の実施形態と第3の実施形態との大きな相違点は、光透過マスクが光反射マスクに変更された点にある。
第3の実施形態の半導体基板の製造方法は、工程a、工程bおよび工程cを備えている。ここで、工程bおよび工程cについては、第1の実施形態と同様であるので、工程aについて以下に詳細に説明する。
工程aにおいては、図示はしないが、レーザ光によって加工されるLED動作層に対して光反射マスクを当接させる。この光反射マスクにおいては、複数の貫通孔からなるエッチングパターンが設けられている。第1の実施形態と異なる点として、この貫通孔の代わりに有底穴を用いることはできない。光反射マスクを用いる場合、光透過マスクと異なり、工程cにおいて初期段階から流動性光吸収物質がLED動作層に接触していることが必要となるためである。貫通孔の個数および貫通孔のサイズは第1の実施形態と同様である。
光反射マスクの作成方法および当接方法について説明する。はじめに、LED動作層のp型GaN層の表面上に厚さ約300nm程度の蒸着膜を平滑に形成する。工程cにおいてサファイヤ基板側からレーザ光LZが入射するため、p型GaN層の表面は半導体基板におけるレーザ光LZの入射側と反対側の表面となる。p型GaN層の表面上に形成される蒸着膜は、Al、Agまたはそれらを主成分とする合金などのレーザ光を反射する物質を用いて成膜されている。平滑な蒸着膜が形成された後にその蒸着膜の全表面にレジスト膜を塗布形成し、そのレジスト膜に対して直径が150nmの貫通孔を200nmのピッチで形成する。この貫通孔は、初期段階においては電子線露光により形成されており、次の段階においてはエッチングにより形成されている。このエッチングは、ドライエッチングまたはウェットエッチングのいずれであっても良い。以上より、LED動作層のp型GaN層に光反射マスクが当接する。
次に 第3の実施形態の半導体基板の製造方法の作用を説明する。第1の実施形態または第2の実施形態と第3の実施形態との大きな相違点は光透過マスクが光反射マスクに変更された点にあるので、光反射マスクに係る作用を詳細に説明する。
第3の実施形態の半導体基板は工程a、工程bおよび工程cを経て製造される。工程aにおいては、半導体基板であるLED動作層の表面上に対して蒸着法により形成された光反射マスクが当接している。この光反射マスクにはレーザ光のスポットサイズよりも小さな貫通孔がエッチングにより形成されており、工程bにおいてその貫通孔に流動性光吸収物質が充填される。サファイヤ基板およびLED動作層はレーザ光の波長において透明である。そのため、図6に示すように、工程cにおいては、サファイヤ基板側から入射したレーザ光が、サファイヤ基板2およびLED動作層を順に通過して、光反射マスクの貫通孔に充填された流動性光吸収物質に吸収される。
ここで、光反射マスクの貫通孔に充填された流動性光吸収物質にレーザ光が照射されると、レーザエッチングによりLED動作層にエッチング穴が形成される。LED動作層に対する流動性光吸収物質の接触面積は貫通孔の寸法に依存する。そのため、レーザエッチングにより形成されたエッチング穴の寸法は、レーザ光のスポットサイズではなく、貫通孔と同一の直径となる。エッチング穴が所望の深さまでエッチングされると、そのエッチング穴は、回折格子10Aの凹部11Aとなる。その一方、流動性光吸収物質に吸収されずに光反射マスクに入射したレーザ光は、光反射マスクの反射性により散乱する。すなわち、第1の実施形態においてはレーザ光は光透過マスクを透過していたが、第3の実施形態においてはレーザ光が光反射マスクにより反射するため、光反射マスクには有底穴ではなく貫通孔を形成してレーザエッチング前に流動性光吸収物質をLED動作層に予め接触させておく必要がある。
このように、第3の実施形態の半導体基板の製造方法を用いれば、光反射マスクにおいてレーザ光のスポットサイズよりも小さく形成された貫通孔の大きさと同等の大きさのレーザエッチングを半導体基板、すなわち第3の実施形態においてはLED動作層に施すことができる。そのため、従来のレーザエッチングによりも微細な加工を施した回折格子を形成したLED動作層を製造することができる。
また、第3の実施形態の工程aにおいては、LED動作層の表面上に蒸着膜を形成し、その蒸着膜に対して貫通孔をドライエッチングまたはウェットエッチングすることにより、貫通孔を有する光反射マスクがLED動作層の表面上に形成される。そのため、寸法精度および当接位置精度の高い光反射マスクをLED動作層の表面上に容易に形成することができる。
なお、光反射マスクは工程cにおいてレーザ光LZの照射終了後に除去すればよい。また、光反射マスクの材質にAl、Agまたはそれらを主成分とする合金などのレーザ光を反射する物質を用いれば、レーザ光LZに対して反射率の高い光反射マスクを容易に蒸着形成することができる。
次に 第4の実施形態の透明体の製造方法を説明する。第1から第3の実施形態の半導体基板の製造方法と第4の実施形態の透明体の製造方法との大きな相違点は、(1)製造基板が半導体基板から透明体に変更になったこと、(2)(1)に伴って透明体の材質が半導体基板のGaNを含むすべての透明材料に拡張されたこと、(3)その製造方法によって製造される物が最終製品(発光ダイオードなどの半導体素子)だけではなく間接製品(例えば光インプリント用モールドなどの最終製品の製造に用いる製品)も含むすべての製品に適用可能であること、の3点にある。
第4の実施形態の透明体40の製造方法により製造される透明体40は、上記の半導体基板に限られない。透明体40の具体例としては、上記の半導体基板の他、石英、石英ガラス、水晶、クリスタルガラスなどが挙げられる。本実施形態の透明体40としては、図12および図13に示すように、微細加工が要求される光インプリント用モールドが選択されており、その材質は石英である。
なお、図12および図13に示すように、レーザエッチングにより平滑なインプリント面40aに凹部40bが形成された光インプリント用モールド40を図示しないアクリル系UV硬化樹脂に押し当てた後にUV照射をすることにより、例えば図14に示すような平滑なインプリント面41aに凸部41bを有する反射防止機能付レンズ41が形成される。凸部41bが形成される反射防止機能付レンズ41のインプリント面41aを平面ではなく凸型湾曲面にする場合、図15に示すように、光インプリント用モールド42のインプリント面42aを凹型湾曲面としてそこに凹部42bに形成すればよい。
第4の実施形態の透明体40の製造方法は、図示はしないが、工程a、工程bおよび工程cを備えており、それらは第1から第3の実施形態の半導体基板の製造方法と同様の工程内容を採用することができる。
概要を説明すると、工程aにおいては、図示はしないが、レーザ光によって加工される図12および図13の透明体40に対して光透過マスクまたは光反射マスクを当接させる。光反射マスクを用いる場合においては、複数の貫通孔からなるエッチングパターンが設けられている。貫通孔の個数および貫通孔のサイズは第1から第3の実施形態の半導体基板の製造方法と同様である。貫通孔の個数を最大限に増やしたい場合はハニカム構造のような平面充填構造を採用すればよい(図12の凹部40bの平面充填構造を参照。)。
また、工程aに用いる加工前の透明体40の直径は100mm、その厚さは6mmである。そして、工程aにおいては光反射マスクを採用し、それを透明体40に蒸着形成して当接させる。光反射マスクの厚さは300nmであり、電子線露光により得られたパターンの貫通孔の直径は150nmで200nmピッチに配置されている。そして、上記した工程a〜cを経て、図12および図13に示した透明体40としての光インプリント用モールドが形成される。
次に 第4の実施形態の透明体40の製造方法の作用を説明する。第1から第3の実施形態の半導体基板の製造方法と第4の実施形態の透明体40の製造方法との大きな相違点は主に上記(1)〜(3)に示した通りなので、主な相違点に係る作用を詳細に説明する。
第4の実施形態の透明体40は工程a、工程bおよび工程cを経て製造される。工程aにおいては、レーザ光に対して透明な透明体40に対して行なわれる。そのため、透明体40は上記の半導体基板に限られない。そして、エッチングパターンを有するマスクを例えば蒸着などにより透明体40に当接させることにより、上記の半導体基板へのレーザエッチングと同様、他の透明体40に対してもレーザ光のスポットサイズよりも微細なエッチングパターンの大きさと平面視同等の大きさのレーザエッチングを行なうことができる。
また、透明体40の材質として石英を選択した場合はレーザ光に対して透明体40の透明度を高くすることができる。特に、この透明体40が光インプリント用モールドである場合、従来では得られなかった微細なパターンを有する光インプリント用モールドが形成されるので、従来よりも微細なインプリントを行なうことができる。
すなわち、第1から第3の実施形態の半導体基板の製造方法および第4の実施形態の透明体40の製造方法によれば、レーザ光LZのスポットサイズSSよりも小さく形成された光透過マスク20A、20Bまたは光反射マスクのエッチングパターン、すなわち1個または2個以上の有底穴21Aもしくは貫通孔(図示せず)または有底溝21Bもしくは貫通溝(図示せず)の大きさと同等の大きさのレーザエッチングを行なうことができるので、発光ダイオード1A、1Bなどに用いられる半導体基板および光インプリント用モールドなどに用いる石英基板などの透明体40に対して従来のレーザエッチングによりも微細な加工を施すことができるという作用を生じる。
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、第1および第2の実施形態の半導体基板の製造方法においては、工程aにおいて光透過マスク20A、20Bを蒸着形成するために、工程a、工程bの順に行なっている。しかし、他の実施形態においては、光透過マスク20A、20Bを蒸着形成以外の方法によって形成することも可能であるため、光透過マスク20A、20Bが予め形成されているのであれば、流動性光吸収物質24を有底穴21Aや有底溝21Bに充填してからその光透過マスク20A、BをLED動作層3に当接することができるので、そのような場合は工程a、工程bの順序を逆にしてもよい。
また、第1から第3の実施形態の発光ダイオード1A、1Bにおいては、回折格子10Aまたは10Bがp型GaN層6、発光層5、n型GaN層4にわたって形成されているが、他の実施形態においては、回折格子10Aまたは10Bがp型GaN層6にのみ形成されていてもよい。
1A、1B 発光ダイオード
2 LED動作層(半導体基板)
10A、10B 回折格子
11A 凹部
11B 凸部
20A、20B 光透過マスク
21A 有底穴
21B 有底溝
24 流動性光吸収物質
LZ レーザ光
SS スポットサイズ
40 透明体
41、42 反射防止機能付レンズ

Claims (10)

  1. レーザ光に対して透明な半導体基板の表面に、加工する所望の加工パターンと平面視同一であってレーザ光のスポットサイズよりも微細な有底のあるいは貫通したエッチングパターンを有するマスクを当接させる工程aと、
    前記マスクのエッチングパターンに流動性光吸収物質を充填する工程bと、
    前記マスクのエッチングパターンに充填された前記流動性光吸収物質に対して前記半導体基板を介してレーザ光を照射することにより、前記半導体基板をエッチングする工程cと
    を備えていることを特徴とする半導体基板の製造方法。
  2. 前記マスクは、前記レーザ光を透過させる光透過マスクであり、
    前記エッチングパターンは 前記レーザ光のスポットサイズよりも小さな直径もしくは幅を有する1個または2個以上の有底穴もしくは貫通孔、または前記レーザ光のスポットサイズよりも小さな幅を有する1個または2個以上の有底溝もしくは貫通溝、によって形成されたパターンである
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
  3. 前記光透過マスクの材質は、SiOである
    ことを特徴とする請求項2に記載の半導体基板の製造方法。
  4. 前記マスクは、前記レーザ光を反射する光反射マスクであり、
    前記エッチングパターンは 前記レーザ光のスポットサイズよりも小さな直径もしくは幅を有する1個または2個以上の貫通孔、または前記レーザ光のスポットサイズよりも小さな幅を有する1個または2個以上の貫通溝、によって形成されたパターンである
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
  5. 前記光反射マスクの材質は、Al、Agまたはそれらを主成分とする合金である
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体基板の製造方法。
  6. 前記マスクは、前記工程aにおいて前記半導体基板における前記レーザ光の入射側と反対側の表面上に蒸着膜を形成してから前記蒸着膜に対して前記有底穴もしくは前記貫通孔または前記有底溝もしくは前記貫通溝をドライエッチングまたはウェットエッチングにより形成することによって作成されるとともに、前記工程cにおいて前記レーザ光の照射終了後に除去される
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体基板の製造方法。
  7. 前記半導体基板は、p型コンタクト層、発光層、n型コンタクト層、透明電極その他の発光ダイオードにおいて回折格子が形成されるLED動作層に用いられる半導体基板である
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体基板の製造方法。
  8. レーザ光に対して透明な透明体の表面に、加工する所望の加工パターンと平面視同一であってレーザ光のスポットサイズよりも微細な有底のあるいは貫通したエッチングパターンを有するマスクを当接させる工程aと、
    前記マスクのエッチングパターンに流動性光吸収物質を充填する工程bと、
    前記マスクのエッチングパターンに充填された前記流動性光吸収物質に対して前記透明体を介してレーザ光を照射することにより、前記透明体をエッチングする工程cと
    を備えていることを特徴とする透明体の製造方法。
  9. 前記透明体の材質は、石英である
    ことを特徴とする請求項8に記載の透明体の製造方法。
  10. 前記透明体は、光インプリント用モールドである
    ことを特徴とする請求項9に記載の透明体の製造方法。
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