JP2010013901A - 壁面作業装置、壁面作業装置の昇降方法 - Google Patents

壁面作業装置、壁面作業装置の昇降方法 Download PDF

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Abstract

【課題】風の影響を受けることなく、また、作業員が高所に行くことなく、壁面の補修や点検作業を行えるようにする。
【解決手段】壁面作業装置10は、一対のガイドレール22と、これらガイドレール22に夫々取り付けられ、バルコニー2の縁を把持可能な上方及び下方の把持装置21とを含んで構成される昇降機構20と、昇降機構20のガイドレール22に取り付けられた水平移動機構40と、水平移動機構に取り付けられた多関節マニピュレータ50と、多関節マニピュレータ50により姿勢及び位置を制御可能な作業装置60とを備える。昇降装置20は、常時、3つ以上の把持装置21がバルコニー2を把持した状態で上昇する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の外壁に沿って昇降可能な外壁の点検又は補修を行うための壁面作業装置及びその昇降方法に関する。
建物の壁面の点検や補修を行う方法として、建物の屋上部からワイヤにより吊持されたゴンドラに作業員が乗り込み、屋上部に設置された巻取り装置によりワイヤを巻き取ることで、ゴンドラを昇降させながらゴンドラに乗り込んだ作業員が点検又は補修を行う方法が用いられている。また、作業員による高所作業を削減すべく、建物の屋上部からワイヤによって吊時された作業用ロボットにより点検又は補修を行う方法も用いられている。
なお、本願出願人らは、このような建物の屋上部からワイヤによって吊持されたゴンドラ又は作業用ロボットなどからなる壁面作業装置について、ワイヤにたるみが生じるのを防止する機構を備えた装置を提案している(例えば、特許文献1参照)。
特開2000―257256号公報
ここで、建物が高層又は超高層の場合には、上記のようにゴンドラや作業用ロボットを建物の屋上からワイヤにより吊持する方法では、ゴンドラや作業用ロボットが風の影響を受けて静止することができないため、作業を中断せざるを得ない場合があった。
また、ゴンドラ上で作業員が作業を行う場合には、プライバシー等の観点から作業時間が制限されるという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、風の影響を受けることなく、また、作業員が高所作業を行うことなく、壁面の補修や点検作業を行えるようにすることである。
本発明の壁面作業装置は、表面から突出する凸部を有する壁面の点検又は補修を行う壁面作業装置であって、前記凸部を把持しながら前記壁面に沿って昇降する昇降機構と、前記昇降機構とともに昇降可能な、前記壁面の点検又は補修を行うための作業装置と、を備えることを特徴とする。
上記の壁面作業装置において、前記昇降機構は、略鉛直方向に延びる鉛直ガイド部材と、 前記鉛直ガイド部材に沿って、当該鉛直ガイド部材に対して相対的に昇降可能であるとともに、前記凸部を把持可能な上方及び下方の把持装置とにより構成されてもよい。
また、前記凸部は前記建物のバルコニー又は手摺であって、前記上方及び下方の把持装置は、夫々、先端に屈曲した屈曲部が形成され、前記鉛直ガイド部材に沿った状態と、前記鉛直ガイド部材から略水平に前記建物に向かって突出した状態との間で回動可能であるとともに、略水平に回動させた状態において前記建物に向かって進退可能な第1の把持部材と、前記建物に向かって略水平に進退可能な第2の把持部材とからなり、前記第1の把持部材を、前記屈曲部が前記バルコニー又は手摺の前記建物側に位置するように略水平となるまで回動させ、前記屈曲部が前記バルコニー又は手摺の前記建物の内部側に当接するまで前記建物に対して退行させ、前記第2の把持部材を、その先端が前記前記バルコニー又は手摺の外部側に当接するまで前記建物に向かって進出させることで、これら前記第1及び前記第2の把持部材により前記バルコニー又は手摺を挟み込むことにより把持してもよい。
また、前記作業装置は、前記昇降機構に対して水平方向に移動可能な水平移動機構を介して、前記昇降機構に取り付けられており、前記水平移動機構により水平方向に移動可能であってもよく、前記水平移動機構は、前記昇降機構に水平方向に延びるように取り付けられた水平ガイド部材と、前記水平ガイド部材に沿って移動可能な台座部と、により構成されてもよい。
また、前記作業装置は、当該作業装置の位置及び姿勢を制御可能な多関節マニピュレータを介して前記昇降機構に取り付けられていてもよい。
また、前記作業装置は、前記壁面を点検するための点検装置であってもよく、前記壁面を補修するための補修装置であってもよい。
また、前記昇降機構及び前記作業装置は、操作端末により有線又は無線により制御可能であってもよい。
また、本発明の壁面作業装置の昇降方法は、表面から突出する凸部を有する壁面の点検又は補修を行う壁面作業装置の昇降方法であって、前記壁面作業装置は、略鉛直方向に延びる鉛直ガイド部材、及び前記鉛直ガイド部材に沿って、当該鉛直ガイド部材に対して相対的に昇降可能であるとともに、前記凸部を把持可能な上方及び下方の把持装置からなる昇降機構と、前記昇降機構とともに昇降可能な、前記壁面の点検又は補修を行うための作業装置と、を備えてなり、前記下方の把持装置により前記凸部を把持した状態で、前記鉛直ガイド部材に対して当該鉛直ガイド部材に沿って前記上方の把持部を上昇又は下降させるステップと、前記上方の把持装置により前記凸部を把持した状態で、前記鉛直ガイド部材に対して当該鉛直ガイド部材に沿って前記下方の把持部を上昇又は下降させるステップと、前記上方及び下方の把持装置により前記凸部を把持した状態で、前記鉛直ガイド部材を前記上方及び下方の把持装置を上昇又は下降させるステップと、を繰り返すことにより前記壁面に沿って昇降することを特徴とする。
建物の外壁の凸部を把持しながら、壁面に沿って上昇することができるため、超高層の建物の上部など強風が吹くような箇所であっても、姿勢を保ったまま、外壁に沿って昇降し、点検作業を行うことができる。
以下、本発明の壁面作業装置の一実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。 図1は、壁面作業システム1を示す正面図であり、(A)は壁面と垂直方向の鉛直断面図、(B)は正面図である。同図に示すように、壁面作業システム1は、例えば、集合住宅などのバルコニー2を有する建物の外壁3に沿って昇降し、建物の外壁3の点検又は補修を行うためのものである。壁面作業システム1は、壁面作業装置10と、作業員が操作する操作端末70とにより構成される。壁面作業装置10は、建物の壁面に沿って昇降可能な昇降機構20と、昇降機構20に取り付けられた水平移動機構40と、水平移動機構40に取り付けられた多関節マニピュレータ50と、多関節マニピュレータ50により位置及び姿勢を制御可能な作業装置60と、これら昇降機構20、水平移動機構40、マニピュレータ50、及び作業装置60を制御する制御部80とを備える。
図2は、昇降機構20の構成を示す図であり、(A)は壁面と垂直方向の鉛直断面図、(B)は正面図である。昇降機構20は、所定の間隔をあけて上下方向に延びる、その上下端部において水平部材23により結ばれた一対のガイドレール22L、22Rと、これら一対のガイドレール22に夫々取り付けられた上方及び下方の把持装置21A,21B,21C,21Dとにより構成される。また、各把持装置21A,21B,21C,21Dは上方に位置する内部把持機構24と、下方に位置する外部把持機構25とにより構成される。
図3は、ガイドレール22を示す斜視図である。同図に示すように、ガイドレール22にはその両側面及び背面(建物と反対側の面)にガイド溝22B、22Cが形成され、表面(建物側の面)にはラック22Aが形成されている。ガイドレール22の側面に形成されたガイド溝22Bは、表面側は幅が狭く、内部側は幅広に(以下、この幅広な部分を拡幅部22Dという)形成されている。
図4は、内部把持機構24の構成を示す図であり、(A1)及び(A2)は鉛直断面図、(B1)及び(B2)は水平断面図である。また、(A1)及び(B1)はバルコニー2の縁を把持するために把持部26が水平になるように機構本体27を回動させた状態を示し、(A2)及び(B2)は昇降する際に把持部26が鉛直になるように機構本体27を回動させた状態を示す。なお、図中、機構本体27は破線により示している。
内部把持機構24は、ガイドレール22のガイド溝22Bに沿って上下方向に案内される摺動部材28と、摺動部材28に取り付けられた機構本体27と、機構本体27に取り付けられた把持部26と、摺動部材28の上端に端部が固定されたワイヤ29Aを巻き取り可能な巻取装置29と、機構本体27に取り付けられたモータ(不図示)により回転可能なピニオン31とにより構成される。
摺動部材28は、水平方向の一端に拡幅部28Aを備えた鉛直方向に延びる部材からなり、この拡幅部28Aがガイドレール22に形成されたガイド溝22Bの拡幅部22Dに収容されることにより、鉛直方向に延びる状態を保ったまま、ガイドレール22に沿って案内されることとなる。
機構本体27の下端は摺動部材28の下端28Bに回動自在に取り付けられており、巻取装置29によりワイヤ29Aを繰り出すことにより、図4(A1)及び(B1)に示すように、把持部26が水平になるまで機構本体27を回動させることができる。また、巻取装置29によりワイヤ29Aを巻き取ることにより、図4(A2)及び(B2)に示すように、把持部26が鉛直になるまで機構本体27を回動させることができる。なお、この巻取装置29は制御部80と、無線又は有線で通信可能に接続され、制御部80から送信される制御信号によりワイヤ29Aの巻き取り及び繰り出しを制御することができる。
把持部26は先端に屈曲部26Aを備えた形成された板材からなり、その表面にはラック26Bが設けられている。また、屈曲部26Aのガイドレール22側の面にはゴム材26Dが取り付けられている。把持部26は、その表面に形成されたラック26Bが機構本体27に取り付けられたモータ(不図示)により回転されるピニオン30と螺合し、また、その裏面がローラー26Cに当接しており、これらピニオン30及びローラー26Cに挟み込まれることで保持されている。なお、このピニオン30を回転させるモータは、制御部80と無線又は有線で通信可能に接続され、制御部80から送信される制御信号により回転を制御することができる。かかる構成により、モータによりピニオン30を回転させることで、把持部26をその軸方向に進退させることができる。
また、機構本体27に取り付けられたピニオン31は、図4(A2)及び(B2)に示すように、把持部26が鉛直になるように機構本体27を回動させた状態でガイドレール22に設けられたラック22Aと螺合するような位置に取り付けられている。このため、把持部26が鉛直になるように機構本体27を回動させた状態で、ガイドレール22に設けられたラック22Aと螺合したピニオン31をモータにより回転させることにより、内部把持機構24をガイドレール22に沿って昇降させることが可能である。なお、このピニオン31を回転させるモータは、制御部80と無線又は有線で通信可能に接続され、制御部80から送信される制御信号により回転を制御することができる。
図5は、外部把持機構25の構成を示す図であり、(A)は側方断面図、(B)は水平断面図である。なお、図中、機構本体35は破線により示している。外部把持機構25はガイドレール22を取り囲むように設けられた機構本体35と、ガイドレール22に設けられたラック22Aと螺合するモータ(不図示)により回転可能なピニオン34と、機構本体35に取り付けられた伸縮機構32Bによりガイドレール22に対して進退可能な把持部32と、により構成される。把持部の表面にはゴム材32Aが取り付けられている。
機構本体35のガイドレール22の裏面にあたる部分にはローラー33が設けられており、外部把持機構25はガイドレール22をピニオン34とローラー33とにより挟み込むことにより、ガイドレール22を保持している。また、外部把持機構25は、モータによりピニオン34を回転させることにより、ガイドレール22に沿って昇降することができる。なお、外部把持機構25のガイドレール22のラック22Aと螺合するピニオン34を回転させるモータは、制御部80と無線又は有線で通信可能に接続され、制御部80により内部把持機構24のガイドレール22のラック22Aと螺合するピニオン31を回転させるモータと同期するように制御されている。外部把持機構25及び内部把持機構24は、ガイドレール22に対して一体となって昇降することができる。
図6(A)は把持装置21によりバルコニー2の縁を把持した状態を示す側方断面図であり、(B)はバルコニーの縁の把持を解除した状態の側方断面図である。把持装置21によりバルコニー2の縁を把持するためには、まず、内部把持機構24の把持部26を機構本体27に対して進出させた状態で、機構本体27を回動させる。そして、把持部26を機構本体27に向かって退行させて、屈曲部26Aのゴム材26Dが取り付けられた側の面をバルコニー2の縁の内側の面に当接させる。また、外部把持機構25の把持部32をバルコニー2の縁に向かって進出させて、把持部32の先端に取り付けられたゴム材32Aをバルコニー2の縁の外側の面に当接させる。このように内部把持機構24の把持部26及び外部把持機構25の把持部32によりバルコニー2の縁を挟み込むことで、把持装置21はバルコニー2の縁を把持することができる。なお、このようにバルコニー2の縁を把持した状態で、内部把持機構24のピニオン30及び外部把持機構25のピニオン31を回転させることにより、把持装置21に対してガイドレール22を上昇又は下降させることができる。
また、バルコニー2の縁の把持を解除する場合には、内部把持機構24の把持部26を機構本体27から進出させ、さらに、把持部26がガイドレール22と略平行になるまで機構本体27を回動させる。また、これとともに、外部把持機構25の把持部32を機構本体35に向かって退行させる。これにより、バルコニー2の縁の把持を解除することができるとともに、把持装置21が昇降する際に、バルコニー2と把持部26、32が干渉することを防止できる。
図7は、水平移動機構40を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は鉛直断面図である。水平移動機構40は一対のガイドレール22に昇降装置42を介して取り付けられた水平フレーム41と、多関節マニピュレータ50が取り付けられ、水平フレーム41に沿って水平方向に移動可能な台座部材44と、により構成される。
昇降装置42は、夫々、ガイドレール22の裏面のガイド溝22C内の面に当接するローラー46と、ガイドレール22のラック22Aと螺合するピニオン45と、このピニオン45を回転させるモータ(不図示)とを備える。昇降装置42はローラー46とピニオン45とによりガイドレール22を挟み込むことにより、ガイドレール22を保持しており、モータによりピニオン45を回転させることでガイドレール22に沿って昇降可能である。なお、一対のガイドレール22に取り付けられた昇降装置42のモータ42は、夫々、制御部80により回転を制御可能であり、互いに同期するように制御されている。このため、これら昇降装置42は同じ速度でガイドレール22を昇降することとなり、昇降している間も水平フレーム41は水平な状態が保たれる。
水平フレーム41は枠状に組まれた鋼材からなり、上下方向中央高さに水平方向に延びる水平ガイドレール43を備える。台座部材44は水平ガイドレール43が内部に貫通した状態で取り付けられており、水平ガイドレール43に沿って水平方向に移動可能である。また、台座部材44の内部には、水平ガイドレール43に沿って水平方向に移動するための移動機構(例えば、ラック・アンド・ピニオン)などが組み込まれている。なお、この移動機構は制御部80と無線又は有線で通信可能に接続され、制御部80から送信される制御信号により、水平方向移動が制御される。
多関節マニピュレータ50は、制御部80と無線又は有線で通信可能に接続され、制御部80から送信される制御信号に応じて先端に取り付けられた作業装置60の姿勢、位置を制御可能である。
作業装置60は、建物の外壁を点検するための装置であり、カメラ、打診装置、熱画像撮影装置、超音波診断装置などの点検項目にあわせた点検装置からなる。これら作業装置60は、制御部80からの制御信号により制御可能であり、また、点検より測定された情報は制御部80に送られ、制御部80の無線通信機能により操作端末70に送信される。
制御部80は、操作端末と無線通信することができるとともに、壁面作業装置10を構成する各部に有線又は無線で制御信号を送信し、各部の駆動を制御することができる。なお、以下に説明する壁面作業システムによる外壁の補修作業は、操作端末に作業員が指示を入力することにより、この指示が無線により制御部80に送られ、制御部80の制御信号送信部が上記の各部に制御信号を送信することにより実現される。
以下、本実施形態の壁面作業システム1により外壁の点検を行う流れを図8A〜図8Bを参照しながら説明する。
ここでは、図8AのSTEP1に示すように、壁面作業装置10が、下方の把持装置21B、21DによりN階のバルコニー2の縁を把持するとともに、上方の把持装置21A、21CによりN+1階のバルコニー2の縁を把持することにより取り付けられ、また、水平移動機構40がN階の上方の高さに位置する状態から説明を開始する。
まず、図8AのSTEP2に示すように、上方及び下方の把持装置21A,21B、21C,21Dがバルコニー2の縁を把持した状態で、ガイドレール22を上昇させる。なお、この際、水平移動機構40をガイドレール22が上昇するのと同じ速度で、ガイドレール22に対して下降させることにより、水平移動機構40が一定の高さに留まるようにする。
次に、図8AのSTEP3に示すように、N+1階のバルコニー2の縁を把持する図2(B)において、左側のガイドレール22Lに取り付けられた上方の把持装置21A(以下、左上の把持装置という)を解除する。
次に、図8AのSTEP4に示すように、左上の把持装置21Aをガイドレール22に沿ってN+2階のバルコニー2の高さまで上昇させる。そして、図8AのSTEP5に示すように、左上の把持装置21AによりN+2階のバルコニー2の縁を把持する。
次に、STEP3〜STEP5と同様に、図2(B)において、右側のガイドレール22Rに取り付けられた上方の把持装置21C(以下、右上の把持装置という)を上昇させる。
すなわち、まず、図8AのSTEP6に示すように、N+1階のバルコニー2の縁を把持する右上の把持装置21Cを解除する。
次に、図8AのSTEP7に示すように、右上の把持装置21Cをガイドレール22に沿ってN+2階のバルコニー2の高さまで上昇させる。そして、図8AのSTEP8に示すように、右上の把持装置21CによりN+2階のバルコニー2の縁を把持する。
次に、図8BのSTEP9に示すように、水平移動機構40をガイドレール22に沿って、N+1階の上方の高さまで上昇させる。
次に、図8BのSTEP10に示すように、N階のバルコニー2の縁を把持する、図2(B)において、左側のガイドレール22Lに取り付けられた下方の把持装置21B(以下、左下の把持装置という)を解除する。
次に、図8BのSTEP11に示すように、左下の把持装置21Bをガイドレール22に沿ってN+1階のバルコニーの高さまで上昇させる。そして、図8BのSTEP12に示すように、左下の把持装置21BによりN+1階のバルコニー2の縁を把持する。
次に、STEP10〜STEP12と同様に、図2(B)において、右側のガイドレール22Rに取り付けられた下方の把持装置21D(以下、右下の把持装置という)を上昇させる。
次に、図8BのSTEP13に示すように、N階のバルコニー2の縁を把持する右下の把持装置21Dを解除する。
次に、図8BのSTEP14に示すように、右下の把持装置21Dをガイドレール22に沿ってN+1階のバルコニーの高さまで上昇させる。そして、図8BのSTEP15に示すように、右下の把持装置21DによりN+1階のバルコニー2の縁を把持する。
次に、図8BのSTEP16に示すように、水平移動機構40により多関節マニピュレータ50を水平移動させ、さらに、多関節マニピュレータ50により作業装置60を移動させながら、2階の外壁の補修を行う。この際、作業装置60の外壁点検用のカメラなどにより撮影された画像等の点検結果は、制御部80の無線送受信部を介して、操作端末に提供される。作業員はこの画像を見て、点検を行うことができる。
そして、上記のSTEP2〜STEP16に示す工程を繰り返すことにより、壁面作業装置10を建物の壁面に沿って上昇させながら、壁面の点検を行うことができる。
なお、壁面作業装置10を壁面に沿って下降させる場合には、上記説明した壁面作業装置10を上昇させる工程を逆の順序で行えばよい。
以上説明したように、本実施形態の壁面作業装置10は、バルコニー2の縁を把持しながら、壁面に沿って上昇することができるため、超高層の建物の上部など強風が吹くような箇所であっても、姿勢を保ったまま、外壁に沿って昇降し、点検作業を行うことができる。
さらに、本実施形態では、常時、上下及び左右の把持装置21A,21B、21C、21Dのうち、何れか3つ以上により、バルコニー2の縁を把持しているため、壁面作業装置10の安定性を増すことができる。
また、作業員は操作端末70により、無線通信で壁面作業装置10を操作することができるため、地上において作業を行うことができる。このため、建物の住人のプライバシーを害することなく点検作業を行うことができ、作業を中断する必要がなくなる。
なお、本実施形態では、作業装置60を、水平移動機構40及び多関節マニピュレータ50を介して昇降機構20に取り付けることとしたが、水平移動機構40を省略し、昇降機構20に多関節マニピュレータ50をガイドレール22に沿って昇降可能に取り付け、このマニピュレータ50に作業装置60を取り付けることとしてもよい。また、多関節マニピュレータ50を省略し、作業装置60を水平移動機構40に直接取り付ける構成としてもよい。さらに、マニピュレータ50及び水平移動機構40を省略し、昇降機構20にガイドレール22に沿って昇降可能に作業装置60を取り付けることとしてもよい。また、水平方向移動機構40は上記の構成に限られず、マニピュレータ50を昇降機構20に対して水平方向に移動することができればよい。
また、本実施形態では、作業装置60が取り付けられた水平移動機構40がガイドレール22に沿って昇降可能な場合について説明したが、これに限らず、水平移動機構40は、必ずしも、昇降可能とする必要はなく、ガイドレール22を上下させることにより作業装置60を昇降させることとしてもよい。
また、本実施形態では、昇降機構20においてガイドレール22を一対設けることとしたが、これに限らず、1本としてもよいし、さらに、複数本設けることとしてもよい。ガイドレール22を複数本設ける場合には、水平移動機構40の水平フレーム41をこれら複数のガイドレール22に亘って取り付けることにより、作業装置60を水平方向に幅広く移動させることができる。
また、本実施形態では、内部把持機構24と外部把持機構25からなる把持装置21を用いているが、これに限らず、内部把持機構24と外部把持機構25とを一体に構成してもよく、要するに、ガイドレール22に沿って昇降する機構と、バルコニー2の縁を把持する機構を備えた装置であればよい。
さらに、本実施形態では、バルコニー2の縁を把持することとしたが、これに限らず、手摺やひさしなど建物の外壁より突出する部分を把持することができればよい。また、本実施形態では、バルコニー2の縁を建物の内部側と外部側から挟み込むように把持することとしたが、これに限らず、突出する部分の形状に合わせて上下に挟みこむものとしてもよいし、壁面に沿った方向に挟み込むものとしてもよい。
また、本実施形態では、操作端末70に作業装置60による外壁の点検結果を送信するものとしたが、これに限らず、作業装置60に点検結果を記録する機構を設け、作業装置60に記録するもとしてもよい。また、作業装置60に予め設計図等を記録しておき、点検位置と、点検結果とを結びつけて記録してもよい。
また、本実施形態では、壁面作業システム1により、外壁の点検を行う場合について説明したが、これに限らず、外壁の補修を行うことも可能である。このような場合には、作業装置60として、ドリル、アンカー打設装置、塗装装置などの補修装置を用いればよい。さらに、これらドリル、アンカー打設装置、塗装装置などの補修装置を適宜変更する機構を有する作業装置(例えば、特開平8−135202号公報参照)を用いることで、より効率よく、補修作業を行うことができる。
また、本実施形態では、操作端末70により無線を介して壁面作業装置10を操作するものとしたが、これに限らず、予め、制御部80に設計図等に基づき、壁面の形状を記録しておき、この記録された壁面の形状に基づき、自動的に昇降し、点検又は補修を行うようにしてもよい。
壁面作業システムを示す正面図であり、(A)は壁面と垂直方向の鉛直断面図、(B)は正面図である。 昇降機構の構成を示す図であり、(A)は壁面と垂直方向の鉛直断面図、(B)は正面図である。 ガイドレールを示す斜視図である。 内部把持機構の構成を示す図であり、(A1)はバルコニーの縁を把持するために把持部が水平になるように機構本体を回動させた状態を示す鉛直断面図、(A2)は昇降する際に把持部が鉛直になるように機構本体を回動させた状態を示す鉛直断面図、(B1)は(A1)に対応する水平断面図、(B2)は(A2)に対応する水平断面図である。 外部把持機構の構成を示す図であり、(A)は側方断面図、(B)は水平断面図である。 (A)は把持装置によりバルコニーの縁を把持した状態を示す側方断面図であり、(B)はバルコニーの縁の把持を解除した状態の側方断面図である。 水平移動機構を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は鉛直断面図である。 壁面作業システムにより外壁の点検を行う流れを説明するための図(その1)である。 壁面作業システムにより外壁の点検を行う流れを説明するための図(その2)である。
符号の説明
1 壁面作業システム
2 バルコニー 3 外壁
10 壁面作業装置 20 昇降機構
21、21A、21B、21C、21D 把持装置
22、22L、22R ガイドレール
23 水平部材 24 内部把持機構
25 外部把持機構 26 把持部
27 機構本体 28 摺動部材
29 巻取装置 29A ワイヤ
30、31、34 ピニオン 32 把持部
33 ローラー 35 機構本隊
40 水平移動機構 41 水平フレーム
42 昇降装置 43 ガイドレール
44 台座部材 45 ピニオン
46 ローラー 50 多関節マニピュレータ
60 作業装置 70 操作端末
80 制御部

Claims (10)

  1. 表面から突出する凸部を有する壁面の点検又は補修を行う壁面作業装置であって、
    前記凸部を把持しながら前記壁面に沿って昇降する昇降機構と、
    前記昇降機構とともに昇降可能な、前記壁面の点検又は補修を行うための作業装置と、を備えることを特徴とする壁面作業装置。
  2. 請求項1記載の壁面作業装置であって、
    前記昇降機構は、
    略鉛直方向に延びる鉛直ガイド部材と、
    前記鉛直ガイド部材に沿って、当該鉛直ガイド部材に対して相対的に昇降可能であるとともに、前記凸部を把持可能な上方及び下方の把持装置とにより構成されたことを特徴とする壁面作業装置。
  3. 請求項2記載の壁面作業装置であって、
    前記凸部は前記建物のバルコニー又は手摺であって、
    前記上方及び下方の把持装置は、夫々、先端に屈曲した屈曲部が形成され、前記鉛直ガイド部材に沿った状態と、前記鉛直ガイド部材から略水平に前記建物に向かって突出した状態との間で回動可能であるとともに、略水平に回動させた状態において前記建物に向かって進退可能な第1の把持部材と、前記建物に向かって略水平に進退可能な第2の把持部材とからなり、
    前記第1の把持部材を、前記屈曲部が前記バルコニー又は手摺の前記建物側に位置するように略水平となるまで回動させ、前記屈曲部が前記バルコニー又は手摺の前記建物の内部側に当接するまで前記建物に対して退行させ、
    前記第2の把持部材を、その先端が前記前記バルコニー又は手摺の外部側に当接するまで前記建物に向かって進出させることで、
    これら前記第1及び前記第2の把持部材により前記バルコニー又は手摺を挟み込むことにより把持することを特徴とする壁面作業装置。
  4. 請求項1から3のうち何れか1項に記載の壁面作業装置であって、
    前記作業装置は、前記昇降機構に対して水平方向に移動可能な水平移動機構を介して、前記昇降機構に取り付けられており、前記水平移動機構により水平方向に移動可能であることを特徴とする壁面作業装置。
  5. 請求項4記載の壁面作業装置であって、
    前記水平移動機構は、前記昇降機構に水平方向に延びるように取り付けられた水平ガイド部材と、前記水平ガイド部材に沿って移動可能な台座部と、により構成されることを特徴とする壁面作業装置。
  6. 請求項1から5のうち何れか1項に記載の壁面作業装置であって、
    前記作業装置は、当該作業装置の位置及び姿勢を制御可能な多関節マニピュレータを介して前記昇降機構に取り付けられていることを特徴とする壁面作業装置。
  7. 請求項1から6のうち何れか1項に記載の壁面作業装置であって、
    前記作業装置は、前記壁面を点検するための点検装置であることを特徴とする壁面作業装置。
  8. 請求項1から7のうち何れか1項に記載の壁面作業装置であって、
    前記作業装置は、前記壁面を補修するための補修装置であることを特徴とする壁面作業装置。
  9. 請求項1から8のうち何れか1項に記載の壁面作業装置であって、
    前記昇降機構及び前記作業装置は、操作端末により有線又は無線により制御可能であることを特徴とする壁面作業装置。
  10. 表面から突出する凸部を有する壁面の点検又は補修を行う壁面作業装置の昇降方法であって、
    前記壁面作業装置は、略鉛直方向に延びる鉛直ガイド部材、及び前記鉛直ガイド部材に沿って、当該鉛直ガイド部材に対して相対的に昇降可能であるとともに、前記凸部を把持可能な上方及び下方の把持装置からなる昇降機構と、前記昇降機構とともに昇降可能な、前記壁面の点検又は補修を行うための作業装置と、を備えてなり、
    前記下方の把持装置により前記凸部を把持した状態で、前記鉛直ガイド部材に対して当該鉛直ガイド部材に沿って前記上方の把持部を上昇又は下降させるステップと、
    前記上方の把持装置により前記凸部を把持した状態で、前記鉛直ガイド部材に対して当該鉛直ガイド部材に沿って前記下方の把持部を上昇又は下降させるステップと、
    前記上方及び下方の把持装置により前記凸部を把持した状態で、前記鉛直ガイド部材を前記上方及び下方の把持装置を上昇又は下降させるステップと、を繰り返すことにより前記壁面に沿って昇降することを特徴とする壁面作業装置の昇降方法。
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