JP2010011607A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明の課題は、コストの低減を図りつつ、固定子コイルの振動を防止することができる回転電機を提供することである。
【解決手段】
上記課題を解決するために、本発明の回転電機は、回転子鉄心の径方向外側に所定間隙をもって配置された固定子鉄心103の軸方向に連通すると共に、径方向内側に開口部及び外側に底部を有し、かつ、周方向に所定間隔を持って形成された固定子スロット104の開口部側から底部側へ向うスロット壁面に、前記固定子スロット104の周方向幅が開口部より幅狭となる部分を有していることを特徴とする。
【選択図】図2
本発明の課題は、コストの低減を図りつつ、固定子コイルの振動を防止することができる回転電機を提供することである。
【解決手段】
上記課題を解決するために、本発明の回転電機は、回転子鉄心の径方向外側に所定間隙をもって配置された固定子鉄心103の軸方向に連通すると共に、径方向内側に開口部及び外側に底部を有し、かつ、周方向に所定間隔を持って形成された固定子スロット104の開口部側から底部側へ向うスロット壁面に、前記固定子スロット104の周方向幅が開口部より幅狭となる部分を有していることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は回転電機に係り、例えば大容量タービン発電機における固定子スロットの形状を改良した回転電機に関するものである。
従来の回転電機の一例として、大容量タービン発電機の構造を図1に示す。該図に示す如く、タービン発電機は、回転軸1と、該回転軸1と共に回転駆動する回転子2と、該回転子2の径方向外側に所定間隙をもって対向配置された固定子3とから概略構成されている。
更に具体的に説明すると、回転子2は、回転軸1と共に回転駆動する回転子鉄心と、この回転子鉄心に巻回された界磁コイル(回転子コイル)とから構成され、一方、固定子3は、前記回転子鉄心の径方向外側に所定間隙をもって対向配置された固定子鉄心13と、この固定子鉄心13の軸方向に連通すると共に、径方向内側に開口部及び外側に底部を有し、かつ、周方向に所定間隔をもって複数形成された固定子スロット14内に収納された固定子コイル16とから構成されている。
尚、固定子スロット14の回転軸1方向に垂直な断面の形状は、固定子スロット14に固定子コイル16を密着固定するため、固定子スロット14の開口部側から径方向外側の底部に至るまで周方向の幅が等しく形成されている。
固定子コイル16は,タービン発電機運転時の固定子コイル16に対する機械的強度,対地絶縁強度、及び適切な冷却能力を確保する目的で、製作段階において熱硬化性樹脂による含浸・硬化処理を施す。熱硬化性樹脂を固定子コイル16に含浸・硬化させる方式として、単独注入方式及びプリプレグ方式或いは全含浸(一体注入)方式が知られている。
単独注入方式及びプリプレグ方式とは、固定子コイル16の導体の外周に対地絶縁テープ、半導電性テープを巻きつけた後、熱硬化性樹脂により固定子コイル16単体を硬化させて絶縁処理し、幅が均一な略四角形状をした固定子鉄心13に形成されている固定子スロット14に固定子コイル16を組み込み、楔で固定する方式である。一方、一体注入方式とは、固定子コイル16の導体の外周に対地絶縁テープ、半導電性テープを巻いた段階で、幅が均一な略四角形状をなした固定子スロット14に固定子コイル16を組み込み、楔で押さえた後に、固定子3全体を熱硬化性樹脂で含浸・硬化させて絶縁処理する方式である。
単独注入或いはプリプレグ方式の場合には、固定子コイル一本に対して熱硬化性樹脂を硬化させているが、一体注入方式の場合には、全ての固定子コイルを固定子スロットに組み込んだ後に、まとめて熱硬化性樹脂を硬化させているため、一体注入方式の方が単独注入方式或いはプリプレグ方式と比較して作業工数を減らすことができ,かつ運転時のコイル発熱に対して、熱硬化性樹脂が固定子3全体に行き渡り一体硬化されているため、熱の伝達、即ち冷却の促進を図ることができ、結果として高冷却効率を有しつつも製作コストの低減につながり、近年、小型の誘導電動機から大型のタービン発電機まで広く採用されている。
ところで、タービン発電機を運転すると、内部を電流が流れる固定子コイル16は、誘導起電力に伴う電磁力を受けて振動する。これを図8及び図9を用いて説明する。
図8及び図9は、固定子の径方向断面の一部の構成を簡略化して示すものであり、固定子コイル16に電流が流れるときに該固定子コイル16が周囲の磁場から電磁力を受ける様子を示している。
ここで、固定子コイル16は、固定子スロット14内に配置された場合を例にしており、固定子コイル16を流れる電流の向きを示すために、実形状とは異なった円形状で表している。
一般的な大型のタービン発電機を例にとると、回転子に励磁電流を流すことにより、固定子には固定子鉄心13と同心円状に環状磁場が形成される。この磁場が固定子コイル16と鎖交することによって、固定子コイル16に誘導起電力が生じ発電する。
図8は、上述した誘導起電力によって固定子コイル16を誘導電流iが紙面に対して垂直手前方向に流れている場合を示しており、この場合、固定子コイル16の周囲には自己の誘導電流iによって破線で示すような、環状磁場とは別の磁場が発生する。この磁場は固定子スロット14の開口側では固定子コイル16に近い位置を通過するが、固定子スロット14の開口側以外では空気中より固定子鉄心13側の方が透磁率が大きいため、固定子コイル16から離れて固定子鉄心13側を磁場が通過する。その結果、紙面内において形成される磁場は非対称となり、固定子コイル16の固定子スロット14開口側の合成磁場Bは、矢印で記したように周方向に形成される。この時、固定子コイル16が受ける電磁力Fの方向は、フレミングの左手の法則に従って、固定子スロット14の底部方向となる。
一方図9は図8とは逆に、上記した誘導起電力によって固定子コイル16を誘導電流iが紙面に対して垂直奥行き方向に流れている場合を示しており、この場合、固定子コイル16の周囲には自己の誘導電流iによって破線で示すような環状磁場とは別の磁場が発生する。この図9の電磁力Fの方向も、フレミングの左手の法則に従って、固定子スロット14の底部方向となる。
結局固定子コイル16は流れる電流の方向に関わらず、固定子スロット14の底部方向へ電磁力Fを受けることになり、この電磁力Fが起点となって固定子コイル16が振動してしまう。
上記の電磁力Fは、タービン発電機の容量が大きくなる程大きくなる。従って、電磁力Fに起因して生ずる振動もタービン発電機が大容量になる程顕著になるので、大容量タービン発電機においては、固定子コイルの振動防止対策が重要となる。
固定子コイルの振動対策を施した回転電機として、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、スペーサブロックによって固定子スロット内の上,下コイル相互を一体化し、固定子スロット開口端のスロット幅に対し固定子スロット底部のスロット幅が大きな深さ方向に末広がりの固定子スロットを有し、この固定子スロットとスペーサブロックとの機械的結合及びワニスによる両者間の接着力によって固定子スロット中にコイル部を固定し、スペーサブロックとして、テトロン不織布などの適度の弾性をもつフェルト状の部材にエポキシ樹脂を含浸・硬化させることによって形成した繊維強化プラスチック層を用いるもの及びスロットに複数個所の凹部を形成し、この凹部とスペーサブロックとを機械的結合させることが記載されている。
しかしながら、上述した特許文献1の如く、スペーサブロックとしてフェルト状の部材にエポキシ樹脂を含浸・硬化させることによって形成した繊維強化プラスチック層を用いることは、作業工数及び部品点数の増加につながり、コストの上昇を招く。
また、開口端のスロット幅に対し底部のスロット幅が大きな末広がりのスロット形状では、スロットの底部方向に印加される電磁力に対抗する力は働かず、振動を防止することが難しいという問題がある。
また、コイルとコアの間にフェルト部材が介在する場合、コイル及びコアの間に熱がこもり易くなり、回転電機運転時にコイル及びコアが高温となってしまうという問題もある。
また、スロットに凹部を形成し、スペーサブロックとの機械的結合によってコイル部の固定を行う場合、電磁力がコイルに発生すると凹部の底部方向角部に応力が集中し、硬化されたフェルト部材に損傷が発生するリスクが高まる。さらに、硬化されたフェルト部材に損傷が発生した場合、係る損傷部分に生じた空隙部に電界が集中し、絶縁破壊が起こるという危険性もある。
本発明は上述の点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、コストの低減を図りつつ、固定子コイルの振動を安全に防止することができる回転電機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の回転電機は、回転軸と、該回転軸と共に回転する回転子鉄心と、該回転子鉄心に巻回された回転子コイルと、前記回転子鉄心の径方向外側に所定間隙をもって配置された固定子鉄心と、該固定子鉄心の軸方向に連通すると共に、径方向内側に開口部及び外側に底部を有し、かつ、周方向に所定間隔を持って形成されたスロット内に収納される固定子コイルとを備え、
前記固定子コイルは、前記固定子鉄心のスロット内に熱硬化性樹脂にて一体注入方式により固定されてなる回転電機において、
前記固定子鉄心のスロットの開口部側から底部側へ向うスロット壁面に、前記スロットの周方向幅が開口部より幅狭となる部分を有していることを特徴とする。
前記固定子コイルは、前記固定子鉄心のスロット内に熱硬化性樹脂にて一体注入方式により固定されてなる回転電機において、
前記固定子鉄心のスロットの開口部側から底部側へ向うスロット壁面に、前記スロットの周方向幅が開口部より幅狭となる部分を有していることを特徴とする。
本発明に係る回転電機によれば、コストの低減を図りつつ、固定子コイルの振動を防止することができる。
本発明に係る回転電機の第1の実施形態について図2及び図3を用いて説明する。尚、回転電機の全体構成については、従来と同様であるのでここでの説明は省略する。
図2及び図3は、固定子スロット104の回転軸1方向に垂直な断面を示すものである。図2は熱硬化性樹脂が含浸・硬化された後の固定子コイル106を、図3は熱硬化性樹脂が含浸・硬化される前の固定子コイル106をそれぞれ表したものである。
該図に示す如く、本実施の形態では、固定子鉄心103に形成される固定子スロット104の断面形状が、開口部側から回転子の径方向外側であるスロット底部側,即ち図面において下側に進むにつれ、固定子スロット104の周方向の幅が狭くなる構造となっており、しかも、固定子スロット104の固定子コイル16が配置される範囲の周方向の幅は開口部に最も近い位置で最大値W1となり、スロット底部位置で最小値W2となっている。つまり、開口部に最も近い位置と底部位置との間のスロット壁面は、略テーパー形状で開口部側からスロット底部側に向かうにしたがい幅狭となっている。
尚、固定子スロット104は、固定子鉄心103を構成する薄い電磁鋼板を金型で所定の形状に打ち抜くことで形成される。
このような構成の固定子スロット104内に、固定子コイル106を上下2段に設置するが、その固定子コイル106の製作方法について、以下に説明する。
まず、平角線等の素線導体を束ねて転位をさせながら略四角形状に導体101を成形し、この成形した導体101の外周には、ドライマイカテープを巻回して対地絶縁を担う主絶縁層102を形成する。主絶縁層102の外周には、固定子スロット104の軸方向長とほぼ同じ範囲に半導電性テープを巻回して固定子スロット104の内部放電防止用の低抵抗層105を形成する。該低抵抗層105の回転軸1方向の両端には、固定子鉄心103から離れる方向の、いわゆるコイルエンド部に対して主絶縁層102外周にSiC(シリコンカーバイド)を含む上述のものとは別の半導電性テープを巻回し、コイルエンド電界緩和層を形成する。固定子コイル106の外周には、該固定子コイル106を固定子スロット104内に配置する際、固定子コイル106の機械的損傷を防止し、かつ固定子コイル106をスムーズに固定子スロット104内に挿入するために、スロットライナ107が配置されている。こうして作成した固定子コイル106を一本と数える。
次に、固定子コイル106の固定子スロット104への固定の仕方について説明する。
まず、上記のように製作した固定子コイル106を固定子スロット104内部に挿入する。一般に、固定子スロット104内部に納める固定子コイル106は一本又は二本とする。本実施形態では、二本が配置された場合について説明しており、固定子スロット104内部には、開口部側コイル106aと底部側コイル106bとが収納されており、両者の間には層間絶縁108が配置され、互いに離隔されている。また、固定子コイル106が特に製作過程で固定子スロット104から脱落しないことや運転時のコイル振動を防止するために、固定子スロット104の開口部には絶縁物109を介して楔100が配置されており、この楔100により固定子コイル106が固定子スロット104の壁面に押圧固定されている。
固定子鉄心103の長手方向の寸法は、大型のものでは10m程度にも達する。係る大型のものについては、制作上主にハーフターン(1ターンハーフ)を一本として製作し、端部を電気的に接続し、かつ機械的に補強をした構造となっている。
本発明の実施形態では、固定子コイル106を固定する方式として上述した一体注入方式を採用している。以下、これについて説明する。
図3に示すように、固定子コイル106を固定子スロット104内に納め、熱硬化性樹脂を含浸・硬化する前は、固定子コイル106と固定子スロット104との間には隙間が空いている。
この状態の固定子を、予め内部が昇温乾燥された含浸容器に納めて真空引きを行い(真空脱気処理)、その後、熱硬化性樹脂であるレジンを加圧含浸を施しながら含浸容器に入れる。すると、真空引きした結果真空圧力下にある固定子スロット104内に圧力差を埋めるべく、レジンが注入される。固定子コイル106の表面に含浸されたレジンは、含浸過程で固定子スロット104の内壁に沿って膨張する。十分な量のレジンを注入した後、硬化炉内においてレジンが加熱硬化され、固定子コイル106が固定子スロット104へと固定される。ここで図2は含浸・硬化後の固定子コイル106を示す。
このような本実施形態では、固定子スロット104の回転軸1方向に垂直な断面形状を、底部側に進むにつれ、固定子スロット104の周方向の幅が狭くなる構造としている。
固定子コイル106の表面に含浸されたレジンは、底部側に進むにつれ、周方向の幅が狭くなる固定子スロット104の内壁に沿って膨張し、加熱硬化されるので、前述した電磁力に起因するスロット底部方向への応力が固定子コイル106に生じても、レジンを含めた固定子コイル106の幅が固定子スロット104の周方向の幅よりも狭い底部側へは動くことがなく、コイル振動の起点となる底部方向へのコイルの変位を抑制することができる。また、本実施形態では固定子コイル16が配置される範囲で、固定子スロット104の周方向の幅を開口部に最も近い位置で最大になるようにしたので、固定子コイル106の固定子スロット104への挿入を容易に行うことができる。
固定子コイル106の表面に含浸されたレジンは、底部側に進むにつれ、周方向の幅が狭くなる固定子スロット104の内壁に沿って膨張し、加熱硬化されるので、前述した電磁力に起因するスロット底部方向への応力が固定子コイル106に生じても、レジンを含めた固定子コイル106の幅が固定子スロット104の周方向の幅よりも狭い底部側へは動くことがなく、コイル振動の起点となる底部方向へのコイルの変位を抑制することができる。また、本実施形態では固定子コイル16が配置される範囲で、固定子スロット104の周方向の幅を開口部に最も近い位置で最大になるようにしたので、固定子コイル106の固定子スロット104への挿入を容易に行うことができる。
本実施形態ではスロットライナ107を固定子コイル106の外周に配置したので、固定子コイル106の挿入時や振動に伴う磨耗や衝撃力から導体101,主絶縁層102,低抵抗層105等に生ずる機械的損傷リスクを低減できる。また摩擦力が低減されることにより、固定子コイル106をスムーズに固定子スロット104へと挿入することができる。
次に、本発明の第二の実施形態について図4及び図5を用いて説明する。本実施形態は、固定子スロット204及び固定子コイル206の形状以外は第一の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
本実施形態でも図4は熱効果性樹脂が含浸・硬化された後の固定子コイル206を、図5は熱硬化性樹脂が含浸・硬化される前の固定子コイル206をそれぞれ表したものである。
該図に示す如く、本実施形態では、固定子鉄心103に形成される固定子スロット204の周方向の幅が、開口部側コイル206a及び底部側コイル206bがそれぞれ収納されるスロット開口部に最も近い位置で最大値W3をとり、両コイルがそれぞれ収納されるスロット底部位置で最小値W4をとるように構成されている。つまり、固定子スロット204の周方向の幅は、開口部側コイル206a,底部側コイル206bの両コイルが収納されるスロット開口部に最も近い位置と底部位置との間のそれぞれのスロット壁面は、略テーパー形状でスロット開口側から底部側に向うにしたがい幅狭となっている。
このような本実施形態では、固定子スロット204の周方向の幅を、開口部側コイル206a及び底部側コイル206bのそれぞれについて、スロット開口部に最も近い位置で最大値W3をとり、開口部側コイル206a,底部側コイル206bの両コイルそれぞれのスロット底部位置で最小値W4をとるようにしている。開口部側コイル206a,底部側コイル206bの両コイルの表面に含浸されたレジンは、上記の固定子スロット204の内壁に沿って膨張し、加熱硬化されるので、前述した電磁力に起因するスロット底部方向への応力が開口部側コイル206a,底部側コイル206bの両コイルに生じても、レジンを含めた開口部側コイル206a,底部側コイル206bの両コイルの幅が固定子スロット204の周方向の幅よりも狭い底部側へは動くことがなく、コイル振動の起点となる底部方向へのコイルの変位を抑制することができる。
また、底部側コイル206bの開口部側(径方向内側)における固定子スロット204の周方向の幅は幅狭(W4)となっており、開口部側コイル206a及び底部側コイル206bの表面に含浸されたレジンは、固定子スロット204の内壁に沿って膨張し、加熱硬化されるので、レジンを含めた開口部側コイル206a及び底部側コイル206bの幅が固定子スロット204の周方向の幅よりも狭い開口部側へは動くことがなく、さらに底部側コイル206bに関しては開口部方向への変位を抑制することもできる。
本発明の第三の実施形態について図6及び図7を用いて説明する。本実施形態は、固定子スロット304及び固定子コイル306の形状以外は第一の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
本実施形態でも図6は熱硬化性樹脂が含浸・硬化された後の固定子コイル306を、図7は熱硬化性樹脂が含浸・硬化される前の固定子コイル306をそれぞれ表したものである。
該図に示す如く、本実施形態では、固定子鉄心103に形成される固定子スロット304の周方向の幅が、開口部側コイル306aが収納されるスロット開口部側に最も近い位置と該開口部側コイル306aが収納されるスロット底部位置との略中間位置、及び底部側コイル306bが収納されるスロット開口部側に最も近い位置と該底部側コイル306bが収納されるスロット底部側位置との略中間位置で最大値W5をとり、開口部側コイル306a,底部側コイル306bの両コイルのスロット開口部側に最も近い位置とスロット底部側位置で最小値W6をとるように構成されている。つまり、スロット開口部側に最も近い位置と固定子スロット304の周方向の幅が最大値をとる位置及び固定子スロット304の周方向の幅が最大値をとる位置と底部側位置との間のそれぞれのスロット壁面は、開口部側コイル306a,底部側コイル306bの両コイルが収納される壁面共に、略くの字型のテーパー形状となっている。
このような本実施形態では、固定子スロット304の周方向の幅を、開口部側コイル306a及び底部側コイル306bの開口部側に最も近い位置と底部側位置との略中間位置で最大値W5をとり、スロット開口部側に最も近い位置と底部側位置で最小値W6をとるようにしており、最大値をとる位置から底部側位置との間が、幅狭となっている。開口部側コイル306a及び底部側コイル306bの表面に含浸されたレジンは、固定子スロット304の内壁に沿って膨張し、加熱硬化されるので、前述した電磁力に起因するスロット底部方向への応力が開口部側コイル306a及び底部側コイル306bに生じても、レジンを含めた開口部側コイル306a及び底部側コイル306bの幅が固定子スロット304の周方向の幅よりも狭い底部側へは動くことがなく、コイル振動の起点となる底部方向へのコイルの変位を抑制することができる。コイル振動の起点となる底部方向へのコイルの変位を抑制することができる。
また、開口部側コイル306a及び底部側コイル306b共に開口部が幅狭となっており、開口部側コイル306a及び底部側コイル306bの表面に含浸されたレジンは、固定子スロット304の内壁に沿って膨張し、加熱硬化されるので、レジンを含めた開口部側コイル306a及び底部側コイル306bの幅が固定子スロット304の周方向の幅よりも狭い開口部側へは動くことがなく、開口部側コイル306a及び底部側コイル306b共に開口部方向への変位を抑制することもできる。
本実施形態では、固定子スロット304の周方向の幅が開口部側コイル306a及び底部側コイル306bの開口部に最も近い位置と底部位置との間で一箇所最大値W5を有する場合について説明したが、複数箇所最大値W5を有する場合にも、上述の効果を得ることはできる。
また、上記各実施形態において、固定子スロットの底部位置が最小である場合を例として説明したが、固定子スロットの開口部側から底部側へ向かういずれかの部分(底部側端部も含むものとする。)に幅狭となる部分を有していれば、該部分からは固定子スロットから開口部方向への垂直抗力が固定子コイルに加わることとなり、垂直抗力の開口部方向成分によって、固定子スロット壁面からコイル振動の起点となる底部方向へのコイルの変位を抑制することができ、さらに固定子コイルの底部側から開口部側へ向かういずれかの部分に周方向の幅が狭くなる部分を有していれば、該部分からは底部方向への固定子スロットから垂直抗力が固定子コイルに加わることとなり、垂直抗力の底部方向成分によって、開口部方向への変位を抑制することもできる。
また、上記各実施形態では、固定子コイルは固定子スロットに二本挿入する場合について例として説明したが、一本のみであっても、上述した形状とすることで、垂直抗力が働くため、同様の効果を得ることができるのは言うまでもない。
1 回転軸
2 回転子
3 固定子
4 界磁コイル
5 固定子コイル支え
6 固定子コイル支持リング
16,106,206,306 固定子コイル
13,103 固定子鉄心
14,104,204,304 固定子スロット
100 楔
101 導体
102 主絶縁層
105 低抵抗層
106a,206a,306a 開口部側コイル
106b,206b,306b 底部側コイル
107 スロットライナ
108 層間絶縁
109 絶縁物
2 回転子
3 固定子
4 界磁コイル
5 固定子コイル支え
6 固定子コイル支持リング
16,106,206,306 固定子コイル
13,103 固定子鉄心
14,104,204,304 固定子スロット
100 楔
101 導体
102 主絶縁層
105 低抵抗層
106a,206a,306a 開口部側コイル
106b,206b,306b 底部側コイル
107 スロットライナ
108 層間絶縁
109 絶縁物
Claims (5)
- 回転軸と、該回転軸と共に回転する回転子鉄心と、該回転子鉄心に巻回された回転子コイルと、前記回転子鉄心の径方向外側に所定間隙をもって配置された固定子鉄心と、該固定子鉄心の軸方向に連通すると共に、径方向内側に開口部及び外側に底部を有し、かつ、周方向に所定間隔を持って形成されたスロット内に収納される固定子コイルとを備え、
前記固定子コイルは、前記固定子鉄心のスロット内に熱硬化性樹脂にて一体注入方式により固定されてなる回転電機において、
前記固定子鉄心のスロットの開口部側から底部側へ向うスロット壁面に、前記スロットの周方向幅が開口部より幅狭となる部分を有していることを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記スロットの周方向幅は、固定子コイルが配置される前記開口部に最も近い位置で最大値をとり、前記底部位置で最小値をとることを特徴とする回転電機。 - 請求項1又は2に記載の回転電機において、
前記固定子コイルは、前記スロット内の底部側と開口部側に上下2段に配置されていることを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記固定子コイルは、前記スロット内の底部側と開口部側に上下2段に配置され、かつ前記固定子スロットの周方向の幅が、前記開口部側コイル及び底部側コイルがそれぞれ収納されるスロット開口部に最も近い位置で最大値をとり、前記両コイルがそれぞれ収納されるスロット底部位置で最小値をとることを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記固定子コイルは、前記スロット内の底部側と開口部側に上下2段に配置され、かつ前記固定子スロットの周方向の幅が、前記スロット開口部側に配置されるコイルの開口部に最も近い位置と該スロット開口部側に配置されるコイルの底部位置との中間位置、及び前記スロット底部側に配置されるコイルの開口部に最も近い位置と該スロット底部側に配置されるコイルの底部位置との中間位置で最大値をとり、該両コイルのスロット開口部側に最も近い位置とスロット底部側位置で最小値をとることを特徴とする回転電機。
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ID=41591408
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008166696A Pending JP2010011607A (ja) | 2008-06-26 | 2008-06-26 | 回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010011607A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020036042A1 (ja) * | 2018-08-15 | 2020-02-20 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 固定子、回転電機、自動車用電動補機装置 |
-
2008
- 2008-06-26 JP JP2008166696A patent/JP2010011607A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020036042A1 (ja) * | 2018-08-15 | 2020-02-20 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 固定子、回転電機、自動車用電動補機装置 |
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