JP2010012520A - 微細パターンの形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】下限は1nmから最大は1mmあるいはそれ以上のピッチの細密な細溝パターンからなる格子状パターンを形成する方法を提供すること。
【解決手段】細溝加工する加工部をパルス駆動し、個々の駆動エネルギを制御することにより細溝加工を制御し、加工微細化下限は1nmまで到達でき、高次構造が形成でき、加工部位を多重加工できるという特徴をもちながら加工部の作成が容易で加工線速度は速いので、広幅、長尺加工が可能という新規な微細加工法を提供するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は固形物表面の微細加工方法に関する。本発明の技術は光学素子、電子素子などの製造に利用でき、特に板状、フィルム状材料を被加工材料として選択することにより2次元フォトニック結晶、回折格子、グリッド偏光板などが製造できる。
微細加工技術の進歩により板状、フィルム状材料などの固形物表面を加工して所望の微細パターンを作成するさまざまな技術が微細化の度合いに応じて開発されている。最近の出願例を中心に挙げると、精密印刷〔特許文献1〕、ダイアモンドバイトを用いる切削加工〔特許文献2〕、レーザー加工〔特許文献3〕、フォトリソグラフ法〔特許文献4〕、液浸フォトリソグラフ法〔特許文献5〕、位相シフトマスクを用いるフォトリソグラフ法〔特許文献6〕、X線リソグラフ法〔特許文献7〕、電子ビームで加工する方法〔特許文献8〕、電子ビームリソリソグラフ法〔特許文献9〕、ナノインプリント法〔特許文献10〕、自己組織化法〔特許文献11〕などがある。
特開2008−91123 特開2007−54945 特開2005−66687 特表2003−529680 米国US4,509,852 特開2006−53386 特開2005−166708 特表2007−503009 特開平7−201726 特表2004−517737 特開2008−43873 特開2006−251056 特開2006−7382 特開2006−13401
固形物表面の微細加工技術は目標とする表面形状の細密さに応じて使い分けられているが、目標形状が微細になるにつれて2種類の問題が困難度を大きくしながら発生する。
その問題の一方が微細加工技術そのものに関するものである。精密機械加工の場合は用いる切削工具と工作装置の精度が微細加工の障壁になる。レーザー加工の場合はレーザー光の波長と投射レンズの開口数が微細加工の障壁になる。投射レンズの開口数は今後非常に大きくなることはないと考えられるので、レーザー光源の短波長化に依存してレーザー加工の微細化は進むはずである。微細加工技術においては印刷インクも3次元の立体構造物であり、インクジェット法などにより電子素子などの形成がおこなわれている。この方法ではインク液滴の大きさが微細化の制限因子となる。半導体製造などにおいてはフォトリソグラフ法、電子ビームリソグラフ法が重用されている。フォトリソグラフ法の場合は原版の転写に光を用いる。光の波動性に由来する回折を低減するために、短波長光の光源やX線源を用いる、高屈折率の液体中で原版の転写を行う、あらかじめ光回折の効果を補正した原版を用いるなどのことがおこなわれている。これらの方法には高水準の技術が必要となる。電子ビームリソグラフ法は光の替わりに電子線を用い、パターンを描画するので高真空中での作業が必要である。インプリント法の操作は比較的容易であるが、相応の原版が必要である。細密な表面形状のものは原版作成に高度の加工技術が必要であり、精密研削やフォトリソグラフ法が用いられる。これらの微細加工技術は更なる改良が進められていて、微細化の下限は下がりつつあるが、微細化の下限に近づくにつれて技術的な困難度は急速に増大する。
目標形状が微細になるにつれて発生する2種類の問題中もう一方は加工幅や加工面積の問題である。レーザー加工や印刷の場合は広幅や大面積の微細加工が可能と思われるが、微細化の下限が比較的大きい。フォトリソグラフ法、電子ビームリソグラフ法は微細化の下限は小さくても加工幅や加工面積を拡大することは容易ではない。それだけでなく加工には複数の工程が必要である。インプリント法は形状の転写操作は簡単であっても、加工幅や加工面積はインプリント原版に依存する。広幅や大面積のインプリント原版の製作はパターンが微細になれば困難になる。
加工形状の微細化という事項と加工幅や加工面積の拡大という事項を両立できることは特に好ましいことであるが、既存の微細加工技術において両事項は相反するものである。その結果、加工幅や加工面積を保ったままで微細加工を行うことは、不可能あるいは可能であっても高度の技術と高額の装置類が必要になるという、製造工業上としては大きな負の側面をもつものである。
その他の方法で微細パターンを形成できるものとしては分子の自己組織化特性を利用するものや基材表面にコート剤を塗布してラビング処理で細溝を形成するという方法〔特許文献12〕がある。これらは微細パターンを安価な装置で形成できると思われるが、意図した形状の微細パターンを常に形成できるわけではない。さらに、数〜数十原子、数〜数十分子レベルの微細な1次構造を規則的に形成してさらに2次構造や3次構造などを形成することは不可能である。干渉縞を利用する方法の場合は用いる光の波長を変えることにより細溝ピッチを変えることができるが、個々の細溝を特定して調整できるものではない〔特許文献4〕。
格子状パターンや碁盤目状パターンなどの比較的単純な微細パターンの広幅加工や大面積加工はフォトニック格子、フォトニック結晶、回折格子、グリッド偏光版などの光学素子や電子素子などの製造技術として重要である。さらに、微細構造を形成する場合、個々の細溝や突起など特定して深さ(高さ)方向や縦横の方向に調整や変化を与えることができることが望ましく、重要である。このときにリアルタイムで深さ(高さ)方向や縦横の方向に調整や変化を与えることができればさらに有用である。すなわち、光学素子や電子素子の微細構造を調整することにより素子特性の調整(トリミング)ができるためである。これらの用途においては、1nmスケール(数〜数十原子、数〜数十分子レベル)程度までの微細構造を形成することと大面積加工を同時にしかも安価に行うことは重要な課題である。
本発明の表面加工方法は、高分子素材を直線状または曲線状の加工部により塑性変形または切削することを特徴とする。本法を適用することにより、格子状パターンや碁盤目状パターンなどの比較的単純なパターンを広幅、大面積に容易に形成できる。
本願発明〔1〕は固形物表面の微細構造形成方法であって、パルス駆動状態または振動状態の加工用工具と被加工材表面を相対的に移動させながら接触させることにより切削または切断または変形させて微細構造を形成する微細加工方法に関するものである。
本願発明〔2〕は上記加工用工具は直線状または曲線状の加工部をもつことを特徴とする上記〔1〕記載の微細加工方法に関するものである。
本願発明〔3〕は上記加工用工具の加工部は1枚刃の形状であることを特徴とする〔1〕または〔2〕記載の微細加工方法に関するものである。
本願発明〔4〕は上記加工用工具のパルス駆動状態または振動状態においてパルス間隔が100ミリ秒以下または振動周波数が10ヘルツ以上であることを特徴とする〔1〕または〔2〕または〔3〕記載の微細加工方法に関するものである。
本発明の加工法は薄板状、楔状、台形状などの断面形状をもつ直線状または曲線状の加工部を用いて機械的に加工するが、1nm程度から最大は1mmあるいはそれ以上のピッチの細溝パターンからなる格子状パターンを、定常的または変化させながら広幅、大面積に形成することができる。
本発明は先に記述した技術課題を克服するものである。本発明法は基本特性として、《1》1nmスケール(数〜数十原子、数〜数十分子レベル)の単位構造からなる1次構造を規則的に形成・配列してマイクロメートルスケールやミリメートルスケールあるいはそれ以上のスケールの2次構造や3次構造、高次構造などを形成すること、《2》被加工材の同一部位あるいはその近傍を2回以上の多数回にわたって塑性加工や切削加工できること、《3》加工線速度は高速であり、超光速までも期待できる、《4》斜め溝構造(庇状の構造)などの微細形状も形成できるなどの特徴をもつ。その結果、既存の微細加工法では実現困難な加工幅や加工面積を保ったままで微細加工を行うことを可能とするものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
〔本技術の適用可能な高分子素材〕
本発明の加工技術の適用範囲について説明する。本発明の加工法においては、被加工材(ワーク)を移動させることが加工装置としては好ましい形態のひとつである。この点で、被加工材の形状はリボン状、フィルム状、板状であることが好ましい。球状、レンズ状、平面状の表面をもつ円盤、円柱、角柱の形態をした被加工材にも本加工技術は適用できる。
被加工材としては基板表面の単分子層(単分子膜)や分子2重層や分子多重層、例えば脂質分子2重層や脂質分子多重層などのように分子レベルの薄膜が2層から100層あるいはそれ以上に積層したもの、塗膜、スパッタ層、蒸着層などの薄い膜や層も本発明の加工技術の適用対象であり、好ましい。ここで用いる基板としては、ケイ素、ゲルマニウム、ケイ素―ゲルマニウム、ガリウム砒素、炭化ケイ素、ダイヤモンド、酸化亜鉛などの半導体基板、ガラス、石英ガラス、サファイア、酸化マグネシウム、酸化錫、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)など各種ガーネット系化合物などの酸化物基板、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウムなどのフッ化物基板、セレン化亜鉛などの無機化合物基板、マグネシウム、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、錫、アンチモン、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、鉛、ビスマスなどの単体金属やこれらの金属を含む合金からなる金属基板、炭化ハフニウム、炭化タンタル、炭化タングステンからなる炭化物基板などの無機基板、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、例えばポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチルなどのポリメタクリル酸エステル、ポリアミド樹脂、PTFEなどのフッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリラクトン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシルプロピオン酸、ポリヒドロキシル酪酸などの各種生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファンなどのさまざまな無機素材、有機素材からなるものが目的に応じて使用できる。このような基板上の薄膜や薄層の場合、加工後は薄膜や薄層の特性をそのまま利用することができる。それに加えて、加工後の薄膜や薄層を保護層などとして用いることにより基板を蝕刻して基板に細溝などの構造を形成することもできる。
本発明の加工法は有機材料、無機材料、有機―無機複合材料いずれにも適用可能である。例えば有機材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、例えばポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチルなどのポリメタクリル酸エステル、ポリアミド樹脂、PTFEなどのフッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリラクトン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシルプロピオン酸、ポリヒドロキシル酪酸などの各種生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファンなどが挙げられる。
無機材料としてはケイ素、ゲルマニウム、ケイ素―ゲルマニウム、ガリウム砒素、酸化亜鉛などの半導体基板、ガラス、石英ガラス、サファイア、酸化マグネシウム、酸化錫、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)など各種ガーネット系化合物などの酸化物基板、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウムなどのフッ化物基板、セレン化亜鉛などの無機化合物基板、マグネシウム、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、錫、アンチモン、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、鉛、ビスマスなどの単体金属やこれらの金属を含む合金からなる金属基板などが加工できる。サファイア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、炭化ハフニウム、炭化タンタル、炭化タングステンなどの超硬材料は加工部材料しだいでは加工できる可能性はある。有機−無機複合材料としては前記有機材料と前記無機材料を積層したものや混合したものなどが使用可能である。
〔加工法の特徴と加工部の特徴〕
本発明の加工法の重要な特徴はいくつかある。加工法の特徴を説明するために図1を挙げたが、図1は本発明の理解のため例示する一例であり、本発明は図1をもって制限されるものではない。特徴の一つは、加工時の加工部先端部の移動方向と被加工材表面の形成する角度についてである。この角度を駆動角度と呼ぶことにするが自由に変えられることである。インプリント法やリソグラフ法では駆動角度やこれに相応する角度を自由に変えることは困難である。本発明の加工法では駆動角度が変えられるので、インプリント法やリソグラフ法で形成可能な細溝構造に加えて、例えば実施例1に示すように切削と塑性変形を同時に起こし庇状の構造をもつ微細構造など特殊な微細構造が形成可能である。加工部先端部は被加工材表面に平行に移動させることができるので駆動角度の最大値は180度、最小値は0度である。本発明の加工法では加工部先端部を溝方向から見て直線的に移動させることができることはもちろん、L字型、逆L字型、V字型、U字型など折れ線状や曲線状に移動させることもできる。このような場合の駆動角度は180度より大きくすることや、0度より小さくすることが可能である。
本発明の加工法は加工エネルギの線密度を変えることが容易であるという特徴をもつ。加工部は必要に応じて加工部先端部がさまざまな微細形状をもつが、全体として見た目には加工部先端部をもつ1枚刃状の形状をもつ。加工は線状に行われるので加工部の長さ当りの加工エネルギ投入量に応じて塑性加工から切削加工までの加工モードを変化させ、加工状態を容易に変えることができる。加工エネルギの線密度は加工エネルギすなわち駆動エネルギと加工部の形状で決まる。加工部先端部は目的に応じて駆動方向に凸凹の形状をもつが、凸状部は凹状部に比べて加工エネルギが集中しやすい。そのために、駆動エネルギと加工部の凸凹形状に応じて切削加工や塑性加工の加工量を変えることができる。これは駆動パルス1個ごとに線状の凹凸パターンを調整しながら加工できることを意味する。
一般に、加工エネルギの線密度が少ない場合は塑性加工であるのに対して加工エネルギの線密度が多いと切削加工となる。実施例2はその例である。細溝加工は2回以上多数回の加工操作により行うこともできる。この場合は1回当りの加工エネルギの線密度は少なくても切削加工を行うことができる。実施例3では1次構造単位の一部分が多数回の加工を受けた結果切削加工の状態になっている。
このように加工部の駆動角度や加工エネルギの線密度によって塑性加工から切削加工まで加工モードを変えることができる。切削加工のモードの場合は溝同士が重なるように加工を行うこともできるので、見かけは研磨剤による研削加工に似た加工面を得ることができる。本発明の加工法では加工部先端部形状を精密に形成することにより加工領域を細かく設定してしかも加工エネルギ投入量を制御して行うことができる。その結果、塑性加工と切削加工を同時に行い、塑性加工領域と切削加工領域を細かく配列できる。これは研磨剤による研削加工では不可能なことである。また、精密機械加工でも塑性加工領域と切削加工領域を迅速にしかも精密に所望の微細パターンで配列することは困難である。
本発明の加工法は非常に微細な加工ができるという重要な特徴をもつ。実施例4は塑性加工の例である。溝のピッチが同程度のもの同士を比較すると形状の再現性は5nm程度と見られる。溝のピッチが少し異なると形状は少し異なることを考慮すると到達可能な微細加工の下限は1〜2nmの大きさと見られる。この大きさは5〜14原子程度、素材であるPET分子の直径で考えれば3〜6分子程度である。
本発明の加工法の場合は加工スケールの上限は緩やかであり、細溝間の距離を変えながら微細加工することができる。このために、本発明方法によれば、1〜2nmというピッチの細溝構造から10μm程度あるいはそれ以上のピッチの細溝構造までピッチを変えながら微細加工できる。これを1次構造と称すると、1次構造を繰り返して形成できる。1次構造の繰り返しを2次構造と称するが、2次構造の繰り返しにより3次構造が形成できる。実施例5、6はそのような加工例である。
本発明の加工法を用いて微細加工を行う場合、加工部を固定して被加工材を移動させる方法または被加工材を固定して加工部を移動させる方法が基本である。また被加工材と加工部をそれぞれ別個に移動させることが可能であり好ましい。すなわち、被加工材がフィルム状、板状などの長尺の場合や質量が大きい場合は被加工材の移動速度は一定とすることが好ましいが、加工部を移動させることで被加工材と加工部の相対速度をきめ細かく変えることができるためである。この場合、被加工材と加工部の相対速度は0以下にすることもできる。その結果、細溝ピッチを変化させるだけでなく、切削加工と塑性加工を組み合わせて被加工部分やその近傍を容易に再加工できる。
本発明においては装置を作動させて細溝を形成する場合、駆動パルス1個につき1回の細溝の形成が起きることも重要な特徴である。複数の細溝を形成する場合は、細溝の間隔は駆動パルスの時間間隔と加工部(厳密には加工部先端部)と被加工材の相対速度で決めることができる。ここでは細溝中心線の間隔を細溝の間隔ということにするが、計算式を式(1)に示す。
細溝の間隔=(駆動パルスの時間間隔)×(加工部と被加工材の相対速度)・・・(1)
式(1)や後に記述する式(2)、式(3)などにおいては通常の標準単位系(MKSA単位系)を適用し、時間の基本単位として秒、長さの基本単位としてm(メートル)、速さの基本単位としてm/秒、周波数の基本単位としてHz(ヘルツ)を用い、単位の倍数を表すキロ(k、10)、ミリ(m、10−3)、マイクロ(μ、10−6)、ナノ(n、10−9)を適宜併用することが好ましい。目的によっては他の単位や単位系を用いることができる。例えば長さの単位としてミル(mil)、インチ、フィート、マイルなどを用いることができる。
駆動パルスの時間間隔とは例えば駆動パルス立ち上がりから次の駆動パルス立ち上がりまでの時間、駆動パルスのピークから次の駆動パルスのピークまでの時間、駆動パルス立ち下がりから次の駆動パルス立ち下がりまでの時間などを意味する。駆動パルスの時間間隔とは駆動パルスの周波数の逆数でもある。加工部と被加工材の相対速度とは駆動パルスの時間間隔における加工部と被加工材の相対速度の平均値とすることが好ましい。
したがって時間間隔一定の駆動パルス列を用い、加工部と被加工材の相対速度を一定とすれば細溝を等間隔に形成することができる。これに対して、駆動パルスの時間間隔を変化させるか、あるいは加工部と被加工材の相対速度を変えることにより細溝の間隔を変化させることができる。特に、駆動パルスの時間間隔または加工部と被加工材の相対速度を周期的に変えることにより細溝間隔を周期的に変化させるという微細加工が可能となる。
この点でも本発明の加工法は精密機械加工やインプリント法とは異なる特徴をもつ。本発明の加工法では装置の設定により加工部と被加工材の相対速度を1%以下にすることが可能である。したがって、例えば平均ピッチ70nmで細溝形成している場合に相対速度を1%とすれば0.7nmの間隔で再加工できることになる。原子の大きさは0.2〜0.3nmであるので、この特徴は原子レベルの分解能で再加工ないし重複加工できることを意味する。このような分解能をもち、しかも、切削加工と塑性加工を組み合わせる再加工や重複加工は精密機械加工や、〔特許文献10〕などのインプリント法では困難である。
駆動パルス1個につき1回の細溝の形成が起きるという特徴を生かすとさまざまな高次構造が形成できる。その例として実施例5は周期43μmの2次構造を形成したものである。2次構造に変化を与えることにより3次構造を形成することも可能である。実施例6は3次構造まで形成した例である。
駆動パルス1個につき1回の細溝の形成が起きるということはさらに有用な特徴をもたらす。すなわち、加工部は駆動装置により駆動されるが、近年の電子デバイスや制御技術の発展により、好ましく用いる駆動装置は電気的に個々の駆動パルスのエネルギを変えるものとすることができる。これは細溝形成においてエネルギ投入量を変えることができ、すべての細溝について細溝の深さや幅などの形状を個別に制御して変えることができることを意味する。実施例7はこの例である。加工時に細溝形状を制御できるという特徴は精密機械加工を除く他の微細加工方法では実現不可能である。
本発明の加工法によれば、細溝が直交または斜交するように微細加工を2回またはそれ以上行うことは容易にできるので、本発明の微細加工を2回または多数回行うことによる2次元的なパターンの微細加工も本発明の範囲内と考えるべきである。したがって、本発明の微細加工法によれば所望の2次元的なパターンで原子や分子レベルの構造を広幅で長尺に形成できると結論できる。本加工方法は2次構造や3次以上の高次構造をもつ格子構造や結晶状構造や超結晶状構造を容易に形成できるものである。
このような微細加工に用いる加工部形状や加工部先端部形状であるが、直接被加工材に接触する加工部先端部は所望の細溝形状に対応させて形状を決定する必要がある。したがって、加工部先端部の断面は楔状、薄板状、半円形または楕円形、先端部分が平らになった楔状、先端部分が円形または楕円形になった楔状、先端部分の角度が大きくなった屋根型形状など所望の細溝形状に対応するものが好ましい。単純な格子が必要な場合は加工部先端部が直線状であることが望ましい。本加工法によれば、加工部先端部を所望の形状にすることにより深さが一定の細溝だけでなく、深さが異なる細溝や、点線状や破線状や一点鎖線状や二点鎖線状の細溝など、さらには、点線状や破線状や一点鎖線状や二点鎖線状などになった個々の細溝断片がさらにボート状、角錐状、円錐状になったものなど、加工部先端部の形状によりさまざまな形態的特徴をもつ細溝を形成できる。加工部先端部形状がジグザグ形状や曲線形状のものを用いて加工すればジグザグ形状や曲線形状の細溝も形成することができる。
ただし、駆動角度を調整しながら使用する場合は、加工部先端部が加工部中心面に対して垂直方向に蛇行(ジグザグ形状や曲線形状)していると駆動角度に応じて加工部先端部各部位と被加工面との距離または接触状態が変化する。その結果意図しない加工が行なわれる恐れがある。したがって通常は垂直方向に蛇行していることは好ましくない。加工部先端部は直線型形状あるいは加工部中心面に対して垂直方向に蛇行していないことが望ましい。
加工部先端部は加工部の中で直接被加工材に接触する部分であるので加工条件によりその大きさは変わることになるが、加工部の形状全体に占める割合は少ない。加工部先端部に続く部分は加工部の大きさや全質量の大部分を占める。通常の場合、加工部の形状のほとんどは加工部先端部に続く部分の形状で決まる。
ここでは加工部全体としての形状を説明する。一般的には加工部の全質量は小さいほうが好ましいので、加工部厚さは上限1mmで下限1nm程度、好ましくは0.5mm以下10nm以上である。加工部の長さは所望する加工幅に応じて決定するが、複数の加工部を直列配置して用いる場合は加工幅よりも短いものを用いることができる。加工部の質量を低減するためには加工部の幅は少ないほうがよいが、あまり少なすぎると駆動時あるいは加工時に変形して本来の用をなさなくなるおそれがある。したがって、加工部の幅の目安は1mm以上50mm以下であり、好ましくは3mm以上30mm、より好ましくは5mm以上20mm以下である。加工部の強度を高くして駆動時あるいは加工時の強度を保つために、加工部先端部以外の加工部の断面形状は薄板状または楔状であることは好ましい。
図1に示した加工部基部の角度は矢印の方向を正とするが、幾何学的形状としてはほぼ−180〜180度まで自由に変化させることは可能である。ただし前記加工部全体としての形状についての条件を満たした上で加工部基部の角度の絶対値は0〜60度の範囲に入ることは好ましく、より好ましくは0〜30度であり、特に好ましいのは0〜15度である。実施例では加工部として工具用鋼の薄板を加工して用いたが、この場合は加工部基部の角度の絶対値は0〜2度の範囲内に入る。
通常は加工部先端部は電解研磨、研磨、研削、蝕刻(エッチング)で形状を形成する。一般的には研削でおおよその形状を形成した後に電解研磨、研磨、蝕刻により精密に形状を仕上げることが好ましい。
駆動装置に圧電素子を用い、駆動パルスの時間間隔を短くする場合は圧電素子と加工部や加工部先端部を一体としてもよい。この場合は加工部や加工部先端部の形状は前記の大きさに固執する必要はない。ただし、前記加工部全体としての大きさを圧電素子と加工部や加工部先端部を一体としたものに対して目安とすることは可能である。
前記加工部の最適形状はインプリント法や精密機械加工法で用いるものとは明らかに異なる。インプリント法で微細加工を行うには平板状あるいは円柱の側面など2次元的な加工面をもつ工具を用いることが必須である。ここでいう1次元的、2次元的とは溝方向と横方向(加工方向)の次元すなわち微細加工領域面の次元であり、駆動方向や深さ方向の次元は意味しない。インプリント法では原版を正確に転写するために被加工材の塑性流動を用いるので、被加工材や原版の加熱や冷却は重要である。その結果転写時間は長くなるので、1次元的工具を用いると製造速度が極端に遅くなるという問題が生ずる。
例えば〔特許文献10〕の段落0048には微細切断ツールが複数の微細切断突出部をもつことと突出形状は1mmから1nmであることが記載されている。段落0051には切断用の刃を少なくとも1枚含むことが記述されているが、同一説明文内に複数の刃を含むことが好ましいことが記載されている。図1、12はエンボス加工すなわちインプリント加工の状況を示すが刃は平坦な表面またはまたは円柱状表面に突出するように形成されている。1枚刃の微細切断ツールについての記述があるが、この点は1次元的工具に近いと言うことができる。
〔特許文献10〕の説明において段落0011には加工方法が説明されていて、加工例が段落0027に記述されている。これらの説明から〔特許文献10〕の加工方法は1回の切断加工時間が分単位で行なわれるプロセスであると判断できる。したがって例えば100nmピッチの細溝パターンを形成する場合、1分間に1本の細溝を形成したとしても加工方向の長さは1時間で6μmである。図12のような円柱状の微細切断ツールに加工刃が1個形成されているのみでは幅の広い加工はできない。インプリント法の場合、2次元的工具が最適である。1次元的工具を用いると製造速度が小さくなるだけで、駆動角度を変えることや、塑性加工から切削加工までの加工モードを変化させることができないという特性はそのまま残る。また、1分間に1本程度の細溝を形成する場合はバイトのような0次元的工具を用いる精密機械加工は強力な競合技術である。
本発明の加工法に用いる加工部(工具)は1次元的な形状のものが最適であり、駆動角度を変えて庇状の構造形成も可能である。バイトのような0次元的工具も用いることができるが精密機械加工法に対して大きな利点がない。
本発明の加工法で1本の細溝を形成する時間(細溝形成時間)については後に詳細に説明するが、通常は長くても10ミリ秒以下である。この条件ではインプリント法の場合に比べて加工時に被加工部が受ける衝撃力は大きく、微粒子が発生しやすい。本発明法では1次元的な形状の加工部を用いるが、微粒子は容易に除去され加工部先端に悪影響を及ぼさないことも重要な特徴である。
本発明の加工法においては2次元的な加工用工具(原版)を用いると衝撃力により発生した微粒子が加工面に付着して所定の加工を不可能にする恐れがある。例えば、〔特許文献13〕や〔特許文献14〕ではインプリント法においては原版のクリーニング技術や微粒子付着の防止技術が重要な技術として認識されている。これに加えて、2次元的な加工用工具(原版)を本加工法に用いると、個々の細溝を特定して形状や間隔を変化させることや駆動角度を変えて庇状の構造形成を行うことなど本加工法の重要な特徴が生かせなくなる。したがって、本発明の加工法ではインプリント法に用いるような2次元的工具を用いることはできるが好ましくない。前記のように〔特許文献10〕の微細切断ツールでは1枚の刃でも平坦な表面または円柱状表面から突出しているので、微細切断ツール全体としては2次元的工具である。そのために微粒子は微細切断突出部の付け根付近に付着しやすいと考えられる。
本発明に用いる加工部の素材や加工部先端部の素材は耐衝撃性、耐磨耗性が高いことが必須の条件である。この理由でダイヤモンドやダイヤモンドコーティング材料、サファイア、炭化ケイ素、硬質セラミック、超硬合金、工具鋼、TiNイオンプレーティングなどの表面硬質化処理を行った工具鋼、硬質ニッケル合金、ロジウムやロジウム合金、イリジウムーオスミウム合金、タングステンやその合金などの硬質の金属、炭化チタン、炭化ハフニウム、炭化タンタル、炭化タングステンなどの高硬度の炭化物などが使用可能である。これらのうちでは高耐磨耗性の点ではダイヤモンドやダイヤモンドコーティング材料が好ましい。工具鋼やTiNイオンプレーティングなどの表面硬質化処理を行った工具鋼も好ましい選択である。化学的な耐久性も考慮すると銀−パラジウム合金、ロジウムやロジウム合金、イリジウム−オスミウム合金などの貴金属を主体とする硬質金属もまた好ましい選択である。炭化チタン、炭化ハフニウム、炭化タンタル、炭化タングステンなどの高硬度の炭化物も良い素材である。
前記の素材はそのまま加工して加工部として用いることができる。微細加工に直接関与するのはミクロンレベルのものであるので、加工部先端部として前記の加工部の素材を保持基材に接着、溶接、接合、象嵌、溶射、スパッタ、蒸着などの方法で取り付けてあるいは付着させ一体として加工部として用いてもよい。保持基材はさまざまな金属、セラミック、ガラスなどの無機物や木材、紙類、プラスチック類などの有機物が使用可能である。通常、保持基材は上記加工部素材よりも比重が小さい方が好ましい。すなわち加工部全体としての質量が少なければ加工部を動かすための駆動力が少なくできるためである。この点で金属としては軽金属が好ましく、例えばマグネシウムやその合金、ベリリウムやその合金、アルミニウムやその合金、チタンやその合金などが挙げられる。比重が大きいロジウムやロジウム合金、イリジウム−オスミウム合金、タングステンやその合金を加工部先端に用いる場合は前記軽金属に加えて鋼なども保持基材として好ましく使用できる。上記加工部素材はメッキ、無電解メッキなどの方法により保持基材表面に薄層状に析出させてよい。この点では、無電解ニッケルメッキ、ロジウムメッキ、イリジウム−オスミウム合金などは好ましい例である。
ケイ素も使用可能であるが、インプリント法に比べて強い衝撃力を受ける。そのために本発明の加工方法に用いる工具素材としてケイ素は好ましいとはいえない。〔特許文献10〕に見られるようなインプリント法は比較的ゆっくりと工具を押し付けて被加工材を変形させるので衝撃力は作用しにくく磨耗はおきにくいと考えられる。したがって、〔特許文献10〕の場合、ケイ素製工具は実用性が高いが、ケイ素製工具は本発明には有利とはいえない。
〔装置の構成と作動〕
本発明の加工法に用いる加工装置は加工部を所望のエネルギと所望の時間間隔で駆動することを概念的な特徴とする。したがって加工装置の基本構成は、加工部の駆動装置(以下、駆動装置と称する)に加工部を取り付けたものということになる。この点からいえば駆動装置は水圧駆動装置、油圧駆動装置、空気圧駆動装置も可能であり、加工速度が遅い場合は使用可能である。ただし、本発明の加工法を実用的に実施するには高速でしかも制御が容易な駆動装置が好ましく必須である。この条件を好ましく満たす駆動装置の最小構成は、電気パルス発生装置に電気エネルギを運動エネルギすなわち駆動パルスに変換する装置を接続したものとなる。
ここで用いる電気パルス発生装置は所望の条件で所定のエネルギをもつ多数のパルスを発生させることが必須である。したがってファンクションジェネレータのように自律的にまたは外部信号により多数のパルスを発生させるものが電気パルス発生装置として使用可能である。また、外部から制御信号を与える度に1個の電気パルスを発生させるものや制御信号などの信号を単純に電力増幅するものでもよい。これらの場合はシーケンサやコンピュータや発振装置などで多数の制御信号や信号を与えればよいからである。
電気パルス発生装置で発生させる電気パルスの波形は目的に応じて方形波、三角波、のこぎり波、正弦波などさまざまな波形のものが使用可能であり、これらの電気パルスが連続的になっていてもよい。電気パルスの強度(波高または振幅)は目的に応じて一定または変化させる。電気パルスの波形と強度と間隔という3条件を変えることにより、微細加工の加工モードを塑性加工から切削加工まで変えることができる。
電気パルスを駆動パルスに変換する装置としてはさまざまなものが使用できる可能性があるが、好ましくは圧電駆動装置、電磁駆動装置である。電気力駆動装置も使用できる。これらを用いる場合は周波数特性を考慮して電気パルスの時間間隔や強度を決定する。一般的には形成する細溝を1本づつ所望の形状にして形成したい時は電気パルスの時間間隔を広くする。ある程度の時間幅で細溝形状が変化すればよい場合は電気パルスの時間間隔を狭くすることができる。このとき、細溝間隔の調整のために加工部と被加工素材の相対的な速度を変えることができる。
圧電駆動装置は実質的には圧電素子であり、円盤状、棒状、板状などさまざまな形状のものが使用できる。加工部を圧電素子に取り付ける場合はプラスチックや金属などの保持材を用いることや、粘着、接着、溶接、噛み合わせなど薄い接合層や物理的結合を介在させてもよい。あるいは塗布、溶射、メッキなどの方法により加工部材料を圧電素子の表面に堆積あるいは析出させたものを加工して加工部を形成するなどということも可能である。すなわち圧電素子と加工部を一体としてもよい。また、圧電素子そのものを加工部とすることもできる。この場合は加工部先端部として前記加工部の素材を取り付けあるいは付着させて用いることができる。水晶などの硬質素材でできた圧電素子の場合、圧電素子と加工部を一体とすることができ、好ましい形式の一つである。圧電素子と加工部を一体とする場合や圧電素子そのものを加工部とする場合は、前記加工部の幅の目安の下限より小さい加工部の幅、例えば0.1mmや0.01mmあるいはそれ以下とすることも可能である。すなわち、圧電素子を前記加工部の素材や加工部の保持基材に取り付けることにより機械的な強度を保つことができるからである。これらの場合は、圧電素子の周波数特性により駆動パルス間隔がほぼ決定できることになるので駆動パルス間隔を数ナノ秒あるいはそれ以下にすることができる。
電磁駆動装置は磁界中に保持したコイルに電流(電気パルス)を通じることで電気パルスを駆動パルスに変換するものである。具体的にはスピーカの電磁ユニットや電気モータのように運動可能なコイル(可動コイル)を磁場中に保持し運動させるもの、ソレノイドのように電気エネルギで磁場を発生させ運動可能な磁性体(可動磁性体)を駆動するものなどが例示可能である。また運動可能な強磁性体(可動強磁性体)を磁場中で電気的に加熱冷却することで磁気特性を変化させるものでもよい。
前記の可動コイル、可動磁性体、可動強磁性体に加工部を取り付ける場合は紙やプラスチックや金属などの保持材を用いることや、粘着、接着、溶接、噛み合わせなど薄い接合層や物理的結合を介在させてもよい。あるいは塗布、溶射、メッキなどの方法により加工部材料を前記の可動コイル、可動磁性体、可動強磁性体の表面に堆積あるいは析出させたものを加工して加工部を形成するなどということも可能である。可動コイル、可動磁性体、可動強磁性体の特性によってはそれら自体の形状を加工して加工部とすることも可能である。
電気パルスを駆動パルスに変換する装置としてその他の使用可能なものは空中または真空中などに設置した2個以上の導電体に電気パルスによる電位差を与えて電気力を発生させ、運動エネルギとする電気力駆動装置でもよい。この場合、導電体は金属、黒鉛、半導体、導電性化合物、導電性プラスチックなどさまざまな材質のものが使用可能である。一般的には導電体の1個は固定されていて他方は可動とすることが好ましい。導電体に加工部を取り付ける場合は紙やプラスチックや金属などの保持材を用いることや、粘着、接着、溶接、噛み合わせなど薄い接合層や物理的結合を介在させてもよい。あるいは塗布、溶射、メッキなどの方法により加工部材料を導電体の表面に堆積あるいは析出させたものを加工して加工部を形成するなどということも可能である。導電体の特性によってはそれら自体の形状を加工して加工部とすることも可能である。
上記説明の構成の装置で実用的な微細加工ができるが、材料は温度に依存して特性が変化するので、加工部は温度制御できることが望ましい。高分子材料を加工する場合の好ましい温度は高分子材料のガラス化温度、軟化点だけでなく、細溝の形状、細溝の密度にも依存する。通常は0℃から溶融温度までの温度で加工温度を設定する。実施例8はポリエチレンフィルムを室温25℃で加工した例である。
通常の加工温度の下限を0℃と記したのは圧電駆動装置、電磁駆動装置などの駆動装置の作動温度が0℃以上であることが多いためである。したがって高信頼性、高低温耐久性規格の駆動装置を用いれば加工温度の下限を0℃以下とすることができる。好ましい加工温度の上限は形成した細溝が保持可能な温度であり、軟化点から溶融温度未満までの間の温度である。好ましい上限温度のもう少し具体的な目安としては軟化点と溶融温度の中間温度としてもよい。高分子材料には軟化や溶融せずに熱分解してしまうものがあるが、この場合は好ましい加工温度の上限は熱分解温度としてよい。
本発明の加工法を適用する被加工材料として高分子材料に限らず、さまざまな素材が可能である。例えばガラスや合金材料がある。このようなものの場合は前記高分子用の温度範囲よりも高温とすることができる。本発明の加工法を適用できる高温の限界は加工部や駆動装置の耐熱性に依存するので、加工部の材料や駆動装置の構造により、ガラスの加工可能温度や合金の転移点などを目安にして加工しやすい温度とすることができる。
さまざまな被加工材の中には低温のもとで微細加工を行うことが必須の場合がある。本発明の加工法においては耐低温性の高い加工装置類を用いれば加工温度の下限は0℃未満にでき、例えばドライアイスや液体窒素や液体ヘリウムなど冷却材の利用を前提とすれば実用的な加工温度の下限を−78℃や−196℃や−269℃ないし−273℃付近とすることも可能である。加工部やその駆動装置の構造は比較的単純であり、加工面積や加工幅に応じて大きさを変えることができ、前記の低温で作動させることは容易である。使用可能な冷却材の特性を考慮すると実用的、一般的な加工温度の下限は液体ヘリウムの−269℃であり、液体窒素の−196℃はより実用的な下限温度であり、特にドライアイスの−78℃は容易に適用できる下限温度である。
このような超低温においては被加工材が硬く脆くなる恐れがあるが、本発明の加工法の場合は所望の細溝が形成されるまで同一部位に複数回の加工を行なうことができる。超低温において微細加工可能な技術としてはレーザーアブレーションなどがあるが、光の波長に起因する比較的大きな最小加工限界が存在する。インプリント法やリソグラフ法ではこのような超低温での加工は困難である。
特定の細溝について深さや幅などの形状を制御して変化させるだけであれば、精密バイトを用いる高精度の機械加工が可能である。本発明法の特徴は細溝形成時間が少なく駆動パルスの時間間隔が狭いので、大きな加工線速度が得られる。ここで用いる加工線速度とは単位時間当たりで形成できる細溝の長さの総和である。本発明の加工法では、式(2)のように加工線速度は加工部の長さ(細溝の長さ)と駆動パルスの時間間隔(加工部の振動周波数の逆数)で決定される。
加工線速度 = (加工部の長さ)/(駆動パルスの時間間隔) ・・・(2)
駆動パルスの時間間隔の下限あるいは加工部の振動周波数の上限は電気パルス発生装置と前記駆動装置例えば電磁駆動装置、圧電駆動装置、電気力駆動装置などの特性で決定されるが、100マイクロ秒あるいは10キロヘルツ(以下kHzと記す)は容易に実現でき、10マイクロ秒あるいは100kHzも実現できる。この程度が使用しやすい駆動パルスの時間間隔の下限あるいは加工部の振動周波数の上限であるが、応答性のよい駆動装置を用いれば駆動パルスの間間隔の下限あるいは加工部の振動周波数の上限を1マイクロ秒あるいは1メガヘルツ(以下MHzと記す)や、0.1マイクロ秒あるいは10MHzとすることができる。この程度までであれば電気パルス発生装置と駆動装置間の電気的接続が容易である。圧電素子の中には数百MHz以上の周波数に応答するものもあるので、このようなもので加工部を駆動すれば駆動パルスの間間隔の下限あるいは加工部の振動周波数の上限を10ナノ秒あるいは100MHz、さらには2ナノ秒あるいは500MHzにできる。
前記駆動パルスの時間間隔の下限で細溝形成加工を行う場合、たとえば駆動パルスの時間間隔100マイクロ秒で加工部の長さ(細溝の長さ)10cmで細溝形成加工を行うという実験室水準では、加工線速度は1km/秒ということになる。この加工線速度は加工部の長さを1mにするのみで10km/秒になり、さらに駆動パルスの時間間隔を10マイクロ秒にすれば100km/秒となるが、この程度であれば容易ないし比較的容易に実現できる。技術的にはレベルが高くなるが、駆動パルスの時間間隔を1マイクロ秒にすれば1000km/秒、0.1マイクロ秒にすれば10000km/秒ということになる。技術的には高度のものになるが、駆動パルスの時間間隔を10ナノ秒さらには2ナノ秒とすれば100000km/秒(1×10m/秒)、500000km/秒(5×10m/秒)となり、加工線速度としては超光速となる。
駆動パルスの時間間隔の上限あるいは加工部の振動周波数の下限についての理論的あるいは技術的な制限はない。ただし、本発明の加工法は駆動パルスの時間間隔を長く、あるいは加工部の振動周波数を低くすると、加工線速度が遅くなり、他の加工法に対する優位性がなくなる恐れがある。たとえば駆動パルスの時間間隔が100ミリ秒(振動周波数10ヘルツ)の場合、加工部の長さが10cmで加工線速度1m/秒、加工部の長さが1mで加工線速度10m/秒となる。通常の高分子材料を加工する場合は精密機械加工と比較する必要があるが、加工線速度の優位性という点で、100ミリ秒(振動周波数10ヘルツ)が駆動パルスの時間間隔の上限あるいは加工部の振動周波数の下限となる。駆動パルスの時間間隔の上限あるいは加工部の振動周波数の下限は、通常10ミリ秒(振動周波数100ヘルツ)である。
被加工材を前記低温下ないし超低温下に加工する場合や電子素子や光学素子としての特性をモニタしながら微細加工する場合は駆動パルスの時間間隔が100ミリ秒を超えてもよい。この場合でも駆動パルスの時間幅は通常100ミリ秒以下であり、10ミリ秒以下が好ましい。
駆動パルスの時間幅の下限は加工条件によって異なるが駆動装置の応答性によって最下限は1ナノ秒程度と考えられ、細溝の形状や装置の応答速度に応じて5ナノ秒、加工時に微調整を行う場合は50ナノ秒などと考えてよい。細溝が大きくなれば細溝形成時間の下限は一般的には長くなる傾向にある。細溝形成時間の下限が0.5マイクロ秒になると使用可能な装置の種類が増え、電磁駆動の場合は細溝形成時間の下限を5マイクロ秒以上とすることが望ましい。ここで述べた駆動パルスの時間幅は駆動パルスの時間間隔とは異なる。駆動パルスの時間間隔の中には細溝形成の後、次の細溝形成に備える時間が含まれているためである。本発明の加工法では細溝形成の時間が短いので、衝撃力による被加工材の変形は加工時に考慮すべき重要な因子となる。この因子は被加工材の塑性流動を起こさせるインプリント法においてはほとんど考慮されないものである。
本発明の加工法においては加工部先端部は加工方向に対して垂直に設置することができる。加工部先端部は加工方向に対して垂直以外の角度に設置することもできる。実施例3はその一例である。一般に加工部の長さは加工幅と加工部−加工方向間の角度で式(3)により決定できる。加工部−加工方向間の角度の定義については図1に示した。
加工部の長さ = (加工幅)/sin(加工部−加工方向間の角度)・・・(3)
加工部−加工方向間の角度が90度から離れると必要な加工部の長さは長くなる。加工部の長さが加工幅に対して1〜2倍程度を加工部−加工方向間の角度の好ましい範囲の目安とすると加工部−加工方向間の角度は30〜150度となる。このことは細溝をメッシュ状に形成する場合に重要である。すなわち、2個あるいはそれ以上の個数の加工部を加工方向に設置して順次作用させることにより容易にフィルムや板などの長尺材に細溝をメッシュ状に加工できるためである。
例えば碁盤目状に直交配列した細溝を形成する場合は2個の加工部先端部間の角度を90度とすることが必要であり、それぞれの加工部については加工部−加工方向間の角度が30〜150度を満たすことが好ましい。さらに好ましい一例は一方の加工部−加工方向間の角度を45度、他方の加工部−加工方向間の角度を135度とすることである。この場合それぞれの加工部を同一の一定周期で作動する駆動装置で作動させれば、正方形の碁盤目パターンが連続的に得られる。それぞれの加工部を別個の周期で作動させれば、長方形状の碁盤目パターンが連続的に得られる。
2個の加工部先端部間の角度を90度以外の角度とすれば菱形や平行四辺形などのパターンからなる碁盤目状パターンが連続的に得られる。さらに加工部を3個以上用いれば、3角形状や6角形状の要素を含む細溝パターンが連続的に得られる。このような細溝パターンを形成したフィルムや板や表面は光学特性などにおいて特異な特性、例えば偏光特性と光回折特性を方向依存的に示すことや、2次元フォトニック結晶性などを示すことが期待できる。
以上本発明の加工法について説明したが、超高速で原子や分子レベルに近い微細加工が可能、必要に応じて個々の細溝形状や細溝パターンの調節や高次構造の形成ができ、加工モードを設定できしかも多重加工可能、広幅、長尺加工ができるという特徴をもつ。このような特徴はインプリント法、リソグラフ法、精密機械加工法では実現困難である。
〔実施例1〕
駆動角度を45度とし駆動方向は加工部中心面と一致させ、加工部−加工方向間の角度を90度として公称厚さ50μmのPETフィルムの端面領域に深さ6μmの細溝を25℃で形成した。端面の顕微鏡写真を図2に示す。加工条件と加工状態のまとめを表1に示した。
〔実施例2〕
加工部を市販のピエゾスピーカ(ピエゾ素子部分直径15mm)を改造したピエゾ駆動装置に取り付け、駆動角度70度、加工部−加工方向間の角度を85度、70℃で駆動パルスの時間間隔約500マイクロ秒で相対速度500μm/秒程度でPETフィルムを加工した。切削加工であることは加工中にPETフィルムに由来する微分末が形成されることで確認した。光学顕微鏡で観察した結果を図3に示したが、縞状の不規則な切削状態が観察できた。加工条件と加工状態のまとめを表1に示した。
〔実施例3〕
加工条件を塑性変形の条件、加工部を振動させて相対速度を周期的に変化させたこと以外実施例2と同様にして加工した。光学顕微鏡で観察した結果を図4に示したが、相対速度が小さく細溝ピッチが小さくなった部分は太いやや荒れた線状に見え、平均間隔8.1μmである(図中のスケールバーは10μmを示す)。相対速度が大きくなったところは速度に応じて900nm まで細溝ピッチが広くなった。細溝ピッチが小さくなった部分がやや荒れた線状に見えるのは加工が非常に狭い部分に複数回起きた結果切削加工が起きたためと考えられた。加工条件と加工状態のまとめを表1に示した。
〔実施例4〕
加工部を8オーム2Wのスピーカの電磁駆動部を改造した電磁駆動装置に取り付けて、電気パルスで駆動しPETフィルムを加工した。駆動角度90度、加工部−加工方向間の角度を90度、温度70℃、駆動パルスの時間間隔410マイクロ秒、駆動パルスの時間幅200マイクロ秒、相対速度150μm/秒で塑性変形の条件で加工した。加工状態を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図5に示した。細溝の方向は図5上側の写真(電子顕微鏡観察時の倍率は40000倍)で左下から右上であるが、約70nmの周期の細溝の形成が見られた。図5下側の写真は電子顕微鏡観察時の倍率を100000倍としたものである。細溝の凹凸は加工部の凸凹形状を反映しているが、細溝のピッチが同じもの同士を比較すると凹凸の形状のばらつきは5nm程度と見られる。加工条件と加工状態のまとめを表1に示した。
〔実施例5〕
実施例4と同様の装置を用い、相対速度を変えながらPETフィルムに細溝の間隔を変えることにより1次構造や2次構造を形成した。図6では43μm周期の2次構造が2個見られる(図中のスケールバーは10μmを示す)。1次構造中の細溝間隔が広い部分は1300nm、細溝間隔が狭い部分は細溝間隔は50nm以下であると期待されるが、光学顕微鏡の分解能の下限(400nm)以下であるので一様に見える。写真の左側、中央、右側は太い目の溝形成が見られる。この部分は装置作動からは細溝間隔5nm未満の構造が期待できるはずであるが、狭い部分に加工が集中するので写真では研削が起きているように見られる。加工条件と加工状態のまとめを表1に示した。
〔実施例6〕
実施例4と同様の装置を用い、相対速度を変えながら細溝を形成し、細溝の間隔を変えて1次構造、2次構造、3次構造を形成した。図7では平均12.3μm周期の2次構造が約8個見られる。1次構造中で細溝が集合して広幅の溝のように見える部分の幅は2.5μmである。細溝間隔が広い部分は750nm、細溝間隔が狭い部分は細溝間隔は100nm以下であると期待されるが、光学顕微鏡の分解能の下限(400nm)以下であるので一様に見える。ここでは2次構造の幅の変化により3次構造の形成が見られる。加工条件と加工状態のまとめを表1に示した。
〔実施例7〕
実施例2と同様の装置を用い、ピッチや深さを変えて短い周期で変えて細溝を形成した。図8は走査原子間力顕微鏡で表面形状を観察した結果を示したものである。加工条件と加工状態のまとめを表1に示した。
〔実施例8〕
加工部を市販のピエゾスピーカ(ピエゾ素子部分直径15mm)を改造したピエゾ駆動素子に取り付け、駆動角度70度、加工部−加工方向間の角度を87度、室温(温度25℃程度)で駆動パルスの時間間隔約500マイクロ秒で相対速度を変化させてPEフィルムを加工した例を図9、図10に示した。図9はピッチ3700nmの細溝を形成した例、図10はピッチを500から1200nmの間で変化させて細溝を形成した例である。加工条件と加工状態のまとめを表1に示した。
Figure 2010012520
本発明の微細加工技術は高分子表面に広幅、大面積の格子状パターンや碁盤目状パターンを理論的には1nmから1mmあるいはそれ以上のピッチで、かつ、細溝形状をリアルタイムで変化させながら形成できるものであり、微細パターン、微細溝を必須とする光学素子例えばワイヤーグリッド偏光子、偏光子、回折格子、低反射フィルムや、電子素子例えば、異方性導電フィルム、薄膜抵抗、薄膜トランジスタや、細溝を利用するマイクロ流路部品などの製造の要素技術として利用することができる。
本発明の微細加工法の実施状況の一例を模式的に示した見取り図である。 本発明実施例1のフィルム端面の顕微鏡写真である。 本発明実施例2の加工後のフィルム表面の切削状態を示す顕微鏡写真である。 本発明実施例3の加工後のフィルム表面の細溝形成状態、2次構造形成状態を示す顕微鏡写真である。 本発明実施例4の加工後のフィルム表面を走査型電子顕微鏡で観察した結果である。 本発明実施例5の加工後のフィルム表面の細溝形成状態、2次構造形成状態を示す顕微鏡写真である。 本発明実施例6の加工後のフィルム表面の細溝形成状態、2次構造形成状態、3次構造形成状態を示す顕微鏡写真である。 本発明実施例7の加工後のフィルム表面の形状を走査原子間力顕微鏡で観察した結果である。 本発明実施例8の加工後のフィルム表面の細溝形成状態を示す顕微鏡写真である。 本発明実施例8の加工後のフィルム表面の細溝形成状態を示す顕微鏡写真である。
符号の説明
1・・・加工幅。
2・・・被加工材移動方向。加工部を移動(振動)させる場合、相対移動方向は図示した矢印とは逆になることがある。
3・・・深さ方向。
4・・・微細加工(予定)領域。
5・・・駆動角度。加工部の先端部が移動する場合の移動面の接平面と被加工材の表面との角度。接平面の基準は加工部の先端部である。移動面が平面の場合は接平面と一致する。
図中矢印付円弧を含む扇形は被加工材の表面に対して垂直である。
6・・・加工部−加工方向間の角度
7・・・加工部の幅。
8・・・加工部厚さ。
9・・・駆動方向。本図では加工部中心面とずれているが加工部中心面と一致してもよい。
10・・・加工部基部の角度。
11・・・加工部。
12・・・加工部先端部。この部分の長さを加工部の長さという。
13・・・被加工材。被加工材は縦横に連続していてもよいので一点鎖線で示す。

Claims (4)

  1. 固形物表面の微細構造形成方法であって、パルス駆動状態または振動状態の加工用工具と被加工材表面を相対的に移動させながら接触させることにより切削または切断または変形させて微細構造を形成する微細加工方法。
  2. 上記加工用工具は直線状または曲線状の加工部をもつことを特徴とする請求項1記載の微細加工方法。
  3. 上記加工用工具の加工部は1枚刃の形状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の微細加工方法。
  4. 上記加工用具のパルス駆動状態または振動状態においてパルス間隔が100ミリ秒以下または振動周波数が10ヘルツ以上であることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の微細加工方法。
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